JP2004140397A - 圧電/電歪膜型素子 - Google Patents
圧電/電歪膜型素子 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004140397A JP2004140397A JP2003420036A JP2003420036A JP2004140397A JP 2004140397 A JP2004140397 A JP 2004140397A JP 2003420036 A JP2003420036 A JP 2003420036A JP 2003420036 A JP2003420036 A JP 2003420036A JP 2004140397 A JP2004140397 A JP 2004140397A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- piezoelectric
- electrostrictive
- film
- electrode film
- lead
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B41—PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
- B41J—TYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
- B41J2/00—Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
- B41J2/005—Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
- B41J2/01—Ink jet
- B41J2/135—Nozzles
- B41J2/14—Structure thereof only for on-demand ink jet heads
- B41J2/14201—Structure of print heads with piezoelectric elements
- B41J2/14233—Structure of print heads with piezoelectric elements of film type, deformed by bending and disposed on a diaphragm
- B41J2002/1425—Embedded thin film piezoelectric element
Landscapes
- General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)
Abstract
【課題】 キャビティとは反対方向への変位、力等を安定して得ることができるとともに、圧電/電歪作動部の形成位置がずれた場合でも発生する変位及びキャビティ内の増加する体積が殆ど変化しない安定した素子を実現すること。
【解決手段】セラミック基板(5)に形成されたキャビティ(5b)上の薄肉部(5a)外表面上に、下部電極膜非形成部を設け、その下部電極膜非形成部の周囲の所定範囲に下部電極膜を設け、その下部電極膜上に圧電/電歪膜及び上部電極膜を順次積層形成して成り、且つ、前記下部電極膜非形成部の全周を下部電極膜により囲んで成る圧電/電歪膜型素子。
【選択図】図6
【解決手段】セラミック基板(5)に形成されたキャビティ(5b)上の薄肉部(5a)外表面上に、下部電極膜非形成部を設け、その下部電極膜非形成部の周囲の所定範囲に下部電極膜を設け、その下部電極膜上に圧電/電歪膜及び上部電極膜を順次積層形成して成り、且つ、前記下部電極膜非形成部の全周を下部電極膜により囲んで成る圧電/電歪膜型素子。
【選択図】図6
Description
本発明は、フィルター、加速度センサや衝撃センサ等の各種センサ、トランス、マイクロホン、発音体(スピーカ等)、動力用や通信用の振動子や発振子の他、ディスプレイや刊行物「圧電/電歪アクチュエータ基礎から応用まで」(森北出版発行、内野研二著、日本工業技術センター編)に記載のリレー、サーボ変位素子等に用いられるユニモルフ型の屈曲変位を発生させるタイプのアクチュエータ等、電気エネルギーを機械エネルギーに変換、即ち機械的な変位又は応力又は振動に変換を行う、並びにその逆の変換を行う圧電/電歪膜型素子に関するものである。
近年、光学や精密加工等の分野においてサブミクロンのオーダーで光路長や位置を調整する変位素子や微小変位を電気的変化として検知する検出素子が所望されるようになってきており、これに応えるものとして強誘電体等の圧電/電歪材料に電界を加えた時に起こる逆圧電効果や電歪効果に基づく変位或はその逆の現象を利用したアクチュエータやセンサの開発が進められている。
そのような分野の中で、アクチュエータ等においては、安価で小型化、低電圧作動化、高速応答化を安定して実現することができるよう開発が進められている。
図15に本願発明者が先に提案した圧電/電歪膜型素子を示す。素子(20)は、セラミック基板(5) に形成されたキャビティ(5b)の薄肉部(5a)上に下部電極膜(21a) 及び圧電/電歪膜(21b) 及び上部電極膜(21c) を順次積層形成した圧電/電歪作動部(21)を設けて成る。ここで、(21b) の材料に圧電材料を用いた場合、上部電極膜(21c) 及び下部電極膜(21a) に、圧電膜の分極処理時の印加電圧と正負が同じとなるように電圧を印加すると、電界誘起歪の横効果によって(21b) がキャビティ(5b)側へ屈曲変位する。又、(21b) の材料として電歪材料を用いた場合は、上部電極膜(21c) と下部電極膜(21a) に電圧を印加すれば、その極性に関係なく、(21b) は図15(b) に示すようにキャビティ(5b)側へ屈曲変位する。
ところで、前記素子(20)をリレー等の用途として用い、素子(20)を上部電極膜(21c) 上に設けられた接点(22)の方向、即ちキャビティ(5b)とは反対の方向に変位させようとした場合、(21b) に圧電膜を用いると、分極処理の極性とは逆の極性で上部電極膜(21c) 、下部電極膜(21a) 間に電圧を印加することとなる。しかしこの場合、分極反転が起こる抗電界よりも小さい電位に限られるため、十分な変位を得ることができない他、変位自体が不安定であった。一方、(21b) に電歪膜を用いると、分極処理をして分極方向を設定することができないので、印加電圧の極性を変更しても変位方向はキャビティ(5b)の方向であり、反対の方向に変位させることができない。即ち、電界誘起歪の横効果を用いるタイプでは、安定して大きな変位を上方に得ることができない。
又、キャビティ側へ変位した薄肉部の、元の位置に戻る時の反動を利用して逆方向に変位させることも可能であるが、この場合には変位量と変位速度等を任意に得ることが困難である。更に、図15の素子では、薄肉部外表面上に圧電/電歪作動部(21)が形成されているが、これを薄肉部内表面上に形成することにより、素子の上方への変位が可能となるが、キャビティ構造の場合、その薄肉部内表面上に圧電/電歪作動部を形成することは容易ではなく、製造上問題がある。このようにキャビティ構造であるが故に変位方向を上方にするには大きな制約がある。
又、キャビティ側へ変位した薄肉部の、元の位置に戻る時の反動を利用して逆方向に変位させることも可能であるが、この場合には変位量と変位速度等を任意に得ることが困難である。更に、図15の素子では、薄肉部外表面上に圧電/電歪作動部(21)が形成されているが、これを薄肉部内表面上に形成することにより、素子の上方への変位が可能となるが、キャビティ構造の場合、その薄肉部内表面上に圧電/電歪作動部を形成することは容易ではなく、製造上問題がある。このようにキャビティ構造であるが故に変位方向を上方にするには大きな制約がある。
そして更に、前記従来構造の素子は、その製造過程のばらつきにより図16(a) に示すように圧電/電歪作動部(21)が薄肉部(5a)の中心からずれて形成される場合がある。この場合、素子の変位量は同図(b) に示すようにセラミック基板の厚肉部に近い部分程、厚肉部の高い基板剛性による影響を受けるため小さくなる。従って、このような素子は、前記作動手段を用いても本来の変位量を得ることができない。
故に本発明の目的は、例えばリレー等に用いるアクチュエータにおいて、リレーの接点方向、即ちキャビティとは反対方向への変位、力等を安定して得ることのできる素子を実現することにある。又、セラミック基板の薄肉部への圧電/電歪作動部の形成位置が中央から若干ずれた場合でも、そのずれとは無関係に、発生する変位及びキャビティ内の増加する体積が、殆ど変化しない安定した素子を実現することにもある。
前記目的を達成するための本発明の構成とは、セラミック基板に形成されたキャビティ上の薄肉部外表面上に、非圧電/電歪作動部を設け、その非圧電/電歪作動部の周囲の所定範囲に圧電/電歪作動部を形成して成ることにある。
具体的には、前記非圧電/電歪作動部が少なくとも二箇所以上の圧電/電歪作動部により挾まれて成る構成である。
又、前記非圧電/電歪作動部の全周を圧電/電歪作動部により囲んで成る構成でもよい。
そして、前記目的を達成するための本発明の別の構成とは、セラミック基板に形成されたキャビティ上の薄肉部外表面上に、下部電極膜非形成部を設け、その下部電極膜非形成部の周囲の所定範囲に下部電極膜を設け、その下部電極膜上に圧電/電歪膜及び上部電極膜を順次積層形成して成ることにある。
具体的には、前記下部電極膜非形成部が少なくとも二箇所以上の下部電極膜により挾まれて成る構成である。
又、前記下部電極膜非形成部の全周を下部電極膜により囲んで成る構成でもよい。
尚、本発明の効果をより一層高めるためには前記下部電極膜及び圧電/電歪膜及び上部電極膜で構成される部分(以下、圧電/電歪作動部と略称する)の端部をセラミック基板の厚肉部外表面上にかかるように設けることが望ましい。
又、前記セラミック基板が、完全安定化若しくは部分安定化された酸化ジルコニウムを主成分とする材料で構成されていることが望ましい。
更に、前記圧電/電歪膜がマグネシウムニオブ酸鉛及びジルコン酸鉛及びチタン酸鉛から成る成分を主成分とする材料、若しくはニッケルニオブ酸鉛及びマグネシウムニオブ酸鉛及びジルコン酸鉛及びチタン酸鉛から成る成分を主成分とする材料、若しくはニッケルタンタル酸鉛及びマグネシウムニオブ酸鉛及びジルコン酸鉛及びチタン酸鉛から成る成分を主成分とする材料、若しくはマグネシウムタンタル酸鉛及びマグネシウムニオブ酸鉛及びジルコン酸鉛及びチタン酸鉛から成る成分を主成分とする材料で構成されていることが望ましい。
そして更に、前記キャビティ上の薄肉部の肉厚が50μm以下であることが望ましい。
[作用]
非圧電/電歪作動部の周囲の所定範囲に設けられた圧電/電歪作動部の上部電極膜及び下部電極膜に電圧を印加すると圧電/電歪膜に電界誘起歪が発生し、その横効果により圧電/電歪作動部が下方向(キャビティ方向)へ屈曲変位しようとする。
しかし、セラミック基板の薄肉部両側の厚肉部付近の各圧電/電歪作動部の端部は、厚肉部によって下方向への屈曲変位が阻止される。従って、圧電/電歪作動部は、圧電/電歪膜の厚肉部付近を支点として薄肉部側の端部が上方(キャビティと反対方向)へ持ち上げられる。即ち、素子全体として上方に変位する。
非圧電/電歪作動部の周囲の所定範囲に設けられた圧電/電歪作動部の上部電極膜及び下部電極膜に電圧を印加すると圧電/電歪膜に電界誘起歪が発生し、その横効果により圧電/電歪作動部が下方向(キャビティ方向)へ屈曲変位しようとする。
しかし、セラミック基板の薄肉部両側の厚肉部付近の各圧電/電歪作動部の端部は、厚肉部によって下方向への屈曲変位が阻止される。従って、圧電/電歪作動部は、圧電/電歪膜の厚肉部付近を支点として薄肉部側の端部が上方(キャビティと反対方向)へ持ち上げられる。即ち、素子全体として上方に変位する。
前記非圧電/電歪作動部が少なくとも二箇所以上の圧電/電歪作動部により挾まれて成る構成では、各圧電/電歪作動部の上部電極膜及び下部電極膜に電圧を印加することにより、各圧電/電歪作動部は、圧電/電歪膜の厚肉部付近を支点として薄肉部側の端部が上方(キャビティと反対方向)へ持ち上げられる。即ち、素子全体として上方に変位する。
又、前記非圧電/電歪作動部の全周を圧電/電歪作動部により囲んで成る構成でも、圧電/電歪作動部の上部電極膜及び下部電極膜に電圧を印加することにより、圧電/電歪作動部は、圧電/電歪膜の厚肉部付近を支点として薄肉部側の端部が上方(キャビティと反対方向)へ持ち上げられる。即ち、素子全体として上方に変位する。
そして、セラミック基板に形成されたキャビティ上の薄肉部外表面上に下部電極膜非形成部を設け、その下部電極膜非形成部周囲の所定範囲に下部電極膜を設け、その下部電極膜上に圧電/電歪膜及び上部電極膜を順次積層形成して成る構成においては、上部電極膜及び下部電極膜に電圧を印加することにより、下部電極膜を設けたセラミック基板上の圧電/電歪作動部が圧電/電歪膜の厚肉部付近を支点として、薄肉部側の端部が上方(キャビティと反対方向)へ持ち上げられる。即ち、素子全体として上方に変位する。
前記下部電極膜非形成部が少なくとも二箇所以上の下部電極膜により挾まれて成る構成では、上部電極膜及び下部電極膜に電圧を印加することにより、各下部電極膜を設けたセラミック基板上の圧電/電歪作動部が、それぞれ圧電/電歪膜の厚肉部付近を支点として、薄肉部側の端部が上方(キャビティと反対方向)へ持ち上げられる。即ち、素子全体として上方に変位する。
又、前記下部電極膜非形成部の全周を下部電極膜により囲んで成る構成でも、上部電極膜及び下部電極膜に電圧を印加することにより、下部電極膜を設けたセラミック基板上の圧電/電歪作動部が圧電/電歪膜の厚肉部付近を支点として、薄肉部側の端部が上方(キャビティと反対方向)へ持ち上げられる。即ち、素子全体として上方に変位する。
尚、圧電/電歪とは、圧電又は電歪両者の何れかを選択し得ることを意味し、圧電/電歪膜と称した場合は圧電膜又は電歪膜を、圧電/電歪作動部と称した場合は圧電作動部又は電歪作動部を意味するものとする。
本発明によれば、上下電極膜間に圧電膜層の分極処理時の印加電圧と正負が同じになるように電圧を印加した時にセラミック基板に形成されたキャビティ上の薄肉部をキャビティの開口部と反対方向へ湾曲させ、キャビティ内の体積を増加することができる(キャビティ内に負圧を発生させることができる)。而も圧電膜の分極特性を損なわないため素子が本来有する特性を減殺してしまうことがない。又、電歪膜を用いた場合には、印加電圧の極性に関係なく薄肉部をキャビティの開口部と反対方向へ湾曲させることができる。更に圧電/電歪作動部の形成位置がずれても、ずれない場合と略同等の変位量を得ることができるため、素子製造上の歩留向上を図ることができる。
以下、本発明の素子について図面を参照しながら詳細に説明する。尚、理解を容易にするため、各図面を通して同様の構造や機能を有するものには同一の符号を付すものとする。
図1は本発明の素子の一実施例を示す断面説明図、図2(a) は複数のキャビティを有するセラミック基板上の各キャビティに圧電/電歪作動部を形成した素子の外観斜視図、同図(b) はそのA−A断面説明図をそれぞれ示す。(1) は素子、(2) 及び(3) は圧電/電歪作動部をそれぞれ示す。圧電/電歪作動部(2) はキャビティ(5b)を有するセラミック基板(5) の薄肉部(5a)上に膜形成された下部電極膜(2a)上に圧電/電歪膜(2b)及び上部電極膜(2c)を順次積層形成することにより一体形成され、圧電/電歪作動部(3) も同様に下部電極膜(3a)上に圧電/電歪膜(3b)及び上部電極膜(3c)を順次積層形成することにより一体形成される。各圧電/電歪作動部はそれぞれの一端をセラミック基板(5) の厚肉部(5c)の外表面上にかかるように薄肉部(5a)上に設けられ、各下部電極膜(2a),(3a)は相互間に適宜間隔を保って設けられている。(4) は両圧電/電歪作動部(2) ,(3)と上部電極膜(2c),(3c)間に絶縁性、信頼性の向上を目的として形成された樹脂層であり、圧電/電歪作動部(2) と(3) に挾まれた部分の(8) が非圧電/電歪作動部である。
図3は本発明の素子の動作を示す断面説明図である。ここでは(2b)及び(3b)に圧電膜を用い、(2) 及び(3) をそれぞれ圧電作動部とする。同図(a)において上部電極膜(2c)及び(3c)と下部電極膜(2a)及び(3a)に、圧電膜(2b)及び(3b)の分極処理時の印加電圧と正負が同じになるように電圧を印加すると、電界誘起歪が発生し、その横効果によって圧電膜(2b)がキャビティ(5b)側へ屈曲変位しようとする。しかし、圧電作動部(2) の一端は、薄肉部(5a)両側の剛性の高い厚肉部(5c)外表面上に形成され、他端は剛性の低い薄肉部(5a)上に形成されているため、圧電膜(2b)の厚肉部(5c)に近い部分は屈曲変位し難く、薄肉部(5a)側の部分は屈曲変位し易い。即ち、圧電膜(2b)は厚肉部(5c)側を支点として変位量の大きい薄肉部(5a)側が上方(キャビティ(5b)と反対側)へ持ち上がろうとし、これに伴って薄肉部(5a)が図3(b) に示すように上方へ凸状に湾曲する。この時、もう一方の圧電作動部(3) も同様に湾曲するため、セラミック基板(5) の薄肉部(5a)全体が上方へ凸状に湾曲した形状となる。而も、両圧電作動部(2) 及び(3)の変位による相乗効果によって図15に示した従来の素子と同等の変位を上方に得ることができる。尚、(2b)及び(3b)に電歪膜を用いた場合には、印加電圧の極性とは関係なく圧電膜を用いた場合と同様の原理に従って素子の変位を得ることができる。又、本発明の素子によれば素子が上方向へ変位する結果キャビティの体積は増大することになるため、例えば図示のように孔(7) をキャビティ底部に貫通形成したり、図2に示すように隣接するキャビティ(5b)間に連通するように厚肉部(5c)に形成し、流体を吸引するポンプとして利用することもできる。
図4は本発明の素子を形成する圧電/電歪作動部の形成位置がずれた場合の動作を示す断面説明図である。同図(a) に示すように両圧電/電歪作動部(2),(3) がセラミック基板(5) の右側厚肉部(5c)方向へずれて形成されているが、前記実施例同様に各上部電極膜(2c),(3c) 及び各下部電極膜(2a),(3a) に所定の電圧を印加すれば、同図(b) に示すように薄肉部(5a)を上方へ凸状に湾曲させることができる。この場合、右側の厚肉部(5c)へずれた圧電/電歪作動部(3)の変位量が、厚肉部(5c)へずれ込んだ分だけ小さくなるが、薄肉部(5a)側へずれた圧電/電歪作動部(2) の変位量が、ずれた分だけ大きくなるため、結果として圧電/電歪作動部(2) の増加した変位量が、圧電/電歪作動部(3) の不足した変位量を補う形となり、ずれることなく形成された場合と略同等の変位量を得ることができる。このように、本発明の構成の副次的効果として膜形成位置のずれをある程度許容しても素子の特性に影響がないため、素子製造上の歩留を向上させることができる利点がある。
図5は本発明の素子の別の構成を示す断面説明図である。この素子(14)の特徴は、前記実施例の素子と異なり、薄肉部(5a)上に設けた下部電極膜非形成部(9) を下部電極膜(15a),(16a) で挾み、それら下部電極膜(15a),(16a) を覆う圧電/電歪膜(17)及び上部電極膜(18)を共通に形成したところにある。このように、圧電/電歪膜を一枚にすることによって、前記実施例のように個別に形成する場合と比較し、素子の製造が容易となり、コストダウンを図ることができる。しかし、素子中央部にも圧電/電歪膜(17)がある分、中央部に樹脂層がある素子よりも素子の剛性が増すため、その変位量は例えば図1に示す圧電/電歪膜が分離している素子の変位量よりは少なくなる。
図6は圧電/電歪作動部(15)及び(16)それぞれの厚肉部(5c)側の一端が厚肉部(5c)の外表面上にかかっていない本発明の素子の別の実施例を示す断面説明図である。このような構造においても前記同様の原理により圧電/電歪作動部(15)及び(16)を全体として上方(キャビティ(5b)と反対方向)に変位させることができる。但し、変位量においては変位時の各圧電/電歪作動部(15),(16)の支点が剛性の低い薄肉部(5a)上となるため各圧電/電歪作動部の厚肉部(5c)側の一端が厚肉部(5c)の外表面上にかかっている構造の素子よりは小さくなる。
図7はセラミック基板上に複数の素子(1),・・(1) を形成した例の断面説明図である。図示のように、複数の素子の内、必要な素子のみを作動させ、スイッチングに用いることができる。
又、図8の素子(19)のように、圧電/電歪作動部及び薄肉部を予め上方へ凸状に湾曲形成させておくことによって、低い応力でも薄肉部(5a)を容易に上方へ湾曲させることもできる。
図9は、セラミック基板の厚肉部(5c)に薄肉部(5a)の厚みより深い溝(6) を形成した素子の断面説明図である。この構成によって圧電/電歪作動部周辺の基板剛性が低くなり、薄肉部(5a)が変位し易くなる。従って、基板が圧電/電歪作動部の熱収縮の挙動に追随し易くなることから、圧電/電歪作動部をセラミック基板と一体化するための熱処理過程において発生する基板材料と圧電/電歪膜材料との熱膨張率差に起因する残留応力や圧電/電歪膜の焼成収縮を妨げる力を低く抑えることが可能となり、圧電/電歪膜材料が本来有する材料特性を十分引出すことができる。而も、隣接する素子間に溝が形成されているため、隣接するキャビティの薄肉部同士が相互に引っ張り合う力を緩衝することができるとともに、他の素子の変位による干渉も小さくすることができるため、素子本来の変位を引出すことが可能となる。尚、溝の形状は本実施例のようにV字形に形成されたものの外、基板面に対して鉛直方向に形成されたものや台形などの形状でもよく、溝の本数も適宜変更可能である。
図10は本発明の素子の別の構成を示す説明図である。同図(a) は素子(23)を上側から見た平面図、同図(b) は同図(a) のB−B断面図を示す。この素子(23)の特徴は、前記各実施例の素子とは異なり、1つのキャビティ(5b)の薄肉部(5a)上に相対向する4つの圧電/電歪作動部(24), ・・(24)を形成し、圧電/電歪作動部(24)を形成していない薄肉部(5a)上を非圧電/電歪作動部(11)としていることにある。そして、各圧電/電歪作動部(24)の上部電極膜(24c) 及び下部電極膜(24a) に電圧をそれぞれ印加すると、各圧電/電歪作動部(24)は、圧電/電歪膜(24b) の基板厚肉部(5c)付近を支点として、薄肉部(5a)側の端部が接点(22)方向(キャビティ(5b)と反対方向)へ持ち上げられる。即ち、素子(23)は接点(22)を頂点として全体が盛り上がるように変位する。尚、キャビティ(5b)の形状が、円柱形状、断面長円の円柱形状等であっても前記四角柱形状の場合と同様にキャビティ薄肉部の少なくとも2箇所以上に非圧電/電歪作動部を挾むように若しくは囲むように圧電/電歪作動部を配置することにより素子全体を盛り上がるように変位させることができる。
図11は本発明の素子の別の実施例を示す説明図である。同図(a)は素子(25)を上側から見た平面図、同図(b) は同図(a) のC−C断面図を示す。この素子(25)の特徴は、1つのキャビティ薄肉部に対して1つの圧電/電歪作動部から成る構成ではあるものの、円柱形状のキャビティ(5b)の薄肉部(5a)の上部周縁に沿って圧電/電歪作動部(26)を形成し、その圧電/電歪作動部(26)で囲まれた内部を非圧電/電歪作動部(11)とする構成にある。そして、上部電極膜(26c) 及び下部電極膜(26a) に電圧を印加すると、素子(25)は、接点(22)を頂点として盛り上がるように変位する。尚、キャビティの形状が、四角柱形状、断面長円の円柱形状等であっても前記円柱形状の場合と同様に、キャビティの上部周縁に沿って圧電/電歪作動部を配置することにより素子全体を盛り上がるように変位させることができる。又、図10に示す素子(23)の(24b) 及び図11に示す素子(25)の(26b) に圧電膜を用いた場合は、圧電膜の分極処理時の印加電圧と同じ極性で電圧を印加することにより素子の変位を得ることができ、電歪膜を用いた場合は印加電圧の極性とは関係なく圧電膜を用いた場合と同様の原理に従って素子の変位を得ることができる。
上記各実施例では上部電極膜上に接点(22)を形成した場合について説明したが、図12に示すように接点を形成せず、上部電極膜を接点に代えて用いることもできる。この素子の場合も変位の原理及び方法は前記各実施例と同様である。
又、図13に示すように上部電極膜を分割した圧電/電歪作動部(28),(28) を形成し、両圧電/電歪作動部間には樹脂を形成しない素子構造としても、前記各実施例の素子と同様の原理及び方法により、素子を上方へ変位させることができる。
更に、図14に示すように上部電極膜を分割し、圧電/電歪膜を共用にした圧電/電歪作動部(29),(29) を形成した素子構造でも、前記各実施例の素子と同様の原理及び方法により、素子を上方へ変位させることができる。
尚、図12〜図14に示す素子は、前記図10又は図11に示す素子構造とすることもでき、キャビティの形状は、四角柱形状、円柱形状、断面長円の円柱形状等でもよい。
尚、図12〜図14に示す素子は、前記図10又は図11に示す素子構造とすることもでき、キャビティの形状は、四角柱形状、円柱形状、断面長円の円柱形状等でもよい。
ところで、前述の圧電/電歪作動部の寸法並びに材料構成については、それぞれ対となる圧電/電歪作動部間で一致させても構わないが、本願に記載の範囲内で異なる寸法構成並びに材料構成の圧電/電歪作動部対を用いて、フィルタ、トランス等を形成することもできる。
又、振動板となるキャビティの薄肉部(5a)の肉厚は、圧電/電歪作動部の高速応答性と大きな変位を得るために、一般に50μm以下、好ましくは30μm以下、更に好ましくは10μm以下に形成される。
更に、本発明の素子を形成する圧電/電歪膜は、図1等に示すように下部電極膜を覆い、且つ端部がセラミック基板上へ張り出す大きさに形成されているが、これによって圧電/電歪膜端部を下部電極膜端部に合わせるという精密な位置合わせが不要となり、容易に短絡防止を図ることができる。
又更に、本発明の素子の圧電/電歪膜の材料特性を十分発揮させるためには、セラミック基板が、完全安定化若しくは部分安定化された酸化ジルコニウムを主成分とする材料で構成されていることが望ましい。
そして、酸化ジルコニウムを完全安定化若しくは部分安定化させるためには、一般に知られているように、アルカリ土類又は希土類の酸化物を用いることができるが、好適には酸化イットリウム、酸化セリウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウムの内、少なくとも一つが用いられる。その含有量は、酸化イットリウムは 1モル%〜30モル%、酸化セリウムでは 6モル%〜50モル%、酸化マグネシウムや酸化カルシウムは、 5モル%〜40モル%とすることが好ましいが、その中でも特に酸化イットリウムは、 2モル%〜 4モル%とすることが望ましい。なぜならば、それらの範囲で酸化イットリウムが添加された酸化ジルコニウムは、その結晶層が部分安定化され、特に強度、靱性、信頼性において優れた基板特性を示すからである。
又、基板材料中に粘土等の焼結助剤を添加してもよいが、少なくとも、薄肉部を構成するセラミック基板中には、酸化珪素、酸化ホウ素、酸化リン、酸化ゲルマニウム等のガラス化し易い材料が、 1重量%以上含有されないように、助剤の組成や添加量を調整することが望ましい。なぜならば、前記ガラス化し易い材料が基板に含有されていると圧電/電歪膜との熱処理時に反応が生じ易く、圧電/電歪膜の組成の制御が困難となるためである。
ところで、そのようなセラミック基板は、その上に形成される圧電/電歪作動部の作動特性、換言すればそこにおいて発生する歪み、力を有効に受け、又、その逆の作用を有効に行なうために、Raにて表わされる表面粗さが0.03〜0.9 μmの範囲内となるように調整される。このような表面粗さ:Raの調整は、又、薄い基板の強度を確保する上においても有効である。
そして、そのようなセラミック基板上に所定の下部電極膜、上部電極膜、及び圧電/電歪膜を設けて圧電/電歪作動部を形成するには、公知の各種の膜形成手法が適宜に採用され、例えばスクリーン印刷、スプレー、ディッピング、塗布等の厚膜形成手法、イオンビーム、スパッタリング、真空蒸着、イオンプレーティング、CVD、メッキ等の薄膜形成手法が適宜に選択される。特に、圧電/電歪膜を形成するには、スクリーン印刷、スプレー、ディッピング、塗布等による厚膜形成手法が好適に採用されることとなる。なぜならば、それらの厚膜形成手法によれば、平均粒子径0.01μm以上 5μm以下の、好ましくは0.05μm以上 3μm以下の圧電/電歪材料のセラミック粒子を主成分とするペーストやスラリーを用いてセラミック基板上に膜形成することができ、良好な素子特性が得られるからである。又、そのような膜の形状としては、スクリーン印刷法やフォトリソグラフィ法等を用いてパターン形成する外、レーザー加工法や、スライシング、超音波加工等の機械加工法を用い、不必要な部分を除去して、パターン形成しても良い。
尚、ここで作製される素子の構造や膜状の圧電/電歪作動部の形状は、何等限定されるものではなく、用途に応じて、如何なる形状でも採用可能であり、例えば三角形、四角形等の多角形、円、楕円、円環等の円形、櫛状、格子状又はこれらを組み合わせた特殊形状であっても何等差し支えない。
又、このようにしてセラミック基板上に上記方法で膜形成された各膜は、それぞれの膜の形成の都度、熱処理されて、基板と一体構造となるようにしても良く、又、全部の膜を形成した後、同時に熱処理して、各膜が同時に基板に一体的に結合されるようにしても良い。尚、このような膜形成手法により電極膜を形成する場合には、一体化するために必ずしも熱処理を必要としないことがある。例えば、上部電極膜を形成する前に、下部電極膜との絶縁性を確実にするため、素子周りに絶縁樹脂などで絶縁コートを行なう場合があるが、その場合には、上部電極膜の形成には熱処理を必要としない蒸着、スパッタリングや鍍金などの方法が採用される。
更に、このように形成された膜と基板とを一体化するための熱処理温度としては、一般に900 °C 〜1400°C 程度の温度が採用され、好ましくは1000°C 〜1400°C の範囲の温度が有利に選択される。又、圧電/電歪膜を熱処理する場合には、高温時に圧電/電歪層の組成が不安定とならにように圧電/電歪材料の蒸発源と共に、雰囲気制御を行ないながら、熱処理することが好ましい。又、圧電/電歪膜上に適当な覆蓋部材を載置して、その表面が焼成雰囲気に直接に露呈されないようにして、焼成する手法を採用することも推奨される。その場合、覆蓋部材としては、基板と同様な材料系のものが用いられることとなる。
上記の方法にて作製される圧電/歪作動部を構成する下部電極膜の材料としては、前記熱処理温度並びに焼成温度程度の高温酸化雰囲気に耐えられる導体であれば、特に規制されるものではなく、例えば金属単体であっても、合金であっても良く、又、絶縁性セラミックスと、金属や合金との混合物であっても、更には導電性セラミックスであっても、何等差し支えない。而も、より好ましくは、白金、パラジウム、ロジウム等の高融点貴金属類、或は、銀−パラジウム、銀−白金、白金−パラジウム等の合金を主成分とする電極材料、白金とセラミック基板材料とのサーメット材料、白金と圧電/電歪材料とのサーメット材料、白金と基板材料と圧電/電歪材料とのサーメット材料が好適に用いられ、その中でも、更に好ましくは、白金を主成分とする材料が望ましい。又、電極に添加する材料として、酸化珪素等のガラスは、圧電/電歪膜との熱処理中に反応が生じ易く、アクチュエータ特性を低下させる原因となり易いため、その使用を避けることが望ましい。尚、電極中に添加せしめる基板材料としては、 5〜30体積%程度、圧電/電歪材料としては 5〜20体積%程度であることが好ましい。一方、上部電極膜材料に関しては、特に制限されるものではなく、金、クロム、銅等のスパッタ膜、或いは金ないし銀のレジネート印刷膜でも良い。
そして、このような導体材料を用いて形成される電極膜は、一般に下部電極膜は20μm以下、好ましくは 5μm以下、上部電極膜は 1μm以下、好ましくは 0.5μm以下の肉厚において形成されることとなる。
又、圧電/電歪作動部を構成する圧電/電歪材料としては、圧電効果又は電歪効果等の電界誘起歪を示す材料であれば、何れの材料であっても採用され得るものであり、結晶質の材料であっても、非晶質の材料であっても良く、又、半導体材料であっても、誘電体セラミックス材料や強誘電体セラミックス材料であっても、何等差し支えなく、更には分極処理が必要な材料であっても、又、それが不必要な材料であってもよいのである。
而も、本発明に用いられる圧電/電歪材料としては、好ましくは、ジルコン酸チタン酸鉛(PZT系)を主成分とする材料、チタン酸鉛を主成分とする材料、ジルコン酸鉛を主成分とする材料、更にはマグネシウムニオブ酸鉛(PMN系)を主成分とする材料、ニッケルニオブ酸鉛(PNN系)を主成分とする材料、マグネシウムタングステン酸鉛を主成分とする材料、マンガンニオブ酸鉛を主成分とする材料、アンチモンスズ酸鉛を主成分とする材料、亜鉛ニオブ酸鉛を主成分とする材料、マグネシウムタンタル酸鉛を主成分とする材料、ニッケルタンタル酸鉛を主成分とする材料、更には、これらの複合材料等が用いられる。尚、前述した材料に、ランタン、バリウム、ニオブ、亜鉛、セリウム、カドミウム、クロム、コバルト、アンチモン、鉄、イットリウム、タンタル、タングステン、ニッケル、マンガン、リチウム、ストロンチウム、マグネシウム、カルシウム、ビスマス等の酸化物や、それらの他の化合物を添加物として含有せしめた材料、例えばPZT系を主成分とする材料にランタンを加え、PLZT系となるように、前記材料に上述の添加物を適宜に加えても、何等差し支えない。尚、酸化珪素等のガラス材料の添加は避けるべきである。なぜならば、PZT系等の鉛系圧電/電歪材料はガラスと反応し易いために、所望の圧電/電歪膜組成への制御が困難となり、アクチュエータ特性のバラツキ並びに低下を惹起するからである。
これらの圧電/電歪材料の中でも、マグネシウムニオブ酸鉛及びジルコン酸鉛及びチタン酸鉛から成る成分を主成分とする材料、若しくはニッケルニオブ酸鉛及びマグネシウムニオブ酸鉛及びジルコン酸鉛及びチタン酸鉛から成る成分を主成分とする材料、若しくはニッケルタンタル酸鉛及びマグネシウムニオブ酸鉛及びジルコン酸鉛及びチタン酸鉛とから成る成分を主成分とする材料、若しくはマグネシウムタンタル酸鉛及びマグネシウムニオブ酸鉛及びジルコン酸鉛及びチタン酸鉛から成る成分を主成分とする材料が好ましく、更にその中でも特にマグネシウムニオブ酸鉛及びジルコン酸鉛及びチタン酸鉛から成る成分を主成分とする材料が、その熱処理中における基板材料との反応が特に少ないことから、例えば、圧電/電歪膜の張り出し部とセラミック基板との結合状態を圧電/電歪作動部が必要とされる性能に影響を与えない程度に低く抑えることができる外、成分の偏析が起き難く、組成を保つための処理が好適に行なわれ得、目的とする組成及び結晶構造が得られ易い等、高い圧電定数を有することと併せて有利に用いられ、スクリーン印刷、スプレー、ディッピング、塗布等の厚膜形成手法で圧電/電歪膜を形成する場合の材料として推奨される。
尚、多成分系圧電/電歪材料の場合、成分の組成によって圧電/電歪特性が変化するが、本発明で好適に採用されるマグネシウムニオブ酸鉛−ジルコン酸鉛−チタン酸鉛の3成分系材料では、擬立方晶−正方晶−菱面体晶の相境界付近の組成が好ましく、特にマグネシウムニオブ酸鉛:15モル%〜50モル%、ジルコン酸鉛:10モル%〜45モル%、チタン酸鉛:30モル%〜45モル%の組成が、高い圧電定数と電気機械結合係数を有することから、有利に採用される。
尚、多成分系圧電/電歪材料の場合、成分の組成によって圧電/電歪特性が変化するが、本発明で好適に採用されるマグネシウムニオブ酸鉛−ジルコン酸鉛−チタン酸鉛の3成分系材料では、擬立方晶−正方晶−菱面体晶の相境界付近の組成が好ましく、特にマグネシウムニオブ酸鉛:15モル%〜50モル%、ジルコン酸鉛:10モル%〜45モル%、チタン酸鉛:30モル%〜45モル%の組成が、高い圧電定数と電気機械結合係数を有することから、有利に採用される。
更に、上記の如くして形成される電極膜と圧電/電歪膜から構成される圧電/電歪作動部の厚さとしては、一般に100 μm以下とされ、又、圧電/電歪膜の厚さとしては、低作動電圧で大きな変位等を得るために、好ましくは50μm以下、更に好ましくは 3μm以上40μm以下とされることが望ましい。
この表1に示す実験結果から、本発明の素子によれば、図15に示した従来構造の素子が下方へ変位した場合の変位量と同等の変位量で素子を上方へ変位させることができ、その変位量も安定していることが分る。尚、この実験に使用した本発明の素子構造は、図3と同じ構造であり、セラミック基板の薄肉部の厚みは10μm、下部電極膜の厚みは 5μm、圧電/電歪膜の厚みは30μmである。これらの膜はスクリーン印刷にてパターン形成し、焼成により基板と一体化し、上部電極膜はAuをスパッタリングにより形成した。又、変位の測定は印加電圧30Vでレーザー変位計により評価した。
尚、上記実施例では本発明をリレーとして用いた場合を中心に説明したが、本発明の範囲を逸脱しない限り他の用途に用いることもでき、又、変更、修正、改良を加えることもできる。
1,14,19,20,23,25・・素子、2,3,15,16,21,24,26,28,29・・圧電/電歪作動部、2a,3a,15a,16a,21a,24a,26a・・下部電極膜、2b,3b,17,21b,24b,26b・・圧電/電歪膜、2c,3c,18,21c,24c,26c・・上部電極膜、4・・樹脂層、5・・セラミック基板、5a・・薄肉部、5b・・キャビティ、5c・・厚肉部、6・・溝、7・・孔、8,11・・非圧電/電歪作動部、9・・下部電極膜非形成部、22・・接点。
Claims (4)
- セラミック基板に形成されたキャビティ上の薄肉部外表面上に、下部電極膜非形成部を設け、その下部電極膜非形成部の周囲の所定範囲に下部電極膜を設け、その下部電極膜上に圧電/電歪膜及び上部電極膜を順次積層形成して成り、且つ、前記下部電極膜非形成部の全周を下部電極膜により囲んで成る圧電/電歪膜型素子。
- 前記セラミック基板が完全安定化若しくは部分安定化された酸化ジルコニウムを主成分とする材料から構成された請求項1に記載の圧電/電歪膜型素子。
- 前記圧電/電歪膜がマグネシウムニオブ酸鉛及びジルコン酸鉛及びチタン酸鉛から成る成分を主成分とする材料、若しくはニッケルニオブ酸鉛及びマグネシウムニオブ酸鉛及びジルコン酸鉛及びチタン酸鉛から成る成分を主成分とする材料、若しくはニッケルタンタル酸鉛及びマグネシウムニオブ酸鉛及びジルコン酸鉛及びチタン酸鉛から成る成分を主成分とする材料、若しくはマグネシウムタンタル酸鉛及びマグネシウムニオブ酸鉛及びジルコン酸鉛及びチタン酸鉛から成る成分を主成分とする材料から構成された請求項1または請求項2に記載の圧電/電歪膜型素子。
- 前記キャビティ上の薄肉部の肉厚が50μm以下である請求項1〜請求項3のいずれかに記載の圧電/電歪膜型素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003420036A JP2004140397A (ja) | 1993-11-26 | 2003-12-17 | 圧電/電歪膜型素子 |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29680493 | 1993-11-26 | ||
JP2003420036A JP2004140397A (ja) | 1993-11-26 | 2003-12-17 | 圧電/電歪膜型素子 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24165394A Division JP3521499B2 (ja) | 1993-11-26 | 1994-10-05 | 圧電/電歪膜型素子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004140397A true JP2004140397A (ja) | 2004-05-13 |
Family
ID=32472349
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003420036A Pending JP2004140397A (ja) | 1993-11-26 | 2003-12-17 | 圧電/電歪膜型素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004140397A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009001770A1 (ja) * | 2007-06-27 | 2008-12-31 | Alps Electric Co., Ltd. | 電歪アクチュエータ |
US7851970B2 (en) * | 2006-12-22 | 2010-12-14 | The Charles Stark Draper Laboratory, Inc. | Structures for crystal packaging including flexible membranes |
JP2011076725A (ja) * | 2009-09-29 | 2011-04-14 | Fujifilm Corp | 圧電型mems素子およびその製造方法 |
US8484823B2 (en) | 2009-08-28 | 2013-07-16 | The Charles Stark Draper Laboratory, Inc. | Methods and apparatus for mounting a crystal |
Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS62140618U (ja) * | 1986-02-28 | 1987-09-04 | ||
JPS63142227A (ja) * | 1986-12-05 | 1988-06-14 | Nec Corp | 積層型圧電素子 |
JPS63179753A (ja) * | 1987-01-20 | 1988-07-23 | Nec Corp | ドロツプオンデマンドインクジエツトヘツド |
JPS63292032A (ja) * | 1987-05-26 | 1988-11-29 | Ngk Insulators Ltd | 圧力検出器 |
JPH0394089U (ja) * | 1990-01-11 | 1991-09-25 | ||
JPH0499636A (ja) * | 1990-08-20 | 1992-03-31 | Seiko Epson Corp | インクジェットヘッド |
-
2003
- 2003-12-17 JP JP2003420036A patent/JP2004140397A/ja active Pending
Patent Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS62140618U (ja) * | 1986-02-28 | 1987-09-04 | ||
JPS63142227A (ja) * | 1986-12-05 | 1988-06-14 | Nec Corp | 積層型圧電素子 |
JPS63179753A (ja) * | 1987-01-20 | 1988-07-23 | Nec Corp | ドロツプオンデマンドインクジエツトヘツド |
JPS63292032A (ja) * | 1987-05-26 | 1988-11-29 | Ngk Insulators Ltd | 圧力検出器 |
JPH0394089U (ja) * | 1990-01-11 | 1991-09-25 | ||
JPH0499636A (ja) * | 1990-08-20 | 1992-03-31 | Seiko Epson Corp | インクジェットヘッド |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7851970B2 (en) * | 2006-12-22 | 2010-12-14 | The Charles Stark Draper Laboratory, Inc. | Structures for crystal packaging including flexible membranes |
WO2009001770A1 (ja) * | 2007-06-27 | 2008-12-31 | Alps Electric Co., Ltd. | 電歪アクチュエータ |
JPWO2009001770A1 (ja) * | 2007-06-27 | 2010-08-26 | アルプス電気株式会社 | 電歪アクチュエータ |
US8484823B2 (en) | 2009-08-28 | 2013-07-16 | The Charles Stark Draper Laboratory, Inc. | Methods and apparatus for mounting a crystal |
JP2011076725A (ja) * | 2009-09-29 | 2011-04-14 | Fujifilm Corp | 圧電型mems素子およびその製造方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3521499B2 (ja) | 圧電/電歪膜型素子 | |
US5852337A (en) | Piezoelectric film-type element | |
US5210455A (en) | Piezoelectric/electrostrictive actuator having ceramic substrate having recess defining thin-walled portion | |
JP2665106B2 (ja) | 圧電/電歪膜型素子 | |
JP3120260B2 (ja) | 圧電/電歪膜型素子 | |
US6518690B2 (en) | Piezoelectric/electrostrictive film type elements and process for producing the same | |
US7180226B2 (en) | Piezoelectric/electrostrictive device | |
JPH06350155A (ja) | 圧電/電歪膜型素子 | |
US6404109B1 (en) | Piezoelectric/electrostrictive device having increased strength | |
US20110120843A1 (en) | Piezoelectric bimorph switch | |
EP1291317A2 (en) | Ceramic MEMS device | |
JP3482101B2 (ja) | 圧電膜型素子 | |
JP3126212B2 (ja) | 圧電/電歪膜型素子 | |
JP3891190B2 (ja) | 圧電素子、圧電装置および角速度センサ | |
JP3009945B2 (ja) | 圧電/電歪膜型素子 | |
JP2004140397A (ja) | 圧電/電歪膜型素子 | |
JP2002009359A (ja) | 耐久性に優れた一体型圧電/電歪膜型素子およびその製造方法 | |
JP3272004B2 (ja) | 圧電/電歪膜型素子 | |
JPH07131086A (ja) | 圧電膜型素子及びその処理方法並びにその駆動方法 | |
JP4756013B2 (ja) | 圧電/電歪デバイス | |
EP1294030A2 (en) | Piezoelectric/electrostrictive device | |
JP4562756B2 (ja) | 圧電/電歪デバイス | |
JP4015909B2 (ja) | 圧電/電歪デバイス | |
JPH06120578A (ja) | 厚膜アクチュエータ |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20061003 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20070213 |