JP2004165391A - 半導体装置の製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ILB工程において、フィルム基材の復元力によって、一旦接合されたインナーリードと金属突起電極が引き剥がれるオープン不良を防止する。
【解決手段】半導体素子上の金属突起電極と、テープキャリア1に形成されたインナーリードとを、ボンディングステージとこれに対向するボンディングツール10aとの間に挟んで押圧して、金属突起電極とインナーリードとを接合する構成において、テープキャリア1は、ボンディングツール10aが挿入される開口部12を有する固定部材9にて固定され、ボンディングツール10aは、テープキャリア1に接する接触面17の外形の各角部が鈍角である。これにより、ボンディングツール10aの各点、特に角部からテープキャリア1を固定している固定部材9の開口部12までの距離を大きく取れるため、ILB工程で加圧、加熱された後のテープキャリア1のフィルム基材2の復元力を減少させる。
【選択図】 図1
【解決手段】半導体素子上の金属突起電極と、テープキャリア1に形成されたインナーリードとを、ボンディングステージとこれに対向するボンディングツール10aとの間に挟んで押圧して、金属突起電極とインナーリードとを接合する構成において、テープキャリア1は、ボンディングツール10aが挿入される開口部12を有する固定部材9にて固定され、ボンディングツール10aは、テープキャリア1に接する接触面17の外形の各角部が鈍角である。これにより、ボンディングツール10aの各点、特に角部からテープキャリア1を固定している固定部材9の開口部12までの距離を大きく取れるため、ILB工程で加圧、加熱された後のテープキャリア1のフィルム基材2の復元力を減少させる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、デバイスホールを持たないテープキャリアのインナーリードボンディングツールを備えた半導体装置の製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
LSIなどの半導体製品は低価格化、軽量化、薄型化、小型化の実現のために高密度実装が要求され続けている(特許文献1参照)。
【0003】
一般に、半導体素子の高密度実装を実現する半導体装置としてテープキャリアパッケージ(以下TCP)があるが、その中でもデバイスホールや折り曲げスリットが無く、半導体素子上の金属電極と接続されるインナーリード4aがテープ基材2に密着しているものがチップ・オン・フィルム(以下COFという)構造のTCPである(図5)。COFはデバイスホールが無く、インナーリード4aがフィルム基材2に密着している為に、曲がりを生じやすいフライングリードが存在せず、導体リードを薄膜化することができる。これにより従来のデバイスホールがあるTCPと比較すると導体リードのエッチング性が向上し、より微細な導体パターンを形成することができる。現在、45μmピッチのCOFテープが量産されており、さらなるファイン化が現実的に期待されている。
【0004】
次に、図5を用いて一般的なCOF構造を説明する。
【0005】
図5(a)は導体リード側からみた一般的なCOFの平面図であり、図5(b)は一般的なCOFの断面図である。フィルム1は絶縁、可撓の性質を有し、ポリイミドなどの樹脂で形成されたフィルム基材2と、銅などの金属箔で形成された導体リード4とで構成されている。導体リード4において半導体素子5に形成された金属突起電極6と接続する部分の先端からソルダーレジスト3にいたるまでのソルダーレジスト3に覆われていない領域をインナーリード4a、インナーリード4aより外へフィルム基材2上に延長された導体リード4のうち、外部回路と接続される領域をアウターリード4bと呼ぶ。導体リード4には通常めっきが施されている。インナーリード4a周辺の領域は半導体素子5の表面保護や半導体装置自身の強度確保のために封止樹脂7で覆われている。
【0006】
次に、共晶などの金属間接合によりフィルム1のインナーリード4aと半導体素子5に形成した金属突起電極6を接合する方式の従来のCOFについて、その一般的な組立工程を図6を用いて説明する。
【0007】
フィルム1は、金属突起電極6の位置に合わせてインナーリード4aがフィルム基材2上に形成されている(図6(a))。インナーリード4aの表面にはスズや金などによってめっきが施されている。フィルム基材2は38μmや25μmなどで、従来の一般的なTCPの厚みである75μmよりかなり薄い。半導体素子5は、金属突起電極6が半導体素子5の外周に沿う形かまたは、半導体素子5の表面全体に配置されている(図6(a))。フィルム1はボンディングツール10が入出する開口部12を有するフォーミング板8とクランパ9を用いて、フィルム1のインナーリード4aと半導体素子5上の金属突起電極6の間に隙間を設けて固定されている(図6(a))。そして、半導体素子5上の金属突起電極6とフィルム1のインナーリード4aを所定の位置に合わせて熱圧着方式により接合する(図6(b))。熱圧着方式とはインナーリード4aに施されためっき材と金属突起材を共晶融合あるいは固相拡散させるために必要な温度(300℃〜500℃程度)と荷重を加えながらインナーリード4aと金属突起電極6を接合する方式である。フィルム基材2側から押さえる治具をボンディングツール10、半導体素子5側で支える治具をボンディングステージ11などと呼ぶ。
【0008】
ここで、ボンディングツール10の形状について、図7を用いて説明する。図7(a)は半導体素子5の表面を図示したものである。図7(b)はボンディングツール10をフィルム基材2に接する方向から見たものである。ボンディングツール10のフィルム基材2に接触する接触面14の外形16は、半導体素子5の各辺に最も近い金属突起電極6の端部に接する直線を結んでできる金属突起電極外周15と相似形状で、金属突起電極外周15より片側で20μm〜40μm大きくしたものである。そのため、その形状は四角形つまり各頂角が90度である(図7(b))。
【0009】
そして、熱圧着後、インナーリード4aと金属突起電極6の接合部分と半導体素子5の回路が存在する表面部分を保護し、半導体装置全体の機械強度を確保するために封止樹脂7をフィルム1と半導体素子5の隙間に樹脂供給ノズル13を使用して注入する(図6(c))。封止後に捺印、検査を行ないCOF製品が完成する。インナーリード4aと金属突起電極6を接合する工程をILB(インナーリードボンド)工程、インナーリード4a及び半導体素子5の表面を封止樹脂7によって封止する工程を封止工程という。
【0010】
【特許文献1】
特開平6−232219号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来例の不具合の一例を図8を用いて説明する。
【0012】
図8(a)はボンディングツール10により加圧、加熱されているボンディング中の状態をフィルム基材2の上方から見た図であり、ボンディングツール10はフィルム基材2に接触する接触面14のみ図示している。図8(b)は図8(a)のA−A′断面図である。図8(c)はILB直後のボンディングツール10がフィルム基材2から離脱した瞬間を図示したものである。
【0013】
COFのILB工程においては、フィルム1はボンディングツール10が入出する開口部12を有するフォーミング板8とクランパ9を用いて、フィルム1のインナーリード4aと半導体素子5上の金属突起電極6の間に隙間を設けて固定されている(図6(a))。そのため、ボンディング時にはフィルム1を変形させながらボンディングツール10が下降しインナーリード4aと金属突起電極6を加圧、加熱する。そして、所定時間の加圧、加熱後、ボンディングツール10が離脱し、フィルム1が室温へと温度降下する時に、加熱により伸びていたフィルム基材2がもとの形状に復元するために発生する収縮力、また、ボンディングツール10で押し下げたフィルム基材2の変形分によって弾性による復元力が発生する。この収縮力と復元力は金属突起電極6とインナーリード4aを引き離し、電気的に導通していないオープン不良(破線囲み部S)を発生させることが有る。クランパ9の開口部12はボンディングツール10の接触面14と相似形状をしており、接触面14より大きい。また、その開口部12と接触面14の重心は一致している。よって、接触面14の外形16の各点とその各点に一番近いクランパの開口部12の一辺までの距離Xと次に近い一辺までの距離Yの和=X+Y(以下、距離の和と呼ぶ)が一番小さくなるのは、接触面14の各頂角である。ボンディングツール10の外形16に接するフィルム基材2の各点は全て、ボンディングツール10によって同一距離Z押し下げられる。そのため、距離の和が小さいところは、距離の和が大きいところに比べ、多く伸びなければならない。よって、フィルム基材2の変形量が最大となる所は接触面14の各頂角である。そのため、ボンディングツール10の離脱時に発生するフィルム基材2の復元力は、接触面14の各頂角の接点で最大となる。そのため、この接点近傍の金属突起電極6とインナーリード4aの接続のオープン不良発生率は他の場所に比べて高い。COFのILB工程の条件選定においては、この接点近傍の接合がオープン不良とならない条件を選定しなければならず、条件の選択肢を減らし、また、安定した生産ができる条件の幅を狭めてしまう問題がある。
【0014】
したがって、この発明の目的は、チップオンフィルム(COF)構造である半導体装置において、製造工程中の加圧、加熱によりテープキャリアのフィルム基材が変形し、ボンディングツールの離脱時に発生するフィルム基材の復元力によって、一旦接合されたインナーリードと金属突起電極が引き剥がされてオープン不良を発生することを防止する半導体装置の製造装置を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するためにこの発明の請求項1記載の半導体装置の製造装置は、ボンディングステージ上に載置された半導体素子上の金属突起電極と、テープキャリアに形成されたインナーリードとを、前記ボンディングステージとこれに対向するボンディングツールとの間に挟んで押圧して、前記金属突起電極と前記インナーリードとを接合する半導体装置の製造装置であって、前記テープキャリアは、前記ボンディングツールが挿入される開口部を有する固定部材にて固定され、前記ボンディングツールは、前記テープキャリアに接する接触面の外形の各角部が鈍角である。
【0016】
このように、テープキャリアは、ボンディングツールが挿入される開口部を有する固定部材にて固定され、ボンディングツールは、テープキャリアに接する接触面の外形の各角部が鈍角であるので、ボンディングツールの各点、特に角部からテープキャリアを固定している固定部材の開口部までの距離を大きく取れる。
そのため、ILB工程で加圧、加熱された後のテープキャリアのフィルム基材の復元力を減少させることができ、インナーリードの金属突起電極からの剥がれの発生を防ぐことができる。
【0017】
請求項2記載の半導体装置の製造装置は、請求項1記載の半導体装置の製造装置において、ボンディングツールの接触面の外形は、半導体素子の各辺に近接した位置にある金属突起電極の外側端部に接する直線からなる金属突起電極外周と相似形状でかつ大きくした外周の各角部を面取りして鈍角にした形状である。
【0018】
このように、ボンディングツールの接触面の外形は、半導体素子の各辺に近接した位置にある金属突起電極の外側端部に接する直線からなる金属突起電極外周と相似形状でかつ大きくした外周の各角部を面取りして鈍角にした形状であるので、ボンディングツールの接触面はインナーリードと金属突起電極の接合部分の全てを含むことができ確実に接続できる。また、角部が面取りする前の従来例の角部より内側に位置するので、角部から一番近い開口部の一辺までの距離と、次に近い一辺までの距離の和が大きくなることで、テープキャリアが伸びる変形量が小さくなる。
【0019】
請求項3記載の半導体装置の製造装置は、ボンディングステージ上に載置された半導体素子上の金属突起電極と、テープキャリアに形成されたインナーリードとを、前記ボンディングステージとこれに対向するボンディングツールとの間に挟んで押圧して、前記金属突起電極と前記インナーリードとを接合する半導体装置の製造装置であって、前記テープキャリアは、前記ボンディングツールが挿入される開口部を有する固定部材にて固定され、前記ボンディングツールは、前記テープキャリアに接する接触面の外形の各角部が曲線状になっている。
【0020】
このように、テープキャリアは、ボンディングツールが挿入される開口部を有する固定部材にて固定され、ボンディングツールは、テープキャリアに接する接触面の外形の各角部が曲線状になっているので、ボンディングツールの各点、特に角部からテープキャリアを固定している固定部材の開口部までの距離を大きく取れる。そのため、ILB工程で加圧、加熱された後のテープキャリアのフィルム基材の復元力を減少させることができ、インナーリードの金属突起電極からの剥がれの発生を防ぐことができる。
【0021】
請求項4記載の半導体装置の製造装置は、請求項3記載の半導体装置の製造装置において、ボンディングツールの接触面の外形は、半導体素子の各辺に近接した位置にある金属突起電極の外側端部に接する直線からなる金属突起電極外周と相似形状でかつ大きくした外周の各角部を円弧にした形状である。
【0022】
このように、ボンディングツールの接触面の外形は、半導体素子の各辺に近接した位置にある金属突起電極の外側端部に接する直線からなる金属突起電極外周と相似形状でかつ大きくした外周の各角部を円弧にした形状であるので、ボンディングツールの接触面はインナーリードと金属突起電極の接合部分の全てを含むことができ確実に接続できる。また、角部が円弧にする前の従来例の角部より内側に位置するので、角部から一番近い開口部の一辺までの距離と、次に近い一辺までの距離の和が大きくなることで、テープキャリアが伸びる変形量が小さくなる。
【0023】
【発明の実施の形態】
この発明の第1の実施の形態を図1および図2に基づいて説明する。図1(a)はこの発明の第1の実施の形態の半導体装置の製造装置におけるボンディングツールのフィルムと接する側から見た平面図、(b)はそのボンディングツールを用いたILB中の状態をフィルム側から見た平面図である。なお図1(b)において、ボンディングツールはフィルム基材2に接触する接触面17のみ図示している。
【0024】
また、ボンディングツールを除いた全体構成は図6と同様であり、ボンディングステージ11上に載置された半導体素子5上の金属突起電極6と、テープキャリアのフィルム基材2に形成されたインナーリード4aとを、ボンディングステージ11とこれに対向するボンディングツール10aとの間に挟んで押圧して、金属突起電極6とインナーリード4aとを接合する。
【0025】
テープキャリア(フィルム1)は、ボンディングツール10aが挿入される開口部12を有する固定部材(フォーミング板8とクランパ9)にて固定されている。また、ボンディングツール10aには、ヒータ(加熱手段)および熱電対が取り付けられており、本体は超硬材料とセラミックスの組み合わせでできている(図示せず)。そして、接触面には気相ダイヤモンドまたはcBN(cubic
Boron Nitride)が蒸着されている。
【0026】
この実施の形態によるボンディングツール10aでは、フィルム基材2に接する接触面の外形の各角部(各頂角)は鈍角であり、90度より大きく180度未満である。また、その接触面17は、インナーリード4aと金属突起電極6の接合部分の全てを含んでいる。
【0027】
図2はこの発明の第1の実施の形態におけるボンディングツールの外形と半導体素子上の金属突起電極との関係を図示した平面図である。図2を用いて、各角部の位置や角度を決定する方法を説明する。
【0028】
第一に、従来のボンディングツール10と同じように、半導体素子5の各辺に最も近い金属突起電極6の外側端部に接する直線を結んでできる金属突起電極外周15と相似形状で金属突起電極外周15より片側で20μm〜40μm大きくした外周16′(従来例のボンディングツールの接触面の外形16と同じ)を決定する。
【0029】
第二に、外周16′の各角部において、以下のような作業を実施する。頂点1に一番目に近い金属突起電極6の角部から、その金属突起電極6の角部に一番近い外周16′の一辺への垂線との交点をAとする。次に、前記の頂点1に一番目に近い金属突起電極6の角部を持つ金属突起電極6を除いて、次に頂点1に近い金属突起電極6の角部のなかで、頂点1に交わる外周16′の二辺のうち、交点Aが存在しない辺に一番目に近い金属突起電極6の角部から、前記の交点Aが存在しない辺への垂線との交点をBとする。これを、頂点2、頂点3、頂点4でそれぞれ実施し、各交点を、交点C、交点D、交点E、交点F、交点G、交点Hとする。
【0030】
第三に、交点Aから交点Hまでを直線で結ぶ。これによってできた外形が本発明の実施の形態によるボンディングツール10aの外形18である。
【0031】
以上のような手法により各交点が決定されるため、各角部の角度は、90度より大きく180度未満となる。このように各角部を90度より大きくすることにより、接触面17の外形18の各点とその各点に一番近いクランパの開口部12の一辺までの距離Xと次に近い一辺までの距離Y1の和=X+Y1が、従来の各頂角が90度の場合の距離の和=X+Y(図8(a))より大きくなり、そのため、フィルム基材2の復元力を減少させることができ、インナーリード4aの金属突起電極6からの剥れの発生を防ぐことができる。
【0032】
この発明の第2の実施の形態を図3および図4に基づいて説明する。図3(a)はこの発明の第2の実施の形態の半導体装置の製造装置におけるボンディングツールのフィルムと接する側から見た平面図、(b)はそのボンディングツールを用いたILB中の状態をフィルム側から見た平面図である。なお図3(b)において、ボンディングツールはフィルム基材2に接触する接触面19のみ図示している。
【0033】
また、ボンディングツールを除いた全体構成は図6と同様であり、ボンディングステージ11上に載置された半導体素子5上の金属突起電極6と、テープキャリアのフィルム基材2に形成されたインナーリード4aとを、ボンディングステージ11とこれに対向するボンディングツール10bとの間に挟んで押圧して、金属突起電極6とインナーリード4aとを接合する。
【0034】
テープキャリア(フィルム1)は、ボンディングツール10bが挿入される開口部12を有する固定部材(フォーミング板8とクランパ9)にて固定されている。また、ボンディングツール10bには、ヒータ(加熱手段)および熱電対が取り付けられており、本体は超硬材料とセラミックスの組み合わせでできている(図示せず)。そして、接触面には気相ダイヤモンドまたはcBN(cubic
Boron Nitride)が蒸着されている。
【0035】
この実施の形態によるボンディングツール10bでは、フィルム基材2に接する接触面19の外形の各角部(各頂角)は、円弧となっている。その接触面19は、インナーリード4aと金属突起電極6の接合部分の全てを含んでいる。
【0036】
図4はこの発明の第2の実施の形態におけるボンディングツールの外形と半導体素子上の金属突起電極との関係を図示した平面図である。図4を用いて、各角部の位置や角度を決定する方法を説明する。
【0037】
第一に、従来のボンディングツール10と同じように、半導体素子5の各辺に最も近い金属突起電極6の端部に接する直線を結んでできる金属突起電極外周15と相似形状で金属突起電極外周15より片側で20μm〜40μm大きくした外周16′を決定する。
【0038】
第二に、外周16′の各角部において、以下のような作業を実施する。頂点1に一番目に近い金属突起電極6の角部から、その金属突起電極6の角部に一番近い外周16′の一辺への垂線との交点をAとする。次に、前記の頂点1に一番目に近い金属突起電極6の角部を持つ金属突起電極6を除いて、次に頂点1に近い金属突起電極6の角部のなかで、頂点1に交わる外周16′の二辺のうち、交点Aが存在しない辺に一番目に近い金属突起電極6の角部から、前記の交点Aが存在しない辺への垂線との交点をBとする。これを、頂点2、頂点3、頂点4でそれぞれ実施し、各交点を、交点C、交点D、交点E、交点F、交点G、交点Hとする。第三に、交点Aと交点Bを、交点Cと交点Dを、交点Eと交点Fを、交点Gと交点Hを、それぞれ円弧で結ぶ。その円弧の直径は、その円弧が従来のボンディングツールの外形16と交わらない大きさとする。次に、線により結ばれていない各交点を従来のボンディングツール10の外形16に沿って、直線で結ぶ。これによってできた外形が本発明の実施の形態によるボンディングツールの外形20である。
【0039】
このように各角部を円弧にすることにより、接触面19の外周20の各点とその各点に一番近いクランパの開口部12の一辺までの距離Xと次に近い一辺までの距離Y2の和=X+Y2が、従来の各角部が90度の場合の距離の和=X+Y(図8(a))より大きくなり、そのため、フィルム基材2の復元力を減少させることができ、インナーリード4aの金属突起電極6からの剥れの発生を防ぐことができる。
【0040】
なお、ボンディングツール10bは、テープキャリアに接する接触面19の各角部が円弧以外の曲線状になっていてもよい。
【0041】
【発明の効果】
この発明の請求項1記載の半導体装置の製造装置によれば、テープキャリアは、ボンディングツールが挿入される開口部を有する固定部材にて固定され、ボンディングツールは、テープキャリアに接する接触面の外形の各角部が鈍角であるので、ボンディングツールの各点、特に角部からテープキャリアを固定している固定部材の開口部までの距離を大きく取れる。そのため、ILB工程で加圧、加熱された後のテープキャリアのフィルム基材の復元力を小さくすることができる。これにより、インナーリードと金属突起電極がボンディング後に引き剥がれるオープン不良の発生を防止することができる。
【0042】
請求項2では、ボンディングツールの接触面の外形は、半導体素子の各辺に近接した位置にある金属突起電極の外側端部に接する直線からなる金属突起電極外周と相似形状でかつ大きくした外周の各角部を面取りして鈍角にした形状であるので、ボンディングツールの接触面はインナーリードと金属突起電極の接合部分の全てを含むことができ確実に接続できる。また、角部が面取りする前の従来例の角部より内側に位置するので、角部から一番近い開口部の一辺までの距離と、次に近い一辺までの距離の和が大きくなることで、テープキャリアが伸びる変形量が小さくなる。
【0043】
この発明の請求項3記載の半導体装置の製造装置によれば、テープキャリアは、ボンディングツールが挿入される開口部を有する固定部材にて固定され、ボンディングツールは、テープキャリアに接する接触面の外形の各角部が曲線状になっているので、ボンディングツールの各点、特に角部からテープキャリアを固定している固定部材の開口部までの距離を大きく取れる。そのため、ILB工程で加圧、加熱された後のテープキャリアのフィルム基材の復元力を小さくすることができる。これにより、インナーリードと金属突起電極がボンディング後に引き剥がれるオープン不良の発生を防止することができる。
【0044】
請求項4では、ボンディングツールの接触面の外形は、半導体素子の各辺に近接した位置にある金属突起電極の外側端部に接する直線からなる金属突起電極外周と相似形状でかつ大きくした外周の各角部を円弧にした形状であるので、ボンディングツールの接触面はインナーリードと金属突起電極の接合部分の全てを含むことができ確実に接続できる。また、角部が円弧にする前の従来例の角部より内側に位置するので、角部から一番近い開口部の一辺までの距離と、次に近い一辺までの距離の和が大きくなることで、テープキャリアが伸びる変形量が小さくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)はこの発明の第1の実施の形態の半導体装置の製造装置におけるボンディングツールのフィルムと接する側から見た平面図、(b)はそのボンディングツールを用いたILB中の状態をフィルム側から見た平面図である。
【図2】この発明の第1の実施の形態におけるボンディングツールの外形と半導体素子上の金属突起電極との関係を図示した平面図である。
【図3】この発明の第2の実施の形態の半導体装置の製造装置におけるボンディングツールのフィルムと接する側から見た平面図、(b)はそのボンディングツールを用いたILB中の状態をフィルム側から見た平面図である。
【図4】この発明の第2の実施の形態におけるボンディングツールの外形と半導体素子上の金属突起電極との関係を図示した平面図である。
【図5】(a)は導体リード側からみた一般的なCOFの平面図であり、図5(b)は一般的なCOFの断面図である。
【図6】一般的なCOF組立工程を示す断面図である。
【図7】(a)は半導体素子とその上に形成された金属突起電極の配置を示す平面図、(b)は従来例のボンディングツールのフィルムと接する側から見た平面図である。
【図8】(a)は従来例のCOF組立工程におけるILB中の状態をフィルム側から見た平面図、(b)は(a)のA−A′断面図、(c)はILB直後の状態の断面図である。
【符号の説明】
1 フィルム
2 フィルム基材
3 ソルダーレジスト
4 導体リード
4a インナーリード
4b アウターリード
5 半導体素子
6 金属突起電極
7 封止樹脂
8 フォーミング板
9 クランパ
10 ボンディングツール
10a ボンディングツール
10b ボンディングツール
11 ボンディングステージ
12 クランパの開口部
13 樹脂供給ノズル
14 ボンディングツールのフィルム基材との接触面
15 金属突起電極外周
16 ボンディングツールの接触面の外形
17 ボンディングツールのフィルム基材との接触面
18 ボンディングツールの接触面の外形
19 ボンディングツールのフィルム基材との接触面
20 ボンディングツールの接触面の外形
【発明の属する技術分野】
この発明は、デバイスホールを持たないテープキャリアのインナーリードボンディングツールを備えた半導体装置の製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
LSIなどの半導体製品は低価格化、軽量化、薄型化、小型化の実現のために高密度実装が要求され続けている(特許文献1参照)。
【0003】
一般に、半導体素子の高密度実装を実現する半導体装置としてテープキャリアパッケージ(以下TCP)があるが、その中でもデバイスホールや折り曲げスリットが無く、半導体素子上の金属電極と接続されるインナーリード4aがテープ基材2に密着しているものがチップ・オン・フィルム(以下COFという)構造のTCPである(図5)。COFはデバイスホールが無く、インナーリード4aがフィルム基材2に密着している為に、曲がりを生じやすいフライングリードが存在せず、導体リードを薄膜化することができる。これにより従来のデバイスホールがあるTCPと比較すると導体リードのエッチング性が向上し、より微細な導体パターンを形成することができる。現在、45μmピッチのCOFテープが量産されており、さらなるファイン化が現実的に期待されている。
【0004】
次に、図5を用いて一般的なCOF構造を説明する。
【0005】
図5(a)は導体リード側からみた一般的なCOFの平面図であり、図5(b)は一般的なCOFの断面図である。フィルム1は絶縁、可撓の性質を有し、ポリイミドなどの樹脂で形成されたフィルム基材2と、銅などの金属箔で形成された導体リード4とで構成されている。導体リード4において半導体素子5に形成された金属突起電極6と接続する部分の先端からソルダーレジスト3にいたるまでのソルダーレジスト3に覆われていない領域をインナーリード4a、インナーリード4aより外へフィルム基材2上に延長された導体リード4のうち、外部回路と接続される領域をアウターリード4bと呼ぶ。導体リード4には通常めっきが施されている。インナーリード4a周辺の領域は半導体素子5の表面保護や半導体装置自身の強度確保のために封止樹脂7で覆われている。
【0006】
次に、共晶などの金属間接合によりフィルム1のインナーリード4aと半導体素子5に形成した金属突起電極6を接合する方式の従来のCOFについて、その一般的な組立工程を図6を用いて説明する。
【0007】
フィルム1は、金属突起電極6の位置に合わせてインナーリード4aがフィルム基材2上に形成されている(図6(a))。インナーリード4aの表面にはスズや金などによってめっきが施されている。フィルム基材2は38μmや25μmなどで、従来の一般的なTCPの厚みである75μmよりかなり薄い。半導体素子5は、金属突起電極6が半導体素子5の外周に沿う形かまたは、半導体素子5の表面全体に配置されている(図6(a))。フィルム1はボンディングツール10が入出する開口部12を有するフォーミング板8とクランパ9を用いて、フィルム1のインナーリード4aと半導体素子5上の金属突起電極6の間に隙間を設けて固定されている(図6(a))。そして、半導体素子5上の金属突起電極6とフィルム1のインナーリード4aを所定の位置に合わせて熱圧着方式により接合する(図6(b))。熱圧着方式とはインナーリード4aに施されためっき材と金属突起材を共晶融合あるいは固相拡散させるために必要な温度(300℃〜500℃程度)と荷重を加えながらインナーリード4aと金属突起電極6を接合する方式である。フィルム基材2側から押さえる治具をボンディングツール10、半導体素子5側で支える治具をボンディングステージ11などと呼ぶ。
【0008】
ここで、ボンディングツール10の形状について、図7を用いて説明する。図7(a)は半導体素子5の表面を図示したものである。図7(b)はボンディングツール10をフィルム基材2に接する方向から見たものである。ボンディングツール10のフィルム基材2に接触する接触面14の外形16は、半導体素子5の各辺に最も近い金属突起電極6の端部に接する直線を結んでできる金属突起電極外周15と相似形状で、金属突起電極外周15より片側で20μm〜40μm大きくしたものである。そのため、その形状は四角形つまり各頂角が90度である(図7(b))。
【0009】
そして、熱圧着後、インナーリード4aと金属突起電極6の接合部分と半導体素子5の回路が存在する表面部分を保護し、半導体装置全体の機械強度を確保するために封止樹脂7をフィルム1と半導体素子5の隙間に樹脂供給ノズル13を使用して注入する(図6(c))。封止後に捺印、検査を行ないCOF製品が完成する。インナーリード4aと金属突起電極6を接合する工程をILB(インナーリードボンド)工程、インナーリード4a及び半導体素子5の表面を封止樹脂7によって封止する工程を封止工程という。
【0010】
【特許文献1】
特開平6−232219号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来例の不具合の一例を図8を用いて説明する。
【0012】
図8(a)はボンディングツール10により加圧、加熱されているボンディング中の状態をフィルム基材2の上方から見た図であり、ボンディングツール10はフィルム基材2に接触する接触面14のみ図示している。図8(b)は図8(a)のA−A′断面図である。図8(c)はILB直後のボンディングツール10がフィルム基材2から離脱した瞬間を図示したものである。
【0013】
COFのILB工程においては、フィルム1はボンディングツール10が入出する開口部12を有するフォーミング板8とクランパ9を用いて、フィルム1のインナーリード4aと半導体素子5上の金属突起電極6の間に隙間を設けて固定されている(図6(a))。そのため、ボンディング時にはフィルム1を変形させながらボンディングツール10が下降しインナーリード4aと金属突起電極6を加圧、加熱する。そして、所定時間の加圧、加熱後、ボンディングツール10が離脱し、フィルム1が室温へと温度降下する時に、加熱により伸びていたフィルム基材2がもとの形状に復元するために発生する収縮力、また、ボンディングツール10で押し下げたフィルム基材2の変形分によって弾性による復元力が発生する。この収縮力と復元力は金属突起電極6とインナーリード4aを引き離し、電気的に導通していないオープン不良(破線囲み部S)を発生させることが有る。クランパ9の開口部12はボンディングツール10の接触面14と相似形状をしており、接触面14より大きい。また、その開口部12と接触面14の重心は一致している。よって、接触面14の外形16の各点とその各点に一番近いクランパの開口部12の一辺までの距離Xと次に近い一辺までの距離Yの和=X+Y(以下、距離の和と呼ぶ)が一番小さくなるのは、接触面14の各頂角である。ボンディングツール10の外形16に接するフィルム基材2の各点は全て、ボンディングツール10によって同一距離Z押し下げられる。そのため、距離の和が小さいところは、距離の和が大きいところに比べ、多く伸びなければならない。よって、フィルム基材2の変形量が最大となる所は接触面14の各頂角である。そのため、ボンディングツール10の離脱時に発生するフィルム基材2の復元力は、接触面14の各頂角の接点で最大となる。そのため、この接点近傍の金属突起電極6とインナーリード4aの接続のオープン不良発生率は他の場所に比べて高い。COFのILB工程の条件選定においては、この接点近傍の接合がオープン不良とならない条件を選定しなければならず、条件の選択肢を減らし、また、安定した生産ができる条件の幅を狭めてしまう問題がある。
【0014】
したがって、この発明の目的は、チップオンフィルム(COF)構造である半導体装置において、製造工程中の加圧、加熱によりテープキャリアのフィルム基材が変形し、ボンディングツールの離脱時に発生するフィルム基材の復元力によって、一旦接合されたインナーリードと金属突起電極が引き剥がされてオープン不良を発生することを防止する半導体装置の製造装置を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するためにこの発明の請求項1記載の半導体装置の製造装置は、ボンディングステージ上に載置された半導体素子上の金属突起電極と、テープキャリアに形成されたインナーリードとを、前記ボンディングステージとこれに対向するボンディングツールとの間に挟んで押圧して、前記金属突起電極と前記インナーリードとを接合する半導体装置の製造装置であって、前記テープキャリアは、前記ボンディングツールが挿入される開口部を有する固定部材にて固定され、前記ボンディングツールは、前記テープキャリアに接する接触面の外形の各角部が鈍角である。
【0016】
このように、テープキャリアは、ボンディングツールが挿入される開口部を有する固定部材にて固定され、ボンディングツールは、テープキャリアに接する接触面の外形の各角部が鈍角であるので、ボンディングツールの各点、特に角部からテープキャリアを固定している固定部材の開口部までの距離を大きく取れる。
そのため、ILB工程で加圧、加熱された後のテープキャリアのフィルム基材の復元力を減少させることができ、インナーリードの金属突起電極からの剥がれの発生を防ぐことができる。
【0017】
請求項2記載の半導体装置の製造装置は、請求項1記載の半導体装置の製造装置において、ボンディングツールの接触面の外形は、半導体素子の各辺に近接した位置にある金属突起電極の外側端部に接する直線からなる金属突起電極外周と相似形状でかつ大きくした外周の各角部を面取りして鈍角にした形状である。
【0018】
このように、ボンディングツールの接触面の外形は、半導体素子の各辺に近接した位置にある金属突起電極の外側端部に接する直線からなる金属突起電極外周と相似形状でかつ大きくした外周の各角部を面取りして鈍角にした形状であるので、ボンディングツールの接触面はインナーリードと金属突起電極の接合部分の全てを含むことができ確実に接続できる。また、角部が面取りする前の従来例の角部より内側に位置するので、角部から一番近い開口部の一辺までの距離と、次に近い一辺までの距離の和が大きくなることで、テープキャリアが伸びる変形量が小さくなる。
【0019】
請求項3記載の半導体装置の製造装置は、ボンディングステージ上に載置された半導体素子上の金属突起電極と、テープキャリアに形成されたインナーリードとを、前記ボンディングステージとこれに対向するボンディングツールとの間に挟んで押圧して、前記金属突起電極と前記インナーリードとを接合する半導体装置の製造装置であって、前記テープキャリアは、前記ボンディングツールが挿入される開口部を有する固定部材にて固定され、前記ボンディングツールは、前記テープキャリアに接する接触面の外形の各角部が曲線状になっている。
【0020】
このように、テープキャリアは、ボンディングツールが挿入される開口部を有する固定部材にて固定され、ボンディングツールは、テープキャリアに接する接触面の外形の各角部が曲線状になっているので、ボンディングツールの各点、特に角部からテープキャリアを固定している固定部材の開口部までの距離を大きく取れる。そのため、ILB工程で加圧、加熱された後のテープキャリアのフィルム基材の復元力を減少させることができ、インナーリードの金属突起電極からの剥がれの発生を防ぐことができる。
【0021】
請求項4記載の半導体装置の製造装置は、請求項3記載の半導体装置の製造装置において、ボンディングツールの接触面の外形は、半導体素子の各辺に近接した位置にある金属突起電極の外側端部に接する直線からなる金属突起電極外周と相似形状でかつ大きくした外周の各角部を円弧にした形状である。
【0022】
このように、ボンディングツールの接触面の外形は、半導体素子の各辺に近接した位置にある金属突起電極の外側端部に接する直線からなる金属突起電極外周と相似形状でかつ大きくした外周の各角部を円弧にした形状であるので、ボンディングツールの接触面はインナーリードと金属突起電極の接合部分の全てを含むことができ確実に接続できる。また、角部が円弧にする前の従来例の角部より内側に位置するので、角部から一番近い開口部の一辺までの距離と、次に近い一辺までの距離の和が大きくなることで、テープキャリアが伸びる変形量が小さくなる。
【0023】
【発明の実施の形態】
この発明の第1の実施の形態を図1および図2に基づいて説明する。図1(a)はこの発明の第1の実施の形態の半導体装置の製造装置におけるボンディングツールのフィルムと接する側から見た平面図、(b)はそのボンディングツールを用いたILB中の状態をフィルム側から見た平面図である。なお図1(b)において、ボンディングツールはフィルム基材2に接触する接触面17のみ図示している。
【0024】
また、ボンディングツールを除いた全体構成は図6と同様であり、ボンディングステージ11上に載置された半導体素子5上の金属突起電極6と、テープキャリアのフィルム基材2に形成されたインナーリード4aとを、ボンディングステージ11とこれに対向するボンディングツール10aとの間に挟んで押圧して、金属突起電極6とインナーリード4aとを接合する。
【0025】
テープキャリア(フィルム1)は、ボンディングツール10aが挿入される開口部12を有する固定部材(フォーミング板8とクランパ9)にて固定されている。また、ボンディングツール10aには、ヒータ(加熱手段)および熱電対が取り付けられており、本体は超硬材料とセラミックスの組み合わせでできている(図示せず)。そして、接触面には気相ダイヤモンドまたはcBN(cubic
Boron Nitride)が蒸着されている。
【0026】
この実施の形態によるボンディングツール10aでは、フィルム基材2に接する接触面の外形の各角部(各頂角)は鈍角であり、90度より大きく180度未満である。また、その接触面17は、インナーリード4aと金属突起電極6の接合部分の全てを含んでいる。
【0027】
図2はこの発明の第1の実施の形態におけるボンディングツールの外形と半導体素子上の金属突起電極との関係を図示した平面図である。図2を用いて、各角部の位置や角度を決定する方法を説明する。
【0028】
第一に、従来のボンディングツール10と同じように、半導体素子5の各辺に最も近い金属突起電極6の外側端部に接する直線を結んでできる金属突起電極外周15と相似形状で金属突起電極外周15より片側で20μm〜40μm大きくした外周16′(従来例のボンディングツールの接触面の外形16と同じ)を決定する。
【0029】
第二に、外周16′の各角部において、以下のような作業を実施する。頂点1に一番目に近い金属突起電極6の角部から、その金属突起電極6の角部に一番近い外周16′の一辺への垂線との交点をAとする。次に、前記の頂点1に一番目に近い金属突起電極6の角部を持つ金属突起電極6を除いて、次に頂点1に近い金属突起電極6の角部のなかで、頂点1に交わる外周16′の二辺のうち、交点Aが存在しない辺に一番目に近い金属突起電極6の角部から、前記の交点Aが存在しない辺への垂線との交点をBとする。これを、頂点2、頂点3、頂点4でそれぞれ実施し、各交点を、交点C、交点D、交点E、交点F、交点G、交点Hとする。
【0030】
第三に、交点Aから交点Hまでを直線で結ぶ。これによってできた外形が本発明の実施の形態によるボンディングツール10aの外形18である。
【0031】
以上のような手法により各交点が決定されるため、各角部の角度は、90度より大きく180度未満となる。このように各角部を90度より大きくすることにより、接触面17の外形18の各点とその各点に一番近いクランパの開口部12の一辺までの距離Xと次に近い一辺までの距離Y1の和=X+Y1が、従来の各頂角が90度の場合の距離の和=X+Y(図8(a))より大きくなり、そのため、フィルム基材2の復元力を減少させることができ、インナーリード4aの金属突起電極6からの剥れの発生を防ぐことができる。
【0032】
この発明の第2の実施の形態を図3および図4に基づいて説明する。図3(a)はこの発明の第2の実施の形態の半導体装置の製造装置におけるボンディングツールのフィルムと接する側から見た平面図、(b)はそのボンディングツールを用いたILB中の状態をフィルム側から見た平面図である。なお図3(b)において、ボンディングツールはフィルム基材2に接触する接触面19のみ図示している。
【0033】
また、ボンディングツールを除いた全体構成は図6と同様であり、ボンディングステージ11上に載置された半導体素子5上の金属突起電極6と、テープキャリアのフィルム基材2に形成されたインナーリード4aとを、ボンディングステージ11とこれに対向するボンディングツール10bとの間に挟んで押圧して、金属突起電極6とインナーリード4aとを接合する。
【0034】
テープキャリア(フィルム1)は、ボンディングツール10bが挿入される開口部12を有する固定部材(フォーミング板8とクランパ9)にて固定されている。また、ボンディングツール10bには、ヒータ(加熱手段)および熱電対が取り付けられており、本体は超硬材料とセラミックスの組み合わせでできている(図示せず)。そして、接触面には気相ダイヤモンドまたはcBN(cubic
Boron Nitride)が蒸着されている。
【0035】
この実施の形態によるボンディングツール10bでは、フィルム基材2に接する接触面19の外形の各角部(各頂角)は、円弧となっている。その接触面19は、インナーリード4aと金属突起電極6の接合部分の全てを含んでいる。
【0036】
図4はこの発明の第2の実施の形態におけるボンディングツールの外形と半導体素子上の金属突起電極との関係を図示した平面図である。図4を用いて、各角部の位置や角度を決定する方法を説明する。
【0037】
第一に、従来のボンディングツール10と同じように、半導体素子5の各辺に最も近い金属突起電極6の端部に接する直線を結んでできる金属突起電極外周15と相似形状で金属突起電極外周15より片側で20μm〜40μm大きくした外周16′を決定する。
【0038】
第二に、外周16′の各角部において、以下のような作業を実施する。頂点1に一番目に近い金属突起電極6の角部から、その金属突起電極6の角部に一番近い外周16′の一辺への垂線との交点をAとする。次に、前記の頂点1に一番目に近い金属突起電極6の角部を持つ金属突起電極6を除いて、次に頂点1に近い金属突起電極6の角部のなかで、頂点1に交わる外周16′の二辺のうち、交点Aが存在しない辺に一番目に近い金属突起電極6の角部から、前記の交点Aが存在しない辺への垂線との交点をBとする。これを、頂点2、頂点3、頂点4でそれぞれ実施し、各交点を、交点C、交点D、交点E、交点F、交点G、交点Hとする。第三に、交点Aと交点Bを、交点Cと交点Dを、交点Eと交点Fを、交点Gと交点Hを、それぞれ円弧で結ぶ。その円弧の直径は、その円弧が従来のボンディングツールの外形16と交わらない大きさとする。次に、線により結ばれていない各交点を従来のボンディングツール10の外形16に沿って、直線で結ぶ。これによってできた外形が本発明の実施の形態によるボンディングツールの外形20である。
【0039】
このように各角部を円弧にすることにより、接触面19の外周20の各点とその各点に一番近いクランパの開口部12の一辺までの距離Xと次に近い一辺までの距離Y2の和=X+Y2が、従来の各角部が90度の場合の距離の和=X+Y(図8(a))より大きくなり、そのため、フィルム基材2の復元力を減少させることができ、インナーリード4aの金属突起電極6からの剥れの発生を防ぐことができる。
【0040】
なお、ボンディングツール10bは、テープキャリアに接する接触面19の各角部が円弧以外の曲線状になっていてもよい。
【0041】
【発明の効果】
この発明の請求項1記載の半導体装置の製造装置によれば、テープキャリアは、ボンディングツールが挿入される開口部を有する固定部材にて固定され、ボンディングツールは、テープキャリアに接する接触面の外形の各角部が鈍角であるので、ボンディングツールの各点、特に角部からテープキャリアを固定している固定部材の開口部までの距離を大きく取れる。そのため、ILB工程で加圧、加熱された後のテープキャリアのフィルム基材の復元力を小さくすることができる。これにより、インナーリードと金属突起電極がボンディング後に引き剥がれるオープン不良の発生を防止することができる。
【0042】
請求項2では、ボンディングツールの接触面の外形は、半導体素子の各辺に近接した位置にある金属突起電極の外側端部に接する直線からなる金属突起電極外周と相似形状でかつ大きくした外周の各角部を面取りして鈍角にした形状であるので、ボンディングツールの接触面はインナーリードと金属突起電極の接合部分の全てを含むことができ確実に接続できる。また、角部が面取りする前の従来例の角部より内側に位置するので、角部から一番近い開口部の一辺までの距離と、次に近い一辺までの距離の和が大きくなることで、テープキャリアが伸びる変形量が小さくなる。
【0043】
この発明の請求項3記載の半導体装置の製造装置によれば、テープキャリアは、ボンディングツールが挿入される開口部を有する固定部材にて固定され、ボンディングツールは、テープキャリアに接する接触面の外形の各角部が曲線状になっているので、ボンディングツールの各点、特に角部からテープキャリアを固定している固定部材の開口部までの距離を大きく取れる。そのため、ILB工程で加圧、加熱された後のテープキャリアのフィルム基材の復元力を小さくすることができる。これにより、インナーリードと金属突起電極がボンディング後に引き剥がれるオープン不良の発生を防止することができる。
【0044】
請求項4では、ボンディングツールの接触面の外形は、半導体素子の各辺に近接した位置にある金属突起電極の外側端部に接する直線からなる金属突起電極外周と相似形状でかつ大きくした外周の各角部を円弧にした形状であるので、ボンディングツールの接触面はインナーリードと金属突起電極の接合部分の全てを含むことができ確実に接続できる。また、角部が円弧にする前の従来例の角部より内側に位置するので、角部から一番近い開口部の一辺までの距離と、次に近い一辺までの距離の和が大きくなることで、テープキャリアが伸びる変形量が小さくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)はこの発明の第1の実施の形態の半導体装置の製造装置におけるボンディングツールのフィルムと接する側から見た平面図、(b)はそのボンディングツールを用いたILB中の状態をフィルム側から見た平面図である。
【図2】この発明の第1の実施の形態におけるボンディングツールの外形と半導体素子上の金属突起電極との関係を図示した平面図である。
【図3】この発明の第2の実施の形態の半導体装置の製造装置におけるボンディングツールのフィルムと接する側から見た平面図、(b)はそのボンディングツールを用いたILB中の状態をフィルム側から見た平面図である。
【図4】この発明の第2の実施の形態におけるボンディングツールの外形と半導体素子上の金属突起電極との関係を図示した平面図である。
【図5】(a)は導体リード側からみた一般的なCOFの平面図であり、図5(b)は一般的なCOFの断面図である。
【図6】一般的なCOF組立工程を示す断面図である。
【図7】(a)は半導体素子とその上に形成された金属突起電極の配置を示す平面図、(b)は従来例のボンディングツールのフィルムと接する側から見た平面図である。
【図8】(a)は従来例のCOF組立工程におけるILB中の状態をフィルム側から見た平面図、(b)は(a)のA−A′断面図、(c)はILB直後の状態の断面図である。
【符号の説明】
1 フィルム
2 フィルム基材
3 ソルダーレジスト
4 導体リード
4a インナーリード
4b アウターリード
5 半導体素子
6 金属突起電極
7 封止樹脂
8 フォーミング板
9 クランパ
10 ボンディングツール
10a ボンディングツール
10b ボンディングツール
11 ボンディングステージ
12 クランパの開口部
13 樹脂供給ノズル
14 ボンディングツールのフィルム基材との接触面
15 金属突起電極外周
16 ボンディングツールの接触面の外形
17 ボンディングツールのフィルム基材との接触面
18 ボンディングツールの接触面の外形
19 ボンディングツールのフィルム基材との接触面
20 ボンディングツールの接触面の外形
Claims (4)
- ボンディングステージ上に載置された半導体素子上の金属突起電極と、テープキャリアに形成されたインナーリードとを、前記ボンディングステージとこれに対向するボンディングツールとの間に挟んで押圧して、前記金属突起電極と前記インナーリードとを接合する半導体装置の製造装置であって、前記テープキャリアは、前記ボンディングツールが挿入される開口部を有する固定部材にて固定され、前記ボンディングツールは、前記テープキャリアに接する接触面の外形の各角部が鈍角であることを特徴とする半導体装置の製造装置。
- ボンディングツールの接触面の外形は、半導体素子の各辺に近接した位置にある金属突起電極の外側端部に接する直線からなる金属突起電極外周と相似形状でかつ大きくした外周の各角部を面取りして鈍角にした形状である請求項1記載の半導体装置の製造装置。
- ボンディングステージ上に載置された半導体素子上の金属突起電極と、テープキャリアに形成されたインナーリードとを、前記ボンディングステージとこれに対向するボンディングツールとの間に挟んで押圧して、前記金属突起電極と前記インナーリードとを接合する半導体装置の製造装置であって、前記テープキャリアは、前記ボンディングツールが挿入される開口部を有する固定部材にて固定され、前記ボンディングツールは、前記テープキャリアに接する接触面の外形の各角部が曲線状になっていることを特徴とする半導体装置の製造装置。
- ボンディングツールの接触面の外形は、半導体素子の各辺に近接した位置にある金属突起電極の外側端部に接する直線からなる金属突起電極外周と相似形状でかつ大きくした外周の各角部を円弧にした形状である請求項3記載の半導体装置の製造装置。
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