JP2004149781A - 硬質ポリウレタンフォームの製造方法 - Google Patents

硬質ポリウレタンフォームの製造方法 Download PDF

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徹志 河本
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Abstract

【課題】 ハイドロフルオロカーボンや低沸点炭化水素を主体とする発泡剤を用いた場合に、成形性が良好で、寸法安定性に優れたフォームが得られる硬質ポリウレタンフォームの製造方法を得る。
【解決手段】 活性水素成分(A)と有機ポリイソシアネート(B)を、ハイドロフルオロカーボン(HFC)および低沸点炭化水素から選ばれる1種以上からなる発泡剤の存在下に反応させて硬質ポリウレタンフォームを製造する方法において、(A)中に不飽和二重結合と活性水素含有基を有する化合物(a)、脂肪族アミンのアルキレンオキサイド付加物(b)、芳香族アミンのアルキレンオキサイド付加物(c)、および必要により多価アルコールもしくは多価フェノールのアルキレンオキサイド付加物(d)を含有することを特徴とする硬質ポリウレタンフォームの製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ポリウレタンフォームの製造方法に関する。さらに詳しくは、ハイドロフルオロカーボン(HFC)および低沸点炭化水素から選ばれる1種以上からなる発泡剤を用いて発泡させる際に好適な硬質ポリウレタンフォームの製造方法に関する。
硬質ポリウレタンフォームは、その優れた断熱性能、低温寸法安定性、施工性等の故に、冷蔵庫、冷凍庫、建築材料等の断熱材、あるいは軽量構造材または現場建築施工用スプレー用途に広範囲に利用されている。
硬質ポリウレタンフォームの発泡剤として、クロロフルオロカーボン類の規制に対応するため、次世代発泡剤であるHFCや、低沸点炭化水素が提案されている。しかしながら、HFCや、低沸点炭化水素を発泡剤に使用した場合、クロロフルオロカーボン発泡剤を使用した場合と比較して寸法安定性が悪化するという問題がある。
寸法安定性に優れたポリウレタンフォームとして、特許文献1が知られている。
国際公開WO98/44016号公報
しかしながら、上記公報に記載の製法を用いても、HFCや低沸点炭化水素を主体とする発泡剤を使用した場合、製造条件によっては、成形性が低下したり、得られるフォームの寸法安定性が不十分となることがある。
本発明者らは、上記の問題点を解決するべく鋭意検討を重ねた結果、不飽和二重結合と活性水素含有基を有する化合物と特定のポリオールを組み合わせて使用することで、上記の問題点を解決できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち本発明は、下記(I)〜(III)である。
(I) 活性水素成分(A)と有機ポリイソシアネート(B)を、ハイドロフルオロカーボン(HFC)および低沸点炭化水素から選ばれる1種以上からなる発泡剤の存在下に反応させて硬質ポリウレタンフォームを製造する方法において、(A)中に不飽和二重結合と活性水素含有基を有する化合物(a)、脂肪族アミンのアルキレンオキサイド付加物(b)、芳香族アミンのアルキレンオキサイド付加物(c)、および必要により多価アルコールもしくは多価フェノールのアルキレンオキサイド付加物(d)を含有することを特徴とする硬質ポリウレタンフォームの製造方法。
(II) 活性水素成分(A)と有機ポリイソシアネート(B)を、ハイドロフルオロカーボン(HFC)および低沸点炭化水素から選ばれる1種以上からなる発泡剤の存在下に反応させて硬質ポリウレタンフォームを製造する方法において、(A)中に不飽和二重結合と活性水素含有基を有する化合物(a)、3〜5価の多価アルコールもしくは多価フェノールのアルキレンオキサイド付加物(d1)、6価以上の多価アルコールもしくは多価フェノールのアルキレンオキサイド付加物(d2)、および必要により脂肪族アミンのアルキレンオキサイド付加物(b)と芳香族アミンのアルキレンオキサイド付加物(c)から選ばれる一種以上を含有することを特徴とする硬質ポリウレタンフォームの製造方法。
(III) 上記(I)または(II)の製造方法により得られる硬質ポリウレタンフォームからなる断熱材。
本発明の硬質ポリウレタンフォームの製造方法によれば、成形性良好で且つセル状態が良好であり、寸法安定性に優れ、機械的強度が高いポリウレタンフォームが得られる。また、本発明に用いる活性水素成分を使用すると、従来の活性水素成分よりも低粘度であることから、フォーム成形時の作業性に優れる。
本発明の製法(I)および(II)において、必須成分として活性水素成分(A)中に含有する(a)は、不飽和二重結合1個以上と活性水素含有基を1個以上有する化合物である。
不飽和二重結合は、通常付加重合性基であり、末端オレフィン型でも、内部オレフィン型でもよく、例としては、(メタ)アクリロイル基、クロトン基、アリル基、プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基等から選ばれる1種以上が挙げられる。これらの中で好ましくは、(メタ)アクリロイル基、アリル基およびプロペニル基であり、さらに好ましくは(メタ)アクリロイル基およびアリル基である。ここで(メタ)アクリロイル基とは、アクリロイル基および/またはメタアクリロイル基を意味し、以下同様の記載法を用いる。
(a)中の不飽和二重結合の数は、通常1個以上、好ましくは1〜10個、さらに好ましくは1〜5個である。
(a)の活性水素含有基としては、例えば、1級ヒドロキシル基、2級ヒドロキシル基、メルカプト基、カルボキシル基、1級アミノ基、2級アミノ基から選ばれる1種以上が挙げられる。好ましくはヒドロキシル基、メルカプト基およびカルボキシル基であり、さらに好ましくはヒドロキシル基およびメルカプト基、とくに好ましくは2級を主体とするヒドロキシル基(好ましくはヒドロキシル基の2級OH比率が60%以上、とくに80%以上)である。2級を主体とするヒドロキシル基を有する(a)を用いると、フォームの寸法安定性がより良好となる。
(a)中の活性水素含有基数は、通常1個以上、好ましくは1〜8個、さらに好ましくは1〜5個である。
上記(a)の具体例としては、下記(a1)〜(a3)が挙げられ、2種以上を併用してもよい。
(a1)ポリオール〔多価アルコール、多価フェノール、多価アルコールもしくは多価フェノールのアルキレンオキサイド(以下AOと略記)付加物、アミンのAO付加物、多価アルコールとポリカルボン酸もしくはラクトンとから誘導されるポリエステルポリオールなど〕の不飽和カルボン酸部分エステルまたは部分不飽和アルキルエーテル〔とくに部分(メタ)アクリル酸エステルまたはアリルエーテル〕
(a2)アミンの不飽和カルボン酸部分アミド化物または部分不飽和アルキル化物〔とくに部分(メタ)アクリルアミド化物またはアリル化物〕
(a3)ポリチオールの不飽和カルボン酸部分チオエステルまたは部分不飽和アルキルチオエーテル〔とくに部分(メタ)アクリルチオエステルまたはアリル化物〕
(a1)の製造に用いる多価アルコールとしては、例えば、炭素数2〜18(好ましくは2〜12)の2価アルコール[エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,4−および1,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等]、炭素数3〜18(好ましくは3〜12)の3〜5価のアルコール[アルカンポリオールおよびその分子内もしくは分子間脱水物、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジグリセリン;糖類およびその誘導体、例えば、α−メチルグルコシド、キシリトール、グルコース、フルクトース;等]、および炭素数5〜18(好ましくは5〜12)の6〜10価またはそれ以上のアルコール[アルカンポリオールおよびその分子内もしくは分子間脱水物、例えば、ジペンタエリスリトール;糖類およびその誘導体、例えば、ソルビトール、マンニール、ショ糖;等]およびこれらの2種以上の併用が挙げられる。これらのうち好ましいものはエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールであり、さらに好ましいのは、2級ヒドロキシル基を有する、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコールである。
(a1)の製造に用いる多価フェノールとしては、2価フェノール〔単環2価フェノール(ハイドロキノン等)、ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF等)など〕、3〜5価のフェノール〔単環多価フェノール(ピロガロール、フロログルシン等)、3〜5価の、フェノール化合物のホルマリン低縮合物(数平均分子量1000以下)(ノボラック樹脂、レゾールの中間体)など〕、6〜10価またはそれ以上のフェノール〔6価以上の、フェノール化合物のホルマリン低縮合物(数平均分子量1000以下)(ノボラック樹脂、レゾールの中間体)等〕、多価フェノールとアルカノールアミンとの縮合物(マンニッヒポリオール)、およびこれらの2種以上の併用が挙げられる。
(a1)の製造に用いるポリオールのうち、アミンのAO付加物におけるアミンとしては、例えば、アンモニア;炭素数2〜20のアルカノールアミン[モノ−、ジ−もしくはトリエタノールアミン、イソプロパノールアミン、アミノエチルエタノールアミン等];炭素数1〜20のアルキルアミン[メチルアミン、エチルアミン、n−ブチルアミン、オクチルアミン等];炭素数2〜6のアルキレンジアミン[エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等];アルキレン基の炭素数が2〜6のポリアルキレンポリアミン(重合度2〜8)[ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等];炭素数6〜20の芳香族アミン[アニリン、フェニレンジアミン、トリレンジアミン、キシリレンジアミン、メチレンジアニリン、ジフェニルエーテルジアミン、ナフタレンジアミン、アントラセンジアミン等];炭素数4〜15の脂環式アミン[イソホロンジアミン、シクロヘキシレンジアミン等];炭素数4〜15の複素環式アミン[ピペラジン、N−アミノエチルピペラジン、1,4−ジアミノエチルピペラジン等]およびこれらの2種以上の併用などが挙げられる。
多価アルコール、多価フェノール、またはアミンに付加させるAOとしては、エチレンオキサイド(以下、EOと略記)、プロピレンオキサイド(以下、POと略記)、1,2−、1,3−、1,4−もしくは2,3−ブチレンオキサイド、α−オレフィンオキサイド(炭素数5〜30またはそれ以上)、スチレンオキサイドなどおよびこれらの2種以上の併用(併用する場合には、ランダム付加、ブロック付加のいずれでもよい。)が挙げられる。これらのAOのうち、POおよび/またはEO(好ましくはPO)を主成分とし、必要により20質量%以下の他のAOを含むものが好ましい。付加反応は、従来公知の通常の方法により行うことができる。1分子当たりのAOの付加モル数は、好ましくは1〜70、さらに好ましくは1〜50である。
(a1)の製造に用いるポリオールのうちポリエステルポリオールに用いる多価アルコールは、前記と同様のものが挙げられ、ポリカルボン酸としては、例えば、炭素数4〜18の脂肪族ポリカルボン酸[コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸等]、炭素数8〜18の芳香族ポリカルボン酸[フタル酸もしくはその異性体、トリメリット酸等]、これらのポリカルボン酸のエステル形成性誘導体[酸無水物、アルキル基の炭素数が1〜4の低級アルキルエステルなど]およびこれらの2種以上の併用が挙げられる。ラクトンとしては、炭素数4〜8のラクトン[ε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等]およびこれらの2種以上の併用が挙げられる。
(a1)の製造に用いるポリオールとしては、ヒドロキシル基を2〜8個(特に2〜6個)有し、OH当量が30〜1200のものが好ましい。OH当量の下限はさらに好ましくは31、上限はさらに好ましくは300である。
(a1)は、例えば、以上例示したポリオールを、1分子中に少なくとも1個のヒドロキシル基が未反応で残るような当量比で、ハロゲン化(メタ)アクリルまたはハロゲン化アリルを用いて部分(メタ)アクリロイル化またはアリル化することにより得られる。ハロゲン化(メタ)アクリルとしては、塩化(メタ)アクリロイル、臭化(メタ)アクリロイル、ヨウ化(メタ)アクリロイル、ハロゲン化アリルとしては、塩化アリル、臭化アリル、ヨウ化アリルおよびこれらの2種以上の併用が挙げられる。
また(a1)は、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸、またはアリルアルコールに前記のAOを付加しても得ることができる。この場合、AOの中では、POおよび/またはEO(好ましくはPO)を主成分とし、必要により20質量%以下の他のAOを含むものが好ましい。付加反応は、従来公知の通常の方法により行うことができる。AOの付加モル数は、好ましくは1〜70、さらに好ましくは1〜50である。
(a2)は、前記のアミンのうち、ポリアミンまたはアルカノールアミンと、前記のハロゲン化(メタ)アクリルまたはハロゲン化アリルを、1分子中に少なくとも1個のアミノ基または水酸基(アルカノールアミンの場合)が未反応で残るような当量比で、反応させることにより得られる。
(a3)の製造に用いるポリチオールとしては、チオール基を2〜4個有し、炭素数2〜18のものが好ましく、例えば、エタンジチオール、1,2−プロパンジチオール、1,3−プロパンジチオール、1,4−プロパンジチオール、1,4−ベンゼンジチオール、1,2−ベンゼンジチオール、ビス(4−メルカプトフェニル)スルフィド、4−t−ブチル−1,2−ベンゼンジチオール、エチレングリコールジチオグリコレート、トリメチロールプロパントリス(チオグリコレート)チオシアヌル酸、ジ(2−メルカプトエチル)スルフィド、ジ(2−メルカプトエチル)エーテルおよびこれらの2種以上の併用が挙げられる。
(a3)は、これらポリチオールに、前記のハロゲン化(メタ)アクリルまたはハロゲン化アリルを、1分子中に少なくとも1個のチオール基が未反応で残るような当量比で、反応させることにより得られる。
これら(a)の中では、好ましくは(a1)および(a2)であり、さらに好ましくは(a1)であり、とくに好ましくは、多価アルコールもしくはそのAO付加物の部分アリルエーテル、および多価アルコールもしくはそのAO付加物の部分(メタ)アクリル酸エステルである。
本発明の製法(I)と(II)のいずれにおいても、(a)の使用量は、(A)100質量部に対して、好ましくは0.1〜70質量部である。下限は好ましくは0.2質量部、とくに好ましくは1質量部であり、上限はさらに好ましくは60質量部、とくに好ましくは50質量部である。上記範囲内であると、成形性と寸法安定性が共に良好である。
本発明の製法(I)においては、活性水素成分(A)中に、(a)以外に、さらにアミンのAO付加物(b)および(c)を必須成分として含有する。これら3成分を併用すると、成形性および寸法安定性が共に良好である。
(b)としては、通常ポリウレタンフォームの原料として使用される、脂肪族アミンのAO付加物が挙げられる。
脂肪族アミンとしては、前記(a1)の項で述べた、アルカノールアミン、炭素数1〜20のアルキルアミン、炭素数2〜6のアルキレンジアミン、およびアルキレン基の炭素数が2〜6のポリアルキレンポリアミン(重合度2〜8)等が挙げられる。好ましくはアルカノールアミンおよびアルキレンジアミンである。
付加するAOとして好ましいものは、POおよび/またはEOを主成分とし、必要により20質量%以下の他のAOを含むものであり、特に好ましくはPO、およびPOとEOの併用である
AO付加反応は、従来公知の通常の方法により行うことができ、付加時に用いる触媒としては、通常用いられるアルカリ触媒(KOH、CsOH等)の他、特開2000−344881号公報に記載の触媒〔トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン等〕、特開平11−120300号公報に記載の触媒(過塩素酸マグネシウム等)を用いてもよい(以下のAO付加物も同様)。
(b)の水酸基価は、好ましくは30〜1800である。下限はさらに好ましくは40であり、上限はさらに好ましくは1600である。
(c)としては、通常ポリウレタンフォームの原料として使用される、芳香族アミンのAO付加物が挙げられる。
芳香族アミンとしては、前記(a1)の項で述べた、炭素数6〜20の芳香族アミン等が挙げられる。好ましくはアニリン、フェニレンジアミン、およびトリレンジアミンである。
付加するAOとして好ましいものは、POおよび/またはEOを主成分とし、必要により20質量%以下の他のAOを含むものであり、特に好ましくはPO、およびPOとEOの併用である。
(c)の水酸基価は、好ましくは30〜1800である。下限はさらに好ましくは40であり、上限はさらに好ましくは1600である。
本発明の製法(I)において、(A)中に、必要により、さらに多価アルコールもしくは多価フェノールのAO付加物(d)を含有させてもよい。(d)を含有させることにより、得られるフォームの寸法安定性がさらに良好となる。
(d)としては、3〜5価のアルコールもしくはフェノールのAO付加物(d1)、6価以上(とくに6〜10価)のアルコールもしくはフェノールのAO付加物(d2)、および2価アルコールもしくはフェノールのAO付加物(d3)が挙げられる。
(d1)としては、前記(a1)の項で述べた、3〜5価のアルコールのAO付加物、および3〜5価のフェノールのAO付加物が挙げられる。
(d2)としては、前記6〜10価またはそれ以上の多価アルコールのAO付加物、および6〜10価またはそれ以上の多価フェノールのAO付加物が挙げられる。
(d3)としては、前記2価アルコールのAO付加物、および2価フェノールのAO付加物が挙げられる。
これらの中では、(d1)および(d2)が好ましく、中でも、多価アルコールのAO付加物が好ましい。
また、付加するAOとして好ましいものは、POおよび/またはEOを主成分とし、必要により20質量%以下の他のAOを含むものであり、特に好ましくは、PO、およびPOとEOの併用である。
(d)の水酸基価は好ましくは30〜1800である。下限はさらに好ましくは40であり、上限はさらに好ましくは800である。
本発明の製法(I)において、活性水素成分(A)中に、これら(a)、(b)、(c)、および(d)以外に、他のポリオール(e)を含有させてもよい。
(e)としては、通常ポリウレタンフォームに使用される公知のもの、例えば、前記のポリカルボン酸に前記のAOを付加したポリエーテルポリオール、前記ポリエステルポリオールおよびそのAO付加物、低分子量ポリオール(例えば前記多価アルコール)、前記アルカノールアミン、(d)中でビニルモノマー(アクリロニトリル、スチレンなど)を重合して得られる重合体ポリオール(e1)、並びにこれらの混合物が挙げられる。上記AOとして好ましいものは、POおよび/またはEOを主成分とし、必要により20質量%以下の他のAOを含むものであり、特に好ましくはPOおよび/またはEOである。
上記(e1)の製造方法は、従来の重合体ポリオールにおける重合と同様に行うことができる。例えば、分散剤を含むAO付加物(d)中で、ビニルモノマーを重合開始剤の存在下に重合させる方法(米国特許第3383351号明細書、特公昭39−24737号公報、特公昭47−47999号公報または特開昭50−15894号公報に記載の方法)が挙げられる。また、重合は、バッチ式でも連続式でも行うことができ、常圧下、加圧下または減圧下において重合することができる。必要に応じて、溶剤、連鎖移動剤を使用することができる。(e1)の重合体の体積平均粒子径は0.5〜15μmが好ましい。
これらの(e)の中で、好ましくは(e1)である。
また、(e)の水酸基価は30〜1810が好ましい。下限はさらに好ましくは40であり、上限はさらに好ましくは1500である。
本発明の製法(I)において、(A)中の(b)の含有量は、好ましくは5〜94質量%である。下限はさらに好ましくは10質量%であり、上限はさらに好ましくは90質量%である。(c)の含有量は、好ましくは5〜94質量%である。下限はさらに好ましくは10質量%であり、上限はさらに好ましくは80質量%である。(b)と(c)の質量比は、好ましくは(b)/(c)=10/90〜90/10、さらに好ましくは15/85〜70/30である。(d)の含有量は、好ましくは50質量%以下であり、下限はさらに好ましくは1質量%、上限はさらに好ましくは40質量%である。(e)の含有量は、好ましくは20質量%以下であり、下限はさらに好ましくは0.5質量%、とくに好ましくは1質量%、上限はさらに好ましくは10質量%である。
本発明の製法(I)において、(A)の数平均分子量(ゲルパーミエーションクロマトグラフによる)は、好ましくは60〜10000である。下限はさらに好ましくは70であり、上限はさらに好ましくは8000である。また、(A)の水酸基価は、好ましくは30〜1800である。下限はさらに好ましくは40であり、上限はさらに好ましくは800である。後述の本発明の製法(II)における(A)の数平均分子量、水酸基価も同様である。
本発明の製法(II)においては、(A)中に、(a)以外に前記(d1)および(d2)を必須成分として含有する。これら3成分を併用すると、成形性および寸法安定性が共に良好である。(d1)、(d2)として好ましいものは前記と同様である。
製法(II)における(d1)/(d2)の質量比はとくに限定されないが、好ましくは1/99〜99/1、さらに好ましくは10/90〜60/40、とくに好ましくは20/80〜50/50である。
本発明の製法(II)において、必要により、前記(b)と(c)から選ばれる1種以上を含有させてもよい。(b)および/または(c)を含有させることにより、得られるフォームの寸法安定性がさらに良好となる。
また、必要により、さらに前記の(d3)や(e)〔好ましくは(e1)〕を1種以上含有させてもよい。
本発明の製法(II)において、(A)中の(d1)と(d2)の合計含有量は、好ましくは5〜99質量%である。下限はさらに好ましくは10質量%であり、上限はさらに好ましくは95質量%である。(b)の含有量は好ましくは、94質量%以下である。下限はさらに好ましくは1質量%、上限はさらに好ましくは50質量%である。(c)の含有量は好ましくは、94質量%以下である。下限はさらに好ましくは1質量%、上限はさらに好ましくは50質量%である。(d3)および(e)の合計含有量は、好ましくは50質量以下である。下限はさらに好ましくは0.5質量%、とくに好ましくは1質量%、上限はさらに好ましくは40質量である。
本発明の製法(I)および(II)で使用される有機ポリイソシアネート(B)としては、従来からポリウレタンフォームに使用されているものが使用できる。このようなイソシアネートとしては、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、これらの変性物(例えば、ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、イソシヌアレート基、またはオキサゾリドン基含有変性物など)およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
芳香族ポリイソシアネートとしては、炭素数(NCO基中の炭素を除く;以下のイソシアネートも同様)6〜16の芳香族ジイソシアネート、炭素数6〜20の芳香族トリイソシアネートおよびこれらのイソシアネートの粗製物などが挙げられる。具体例としては、1,3−および/または1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−および/または2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、粗製TDI、2,4’−および/または4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート(粗製MDI)、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、トリフェニルメタン−4,4’,4’’−トリイソシアネートなどが挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、炭素数6〜10の脂肪族ジイソシアネートなどが挙げられる。具体例としては、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートなどが挙げられる。
脂環式ポリイソシアネートとしては、炭素数6〜16の脂環式ジイソシアネートなどが挙げられる。具体例としては、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネートなどが挙げられる。
芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、炭素数8〜12の芳香脂肪族ジイソシアネートなどが挙げられる。具体例としては、キシリレンジイソシアネート、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどが挙げられる。
変性ポリイソシアネートの具体例としては、ウレタン変成MDI、カルボジイミド変性MDI、ショ糖変性TDI、ひまし油変性MDIなどが挙げられる。
これらのうちで好ましいものは、TDI、MDI、粗製TDI、粗製MDI、ウレタン変性TDI、ウレタン変性MDI、およびカルボジイミド変性MDIから選ばれる1種以上の有機ポリイソシアネートであり、さらに好ましくはMDI、粗製MDI、ウレタン変性TDI、およびウレタン変性MDIである。
本発明の製法(I)および(II)で使用される発泡剤は、ハイドロフルオロカーボン(HFC)、低沸点炭化水素から選ばれる1種以上からなる。必要により上記以外の発泡剤、例えば、水、液化炭酸ガスを併用してもよい。
HFCの具体例としては、例えば、HFC−134a、HFC−152a、HFC−356mff、HFC−236ea、HFC−245ca、HFC−245fa、HFC−365mfc、HFC−227ea、およびこれら2種以上の併用が挙げられる。これらのうち、好ましくはHFC−245faおよびHFC−365mfcである。
低沸点炭化水素は、沸点が通常−5〜70℃の炭化水素であり、その具体例としては例えば、ブタン、ペンタン、シクロペンタン、およびこれらの混合物等が挙げられる。これらのうち好ましくはシクロペンタンである。
また、HFCと低沸点炭化水素とを併用してもよい。併用する場合のHFC/低沸点炭化水素の質量比は特に限定されないが、好ましくは1/99〜99/1、さらに好ましくは3/97〜97/3である。
本発明の製造方法において、HFCは、(A)100質量部当たり、通常15質量部を越える量用いる。下限は好ましくは15.1質量部、さらに好ましくは15.5質量部、とくに好ましくは16質量部であり、上限は好ましくは50質量部、さらに好ましくは45質量部である。
低沸点炭化水素は、(A)100質量部当たり、通常15質量部を越える量用いる。下限は好ましくは15.1質量部、さらに好ましくは15.5質量部、とくに好ましくは16質量部であり、上限は好ましくは30質量部、さらに好ましくは25質量部である。
HFCと水とを併用する場合、上記の量のHFCに加えて、(A)100質量部当たり、通常10質量部を越えない量の水を用いる。下限は好ましくは0.1質量部、上限は好ましくは8質量部である。低沸点炭化水素と水とを併用する場合、上記の量の低沸点炭化水素に加えて、(A)100質量部当たり、通常10質量部を越えない量の水を用いる。下限は好ましくは0.1質量部、上限は好ましくは8質量部である。
HFCと液化炭酸ガスを併用する場合、上記の量のHFCに加えて、(A)100質量部当たり、通常25質量部を越えない量の液化炭酸ガスを用いる。下限は好ましくは0.1質量部、上限は好ましくは20質量部である。低沸点炭化水素と液化炭酸ガスとを併用する場合、上記の量の低沸点炭化水素に加えて、(A)100質量部当たり、通常25質量部を越えない量の液化炭酸ガスを用いる。下限は好ましくは0.1質量部、上限は好ましくは20質量部である。
本発明の製法で必須成分として用いるHFCおよび/または低沸点炭化水素と、これら以外の発泡剤(水、液化炭酸ガス等)の質量比は、好ましくは100/0〜65/35、さらに好ましくは99/1〜70/30、とくに好ましくは98/2〜80/20である。
本発明の製法(I)および(II)において、必要により、さらに以下に述べるような、他の補助成分を用い、その存在下で反応させてもよい。
例えば、整泡剤(ジメチルシロキサン系、ポリエーテル変性ジメチルシロキサン系など)、ウレタン化触媒(アミン系触媒、例えばトリエチレンジアミン、N−エチルモルホリン、ジエチルエタノールアミン、N、N、N’、N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、テトラメチルエチレンジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、ジアミノビシクロオクタン、1,2−ジメチルイミダゾール、1−メチルイミダゾール、1−イソブチル−2−メチルイミダゾール、1,8−ジアザビシクロ−[5,4,0]−ウンデセン−7など、および/または金属触媒、例えばオクチル酸第一スズ、ジラウリル酸ジブチル第二スズ、オクチル酸鉛など)、ラジカル重合開始剤〔アゾ化合物、例えば2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル);有機過酸化物、例えばジベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド;無機過酸化物、例えば過硫酸塩;等〕、着色剤(染料、顔料)、可塑剤(フタル酸エステル、アジピン酸エステルなど)、有機充填剤(合成短繊維、熱可塑性もしくは熱硬化性樹脂からなる中空微小球など)、難燃剤(リン酸エステル、ハロゲン化リン酸エステルなど)、老化防止剤(トリアゾール系、ベンゾフェノン系など)、抗酸化剤(ヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系など)などの公知の補助成分の存在下で反応させることができる。また、前記(A)における(a)を希釈剤として用いた補助成分〔例えば、アミン系触媒の(a)溶液〕を用いてもよい。
(A)100質量部に対するこれらの補助成分の使用量に関しては、整泡剤は、好ましくは10質量部以下、さらに好ましくは0.5〜5質量部である。ウレタン化触媒は、好ましくは10質量部以下、さらに好ましくは0.2〜5質量部である。ラジカル重合開始剤は、好ましくは5質量部以下、さらに好ましくは0.01〜1質量部である。着色剤は、好ましくは1質量部以下である。可塑剤は、好ましくは10質量部以下、さらに好ましくは5質量部以下である。有機充填剤は、好ましくは50質量部以下、さらに好ましくは30質量部以下である。難燃剤は、好ましくは30質量部以下、さらに好ましくは5〜20質量部である。老化防止剤は、好ましくは1質量部以下、さらに好ましくは0.01〜0.5質量部である。抗酸化剤は、好ましくは1質量部以下、さらに好ましくは0.01〜0.5質量部である。
本発明のポリウレタンフォームの製造方法におけるイソシアネート指数(NCO INDEX)[(NCO基/活性水素原子含有基)の当量比×100]は、好ましくは70〜140、さらに好ましくは80〜125、とくに好ましくは85〜120である。
本発明の方法によるポリウレタンフォームの製造法の一例を示せば、以下の通りである。
まず、活性水素成分(A)、発泡剤、および必要により整泡剤、その他の補助成分を所定量混合する。次いでポリウレタン発泡機又は撹拌機を使用して、この混合物と有機ポリイソシアネート(B)とを急速混合する。得られた混合液(発泡原液)をモールドに注入し、所定時間硬化後、脱型してポリウレタンフォームを得る。モールドは開放モールド、密閉モールドのいずれでもよく、常温でも加温(例えば40〜80℃)でもよい。密閉モールドを用いる場合のパック率は、好ましくは100〜500%、さらに好ましくは105〜350%、とくに好ましくは110〜250%である。(パック率)=〔(フォーム重量)/(密閉モールド内を充填する最低フォーム重量)〕×100である。また、スプレー発泡、連続発泡してもポリウレタンフォームを得ることができる。なお、ウレタン化反応はプレポリマー法では各成分を混合した原液の粘度が高くなるため、ワン・ショット法が好ましい。
本発明の方法は、スラブフォームの製造にも、RIM(反応射出成形)法による成形にも適用できる。また、メカニカルフロス法でポリウレタンを得るのに用いることもできる。
本発明の製法(I)または(II)により、得られた硬質ポリウレタンフォームの密度は、好ましくは0.02〜0.5g/cm3である。下限はさらに好ましくは0.025g/cm3であり、上限はさらに好ましくは0.1g/cm3である。また、得られた硬質ポリウレタンフォームの圧縮強さは、好ましくは0.5kgf/cm2以上、さらに好ましくは0.8kgf/cm2以上、とくに好ましくは1.1kgf/cm2以上である。
以下に本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、以下において部、%および比とあるのは、それぞれ質量部、質量%および質量比を示す(2級OH比率を除く。)。
実施例及び比較例に使用した原料の組成、記号等は次の通りである。
(1)活性水素成分(b)
b1:エチレンジアミンにPOを付加させた水酸基価750のポリオール
b2:トリエタノールアミンにPOを付加させた水酸基価360のポリオール
(2)活性水素成分(c)
c1:トリレンジアミン1モルにEO2モル、PO約4モルをブロック付加させた水酸基価500のポリオール
c2:トリレンジアミン1モルにEO2モル、PO約7モルをブロック付加させた水酸基価400のポリオール。
(3)活性水素成分(d1)
d11:グリセリンにPOを付加させた水酸基価400のポリオール
d12:ペンタエリスリトールにPOを付加させた水酸基価400のポリオール
(4)活性水素成分(d2)
d21:ショ糖にPOを付加させた水酸基価420のポリオール
(5)活性水素成分(d3)
d31:ビスフェノールAにPOを付加させた水酸基価280のポリオール
(6)活性水素成分(e)
e1:グリセリンのPO付加物(水酸基価670)、ビスフェノールAのPO3モル付加物、およびグリセリンのEO・POランダム付加後EOブロック付加物〔EO単位の含有量25%(うち内部EO単位5%)、水酸基価28〕の7:2:1の比の混合物中で、スチレン/アクリロニトリル(比:20/80)を重合させた、水酸基価400の重合体ポリオール(重合体含量25%)。
(7)有機ポリイソシアネート(B)
MDI:粗製MDI〔「MR−200」日本ポリウレタン工業(株)製〕
(8)触媒
f1:「U−cat430A」アミン触媒〔サンアプロ(株)製〕
f2:ジアミノビシクロオクタン〔「Dabco33LV」三共エアプロダクト(株)製〕
f3:N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン〔「U−cat1000」サンアプロ(株)製〕
f4:ペンタメチルジエチレントリアミン〔「Polycat−5」サンアプロ(株)製〕
(9)整泡剤
g1:「F−388」ポリエーテルシロキサン重合体〔信越シリコーン(株)製〕
g2:「B−8462」ポリエーテルシロキサン重合体〔ゴールドシュミット製〕
g3:「SH−193」ポリエーテルシロキサン重合体〔東レダウコーニングシリコーン(株)製〕
(10)難燃剤
h:「TMCPP」有機燐系難燃剤(アクゾジャパン社製)
(11)ラジカル重合開始剤
i:t−ブチルハイドロパーオキサイド(「パーブチルH−69」日本油脂社製)
(12)発泡剤
j1:HFC−245fa
j2:HFC−365mfc
j3:シクロペンタン
以下の製造例おいて、末端水酸基の2級OH比率(2級OH比率と略記する。)は、予め試料をエステル化の前処理をした後に1H−NMR法により算出する。1H−NMR法の詳細を以下に具体的に説明する。
<試料調製法>
測定試料約30mgを直径5mmの1H−NMR用試料管に秤量し、約0.5mlの重水素化溶媒を加え溶解させる。その後、約0.1mlの無水トリフルオロ酢酸を添加し25℃で約5分間放置して、ポリオールをトリフルオロ酢酸エステルとし、分析用試料とする。
ここで重水素化溶媒とは、重水素化クロロホルム、重水素化トルエン、重水素化ジメチルスルホキシド、重水素化ジメチルホルムアミド等であり、試料を溶解させることのできる溶媒を適宜選択する。
<NMR測定>
通常の条件で1H−NMR測定を行う。
<2級OH比率の計算方法>
1級水酸基の結合したメチレン基由来の信号は4.3ppm付近に観測され、2級水酸基の結合したメチン基由来の信号は5.2ppm付近に観測されるから、2級OH比率は下式(1)により算出する。
2級OH比率(%)=100−[r/(r+2s)]×100 (1)
ただし、
r:4.3ppm付近の1級水酸基の結合したメチレン基由来の信号の積分値
s:5.2ppm近の2級水酸基の結合したメチン基由来の信号の積分値
製造例1(ポリオールのジアリル化物の製造例)
ペンタエリスリトール1モルにPOを2モル付加した化合物252部(1モル)に、NaOH80部(2モル)を触媒として、アリルクロライド153部(2モル)を反応させ、ペンタエリスリトールのジアリル化合物(a11)を得た。2級OH比率90%。
製造例2(アリルアルコールのPO付加物の製造例)
アリルアルコール58部(1モル)に水酸化カリウム0.56部(0.001モル)を触媒として、PO116部(2モル)を反応させ、リン酸にて中和し、アリルアルコールのPO付加物(a12)を得た。2級OH比率99%。
製造例3(ポリオールのモノアクリレートの製造例)
アクリル酸72部(1モル)に硫酸0.3部(0.003モル)を触媒として、ジエチレングリコール106部(1モル)を反応させ、水酸化カリウム0.34部(0.006モル)にて中和し、安定剤としてヒドロキノン0.16部(0.1%)を加えて、ジエチレングリコールモノアクリレート(a13)を得た。2級OH比率0%。
製造例4(ポリオールのトリアクリレートの製造例)
アクリル酸216部(3モル)に硫酸0.9部(0.009モル)を触媒として、ペンタエリスリトール1モルにPO4モルを付加させたポリオール(水酸基価610)368部(1モル)を反応させ、水酸化カリウム1.01部(0.018モル)にて中和し、安定剤としてヒドロキノン0.53部(0.1%)を加えて、ペンタエリスリトールPO4モル付加物トリアクリレート(a14)を得た。2級OH比率99%。
製造例5(ポリオールのジアクリレートの製造例)
アクリル酸288部(2モル)に硫酸1.2部(0.012モル)を触媒として、ソルビトール180部(1モル)を反応させ、水酸化カリウム1.35部(0.024モル)にて中和し、安定剤としてヒドロキノン0.60部(0.1%)を加えて、ソルビトールジアクリレート(a15)を得た。2級OH比率95%。
製造例6(ポリオールのモノアクリレートの製造例)
アクリル酸72部(1モル)に硫酸0.3部(0.003モル)を触媒として、プロピレングリコール76部(1モル)を反応させ、水酸化カリウム0.34部(0.006モル)にて中和し、安定剤としてヒドロキノン0.13部(0.1%)を加えて、プロピレングリコールモノアクリレート(a16)を得た。2級OH比率95%。
製造例7(ポリオールのモノアクリレートの製造例)
アクリル酸72部(1モル)に硫酸0.3部(0.003モル)を触媒として、ジプロピレングリコール134部(1モル)を反応させ、水酸化カリウム0.34部(0.006モル)にて中和し、安定剤としてヒドロキノン0.188部(0.1%)を加えて、ジプロピレングリコールモノアクリレート(a17)を得た。2級OH比率99%。
輸送機用パネル状断熱材用フォームの製造<実施例1〜11及び比較例1〜12>
製造例1〜7で得られた化合物(a11〜a17)および上記の原料を使用し、表1および2に記載の原料配合比で、以下に示す発泡処方によりポリウレタンフォームを製造した。得られたフォームの物性評価を表1および2に示す。
土木建築用断熱材用フォームの製造<実施例12〜26及び比較例13〜28>
製造例1〜7で得られた化合物(a11〜a17)および上記の原料を使用し、表3〜5に記載の原料配合比で、以下に示す発泡処方によりポリウレタンフォームを製造した。得られたフォームの物性評価を表3〜5に示す。
<輸送機用パネル状断熱材用フォームの発泡方法>
(1)活性水素成分と有機ポリイソシアネートとをそれぞれ20±2℃に温度調整する。
(2)活性水素成分、整泡剤、発泡剤、触媒等の添加剤の順で容量500ミリリットルのプラスチック製ビーカーに入れて、室温(20±2℃)で撹拌混合し、直ちに表に記載のNCO INDEXとなる量の有機ポリイソシアネートを加え、攪拌機〔ホモディスパー:特殊機化(株)製、攪拌条件:5000rpm×7秒〕を用いて、攪拌して発泡を行った。
(3)攪拌停止後、40℃に温調された400×400×50mmのアルミ製モールドに混合液を注入し(パック率:110%)、10分後脱型し、硬質ポリウレタンフォームを得た。
<土木建築用断熱材用フォームの発泡処方>
(1)活性水素成分と有機ポリイソシアネートとをそれぞれ25±2℃に温度調整する。
(2)活性水素成分、整泡剤、発泡剤、触媒等の添加剤の順で容量500ミリリットルのプラスチック製ビーカーに入れて、室温(25±2℃)で撹拌混合し、直ちに表に記載のNCO INDEXとなる量の有機ポリイソシアネートを加え、攪拌機〔ホモディスパー:特殊機化(株)製、攪拌条件:5000rpm×7秒〕を用いて、攪拌して発泡を行った。
(3)攪拌停止後、予め400×400mmのクラフト紙を上下面に貼り付けた、60℃に温調した450×400×50mmのアルミ製モールド(下面は450mm側が解放状態、混合液注入後すぐに450×400mmの上面モールドを上下面の間隔が50mmとなるように配置する。)に混合液を注入し(パック率:110%)、5分後脱型し、硬質ポリウレタンフォームを得た。
表1〜5におけるフォーム物性の評価方法は以下の通りである。
硬質ポリウレタンフォームの試験は、通常の硬質ポリウレタンフォームの試験法に準じて実施した。寸法安定性の評価は、100mm×100mm×50mmのフォームを切り出し、成形1日後(常温放置)と、低温(−20℃)および湿熱(70℃、湿度95%)の各条件にて放置2日後に、各辺の寸法を測定して体積を求め、成形1日後からの体積変化率を求めた。圧縮強度はJIS A 9514(1979年版)の圧縮強さの試験法に基づいて、発泡方向に平行と垂直の2方向を測定した。成形性は得られたフォームのセル状態によって、下記の基準で判定した。
成形性 ○:液着地点、セル状態良好
△:液着地点、セル荒れあり
×:成型品全体セル荒れあり
Figure 2004149781
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本発明の製法で得られた硬質ポリウレタンフォームは、強度が高く、断熱性が良く、難燃性が良く、特に寸法安定性に優れているため、例えば、冷蔵庫、冷凍庫、建築用などの断熱材として広く利用できる。

Claims (5)

  1. 活性水素成分(A)と有機ポリイソシアネート(B)を、ハイドロフルオロカーボン(HFC)および低沸点炭化水素から選ばれる1種以上からなる発泡剤の存在下に反応させて硬質ポリウレタンフォームを製造する方法において、(A)中に不飽和二重結合と活性水素含有基を有する化合物(a)、脂肪族アミンのアルキレンオキサイド付加物(b)、芳香族アミンのアルキレンオキサイド付加物(c)、および必要により多価アルコールもしくは多価フェノールのアルキレンオキサイド付加物(d)を含有することを特徴とする硬質ポリウレタンフォームの製造方法。
  2. 活性水素成分(A)と有機ポリイソシアネート(B)を、ハイドロフルオロカーボン(HFC)および低沸点炭化水素から選ばれる1種以上からなる発泡剤の存在下に反応させて硬質ポリウレタンフォームを製造する方法において、(A)中に不飽和二重結合と活性水素含有基を有する化合物(a)、3〜5価の多価アルコールもしくは多価フェノールのアルキレンオキサイド付加物(d1)、6価以上の多価アルコールもしくは多価フェノールのアルキレンオキサイド付加物(d2)、および必要により脂肪族アミンのアルキレンオキサイド付加物(b)と芳香族アミンのアルキレンオキサイド付加物(c)から選ばれる一種以上を含有することを特徴とする硬質ポリウレタンフォームの製造方法。
  3. (a)の不飽和二重結合が(メタ)アクリロイル基および/またはアリル基である請求項1または2記載の硬質ポリウレタンフォームの製造方法。
  4. (a)の活性水素含有基がヒドロキシル基および/またはメルカプト基である請求項1〜3のいずれか記載の硬質ポリウレタンフォームの製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか記載の製造方法により得られる硬質ポリウレタンンフォームからなる断熱材。
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