JP2004168555A - 透光性超微粒ダイヤモンド焼結体とその製造法 - Google Patents

透光性超微粒ダイヤモンド焼結体とその製造法 Download PDF

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Abstract

【課題】透光性ダイヤモンド焼結体を従来技術よりも圧倒的に低い圧力条件で製造する手段を提供する。
【構成】粒径幅0〜0.1μmの超微粒天然ダイヤモンド粉末を脱シリケート処理した後に水溶液を用いて凍結乾燥することにより調製した粉末をアントラセン等の炭素と水素からなる炭水素化物上に積層させてTa又はMo製カプセルに封入し、該カプセルを超高圧合成装置を用いてダイヤモンドの熱力学的安定条件の1900℃以上の温度、7.5GPa以上の圧力下、又は1800℃以上の温度、9.0GPa以上の圧力下で加熱加圧することにより、焼結体の粒子径が100nm以下であり、透光性及び電気伝導性を有する透光性超微粒ダイヤモンド焼結体を得る。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、透光性超微粒ダイヤモンド焼結体とその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、Co等の金属を焼結助剤とするダイヤモンド焼結体や微粒ダイヤモンド焼結体が通常の超高圧合成装置で製造されることが知られている(特許文献1,2)。また、金属焼結助剤を全く使用しないで、アルカリ土類金属の炭酸塩を焼結助剤に用いて、従来よりも高い圧力、温度条件下で焼結することにより、耐熱性に優れた高硬度ダイヤモンド焼結体を得る合成法が知られている(非特許文献1)。しかしながら、これらの焼結体は、その粒子径が約5μmと比較的大きな粒子径に限定されている。
【0003】
本発明者らは、CO−HO流体相の源となるシュウ酸二水和物を炭酸塩に添加した混合粉末を作製し、この混合粉末上に粒径幅0〜1μmの天然ダイヤモンド粉末を積層し、微粒ダイヤモンド焼結体を製造する方法を報告した(特許文献3,非特許文献2,3)が、その製造には2200℃以上の高温を必要とする。
【0004】
本発明者らは、同様な方法で、さらに微細なダイヤモンド粉末、例えば、粒径幅0〜0.1μmのダイヤモンド粉末を焼結した例を報告した(非特許文献4)。しかし、ダイヤモンドの異常粒成長が起こり、高硬度ダイヤモンド焼結体を製造することが出来なかった。
【0005】
最近、黒鉛からダイヤモンドヘの直接変換反応により12〜25GPa、2000〜2500℃の条件で焼結助剤なしでダイヤモンド焼結体を合成する方法が発表され、透光性焼結体となると報告されている(非特許文献5)。
【0006】
【特許文献1】
特公昭52−12126号公報
【特許文献2】
特公平4−50270号公報
【特許文献3】
特開2002−187775号公報
【0007】
【非特許文献1】
Diamond and Related Mater.,5巻,34−37ページ,Elsevier Science S.A,1996年
【非特許文献2】
第41回高圧討論会講演要旨集108ページ,日本高圧力学会,2000年
【非特許文献3】
Proceedings of the 8th NIRIM International Symposium on Advanced Materials,33−34ページ,無機材質研究所,2001年
【非特許文献4】
第42回高圧討論会講演要旨集89ページ,日本高圧力学会,2001年
【非特許文献5】
T.Irifune et al.,“Characterization of polycrystalline diamonds synthesized by direct conversion of graphite using multi anvil apparatus”,6thHigh Pressure Mineral Physics Seminar,28 August,2002,Verbania,Italy
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ダイヤモンド焼結体の製造方法において、焼結助剤を用いる従来法では、透光性ダイヤモンド焼結体の合成は難しく、焼結助剤を全く使用しない黒鉛からダイヤモンドへの直接変換による反応焼結では、透光性ダイヤモンドの合成条件が、12〜25GPaと非常に高い圧力と2000〜2500℃の高温を必要とするため、得られる焼結体の大きさに制限がある。
【0009】
このように、透光性となるダイヤモンド焼結体の合成条件は、たいへん厳しい条件であるとともに、合成できる焼結体が直径1〜2mm程度と小さいため、超硬質材料としての応用が限定されている。
本発明は、透光性ダイヤモンド焼結体を従来技術よりも圧倒的に低い圧力条件で製造する手段を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、焼結助剤は使用するのであるが、最終的に焼結体中に固体の焼結助剤が残らないで、焼結体中の結晶相をX線回折計で調べた場合、ダイヤモンドのみが検出される透光性ダイヤモンド焼結体を開発すべく鋭意研究を重ねてきた。
【0011】
その結果、粒径幅0〜0.1μmの超微粒天然ダイヤモンド粉末を脱シリケート処理した後に凍結乾燥して調製した粉末を用いれば、例えば、アントラセンのような炭素と水素からなる炭水素化物が焼結助剤として機能し、透光性ダイヤモンド焼結体が合成できることを見出した。
【0012】
すなわち、本発明は下記のとおりである。
(1)粒径幅0〜0.1μmの超微粒天然ダイヤモンド粉末を脱シリケート処理した後に水溶液を用いて凍結乾燥した粉末をアントラセン等の炭素と水素からなる炭水素化物を焼結助剤として焼結した、焼結体の粒子径が100nm以下であり、透光性及び電気伝導性を有することを特徴とする透光性超微粒ダイヤモンド焼結体。
【0013】
(2)粒径幅0〜0.1μmの超微粒天然ダイヤモンド粉末を脱シリケート処理した脱に水溶液を用いて凍結乾燥することにより調製した粉末をアントラセン等の炭素と水素からなる炭水素化物上に積層させてTa又はMo製カプセルに封入し、該カプセルを超高圧合成装置を用いてダイヤモンドの熱力学的安定条件の1900℃以上の温度、7.5GPa以上の圧力下で加熱加圧することによりダイヤモンド粉末を焼結することを特徴とする透光性超微粒ダイヤモンド焼結体の製造法。
【0014】
(3)粒径幅0〜0.1μmの超微粒天然ダイヤモンド粉末を脱シリケート処理した脱に水溶液を用いて凍結乾燥することにより調製した粉末をアントラセン等の炭素と水素からなる炭水素化物上に積層させてTa又はMo製カプセルに封入し、該カプセルを超高圧合成装置を用いてダイヤモンドの熱力学的安定条件の1800℃以上の温度、9.0GPa以上の圧力下で加熱加圧することによりダイヤモンド粉末を焼結することを特徴とする透光性超微粒ダイヤモンド焼結体の製造法。
【0015】
本発明の製造法では、アントラセン等の炭素と水素からなる炭水素化物を焼結助剤に使用するのであるが、この化合物からの分解生成物は、水素またはCnH2n+2で表される分子で、超高圧下でこれらの超臨界状態の分子が焼結助剤として機能すると考えられる。得られた焼結体について、IRスペクトルにC−Hの伸縮振動に起因する吸収が確認されたことから、水素かCHのどちらかが焼結体中に存在すると考えられる。
【0016】
従来の市販の焼結体では焼結助剤が焼結体中に結晶相として存在するが、本発明によるダイヤモンド焼結体では、X線回折図形にはダイヤモンドのみが結晶相として存在する。このため、透光性ダイヤモンド焼結体が合成されると考えられる。
【0017】
本発明のダイヤモンド焼結体の平均粒子径は電子顕微鏡観察で100nm以下であり、異常粒成長の全く認められない均質な微細粒子からなるので、優れた耐摩耗性と耐熱性を有し、鋭利な刃先形状に加工可能であることから、例えば、高Si−Al合金等の難削材料の仕上げ切削、金属・合金の超精密加工工具に適用した場合、優れた加工性能を発揮する。
【0018】
また、本発明のダイヤモンド焼結体は粉末X線回折でダイヤモンド以外の回折線が認められず、透光性でない不純物の存在しない高純度のものであり、焼結助剤を使用した焼結体が不透明であるのに対して、焼結体を通して透過光により文字等を明確に視認できる十分な透光性があるので、透光性の要求される耐磨耗材料(ミサイルの窓材とか水熱反応容器の窓材等又は高圧発生用圧力部材)として有用であり、宝飾品としても価値を発揮する。
【0019】
さらに、本発明のダイヤモンド焼結体は、テスターによる1kΩのレンジで明瞭に電気伝導を確認できる程度の電気伝導性を有する。伝導のメカニズムは不明であるが、焼結体中に黒鉛が相当量存在すれば、透光性にならないと考えられるので、電気伝導性は焼結体中に水素又はメタンのような炭化水素が存在して伝導に寄与するのではないかと考えられる。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明のダイヤモンド焼結体を製造するために用いる脱シリケート処理した超微粒天然ダイヤモンド粉末は具体的には以下のようにして調製する。なお、この方法は、特願2002−030863号明細書に開示した二次粒子の形成を抑制したダイヤモンド粉末の調製法と同様の方法である。
【0021】
市販の粒径幅0〜0.1μmの天然ダイヤモンド粉末をジルコニウム坩堝を用いて、溶融水酸化ナトリウム中で処理し、ダイヤモンド中に不純物として含有する珪酸塩を水溶性の珪酸ナトリウムに変換する。
なお、微粉末ダイヤモンドについては規格化された測定方法に基づく粒度規格は存在しないが、粒径幅を0〜1/4,0〜1/2,0〜1,0〜2,1〜3,2〜4,4〜8のように区分して標準粒度規格(中心粒径は粒径幅の中間値)としたものに基づいて市販されており、本明細書において、天然ダイヤモンド粉末の粒径幅はこのような区分に基づくものである。
【0022】
溶融水酸化ナトリウム中からダイヤモンド粉末をアルカリ水溶液中に回収し、塩酸で中和処理してから、蒸留水で数回水洗して、塩化ナトリウムを除去する。
ダイヤモンド粉末が分散した溶液に王水を加えて、熱王水中でダイヤモンド粉末を処理し、ジルコニウム坩堝から混入の可能性のあるジルコニウムを除去する。熱王水処理後、蒸留水で3回以上水洗し、弱酸性溶液中にダイヤモンド粉末を回収する。ダイヤモンド粉末を分散している処理溶液はpH約3〜5の弱酸性となっている。
【0023】
この脱シリケート処理したダイヤモンド粉末を分散した弱酸性水溶液をプラスチック製等の容器中で好ましくは、約20〜30分間、振盪器を用いて十分に振盪処理をし、次に、液体窒素中で該容器を撹拌しながら、短時間で凍結する。振盪器から移して液体窒素に浸すまでの時間はできるだけ短く、好ましくは30秒以内とする。その結果、プラスチック製容器の底へのダイヤモンド粉末の沈降は抑制され、二次粒子の形成も抑制される。液体窒素は安価であること、及び溶液を容易に凍結可能であるので冷凍処理に用いるのに適している。
【0024】
凍結乾燥は、凍結したダイヤモンド粉末の入った容器の蓋を緩めて、真空中に配置し、凍結物を真空状態にすると、凍結した弱酸性の氷が昇華する。昇華熱により凍結物の入った容器は冷却され、凍結した状態を保つことができる。気化した水分は、真空ポンプの排気系の途中に−100℃以下の冷凍器を配置して、トラップする。この場合、15grのダイヤモンド粉末/100mlの溶液系では、凍結乾燥に約4日間を要する。
【0025】
この方法は、容器中の水溶液に微細なダイヤモンド粉末を分散させたまま、ダイヤモンド粒子表面が水溶液で覆われている状態で凍結し、そのまま凍結乾燥することにより、二次粒子の形成を抑制する方法である。凍結乾燥した状態でダイヤモンド粉末はバラバラの粉末状となり、従来法のろ過・加熱乾燥法のそれらと全く異なり、流動性に富んださらさらとした粉末が得られる。上記の凍結乾燥法により調製した粉末は、電子顕微鏡観察で平均粒子径約80nmの一次粒子である。なお、上記には具体的な数値条件を例示したが、凍結乾燥により結果として上記のように二次粒子の形成を抑制したさらさらした粉末が得られればよく、具体的数値条件は適宜変更できる。
【0026】
本発明の焼結体の製造には、上記のような方法で凍結乾燥により調製した超微粒ダイヤモンド粉末を出発物質として用いる。図1は、本発明の製造法において、ダイヤモンド粉末を焼結するための流体相封止可能な焼結体合成用カプセルにダイヤモンド粉末を充填した状態の一例を示す断面図である。
【0027】
図1に示すように、円筒状のTa又はMo製カプセル4の底にカプセルの変形抑制用の黒鉛製円盤1Aを置き、Ta又はMo箔5Aを介してダイヤモンド粉末2Aを層状に加圧充填後、その上にアントラセンなどの炭水素化合物3Aを層状に同じ圧力で加圧充填する。さらに、炭水素化合物3Aの層上に同じダイヤモンド粉末2Bを層状に同じ成形圧で積層する。さらに、その上に、繰り返してTa又はMo箔5B、ダイヤモンド粉末2C、炭水素化合物3B、ダイヤモンド粉末2Dをそれぞれ層状に加圧充填する。最上層のダイヤモンド粉末2D上にTa又はMo箔5Cを配置して、その上にカプセルの変形抑制用の黒鉛製円盤1Bを配置する。Ta又はMo箔は、所望の厚さの焼結体を合成するためのダイヤモンド粉末どうしの分離、黒鉛とダイヤモンド粉末の分離、圧力媒体の侵入防止、流体相のシール等のために用いている。
【0028】
炭水素化合物としては、アントラセンの他に、同様な固体の炭水素化物のアダマンタン、ナフタレン、フェナントレンなどが挙げられる。アントラセンの量は、ダイヤモンド粉末の総量に対して約5〜10重量%程度が好ましい。例えば、ダイヤモンド粉末200mgの二層の間に20〜40mgのアントラセンが適当である。これにより、Ta/ダイヤ200mg/アントラセン20〜40mg/ダイヤ200mg/Ta/ダイヤ200mg/アントラセン20〜40mg/ダイヤ200mg/Taの層構造となる。
【0029】
このカプセルを圧力媒体中に収容し、ベルト型超高圧合成装置などの静的圧縮法による超高圧装置を用いて、室温条件下で7.5GPa以上まで加圧し、同圧力条件下で1900℃以上の所定の温度まで加熱して、焼結を行う。圧力が7.5GPa未満では、1900℃以上の温度でも炭水素化物がダイヤモンド合成触媒として機能し難くなる。また、圧力を高めて9.0GPa以上にすると、1800℃以上の焼結温度で透光性焼結体が得られる。温度、圧力は必要以上に高くしてもエネルギー効率を悪くするだけであるから、装置の対応限度も考慮して必要最小限度とすることが望ましい。
【0030】
【実施例】
以下、本発明のダイヤモンド焼結体の製造法を実施例に基づいて具体的に説明する。
(実施例1)
市販の粒径幅0〜0.1μmの天然ダイヤモンド粉末を出発物質として上記のとおりの凍結乾燥法で調製した粉末を用意した。この粉末は電子顕微鏡観察から平均粒径80nmと決定された。肉厚0.8mm、内径10mmの円筒状Ta製カプセルの底にカプセルの変形抑制用の2.5mm厚の黒鉛製円盤を置き、Ta箔を介してこのダイヤモンド粉末200mgを層状に100MPaの圧力で充填した。
このダイヤモンド粉末層の上に40mgのアントラセンを同じ圧力で充填した。さらに、その上にダイヤモンド粉末200mgを同じ圧力で充填した。上層のダイヤモンド粉末上にTa箔を置き、Ta箔の上には、カプセルの変形を抑制するために、2.5mm厚の黒鉛製円盤を配置した。
【0031】
次に、カプセルを塩化セシウムの圧力媒体中に充填し、ベルト型超高圧合成装置を用いて7.7GPa、2300℃の条件で30分間処理した後、合成装置よりカプセルを取り出した。
【0032】
焼結体の表面に形成されたTaC等をフッ化水素酸−硝酸溶液で処理して除去し、焼結体の上下面をダイヤモンドホイールで研削した。焼結体の破面の電子顕微鏡による組織観察の結果、図2(A)及びその拡大図であるに図2(B)示すように、平均粒子径80nmの微細粒子からなる均質な焼結体であった。は(A)を拡大したものである。また、焼結体を透過光で観察した結果、図3に示すように、焼結体が透光性であることが明らかとなった。
【0033】
(比較例1)
焼結温度を1800℃とした以外は、実施例1と同じ製造法で焼結した。回収後の試料は不透明で、機械的強度も全くない未焼結なものであった。これは焼結時の温度が1900℃未満で、圧力が低いことに起因する。
【0034】
(比較例2)
粒径幅0〜1μmの天然ダイヤモンド粉末を出発物質とした以外は、実施例1と同じ製造法で焼結体を得た。得られた焼結体は、層状割れや立て割れのある乳白色の、透光性焼結体とは程遠いものであった。
【0035】
(比較例3)
粒径幅0〜0.25μmの天然ダイヤモンド粉末を出発物質とした以外は、実施例1と同じ製造法で焼結した。回収後の試料は、塊としては回収されたが、円周部に欠けの認められる、灰色のものであり、透光性焼結体とは程遠いものであった。
【0036】
(実施例2)
焼結温度を実施例1より低い2000℃とした以外は、実施例1と同じ製造法で焼結した。得られた焼結体を光学顕微鏡観察した。焼結体はまぎれもなく透光性であったが、焼結体の中心部が一部不透明のままであった。
【0037】
(実施例3)
アントラセンの量を15mg、各層のダイヤモンド粉末の量を60mgとし、圧力を9.4GPa、焼結温度を1800℃とした。その他の条件は実施例1と同じとした。得られた焼結体を酸処理後、光学顕微鏡観察した。その結果、アントラセンに接していたダイヤモンド焼結体に一部粒成長層が認められた。この粒成長層を削り落とすため及び焼結体を平坦にするために、焼結体の上下面を研削した。研削後の焼結体のヴィカース硬さを測定した。その硬さは、80GPaと高硬度であった。また、焼結体は透光性であった。
【0038】
【発明の効果】
本発明の製造法により合成される透光性超微粒ダイヤモンド焼結体は、従来の天然ダイヤモンド粉末から合成される焼結体とは異なる優れた高硬度材料としての特性を持っているばかりでなく、透光性高硬度材料や宝飾品としてのその応用が期待される。
本発明のダイヤモンド焼結体はナノメーターの粒子径からなる高純度高硬度焼結体であることから、従来の焼結体にない特性を持っているため、超精密加工用工具、難削材料の加工工具等の分野での用途が期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の製造法において、ダイヤモンド粉末を焼結するための流体相封止可能な焼結体合成用カプセルにダイヤモンド粉末を充填した状態の一例を示す断面図である。
【図2】図2は、実施例1で得られたダイヤモンド焼結体の破面の図面代用電子顕微鏡写真である。
【図3】図3は、実施例1で得られたダイヤモンド体の透光性を示す図面代用光学写真である。
【符号の説明】
1A,1B 黒鉛製円盤
2A,2B,2C, 2D ダイヤモンド粉末
3A, 3B アントラセン等の炭水素化物
4 Ta又はMo製カプセル
5A,5B, 5C Ta又はMo箔

Claims (3)

  1. 粒径幅0〜0.1μmの超微粒天然ダイヤモンド粉末を脱シリケート処理した後に水溶液を用いて凍結乾燥した粉末をアントラセン等の炭素と水素からなる炭水素化物を焼結助剤として焼結した、焼結体の粒子径が100nm以下であり、透光性及び電気伝導性を有することを特徴とする透光性超微粒ダイヤモンド焼結体。
  2. 粒径幅0〜0.1μmの超微粒天然ダイヤモンド粉末を脱シリケート処理した後に水溶液を用いて凍結乾燥することにより調製した粉末をアントラセン等の炭素と水素からなる炭水素化物上に積層させてTa又はMo製カプセルに封入し、該カプセルを超高圧合成装置を用いてダイヤモンドの熱力学的安定条件の1900℃以上の温度、7.5GPa以上の圧力下で加熱加圧することによりダイヤモンド粉末を焼結することを特徴とする透光性超微粒ダイヤモンド焼結体の製造法。
  3. 粒径幅0〜0.1μmの超微粒天然ダイヤモンド粉末を脱シリケート処理した後に水溶液を用いて凍結乾燥することにより調製した粉末をアントラセン等の炭素と水素からなる炭水素化物上に積層させてTa又はMo製カプセルに封入し、該カプセルを超高圧合成装置を用いてダイヤモンドの熱力学的安定条件の1800℃以上の温度、9.0GPa以上の圧力下で加熱加圧することによりダイヤモンド粉末を焼結することを特徴とする透光性超微粒ダイヤモンド焼結体の製造法。
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