JP2004168434A - エレベータの秤装置の再調整方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】秤装置(リニアフォーマ)の出力特性の再調整作業をテストウェイトを用いずに行うこと。
【解決手段】設置初期時点の特性A0が経年変化によりどのように変化するかを考察することなく従来はテストウェイトを用いて再調整作業を行っていたが、本発明では現在時点の特性A1は特性A0を平行移動したものであると見做している。したがって、0%荷重時のリニアフォーマの出力電圧1.9Vを検出したら、これを可変抵抗を調整して2.1Vに一致させることにより、特性A1を特性A0に戻すことができる。
【選択図】 図2
【解決手段】設置初期時点の特性A0が経年変化によりどのように変化するかを考察することなく従来はテストウェイトを用いて再調整作業を行っていたが、本発明では現在時点の特性A1は特性A0を平行移動したものであると見做している。したがって、0%荷重時のリニアフォーマの出力電圧1.9Vを検出したら、これを可変抵抗を調整して2.1Vに一致させることにより、特性A1を特性A0に戻すことができる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エレベータのかご内荷重を検出する秤装置として用いられるリニアフォーマについて、その出力特性を再調整するためのエレベータの秤装置の再調整方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図3は、エレベータの一般的な構成を模式的に示した説明図である。この図において、かご1の上部は上梁2に固着されており、この上梁2にはメインロープ3の一端側が取り付けられている。メインロープ3は、巻上シーブ5及びソラセシーブ6に掛け渡された状態で、その他端側がカウンタウェイト4に取り付けられている。巻上シーブ5は駆動モータ7により回転駆動されるようになっており、駆動モータ7はエレベータ制御回路8により制御されるようになっている(なお、駆動モータ7は実際には図示を省略してあるインバータ装置を介して制御される)。
【0003】
かご1の床板1aの底面側には複数個の弾性部材としての防振ゴム9を介してフレーム部材10が配設されており、フレーム部材10の下面側は下梁11に固着されている。そして、床板1aの底面側の略中央位置には、上端部及び下端部に一対の取付座12,12を有する秤装置としてのリニアフォーマ13が配設されている。このリニアフォーマ13は、所定位置に固定されたコイル部13aと、このコイル部13a内を挿通するコア部13bとで構成されており、コイル部13aとコア部13bとの間の相対的位置変化に基づき、荷重検出信号としての電圧信号を出力するようになっている。つまり、床板1a上の荷重が増加すると防振ゴム9が撓み、床板1a自体が微少量だけ下方に変位するので、これに伴ってコイル部13aを挿通しているコア部13bの位置も下方に変位する。このときのコア部13bの変位量に応じてコイル部13aに誘起される電圧レベルが変化するので、この電圧レベルの変化を荷重状態の変化を表す電圧信号として取り出すことができる。この電圧信号はエレベータ制御回路8内のゲイン制御回路14に出力されるようになっており、ゲイン制御回路14はこの電圧信号に基づき駆動モータ7に対するゲイン制御を行っている。
【0004】
図3の構成は所謂「つるべ式」エレベータと呼ばれるものであり、エレベータ制御回路8は、かご1側とカウンタウェイト4側との間の重量差に応じて駆動モータ7の駆動力を制御し、かご1及びカウンタウェイト4を巻上シーブ5及びソラセシーブ6を介して互いに逆方向に昇降動させるようになっている。また、一般には、かご1内の荷重が45%(エレベータの機種によっては50%の場合もある)の荷重状態のときにかご1側とカウンタウェイト4側とがバランスするようになっており、このバランス状態ではリニアフォーマ13から0Vの電圧信号が出力されるようになっている。そして、かご1内の荷重が45%より大きくなるにしたがって電圧信号はマイナス側に大きくなり、一方、かご1内の荷重が45%より小さくなるにしたがって電圧信号はプラス側に大きくなっていく。
【0005】
図4は、このようなかご1内の荷重状態とリニアフォーマ13から出力される電圧信号との間の関係を示す荷重−電圧特性図である。この図における直線A0は、エレベータの新規設置時すなわちリニアフォーマ13の設置初期時点の特性を示すもので、それぞれ0%荷重のときに2.1V、45%荷重のときに0V、100%荷重のときに−2.5Vの電圧信号がリニアフォーマ13から出力されることを示しており、その傾きはαとなっている。
【0006】
リニアフォーマ13は上記のような特性を有する電圧信号を出力し、ゲイン制御回路14はこの電圧信号に基づき駆動モータ7に対するゲイン制御を適正に行うことができるので、かご1における快適な乗り心地が確保されるようになっている。しかし、リニアフォーマ13の設置初期時点からある程度の期間が経過すると、図4に示したような荷重状態と電圧レベルとの間の対応関係についての誤差が次第に大きくなり、電圧信号が正しい荷重状態を表すものではなくなってくる。そのため、ゲイン制御回路14はゲイン制御を適正に行うことができなくなり、したがってかご1における快適な乗り心地が確保されない結果となる。例えば、かご1が上昇しようとする場合に一旦下降してから上昇動作を開始したり、あるいは逆に、かご1が下降しようとする場合に一旦上昇してから下降動作を開始したりするようになる(このような現象は「吊り落とし」と呼ばれている)のでエレベータ利用者に不快感を与える結果となっている。
【0007】
リニアフォーマ13は一種の変圧器と考えることができ簡易で故障し難い構造を有しているため(リニアフォーマの構造については例えば特許文献1を参照)、上記のような荷重−電圧特性の誤差の増大をもたらす原因がリニアフォーマ13自体に存在しているわけではない。その原因は、リニアフォーマ13におけるコイル部13aとコア部13bとの間の相対的位置変化を、弾性部材である防振ゴム9の変形を利用して生じさせる構造を採用した点に存在している。すなわち、リニアフォーマ13の設置初期時点からある程度以上の期間が経過すると防振ゴム9(その材質は例えば天然ゴムであり、硬度は35〜53度程度である)に経年変化による材質劣化が生じ、同一荷重に対する撓み量が変化するのを避けることができなくなる。そして、この材質劣化のために荷重状態と電圧レベルとの間の正しい対応関係が損なわれ、同一の荷重であってもある程度以上の期間が経過するとリニアフォーマ13は設置初期時点とは異なるレベルの電圧信号を出力してしまう結果となるのである。
【0008】
そこで、このような事態に対処するため、従来は、リニアフォーマ13の設置初期時点から一定期間経過した後は、例えば次のような方法でリニアフォーマ13の荷重−電圧特性についての再調整が行われていた。まず、作業員M1が所定個数のテストウェイト16を持ち込み、かご1内荷重を45%荷重とする。このとき、リニアフォーマ13は設置初期時点であれば0Vの電圧信号を出力したはずであるが、現在時点では防振ゴム9の材質劣化のためにコア部13bの位置変化量が大きくなっており、マイナス側の電圧信号を出力している。そのため、作業員M1はゲイン制御回路14に付設されている特性可変手段としての可変抵抗15の抵抗値を調整して、現在時点ではマイナス側に振れている電圧信号を設置初期時点における0Vに戻すようにする。なお、直線A0上において「45%荷重」で「0V」の位置を「ゼロ点」と呼び、このゼロ点を正しい位置に設定することをゼロ点調整と呼ぶことがある。
【0009】
次いで、作業員M1は更に多くの個数のテストウェイト16をかご1内に積み込み、かご1内荷重を100%荷重とし、このときのリニアフォーマ13の電圧信号が−2.5Vになっているか否かを確認することにより、特性直線A0の傾きがαになっているか否かを判別する。そして、この後、かご1内から全てのテストウェイト16を運び出し、かご1内荷重を0%荷重とした状態で実際にエレベータの運転を行い、「吊り落とし」現象が生じないか等を確認するなどリニアフォーマ13の荷重−電圧特性についての再調整が適正に行われたか否かを検証する。このような再調整作業により、かご1内の荷重状態とリニアフォーマ13の電圧信号の電圧レベルとの間の正しい対応関係を回復することができ、ゲイン制御回路14は駆動モータ7に対するゲイン制御を正しく行うことが可能となる。
【0010】
【特許文献1】
特開平8−245109号公報(段落0004,0005、図5参照。但し、この公報では「リニアフォーマ」ではなく「差動トランス」と呼んでいる。)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記したリニアフォーマの出力特性再調整方法は、複数個のテストウェイト16をかご1内に持ち込んだり、あるいはかご1内から持ち出したりする運搬作業を伴うために、作業員M1に多大な労力を強いるばかりか、多くの作業時間を要する結果となっている。また、作業員M1が運搬作業中に誤ってテストウェイト16を落としてしまうことなどにより思わぬ怪我をしたり、建物や器財等を損傷したりする虞もある。更に、テストウェイト16は所定の保管場所で保管しておく必要があるが、決して頻繁に行われる訳ではないリニアフォーマの出力特性の再調整作業のために、かなりのスペースを必要とする保管場所を確保しておかなければならなかった。このように、従来のリニアフォーマの出力特性の再調整方法は、テストウェイト16を使用して行うことを前提としていたため、エレベータ保守会社やユーザに対して多くのデメリットをもたらすものとなっていた。
【0012】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、テストウェイトを用いることなく再調整作業を行うことが可能なエレベータの秤装置の再調整方法を提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための手段として、請求項1記載の発明は、弾性部材を介してかごに取り付けられたリニアフォーマの荷重−電圧特性につき特性可変手段を用いて再調整を行う場合のエレベータの秤装置の再調整方法において、0%荷重状態での前記リニアフォーマの出力電圧データにつき、リニアフォーマの設置初期時点のものと現在時点のものとを比較し、両時点のデータの差が一定レベル以上で且つ可変抵抗で調整可能な範囲内のものである場合に、前記特性可変手段を用いて0%荷重状態の現在時点での出力電圧レベルを設置初期時点での出力電圧レベルに一致させることにより、リニアフォーマの現在時点の0%荷重状態から100%荷重状態に至るまでの出力特性の再設定を行う、ことを特徴とする。
【0014】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記両時点のデータの差が一定レベル以上で且つ可変抵抗では調整不可能な範囲のものである場合に、前記リニアフォーマの取付位置を調整することにより、前記両時点のデータの差が一定レベルを下回るか又は可変抵抗で調整可能な範囲のものとなるようにする、ことを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態に係るエレベータの秤装置の再調整方法につき説明する。なお、本実施形態の再調整方法が適用されるエレベータシステムの構成は図3に示したものと同一構成である。本発明の再調整方法は極めて簡潔なものであり、その内容は、かご1内の荷重状態を無荷重状態すなわち0%荷重状態とし、この状態でリニアフォーマ13から出力される電圧信号の電圧レベルを、可変抵抗15を調整することにより設置初期時点における電圧レベルに戻すようにしたことである。
【0016】
この内容を図2の特性図を用いて更に詳しく説明する。この図における直線A0は図4におけるものと同じものであり、リニアフォーマ13の設置初期時点の特性を示している。従来の再調整方法は、既述したように、テストウェイト16をかご1内に持ち込んで実際の荷重状態を再現するようにし、この状態でゼロ点調整を行うものであった。従来、このようにテストウェイト16を用いて再調整作業を行っていた理由は、経年変化によってリニアフォーマ13の出力特性A0が実際にどのように変化するのかについて確実に知ることができないため、かご1内の床板1a上へ実際に荷重を加えた状態にした上でゼロ点調整作業を行えば、とりあえず実際のエレベータ運転には支障のない確実な調整結果が得られるであろうという安易な考えに基づいている。
【0017】
これに対し、本発明では、リニアフォーマ13の設置初期時点の特性A0は、矢印Y1で示すように、ある程度以上の期間が経過すると経年変化により現在時点の特性を示すA1に変化するが、この特性A1は特性A0が平行移動しただけのものに過ぎないはずであるということを前提としている。このような前提は、リニアフォーマ13の構造上、リニアフォーマ13自体には経年変化による機能劣化は考えられないため、特性A0から特性A1への劣化は専ら防振ゴム9の材質劣化に起因するが、この材質劣化は防振ゴム9の弾性を失わせる程のものではないという事実から帰結されるものである(防振ゴム9の弾性が失われるには、数十年以上の非常に長い期間を要するものと考えられる)。
【0018】
したがって、特性A1が特性A0の平行移動によって生じるものであるならば、特性A1上のある一点を特定し、この点を可変抵抗15の調整により特性A1上に再度移動させてやれば、矢印Y2で示すように、特性A1全体を特性A0に戻すことが可能となる。そして、可変抵抗15の調整により移動させる一点として0%荷重(すなわち無荷重)に対応する点を選択してやれば、従来のようにテストウェイト16を用いる必要がないので好都合である。例えば、現在時点で検出した0%荷重時の出力電圧が1.9Vである場合、保守作業員は設置初期時点での0%荷重時の出力電圧が2.1Vであったことを調べ(この「2.1V」というデータは、エレベータ新規設置仕様データの一つとして必ず保存されているものである)、可変抵抗15を調整することによりこの出力電圧1.9Vを2.1Vにスライドさせてやればよい。この場合、特性A1と特性A0とは互いに平行な関係にあり、勾配は共に同一のαであることが分かっているから、勾配がαになっていることをわざわざ確認する作業は不要となる。
【0019】
保守作業員は、上記のような簡単な作業だけでリニアフォーマ13の出力特性の再調整作業を終了させることができ、したがって、再調整作業を行う保守作業員の労力を大幅に軽減することができる。また、再調整作業に要する時間についても、テストウェイトを用いた従来方法によれば120分程度であったが、本発明の再調整作業によれば10数分程度の時間に短縮することができる。なお、本発明の再調整作業の信頼性については、テストウェイトを用いた従来方法と変わらないものであることが本発明の発明者により検証済みである。
【0020】
図1は、本実施形態に係るエレベータの秤装置の再調整方法の具体的手順を示したフローチャートである。まず、保守作業員は、現在時点の0%荷重状態の出力電圧D1(上記の例では1.9V)を検出する(ステップ1)。次いで、保守作業員は、保存されているエレベータ新規設置仕様データの中から設置初期時点の0%荷重状態の出力電圧D0(上記の例では2.1V)を調べ、このD1とD0とを比較する(ステップ2)。そして、D1とD0との差が±0.1V以内であるか否かを判別し(ステップ3)、もし±0.1V以内であるならば再調整は不要なのでそのまま作業を終了する。
【0021】
上記の例では、D1とD0との差は−0.2Vであるため、ステップ3での判別結果は「NO」となる。そこで、保守作業員は、次に、この−0.2Vという差が可変抵抗15で調整可能な範囲であるか否かを判別する(ステップ4)。本実施形態では、可変抵抗15で調整可能な電圧差は例えば0.6Vまでとし、それ以上の電圧差の場合にはリニアフォーマ13の取付位置の調整が必要であるものとする。したがって、この場合、ステップ4の判別結果は「YES」となる。そして、保守作業員は可変抵抗15を調整し、現在リニアフォーマ13から出力されている電圧D1(1.9V)をD0(2.1V)に近づけていき(ステップ5)、両者の差が±0.1V以内になった時点で作業を終了する。
【0022】
また、もしステップ4での判別結果が「NO」の場合すなわちD1とD0との差が±0.6Vよりも大きな場合(このような場合の例としては、何らかの異常事故又は衝撃等によりリニアフォーマ13の取付位置が大きくずれたり、防振ゴム9が激しく損傷した場合等が考えられる)には、リニアフォーマ13の取付位置を調整したり、防振ゴム9を交換したりするなどの補修作業を行うようにする(ステップ6)。そして、このような補修作業によりD1とD0との差が±0.1V以内になったと判別できれば(ステップ3)、そのまま作業を終了し、一方、±0.1Vよりも大きな場合には再度ステップ4以降の手順を繰り返し行うようにする。
【0023】
このような手順によれば、保守作業員は、基本的には可変抵抗15の抵抗値を変化させるだけの簡単な作業によりリニアフォーマ13の出力特性を再調整することができる。
【0024】
なお、上記実施形態では、「弾性部材」として天然ゴム製の防振ゴム9を用いた例につき説明したが、これに限定されるわけではなく、かご荷重に充分耐え且つ乗り心地を損ねない弾性を有する部材であれば他の部材(例えば、コイルバネ等)を用いることが可能である。
【0025】
また、上記実施形態では、リニアフォーマ13を床板1aの底面側に取り付け、リニアフォーマ13が防振ゴム9の変形量すなわち床板1aの沈下量に応じた電圧信号を出力する構成につき説明したが、リニアフォーマ13を上梁2側に取り付けるようにし、上梁2がかご1を保持している保持部材に介挿された圧縮バネ等の変形量に応じてリニアフォーマ13が電圧信号を出力する構成(例えば、特開2002−154760号公報参照)を採用することもできる。
【0026】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、秤装置としてのリニアフォーマの出力特性の再調整作業をテストウェイトを用いることなく容易且つ迅速に行うことができる。したがって、再調整作業の際に保守作業員が負担する労力及び作業時間を大幅に軽減することができる。また、テストウェイトの取り扱い如何によって、保守作業員が思わぬ怪我をしたり建物や器財等を損傷したりする虞がなくなり、更に、テストウェイトの保管場所を考慮する必要がなくなるなど、エレベータ保守会社やユーザに対して多くのメリットをもたらすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るエレベータの秤装置の再調整方法の具体的手順を示したフローチャート。
【図2】本発明の実施形態で用いられるリニアフォーマの設置初期時点の特性A0及び現在時点の特性A1を示した特性図。
【図3】従来方法及び本発明の実施形態に係る方法が適用されるエレベータの一般的構成を模式的に示した説明図。
【図4】図3におけるかご1内の荷重状態とリニアフォーマ13から出力される電圧信号との間の関係を示す荷重−電圧特性図。
【符号の説明】
1 かご
1a 床板
2 上梁
3 メインロープ
4 カウンタウェイト
5 巻上シーブ
6 ソラセシーブ
7 駆動モータ
8 エレベータ制御回路
9 防振ゴム(弾性部材)
10 フレーム部材
11 下梁
12 取付座
13 リニアフォーマ(秤装置)
13a コイル部
13b コア部
14 ゲイン制御回路
15 可変抵抗(特性可変手段)
16 テストウェイト
M1 作業員
A0 設置初期時点のリニアフォーマの特性
A1 現在時点のリニアフォーマの特性
α 特性直線の勾配
【発明の属する技術分野】
本発明は、エレベータのかご内荷重を検出する秤装置として用いられるリニアフォーマについて、その出力特性を再調整するためのエレベータの秤装置の再調整方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図3は、エレベータの一般的な構成を模式的に示した説明図である。この図において、かご1の上部は上梁2に固着されており、この上梁2にはメインロープ3の一端側が取り付けられている。メインロープ3は、巻上シーブ5及びソラセシーブ6に掛け渡された状態で、その他端側がカウンタウェイト4に取り付けられている。巻上シーブ5は駆動モータ7により回転駆動されるようになっており、駆動モータ7はエレベータ制御回路8により制御されるようになっている(なお、駆動モータ7は実際には図示を省略してあるインバータ装置を介して制御される)。
【0003】
かご1の床板1aの底面側には複数個の弾性部材としての防振ゴム9を介してフレーム部材10が配設されており、フレーム部材10の下面側は下梁11に固着されている。そして、床板1aの底面側の略中央位置には、上端部及び下端部に一対の取付座12,12を有する秤装置としてのリニアフォーマ13が配設されている。このリニアフォーマ13は、所定位置に固定されたコイル部13aと、このコイル部13a内を挿通するコア部13bとで構成されており、コイル部13aとコア部13bとの間の相対的位置変化に基づき、荷重検出信号としての電圧信号を出力するようになっている。つまり、床板1a上の荷重が増加すると防振ゴム9が撓み、床板1a自体が微少量だけ下方に変位するので、これに伴ってコイル部13aを挿通しているコア部13bの位置も下方に変位する。このときのコア部13bの変位量に応じてコイル部13aに誘起される電圧レベルが変化するので、この電圧レベルの変化を荷重状態の変化を表す電圧信号として取り出すことができる。この電圧信号はエレベータ制御回路8内のゲイン制御回路14に出力されるようになっており、ゲイン制御回路14はこの電圧信号に基づき駆動モータ7に対するゲイン制御を行っている。
【0004】
図3の構成は所謂「つるべ式」エレベータと呼ばれるものであり、エレベータ制御回路8は、かご1側とカウンタウェイト4側との間の重量差に応じて駆動モータ7の駆動力を制御し、かご1及びカウンタウェイト4を巻上シーブ5及びソラセシーブ6を介して互いに逆方向に昇降動させるようになっている。また、一般には、かご1内の荷重が45%(エレベータの機種によっては50%の場合もある)の荷重状態のときにかご1側とカウンタウェイト4側とがバランスするようになっており、このバランス状態ではリニアフォーマ13から0Vの電圧信号が出力されるようになっている。そして、かご1内の荷重が45%より大きくなるにしたがって電圧信号はマイナス側に大きくなり、一方、かご1内の荷重が45%より小さくなるにしたがって電圧信号はプラス側に大きくなっていく。
【0005】
図4は、このようなかご1内の荷重状態とリニアフォーマ13から出力される電圧信号との間の関係を示す荷重−電圧特性図である。この図における直線A0は、エレベータの新規設置時すなわちリニアフォーマ13の設置初期時点の特性を示すもので、それぞれ0%荷重のときに2.1V、45%荷重のときに0V、100%荷重のときに−2.5Vの電圧信号がリニアフォーマ13から出力されることを示しており、その傾きはαとなっている。
【0006】
リニアフォーマ13は上記のような特性を有する電圧信号を出力し、ゲイン制御回路14はこの電圧信号に基づき駆動モータ7に対するゲイン制御を適正に行うことができるので、かご1における快適な乗り心地が確保されるようになっている。しかし、リニアフォーマ13の設置初期時点からある程度の期間が経過すると、図4に示したような荷重状態と電圧レベルとの間の対応関係についての誤差が次第に大きくなり、電圧信号が正しい荷重状態を表すものではなくなってくる。そのため、ゲイン制御回路14はゲイン制御を適正に行うことができなくなり、したがってかご1における快適な乗り心地が確保されない結果となる。例えば、かご1が上昇しようとする場合に一旦下降してから上昇動作を開始したり、あるいは逆に、かご1が下降しようとする場合に一旦上昇してから下降動作を開始したりするようになる(このような現象は「吊り落とし」と呼ばれている)のでエレベータ利用者に不快感を与える結果となっている。
【0007】
リニアフォーマ13は一種の変圧器と考えることができ簡易で故障し難い構造を有しているため(リニアフォーマの構造については例えば特許文献1を参照)、上記のような荷重−電圧特性の誤差の増大をもたらす原因がリニアフォーマ13自体に存在しているわけではない。その原因は、リニアフォーマ13におけるコイル部13aとコア部13bとの間の相対的位置変化を、弾性部材である防振ゴム9の変形を利用して生じさせる構造を採用した点に存在している。すなわち、リニアフォーマ13の設置初期時点からある程度以上の期間が経過すると防振ゴム9(その材質は例えば天然ゴムであり、硬度は35〜53度程度である)に経年変化による材質劣化が生じ、同一荷重に対する撓み量が変化するのを避けることができなくなる。そして、この材質劣化のために荷重状態と電圧レベルとの間の正しい対応関係が損なわれ、同一の荷重であってもある程度以上の期間が経過するとリニアフォーマ13は設置初期時点とは異なるレベルの電圧信号を出力してしまう結果となるのである。
【0008】
そこで、このような事態に対処するため、従来は、リニアフォーマ13の設置初期時点から一定期間経過した後は、例えば次のような方法でリニアフォーマ13の荷重−電圧特性についての再調整が行われていた。まず、作業員M1が所定個数のテストウェイト16を持ち込み、かご1内荷重を45%荷重とする。このとき、リニアフォーマ13は設置初期時点であれば0Vの電圧信号を出力したはずであるが、現在時点では防振ゴム9の材質劣化のためにコア部13bの位置変化量が大きくなっており、マイナス側の電圧信号を出力している。そのため、作業員M1はゲイン制御回路14に付設されている特性可変手段としての可変抵抗15の抵抗値を調整して、現在時点ではマイナス側に振れている電圧信号を設置初期時点における0Vに戻すようにする。なお、直線A0上において「45%荷重」で「0V」の位置を「ゼロ点」と呼び、このゼロ点を正しい位置に設定することをゼロ点調整と呼ぶことがある。
【0009】
次いで、作業員M1は更に多くの個数のテストウェイト16をかご1内に積み込み、かご1内荷重を100%荷重とし、このときのリニアフォーマ13の電圧信号が−2.5Vになっているか否かを確認することにより、特性直線A0の傾きがαになっているか否かを判別する。そして、この後、かご1内から全てのテストウェイト16を運び出し、かご1内荷重を0%荷重とした状態で実際にエレベータの運転を行い、「吊り落とし」現象が生じないか等を確認するなどリニアフォーマ13の荷重−電圧特性についての再調整が適正に行われたか否かを検証する。このような再調整作業により、かご1内の荷重状態とリニアフォーマ13の電圧信号の電圧レベルとの間の正しい対応関係を回復することができ、ゲイン制御回路14は駆動モータ7に対するゲイン制御を正しく行うことが可能となる。
【0010】
【特許文献1】
特開平8−245109号公報(段落0004,0005、図5参照。但し、この公報では「リニアフォーマ」ではなく「差動トランス」と呼んでいる。)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記したリニアフォーマの出力特性再調整方法は、複数個のテストウェイト16をかご1内に持ち込んだり、あるいはかご1内から持ち出したりする運搬作業を伴うために、作業員M1に多大な労力を強いるばかりか、多くの作業時間を要する結果となっている。また、作業員M1が運搬作業中に誤ってテストウェイト16を落としてしまうことなどにより思わぬ怪我をしたり、建物や器財等を損傷したりする虞もある。更に、テストウェイト16は所定の保管場所で保管しておく必要があるが、決して頻繁に行われる訳ではないリニアフォーマの出力特性の再調整作業のために、かなりのスペースを必要とする保管場所を確保しておかなければならなかった。このように、従来のリニアフォーマの出力特性の再調整方法は、テストウェイト16を使用して行うことを前提としていたため、エレベータ保守会社やユーザに対して多くのデメリットをもたらすものとなっていた。
【0012】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、テストウェイトを用いることなく再調整作業を行うことが可能なエレベータの秤装置の再調整方法を提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための手段として、請求項1記載の発明は、弾性部材を介してかごに取り付けられたリニアフォーマの荷重−電圧特性につき特性可変手段を用いて再調整を行う場合のエレベータの秤装置の再調整方法において、0%荷重状態での前記リニアフォーマの出力電圧データにつき、リニアフォーマの設置初期時点のものと現在時点のものとを比較し、両時点のデータの差が一定レベル以上で且つ可変抵抗で調整可能な範囲内のものである場合に、前記特性可変手段を用いて0%荷重状態の現在時点での出力電圧レベルを設置初期時点での出力電圧レベルに一致させることにより、リニアフォーマの現在時点の0%荷重状態から100%荷重状態に至るまでの出力特性の再設定を行う、ことを特徴とする。
【0014】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記両時点のデータの差が一定レベル以上で且つ可変抵抗では調整不可能な範囲のものである場合に、前記リニアフォーマの取付位置を調整することにより、前記両時点のデータの差が一定レベルを下回るか又は可変抵抗で調整可能な範囲のものとなるようにする、ことを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態に係るエレベータの秤装置の再調整方法につき説明する。なお、本実施形態の再調整方法が適用されるエレベータシステムの構成は図3に示したものと同一構成である。本発明の再調整方法は極めて簡潔なものであり、その内容は、かご1内の荷重状態を無荷重状態すなわち0%荷重状態とし、この状態でリニアフォーマ13から出力される電圧信号の電圧レベルを、可変抵抗15を調整することにより設置初期時点における電圧レベルに戻すようにしたことである。
【0016】
この内容を図2の特性図を用いて更に詳しく説明する。この図における直線A0は図4におけるものと同じものであり、リニアフォーマ13の設置初期時点の特性を示している。従来の再調整方法は、既述したように、テストウェイト16をかご1内に持ち込んで実際の荷重状態を再現するようにし、この状態でゼロ点調整を行うものであった。従来、このようにテストウェイト16を用いて再調整作業を行っていた理由は、経年変化によってリニアフォーマ13の出力特性A0が実際にどのように変化するのかについて確実に知ることができないため、かご1内の床板1a上へ実際に荷重を加えた状態にした上でゼロ点調整作業を行えば、とりあえず実際のエレベータ運転には支障のない確実な調整結果が得られるであろうという安易な考えに基づいている。
【0017】
これに対し、本発明では、リニアフォーマ13の設置初期時点の特性A0は、矢印Y1で示すように、ある程度以上の期間が経過すると経年変化により現在時点の特性を示すA1に変化するが、この特性A1は特性A0が平行移動しただけのものに過ぎないはずであるということを前提としている。このような前提は、リニアフォーマ13の構造上、リニアフォーマ13自体には経年変化による機能劣化は考えられないため、特性A0から特性A1への劣化は専ら防振ゴム9の材質劣化に起因するが、この材質劣化は防振ゴム9の弾性を失わせる程のものではないという事実から帰結されるものである(防振ゴム9の弾性が失われるには、数十年以上の非常に長い期間を要するものと考えられる)。
【0018】
したがって、特性A1が特性A0の平行移動によって生じるものであるならば、特性A1上のある一点を特定し、この点を可変抵抗15の調整により特性A1上に再度移動させてやれば、矢印Y2で示すように、特性A1全体を特性A0に戻すことが可能となる。そして、可変抵抗15の調整により移動させる一点として0%荷重(すなわち無荷重)に対応する点を選択してやれば、従来のようにテストウェイト16を用いる必要がないので好都合である。例えば、現在時点で検出した0%荷重時の出力電圧が1.9Vである場合、保守作業員は設置初期時点での0%荷重時の出力電圧が2.1Vであったことを調べ(この「2.1V」というデータは、エレベータ新規設置仕様データの一つとして必ず保存されているものである)、可変抵抗15を調整することによりこの出力電圧1.9Vを2.1Vにスライドさせてやればよい。この場合、特性A1と特性A0とは互いに平行な関係にあり、勾配は共に同一のαであることが分かっているから、勾配がαになっていることをわざわざ確認する作業は不要となる。
【0019】
保守作業員は、上記のような簡単な作業だけでリニアフォーマ13の出力特性の再調整作業を終了させることができ、したがって、再調整作業を行う保守作業員の労力を大幅に軽減することができる。また、再調整作業に要する時間についても、テストウェイトを用いた従来方法によれば120分程度であったが、本発明の再調整作業によれば10数分程度の時間に短縮することができる。なお、本発明の再調整作業の信頼性については、テストウェイトを用いた従来方法と変わらないものであることが本発明の発明者により検証済みである。
【0020】
図1は、本実施形態に係るエレベータの秤装置の再調整方法の具体的手順を示したフローチャートである。まず、保守作業員は、現在時点の0%荷重状態の出力電圧D1(上記の例では1.9V)を検出する(ステップ1)。次いで、保守作業員は、保存されているエレベータ新規設置仕様データの中から設置初期時点の0%荷重状態の出力電圧D0(上記の例では2.1V)を調べ、このD1とD0とを比較する(ステップ2)。そして、D1とD0との差が±0.1V以内であるか否かを判別し(ステップ3)、もし±0.1V以内であるならば再調整は不要なのでそのまま作業を終了する。
【0021】
上記の例では、D1とD0との差は−0.2Vであるため、ステップ3での判別結果は「NO」となる。そこで、保守作業員は、次に、この−0.2Vという差が可変抵抗15で調整可能な範囲であるか否かを判別する(ステップ4)。本実施形態では、可変抵抗15で調整可能な電圧差は例えば0.6Vまでとし、それ以上の電圧差の場合にはリニアフォーマ13の取付位置の調整が必要であるものとする。したがって、この場合、ステップ4の判別結果は「YES」となる。そして、保守作業員は可変抵抗15を調整し、現在リニアフォーマ13から出力されている電圧D1(1.9V)をD0(2.1V)に近づけていき(ステップ5)、両者の差が±0.1V以内になった時点で作業を終了する。
【0022】
また、もしステップ4での判別結果が「NO」の場合すなわちD1とD0との差が±0.6Vよりも大きな場合(このような場合の例としては、何らかの異常事故又は衝撃等によりリニアフォーマ13の取付位置が大きくずれたり、防振ゴム9が激しく損傷した場合等が考えられる)には、リニアフォーマ13の取付位置を調整したり、防振ゴム9を交換したりするなどの補修作業を行うようにする(ステップ6)。そして、このような補修作業によりD1とD0との差が±0.1V以内になったと判別できれば(ステップ3)、そのまま作業を終了し、一方、±0.1Vよりも大きな場合には再度ステップ4以降の手順を繰り返し行うようにする。
【0023】
このような手順によれば、保守作業員は、基本的には可変抵抗15の抵抗値を変化させるだけの簡単な作業によりリニアフォーマ13の出力特性を再調整することができる。
【0024】
なお、上記実施形態では、「弾性部材」として天然ゴム製の防振ゴム9を用いた例につき説明したが、これに限定されるわけではなく、かご荷重に充分耐え且つ乗り心地を損ねない弾性を有する部材であれば他の部材(例えば、コイルバネ等)を用いることが可能である。
【0025】
また、上記実施形態では、リニアフォーマ13を床板1aの底面側に取り付け、リニアフォーマ13が防振ゴム9の変形量すなわち床板1aの沈下量に応じた電圧信号を出力する構成につき説明したが、リニアフォーマ13を上梁2側に取り付けるようにし、上梁2がかご1を保持している保持部材に介挿された圧縮バネ等の変形量に応じてリニアフォーマ13が電圧信号を出力する構成(例えば、特開2002−154760号公報参照)を採用することもできる。
【0026】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、秤装置としてのリニアフォーマの出力特性の再調整作業をテストウェイトを用いることなく容易且つ迅速に行うことができる。したがって、再調整作業の際に保守作業員が負担する労力及び作業時間を大幅に軽減することができる。また、テストウェイトの取り扱い如何によって、保守作業員が思わぬ怪我をしたり建物や器財等を損傷したりする虞がなくなり、更に、テストウェイトの保管場所を考慮する必要がなくなるなど、エレベータ保守会社やユーザに対して多くのメリットをもたらすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るエレベータの秤装置の再調整方法の具体的手順を示したフローチャート。
【図2】本発明の実施形態で用いられるリニアフォーマの設置初期時点の特性A0及び現在時点の特性A1を示した特性図。
【図3】従来方法及び本発明の実施形態に係る方法が適用されるエレベータの一般的構成を模式的に示した説明図。
【図4】図3におけるかご1内の荷重状態とリニアフォーマ13から出力される電圧信号との間の関係を示す荷重−電圧特性図。
【符号の説明】
1 かご
1a 床板
2 上梁
3 メインロープ
4 カウンタウェイト
5 巻上シーブ
6 ソラセシーブ
7 駆動モータ
8 エレベータ制御回路
9 防振ゴム(弾性部材)
10 フレーム部材
11 下梁
12 取付座
13 リニアフォーマ(秤装置)
13a コイル部
13b コア部
14 ゲイン制御回路
15 可変抵抗(特性可変手段)
16 テストウェイト
M1 作業員
A0 設置初期時点のリニアフォーマの特性
A1 現在時点のリニアフォーマの特性
α 特性直線の勾配
Claims (2)
- 弾性部材を介してかごに取り付けられたリニアフォーマの荷重−電圧特性につき特性可変手段を用いて再調整を行う場合のエレベータの秤装置の再調整方法において、
0%荷重状態での前記リニアフォーマの出力電圧データにつき、リニアフォーマの設置初期時点のものと現在時点のものとを比較し、両時点のデータの差が一定レベル以上で且つ可変抵抗で調整可能な範囲内のものである場合に、前記特性可変手段を用いて0%荷重状態の現在時点での出力電圧レベルを設置初期時点での出力電圧レベルに一致させることにより、リニアフォーマの現在時点の0%荷重状態から100%荷重状態に至るまでの出力特性の再設定を行う、
ことを特徴とするエレベータの秤装置の再調整方法。 - 前記両時点のデータの差が一定レベル以上で且つ可変抵抗では調整不可能な範囲のものである場合に、前記リニアフォーマの取付位置を調整することにより、前記両時点のデータの差が一定レベルを下回るか又は可変抵抗で調整可能な範囲のものとなるようにする、
ことを特徴とする請求項1記載のエレベータの秤装置の再調整方法。
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- 2002-11-15 JP JP2002332528A patent/JP2004168434A/ja active Pending
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