JP2004149333A - 海生生物の付着・繁殖に適したコンクリート構造物及びコンクリート構造物中の鉄筋の腐食の抑制方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】海水に接してから6ヶ月後の塩化物イオンの浸透深さが0〜35mmである海水に接する環境下で用いるのに適した劣化速度が遅いコンクリート構造物。また、コンクリート構造物表面に海生生物を付着・繁殖させることによってコンクリート構造物中の鉄筋の腐食を抑制する方法。表面が海生生物によって覆われたコンクリート構造物は、塩化物イオン等、構造物の劣化要因となる物質の構造物内部への滲入が抑制され、耐久性が大きく向上される。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、海水に接する環境下で用いるのに適した劣化速度が遅いコンクリート構造物に関する。詳細には、本発明は、海水に接する環境下で用いられて、表面における海生生物の付着・繁殖を促進させることによって耐久性を向上させるコンクリート構造物及びコンクリート構造物中の鉄筋の腐食の抑制方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、海水に接する環境下で用いられる構造物は、海生生物の付着・繁殖を防ぐことに主眼が置かれてきた。例えば、海水が冷却水として使用される原子力や火力発電所等では、冷却器表面や取水溝、排水溝に海生生物が着生し、成育し、繁殖する結果、冷却効率が低下したり、海水の流れが悪くなるという問題があった。かかる問題を解決するために、定期的にプラントを止めて清浄を行ったり、取水溝に海生生物の付着・繁殖を抑制する薬剤を注入する等の研究がなされてきた。
【0003】
また、海水に接する環境下で用いられるコンクリート構造物は、常時海水中の塩化物に曝され、塩化物イオンがコンクリート中に滲入して、内部の鉄筋を腐食させるため、陸上で用いられるコンクリート構造物に比べて耐久性が著しく劣るという問題があった。
【0004】
このような問題を解決するために、海水に接する環境下で用いられるコンクリート構造物には、従来から防食処理が施されてきた。このような防食処理技術の一つは、コンクリート構造物表面に樹脂等の表面被覆を施して鋼材の腐食因子の滲入を抑制する方法、第二は、コンクリート構造物内部に樹脂を塗装した鉄筋等の防食性の鋼材を使用して腐食を防止する方法等である。
【0005】
しかし、従来からの防食処理技術は、処理に余分な費用や時間が掛かり、樹脂等の表面被覆材が時間経過とともに劣化するため、定期的に保全しなければならず、また樹脂等の表面被覆材は、溶解して環境や人体に悪影響を及ぼす等の問題があった。
このように、海生生物、特にフジツボ類、カキ類のような着生性動物の付着・繁殖に適したコンクリート自体の性質に着目した研究はなされていない。
【0006】
一方、海水に接する環境下で用いられるコンクリート構造物の表面に海生生物を付着・繁殖させる技術としては、珪藻類、海藻類の着生・繁殖を促すことを目的とする分野で用いられるコンクリート製魚礁等が挙げられる。このような目的に使用されるコンクリート構造物は、付着した生物が波や潮流によって流出するのを防ぐために、表面にポケットや凹凸を付ける等の意匠的な工夫がなされてきた。このような従来の魚介類繁殖用コンクリート構造物は、珪藻類、海藻類の付着・繁殖を促すことを目的とするもので、構造物の耐久性を向上させるフジツボ類、カキ類の着生・繁殖を促すことを目的としておらず、本質的に本発明と目的を異にする。また、魚介類繁殖用コンクリート構造物を作製するために使用する型枠が特殊であり、一般的な土木・建築工事用型枠を使用することができず、特殊な型枠を造る必要があり、岸壁等の大構造物に適用するのは困難であった。
【0007】
このように、従来、海生生物、特にフジツボ類、カキ類のような着生性動物を積極的に利用するため、かかる着生性動物の付着・繁殖に適したコンクリート自体の性質に着目した研究はなされていない。
【0008】
本発明は、第24回コンクリート工学講演会において、平成14年6月21日に発表したものであり(非特許文献1参照)、特許法第30条第1項の適用を受けるものである。
【0009】
【非特許文献1】
「コンクリート工学年次論文集」、日本コンクリート工学協会発行、2002年6月8日発行、第24巻、第1号、p.675−686
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
海生生物、特にフジツボ類、カキ類のような着生性動物の着生・繁殖に適したコンクリート構造物を見出し、付着した生物により塩化物イオン等、構造物の劣化要因となる物質の構造物内部への滲入を抑制することにより、耐久性に優れた海洋環境保全に資する構造物を提供しようとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
発明の概要
上述した課題は、本発明によって解決される。すなわち、本発明は、海水に接してから6ヶ月後の塩化物イオンの浸透深さが0〜35mmである海水に接する環境下で用いるのに適したコンクリート構造物である。また、本発明は、コンクリート構造物表面に海生生物を付着・繁殖させることによってコンクリート構造物中の鉄筋の腐食を抑制する方法でもある。
【0012】
【発明の実施の形態】
発明の具体的な説明
海洋構造物は高濃度の塩分環境下に曝されており、特に鉄筋コンクリート構造物は非常に厳しい環境下にある。
【0013】
一方、海生生物、特にフジツボ類、カキ類のような着生性動物は、底殻組織を有し、構造物に密接に付着し、死滅した後にも、甲殻は流出されるが、底殻は、構造物表面上に密接に付着されたまま残る。フジツボ底殻部分は約50μm程度の厚さを持ち、またそれの主成分はタンパク質のセメントとカルサイトとの複合材料で、セメントペーストよりも緻密な組織を形成する。従って、コンクリート構造物表面上に生物付着層が生成されることで、コンクリート構造物表面が緻密になっていると考えられる。この生物付着層のある箇所の表層の塩化物イオン拡散係数は、生物付着層のない箇所の表層の塩化物イオン拡散係数に比べて約1/100程度になることが認められた。また、海生生物は、すでに付着した生物上に重なるようにして付着・成長する性質が認められ、これより、海洋構造物は、材齢が長くなる程、生物付着層の量が多くなり、塩化物イオン等、構造物の劣化要因となる物質の構造物内部への滲入を抑制する効果が顕著になる。
【0014】
生物付着と塩化物イオン拡散係数との関係を図1に示す。図1から明らかな通りに、生物付着面積率が大きくなる程塩化物イオン拡散係数は小さくなる傾向を示しており、生物付着層により塩化物イオンの浸透が抑制されると考えられる。また、生物付着と鉄筋腐食速度との関係を図2に示す。図2から明らかな通りに、生物付着面積率が大きくなる程鉄筋腐食速度が小さくなる傾向が認められ、生物付着層の鉄筋腐食抑制効果が認められる。
【0015】
生物がコンクリート構造物に付着することにより、コンクリート構造物の耐用年数に与える効果の一例(あるいは試算結果)を下記の表1に示す。
【表1】
表1から明らかな通りに、海洋コンクリート構造物は、生物が付着しない場合には耐用年数が約16年であるの対し、生物が面積率で40%程度付着すると塩化物イオン拡散係数及び腐食速度はそれぞれ1/2程度に低減され、耐用年数は約2倍になるのが認められる。また、生物付着面積率が100%となると耐用年数は約3倍になるのが認められる。このように、鉄筋コンクリート構造物は、フジツボ類、カキ類のような着生性動物が付着することにより、塩化物イオン等、構造物の劣化要因となる物質の構造物内部への滲入が抑制され、耐用年数が大幅に延長される。
【0016】
本発明は、一実施態様では、フジツボ類、カキ類のような着生性動物が付着するのに適したコンクリート構造物及びコンクリート構造物中の鉄筋の腐食の抑制方法を提供するものである。本発明は、理論によって束縛されることを望むものではないが、フジツボ類は、他の生物と同様に、主に中性環境を好み、極端な酸性やアルカリ性環境では生育するのが困難であり、コンクリートは、組織が硬化するのに伴い、水酸化カルシウムが生成して表面から溶出するため、コンクリート表面は、強アルカリ性環境となる。従って、通常のコンクリート表面では、フジツボ類を含む海生生物が早くから着生・繁殖するのが困難であったと考えられる。コンクリートは、高い、一般にpH12.5程度のアルカリ性を示し、このような強アルカリ性の領域では生物は近づき難い。一方、コンクリート表面のアルカリ度は、セメントや混和材や混和剤等の材料にすべて支配されるものではなく、材料が反応することによって生成される物質や構造物の緻密度に関係する等、複雑であることが分かった。そのため、コンクリート表面のアルカリ度を緩和すれば、海生生物が近づき易いことが分かっても、コンクリート表面のアルカリ度の中和化は、一義的には達成できない。
【0017】
そこで、本発明等は、海生生物の付着・繁殖及びコンクリート構造物中の鉄筋の腐食の抑制を目的として、コンクリート構造物を実海洋環境下に暴露して、コンクリート構造物の配合成分及び配合割合と海生生物の付着・繁殖との関係を調査した。その結果、本発明等は、コンクリート構造物中の塩化物イオン拡散速度を低減させる程に、また、コンクリート構造物の内部構造を緻密化させる程に、コンクリート構造物表面上の海生生物の付着・繁殖に適することを見出して本発明をなすに至った。
【0018】
本発明のコンクリート構造物は、海水に接してから6ヶ月後の塩化物イオンの浸透深さが0〜35mm、好ましくは0〜30mmであることを特徴とする。本発明において「海水に接してから6ヶ月後」としたのは、フジツボ類、カキ類のような着生性動物が着生する時期は春〜夏期であるが、構造物の作製・進水時期を合わせることが非常に困難であることから、コンクリート構造物がどの時点で海水に接しても6ヶ月経過すれば、着生性動物が着生する時期にかかるものと考えたからである。
【0019】
そこで、本発明では、コンクリート構造物を養生した後に、海水に接してから6ヶ月経過した後の塩化物イオンの浸透深さが0〜35mmとなるように作製したコンクリート構造物を、海水中に設置した後に、フジツボ類、カキ類のような着生性動物を積極的に付着させるものである。塩化物イオンの浸透量・深さは、日本コンクリート工学協会規準(案)JCI−SC4「硬化コンクリート中に含まれる塩分分析方法」に従って求めた。
【0020】
本発明の海水に接してから6ヶ月後の塩化物イオンの浸透深さが0〜35mmである海生生物の付着に適したコンクリート構造物は、使用する成分を選定することなどにより達成することができる。
【0021】
本発明のコンクリート構造物は、セメント、細骨材、必要に応じて粗骨材、混和剤や混和材を混和し、これに水を加えて良く練り、固化させて造る。本発明のコンクリート構造物は、モルタル製の構造物も含む。
【0022】
本発明のコンクリート構造物において使用するセメントは、特に種類を限定するものでなく、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント、高炉セメント、フライアッシュセメント、等である。
【0023】
本発明のコンクリート構造物において使用するセメントは、150〜600kg/m3の量で使用するのが普通であり、150〜450kg/m3の量で使用するのが好ましい。また、細骨材、必要に応じて粗骨材は、一般に使用される範囲内の量で使用する。
【0024】
コンクリート構造物製造時には、目的に応じて混和材や混和剤が混和されるのが普通である。
本発明のコンクリート構造物に混和される混和材としては、高炉スラグ微粉末、フライアッシュ、シリカフューム、石粉等を挙げることができ、これらに限定しない。
【0025】
本発明において、高炉スラグ微粉末を使用する場合、セメント100重量部に対して90重量部以下の量にし、20〜70重量部にするのが好ましい。フライアッシュを使用する場合、セメント100重量部に対して90重量部以下の量にし、5〜30重量部にするのが好ましい。シリカフュームを使用する場合、セメント100重量部に対して50重量部以下の量にし、5〜30重量部にするのが好ましい。石粉を使用する場合、セメント100重量部に対して70重量部以下の量にし、10〜50重量部にするのが好ましい。
【0026】
また、混和材メーカーによって製造、販売されている膨張材、高強度混和材等の混和材も使用目的に応じて有効である。これらを本発明において使用する場合、それぞれ販売業者の推奨する添加量範囲内で用いる。特に、高強度混和材は、コンクリート構造物を緻密化するのに有効であり、構造物の劣化要因となる物質の構造物内部への滲入を抑制するため好適である。
【0027】
コンクリートに混和する混和剤は、特に種類を限定するものでなく、減水剤、AE減水剤、高性能AE減水剤などを使用することができ、これらには、ナフタレン系、リグニン系、ポリカルボン酸系、オキシカルボン酸系がある。混和剤の使用量は、練り上がったコンクリートの性状が良好となる範囲で、かつそれぞれ販売業者の添加量範囲内で用いる。高性能減水剤は高い減水効果を有し、コンクリート構造物を緻密化するのに有効であり、構造物の劣化要因となる物質の構造物内部への滲入を抑制するため好適である。
【0028】
水セメント比は、鉄筋を設置しないAEコンクリートの場合、使用される部位により飛沫帯で55%以下、海中部で60%以下と定められており、より低い方が好ましい。水セメント比が小さい程、構造物を緻密化するのに有効であり、構造物の劣化要因となる物質の構造物内部への滲入を抑制するため好適である。
【0029】
本発明は、別の実施態様では、炭酸化されたコンクリート構造物を提供するものである。炭酸化されたコンクリート構造物は、海洋中に設置した際に、コンクリート表面のアルカリ度が緩和され、海生生物が付着し易い環境を創り出し、ひいては付着した生物により塩化物イオン等、構造物の劣化要因となる物質の構造物内部への滲入を抑制し、耐久性を向上させることができる。
【0030】
このように炭酸化されたコンクリート構造物は、例えば、コンクリートを打設した後に数日間養生し、脱型し、更に数日間養生して構造物とし、得られたコンクリート構造物を炭酸ガス含有の雰囲気に暴露することによって得ることができる。炭酸化は、コンクリート構造物に悪影響を与えない温和な条件で処理を行うのが望ましい。
【0031】
【実施例】
本発明を、以下に実施例によって説明する。
比較例1及び実施例1〜5
比較例1として、下記の表2のAに示す通りの配合成分及び量を用いて試験体を作製した。これは従来使用されている典型的なコンクリート構造物を表わす。実施例1及び2として、それぞれ高炉スラグ微粉末、フライアッシュを使用し、下記の表2のB及びCに示す通りの配合成分及び量を用いて試験体を作製した。
実施例3〜5として、それぞれ、低水セメント比で、普通ポルトランドセメントのみ、普通ポルトランドセメント+高強度混和材、普通ポルトランドセメント+フライアッシュ+高強度混和材を使用し、下記の表2のD〜Fに示す通りの配合成分及び量を用いて試験体を作製した。
表2において用いた粗骨材の最大寸法は25mmであり、目標スランプ及び空気量は一般的な値である12±2.5cm、4.5%、3.0%とした。
試験体の寸法は、30cm×30cm×10cmであった。
【0032】
上記の通りにして作製した各々の試験体を28日間養生した後に、静岡県清水港及び熊本県本渡港において実際に干潮帯に浸漬し、1年8ヶ月後に取り出して試験体の重さを測定し、表面に付着した生物の量を求めた。各々の試験体について、6ヶ月後の塩化物イオンの浸透量・深さを測定した結果を、1年8ヶ月間暴露した後に得られた増加質量と共に下記の表3に示す。
表3において、増加質量は、海藻類を除いたフジツボ類等の着生性動物の量である。海生生物の付着は、試験体が海水と接してから最大で6ヶ月以降に始まるが、着生初期は微小な幼生であり、生長して底殻が形を成してから塩化物イオン等の滲入抑制効果が現れることから、より時間が経過した方が効果の傾向が顕著となる。また、塩化物イオンの浸透量・深さの測定は、下記の通りにして行った:試験体切断面に硝酸銀溶液を噴霧して変色した領域から概ねの塩化物イオン浸透領域を確認し、φ12mmのドリルによって穿孔して深さ5mm毎に粉末試料を採取した。塩化物含有量試験を行い、最深部の塩化物イオン浸透量が高い値を示している場合は、値が0に近づくまで試料採取・試験を繰り返した。
表3及び表5において、塩化物イオン浸透深さは、「0〜5mm」を除いて、最小値は含まれない。例えば、「5〜10mm」の範囲は、「5mmよりも深い〜10mm」の範囲を意味し、5mmは含まれない。以降、同様である。
【0033】
【表2】
【0034】
【表3】
【0035】
表3に示す結果から明らかな通りに、コンクリート構造物中の塩化物イオン拡散速度が低減する程生物付着の効果が顕著となっている。また、混和材又は混和剤を使用することにより、或は水セメント比を低くすることにより生物付着の効果が顕著となっている。このことより、生物がある程度供試体表面を覆うまでの期間、塩化物イオンの滲入に対する抵抗性が優れている材料の選定が重要である結果となっている。更に、混和材又は混和剤を使用したり、水セメント比を低くすることは、供試体が一層緻密になることを意味するもので、供試体が緻密化する程、付着生物の効果が顕著となっている。このことは、供試体が緻密化する程、コンクリート表面における水酸化カルシウムの生成・溶出が抑制され、ひいてはコンクリート表面のアルカリ性環境が抑制されるため、海生生物が一層近づき易い環境が得られるためと考えられる。水セメント比を低くしたり、フライアッシュ及び高強度混和材を混和することにより、生物付着の効果が特に顕著となっている。
【0036】
実施例6及び比較例2
下記の表4に示す通りの配合成分及び量を用いて試験体L及びMを作製した。Lは、コンクリートを打設した後に3日間水中養生し、脱型し、更に7日間水中養生し、得られた試験体を20℃、相対湿度60%、CO2濃度5%の雰囲気下で炭酸化し、表面から10mm炭酸化した時点で処理を終了した。一方、Mは、このような処理を行わなかった。
【0037】
試験体L及びMを、炭酸化を行わなかった試験体Aと共に、清水港において海中に浸漬し、1年後に取り出して試験体の重さを測定し、表面に付着した生物の量を求めた。試験体L及びMついて、6ヶ月後の塩化物イオンの浸透量・深さを測定した結果を、1年間暴露した後に得られた増加質量と共に下記の表5に示す。Lの1年後の生物付着量を、炭酸化を行わなかったA及びMの1年後の生物付着量と比べて図3に示す。図3から、Lの生物付着量はA及びMに比べて多く、炭酸化を行うことによって生物付着量が増加する傾向が見られる。
【0038】
【表4】
【0039】
【表5】
【0040】
【発明の効果】
コンクリート構造物中の塩化物イオン拡散速度が低減する程生物付着の効果が顕著となる。また、混和材又は混和剤を使用することにより、或は水セメント比を低くすることによりコンクリート構造物が緻密化する程、付着生物の効果が顕著となる。更に、コンクリート構造物に炭酸化を施すことにより、付着生物の効果が顕著となる。
このようにしてコンクリート構造物表面を海生生物が一層近づき易い環境にすることにより、コンクリート構造物表面上における海生生物の付着・繁殖を促進し、付着した生物により塩化物イオン等、構造物の劣化要因となる物質の構造物内部への滲入を抑制することにより、耐久性に優れた海洋環境保全に資する構造物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】コンクリート構造物における生物付着と塩化物イオン拡散係数との関係を示す。
【図2】コンクリート構造物における生物付着と鉄筋腐食速度との関係を示す。
【図3】試験体Lの暴露1年後の生物付着量を、炭酸化を行わなかった試験体A及びMの暴露1年後の生物付着層と比べて示す。
Claims (11)
- 海水に接してから6ヶ月後の塩化物イオンの浸透深さが0〜35mmである海生生物の付着・繁殖に適したコンクリート構造物。
- 混和材及び/又は混和剤が混和された請求項1のコンクリート構造物。
- 混和材が、高炉スラグ、フライアッシュ、シリカフューム、及び石粉からなる群より選ばれた一種又は二種以上である請求項2のコンクリート構造物。
- 炭酸化され、海水に接してから6ヶ月後の塩化物イオンの浸透深さが0〜35mmである海生生物の付着・繁殖に適したコンクリート構造物。
- コンクリート構造物表面に海生生物を付着・繁殖させることによってコンクリート構造物中の鉄筋の腐食を抑制する方法。
- 構造物表層部の塩化物イオン拡散速度を低減させる請求項5の方法。
- コンクリート構造物を、海水に接してから6ヶ月後の塩化物イオンの浸透深さが0〜35mmになるように造る請求項6の方法。
- コンクリート構造物の微細組織を緻密化させる請求項5の方法。
- 混和材及び/又は混和剤を混和する請求項8の方法。
- 混和材が、高炉スラグ、フライアッシュ、シリカフューム、及び石粉からなる群より選ばれた一種又は二種以上である請求項9の方法。
- コンクリート構造物を炭酸化してなる請求項5の方法。
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