JP2004153096A - 露光装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】マスクのパターンを感光基板に走査露光する際、所望の露光精度を維持したまま、スループットを向上できる露光装置を提供する。
【解決手段】露光装置は、パターンが形成されたパターン形成領域PAを有するマスクMと感光基板とを同期移動しつつマスクMを露光光で照明し、マスクMのパターンを感光基板に転写する。この露光装置は、マスクMに対する露光光の照明領域を、マスクMの移動方向に等間隔で複数並べて設定するブラインドを備え、ブラインドは、照明領域の数及び照明領域どうしの間隔を、マスクMのパターン形成領域PAの移動方向の大きさに応じて設定する。
【選択図】 図3
【解決手段】露光装置は、パターンが形成されたパターン形成領域PAを有するマスクMと感光基板とを同期移動しつつマスクMを露光光で照明し、マスクMのパターンを感光基板に転写する。この露光装置は、マスクMに対する露光光の照明領域を、マスクMの移動方向に等間隔で複数並べて設定するブラインドを備え、ブラインドは、照明領域の数及び照明領域どうしの間隔を、マスクMのパターン形成領域PAの移動方向の大きさに応じて設定する。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マスクと基板とを同期移動しつつマスクのパターンを基板に転写する露光装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体デバイスや液晶表示デバイス等の電子デバイスは、マスク上に形成されたパターンを感光基板上に転写する、いわゆるフォトリソグラフィの手法により製造される。このフォトリソグラフィ工程で使用される露光装置は、パターンを有するマスクを載置して2次元移動するマスクステージと感光基板を載置して2次元移動する基板ステージとを有し、マスク上に形成されたパターンをマスクステージ及び基板ステージを逐次移動しながら投影光学系を介して感光基板に投影露光するものである。露光装置としては、感光基板上にマスクのパターン全体を同時に転写する一括型露光装置と、マスクステージと基板ステージとを同期走査しつつマスクのパターンを連続的に感光基板上に転写する走査型露光装置との2種類が主に知られている。このうち、1つのチップパターンが大型の半導体デバイスや液晶表示デバイスなどを製造する際には、露光領域の大型化の要求から走査型露光装置が主に用いられている。走査型露光装置は、走査方向と交差する方向に延びるスリット状の照明領域でマスクを照明しつつ、マスクと感光基板とを走査してマスクのパターンを感光基板に転写するものである(特許文献1、2参照)。
【0003】
【特許文献1】
特公昭52−32584号公報
【特許文献2】
特開平4−277612号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
走査型露光装置において、スループット向上の観点から、マスクステージ及び基板ステージの走査速度を高速化することが望ましい。しかしながら、走査速度を高速化するとこれに伴ってマスクステージ及び基板ステージの加速度も上昇させなければならない。ステージの加速度の上昇は振動発生の原因となり、発生した振動により露光精度が低下するという問題が生じる。
【0005】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、マスクと感光基板とを同期移動しつつマスクのパターンを感光基板に露光する際、所望の露光精度を維持したまま、スループットを向上できる露光装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため本発明は、実施の形態に示す図1〜図12に対応付けした以下の構成を採用している。
本発明の露光装置(EX)は、パターンが形成されたパターン形成領域(PA)を有するマスク(M)と基板(P)とを同期移動しつつマスク(M)を露光光(EL)で照明し、マスク(M)のパターンを基板(P)に転写する露光装置において、マスク(M)に対する露光光(EL)の照明領域(6A、6B、6C)を、マスク(M)の移動方向に等間隔で複数並べて設定する照明領域設定装置(4)を備え、照明領域設定装置(4)は、照明領域(6A、6B、6C)の数及び照明領域(6A、6B、6C)どうしの間隔を、パターン形成領域(PA)の移動方向の大きさに応じて設定することを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、マスクに対する露光光の照明領域は、照明領域設定装置により走査方向に等間隔で複数並べて設定されるので、従来のように1つの照明領域でマスクのパターン形成領域の全てを走査しなくても、複数の照明領域のそれぞれでパターン形成領域を分割して照明すればよいので、短時間でパターン形成領域の全域を照明することができる。また、照明領域設定装置は、照明領域の数及び照明領域どうしの間隔を、パターン形成領域の走査方向における大きさに応じて設定するので、最適な照明領域の数及び間隔で効率良く高精度な露光処理を行うことができる。
【0008】
本発明の露光装置(EX)は、マスク(M)と基板(P)とを同期移動しつつマスク(M)を露光光(EL)で照明し、マスク(M)に形成されているパターンを基板(P)に転写する露光装置において、マスク(M)に対する露光光(EL)の照明領域を設定する照明領域設定装置(4、10、11)と、照明領域設定装置(4、10、11)で設定された照明領域をマスク(M)の移動方向と反対方向へ移動する移動装置(12)とを備えることを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、照明領域をマスクの移動方向と反対側に移動するようにしたので、マスクを支持するマスクステージの走査速度を高速にしなくても、照明領域に対するマスクの相対速度を高速化できるので、短時間のうちにマスクのパターン形成領域の全域を照明領域で照明することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の露光装置の第1実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は本発明の露光装置の第1実施形態を示す概略構成図である。
図1において、露光装置EXは、パターンが形成されたパターン形成領域を有するマスクMを支持するマスクステージMSTと、感光基板Pを支持する基板ステージPSTと、マスクステージMSTに支持されているマスクMを露光光ELで照明する照明光学系ILと、露光光ELで照明されたマスクMのパターンを基板ステージPSTに支持されている感光基板Pに投影する投影光学系PLとを備えている。本実施形態において、露光装置EXは、マスクMと感光基板Pとを同期移動しつつマスクMを露光光ELで照明し、マスクMに形成されているパターンを感光基板Pに転写する、いわゆるスリットスキャン型露光装置である。以下の説明において、投影光学系PLの光軸AXと平行な方向をZ軸方向、Z軸方向と垂直に交わる平面内において前記同期移動方向(走査方向)をX軸方向、Z軸方向及びX軸方向と垂直に交わる方向(非走査方向)をY軸方向とする。
【0011】
照明光学系ILは、マスクステージMSTに支持されているマスクMを露光光ELで照明するものであり、光源1から射出された光束の照度を均一化するオプティカルインテグレータ、オプティカルインテグレータからの露光光ELを集光するコンデンサレンズ、リレーレンズ系、及び露光光ELの光路の向きを変える偏向ミラー3a、3b等を備えている。照明光学系ILから射出される露光光ELとしては、例えば水銀ランプから射出される紫外域の輝線(g線、h線、i線)及びKrFエキシマレーザ光(波長248nm)等の遠紫外光(DUV光)や、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)及びF2 レーザ光(波長157nm)等の真空紫外光(VUV)などが用いられる。
【0012】
マスクステージMSTは、マスクMを支持するものであって、投影光学系PLの光軸AXに垂直な平面内、すなわちXY平面内で2次元移動及び微小回転可能となっている。マスクステージMSTはリニアモータ等のマスクステージ駆動部MSTDにより駆動され、マスクステージ駆動部MSTDは、露光装置全体の動作を統括制御する制御装置CONTにより制御される。制御装置CONTはマスクMを支持したマスクステージMSTをマスクステージ駆動部MSTDを介して所定速度(同期移動速度、走査速度)Vで+X方向に移動させる。また、マスクステージMSTのXY平面内における位置は不図示のレーザ干渉計により検出される。レーザ干渉計の検出結果は制御装置CONTに出力され、制御装置CONTはレーザ干渉計の検出結果に基づいてマスクMを支持したマスクステージMSTの位置制御を行う。
【0013】
投影光学系PLは、複数の光学素子(レンズ)で構成されており、これら光学素子は鏡筒に支持されている。投影光学系PLは、マスクMのパターンを感光基板Pに投影するものであり、マスクMから感光基板Pへの投影倍率を1/Nに設定されている。本実施形態において、投影光学系PLは投影倍率1/4あるいは1/5の縮小系である。なお、投影光学系PLは等倍系及び拡大系のいずれであってもよい。また、投影光学系PLは、光学特性の補正を行う不図示の結像特性制御装置を有している。この結像特性制御装置は、例えば投影光学系PLを構成する一部のレンズ群の間隔調整や、一部のレンズ群のレンズ室内の気体圧力調整を行うことにより、投影光学系PLの投影倍率、歪曲収差等の光学特性の補正を行う。結像特性制御装置は制御装置CONTにより制御される。
【0014】
基板ステージPSTは、感光基板Pを支持するものであって、投影光学系PLの光軸AXに垂直な平面内、すなわちXY平面内で2次元移動可能となっている。更に、基板ステージPSTはZ軸方向にも移動可能に設けられ、θZ方向、θX方向、及びθY方向にも移動可能に設けられている。基板ステージPSTはリニアモータ等の基板ステージ駆動部PSTDにより駆動され、駆動装置PSTDは、露光装置全体の動作を統括制御する制御装置CONTにより制御される。制御装置CONTは感光基板Pを支持した基板ステージPSTを基板ステージ駆動部PSTDを介して所定速度V/Nで−X方向に移動させる。また、基板ステージPSTのXY平面内における位置は不図示のレーザ干渉計により検出される。更に、基板ステージPSTに支持された感光基板PのZ軸方向における位置は不図示の焦点位置検出系に検出される。レーザ干渉計及び焦点位置検出系の検出結果は制御装置CONTに出力され、制御装置CONTはレーザ干渉計及び焦点位置検出系の検出結果に基づいて感光基板Pを支持した基板ステージPSTの位置制御を行う。
【0015】
露光装置EXは、マスクMに対する露光光ELの照明領域を設定するブラインド(照明領域設定装置)4を備えている。ブラインド4は、例えば照明光学系ILのハウジング(鏡筒)等の所定の部材に固定されている。ブラインド4は、照明光学系ILの光路上において、マスクステージMSTに支持されているマスクMと共役な位置に配置されている。ブラインド4は板状に形成されており、本実施形態において、ブラインド4の板面とXY平面とが一致するように、すなわち、マスクMとブラインド4とが平行になるように配置されている。
【0016】
図2はブラインド4を示す図である。図2に示すように、ブラインド4は露光光ELを通過させる複数の開口部4A、4Bを備えている。本実施形態において、ブラインド4には2つの開口部4A、4Bが形成されている。開口部4A、4BのそれぞれはY軸方向を長手方向とする長方形のスリット状に形成されている。ブラインド4は、開口部4Aの大きさを調整するシャッタ5A、5B、及び開口部4Bの大きさを調整するシャッタ5C、5Dを備えている。シャッタ5A、5Bのそれぞれは開口部4Aの長手方向に沿って配置され、図中、X軸方向に不図示のアクチュエータによりブラインド4に対してスライドするように独立して移動可能となっている。シャッタ5A、5Bそれぞれの移動量はアクチュエータを介して制御装置CONTにより独立して制御されるようになっている。制御装置CONTは、シャッタ5A、5Bの移動量、すなわちシャッタ5A、5Bのブラインド4に対する位置を制御することにより、開口部4Aの大きさ(幅、X軸方向における大きさ)を調整可能となっている。更に、制御装置CONTは、シャッタ5A、5Bそれぞれの位置を制御することにより、基準位置(例えばブラインド4のエッジ部E)に対する開口部4Aの位置を調整可能である。
ここで、シャッタ5A、5Bのエッジ部のそれぞれは直線状に形成されている。そして、シャッタ5A、5Bのそれぞれが開口部4Aの中央に近づく方向に移動し互いのエッジ部を当接する(あるいは所定量重ね合わせる)ことにより、開口部4Aが閉じられる。一方、シャッタ5A、5Bのそれぞれが開口部4Aの中央から離れる方向に移動することにより、開口部4Aが開けられる。
【0017】
同様に、シャッタ5C、5Dそれぞれの移動量も不図示のアクチュエータを介して制御装置CONTにより独立して制御されるようになっており、制御装置CONTは、シャッタ5C、5Dの位置を制御することにより、開口部4Bの大きさ(幅)の調整、及び基準位置に対する開口部4Bの位置を調整する。
【0018】
シャッタ5A〜5Dで調整されたブラインド4の開口部4A、4Bを通過した露光光ELは長方形のスリット状の断面を有する光束となり、マスクM上のパターン形成領域はブラインド4で設定された照明領域で照明される。ブラインド4は、露光光ELによるマスクM上の照明領域を長方形のスリット状に整形し、マスクMはスリット状の照明領域を露光光ELで照明される。
【0019】
図3は露光光ELで照明されているマスクMを示す図である。
図3に示すように、マスクMは、このマスクMの中央部に配置され、感光基板Pに転写すべきパターンを有するパターン形成領域PAと、パターン形成領域PAの周囲に設定されている非パターン領域PCとを有している。そして、パターン形成領域PAと非パターン領域PCとの間には、クロム等の遮光材料からなる遮光領域PBが設けられている。マスクMの遮光領域PBは、照明された露光光ELを通過させない。
【0020】
マスクMは、ブラインド4の開口部4Aで設定された照明領域6Aと、ブラインド4の開口部4Bで設定された照明領域6Bとを露光光ELで照明される。照明領域6A、6Bのそれぞれは、ブラインド4の開口部4A、4Bにより、長方形のスリット状に整形されている。ブラインド4は、照明領域6A、6Bそれぞれの長手方向とY軸方向(非走査方向)とを一致させるように、且つ、照明領域6A、6BのそれぞれをX軸方向(走査方向)に並べるように、これら照明領域6A、6Bを設定する。
【0021】
ここで、ブラインド4は、照明領域6A、6BのY軸方向における端部とマスクMの遮光領域PBとを所定量重ね合わせるように、これら照明領域6A、6Bを設定する。照明領域6A、6BのY軸方向における端部とマスクMの遮光領域PBとを所定量重ね合わせるように設定することにより、ブラインド4に、開口部4A、4Bそれぞれの長手方向の大きさ(Y軸方向における大きさ)を調整するためのシャッタを設けなくても、非パターン領域PCを照明せずにパターン形成領域PAのみを照明することができる。
【0022】
制御装置CONTは、ブラインド4のシャッタ5A〜5Dのそれぞれを駆動することにより、照明領域6A及び6BのX軸方向における大きさ(幅)L1及びL2を調整可能であるとともに、これら照明領域6A及び6Bどうしの間隔L3を調整可能である。例えば、照明領域6Aの幅L1を調整する場合、制御装置CONTはシャッタ5A(5B)に対するシャッタ5B(5A)の位置を調整する。同様に、照明領域6Bの幅L2を調整する場合、制御装置CONTはシャッタ5C(5D)に対するシャッタ5D(5C)の位置を調整する。照明領域6A及び6Bどうしの間隔L3を調整する場合、制御装置CONTは、例えば、シャッタ5A、5Bの相対位置(開口部4Aの大きさ)を維持した状態で、シャッタ5A、5Bを同じ方向に移動する。このように、ブラインド4により照明領域6A、6Bそれぞれの大きさ(幅)、及び照明領域6A、6Bどうしの間隔が調整可能である。更に、シャッタ5A〜5Dを駆動することにより、照明領域6A、6Bに対応する露光光ELの光路が遮蔽・開放され、これにより照明領域の数が調整可能である。
【0023】
ここで、ブラインド4には、シャッタ5A〜5Dそれぞれの基準位置(例えばブラインド4のエッジ部E)に対する位置を検出可能な、例えばエンコーダからなる検出装置が設けられている。制御装置CONTは検出装置の検出結果に基づいて、開口部4A、4Bの大きさ及び位置をシャッタ5A〜5Dを用いて調整することにより、マスクM上の照明領域6A、6Bの大きさ及び位置(間隔)を調整可能である。
【0024】
本実施形態において、幅L1と幅L2とは同じ値に設定されている。また、X軸方向に並んでいる2つの照明領域6A、6Bは互いに平行であり、マスクMのパターン形成領域PAのX軸方向における中央部x0と+X側端部(+X側遮光領域PBの−X側縁部)x1との距離L4と、−X側に設定されている照明領域6AのX軸方向における中央部と照明領域6Aに対して+X側に設定されている照明領域6Bの−X側縁部との距離L5とは同じ値に設定されている。すなわち、パターン形成領域PAのX軸方向における大きさL0=2×L4であり、距離L4=L5=L3−1/2×L1 である。したがって、幅L1(L2)が十分に小さい場合、照明領域6A、6Bどうしの間隔L3は、パターン形成領域PAの大きさL0のほぼ1/2に設定されている。
【0025】
以上説明した構成を有する露光装置EXを用いてマスクMのパターンを感光基板Pに露光する方法について図4を参照しながら説明する。
図4(a)に示すように、+X方向に速度Vで等速移動するマスクMに対して、制御装置CONTは、照明領域6Bの−X側縁部とマスクMのパターン形成領域PAの+X側縁部(+X側遮光領域PBの−X側縁部)x1とが一致した時点で、換言すれば、照明領域6Bがパターン形成領域PAに配される直前の時点で、光源1からの光束の射出を開始し、マスクMに対する露光光ELの照明を開始する。このとき、照明領域6AのX軸方向における中央部とパターン形成領域PAのX軸方向における中央部x0とが一致している。ここで、マスクMの位置はレーザ干渉計により検出されているため、制御装置CONTはレーザ干渉計の検出結果に基づいてマスクMの位置を求めることができる。また、照明領域6A、6BのマスクM上における位置はブラインド4により予め一義的に設定されているので、制御装置CONTは、レーザー干渉計の検出結果と、予め求められている照明領域6A、6Bの位置情報とに基づいて、照明領域6Bの−X側縁部が、等速移動するマスクMの遮光領域PBの縁部x1と一致するときのマスクMの位置を求めることができる。
【0026】
そして、図4(b)に示すように、+X方向に等速移動している間、マスクMは照明領域6A、6Bに基づく露光光ELで照明される。露光光ELで照明されたマスクMのパターンは、投影光学系PLを介して、−X方向に等速移動している感光基板Pに転写される。
【0027】
図4(c)に示すように、照明領域6Aの+X側縁部とパターン形成領域PAの−X側縁部(−X側遮光領域PBの+X側縁部)x2とが一致した時点で、換言すれば、照明領域6Aがパターン形成領域PAから退避した時点で、制御装置CONTは、光源1からの光束の射出を停止し、マスクMに対する露光光ELの照明を終了する。このとき、照明領域6BのX軸方向における中央部とマスクMのX軸方向における中央部とが一致する。露光装置EXは、1つの照明領域での露光処理に比べて短い走査距離で1回の走査露光を終了することができる。本実施形態では、照明領域6A、6Bどうしの間隔L3はパターン形成領域PAの走査方向における大きさL0のほぼ1/2に設定されているため、1つの照明領域での走査露光処理に比べてほぼ1/2の走査距離で1回の走査露光を終了することができる。
【0028】
図5は、マスクMのパターン形成領域PAのX軸方向における位置と、照明領域6A及び6Bで照明された露光光ELの光量(ドーズ量)との関係を示す図であり、横軸はパターン形成領域PAのX軸方向における位置、上側のグラフの縦軸は照明領域6Aに基づく光量、下側のグラフの縦軸は照明領域6Bに基づく光量である。この図に示すように、X軸方向に速度Vで等速移動するマスクMのパターン形成領域PAに対して、照明領域6Aの露光光ELは位置x0〜x2の領域を照明し、露光開始点である位置x0付近において−X側に向かって光量を0から漸次増加させる。この増加領域は照明領域6Aの幅L1に一致する。そして、この増加領域より−X側のパターン形成領域PAにおける光量は均一となる。一方、照明領域6Bの露光光ELは位置x1〜x0の領域を照明し、露光終了点である位置x0付近において−X側に向かって光量を0から漸次減少させる。この減少領域は照明領域6Bの幅L2に一致する。この減少領域より+X側のパターン形成領域PAにおける光量は均一である。そして、照明領域6Bの減少領域の幅L2は照明領域6Aの増加領域L1に一致するため、これらそれぞれの光量を重ね合わせることによりパターン形成領域PA全域において均一な光量を得ることができる。
【0029】
そして、照明領域6A、6Bの幅L1、L2を同じ値に設定するとともに、パターン形成領域PAの中央部x0と+X側縁部x1との距離L4と、照明領域6AのX軸方向における中央部と照明領域6Bの−X側縁部との距離L5とを同じ値に設定したことにより、一回の走査で、且つ、走査中にシャッタ5A〜5Dを駆動することなく、パターン形成領域PAの全域を均一な光量で照明できる。
【0030】
以上説明したように、マスクMに対する露光光ELの照明領域を、ブラインド4及びシャッタ5A〜5Dにより走査方向に複数並べて設定したので、従来のように1つの照明領域でマスクMのパターン形成領域PAの全てを走査しなくても、複数の照明領域6A、6Bのそれぞれで、パターン形成領域PAを、位置x1〜x0と、x0〜x2とに分割して照明すればよいので、短時間でパターン形成領域PAの全域を照明することができる。
【0031】
そして、パターン形成領域PAの中央部x0と+X側縁部x1との距離L4と、照明領域6AのX軸方向における中央部と照明領域6Bの−X側縁部との距離L5とを同じ値に設定するなど、照明領域の数、及び照明領域どうしの間隔を、パターン形成領域PAの走査方向における大きさに応じて設定したので、走査中にシャッタ5A〜5Dを駆動することなく、1回の走査でパターン形成領域PAの全域を均一な光量で照明できる。このように、パターン形成領域PAの大きさに応じて最適な照明領域の数及び間隔を設定することで、効率良く高精度な露光処理を行うことができる。
【0032】
なお、上記実施形態では、パターン形成領域PAの中央部x0と+X側縁部x1との距離L4と、照明領域6AのX軸方向における中央部と照明領域6Bの−X側縁部との距離L5とを同じ値に設定したが、異なっていてもよい。距離L5が距離L4より短い場合、照明領域6BがマスクMのX軸方向中央部x0近傍を照明する前に照明領域6Aで既に照明されたパターン形成領域PAを照明することになるが、このとき、例えば、照明領域6Bでの照明を行わないように、シャッタ5C、5Dで照明領域6Bに対応する光路を遮蔽すればパターン形成領域PAの全域を均一な光量で照明できる。一方、距離L5が距離L4より長い場合、照明領域6BがマスクMのX軸方向中央部x0近傍を照明する前に、照明領域6Aがパターン形成領域PAから出てしまうが、照明領域6Aがパターン形成領域PAから出たら、照明領域6Bでの照明の最中に照明領域6Aに対応する光路をシャッタ5A、5Bで遮蔽するとともに、照明領域6Bで中央部x0より更に−X側まで照明することにより、パターン形成領域PAの全域を均一な光量で照明できる。
このように、異なる照明領域どうしのパターン形成領域における重ね合わせ部の光量と重ね合わせ部以外の光量とが略一致するように、マスクMに対する露光光ELの照明動作が制御される。
【0033】
また、上記実施形態では、照明領域6A、6Bの幅L1、L2は同じ値に設定されているとともに、走査中においてその値は固定されているように説明したが、走査中において、シャッタ5A〜5Dのそれぞれを駆動して幅L1、L2の値を変更しつつ走査露光を行うようにしてもよい。こうすることにより、マスクM(あるいは感光基板P)の走査方向におけるドーズ量を調整できる。
【0034】
上記実施形態では、ブラインド4は2つの開口部4A、4Bを有するように説明したが、図6に示すように、ブラインド4は3つの開口部4A、4B、4Cを有していてもよい。ここで、開口部4Aにはシャッタ5A、5Bが設けられ、開口部4Bにはシャッタ5C、5Dが設けられ、開口部4Cにはシャッタ5E、5Fが設けられている。そして、これらシャッタ5A〜5Fのそれぞれの位置を調整することにより、図7に示すように、これら開口部4A〜4Cのそれぞれに対応するマスクM上の照明領域6A〜6Cのそれぞれが走査方向に等間隔で複数並べて設定される。そして、複数の照明領域6A〜6Cの幅のそれぞれを同じ値に設定するとともに、照明領域6A〜6Cどうしを等間隔で並べることにより、1回の走査でパターン形成領域PAの全域を効率良く照明できる。なお、図7において、(a)にはマスクMのパターン形成領域PAに対する露光光ELの照明開始時点における各照明領域6A〜6Cの位置が模式的に示されており、(b)には露光光ELの照明終了時点における各照明領域6A〜6Cの位置が模式的に示されている。
【0035】
ここで、複数の照明領域を用いて1回の走査でパターン形成領域PAの全域を均一な光量で照明するために、パターン形成領域PAの走査方向における大きさをL0、照明領域の数をNs、1つの照明領域の幅をL1とした場合、照明領域どうしの間隔L3は、
L3 = (L0+L1)/Ns
の条件を満足するように設定するとよい。そして、幅L1が十分に小さい場合は、L3=L0/Nsとなる。したがって、図7に示す例では、Ns=3なので、照明領域6A〜6Cどうしの間隔L3=(L0+L1)/3(幅L1が十分に小さい場合にはL3=L0/3)であることが望ましい。
このように、幅L1を有する照明領域の数Ns、及び照明領域どうしの間隔L3を、パターン形成領域PAの走査方向における大きさL0に応じて設定することにより、効率良く走査露光を行うことができる。
なお、照明領域の数は、3以上の任意の複数でよいことはもちろんである。
【0036】
上記実施形態では、シャッタを用いて照明領域どうしの間隔を調整するように説明したが、ブラインドに、幅の小さい開口部を多数並べて形成するとともにこれら開口部のそれぞれにこの開口部を開閉可能なシャッタをそれぞれ設け、複数の開口部のうち任意の開口部をシャッタで閉じることによっても、開いている開口部どうしの間隔、すなわち照明領域どうしの間隔を調整することができる。
【0037】
上記各実施形態では、照明領域の数や幅、あるいは間隔の調整はシャッタを用いて行うように説明したが、開口部の数、幅、あるいは間隔がそれぞれ異なる複数のブラインドを、照明光学系ILの光路に対して進退自在にそれぞれ設け、マスクステージMSTに支持されたマスクMのパターン形成領域PAの大きさに応じて、これら複数のブラインドを交換するようにしてもよい。
【0038】
次に、本発明の露光装置の第2実施形態について図8〜図11を参照しながら説明する。ここで、以下の説明において、上述した第1実施形態と同一又は同等の構成部分についてはその説明を簡略もしくは省略する。
図8に示す露光装置EXは、マスクステージMSTに支持されたマスクMを露光光ELで照明する照明光学系ILと、露光光ELで照明されたマスクMのパターンを基板ステージPSTに支持されている感光基板Pに投影する投影光学系PLとを備えている。そして、照明光学系ILには、マスクMに対する露光光ELの照明領域を設定する照明領域設定装置10が設けられている。照明領域設定装置10は、露光光ELを通過させる開口部4Aを有するブラインド4と、ブラインド4を移動可能に支持するブラインドステージ11とを備えている。ブラインド4は、ブラインドステージ11に支持されつつX軸方向に移動可能となっている。本実施形態において、第1実施形態同様、ブラインド4の板面とXY平面とが一致するように、照明領域設定装置10が照明光学系ILの光路上に配置されている。
【0039】
図9及び図10は照明領域設定装置10を示す図であって、図9は−Z側から見た図、図10は−X側から見た図である。
この図に示すように、照明領域設定装置10は、ブラインドステージ11と、ブラインドステージ11にX軸方向に移動可能に支持されているブラインド4とを備えている。ブラインドステージ11は、例えば照明光学系ILのハウジングなど所定の部材に固定されている。
図9に示すように、ブラインド4は、露光光ELを通過させる開口部4Aを備えている。開口部4AはY軸方向を長手方向とする長方形のスリット状に形成されている。また、ブラインドステージ11の中央部にも露光光ELを通過させる開口部11Aが形成されている。ブラインド4の開口部4Aを通過した露光光ELはブラインドステージ11の開口部11Aを通過した後、マスクMを照明する。ここで、ブラインドステージ11の開口部11AのX軸方向(走査方向)における大きさ(幅)は、ブラインド4の開口部4AのX軸方向における幅より十分に大きく、開口部11AのY軸方向(非走査方向)における幅は、開口部4AのY軸方向における幅より小さい。したがって、マスクM上における照明領域のX軸方向(走査方向)における幅は、開口部4Aの大きさによって規定され、照明領域のY軸方向(非走査方向)における幅は、開口部11Aの大きさによって規定される。
【0040】
図10に示すように、ブラインドステージ11は、一対のリニアモータ(移動装置)12、12を備えている。リニアモータ12は、ブラインドステージ11上に支持されX軸方向に延びる固定子12Aと、この固定子12Aに対応して設けられ、ブラインド4に固定された可動子12Bとを備えている。ブラインド4は、ブラインドステージ11上をリニアモータ12の駆動によりX軸方向(走査方向)に移動可能となっている。リニアモータ12の駆動は制御装置CONTにより制御される。
【0041】
また、ブラインド4の下面には一対の凹部13B、13Bが設けられ、ブラインドステージ11上には、凹部13Bに対応するようにX軸方向に延びるガイド部13A、13Aが設けられている。そして、ガイド部13Aと凹部13Bとの間には、非接触ベアリングであるエアベアリング14が設けられている。ブラインドステージ11はエアベアリング14によりブラインド4を所定のクリアランスで非接触に支持する。ブラインド4は、ブラインドステージ11に非接触で支持されつつ、リニアモータ12によりガイド部13Aに案内されながらX軸方向に移動する。
【0042】
ブラインドステージ11は、ブラインド4の位置を検出する例えばエンコーダからなる位置検出装置15を備えている。位置検出装置15は、ブラインドステージ11に対するブラインド4の位置を検出し、制御装置CONTに位置検出結果を出力する。制御装置CONTは、位置検出装置15によるブラインド4の位置検出結果に基づいてリニアモータ12を駆動し、ブラインド4を所定の位置に移動する。
【0043】
次に、上述した露光装置EXを用いてマスクMのパターンを感光基板Pに走査露光する方法について図11を参照しながら説明する。図11は、+X方向に走査するマスクMと、走査するマスクMに対して−X方向に移動するブラインド4とを模式的に示した図である。
図11(a)に示すように、走査露光を行うに際し、マスクステージMSTに支持されているマスクM(パターン形成領域PA)の+X側縁部を露光光ELで照明可能なように、ブラインドステージ11に支持されているブラインド4の位置が設定される。
そして、図11(b)に示すように、制御装置CONTは、マスクステージMSTに支持されているマスクMを+X方向に一定速度Vで移動するとともに、ブラインドステージ11に支持されているブラインド4を−X方向に一定速度Vbで移動する。すなわち、制御装置CONTは、リニアモータ(移動装置)12を駆動することにより、照明領域設定装置10で設定された照明領域をマスクMの移動方向と反対方向へ移動する。制御装置CONTは、位置検出装置15によるブラインド4の位置情報に基づいてブラインド4の速度を求めつつリニアモータ12を駆動することにより、所望の速度でブラインド4を移動させる。
そして、図11(c)に示すように、移動するブラインド4により設定された照明領域がマスクM(パターン形成領域PA)の−X側縁部に達した段階で、1回の走査露光が終了する。
【0044】
以上説明したように、ブラインド4を移動することで、照明領域をマスクMの移動方向と反対側に移動するようにしたので、マスクMを支持するマスクステージMSTの走査速度Vを上げなくても、照明領域に対するマスクMの相対速度を(V+Vb)と速くできるので、短時間のうちにマスクMのパターン形成領域PAの全域を照明領域で照明することができる。そして、マスクステージMSTの速度(及び加速度)を上げなくてよいので、マスクステージMSTの速度上昇(加速度上昇)に起因する振動や熱の発生を抑えることでき、精度良い露光処理を効率良く行うことができる。この場合、ブラインド4はマスクステージMSTに比べて十分に軽いので、ブラインド4を移動することにより発生する振動レベルは、マスクステージMSTの速度を上昇させたことにより発生する振動レベルより十分小さい。
【0045】
上記実施形態では、ブラインド4を移動するとともにマスクステージMSTも移動する構成であるが、マスクステージMSTを移動せずにブラインド4だけを移動するようにしてもよい。このような構成はパターン形成領域の小さいマスクに対する露光光の照明に有効であるとともに、マスクステージ駆動部が不要となるので、装置構成の簡略化、及び振動発生源の削減が実現される。
【0046】
上記実施形態では、ブラインド4を移動することによりマスクMに対する照明領域を移動する構成であるが、例えば、図8において破線で示すように、偏向ミラー3a(あるいは3b)の位置を移動して露光光ELの光路を移動するようにしてもよい。あるいは、偏向ミラー3a(3b)を傾斜させて露光光ELの光路を移動するようにしてもよい。
【0047】
なお、第2実施形態におけるブラインド4の開口部4Aに、第1実施形態で説明したシャッタ5A、5Bを設け、開口部4Aの大きさを可変としてもよい。
【0048】
なお、上記各実施形態の露光装置EXの用途としては半導体製造用の露光装置や、角型のガラスプレートに液晶表示素子パターンを露光する液晶用の露光装置に限定されることなく、薄膜磁気ヘッドを製造するための露光装置にも広く適当できる。
【0049】
投影光学系PLとしては、エキシマレーザなどの遠紫外線を用いる場合は硝材として石英や蛍石などの遠紫外線を透過する材料を用い、F2レーザやX線を用いる場合は反射屈折系または屈折系の光学系にし(マスクも反射型タイプのものを用いる)、また、電子線を用いる場合には光学系として電子レンズおよび偏向器からなる電子光学系を用いればいい。なお、電子線が通過する光路は真空状態にすることはいうまでもない。
【0050】
基板ステージPSTやマスクステージPSMSTにリニアモータを用いる場合は、エアベアリングを用いたエア浮上型およびローレンツ力またはリアクタンス力を用いた磁気浮上型のどちらを用いてもいい。また、ステージは、ガイドに沿って移動するタイプでもいいし、ガイドを設けないガイドレスタイプでもよい。
【0051】
ステージの駆動装置として平面モ−タを用いる場合、磁石ユニット(永久磁石)と電機子ユニットのいずれか一方をステージに接続し、磁石ユニットと電機子ユニットの他方をステージの移動面側(ベース)に設ければよい。
【0052】
基板ステージPSTの移動により発生する反力は、特開平8−166475号公報に記載されているように、フレーム部材を用いて機械的に床(大地)に逃がしてもよい。本発明は、このような構造を備えた露光装置においても適用可能である。
【0053】
マスクステージMSTの移動により発生する反力は、特開平8−330224号公報に記載されているように、フレーム部材を用いて機械的に床(大地)に逃がしてもよい。本発明は、このような構造を備えた露光装置においても適用可能である。
【0054】
以上のように、本実施形態の露光装置EXは、本願特許請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
【0055】
半導体デバイスは、図12に示すように、デバイスの機能・性能設計を行うステップ201、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するステップ202、デバイスの基材である基板(ウエハ、ガラスプレート)を製造するステップ203、前述した実施形態の露光装置によりマスクMのパターンを感光基板Pに露光する基板処理ステップ204、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程を含む)205、検査ステップ206等を経て製造される。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、マスクステージの走査速度を高速化しなくても、マスクのパターン形成領域の全域を短時間で照明できるので、振動や熱等の不具合の発生を抑えつつ精度良い露光処理を効率良く行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の露光装置の第1実施形態を示す概略構成図である。
【図2】照明領域設定装置の第1実施形態を示す概略斜視図である。
【図3】照明領域で照明されたマスクを示す平面図である。
【図4】露光処理の手順を説明するための図である。
【図5】複数の照明領域の光量とマスク上の位置との関係を示す図である。
【図6】照明領域設定装置の他の実施形態を示す概略斜視図である。
【図7】照明領域で照明されたマスクを示す平面図である。
【図8】本発明の露光装置の第2実施形態を示す概略構成図である。
【図9】照明領域設定装置の第2実施形態を示す概略斜視図である。
【図10】図9の側面図である。
【図11】露光処理の手順を説明するための図である。
【図12】半導体デバイスの製造工程の一例を示すフローチャート図である。
【符号の説明】
4 ブラインド(照明領域設定装置)
4A、4B、4C 開口部
5A〜5F シャッタ
6A、6B、6C 照明領域
10 照明領域設定装置
11 ブラインドステージ
12 リニアモータ(移動装置)
14 エアベアリング(非接触ベアリング)
15 位置検出装置
EL 露光光
EX 露光装置
M マスク
P 感光基板(基板)
PA パターン形成領域
【発明の属する技術分野】
本発明は、マスクと基板とを同期移動しつつマスクのパターンを基板に転写する露光装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体デバイスや液晶表示デバイス等の電子デバイスは、マスク上に形成されたパターンを感光基板上に転写する、いわゆるフォトリソグラフィの手法により製造される。このフォトリソグラフィ工程で使用される露光装置は、パターンを有するマスクを載置して2次元移動するマスクステージと感光基板を載置して2次元移動する基板ステージとを有し、マスク上に形成されたパターンをマスクステージ及び基板ステージを逐次移動しながら投影光学系を介して感光基板に投影露光するものである。露光装置としては、感光基板上にマスクのパターン全体を同時に転写する一括型露光装置と、マスクステージと基板ステージとを同期走査しつつマスクのパターンを連続的に感光基板上に転写する走査型露光装置との2種類が主に知られている。このうち、1つのチップパターンが大型の半導体デバイスや液晶表示デバイスなどを製造する際には、露光領域の大型化の要求から走査型露光装置が主に用いられている。走査型露光装置は、走査方向と交差する方向に延びるスリット状の照明領域でマスクを照明しつつ、マスクと感光基板とを走査してマスクのパターンを感光基板に転写するものである(特許文献1、2参照)。
【0003】
【特許文献1】
特公昭52−32584号公報
【特許文献2】
特開平4−277612号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
走査型露光装置において、スループット向上の観点から、マスクステージ及び基板ステージの走査速度を高速化することが望ましい。しかしながら、走査速度を高速化するとこれに伴ってマスクステージ及び基板ステージの加速度も上昇させなければならない。ステージの加速度の上昇は振動発生の原因となり、発生した振動により露光精度が低下するという問題が生じる。
【0005】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、マスクと感光基板とを同期移動しつつマスクのパターンを感光基板に露光する際、所望の露光精度を維持したまま、スループットを向上できる露光装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため本発明は、実施の形態に示す図1〜図12に対応付けした以下の構成を採用している。
本発明の露光装置(EX)は、パターンが形成されたパターン形成領域(PA)を有するマスク(M)と基板(P)とを同期移動しつつマスク(M)を露光光(EL)で照明し、マスク(M)のパターンを基板(P)に転写する露光装置において、マスク(M)に対する露光光(EL)の照明領域(6A、6B、6C)を、マスク(M)の移動方向に等間隔で複数並べて設定する照明領域設定装置(4)を備え、照明領域設定装置(4)は、照明領域(6A、6B、6C)の数及び照明領域(6A、6B、6C)どうしの間隔を、パターン形成領域(PA)の移動方向の大きさに応じて設定することを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、マスクに対する露光光の照明領域は、照明領域設定装置により走査方向に等間隔で複数並べて設定されるので、従来のように1つの照明領域でマスクのパターン形成領域の全てを走査しなくても、複数の照明領域のそれぞれでパターン形成領域を分割して照明すればよいので、短時間でパターン形成領域の全域を照明することができる。また、照明領域設定装置は、照明領域の数及び照明領域どうしの間隔を、パターン形成領域の走査方向における大きさに応じて設定するので、最適な照明領域の数及び間隔で効率良く高精度な露光処理を行うことができる。
【0008】
本発明の露光装置(EX)は、マスク(M)と基板(P)とを同期移動しつつマスク(M)を露光光(EL)で照明し、マスク(M)に形成されているパターンを基板(P)に転写する露光装置において、マスク(M)に対する露光光(EL)の照明領域を設定する照明領域設定装置(4、10、11)と、照明領域設定装置(4、10、11)で設定された照明領域をマスク(M)の移動方向と反対方向へ移動する移動装置(12)とを備えることを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、照明領域をマスクの移動方向と反対側に移動するようにしたので、マスクを支持するマスクステージの走査速度を高速にしなくても、照明領域に対するマスクの相対速度を高速化できるので、短時間のうちにマスクのパターン形成領域の全域を照明領域で照明することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の露光装置の第1実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は本発明の露光装置の第1実施形態を示す概略構成図である。
図1において、露光装置EXは、パターンが形成されたパターン形成領域を有するマスクMを支持するマスクステージMSTと、感光基板Pを支持する基板ステージPSTと、マスクステージMSTに支持されているマスクMを露光光ELで照明する照明光学系ILと、露光光ELで照明されたマスクMのパターンを基板ステージPSTに支持されている感光基板Pに投影する投影光学系PLとを備えている。本実施形態において、露光装置EXは、マスクMと感光基板Pとを同期移動しつつマスクMを露光光ELで照明し、マスクMに形成されているパターンを感光基板Pに転写する、いわゆるスリットスキャン型露光装置である。以下の説明において、投影光学系PLの光軸AXと平行な方向をZ軸方向、Z軸方向と垂直に交わる平面内において前記同期移動方向(走査方向)をX軸方向、Z軸方向及びX軸方向と垂直に交わる方向(非走査方向)をY軸方向とする。
【0011】
照明光学系ILは、マスクステージMSTに支持されているマスクMを露光光ELで照明するものであり、光源1から射出された光束の照度を均一化するオプティカルインテグレータ、オプティカルインテグレータからの露光光ELを集光するコンデンサレンズ、リレーレンズ系、及び露光光ELの光路の向きを変える偏向ミラー3a、3b等を備えている。照明光学系ILから射出される露光光ELとしては、例えば水銀ランプから射出される紫外域の輝線(g線、h線、i線)及びKrFエキシマレーザ光(波長248nm)等の遠紫外光(DUV光)や、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)及びF2 レーザ光(波長157nm)等の真空紫外光(VUV)などが用いられる。
【0012】
マスクステージMSTは、マスクMを支持するものであって、投影光学系PLの光軸AXに垂直な平面内、すなわちXY平面内で2次元移動及び微小回転可能となっている。マスクステージMSTはリニアモータ等のマスクステージ駆動部MSTDにより駆動され、マスクステージ駆動部MSTDは、露光装置全体の動作を統括制御する制御装置CONTにより制御される。制御装置CONTはマスクMを支持したマスクステージMSTをマスクステージ駆動部MSTDを介して所定速度(同期移動速度、走査速度)Vで+X方向に移動させる。また、マスクステージMSTのXY平面内における位置は不図示のレーザ干渉計により検出される。レーザ干渉計の検出結果は制御装置CONTに出力され、制御装置CONTはレーザ干渉計の検出結果に基づいてマスクMを支持したマスクステージMSTの位置制御を行う。
【0013】
投影光学系PLは、複数の光学素子(レンズ)で構成されており、これら光学素子は鏡筒に支持されている。投影光学系PLは、マスクMのパターンを感光基板Pに投影するものであり、マスクMから感光基板Pへの投影倍率を1/Nに設定されている。本実施形態において、投影光学系PLは投影倍率1/4あるいは1/5の縮小系である。なお、投影光学系PLは等倍系及び拡大系のいずれであってもよい。また、投影光学系PLは、光学特性の補正を行う不図示の結像特性制御装置を有している。この結像特性制御装置は、例えば投影光学系PLを構成する一部のレンズ群の間隔調整や、一部のレンズ群のレンズ室内の気体圧力調整を行うことにより、投影光学系PLの投影倍率、歪曲収差等の光学特性の補正を行う。結像特性制御装置は制御装置CONTにより制御される。
【0014】
基板ステージPSTは、感光基板Pを支持するものであって、投影光学系PLの光軸AXに垂直な平面内、すなわちXY平面内で2次元移動可能となっている。更に、基板ステージPSTはZ軸方向にも移動可能に設けられ、θZ方向、θX方向、及びθY方向にも移動可能に設けられている。基板ステージPSTはリニアモータ等の基板ステージ駆動部PSTDにより駆動され、駆動装置PSTDは、露光装置全体の動作を統括制御する制御装置CONTにより制御される。制御装置CONTは感光基板Pを支持した基板ステージPSTを基板ステージ駆動部PSTDを介して所定速度V/Nで−X方向に移動させる。また、基板ステージPSTのXY平面内における位置は不図示のレーザ干渉計により検出される。更に、基板ステージPSTに支持された感光基板PのZ軸方向における位置は不図示の焦点位置検出系に検出される。レーザ干渉計及び焦点位置検出系の検出結果は制御装置CONTに出力され、制御装置CONTはレーザ干渉計及び焦点位置検出系の検出結果に基づいて感光基板Pを支持した基板ステージPSTの位置制御を行う。
【0015】
露光装置EXは、マスクMに対する露光光ELの照明領域を設定するブラインド(照明領域設定装置)4を備えている。ブラインド4は、例えば照明光学系ILのハウジング(鏡筒)等の所定の部材に固定されている。ブラインド4は、照明光学系ILの光路上において、マスクステージMSTに支持されているマスクMと共役な位置に配置されている。ブラインド4は板状に形成されており、本実施形態において、ブラインド4の板面とXY平面とが一致するように、すなわち、マスクMとブラインド4とが平行になるように配置されている。
【0016】
図2はブラインド4を示す図である。図2に示すように、ブラインド4は露光光ELを通過させる複数の開口部4A、4Bを備えている。本実施形態において、ブラインド4には2つの開口部4A、4Bが形成されている。開口部4A、4BのそれぞれはY軸方向を長手方向とする長方形のスリット状に形成されている。ブラインド4は、開口部4Aの大きさを調整するシャッタ5A、5B、及び開口部4Bの大きさを調整するシャッタ5C、5Dを備えている。シャッタ5A、5Bのそれぞれは開口部4Aの長手方向に沿って配置され、図中、X軸方向に不図示のアクチュエータによりブラインド4に対してスライドするように独立して移動可能となっている。シャッタ5A、5Bそれぞれの移動量はアクチュエータを介して制御装置CONTにより独立して制御されるようになっている。制御装置CONTは、シャッタ5A、5Bの移動量、すなわちシャッタ5A、5Bのブラインド4に対する位置を制御することにより、開口部4Aの大きさ(幅、X軸方向における大きさ)を調整可能となっている。更に、制御装置CONTは、シャッタ5A、5Bそれぞれの位置を制御することにより、基準位置(例えばブラインド4のエッジ部E)に対する開口部4Aの位置を調整可能である。
ここで、シャッタ5A、5Bのエッジ部のそれぞれは直線状に形成されている。そして、シャッタ5A、5Bのそれぞれが開口部4Aの中央に近づく方向に移動し互いのエッジ部を当接する(あるいは所定量重ね合わせる)ことにより、開口部4Aが閉じられる。一方、シャッタ5A、5Bのそれぞれが開口部4Aの中央から離れる方向に移動することにより、開口部4Aが開けられる。
【0017】
同様に、シャッタ5C、5Dそれぞれの移動量も不図示のアクチュエータを介して制御装置CONTにより独立して制御されるようになっており、制御装置CONTは、シャッタ5C、5Dの位置を制御することにより、開口部4Bの大きさ(幅)の調整、及び基準位置に対する開口部4Bの位置を調整する。
【0018】
シャッタ5A〜5Dで調整されたブラインド4の開口部4A、4Bを通過した露光光ELは長方形のスリット状の断面を有する光束となり、マスクM上のパターン形成領域はブラインド4で設定された照明領域で照明される。ブラインド4は、露光光ELによるマスクM上の照明領域を長方形のスリット状に整形し、マスクMはスリット状の照明領域を露光光ELで照明される。
【0019】
図3は露光光ELで照明されているマスクMを示す図である。
図3に示すように、マスクMは、このマスクMの中央部に配置され、感光基板Pに転写すべきパターンを有するパターン形成領域PAと、パターン形成領域PAの周囲に設定されている非パターン領域PCとを有している。そして、パターン形成領域PAと非パターン領域PCとの間には、クロム等の遮光材料からなる遮光領域PBが設けられている。マスクMの遮光領域PBは、照明された露光光ELを通過させない。
【0020】
マスクMは、ブラインド4の開口部4Aで設定された照明領域6Aと、ブラインド4の開口部4Bで設定された照明領域6Bとを露光光ELで照明される。照明領域6A、6Bのそれぞれは、ブラインド4の開口部4A、4Bにより、長方形のスリット状に整形されている。ブラインド4は、照明領域6A、6Bそれぞれの長手方向とY軸方向(非走査方向)とを一致させるように、且つ、照明領域6A、6BのそれぞれをX軸方向(走査方向)に並べるように、これら照明領域6A、6Bを設定する。
【0021】
ここで、ブラインド4は、照明領域6A、6BのY軸方向における端部とマスクMの遮光領域PBとを所定量重ね合わせるように、これら照明領域6A、6Bを設定する。照明領域6A、6BのY軸方向における端部とマスクMの遮光領域PBとを所定量重ね合わせるように設定することにより、ブラインド4に、開口部4A、4Bそれぞれの長手方向の大きさ(Y軸方向における大きさ)を調整するためのシャッタを設けなくても、非パターン領域PCを照明せずにパターン形成領域PAのみを照明することができる。
【0022】
制御装置CONTは、ブラインド4のシャッタ5A〜5Dのそれぞれを駆動することにより、照明領域6A及び6BのX軸方向における大きさ(幅)L1及びL2を調整可能であるとともに、これら照明領域6A及び6Bどうしの間隔L3を調整可能である。例えば、照明領域6Aの幅L1を調整する場合、制御装置CONTはシャッタ5A(5B)に対するシャッタ5B(5A)の位置を調整する。同様に、照明領域6Bの幅L2を調整する場合、制御装置CONTはシャッタ5C(5D)に対するシャッタ5D(5C)の位置を調整する。照明領域6A及び6Bどうしの間隔L3を調整する場合、制御装置CONTは、例えば、シャッタ5A、5Bの相対位置(開口部4Aの大きさ)を維持した状態で、シャッタ5A、5Bを同じ方向に移動する。このように、ブラインド4により照明領域6A、6Bそれぞれの大きさ(幅)、及び照明領域6A、6Bどうしの間隔が調整可能である。更に、シャッタ5A〜5Dを駆動することにより、照明領域6A、6Bに対応する露光光ELの光路が遮蔽・開放され、これにより照明領域の数が調整可能である。
【0023】
ここで、ブラインド4には、シャッタ5A〜5Dそれぞれの基準位置(例えばブラインド4のエッジ部E)に対する位置を検出可能な、例えばエンコーダからなる検出装置が設けられている。制御装置CONTは検出装置の検出結果に基づいて、開口部4A、4Bの大きさ及び位置をシャッタ5A〜5Dを用いて調整することにより、マスクM上の照明領域6A、6Bの大きさ及び位置(間隔)を調整可能である。
【0024】
本実施形態において、幅L1と幅L2とは同じ値に設定されている。また、X軸方向に並んでいる2つの照明領域6A、6Bは互いに平行であり、マスクMのパターン形成領域PAのX軸方向における中央部x0と+X側端部(+X側遮光領域PBの−X側縁部)x1との距離L4と、−X側に設定されている照明領域6AのX軸方向における中央部と照明領域6Aに対して+X側に設定されている照明領域6Bの−X側縁部との距離L5とは同じ値に設定されている。すなわち、パターン形成領域PAのX軸方向における大きさL0=2×L4であり、距離L4=L5=L3−1/2×L1 である。したがって、幅L1(L2)が十分に小さい場合、照明領域6A、6Bどうしの間隔L3は、パターン形成領域PAの大きさL0のほぼ1/2に設定されている。
【0025】
以上説明した構成を有する露光装置EXを用いてマスクMのパターンを感光基板Pに露光する方法について図4を参照しながら説明する。
図4(a)に示すように、+X方向に速度Vで等速移動するマスクMに対して、制御装置CONTは、照明領域6Bの−X側縁部とマスクMのパターン形成領域PAの+X側縁部(+X側遮光領域PBの−X側縁部)x1とが一致した時点で、換言すれば、照明領域6Bがパターン形成領域PAに配される直前の時点で、光源1からの光束の射出を開始し、マスクMに対する露光光ELの照明を開始する。このとき、照明領域6AのX軸方向における中央部とパターン形成領域PAのX軸方向における中央部x0とが一致している。ここで、マスクMの位置はレーザ干渉計により検出されているため、制御装置CONTはレーザ干渉計の検出結果に基づいてマスクMの位置を求めることができる。また、照明領域6A、6BのマスクM上における位置はブラインド4により予め一義的に設定されているので、制御装置CONTは、レーザー干渉計の検出結果と、予め求められている照明領域6A、6Bの位置情報とに基づいて、照明領域6Bの−X側縁部が、等速移動するマスクMの遮光領域PBの縁部x1と一致するときのマスクMの位置を求めることができる。
【0026】
そして、図4(b)に示すように、+X方向に等速移動している間、マスクMは照明領域6A、6Bに基づく露光光ELで照明される。露光光ELで照明されたマスクMのパターンは、投影光学系PLを介して、−X方向に等速移動している感光基板Pに転写される。
【0027】
図4(c)に示すように、照明領域6Aの+X側縁部とパターン形成領域PAの−X側縁部(−X側遮光領域PBの+X側縁部)x2とが一致した時点で、換言すれば、照明領域6Aがパターン形成領域PAから退避した時点で、制御装置CONTは、光源1からの光束の射出を停止し、マスクMに対する露光光ELの照明を終了する。このとき、照明領域6BのX軸方向における中央部とマスクMのX軸方向における中央部とが一致する。露光装置EXは、1つの照明領域での露光処理に比べて短い走査距離で1回の走査露光を終了することができる。本実施形態では、照明領域6A、6Bどうしの間隔L3はパターン形成領域PAの走査方向における大きさL0のほぼ1/2に設定されているため、1つの照明領域での走査露光処理に比べてほぼ1/2の走査距離で1回の走査露光を終了することができる。
【0028】
図5は、マスクMのパターン形成領域PAのX軸方向における位置と、照明領域6A及び6Bで照明された露光光ELの光量(ドーズ量)との関係を示す図であり、横軸はパターン形成領域PAのX軸方向における位置、上側のグラフの縦軸は照明領域6Aに基づく光量、下側のグラフの縦軸は照明領域6Bに基づく光量である。この図に示すように、X軸方向に速度Vで等速移動するマスクMのパターン形成領域PAに対して、照明領域6Aの露光光ELは位置x0〜x2の領域を照明し、露光開始点である位置x0付近において−X側に向かって光量を0から漸次増加させる。この増加領域は照明領域6Aの幅L1に一致する。そして、この増加領域より−X側のパターン形成領域PAにおける光量は均一となる。一方、照明領域6Bの露光光ELは位置x1〜x0の領域を照明し、露光終了点である位置x0付近において−X側に向かって光量を0から漸次減少させる。この減少領域は照明領域6Bの幅L2に一致する。この減少領域より+X側のパターン形成領域PAにおける光量は均一である。そして、照明領域6Bの減少領域の幅L2は照明領域6Aの増加領域L1に一致するため、これらそれぞれの光量を重ね合わせることによりパターン形成領域PA全域において均一な光量を得ることができる。
【0029】
そして、照明領域6A、6Bの幅L1、L2を同じ値に設定するとともに、パターン形成領域PAの中央部x0と+X側縁部x1との距離L4と、照明領域6AのX軸方向における中央部と照明領域6Bの−X側縁部との距離L5とを同じ値に設定したことにより、一回の走査で、且つ、走査中にシャッタ5A〜5Dを駆動することなく、パターン形成領域PAの全域を均一な光量で照明できる。
【0030】
以上説明したように、マスクMに対する露光光ELの照明領域を、ブラインド4及びシャッタ5A〜5Dにより走査方向に複数並べて設定したので、従来のように1つの照明領域でマスクMのパターン形成領域PAの全てを走査しなくても、複数の照明領域6A、6Bのそれぞれで、パターン形成領域PAを、位置x1〜x0と、x0〜x2とに分割して照明すればよいので、短時間でパターン形成領域PAの全域を照明することができる。
【0031】
そして、パターン形成領域PAの中央部x0と+X側縁部x1との距離L4と、照明領域6AのX軸方向における中央部と照明領域6Bの−X側縁部との距離L5とを同じ値に設定するなど、照明領域の数、及び照明領域どうしの間隔を、パターン形成領域PAの走査方向における大きさに応じて設定したので、走査中にシャッタ5A〜5Dを駆動することなく、1回の走査でパターン形成領域PAの全域を均一な光量で照明できる。このように、パターン形成領域PAの大きさに応じて最適な照明領域の数及び間隔を設定することで、効率良く高精度な露光処理を行うことができる。
【0032】
なお、上記実施形態では、パターン形成領域PAの中央部x0と+X側縁部x1との距離L4と、照明領域6AのX軸方向における中央部と照明領域6Bの−X側縁部との距離L5とを同じ値に設定したが、異なっていてもよい。距離L5が距離L4より短い場合、照明領域6BがマスクMのX軸方向中央部x0近傍を照明する前に照明領域6Aで既に照明されたパターン形成領域PAを照明することになるが、このとき、例えば、照明領域6Bでの照明を行わないように、シャッタ5C、5Dで照明領域6Bに対応する光路を遮蔽すればパターン形成領域PAの全域を均一な光量で照明できる。一方、距離L5が距離L4より長い場合、照明領域6BがマスクMのX軸方向中央部x0近傍を照明する前に、照明領域6Aがパターン形成領域PAから出てしまうが、照明領域6Aがパターン形成領域PAから出たら、照明領域6Bでの照明の最中に照明領域6Aに対応する光路をシャッタ5A、5Bで遮蔽するとともに、照明領域6Bで中央部x0より更に−X側まで照明することにより、パターン形成領域PAの全域を均一な光量で照明できる。
このように、異なる照明領域どうしのパターン形成領域における重ね合わせ部の光量と重ね合わせ部以外の光量とが略一致するように、マスクMに対する露光光ELの照明動作が制御される。
【0033】
また、上記実施形態では、照明領域6A、6Bの幅L1、L2は同じ値に設定されているとともに、走査中においてその値は固定されているように説明したが、走査中において、シャッタ5A〜5Dのそれぞれを駆動して幅L1、L2の値を変更しつつ走査露光を行うようにしてもよい。こうすることにより、マスクM(あるいは感光基板P)の走査方向におけるドーズ量を調整できる。
【0034】
上記実施形態では、ブラインド4は2つの開口部4A、4Bを有するように説明したが、図6に示すように、ブラインド4は3つの開口部4A、4B、4Cを有していてもよい。ここで、開口部4Aにはシャッタ5A、5Bが設けられ、開口部4Bにはシャッタ5C、5Dが設けられ、開口部4Cにはシャッタ5E、5Fが設けられている。そして、これらシャッタ5A〜5Fのそれぞれの位置を調整することにより、図7に示すように、これら開口部4A〜4Cのそれぞれに対応するマスクM上の照明領域6A〜6Cのそれぞれが走査方向に等間隔で複数並べて設定される。そして、複数の照明領域6A〜6Cの幅のそれぞれを同じ値に設定するとともに、照明領域6A〜6Cどうしを等間隔で並べることにより、1回の走査でパターン形成領域PAの全域を効率良く照明できる。なお、図7において、(a)にはマスクMのパターン形成領域PAに対する露光光ELの照明開始時点における各照明領域6A〜6Cの位置が模式的に示されており、(b)には露光光ELの照明終了時点における各照明領域6A〜6Cの位置が模式的に示されている。
【0035】
ここで、複数の照明領域を用いて1回の走査でパターン形成領域PAの全域を均一な光量で照明するために、パターン形成領域PAの走査方向における大きさをL0、照明領域の数をNs、1つの照明領域の幅をL1とした場合、照明領域どうしの間隔L3は、
L3 = (L0+L1)/Ns
の条件を満足するように設定するとよい。そして、幅L1が十分に小さい場合は、L3=L0/Nsとなる。したがって、図7に示す例では、Ns=3なので、照明領域6A〜6Cどうしの間隔L3=(L0+L1)/3(幅L1が十分に小さい場合にはL3=L0/3)であることが望ましい。
このように、幅L1を有する照明領域の数Ns、及び照明領域どうしの間隔L3を、パターン形成領域PAの走査方向における大きさL0に応じて設定することにより、効率良く走査露光を行うことができる。
なお、照明領域の数は、3以上の任意の複数でよいことはもちろんである。
【0036】
上記実施形態では、シャッタを用いて照明領域どうしの間隔を調整するように説明したが、ブラインドに、幅の小さい開口部を多数並べて形成するとともにこれら開口部のそれぞれにこの開口部を開閉可能なシャッタをそれぞれ設け、複数の開口部のうち任意の開口部をシャッタで閉じることによっても、開いている開口部どうしの間隔、すなわち照明領域どうしの間隔を調整することができる。
【0037】
上記各実施形態では、照明領域の数や幅、あるいは間隔の調整はシャッタを用いて行うように説明したが、開口部の数、幅、あるいは間隔がそれぞれ異なる複数のブラインドを、照明光学系ILの光路に対して進退自在にそれぞれ設け、マスクステージMSTに支持されたマスクMのパターン形成領域PAの大きさに応じて、これら複数のブラインドを交換するようにしてもよい。
【0038】
次に、本発明の露光装置の第2実施形態について図8〜図11を参照しながら説明する。ここで、以下の説明において、上述した第1実施形態と同一又は同等の構成部分についてはその説明を簡略もしくは省略する。
図8に示す露光装置EXは、マスクステージMSTに支持されたマスクMを露光光ELで照明する照明光学系ILと、露光光ELで照明されたマスクMのパターンを基板ステージPSTに支持されている感光基板Pに投影する投影光学系PLとを備えている。そして、照明光学系ILには、マスクMに対する露光光ELの照明領域を設定する照明領域設定装置10が設けられている。照明領域設定装置10は、露光光ELを通過させる開口部4Aを有するブラインド4と、ブラインド4を移動可能に支持するブラインドステージ11とを備えている。ブラインド4は、ブラインドステージ11に支持されつつX軸方向に移動可能となっている。本実施形態において、第1実施形態同様、ブラインド4の板面とXY平面とが一致するように、照明領域設定装置10が照明光学系ILの光路上に配置されている。
【0039】
図9及び図10は照明領域設定装置10を示す図であって、図9は−Z側から見た図、図10は−X側から見た図である。
この図に示すように、照明領域設定装置10は、ブラインドステージ11と、ブラインドステージ11にX軸方向に移動可能に支持されているブラインド4とを備えている。ブラインドステージ11は、例えば照明光学系ILのハウジングなど所定の部材に固定されている。
図9に示すように、ブラインド4は、露光光ELを通過させる開口部4Aを備えている。開口部4AはY軸方向を長手方向とする長方形のスリット状に形成されている。また、ブラインドステージ11の中央部にも露光光ELを通過させる開口部11Aが形成されている。ブラインド4の開口部4Aを通過した露光光ELはブラインドステージ11の開口部11Aを通過した後、マスクMを照明する。ここで、ブラインドステージ11の開口部11AのX軸方向(走査方向)における大きさ(幅)は、ブラインド4の開口部4AのX軸方向における幅より十分に大きく、開口部11AのY軸方向(非走査方向)における幅は、開口部4AのY軸方向における幅より小さい。したがって、マスクM上における照明領域のX軸方向(走査方向)における幅は、開口部4Aの大きさによって規定され、照明領域のY軸方向(非走査方向)における幅は、開口部11Aの大きさによって規定される。
【0040】
図10に示すように、ブラインドステージ11は、一対のリニアモータ(移動装置)12、12を備えている。リニアモータ12は、ブラインドステージ11上に支持されX軸方向に延びる固定子12Aと、この固定子12Aに対応して設けられ、ブラインド4に固定された可動子12Bとを備えている。ブラインド4は、ブラインドステージ11上をリニアモータ12の駆動によりX軸方向(走査方向)に移動可能となっている。リニアモータ12の駆動は制御装置CONTにより制御される。
【0041】
また、ブラインド4の下面には一対の凹部13B、13Bが設けられ、ブラインドステージ11上には、凹部13Bに対応するようにX軸方向に延びるガイド部13A、13Aが設けられている。そして、ガイド部13Aと凹部13Bとの間には、非接触ベアリングであるエアベアリング14が設けられている。ブラインドステージ11はエアベアリング14によりブラインド4を所定のクリアランスで非接触に支持する。ブラインド4は、ブラインドステージ11に非接触で支持されつつ、リニアモータ12によりガイド部13Aに案内されながらX軸方向に移動する。
【0042】
ブラインドステージ11は、ブラインド4の位置を検出する例えばエンコーダからなる位置検出装置15を備えている。位置検出装置15は、ブラインドステージ11に対するブラインド4の位置を検出し、制御装置CONTに位置検出結果を出力する。制御装置CONTは、位置検出装置15によるブラインド4の位置検出結果に基づいてリニアモータ12を駆動し、ブラインド4を所定の位置に移動する。
【0043】
次に、上述した露光装置EXを用いてマスクMのパターンを感光基板Pに走査露光する方法について図11を参照しながら説明する。図11は、+X方向に走査するマスクMと、走査するマスクMに対して−X方向に移動するブラインド4とを模式的に示した図である。
図11(a)に示すように、走査露光を行うに際し、マスクステージMSTに支持されているマスクM(パターン形成領域PA)の+X側縁部を露光光ELで照明可能なように、ブラインドステージ11に支持されているブラインド4の位置が設定される。
そして、図11(b)に示すように、制御装置CONTは、マスクステージMSTに支持されているマスクMを+X方向に一定速度Vで移動するとともに、ブラインドステージ11に支持されているブラインド4を−X方向に一定速度Vbで移動する。すなわち、制御装置CONTは、リニアモータ(移動装置)12を駆動することにより、照明領域設定装置10で設定された照明領域をマスクMの移動方向と反対方向へ移動する。制御装置CONTは、位置検出装置15によるブラインド4の位置情報に基づいてブラインド4の速度を求めつつリニアモータ12を駆動することにより、所望の速度でブラインド4を移動させる。
そして、図11(c)に示すように、移動するブラインド4により設定された照明領域がマスクM(パターン形成領域PA)の−X側縁部に達した段階で、1回の走査露光が終了する。
【0044】
以上説明したように、ブラインド4を移動することで、照明領域をマスクMの移動方向と反対側に移動するようにしたので、マスクMを支持するマスクステージMSTの走査速度Vを上げなくても、照明領域に対するマスクMの相対速度を(V+Vb)と速くできるので、短時間のうちにマスクMのパターン形成領域PAの全域を照明領域で照明することができる。そして、マスクステージMSTの速度(及び加速度)を上げなくてよいので、マスクステージMSTの速度上昇(加速度上昇)に起因する振動や熱の発生を抑えることでき、精度良い露光処理を効率良く行うことができる。この場合、ブラインド4はマスクステージMSTに比べて十分に軽いので、ブラインド4を移動することにより発生する振動レベルは、マスクステージMSTの速度を上昇させたことにより発生する振動レベルより十分小さい。
【0045】
上記実施形態では、ブラインド4を移動するとともにマスクステージMSTも移動する構成であるが、マスクステージMSTを移動せずにブラインド4だけを移動するようにしてもよい。このような構成はパターン形成領域の小さいマスクに対する露光光の照明に有効であるとともに、マスクステージ駆動部が不要となるので、装置構成の簡略化、及び振動発生源の削減が実現される。
【0046】
上記実施形態では、ブラインド4を移動することによりマスクMに対する照明領域を移動する構成であるが、例えば、図8において破線で示すように、偏向ミラー3a(あるいは3b)の位置を移動して露光光ELの光路を移動するようにしてもよい。あるいは、偏向ミラー3a(3b)を傾斜させて露光光ELの光路を移動するようにしてもよい。
【0047】
なお、第2実施形態におけるブラインド4の開口部4Aに、第1実施形態で説明したシャッタ5A、5Bを設け、開口部4Aの大きさを可変としてもよい。
【0048】
なお、上記各実施形態の露光装置EXの用途としては半導体製造用の露光装置や、角型のガラスプレートに液晶表示素子パターンを露光する液晶用の露光装置に限定されることなく、薄膜磁気ヘッドを製造するための露光装置にも広く適当できる。
【0049】
投影光学系PLとしては、エキシマレーザなどの遠紫外線を用いる場合は硝材として石英や蛍石などの遠紫外線を透過する材料を用い、F2レーザやX線を用いる場合は反射屈折系または屈折系の光学系にし(マスクも反射型タイプのものを用いる)、また、電子線を用いる場合には光学系として電子レンズおよび偏向器からなる電子光学系を用いればいい。なお、電子線が通過する光路は真空状態にすることはいうまでもない。
【0050】
基板ステージPSTやマスクステージPSMSTにリニアモータを用いる場合は、エアベアリングを用いたエア浮上型およびローレンツ力またはリアクタンス力を用いた磁気浮上型のどちらを用いてもいい。また、ステージは、ガイドに沿って移動するタイプでもいいし、ガイドを設けないガイドレスタイプでもよい。
【0051】
ステージの駆動装置として平面モ−タを用いる場合、磁石ユニット(永久磁石)と電機子ユニットのいずれか一方をステージに接続し、磁石ユニットと電機子ユニットの他方をステージの移動面側(ベース)に設ければよい。
【0052】
基板ステージPSTの移動により発生する反力は、特開平8−166475号公報に記載されているように、フレーム部材を用いて機械的に床(大地)に逃がしてもよい。本発明は、このような構造を備えた露光装置においても適用可能である。
【0053】
マスクステージMSTの移動により発生する反力は、特開平8−330224号公報に記載されているように、フレーム部材を用いて機械的に床(大地)に逃がしてもよい。本発明は、このような構造を備えた露光装置においても適用可能である。
【0054】
以上のように、本実施形態の露光装置EXは、本願特許請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
【0055】
半導体デバイスは、図12に示すように、デバイスの機能・性能設計を行うステップ201、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するステップ202、デバイスの基材である基板(ウエハ、ガラスプレート)を製造するステップ203、前述した実施形態の露光装置によりマスクMのパターンを感光基板Pに露光する基板処理ステップ204、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程を含む)205、検査ステップ206等を経て製造される。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、マスクステージの走査速度を高速化しなくても、マスクのパターン形成領域の全域を短時間で照明できるので、振動や熱等の不具合の発生を抑えつつ精度良い露光処理を効率良く行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の露光装置の第1実施形態を示す概略構成図である。
【図2】照明領域設定装置の第1実施形態を示す概略斜視図である。
【図3】照明領域で照明されたマスクを示す平面図である。
【図4】露光処理の手順を説明するための図である。
【図5】複数の照明領域の光量とマスク上の位置との関係を示す図である。
【図6】照明領域設定装置の他の実施形態を示す概略斜視図である。
【図7】照明領域で照明されたマスクを示す平面図である。
【図8】本発明の露光装置の第2実施形態を示す概略構成図である。
【図9】照明領域設定装置の第2実施形態を示す概略斜視図である。
【図10】図9の側面図である。
【図11】露光処理の手順を説明するための図である。
【図12】半導体デバイスの製造工程の一例を示すフローチャート図である。
【符号の説明】
4 ブラインド(照明領域設定装置)
4A、4B、4C 開口部
5A〜5F シャッタ
6A、6B、6C 照明領域
10 照明領域設定装置
11 ブラインドステージ
12 リニアモータ(移動装置)
14 エアベアリング(非接触ベアリング)
15 位置検出装置
EL 露光光
EX 露光装置
M マスク
P 感光基板(基板)
PA パターン形成領域
Claims (8)
- パターンが形成されたパターン形成領域を有するマスクと基板とを同期移動しつつ前記マスクを露光光で照明し、前記マスクの前記パターンを前記基板に転写する露光装置において、
前記マスクに対する前記露光光の照明領域を、前記マスクの移動方向に等間隔で複数並べて設定する照明領域設定装置を備え、
前記照明領域設定装置は、前記照明領域の数及び前記照明領域どうしの間隔を、前記パターン形成領域の前記移動方向の大きさに応じて設定することを特徴とする露光装置。 - 前記複数の照明領域のそれぞれに対応する光路を遮蔽・開放可能なシャッタを備えることを特徴とする請求項1記載の露光装置。
- 前記照明領域設定装置は、前記間隔を変更可能であることを特徴とする請求項1又は2記載の露光装置。
- 前記照明領域設定装置は、前記照明領域の大きさを変更可能であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の露光装置。
- マスクと基板とを同期移動しつつ前記マスクを露光光で照明し、前記マスクに形成されているパターンを前記基板に転写する露光装置において、
前記マスクに対する前記露光光の照明領域を設定する照明領域設定装置と、
前記照明領域設定装置で設定された前記照明領域を前記マスクの移動方向と反対方向へ移動する移動装置とを備えることを特徴とする露光装置。 - 前記照明領域設定装置は、露光光を通過させる開口部を有するブラインドと、
前記ブラインドを移動可能に支持するブラインドステージとを有することを特徴とする請求項5記載の露光装置。 - 前記ブラインドステージは、前記ブラインドを非接触で支持する非接触ベアリングと、
前記非接触ベアリングで支持された前記ブラインドを移動するリニアモータとを有することを特徴とする請求項6記載の露光装置。 - 移動する前記ブラインドの位置を検出する位置検出装置を備えることを特徴とする請求項6又は7記載の露光装置。
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