JP2004147281A - 特殊効果映像生成装置、特殊効果映像生成方法及び特殊効果映像生成プログラム - Google Patents

特殊効果映像生成装置、特殊効果映像生成方法及び特殊効果映像生成プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】映像内において、動きのある注目する被写体の解像度を保持し、それ以外の映像の解像度を低下させた特殊効果映像を生成することを可能にする特殊効果映像生成装置、特殊効果映像生成方法及び特殊効果映像生成プログラムを提供する。
【解決手段】特殊効果映像生成装置1は、注目被写体指定手段10と、被写体動きベクトル算出手段20と、映像フレーム位置補正手段30と、映像フレーム合成手段40と、を備え、連続する複数の映像フレームから、注目被写体を特定の映像フレームの注目被写***置に合わせるように、各映像フレームの画素位置を補正し、その補正された複数の映像フレームを特定の比率で合成することを特徴とする。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、映像内において注目した被写体以外の解像度を低下させた特殊効果映像を生成する特殊効果映像生成装置、特殊効果映像生成方法及び特殊効果映像生成プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、映像内における注目した被写体を強調するような特殊効果映像を生成するには、注目する被写体とその被写体以外の領域とを分割し、注目する被写体とその被写体以外の領域との解像度に差をつけることで、注目する被写体を強調している。
【0003】
このとき、動画像の映像から被写体を抽出するには、注目する被写体が大きくかつ速く動くことを利用して、映像から被写体を識別して抽出する技術が存在する(例えば、非特許文献1参照。)。
【0004】
そして、注目する被写体とそれ以外の領域との解像度に差をつけるには、一枚の映像フレーム毎に映像フレームを被写体とそれ以外の領域とに分割し、分割された被写体以外の領域に対して、例えば隣接する数画素をまとめて同一の画素値にする等の空間フィルタリング処理によって、被写体以外の領域の解像度を低下させていた。
【0005】
また、注目した被写体が静止しており、それ以外の領域の映像が動いているときには、時間方向のフィルタリング処理、例えば、時間方向に連続する複数の映像フレームを加算した各画素値を、加算した映像フレームの数で除することで、被写体以外の動きのある映像を平滑化する処理(ノイズリデュース機能)によって、被写体以外の領域の解像度を低下させていた(例えば、非特許文献2参照。)。
【0006】
【非特許文献1】
李相吉 他,“体操選手のフォーム・軌跡表示システム−マルチモーション−”,映像情報メディア学会誌,vol.51,No.11,
1997
【非特許文献2】
鎧沢勇,“時間軸フィルタの画質改善効果に関する心理物理実験”,テレビジョン学会技術報告,VVI37−1,pp.19−24、July,1980
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記従来の技術において、映像フレームを被写体とそれ以外の領域とに分割して解像度に差をつける方法では、領域分割を行う処理が複雑であり、さらに、その領域分割処理を一枚の映像フレーム毎に行わなければならないため、処理に要する時間が大きくなってしまうという問題があった。
【0008】
また、時間方向のフィルタリング処理によって、静止した被写体以外の領域の解像度を低下させる方法では、注目した被写体が動いた映像では、被写体そのものの解像度が低下してしまうという問題がある。
このように、動画映像においては、動きを伴う被写体の解像度を保持し、被写体以外の映像の解像度を低下させる特殊効果を実現する効果的な手法は存在しなかった。
【0009】
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、時間方向のフィルタリング処理により、映像内において、動きのある注目する被写体の解像度を保持し、それ以外の映像の解像度を低下させた特殊効果映像を生成することを可能にする特殊効果映像生成装置、特殊効果映像生成方法及び特殊効果映像生成プログラムを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記目的を達成するために創案されたものであり、まず、請求項1に記載の特殊効果映像生成装置は、入力映像から、その映像内における動きのある特定映像フレームの注目被写体以外の映像の解像度を低下させた特殊効果映像を生成する特殊効果映像生成装置であって、前記入力映像において、前記注目被写体を指定する注目被写体指定手段と、前記入力映像の連続した映像フレームから、前記映像フレーム間における前記注目被写体の動きベクトルである被写体動きベクトルを算出する被写体動きベクトル算出手段と、この被写体動きベクトル算出手段で算出した被写体動きベクトルに基づいて、連続した複数の映像フレームにおいて、前記特定映像フレーム以外の注目被写体の位置を前記特定映像フレームの注目被写体の位置に合わせるように、前記映像フレームの画素位置を補正する映像フレーム位置補正手段と、この映像フレーム位置補正手段で補正した複数の映像フレームを合成して特殊効果映像を生成する映像フレーム合成手段と、を備える構成とした。
【0011】
かかる構成によれば、特殊効果映像生成装置は、注目被写体指定手段によって、入力映像における特定映像フレームの注目被写体を指定する。例えば、マウス等の入力手段によって、特定映像フレームの注目被写体に含まれる矩形領域を指定する。ここで注目被写体とは、映像上で特定の被写体の解像度だけを保持し、他の領域の解像度を低下させた特殊効果映像を生成するために、操作者が注目する被写体のことをいう。
【0012】
そして、特殊効果映像生成装置は、被写体動きベクトル算出手段によって、入力映像の連続した映像フレームから、映像フレーム間における注目被写体の動きベクトル(被写体動きベクトル)を算出する。例えば、連続する映像フレームにおいて、注目被写体指定手段によって注目被写体として指定された矩形領域を、ブロックマッチング法によって検出して被写体動きベクトルを算出する。
【0013】
さらに、特殊効果映像生成装置は、映像フレーム位置補正手段によって、被写体動きベクトル算出手段で算出した被写体動きベクトルに基づいて、連続した複数の映像フレームにおいて、特定映像フレーム以外の注目被写体の位置を特定映像フレームの注目被写体の位置に合わせるように、特定映像フレーム以外の映像フレームの画素位置を補正する。例えば、連続した複数の映像フレームにおいて、真中の映像フレームを特定映像フレームとして、他の映像フレームの注目被写体の位置を、特定映像フレームの注目被写体の位置に合わせるように他の映像フレームの画素位置をずらす。
そして、特殊効果映像生成装置は、映像フレーム合成手段によって、映像フレーム位置補正手段で補正した複数の映像フレームを合成して特殊効果映像を生成する。
【0014】
また、請求項2に記載の特殊効果映像生成装置は、請求項1に記載の特殊効果映像生成装置において、映像フレーム合成手段が、映像フレーム位置補正手段で補正した複数の映像フレームの各画素値を、映像フレーム毎に特定のフィルタ係数を乗じて同一画素位置毎に加算することを特徴とする。
【0015】
かかる構成によれば、特殊効果映像生成装置は、映像フレーム合成手段によって、映像フレーム位置補正手段で補正した複数の映像フレームを、映像フレーム毎に特定のフィルタ係数を乗じて同一画素位置毎に加算する。このフィルタ係数は、各映像フレームを合成するときの比率であって、この比率を加算した値が1であれば、注目被写体及び映像フレームの輝度及び色の平均値が保持される。
【0016】
さらに、請求項3に記載の特殊効果映像生成装置は、請求項2に記載の特殊効果映像生成装置において、映像フレーム合成手段が、映像フレーム毎に乗ずるフィルタ係数を設定する係数設定手段を備え、映像フレームの画素値に乗ずるフィルタ係数を変えることで、注目被写体以外の映像の解像度を変えることを特徴とする。
【0017】
かかる構成によれば、特殊効果映像生成装置は、映像フレーム合成手段が映像フレーム毎に乗ずるフィルタ係数を設定する係数設定手段を備えており、映像フレームの画素値に乗ずるフィルタ係数を変えることで、注目被写体以外の映像の解像度を変える。例えば、注目被写体の位置を合わせる特定映像フレーム以外の映像フレームの画素値に乗ずるフィルタ係数の値を大きくすることで、注目被写体以外の領域の解像度が低下する。
【0018】
さらにまた、請求項4に記載の特殊効果映像生成装置は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の特殊効果映像生成装置において、注目被写体と同一の動きをする非注目被写体の領域を設定する非注目被写体設定手段と、この非注目被写体設定手段で設定した非注目被写体領域を、前記被写体動きベクトルに基づいて追跡する非注目被写体追跡手段と、前記映像フレーム合成手段から出力される特殊効果映像における、前記非注目被写体領域の解像度を低下させる解像度低下処理手段と、を備える構成とした。
【0019】
かかる構成によれば、特殊効果映像生成装置は、非注目被写体設定手段によって、注目被写体と同一の動きをする非注目被写体の領域を設定する。例えば、マウス等の入力手段によって、非注目被写体を含んだ矩形領域を設定する。そして、特殊効果映像生成装置は、非注目被写体追跡手段によって、非注目被写体設定手段で設定した非注目被写体領域を、被写体動きベクトル算出手段で算出した被写体動きベクトルに基づいて追跡する。注目被写体と非注目被写体とは同一の動きをするため、注目被写体の被写体動きベクトルを参照することで、非注目被写体の領域を追跡することが可能になる。
【0020】
そして、特殊効果映像生成装置は、解像度低下処理手段によって、映像フレーム合成手段から出力される特殊効果映像における非注目被写体の領域の解像度のみを低下させる。例えば、隣接する数画素をまとめて同一の画素値にする等の空間フィルタリング処理によって、被写体以外の領域の解像度を低下させることができる。
【0021】
また、請求項5に記載の特殊効果映像生成装置は、請求項2又は請求項3に記載の特殊効果映像生成装置において、前記入力映像の連続した映像フレームから、前記映像フレーム間における背景の動きを示すグローバルベクトルを算出するグローバルベクトル算出手段と、前記フィルタ係数を複数記憶した係数記憶手段と、前記被写体動きベクトルと前記グローバルベクトルとの差に基づいて、前記係数記憶手段に記憶されているフィルタ係数の中から、前記映像フレームに乗ずるフィルタ係数を選択する係数選択手段とを備え、前記映像フレーム合成手段が、前記係数選択手段で選択されたフィルタ係数に基づいて、前記映像フレームを合成することを特徴とする。
【0022】
かかる構成によれば、特殊効果映像生成装置は、グローバルベクトル算出手段によって、入力映像の連続した映像フレームから、映像フレーム間における背景の動きとなるグローバルベクトルを算出する。なお、一般に映像フレームに占める背景の割合は大きいため、グローバルベクトルは、背景が動いた動きベクトルとみなすことができる。
【0023】
そして、特殊効果映像生成装置は、係数選択手段によって、予め係数記憶手段に記憶されたフィルタ係数を、被写体動きベクトルとグローバルベクトルとの差により選択する。例えば、注目被写体と背景との動きの差が大きい場合、背景の解像度を大きく低下させないようなフィルタ係数を選択する。これによって、連続した映像フレームにおいて、注目被写体以外の背景の解像度の変動が小さくなるようにフィルタ係数を選択できるので、映像フレーム合成手段において、映像フレームを合成したときに、注目被写体の動きの大きさに影響されずに、背景の解像度の低下が一定となる特殊効果映像を生成することができる。
【0024】
また、請求項6に記載の特殊効果映像生成方法は、入力映像から、その映像内における動きのある特定映像フレームの注目被写体以外の映像の解像度を低下させた特殊効果映像を生成する特殊効果映像生成方法であって、前記入力映像において、前記注目被写体を指定する注目被写体指定ステップと、前記入力映像の連続した映像フレームから、前記映像フレーム間における前記注目被写体の動きベクトルである被写体動きベクトルを算出する被写体動きベクトル算出ステップと、この被写体動きベクトル算出ステップで算出した被写体動きベクトルに基づいて、連続した複数の映像フレームにおいて、前記特定映像フレーム以外の注目被写体の位置を前記特定映像フレームの注目被写体の位置に合わせるように、前記映像フレームの画素位置を補正する映像フレーム位置補正ステップと、この映像フレーム位置補正ステップで補正した複数の映像フレームを合成して特殊効果映像を生成する映像フレーム合成ステップと、を含むことを特徴とする。
【0025】
この方法によれば、特殊効果映像生成方法は、注目被写体指定ステップによって、入力映像における特定映像フレームの注目被写体を指定する。例えば、マウス等の入力手段によって、特定映像フレームの注目被写体に含まれる矩形領域を指定する。そして、被写体動きベクトル算出ステップによって、入力映像の連続した映像フレームから、映像フレーム間における注目被写体の動きベクトル(被写体動きベクトル)を算出する。例えば、連続する映像フレームにおいて、注目被写体指定手段によって注目被写体として指定された矩形領域を、ブロックマッチング法によって検出して被写体動きベクトルを算出する。
【0026】
さらに、特殊効果映像生成方法は、映像フレーム位置補正ステップによって、被写体動きベクトル算出ステップで算出した被写体動きベクトルに基づいて、連続した複数の映像フレームにおいて、特定映像フレーム以外の注目被写体の位置を特定映像フレームの注目被写体の位置に合わせるように、特定映像フレーム以外の映像フレームの画素位置を補正する。例えば、連続した複数の映像フレームにおいて、真中の映像フレームを特定映像フレームとして、他の映像フレームの注目被写体の位置を、特定映像フレームの注目被写体の位置に合わせるように他の映像フレームの画素位置をずらす。
そして、映像フレーム合成ステップによって、映像フレーム位置補正ステップで補正した複数の映像フレームを合成して特殊効果映像を生成する。
【0027】
さらに、請求項7に記載の特殊効果映像生成プログラムは、入力映像から、その映像内における動きのある特定映像フレームの注目被写体以外の映像の解像度を低下させた特殊効果映像を生成するために、コンピュータを、以下の手段によって機能させる構成とした。
【0028】
すなわち、前記入力映像において、前記注目被写体を指定する注目被写体指定手段、前記入力映像の連続した映像フレームから、前記映像フレーム間における前記注目被写体の動きベクトルである被写体動きベクトルを算出する被写体動きベクトル算出手段、この被写体動きベクトル算出手段で算出した前記動きベクトルに基づいて、連続した複数の映像フレームにおいて、前記特定映像フレーム以外の注目被写体の位置を前記特定映像フレームの注目被写体の位置に合わせるように、前記映像フレームの画素位置を補正する映像フレーム位置補正手段、この映像フレーム位置補正手段で補正した複数の映像フレームを合成して1つの映像フレームを生成する映像フレーム合成手段、とした。
【0029】
かかる構成によれば、特殊効果映像生成プログラムは、注目被写体指定手段によって、入力映像における特定映像フレームの注目被写体を指定する。例えば、マウス等の入力手段によって、特定映像フレームの注目被写体に含まれる矩形領域を指定する。そして、被写体動きベクトル算出手段によって、入力映像の連続した映像フレームから、映像フレーム間における注目被写体の動きベクトル(被写体動きベクトル)を算出する。例えば、連続する映像フレームにおいて、注目被写体指定手段によって注目被写体として指定された矩形領域を、ブロックマッチング法によって検出して被写体動きベクトルを算出する。
【0030】
さらに、特殊効果映像生成プログラムは、映像フレーム位置補正手段によって、被写体動きベクトル算出手段で算出した被写体動きベクトルに基づいて、連続した複数の映像フレームにおいて、特定映像フレーム以外の注目被写体の位置を特定映像フレームの注目被写体の位置に合わせるように、特定映像フレーム以外の映像フレームの画素位置を補正する。例えば、連続した複数の映像フレームにおいて、真中の映像フレームを特定映像フレームとして、他の映像フレームの注目被写体の位置を、特定映像フレームの注目被写体の位置に合わせるように他の映像フレームの画素位置をずらす。
そして、映像フレーム合成手段によって、映像フレーム位置補正手段で補正した複数の映像フレームを合成して特殊効果映像を生成する。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
(特殊効果映像生成装置の構成:第一の実施の形態)
図1は、本発明における第一の実施の形態である特殊効果映像生成装置1の構成を示したブロック図である。特殊効果映像生成装置1は、入力映像(映像信号)の中で注目すべき被写体(以下、注目被写体という)を指定することで、その注目被写体の解像度を保持したままで、注目被写体以外の領域の解像度を低下させる特殊効果を施した特殊効果映像(特殊効果映像信号)を生成するものである。
【0032】
この特殊効果映像生成装置1は、注目被写体指定手段10と、被写体動きベクトル算出手段20と、映像フレーム位置補正手段30と、映像フレーム合成手段40と、を備える構成とした。
【0033】
注目被写体指定手段10は、図示していないマウス、キーボード等の入力手段によって、映像信号として入力される映像フレーム内の注目被写体に含まれる矩形領域を、注目被写体領域として指定するものである。この注目被写体指定手段10は、指定された注目被写体領域の位置及び大きさを、注目被写体領域情報として被写体動きベクトル算出手段20へ出力する。なお、注目被写体を指定するために表示される映像フレームや、注目被写体領域は、図示していない表示手段によって表示されるものとする。
【0034】
被写体動きベクトル算出手段20は、連続して入力される映像フレーム(映像信号)から、注目被写体指定手段10から入力される注目被写体領域情報で指定された矩形領域の動きベクトルを被写体動きベクトルとして算出するものである。ここで算出された被写体動きベクトルは、映像フレーム位置補正手段30へ出力される。
【0035】
この被写体動きベクトル算出手段20については、さらに、図2を参照(適宜図1参照)して説明を行う。図2は、被写体動きベクトル算出手段20の内部構成を示したブロック図である。図2に示すように被写体動きベクトル算出手段20は、映像遅延部21と、動きベクトル検出部22とを備えて構成した。
【0036】
映像遅延部21は、入力される映像信号を映像フレーム単位で遅延させるものである。この映像遅延部21で1映像フレーム分遅延された映像信号は動きベクトル検出部22へ出力される。
【0037】
動きベクトル検出部22は、外部から入力される映像信号と、映像遅延部21で遅延された1映像フレーム分前に入力されている映像信号とに基づいて、注目被写体指定手段10から入力された注目被写体領域情報で示される注目被写体領域の移動量と方向を示す動きベクトルを算出するものである。例えば、動きベクトル検出部22は、映像遅延部21から入力される映像フレーム内の注目被写体領域が、外部から入力される映像信号の映像フレーム内でどの領域に移動したかを輝度信号レベルの相関を調べるブロックマッチング法に基づいて算出する。
図1に戻って説明を続ける。
【0038】
映像フレーム位置補正手段30は、外部から入力される映像信号と、被写体動きベクトル算出手段20から入力される被写体動きベクトルとに基づいて、連続した複数の映像フレームにおいて、注目被写体の位置を特定映像フレームの注目被写体の位置に合わせるように、特定映像フレーム以外の映像フレームの画素位置を補正した補正映像信号を生成するものである。
【0039】
この映像フレーム位置補正手段30については、さらに、図3を参照(適宜図1参照)して説明を行う。図3は、映像フレーム位置補正手段30の内部構成の一例を示したブロック図である。図3に示すように映像フレーム位置補正手段30は、映像遅延部31(31a,31b,31c,31d)と、位置合わせ部32(32a,32b,32c,32d)と、符号反転部33(33a,33b)と、加算部34(34a,34b)と、動きベクトル遅延部35(35a,35b,35c)とを備えて構成した。
【0040】
この映像フレーム位置補正手段30は、連続した5つの映像フレームに基づいて、その真中(3番目)の映像フレームを特定映像フレームとして、その特定映像フレーム以外の映像フレームの画素位置を補正し、5つの補正映像信号A、B、C、D及びEを生成し出力するものである。
【0041】
映像遅延部31は、映像信号を映像フレーム単位で遅延させるものである。また、位置合わせ部32は、映像信号と被写体動きベクトルとに基づいて、映像信号で入力される映像フレームの画素位置を被写体動きベクトル分だけ移動させることで、注目被写体の位置を、特定映像フレームの注目被写体の位置と同じ位置に合わせるとともに、被写体動きベクトル分移動させることで発生する映像フレームにおける画素の欠落部分の補填を行うものである。
【0042】
また、符号反転部33は、被写体動きベクトルの値の符号を反転させるものであり、加算部34は、入力される2つの信号量を加算した新たな信号を生成するものである。さらに、動きベクトル遅延部35は、入力された被写体動きベクトルを映像フレーム単位で遅延させるものである。
【0043】
このように構成することで、補正映像信号Aは以下のように生成される。
まず、動きベクトル遅延部35cから出力される最初の映像フレームと2番目の映像フレームとの間の被写体動きベクトルと、動きベクトル遅延部35bから出力される2番目の映像フレームと3番目の映像フレーム(特定映像フレーム)との間の被写体動きベクトルとを、加算部34bで加算する。これによって、最初の映像フレームと3番目の映像フレーム(特定映像フレーム)との間の被写体動きベクトルが算出される。
【0044】
そして、加算部34bから出力される被写体動きベクトルと、映像遅延部31dから出力される最初の映像フレームとに基づいて、位置合わせ部32dが、最初の映像フレームの画素位置を被写体動きベクトル分移動させるとともに、被写体動きベクトル分画素を移動させることで発生する最初の映像フレームにおける画素の欠落部分の補填を行い、補正映像信号Aとして生成し出力する。
【0045】
また、補正映像信号Bは、以下のように生成される。
動きベクトル遅延部35bから出力される2番目の映像フレームと3番目の映像フレーム(特定映像フレーム)との間の被写体動きベクトルと、映像遅延部31cから出力される2番目の映像フレームとに基づいて、位置合わせ部32cが、2番目の映像フレームの画素位置を被写体動きベクトル分移動させるとともに、被写体動きベクトル分画素を移動させることで発生する2番目の映像フレームにおける画素の欠落部分の補填を行い、補正映像信号Bとして生成し出力する。
【0046】
また、補正映像信号Dは、以下のように生成される。
動きベクトル遅延部35aから出力される3番目の映像フレーム(特定映像フレーム)と4番目の映像フレームとの間の被写体動きベクトルの符号を、符号反転部33bが反転させる。この符号反転部33bで符号を反転された被写体動きベクトルと映像遅延部31aから出力される4番目の映像フレームとに基づいて、位置合わせ部32bが、4番目の映像フレームの画素位置を被写体動きベクトル分移動させるとともに、被写体動きベクトル分画素を移動させることで発生する4番目の映像フレームにおける画素の欠落部分の補填を行い、補正映像信号Dを生成し出力する。
【0047】
また、補正映像信号Eは、以下のように生成される。
まず、動きベクトル遅延部35aから出力される3番目の映像フレーム(特定映像フレーム)と4番目の映像フレームとの間の被写体動きベクトルと、被写体動きベクトル算出手段20から入力される4番目の映像フレームと5番目の映像フレームとの間の被写体動きベクトルとを、加算部34aで加算する。これによって、3番目の映像フレーム(特定映像フレーム)と5番目の映像フレームとの間の被写体動きベクトルが算出される。
【0048】
そして、符号反転部33aによって、加算部34aから出力される被写体動きベクトルの符号を反転した被写体動きベクトルと、5番目の映像フレームとに基づいて、位置合わせ部32aが、5番目の映像フレームの画素位置を被写体動きベクトル分移動させるとともに、被写体動きベクトル分画素を移動させることで発生する5番目の映像フレームにおける画素の欠落部分の補填を行い、補正映像信号Eとして生成し出力する。
【0049】
なお、補正映像信号Cは、映像遅延部31a及び映像遅延部31bで遅延され、映像遅延部31bから出力される3番目の映像フレーム(特定映像フレーム)がそのまま出力される。
【0050】
ここでは、映像フレーム位置補正手段30を、連続した5つの映像フレームから補正映像信号を生成するものとして構成としたが、この構成に限定されるものではない。例えば、映像フレーム位置補正手段30から、映像遅延部31a及び31d、位置合わせ部32a及び32d、符号反転部33a、加算部34a及び34b、並びに、動きベクトル遅延部35a及び35cを削除することで、連続した3つの映像フレームから補正映像信号を生成することも可能である。
【0051】
また、映像フレーム位置補正手段30は、映像遅延部31と、位置合わせ部32と、符号反転部33と、加算部34と、動きベクトル遅延部35とを増やすことで連続した5つ以上の映像フレームから補正映像信号を生成することも可能である。なお、注目被写体の位置の基準となる特定映像フレームは、必ずしも連続した映像フレームの真中にある必要はない。
図1に戻って説明を続ける。
【0052】
映像フレーム合成手段40は、映像フレーム位置補正手段30で補正された連続した映像フレーム分の補正映像信号を入力し、各補正映像信号を合成することで、映像信号(映像)に特殊効果を付した特殊効果映像信号(特殊効果映像)を生成するものである。この映像フレーム合成手段40については、さらに、図4を参照(適宜図1参照)して説明を行う。図4は、映像フレーム合成手段40の内部構成を示したブロック図である。図4に示すよう映像フレーム合成手段40は、係数設定部41と乗算部42(42a,42b,42c,42d,42e)と、加算部43とを備えて構成した。
【0053】
この映像フレーム合成手段40は、映像フレーム位置補正手段30で補正された連続した映像フレーム分の補正映像信号A、B、C、D及びEに対して、特定のフィルタ係数を乗算したのちに各補正映像信号を加算して、特殊効果映像信号(特殊効果映像)を生成するものである。なお、このフィルタ係数は、各映像フレームを合成するときの比率であって、この比率を加算した値が1であれば、注目被写体及び映像フレームの輝度及び色の平均値が保持される。
【0054】
係数設定部(係数設定手段)41は、図示していないキーボード等の入力手段によって、各補正映像信号に乗ずるフィルタ係数を設定するものである。ここで設定されたフィルタ係数は、各補正映像信号に対応した乗算部42(42a,42b,42c,42d,42e)に出力される。
【0055】
乗算部42は、入力される2つの信号量を乗算し新たな信号を生成するものである。例えば、乗算部42(42a)は、補正映像信号Aに係数設定部41で設定したフィルタ係数を乗じた信号を生成する。この乗算部42で生成された信号は加算部43へ出力される。
【0056】
加算部43は、乗算部42(42a,42b,42c,42d,42e)から出力される信号を加算し、特殊効果映像信号(特殊効果映像)として出力するものである。
【0057】
なお、この映像フレーム合成手段40において、係数設定部41で設定するフィルタ係数を、例えば、補正映像信号A〜Eに対応して、1/5、1/5、1/5、1/5、1/5と設定する。これによって、注目被写体は連続する映像フレーム(補正映像信号)の同一位置に存在するため、各補正映像信号を乗算部42で1/5にして、加算部43で全ての補正映像信号を加算することで、元の解像度を再現することができる。また、注目被写体以外の領域は、各映像フレーム(補正映像信号)において「ずれ」が発生しているため、各補正映像信号を乗算部42で1/5にして、加算部43で全ての補正映像信号を加算しても、もとの解像度を再現することはなく、解像度を低下させることができる。
【0058】
また、係数設定部41で設定するフィルタ係数は、補正映像信号C(ここでは特定映像フレームの映像信号)に乗ずるフィルタ係数の割合を高め、例えば、補正映像信号A〜Eに対応して、1/9、1/9、5/9、1/9、1/9とすることで、注目被写体以外の領域の解像度の低下を軽減することができる。なお、この係数設定部41で設定するフィルタ係数と、注目被写体以外の領域の解像度との関係は、図9に示すように、特定映像フレーム(図4における補正映像信号A)に乗ずるフィルタ係数を大きくし、他の映像フレーム(図4における補正映像信号A、B、D及びE)に乗ずるフィルタ係数を小さくすると、注目被写体以外の領域の解像度は高くなる。また、特定映像フレームに乗ずるフィルタ係数を小さくし、他の映像フレームに乗ずるフィルタ係数を大きくすると、注目被写体以外の領域の解像度は低くなる。
【0059】
なお、ここでは、映像フレーム合成手段40を連続した5つの補正映像信号に基づいて、特殊効果映像信号を生成するものとして構成したが、乗算部42を増減させることで任意の数の補正映像信号から特殊効果映像信号を生成する構成とすることも可能である。
【0060】
以上、特殊効果映像生成装置1の構成について説明したが、特殊効果映像生成装置1は、コンピュータにおいて各手段を各機能プログラムとして実現することも可能であり、各機能プログラムを結合して特殊効果映像生成プログラムとして動作させることも可能である。
【0061】
(特殊効果映像生成装置の動作)
次に、図1及び図10を参照して、特殊効果映像生成装置1の動作について説明する。図10は、特殊効果映像生成装置1の動作を示すフローチャートである。
【0062】
[注目被写体指定ステップ]
まず最初に、注目被写体指定手段10によって、映像信号として入力される映像フレーム内の注目被写体を指定する(ステップS1)。例えば、図5に示すように、処理対象となる映像の最初の映像フレーム上で、車C1を注目被写体として指定する場合、車C1内に含まれる矩形領域を注目被写体領域P1として指定する。
【0063】
[被写体動きベクトル算出ステップ]
次に、被写体動きベクトル算出手段20によって、連続して入力される映像フレーム(映像信号)から、注目被写体指定手段10で指定された注目被写体を示す矩形領域の動きベクトル(被写体動きベクトル)を算出する(ステップS2)。なお、この被写体動きベクトル算出ステップは、映像フレームが入力されるたびに逐次、先に入力された映像フレームと後から入力された映像フレームとに基づいて、被写体動きベクトルを算出する。
【0064】
[映像フレーム位置補正ステップ]
そして、映像フレーム位置補正手段30によって、連続して入力される映像フレーム(映像信号)と被写体動きベクトル算出手段20で算出された被写体動きベクトルとに基づいて、連続した複数の映像フレームにおいて、注目被写体の位置を特定映像フレームの注目被写体の位置に合わせるように、画素位置をずらす(ステップS3)。そして、ステップS3で映像フレームの画素位置をずらすことで発生する画素の欠落部分を補填した補正映像信号を複数の映像フレーム分生成する(ステップS4)。なお、特定映像フレームの映像信号は補正を行わずに、そのまま補正映像信号とする。
【0065】
ここで、映像フレーム位置補正手段30の動作について、図6及び図7を参照(適宜図1参照)して具体的な映像を例にして視覚的に説明を行う。図6は、連続した映像フレームの内容と、その連続した映像フレームにおいて、注目被写体の位置を合わせるように、画素位置をずらした映像フレームの内容を示したものである。図7は、画素位置をずらした映像フレームの画素の欠落部分を補填する方法の一例を示した図である。ここでは、説明を簡略化するために3つの連続した映像フレームを用いて補正映像信号を生成する動作を説明するが、それ以外の連続した映像フレームであっても動作は同様である。
【0066】
図6(a)は、(a−1)、(a−2)、(a−3)の順番で時間的に経過する3つの連続した映像フレームの内容を示している。ここでは注目被写体である車C1が表示画面上で右から左へ移動しているものとする。また、図6(b)は、図6(a)の映像フレーム(a−2)を特定映像フレームとして、その1つ前の映像フレーム(a−1)、及び1つ後の映像フレーム(a−3)の画素位置を、特定映像フレーム(a−2)の注目被写体(車C1)の位置に合わせるように画素位置をずらした内容を示している。
【0067】
ここで、(b−2)は、映像フレーム(a−2)と同じ映像フレームで特定映像フレームの内容を示している。また、(b−1)は、映像フレーム(a−1)を、その映像フレームの注目被写体(車C1)の位置を、1映像フレーム分後の特定映像フレーム(b−2)内の対応する注目被写体に合わせるように被写体動きベクトル算出手段20で算出された被写体動きベクトル分移動したものである。ここでは、右から左へ移動を行ったので、映像フレーム(b−1)では右側に画素の欠落部分(SP1)が発生している。
【0068】
また、(b−3)は、映像フレーム(a−3)を、その映像フレームの注目被写体(車C1)の位置を1映像フレーム分前の特定映像フレーム(b−2)内の対応する注目被写体に合わせるように被写体動きベクトル算出手段20で算出された被写体動きベクトル分移動したものである。ここでは、左から右へ移動を行ったので、映像フレーム(b−3)では左側に画素の欠落部分(SP2)が発生している。
【0069】
そして、映像フレーム位置補正手段30は、図7に示すように画素の欠落部分の補填を行う。図7(a)では、FR1が元の映像フレームの内容を示しており、FR2が画素位置をずらして位置合わせを行う位置を示している。このように、元の映像フレームFR1内の注目被写体C1が動くことで画素の欠落部分SPが発生する。この画素の欠落部分SPの補填は、種々の外挿手法によって行うことが可能であるが、ここでは、鏡像を用いた例について説明する。
【0070】
図7(b)に示すように、元の映像フレームFR1の左右に画素の欠落部分が発生する場合は、映像フレームFR1を左右に反転した線対称映像MI1を作成し(ここでは右側のみに作成)、元の映像フレームFR1の上下に画素の欠落部分が発生する場合は、映像フレームFR1を上下に反転した線対称映像MI2を作成する(ここでは下側のみに作成)。また、元の映像フレームFR1の斜め右上、右下、左上又は左下に画素の欠落部分が発生する場合は、映像フレームFR1を上下左右に反転した点対称映像MI3を作成する(ここでは右下のみに作成)。このように作成された鏡像から、位置合わせを行った領域FR2を切り出すことで、図7(c)に示すような画素の欠落部分を補填した映像(補正映像信号)が生成される。
なお、この画素の欠落部分の補填は、その他の外挿手法、例えば、元の映像フレームの内容をそのまま利用する(0次ホールド)手法を用いることもできる。
図10のフローチャートに戻って説明を続ける。
【0071】
[映像フレーム合成ステップ]
映像フレーム合成手段40によって、ステップS4で生成された複数の映像フレームの補正映像信号毎に特定の係数(フィルタ係数)を乗算する(ステップS5)。そして、フィルタ係数を乗算した補正映像信号を複数の映像フレーム数分加算して(ステップS6)して、特殊効果映像信号として出力する(ステップS7)。
【0072】
この映像フレーム合成手段40から出力される特殊効果映像信号の例を図8に示す。図8は、特殊効果映像信号として出力される映像を模式的に表したものである。図8(a)に示すような映像信号の前後に連続する映像フレームから、図8(b)に示すような特殊効果映像信号の映像フレームが生成される。ここでは、連続する3つの映像フレームから、特殊効果映像信号の映像フレームが生成した例を示しているが、図8(b)に示すように、注目被写体(車C1)は解像度を保持し、注目被写体(車C1)以外の領域は解像度を低下させた映像となっている。この解像度の低下具合は、映像フレーム合成手段40で乗算するフィルタ係数によって変化させることができる。
【0073】
以上の各ステップによって、入力映像(映像信号)の中で指定された注目被写体の解像度を保持したままで、注目被写体以外の領域の解像度を低下させた特殊効果を施した特殊効果映像(特殊効果映像信号)を生成することができる。
【0074】
(特殊効果映像生成装置:第二の実施の形態)
次に、図11を参照して、本発明における第二の実施の形態である特殊効果映像生成装置1Bについて説明する。図11は、特殊効果映像生成装置1Bの構成を示したブロック図である。図11に示すように特殊効果映像生成装置1Bは、入力映像(映像信号)の中で注目被写体と、注目被写体と同じ動きを行う注目しない被写体(以下、非注目被写体という)とを指定することで、その注目被写体のみの解像度を保持したままで、注目被写体以外の領域(非注目被写体を含む)の解像度を低下させる特殊効果を施した特殊効果映像を生成するものである。
【0075】
特殊効果映像生成装置1(図1)は、入力映像(映像信号)の中に注目被写体と同じ動きをする非注目被写体が存在した場合、注目被写体以外の領域の解像度を低下させようとしても、非注目被写体の解像度が保持されたままになってしまう。そこで、特殊効果映像生成装置1Bは、注目被写体以外の領域と、その領域に含まれる注目被写体と同じ動きをする非注目被写体の解像度を低下させるものである。
【0076】
この特殊効果映像生成装置1Bは、特殊効果映像生成装置1に、非注目被写体設定手段50と、非注目被写体追跡手段60と、解像度低下処理手段70とを付加して構成した。
【0077】
特殊効果映像生成装置1内の被写体動きベクトル算出手段20(20B)、非注目被写体設定手段50、非注目被写体追跡手段60及び解像度低下処理手段70以外の構成は、図1に示したものと同一であるので、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0078】
被写体動きベクトル算出手段20Bは、入力される注目被写体領域情報で指定された矩形領域の動きベクトルを被写体動きベクトルとして算出するものである。ここで算出された動きベクトルは、映像フレーム位置補正手段30及び非注目被写体追跡手段60へ出力される。なお、この被写体動きベクトル算出手段20Bは、被写体動きベクトル算出手段20(図1)に比べて出力先が増えているだけで機能は同じものである。
【0079】
非注目被写体設定手段50は、図示していないマウス、キーボード等の入力手段によって、映像信号として入力される映像フレーム内の注目被写体と同じ動きをする非注目被写体の領域を設定するものである。この非注目被写体設定手段50は、設定された非注目被写体領域の位置及び大きさを、非注目被写体領域情報として非注目被写体追跡手段60へ出力する。
【0080】
なお、非注目被写体領域は、非注目被写体を含んだ矩形領域とする。例えば、図12に示すように、処理対象となる映像の最初の映像フレーム上で、注目被写体(車C1)と同じ動きをする自転車を含んだ矩形領域を非注目被写体領域B1として設定する。
【0081】
非注目被写体追跡手段60は、非注目被写体設定手段50で設定された非注目被写体領域と、被写体動きベクトル算出手段20Bで算出された注目被写体の被写体動きベクトルとに基づいて、非注目被写体の領域(非注目被写体領域)の位置を映像上で追跡するものである。ここで追跡される非注目被写体領域は、非注目被写体追跡手段60内で保持されるとともに、解像度低下処理手段70へ出力される。
【0082】
この非注目被写体追跡手段60は、非注目被写体が注目被写体と同じ動きをすることを前提としているため、被写体動きベクトル算出手段20Bから入力される注目被写体の被写体動きベクトルは、そのまま非注目被写体を含んだ非注目被写体領域の動きベクトルと等しくなる。これによって、非注目被写体追跡手段60は、保持している非注目被写体領域の位置を逐次更新することで、非注目被写体を追跡することが可能になる。
【0083】
解像度低下処理手段70は、映像フレーム合成手段40から入力される特殊効果映像信号と、非注目被写体追跡手段60から入力される非注目被写体領域とに基づいて、特殊効果映像信号として入力される映像フレーム内の非注目被写体領域の解像度を低下させた新たな特殊効果映像信号を生成し出力するものである。
【0084】
この解像度低下処理手段70において、非注目被写体領域の解像度を低下させるには、例えば、隣接する数画素をまとめて同一の画素値にする等の空間フィルタリング処理によって、被写体以外の領域の解像度を低下させる。
【0085】
この場合、非注目被写体を厳密に指定して解像度を低下させるのではなく、非注目被写体を含んだ非注目被写体領域に対して、解像度低下処理を施すので、従来の技術よりも簡易に解像度を低下させることができる。なお、非注目被写体が注目被写体と異なる動きをするようになったときは、特殊効果映像生成装置1Bの操作者が、非注目被写体設定手段50で非注目被写体領域を解除するものとする。
【0086】
これによって、特殊効果映像生成装置1Bは、入力映像(映像信号)の中で注目被写体と、注目被写体と同じ動きを行う注目しない被写体とを指定することで、注目被写体のみの解像度を保持したままで、注目被写体以外の領域の解像度を低下させる特殊効果を施した特殊効果映像(特殊効果映像信号)を生成することができる。
【0087】
以上、特殊効果映像生成装置1Bの構成について説明したが、特殊効果映像生成装置1Bは、コンピュータにおいて各手段を各機能プログラムとして実現することも可能であり、各機能プログラムを結合して特殊効果映像生成プログラムとして動作させることも可能である。
【0088】
(特殊効果映像生成装置:第三の実施の形態)
次に、図13を参照して、本発明における第三の実施の形態である特殊効果映像生成装置1Cについて説明する。図13は、特殊効果映像生成装置1Cの構成を示したブロック図である。図13に示すように特殊効果映像生成装置1Cは、入力映像(映像信号)の中で注目すべき被写体(注目被写体)を指定することで、その注目被写体の解像度を保持したままで、注目被写体以外の領域の解像度を低下させる特殊効果を施した特殊効果映像(特殊効果映像信号)を生成するものである。
【0089】
ここでは、特殊効果映像生成装置1Cを、注目被写体指定手段10と、被写体動きベクトル算出手段20と、映像フレーム位置補正手段30と、映像フレーム合成手段40Bと、グローバルベクトル算出手段80と、係数選択手段90とを備えて構成した。注目被写体指定手段10、被写体動きベクトル算出手段20及び映像フレーム位置補正手段30は、図1に示したものと同一のものであるので、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0090】
グローバルベクトル算出手段80は、連続して入力される映像フレーム(映像信号)から、背景の動きベクトルとなるグローバルベクトルを算出するものである。ここで算出されたグローバルベクトルは、係数選択手段90へ出力される。このグローバルベクトル算出手段80については、さらに、図14を参照(適宜図13参照)して説明を行う。図14は、グローバルベクトル算出手段80の内部構成を示したブロック図である。図14に示すようにグローバルベクトル算出手段80は、映像遅延部81と、動きベクトル検出部82とを備えて構成した。
【0091】
映像遅延部81は、入力される映像信号を映像フレーム単位で遅延させるものである。この映像遅延部81で1映像フレーム分遅延された映像信号は動きベクトル検出部82へ出力される。
【0092】
動きベクトル検出部82は、入力される映像信号と、映像遅延部81で遅延された1映像フレーム分前に入力されている映像信号とに基づいて、映像フレーム内の背景が動いた動きベクトルであるグローバルベクトルを算出するものである。なお、一般に映像フレームに占める背景の割合は大きいため、グローバルベクトルは、映像フレーム内の背景が動いた動きベクトルとみなすことができる。
【0093】
この動きベクトル検出部82では、例えば、連続する映像フレームにおいて、ブロックマッチング法により、特定の大きさ(例えば、16×16画素等)のマクロブロック単位の動きベクトルを算出し、映像フレーム内におけるマクロブロックの動きベクトルのヒストグラム分布で、最大頻度となる動きベクトルをグローバルベクトルとする。
【0094】
また、これ以外にも、このグローバルベクトルを検出(算出)する手法として、「上倉一人 等,“動画像符号化におけるグローバル動き補償法”,電子情報通信学会論文誌B−I,Vol.J76−B−I,No.12,p.944−952,1993年12月」や、カメラの動き情報やズーム情報等のカメラデータ(メタデータ)からグローバルベクトルを求める「鄭文濤 等,“A High−Pricision Camera Operation Parameter Measurement System and Its Application to Image Motion Inferring”,IEEE Transactions on Broadcasting,Vol.47,No.1,p.46−55,March 2001」で開示されている技術を用いることができる。
【0095】
例えば、カメラデータによってグローバルベクトルを求めるには、グローバルベクトル算出手段80に、図示していないカメラデータ入力手段を備え、カメラの動き(パン、チルト、ズーム等)によって、映像フレーム内のあるマクロブロックが当該映像フレームのどこに移動するかを算出し、そのマクロブロックの移動方向及び移動量を統計した量をグローバルベクトルとする。例えば、カメラを画面の右方向にパンすると、背景として映っている領域は左方向に移動したように見える。この移動した領域は映像フレーム内では動きを持っているが、実際には背景領域となるものである。このように、カメラデータによって、グローバルベクトルを求める場合は、映像フレーム間でマクロブロック単位の動きベクトルを算出する必要はない。
図13に戻って説明を続ける。
【0096】
係数選択手段90は、被写体動きベクトル算出手段20で算出された被写体動きベクトルと、グローバルベクトル算出手段80で算出されたグローバルベクトル(背景の動きベクトル)との差を算出し、その差に基づいて、フィルタ係数を選択するための係数選択信号を出力するものである。なお、この係数選択信号は映像フレーム合成手段40Bへ出力される。
【0097】
この係数選択手段90については、さらに、図15を参照(適宜図13)して説明を行う。図15は、係数選択手段90の内部構成の一例を示したブロック図である。図15に示すように係数選択手段90は、動きベクトル遅延部91(91a,91b,91c)と、移動量差算出部92(92a,92b,92c,92d)と、加算部93(93a,93b)と、係数選択判定部94とを備えて構成した。
【0098】
この係数選択手段90は、連続した5つの映像フレームにおいて、その真中(3番目)の映像フレームを特定映像フレームとし、各映像フレーム間における被写体動きベクトルとグローバルベクトルとの差に基づいて、係数選択信号を出力するものである。ここでは、特定映像フレームをn番目の映像フレームとし、それより前に入力された2つの映像フレームをそれぞれ(n−2)番目、(n−1)番目の映像フレームとする。また、特定映像フレームよりも後に入力された2つの映像フレームをそれぞれ(n+1)番目、(n+2)番目の映像フレームとする。
【0099】
動きベクトル遅延部91は、入力された被写体動きベクトル及びグローバルベクトルを映像フレーム単位で遅延させるものである。ここで、動きベクトル遅延部91cからの出力を、(n−2)番目の映像フレームと(n−1)番目の映像フレームとの間で算出された被写体動きベクトル及びグローバルベクトルとすると、動きベクトル遅延部91bからの出力は、(n−1)番目の映像フレームとn番目の映像フレームとの間で算出された被写体動きベクトル及びグローバルベクトルとなる。また、動きベクトル遅延部91aからの出力は、n番目の映像フレームと(n+1)番目の映像フレームとの間で算出された被写体動きベクトル及びグローバルベクトルとなる。さらに、動きベクトル遅延部91aへの入力は、(n+1)番目の映像フレームと(n+2)番目の映像フレームとの間で算出された被写体動きベクトル及びグローバルベクトルとなる。
【0100】
移動量差算出部92は、入力された被写体動きベクトルとグローバルベクトルとの差を算出し、移動量差(ベクトル量)として出力するものである。すなわち、移動量差算出部92aは、(n+1)番目の映像フレームと(n+2)番目の映像フレームとの間の移動量差dn+2を算出するものである。また、移動量差算出部92bは、n番目の映像フレームと(n+1)番目の映像フレームとの間の移動量差dn+1を算出するものである。また、移動量差算出部92cは、(n−1)番目の映像フレームとn番目の映像フレームとの間の移動量差dn−1を算出するものである。さらに、移動量差算出部92dは、(n−2)番目の映像フレームと(n−1)番目の映像フレームとの間の移動量差dn−2を算出するものである。
【0101】
加算部93は、入力される2つの信号量を加算した新たな信号を生成するものである。加算部93aは、移動量算出部92aから出力される移動量差dn+2と、移動量算出部92bから出力される移動量差dn+1とを加算することで、n番目の映像フレームと(n+2)番目の映像フレームとの間の移動量差dn2を出力するものである。加算部93bは、移動量算出部92cから出力される移動量差dn−1と、移動量算出部92dから出力される移動量差dn−2とを加算することで、n番目の映像フレームと(n−2)番目の映像フレームとの間の移動量差dn1を出力するものである。
【0102】
係数選択判定部94は、特定映像フレームに対する前後の映像フレームの移動量差(被写体動きベクトルとグローバルベクトルとの差)に基づいて、フィルタ係数を選択するための係数選択信号を生成するものである。すなわち、係数選択判定部94は、特定映像フレームを基準として、2映像フレーム前の移動量差dn1と、1映像フレーム前の移動量差dn−1と、1映像フレーム後の移動量差dn+1と、2映像フレーム後の移動量差dn2とに基づいて、係数選択信号を生成する。例えば、係数選択判定部94は、(1)式に示すような二乗和の平均又は(2)式に示すような絶対値和の平均によって判定基準となる判定基準値αを算出し、その判定基準値αに基づいて係数選択信号を生成する。なお、(1)式及び(2)式における分母の5は、映像フレーム数(フィルタ係数長)を示す。
【0103】
α=(dn1 +dn−1 +dn+1 +dn2 )/5 …(1)式
【0104】
α=(|dn1|+|dn−1|+|dn+1|+|dn2|)/5 …(2)式
【0105】
ここで係数選択を行うレベルを2段階とし、その閾値をTh1、Th2(Th1<Th2)とすると、係数選択判定部94は、(α<Th1)の場合には0、(α≧Th1)の場合には1、(α≧Th2)の場合には2といった係数選択信号を出力する。なお、(α<Th1)の場合、すなわち、映像フレーム内における注目被写体及び背景の動きが小さい場合は、フィルタリングの対象となる映像フレームを指定するフレーム番号を映像フレーム合成手段40B(図13)へ通知して、その指定された映像フレームに対して従来の空間フィルタリングを行うこととしてもよい。
図13に戻って説明を続ける。
【0106】
映像フレーム合成手段40Bは、係数選択手段90から通知される係数選択信号に基づいて、映像フレーム位置補正手段30で補正された連続した映像フレーム分の補正映像信号を合成することで、映像信号(映像)に特殊効果を付した特殊効果映像信号(特殊効果映像)を生成するものである。この映像フレーム合成手段40Bについては、さらに、図16を参照(適宜図13参照)して説明を行う。図16は、映像フレーム合成手段40Bの内部構成を示したブロック図である。図16に示すよう映像フレーム合成手段40Bは、係数設定部41Bと、乗算部42(42a,42b,42c,42d,42e)と、加算部43と、係数記憶部44とを備えて構成した。乗算部42及び加算部43は、図4に示したものと同一のものであるので、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0107】
係数設定部(係数設定手段)41Bは、係数選択手段90から通知される係数選択信号に基づいて、各補正映像信号に乗ずるフィルタ係数を係数記憶部44から読み込んで、各補正映像信号に対応した乗算部42(42a,42b,42c,42d,42e)に出力するものである。
【0108】
係数記憶部44は、予め各補正映像信号に乗ずる複数のフィルタ係数を記憶しておくもので、一般的なメモリ等で構成されるものである。例えば、この係数記憶部44に記憶しておくフィルタ係数として、{1/5、1/5、1/5、1/5、1/5}、{1/7、1/7、3/7、1/7、1/7}{1/9、1/9、5/9、1/9、1/9}等の組み合わせとする。これによって、注目被写体と背景との動きの差に応じて、解像度の変動を小さくするようにフィルタ係数を選択することが可能になる。
【0109】
以上、特殊効果映像生成装置1Cの構成について説明したが、特殊効果映像生成装置1Cは、コンピュータにおいて各手段を各機能プログラムとして実現することも可能であり、各機能プログラムを結合して特殊効果映像生成プログラムとして動作させることも可能である。
【0110】
(特殊効果映像生成装置:第四の実施の形態)
次に、図13、図15及び図16を参照して、本発明における第四の実施の形態である特殊効果映像生成装置1Dについて説明する。この特殊効果映像生成装置1Dは、特殊効果映像生成装置1Cと同様に、入力映像(映像信号)の中で注目すべき被写体(注目被写体)を指定することで、その注目被写体の解像度を保持したままで、注目被写体以外の領域の解像度を低下させる特殊効果を施した特殊効果映像(特殊効果映像信号)を生成するものである。ここで、映像フレーム合成手段40C及び係数選択手段90B以外の構成は、特殊効果映像生成装置1Cと同じであるので、説明を省略する。
【0111】
映像フレーム合成手段40Cは、図16に示した映像フレーム合成手段40Bにおける係数設定部41Bを、乗算部42に出力しているフィルタ係数を係数選択手段90Bへ通知する機能を付加した係数設定部41Cに変更したものである。
係数選択手段90Bは、図15に示した係数選択手段90の係数選択判定部94を以下に説明する機能に変更した係数選択判定部94Bとして構成したものである。
【0112】
すなわち、係数選択判定部94Bは、映像フレーム合成手段40Cから通知されるフィルタ係数と特定映像フレームに対する前後の映像フレームの移動量差とに基づいて、フィルタ係数を選択するための係数選択信号を生成するものとする。例えば、係数選択判定部94Bは、(3)式に示すような重み付き二乗和又は(4)式に示すようなフィルタ係数による重み付き絶対値和によって判定基準となる判定基準値αを算出し、その判定基準値αに基づいて係数選択信号を生成する。なお、(3)式及び(4)式におけるa−2、a−1、a及びaは、フィルタ係数を示している。
【0113】
α=a−2 ・dn1 +a−1 ・dn−1 +a ・dn+1 +a ・dn2 …(3)式
【0114】
α=|a−2|・|dn1|+|a−1|・|dn−1|+|a|・|dn+1|+|a|・|dn2|  …(4)式
【0115】
ここでフィルタ係数の係数選択を行うレベルを2段階とし、その閾値をTh1、Th2(Th1<Th2)とすると、係数選択判定部94Bは、(α<Th1)の場合には0、(α≧Th1)の場合には1、(α≧Th2)の場合には2といった係数選択信号を出力する。
【0116】
これにより、例えば、映像フレーム内における注目被写体及び背景の動きが大きく、判定基準値αの値が大きいときは、映像フレーム合成手段40C(図13)において、フィルタのタップ数を減らして動作させることが可能になる。また、判定基準値αが小さいときは、フィルタリングの対象となる映像フレームを指定するフレーム番号を映像フレーム合成手段40C(図13)へ通知して、その指定された映像フレームに対して従来の空間フィルタリングを行うこととしてもよい。これによって、特殊効果映像生成装置1Dは、注目被写体及び背景映像の動きの差とフィルタ係数とによって、注目被写体以外の領域の解像度の変動を軽減させることができる。
【0117】
以上、特殊効果映像生成装置1Dの構成及び機能について説明したが、特殊効果映像生成装置1Dは、コンピュータにおいて各手段を各機能プログラムとして実現することも可能であり、各機能プログラムを結合して特殊効果映像生成プログラムとして動作させることも可能である。
【0118】
【発明の効果】
以上説明したとおり、本発明に係る特殊効果映像生成装置、特殊効果映像生成方法及び特殊効果映像生成プログラムでは、以下に示す優れた効果を奏する。
【0119】
請求項1、請求項6又は請求項7に記載の発明によれば、入力映像に含まれる注目する被写体の動き情報(動きベクトル)を利用した、時間方向のフィルタリング処理による簡易な手法によって、動きのある注目被写体の解像度を保持したまま、それ以外の領域の解像度を低下させることが可能になる。これによって、従来の特殊効果映像生成手法に、本発明を付加することで低コストで新たな特殊効果映像を生成させることができ、放送番組等の番組制作の幅を広げることができる。
【0120】
請求項2に記載の発明によれば、注目被写体の位置を補正した複数の映像フレームの各画素値を、映像フレーム毎に特定のフィルタ係数を乗じて同一画素位置毎に加算するという簡易な手法で、注目被写体以外の領域の解像度を低下させることが可能になる。
【0121】
請求項3に記載の発明によれば、複数の映像フレームの各画素値を、映像フレーム毎に乗ずるフィルタ係数の値を可変にできるため、注目被写体以外の領域の解像度を変化させることが可能になる。これによって、同一映像であっても、特殊効果の異なる特殊効果映像を生成させることができ、放送番組等の番組制作の幅を広げることができる。
【0122】
請求項4に記載の発明によれば、注目被写体と同じ動きをする被写体(非注目被写体)が映像上に存在していても、その非注目被写体を含んだ矩形領域を指定するだけで非注目被写体の解像度を低下させることができ、注目被写体以外の領域の解像度を低下させることが可能になる。
【0123】
請求項5に記載の発明によれば、注目被写体と背景映像との動きの差によって、注目被写体以外の領域における解像度を低下させることができるので、注目被写体から離れた背景の解像度を低下させることができ、注目被写体の動きによる注目被写体以外の領域における解像度の変動を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態に係る特殊効果映像生成装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第一の実施の形態に係る特殊効果映像生成装置の被写体動きベクトル算出手段の構成例を示すブロック図である。
【図3】本発明の第一の実施の形態に係る特殊効果映像生成装置の映像フレーム位置補正手段の構成例を示すブロック図である。
【図4】本発明の第一の実施の形態に係る特殊効果映像生成装置の映像フレーム合成手段の構成例を示すブロック図である。
【図5】注目被写体指定手段における注目被写体領域を指定するための画面例を示した図である。
【図6】映像フレーム位置補正手段における映像フレームの画素位置をずらす動作を模式的に示した模式図である。
【図7】映像フレーム位置補正手段における画素の欠落部分の補填を行う動作を模式的に示した模式図である。
【図8】特殊効果映像生成装置によって特殊効果映像信号として出力される画面例を示した図である。
【図9】映像フレームに乗ずるフィルタ係数と、注目被写体以外の領域の解像度との関係を示した図である。
【図10】本発明の第一の実施の形態に係る特殊効果映像生成装置の動作を示すフローチャートである。
【図11】本発明の第二の実施の形態に係る特殊効果映像生成装置の全体構成を示すブロック図である。
【図12】非注目被写体設定手段における非注目被写体領域を設定するための画面例を示した図である。
【図13】本発明の第三及び第四の実施の形態に係る特殊効果映像生成装置の全体構成を示すブロック図である。
【図14】本発明の第三の実施の形態に係る特殊効果映像生成装置のグローバルベクトル算出手段の構成例を示すブロック図である。
【図15】本発明の第三及び第四の実施の形態に係る特殊効果映像生成装置の係数選択手段の構成例を示すブロック図である。
【図16】本発明の第三及び第四の実施の形態に係る特殊効果映像生成装置の映像フレーム合成手段の構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1、1B、1C、1D……特殊効果映像生成装置
10        ……注目被写体指定手段
20、20B    ……被写体動きベクトル算出手段
30        ……映像フレーム位置補正手段
40、40B、40C……映像フレーム合成手段
41、41B、41C……係数設定部(係数設定手段)
44        ……係数記憶部(係数記憶手段)
50        ……非注目被写体設定手段
60        ……非注目被写体追跡手段
70        ……解像度低下処理手段
80        ……グローバルベクトル算出手段
90、90B    ……係数選択手段

Claims (7)

  1. 入力映像から、その映像内における動きのある特定映像フレームの注目被写体以外の映像の解像度を低下させた特殊効果映像を生成する特殊効果映像生成装置であって、
    前記入力映像において、前記注目被写体を指定する注目被写体指定手段と、
    前記入力映像の連続した映像フレームから、前記映像フレーム間における前記注目被写体の動きベクトルである被写体動きベクトルを算出する被写体動きベクトル算出手段と、
    この被写体動きベクトル算出手段で算出した被写体動きベクトルに基づいて、連続した複数の映像フレームにおいて、前記特定映像フレーム以外の注目被写体の位置を前記特定映像フレームの注目被写体の位置に合わせるように、前記映像フレームの画素位置を補正する映像フレーム位置補正手段と、
    この映像フレーム位置補正手段で補正した複数の映像フレームを合成して前記特殊効果映像を生成する映像フレーム合成手段と、
    を備えていることを特徴とする特殊効果映像生成装置。
  2. 前記映像フレーム合成手段は、前記映像フレーム位置補正手段で補正した複数の映像フレームの各画素値を、前記映像フレーム毎に特定のフィルタ係数を乗じて同一画素位置毎に加算することを特徴とする請求項1に記載の特殊効果映像生成装置。
  3. 前記映像フレーム合成手段は、前記フィルタ係数を設定する係数設定手段を備え、
    前記映像フレームの画素値に乗ずるフィルタ係数を変えることで、前記注目被写体以外の映像の解像度を変えることを特徴とする請求項2に記載の特殊効果映像生成装置。
  4. 前記注目被写体と同一の動きをする非注目被写体の領域を設定する非注目被写体設定手段と、
    この非注目被写体設定手段で設定した非注目被写体領域を、前記被写体動きベクトルに基づいて追跡する非注目被写体追跡手段と、
    前記映像フレーム合成手段から出力される特殊効果映像における、前記非注目被写体領域の解像度を低下させる解像度低下処理手段と、
    を備えていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の特殊効果映像生成装置。
  5. 前記入力映像の連続した映像フレームから、前記映像フレーム間における背景の動きを示すグローバルベクトルを算出するグローバルベクトル算出手段と、
    前記フィルタ係数を複数記憶した係数記憶手段と、
    前記被写体動きベクトルと前記グローバルベクトルとの差に基づいて、前記係数記憶手段に記憶されているフィルタ係数の中から、前記映像フレームに乗ずるフィルタ係数を選択する係数選択手段とを備え、
    前記映像フレーム合成手段が、前記係数選択手段で選択されたフィルタ係数に基づいて、前記映像フレームを合成することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の特殊効果映像生成装置。
  6. 入力映像から、その映像内における動きのある特定映像フレームの注目被写体以外の映像の解像度を低下させた特殊効果映像を生成する特殊効果映像生成方法であって、
    前記入力映像において、前記注目被写体を指定する注目被写体指定ステップと、
    前記入力映像の連続した映像フレームから、前記映像フレーム間における前記注目被写体の動きベクトルである被写体動きベクトルを算出する被写体動きベクトル算出ステップと、
    この被写体動きベクトル算出ステップで算出した被写体動きベクトルに基づいて、連続した複数の映像フレームにおいて、前記特定映像フレーム以外の注目被写体の位置を前記特定映像フレームの注目被写体の位置に合わせるように、前記映像フレームの画素位置を補正する映像フレーム位置補正ステップと、
    この映像フレーム位置補正ステップで補正した複数の映像フレームを合成して前記特殊効果映像を生成する映像フレーム合成ステップと、
    を含んでいることを特徴とする特殊効果映像生成方法。
  7. 入力映像から、その映像内における動きのある特定映像フレームの注目被写体以外の映像の解像度を低下させた特殊効果映像を生成するために、コンピュータを、
    前記入力映像において、前記注目被写体を指定する注目被写体指定手段、
    前記入力映像の連続した映像フレームから、前記映像フレーム間における前記注目被写体の動きベクトルである被写体動きベクトルを算出する被写体動きベクトル算出手段、
    この被写体動きベクトル算出手段で算出した被写体動きベクトルに基づいて、連続した複数の映像フレームにおいて、前記特定映像フレーム以外の注目被写体の位置を前記特定映像フレームの注目被写体の位置に合わせるように、前記映像フレームの画素位置を補正する映像フレーム位置補正手段、
    この映像フレーム位置補正手段で補正した複数の映像フレームを合成して前記特殊効果映像を生成する映像フレーム合成手段、
    として機能させることを特徴とする特殊効果映像生成プログラム。
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