JP2004148280A - 金属化合物担持吸着材およびガス吸着材およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】吸着材表面に均一に金属酸化物乃至金属化合物を担持させることにより、低圧下であっても多量の天然ガスを効率よく吸着できる吸着材を提供する。
【解決手段】有機金属化合物を吸着材と混合する工程、該混合物を不活性ガス雰囲気にて該有機金属化合物の融解温度以上分解点以下の温度で焼成する工程、該焼成物を不活性ガス雰囲気にて該有機金属化合物の分解点以上の温度で焼成する工程を含む金属酸化物乃至金属化合物担持吸着材の製造方法。
【選択図】図1
【解決手段】有機金属化合物を吸着材と混合する工程、該混合物を不活性ガス雰囲気にて該有機金属化合物の融解温度以上分解点以下の温度で焼成する工程、該焼成物を不活性ガス雰囲気にて該有機金属化合物の分解点以上の温度で焼成する工程を含む金属酸化物乃至金属化合物担持吸着材の製造方法。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規な金属化合物担持活性炭及びその製造方法、該担持活性炭を用いたガス吸着材、ガス貯蔵方法、ガス貯蔵装置、ガス自動車、ガス貯蔵タンク及びLNG貯蔵装置に関する。
【0002】
【従来の技術およびその課題】
天然ガスは、石油の約2倍の埋蔵量が見込まれており、発熱量に対する二酸化炭素の排出量も少ないうえ、含有されている硫黄分も簡単に除去できるため、クリーンなエネルギー源として注目されている。そこで、近年、加熱や発電用のエネルギー源など従来の用途以外に自動車用の燃料として使用することが検討されている。
【0003】
天然ガスを高密度で貯蔵する方法として、一般に、天然ガスの主成分のメタンの臨界温度である−83℃以下に冷却、圧縮して液化天然ガスとして貯蔵する方法、及び、常温、高圧下で圧縮天然ガスとして貯蔵する方法が知られている。
【0004】
しかし、液化天然ガスとして貯蔵する方法は、大規模な冷却、圧縮設備が必要なため、設備費が高価なものとなる。また、自動車のような移動型の必要な分野では使用が困難である。一方、圧縮天然ガスとして貯蔵する方法は、液化天然ガスに比べるとエネルギー密度が低く、200kgf/cm2程度の圧力詰めの圧縮天然ガスであっても、そのエネルギーは、同体積のガソリンの約1/3にしか相当しない。しかも、高圧ボンベを用いるので、大型で重量の大きな耐圧容器や調圧弁が必要となる。
【0005】
上記のような大型設備を必要とせず、しかも比較的低圧で天然ガスを貯蔵する方法としてボンベ等の耐圧容器にガスを加圧下に吸着させることにより貯蔵する方法が提案されている。例えば特許文献1(特開昭49−104213号公報)には、不純物を取り除いた純粋化されたガスを、吸着材を配設した圧力タンクに貯蔵する方法が開示されている。この方法によれば、吸着材のポア内では気相バルクに比べて分子間距離が小さくなるために、比較的低圧でも高圧圧縮ガスと同量のガスを貯蔵することが可能となる。その結果、耐圧容器や調圧弁を軽量化することができる。
【0006】
ボンベ等に充填する吸着材については、活性アルミナ、シリカ、ゼオライト及び活性炭については評価がなされ、活性炭が最も優れた吸蔵能力を有することが報告されている(A. Golovoy, Compress.Nat.Gas, 36 (1983))。また天然ガスやメタンを吸着する吸着材については、カーボンモレキュラーシーブを用いた吸着材(特許文献2:特開昭59−157036号公報)、カーボンモレキュラーシーブや特殊ゼオライトを用いた吸着材(特許文献3:特開昭62−109890号公報)が知られている。さらに、特許文献4(特開昭63−501009号公報)には、炭素質原料を不活性雰囲気下、特定のアルカリ熱液体混合物により賦活して得られる高比表面積活性炭を、メタン等の炭化水素の吸着材として使用することが開示されている。さらにまた、各種活性炭のメタン吸着量からの測定結果から、高比表面積活性炭(アモコ社製 GX−32)が高い吸着量を示すことが報告されている(非特許文献1:Barton, ”Fundamentals of adsorption”, 65(1984))。
【0007】
一方、活性炭によるメタンの理論的な物理吸着の限界を、分子シミュレーションによって求められる研究成果が知られている。例えば、マイヤー(Myers)らは、活性炭のスリットポアの幅がメタン2分子程度(約11.6Å)で、ポア壁が炭素面一面で構成されるような仮想した活性炭の吸着量を計算した結果、その吸着量は、実在する高比表面積活性炭(アモコ社製 GX−32)の吸着量の120%程度であったことを報告している(非特許文献2:Chem.Eng.Sci., 47, 1569(1992))。
【0008】
しかし、上記に示された吸着量であっても、そのエネルギー密度は、液化天然ガスやガソリンのエネルギー密度と比較すると大きく下回っている。従って、これらの活性炭を充填したボンベを搭載した天然ガス自動車の1回のガス充填で走行できる航続距離は短く、上記のような活性炭を充填した天然ガス貯蔵装置は実用化できるものではなかった。さらに、従来の金属添着方法では、活性炭内部のミクロポア内にも金属化合物が担持されるため、ガス吸蔵能が低下していた。
【0009】
特許文献5及び特許文献6には、活性炭表面に金属単体又は金属酸化物を担持したガス吸着材としての金属化合物担持活性炭が開示されているが、特許文献5及び特許文献6の実施例では、有機金属化合物または金属錯体の融解前に分解が起こるため、吸着材表面への吸着の均一性/再現性に劣り、得られたガス吸着材の品質が安定しない欠点があった。
【0010】
従って、本発明の目的は、吸着材表面に均一に金属化合物を担持させることにより、低圧下であっても多量の天然ガスを効率よく吸着できる吸着材を提供するとともに、ガス貯蔵を簡便に行えるガス貯蔵方法およびガス貯蔵装置、それを備えたガス自動車、吸着式ガス貯蔵タンク及びLNG貯蔵装置を得ることにある。
【0011】
【特許文献1】
特開昭49−104213号公報
【0012】
【特許文献2】
特開昭59−157036号公報
【0013】
【特許文献3】
特開昭62−109890号公報
【0014】
【特許文献4】
特開昭63−501009号公報
【0015】
【特許文献5】
特開2000−233913号公報
【0016】
【特許文献6】
特開2000−233914号公報
【0017】
【非特許文献1】
Barton, ”Fundamentals of adsorption”, 65(1984)
【0018】
【非特許文献2】
Chem.Eng.Sci., 47, 1569(1992)
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記のような課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、ガスを化学吸着し得る金属化合物、特に金属酸化物、金属水酸化物ないし金属単体を、新規な方法により吸着材表面に均一に担持すると、低圧下であってもメタンの平衡吸着量が高い値を示し、意外にも理論的吸着量を超える量のガスが吸着されることを見出し、本発明を完成させた。
【0020】
本発明は、項1〜項16を提供するものである。
項1. 有機金属化合物を吸着材と混合する工程、該混合物を不活性ガス雰囲気にて該有機金属化合物の融解温度以上分解点以下の温度で焼成する工程、該焼成物を不活性ガス雰囲気にて該有機金属化合物の分解点以上の温度で焼成する工程を含む金属化合物担持吸着材の製造方法。
項2. 有機金属化合物を混合する工程、該混合物を不活性ガス雰囲気にて該有機金属化合物の分解点以上の温度で焼成する工程を含む金属化合物担持吸着材の製造方法。
項3. 有機金属化合物が脂肪酸金属塩である項1または2に記載の方法。
項4. 脂肪酸金属塩がステアリン酸金属塩、イソステアリン酸金属塩、12−ヒドロキシステアリン酸金属塩、ベヘニン酸金属塩、リノレン酸金属塩、リノール酸金属塩、ウンデシレン酸金属塩、ラノリン脂肪酸金属塩、パルミチン酸金属塩、オレイン酸金属塩、ミリスチン酸金属塩およびラウリン酸金属塩からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属塩である項3に記載の方法。
項5. 有機金属化合物の金属種が周期表の2A族、6A族、7A族、8族、1B族、2B族または3B族の金属である項1または2に記載の方法。
項6. 有機金属化合物の金属種がマグネシウム、カルシウムまたはニッケルである項1または2に記載の方法。
項7. 吸着材が活性炭、ゼオライト、シリカゲル、金属錯体よりなる項1または2に記載の方法。
項8. 有機金属化合物の添加量が吸着材に対して1重量%から50重量%である項1〜7のいずれかに記載の方法。
項9. 有機金属化合物が吸着材に対して、金属酸化物換算として0.1重量%〜20重量%配合される項1〜7のいずれかに記載の方法。
項10. 項1〜9のいずれかに記載の方法により得ることができる金属化合物担持吸着材。
項11. 金属化合物が吸着材表面に均一に吸着された金属化合物担持吸着材。
項12. 項10または11に記載の金属化合物担持吸着材からなるガス吸着材。
項13. 貯蔵対象のガスが出入り可能な出口(5a)、(5b)と容器内のガスを圧力状態で保持可能な保持機構(6)とを備え、圧力容器(4)を備えたガス貯蔵装置であって、前記圧力容器(4)内に項12に記載のガス吸着材を備え、メタンを主成分とするガスを貯蔵対象とするガス貯蔵装置。
項14. 項13に記載のガス貯蔵装置(1)を備え、ガス貯蔵装置(1)から供給されるメタンを主成分とするガスからの駆動力を得る内燃機関(3)を備えたガス自動車。
項15. 項12に記載のガス吸着材を含むことを特徴とする吸着式ガス貯蔵タンク。
項16. LNGタンクと項10または11に記載の吸着材を充填した吸着充填タンクを連結し、LNGタンクの圧力が所定値以上に高くなった場合に、一定量の蒸発ガスが吸着式充填タンクに充填されるようにしてなるLNG貯蔵装置。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の主たる特徴はメタンを吸着し得る金属化合物を吸着材表面に担持する際の使用原料種およびその添着方法にあり、金属化合物原料として有機金属化合物を用い、該有機金属化合物を溶融状態として吸着材表面にコーティングすることで、有機金属化合物を吸着材表面に均一にコーティングすることを可能にした点にある。
【0022】
本明細書において、吸着材表面に有機金属化合物又はその焼成物である金属酸化物、金属単体、金属水酸化物などの金属化合物を担持するとは、吸着材表面にほとんどあるいは全ての金属酸化物、金属単体、金属水酸化物などの金属化合物が担持され、吸着材の内部にはほとんどあるいは全く担持されないことを意味する。従って、吸着材表面のみに担持される場合も含まれる。
【0023】
本発明の製造方法において、原料の有機金属化合物は、融点が50℃から300℃で、分解温度が100℃〜600℃のものであればよく、分解温度は融点よりも好ましくは10℃以上、より好ましくは20℃以上高いものである。具体的には、有機(モノ、ジ、トリ)カルボン酸金属塩が例示され、より好ましくは脂肪酸金属塩が例示される。脂肪酸の金属塩としては、ステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ベヘニン酸、リノレン酸、リノール酸、ウンデシレン酸、ラノリン脂肪酸などの炭素数6〜20,好ましくは炭素数10〜18の脂肪酸の金属塩が挙げられる。金属としては、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムなどの周期表2A族の金属;クロム、モリブデンなどの6A族の金属;マンガン、レニウムなどの7A族の金属;鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウムなどの8族の金属;銅、銀などの1B族の金属;亜鉛、カドミウムなどの2B族の金属;アルミニウム、ガリウムなどの3B族の金属等が含まれる。これらの金属のうち、好ましい金属として、マグネシウム、カルシウム、バリウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、カドミウム、アルミニウムが挙げられる。これら金属は、1種又は2種以上を混合して使用できる。
【0024】
前記金属化合物には、上記金属の酸化物、単体及び水酸化物、並びに、有機金属化合物が焼成により金属酸化物に変換されるまでの物質、例えば原料の有機金属化合物やその部分分解物が含まれる。吸着材に担持される好ましい金属化合物は、金属酸化物、金属水酸化物ないし金属単体であり、より好ましくは金属酸化物である。
【0025】
有機金属化合物を担持した吸着材の焼成温度は、有機金属化合物の融点、分解点、分解のしやすさの程度等により異なり、特に限定されないが、通常100〜1500℃程度、好ましくは200〜700℃程度、より好ましくは、400〜600℃程度である。焼成時間は、有機金属化合物が分解する温度であれば特に限定されないが、通常30分から24時間程度、好ましくは1〜10時間程度である。焼成は不活性雰囲気、例えばアルゴン、窒素中で行うのが好ましい。焼成を還元的雰囲気で行うと、有機金属化合物の焼成・分解後に金属単体が得られ得る。焼成前に金属表面に付着した有機金属化合物の融点以上分解点以下で30分から5時間程度前処理することにより、有機金属化合物の吸着材表面へのコーティングの均一性をより高くすることができ、結果としてガス吸着量をさらに向上させることが可能になる。
【0026】
吸着材としては、活性炭、ゼオライト、シリカゲル、金属錯体が例示される。
【0027】
活性炭は、木炭、ヤシ殻炭、石炭、のこ屑の他、石油や石炭系ピッチ、セルロース、ポリアクリロニトリル、フェノール、レーヨンなどの合成樹脂等のいずれを原料としたものであってもよい。
【0028】
活性炭の形状は、特に限定されず、粉末活性炭、粒状活性炭、繊維状活性炭のいずれでもよい。さらに、前記粉末活性炭、粒状活性炭、繊維状活性炭などをバインダーを用いて粒状、ペーパー状、その他適宜の形状に成形して使用することもできる。成形に際しては、前記のバインダーの他、パルプなどの繊維なども使用できる。成型法としては、例えば、前記活性炭をプレス機を用いた圧縮成型法、吸引成形型を用いて吸引し成形する吸引成型法、活性炭を含む組成物を押し出して成形する押出成型法などが採用できる。
【0029】
活性炭は、大きな比表面積及び細孔容積を有している。そのため、メタン吸着量が著しく多い。活性炭のメタン吸着量は、活性炭表面近傍のメタン濃度(分圧)と活性炭の吸着活性点数との関数として表すことができ、高表面積活性炭では、吸着活性点数が多いため、高いメタン吸着量を示す。
【0030】
活性炭のBET比表面積としては、例えば300m2/g以上、好ましくは500m2/g以上、さらに好ましくは700〜4600m2/g、特に1000〜4600m2/g程度である。
【0031】
好ましい活性炭として、例えば光学的異方性の多孔質炭素微小粒状活性炭(以下、微小粒状活性炭と略す)が挙げられる。
【0032】
この微小粒状活性炭は、直径2〜80μm程度の球晶メソカーボンマイクロビーズを、例えばKOHなどの賦活剤で賦活処理することによって得られる活性炭であり、通常、全体の90%以上が粒径80μm以下の粒子からなる。
【0033】
前記微小粒状活性炭は、従来の粉末状活性炭と比較して、著しく大きな比表面積及び細孔容積を有している。そのため金属酸化物や金属化合物の担持量を著しく増大させることができ、吸着材の単位量あたりの天然ガス吸着量を著しく高めることができる。
【0034】
前記微小粒状活性炭の比表面積は、例えば500〜4600m2/g、好ましくは1000〜4600m2/g程度、さらに好ましくは2000〜4600m2/g程度であり、全細孔容積は、例えば0.5〜3.0ml/g、好ましくは0.6〜3.0ml/g、さらに好ましくは0.8〜3.0ml/g程度である。
【0035】
前記微小粒状活性炭は、従来の活性炭に比べて著しく小きな細孔径を有しており、JIS K 1474に準拠したベンゼン吸着能は0.2〜1.0g程度、JIS K 1470に準拠したメチレンブルー吸着能は100〜650ml/g程度であり、従来の活性炭に比べて、著しく大きな吸着能を有している。さらに、形状が略真球状で、しかも粒径分布がシャープであるため、天然ガス貯蔵装置等への充填性に優れている。
【0036】
金属錯体としては、二次元型金属錯体と三次元型金属錯体が挙げられる。
【0037】
二次元型金属錯体としては、特開平9−196296号公報、特開平10−316684号公報などに開示されているジカルボン酸金属錯体を用いることができる。
【0038】
三次元型金属錯体としては、特開2002−267096号公報などに開示されているジカルボン酸金属錯体を用いることができる。
【0039】
特に好ましい有機金属化合物は、ステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、ミリスチン酸、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ベヘニン酸、リノレン酸、リノール酸、ウンデシレン酸、ラウリン酸、ラノリン脂肪酸などの高級脂肪酸金属塩等の金属石鹸(特に、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム)が好ましく使用できる。ステアリン酸金属塩等の金属石鹸は、良好な滑り性を有しており、吸着材との混合性が良好であり、融点以上に加熱した場合の吸着材のコーティングの均一性が特に良好であるため好ましい。
【0040】
吸着材への有機金属化合物の添着方法は、吸着材と有機金属化合物を均一に所定量混合し、不活性ガス雰囲気にて有機金属化合物が融解する温度以上分解点以下の温度にて焼成し、その後分解する温度以上にて再焼成し、目的の吸着材を合成する。また、最初から不活性ガス雰囲気にて有機金属化合物が分解する温度以上にて焼成し、目的の吸着材を合成してもよい。吸着材と有機金属化合物の混合方法は、固体のまま混合するドライ法および有機溶媒中で両者を混同するウエット法のどちらでもよい。
【0041】
有機金属化合物の吸着材に対する混合割合は、焼成後に全ての有機金属化合物が金属酸化物に変換されたとして0.1〜20wt%となる量であり、好ましくは0.1〜10%。より好ましくは0.1〜5%。特に好ましくは0.1〜3%である。
【0042】
このような構成により、意外にも吸着材によるメタンの理論的な物理吸着量を超える量のガスを吸着することができる。特に、低圧下では無担持吸着材及び従来の担持吸着材に比べて著しく高いガス吸着量を示す。
<ガス貯蔵方法>
本発明のガス吸着材を、加圧条件下で、貯蔵の対象となるガス(例えば、メタンを主成分とするガス)を接触させることにより、ガスを吸着し、貯蔵することができる。この貯蔵は、ガスがガス吸着材を構成する金属酸化物乃至金属化合物担持吸着材に吸着されることにより行われ、常温以上(例えば、5℃以上)でも可能である。ガスを吸着したガス吸着材のガス圧(貯蔵容器内の圧力)を減圧することにより、吸着したガスを脱着(放出)させることができる。
【0043】
メタンを主成分とするガスとしては、天然ガスが挙げられ、天然ガスには通常メタンが88〜99%程度含まれている。メタン以外の天然ガス成分としては、エタン、プロパン、ブタン等が挙げられる。
<ガス貯蔵装置>
本発明のガス貯蔵装置においては、圧力容器内に本発明のガス吸着材を備えるので、吸着材が収納されている圧力容器内に、その出入口からメタンを主成分とするガスを圧入することにより、ガス吸着材に吸着させた状態で貯蔵することができる。本発明のガス貯蔵装置においては、例えば、出口側に備えられる弁を開放し、圧力容器内の内圧を低下させることにより、ガスをガス吸着材から脱着させ、貯蔵装置から放出させることができる。
<ガス自動車>
図1に、本発明のガス貯蔵装置を備えたガス自動車2の概略構成を示す。ガス自動車2は、燃料タンク1として本発明のガス貯蔵装置を備えるとともに、燃料タンク1から、タンク内に貯蔵される天然ガスを得て、燃焼用酸素含有ガス(例えば空気)と混合して、その燃焼により走行駆動力を得る内燃機関としてのエンジン3を備えている。
【0044】
燃料タンク1は、いわゆる圧力容器4を備えて構成されるとともに、貯蔵対象のガスが出入り可能な出入口として一対の出口5aと入口5bとを備え、容器4内のガスを加圧状態に維持可能な気密保持機構を構成する一対の弁6を、出口5a及び入口5bそれぞれに備えている。燃料である天然ガスは、ガスステーション7において、加圧状態で、燃料タンク1に充填される。燃料タンク1には、本発明のガス吸着材8が内装されており、ガス吸着材8が天然ガス(メタンを主成分とするガスの一例)を常温、加圧状態で吸着する。
【0045】
燃料タンク1は、通常、常温状態であり、特に冷却されたりすることはなく、気温が上昇する例えば夏場において、すなわち、比較的高温(25〜60℃程度)の温度域においても、その吸着能が高く、有効な使用が図れる。
【0046】
出口側の弁6を開放することにより、吸着状態にあるガスをガス吸着材8から脱着させることができる。脱着したガスをエンジン3側に送って燃焼させることにより、走行駆動力を得ることができる。
<吸着式ガス貯蔵タンク>
従来のガス貯蔵タンク内に、本発明のガス吸着材を入れることにより、タンクの単位体積当たりのガス貯蔵量を増大することができる。
<LNG貯蔵装置>
従来のLNGタンクに、本発明の吸着材を備えた吸着式充填タンクを接続し、これらのタンクの間に安全弁を設けることにより、LNGタンクの圧力が所定圧力(例えば1〜9kg/cm2)以上になった場合に、安全弁を介して蒸発ガス(BOG)が吸着式充填タンクに流れ込み、LNGタンクの内圧を設定値以内に保つことができる。
【0047】
【発明の効果】
本発明の新規製造プロセスによる金属酸化物乃至金属化合物担持吸着材は、メタンを主成分とするガスを化学吸着し得る金属酸化物等が吸着材表面に均一に担持されている。よって、低圧下であっても多量のガスを吸着するので、ガス吸着材として有用である。
【0048】
本発明のガス吸着材によれば、常温条件下の加圧状態で、吸着材の理論的なガスの吸着量を超えた量のガスを吸着することができる。
【0049】
本発明のガス貯蔵方法によれば、メタンを主成分とするガスを、効率よく吸蔵することができる。本発明のガス貯蔵装置によれば、比較的小さい容積中に有効にガスを貯蔵することができる。
【0050】
本発明のガス自動車は、ガス貯蔵能が高いガス貯蔵装置を備えているので、構造上使用しやすい。
【0051】
本発明のガス貯蔵タンクは、単位体積当たりのガス貯蔵量が大きい。
【0052】
本発明のLNG貯蔵装置は、LNGタンクの温度が上昇した場合にも、LNGが吸着式充填タンクに貯蔵され、LNGタンクの圧力を許容範囲内に収めることができる。
【0053】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいてより詳細に説明する。
【0054】
(金属酸化物乃至金属化合物担持吸着材の合成)
実施例1
比表面積1380m2/g、細孔容積0.71ml/g、平均細孔径9Åの破砕椰子殻活性炭4gとステアリン酸マグネシウム0.08gをドライ法にて均一に混合し、その後アルゴンガスを流しながら400℃にて1時間焼成し、MgOが担持された活性炭を得た。
実施例2
焼成する際にまず200℃にて1時間焼成して、その後400℃にて1時間焼成した以外は実施例1と同様にして、MgOが担持された活性炭を得た。
実施例3
比表面積1380m2/g、細孔容積0.71ml/g、平均細孔径9Åの破砕椰子殻活性炭4gとステアリン酸マグネシウム0.40gをドライ法にて均一に混合し、その後アルゴンガスを流しながらまず200℃にて1時間焼成して、さらに500℃に昇温し1時間焼成し、MgOが担持された活性炭を得た。
実施例4
比表面積1555m2/g、細孔容積0.91ml/g、平均細孔径14Åの8−70 meshの破砕石炭系活性炭4gとステアリン酸マグネシウム0.40gをドライ法にて均一に混合し、その後アルゴンガスを流しながら500℃にて1時間焼成し、MgOが担持された活性炭を得た。
実施例5
比表面積1555m2/g、細孔容積0.91ml/g、平均細孔径14Åの8−70 meshの破砕石炭系活性炭4gとステアリン酸カルシウム0.40gをドライ法にて均一に混合し、その後アルゴンガスを流しながら500℃にて1時間焼成し、MgOが担持された活性炭を得た。
実施例6
比表面積1555m2/g、細孔容積0.91ml/g、平均細孔径14Åの8−70 meshの破砕石炭系活性炭4gとステアリン酸ニッケル0.40gをドライ法にて均一に混合し、その後アルゴンガスを流しながら500℃にて1時間焼成し、MgOが担持された活性炭を得た。
(ガス貯蔵性能評価)
実施例1〜6により得られた金属担持活性炭についてメタンの吸着量を測定した。
【0055】
マイクロ天秤を用いた重量法により、メタンガス吸着量を測定した結果を図2、3に示す。なお、図に示す比較例1および比較例2はそれぞれ比表面積1380m2/g、細孔容積0.71ml/g、平均細孔径9Åの破砕椰子殻活性炭および比表面積1555m2/g、細孔容積0.91ml/g、平均細孔径14Åの8−70 meshの破砕石炭系活性炭(すなわち無担持活性炭である。)のメタン吸着性能である。
【0056】
実験条件は、
使用ガス:99.99%メタン
温度:25℃
圧力:0〜3.5MPa
にて各実施例とも行なった。
【0057】
この結果より、本発明の手法により金属酸化物ないし金属化合物を担持することによりメタン吸着性能が向上することが明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】ガス自動車の概略図
【図2】実施例1〜3及び比較例1のガス吸着材のガス吸着能(吸着等温線)を示すグラフである。
【図3】実施例4〜6及び比較例2のガス吸着材のガス吸着能(吸着等温線)を示すグラフである。
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規な金属化合物担持活性炭及びその製造方法、該担持活性炭を用いたガス吸着材、ガス貯蔵方法、ガス貯蔵装置、ガス自動車、ガス貯蔵タンク及びLNG貯蔵装置に関する。
【0002】
【従来の技術およびその課題】
天然ガスは、石油の約2倍の埋蔵量が見込まれており、発熱量に対する二酸化炭素の排出量も少ないうえ、含有されている硫黄分も簡単に除去できるため、クリーンなエネルギー源として注目されている。そこで、近年、加熱や発電用のエネルギー源など従来の用途以外に自動車用の燃料として使用することが検討されている。
【0003】
天然ガスを高密度で貯蔵する方法として、一般に、天然ガスの主成分のメタンの臨界温度である−83℃以下に冷却、圧縮して液化天然ガスとして貯蔵する方法、及び、常温、高圧下で圧縮天然ガスとして貯蔵する方法が知られている。
【0004】
しかし、液化天然ガスとして貯蔵する方法は、大規模な冷却、圧縮設備が必要なため、設備費が高価なものとなる。また、自動車のような移動型の必要な分野では使用が困難である。一方、圧縮天然ガスとして貯蔵する方法は、液化天然ガスに比べるとエネルギー密度が低く、200kgf/cm2程度の圧力詰めの圧縮天然ガスであっても、そのエネルギーは、同体積のガソリンの約1/3にしか相当しない。しかも、高圧ボンベを用いるので、大型で重量の大きな耐圧容器や調圧弁が必要となる。
【0005】
上記のような大型設備を必要とせず、しかも比較的低圧で天然ガスを貯蔵する方法としてボンベ等の耐圧容器にガスを加圧下に吸着させることにより貯蔵する方法が提案されている。例えば特許文献1(特開昭49−104213号公報)には、不純物を取り除いた純粋化されたガスを、吸着材を配設した圧力タンクに貯蔵する方法が開示されている。この方法によれば、吸着材のポア内では気相バルクに比べて分子間距離が小さくなるために、比較的低圧でも高圧圧縮ガスと同量のガスを貯蔵することが可能となる。その結果、耐圧容器や調圧弁を軽量化することができる。
【0006】
ボンベ等に充填する吸着材については、活性アルミナ、シリカ、ゼオライト及び活性炭については評価がなされ、活性炭が最も優れた吸蔵能力を有することが報告されている(A. Golovoy, Compress.Nat.Gas, 36 (1983))。また天然ガスやメタンを吸着する吸着材については、カーボンモレキュラーシーブを用いた吸着材(特許文献2:特開昭59−157036号公報)、カーボンモレキュラーシーブや特殊ゼオライトを用いた吸着材(特許文献3:特開昭62−109890号公報)が知られている。さらに、特許文献4(特開昭63−501009号公報)には、炭素質原料を不活性雰囲気下、特定のアルカリ熱液体混合物により賦活して得られる高比表面積活性炭を、メタン等の炭化水素の吸着材として使用することが開示されている。さらにまた、各種活性炭のメタン吸着量からの測定結果から、高比表面積活性炭(アモコ社製 GX−32)が高い吸着量を示すことが報告されている(非特許文献1:Barton, ”Fundamentals of adsorption”, 65(1984))。
【0007】
一方、活性炭によるメタンの理論的な物理吸着の限界を、分子シミュレーションによって求められる研究成果が知られている。例えば、マイヤー(Myers)らは、活性炭のスリットポアの幅がメタン2分子程度(約11.6Å)で、ポア壁が炭素面一面で構成されるような仮想した活性炭の吸着量を計算した結果、その吸着量は、実在する高比表面積活性炭(アモコ社製 GX−32)の吸着量の120%程度であったことを報告している(非特許文献2:Chem.Eng.Sci., 47, 1569(1992))。
【0008】
しかし、上記に示された吸着量であっても、そのエネルギー密度は、液化天然ガスやガソリンのエネルギー密度と比較すると大きく下回っている。従って、これらの活性炭を充填したボンベを搭載した天然ガス自動車の1回のガス充填で走行できる航続距離は短く、上記のような活性炭を充填した天然ガス貯蔵装置は実用化できるものではなかった。さらに、従来の金属添着方法では、活性炭内部のミクロポア内にも金属化合物が担持されるため、ガス吸蔵能が低下していた。
【0009】
特許文献5及び特許文献6には、活性炭表面に金属単体又は金属酸化物を担持したガス吸着材としての金属化合物担持活性炭が開示されているが、特許文献5及び特許文献6の実施例では、有機金属化合物または金属錯体の融解前に分解が起こるため、吸着材表面への吸着の均一性/再現性に劣り、得られたガス吸着材の品質が安定しない欠点があった。
【0010】
従って、本発明の目的は、吸着材表面に均一に金属化合物を担持させることにより、低圧下であっても多量の天然ガスを効率よく吸着できる吸着材を提供するとともに、ガス貯蔵を簡便に行えるガス貯蔵方法およびガス貯蔵装置、それを備えたガス自動車、吸着式ガス貯蔵タンク及びLNG貯蔵装置を得ることにある。
【0011】
【特許文献1】
特開昭49−104213号公報
【0012】
【特許文献2】
特開昭59−157036号公報
【0013】
【特許文献3】
特開昭62−109890号公報
【0014】
【特許文献4】
特開昭63−501009号公報
【0015】
【特許文献5】
特開2000−233913号公報
【0016】
【特許文献6】
特開2000−233914号公報
【0017】
【非特許文献1】
Barton, ”Fundamentals of adsorption”, 65(1984)
【0018】
【非特許文献2】
Chem.Eng.Sci., 47, 1569(1992)
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記のような課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、ガスを化学吸着し得る金属化合物、特に金属酸化物、金属水酸化物ないし金属単体を、新規な方法により吸着材表面に均一に担持すると、低圧下であってもメタンの平衡吸着量が高い値を示し、意外にも理論的吸着量を超える量のガスが吸着されることを見出し、本発明を完成させた。
【0020】
本発明は、項1〜項16を提供するものである。
項1. 有機金属化合物を吸着材と混合する工程、該混合物を不活性ガス雰囲気にて該有機金属化合物の融解温度以上分解点以下の温度で焼成する工程、該焼成物を不活性ガス雰囲気にて該有機金属化合物の分解点以上の温度で焼成する工程を含む金属化合物担持吸着材の製造方法。
項2. 有機金属化合物を混合する工程、該混合物を不活性ガス雰囲気にて該有機金属化合物の分解点以上の温度で焼成する工程を含む金属化合物担持吸着材の製造方法。
項3. 有機金属化合物が脂肪酸金属塩である項1または2に記載の方法。
項4. 脂肪酸金属塩がステアリン酸金属塩、イソステアリン酸金属塩、12−ヒドロキシステアリン酸金属塩、ベヘニン酸金属塩、リノレン酸金属塩、リノール酸金属塩、ウンデシレン酸金属塩、ラノリン脂肪酸金属塩、パルミチン酸金属塩、オレイン酸金属塩、ミリスチン酸金属塩およびラウリン酸金属塩からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属塩である項3に記載の方法。
項5. 有機金属化合物の金属種が周期表の2A族、6A族、7A族、8族、1B族、2B族または3B族の金属である項1または2に記載の方法。
項6. 有機金属化合物の金属種がマグネシウム、カルシウムまたはニッケルである項1または2に記載の方法。
項7. 吸着材が活性炭、ゼオライト、シリカゲル、金属錯体よりなる項1または2に記載の方法。
項8. 有機金属化合物の添加量が吸着材に対して1重量%から50重量%である項1〜7のいずれかに記載の方法。
項9. 有機金属化合物が吸着材に対して、金属酸化物換算として0.1重量%〜20重量%配合される項1〜7のいずれかに記載の方法。
項10. 項1〜9のいずれかに記載の方法により得ることができる金属化合物担持吸着材。
項11. 金属化合物が吸着材表面に均一に吸着された金属化合物担持吸着材。
項12. 項10または11に記載の金属化合物担持吸着材からなるガス吸着材。
項13. 貯蔵対象のガスが出入り可能な出口(5a)、(5b)と容器内のガスを圧力状態で保持可能な保持機構(6)とを備え、圧力容器(4)を備えたガス貯蔵装置であって、前記圧力容器(4)内に項12に記載のガス吸着材を備え、メタンを主成分とするガスを貯蔵対象とするガス貯蔵装置。
項14. 項13に記載のガス貯蔵装置(1)を備え、ガス貯蔵装置(1)から供給されるメタンを主成分とするガスからの駆動力を得る内燃機関(3)を備えたガス自動車。
項15. 項12に記載のガス吸着材を含むことを特徴とする吸着式ガス貯蔵タンク。
項16. LNGタンクと項10または11に記載の吸着材を充填した吸着充填タンクを連結し、LNGタンクの圧力が所定値以上に高くなった場合に、一定量の蒸発ガスが吸着式充填タンクに充填されるようにしてなるLNG貯蔵装置。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の主たる特徴はメタンを吸着し得る金属化合物を吸着材表面に担持する際の使用原料種およびその添着方法にあり、金属化合物原料として有機金属化合物を用い、該有機金属化合物を溶融状態として吸着材表面にコーティングすることで、有機金属化合物を吸着材表面に均一にコーティングすることを可能にした点にある。
【0022】
本明細書において、吸着材表面に有機金属化合物又はその焼成物である金属酸化物、金属単体、金属水酸化物などの金属化合物を担持するとは、吸着材表面にほとんどあるいは全ての金属酸化物、金属単体、金属水酸化物などの金属化合物が担持され、吸着材の内部にはほとんどあるいは全く担持されないことを意味する。従って、吸着材表面のみに担持される場合も含まれる。
【0023】
本発明の製造方法において、原料の有機金属化合物は、融点が50℃から300℃で、分解温度が100℃〜600℃のものであればよく、分解温度は融点よりも好ましくは10℃以上、より好ましくは20℃以上高いものである。具体的には、有機(モノ、ジ、トリ)カルボン酸金属塩が例示され、より好ましくは脂肪酸金属塩が例示される。脂肪酸の金属塩としては、ステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ベヘニン酸、リノレン酸、リノール酸、ウンデシレン酸、ラノリン脂肪酸などの炭素数6〜20,好ましくは炭素数10〜18の脂肪酸の金属塩が挙げられる。金属としては、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムなどの周期表2A族の金属;クロム、モリブデンなどの6A族の金属;マンガン、レニウムなどの7A族の金属;鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウムなどの8族の金属;銅、銀などの1B族の金属;亜鉛、カドミウムなどの2B族の金属;アルミニウム、ガリウムなどの3B族の金属等が含まれる。これらの金属のうち、好ましい金属として、マグネシウム、カルシウム、バリウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、カドミウム、アルミニウムが挙げられる。これら金属は、1種又は2種以上を混合して使用できる。
【0024】
前記金属化合物には、上記金属の酸化物、単体及び水酸化物、並びに、有機金属化合物が焼成により金属酸化物に変換されるまでの物質、例えば原料の有機金属化合物やその部分分解物が含まれる。吸着材に担持される好ましい金属化合物は、金属酸化物、金属水酸化物ないし金属単体であり、より好ましくは金属酸化物である。
【0025】
有機金属化合物を担持した吸着材の焼成温度は、有機金属化合物の融点、分解点、分解のしやすさの程度等により異なり、特に限定されないが、通常100〜1500℃程度、好ましくは200〜700℃程度、より好ましくは、400〜600℃程度である。焼成時間は、有機金属化合物が分解する温度であれば特に限定されないが、通常30分から24時間程度、好ましくは1〜10時間程度である。焼成は不活性雰囲気、例えばアルゴン、窒素中で行うのが好ましい。焼成を還元的雰囲気で行うと、有機金属化合物の焼成・分解後に金属単体が得られ得る。焼成前に金属表面に付着した有機金属化合物の融点以上分解点以下で30分から5時間程度前処理することにより、有機金属化合物の吸着材表面へのコーティングの均一性をより高くすることができ、結果としてガス吸着量をさらに向上させることが可能になる。
【0026】
吸着材としては、活性炭、ゼオライト、シリカゲル、金属錯体が例示される。
【0027】
活性炭は、木炭、ヤシ殻炭、石炭、のこ屑の他、石油や石炭系ピッチ、セルロース、ポリアクリロニトリル、フェノール、レーヨンなどの合成樹脂等のいずれを原料としたものであってもよい。
【0028】
活性炭の形状は、特に限定されず、粉末活性炭、粒状活性炭、繊維状活性炭のいずれでもよい。さらに、前記粉末活性炭、粒状活性炭、繊維状活性炭などをバインダーを用いて粒状、ペーパー状、その他適宜の形状に成形して使用することもできる。成形に際しては、前記のバインダーの他、パルプなどの繊維なども使用できる。成型法としては、例えば、前記活性炭をプレス機を用いた圧縮成型法、吸引成形型を用いて吸引し成形する吸引成型法、活性炭を含む組成物を押し出して成形する押出成型法などが採用できる。
【0029】
活性炭は、大きな比表面積及び細孔容積を有している。そのため、メタン吸着量が著しく多い。活性炭のメタン吸着量は、活性炭表面近傍のメタン濃度(分圧)と活性炭の吸着活性点数との関数として表すことができ、高表面積活性炭では、吸着活性点数が多いため、高いメタン吸着量を示す。
【0030】
活性炭のBET比表面積としては、例えば300m2/g以上、好ましくは500m2/g以上、さらに好ましくは700〜4600m2/g、特に1000〜4600m2/g程度である。
【0031】
好ましい活性炭として、例えば光学的異方性の多孔質炭素微小粒状活性炭(以下、微小粒状活性炭と略す)が挙げられる。
【0032】
この微小粒状活性炭は、直径2〜80μm程度の球晶メソカーボンマイクロビーズを、例えばKOHなどの賦活剤で賦活処理することによって得られる活性炭であり、通常、全体の90%以上が粒径80μm以下の粒子からなる。
【0033】
前記微小粒状活性炭は、従来の粉末状活性炭と比較して、著しく大きな比表面積及び細孔容積を有している。そのため金属酸化物や金属化合物の担持量を著しく増大させることができ、吸着材の単位量あたりの天然ガス吸着量を著しく高めることができる。
【0034】
前記微小粒状活性炭の比表面積は、例えば500〜4600m2/g、好ましくは1000〜4600m2/g程度、さらに好ましくは2000〜4600m2/g程度であり、全細孔容積は、例えば0.5〜3.0ml/g、好ましくは0.6〜3.0ml/g、さらに好ましくは0.8〜3.0ml/g程度である。
【0035】
前記微小粒状活性炭は、従来の活性炭に比べて著しく小きな細孔径を有しており、JIS K 1474に準拠したベンゼン吸着能は0.2〜1.0g程度、JIS K 1470に準拠したメチレンブルー吸着能は100〜650ml/g程度であり、従来の活性炭に比べて、著しく大きな吸着能を有している。さらに、形状が略真球状で、しかも粒径分布がシャープであるため、天然ガス貯蔵装置等への充填性に優れている。
【0036】
金属錯体としては、二次元型金属錯体と三次元型金属錯体が挙げられる。
【0037】
二次元型金属錯体としては、特開平9−196296号公報、特開平10−316684号公報などに開示されているジカルボン酸金属錯体を用いることができる。
【0038】
三次元型金属錯体としては、特開2002−267096号公報などに開示されているジカルボン酸金属錯体を用いることができる。
【0039】
特に好ましい有機金属化合物は、ステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、ミリスチン酸、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ベヘニン酸、リノレン酸、リノール酸、ウンデシレン酸、ラウリン酸、ラノリン脂肪酸などの高級脂肪酸金属塩等の金属石鹸(特に、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム)が好ましく使用できる。ステアリン酸金属塩等の金属石鹸は、良好な滑り性を有しており、吸着材との混合性が良好であり、融点以上に加熱した場合の吸着材のコーティングの均一性が特に良好であるため好ましい。
【0040】
吸着材への有機金属化合物の添着方法は、吸着材と有機金属化合物を均一に所定量混合し、不活性ガス雰囲気にて有機金属化合物が融解する温度以上分解点以下の温度にて焼成し、その後分解する温度以上にて再焼成し、目的の吸着材を合成する。また、最初から不活性ガス雰囲気にて有機金属化合物が分解する温度以上にて焼成し、目的の吸着材を合成してもよい。吸着材と有機金属化合物の混合方法は、固体のまま混合するドライ法および有機溶媒中で両者を混同するウエット法のどちらでもよい。
【0041】
有機金属化合物の吸着材に対する混合割合は、焼成後に全ての有機金属化合物が金属酸化物に変換されたとして0.1〜20wt%となる量であり、好ましくは0.1〜10%。より好ましくは0.1〜5%。特に好ましくは0.1〜3%である。
【0042】
このような構成により、意外にも吸着材によるメタンの理論的な物理吸着量を超える量のガスを吸着することができる。特に、低圧下では無担持吸着材及び従来の担持吸着材に比べて著しく高いガス吸着量を示す。
<ガス貯蔵方法>
本発明のガス吸着材を、加圧条件下で、貯蔵の対象となるガス(例えば、メタンを主成分とするガス)を接触させることにより、ガスを吸着し、貯蔵することができる。この貯蔵は、ガスがガス吸着材を構成する金属酸化物乃至金属化合物担持吸着材に吸着されることにより行われ、常温以上(例えば、5℃以上)でも可能である。ガスを吸着したガス吸着材のガス圧(貯蔵容器内の圧力)を減圧することにより、吸着したガスを脱着(放出)させることができる。
【0043】
メタンを主成分とするガスとしては、天然ガスが挙げられ、天然ガスには通常メタンが88〜99%程度含まれている。メタン以外の天然ガス成分としては、エタン、プロパン、ブタン等が挙げられる。
<ガス貯蔵装置>
本発明のガス貯蔵装置においては、圧力容器内に本発明のガス吸着材を備えるので、吸着材が収納されている圧力容器内に、その出入口からメタンを主成分とするガスを圧入することにより、ガス吸着材に吸着させた状態で貯蔵することができる。本発明のガス貯蔵装置においては、例えば、出口側に備えられる弁を開放し、圧力容器内の内圧を低下させることにより、ガスをガス吸着材から脱着させ、貯蔵装置から放出させることができる。
<ガス自動車>
図1に、本発明のガス貯蔵装置を備えたガス自動車2の概略構成を示す。ガス自動車2は、燃料タンク1として本発明のガス貯蔵装置を備えるとともに、燃料タンク1から、タンク内に貯蔵される天然ガスを得て、燃焼用酸素含有ガス(例えば空気)と混合して、その燃焼により走行駆動力を得る内燃機関としてのエンジン3を備えている。
【0044】
燃料タンク1は、いわゆる圧力容器4を備えて構成されるとともに、貯蔵対象のガスが出入り可能な出入口として一対の出口5aと入口5bとを備え、容器4内のガスを加圧状態に維持可能な気密保持機構を構成する一対の弁6を、出口5a及び入口5bそれぞれに備えている。燃料である天然ガスは、ガスステーション7において、加圧状態で、燃料タンク1に充填される。燃料タンク1には、本発明のガス吸着材8が内装されており、ガス吸着材8が天然ガス(メタンを主成分とするガスの一例)を常温、加圧状態で吸着する。
【0045】
燃料タンク1は、通常、常温状態であり、特に冷却されたりすることはなく、気温が上昇する例えば夏場において、すなわち、比較的高温(25〜60℃程度)の温度域においても、その吸着能が高く、有効な使用が図れる。
【0046】
出口側の弁6を開放することにより、吸着状態にあるガスをガス吸着材8から脱着させることができる。脱着したガスをエンジン3側に送って燃焼させることにより、走行駆動力を得ることができる。
<吸着式ガス貯蔵タンク>
従来のガス貯蔵タンク内に、本発明のガス吸着材を入れることにより、タンクの単位体積当たりのガス貯蔵量を増大することができる。
<LNG貯蔵装置>
従来のLNGタンクに、本発明の吸着材を備えた吸着式充填タンクを接続し、これらのタンクの間に安全弁を設けることにより、LNGタンクの圧力が所定圧力(例えば1〜9kg/cm2)以上になった場合に、安全弁を介して蒸発ガス(BOG)が吸着式充填タンクに流れ込み、LNGタンクの内圧を設定値以内に保つことができる。
【0047】
【発明の効果】
本発明の新規製造プロセスによる金属酸化物乃至金属化合物担持吸着材は、メタンを主成分とするガスを化学吸着し得る金属酸化物等が吸着材表面に均一に担持されている。よって、低圧下であっても多量のガスを吸着するので、ガス吸着材として有用である。
【0048】
本発明のガス吸着材によれば、常温条件下の加圧状態で、吸着材の理論的なガスの吸着量を超えた量のガスを吸着することができる。
【0049】
本発明のガス貯蔵方法によれば、メタンを主成分とするガスを、効率よく吸蔵することができる。本発明のガス貯蔵装置によれば、比較的小さい容積中に有効にガスを貯蔵することができる。
【0050】
本発明のガス自動車は、ガス貯蔵能が高いガス貯蔵装置を備えているので、構造上使用しやすい。
【0051】
本発明のガス貯蔵タンクは、単位体積当たりのガス貯蔵量が大きい。
【0052】
本発明のLNG貯蔵装置は、LNGタンクの温度が上昇した場合にも、LNGが吸着式充填タンクに貯蔵され、LNGタンクの圧力を許容範囲内に収めることができる。
【0053】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいてより詳細に説明する。
【0054】
(金属酸化物乃至金属化合物担持吸着材の合成)
実施例1
比表面積1380m2/g、細孔容積0.71ml/g、平均細孔径9Åの破砕椰子殻活性炭4gとステアリン酸マグネシウム0.08gをドライ法にて均一に混合し、その後アルゴンガスを流しながら400℃にて1時間焼成し、MgOが担持された活性炭を得た。
実施例2
焼成する際にまず200℃にて1時間焼成して、その後400℃にて1時間焼成した以外は実施例1と同様にして、MgOが担持された活性炭を得た。
実施例3
比表面積1380m2/g、細孔容積0.71ml/g、平均細孔径9Åの破砕椰子殻活性炭4gとステアリン酸マグネシウム0.40gをドライ法にて均一に混合し、その後アルゴンガスを流しながらまず200℃にて1時間焼成して、さらに500℃に昇温し1時間焼成し、MgOが担持された活性炭を得た。
実施例4
比表面積1555m2/g、細孔容積0.91ml/g、平均細孔径14Åの8−70 meshの破砕石炭系活性炭4gとステアリン酸マグネシウム0.40gをドライ法にて均一に混合し、その後アルゴンガスを流しながら500℃にて1時間焼成し、MgOが担持された活性炭を得た。
実施例5
比表面積1555m2/g、細孔容積0.91ml/g、平均細孔径14Åの8−70 meshの破砕石炭系活性炭4gとステアリン酸カルシウム0.40gをドライ法にて均一に混合し、その後アルゴンガスを流しながら500℃にて1時間焼成し、MgOが担持された活性炭を得た。
実施例6
比表面積1555m2/g、細孔容積0.91ml/g、平均細孔径14Åの8−70 meshの破砕石炭系活性炭4gとステアリン酸ニッケル0.40gをドライ法にて均一に混合し、その後アルゴンガスを流しながら500℃にて1時間焼成し、MgOが担持された活性炭を得た。
(ガス貯蔵性能評価)
実施例1〜6により得られた金属担持活性炭についてメタンの吸着量を測定した。
【0055】
マイクロ天秤を用いた重量法により、メタンガス吸着量を測定した結果を図2、3に示す。なお、図に示す比較例1および比較例2はそれぞれ比表面積1380m2/g、細孔容積0.71ml/g、平均細孔径9Åの破砕椰子殻活性炭および比表面積1555m2/g、細孔容積0.91ml/g、平均細孔径14Åの8−70 meshの破砕石炭系活性炭(すなわち無担持活性炭である。)のメタン吸着性能である。
【0056】
実験条件は、
使用ガス:99.99%メタン
温度:25℃
圧力:0〜3.5MPa
にて各実施例とも行なった。
【0057】
この結果より、本発明の手法により金属酸化物ないし金属化合物を担持することによりメタン吸着性能が向上することが明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】ガス自動車の概略図
【図2】実施例1〜3及び比較例1のガス吸着材のガス吸着能(吸着等温線)を示すグラフである。
【図3】実施例4〜6及び比較例2のガス吸着材のガス吸着能(吸着等温線)を示すグラフである。
Claims (16)
- 有機金属化合物を吸着材と混合する工程、該混合物を不活性ガス雰囲気にて該有機金属化合物の融解温度以上分解点以下の温度で焼成する工程、該焼成物を不活性ガス雰囲気にて該有機金属化合物の分解点以上の温度で焼成する工程を含む金属化合物担持吸着材の製造方法。
- 有機金属化合物を混合する工程、該混合物を不活性ガス雰囲気にて該有機金属化合物の分解点以上の温度で焼成する工程を含む金属化合物担持吸着材の製造方法。
- 有機金属化合物が脂肪酸金属塩である請求項1または2に記載の方法。
- 脂肪酸金属塩がステアリン酸金属塩、イソステアリン酸金属塩、12−ヒドロキシステアリン酸金属塩、ベヘニン酸金属塩、リノレン酸金属塩、リノール酸金属塩、ウンデシレン酸金属塩、ラノリン脂肪酸金属塩、パルミチン酸金属塩、オレイン酸金属塩、ミリスチン酸金属塩およびラウリン酸金属塩からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属塩である請求項3に記載の方法。
- 有機金属化合物の金属種が周期表の2A族、6A族、7A族、8族、1B族、2B族または3B族の金属である請求項1または2に記載の方法。
- 有機金属化合物の金属種がマグネシウム、カルシウムまたはニッケルである請求項1または2に記載の方法。
- 吸着材が活性炭、ゼオライト、シリカゲル、金属錯体よりなる請求項1または2に記載の方法。
- 有機金属化合物の添加量が吸着材に対して1重量%から50重量%である請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
- 有機金属化合物が吸着材に対して、金属酸化物換算として0.1重量%〜20重量%配合される請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
- 請求項1〜9のいずれかに記載の方法により得ることができる金属化合物担持吸着材。
- 金属化合物が吸着材表面に均一に吸着された金属化合物担持吸着材。
- 請求項10または11に記載の金属化合物担持吸着材からなるガス吸着材。
- 貯蔵対象のガスが出入り可能な出口(5a)、(5b)と容器内のガスを圧力状態で保持可能な保持機構(6)とを備え、圧力容器(4)を備えたガス貯蔵装置であって、前記圧力容器(4)内に請求項12に記載のガス吸着材を備え、メタンを主成分とするガスを貯蔵対象とするガス貯蔵装置。
- 請求項13に記載のガス貯蔵装置(1)を備え、ガス貯蔵装置(1)から供給されるメタンを主成分とするガスからの駆動力を得る内燃機関(3)を備えたガス自動車。
- 請求項12に記載のガス吸着材を含むことを特徴とする吸着式ガス貯蔵タンク。
- LNGタンクと請求項10または11に記載の吸着材を充填した吸着充填タンクを連結し、LNGタンクの圧力が所定値以上に高くなった場合に、一定量の蒸発ガスが吸着式充填タンクに充填されるようにしてなるLNG貯蔵装置。
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