JP2004147344A - 通信装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ネットワークシステムの管理者による、例えば、加入者単位(サブネットワーク)など、数多く設置されるDHCPサーバの設定の自動化が可能となり、膨大な手間の軽減がはかれる通信装置を提供する。
【解決手段】複数のサブネットワークから構成されるネットワークに接続された通信装置が、前記複数のサブネットワークにそれぞれ接続され、当該サブネットワークに収容される端末にIPアドレスを割り当てる複数のサーバのそれぞれに対し、各サブネットワーク単位に割り当てるべきIPアドレスを予め通知する。
【選択図】 図10
【解決手段】複数のサブネットワークから構成されるネットワークに接続された通信装置が、前記複数のサブネットワークにそれぞれ接続され、当該サブネットワークに収容される端末にIPアドレスを割り当てる複数のサーバのそれぞれに対し、各サブネットワーク単位に割り当てるべきIPアドレスを予め通知する。
【選択図】 図10
Description
本発明は、データ通信環境、特にインターネット環境を提供するネットワークシステムに関わる。
近年、インターネットの各方面への普及が急激に進んでいる。企業では、インターネット技術を企業内ネットワークに適用した「イントラネット」が急速に普及し、データベースの統合や、電子メール、マルチメディアアプリケーション等の導入が急速に進んでいる。この動きは、家庭においても見られる。即ち、家庭においても、PC等の端末をインターネットに接続し、上記アプリケーシヨンやWWWといったアプリケーシヨンを行うユーザの出現が顕著である。
これに伴い、これらのユーザに対して、インターネット接続を提供するいわゆる「インターネットプロバイダ」も、続々と登場している。これらは、主に電話線をインターネットへのアクセス回線として用いる例が、これまでのところほとんどであったが、最近は、アクセス回線として、ISDN回線や、ケーブルテレビの回線を利用するプロバイダも現れはじめ、ユーザの選択肢も多様になってきた。特に、ケーブルテレビを利用したインターネットアクセスは、そのアクセス速度の高速性から、特に注目を集めている。
図15は、これらのケーブルテレビのネットワークを利用してインターネットへのアクセスする場合の加入者宅内に構築されるネットワークの構成例を示したものである。
図15において、CATVヘッドエンド2001と加入者宅との間がHFC(Hybrid Fiber Coax)等により接続される。加入者宅2002には、同軸ケーブルの形で伝送信号は到達する。
加入者宅に到達した伝送信号は、網終端装置2003により複数(例えば2つ)のセットトップボックス2004、2008に、該同軸ケーブルの信号がコピーされて送られる。
セットトップボックス2004、2008では、フィルタリング、同調、復調等が行われ、CATV会社によるビデオサービス信号については、テレビ2005、2009に、データサービス(インターネットアクセスサービス)信号については、ケーブルモデム(2006、2010)を経てパソコン2007、2011に送られ、それぞれのサービスの提供が行われるのが一般的である。
図16は、図15に示した構成のシステムにおけるRF信号(周波数信号)の周波数割当を示す。インターネットアクセスサービスについては、このうちの上りデータ信号領域2101と、下リデータ信号領域2106を利用して行われる。
図17は、インターネットサービスに用いられるデータフオーマットの一例である。現在入手可能なケーブルモデムは、主にイーサネットに対応しているため、CATVヘッドエンド2001、または各加入者宅のケーブルモデム2006、2010にて、IPパケット2206は、イーサフレームによりカプセル化され(2203、2205)、更にケーブルシステム特有のフレーム(ケーブルモデムを特定するモデムID等を含む、ケーブルシステムヘッダ等が付与される)にカプセル化されて(2201)、ケーブルシステム内を転送される。
次に、セットトップボックス2004、2008の内部構成例を図18に示す。図18において、セットトップボックス(STB)2004、2008は、RF信号の周波数成分をビデオ信号とデータ信号に分離あるいはビデオ信号とデータ信号の合流を行うフィルタ・インピーダンス整合部2302、ビデオのフィルタリング、同調等を行うビデオ側フィルタ部2303、デジタル映像とアナログ映像の進路に位置するDEMUX2304、デジタル符号化された映像信号を伸長するデジタル・NTSC処理部2305、アナログ変調された映像信号を復調してNTSC信号に変換するアナログビデオ処理部2306、これらを適当に選択させて、合流させて映像信号(NTSC信号)を出力するセレクタ2307からなる。
次に、STB2004にて分離されたデータ信号を受信、復調するケーブルモデム2006、2010の内部構成例を図19に示す。
図19において、ケーブルモデム2401は、データ信号が変調された周波数領域を取り出すフィルタ・インピーダンス整合部2402、下り信号については復調、上り信号については変調を行うケーブルモデム2403、CATVのデータ通信領域が複数の加入者宅・ユーザで共有されている故に、上り方向のメディアアクセスの際に用いられるCATV独自のMAC(Media Access Control)の処理部2404、イーサネットインタフェイス2405からなる。
しかしながら、現状のこのようなシステムは、以下のような問題を含んでいる。
(1)インターネットアクセスを行いたい端末の数だけ、CATV会社と契約し、セットトップボックスを用意する必要がある。
(2)加入者宅内のネットワーク環境の整備が難しい。即ち、加入者宅内の複数の端末を相互接続させようとすると、その相互の通信に際し、やりとりするデータが一度CATV局まで入って(CATVヘッドエンドを経由して)行われなければならず、伝搬遅延、利用可能帯域、セキュリティ(通信内容の秘密)等に大きな問題が残る。
(3)加入者宅内の配線が複雑になる。即ち、ビデオ用の配線、データ通信用の配線、電話用の配線など、加入者宅内の配線システムは複雑化の一途であり、早急な改善が望まれる。
(4)IPアドレスが枯渇している。加入者宅のインターネットユーザが急激に増加すると、これらのユーザに割り当てるIPアドレスが不足し、インターネットサービスを提供できなくなる。また、今後加入者宅内でのインターネット端末の増加は必至であり、この意味でも対応が必要である。
(5)ユーザは、WWW等のアプリケーション毎に、代理サーバ(プロキシサーバ)を登録し、アプリケーション毎にこれらを使い分けなければならなかった。
本発明は、以上の問題点に鑑みてなされたものであり、既存の設備を生かして映像系ネットワークとデータ系ネットワークを統合した高速でセキュリティ性の高いホームネットワークを容易に構築できる通信装置を提供することを目的とする。
また、ユーザに何ら負担をかけることなく、ホームネットワークからプライベートIPアドレスを用いてインターネットに容易にしかも安全にアクセスできるパケット転送装置を提供することを目的とする。
ネットワークシステムの管理者による、例えば、加入者単位(サブネットワーク)など、数多く設置されるDHCPサーバの設定の自動化が可能となり、膨大な手間の軽減がはかれる通信装置を提供することを目的とする。
(1)複数のサブネットワークから構成されるネットワークに接続された通信装置が、前記複数のサブネットワークにそれぞれ接続され、当該サブネットワークに収容される端末にIPアドレスを割り当てる複数のサーバのそれぞれに対し、各サブネットワーク単位に割り当てるべきIPアドレスを予め通知することにより、ネットワークシステムの管理者による、例えば各加入者単位(サブネットワーク)など、数多く配置されるDHCPサーバの設定の自動化が可能となり、膨大な手間の軽減が図れる事になる。
(2)複数のサブネットワークから構成されるネットワークに接続された通信装置が、前記複数のサブネットワークにそれぞれ接続され、当該サブネットワークに収容される端末に対してIPアドレスを割り当てる機能をもつ複数のサーバあるいはルータのそれぞれに対し、各サブネットワーク単位に割り当てるべきIPアドレスの少なくとも上位の部分を予め通知することにより、ネットワークシステムの管理者による、例えば各加入者単位(サブネットワーク)など、数多く配置されるDHCPサーバの設定の自動化が可能となり、膨大な手間の軽減が図れる事になる。
(3)複数のサブネットワークから構成されるネットワークに接続された通信装置が、前記複数のサブネットワークにそれぞれ接続され、当該サブネットワークに収容される端末に対して当該端末のIPアドレスを決めるための情報を通知する機能をもつ複数のサーバあるいはルータのそれぞれに対し、各サブネットワーク単位に割り当てるべきIPアドレスの少なくとも上位の部分を予め通知することにより、ネットワークシステムの管理者による、例えば各加入者単位(サブネットワーク)など、数多く配置されるDHCPサーバの設定の自動化が可能となり、膨大な手間の軽減が図れる事になる。
(4)プライベートIPアドレスにてパケット転送を行う複数の特定ネットワークを相互接続してパケット転送制御を行うパケット転送装置において、前記特定ネットワークから転送されたパケットの宛先アドレスがプライベートIPアドレスの場合のみ、前記パケットをその宛先アドレスに対応する前記特定ネットワークに転送する手段を具備することにより、例えば、CATV局(上記パケット転送装置を具備)とそれに接続された複数の加入者宅(特定ネットワーク)との間の閉じた通信は、独自のポリシや特性(伝送速度や、遅延時間、バッフア数、利用料金など)を持ったネットワークを運用する事が可能となる。
(5)プライベートIPアドレスにてパケット転送を行う1または複数の特定ネットワークと外部ネットワークを相互接続してパケット転送制御を行うパケット転送装置において、前記特定ネットワークから転送されたパケットの宛先アドレスがグローバルIPアドレスで、かつ、前記外部ネットワーク宛であり、さらに、そのパケットの送信元アドレスがプライベートIPアドレスであるとき、前記パケットを前記外部ネットワークに向けて転送するための所定のサーバに転送する手段と、前記特定ネットワークから転送されたパケットの宛先アドレスがグローバルIPアドレスで、かつ、前記外部ネットワーク宛であり、さらに、そのパケットの送信元アドレスがグローバルIPアドレスのとき、前記パケットを前記所定のサーバを経由せずに前記外部ネットワークに向けて転送する手段とを具備することにより、ユーザ端末がIPパケットを送出する際、明示的に代理サーバを指定することなく、代理サーバの運用を行う事が可能になるとともに、代理サーバの追加、変更等にも柔軟に対応する事ができるようになる。また、対応する代理サーバがない場合は、NATサーバをこの場合利用すればよい。さらに、ユーザ端末がIPパケットを送出する際、送信元アドレスとしてグローバルアドレスを用いた場合には、代理サーバ、NATサーバに転送することなく、そのまま通常のルーティング処理を行えばよく、汎用性もある。
前記パケットが転送される前記所定のサーバは、前記パケットに含まれるポート番号を基に選択されることにより、TCP/UDPで一般的に用いられている、IPアプリケーシヨンのそれぞれを識別するためのポート番号を基に、代理サーバへの転送を適切に行う事ができるようになり、代理サーバへの転送の自動化を行う事ができるようになると共に、該当しないパケットはNATサーバに転送されてからグローバルインターネットに送出されるため、プライベートアドレスのグローバルインターネットへの流出はここでも未然に防ぐことができる。
以上説明したように、本発明によれば、ネットワークシステムの管理者による、例えば各加入者単位(サブネットワーク)など、数多く配置されるDHCPサーバの設定の自動化が可能となり、膨大な手間の軽減が図れる。さらに、(1)既存資産を生かして、家庭内ネットワークの構築を行う事ができる。これは、映像系ネットワークと、データ系ネットワークとを統合した、単一ネットワークであり、配線の容易性という特徴もある。また、家庭内通信の高速化等も容易である。(2)プライベートアドレスの使用により、IPアドレスの枯渇に対処できる。(3)ユーザは、WWW等のアプリケーシヨン毎に、代理サーバ(プロキシサーバ)の登録、アプリケーシヨン毎のこれらの使い分けをしなくとも、安全なインターネットアクセスが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
(1) ネットワークシステムの全体の構成例
図1は、本実施形態に係るネットワークシステムの構成例を示したもので、CATV網に接続された加入者宅内に構築されるホームネットワークシステムである。
図1は、本実施形態に係るネットワークシステムの構成例を示したもので、CATV網に接続された加入者宅内に構築されるホームネットワークシステムである。
図1に示すように、ホームネットワークシステムは、例えば、CATVヘッドエンド101と、CATVヘッドエンド101と加入者宅間を接続する通信ケーブル121から構成されるCATV網と、このCATV網に接続された加入者宅102内の種々の機器からなる。
CATVヘッドエンド101は、CATV局の運用、管理、放送・サービスの発信、着信等を行っているCATV局側の設備である。
CATVヘッドエンド101と加入者宅102間は、図示はしていないが、いわゆるHFC(Hybrid Fiber Coax)の形での接続となっている。すなわち、CATV局(CATVヘッドエンド101)と加入者宅102間のケーブル接続は、光ケーブルと同軸ケーブルの混在の形となっており、CATV局から加入者宅側の一定位置(例えば電柱等)までは光ケーブル、該位置から加入者宅までは同軸ケーブルでの接続となっている。
加入者宅102内は、以下のように、ネットワークが構成されている。即ち、網終端装置103、マスターセットトップボックス(マスターSTB)104、第1のスレーブセットトップボックス(第1のスレーブSTB)105、第1のVTR107、第1のテレビ108、第1のケーブルモデム109、第1のパソコン110、第2のスレーブセットトップボックス(第2のスレーブSTB)106、第2のテレビ111、第2のケーブルモデム112、第2のパソコン113、第3のケーブルモデム114、第3のパソコン115から構成されている。
マスターSTB104とスレープSTB105、106との間、あるいはマスターSTBIO4とケーブルモデム114との間の接続は周波数多重にて情報伝送を行う伝送媒体、例えば、同軸ケーブルにて行われている。
第1のスレーブSTB105、第1のVTRIO7、第1のテレビ108、第1のケーブルモデム109、第1のパソコン110のそれぞれは、加入者宅102内の第1の部屋に、第2のスレーブSTB106、第2のテレビ111、第2のケーブルモデム112、第2のパソコン113のそれぞれは加入者宅102内の第2の部屋に、第3のケーブルモデム114、第3のパソコン115のそれぞれは、加入者宅102内の第3の部屋にそれぞれ配置されているものとする。
このようにして構築されるネットワークを通して、CATV局(CATVヘッドエンド101)は、加入者宅102内の各部屋にアナログ/デジタルのビデオサービス(ビデオオンデマンドを含む)やインターネットアクセスサービスを提供するようになっている。
(2) 各構成部の説明
次に、加入者宅102内に配置される各構成部について説明する。
次に、加入者宅102内に配置される各構成部について説明する。
網終端装置103は、CATV局からのケーブルを物理的に終端する装置である。ケーブルや信号方式(信号のレベル等)の乗せ替えをおこなう場合もある。
マスターSTB104は、CATV局から受信した信号(ビデオ信号およびインターネットサービスなどのデーダ信号)のうち、ビデオ信号(テレビ信号)についてはブースタの役割を果たし、加入者宅102内の各部屋への分配を行う機能を有する。データ信号については、CATV局からのデータを一度ここで終端すると共に、加入者宅内のデータネットワークのハブとしての役割を果たし、CATV局からのデータ(パケットデータ)の適切な端末へのスイッチングを行うと共に、家庭内の端末同士の通信のスイッチングをも行う。また、上り(加入者宅からCATV網)信号について、MAC制御などの必要な処理をも行う。詳細は後述する。
スレーブセットトップボックス105、106は、同軸ケーブルから受信した信号(ビデオ信号、及びインターネットサービスなどのデータ信号)の内、ビデオ信号(テレビ信号)については、フィルタリング・同調処理、及び所定のNTSC処理等を行い、下流側に接続されたAV機器にビデオデータ等のコンティニュアスデータを送出する機能を有する。また、データ信号については、これをケーブルモデム側に分岐する機能(下流方向のデータについて)、あるいはケーブルモデムからのデータ信号を、インピーダンス整合などをとりながら、上流側に送り出す機能を有する。詳細は後述する。
ここで、マスタ−STB104と、スレーブSTB105、106、あるいはケーブルモデム114の間は、同軸ケーブルで接続されている点に注意が必要である。このことから、スレープSTBは、既存のセットトップボックスをそのまま、あるいは小変更のみで利用することができる。
ケーブルモデム109、112、114は、加入者宅に同軸ケーブルを通して伝送されてくるRF信号の予め定められた周波数帯域から、下りのインターネットパケット伝送部分のみを取り出し、QAM(Quadrature Amplitude Modulaion)等の復調を行ってデジタル信号に変換する機能と、後述するCATV内インターネットパケット伝送フォーマット(後述)を終端して、イーサネットフレームを取り出し、モデム−PC間のイーサネットフレーム転送を行う機能を持つ。反対に上りのインターネットパケット伝送部分については、PCからのイーサフレームをCATV内インターネットパケット伝送フォーマットに変換し、変調後、上流側に送出する機能を有する。
VTR107、テレビ108、111は、既存のVTR、テレビと同様であり、上流側から送られてきたビデオ信号(テレビ信号)を必要に応じてフィルタリング、復調して、映像の再生、録画などを行う。
ケーブルモデム114は、スレーブSTBを介さず、直接マスタ−STBに接続されているが、これは、マスタ−STB104からの信号が、同軸ケーブルインタフェースで統一されていることにより可能になることである。また、スレーブSTB105、106は、直接、網終端装置103に接続することも、図のように、マスタ−STB104に接続することも可能となる。
(2−1) マスターSTB
図2は、マスターSTB104の内部構成例を示したものである。図2に示すように、マスタ−STB104はフィルタ・インピーダンス整合部201、ブースタ202、第1のケーブルモデム203、CATV−MAC処理部204、イーサネットハブ部205、第2のケーブルモデム206、208、210、インピーダンス制御部207、209、211からなる。
図2は、マスターSTB104の内部構成例を示したものである。図2に示すように、マスタ−STB104はフィルタ・インピーダンス整合部201、ブースタ202、第1のケーブルモデム203、CATV−MAC処理部204、イーサネットハブ部205、第2のケーブルモデム206、208、210、インピーダンス制御部207、209、211からなる。
フィルタ・インピーダンス整合部201は、上流側から送られてきた信号のうち、ビデオ(テレビ)信号についてをフィルタリングしてブースタ202側に流す機能(下流側にフィルタリング機能がある場合は、フィルタリング機能は必ずしも必要ない)、データ信号をフィルタリングして第1のケーブルモデム203側に流す機能(下流側にフィルタリング機能がある場合は、フィルタリング機能は必ずしも必要ない)、および第1のケーブルモデム203から送られてきた信号を、インピーダンス整合して、上流側に送り出す機能を持つ。
ブースタ202は、映像信号を複数のインピーダンス整合部207、209、211に送り出す機能を持つ。
第1のケーブルモデム203は、加入者宅102に同軸ケーブルを通して伝送されてくるRF信号から、下りのインターネットパケット伝送部分のみを周波数的に取り出し、QAM等の復調を行ってデジタル信号に変換する機能と、後述するCATV内インターネットパケット伝送フオーマットを終端して、イーサネットフレームを取り出し、CATV−MAC処理部204に該イーサネットフレーム転送を行う機能を持つ。一方、上りのインターネットパケット伝送部分については、CATV−MAC処理部204からのイーサフレームをCATV内インターネットパケット伝送フオーマットに直し、変調後、上流側に送出する機能を有する。
CATV−MAC処理部204は、下りの信号については、本システムのインターネット用データフォーマットの終端を行う。また、上りの信号については、CATVシステム固有のMACプロトコルの処理を行い、これに従って、データを上流側(具体的には第1のケーブルモデム203)に送出する機能を有する。
イーサネットハブ205は、CATVヘッドエンド101からのイーサフレーム、およびスレープSTB方向(下流方向)からのイーサフレームをそれぞれ受取り、該イーサフレームの宛先MACアドレスを参照しながら、必要なフォワーディング、スイッチングを行う。これにより、加入者宅内の複数台のパソコン同士で閉じた通信を行う際のパケットデータは、該イーサネットハブ205を経由して直接通信することが可能となり、従来のように、CATVヘッドエンド101をわざわざ経由することもなく通信を行えるので、マスタ−STB104に接続された端末同士のデータ通信(各加入者宅102内に構築される、閉じたネットワーク内のデータ通信)において、高速なレスポンス時間や、高速通信を得ることが可能となる。
なお、本実施形態では、イーサネットハブ205を用いているが、むろんイーサネットスイッチ等のスイッチ技術、あるいはその他のデータリンク機能をもちいても本発明の有効性について同等の効果が得られることは明らかである。
また、イーサネットハブを100Mbpsあるいは1Gbpsのイーサネットハブに置き換えることにより、高速化への対応も容易に行うことができる。
第2のケーブルモデム206、208、210は、下り方向に関しては、それぞれイーサネットハブ205からの出力イーサフレームを受信し、これを変調し、後述するCATV内IPパケット伝送フォーマットの形に該フレームを整形し直し、隣接するインピーダンス整合部に送出する。また、上り方向については、該インピーダンス整合部からのRF信号から必要な周波数帯域のものを取り出して、イーサフレームに復調して、隣接するイーサネットハブ205に送出する機能を有する。
(2−2) スレーブSTB
図3は、スレーブSTB105、106の内部構成例を示したものである。図3に示すように、スレーブSTBは、フィルタ・インピーダンス整合部802、ビデオ側フィルタ部803、DEMUX804、デジタル・NTSC処理部805、アナログビデオ処理部806、セレクタ807からなる。
図3は、スレーブSTB105、106の内部構成例を示したものである。図3に示すように、スレーブSTBは、フィルタ・インピーダンス整合部802、ビデオ側フィルタ部803、DEMUX804、デジタル・NTSC処理部805、アナログビデオ処理部806、セレクタ807からなる。
フィルタ・インピーダンス整合部802は、上流側から送られてきた信号のうち、ビデオ(テレビ)信号についてをフィルタリングしてビデオ側フィルタ部803側に流す機能(フィルタリング機能が別に下流側に存在する場合は、ここにフィルタリング機能は必ずしも必要ない)、データ信号をフィルタリングしてのケーブルモデム109、112側に流す機能(フィルタリング機能が別に下流側に存在する場合は、ここにフィルタリング機能は必ずしも必要ない)、およびケーブルモデム109、112から送られてきた信号を、インピーダンス整合して、上流側に送り出す機能を持つ。
ビデオ側フィルタ部803は、ユーザや制御部からチャンネル番号として指定された周波数を同調、フィルタリングし、DEMUX804を通して下流側に送り出す機能を持つ。デジタル映像はデジタル・NTSC処理部805に、アナログ映像はアナログビデオ処理部806にそれぞれ送られる。
デジタル・NTSC処理部805は、受信・復調したMPEG等のデジタル符号化された映像信号を受信して、それらを伸長して、NTSC映像信号に変換する機能を持つ。
アナログビデオ処理部806は、受信したアナログ信号を復調して、NTSC信号を再生する機能を持つ。
デジタル・NTSC処理部805、アナログビデオ処理部806のそれぞれから出力されたNTSC映像信号は、セレクタ807でどちらかが選択され、下流側に送出される。
(2−3) RF信号の周波数割当て
図4は、CATVヘッドエンド(CATV局)101と加入者宅102間で送受信される情報(主に、映像(ビデオ)信号、データ信号)の周波数信号(RF信号)上の周波数割当例を示したものである。
図4は、CATVヘッドエンド(CATV局)101と加入者宅102間で送受信される情報(主に、映像(ビデオ)信号、データ信号)の周波数信号(RF信号)上の周波数割当例を示したものである。
図4に示すように、周波数帯の低い帯域301は、上り、すなわち、加入者宅102からCATV局101へ向かってのデータ転送に使われる。この帯域は、更にいくつかの用途に周波数ごとに分割することができ、加入者宅102からCATV局101への制御信号の送信のためと、同方向へのインターネットパケットの送信等に周波数ごとに分割されて利用される。
引き続いて、周波数が上がる方向に、ガードバンド(上りの信号と下りの信号が混信しないように周波数帯をあけてある)302を設けてある。
さらに、周波数の高い帯域303には、下り伝送専用の映像信号に割り当てられている。この下り伝送専用帯域303は、アナログビデオ伝送のための帯域304、デジタルビデオ伝送のための帯域305、下りデータ伝送のための帯域306に分割される。
アナログビデオ伝送のための帯域304は、現在のアナログビデオと同じ周波数が割り当てられており、ビデオ伝送方式も例えばNTSCの様にアナログのまま送られてくる。既存のVTRやテレビを同軸ケーブルに直接接続したとしても、送信周波数の一致を見ることから、既存装置内のフィルタ、同調装置などがそのまま使うことができ、これまで通りテレビ番組等をユーザは楽しむことができる。
デジタルビデオ伝送のための帯域305では、テレビ番組はMPEG2等のデジタル信号の形で、多重化されて送られてくる。このデジタル変調は例えば64QAMや256QAMといった変調方式にて変調されて送られてくる。また、この部分はデータリンクレイヤ技術として、例えば、ATM(Asynchronous Transfer Mode)方式が用いられているものとする。
下りデータ伝送のために用いられる帯域306は、上りデータ伝送のための帯域301と対になり、インターネットサービスのためのインターネットパケット伝送のうち、CATV局101から加入者宅102方向をサポートする。ここで、上りのデータ伝送速度と、下りのデータ伝送速度とは、必ずしも対称である必要はなく、非対称であってもよい。
図4に示した周波数割当ては、CATVヘッドエンド101と加入者宅102間の情報伝送に用いられるのみならず、マスターSTB104とスレーブSTB105、106間においても、同様に用いられている。よって、スレーブSTBは、マスタ−STB104と従属に接続することもできれば、直接CATVの加入者宅への引き込み線に接続することもできる。
図5は、図4の上りデータ伝送のための帯域301あるいは下りデータ伝送のための帯域306にて伝送されるデータのうち、インターネットパケットの伝送の際に用いられるパケットデータフォーマット(CATVシステム内フォーマット)の一例を示したものである。
インターネットパケット(IPパケット)406は、パソコン110、113、115等で発生すると、図5に示すように、イーサネットヘッダ403とイーサネットトレイラ405でカプセル化されて、イーサネットフレーム404が生成される。イーサネットフレーム404は、ケーブルモデム109、112、114に送られ、ここで、更にケーブルシステムヘッダ401が付与されて(CATVシステム内フォーマット402として)、スレーブSTB105、106、あるいはマスターSTB104に送られる。
ケーブルシステムヘッダ401には、各加入者宅(具体的には、各マスターSTB)毎に1つ割り当てられているモデムIDが含まれている。
モデムIDは、RF信号の下り伝送専用帯域303が複数の加入者宅に同時に送信され、複数の家庭で同時受信されることから、このモデムIDの一致、不一致をマスターSTB104でチェックし、パケットをその加入者宅のマスターSTB104にて取り込むか否かを決定する際に利用される。
図4のRF信号の上りデータ伝送帯域301についても、複数の加入者宅が同じ周波数帯域を共有している。よって、各加入者宅の端末(具体的にはマスタ−STB104)は、この帯域にパケットを転送しようとアクセスする際に、なんらかのMAC(メディアアクセス制御)プロトコルが働くことになる(MACプロトコルの詳細は、本発明の要旨ではないので説明は省略する)。なお、下り伝送専用帯域303についても、複数の加入者宅で同じ周波数帯域を共有しているが、こちらはCATVヘッドエンド101から家庭の方向で、この周波数帯域を使ってパケットを送出するのはCATVヘッドエンド101のみなので、MACは特に存在しなくても良い。
(3) IPパケットの転送
さて、図4の下りデータ伝送帯域306にて伝送される下りデータは、CATVヘッドエンド101に接続されている各加入者宅に配信される。この配信された下りデータ(図5に示したフォーマットのパケット)を受け取る各加入者宅のマスターSTB104には、前述したように、予めモデムIDが各加入者宅と重複しないように割り当てられている。よって、マスターSTB104の第1のケーブルモデム203では、CATVヘッドエンド101から伝送されてきたパケット内のケーブルシステムヘッダ401に含まれるモデムIDをチェックし、自分のもつモデムIDと一致するとき、あるいは、そのモデムIDが予め定められたブロードキャスト(同報通信)用のモデムIDであるとき、内部に取り込むようになっている。
さて、図4の下りデータ伝送帯域306にて伝送される下りデータは、CATVヘッドエンド101に接続されている各加入者宅に配信される。この配信された下りデータ(図5に示したフォーマットのパケット)を受け取る各加入者宅のマスターSTB104には、前述したように、予めモデムIDが各加入者宅と重複しないように割り当てられている。よって、マスターSTB104の第1のケーブルモデム203では、CATVヘッドエンド101から伝送されてきたパケット内のケーブルシステムヘッダ401に含まれるモデムIDをチェックし、自分のもつモデムIDと一致するとき、あるいは、そのモデムIDが予め定められたブロードキャスト(同報通信)用のモデムIDであるとき、内部に取り込むようになっている。
一方、各加入者宅からCATVヘッドエンド101へ伝送される上りデータは、図4の上りデータ伝送帯域301に乗せられてマスターSTB104から送信される。CATVヘッドエンド101にパケットを送り出す際に、マスターSTB104は、自分に割り当てられたモデムIDをケーブルシステムヘッダ401に付与して送出する。
このモデムIDは、CATVヘッドエンド101が、該パケットがどこから伝送されてきたものであるかを認識する際に用いられる。
CATVヘッドエンド101は、加入者宅102内に接続される端末(図1のPC110、113、115等)宛のIPパケットを図5のようなカプセル化を行い、下りデータ伝送帯域306を通して送出する。このとき、加入者宅内にルータが接続されている場合以外は、受信端末のイーサネットアドレス(MACアドレス)を付与し、さらに、その加入者宅のマスタ−STB104に割り当てられているモデムIDを付与して、図5に示したようなパケットを生成する。
このパケットが、図4のRF信号の下りデータ伝送帯域306に乗せられて、網終端装置103を介して、加入者宅102のマスタ−STB104にて受信されると、フィルタ・インピーダンス整合部201を通して、インターネットパケット転送部分(下りデータ伝送帯域306)のRF周波数帯域のみがフィルタリングされ、第1のケーブルモデム203に転送される。
第1のケーブルモデム203では、QAMからデジタル信号の復調が行われ、図5のCATV内フオーマットの形でパケットがCATV−MAC処理部204に転送される。
第1のケーブルモデム203では、図5のケーブルシステムヘッダ401内のモデムIDが自モデムID、もしくはブロードキャスト(全ての端末が受信する)用に割り当てられたモデムIDの場合に、これを受信して、イーサネットフレームをデカプセル化する。この時、デカプセル化されたイーサネットフレームの宛先は、各受信端末(あるいはブロードキャストアドレス)となっている。
モデムIDとして各加入者宅に一意に割り当てられるモデムID、イーサフレームの宛先アドレスとしてブロードキャストアドレスを用いることにより、CATV局は、他の加入者宅にブロードキャストフレームを送り込むことなく、特定の加入者宅にイーサネットフレームのブロードキャストを行うことができる。
(3−1) CATVヘッドエンドから加入者宅へのIPパケット転送
例えば、ある加入者宅から他の加入者宅のパソコン110に転送されるイーサネットフレーム(図5参照)は、CATVヘッドエンド101を介して対応の加入者宅へ転送されるが、ここで、CATVヘッドエンド101から相手パソコン110へのパケット転送について、図6を参照して説明する。
例えば、ある加入者宅から他の加入者宅のパソコン110に転送されるイーサネットフレーム(図5参照)は、CATVヘッドエンド101を介して対応の加入者宅へ転送されるが、ここで、CATVヘッドエンド101から相手パソコン110へのパケット転送について、図6を参照して説明する。
まず、CATVヘッドエンド101からRF信号にて送られてきたパケットは、パソコン110を収容する加入者宅102のマスターSTB104の第1のケーブルモデム203において、宛先イーサネットアドレスに関わらず、ブロードキャストのモデムIDがケーブルシステムヘッダ401として付与されて、第2のケーブルモデム206、208、210に転送され、さらに、同軸ケーブルを介して、スレーブSTB105、106、ケーブルモデム114へと送られる。
すなわち、CATVヘッドエンド101とマスターSTB104間では、パソコン110宛のIPパケット(宛先IPアドレス=IPA)は、宛先イーサネットアドレス=ETHERA(パソコン110のイーサアドレス)のイーサフレームにカプセル化されており、さらに、マスターSTB104のモデムID(=MODEMx)が付与されているCATVシステム内フォーマットに変換される。
マスターSTB104とスレーブSTB間の同軸ケーブル上のIPパケット406とイーサフレーム404については、前段と同様に転送される。CATVシステム内フオーマット402については、宛先モデムIDとして、ブロードキャスト用のモデムID=MODEMallが付与されてパケットが転送される。なお、このパケットは、ブロードキャストアドレス(MODEMall)宛に出されているので、全てのスレーブSTBはこれを受信し、取り込むことができる。
モデムIDは、ケーブルモデム109にてはずされて、イーサフレーム404のみがケーブルモデム109とパソコン110間を転送され、最終的にIPパケット406がパソコン110に到達する。
CATVシステム内フオーマット402は、同様にして下流の全てのスレーブSTB105、106、ケーブルモデム114にて受信されることができるので、各加入者宅におけるSTB、ケーブルモデムの買い替えや置き換えをする必要がなくなり、既存資源の有効な活用を行うことが可能となる。
(3−2) 加入者宅からCATVヘッドエンドへのIPパケット転送
次に、逆方向、すなわち、パソコン110からCATVヘッドエンド101の方向へのIPパケットの転送について図7を参照して説明する。
次に、逆方向、すなわち、パソコン110からCATVヘッドエンド101の方向へのIPパケットの転送について図7を参照して説明する。
ここでは、パソコン110から他の加入者宅内に接続される任意の端末(IPアドレス=IPB、イーサアドレス=ETHERB)へパケット転送する場合を例にとり説明する。
図7に示すように、パソコン110とケーブルモデム109間は、IPパケット406をカプセル化したイーサフレーム404が転送される。
ケーブルモデム109にて、イーサフレーム404はCATVシステム内フオーマットのパケット402に変換され、その際、ブロードキャスト用モデムIDをケーブルシステムヘッダに付与されて、さらに変調後、同軸ケーブル上をスレーブSTB105に向かって転送される。
パケット402を受け取つたスレーブSTB105は、インピーダンス整合をとってマスターSTB104にフォワードする。
マスターSTB104の第2のケーブルモデムでは、受け取ったパケット402の宛先モデムIDがブロードキャストであるため、該パケットを受信することができる。
マスタ−STB104では、まず、第2のケーブルモデム206にて、該ケーブルシステムヘッダをはずし、イーサフレーム404にデカプセル化し、イーサネットハブ205に転送する。
イーサネットハブ205では、イーサフレームに含まれる宛先イーサアドレス(ETHREB)から、CATVヘッドエンド方向(上流方向)、例えば、他の加入者宅内にイーサアドレス(ETHREB)をもった端末が存在すると解釈し(この判断処理は、例えば、イーサネットハブ205が学習機能を有していることにより実現が可能である)、該フレーム404をCATV−MAC処理部204の方向にフォワードする。
CATV−MAC処理部204では、ケーブルシステムにおける上りデータ伝送帯域301のMAC制御を行い、ケーブルシステムヘッダのモデムIDの領域に、自分のモデムID(MODEMx)を付与して上流側に送出する。
これを、第1のケーブルモデム203が変調し、インピーダンス整合等をとった後に、所定の伝送帯域の通信チャネルにてCATVヘッドエンド101へ伝送する。
CATVヘッドエンド101では、モデムID(本実施形態の場合、MODEMx)を参照することにより、該パケットがどの加入者宅から送信されてきたものかを知ることができる。
(3−3) 加入者宅内の閉じたIPパケット転送
次に、加入者宅内に閉じたデータ転送、すなわち、例えば、パソコン110から別の部屋のパソコン113方向へのIPパケットの転送について、図8を参照して説明する。
次に、加入者宅内に閉じたデータ転送、すなわち、例えば、パソコン110から別の部屋のパソコン113方向へのIPパケットの転送について、図8を参照して説明する。
ここでは、パソコン113(IPアドレス=IPC、イーサアドレス=ETHERC)へのパケット転送する場合を例にとり説明する。
図8に示すように、パソコン110とケーブルモデム109間は、イーサフレーム404が転送される。
ケーブルモデム109にて、CATVシステム内フオーマットのパケット402に変換し、ブロードキャスト用モデムIDをケーブルシステムヘッダに付与し、さらに変調して、同軸ケーブル上をスレーブSTB105に向かって転送する。
これを受け取つたスレーブSTB105では、インピーダンス整合をとってマスタ−STB104にフオワードする。
宛先モデムIDがブロードキャストであるため、マスタ−STB104の第2のケーブルモデムでは、該パケットを受信することができる。
マスタ−STB104では、まず、第2のケーブルモデム206にて、ケーブルシステムヘッダをはずし、イーサフレーム404にデカプセル化し、イーサネットハブ205に転送する。
イーサネットハブ205に転送されたイーサフレーム404は、宛先アドレスとしてETHERCを有しているため、スレーブSTB106の方向にフオワードする。
以後の処理は、図6のマスタ−STB104から下流方向への処理とほぼ同様であるため、詳細な説明は省略する。
このように、加入者宅内に閉じたデータトラヒックは、従来のように、CATVヘッドエンド101にまで送られることなく、マスターSTB104のイーサネットハブ205でスイッチングされて宛先イーサアドレスにて指定される同じ加入者宅内の端末に転送されるため、加入者宅内データトラヒックの高速転送を行うことが可能となる。
また、従来ブースタが置かれていた箇所に、ブースタの代わりにマスタ−STBを置けば良いだけなので、加入者宅内に引かれている同軸ケーブル資産をそのまま利用して、安価、かつ簡単に上記のシステム構築が可能となる。
(4) プライベートアドレスの割当てと、それを用いたCATV網内およびCATV網間のIPパケット転送
次に、CATV局(CATVヘッドエンド101)からみた、各加入者宅へのIPアドレス(プライベートアドレス)の割当方法について説明する。
次に、CATV局(CATVヘッドエンド101)からみた、各加入者宅へのIPアドレス(プライベートアドレス)の割当方法について説明する。
CATV局は、各加入者宅のネットワークに接続されるIP端末のそれぞれにIPアドレスを割り当てる。その際は、昨今のIPアドレスの枯渇にともない、割り当てうるIPアドレスが少ないため、プライベートアドレスを割り当てていくものとする。
なお、IPアドレスの割当は、マニュアルでの設定が必要な端末を除いては、基本的にDHCPサーバが行っていくものとする。
図9に、IPアドレスの割当ての概念図を示す。図9は、IPアドレスを割り当てる際の機能ブロック図であり、必ずしも物理的なネットワーク構成と対応していない。
図9において、ホームネットワークと書かれている部分は、それぞれ、各加入者宅に構築された図1に示したような構成のネットワークであり、ある加入者宅ではマスターSTB104に収容されている端末がパソコン1台の場合もあるし、ある加入者宅では100台以上の端末が収容されている場合もあると考えられる。
これらのホームネットワークは、それぞれルータ901〜904によりCATVヘッドエンド101内のバックボーン網と接続されている。すなわち、1加入者宅1ルータの形に基本的になっている。
なお、ルータ901〜904の物理的な配置位置は、それぞれの加入者宅内であってもよいし、CATVヘッドエンド101のオフィス内であっても良い。また、これらの混在の状況であっても良い。
また、図9では、各家庭に1台づつのルータが配置されているように書かれているが、実際には物理的には例えば1台のルータが配置されており、ソフト的に各家庭に1台づつ配置されるように運営されていても良い。
ルータ901〜904には、DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)機能を有するDHCPサーバ911〜914がある。これらのDHCPサーバに設定される割当可能アドレスは、前述のようにIPアドレスのプライベートアドレス空間を用いる。これは、RFC1597(TCP/IP規格)で定められているアドレス空間で、例えばクラスAでは「10.*.*.*」が、クラスBでは「192.168.*.*」等が割り当てられている。本発明におけるCATV局101も、これらのプライベートアドレスを用いる。
プライベートアドレスを持っている端末の通信は、図9のようなCATV網(該プライベートアドレスを用いているプライベートネットワーク)から外には出ることはできないが、その代わり(世界的に見て)IPアドレス使用の重複が許される。例えば、各加入者宅に配置されるIP端末数の上限が256であると考えられる場合には、図9のように、順に「10.0.0.*」、「10.0.1.*」、「10.0.2.*」、「10.0.3.*」、…と言う様に割当がなされるように、各DHCPサーバ911〜914への割当アドレスの登録がなされる。ちなみに、マニユアルでIPアドレスを設定しなければいけないような場合においても、DHCPサーバで割当がなされるサブネットアドレスに属するようなアドレス割当が基本的に必要になる。また、DHCPサーバによる割当がなされないような任意のアドレスを割り当てなければならない。
DHCPサーバへの割当アドレスの設定は、マニユアルで行うことも可能であるし、自動化することも可能である。自動化する場合は、以下のようにして行う。すなわち、図10に示すように、CATVバックボーン網内に、DHCPサーバ911〜914を統括するDHCP統括サーバ1001を配置する。また、各加入者宅内のホームネットワークを担当するDHCPサーバ911〜914を、例えば各ホームネットワークに接続されているルータ901〜904内に配置する。
DHCP統括サーバ1001は、ホームネットワークに接続されている各ルータ901〜904のプライベートアドレスを認識しており、各ルータ901〜904のそれぞれに割当るべきIPサブネットアドレスを通知する。これを受信したDHCPルータ911〜914は、通知を受けた(割当の許可を得た)IPサブネットアドレスに属するアドレスのみを、DHCPで定められた手順に従つて割り当てていくことにより、IPプライベートアドレス空間において、該CATVシステム全体で、重複のないIPアドレスの割当を行っていくことが可能となる。
なお、本実施形態では、各DHCPサーバがルータ内に配置されている場合を例に説明を行ってきたが、これがルータとは別の位置に配置されており、各ルータがこれらのDHCPサーバの位置を把握しており、上記通知を受けた各ルータが、該メッセージを各DHCPサーバにフォワードする、といった構成をとることも可能である。このようにする事により、CATVシステムの管理者による各家庭に配置されるべきDHCPサーバの設定の自動化が可能となり、膨大な手間の軽減がはかれることになる。
また、ここではDHCPサーバによる説明をしてきたが、DHCPサーバの代わりに、DHCPリレーエージェントを利用して、これを各加入者宅対応のルータに置き、CATVヘッドエンドバックボーン網において、複数サブネットへのアドレス割当を担当するDHCPサーバを配置することも、もちろん可能である。
また、各加入者宅の端末は、プライベートアドレスのみを割り当てるのではなく、グローバルユニークなIPアドレスの割当を同時に行うことも可能である。即ち、CATV網内のルータは、プライベートアドレスに関するルーチングテーブルのみでなく、グローバルユニークなIPアドレスに関するIPアドレスに関するルーチングテーブルを同時に持ち、グローバルユニークなIPアドレスを必要とする通信(例えば、CATV網の外側のインターネットホストとの通信など)を行う端末や、CATV局内に代理サーバが用意されていないアプリケーシヨンを頻繁に、かつ安全に利用したいユーザなどに、これらは提供されることになっていても良い。
さらに、ルータ1002を介して他のネットワークに接続されていてもよい。ここで、他のネットワークとして考えられるものの1つは、例えば、図11に示すような複数のCATV局から構成されるネットワークである。
図11に示すCATV局間のネットワークは、複数(例えば3つ)のCATV網1205〜1207が、それぞれルータ(図10のルータ1002に対応する)、および中継ノードにあるルータ1202〜1204を介して、スイッチ(例えば、ATMスイッチ)1210で相互接続されて構成されるものである。
このCATV局間のネットワーク構成で、例えば、前述したDHCP統括サーバなるものをCATV局間接続バックボーン網1201に具備し、前述同様に互いの局で値が重ならない様にIPプライベートアドレスを割り当てるようにしてもよい。
このようにすることにより、相互接続された複数のCATV局傘下の端末同士は、割り当てられたプライベートアドレスをもとにして、代理サーバを介さない直接IPパケット通信を行うことが可能となる。
なお、図11では、これらの相互接続はCATV局間にて行うように記述されているが、これは、このような相互接続を行うようなインターネットサービスがCATV局に限定されることを意味するものではなく、任意のインターネットサービス業者が互いに相互接続を行つて、このようなサービスを提供しても良い。このように相互接続されたCATV局間接続バックボーン網1201には、該プライベートIPアドレスに閉じたトラヒックのみを通過させる(即ち、宛先IPアドレスが、プライベートIPアドレスであるものを通過させる)ようにすることも可能である。この場合、ルータ1202、1203、1204はそれぞれ、接続が確認されており、かつ宛先がIPプライベートアドレスであるIPパケットのみをCATV局間接続バックボーン網1201にフォワードしても良い。
これにより、CATV局間接続バックボーン網1201は、プライベートアドレスのみをサポートしたIPルーチングテーブルを用意すれば良く、運用が簡単になると共に、ルーチングテーブルの検索が、グローバルアドレス混在の場合と比べて迅速に行うことができることから、高速なインターネット通信を提供可能になる。
(5) CATV網と外部ネットワークとの通信
次に、プライベートIPアドレスが割り当てられて、これを用いてCATV網内での通信を行う前述したような加入者宅内の端末から、グローバルなインターネットとの通信(具体的には、プライベートアドレス空間内の端末と外部ネットワークに接続された端末間との通信)を行う場合について説明する。
次に、プライベートIPアドレスが割り当てられて、これを用いてCATV網内での通信を行う前述したような加入者宅内の端末から、グローバルなインターネットとの通信(具体的には、プライベートアドレス空間内の端末と外部ネットワークに接続された端末間との通信)を行う場合について説明する。
なお、加入者宅内の端末に、プライベートIPアドレスが割り当てられるとともに、グローバルユニークなIPアドレス(以下、グローバルIPアドレスと呼ぶことがある)が割り当てられている場合、その端末が外部ネットワークと通信を行う際、IPパケットの送信元アドレスとして、プライベートアドレスを用いずにグローバルIPアドレスを用いてもよい。
図12は、プライベートアドレス空間内の端末1301が、グローバルインターネット1309との間で通信を行う場合について説明するための図である。
一般に、この種の通信は、両者の間に代理サーバ(プロキシサーバ)を介して行う。プロキシサーバは、プライベートアドレス内部のアドレス構造を隠ペいし、自らのグローバルユニークなIPアドレスを用いて必要な処理を、端末になりかわり(代理して)行い、グローバルインターネットから得られたその結果を、該端末に通知することにより、該端末は結果的にグローバルインターネットのサービスを受けることができるというものである。
プライベートアドレス空間内の端末1301は、グローバルインターネットとの通信を希望する場合、送信パケットの宛先IPアドレスを通信したい相手先グローバルインターネットアドレスとして、IPパケットを送信する。送信の際、DNS(Domain Name System)等によるアドレス解決手順が関与しても良い。
このIPパケットは、CATV局101のCATVヘッドエンドバックボーン網1310を通過して、ルータ1303に到達する。
ルータ1303には、グローバルインターネットにルーチングされる(あるいは、グローバルインターネットからルーチングされた)IPパケットが全て通過することになる。
次に、図14に示すフローチャートを参照してルータ1303の動作について説明する。
ルータ1303では、CATVヘッドエンドバックボーン網1310から入力されたIPパケットについては、そのポート番号(TCP/UDPにて用いられる、そのIPパケットに対応するアプリケーションを識別するためのもの)までも解析し、そのIPパケットが、どの様なアプリケーションにより送出されたものであるかを検査する。
その際、図14に示すように、まず、受信IPパケットの送信元IPアドレスがグローバルIPアドレスか、プライベートIPアドレスかをチェックする(ステップS1)。送信元IPアドレスがグローバルアドレスのときは、ステップS2に進み、受信パケットをルータ1307に送り、通常のルーチング処理を実行する(ステップS2)。
送信元IPアドレスがプライベートIPアドレスのときは、さらに受信側(対向側)のポート番号(TCP/UDPヘッダ等にあるポート番号)を参照し(ステップS3)、予めルータ1303に具備されているテーブルから、その受信側のポート番号(=a)が登録されているアプリケーションをチェックする(ステップS4)。
その結果、図12のように、受信側のポート番号の登録されているアプリケーションがWWW(World Wide Web)ならばWWW代理サーバ1304、FTP(File Tranfer Protocol)ならばFTP代理サーバ1305、といったように、対応する代理サーバにパケットをフォワードしていく(ステップS5〜ステップS6)。
ここで、対応する代理サーバが存在しない場合でも、そのパケットをそのままグローバルインターネットに送出することはできない。グローバルインターネット中に、重複するアドレスがある場合が考えられ、返信パケットのルーチングのしようがないからである。
そこで、ポート番号解析の結果、転送先の代理サーバの存在しない場合は、ルータ1303は、該IPパケットをNATサーバ1306に転送する(ステップS7〜ステップS8)。
NATサーバは、「Network Address Translation」サーバの略であり、文字どおり、アドレスの変換・翻訳を行うサーバである。
次に、図13を参照して、NATサーバの機能および動作について説明する。ここでは、プライベートアドレス空間内の端末1301(IPアドレス(プライベートIPアドレス)=Px、ポート番号=b)が、グローバルインターネット(インターネット1309に直接接続されている)のサーバ1404(IPアドレス=α、ポート番号a)と通信を行う場合について説明する。
さて、ルータ1303では、IP端末1301から転送されてきたパケット1406に含まれる受信側ポート番号から、受信側ポート番号=aのサポートを行っていないことを認識すると、パケット1406をNATサーバ1306に送る。
NATサーバ1306では、変換テーブル1405に、(受信IPアドレス=α、送信IPアドレス=Px、受信ポート番号=a、送信ポート番号=b)の組と、(受信IPアドレス=α、送信IPアドレス=NATサーバ1306のグローバルユニークなIPアドレスβ、受信ポート番号=a、送信ポート番号=c)を登録する。この登録は、未使用のポート番号cをフェッチすることにより行う。
変換テーブル1405に従って、IPパケットをアドレス変換し、更にTCP/UDP/IPヘッダ内のCRC等の計算のし直し、及びペイロード内の、送信アドレスPxが記入されている部分のβへの書き直しなどを行って、インターネット1403に対して、書き直されたパケット1407を送出する。これらの処理は、NATに関する文献RFC1631に従って行う。
パケット1407に対するレスポンス1408があった場合は、これを変換テーブル1405を参照して、適当なアドレス変換、及びTCP/UDP/IPヘッダの計算のし直し、ペィロード部分の書き直しや、前述のプライベートアドレスからグローバルユニークアドレスへの変換の場合と逆方向への変換を行った後、プライベートIPアドレスPxに対してパケット1409を送出する。
これを受信したルータ1303は、内部のルーチングテーブルに従つて、パケットを必要な次段ルータ(この場合1302)、そしてパソコン1301へとルーチングする。
このように、ルータ1303は、代理サーバ1304、1305が用意されているときはそちらを使い(ステップS5)、代理サーバが用意されておらず、アドレス変換が必要なパケットのみについてNATサーバ1306を通すことにより(ステップS7)、ユーザに対しては、頻繁に利用されているWWW等のアプリケーションについては代理サーバ1304を通した安全なアクセスを、また代理サーバがないアプリケーシヨンについても、極カサービスを続行させることが可能となる。
また、この振り分け機能をルータ1303に配置したことで、端末1301から透過的な処理(代理サーバに明示的にパケットを送出する必要がない)が可能になると言う利点もある。
さらに、端末1301からIPパケットを送出する際に、その送信元IPアドレスにグローバルIPアドレスを用いた場合には、代理サーバ、NATサーバに転送することなく通常のルーティング処理を行えばよいので、汎用性もある。
なお、ここまでの説明は現行のインターネツト(即ちIPv4)を念頭に行ってきたが、次世代のインターネット(IPv6)においても、同様の運用が可能であることは言うまでもない。
101…CATVヘッドエンド
102…加入者宅
103…網終端装置(NT)
104…マスターセットトップボックス(マスターSTB)
105、106…スレーブセットトップボックス(スレーブSTB)
109、112、114…ケーブルモデム
107、108、110、113、115…端末。
102…加入者宅
103…網終端装置(NT)
104…マスターセットトップボックス(マスターSTB)
105、106…スレーブセットトップボックス(スレーブSTB)
109、112、114…ケーブルモデム
107、108、110、113、115…端末。
Claims (3)
- 複数のサブネットワークから構成されるネットワークに接続された通信装置であって、
前記複数のサブネットワークにそれぞれ接続され、当該サブネットワークに収容される端末にIPアドレスを割り当てる複数のサーバのそれぞれに対し、各サブネットワーク単位に割り当てるべきIPアドレスを予め通知する手段を具備したことを特徴とする通信装置。 - 複数のサブネットワークから構成されるネットワークに接続された通信装置であって、
前記複数のサブネットワークにそれぞれ接続され、当該サブネットワークに収容される端末に対してIPアドレスを割り当てる機能をもつ複数のサーバあるいはルータのそれぞれに対し、各サブネットワーク単位に割り当てるべきIPアドレスの少なくとも上位の部分を予め通知する手段を具備したことを特徴とする通信装置。 - 複数のサブネットワークから構成されるネットワークに接続された通信装置であって、
前記複数のサブネットワークにそれぞれ接続され、当該サブネットワークに収容される端末に対して当該端末のIPアドレスを決めるための情報を通知する機能をもつ複数のサーバあるいはルータのそれぞれに対し、各サブネットワーク単位に割り当てるべきIPアドレスの少なくとも上位の部分を予め通知する手段を具備したことを特徴とする通信装置。
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