JP2004157423A - 画像形成方法 - Google Patents

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JP2004157423A JP2002324626A JP2002324626A JP2004157423A JP 2004157423 A JP2004157423 A JP 2004157423A JP 2002324626 A JP2002324626 A JP 2002324626A JP 2002324626 A JP2002324626 A JP 2002324626A JP 2004157423 A JP2004157423 A JP 2004157423A
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Takeshi Omura
大村  健
Asao Matsushima
朝夫 松島
Shiro Hirano
史朗 平野
Yoshiki Nishimori
芳樹 西森
Hiroyuki Yamada
裕之 山田
Hiroshi Yamazaki
弘 山崎
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Abstract

【課題】低温定着性のトナーを用いて両面プリントして得られたトナー画像が、ブロッキングやタッキングを発生しない、また、部分的に剥離しない良好な定着性を有するトナー画像の得られる画像形成方法を提供する。
【解決手段】軟化点が90℃〜120℃の範囲の低温定着対応したトナーを用いてトナー画像を形成し、該トナー画像の動摩擦係数を0.1〜0.3、ESCA表面分析による炭素の占有面積を70%〜90%、酸素の占有面積を6%〜12%以下とする画像形成方法。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式の画像形成方法に関し、特に、適度な滑り性を有することで擦り定着に優れ、タッキングの発生しにくいトナー画像の得られる画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式による画像形成は、いまやデジタル方式が主流となっている。
当該技術の動向として、
A:カラー化、B:省エネルギー化、C:両面プリントの標準装備、D:高速化、E:小型化が挙げられる。
【0003】
Aのカラー化は、従来の転写紙上への多量のオイル塗布を行う方式から、トナー粒子中に離型剤を導入したオイルレス化へ移行することにより、Y、M、C、Kの各トナーを用いたフルカラー画像形成技術が向上した。トナー粒子中に離型剤を添加したオイルレストナーは、特開2002−214821号(以下特許文献1という)の段落0049に開示されている。
【0004】
Bの省エネルギー化は、定着装置の改良と従来よりも低い温度で定着可能なトナーの登場により達成され、特開2002−107994号公報(以下特許文献2という)の段落0014に低温定着性を有するトナーが開示されている。
【0005】
ところで、デジタル方式による画像形成はコンピュータの出力装置として発展し、高速プリンターの低価格化に加えて、両面プリントユニットや、プリントと同時に画像形成した用紙を折り束ねて中綴じし高速で製本化を行う装置などのオプション機器の発展を促し、さらにはコンピュータ間のデータ転送により「必要な時に必要な分だけ」プリントあるいは出版を行うことの可能なプリントオンデマンド(POD)技術やブックオンデマンド技術が普及しつつある。
【0006】
また、前述の特許文献1や2に開示されたトナーは、その粒径が数ミクロンオーダーであり、例えば1200dpi(1インチあたりのドット数、1インチは2.54cm)レベルの小さなドット画像の顕像化に適した小粒径のものであることから軽印刷なみの画像形成を可能にするデジタル画像形成に適している。
【0007】
また、既存の軽印刷技術と競合し、かつそれよりも優れた画像を提供する上で、トナー画像が剥離しない良好な定着性及び適度な滑り性を有することは、製本した文書の堅牢性を向上させるので好ましく、トナー画像の物性に着目した技術は例えば特開2000−105484号公報(以下特許文献3という)にトナー画像の静摩擦係数に着目するものがある。
【0008】
【特許文献1】
特開2002−214821号公報(段落0049)
【0009】
【特許文献2】
特開2002−107994号公報(段落0014)
【0010】
【特許文献3】
特開2000−105484号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、高速で両面プリントした多量の印刷物を製本する時に出力装置の排紙部上に用紙が積み重ねられた状態で置かれることが多い。排紙部上の印刷物は、加熱定着時の熱をある程度温存しさらに用紙の自重が作用しているのでトナー画像が用紙の白地に付着して汚染するブロッキングや用紙同士が貼り付くタッキングの問題を発生させた。貼り付いたトナー画像を剥離した部分は画像が抜けたり光沢が低下するのでトナー画像の仕上りに問題を呈した。
【0012】
また、両面プリントを行うと片面に既に定着画像を形成した後に裏側に他の画像を転写し定着するので、先に定着した画像が擦られて部分的に剥離する擦り定着性の問題も有している。
【0013】
この様に、低温定着性を有するトナーを用いて高速で大量の両面プリントを行う技術には、実用化に向けて達成すべき課題が残されており、上記特許文献にはこれらの課題を解決することの記載はない。
【0014】
本発明は、上記の問題を鑑みてなされたものである。すなわち、本発明は低温定着性のトナーを用いてデジタル方式で両面プリントを行って排紙部上に用紙を積み重ねても、ブロッキングやタッキングが発生しない画像形成方法を提供することを目的とする。
【0015】
また、本発明は、低温定着性のトナーを用いて両面プリントを行った時に、片面に定着済みのトナー画像を有する用紙の裏面に定着画像を形成してもトナー画像が部分的に剥離せず良好な擦り定着性の得られる画像形成方法を提供することを第2の目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、低温定着可能なトナーを用いて形成したトナー画像の物性に着目し、トナー画像のもつ物性値に基づいて定着条件等の画像形成条件の制御を行う技術を検討した。その結果、軟化点が90℃〜120℃の範囲の低温定着対応したトナーを用いて形成したトナー画像では、その動摩擦係数が特定範囲内の値を有し、かつトナー画像をESCA表面分析した時に画像を構成する炭素の占有面積と酸素の専有面積の割合が特定範囲内の値となる時に、上記課題を解消する効果を発現することを見出した。さらに、上記物性に加えて水に対する接触角の値が特定範囲内にあると、上記課題がより確実に解消されることを見出した。
【0017】
すなわち、上記課題は以下に記載のいずれか1項の構成により解消されるものであることを見出した。
【0018】
〔1〕像形成体上に形成された潜像を、軟化点が90℃〜120℃のトナーで現像して可視画像を形成し、記録材上に該可視画像を転写して加熱定着を行ってトナー画像を形成する画像形成方法であって、該記録材上に形成されたトナー画像の動摩擦係数の値が、0.1〜0.3であり、かつESCA表面分析による炭素の占有面積が70%〜90%、酸素の占有面積が6%〜12%以下であることを特徴とする画像形成方法。
【0019】
〔2〕前記記録材上に形成されたトナー画像の水に対する接触角が100°〜130°であることを特徴とする前記〔1〕に記載の画像形成方法。
【0020】
〔3〕前記トナーに含有される離型剤の融点が60℃〜110℃であり、かつ前記トナーを構成する樹脂のガラス転移点が42℃〜58℃であることを特徴とする前記〔1〕または〔2〕に記載の画像形成方法。
【0021】
〔4〕前記画像形成方法が、デジタル方式により画像形成を行うものであることを特徴とする前記〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載の画像形成方法。
【0022】
上記〔1〕に記載の動摩擦係数とは、例えば接触状態にある2物体が一方に対して滑りや、或いは転がり運動を行う様に、2つの物体が相対運動を行っている状態で両者の接触面に生じる摩擦力と法線作用力との比で表される値で、動摩擦係数の値が小さい程滑り易い、或いは転がり易い状態にある。
【0023】
また、上記〔1〕に記載のESCA表面分析とは、トナー画像にX線照射を行いトナー画像表面における炭素及び酸素の含有量を特定するもので、通常電子分光法(Electron Spectroscopy for Chemical Analysis)と呼ばれる測定方法である。
【0024】
上記〔2〕に記載の水に対する接触角とは、液体である純水が固体面である加熱定着して形成されたトナー画像表面に接触している時の液面と固体面のなす角を言うもので、接触角の値が大きい程トナー画像は撥水性が強く、水に濡れにくい性質を有する状態にある。
【0025】
また、本発明では、定着後に得られたトナー画像の温度または動摩擦係数の値をモニターし、モニター結果と形成されるトナー画像の物性との関連付けを行って形成されたトナー画像の温度や動摩擦係数の値から画像形成装置の定着温度や定着装置に加える冷却ファンの回転速度、デジタル画像処理条件や像形成体に付与する電位、露光量を制御することにより、上記課題をより確実に達成することを見出した。すなわち、以下に記載のいずれか1項の構成により達成した。
【0026】
〔5〕前記記録材上に形成されたトナー画像の温度をモニターし、該モニターの結果に基づいて画像形成時に制御を行うことを特徴とする前記〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載の画像形成方法。
【0027】
〔6〕前記記録材上に形成されたトナー画像の動摩擦係数の値をモニターし、該モニターの結果に基づいて画像形成時に制御を行うことを特徴とする前記〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載の画像形成方法。
【0028】
ここで、「定着画像の温度や動摩擦係数の値をモニターする」とは、画像形成により得られる定着画像について、該画像の物性である温度や動摩擦係数の値を監視、記録することで、諸々の画像濃度に対してその温度や動摩擦係数の値を記録することが好ましい。そして、監視し記録して得られた情報に基づいて形成画像がタッキングやブロッキングを発生しない様な定着画像の温度や動摩擦係数の値になる様に画像形成条件の変更を行う。
【0029】
この様に、定着画像の温度や動摩擦係数の値を監視し記録することにより、形成された画像濃度がどの程度になるとタッキングを発生させるかを把握することができるので、オリジナル画像の情報から作成されるプリントがタッキングを発生させる濃度になる場合、後述するように定着温度の設定値の変更や定着画像の温度を早く下げるべく定着後の冷却処理時間や定着装置の冷却速度の変更、あるいは露光時の光量を変更したり、あるいは画像処理により画像の面積率を変更する等の操作を行って、作成画像のタッキング発生を防止している。
【0030】
〔7〕前記モニターの結果に基づいて、画像形成時の定着温度の制御を行うことを特徴とする前記〔5〕または〔6〕に記載の画像形成方法。
【0031】
〔8〕前記モニターの結果に基づいて、定着温度の冷却を制御することを特徴とする前記〔5〕または〔6〕に記載の画像形成方法。
【0032】
〔9〕前記モニターの結果に基づいて、デジタル方式による画像形成時に行われる画像処理条件の制御を行うことを特徴とする前記〔5〕または〔6〕に記載の画像形成方法。
【0033】
さらに、本発明者は樹脂と離型剤よりなる海島構造を有し樹脂成分が海の領域を構成し、離型剤成分が島の領域を構成するトナーを用いると、上記課題をさらに確実に解消することを見出した。
【0034】
〔10〕前記画像形成方法に使用されるトナーが、樹脂と離型剤を含有する海島構造を有するもので、該海島構造の海の領域を該樹脂が構成し島の領域を該離型剤が構成するものであることを特徴とする前記〔1〕〜〔9〕のいずれか1項に記載の画像形成方法。
【0035】
〔11〕前記トナーが、トナー粒子表面に前記海島構造を構成する島が2〜20個であるトナー粒子を99個数%以上有することを特徴とする前記〔10〕に記載の画像形成方法。
【0036】
〔12〕前記トナーが、トナー粒子表面に前記島が露出していないトナー粒子を98個数%以上有することを特徴とする前記〔10〕または〔11〕に記載の画像形成方法。
【0037】
〔13〕前記トナーの平均粒径が、3μm〜9μmであることを特徴とする前記〔10〕〜〔12〕のいずれか1項に記載の画像形成方法。
【0038】
〔14〕前記トナーが、重合性単量体を水系媒体中で重合させて得られるものであることを特徴とする前記〔10〕〜〔13〕のいずれか1項に記載の画像形成方法。
【0039】
この様に、本発明では定着画像の物性を特定する物理数の値を特定範囲内にすることにより、トナー画像によるブロッキングやタッキングの発生を防止できることを見出し、定着画像の温度や動摩擦係数の値をモニターして得られた結果から画像形成時の定着温度やデジタルの画像処理条件を制御することにより、例えばベタ画像の原稿をプリントする時に定着温度を低く設定したり、画像処理により完全なベタ画像を作成せずにオリジナル画像に忠実な範囲で濃度を下げる画像処理を行うことにより、トナー画像によるブロッキングやタッキングの発生を防止している。
【0040】
【発明の実施の形態】
本発明は、軟化点が90℃〜120℃の範囲の低温定着に対応したトナーを用いて形成したトナー画像が、特定範囲内の動摩擦係数の値を有し、かつESCA表面分析した時に画像を構成する炭素の占有面積と酸素の占有面積の割合が特定範囲内の値となる画像形成方法に関する。
【0041】
最初に、本発明に係る画像形成方法に使用される代表的な画像形成装置について説明する。
【0042】
図1は本発明に係る画像形成方法に使用される代表的な画像形成装置の一例を示す概略図である。34は被帯電体である感光体ドラムであり、アルミニウム製のドラム基体の外周面に感光体層である有機光導電体(OPC)を形成してなるもので矢印方向に所定の速度で回転する。
【0043】
図1で、図示しない原稿読み取り装置にて読み取った情報に基づき、半導体レーザ光源31から露光光が発せられる。これをポリゴンミラー32により、図1の紙面と垂直方向に振り分け、画像の歪みを補正するfθレンズ33を介して、感光体面上に照射され静電潜像を形成する。感光体ドラム34は、予め帯電器35により一様帯電され、像露光のタイミングにあわせて時計方向に回転を開始している。
【0044】
感光体ドラム面上の静電潜像は、現像器36により現像され、形成された現像像はタイミングを合わせて搬送されてきた転写材38に転写器37の作用により転写される。更に感光体ドラム34と転写材38は分離器(分離極)39により分離されるが、現像像は転写材38に転写担持されて、定着器40へと導かれ定着される。
【0045】
感光体面に残留した未転写のトナー等は、クリーニングブレード方式のクリーニング器41にて清掃され、帯電前露光(PCL)42にて残留電荷を除き、次の画像形成のため再び帯電器35により、一様帯電される。
【0046】
なお、前記露光はデジタル像露光が特に好ましいが、アナログによる像露光を行うものでもよい。
【0047】
本発明で使用される画像形成装置は、特にデジタル画像データに変調した画像データを変調ビームにより感光体上にデジタル方式で静電潜像形成を行うことの可能な装置が好ましく使用される。図2は本発明に使用されるデジタル画像形成装置を示す概略構成図である。
【0048】
図2において、画像形成装置101は、自動原稿搬送装置(通称ADF)Aと、自動原稿搬送装置により搬送される原稿の画像を読み取るための原稿画像読取部Bと、読み取った原稿画像を処理する画像制御基板Cと、画像処理後のデータに従って像担持体としての感光体ドラム34上に書き込みを行う書き込みユニット112を含む書き込み部Dと、感光体ドラム34及びその周囲に帯電器35、磁気ブラシ型現像装置からなる現像器36、転写器37、分離器39、クリーニング器41等の画像形成手段を含む画像形成部Eと、記録紙Pを収納する給紙トレイ122、124のための収納部Fを有している。
【0049】
自動原稿搬送装置Aは、原稿載置台126と、ローラR1を含むローラ群および原稿の移動通路を適宜切り替えるための切換手段等(参照記号なし)を含む原稿搬送処理部128とを主要素とする。
【0050】
原稿画像読取部Bは、プラテンガラスGの下にあり、光路長を保って往復移動できる2つのミラーユニット130、131、固定の結像レンズ(以下、単にレンズという)133、ライン状の撮像素子(以下、CCDという)135等からなり、書き込み部Dは、レーザ光源31、ポリゴンミラー(偏光器)32等からなる。
【0051】
転写材としての記録紙Pの移動方向からみて、転写器37の手前側に示すR10はレジストローラであり、分離器39の下流側にHで示してあるのは定着手段である。
【0052】
定着手段Hは、実施の形態においては、加熱源を内蔵するローラと、当該ローラに圧接しながら回転する圧接ローラとで構成してある。
【0053】
また、Zは定着手段Hのためのクリーニング手段で、巻き取り可能に設けたクリーニングウェブを主要素とする。
【0054】
原稿載置台126上に載置される原稿(図示せず)の1枚が原稿搬送処理部128によって搬送され、ローラR1の下を通過中に、露光手段Lによる露光が行われる。
【0055】
原稿からの反射光は、固定位置にあるミラーユニット130、131およびレンズ133を経てCCD135上に結像され、読み取られる。
【0056】
原稿画像読取部Bで読み取られた画像情報は、画像処理手段により処理され、符号化されて画像制御基板C上に設けてあるメモリーに格納される。
【0057】
また、画像データは画像形成に応じて呼び出され、当該画像データに従って、書き込み部Dにおけるレーザ光源31が駆動され、感光体ドラム34上に露光が行われる。
【0058】
近年、感光体上に静電潜像を形成し、この潜像を現像して可視画像を得る電子写真等の分野において、画質の改善、変換、編集等が容易で高品質の画像形成が可能なデジタル方式を採用した画像形成方法の研究開発が盛んになされている。
【0059】
この画像形成方法及び装置に採用されるコンピュータまたは複写原稿からのデジタル画像信号により光変調する走査光学系として、レーザ光学系に音響光学変調器を介在させ、当該音響光学変調器により光変調する装置、半導体レーザを用い、レーザ強度を直接変調する装置があり、これらの走査光学系から一様に帯電した感光体上にスポット露光してドット状の画像を形成する。
【0060】
前述の走査光学系から照射されるビームは、裾が左右に広がった正規分布状に近似した丸状や楕円状の輝度分布となり、例えばレーザビームの場合、通常、感光体上で主走査方向あるいは副走査方向の一方あるいは両者が20〜100μmという極めて狭い丸状あるいは楕円状である。
【0061】
本発明では、モノクロ画像だけではなく、カラー画像を得るための画像形成にも適用されるもので、例えば複数個の画像形成ユニットを備え、各画像形成ユニットにてそれぞれ色の異なる可視画像(トナー画像)を形成してトナー画像を形成する画像形成方法である。
【0062】
本発明のトナーは、トナー像が形成された画像形成支持体を、定着装置を構成する加熱ローラーと加圧ローラーとの間に通過させて定着する工程を含む画像形成方法に好適に使用される。
【0063】
図3は、本発明に係る画像形成方法で使用される定着装置の一例を示す断面図であり、図3に示す定着装置40は、加熱ローラー71と、これに当接する加圧ローラー72とを備えている。なお、図3において、Tは転写紙(画像形成支持体)上に形成されたトナー像である。
【0064】
加熱ローラー71は、フッ素樹脂または弾性体からなる被覆層82が芯金81の表面に形成されてなり、線状ヒーターよりなる加熱部材75を内包している。
【0065】
芯金81は、金属から構成され、その内径は10〜70mmである。芯金81を構成する金属としては特に限定されるものではないが、例えば鉄、アルミニウム、銅等の金属あるいはこれらの合金を挙げることができる。
【0066】
芯金81の肉厚は0.1〜15mmであり、省エネルギーの要請(薄肉化)と、強度(構成材料に依存)とのバランスを考慮して決定される。例えば、0.57mmの鉄よりなる芯金と同等の強度を、アルミニウムよりなる芯金で保持するためには、その肉厚を0.8mmとする必要がある。
【0067】
被覆層82を構成するフッ素樹脂としては、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)およびPFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)などを例示することができる。
【0068】
フッ素樹脂からなる被覆層82の厚みは10〜500μmであり、好ましくは20〜400μmである。
【0069】
また、被覆層82を構成する弾性体としては、LTV、RTV、HTVなどの耐熱性の良好なシリコーンゴムおよびシリコーンスポンジゴムなどを用いることが好ましい。
【0070】
被覆層82を構成する弾性体のアスカーC硬度は、80°未満であり、好ましくは60°未満である。
【0071】
また、弾性体からなる被覆層82の厚みは0.1〜30mmであり、好ましくは0.1〜20mmである。
【0072】
加熱部材75としては、ハロゲンヒーターを好適に使用することができる。
加圧ローラー72は、弾性体からなる被覆層84が芯金83の表面に形成されてなる。被覆層84を構成する弾性体としては特に限定されるものではなく、ウレタンゴム、シリコーンゴムなどの各種軟質ゴムおよびスポンジゴムを挙げることができ、被覆層84を構成するものとして例示したシリコーンゴムおよびシリコーンスポンジゴムを用いることが好ましい。
【0073】
被覆層84を構成する弾性体のアスカーC硬度は、80°未満であり、好ましくは70°未満、更に好ましくは60°未満である。
【0074】
また、被覆層84の厚みは0.1〜30mmであり、好ましくは0.1〜20mmである。
【0075】
芯金83を構成する材料としては特に限定されるものではないが、アルミニウム、鉄、銅などの金属またはそれらの合金を挙げることができる。
【0076】
加熱ローラー71と加圧ローラー72との当接荷重(総荷重)としては、通常40〜350Nであり、好ましくは50〜300N、さらに好ましくは50〜250Nである。この当接荷重は、加熱ローラー71の強度(芯金81の肉厚)を考慮して規定され、例えば0.3mmの鉄よりなる芯金を有する加熱ローラーにあっては、250N以下とすることが好ましい。
【0077】
また、耐オフセット性および定着性の観点から、ニップ幅としては4〜10mmであることが好ましく、当該ニップの面圧は0.6×10Pa〜1.5×10Paであることが好ましい。
【0078】
図3に示した定着装置による定着条件の一例を示せば、定着温度(加熱ローラー71の表面温度)が120〜210℃であり、定着線速が230〜900mm/secである。
【0079】
上記定着器にはクリーニング機構を付与して使用してもよい。クリーニング方式としては、各種シリコーンオイルを定着用フィルムに供給する方式や各種シリコーンオイルを含浸させたパッド、ローラー、ウェッブ等でクリーニングする方式が用いられる。
【0080】
なお、シリコーンオイルとしては、ポリジメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン、ポリジフェニルシロキサン等を使用することが出来る。更に、フッ素を含有するシロキサンも好適に使用することが出来る。
【0081】
また、本発明で用いられる画像形成装置では、感光体表面に残留した未転写トナーをリサイクル使用するトナーリサイクルを行う機構を有するものであってもよい。トナーリサイクルを行うための方式としては特に限定されるものではないが、たとえばクリーニング部で回収されたトナーを搬送コンベアあるいは搬送スクリューにより補給用トナーホッパー、現像器あるいは補給用トナーと中間室によって混合して現像器へ供給する方法等を挙げることができる。好ましくは現像器へ直接戻す方式あるいは中間室にて補給用トナーとリサイクルトナーを混合して供給する方式を挙げることができる。
【0082】
次に図4において、トナーリサイクル機構を有するプロセスカートリッジの一例を挙げる。この方式は現像器へリサイクルトナーを直接戻す方式である。
【0083】
トナークリーニング器41で回収された未転写トナーはトナークリーニング器41内の搬送スクリュー42によってトナーリサイクルパイプ44に集められ、更にこのリサイクルパイプの受け口45から現像器36に戻され、再び現像剤として使用される。
【0084】
この図4では斜視構造を判りやすくするため感光体ユニットと現像剤ユニットを分離した図面になっているが、これを全部一体化したユニットとして着脱自在に画像形成装置に搭載できる。この場合、感光体34、現像器36、クリーニング器41及びリサイクル部材42、44、45が一体となりプロセスカートリッジを構成している。
【0085】
また、上記画像形成装置は、感光体ドラムと、帯電器、現像器、クリーニング器あるいはリサイクル部材等の少なくとも一つを含むプロセスカートリッジを搭載する形態にすることもできる。
【0086】
又、クリーニング器41であるクリーニングブレードは、厚さ1〜30mm程度のゴム状弾性体を用い、材質としてはウレタンゴムが最も良く用いられる。これは感光体に圧接して用いられるため熱を伝え易く、本発明においては解除機構を設け、画像形成動作を行っていない時には感光体から離しておくのが望ましい。
【0087】
次に、本発明に係る画像形成方法で形成されたトナー画像を特定する物性について説明する。
【0088】
本発明に係る画像形成方法により形成されるトナー画像の動摩擦係数の値は、特定範囲内の値となるもので、トナーを加熱定着して形成された定着画像の動摩擦係数の値は、0.1以上0.3以下となる時に、本発明の作用効果を発現することを見出している。
【0089】
ここで、動摩擦係数について説明する。先ず、摩擦とは2つの物体がその接触面において運動を行う場合に生ずる抵抗のことを言い、2つの物体が静止状態にあって運動を開始する時にその運動を妨げるものを静摩擦、2つの物体が相対運動を行っている状態にあってこの運動中に生ずる抵抗を動摩擦と言う。
【0090】
すなわち、動摩擦係数とは、2つの物体が相対運動を行っている状態で両者の接触面に生じる摩擦力と法線作用力との比で表されるものである。相対運動を行っている状態とは、例えば接触状態にある2物体が一方に対して滑りや、或いは転がり運動を行っている様な場合を指す。
【0091】
因みに、静摩擦係数とは、静止状態にある2つの物体の接触面に生じる摩擦力と法線作用力との比を表すものである。加熱定着して形成されたトナー画像の静摩擦係数に着目した発明は、例えば、前述の特許文献3に見られるが、トナー画像の形成されている記録紙を静止状態に置いて見出された静止摩擦係数に関する記載が、トナー画像の形成されている記録紙が相対運動を行っている状態で見出される動摩擦係数の値を想到させるものではない。
【0092】
動摩擦計数の具体的な測定装置としては、例えば自動摩擦・摩耗解析装置DFPM−SS型(協和界面科学社製)が挙げられ、同装置ではステンレス製半円型接触子を用い厚さ5mm、曲率半径5mmの条件下で測定を行う。
【0093】
本発明では、加熱定着して形成されたトナー画像の動摩擦係数の値が、0.1以上0.3以下の範囲となる時に本発明で見出した効果を再現することが確認されているが、より好ましくは、0.15以上0.25以下の値では特にその効果が顕著に現れることが確認されている。
【0094】
次に、本発明に係る画像形成方法により形成されるトナー画像におけるESCA表面分析について説明する。
【0095】
本発明は、記録材上に加熱定着して形成されるトナー画像が、ESCA表面分析により、炭素の占有面積が70%以上90%以下であり、かつ酸素の占有面積が6%以上12%以下である時に、本発明の課題を達成することを見出した。
【0096】
ESCAによる測定は、例えば島津製作所社製ESCA−1000を用いて、炭素、酸素等のトナー画像表面における元素の相対的な強度比から、各々の元素の占有面積の比率を求めた。すなわち、本発明では、例えば島津製作所社製ESCA−1000を用いた場合は以下に示す条件で測定した値を使用して、トナー画像表面の主成分元素濃度をX線光電子分光法により求めた。
【0097】
なお、表面元素濃度の定量計算には、原子ピークエリア強度を使用した。また、主成分元素の選択には、本測定方法により測定し易い元素を選択すれば良い。
【0098】
X−Ray :Mgアノード、10kV−30mA
Pass Energy :31.500eV
Sampling Times:200msec
Repeat Times :10
Sensitivity :島津ESCA−1000用感度補正係数表に従う
Smoothing :Savitzky法
Background :Non Linear(Mode:Lo.+Ave.)
本発明では、上記測定条件で表面元素濃度を得、得られた値より炭素、酸素の相対的な強度比から、炭素と酸素の占有する面積率を求めた。そして、算出された炭素の占有面積の値が70%以上90%以下、酸素の占有面積の値が6%以上12%以下の時に、該トナー画像が本発明で見出された効果を発揮することを確認した。
【0099】
前述のESCAによるトナー画像表面に存在する炭素及び酸素の占有面積の測定方法は、特開平2−87157号公報及び「The Sixth International Congress on Advance in Non−Impact Printing Technologies P.132 1990」に記載されているESCAによる表面分析の手法からトナー画像表面に存在する炭素及び酸素の量を占有面積で算出する方法を用いた。
【0100】
すなわち、ESCAを用いて所定面積のトナー画像表面を形成する構成材料及び元素個数%を測定する。次いで、トナー画像表面に存在する元素個数比率を用いて構成材料の元素個数比率からこれら構成材料の個数比率を連立方程式を用いて求める方法である。
【0101】
ESCAの装置としては特に限定されないが、前述のESCA−1000(島津製作所製)の他に、例えばESCA LAB 210、ESCA LAB 200R(VG社製)、PHI560(フィリップス社製)等が挙げられる。
【0102】
占有面積の具体的な測定方法は、ESCAを用いてまずトナー表面に存在する元素の個数%を測定する。さらに、使用している原材料のESCAも同様に測定を行う。例えば原材料としてA,B,Cの3種を用い、下記表面に存在する個数%の測定結果を得たとする。ここで、C1sは、炭素元素の1s軌道に起因するピーク面積であり、O1sは酸素元素の1s軌道に起因するピーク面積であり、N1sは窒素元素の1s軌道に起因するピーク面積を示す。
【0103】
試料 C1s O1s N1s
トナー p q r
原材料A A1 A2 A3
原材料B B1 B2 B3
原材料C C1 C2 C3
上記結果から、原材料Aの表面個数%をx、原材料Bの表面個数%をy、原材料Cの表面個数%をzとすると、下記連立方程式によりこれらを算出することができる。
【0104】
p=xA1+yB1+zC1
q=xA2+yB2+zC2
r=xA3+yB3+zC3
ここでは上記方法に従って算出された方法を個数%として定義する。
【0105】
次に、本発明に係る画像形成方法により形成されるトナー画像における水に対する接触角について説明する。
【0106】
本発明では、記録材上に加熱定着して形成されるトナー画像の水に対する接触角の値が、100°以上130°以下の範囲内にある時に、本発明で見出された効果を発現することを見出した。
【0107】
本発明で言うトナー画像の水に対する接触角とは、液体である純水が固体面である加熱定着して形成されたトナー画像表面に接触している時の液面と固体面のなす角を言うものである。
【0108】
トナー画像の水に対する接触角の具体的な測定方法は、30℃、80%RHの環境下で接触角計(CA−DT・A型:協和界面科学社製)を用いて測定する。
【0109】
次に、本発明に係る画像形成方法に使用されるトナーについて説明する。
本発明に係る画像形成方法に使用されるトナー粒子は、90℃〜120℃の範囲の軟化点の値を有するもので、さらにトナー粒子を構成する樹脂のガラス転移点が42〜58℃であり、離型剤の融点が60℃〜110℃の範囲内にある。
【0110】
本発明で使用されるトナーの軟化点は、細管式レオメータ(島津製作所社製)を使用して測定された値を示す。具体的には、細管式レオメータ「FT−500C」(島津製作所社製)を用い、ダイスの細孔の径1mm、長さ1mm、荷重20kg/cm、昇温速度6℃/minの条件下で1cmの試料を溶融流出させたときの流出開始点から流出終了点の高さの1/2に相当する温度を軟化点として示す。
【0111】
本発明で使用されるトナーを構成する樹脂のガラス転移点は、示差熱量分析装置(DSC)により測定され、ベースラインと吸熱ピークの傾きとの交点をガラス転移点とする。具体的には、示差走査熱量計を用い、100℃まで昇温しその温度にて3分間放置した後に降下温度10℃/minで室温まで冷却する。ついで、このサンプルを昇温速度10℃/minで測定した際に、ガラス転移点以下のベースラインの延長線と、ピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの間での最大傾斜を示す接線との交点をガラス転移点として示す。
【0112】
具体的な測定装置としては、例えばパーキンエルマー社製のDSC−7が挙げられる。
【0113】
また、本発明に使用されるトナー粒子に含有される離型剤の融点は、後述の様に示差熱量分析装置(DSC)により測定される。
【0114】
本発明に使用されるトナーは、少なくとも樹脂、着色剤、離型剤より構成され、これらの成分がお互いに相溶せずにそれぞれが独立した相を形成する海島構造を有する。ここで、海島構造とは、連続相中に閉じた界面(相と相との境界)を有する島状の相が存在する構造のことをいう。
【0115】
すなわち、本発明に係る画像形成方法に使用されるトナーでは、樹脂で構成される連続相の海の中に、離型剤の相と着色剤の相が島状に存在する海島構造を有している。
【0116】
本発明に係る画像形成方法に使用されるトナーは、トナー粒子1個中に、2〜20個の島を99個数%以上有するものである。これは本発明に使用されるトナーがトナー粒子中に必ず離型剤の島を含有していることを意味する。
【0117】
従来技術におけるトナーでは、粉砕トナーは云うに及ばず、特開平5−88409号公報に開示の懸濁重合トナーでさえ、数%オーダーでトナー粒子中に離型剤を含有していないトナー粒子が存在することが確認されており、必ずしもトナー粒子中に離型剤が含有されているわけではなかった。
【0118】
しかしながら、本発明に使用されるトナーは、後述のミニエマルジョン多段重合法によって製造されるためと推測されるが、トナー粒子中に離型剤を確実に含有するものであることが、電子顕微鏡写真からも確認される。
【0119】
トナー粒子中に2〜20個の島を有するトナーが99個数%以上あることは、透過型電子顕微鏡写真により確認され、トナー粒子1000個より個々のトナー粒子中に存在する島(離型剤)の個数を算出し、その個数の平均値より求められる。本発明に使用されるトナーは、1個のトナー粒子中に存在する離型剤の島の個数が2〜20個であるが、島の個数は好ましくは8〜18個、特に好ましくは10〜16個である。
【0120】
また、本発明に使用されるトナーは、トナー粒子表面に島部が露出していないトナー粒子が全体の98個数%以上であると、トナー粒子表面に離型剤が露出しているトナー粒子が殆どないので、外力により離型剤がトナー粒子より脱離することがなく好ましい。離型剤の領域がトナー粒子表面に露出せず、トナー粒子内に均一に分散していることにより、離型剤がトナー粒子中から遊離することなく安定して保持されているものと考えられる。この様な構造を有するトナー粒子を形成することができた理由は必ずしも明らかではないが、おそらく、離型剤がトナー粒子内部で安定した状態で結着樹脂に保持されるためと推測される。
【0121】
あるいは、仮にトナー粒子表面に離型剤が存在していたとしても、トナーの製造工程における水系媒体中で離型剤の融点以上に加熱する工程を経ることにより、濾過工程で水系媒体を除去する時にトナー粒子表面に存在した離型剤が水とともに除去されるためとも推測される。
【0122】
また、離型剤の形状も起因すると推測される。すなわち、従来技術では添加され凝集した離型剤の形状は球形もしくは球形に近い形状を有していたので、離型剤がトナー粒子中を容易に移動したり、離型剤と樹脂成分との接触面積が小さいために離型剤がトナー粒子中で堅固に保持されず、粒子中より脱離したものと推測される。
【0123】
これに対し、本発明に使用されるトナーは、トナー粒子中の離型剤の島が、粒子中で堅固に保持される形態を有しているので、加圧定着工程時以外ではトナー粒子中より遊離せずに安定かつ堅固に保持され、加圧定着を行う時に迅速かつ確実、しかも均一にトナー粒子外に滲出することが可能なものと推測される。
【0124】
そして、トナー粒子外に離型剤が均一に滲出して定着画像表面を摩擦係数の低い離型剤により均一な保護層を形成して、トナー付着による汚染の問題を解消している。特に、製本時の様にトナー画像の掲載された用紙を束ね、重ね合わせたときに生ずる汚れ発生や、両面プリントを行った時に定着時の熱が蓄積されたままの用紙を大量に重ねても、ブロッキングと呼ばれるガラス転移点以上の温度環境に置かれた像形成したトナーが用紙に付着して発生する汚染の問題を防止している。
【0125】
なお、トナー粒子表面に島部が露出していないトナー粒子の比率が全トナーの98個数%以上であることは、透過型電子顕微鏡及び画像解析装置からの結果により見出され、具体的には1000個のトナー粒子の表面観察の結果から得られたものである。
【0126】
本発明で使用されるトナーでは、離型剤の相を構成する島がトナー粒子中に3次元的に偏りなく配置される状態を有しており、定着工程で加圧されると離型剤がムラなく滲出する。
【0127】
本発明で使用されるトナー粒子の構造に着目すると、トナー粒子を構成する島部を特定する因子であるフェレ水平径の値やその平均値、或いは島間の最近接壁間距離の平径値や前述した島の個数を特定すると、トナー粒子中の離型剤の分散性を制御しトナー粒子表面からの離型剤の遊離を減少させた。この様にトナー粒子内の離型剤が定着時にトナー画像上に均一に滲出しトナー画像表面を均等に覆うので、擦れ定着性を大幅に改良したトナー画像が得られる画像形成方法を可能にした。
【0128】
従来の重合法により得られるトナー粒子は、添加された離型剤が定着時に均一に滲出する様に粒子中に分散することがそれ程考慮されていなかったが、本発明で使用されるトナーは離型剤がトナー粒子中で等方的に分散させることにより、離型剤が定着時に均一に滲出することを可能にした。本発明で使用されるトナーが定着時に離型剤が均一に滲出することが可能な様に離型剤を分散させることが達成できた理由は必ずしも完全に解明されていないが、おそらく、従来技術ではその製造工程で離型剤同士の凝集を促進させる様な状態を発現してトナー粒子中で離型剤が最適に分散する様に島を形成することが困難だったものと推測される。本発明に使用されるトナーでは、その製造工程で何らかの因子により離型剤同士の凝集が効果的に制御されたために、離型剤がトナー粒子中で適度に分散することを達成したと推測される。
【0129】
本発明で使用されるトナー粒子が海島構造を有することは、透過型電子顕微鏡によるトナー粒子の断面写真でトナー粒子中に輝度の異なる領域が見られることから確認される。すなわち、本発明で使用されるトナー粒子は、後述する図5の模式図に示す様に、上記透過型電子顕微鏡により連続相中(結着樹脂の相)に輝度の異なる粒状の島(離型剤の相、及び着色剤の相)が存在することが確認される。さらに、電子顕微鏡の観察結果より得られた結果に基づいて、トナー粒子1個中の島の個数、島の形状係数、島のフェレ水平径及び島の最近接壁間距離等のトナー粒子の海島構造を特定する因子が数値として得られる。
【0130】
透過電子顕微鏡写真における輝度とは、トナー粒子を構成する結着樹脂、着色剤、及び離型剤といった各要素の結晶状態の差に起因する電子線透過率の差を可視化することにより生ずるもので、一般に着色剤は結着樹脂よりも電子線の透過率が低いため低輝度に撮影され、離型剤は結着樹脂よりも高輝度寄りに撮影される。
【0131】
電子顕微鏡写真において、低輝度とは画素(ピクセル)の輝度信号を256階調に分割した時に0〜99階調にあるものを言い、中輝度とは80〜160階調の範囲にあるもの、高輝度とは127〜255階調にあるものをいうが、本発明では相対的なもの、すなわち前述のトナー粒子の構成要素を写真によりそれぞれ判別できるものであればよく必ずしも上記の範囲に限定されるものではない。例えば、離型剤の島について、透過型電子顕微鏡観察用の切片を80〜120℃の環境下に置くと流出し空孔として観察されるため、着色剤の島と容易に識別することが可能である。
【0132】
この様に、トナー粒子中の各構成要素は輝度に基いて識別が可能で、海は海として、また、島は島として電子顕微鏡写真による目視判定と識別が可能で、電子顕微鏡装置に設置されている画像解析装置により輝度の情報を目視で識別可能なイメージ情報に変換している。
【0133】
図5は、本発明に係る海島構造を有するトナー粒子の一例を示す模式図で、本発明に係るトナー粒子は、電子顕微鏡写真によりこの模式図に示す様に連続相と輝度の異なる島部とから構成されることが観察される。また、トナー粒子の外周に沿って長さa、深さbで表される島部を有さない領域が存在し、本発明で使用されるトナー粒子は粒子の外周に沿って島部が全くないものが98個数%以上存在する。
【0134】
本発明に使用されるトナー粒子の構造が観察可能な透過型電子顕微鏡装置は、通常当業者の間でよく知られた機種で十分観察され、例えば、「LEM−2000型(トプコン社製)」等が用いられる。本発明では、10,000倍の倍率で1000個以上のトナー粒子の投影面から本発明で特徴とされるトナー粒子内における島部の個数等の透過型電子顕微鏡写真の結果より得られる値を算出した。
【0135】
本発明に使用されるトナー粒子の透過型電子顕微鏡による撮影は、通常よく知られた方法でトナー粒子の撮影を行う。すなわち、トナー粒子の断層面を測定する具体的方法としては、常温硬化性のエポキシ樹脂中にトナーを十分分散させた後、包埋し硬化させ、粒径100nm程度のスチレン微粉末に分散後加圧成形する。得られたブロック状のサンプル塊は必要により四三酸化ルテニウム、又は四三酸化オスミウムを併用し染色を施した後、ダイヤモンド歯を備えたミクロトームを用い薄片状のサンプルを切り出して透過電子顕微鏡(TEM)に供して、トナーの断層形態を写真撮影する。
【0136】
当該写真からトナー粒子中における離型剤の領域の形状を目視で確認するとともに、該電子顕微鏡装置に備えられた画像処理装置「ルーゼックスF」(ニレコ(株)社製)により、撮影された画像情報を演算処理によって、トナー粒子内における島部のフェレ径、個数、形状係数、及び島の最近接壁間距離の値が得られるものである。
【0137】
以上の方法により、本発明に係る画像形成方法に使用されるトナー粒子の構造は特定される。次に、本発明で使用されるトナー粒子の島部を特定する因子であるフェレ水平径等について説明する。
【0138】
本発明で使用されるトナー粒子内に存在する島部のフェレ水平径の平均値は、200nm以上900nm以下であり、好ましくは300nm以上750nm以下、特に好ましくは450nm以上700nm以下である。この様にトナー粒子内のフェレ水平径の平均値が200nm〜900nmの範囲内の時に、定着時に離型剤がトナー画像上を適度に覆うように滲出する。
【0139】
なお、フェレ水平径とは、トナー粒子を水平上に任意の状態で置いた時における粒子の水平方向の長さを表すもので、島部のフェレ水平径とは、任意に置かれたトナー粒子内部に存在する各島の水平方向の長さを表す。
【0140】
また、トナー粒子内における島部のフェレ水平径の変動係数は、40%以下であり、好ましくは、35%以下、特に好ましくは30%以下である。トナー粒子内の島部のフェレ水平径の変動係数は、下記の式により得られる。
【0141】
フェレ水平径の変動係数={S2/K2}×100(%)
〔式中、S2は100個の島部のフェレ水平径の標準偏差を示し、K2はフェレ水平径の平均値を示す。〕
なお、トナー粒子内の島部のフェレ水平径の変動係数とは、フェレ水平径の平均値のバラツキ、すなわち離型剤の島の大きさのバラツキを表す。
【0142】
また、本発明に係る画像形成方法で使用されるトナーは、島の形状係数の平均値が140以上220以下の範囲内にある時でも、定着時に離型剤が効果的に滲出することが確認されている。ここで島の形状係数とは、トナー粒子中に存在する島の形状を数値化したもので、その値は以下の式により算出される。
【0143】
島の形状係数=〔(島の最大長)×π/(島の面積)×4〕×100
上式より定義される形状係数は、前述の様に島の形状を数値化したもので、形状係数の値が100の島とは島の形状が真球形状を有するものである。上記式では形状係数の値が大きくなる程島の形状が細長くなることを示し、形状係数の値が100を超えさらに数値が増大すると、島の形状は真球状→楕円状→針状となることを示す。
【0144】
また、本発明に使用されるトナーは、島の形状の変動係数より島の形状のばらつきを定量化することが可能である。島の形状の変動係数は下記式により定義されるものである。
【0145】
形状係数の変動係数={S3/K3}×100(%)
〔式中、S3は100個の島部の形状係数の標準偏差を表し、K3は形状係数の平均値を示す。〕
形状係数の平均値が140以上220以下で、かつ形状係数の変動係数の値が35%以下で、形状係数の平均値が100以上120以下でかつ形状係数の変動係数が10%以下、形状係数の平均値が240以上で変動係数が15%以下であるトナー粒子より構成されるトナーが好ましい。この様に形状係数の分布を特定のものとすることにより、離型剤のトナー粒子外への滲出速度を制御することが可能であることが確認されている。
【0146】
形状係数の平均値が140以上220以下でかつ形状係数の変動係数の値が35%以下であるということは、形状係数の平均値が140以上220以下の範囲内にある島は、その形状がある程度ばらつきを有していてもよいことを意味しており、島の形状変動係数が0%の時、すなわち140以上220以下の範囲内にある島が、形状にばらつきが全くなく、形状が揃った状態である必要はない。
【0147】
島の形状係数が140以上220以下の島は、離型剤がトナー粒子中からこぼれ落ちることなく堅固に保持されるとともに、定着時に効果的に離型剤の滲出を効果的に行うことが見出されている。
【0148】
トナー粒子中の島の形状は、より好ましくは、島の形状係数の平均値が160以上200以下でかつその変動係数が35%以下であり、島の形状係数の平均値が100以上120以下でかつその変動係数が5%以下、島の形状係数の平均値が240以上でかつその変動係数が10個数%以下である。
【0149】
また、本発明に係る画像形成方法に使用されるトナーは、トナー粒子内に存在する島部の最近接壁間距離の平均値が100nm以上1060nm以下であり、かつ前記最近接壁間距離が1300nm以上となる島がトナー粒子中の全島の10個数%以下であると、トナー粒子内で離型剤の島が適度な距離間隔で粒子内に均一に分散している。トナー粒子内の島が適度な距離間隔で粒子内に分散していることは透過型電子顕微鏡写真からも確認される。
【0150】
図6は、本発明に係る画像形成方法に使用される海島構造を有するトナー粒子中の島間の最近接壁間距離を矢印(←→)で示した模式図である。
【0151】
トナー粒子内の島が最近接壁間距離の平均値が100nm以上1060nm以下で、かつ最近接壁間距離が1300nm以上となる島がトナー粒子中の全島の10個数%以下となることは、トナー粒子中で島がムラなく均一に分散しており、トナー粒子中に島が密に分布する領域と疎に分布する領域とが混在することなく島の分布にばらつきがなく均一に分布していることを意味する。この様に本発明に使用されるトナーは、トナー粒子中で島がムラなく均一に分散している。
【0152】
なお、本発明に係るトナーにおける島の最近接壁間距離とは、図6中の矢印で示す様に、トナー粒子中において隣接し合う島同士の界面間の距離をいうものである。
【0153】
また、トナー粒子中の最近接壁間距離の平均値が、260nm以上820nm以下で、かつ最近接壁間距離が1300nm以上となる島がトナー粒子中の全島の4個数%以下であると、トナー粒子中における島の分散性が更に向上し定着工程で離型剤の滲出がより効果的に行われる。
【0154】
また、最近接壁間距離が1300nm以上となるの島が0個数%となるものでもよい。最近接壁間距離が1300nm以上となる島が0個数%とは、トナー粒子中で島が短い距離間でムラのない状態で分散している状態を意味する。
【0155】
本発明に係る画像形成方法に使用されるトナー粒子に含有される離型剤は、融点を有する有機化合物であって、60℃〜110℃の範囲内の融点を有するものである。そして、好ましくはその構造中にエステル基を含有する炭化水素化合物である。本発明で使用されるトナー粒子に含有される離型剤の融点は90℃〜120℃というトナーの軟化点よりも低く、構造中にエステル基を有するものとして結晶性ポリエステル化合物も含まれる。
【0156】
本発明で使用される離型剤の融点は、前述の様に60℃〜110℃であり、より好ましくは70〜98℃である。融点が60℃〜110℃の範囲内にある離型剤を含有したトナーはその溶融粘度を下げることが可能で、紙等に対する接着性の向上を図るとともにトナー画像表面に離型剤の均一な層を形成するので良好な擦れ定着性が得られる。
【0157】
本発明に使用されるトナー粒子に含有される離型剤の融点は、例えば示差熱量分析装置(DSC)により測定され、具体的には、0℃から200℃まで10℃/minの条件で昇温(第一昇温過程)したときに測定される吸熱ピークの最大ピークを示す温度を融点とする。そして、この融点は、後述する「DSCによる第一昇温過程での吸熱ピーク(P1)」と一致するものである。
【0158】
融点の具体的な測定装置としては、パーキンエルマー社製のDSC−7等を挙げることができる。示差熱量分析装置(DSC)による融点の具体的な測定方法は、昇温・冷却条件としては、0℃にて1分間放置した後、10℃/minの条件で200℃まで昇温し、その際に測定される最大の吸熱ピークを示す温度を第一昇温過程での吸熱ピークP1とする。その後、200℃にて1分間放置後、10℃/minの条件で降温し、その際に測定される最大の発熱ピークを示す温度を第一冷却過程での発熱ピークP2とする。
【0159】
本発明に係る画像形成方法に使用されるトナー粒子に含有される離型剤は、DSCによる第一昇温過程での吸熱ピーク(P1)が60〜110℃に存在することが確認される。また、DSCによる第一冷却過程での発熱ピーク(P2)が30〜100℃に存在することが好ましい。ここに、吸熱ピーク(P1)と発熱ピーク(P2)との間にP1≧P2の関係が成立する。温度差(P1−P2)は、特に制限されるものではないが、50℃以下であることが好ましい。
【0160】
この様な熱的特性を有する離型剤を含有させることにより、広い定着可能温度域に対応してトナー画像上に均一な離型剤の層を形成することが可能で、広範な定着温度に即応して優れた擦れ定着性を発現する。
【0161】
この様に本発明に係る画像形成方法で得られる効果を発現するには、使用するトナーが結着樹脂と離型剤とが互いに相分離した構造を有することが好ましい。
【0162】
すなわち、離型剤がシャープに溶解する結果、トナー全体の溶融粘度を下げて定着性を向上させている。また、樹脂と離型剤とが互いに相分離した構造を有することにより高温側での弾性率の低下を抑制することが可能である。
【0163】
また、上記の示差熱量分析装置(DSC)は、本発明で使用されるトナーの吸熱ピークが確認可能であるとともに吸熱量の測定を行うことが可能で、具体的には、上記の吸熱ピーク時の吸熱量は4〜30J/gで、より好ましくは6〜24J/gである。
【0164】
この様に、本発明に係る画像形成方法に使用されるトナー粒子は、DSC曲線において、60℃から110℃に吸熱ピークを有し、かつその吸熱量が4〜30J/gであることにより、トナー粒子中の島部を構成する離型剤の融点を確認することが可能である。また、X線回折装置等の測定手段により離型剤相が結晶性を有することも確認される。
【0165】
次に、本発明で好ましく使用されるトナーの形状について説明する。
本発明で用いられるトナー粒子は、形状係数の変動係数が16%以下であり、個数粒度分布における個数変動係数が27%以下であるトナー粒子から構成されるトナーを使用することで、トナー表面における外添剤の存在状態が均一になり、帯電量分布がシャープになるとともに高い流動性が得られる。その結果、現像性、細線再現性に優れ、安定したクリーニング性を長期にわたって形成することができるとともに、オゾンの存在する画像形成装置内で機械的なせん断力を長期にわたり加えられても、劣化、粉砕してトナー微粉の発生しないものであることを見出した。
【0166】
更に本発明者等は、個々のトナー粒子の微小な形状に着目して検討を行った結果、現像装置内部において、トナー粒子の角部分の形状が変化して丸くなり、その部分が外添剤の埋没を促進させ、帯電量の変化、流動性、クリーニング性を低下させ、特に画像形成装置内におけるオゾンの存在がこれらの問題を促進させていることを見出し、形状を特定のものとすることで、この問題を解決することを見出した。
【0167】
また、摩擦帯電によってトナー粒子に電荷を付与する場合には、特に角部分では外添剤が埋没しやすくなり、トナー粒子の帯電が不均一になりやすいと推定される。即ち、角がないトナー粒子の割合を50個数%以上とし、個数粒度分布における個数変動係数を27%以下に制御されたトナー粒子から構成されるトナーを使用することによっても、現像性、細線再現性に優れ、高画質な画像を長期にわたって形成することが可能であるとともに、オゾンの存在する画像形成装置内において機械的なせん断力を長期にわたり加えられても劣化、粉砕によるトナー微粉の発生のないことを見出した。
【0168】
更に、トナーを特定の形状としてその形状を揃えた場合にも、外添剤の埋没が発生せず、且つ帯電量分布がシャープとなり、微粉の発生しないことが判明した。すなわち、形状係数が1.2〜1.6の範囲にあるトナー粒子の割合が65個数%以上であり、形状係数の変動係数が16%以下であるトナーを使用することでも、現像性、細線再現性に優れ、高画質な画像を長期にわたって形成するとともに、オゾンの存在する画像形成装置内で機械的なせん断力を長期にわたって加えられても、トナー粒子の形状が揃っているため、トナーの部分的な劣化を抑制することができ、微粉などの発生を抑制し、結果として長期にわたって安定した画像を形成することができることを見出した。
【0169】
ここで、本発明のトナーの個数粒度分布および個数変動係数について説明する。本発明のトナーの個数粒度分布および個数変動係数とは、コールターカウンターTA−IIあるいはコールターマルチサイザー(コールター社製)で測定される。本発明においてはコールターマルチサイザーを用い、粒度分布を出力するインターフェイス(日科機社製)、パーソナルコンピューターを接続して使用した。前記コールターマルチサイザーにおいて使用するアパーチャーとしては100μmのものを用いて2μm以上の体積径、個数径を測定して粒度分布および平均粒径を算出した。個数粒度分布とは、粒子径に対するトナー粒子の相対度数を表すものであり、個数平均粒径とは、個数粒度分布における累積50%の径、すなわちDn50を表す。
【0170】
トナーの個数粒度分布における個数変動係数は下記式から算出される。
個数変動係数=〔S/Dn〕×100(%)
〔式中、Sは個数粒度分布における標準偏差を示し、Dnは個数平均粒径(μm)を示す。〕
本発明のトナーの個数変動係数は27%以下であり、好ましくは25%以下である。個数変動係数が27%以下であることにより、転写されたトナー層の空隙が減少して定着性が向上し、オフセットが発生しにくくなる。また、帯電量分布がシャープとなり、転写効率が高くなって画質が向上する。
【0171】
本発明の個数変動係数を制御する方法は特に限定されるものではない。例えば、トナー粒子を風力により分級する方法も使用できるが、個数変動係数をより小さくするためには液中での分級が効果的である。この液中で分級する方法としては、遠心分離機を用い、回転数を制御してトナー粒子径の違いにより生じる沈降速度差に応じてトナー粒子を分別回収し調整する方法がある。
【0172】
次に、本発明のトナーの形状係数について説明する。本発明のトナーは、形状係数が1.2〜1.6の範囲にあるトナー粒子の割合が65個数%以上であり、形状係数の変動係数が16%以下で、かつ、個数粒度分布における個数変動係数が27%以下である。ここで、本発明のトナーの形状係数は、下記式により示されるものであり、トナー粒子の丸さの度合いを示す。
【0173】
形状係数=((最大径/2)×π)/投影面積
ここで、最大径とは、トナー粒子の平面上への投影像を2本の平行線で挟んだとき、その平行線の間隔が最大となる粒子の幅をいう。また、投影面積とは、トナー粒子の平面上への投影像の面積をいう。本発明では、この形状係数は、走査型電子顕微鏡により2000倍にトナー粒子を拡大した写真を撮影し、ついでこの写真に基づいて「SCANNING IMAGE ANALYZER」(日本電子社製)を使用して写真画像の解析を行うことにより測定した。この際、100個のトナー粒子を使用して本発明の形状係数を上記算出式にて測定した。
【0174】
次に、本発明のトナーについて、角がないトナー粒子について説明する。ここで角がないトナー粒子とは、電荷の集中するような突部又はストレスにより摩耗し易い様な突部を実質的に有しないトナー粒子を云い、すなわち、図7(a)に示す様に、トナー粒子Tの長径をLとするときに、半径(L/10)の円Cで、トナー粒子Tの周囲線に対し1点で内側に接しつつ内側を転がした場合に、当該円CがトナーTの外側に実質的にはみ出さない場合を「角がないトナー粒子」という。「実質的にはみ出さない場合」とは、はみ出す円が存在する突起が1箇所以下である場合をいう。
【0175】
また、「トナー粒子の長径」とは、当該トナー粒子の平面上への投影像を2本の平行線で挟んだとき、その平行線の間隔が最大となる粒子の幅をいう。なお、図7(b)及び(c)は、それぞれ角のあるトナー粒子の投影像を示している。
【0176】
角がないトナーの測定は、次のようにして行った。先ず、走査型電子顕微鏡によりトナー粒子を拡大した写真を撮影し、更に拡大して15,000倍の写真像を得る。次いでこの写真像について前記の角の有無を測定する。この測定を1000個のトナー粒子について行った。
【0177】
本発明に使用されるトナーにおいて、角がないトナー粒子の割合は50個数%以上であり、好ましくは70個数%以上である。角がないトナー粒子の割合が50個数%以上であることにより、現像剤搬送部材などとのストレスにより微細な粒子の発生などがおこりにくくなり、いわゆる現像剤搬送部材表面に対する汚染を抑制することができ、帯電量分布がシャープとなって、帯電性も安定し、良好な画質を長期にわたって形成できるとともに、トナー粒子に機械的なせん断力が加えられても破砕しにくい構造を有するので、微粉の発生防止に寄与する構造を有する。
【0178】
角がないトナーを得る方法は、特に限定されるものではない。例えば、形状係数を制御する方法として前述したように、トナー粒子を熱気流中に噴霧する方法、またはトナー粒子を気相中において衝撃力による機械的エネルギーを繰り返して付与する方法、あるいはトナーを溶解しない溶媒中に添加し、旋回流を付与することによって得ることができる。
【0179】
また、本発明のトナーとしては、トナー粒子の粒径をD(μm)とするとき、自然対数lnDを横軸にとり、この横軸を0.23間隔で複数の階級に分けた個数基準の粒度分布を示すヒストグラムにおいて、最頻階級に含まれるトナー粒子の相対度数(m1)と、前記最頻階級の次に頻度の高い階級に含まれるトナー粒子の相対度数(m2)との和(M)が70%以上であるトナーであることが好ましい。
【0180】
相対度数(m1)と相対度数(m2)との和(M)が70%以上であることにより、トナー粒子の粒度分布の分散が狭くなるので、当該トナーを画像形成工程に用いることにより選択現像の発生を確実に抑制することができる。
【0181】
本発明において、前記の個数基準の粒度分布を示すヒストグラムは、自然対数lnD(D:個々のトナー粒子の粒径)を0.23間隔で複数の階級(0〜0.23:0.23〜0.46:0.46〜0.69:0.69〜0.92:0.92〜1.15:1.15〜1.38:1.38〜1.61:1.61〜1.84:1.84〜2.07:2.07〜2.30:2.30〜2.53:2.53〜2.76・・・)に分けた個数基準の粒度分布を示すヒストグラムであり、このヒストグラムは、下記の条件に従って、コールターマルチサイザーにより測定されたサンプルの粒径データを、I/Oユニットを介してコンピュータに転送し、当該コンピュータにおいて、粒度分布分析プログラムにより作成されたものである。
【0182】
〔測定条件〕
1:アパーチャー:100μm
2:サンプル調製法:電解液〔ISOTON II(コールターサイエンティフィックジャパン社製)〕50〜100mlに界面活性剤(中性洗剤)を適量加えて攪拌し、これに測定試料10〜20mgを加える。この系を超音波分散機にて1分間分散処理することにより調製する。
【0183】
本発明のトナー粒子の粒径は、平均粒径で3〜9μmで、3〜7μmであることが好ましく、更に好ましくは3.5〜6μmである。この粒径はトナーの製造方法において、凝集剤(塩析剤)の濃度や有機溶媒の添加量、融着時間、重合体の組成により制御可能なもので、更に、平均粒径が3〜9μmという小径化されたものであることにより、転写効率を高めハーフトーンの画質が向上し、細線やドット等の画質向上に寄与するだけではなく、セル構造を有する本発明のトナーは、トナーが小径化されていることにより、オゾンの暴露された環境下や機械的なせん断力が長期にわたり繰り返し付与される環境下にあっても、単位体積当たりに加わるトナー粒子への負荷が小さくなり、トナーの破砕により発生する微粉が発生しにくい構造を有する。
【0184】
トナーの粒度分布の算出、個数平均粒径の測定は、コールターカウンターTA−II、コールターマルチサイザー(いずれもコールター社製)、SLAD1100(島津製作所社製レーザ回折式粒径測定装置)等を用いて測定することができる。本発明においては、コールターマルチサイザーを用い、粒度分布を出力するインターフェース(日科機社製)、パーソナルコンピュータを接続し測定、算出したものである。
【0185】
この様に、本発明のトナー粒子は、その形状が特定範囲内にあることにより、機械的なせん断力、あるいはオゾン分解等によるトナー粒子の破砕に対しても有利であることが見出されている。
【0186】
次に本発明のトナーの製造方法について説明する。
樹脂粒子の接着性を向上させる方法としては、樹脂粒子を単一構成の粒子とせず、表面に粒子間の接着性が向上できる様に、表面に低分子量成分を積層した構造の複合樹脂粒子(詳細は後述する)とすることで粒子間の接着性を向上することができる。
【0187】
さらに、会合時点で着色剤を樹脂粒子と同等以下の粒径に分散させることで、粒子間の会合段階で樹脂粒子間に着色剤を存在させることができる。また、セル壁間に金属塩を含有させることも好ましい方法である。
【0188】
この方法では、樹脂粒子と着色剤粒子の会合時点で、過剰の塩析剤を添加することで、会合型トナー内部に多量の金属塩を含有させることができ、粒子の耐久性も上げることができる。
〈乳化重合法〉
本発明のトナーを製造する方法として樹脂粒子を水系媒体中で塩析/融着させて調製する方法も挙げることができる。ここで「水系媒体」とは、少なくとも水が50質量%以上含有されたものをいう。この方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、特開平5−265252号公報や特開平6−329947号公報、特開平9−15904号公報に示す方法を挙げることができる。すなわち、樹脂粒子と着色剤などの構成材料の分散粒子、あるいは樹脂および着色剤等より構成される微粒子を複数以上塩析、凝集、融着させる方法、特に水中にてこれらを乳化剤を用いて分散した後に、臨界凝集濃度以上の凝集剤を加え塩析させると同時に、形成された重合体自体のガラス転移点温度以上で加熱融着させて融着粒子を形成しつつ徐々に粒径を成長させ、目的の粒径となったところで水を多量に加えて粒径成長を停止し、さらに加熱、攪拌しながら粒子表面を平滑にして形状を制御し、その粒子を含水状態のまま流動状態で加熱乾燥することにより、本発明のトナーを形成することができる。なお、ここにおいて凝集剤と同時にアルコールなど水に対して無限溶解する溶媒を加えてもよい。
【0189】
本発明のトナーの製造方法においては、少なくとも重合性単量体に離型剤を溶かした後、重合性単量体を重合せしめる工程を経て形成した複合樹脂粒子と着色剤粒子とを塩析/融着させて得られるものである。本発明のトナーは、重合性単量体に離型剤を溶かすものであるが、これは溶解させて溶かすものでも、溶融して溶かすものであってもよい。
【0190】
また、本発明のトナーの製造方法は、多段重合法によって得られる複合樹脂粒子と着色剤粒子とを塩析/融着させるものが好ましいが、多段重合法について以下に説明する。
〈多段重合法により得られる複合樹脂粒子の製造方法〉
〔多段重合工程〕
多段重合工程とは、1つの樹脂粒子において異なる分子量分布を有する相を形成するために重合反応を多段階に分けて行うものであって、得られた樹脂粒子がその粒子の中心より表層に向かって分子量勾配を形成させる様に意図して行うものである。例えば、はじめに高分子量の樹脂粒子分散液を得た後、新たに重合性単量体と連鎖移動剤を加えることによって低分子量の表層を形成する方法が採られている。
【0191】
本発明では、セル構造を安定に形成することができる観点から、二段重合以上の多段重合法を採用することが好ましい。以下に、多段重合法の代表例である二段重合法および三段重合法について説明する。この様な多段階重合反応によって得られたトナーでは破砕強度の観点から表層程低分子量のものが好ましい。
【0192】
〈二段重合法〉
二段重合法は、高分子量樹脂から形成される中心部(核)と、低分子量樹脂から形成される外層(殻)とにより構成される複合樹脂粒子を製造する方法である。
【0193】
この方法を具体的に説明すると、先ず、単量体溶液を水系媒体(例えば、界面活性剤水溶液)中に油滴分散させた後、この系を重合処理(第一段重合)することにより、高分子量の樹脂粒子の分散液を調製するものである。
【0194】
次いで、この樹脂粒子の分散液に、重合開始剤と低分子量樹脂を得るための単量体とを添加し、樹脂粒子の存在下で単量体を重合処理(第二段重合)を行うことにより、樹脂粒子の表面に、低分子量の樹脂(単量体の重合体)からなる被覆層を形成する方法である。ここで、中心部の核となる高分子量成分中に離型剤などの機能性材料を添加してもよい。
【0195】
〈三段重合法〉
三段重合法は、高分子量樹脂から形成される中心部(核)、中間層及び低分子量樹脂から形成される外層(殻)とにより構成される複合樹脂粒子を製造する方法である。
【0196】
この方法を具体的に説明すると、先ず、常法に従った重合処理(第一段重合)により得られた樹脂粒子の分散液を、水系媒体(例えば、界面活性剤の水溶液)に添加するとともに、上記水系媒体中に、単量体溶液を油滴分散させた後、この系を重合処理(第二段重合)することにより、樹脂粒子(核粒子)の表面に、樹脂からなる被覆層(中間層)を形成して、複合樹脂粒子(高分子量樹脂−中間分子量樹脂)の分散液を調製する。
【0197】
次いで、得られた複合樹脂粒子の分散液に、重合開始剤と低分子量樹脂を得るための単量体とを添加し、複合樹脂粒子の存在下で単量体を重合処理(第三段重合)することにより、複合樹脂粒子の表面に、低分子量の樹脂(単量体の重合体)からなる被覆層を形成する。上記方法において、中間層中に離型剤などの機能性物質を含有させることで、離型剤などを微細かつ均一に分散することができ、より好ましい。
【0198】
本発明でいう水系媒体とは、水50〜100質量%と水溶性の有機溶媒0〜50質量%とからなる媒体をいう。水溶性の有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン等を例示することができ、得られる樹脂を溶解しないアルコール系有機溶媒が好ましい。
【0199】
なお、離型剤などの機能性物質を含有する樹脂粒子または被覆層を形成するために好適な重合法としては、臨界ミセル濃度以下の濃度の界面活性剤を溶解してなる水系媒体中に、離型剤を単量体に溶解した単量体溶液を、機械的エネルギーを利用して油滴分散させて分散液を調製し、得られた分散液に水溶性重合開始剤を添加して、油滴内でラジカル重合させる方法(以下、本発明では「ミニエマルジョン法」という)を挙げることができ、本発明の効果をより発揮することができ好ましい。なお、上記方法において、水溶性重合開始剤に代えて、あるいは水溶性重合開始剤と共に、油溶性重合開始剤を用いても良い。
【0200】
機械的に油滴を形成するミニエマルジョン法によれば、通常の乳化重合法とは異なり、油相に溶解させた離型剤の脱離が少ないので、形成される樹脂粒子または被覆層内に十分な量の離型剤などの機能性物質を導入することができる。
【0201】
ここで、機械的エネルギーによる油滴分散を行うための分散機としては、特に限定されるものではなく、例えば、高速回転するローターを備えた攪拌装置「クレアミックス(CLEARMIX)」(エム・テクニック(株)製)、超音波分散機、機械式ホモジナイザー、マントンゴーリンおよび圧力式ホモジナイザーなどを挙げることができる。また、分散粒子径としては、10〜1000nmとされ、好ましくは50〜1000nm、更に好ましくは30〜300nmである。
【0202】
この重合工程で得られる複合樹脂粒子の粒子径は、電気泳動光散乱光度計「ELS−800」(大塚電子社製)を用いて測定される質量平均粒径で10〜1000nmの範囲にあることが好ましい。
【0203】
また、樹脂粒子のガラス転移温度(Tg)は42〜58℃の範囲にあることが好ましく、更に好ましくは47〜55℃である。
【0204】
また、樹脂粒子の軟化点は90〜120℃の範囲にあることが好ましい。
本発明のトナーは、樹脂および着色粒子の表面に、塩析/融着法によって樹脂粒子を融着させてなる樹脂層を形成させて得られるものであるが、このことについて以下に説明する。
〔着色剤粒子〕
本発明のトナーを得るために使用する着色剤粒子は、界面活性剤を含有する水系媒体中で着色剤粒子を微分散させるための分散装置を用いて形成される。
【0205】
ここで着色剤粒子を分散させる水系媒体中に含有される界面活性剤は臨界ミセル濃度(CMC)以上の濃度で溶解しているものであり、使用される界面活性剤は、前記重合工程で使用するものと同一のものを使用することができる。
【0206】
着色剤粒子の分散処理に使用する分散機は、特に限定されないが、好ましくは、高速回転するローターを備えた攪拌装置「クレアミックス(CLEARMIX)」(エム・テクニック(株)製)、超音波分散機、機械的ホモジナイザー、マントンゴーリン、圧力式ホモジナイザー等の加圧分散機、ゲッツマンミル、ダイヤモンドファインミル等の媒体型分散機が挙げられる。
〔塩析/融着工程〕
この塩析/融着工程は、樹脂粒子と前記の様に分散して得られた着色剤粒子とを塩析/融着させる(塩析と融着とを同時に起こさせる)ことによって、不定形(非球形)のトナー粒子を得る工程である。
【0207】
本発明でいう塩析/融着とは、塩析(粒子の凝集)と融着(粒子間の界面消失)とが同時に起こること、または、塩析と融着とを同時に起こさせる行為をいう。塩析と融着とを同時に行わせるためには、樹脂粒子を構成する樹脂のガラス転移温度(Tg)以上の温度条件下で粒子(樹脂粒子、着色剤粒子)を凝集させる必要がある。
【0208】
この塩析/融着工程では、樹脂粒子および着色剤粒子とともに、荷電制御剤などの内添剤粒子(数平均一次粒子径が10〜1000nm程度の微粒子)を塩析/融着させてもよい。また、着色剤粒子は、表面改質されていてもよく、表面改質剤としては、従来公知のものを使用することができる。
【0209】
樹脂粒子と着色剤粒子とを塩析/融着させるためには、樹脂粒子および着色剤粒子が分散している分散液中に、臨界凝集濃度以上の塩析剤(凝集剤)を添加するとともに、この分散液を、樹脂粒子のガラス転移温度(Tg)以上に加熱することが必要である。
【0210】
塩析/融着させるために好適な温度範囲としては、(Tg+10)〜(Tg+50℃)であり、特に好ましくは(Tg+15)〜(Tg+40℃)である。また、融着を効果的に行なわせるために、水に無限溶解する有機溶媒を添加してもよい。
【0211】
また、本発明においては樹脂粒子と着色剤粒子とを水系媒体中で塩析、凝集、融着させて着色粒子(本発明では、トナー粒子と呼ぶ)を得た後、前記トナー粒子を水系媒体から分離するときに、水系媒体中に存在している界面活性剤のクラフト点以上の温度で行うことが好ましく、更に好ましくは、クラフト点〜(クラフト点+20℃)の温度範囲で行うことである。
【0212】
上記のクラフト点とは、界面活性剤を含有した水溶液が白濁化しはじめる温度であり、クラフト点の測定は下記のように行われる。
【0213】
《クラフト点の測定》
塩析、凝集、融着する工程で用いる水系媒体すなわち界面活性剤溶液に、実際に使用する量の凝集剤を加えた溶液を調製し、この溶液を1℃で5日間貯蔵した。次いで、この溶液を攪拌しながら透明になるまで徐々に加熱した。溶液が透明になった温度をクラフト点として定義する。
【0214】
本発明に係るセル構造を形成するために本発明の静電荷像現像用トナーは、上記に記載の金属元素(形態として、金属、金属イオン等が挙げられる)をトナー中に350〜35000ppm含有することが好ましく、更に好ましくは500〜30000ppmである。
【0215】
トナー中の金属イオン残存量の測定は、蛍光X線分析装置「システム3270型」〔理学電気工業(株)製〕を用いて、凝集剤として用いられる金属塩の金属種(例えば、塩化カルシウムに由来するカルシウム等)から発する蛍光X線強度を測定することによって求めることができる。具体的な測定法としては、凝集剤金属塩の含有割合が既知のトナーを複数用意し、各トナー5gをペレット化し、凝集剤金属塩の含有割合(質量ppm)と、当該金属塩の金属種からの蛍光X線強度(ピーク強度)との関係(検量線)を測定する。次いで、凝集剤金属塩の含有割合を測定すべきトナー(試料)を同様にペレット化し、凝集剤金属塩の金属種からの蛍光X線強度を測定し、含有割合すなわち「トナー中の金属イオン残存量」を求めることができる。
【0216】
本発明のトナーは、塩析/融着する樹脂粒子表面に塩を多めに吸着させながら、更に塩析/融着を継続させることで、セル構造化することができる。
【0217】
本発明のトナーでは、塩を多く残存させるために界面活性剤の代わりに高分子分散剤を使用したり、あるいは界面活性剤と高分子分散剤を併用することで塩の残存量を制御することが好ましい。
【0218】
高分子分散剤とは、具体的にはポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸が挙げられ、分子量は3000〜10000のものが好ましく用いられる。
【0219】
〔熟成工程〕
熟成工程は、塩析/融着工程に後続する工程であり、樹脂粒子の融着後も温度を樹脂Tg+15〜Tg+40℃に保ち、一定の強度で攪拌を継続することにより、樹脂粒子と着色剤粒子を融着させ、トナー粒子中にセル構造を形成することができる。
【0220】
〔濾過・洗浄工程〕
濾過・洗浄工程は、上記の工程で得られたトナー粒子の分散系から当該トナー粒子を濾別する濾過処理と、濾別されたトナー粒子(ケーキ状の集合物)から界面活性剤や塩析剤などの付着物を除去する洗浄処理とを施す工程である。濾過処理方法としては、遠心分離法、ヌッチェ等を使用して行う減圧濾過法、フィルタープレス等を使用して行う濾過法など特に限定されるものではない。
【0221】
〔乾燥工程〕
この工程は、洗浄処理されたトナー粒子を乾燥処理する工程である。
【0222】
この工程で使用される乾燥機としては、スプレードライヤー、真空凍結乾燥機、減圧乾燥機などを挙げることができ、静置棚乾燥機、移動式棚乾燥機、流動層乾燥機、回転式乾燥機、攪拌式乾燥機などを使用することが好ましい。
【0223】
乾燥処理されたトナー粒子の水分は、5質量%以下であることが好ましく、更に好ましくは2質量%以下とされる。
【0224】
次に、トナー製造工程で用いられる各構成因子について、詳細に説明する。
(重合性単量体)
本発明に用いられる樹脂(バインダー)を造るための重合性単量体としては、疎水性単量体を必須の構成成分とし、必要に応じて架橋性単量体が用いられる。また、下記の様に構造中に酸性極性基を有する単量体又は塩基性極性基を有する単量体を少なくとも1種類含有するのが望ましい。
(1)疎水性単量体
単量体成分を構成する疎水性単量体としては、特に限定されるものではなく従来公知の単量体を用いることができる。また、要求される特性を満たすように、1種または2種以上のものを組み合わせて用いることができる。
【0225】
具体的には、モノビニル芳香族系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、ビニルエステル系単量体、ビニルエーテル系単量体、モノオレフィン系単量体、ジオレフィン系単量体、ハロゲン化オレフィン系単量体等を用いることができる。
【0226】
ビニル芳香族系単量体としては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロロスチレン、p−エチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、3,4−ジクロロスチレン等のスチレン系単量体およびその誘導体が挙げられる。
【0227】
(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、β−ヒドロキシアクリル酸エチル、γ−アミノアクリル酸プロピル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル等が挙げられる。
【0228】
ビニルエステル系単量体としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル等が挙げられ、ビニルエーテル系単量体としては、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル、ビニルフェニルエーテル等が挙げられる。
【0229】
又、モノオレフィン系単量体としては、エチレン、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン等が挙げられ、ジオレフィン系単量体としては、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等が挙げられる。
(2)架橋性単量体
樹脂粒子の特性を改良するために架橋性単量体を添加しても良い。架橋性単量体としては、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、ジビニルエーテル、ジエチレングリコールメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、フタル酸ジアリル等の不飽和結合を2個以上有するものが挙げられる。
(3)酸性極性基を有する単量体
酸性極性基を有する単量体としては、(a)カルボキシル基(−COOH)を有するα,β−エチレン性不飽和化合物、及び、(b)スルホン基(−SOH)を有するα,β−エチレン性不飽和化合物を挙げることができる。
【0230】
(a)のカルボキシル基を有するα,β−エチレン性不飽和化合物の例としては、アクリル酸、メタアクリル酸、フマール酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、マレイン酸モノブチルエステル、マレイン酸モノオクチルエステル、およびこれらのNa、Zn等の金属塩類等を挙げることができる。
【0231】
(b)のスルホン基を有するα,β−エチレン性不飽和化合物の例としては、スルホン化スチレン、及びそのNa塩、アリルスルホコハク酸、アリルスルホコハク酸オクチル、及びこれらのNa塩等を挙げることができる。
(4)塩基性極性基を有するモノマー
塩基性極性基を有するモノマーとしては、(a)アミン基或いは4級アンモニウム基を有する炭素原子数1〜12、好ましくは2〜8、特に好ましくは2の脂肪族アルコールの(メタ)アクリル酸エステル、(b)(メタ)アクリル酸アミドあるいは、随意N上で炭素原子数1〜18のアルキル基でモノ又はジ置換された(メタ)アクリル酸アミド、(c)Nを環員として有する複素環基で置換されたビニール化合物及び(d)N,N−ジアリル−アルキルアミン或いはその四級アンモニウム塩を例示することができる。中でも、(a)のアミン基或いは四級アンモニウム基を有する脂肪族アルコールの(メタ)アクリル酸エステルが塩基性極性基を有するモノマーとして好ましい。
【0232】
(a)のアミン基或いは四級アンモニウム基を有する脂肪族アルコールの(メタ)アクリル酸エステルの例としては、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、上記4化合物の四級アンモニウム塩、3−ジメチルアミノフェニルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−メタクリルオキシプロピルトリメチルアンモニウム塩等を挙げることができる。
【0233】
(b)の(メタ)アクリル酸アミド或いはN上で随意モノ又はジアルキル置換された(メタ)アクリル酸アミドとしては、アクリルアミド、N−ブチルアクリルアミド、N,N−ジブチルアクリルアミド、ピペリジルアクリルアミド、メタクリルアミド、N−ブチルメタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−オクタデシルアクリルアミド等を挙げることができる。
【0234】
(c)のNを環員として有する複素環基で置換されたビニル化合物としては、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニル−N−メチルピリジニウムクロリド、ビニル−N−エチルピリジニウムクロリド等を挙げることができる。
【0235】
(d)のN,N−ジアリル−アルキルアミンの例としては、N,N−ジアリルメチルアンモニウムクロリド、N,N−ジアリルエチルアンモニウムクロリド等を挙げることができる。
【0236】
(重合開始剤)
本発明に用いられるラジカル重合開始剤は、水溶性であれば適宜使用が可能である。例えば、過硫酸塩(例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等)、アゾ系化合物(例えば、4,4′−アゾビス4−シアノ吉草酸及びその塩、2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩等)、パーオキシド化合物等が挙げられる。更に、上記ラジカル重合開始剤は、必要に応じて還元剤と組み合せレドックス系開始剤とする事が可能である。レドックス系開始剤を用いることにより、重合活性を上昇させ、重合温度の低下が図れ、更に、重合時間の短縮が達成できる等好ましい面を有している。
【0237】
重合温度は、重合開始剤の最低ラジカル生成温度以上であれば、特に限定されるものではないが例えば50℃から90℃の範囲である。但し、過酸化水素−還元剤(アスコルビン酸等)を組み合わせた常温開始の重合開始剤を用いることで、室温またはそれ以上の温度で重合することも可能である。
【0238】
(連鎖移動剤)
分子量を調整することを目的として、公知の連鎖移動剤を用いることができる。連鎖移動剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、オクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン、チオグリコール酸エチル、チオグリコール酸プロピル、チオグリコール酸プロピル、チオグリコール酸ブチル、チオグリコール酸t−ブチル、チオグリコール酸2−エチルヘキシル、チオグリコール酸オクチル、チオグリコール酸デシル、チオグリコール酸ドデシル、エチレングリコールのメルカプト基を有する化合物、を挙げることができる。このうち、トナー加熱定着時の臭気を抑制する観点で、n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル、n−オクチルメルカプタンが、特に好ましい。
【0239】
(界面活性剤)
前述の重合性単量体を使用して、特にミニエマルジョン重合を行うためには、界面活性剤を使用して水系媒体中に油滴分散を行うことが好ましい。この際に使用することのできる界面活性剤としては、特に限定されるものでは無いが、下記のイオン性界面活性剤を好適な化合物の例として挙げることができる。
【0240】
イオン性界面活性剤としては、例えば、スルホン酸塩(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アリールアルキルポリエーテルスルホン酸ナトリウム、3,3−ジスルホンジフェニル尿素−4,4−ジアゾ−ビス−アミノ−8−ナフトール−6−スルホン酸ナトリウム、オルト−カルボキシベンゼン−アゾ−ジメチルアニリン、2,2,5,5−テトラメチル−トリフェニルメタン−4,4−ジアゾ−ビス−β−ナフトール−6−スルホン酸ナトリウム等)、硫酸エステル塩(ドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム等)、脂肪酸塩(オレイン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、カプリン酸ナトリウム、カプリル酸ナトリウム、カプロン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウム等)が挙げられる。
【0241】
本発明は、下記一般式(1)、(2)の界面活性剤が特に好ましく用いられる。
一般式(1) R(OROSO
一般式(2) R(ORSO
一般式(1)、(2)において、Rは炭素数6〜22のアルキル基またはアリールアルキル基を表すが、好ましくは炭素数8〜20のアルキル基またはアリールアルキル基であり、更に好ましくは炭素数9〜16のアルキル基またはアリールアルキル基である。
【0242】
で表される炭素数6〜22のアルキル基としては、例えば、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ヘキサデシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられ、Rで表されるアリールアルキル基としては、ベンジル基、ジフェニルメチル基、シンナミル基、スチリル基、トリチル基、フェネチル基等が挙げられる。
【0243】
一般式(1)、(2)において、Rは炭素数2〜6のアルキレン基を表すが、好ましくは炭素数2〜3のアルキレン基である。Rで表される炭素数2〜6のアルキレン基としては、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、プロピレン基、エチルエチレン基等が挙げられる。
【0244】
一般式(1)、(2)において、nは1〜11の整数であるが、好ましくは2〜10、更に好ましくは2〜5であり、特に好ましくは2〜3である。
【0245】
一般式(1)、(2)において、Mで表される1価の金属元素としてはナトリウム、カリウム、リチウムが挙げられる。中でも、ナトリウムが好ましく用いられる。
【0246】
以下に、一般式(1)、(2)で表される界面活性剤の具体例を示すが本発明はこれらに限定されるものではない。
【0247】
化合物(101):C1021(OCHCHOSONa
化合物(102):C1021(OCHCHOSONa
化合物(103):C1021(OCHCHSONa
化合物(104):C1021(OCHCHSONa
化合物(105):C17(OCHCH(CH))OSONa
化合物(106):C1837(OCHCHOSONa
(樹脂粒子、トナーの分子量分布)
本発明のトナーは、その分子量分布のピーク又は肩が、100,000〜1,000,000、及び1,000〜50,000に存在することが好ましく、更に分子量分布のピーク又は肩が、100,000〜1,000,000、25,000〜150,000及び1,000〜50,000に存在するものであることが好ましい。
【0248】
樹脂粒子の分子量は、100,000〜1,000,000の領域にピークもしくは肩を有する高分子量成分と、1,000から50,000未満の領域にピークもしくは肩を有する低分子量成分の両成分を少なくとも含有する樹脂が好ましく、更に好ましくは、15,000〜100,000の部分にピーク又は肩を有する中間分子量体の樹脂を使用することが好ましい。
【0249】
前述のトナーあるいは樹脂の分子量測定方法は、THF(テトラヒドロフラン)を溶媒としたGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)による測定がよい。すなわち、測定試料0.5〜5mg、より具体的には1mgに対してTHFを1.0ml加え、室温にてマグネチックスターラーなどを用いて撹拌を行い、充分に溶解させる。次いで、ポアサイズ0.45〜0.50μmのメンブランフィルターで処理した後に、GPCへ注入する。GPCの測定条件は、40℃にてカラムを安定化させ、THFを毎分1.0mlの流速で流し、1mg/mlの濃度の試料を約100μl注入して測定する。カラムは、市販のポリスチレンジェルカラムを組み合わせて使用することが好ましい。例えば、昭和電工社製のShodex GPC KF−801、802、803、804、805、806、807の組合せや、東ソー社製のTSKgelG1000H、G2000H、G3000H、G4000H、G5000H、G6000H、G7000H、TSK guard columnの組合せなどを挙げることができる。又、検出器としては、屈折率検出器(IR検出器)、あるいはUV検出器を用いるとよい。試料の分子量測定では、試料の有する分子量分布を単分散のポリスチレン標準粒子を用いて作成した検量線を用いて算出する。検量線作成用のポリスチレンとしては10点程度用いるとよい。
【0250】
(凝集剤)
本発明では、水系媒体中で調製した樹脂粒子の分散液から、樹脂粒子を塩析、凝集、融着する工程において、金属塩を凝集剤として好ましく用いることができるが、2価または3価の金属塩を凝集剤として用いることが更に好ましい。その理由は、1価の金属塩よりも2価、3価の金属塩の方が臨界凝集濃度(凝析値あるいは凝析点)が小さいため好ましい。さらに、前述のセル構造を形成するためにも多価金属塩が好ましい。
【0251】
本発明で用いられる凝集剤は、例えばナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属の塩である1価の金属塩、例えばカルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属の塩やマンガン、銅等の2価の金属塩、鉄やアルミニウム等の3価の金属塩等が挙げられる。
【0252】
これら金属塩の具体的な例を以下に示す。1価の金属塩としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム、2価の金属塩としては、塩化カルシウム、塩化亜鉛、硫酸銅、硫酸マグネシウム、硫酸マンガン等が挙げられ、3価の金属塩としては、塩化アルミニウム、塩化鉄等が挙げられる。これらは、目的に応じて適宜選択されるが臨界凝集濃度の小さい2価や3価の金属塩が好ましい。
【0253】
本発明で云う臨界凝集濃度とは、水性分散液中の分散物の安定性に関する指標であり、凝集剤を添加し、凝集が起こるときの凝集剤の添加濃度を示すものである。この臨界凝集濃度は、ラテックス自身及び分散剤により大きく変化する。例えば、岡村誠三他著 高分子化学17,601(1960)等に記述されており、これらの記載に従えば、その値を知ることが出来る。又、別の方法として、目的とする粒子分散液に所望の塩を濃度を変えて添加し、その分散液のζ電位を測定し、ζ電位が変化し出す点の塩濃度を臨界凝集濃度とすることも可能である。
【0254】
本発明では、金属塩を用いて臨界凝集濃度以上の濃度になるように重合体微粒子分散液を処理する。この時、当然の事ながら、金属塩を直接加えるか、水溶液として加えるかは、その目的に応じて任意に選択される。水溶液として加える場合には、重合体粒子分散液の容量と金属塩水溶液の総容量に対し、添加した金属塩が重合体粒子の臨界凝集濃度以上になる必要がある。
【0255】
本発明では、金属塩の濃度は、臨界凝集濃度以上であれば良いが、セル構造を形成させる必要もあり、臨界凝集濃度の1.5倍以上、さらに好ましくは2.0倍以上添加するとよい。
【0256】
(着色剤)
本発明のトナーは、上記の複合樹脂粒子と着色剤粒子とを塩析/融着して得られるものである。本発明のトナーを構成する着色剤(複合樹脂粒子との塩析/融着に供される着色剤粒子)としては、各種の無機顔料、有機顔料、染料を挙げることができる。無機顔料としては、従来公知のものを用いることができる。具体的な無機顔料を以下に例示する。
【0257】
黒色の顔料としては、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラック等のカーボンブラック、更にマグネタイト、フェライト等の磁性粉も用いられる。
【0258】
これらの無機顔料は所望に応じて単独または複数を選択併用する事が可能である。また顔料の添加量は重合体に対して2〜20質量%であり、好ましくは3〜15質量%が選択される。
【0259】
磁性トナーとして使用する際には、前述のマグネタイトを添加することができる。この場合には所定の磁気特性を付与する観点から、トナー中に20〜60質量%添加することが好ましい。
【0260】
有機顔料及び染料も従来公知のものを用いることができ、具体的な有機顔料及び染料を以下に例示する。
【0261】
マゼンタまたはレッド用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド222等が挙げられる。
【0262】
オレンジまたはイエロー用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー185、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー156等が挙げられる。
【0263】
グリーンまたはシアン用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられる。
【0264】
また、染料としては、例えば、C.I.ソルベントレッド1、同49、同52、同58、同63、同111、同122、C.I.ソルベントイエロー19、同44、同77、同79、同81、同82、同93、同98、同103、同104、同112、同162、C.I.ソルベントブルー25、同36、同60、同70、同93、同95等を用いることができ、またこれらの混合物も用いることができる。
【0265】
これらの有機顔料及び染料は、単独または複数を選択併用することが可能である。また、顔料の添加量は、重合体に対して2〜20質量%であり、好ましくは3〜15質量%である。
【0266】
本発明のトナーを構成する着色剤(着色剤粒子)は、表面改質されていてもよい。表面改質剤としては、従来公知のものを使用することができ、具体的にはシランカップリング剤、チタンカップリング剤、アルミニウムカップリング剤等を好ましく用いることができる。シランカップリング剤としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン等のアルコキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン等のシロキサン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。チタンカップリング剤としては、例えば、味の素社製の「プレンアクト」と称する商品名で市販されているTTS、9S、38S、41B、46B、55、138S、238S等、日本曹達社製の市販品A−1、B−1、TOT、TST、TAA、TAT、TLA、TOG、TBSTA、A−10、TBT、B−2、B−4、B−7、B−10、TBSTA−400、TTS、TOA−30、TSDMA、TTAB、TTOP等が挙げられる。アルミニウムカップリング剤としては、例えば、味の素社製の「プレンアクトAL−M」等が挙げられる。
【0267】
これらの表面改質剤の添加量は、着色剤に対して0.01〜20質量%であることが好ましく、更に好ましくは0.1〜5質量%である。また、着色剤粒子の表面改質法としては、着色剤粒子の分散液中に表面改質剤を添加し、この系を加熱して反応させる方法が挙げられる。この様にして表面改質された着色剤粒子は、濾過により採取され、同一の溶媒による洗浄処理と濾過処理が繰り返された後、乾燥処理されて得られるものである。
【0268】
(離型剤)
本発明に使用されるトナーは、離型剤を含有した樹脂粒子を水系媒体中において融着させ、熟成工程により離型剤を適度に凝集させてセル構造を形成させたトナーであることが好ましい。この様に樹脂粒子中に離型剤を含有させた樹脂粒子を着色剤粒子と水系媒体中で塩析/融着させることで、微細に離型剤が分散されたトナーを得ることができる。ここで、熟成工程とは、樹脂粒子の融着後も温度を離型剤の融点±20℃の範囲で攪拌を継続する工程をいうものである。
【0269】
本発明のトナーでは、離型剤として、低分子量ポリプロピレン(数平均分子量=1500〜9000)や低分子量ポリエチレン等が好ましく、特に好ましくは、下記式で表されるエステル系化合物である。
【0270】
−(OCO−R
式中、nは1〜4の整数で、好ましくは2〜4、更に好ましくは3〜4、特に好ましくは4である。R、Rは、各々置換基を有しても良い炭化水素基を示す。Rは、炭素数1〜40、好ましくは1〜20、更に好ましくは2〜5がよい。Rは、炭素数1〜40、好ましくは16〜30、更に好ましくは18〜26がよい。
【0271】
次に代表的な化合物の例を以下に示す。
【0272】
【化1】
Figure 2004157423
【0273】
【化2】
Figure 2004157423
【0274】
また、本発明では離型剤に加えて、結晶性ポリエステルを用いることができるものであるが、結晶性ポリエステルとしては、脂肪族ジオールと、脂肪族ジカルボン酸(酸無水物および酸塩化物を含む)とを反応させて得られるポリエステルが好ましい。
【0275】
結晶性ポリエステルを得るために使用されるジオールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−ブテンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタングリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールZ、水素添加ビスフェノールA等を挙げることができる。
【0276】
結晶性ポリエステルを得るために使用されるジカルボン酸としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマール酸、シトラコ酸、イタコン酸、グルタコ酸、n−ドデシルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸、イソドデシルコハク酸、イソドデセニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、これらの酸無水物あるいは酸塩化物を挙げることができる。
【0277】
特に好ましい結晶性ポリエステルとしては、1,4−シクロヘキサンジメタノールとアジピン酸とを反応して得られるポリエステル、1,6−ヘキサンジオールとセバシン酸とを反応して得られるポリエステル、エチレングリコールとコハク酸とを反応して得られるポリエステル、エチレングリコールとセバシン酸とを反応して得られるポリエステル、1,4−ブタンジオールとコハク酸とを反応して得られるポリエステルを挙げることができ、これらのうち、1,4−シクロヘキサンジメタノールとアジピン酸とを反応して得られるポリエステルが最も好ましい。
【0278】
上記化合物の添加量は、トナー全体に対し1〜30質量%、好ましくは2〜20質量%、更に好ましくは3〜15質量%である。
【0279】
(現像剤)
本発明のトナーは、一成分現像剤でも二成分現像剤として用いてもよく、一成分現像剤として用いる場合は、非磁性一成分現像剤、あるいはトナー中に0.1〜0.5μm程度の磁性粒子を含有させた磁性一成分現像剤が挙げられいずれも使用できる。
【0280】
また、キャリアと混合して二成分現像剤として用いることもでき、この場合は、キャリアの磁性粒子として、鉄、フェライト、マグネタイト等の金属、それらの金属とアルミニウム、鉛等の金属との合金等の従来から公知の材料を用いることが出来る。特にフェライト粒子が好ましい。上記磁性粒子は、その体積平均粒径としては15〜100μm、より好ましくは25〜80μmのものがよい。
【0281】
キャリアの体積平均粒径の測定は、代表的には湿式分散機を備えたレーザ回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMPATEC)社製)により測定することができる。
【0282】
キャリアは、磁性粒子が更に樹脂により被覆されているもの、あるいは樹脂中に磁性粒子を分散させたいわゆる樹脂分散型キャリアが好ましい。コーティング用の樹脂組成としては、特に限定は無いが、例えば、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、エステル系樹脂或いはフッ素含有重合体系樹脂等が用いられる。また、樹脂分散型キャリアを構成するための樹脂としては、特に限定されず公知のものを使用することができ、例えば、スチレン−アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系樹脂、フェノール樹脂等を使用することができる。
【0283】
本発明で用いられる転写紙は、代表的には普通紙であるが、現像後の未定着画像を転写可能なものであれば、特に限定されるものではなく、OHP用のPETベース等も含まれるものである。
【0284】
【発明の効果】
本発明によれば、軟化点が90℃〜120℃のトナーで現像して可視画像を形成し記録材上に該可視画像を転写して加熱定着を行いトナー画像を形成し、該トナー画像の動摩擦係数を0.1〜0.3、かつESCA表面分析による炭素の占有面積を70%〜90%、酸素の占有面積が6%〜12%以下とすることにより、排紙部で用紙にブロッキングやタッキングが発生しないことを可能にした。
【0285】
また、本発明によれば、低温定着性のトナーを用いて両面プリントを行った時に、形成されたトナー画像が部分的に剥離することのない良好な定着性が得られることを可能にした。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像形成方法に使用される画像形成装置の一例を示す概略図である。
【図2】本発明に係る画像形成方法に使用されるデジタル画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
【図3】本発明に係る画像形成方法で使用される定着装置の一例を示す断面図である。
【図4】トナーリサイクル機構を有するプロセスカートリッジの一例を示す斜視図である。
【図5】本発明に係る画像形成方法に使用される海島構造を有するトナー粒子の一例を示す模式図である。
【図6】本発明に係る画像形成方法に使用される海島構造を有するトナー粒子中の島間の最近接壁間距離を矢印(←→)で示した模式図である。
【図7】(a)は、角のないトナー粒子の投影像を示す模式図であり、(b)および(c)は、それぞれ角のあるトナー粒子の投影像を示す模式図である。
【符号の説明】
101 画像形成装置
A 自動原稿搬送装置(ADF)
B 原稿画像読取部
C 画像制御基板
D 書き込み部
H 定着手段
P 記録紙

Claims (14)

  1. 像形成体上に形成された潜像を、軟化点が90℃〜120℃のトナーで現像して可視画像を形成し、記録材上に該可視画像を転写して加熱定着を行ってトナー画像を形成する画像形成方法であって、
    該記録材上に形成されたトナー画像の動摩擦係数の値が、0.1〜0.3であり、かつESCA表面分析による炭素の占有面積が70%〜90%、酸素の占有面積が6%〜12%以下であることを特徴とする画像形成方法。
  2. 前記記録材上に形成されたトナー画像の水に対する接触角が100°〜130°であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
  3. 前記トナーに含有される離型剤の融点が60℃〜110℃であり、かつ前記トナーを構成する樹脂のガラス転移点が42℃〜58℃であることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成方法。
  4. 前記画像形成方法が、デジタル方式により画像形成を行うものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  5. 前記記録材上に形成されたトナー画像の温度をモニターし、該モニターの結果に基づいて画像形成時に制御を行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  6. 前記記録材上に形成されたトナー画像の動摩擦係数の値をモニターし、該モニターの結果に基づいて画像形成時に制御を行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  7. 前記モニターの結果に基づいて、画像形成時の定着温度の制御を行うことを特徴とする請求項5または6に記載の画像形成方法。
  8. 前記モニターの結果に基づいて、定着温度の冷却を制御することを特徴とする請求項5または6に記載の画像形成方法。
  9. 前記モニターの結果に基づいて、デジタル方式による画像形成時に行われる画像処理条件の制御を行うことを特徴とする請求項5または6に記載の画像形成方法。
  10. 前記画像形成方法に使用されるトナーが、樹脂と離型剤を含有する海島構造を有するもので、該海島構造の海の領域を該樹脂が構成し島の領域を該離型剤が構成するものであることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  11. 前記トナーが、トナー粒子表面に前記海島構造を構成する島が2〜20個であるトナー粒子を99個数%以上有することを特徴とする請求項10に記載の画像形成方法。
  12. 前記トナーが、トナー粒子表面に前記島が露出していないトナー粒子を98個数%以上有することを特徴とする請求項10または11に記載の画像形成方法。
  13. 前記トナーの平均粒径が、3μm〜9μmであることを特徴とする請求項10〜12のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  14. 前記トナーが、重合性単量体を水系媒体中で重合させて得られるものであることを特徴とする請求項10〜13のいずれか1項に記載の画像形成方法。
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