JP2004156723A - スラストころ軸受および保持器 - Google Patents

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Tetsuya Hayashi
林  哲也
Kosuke Obayashi
光介 尾林
Shinji Oishi
真司 大石
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Abstract

【課題】摩耗を抑制しながら、処理時間が短く、加工時および使用時にクラックを発生させない硬化層を有する保持器およびその保持器を組み込んだスラストころ軸受を提供する。
【解決手段】ころ2と、前記ころを上側部材と下側部材とで挟むように保持する保持器1とを備え、保持器の表層部に軟窒化層を深さ3μm超え100μm未満の範囲内に形成している。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車のオートマチックトランスミッションや、コンプレッサ等に使用されるスラストころ軸受およびそこに用いられる保持器に関し、より具体的には摩耗を抑制し、クラック等を生じない保持器を組み込んだスラストころ軸受およびその保持器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
スラストころ軸受は、ころと、保持器と、軌道輪とで構成され、ころと軌道輪とが線接触する構造であるため、軸受投影面積が小さい割に高負荷容量と、高剛性とを得ることができる。したがって、希薄潤滑や高速回転など、苛酷な使用条件で使用する軸受として好適である。このため、たとえば自動車のオートマチックトランシミッション用軸受やカーエアコンのコンプレッサ用軸受として広く用いられている。
【0003】
上記のスラスト軸受は、回転時にころが遠心力により外径側に押し付けられるため、保持器のポケット外径側端面に一定以上の硬度および硬化層深さがなければ摩耗等を発生させ、破損の原因となる。焼入れ等の熱処理によって保持器に硬化層を形成することが考えられるが、焼入れ等によって熱変形が発生するおそれがある。このため、熱処理による保持器の変形を防止するために、保持器に波打ち部分を形成して熱処理変形を防止することが提案されている(特許文献1)。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−097242号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記のような熱処理変形を防止した形状の保持器を用いても、硬化層が深すぎると脆くなり、加工時や使用時にクラック等を発生させ、破損の要因となる。とくに、加工面から硬化層を厚くするには処理時間を長くする必要があり、コストアップの要因となる。このため、上記の課題に対処できる保持器を有するスラストころ軸受およびその保持器の開発が望まれていた。
【0006】
本発明は、摩耗を抑制しながら、処理時間が短く、加工時および使用時にクラックを発生させない硬化層を有する保持器およびその保持器を組み込んだスラストころ軸受を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明のスラストころ軸受は、複数のころと、ころを上側部材(上側保持器)と下側部材(下側保持器)とで挟むように保持する金属製の保持器とを備える。そして、保持器の表層部に、軟窒化層を深さ3μm超え100μm未満の範囲内に形成している。
【0008】
この構成によれば、保持器の軟窒化層深さを所定の範囲に入れることにより、使用時の保持器における異常摩耗を抑制しながら、スラストころ軸受の製作組立工程におけるかしめ部のクラック等の発生を回避することができる。表層部の軟窒化層の深さが3μm以下では、上述の異常摩耗を回避することができす、また、軟窒化層の深さが100μm以上では、保持器の組立加工におけるかしめ加工においてかしめ部にクラックを発生する場合がある。より望ましい軟窒化層の範囲は、5μm以上50μm以下の範囲である。
【0009】
上記の軟窒化層の深さは、(A1)断面を研磨し、軽くエッチングして、光学顕微鏡観察により確認できる変質層の深さであってもいい。また、(A2)表面から硬度測定を所定のピッチ、たとえば0.5μmピッチで硬度測定を行ない、内部の硬度とほぼ等しくなる箇所の表面からの距離でもよい。(A1)および(A2)の測定法の少なくとも一方で、軟窒化層の深さが上記範囲内にあればよい。なお、上記の軟窒化層は、薄鋼板素材の表面にも、また、薄鋼板が開口されて形成された端面にも形成される。
【0010】
上記の軟窒化層は、以下に述べるいかなる表面硬化処理によって置き換えてもよいし、また以下に述べた以外の硬化処理で置き換えた硬化層であってもよい。この硬化層は、薄板素材の平坦面のみならず、保持器において窓が開口されてできた端面(素材の薄板の厚さ断面)にも形成されていることは言うまでもない。
【0011】
本発明の別のスラストころ軸受は、ころと、ころを上側部材(上側保持器)と下側部材(下側保持器)とで挟むように保持する保持器とを備える。そして、保持器は、その表層部に軟窒化層を深さ3μm超え100μm未満の範囲内に形成され、また、その外径側端部および内径側端部の少なくとも一方において上側部材と下側部材とが重ね折られ、かしめ加工されており、その加工部において軟窒化層が塑性変形している。
【0012】
この構成により、たとえば保持器の上側部材と下側部材にポケットおよびポケットの窓あけのプレス加工を施した後、これら上側部材と下側部材に軟窒化処理により表層に硬化層を形成する。そして、軟窒化層を形成した後に、ころをポケットにセットして、上側部材と下側部材とが重ね折り曲げられ、かしめ加工を施されることができる。上記の工程においては、たとえば、上記重ね折り曲げられる部分に対して軟化焼鈍処理などを施す必要がなく、製造工程が簡略化される。このような簡略化された工程が可能になるのは、軟窒化層を有したまま上側部材と下側部材にかしめ加工を施すことができるからであり、それは軟窒化層の深さを100μm未満としたことによる。
【0013】
なお、軟窒化層が曲げ加工されていることは、上述のように、その部分を研磨して軽くエッチングして、肉眼観察や光学顕微鏡観察することにより、検証することができる。軟窒化層が、塑性変形している様子を確認することができる。
【0014】
また、上記の軟窒化層は、次の方法で形成されることができる。軟窒化処理は、(a1)NaCNにあらかじめ空気を吹き込んでNaCNOに変え、窒化能を落とした溶融塩に浸漬する方法や、(a2)浸炭ガス中にアンモニア(NH3)を添加した雰囲気中にて浸炭窒化する方法、などにより表面窒素濃度の低い窒化を行なう。表面硬さは、正規の窒化の場合Hv1200程度になるのに対して、軟窒化層の硬度はそれほど高くならない。しかし、表面に圧縮応力が残留して疲れ強さが向上する。
【0015】
また、上記の軟窒化層は、他の方法で硬化された硬化層に置き換えることができる。たとえば、焼入処理を含む熱処理によって形成された硬化層で置き換えてもよい。鋼の組成における炭素、シリコン、マンガンなどの合金元素の含有率を適当な範囲に設定することにより、所定の焼入れ硬化能を確保し、表層部にマルテンサイトやベイナイトの焼入れ硬化組織を形成することができる。これらは、高周波加熱やレーザ加熱により表層部だけ加熱して焼き入れてもよいし、全体を均一に加熱して焼入れしてもよい。これらの焼入れの後、焼戻しを加えてもよいし、加えなくてもよい。
【0016】
さらに、上記の軟窒化層は、浸炭処理、浸炭窒化処理、イオン窒化処理、焼入れ処理、加工処理のうちの少なくとも1つの処理によって形成された硬化層で置き換えてもよい。
【0017】
上記の浸炭処理法には、固体浸炭法、液体浸炭法およびガス浸炭法がある。たとえばガス浸炭を行なう場合、メタン(CH)、エタン(C)、プロパン(C)などに空気を混合し、Ni触媒を用いて分解し、生じたHOを除去したCO約20%、H約40%、N約40%の組成の吸熱型(エンドガスまたはRXガスともいう)中で処理品を加熱し、浸炭させ、直接焼き入れる。浸炭能を高めるために、上記のガスにCHなどを添加することがある。
【0018】
イオン窒化処理は、処理室を真空に排気してから、数百PaのNまたはNHなどを含む雰囲気とし、処理品が陰極となるようにして300〜1000Vの直流電圧を印加し、グロー放電を起こさせて処理品表面を加熱しつつNを拡散させ、浸透させる。
【0019】
本発明の硬化処理法としては、たとえば、金属便覧(日本金属学会編、丸善株式会社、鋼の表面硬化処理法pp.550−552)に記載のいずれかの硬化処理法を用いることができる。
【0020】
上記のスラストころ軸受は、軌道輪を有することにより、よりコンパクトな軸受を得ることができる。また、上記のころに、浸炭窒化処理されたころを用いることにより、より耐久性に優れたスラストころ軸受を得ることができる。さらに、上記ころを複列ころとすることにより、軸受の回転時における内径側と外径側との直線速度差に起因する、ころと、たとえば軌道輪との間のすべり量を軽減することができる。この結果、耐久性を向上させることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
次に図面を用いて本発明の実施の形態について説明する。
【0022】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1におけるスラスト針状ころ軸受は、軌道輪19a,19bと、両軌道輪の間に配置された針状ころ2と、針状ころ2を案内保持する保持器33とを有している。この保持器33にはポケット(図示せず)が設けられ、そのポケットの窓の縁にころ保持部(図示せず)が設けられている。本実施の形態における保持器では、表層部、とくにポケットの端面の硬化層が深さ3μm超え、100μm未満の範囲で形成されている。このため、とくにころの外周側の部分が接触するポケットの窓の端縁部においてドリリング摩耗などの異常摩耗が発生しにくくなる。また、硬化層深さを所定範囲内に設定したので、脆化層が薄いため、保持器の外周側また内周側の端部において加締加工を施す場合にもクラックが生じにくい。また、このような加工時のみならず、使用時にもクラックが発生しにくい。また、軟窒化処理などにより短時間で上記の硬化層を得ることができる。
【0023】
(実施の形態2)
図1(a)は、本発明の実施の形態2におけるスラスト針状ころ軸受を示す平面図であり、図1(b)は図1(a)のIb−Ib線に沿った断面図であり、図1(c)は図1(b)の要部拡大図であり、そして図1(d)は図1(a)の別の箇所の要部拡大図である。また、図1(e)は図1(c)のIe−Ie線に沿った拡大断面図である。
【0024】
このスラスト針状ころ軸受1は、複数の針状ころ2とこれら針状ころ2を周方向に所定ピッチで保持する2枚の環状の保持器3,4とからなっている。ここで、2枚の保持器3,4のそれぞれは、径方向において針状ころ2の長さLよりも長い矩形状の複数のポケット5,6を有し(図1(d)参照)、冷間圧延鋼板(SPCC)からなる鋼板をプレス加工にて形成している。各ポケット5,6の両側縁には、互いに向き合って突出するころ保持部5a,6aが形成されている。これらころ保持部5a,6aが針状ころ2を上と下とから挟んで保持している。
【0025】
本実施の形態における最大の特徴は、保持器の表層、とくにポケットの窓の端縁部に、硬化層が深さ3μm超え、100μm未満の範囲内に形成されていることである。このため、針状ころの外径側端部によって保持器の窓の端縁部に、異常摩耗が生じることがない。さらに、後で説明するように、保持器の外径側および内径側の端部において重ねて折り曲げる加締加工を施してもクラックを生じることがない。なお、保持器3,4は、SPCC以外にも、たとえば、SCM415などの帯鋼をプレスで絞り成形してもよい。
【0026】
針状ころ2は、外径側の針状ころ2aと、内径側の針状ころ2bとで形成し、ポケット5,6内に複列で配置されている。2列ころにすることにより、各針状ころ2a,2bにおいて、外径側部分と内径側部分との交点周速差が小さくなり、軌道面(図示せず)との滑りが抑制される。このため、接触部の発熱が少なく、表面損傷(スミアリング)を防止することができる。また、ころ保持部の径方向長さをポケットの径方向長さの30%〜80%とすることにより、針状ころを確実に保持しながら潤滑油の通油性を向上させることができる。すなわち、ころ保持部5a,6aの径方向の内端側および外端側に形成された凹部5b,6bによって潤滑油が容易に通過することができる。なお、針状ころ2は複列のころ2a,2bで構成したものを例示したが、単列の針状ころであってもよい。また、針状ころ2の端面は、フラットな形状に限らず円弧面で形成してもよい。
【0027】
2枚の保持器3,4のうち、上側保持器3のころ保持部5aの径方向外側は、図1(c)に示すように、ころ保持部5aの外端から折り曲げられた傾斜延出部3aと、この傾斜延出部3aの下端から径方向と交差する折曲げ線を持つように折り曲げられた外側板部3bとで構成されている。また、上側保持器3のころ保持部5aの径方向内側は、同じくころ保持部5aの内端から折り曲げられた傾斜延出部3cと、この傾斜延出部3cの下端から径方向と交差する折曲げ線を持つように折り曲げられた内側板部3dとで構成されている。
【0028】
また、上側保持器3と同一形でポケット抜きされた下側保持器4のころ保持部6aの径方向外側は、ころ保持部6aの外端から折り曲げられた傾斜延出部4aと、この傾斜延出部4aの下端から径方向と交差する折曲げ線を持つように折り曲げられた外側板部4bとで構成されている。また、下側保持器4のころ保持部6aの径方向内側は、同じくころ保持部6aの内端から折り曲げられた傾斜延出部4cと、この傾斜延出部4cの下端から径方向と交差する折曲げ線を持つように折り曲げられた内側板部4dとで構成されている。そして、2枚の保持器3,4は、外側板部3b,4bを互いに上下に重ね合わせるとともに、外側板部4bの最外端部を上方向に折り曲げて加締部7を形成している。また、内側板部3d,4dも互いに上下に重ね合わせるとともに、内側板部3dの最内端部を下方向に折り曲げて加締部8を形成している。これら加締部7,8により、2枚の保持器3,4は内側端部を加締固定して強固に一体化されているため、運転中においても2枚の保持器3,4は分離することはない。また、上記構成によれば、上述の硬化層の効果に加えて、外側板部3b,4bおよび内側板部3d,4dでは、針状ころ2の端面とポケット5,6との接触面積を広くとることができ、ドリリング摩耗を抑制することができる。
【0029】
2枚の保持器3,4を固定した状態では、2枚の保持器3,4がなすころ保持部5a,6aに対して、径方向の外側部分,内側部分とも厚さT,Tは、傾斜延出部3a,4aおよび3c,4cが存在することから、ころ保持部5a,6aの厚さTよりも薄い(図1(c)参照)。
【0030】
図2は、上記の保持器において針状ころがころ保持部によって回転自由に拘束されている状態を示す斜視図である。ころ保持部5aは、針状ころの軸線よりも上側に位置し、針状ころの側に突き出している。保持器の外周側の端部において、針状ころ2bが外周側に向けて遠心力を受けて、ポケットの窓の縁に強く押し当てられる。何も対策をとらなければ、この窓の縁に、ドリリング摩耗が発生するが、上記のように硬化層を形成することにより、ドリリング摩耗を抑制することができる。
【0031】
次に潤滑油の通油性について説明する。上記の構成を有するスラスト針状ころ軸受1は、図3に示すように、第1軸(回転軸)9の軌道面9aと、第2軸(固定軸)10の軌道面10aとの間を針状ころ2が転動するように、上側保持器3の加締部8を案内面として隙間嵌めされる。第1軸9が回転すると、保持器3,4のこの第1軸9とともに回転し、針状ころ2が第1軸9aと第2軸10の軌道面10aとの間を転動する。ここで、図示していない油圧供給源から油路を経由してスラスト針状ころ軸受1内に供給される。
【0032】
潤滑油は、油路を矢印aのように通ってから、第2軸10の軌道面10aと下側保持器4のころ保持部6aに対して径方向の内側部分との間を矢印bのように通る。その後潤滑油は、針状ころ2の周囲および保持器3,4で形成される空間内を矢印cのように通って、針状ころ2の側面と保持器3,4のころ保持部5a,6aとの間、針状ころ2の端面との間、および針状ころ2の側面と軌道面9a,10aとの間を潤滑し、第2軸10の軌道面10aと保持器4のころ保持部6aに対して、径方向の外側部分との間、および第1軸9の軌道面9aと保持器3のころ保持部5aに対して径方向の外側部分との間を通って、矢印dのように排出される。
【0033】
この潤滑油による各部の潤滑に際し、2枚の保持器3,4がなすころ保持部5a,6aに対して、径方向の外側部分、内側部分の厚さT,Tをころ保持部5a,6aの厚さTよりも薄く形成している(図1(c)参照)。このため、第2軸10の軌道面10aと下側保持器4のころ保持部6aに対して径方向の内側部分との間の空間の断面積が従来に比べて大きくなり、潤滑油の流出性だけでなく流入性も向上している。したがって、軸受各部の焼付けを確実に防止することができるとともに、針状ころ2の端面と保持器3,4のポケット5,6のドリリング磨耗を抑制することができる。また、保持器3,4によって潤滑油の通過が遮られにくくなるため潤滑油が滞留しにくくなり、油温の上昇を抑制することができる。このため保持器の強度アップとあいまって軸受の耐久性を一層向上させることができる。
【0034】
次に、図4を用いて、本発明に係るスラスト針状ころ軸受の製造手順について詳細に説明する。保持器は、上述の上側部材すなわち上側保持器3および下側部材すなわち下側保持器4とから形成される。まず、所定の材質の薄鋼板に機械加工を施して、窓となる開口を含むポケットを形成する。上記の「機械加工」にはポケット形成のための面外押出しプレス加工や、上記開口形成のための打ち抜き加工も含まれる。
【0035】
この後、2枚の保持器3,4、すなわち上側部材と下側部材とを570〜580℃×35分で軟窒化処理し、強度アップを図る。他の硬化処理を用いてもよい。
【0036】
一方、ころは所定の硬化処理を施される。通常、焼入れ焼戻し処理が施される。また、浸炭窒化処理後に、焼入れ処理または焼入れ焼戻し処理が施されてもよい。また、針状ころ2の素材として、たとえば高炭素クロム軸受鋼の1種または2種であるSUJ軸受鋼を使用し、840℃×30分で油焼入れ、次いで180℃×90分で焼戻しして、表面硬さをビッカース硬度(Hv)で700から750程度に設定する。針状ころ2は、予め熱処理を施さなくてもよいが、組込みの前に予め熱処理、すなわちずぶ焼入れを施しておけば、製造工程がそれだけ増加することになる。
【0037】
この後、保持器のポケットに収納されるように上記ころがセットされる。この後、保持器の外径側端部および内径側端部の少なくとも一方において、上側部材と下側部材とが重ね折り曲げられ、かしめ加工が施される。2枚の保持器3,4および針状ころ2を別々に熱処理し、加締部を焼鈍ししていた従来の方法に比べ製造工程は簡略化されたものとなる。
【0038】
さらに、高硬度化を目標とする場合には、上記のかしめ加工を行った後に、浸炭処理後焼入れ処理、または浸炭窒化処理後焼入れ焼戻し処理などを施してもよい。針状ころ2は、その表層部に浸炭層または浸炭窒化層が形成されているので、表層の硬度は従来品と比べて高くなっており高硬度の異物を噛み込んでも圧痕が生じ難く長寿命化に寄与する。また、浸炭窒化処理においては、窒素富化層が形成され、かつその残留オーステナイト量が20容積%以上と多く形成することができる。これは軌道面9a,10aに高硬度の異物を噛み込むと、従来では圧痕周辺で応力集中源となっていたが、多量に存在する残留オーステナイトの組成変形によってこうした応力集中が緩和され、高硬度の硬化とともに長寿命化に寄与することができる。なお、窒素富化層は、具体的には厚みを0.1mm以上、表面硬さ750Hv以上とすることができる。さらに、内部硬さも表面硬さと同程度に高めることができ、針状ころ2全体の強度を向上させることができる。したがって、過酷な条件、たとえば高荷重の条件で使用される場合であっても十分負荷し、所望の寿命を満足することができる。
【0039】
保持器3,4の場合は、針状ころ2と同様、その表層部に浸炭層または浸炭窒化層が形成され、少なくとも表面硬さを400Hv、熱処理の条件によっては600Hv以上とすることができる。したがって、従来のものに比べ耐摩耗性を向上させることができる。
【0040】
(実施の形態3)
図5(a)は、本発明の実施の形態3におけるスラスト針状ころ軸受を示す平面図であり、図5(b)は図5(a)のVb−O−Vb線に沿った断面図であり、図5(c)は図5(a)の底面図であり、図5(d)は図5(b)のA部拡大図、そして図5(e)は図5(b)のB部拡大図である。この実施の形態3は、前述した実施の形態2とは、保持器形状と加締方法とが異なるのみで、その他同一部品、同一部位には同じ符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0041】
このスラスト針状ころ軸受11は、複数の針状ころ2とこれら針状ころ2を周方向に所定ピッチで保持する2枚の環状の保持器13,14とからなっている。2枚の保持器13,14のうち、上側保持器13のころ保持部15aの径方向外側は、図5(d)に示すように、ころ保持部15aの外端から折り曲げられた傾斜延出部13aと、この傾斜延出部13aの下端から径方向に向けて折り曲げられた外側板部13bとで構成されている。
【0042】
また、上側保持器13のころ保持部15aの径方向内側は、同じくころ保持部15aの内端から折り曲げられた傾斜延出部13cと、この傾斜延出部13cの下端から径方向に向けて折り曲げられた内側板部13dとで構成されている。
【0043】
また、上側保持器13と同一形でポケット抜きされた下側保持器14のころ保持部16aの径方向外側は、ころ保持部16aの外端から折り曲げられた傾斜延出部14aと、この傾斜延出部14aの下端から径方向に向けて折り曲げられた外側板部14bとで構成されている。また、上側保持器14のころ保持部16aの径方向内側は、同じくころ保持部16aの内端から折り曲げられた傾斜延出部14cと、この傾斜延出部14cの下端から径方向に向けて折り曲げられた内側板部14dとで構成されている。
【0044】
そして、2枚の保持器13,14は、図5(d)に示すように、外側板部13b,14bを互いに上下に重ね合わせるとともに、外側板部14bの最外端部の一部を上方向に折り曲げて部分加締部17を形成している。一方、内側板部13d,14dは互いに重ね合わされ折り曲げられるとともに、内側板部13dの最内端部を下方向に折り曲げている。また、図5(e)に示すように、外側板部13b,14bを互いに重ね合わせ折り曲げられるとともに外側板部14bの最外端部を上方向に折り曲げている。さらに、内側板部13d,14dは互いに重ね合わせるとともに、内側板部13dの最外端部の一部を下方向に折り曲げて部分加締部18を形成している。これら部分加締部17,18により、2枚の保持器13,14は内外端部を強固に一体化されるとともに、前述した実施の形態2における全周加締に比べ、加締工程を格段に簡略化することができる。
【0045】
保持器の外周縁の部分19は、2枚の保持器13,14の位相合わせ用の位置決め部である。たとえば、上側保持器13の外縁に切欠部(図示せず)を形成するとともに下側保持器14の外縁に形成した突起部(図示せず)を係合させ、加締加工などに両保持器13,14のポケット15,16のピッチがずれないようにしている。また、これらの部分加締部17,18は周縁の4箇所に、その位相を45度ずらせて形成し、加締加工時、保持器変形の影響を防止している。なお加締箇所は4箇所に限らず、5〜8箇所であってもよい。
【0046】
本実施の形態における最大の特徴は、保持器の表層、とくにポケットの窓の端縁部に硬化層が、深さ3μm超え、100μm未満の範囲内に形成されていることである。このため、針状ころの外径側端部によって保持器の窓の端縁部に、異常摩耗が生じることがない。さらに、硬化層を有したまま保持器の外径側および内径側の端部において重ねて折り曲げて加締加工を施してもクラックを生じることがない。なお、保持器3,4は、SPCC以外にも、たとえば、SCM415などの帯鋼をプレスで絞り成形してもよい。
【0047】
(実施の形態4)
図6(a)は、本発明の実施の形態4におけるスラスト針状ころ軸受を示す平面図であり、図6(b)は図6(a)のVIb−O−VIb線に沿う断面図であり、図6(c)は図6(b)のC部拡大図であり、そして図6(d)は図6(b)のD部拡大図である。この実施の形態4は前述した実施の形態3と加締方向が異なるのみであり、その他同一部品同一部位には同じ符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0048】
このスラスト針状ころ軸受11’は、複数の針状ころ2とこれら針状ころ2を周方向に所定ピッチで保持する2枚の環状の保持器13’,14’とからなっている。2枚の保持器13’,14’のうち、上側保持器13’のころ保持部15aの径方向外側は、図6(c)に示すように、ころ保持部15aの外端から折り曲げられた傾斜延出部13aと、この傾斜延出部13aの下端から径方向と交差する折曲げ線を持つように折り曲げられた外側板部13bとで構成されている。また、上側保持器13のころ保持部15aの径方向内側は、同じくころ保持部15aの内端から折り曲げられた傾斜延出部13cと、この傾斜延出部13cの下端から径方向に交差する折り曲げ線を持つように折り曲げられた内側板部13d’とで構成されている。
【0049】
また、下側保持器14のころ保持部16aの径方向外側は、ころ保持部16aの外端から折り曲げられた傾斜延出部14aと、この傾斜延出部14aの下端から径方向に向けて折り曲げられた外側板部14bとで構成されている。また、上側保持器14のころ保持部16aの径方向内側は、同じくころ保持部16aの内端から折り曲げられた傾斜延出部14cと、この傾斜延出部14cの下端から径方向に向けて折り曲げられた内側板部14d’とで構成されている。
【0050】
そして、2枚の保持器13’,14’は、図6(c)に示すように、外側板部13b,14bを互いに重ね合わされるとともに、外側板部14bの最外端部の一部を上方向に折り曲げて部分加締部17を形成している。一方、内側板部13d’、14d’は互いに重ね合わされるとともに、内側板部14d’の最外端部を上方向に折り曲げている。また、図6(d)に示すように、内側板部13d’,14d’は互いに重ね合わされるとともに、内側板部14d’の最内端部の一部を上方向に折り曲げて部分加締部18’を形成している。これら部分加締部17,18’により、2枚の保持器13’,14’は内外端部を強固に一体化されるとともに、前述した第2の実施の形態における部分加締部と異なり同一面に部分加締部17,18’が存在するため加締加工のさらなる簡略化ができる。
【0051】
本実施の形態における最大の特徴は、保持器の表層、とくにポケットの窓の端縁部に硬化層が、深さ3μm超え、100μm未満の範囲内に形成されていることである。このため、針状ころの外径側端部によって保持器の窓の端縁部に、異常摩耗が生じることがない。さらに、硬化層を有したまま保持器の外径側および内径側の端部において重ねて折り曲げて加締加工を施してもクラックを生じることがない。摩耗をさらに確実に防止して、かつ加締加工の際にクラックを生じないためには、硬化層は5μm〜50μmの範囲内にすることが一層望ましい。
【0052】
(実施の形態5)
図7(a)は、本発明の実施の形態5におけるスラスト針状ころ軸受を示す平面図であり、図7(b)は図7(a)のVIIb−O−VIIb線に沿った断面図であり、図7(c)は図7(b)のE部拡大図である。この実施の形態5は、前述した実施の形態2〜4とは、2枚の保持器の固定手段が異なるのみであり、その他同一部品同一部位には同じ符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0053】
このスラスト針状ころ軸受21は、複数の針状ころ2とこれら針状ころ2を周方向に所定ピッチで保持する2枚の環状の保持器23,24とからなっている。2枚の保持器23,24のうち、上側保持器23のころ保持部25aの径方向外側は、図7(c)に示すように、ころ保持部25aの外端から折り曲げられた傾斜延出部23aと、この傾斜延出部23aの下端から径方向と交差する折曲げ線を持つように折り曲げられた外側板部23bとで構成されている。また、上側保持器23のころ保持部25aの径方向内側は、同じくころ保持部25aの内端から折り曲げられた傾斜延出部23cと、この傾斜延出部23cの下端から径方向と交差する折曲げ線を持つように折り曲げられた内側板部23dとで構成されている。
【0054】
また、下側保持器24のころ保持部26aの径方向外側は、ころ保持部26aの外端から折り曲げられた傾斜延出部24aと、この傾斜延出部24aの下端から径方向に向けて折り曲げられた外側板部24bとで構成されている。また、下側保持器24のころ保持部26aの径方向内側は、同じくころ保持部26aの内端から折り曲げられた傾斜延出部24cと、この傾斜延出部24cの下端から径方向と交差する折曲げ線を持つように折り曲げられた内側板部24dとで構成されている。
【0055】
そして、2枚の保持器23,24は、図7(c)に示すように、外側板部23b,24bを互いに上下に重ね合わせるとともに、外側板部24bの最外端部を上方向に折り曲げている。一方、内側板部23d,24dは互いに上下に重ね合わせるとともに、内側板部24dの最内端部を上方向に折り曲げている。なお、内側板部23dの最内端部を下方向に折り曲げてもよい。実施の形態では、2枚の保持器23,24を図7(a)に示すように、それぞれの内周部と外周部とをスポット溶接部27,28で一体に固定している。これらの溶接部27,28は周方向に等間隔で4箇所互いに位相を45度ずらせて設けている。これにより、溶接による保持器変形への影響を防止している。なお、部分加締部は必ずしも4箇所に形成される必要はなく、2箇所以上に等配されれば加締加工時に保持器変形への影響が防止可能である。
【0056】
保持器の外周縁の部分29は、2枚の保持器23,24の位相合わせ用の位置決め部である。上側保持器23の外縁に突起部29aを形成するとともに、下側保持器24の外縁に形成した切欠部29bを係合させ、2枚の保持器23,24のポケット25,26の位相がずれないようにしている。なお、この位置決め部29はこうした構成に限らず、たとえば、下側保持器24の外縁部の一部を加締し、上側保持器23に係合させて固定するいわゆるステーキング方式や、ピンと孔とによる係合方式であってもよい。
【0057】
本実施の形態における最大の特徴は、保持器の表層、とくにポケットの窓の端縁部に硬化層が、深さ3μm超え、100μm未満の範囲内に形成されていることである。このため、針状ころの外径側端部によって保持器の窓の端縁部に、異常摩耗が生じることがない。さらに、硬化層を有したまま保持器の外径側および内径側の端部において重ねて折り曲げて加締加工を施してもクラックを生じることがない。摩耗をさらに確実に防止して、かつ加締加工の際にクラックを生じないためには、硬化層は5μm〜50μmの範囲内にすることが一層望ましい。
【0058】
【実施例】
次に、実際にスラスト針状ころ軸受けを作製し、(1)保持器ポケット外径側端面部の摩耗(ドリリング摩耗)を測定して、硬化層深さの影響を試験した結果および(2)かしめ加工におけるクラックの発生の有無について試験した結果について説明する。
(1)摩耗試験
図1に示すスラスト針状ころ軸受について、竪型高温スラスト試験機により、ドリリング摩耗耐久性試験を行なった。試験条件は、次のとおりである。
(S1)回転数 :9000r/min
(S2)アキシャル荷重:4460N P/C=0.1
(S3)潤滑 :循環給油、タービン♯46油(120ml/min)、常温
(S4)運転時間:300h
保持器の硬化層は、軟窒化処理により、深さ3μmと5μmとの2種類の試験体を作製し、試験に供した。上記の条件で運転した後、保持器ポケット外径側端面部の摩耗(ドリリング摩耗)を測定した。測定方法は、形状測定器(コントレーサ)により、表面の摩耗形状を端の部分から測定することにより摩耗深さを測定した。
【0059】
図8(a)に硬化層深さ5μmの場合(本発明例)のコントレーサ測定結果を、また図8(b)に硬化層深さ3μmの場合(比較例)の測定結果を示す。図8(a)によれば、摩耗を生じていない端部から落ち込んでいる摩耗深さは訳5μmであり、摩耗深さは許容範囲内にある。これに対して、図8(b)に示す硬化層深さ3μmの場合には摩耗深さは23μmに達している。このように異常に大きな摩耗が生じると、針状ころのスムースな回転が妨げられ、耐久性は大きく低下する。したがって、耐摩耗性を十分確保するためには、硬化層を3μmを超える深さまで形成する。
(2)かしめ加工割れ試験
薄鋼板素材に対して軟窒化処理により、硬化層深さを変化させた試験体を容易した。軟窒化処理により、硬化層の深さは、100μmと、90μmとの2種類の試験体を作製した。次いで、この硬化層(軟窒化層)を有する薄鋼板を2枚重ね合わせて、折り曲げ、かしめ加工を施し、クラックの有無を調べた。上記折り曲げにおける内側曲げ半径Rは0.2とした。
【0060】
結果を図9(a)および図9(b)に示す。これらの図によれば、硬化層深さ90μmでは、上記加工部に割れは認められない、一方、硬化層深さ100μmでは、クラックが発生しており、耐久性の劣化は避けられない。
【0061】
上記の実施例によれば、硬化層(軟窒化層)深さを3μm超え、100μm未満とすることにより、耐摩耗性と耐かしめ加工割れ性との両方を満たすスラスト針状ころ軸受を提供することができる。
【0062】
以上、本発明の実施の形態について説明を行なったが、本発明はこうした実施の形態に何ら限定されるものではなく、あくまで例示であって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることはもちろんのことであり、本発明の範囲は特許請求の範囲の記載によって示されさらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、範囲内のすべての変更を含む。
【0063】
【発明の効果】
本発明のスラスト針状ころ軸受および保持器を用いることにより、耐摩耗性、とくに針状ころが遠心力で強く押し付けられる保持器の部分の耐ドリリング摩耗性を確保した上で、かしめ加工に対する耐割れ性を備えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明の実施の形態2におけるスラスト針状ころ軸受を示す平面図であり、(b)は(a)のIb−Ib線に沿った断面図であり、(c)は(b)の要部拡大図であり、(d)は(a)のポケット部の要部拡大図であり、(e)は(c)のIe−Ie線に沿った拡大断面図である。
【図2】図1のスラスト針状ころ軸受の部分斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態2におけるスラスト針状ころ軸受の使用状態を説明する部分断面図である。
【図4】図1のスラスト針状ころ軸受の製造手順を示す図である。
【図5】(a)は本発明の実施の形態3におけるスラスト針状ころ軸受を示す平面図であり、(b)は(a)のVb−O−Vb線に沿った断面図であり、(c)は(a)の底面図であり、(d)は(b)のA部拡大図であり、(e)は(b)のB部拡大図である。
【図6】(a)は、本発明の実施の形態4におけるスラスト針状ころ軸受を示す平面図であり、(b)は(a)のVIb−O−VIb線に沿った断面図であり、(c)は(b)のC部拡大図であり、(d)は(b)のD部拡大図である。
【図7】(a)は、本発明の実施の形態5におけるスラスト針状ころ軸受を示す平面図であり、(b)は(a)のVIIb−O−VIIb線に沿った断面図であり、(c)は(b)のE部拡大図でる。
【図8】摩耗試験結果、すなわちコントレーサによる表層部のプロファイルを示す図である。(a)は硬化層深さ5μmの場合(本発明例)の試験体の結果であり、(b)は硬化層深さ3μmの場合(比較例)の試験体の結果である。
【図9】かしめ加工部の割れ試験結果を示す図である。(a)は硬化層深さ90μm(本発明例)の結果であり、(b)は硬化層深さ100μm(比較例)の結果である。
【符号の説明】
1,11,11’,21 スラスト針状ころ軸受、2 針状ころ、2a 外径側針状ころ、2b 内径側針状ころ、3,13,13’,23,33 上側保持器、3a,13a,23a 傾斜延出部、3b,13b,23b 外側板部、3c,13c,23c 傾斜延出部、3d,13d,13d’,23d 内側板部、4a,14a,24a 傾斜延出部、4b,14b,24b 外側板部、4c,14c,24c 傾斜延出部、4d,14d,14d’,24d 内側板部、4,14,14’,24 下側保持器、5,15,25 ポケット、5a,15a,25a ころ保持部、5b,6b 凹部、6,16,26 ポケット、6a,16a,26a ころ保持部、7,8 加締部、17,18,18’ 部分加締部、9 第1軸、9a,10a 軌道面、10 第2軸、19,29 位置決め部、29a 突起部、29b 切欠部、50 スラスト針状ころ軸受、60 上側保持器、61,71 窓、70 下側保持器、62,72 外側板部、63,73 内側板部、64,74 ころ保持部、67,77 最内端部、80 針状ころ、L ころ長さ、La ころ保持部の径方向の長さ、Lp ポケットの径方向長さ、T ころ保持部の厚さ、T ころ保持部の外側部分の厚さ、T ころ保持部の内側部分の厚さ。

Claims (7)

  1. 複数のころと、前記ころを上側部材と下側部材とで挟むように保持する金属製の保持器とを備えたスラストころ軸受であって、
    前記保持器の表層部に軟窒化層を深さ3μm超え100μm未満の範囲内に形成した、スラストころ軸受。
  2. 複数のころと、前記ころを上側部材と下側部材とで挟むように保持する金属製の保持器とを備えたスラストころ軸受であって、
    前記保持器は、その表層部に硬化層を深さ3μm超え100μm未満の範囲内に形成され、また、その外径側端部および内径側端部の少なくとも一方において前記上側部材と下側部材とが重ね折り曲げられ、かしめ加工されており、その加工部において前記軟窒化層が塑性変形している、スラストころ軸受。
  3. 前記ころおよび保持器を挟むように位置し、前記ころに接する軌道輪を有する、請求項1または2に記載のスラストころ軸受。
  4. 前記ころが浸炭窒化処理されている、請求項1〜3のいずれかに記載のスラストころ軸受。
  5. 前記ころが複列のころ列で配置されている、請求項1〜4のいずれかに記載のスラストころ軸受。
  6. 上側部材と下側部材とによってころを挟むように保持する保持器であって、
    その表層部に硬化層を深さ3μm超え100μm未満の範囲内に形成した、保持器。
  7. 上側部材と下側部材とによってころを挟むように保持する保持器であって、
    その表層部に硬化層を深さ3μm超え100μm未満の範囲内に形成され、また、その外径側端部および内径側端部の少なくとも一方において前記上側部材と下側部材とが重ね折り曲げられ、かしめ加工されており、その加工部において前記硬化層が塑性変形している、保持器。
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