JP2004144384A - 防水・防塵型装置およびパッキン加工治具 - Google Patents
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Abstract
【課題】この発明は、防水・防塵性を高め、かつ、見栄えをよくした防水・防塵型装置およびパッキン加工治具を得る。
【解決手段】パッキン5は、V字状の切り欠き部5b、5c、5d、deが各コーナー部に対応する位置に形成され、45度に切断された端部5a、5fが形成された1本のパッキン材で構成されている。そして、切り欠き部5b、5c、5d、deの根元部で曲げて切り欠き部の切り欠き面同士を突き合わせ、かつ、両端部5a、5fの端面同士を突き合わせて枠状形状に構成されて、筐体2のフランジ面に接着固定されている。
【選択図】 図2
【解決手段】パッキン5は、V字状の切り欠き部5b、5c、5d、deが各コーナー部に対応する位置に形成され、45度に切断された端部5a、5fが形成された1本のパッキン材で構成されている。そして、切り欠き部5b、5c、5d、deの根元部で曲げて切り欠き部の切り欠き面同士を突き合わせ、かつ、両端部5a、5fの端面同士を突き合わせて枠状形状に構成されて、筐体2のフランジ面に接着固定されている。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、開閉扉部にパッキンを用いて、防水・防塵構造を構成した制御盤等の防水・防塵型装置およびパッキンを容易に、かつ、高精度に加工できるパッキン加工治具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の防水・防塵型装置においては、4本の直線状のパッキンを扉の4辺縁部に枠状に配設して、防水・防塵構造を採っていた。そして、各パッキンの両端は例えば45度の角度で切断されており、パッキンの端部同士を突き合わせて接着されていた。(例えば、特許文献1参照。)
【0003】
【特許文献1】
実開昭62−171785号公報(第1図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の防水・防塵装置においては、長尺のパッキン部材に付された切断加工線に沿って、カッターやはさみにより切断して、所望長さの各パッキンを得ていた。しかしながら、パッキン部材はゴム系材料で作製されているため、切断時に逃げやすく、切断加工線通りに加工することが困難であり、直線加工精度が悪化するとともに、切断作業性も悪化してしまう。特に、パッキン部材が中空形状に形成されている場合には、切断時に逃げやすく、直線加工精度および切断作業性の悪化が激しくなる。
そして、4本の直線状のパッキンの端面同士と突き合わせて枠状に構成しているので、パッキン部材が切断加工線通りに切断されないと、パッキン端部の突き合わせ面間に隙間や角度ズレが発生してしまい、パッキン端部同士の接着作業の時間が長くなり、防水・防塵性が悪化し、さらには防水・防塵部の見栄えが悪くなるという不具合があった。
【0005】
この発明は、上記の課題を解消するためになされたもので、コーナー部に対応する位置に切り欠き部を形成した1本のパッキン部材を用いて枠状のパッキンを構成し、防水・防塵性を高め、かつ、防水・防塵部の見栄えをよくした防水・防塵型装置を得ることを目的とする。
また、切断時のパッキン部材の逃げを抑制し、パッキン部材の一部を残して切り欠き部を簡易に、かつ、高寸法精度に形成できるパッキン加工治具を得ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る防水・防塵型装置は、V字状の切り欠き部が枠状形状の各コーナー部に対応するように形成された1本のパッキン部材を、該切り欠き部の根元部で曲げて該切り欠き部の切り欠き面同士を突き合わせ、かつ、両端部の端面同士を突き合わせて枠状形状に構成したパッキンを、筐体および扉の一方に接着固定している。
【0007】
また、この発明に係るパッキン加工治具は、パッキンガイド溝を有する下型と、切り刃が所定角度を有するV字形に配設された上型とを備えている。そして、上型は、切り刃がパッキンガイド溝から離反する開放位置と、切り刃がその刃先をパッキンガイド溝の底面に接するようにパッキンガイド溝内に位置する作動位置との間を移動可能に構成されている。さらに、切り刃は、作動位置にあるときに、V字形の先端がパッキンガイド溝の一方の側壁面に対して所定の隙間を有し、かつ、V字形がパッキンガイド溝の溝方向に直交する平面に対して対称な形状となるように、上型に配設されている。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図について説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係る防水・防塵型制御盤を示す断面図、図2は図1のII−II矢視断面、図3はこの発明の実施の形態1に係る防水・防塵型制御盤におけるパッキンの組み立て前の状態を示す正面図である。
【0009】
図1および図2において、筐体2は、前面に長方形の開口3を有する箱形に形成され、フランジ面2aが開口3を取り囲む枠状に形成されている。扉4は、開口3を開閉可能に筐体2の前面に取り付けられている。また、ゴム系材料からなる中空形状のパッキン5が、フランジ面2aに枠状に接着固定されている。そして、扉4が閉じられたときに、パッキン5が扉4の内壁面4aとフランジ面2aとの間に挟持されて弾性変形し、筐体2内部を気密にシールして防水・防塵状態を確保している。
【0010】
このパッキン5は、断面楕円形の中空形状を有する長尺のパッキン部材(図示せず)に、パッキン部材の一部を残す90度の切り欠き加工が4箇所に施され、さらに45度の終端加工が施されて、作製されている。そこで、パッキン5は、図3に示されるように、コーナー部を構成する90度の切り欠き部5b、5c、5d、5eが45度に切断された端部5、5f間に形成され、厚みδのパッキン部材が各切り欠き部5b、5c、5d、5eの根元部に残されている。
このように加工されたパッキン5は、フランジ面2aの各コーナー部において、切り欠き部5b、5c、5d、5eに残された根元部の位置で90度に曲げられ、端部5a、5fの端面同士を突き合わせて、フランジ面2aに接着固定されている。また、根元部の位置で90度曲げられた切り欠き部5b、5c、5d、5eの切り欠き面同士が突き合わされた状態で接着され、さらに端部5a、5fの端面(切断面)同士が突き合わされた状態で接着されている。
【0011】
このように構成された制御盤1においては、パッキン5が一体物で構成されているので、パッキン5のフランジ面2aへの取り付け作業が簡易となる。
また、切り欠き部5b、5c、5d、5eがパッキン部材の一部を残して90度の切り欠きに形成されているので、パッキン5を根元部の位置で90度に曲げることにより、切り欠き部5b、5c、5d、5eの切り欠き面同士が精度よく突き合わされる。そこで、フランジ面2aに枠状に接着固定されたパッキン5のコーナー部の突き合わせ面がずれることなく、かつ、隙間なく接着される。これにより、制御盤1の防水・防塵性が高められるとともに、コーナー部の突き合わせ部が45度の直線となり、見栄えが向上される。
【0012】
なお、上記実施の形態1では、開口3が筐体2の前面に設けられているものとしているが、開口3が設けられる筐体2の壁面は前面に限定されるものではなく、例えば筐体2の天井に設けられていてもよい。
また、上記実施の形態1では、開口3が長方形に形成されているものとして説明しているが、開口3の形状は長方形に限定されるものではない。そして、パッキン5に形成される切り欠き部の角度は、開口3を取り囲むように設計されたパッキン枠のコーナー部の角度に合わせて設定されることはいうまでもないことである。
また、上記実施の形態1では、制御盤1について説明しているが、この発明は、制御盤に限らず、パッキンで防水・防塵性を確保する防水・防塵型装置に適用できる。
【0013】
実施の形態2.
図4および図5はそれぞれこの発明の実施の形態2に係るパッキン加工治具を示す上面図および側面図、図6はこの発明の実施の形態2に係るパッキン加工治具の上型の切り刃装着状態を説明する平面図である。図7乃至図9はそれぞれこの発明の実施の形態2に係るパッキン加工治具の下型を示す上面図、側面図および正面図である。図10および図11はそれぞれこの発明の実施の形態2に係るパッキン加工治具の上型を示す下面図および側面図である。図12および図13はそれぞれこの発明の実施の形態2に係るパッキン加工治具の切り刃押さえ金具を示す上面図および側面図である。図14および図15はそれぞれこの発明の実施の形態2に係るパッキン加工治具の切り刃押さえ金具装着金具を示す上面図および側面図である。図16はこの発明の実施の形態2に係るパッキン加工治具の開放ひねりバネを示す側面図、図17はこの発明の実施の形態2に係るパッキン加工治具の回転軸を示す側面図、図18はこの発明の実施の形態2に係るパッキン加工治具の開放ひねりバネ固定治具を示す上面図である。
【0014】
下型11は、図7乃至図9に示されるように、平板状の基部11aと、この基部11aの前端の両側部に相対して形成された一対の腕部11bとを有している。そして、孔中心を基部11aの主面(上面)と平行とする貫通孔11cが各腕部11bに穿設されている。また、溝方向を貫通孔11cの孔中心と平行とするパッキンガイド溝11dが基部11aの主面に形成されている。さらに、一対の切り刃逃がし溝11eが基部11aの主面にパッキンガイド溝11dから後方に延設されている。さらにまた、基部11aの一対の腕部11b間が肉薄に形成され、2つの開放ひねりバネ固定ネジ穴11fがその肉薄部に形成されている。
なお、パッキン部材8は断面楕円形の中空形状に形成され、断面楕円形の長軸長さが幅に対応し、短軸長さが高さに対応している。そして、パッキンガイド溝11dの溝幅はパッキン部材8の幅と同等に形成され、パッキンガイド溝11dの溝深さはパッキン部材8の高さと同等に形成されている。
【0015】
上型12は、図10および図11に示されるように、厚肉部12aと薄肉部12bとを有する段付き平板状に成形され、一対の腕部12cが厚肉部12aの前端の両側部に相対して形成されている。そして、厚肉部12aと薄肉部12bとの境界がV字状の段差部12dを構成している。孔中心を厚肉部12aの主面(下面)と平行とする貫通孔12eが各腕部12cに穿設され、切り刃押さえ金具固定用穴12fが薄肉部12bに貫通孔12eの孔中心と平行に3つ形成されている。また、厚肉部12aの一対の腕部12c間が肉薄に形成され、2つの開放ひねりバネ固定ネジ穴12gがその肉薄部に形成されている。
ここで、一対の腕部12cの外端面間の距離d3は、下型11の一対の腕部12bの内端面間の距離d1より僅かに短く形成され、貫通孔12eの孔中心とV字状の段差部12dの先端との距離d4は、貫通孔11cの孔中心とパッキンガイド溝11dと距離d2に対してδだけ長く形成されている。また、段差部12dは、一対の腕12c間の中間位置で貫通孔12eの孔中心と直交する面に対して対称なV字形に形成され、そのV字形の角度が90度となっている。
【0016】
切り刃押さえ金具13は、図12および図13に示されるように、V字状の先端面13aを有する平板状に作製されている。そして、2つの押さえガイド穴13cがV字状の先端面13aに相対する端面13bに形成されている。なお、先端面13aは端面13bに直交する面に対して対称なV字形に形成され、そのV字形の角度が90度となっている。
【0017】
切り刃押さえ金具装着金具14は、直方体に作製され、3つの固定ネジ穴14aが上型12の切り刃押さえ金具固定用穴12fに対応する位置関係に形成され、2つの押さえネジ穴14bが切り刃押さえ金具13の押さえガイド穴13cに対応する位置関係に形成されている。そして、固定ネジ穴14aと押さえネジ穴14bとは互いに直交している。
【0018】
弾性部材としての開放ひねりバネ15はバネ材を巻回して作製され、図16に示されるように、両端部15b、15cが巻回部15aから延出している。回転軸16は、図17に示されるように、一端にフランジ部16aが形成されている。開放ひねりバネ固定金具17は、図18に示されるように、直方体に作製され、2つの固定穴17aが、開放ひねりバネ固定ネジ穴11f、12gに対応する位置関係に形成されている。
【0019】
つぎに、パッキン加工治具10の組み立て方法について説明する。
まず、切り刃押さえ金具装着金具14が上型12の薄肉部12bに下面側から宛われ、上型12の上面側から切り刃押さえ金具固定用穴12fに通されたボルト19を固定ネジ穴14aに締着する。これにより、切り刃押さえ金具装着金具14が上型12に固定される。ついで、切り刃押さえ金具13が切り刃押さえ金具装着金具14と上型12の厚肉部12aとの間に配設され、ボルト20を押さえネジ穴14bに螺着する。そして、ボルト20の押さえネジ穴14bから延出部が切り刃押さえ金具13のガイド穴13c内に挿入される。
ついで、切り刃18a、18bが、端面同士を突き合わせて切り刃押さえ金具13のV字状の先端面13aとV字状の段差部12dとの間に挿入され、その後ボルト20が締め付けられる。これにより、ボルト20の先端部が押さえネジ穴14bから伸長し、ガイド穴13cの底部を段差部12d側に押圧し、切り刃押さえ金具13が段差部12d側に移動する。そこで、図6に示されるように、切り刃18a、18bが切り刃押さえ金具13の先端面13aと上型12の段差部12dとの間に締着固定される。これにより、切り刃18a、18bは90度の角度を持ったV字形に構成される。
【0020】
そして、開放ひねりバネ15の端部15bが下型11の一対の腕部11b間の肉薄部に宛われ、開放ひねりバネ固定金具17が開放ひねりバネ15の端部15b上に載置される。ついで、ボルト21が開放ひねりバネ固定金具17の固定穴17aに通されて、開放ひねりバネ固定ネジ穴11fに締着される。これにより、開放ひねりバネ15の端部15bが下型11に固定される。
また、開放ひねりバネ15の端部15cが上型12の一対の腕部12c間の肉薄部に宛われ、開放ひねりバネ固定金具17が開放ひねりバネ15の端部15c上に載置される。ついで、ボルト21が開放ひねりバネ固定金具17の固定穴17aに通されて、開放ひねりバネ固定ネジ穴12gに締着される。これにより、開放ひねりバネ15の端部15cが上型12に固定される。
【0021】
ついで、回転軸16が、下型11の一方の貫通孔11c、上型12の一方の貫通孔12e、開放ひねりバネ15の巻回部15a、上型12の他方の貫通孔12eおよび下型11bの他方の貫通孔11cに通される。そして、止め輪16bが回転軸16の下型11の他方の貫通孔11cからの延出部に装着され、回転軸16の抜けが防止される。これにより、パッキン加工治具10が図4および図5に示されるように組み立てられる。
【0022】
このように組み立てられたパッキン加工治具10は、上型12が回転軸16周りに回動可能に下型11に取り付けられている。そして、開放ひねりバネ15の付勢力が、回転軸16を中心として上型12を図5中時計回りに回動させるように作用している。そこで、パッキン加工治具10は、上型12が下型11から離反した開放位置(図5中二点鎖線で示される)と、上型12の厚肉部12aが下型11の基部11aの主面(上面)に当接した作動位置(図5中実線で示される)とを採るように構成されている。
また、切り刃18a、18bは、上型12の厚肉部12aの下面から突出し、その突出量がパッキンガイド溝11dの溝深さと等しくなっている。そして、パッキン加工治具10が作動位置にあるときに、切り刃18a、18bのV字形の先端側がパッキンガイド溝11D内に納められ、V字形の後端側が切り刃逃がし溝11e内に納められる。この時、切り刃18a、18bのV字状の先端とパッキンガイド溝11dの回転軸16側の壁面との間に隙間δが形成され、切り刃1a、18bの刃先がパッキンガイド溝11dの底面に接している。
【0023】
つぎに、このパッキン加工治具10によるパッキン部材8の切り欠き加工について説明する。
まず、上型12が開放位置にある時に、パッキン部材8をパッキンガイド溝11d内に配設する。ついで、上型12の反回転軸側を押して、上型12を回転軸16周りに図5中反時計回りに回動させる。そして、上型12の厚肉部12aが下型11の基部11aの主面(上面)に当接し、この上型12の回動動作が終了する。これにより、切り刃18a、18bがパッキンガイド溝11d内に入り込み、パッキン部材8の一部が切断され、V字状の切り欠き部が形成される。そして、上型12への押圧を解除すると、開放ひねりバネ15に蓄勢された蓄勢力により、上型12が回転軸16周りに図5中時計回りに回動し、開放位置に戻る。そして、パッキン部材8をパッキンガイド溝11dの溝方向に所定距離移動させ、同様にして、パッキン部材8に切り欠き部を形成する。
なお、別途作製された切り刃18a、18bのV字状の先端とパッキンガイド溝11dの回転軸16側の壁面との間に隙間がないパッキン加工治具を用いて、パッキン部材8の両端部を45度に切断して、図3に示されるパッキン5が得られる。
【0024】
このように、この実施の形態2によれば、パッキン部材8がパッキンガイド溝11d内に収納された状態で切断されるので、切断時のパッキン部材8の逃げがなく、切断面の平坦度(直線性)が確保され、高加工精度にV字状の切り欠き部を形成できる。同様に、45度の端部を高加工精度に、かつ、平坦面に形成できる。
また、切り刃18a、18bのV字形がパッキンガイド溝11dの溝方向に直交する平面に対して対称な形状となっているので、切り欠き部を根元部で90度に曲げて切り欠き面を突き合わせた時に、切り欠き面がずれることなく突き合わせられ、隙間がなくなる。
また、切り刃18a、18bを有する上型12が回転軸16周りに回動自在に下型11に取り付けられているので、上型12を回転軸16周りに回動させるだけでパッキン部材8にV字状の切り欠き部を形成でき、作業性が向上する。
また、開放ひねりバネ15が上型12を下型11から離反させるように配設されているので、上型12の押圧を解除するだけで上型12が下型11から離反し、さらに作業性が向上する。
また、上型12を回転軸16周りに回動させるだけでパッキン部材8にV字状の切り欠き部を形成できるので、切り欠き部を再現性よく形成することができる。
さらに、切り刃18a、18bが段差部12dと切り刃押さえ金具13の先端面13aとの間に挟持され、ボルト20の締着力により固定されているので、切り刃18a、18bの着脱が容易となるとともに、簡易にV字状に取り付けることができる。
【0025】
従って、このパッキン加工治具10を用いて作製されたパッキン5を用いれば、各切り欠き部5b、5c、5d、5eは切り欠き角度および切り欠き深さが一定となり、90度のV字形に高加工精度に形成され、かつ、切り欠き部5b、5c、5d、5eの切り欠き面(切断面)の平坦度が確保されているので、切り欠き部5b、5c、5d、5eの切り欠き面同士が精度よく突き合わされ、防水・防塵性が高められるとともに、コーナー部の突き合わせ部が45度の直線となり、見栄えが向上される。
【0026】
実施の形態3.
図19はこの発明の実施の形態3に係るパッキン加工治具における上型の切り刃押さえ金具取り付け状態を示す平面図、図20はこの発明の実施の形態3に係るパッキン加工治具における切り刃押さえ金具を示す上面図である。
【0027】
この実施の形態3では、図19および図20に示されるように、切り刃押さえ金具13Aは、突起としての刃止まり段差13dがそのV字状の先端面13aに形成されている。そして、刃止まり段差13dは、切り刃18a、18bの厚みより小さく形成されている。
なお、切り刃押さえ金具13Aは、刃止まり段差13dが形成されている点を除いて、実施の形態1における切り刃押さえ金具13と同様に構成されている。
【0028】
この実施の形態3によるパッキン加工治具は、上記実施の形態2によるパッキン加工治具10において、切り刃押さえ金具13に代えて切り刃押さえ金具13Aを用いているもので、上記実施の形態2と同様の効果を奏する。
また、この実施の形態2では、ボルト20の締結がゆるむと、先端面13aと段差部11dとの隙間が広くなり、切り刃18a、18bが先端面13aと段差部11dとの間を上型12の側部側にスライド移動する。その結果、切り刃18a、18bが上型12の側部側に延出する事態が生じてしまう。
この実施の形態3では、ボルト20の締結がゆるみ、先端面13aと段差部11dとの隙間が広くなっても、切り刃18a、18bの上型12の側部側へのスライド移動が刃止まり段差13dにより阻止される。その結果、切り刃18a、18bが上型12の側部側に延出する事態が未然に防止され、安全性が高められる。
【0029】
実施の形態4.
図21はこの発明の実施の形態4に係るパッキン加工治具を示す側面図、図22はこの発明の実施の形態4に係るパッキン加工治具における下型を示す上面図、図23はこの発明の実施の形態4に係るパッキン加工治具における上型を示す下面図である。
【0030】
下型11Aは、図22に示されるように、基部11aの反回転軸側に固定ネジ穴11gが設けられている。また、上型12Aは、図23に示されるように、薄肉部12bの固定ネジ穴11gに対応する位置に固定穴12hが穿設されている。そして、上型12Aが作動位置にあるときに、図21に示されるように、ボルト22が固定穴12hに通して固定ネジ穴11gに螺着できるようになっている。ここで、固定ネジ穴11g、固定穴12hおよびボルト22が上型12Aの固定手段を構成している。
なお、他の構成は上記実施の形態2と同様に構成されている。
【0031】
そこで、この実施の形態4によるパッキン加工治具10Aでは、上記実施の形態2と同様に、パッキン部材8に切り欠き部を形成することができる。
そして、パッキン加工治具10Aの未使用状態において、厚肉部12aが基部11aの主面に当接するまで上型12Aを回転軸16周りに回動させ、その後ボルト22を固定穴12hに通して固定ネジ穴11gに締着する。これにより、切り刃18a、18bがパッキンガイド溝11dおよび切り刃逃がし溝11e内に収納された状態で上型12Aを下型11Aに固定できる。その結果、未使用状態のパッキン加工治具10Aは切り刃18a、18bが露出しない状態となり、安全性が向上される。
【0032】
実施の形態5.
図24はこの発明の実施の形態5に係るパッキン加工治具を示す側面図である。
図24において、パッキン加工治具10Bは、安全保護カバー23がヒンジ24を介して上型12の反回転軸側端部に取り付けられている。そして、パッキン加工治具10Bは、パッキン加工作業台25上に設置されている。
なお、パッキン加工治具10Bは、安全保護カバー23が上型12に取り付けられている点を除いて、上記実施の形態2のパッキン加工治具10と同様に構成されている。
【0033】
この実施の形態5では、上型12が開放ひねりバネ15の付勢力により回転軸16周りに図24中時計回りに回動されて開放位置(図24中点線で示される)にあるときには、安全保護カバー23が自重により上型12の反回転軸側端部から垂れ下がり、上型12の下面に設置されている切り刃18a、18bを遮蔽している。
そして、パッキン部材8を切り欠き加工する時には、作業者は、安全保護カバー23をヒンジ24周りに図24中時計回りに、上型12の回動動作の邪魔とならない位置まで回動させる。ついで、安全保護カバー23の位置を維持しつつ、上型12を押圧して上型12を回転軸16周りに図24中反時計回りに回動させて、パッキン部材8を切り欠き加工する。この時、作業者が安全保護カバー23の保持を止めれば、安全保護カバー23は自重により上型12の反回転軸側端部からパッキン加工作業台25外に垂れ下がっている。
ついで、作業者が上型12の押圧を解除すれば、開放ひねりバネ15の付勢力により開放位置に戻る。
【0034】
このように、この実施の形態5によれば、パッキン加工治具10Bは、上型12が開放位置にある時に、安全保護カバー23が上型12の反回転軸側端部から垂れ下がり、切り刃18a、18bを遮蔽しているので、安全性が高められる。
【0035】
実施の形態6.
図25はこの発明の実施の形態6に係るパッキン加工治具の第1作動位置を示す側面図、図26はこの発明の実施の形態6に係るパッキン加工治具の第2作動位置を示す側面図、図27はこの発明の実施の形態6に係るパッキン加工治具の第2の作動位置を示す上面図である。
【0036】
図25乃至図27において、下型11Bは、回転軸16を挿入するための孔形状を楕円形とする貫通孔11hが一対の腕部11bに穿設され、第1および第2位置決め穴11i、11jが一対の腕部11bの貫通孔11hの上部に形成されている。回転軸変位レバー26は、細長の平板状に作製され、回転軸16を挿入するための穴(図示せず)が中央に穿設され、レバー中心軸用穴26aおよび係止ピン挿入穴26bが回転軸16を挿入するための穴を挟んで端部側に穿設されている。この回転軸変位レバー26は、レバー中心軸用穴26aに挿入されたレバー中心軸27を各腕部11bに固着して、レバー中心軸27周りに回動自在に取り付けられている。そして、回転軸16が、一方の回転軸変位レバー26の回転軸16を挿入するための穴、下型11Bの一方の腕部11bの貫通孔11h、上型12の一方の腕部12cの貫通孔12e、開放ひねりバネ15の巻回部15a、上型12の他方の腕部12cの貫通孔12e、下型11Bの他方の腕部11bの貫通孔11hおよび他方の回転軸変位レバー26の回転軸16を挿入するための穴に通されている。そして、止め輪16bが回転軸16の他方の回転軸変位レバー26からの延出部に装着されている。
【0037】
ここで、係止ピン挿入穴26bと第1および第2位置決め穴11i、11jとは、各穴中心がレバー中心軸27の軸心を中心とする同一半径上に位置するように形成されている。そして、貫通孔11hは、レバー中心軸27の軸心を中心とする円弧状の楕円穴に形成され、回転軸変位レバー26がレバー中心軸27周りに回動したときに、回転軸16の移動をガイドするようになっている。
なお、他の構成は上記実施の形態2と同様に構成されている。
【0038】
つぎに、このパッキン加工治具10Cの動作について説明する。
まず、回転軸変位レバー26をレバー中心軸27周りに回動させ、係止ピン挿入穴26bを第1位置決め穴11iに一致させる。そこで、係止ピン28を係止ピン挿入穴26bから第1位置決め穴11iに差し込み、回転軸変位レバー26を第1位置に固定する。
そこで、上型12を押圧し、上型12を回転軸16周りに図25中反時計回りに回動させる。そして、上型12の厚肉部12aが下型11Bの基部11aの主面(上面)に当接し、この上型12の回動動作が終了する。これにより、切り刃18a、18bがパッキンガイド溝11d内に入り込み、図25に示される第1作動位置を採る。この時、上記実施の形態2と同様に、切り刃18a、18bのV字状の先端部とパッキンガイド溝11dの回転軸側壁面との間に隙間δが形成されている。そこで、パッキン部材8の一部が切断され、V字状の切り欠き部が形成される。
そして、上型12への押圧を解除すると、開放ひねりバネ15に蓄勢された蓄勢力により、上型12が回転軸16周りに図25中時計回りに回動し、開放位置(図25中点線で示される)に戻る。
【0039】
ついで、係止ピン28を引き抜き、回転軸変位レバー26をレバー中心軸27周りに回動させ、係止ピン挿入穴26bを第2位置決め穴11jに一致させる。そこで、係止ピン28を係止ピン挿入穴26bから第2位置決め穴11jに差し込み、回転軸変位レバー26を第2位置に固定する。
そこで、上型12を押圧し、上型12を回転軸16周りに図26中反時計回りに回動させる。そして、上型12の厚肉部12aが下型11Bの基部11aの主面(上面)に当接し、この上型12の回動動作が終了する。これにより、切り刃18a、18bがパッキンガイド溝11d内に入り込み、図26および図27に示される第2作動位置を採る。この時、切り刃18a、18bのV字状の先端部とパッキンガイド溝11dの回転軸側壁面との間に隙間がない。そこで、パッキン部材8が完全に切断され、45度の角度の端部が形成される。
そして、上型12への押圧を解除すると、開放ひねりバネ15に蓄勢された蓄勢力により、上型12が回転軸16周りに図26中時計回りに回動し、開放位置(図26中点線で示される)に戻る。
【0040】
このように、この実施の形態6によれば、90度の切り欠き加工と45度の切断加工との両加工を行えるパッキン加工治具10Cが簡易な構成で実現される。従って、このパッキン加工治具10Cを用いれば、1台の加工治具で、コーナー部を構成する90度の切り欠き部5b、5c、5d、5eが45度に切断された端部5、5f間に形成されたパッキン5をパッキン部材8から作製できるので、生産性が向上される。
【0041】
実施の形態7.
図28はこの発明の実施の形態7に係るパッキン加工治具の開放位置を示す側面図、図29はこの発明の実施の形態7に係るパッキン加工治具の作動位置を示す側面図、図30はこの発明の実施の形態7に係るパッキン加工治具の作動位置を示す上面図、図31はこの発明の実施の形態7に係るパッキン加工治具の上型ガイド部材を示す上面図、図32はこの発明の実施の形態7に係るパッキン加工治具の上型ガイド部材を示す下面図、図33はこの発明の実施の形態7に係るパッキン加工治具の上型の切り刃取り付け状態を示す下面図である。
【0042】
図28乃至図33において、上型30は、厚肉部30aと薄肉部30bとを有する段付き平板状に成形されている。そして、厚肉部30aと薄肉部30bとの境界が90度のV字状の段差部30cを構成している。また、切り刃押さえ金具固定用穴30dが薄肉部30bに穿設されている。
そして、切り刃押さえ金具装着金具14が上型30の薄肉部30bに下面側から宛われ、上型30の上面側から切り刃押さえ金具固定用穴30dに通されたボルト19を固定ネジ穴14aに締着して固定されている。また、切り刃押さえ金具13が切り刃押さえ金具装着金具14と上型30の厚肉部30aとの間に配設され、押さえネジ穴14bに螺着されたボルト20の延出部をガイド穴13c内に挿入して取り付けられている。そして、切り刃18a、18bが、ボルト20の締め付けにより、端面同士を突き合わせた状態で、切り刃押さえ金具13のV字状の先端面13aとV字状の段差部12dとの間に締着固定されている。
また、連動軸33が上型30の上面の中央部に立設され、4本のガイドピン34が連動軸33を取り囲むように上型30の上面に立設されている。
【0043】
上型ガイド部材31は、コ字状のガイド部31bが平板状の基部31aの一端側に一体に形成され、一対の腕部31cが基部の31aの他端側に一体に形成されて構成されている。そして、回転軸16を通すための貫通孔31dが各腕部31cに穿設されている。さらに、ガイドピン挿通用穴31eがガイド部31bの底部に穿設され、連動軸挿通用穴31fがガイド部31bの底部に穿設されている。
作動レバー32は、L字状に成形され、回転軸16を通すための貫通孔32bが根元部32aに穿設され、根元部32aからL字状に延出された延出部32cがスリット状に形成されている。
【0044】
ここで、上型30は、連動軸33を連動軸挿通用穴31fに滑動自在に挿通させ、ガイドピン34をガイドピン挿通穴31eに滑動自在に挿通させて、上型ガイド部材31のガイド部31b内に納められている。そして、弾性部材としてのコイルバネ35が各ガイドピン34のガイド部31bからの延出部に装着され、上型30をガイド部31b内に納めるようにガイドピン34を付勢している。
【0045】
そして、上型ガイド部材31が一対の腕部31cを一対の腕部11b間に位置させて下型11に重ねられ、作動レバー32が根元部32aを一対の腕部31c間に位置するように配置される。そこで、回転軸16が、下型11の一方の腕部11bの貫通孔11c、上型ガイド部材31の一方の腕部31cの貫通孔31d、作動レバー32の根元部32aの貫通孔32b、上型ガイド部材31の他方の腕部31cの貫通孔31dおよび下型11の他方の腕部11bの貫通孔11cに通され、その延出部に止め輪16bを装着して、パッキン加工治具10Dが組み立てられている。
【0046】
つぎに、このパッキン加工治具10Dの動作について説明する。
まず、ガイドピン35がコイルバネ35の付勢力により上型ガイド部材31のガイド部31bから上方に押し上げられ、上型30が下型11から離間しガイド部31b内に収納されて、開放位置を採る。この時、作動レバー31のL字状の延出部32cがガイド部31b上に位置している。そして、図28に示されるように、連動軸33が延出部32cのスリット内に挿入され、延出部32cが連動軸33から突設された作動ピン33aに係合して、作動レバー31の回転軸16周りの回動が制止されている。
【0047】
そこで、作動レバー32の延出部32cを押圧し、作動レバー31を回転軸16周りに図28中反時計回りに回動させる。この作動レバー32の回動力が作動ピン33aを介して連動軸33に伝達され、連動軸33が連動軸連通用穴31fに案内されて図28中下方に移動する。この連動軸33の下方への移動により、上型30が下方に移動し、図29および図30に示されるように、切り刃18a、18bが下型11のパッキンガイド溝11d内に納められ、作動位置を採る。この時、切り刃18a、18bのV字状の先端とパッキンガイド溝11dの回転軸側の壁面との間に隙間δが形成されるようになっており、パッキンガイド溝11d内に納められたパッキン部材は、V字状の切り欠き部が形成される。そして、ガイドピン34が上型30とともに下方に移動し、コイルバネ35は収縮される。
ついで、作動レバー32の押圧を解除すれば、コイルバネ35に蓄勢された蓄勢力により、ガイドピン34がガイドピン挿通用穴31eに案内されて図29中上方に移動する。これにより、連動軸33が連動軸挿通用穴31fに案内されて上方に移動し、上型30がガイド部31b内に納められる。そして、連動軸33の上方への移動力が作動ピン33aに係合している延出部32cを介して作動レバー32に伝達され、作動レバー32が回転軸16周りに時計回りに回動し、図28に示される開放位置に戻る。
【0048】
このように、この実施の形態7においても、90度の切り欠き加工が簡易に行え、上記実施の形態2と同様の効果が得られる。
また、この実施の形態7によれば、切り刃18a、18bが開放位置でガイド部31b内に納められ、外部に露出していないので、安全性が高められる。
【0049】
実施の形態8.
図34はこの発明の実施の形態8に係るパッキン加工治具を示す上面図、図35はこの発明の実施の形態8に係るパッキン加工治具を示す側面図、図36はこの発明の実施の形態8に係るパッキン加工治具のパッキンガイド溝延長金具を示す上面図、図37はこの発明の実施の形態8に係るパッキン加工治具の下型を示す上面図である。
【0050】
下型11Cは、図37に示されるように、下型固定用ネジ穴11kが形成されている。この下型11Cは、下型固定用ネジ穴11kが形成されている点を除いて、上記下型11と同様に構成されている。
パッキンガイド溝延長金具36は、図36に示されるように、下型11Cに形成されたパッキンガイド溝11dと同等の溝形状のパッキン延長ガイド溝36aが主面に直線状に延設され、下型取り付け凹部36bがパッキン延長ガイド溝36aを横切るように主面に形成され、固定ザグリ穴36cが下型取り付け凹部26bに穿設されている。
なお、この実施の形態8によるパッキン加工治具10Eは、下型11に代えて下型11Cを用いている点を除いて、上記パッキン加工治具10と同様に構成されている。
【0051】
このパッキン加工治具10Eは、下型取り付け凹部26b内に配設され、下方から固定ザグリ穴36cに通されたボルト37を下型固定用ネジ穴11kに締着して、パッキンガイド溝延長金具36に取り付けられている。そして、下型取り付け凹部26bにより分離されたパッキン延長ガイド溝36aが下型11Cに形成されたパッキンガイド溝11dにより隙間なく連結されている。
【0052】
この実施の形態8では、パッキンガイド溝11d内に納められたパッキン部材8の延出部がパッキン延長ガイド溝36a内に収納される。そこで、湾曲しやすいパッキン部材8が直線状にセットできるので、正確な寸法位置にV字状の切り欠き部を形成することができる。
【0053】
実施の形態9.
この実施の形態9では、図38に示されるように、長さが表示された寸法表示メジャー38が、パッキン延長ガイド溝36aに沿ってパッキンガイド溝延長金具36に取り付けられている。
なお、他の構成は上記実施の形態8と同様に構成されている。
【0054】
従って、この実施の形態9によれば、メジャー38の目盛りに基づいて切り欠き部の形成位置を確認しながら切り欠き加工を行うことができるので、正確な位置に切り加工を行うことができ、かつ、寸法出しを容易にすることができ、切り欠き部の加工寸法精度がより高められる。
【0055】
実施の形態10.
図39はこの発明の実施の形態10に係るパッキン加工治具を示す上面図、図40はこの発明の実施の形態10に係るパッキン加工治具を示す側面図、図41は図39のXXXXI−XXXXI矢斜断面図、図42は図39のXXXXII−XXXXII矢斜断面図である。
【0056】
図39乃至図42において、一対の受け金具41が相対するようにパッキン加工作業台40の上面の両端に取り付けられている。パッキンガイド溝42aを有するパッキン溝ガイドレール42が両端を一対の受け金具41に支持されてパッキン加工作業台40上に配設されている。さらに、一対のガイド軸43が両端を一対の受け金具41に支持されてパッキン溝ガイドレール42を挟んでパッキン溝ガイドレール42と平行に配設されている。
下型11Dは、一対のスライド穴11mと、ガイドレール嵌合溝11nとを有している。そして、下型11Dは、各スライド穴11mにガイド軸43を通し、ガイドレール嵌合溝11nにパッキン溝ガイドレール42を通して取り付けられている。これにより、下型11Dは、ガイド軸43に案内されて一対の受け金具41間を往復移動可能にパッキン作業台40に取り付けられている。
【0057】
ここで、下型11Dは、パッキンガイド溝11dに代えてガイドレール嵌合溝11nを設け、スライド穴11mを設けている点を除いて、上述の下型11と同様に構成されている。そして、パッキン加工治具10Fは、下型11に代えて下型11Dを用いている点を除いて、上述のパッキン加工治具10と同様に構成されている。また、パッキン加工治具10Fの回転軸16はパッキン溝ガイドレール42のパッキンガイド溝42aの溝方向と平行となっている。さらに、パッキン加工治具10Fが作動位置にあるときに、切り刃18a、18bのV字形の先端とパッキンガイド溝42aの回転軸側の壁面との間には隙間δが形成されている。
【0058】
つぎに、このパッキン加工治具10Fの動作について説明する。
まず、図示していないが、長尺のパッキン部材8がパッキン溝ガイドレール42のパッキンガイド溝42a内に納められる。そして、開放ひねりバネ15の付勢力により開放位置となっているパッキン加工治具10Fをガイド軸43に沿って所定の位置までスライド移動させる。そこで、上型12を押圧し、上型12を回転軸16周りに回動させて作動位置とする。これにより、切り刃18a、18bをパッキンガイド溝42a内に入り込み、パッキン部材8にV字状の切り欠き部が形成される。
ついで、上型12の押圧を解除して上型12を開放位置とし、パッキン加工治具10Fをガイド軸43に沿って所定の位置までスライド移動させて、次の切り欠き加工を行う。
【0059】
このように、この実施の形態10によれば、パッキン部材8を移動させることなくパッキン部材8の所望の位置に切り欠き加工を行うことができ、切り欠き加工が安価なるとともに、作業性が向上する。
【0060】
なお、上記各実施の形態では、90度の切り欠き部を形成するものとして説明しているが、切り欠き部の角度は90度に限定されるものではなく、パッキンのコーナー部の角度に合わせて適宜設定されるものである。そして、パッキン加工治具は、切り刃押さえ金具の先端面および上型の段差部のV字形状を設定された切り欠き部の角度に形成し、切り刃18a、18bを切り欠き部の角度に適合するV字形に構成することになる。
また、上記各実施の形態では、断面楕円形の中空形状のパッキン部材8を用いるものとしているが、パッキン部材の断面形状は断面楕円形に限定されるものでなく、中空形状に限定されるものではない。
【0061】
【発明の効果】
この発明は、以上説明したように、V字状の切り欠き部が枠状形状の各コーナー部に対応するように形成された1本のパッキン部材を、該切り欠き部の根元部で曲げて該切り欠き部の切り欠き面同士を突き合わせ、かつ、両端部の端面同士を突き合わせて枠状形状に構成して、筐体および扉の一方に接着固定しているので、突き合わせ部のズレの発生が抑えられ、防水・防塵性が高められ、かつ、パッキンの見栄えのよい防止・防塵型装置が得られる。
【0062】
また、上型は、切り刃がパッキンガイド溝から離反する開放位置と、切り刃がその刃先をパッキンガイド溝の底面に接するようにパッキンガイド溝内に位置する作動位置との間を移動可能に構成され、切り刃は、作動位置にあるときに、V字形の先端がパッキンガイド溝の一方の側壁面に対して所定の隙間を有し、かつ、V字形がパッキンガイド溝の溝方向に直交する平面に対して対称な形状となるように、上型に配設されているので、V字状の切り欠き部を高寸法精度に、かつ、簡易に形成できるパッキン加工治具が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1に係る防水・防塵型制御盤を示す断面図である。
【図2】図1のII−II矢視断面である。
【図3】この発明の実施の形態1に係る防水・防塵型制御盤におけるパッキンの組み立て前の状態を示す正面図である。
【図4】この発明の実施の形態2に係るパッキン加工治具を示す上面図である。
【図5】この発明の実施の形態2に係るパッキン加工治具を示す側面図である。
【図6】この発明の実施の形態2に係るパッキン加工治具の上型の切り刃装着状態を説明する平面図である。
【図7】この発明の実施の形態2に係るパッキン加工治具の下型を示す上面図である。
【図8】この発明の実施の形態2に係るパッキン加工治具の下型を示す側面図である。
【図9】この発明の実施の形態2に係るパッキン加工治具の下型を示す正面図である。
【図10】この発明の実施の形態2に係るパッキン加工治具の上型を示す下面図である。
【図11】この発明の実施の形態2に係るパッキン加工治具の上型を示す側面図である。
【図12】この発明の実施の形態2に係るパッキン加工治具の切り刃押さえ金具を示す上面図である。
【図13】この発明の実施の形態2に係るパッキン加工治具の切り刃押さえ金具を示す側面図である。
【図14】この発明の実施の形態2に係るパッキン加工治具の切り刃押さえ金具装着金具を示す上面図である。
【図15】この発明の実施の形態2に係るパッキン加工治具の切り刃押さえ金具装着金具を示す側面図である。
【図16】この発明の実施の形態2に係るパッキン加工治具の開放ひねりバネを示す側面図である。
【図17】この発明の実施の形態2に係るパッキン加工治具の回転軸を示す側面図である。
【図18】この発明の実施の形態2に係るパッキン加工治具の開放ひねりバネ固定治具を示す上面図である。
【図19】この発明の実施の形態3に係るパッキン加工治具における上型の切り刃押さえ金具取り付け状態を示す平面図である。
【図20】この発明の実施の形態3に係るパッキン加工治具における切り刃押さえ金具を示す上面図である。
【図21】この発明の実施の形態4に係るパッキン加工治具を示す側面図である。
【図22】この発明の実施の形態4に係るパッキン加工治具における下型を示す上面図である。
【図23】この発明の実施の形態4に係るパッキン加工治具における上型を示す下面図である。
【図24】この発明の実施の形態5に係るパッキン加工治具を示す側面図である。
【図25】この発明の実施の形態6に係るパッキン加工治具の第1作動位置を示す側面図である。
【図26】この発明の実施の形態6に係るパッキン加工治具の第2作動位置を示す側面図である。
【図27】この発明の実施の形態6に係るパッキン加工治具の第2の作動位置を示す上面図である。
【図28】この発明の実施の形態7に係るパッキン加工治具の開放位置を示す側面図である。
【図29】この発明の実施の形態7に係るパッキン加工治具の作動位置を示す側面図である。
【図30】この発明の実施の形態7に係るパッキン加工治具の作動位置を示す上面図である。
【図31】この発明の実施の形態7に係るパッキン加工治具の上型ガイド部材を示す上面図である。
【図32】この発明の実施の形態7に係るパッキン加工治具の上型ガイド部材を示す下面図である。
【図33】この発明の実施の形態7に係るパッキン加工治具の上型の切り刃取り付け状態を示す下面図である。
【図34】この発明の実施の形態8に係るパッキン加工治具を示す上面図である。
【図35】この発明の実施の形態8に係るパッキン加工治具を示す側面図である。
【図36】この発明の実施の形態8に係るパッキン加工治具のパッキンガイド溝延長金具を示す上面図である。
【図37】この発明の実施の形態8に係るパッキン加工治具の下型を示す上面図である。
【図38】この発明の実施の形態9に係るパッキン加工治具を示す上面図である。
【図39】この発明の実施の形態10に係るパッキン加工治具を示す上面図である。
【図40】この発明の実施の形態10に係るパッキン加工治具を示す側面図である。
【図41】図39のXXXXI−XXXXI矢斜断面図である。
【図42】図39のXXXXII−XXXXII矢斜断面図である。
【符号の説明】
1 制御盤(防水・防塵型装置)、2 筐体、3 開口、4 扉、5 パッキン、8 パッキン部材、10、10A、10B、10C、10D、10E、10F パッキン加工治具、11、11A、11B、11C、11D 下型、11dパッキンガイド溝、11g 固定ネジ穴(固定手段)、11n ガイドレール嵌合溝、12、12A、30 上型、12d、30c 段差部、12h 固定穴(固定手段)、13、13A 切り刃押さえ金具、13a 先端面、13d 刃止まり段差(突起)、15 開放ひねりバネ(弾性部材)、16 回転軸、18a、18b 切り刃、22 ボルト(固定手段)、23 安全保護カバー、31上型ガイド部材、31b ガイド部、32 作動レバー、33 連動軸、34ガイドピン、35 コイルバネ(弾性部材)、36a パッキン延長ガイド溝、38 寸法表示メジャー、42 パッキン溝ガイドレール、42a パッキンガイド溝、43 ガイド軸。
【発明の属する技術分野】
この発明は、開閉扉部にパッキンを用いて、防水・防塵構造を構成した制御盤等の防水・防塵型装置およびパッキンを容易に、かつ、高精度に加工できるパッキン加工治具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の防水・防塵型装置においては、4本の直線状のパッキンを扉の4辺縁部に枠状に配設して、防水・防塵構造を採っていた。そして、各パッキンの両端は例えば45度の角度で切断されており、パッキンの端部同士を突き合わせて接着されていた。(例えば、特許文献1参照。)
【0003】
【特許文献1】
実開昭62−171785号公報(第1図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の防水・防塵装置においては、長尺のパッキン部材に付された切断加工線に沿って、カッターやはさみにより切断して、所望長さの各パッキンを得ていた。しかしながら、パッキン部材はゴム系材料で作製されているため、切断時に逃げやすく、切断加工線通りに加工することが困難であり、直線加工精度が悪化するとともに、切断作業性も悪化してしまう。特に、パッキン部材が中空形状に形成されている場合には、切断時に逃げやすく、直線加工精度および切断作業性の悪化が激しくなる。
そして、4本の直線状のパッキンの端面同士と突き合わせて枠状に構成しているので、パッキン部材が切断加工線通りに切断されないと、パッキン端部の突き合わせ面間に隙間や角度ズレが発生してしまい、パッキン端部同士の接着作業の時間が長くなり、防水・防塵性が悪化し、さらには防水・防塵部の見栄えが悪くなるという不具合があった。
【0005】
この発明は、上記の課題を解消するためになされたもので、コーナー部に対応する位置に切り欠き部を形成した1本のパッキン部材を用いて枠状のパッキンを構成し、防水・防塵性を高め、かつ、防水・防塵部の見栄えをよくした防水・防塵型装置を得ることを目的とする。
また、切断時のパッキン部材の逃げを抑制し、パッキン部材の一部を残して切り欠き部を簡易に、かつ、高寸法精度に形成できるパッキン加工治具を得ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る防水・防塵型装置は、V字状の切り欠き部が枠状形状の各コーナー部に対応するように形成された1本のパッキン部材を、該切り欠き部の根元部で曲げて該切り欠き部の切り欠き面同士を突き合わせ、かつ、両端部の端面同士を突き合わせて枠状形状に構成したパッキンを、筐体および扉の一方に接着固定している。
【0007】
また、この発明に係るパッキン加工治具は、パッキンガイド溝を有する下型と、切り刃が所定角度を有するV字形に配設された上型とを備えている。そして、上型は、切り刃がパッキンガイド溝から離反する開放位置と、切り刃がその刃先をパッキンガイド溝の底面に接するようにパッキンガイド溝内に位置する作動位置との間を移動可能に構成されている。さらに、切り刃は、作動位置にあるときに、V字形の先端がパッキンガイド溝の一方の側壁面に対して所定の隙間を有し、かつ、V字形がパッキンガイド溝の溝方向に直交する平面に対して対称な形状となるように、上型に配設されている。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図について説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係る防水・防塵型制御盤を示す断面図、図2は図1のII−II矢視断面、図3はこの発明の実施の形態1に係る防水・防塵型制御盤におけるパッキンの組み立て前の状態を示す正面図である。
【0009】
図1および図2において、筐体2は、前面に長方形の開口3を有する箱形に形成され、フランジ面2aが開口3を取り囲む枠状に形成されている。扉4は、開口3を開閉可能に筐体2の前面に取り付けられている。また、ゴム系材料からなる中空形状のパッキン5が、フランジ面2aに枠状に接着固定されている。そして、扉4が閉じられたときに、パッキン5が扉4の内壁面4aとフランジ面2aとの間に挟持されて弾性変形し、筐体2内部を気密にシールして防水・防塵状態を確保している。
【0010】
このパッキン5は、断面楕円形の中空形状を有する長尺のパッキン部材(図示せず)に、パッキン部材の一部を残す90度の切り欠き加工が4箇所に施され、さらに45度の終端加工が施されて、作製されている。そこで、パッキン5は、図3に示されるように、コーナー部を構成する90度の切り欠き部5b、5c、5d、5eが45度に切断された端部5、5f間に形成され、厚みδのパッキン部材が各切り欠き部5b、5c、5d、5eの根元部に残されている。
このように加工されたパッキン5は、フランジ面2aの各コーナー部において、切り欠き部5b、5c、5d、5eに残された根元部の位置で90度に曲げられ、端部5a、5fの端面同士を突き合わせて、フランジ面2aに接着固定されている。また、根元部の位置で90度曲げられた切り欠き部5b、5c、5d、5eの切り欠き面同士が突き合わされた状態で接着され、さらに端部5a、5fの端面(切断面)同士が突き合わされた状態で接着されている。
【0011】
このように構成された制御盤1においては、パッキン5が一体物で構成されているので、パッキン5のフランジ面2aへの取り付け作業が簡易となる。
また、切り欠き部5b、5c、5d、5eがパッキン部材の一部を残して90度の切り欠きに形成されているので、パッキン5を根元部の位置で90度に曲げることにより、切り欠き部5b、5c、5d、5eの切り欠き面同士が精度よく突き合わされる。そこで、フランジ面2aに枠状に接着固定されたパッキン5のコーナー部の突き合わせ面がずれることなく、かつ、隙間なく接着される。これにより、制御盤1の防水・防塵性が高められるとともに、コーナー部の突き合わせ部が45度の直線となり、見栄えが向上される。
【0012】
なお、上記実施の形態1では、開口3が筐体2の前面に設けられているものとしているが、開口3が設けられる筐体2の壁面は前面に限定されるものではなく、例えば筐体2の天井に設けられていてもよい。
また、上記実施の形態1では、開口3が長方形に形成されているものとして説明しているが、開口3の形状は長方形に限定されるものではない。そして、パッキン5に形成される切り欠き部の角度は、開口3を取り囲むように設計されたパッキン枠のコーナー部の角度に合わせて設定されることはいうまでもないことである。
また、上記実施の形態1では、制御盤1について説明しているが、この発明は、制御盤に限らず、パッキンで防水・防塵性を確保する防水・防塵型装置に適用できる。
【0013】
実施の形態2.
図4および図5はそれぞれこの発明の実施の形態2に係るパッキン加工治具を示す上面図および側面図、図6はこの発明の実施の形態2に係るパッキン加工治具の上型の切り刃装着状態を説明する平面図である。図7乃至図9はそれぞれこの発明の実施の形態2に係るパッキン加工治具の下型を示す上面図、側面図および正面図である。図10および図11はそれぞれこの発明の実施の形態2に係るパッキン加工治具の上型を示す下面図および側面図である。図12および図13はそれぞれこの発明の実施の形態2に係るパッキン加工治具の切り刃押さえ金具を示す上面図および側面図である。図14および図15はそれぞれこの発明の実施の形態2に係るパッキン加工治具の切り刃押さえ金具装着金具を示す上面図および側面図である。図16はこの発明の実施の形態2に係るパッキン加工治具の開放ひねりバネを示す側面図、図17はこの発明の実施の形態2に係るパッキン加工治具の回転軸を示す側面図、図18はこの発明の実施の形態2に係るパッキン加工治具の開放ひねりバネ固定治具を示す上面図である。
【0014】
下型11は、図7乃至図9に示されるように、平板状の基部11aと、この基部11aの前端の両側部に相対して形成された一対の腕部11bとを有している。そして、孔中心を基部11aの主面(上面)と平行とする貫通孔11cが各腕部11bに穿設されている。また、溝方向を貫通孔11cの孔中心と平行とするパッキンガイド溝11dが基部11aの主面に形成されている。さらに、一対の切り刃逃がし溝11eが基部11aの主面にパッキンガイド溝11dから後方に延設されている。さらにまた、基部11aの一対の腕部11b間が肉薄に形成され、2つの開放ひねりバネ固定ネジ穴11fがその肉薄部に形成されている。
なお、パッキン部材8は断面楕円形の中空形状に形成され、断面楕円形の長軸長さが幅に対応し、短軸長さが高さに対応している。そして、パッキンガイド溝11dの溝幅はパッキン部材8の幅と同等に形成され、パッキンガイド溝11dの溝深さはパッキン部材8の高さと同等に形成されている。
【0015】
上型12は、図10および図11に示されるように、厚肉部12aと薄肉部12bとを有する段付き平板状に成形され、一対の腕部12cが厚肉部12aの前端の両側部に相対して形成されている。そして、厚肉部12aと薄肉部12bとの境界がV字状の段差部12dを構成している。孔中心を厚肉部12aの主面(下面)と平行とする貫通孔12eが各腕部12cに穿設され、切り刃押さえ金具固定用穴12fが薄肉部12bに貫通孔12eの孔中心と平行に3つ形成されている。また、厚肉部12aの一対の腕部12c間が肉薄に形成され、2つの開放ひねりバネ固定ネジ穴12gがその肉薄部に形成されている。
ここで、一対の腕部12cの外端面間の距離d3は、下型11の一対の腕部12bの内端面間の距離d1より僅かに短く形成され、貫通孔12eの孔中心とV字状の段差部12dの先端との距離d4は、貫通孔11cの孔中心とパッキンガイド溝11dと距離d2に対してδだけ長く形成されている。また、段差部12dは、一対の腕12c間の中間位置で貫通孔12eの孔中心と直交する面に対して対称なV字形に形成され、そのV字形の角度が90度となっている。
【0016】
切り刃押さえ金具13は、図12および図13に示されるように、V字状の先端面13aを有する平板状に作製されている。そして、2つの押さえガイド穴13cがV字状の先端面13aに相対する端面13bに形成されている。なお、先端面13aは端面13bに直交する面に対して対称なV字形に形成され、そのV字形の角度が90度となっている。
【0017】
切り刃押さえ金具装着金具14は、直方体に作製され、3つの固定ネジ穴14aが上型12の切り刃押さえ金具固定用穴12fに対応する位置関係に形成され、2つの押さえネジ穴14bが切り刃押さえ金具13の押さえガイド穴13cに対応する位置関係に形成されている。そして、固定ネジ穴14aと押さえネジ穴14bとは互いに直交している。
【0018】
弾性部材としての開放ひねりバネ15はバネ材を巻回して作製され、図16に示されるように、両端部15b、15cが巻回部15aから延出している。回転軸16は、図17に示されるように、一端にフランジ部16aが形成されている。開放ひねりバネ固定金具17は、図18に示されるように、直方体に作製され、2つの固定穴17aが、開放ひねりバネ固定ネジ穴11f、12gに対応する位置関係に形成されている。
【0019】
つぎに、パッキン加工治具10の組み立て方法について説明する。
まず、切り刃押さえ金具装着金具14が上型12の薄肉部12bに下面側から宛われ、上型12の上面側から切り刃押さえ金具固定用穴12fに通されたボルト19を固定ネジ穴14aに締着する。これにより、切り刃押さえ金具装着金具14が上型12に固定される。ついで、切り刃押さえ金具13が切り刃押さえ金具装着金具14と上型12の厚肉部12aとの間に配設され、ボルト20を押さえネジ穴14bに螺着する。そして、ボルト20の押さえネジ穴14bから延出部が切り刃押さえ金具13のガイド穴13c内に挿入される。
ついで、切り刃18a、18bが、端面同士を突き合わせて切り刃押さえ金具13のV字状の先端面13aとV字状の段差部12dとの間に挿入され、その後ボルト20が締め付けられる。これにより、ボルト20の先端部が押さえネジ穴14bから伸長し、ガイド穴13cの底部を段差部12d側に押圧し、切り刃押さえ金具13が段差部12d側に移動する。そこで、図6に示されるように、切り刃18a、18bが切り刃押さえ金具13の先端面13aと上型12の段差部12dとの間に締着固定される。これにより、切り刃18a、18bは90度の角度を持ったV字形に構成される。
【0020】
そして、開放ひねりバネ15の端部15bが下型11の一対の腕部11b間の肉薄部に宛われ、開放ひねりバネ固定金具17が開放ひねりバネ15の端部15b上に載置される。ついで、ボルト21が開放ひねりバネ固定金具17の固定穴17aに通されて、開放ひねりバネ固定ネジ穴11fに締着される。これにより、開放ひねりバネ15の端部15bが下型11に固定される。
また、開放ひねりバネ15の端部15cが上型12の一対の腕部12c間の肉薄部に宛われ、開放ひねりバネ固定金具17が開放ひねりバネ15の端部15c上に載置される。ついで、ボルト21が開放ひねりバネ固定金具17の固定穴17aに通されて、開放ひねりバネ固定ネジ穴12gに締着される。これにより、開放ひねりバネ15の端部15cが上型12に固定される。
【0021】
ついで、回転軸16が、下型11の一方の貫通孔11c、上型12の一方の貫通孔12e、開放ひねりバネ15の巻回部15a、上型12の他方の貫通孔12eおよび下型11bの他方の貫通孔11cに通される。そして、止め輪16bが回転軸16の下型11の他方の貫通孔11cからの延出部に装着され、回転軸16の抜けが防止される。これにより、パッキン加工治具10が図4および図5に示されるように組み立てられる。
【0022】
このように組み立てられたパッキン加工治具10は、上型12が回転軸16周りに回動可能に下型11に取り付けられている。そして、開放ひねりバネ15の付勢力が、回転軸16を中心として上型12を図5中時計回りに回動させるように作用している。そこで、パッキン加工治具10は、上型12が下型11から離反した開放位置(図5中二点鎖線で示される)と、上型12の厚肉部12aが下型11の基部11aの主面(上面)に当接した作動位置(図5中実線で示される)とを採るように構成されている。
また、切り刃18a、18bは、上型12の厚肉部12aの下面から突出し、その突出量がパッキンガイド溝11dの溝深さと等しくなっている。そして、パッキン加工治具10が作動位置にあるときに、切り刃18a、18bのV字形の先端側がパッキンガイド溝11D内に納められ、V字形の後端側が切り刃逃がし溝11e内に納められる。この時、切り刃18a、18bのV字状の先端とパッキンガイド溝11dの回転軸16側の壁面との間に隙間δが形成され、切り刃1a、18bの刃先がパッキンガイド溝11dの底面に接している。
【0023】
つぎに、このパッキン加工治具10によるパッキン部材8の切り欠き加工について説明する。
まず、上型12が開放位置にある時に、パッキン部材8をパッキンガイド溝11d内に配設する。ついで、上型12の反回転軸側を押して、上型12を回転軸16周りに図5中反時計回りに回動させる。そして、上型12の厚肉部12aが下型11の基部11aの主面(上面)に当接し、この上型12の回動動作が終了する。これにより、切り刃18a、18bがパッキンガイド溝11d内に入り込み、パッキン部材8の一部が切断され、V字状の切り欠き部が形成される。そして、上型12への押圧を解除すると、開放ひねりバネ15に蓄勢された蓄勢力により、上型12が回転軸16周りに図5中時計回りに回動し、開放位置に戻る。そして、パッキン部材8をパッキンガイド溝11dの溝方向に所定距離移動させ、同様にして、パッキン部材8に切り欠き部を形成する。
なお、別途作製された切り刃18a、18bのV字状の先端とパッキンガイド溝11dの回転軸16側の壁面との間に隙間がないパッキン加工治具を用いて、パッキン部材8の両端部を45度に切断して、図3に示されるパッキン5が得られる。
【0024】
このように、この実施の形態2によれば、パッキン部材8がパッキンガイド溝11d内に収納された状態で切断されるので、切断時のパッキン部材8の逃げがなく、切断面の平坦度(直線性)が確保され、高加工精度にV字状の切り欠き部を形成できる。同様に、45度の端部を高加工精度に、かつ、平坦面に形成できる。
また、切り刃18a、18bのV字形がパッキンガイド溝11dの溝方向に直交する平面に対して対称な形状となっているので、切り欠き部を根元部で90度に曲げて切り欠き面を突き合わせた時に、切り欠き面がずれることなく突き合わせられ、隙間がなくなる。
また、切り刃18a、18bを有する上型12が回転軸16周りに回動自在に下型11に取り付けられているので、上型12を回転軸16周りに回動させるだけでパッキン部材8にV字状の切り欠き部を形成でき、作業性が向上する。
また、開放ひねりバネ15が上型12を下型11から離反させるように配設されているので、上型12の押圧を解除するだけで上型12が下型11から離反し、さらに作業性が向上する。
また、上型12を回転軸16周りに回動させるだけでパッキン部材8にV字状の切り欠き部を形成できるので、切り欠き部を再現性よく形成することができる。
さらに、切り刃18a、18bが段差部12dと切り刃押さえ金具13の先端面13aとの間に挟持され、ボルト20の締着力により固定されているので、切り刃18a、18bの着脱が容易となるとともに、簡易にV字状に取り付けることができる。
【0025】
従って、このパッキン加工治具10を用いて作製されたパッキン5を用いれば、各切り欠き部5b、5c、5d、5eは切り欠き角度および切り欠き深さが一定となり、90度のV字形に高加工精度に形成され、かつ、切り欠き部5b、5c、5d、5eの切り欠き面(切断面)の平坦度が確保されているので、切り欠き部5b、5c、5d、5eの切り欠き面同士が精度よく突き合わされ、防水・防塵性が高められるとともに、コーナー部の突き合わせ部が45度の直線となり、見栄えが向上される。
【0026】
実施の形態3.
図19はこの発明の実施の形態3に係るパッキン加工治具における上型の切り刃押さえ金具取り付け状態を示す平面図、図20はこの発明の実施の形態3に係るパッキン加工治具における切り刃押さえ金具を示す上面図である。
【0027】
この実施の形態3では、図19および図20に示されるように、切り刃押さえ金具13Aは、突起としての刃止まり段差13dがそのV字状の先端面13aに形成されている。そして、刃止まり段差13dは、切り刃18a、18bの厚みより小さく形成されている。
なお、切り刃押さえ金具13Aは、刃止まり段差13dが形成されている点を除いて、実施の形態1における切り刃押さえ金具13と同様に構成されている。
【0028】
この実施の形態3によるパッキン加工治具は、上記実施の形態2によるパッキン加工治具10において、切り刃押さえ金具13に代えて切り刃押さえ金具13Aを用いているもので、上記実施の形態2と同様の効果を奏する。
また、この実施の形態2では、ボルト20の締結がゆるむと、先端面13aと段差部11dとの隙間が広くなり、切り刃18a、18bが先端面13aと段差部11dとの間を上型12の側部側にスライド移動する。その結果、切り刃18a、18bが上型12の側部側に延出する事態が生じてしまう。
この実施の形態3では、ボルト20の締結がゆるみ、先端面13aと段差部11dとの隙間が広くなっても、切り刃18a、18bの上型12の側部側へのスライド移動が刃止まり段差13dにより阻止される。その結果、切り刃18a、18bが上型12の側部側に延出する事態が未然に防止され、安全性が高められる。
【0029】
実施の形態4.
図21はこの発明の実施の形態4に係るパッキン加工治具を示す側面図、図22はこの発明の実施の形態4に係るパッキン加工治具における下型を示す上面図、図23はこの発明の実施の形態4に係るパッキン加工治具における上型を示す下面図である。
【0030】
下型11Aは、図22に示されるように、基部11aの反回転軸側に固定ネジ穴11gが設けられている。また、上型12Aは、図23に示されるように、薄肉部12bの固定ネジ穴11gに対応する位置に固定穴12hが穿設されている。そして、上型12Aが作動位置にあるときに、図21に示されるように、ボルト22が固定穴12hに通して固定ネジ穴11gに螺着できるようになっている。ここで、固定ネジ穴11g、固定穴12hおよびボルト22が上型12Aの固定手段を構成している。
なお、他の構成は上記実施の形態2と同様に構成されている。
【0031】
そこで、この実施の形態4によるパッキン加工治具10Aでは、上記実施の形態2と同様に、パッキン部材8に切り欠き部を形成することができる。
そして、パッキン加工治具10Aの未使用状態において、厚肉部12aが基部11aの主面に当接するまで上型12Aを回転軸16周りに回動させ、その後ボルト22を固定穴12hに通して固定ネジ穴11gに締着する。これにより、切り刃18a、18bがパッキンガイド溝11dおよび切り刃逃がし溝11e内に収納された状態で上型12Aを下型11Aに固定できる。その結果、未使用状態のパッキン加工治具10Aは切り刃18a、18bが露出しない状態となり、安全性が向上される。
【0032】
実施の形態5.
図24はこの発明の実施の形態5に係るパッキン加工治具を示す側面図である。
図24において、パッキン加工治具10Bは、安全保護カバー23がヒンジ24を介して上型12の反回転軸側端部に取り付けられている。そして、パッキン加工治具10Bは、パッキン加工作業台25上に設置されている。
なお、パッキン加工治具10Bは、安全保護カバー23が上型12に取り付けられている点を除いて、上記実施の形態2のパッキン加工治具10と同様に構成されている。
【0033】
この実施の形態5では、上型12が開放ひねりバネ15の付勢力により回転軸16周りに図24中時計回りに回動されて開放位置(図24中点線で示される)にあるときには、安全保護カバー23が自重により上型12の反回転軸側端部から垂れ下がり、上型12の下面に設置されている切り刃18a、18bを遮蔽している。
そして、パッキン部材8を切り欠き加工する時には、作業者は、安全保護カバー23をヒンジ24周りに図24中時計回りに、上型12の回動動作の邪魔とならない位置まで回動させる。ついで、安全保護カバー23の位置を維持しつつ、上型12を押圧して上型12を回転軸16周りに図24中反時計回りに回動させて、パッキン部材8を切り欠き加工する。この時、作業者が安全保護カバー23の保持を止めれば、安全保護カバー23は自重により上型12の反回転軸側端部からパッキン加工作業台25外に垂れ下がっている。
ついで、作業者が上型12の押圧を解除すれば、開放ひねりバネ15の付勢力により開放位置に戻る。
【0034】
このように、この実施の形態5によれば、パッキン加工治具10Bは、上型12が開放位置にある時に、安全保護カバー23が上型12の反回転軸側端部から垂れ下がり、切り刃18a、18bを遮蔽しているので、安全性が高められる。
【0035】
実施の形態6.
図25はこの発明の実施の形態6に係るパッキン加工治具の第1作動位置を示す側面図、図26はこの発明の実施の形態6に係るパッキン加工治具の第2作動位置を示す側面図、図27はこの発明の実施の形態6に係るパッキン加工治具の第2の作動位置を示す上面図である。
【0036】
図25乃至図27において、下型11Bは、回転軸16を挿入するための孔形状を楕円形とする貫通孔11hが一対の腕部11bに穿設され、第1および第2位置決め穴11i、11jが一対の腕部11bの貫通孔11hの上部に形成されている。回転軸変位レバー26は、細長の平板状に作製され、回転軸16を挿入するための穴(図示せず)が中央に穿設され、レバー中心軸用穴26aおよび係止ピン挿入穴26bが回転軸16を挿入するための穴を挟んで端部側に穿設されている。この回転軸変位レバー26は、レバー中心軸用穴26aに挿入されたレバー中心軸27を各腕部11bに固着して、レバー中心軸27周りに回動自在に取り付けられている。そして、回転軸16が、一方の回転軸変位レバー26の回転軸16を挿入するための穴、下型11Bの一方の腕部11bの貫通孔11h、上型12の一方の腕部12cの貫通孔12e、開放ひねりバネ15の巻回部15a、上型12の他方の腕部12cの貫通孔12e、下型11Bの他方の腕部11bの貫通孔11hおよび他方の回転軸変位レバー26の回転軸16を挿入するための穴に通されている。そして、止め輪16bが回転軸16の他方の回転軸変位レバー26からの延出部に装着されている。
【0037】
ここで、係止ピン挿入穴26bと第1および第2位置決め穴11i、11jとは、各穴中心がレバー中心軸27の軸心を中心とする同一半径上に位置するように形成されている。そして、貫通孔11hは、レバー中心軸27の軸心を中心とする円弧状の楕円穴に形成され、回転軸変位レバー26がレバー中心軸27周りに回動したときに、回転軸16の移動をガイドするようになっている。
なお、他の構成は上記実施の形態2と同様に構成されている。
【0038】
つぎに、このパッキン加工治具10Cの動作について説明する。
まず、回転軸変位レバー26をレバー中心軸27周りに回動させ、係止ピン挿入穴26bを第1位置決め穴11iに一致させる。そこで、係止ピン28を係止ピン挿入穴26bから第1位置決め穴11iに差し込み、回転軸変位レバー26を第1位置に固定する。
そこで、上型12を押圧し、上型12を回転軸16周りに図25中反時計回りに回動させる。そして、上型12の厚肉部12aが下型11Bの基部11aの主面(上面)に当接し、この上型12の回動動作が終了する。これにより、切り刃18a、18bがパッキンガイド溝11d内に入り込み、図25に示される第1作動位置を採る。この時、上記実施の形態2と同様に、切り刃18a、18bのV字状の先端部とパッキンガイド溝11dの回転軸側壁面との間に隙間δが形成されている。そこで、パッキン部材8の一部が切断され、V字状の切り欠き部が形成される。
そして、上型12への押圧を解除すると、開放ひねりバネ15に蓄勢された蓄勢力により、上型12が回転軸16周りに図25中時計回りに回動し、開放位置(図25中点線で示される)に戻る。
【0039】
ついで、係止ピン28を引き抜き、回転軸変位レバー26をレバー中心軸27周りに回動させ、係止ピン挿入穴26bを第2位置決め穴11jに一致させる。そこで、係止ピン28を係止ピン挿入穴26bから第2位置決め穴11jに差し込み、回転軸変位レバー26を第2位置に固定する。
そこで、上型12を押圧し、上型12を回転軸16周りに図26中反時計回りに回動させる。そして、上型12の厚肉部12aが下型11Bの基部11aの主面(上面)に当接し、この上型12の回動動作が終了する。これにより、切り刃18a、18bがパッキンガイド溝11d内に入り込み、図26および図27に示される第2作動位置を採る。この時、切り刃18a、18bのV字状の先端部とパッキンガイド溝11dの回転軸側壁面との間に隙間がない。そこで、パッキン部材8が完全に切断され、45度の角度の端部が形成される。
そして、上型12への押圧を解除すると、開放ひねりバネ15に蓄勢された蓄勢力により、上型12が回転軸16周りに図26中時計回りに回動し、開放位置(図26中点線で示される)に戻る。
【0040】
このように、この実施の形態6によれば、90度の切り欠き加工と45度の切断加工との両加工を行えるパッキン加工治具10Cが簡易な構成で実現される。従って、このパッキン加工治具10Cを用いれば、1台の加工治具で、コーナー部を構成する90度の切り欠き部5b、5c、5d、5eが45度に切断された端部5、5f間に形成されたパッキン5をパッキン部材8から作製できるので、生産性が向上される。
【0041】
実施の形態7.
図28はこの発明の実施の形態7に係るパッキン加工治具の開放位置を示す側面図、図29はこの発明の実施の形態7に係るパッキン加工治具の作動位置を示す側面図、図30はこの発明の実施の形態7に係るパッキン加工治具の作動位置を示す上面図、図31はこの発明の実施の形態7に係るパッキン加工治具の上型ガイド部材を示す上面図、図32はこの発明の実施の形態7に係るパッキン加工治具の上型ガイド部材を示す下面図、図33はこの発明の実施の形態7に係るパッキン加工治具の上型の切り刃取り付け状態を示す下面図である。
【0042】
図28乃至図33において、上型30は、厚肉部30aと薄肉部30bとを有する段付き平板状に成形されている。そして、厚肉部30aと薄肉部30bとの境界が90度のV字状の段差部30cを構成している。また、切り刃押さえ金具固定用穴30dが薄肉部30bに穿設されている。
そして、切り刃押さえ金具装着金具14が上型30の薄肉部30bに下面側から宛われ、上型30の上面側から切り刃押さえ金具固定用穴30dに通されたボルト19を固定ネジ穴14aに締着して固定されている。また、切り刃押さえ金具13が切り刃押さえ金具装着金具14と上型30の厚肉部30aとの間に配設され、押さえネジ穴14bに螺着されたボルト20の延出部をガイド穴13c内に挿入して取り付けられている。そして、切り刃18a、18bが、ボルト20の締め付けにより、端面同士を突き合わせた状態で、切り刃押さえ金具13のV字状の先端面13aとV字状の段差部12dとの間に締着固定されている。
また、連動軸33が上型30の上面の中央部に立設され、4本のガイドピン34が連動軸33を取り囲むように上型30の上面に立設されている。
【0043】
上型ガイド部材31は、コ字状のガイド部31bが平板状の基部31aの一端側に一体に形成され、一対の腕部31cが基部の31aの他端側に一体に形成されて構成されている。そして、回転軸16を通すための貫通孔31dが各腕部31cに穿設されている。さらに、ガイドピン挿通用穴31eがガイド部31bの底部に穿設され、連動軸挿通用穴31fがガイド部31bの底部に穿設されている。
作動レバー32は、L字状に成形され、回転軸16を通すための貫通孔32bが根元部32aに穿設され、根元部32aからL字状に延出された延出部32cがスリット状に形成されている。
【0044】
ここで、上型30は、連動軸33を連動軸挿通用穴31fに滑動自在に挿通させ、ガイドピン34をガイドピン挿通穴31eに滑動自在に挿通させて、上型ガイド部材31のガイド部31b内に納められている。そして、弾性部材としてのコイルバネ35が各ガイドピン34のガイド部31bからの延出部に装着され、上型30をガイド部31b内に納めるようにガイドピン34を付勢している。
【0045】
そして、上型ガイド部材31が一対の腕部31cを一対の腕部11b間に位置させて下型11に重ねられ、作動レバー32が根元部32aを一対の腕部31c間に位置するように配置される。そこで、回転軸16が、下型11の一方の腕部11bの貫通孔11c、上型ガイド部材31の一方の腕部31cの貫通孔31d、作動レバー32の根元部32aの貫通孔32b、上型ガイド部材31の他方の腕部31cの貫通孔31dおよび下型11の他方の腕部11bの貫通孔11cに通され、その延出部に止め輪16bを装着して、パッキン加工治具10Dが組み立てられている。
【0046】
つぎに、このパッキン加工治具10Dの動作について説明する。
まず、ガイドピン35がコイルバネ35の付勢力により上型ガイド部材31のガイド部31bから上方に押し上げられ、上型30が下型11から離間しガイド部31b内に収納されて、開放位置を採る。この時、作動レバー31のL字状の延出部32cがガイド部31b上に位置している。そして、図28に示されるように、連動軸33が延出部32cのスリット内に挿入され、延出部32cが連動軸33から突設された作動ピン33aに係合して、作動レバー31の回転軸16周りの回動が制止されている。
【0047】
そこで、作動レバー32の延出部32cを押圧し、作動レバー31を回転軸16周りに図28中反時計回りに回動させる。この作動レバー32の回動力が作動ピン33aを介して連動軸33に伝達され、連動軸33が連動軸連通用穴31fに案内されて図28中下方に移動する。この連動軸33の下方への移動により、上型30が下方に移動し、図29および図30に示されるように、切り刃18a、18bが下型11のパッキンガイド溝11d内に納められ、作動位置を採る。この時、切り刃18a、18bのV字状の先端とパッキンガイド溝11dの回転軸側の壁面との間に隙間δが形成されるようになっており、パッキンガイド溝11d内に納められたパッキン部材は、V字状の切り欠き部が形成される。そして、ガイドピン34が上型30とともに下方に移動し、コイルバネ35は収縮される。
ついで、作動レバー32の押圧を解除すれば、コイルバネ35に蓄勢された蓄勢力により、ガイドピン34がガイドピン挿通用穴31eに案内されて図29中上方に移動する。これにより、連動軸33が連動軸挿通用穴31fに案内されて上方に移動し、上型30がガイド部31b内に納められる。そして、連動軸33の上方への移動力が作動ピン33aに係合している延出部32cを介して作動レバー32に伝達され、作動レバー32が回転軸16周りに時計回りに回動し、図28に示される開放位置に戻る。
【0048】
このように、この実施の形態7においても、90度の切り欠き加工が簡易に行え、上記実施の形態2と同様の効果が得られる。
また、この実施の形態7によれば、切り刃18a、18bが開放位置でガイド部31b内に納められ、外部に露出していないので、安全性が高められる。
【0049】
実施の形態8.
図34はこの発明の実施の形態8に係るパッキン加工治具を示す上面図、図35はこの発明の実施の形態8に係るパッキン加工治具を示す側面図、図36はこの発明の実施の形態8に係るパッキン加工治具のパッキンガイド溝延長金具を示す上面図、図37はこの発明の実施の形態8に係るパッキン加工治具の下型を示す上面図である。
【0050】
下型11Cは、図37に示されるように、下型固定用ネジ穴11kが形成されている。この下型11Cは、下型固定用ネジ穴11kが形成されている点を除いて、上記下型11と同様に構成されている。
パッキンガイド溝延長金具36は、図36に示されるように、下型11Cに形成されたパッキンガイド溝11dと同等の溝形状のパッキン延長ガイド溝36aが主面に直線状に延設され、下型取り付け凹部36bがパッキン延長ガイド溝36aを横切るように主面に形成され、固定ザグリ穴36cが下型取り付け凹部26bに穿設されている。
なお、この実施の形態8によるパッキン加工治具10Eは、下型11に代えて下型11Cを用いている点を除いて、上記パッキン加工治具10と同様に構成されている。
【0051】
このパッキン加工治具10Eは、下型取り付け凹部26b内に配設され、下方から固定ザグリ穴36cに通されたボルト37を下型固定用ネジ穴11kに締着して、パッキンガイド溝延長金具36に取り付けられている。そして、下型取り付け凹部26bにより分離されたパッキン延長ガイド溝36aが下型11Cに形成されたパッキンガイド溝11dにより隙間なく連結されている。
【0052】
この実施の形態8では、パッキンガイド溝11d内に納められたパッキン部材8の延出部がパッキン延長ガイド溝36a内に収納される。そこで、湾曲しやすいパッキン部材8が直線状にセットできるので、正確な寸法位置にV字状の切り欠き部を形成することができる。
【0053】
実施の形態9.
この実施の形態9では、図38に示されるように、長さが表示された寸法表示メジャー38が、パッキン延長ガイド溝36aに沿ってパッキンガイド溝延長金具36に取り付けられている。
なお、他の構成は上記実施の形態8と同様に構成されている。
【0054】
従って、この実施の形態9によれば、メジャー38の目盛りに基づいて切り欠き部の形成位置を確認しながら切り欠き加工を行うことができるので、正確な位置に切り加工を行うことができ、かつ、寸法出しを容易にすることができ、切り欠き部の加工寸法精度がより高められる。
【0055】
実施の形態10.
図39はこの発明の実施の形態10に係るパッキン加工治具を示す上面図、図40はこの発明の実施の形態10に係るパッキン加工治具を示す側面図、図41は図39のXXXXI−XXXXI矢斜断面図、図42は図39のXXXXII−XXXXII矢斜断面図である。
【0056】
図39乃至図42において、一対の受け金具41が相対するようにパッキン加工作業台40の上面の両端に取り付けられている。パッキンガイド溝42aを有するパッキン溝ガイドレール42が両端を一対の受け金具41に支持されてパッキン加工作業台40上に配設されている。さらに、一対のガイド軸43が両端を一対の受け金具41に支持されてパッキン溝ガイドレール42を挟んでパッキン溝ガイドレール42と平行に配設されている。
下型11Dは、一対のスライド穴11mと、ガイドレール嵌合溝11nとを有している。そして、下型11Dは、各スライド穴11mにガイド軸43を通し、ガイドレール嵌合溝11nにパッキン溝ガイドレール42を通して取り付けられている。これにより、下型11Dは、ガイド軸43に案内されて一対の受け金具41間を往復移動可能にパッキン作業台40に取り付けられている。
【0057】
ここで、下型11Dは、パッキンガイド溝11dに代えてガイドレール嵌合溝11nを設け、スライド穴11mを設けている点を除いて、上述の下型11と同様に構成されている。そして、パッキン加工治具10Fは、下型11に代えて下型11Dを用いている点を除いて、上述のパッキン加工治具10と同様に構成されている。また、パッキン加工治具10Fの回転軸16はパッキン溝ガイドレール42のパッキンガイド溝42aの溝方向と平行となっている。さらに、パッキン加工治具10Fが作動位置にあるときに、切り刃18a、18bのV字形の先端とパッキンガイド溝42aの回転軸側の壁面との間には隙間δが形成されている。
【0058】
つぎに、このパッキン加工治具10Fの動作について説明する。
まず、図示していないが、長尺のパッキン部材8がパッキン溝ガイドレール42のパッキンガイド溝42a内に納められる。そして、開放ひねりバネ15の付勢力により開放位置となっているパッキン加工治具10Fをガイド軸43に沿って所定の位置までスライド移動させる。そこで、上型12を押圧し、上型12を回転軸16周りに回動させて作動位置とする。これにより、切り刃18a、18bをパッキンガイド溝42a内に入り込み、パッキン部材8にV字状の切り欠き部が形成される。
ついで、上型12の押圧を解除して上型12を開放位置とし、パッキン加工治具10Fをガイド軸43に沿って所定の位置までスライド移動させて、次の切り欠き加工を行う。
【0059】
このように、この実施の形態10によれば、パッキン部材8を移動させることなくパッキン部材8の所望の位置に切り欠き加工を行うことができ、切り欠き加工が安価なるとともに、作業性が向上する。
【0060】
なお、上記各実施の形態では、90度の切り欠き部を形成するものとして説明しているが、切り欠き部の角度は90度に限定されるものではなく、パッキンのコーナー部の角度に合わせて適宜設定されるものである。そして、パッキン加工治具は、切り刃押さえ金具の先端面および上型の段差部のV字形状を設定された切り欠き部の角度に形成し、切り刃18a、18bを切り欠き部の角度に適合するV字形に構成することになる。
また、上記各実施の形態では、断面楕円形の中空形状のパッキン部材8を用いるものとしているが、パッキン部材の断面形状は断面楕円形に限定されるものでなく、中空形状に限定されるものではない。
【0061】
【発明の効果】
この発明は、以上説明したように、V字状の切り欠き部が枠状形状の各コーナー部に対応するように形成された1本のパッキン部材を、該切り欠き部の根元部で曲げて該切り欠き部の切り欠き面同士を突き合わせ、かつ、両端部の端面同士を突き合わせて枠状形状に構成して、筐体および扉の一方に接着固定しているので、突き合わせ部のズレの発生が抑えられ、防水・防塵性が高められ、かつ、パッキンの見栄えのよい防止・防塵型装置が得られる。
【0062】
また、上型は、切り刃がパッキンガイド溝から離反する開放位置と、切り刃がその刃先をパッキンガイド溝の底面に接するようにパッキンガイド溝内に位置する作動位置との間を移動可能に構成され、切り刃は、作動位置にあるときに、V字形の先端がパッキンガイド溝の一方の側壁面に対して所定の隙間を有し、かつ、V字形がパッキンガイド溝の溝方向に直交する平面に対して対称な形状となるように、上型に配設されているので、V字状の切り欠き部を高寸法精度に、かつ、簡易に形成できるパッキン加工治具が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1に係る防水・防塵型制御盤を示す断面図である。
【図2】図1のII−II矢視断面である。
【図3】この発明の実施の形態1に係る防水・防塵型制御盤におけるパッキンの組み立て前の状態を示す正面図である。
【図4】この発明の実施の形態2に係るパッキン加工治具を示す上面図である。
【図5】この発明の実施の形態2に係るパッキン加工治具を示す側面図である。
【図6】この発明の実施の形態2に係るパッキン加工治具の上型の切り刃装着状態を説明する平面図である。
【図7】この発明の実施の形態2に係るパッキン加工治具の下型を示す上面図である。
【図8】この発明の実施の形態2に係るパッキン加工治具の下型を示す側面図である。
【図9】この発明の実施の形態2に係るパッキン加工治具の下型を示す正面図である。
【図10】この発明の実施の形態2に係るパッキン加工治具の上型を示す下面図である。
【図11】この発明の実施の形態2に係るパッキン加工治具の上型を示す側面図である。
【図12】この発明の実施の形態2に係るパッキン加工治具の切り刃押さえ金具を示す上面図である。
【図13】この発明の実施の形態2に係るパッキン加工治具の切り刃押さえ金具を示す側面図である。
【図14】この発明の実施の形態2に係るパッキン加工治具の切り刃押さえ金具装着金具を示す上面図である。
【図15】この発明の実施の形態2に係るパッキン加工治具の切り刃押さえ金具装着金具を示す側面図である。
【図16】この発明の実施の形態2に係るパッキン加工治具の開放ひねりバネを示す側面図である。
【図17】この発明の実施の形態2に係るパッキン加工治具の回転軸を示す側面図である。
【図18】この発明の実施の形態2に係るパッキン加工治具の開放ひねりバネ固定治具を示す上面図である。
【図19】この発明の実施の形態3に係るパッキン加工治具における上型の切り刃押さえ金具取り付け状態を示す平面図である。
【図20】この発明の実施の形態3に係るパッキン加工治具における切り刃押さえ金具を示す上面図である。
【図21】この発明の実施の形態4に係るパッキン加工治具を示す側面図である。
【図22】この発明の実施の形態4に係るパッキン加工治具における下型を示す上面図である。
【図23】この発明の実施の形態4に係るパッキン加工治具における上型を示す下面図である。
【図24】この発明の実施の形態5に係るパッキン加工治具を示す側面図である。
【図25】この発明の実施の形態6に係るパッキン加工治具の第1作動位置を示す側面図である。
【図26】この発明の実施の形態6に係るパッキン加工治具の第2作動位置を示す側面図である。
【図27】この発明の実施の形態6に係るパッキン加工治具の第2の作動位置を示す上面図である。
【図28】この発明の実施の形態7に係るパッキン加工治具の開放位置を示す側面図である。
【図29】この発明の実施の形態7に係るパッキン加工治具の作動位置を示す側面図である。
【図30】この発明の実施の形態7に係るパッキン加工治具の作動位置を示す上面図である。
【図31】この発明の実施の形態7に係るパッキン加工治具の上型ガイド部材を示す上面図である。
【図32】この発明の実施の形態7に係るパッキン加工治具の上型ガイド部材を示す下面図である。
【図33】この発明の実施の形態7に係るパッキン加工治具の上型の切り刃取り付け状態を示す下面図である。
【図34】この発明の実施の形態8に係るパッキン加工治具を示す上面図である。
【図35】この発明の実施の形態8に係るパッキン加工治具を示す側面図である。
【図36】この発明の実施の形態8に係るパッキン加工治具のパッキンガイド溝延長金具を示す上面図である。
【図37】この発明の実施の形態8に係るパッキン加工治具の下型を示す上面図である。
【図38】この発明の実施の形態9に係るパッキン加工治具を示す上面図である。
【図39】この発明の実施の形態10に係るパッキン加工治具を示す上面図である。
【図40】この発明の実施の形態10に係るパッキン加工治具を示す側面図である。
【図41】図39のXXXXI−XXXXI矢斜断面図である。
【図42】図39のXXXXII−XXXXII矢斜断面図である。
【符号の説明】
1 制御盤(防水・防塵型装置)、2 筐体、3 開口、4 扉、5 パッキン、8 パッキン部材、10、10A、10B、10C、10D、10E、10F パッキン加工治具、11、11A、11B、11C、11D 下型、11dパッキンガイド溝、11g 固定ネジ穴(固定手段)、11n ガイドレール嵌合溝、12、12A、30 上型、12d、30c 段差部、12h 固定穴(固定手段)、13、13A 切り刃押さえ金具、13a 先端面、13d 刃止まり段差(突起)、15 開放ひねりバネ(弾性部材)、16 回転軸、18a、18b 切り刃、22 ボルト(固定手段)、23 安全保護カバー、31上型ガイド部材、31b ガイド部、32 作動レバー、33 連動軸、34ガイドピン、35 コイルバネ(弾性部材)、36a パッキン延長ガイド溝、38 寸法表示メジャー、42 パッキン溝ガイドレール、42a パッキンガイド溝、43 ガイド軸。
Claims (12)
- 開口が一面に形成された筐体と、上記開口を開閉可能に上記筐体に取り付けられた扉と、上記筐体および上記扉の一方に枠状形状に配設され、上記扉が閉じられたときに、上記筐体と上記扉とに挟持されて弾性変形し、上記開口を気密にシールするパッキンとを有する防水・防塵型装置において、
上記パッキンは、V字状の切り欠き部が上記枠状形状の各コーナー部に対応するように形成された1本のパッキン部材を、該切り欠き部の根元部で曲げて該切り欠き部の切り欠き面同士を突き合わせ、かつ、両端部の端面同士を突き合わせて上記枠状形状に構成されて上記筐体および上記扉の一方に接着固定されていることを特徴とする防水・防塵型装置。 - パッキンガイド溝を有する下型と、切り刃が所定角度を有するV字形に配設された上型とを備えたパッキン加工治具において、
上記上型は、上記切り刃が上記パッキンガイド溝から離反する開放位置と、上記切り刃がその刃先を上記パッキンガイド溝の底面に接するように上記パッキンガイド溝内に位置する作動位置との間を移動可能に構成され、
上記切り刃は、上記作動位置にあるときに、上記V字形の先端が上記パッキンガイド溝の一方の側壁面に対して所定の隙間を有し、かつ、上記V字形が上記パッキンガイド溝の溝方向に直交する平面に対して対称な形状となるように、上記上型に配設されていることを特徴とするパッキン加工治具。 - 上記上型の上記切り刃のV字形の先端側に位置する端部が、上記下型に軸心方向を上記パッキンガイド溝の溝方向と平行とする回転軸周りに回動可能に取り付けられ、弾性部材が上記上型を上記開放位置に位置させるように上記上型と上記下型との間に配設されていることを特徴とする請求項2記載のパッキン加工治具。
- V字状の段差部が上記上型の下面に形成され、V字状の先端形状を有する切り刃押さえ金具が上記段差部に接離可能に上記上型に取り付けられ、上記切り刃が上記段差部と上記切り刃押さえ金具との間に挟持されて上記上型に取り付けられていることを特徴とする請求項2又は請求項3記載のパッキン加工治具。
- 上記V字形の切り刃の上記段差部に沿って互いに離反する方向への移動を阻止する突起が上記切り刃押さえ金具の先端面に形成されていることを特徴とする請求項4記載のパッキン加工治具。
- 上記上型を上記作動位置に固定する上型固定手段を備えていることを特徴とする請求項2乃至請求項5のいずれか1項に記載のパッキン加工治具。
- 安全カバーが上記上型の反回転軸側の端部側に取り付けられ、上記上型が開放位置にあるときに、上記安全カバーが上記パッキンガイド溝から離反した上記切り刃を遮蔽するようになっていることを特徴とする請求項3記載のパッキン加工治具。
- 上記回転軸の位置が、上記上型が上記作動位置にあるときに、上記切り刃のV字形の先端が上記パッキンガイド溝の一方の側壁面に対して所定の隙間を有する第1位置と、上記切り刃のV字形の先端が上記パッキンガイド溝の一方の側壁面に接する第2位置とを切り換え可能に構成されていることを特徴とする請求項3記載のパッキン加工治具。
- 端部が上記下型に軸心方向を上記パッキンガイド溝の溝方向に平行とする回転軸周りに回動可能に取り付けられ、他端側が上記パッキンガイド溝の上方に延在する作動レバーと、
コ字状のガイド部を有し、該ガイド部の開口側を上記パッキンガイド溝に向けて上記下型上に配設され、上記上型が該ガイド部内に収納されたガイド部材と、上記ガイド部の底部に滑動自在に貫装され、一端が上記上型に連結され、かつ、他端が上記作動レバーに係合して、上記作動レバーの作動により下方に移動して上記上型を作動位置に位置させる連動軸と、
上記ガイド部の底部に滑動自在に貫装され、かつ、一端が上記上型に連結されて、上記連動軸の移動に連動して移動し、上記上型の移動を案内するガイドピンと、
上記ガイド部の底部から延出する上記ガイドピンの他端と上記ガイド部の底部との間に配設され、上記作動レバーの非作動時に、上記ガイドピンを上方に押し上げて上記上型を上記ガイド部内に収納するように作用する弾性部材
とを備えていることを特徴とする請求項2記載のパッキン加工治具。 - 上記下型の上記パッキンガイド溝の溝方向の少なくとも一側に配設され、上記パッキンガイド溝に一直線に接続されるパッキン延長ガイド溝を備えていることを特徴とする請求項2記載のパッキン加工治具。
- 寸法表示メジャーがパッキン延長ガイド溝に沿って配設されていることを特徴とする請求項10記載のパッキン加工治具。
- パッキンガイド溝が上面に長さ方向に延設されたガイドレールと、上記ガイドレールを挟んで該ガイドレールに平行に配設された一対のガイド軸と、上面にガイドレール嵌合溝を有し、上記ガイドレールを該ガイドレール嵌合溝に遊嵌させて上記一対のガイド軸に案内されてスライド移動可能に配設された下型と、切り刃が所定角度を有するV字形に配設された上型とを備え、
上記上型は、上記切り刃が上記下型のガイドレール嵌合溝内に位置する上記パッキンガイド溝から離反する開放位置と、上記切り刃がその刃先を上記下型のガイドレール嵌合溝内に位置する上記パッキンガイド溝の底面に接するように上記パッキンガイド溝内に位置する作動位置との間を移動可能に構成され、
上記切り刃は、上記作動位置にあるときに、上記V字形の先端が上記パッキンガイド溝の一方の側壁面に対して所定の隙間を有し、かつ、上記V字形が上記パッキンガイド溝の溝方向に直交する平面に対して対称な形状となるように、上記上型に配設されていることを特徴とするパッキン加工治具。
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