JP2004138947A - 走査モード選択可能な共焦点顕微鏡システム - Google Patents
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Abstract
【課題】試料や測定条件に応じて測定時間又は測定精度のいずれを優先するかをユーザが選択できる共焦点顕微鏡システムを提供する。
【解決手段】光学倍率によって決まる測定範囲内の試料表面からの光を共焦点光学系を介して受光素子で受光し、その受光情報に基づいて試料表面の高さ情報及び光量情報を取得し、取得した情報を処理して得られる試料表面の画像を表示装置の画面に表示する。測定範囲の光による試料表面の走査に関して、走査範囲が測定範囲の全体又は一部に切替可能であると共に、走査線の数が最大数又は縮小数に切替可能であり、走査範囲及び走査線の数の組合わせによって決まる複数の走査モードを備え、画面表示においてユーザが測定に際して複数の走査モードのうちの1つを選択できる
【選択図】 図7
【解決手段】光学倍率によって決まる測定範囲内の試料表面からの光を共焦点光学系を介して受光素子で受光し、その受光情報に基づいて試料表面の高さ情報及び光量情報を取得し、取得した情報を処理して得られる試料表面の画像を表示装置の画面に表示する。測定範囲の光による試料表面の走査に関して、走査範囲が測定範囲の全体又は一部に切替可能であると共に、走査線の数が最大数又は縮小数に切替可能であり、走査範囲及び走査線の数の組合わせによって決まる複数の走査モードを備え、画面表示においてユーザが測定に際して複数の走査モードのうちの1つを選択できる
【選択図】 図7
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、試料からの光情報に基づいて試料の超深度画像や高さ分布等の情報を取得するための共焦点顕微鏡システムに関し、詳しくは、試料を光で走査する際の走査精度又は走査時間の優先度を選択可能とした共焦点顕微鏡システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
共焦点顕微鏡では、試料からの光が共焦点光学系を介して受光素子で受光され、その受光量に基づいて、試料の超深度画像(焦点深度が非常に深い画像)や高さ分布等の情報が取得される。ステージに載置された試料と対物レンズとの相対距離を光軸方向に変化させると、共焦点光学系を介して受光素子に入射する光の量、すなわち受光量が変化し、試料の表面にピントが合ったときに受光量が最大となる。したがって、最大受光量が得られるときの試料と対物レンズとの相対距離から試料の表面の高さ情報を算出し、試料の表面を光で走査することによって試料の表面の高さ分布を取得することができる。
【0003】
取得された高さ分布は、例えば三次元表示によって表示装置の画面上に表示される。あるいは、高さ分布を輝度分布や色分布に置き換えたものが画面上に表示される。表示装置としてCRT(陰極線管)やLCD(液晶表示装置)が使用され、共焦点顕微鏡に制御用のコントローラ、表示装置、コンソール等が接続されて共焦点顕微鏡システムが構成される。
【0004】
また、試料表面の各点(画素)でピントが合ったときの受光量の情報(すなわち各画素の最大輝度情報)をつなぎ合わせることにより、焦点深度の非常に深い試料表面の白黒画像を得ることができる。この画像がいわゆる超深度画像である。
【0005】
更に、白色光で照射された試料からの光を共焦点光学系から分離してカラー撮像素子で受光することにより、超深度画像と同じ範囲の試料表面のカラー画像を得ることができる。このカラー画像は超深度画像と異なり焦点深度の浅いものであるが、その輝度信号を超深度画像の輝度信号で置き換えるような合成処理を行うことにより、焦点深度の深いカラー画像(カラー超深度画像ということもある)を得ることも可能である。
【0006】
上記のような共焦点顕微鏡を用いた試料の測定では、試料の表面を光学倍率によって決まる測定範囲内でX方向及びY方向に光で走査して各画素の受光量を検出し記憶する処理を高さ方向(Z方向)に設定ピッチで繰り返し実行する。つまり、試料と対物レンズとの相対距離を設定範囲内で光軸方向(高さ方向)に設定ピッチで変化させながら、高さ方向の各位置における試料のXY平面(断面)の受光量分布が取得される。そして、高さ方向の設定範囲内の測定が完了した時点で、前述のようにXY平面の各画素ごとに高さ方向の位置と受光量との関係がデータ処理によって求められ、最大受光量に対応する高さ方向の位置が求められる。
【0007】
したがって、1回の測定に要する時間は高さ方向(Z方向)の測定範囲(上限値及び下限値)と測定ピッチ(設定ピッチ)によって変化する。この時間を短縮するには高さ方向の測定範囲を狭くするか測定ピッチを大きく(粗く)する必要がある。しかし、表面の凹凸(高低差)が大きい試料の場合は高さ方向の測定範囲が必然的に大きくなる。また、測定ピッチを粗くすれば、最大受光量に対応する高さ方向の位置の検出精度が悪くなる。したがって、測定ピッチを粗くするにも限界がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
1回の測定に要する時間を短縮するための方法として、XY平面での光による試料の走査時間を短縮することが考えられる。しかし、特にレゾナント(共振型)スキャナーを用いた場合の走査周波数には物理的な上限があり、それ以上に高くすることは困難である。そこで、XY平面での走査範囲を狭めたり、走査線のピッチを粗くしたりすることが考えられる。しかし、走査範囲を狭めることは、光学倍率によって決まる試料表面の測定範囲の一部のみを測定対象とすることを意味するので、できるだけ広い範囲の測定結果が優先する測定には不向きである。また、走査線のピッチを粗くすれば、その分だけ実測された画素データ数が少なくなるのでXY平面における測定精度が低下し、得られる画像の精細度が低下する。
【0009】
本発明は、上記のような従来の課題に鑑み、試料や測定条件に応じて測定時間又は測定精度のいずれを優先するかをユーザが選択できる共焦点顕微鏡システムを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の共焦点顕微鏡システムは、光学倍率によって決まる測定範囲内の試料表面からの光を共焦点光学系を介して受光素子で受光し、その受光情報に基づいて試料表面の高さ情報及び光量情報を取得し、取得した情報を処理して得られる試料表面の画像を表示装置の画面に表示する共焦点顕微鏡システムであって、測定範囲の光による試料表面の走査に関して、走査範囲が測定範囲の全体又は一部に切替可能であると共に、走査線の数が最大数又は縮小数に切替可能であり、走査範囲及び走査線の数の組合わせによって決まる複数の走査モードを備え、画面表示においてユーザが測定に際して複数の走査モードのうちの1つを選択できることを特徴とする。
【0011】
このような構成によれば、ユーザは、測定精度を優先する場合は走査線数の多い走査モードを選択し、測定時間の短縮を優先するには走査線数の少ない走査モードを選択することができる。また、実質的な測定範囲である走査範囲を狭めることができる場合(例えば、最初の測定の後に対象範囲を絞って更に測定する場合)は、走査範囲を狭めた走査モードを選択することによって更に測定時間を短縮することができる。
【0012】
また、好ましい実施形態において、光による試料表面の走査に関して水平走査に共振型(レゾナント)スキャナーが使用され、水平走査が一方向走査又は往復走査に切替可能であり、画面表示においてユーザが測定に際して複数の走査モードのうちの1つを選択できると共に一方向走査又は往復走査を選択可能である。
【0013】
共振型スキャナーの場合は、往路と復路の所要時間が同じ(半周期)であり位相変化も同等であるので往復走査が可能である。上記の構成によれば、通常の走査では測定精度を優先して一方向の走査を行いながら、測定時間の短縮を優先する場合は、往復走査を選択することができる。往復走査によって測定時間を略半分に短縮しながら、測定精度については走査線数を半分に低減する場合に比べて高い測定制度を得ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0015】
図1は、本発明の実施形態に係る共焦点顕微鏡システムの概略構成を示している。共焦点顕微鏡システム1は、共焦点光学系2及び非共焦点光学系3を有する共焦点顕微鏡と、共焦点顕微鏡のレーザ駆動回路44、受光素子からの信号処理回路41,42,43、対物レンズ移動機構40、マイクロコンピュータを用いた制御部46等を含むコントローラと、コントローラに接続された表示装置47及び入力装置48とを備えている。
【0016】
まず、共焦点顕微鏡の共焦点光学系2とその信号処理について説明する。共焦点光学系2は、試料wkに単色光(例えばレーザ光)を照射するための光源10、第1コリメートレンズ11、偏光ビームスプリッタ12、1/4波長板13、水平偏向装置14a、垂直偏向装置14b、第1リレーレンズ15、第2リレーレンズ16、対物レンズ17、結像レンズ18、ピンホール板9、受光素子19等を含んでいる。
【0017】
光源10には、例えば赤色レーザ光を発する半導体レーザが用いられる。レーザ駆動回路44によって駆動される光源10から出たレーザ光は、第1コリメートレンズ11を通り、偏光ビームスプリッタ12で光路を曲げられ、1/4波長板13を通過する。この後、水平偏向装置14a及び垂直偏向装置14bによって水平(横)方向及び垂直(縦)方向に偏向された後、第1リレーレンズ15及び第2リレーレンズ16を通過し、対物レンズ17によって試料ステージ30上に置かれた試料wkの表面に集光される。
【0018】
水平偏向装置14aはレゾナント(共振型)スキャナーで構成され、垂直偏向装置14bはガルバノ(電磁型)スキャナーで構成されている。両者でレーザ光を水平及び垂直方向に偏向させることにより、試料wkの表面をレーザ光で走査する。説明の便宜上、水平方向をX方向、垂直方向をY方向ということにする。
対物レンズ17は、対物レンズ移動機構40によりZ方向(光軸方向)に駆動される。これにより、対物レンズ17の焦点と試料wkとの光軸方向での相対位置を変化させることができる。
【0019】
ただし、対物レンズ17の焦点と試料wkとの光軸方向での相対位置は、他の方法で変化させることもできる。例えば、対物レンズ17をZ方向に駆動する代わりに試料ステージ30をZ方向に駆動してもよい。あるいは、対物レンズ17と試料wkとの間に屈折率が変化するレンズを挿入することにより、対物レンズ17の焦点をZ方向に移動させる構成も可能である。なお、試料ステージ30は、手動操作によってX、Y方向及びZ方向に変位可能である。
【0020】
試料wkで反射されたレーザ光は、上記の光路を逆に辿る。すなわち、対物レンズ17、第2リレーレンズ16及び第1リレーレンズ15を通り、水平偏向装置14a及び垂直偏向装置14bを介して1/4波長板13を再び通る。この結果、レーザ光は偏光ビームスプリッタ12を透過し、結像レンズ18によって集光される。集光されたレーザ光は、結像レンズ18の焦点位置に配置されたピンホール板9のピンホールを通過して受光素子19に入射する。受光素子19は、例えばフォトマルチプライヤチューブ(光電子増倍管)やフォトダイオードで構成され、受光量を電気信号に変換する。受光量に相当する電気信号は、出力アンプ及びゲイン制御回路(図示せず)を介して第1AD変換器41に与えられ、ディジタル値に変換される。
【0021】
上記のような構成の共焦点光学系2により、試料wkの高さ(深さ)情報を取得することができる。以下に、その原理を簡単に説明する。
【0022】
上述のように、対物レンズ17が対物レンズ移動機構40によってZ方向(光軸方向)に駆動されると、対物レンズ17の焦点と試料wkとの光軸方向での相対距離が変化する。そして、対物レンズ17の焦点が試料wkの表面に結ばれたときに、試料wkの表面で反射されたレーザ光は上記の光路を経て結像レンズ18で集光され、ほとんどすべてのレーザ光がピンホール板9のピンホールを通過する。したがって、このときに、受光素子19の受光量が最大になる。逆に、対物レンズ17の焦点が試料wkの表面からずれている状態では、結像レンズ18によって集光されたレーザ光はピンホール板9からずれた位置に焦点を結ぶので、一部のレーザ光しかピンホールを通過することができない。その結果、受光素子19の受光量は著しく低下する。
【0023】
したがって、試料wkの表面の任意の点について、対物レンズ17をZ方向(光軸方向)に駆動しながら受光素子19の受光量を検出すれば、その受光量が最大になるときの対物レンズ17のZ方向位置(対物レンズ17の焦点と試料wkとの光軸方向での相対位置)を高さ情報として一義的に求めることができる。
【0024】
実際には、対物レンズ17を1ステップ(1ピッチ)移動するたびに水平偏向装置14a及び垂直偏向装置14bによって試料wkの表面を走査して受光素子19の受光量を得る。対物レンズ17をZ方向での測定範囲の下端から上端までZ方向に移動させたとき、走査範囲内の各点(画素)について、Z方向位置に応じて変化する受光量データが得られる。
【0025】
図2は、対物レンズ17のZ方向位置に応じて変化する受光量データの例を示すグラフである。このような受光量データに基づいて、最大受光量とそのときのZ方向位置が各点(画素)ごとに得られる。したがって、試料wkの表面高さのXY平面での分布が得られる。この処理は、マイクロコンピュータを用いた制御部46によって実行される。
【0026】
得られた表面高さの分布情報は、いくつかの方法で表示装置47のモニタ画面に表示することができる。例えば3次元表示によって試料の高さ分布(表面形状)を立体的に表示することができる。あるいは、高さデータを輝度データに変換することにより、明るさの二次元分布として表示できる。高さデータを色差データに変換することにより、高さの分布を色の分布として表示することもできる。
【0027】
また、XY走査範囲内の各点(画素)について得られた受光量を輝度データとする輝度信号から、試料wkの表面画像(白黒画像)が得られる。各画素における最大受光量を輝度データとして輝度信号を生成すれば、表面高さの異なる各点でピントの合った焦点深度の非常に深い超深度画像が得られる。また、任意の注目画素で最大受光量が得られた高さ(Z方向位置)に固定した場合は、注目画素の部分と高低差が大きい部分の画素の受光量は著しく小さくなるので、注目画素と同じ高さの部分のみが明るい画像が得られる。
【0028】
つぎに、共焦点顕微鏡に備えられた非共焦点光学系3とその信号処理について説明する。非共焦点光学系3は、試料wkに白色光(カラー画像撮影用の照明光)を照射するための白色光源20、第2コリメートレンズ21、第1ハーフミラー22、第2ハーフミラー23、カラーCCD(イメージセンサー)24等を含んでいる。また、非共焦点光学系3は共焦点光学系2の対物レンズ17を共用しており、2つの光学系1,2の光軸は部分的に一致している。
【0029】
白色光源20には例えば白色ランプが用いられるが、特に専用の光源を設けず、自然光又は室内光を利用してもよい。白色光源20から出た白色光は、第2コリメートレンズ21を通り、第1ハーフミラー22で光路を曲げられ、対物レンズ17によって試料ステージ30上に置かれた試料wkの表面に集光される。
【0030】
試料wkで反射された白色光は、対物レンズ17、第1ハーフミラー22、第2リレーレンズ16を通過し、第2ハーフミラー23で反射されてカラーCCD24に入射して結像する。カラーCCD24は、共焦点光学系2のピンホール板9のピンホールと共役又は共役に近い位置に設けられている。カラーCCD24で撮像されたカラー画像は、CCD駆動回路43によって読み出され、そのアナログ出力信号は第2AD変換器42に与えられ、ディジタル値に変換される。このようにして得られたカラー画像は、試料wkの観察用の拡大カラー画像として表示装置47のモニタ画面に表示される。
【0031】
また、共焦点光学系2で得られた超深度画像と非共焦点光学系3で得られた通常のカラー画像とを組み合わせて、すべての画素で略ピントの合った焦点深度の深いカラー超深度画像を生成し、表示することもできる。例えば、非共焦点光学系3で得られたカラー画像を構成する輝度信号を共焦点光学系2で得られた超深度画像の輝度信号で置き換えることにより、簡易的にカラー超深度画像を生成することができる。
【0032】
上記のようなカラー画像に関する処理についても、制御部46を含むコントローラが司る。コントローラにはコンソール(操作卓)のような入力装置48やCRT(陰極線管)又はLCD(液晶表示装置)のような表示装置47が接続されている。また、マウスのようなポインティングデバイスも入力装置48として接続される。
【0033】
また、本実施形態の共焦点顕微鏡システム1(のコントローラ)には、パーソナルコンピュータのような外部コンピュータシステムを接続するインターフェイスも備えられている。共焦点顕微鏡システム1の制御を行うための専用ソフトウェアをインストールした外部コンピュータシステムを共焦点顕微鏡システム1に接続することにより、取得された試料wkの画像情報や高さ分布情報等の加工をシームレスに行うことが可能になる。
【0034】
図3は、共焦点顕微鏡システム1のコントローラに外部コンピュータシステム50を接続したハードウェア構成例を示すブロック図である。外部コンピュータシステム50は、CRT又はLCD等の表示装置51、キーボード52、マウス(他のポインティングデバイスでもよい)53、RS232C、USB(ユニバーサルシリアルバス)、IEEE1394等の通信インターフェイス54、処理装置(CPU)55、半導体記憶媒体である主メモリ56、補助記憶装置である固定ディスク装置57及びリムーバブルディスク装置58を備えている。
【0035】
共焦点顕微鏡システム1の制御を行うための専用ソフトウェアは、CD−ROMのような記憶媒体59に記憶された状態で供給され、CD−ROMドライブ装置のようなリムーバブルディスク装置58によって記憶媒体59から読み出され、固定ディスク装置57にインストールされる。固定ディスク装置57にインストールされたプログラムは、主メモリ56にロードされ、処理装置55によって実行される。
【0036】
このような専用ソフトウェアによって実行される処理には、共焦点顕微鏡システム1の測定条件の設定を行うための処理や測定の結果得られた画像の処理等が含まれている。次に、測定条件の設定のための画面表示における走査モードの選択について説明する。
【0037】
図4は、走査モードの選択を含む測定条件の設定のための画面表示の例を示す図である。表示装置51に表示される画面表示60において、左側の領域61は共焦点顕微鏡システム1の非共焦点光学系3のカラーCCD24から得られたカラー画像や共焦点光学系2の受光素子19から得られた共焦点画像又は高さ分布の測定結果等を表示するための領域であり、その右側に測定条件の設定のための縦長の領域62が表示されている。
【0038】
図5は、図4の画面表示60における測定条件の設定のための領域62の拡大図である。「スキャン設定」と表示された箇所の右側に走査モードの選択を行うための選択ブロック63が設けられている。この選択ブロック63の右端の下向き三角マークをマウス53でクリックすると、図5に示すようなプルダウンメニュー64が現れる。プルダウンメニュー64には、「ノーマル」、「パート1/2」、「パート1/3」、「スキップ」、「スキップ1/2」の5種類の走査モードが選択肢として含まれていおり、ユーザはマウス53を用いてこれらの選択肢の中から1つの走査モードを選択することができる。
【0039】
「ノーマル」は通常の走査モードであり、走査範囲が光学倍率によって決まるXY平面における測定範囲の全体であると共に走査線数が最大数(例えば768本)である。「パート1/2」では、垂直走査範囲が全体の中央部1/2となり、走査線数もそれに応じて1/2(例えば384本)になる。「パート1/3」では、垂直走査範囲が全体の中央部1/3となり、走査線の数もそれに応じて1/3になる。
【0040】
「スキップ」では、走査範囲は測定範囲の全体であるが、走査線数が1/2になる。つまり、隣接する走査線の間隔が2倍に広がっている。「スキップ1/2」では、隣接する走査線の間隔が2倍に広がり、かつ、垂直走査範囲が全体の中央部1/2となる。したがって、走査線数は1/4になる。なお、いずれの走査モードでも水平走査範囲は変化せず測定範囲全体の水平方向長さに等しい。また、スキップによって隣接する走査線の間隔が2倍に広がる場合は、補間処理によって走査線の間の画素データが生成される。
【0041】
図5において、プルダウンメニュー64によって一部隠れているが、「スキャン設定」と表示された箇所の下側に「ダブルスキャン」と表示され、その左側にチェックボックス65が設けられている。ユーザがマウス53を用いてこのチェックボックス65にチェックを入れると水平走査に関して往復走査が設定され、チェックを外すと通常の一方向走査が設定される。
【0042】
前述のように水平走査のための水平偏向装置14aはレゾナント(共振型)スキャナーで構成され、所定の電圧を印加すれば自励式にミラーの反射面が所定の周波数で振動する。したがって、往路と復路の所要時間が同じ(半周期)であり位相変化も同等であるので往復走査が可能である。往復走査を行う場合は一方向走査の場合に比べて、一垂直走査当たりの水平走査回数が同じであれば見かけ上2倍の走査線数が得られることになり、その分だけ測定精度が良くなる。逆に、一垂直走査当たりの水平走査回数を半分に低減しても、見かけ上の走査線数が同じであるので、測定精度の低下はほとんどないことになる。一垂直走査当たりの水平走査回数が半分に低減されれば、測定全体の所要時間が半分近くまで低減される。
【0043】
上記のように、ユーザは5通りの走査モードのうちの1つを選択し、かつ、一方向走査又は往復走査を選択することにより、計10通りの走査方法を設定することができる。
【0044】
図6は、各走査モードにおける垂直走査範囲や走査線数等を例示する図表である。この例では、ノーマル走査モードにおける走査線数(最大数)を100としている。実際には前述のように例えば768本である。また、図6の図表における走査線数は、往復走査の場合は見かけ上の走査線数に相当する。したがって、往復走査の場合の一垂直走査当たりの水平走査回数は一方向走査の場合の半分になる。
【0045】
垂直走査は、ガルバノスキャナ駆動データ用メモリからDMA(ダイレクトメモリアクセス)によってD/Aコンバータに駆動データを与え、D/Aコンバータの出力電圧が垂直偏向装置14bであるガルバノスキャナの駆動回路に与えられることによって行われる。このときのDMA回数が図6の図表におけるDMAデータ数に相当する。括弧内の数字は往復走査の場合の値である。なお、一方向走査及び往復走査の両方において、帰線パルス数は10としている。したがって、一方向走査のDMAデータ数から10を減算した値の1/2が往復走査のDMAデータ数から10を減算した値に等しい。
【0046】
また、垂直走査範囲が1(全体)の場合はD/A初期値が0でD/A最終値が100であるが、垂直走査範囲が1/2の場合はD/A初期値及び最終値が25及び75になっている。同様に、垂直走査範囲が1/3のの場合はD/A初期値及び最終値が33及び66になっている。つまり、垂直走査方向の途中から走査が始まり途中で走査が終了する。
【0047】
図7は、走査方法の設定から測定終了までの手順の例を示すフローチャートである。このフローチャートでは、ユーザによる操作と処理装置55がプログラムにしたがって実行する処理の両方が含まれているが、以下の説明でその区別を明らかにする。
【0048】
ステップ#101において、ユーザは図4及び図5に示した画面表示60における測定条件の設定のための領域62のチェックボックス65を用いて、一方向走査又は往復走査を選択する。続くステップ#102においてユーザは、同じく領域62の選択ブロック63に表示されるプルダウンメニュー64の中から走査モードを選択する。なお、ステップ#101とステップ#102の選択の順序は逆でもよい。
【0049】
ステップ#103において処理装置55は、ガルバノオフセット位置データを算出しD/A初期値をセットする。D/A初期値は図6を用いて説明した通りである。続くステップ#104において、処理装置55は、ガルバノスキャナ駆動データを作成しメモリに書き込む。更にステップ#105でDMAC(DMAコントローラ)にDMA回数と先頭アドレスをセットし、DMAをレディ状態にする。
【0050】
次のステップ#106で処理装置55は、ユーザが選択した一方向走査又は往復走査と求めた走査線数を画像取り込み回路にセットし、続くステップ#107でレゾナント発振をイネーブル状態にする。次のステップ#108で発振が安定するまで所定時間待った後、ステップ#109で走査を開始する。設定した回数のDMAが終了したか否かをステップ#110でチェックし、DMAが終了すればステップ#111で走査を終了してレゾナント発振を停止する。
【0051】
図8は、ガルバノスキャナを用いた垂直偏向装置14bの制御に関する回路構成を示すブロック図である。処理装置55に対応するCPU70とその制御プログラムが格納されたROM71及びワーキングメモリであるRAM72が設けられている。また、ガルバノスキャナ駆動回路73とそれに駆動データを与えるD/Aコンバータ74、及びガルバノスキャナ駆動データ用メモリ75が設けられている。
【0052】
ガルバノスキャナを用いた垂直偏向(垂直走査)は、ガルバノスキャナ駆動データ用メモリからDMA(ダイレクトメモリアクセス)によってD/Aコンバータに駆動データを与え、D/Aコンバータの出力電圧が垂直偏向装置14bであるガルバノスキャナの駆動回路に与えられることによって行われる。このためにDMAC(DAMコントローラ)76が設けられている。図7のフローチャートのステップ#105におけるDMA回数と先頭アドレスのセットは、このDMAC76内のレジスタに対して実行される。また、水平偏向装置14aを構成するレゾナントスキャナから正弦波のゼロクロス信号として出力される位置パルスA及び位置パルスBがORゲート77に入力され、その出力がDMAC76のDRQ端子に入力されている。また、DMAの完了信号はDMAC76のDONE端子から出力され、CPU70のINT(割込)端子に入力されている。
【0053】
なお、上記の実施形態では外部コンピュータシステム50に共焦点顕微鏡システム1の制御を行うための専用ソフトウェアをインストールし、外部コンピュータシステム50の表示装置51の画面上で走査モード選択等の設定を行う場合について説明したが、本発明はそのような実施形態に限られるわけではない。例えば共焦点顕微鏡システム1のコントローラに内蔵されるROM等の記憶媒体に記憶される制御プログラムに上記実施形態のような画像の手動つなぎ合わせのプログラムを組み込み、共焦点顕微鏡システム1に標準装備の表示装置47及び入力装置48を用いて画像の手動つなぎ合わせを実施するようにしてもよい。
【0054】
また、共焦点光学系2による試料wkの表面の高さ情報を取得するために、対物レンズ17をZ方向に移動(上下動)させる代わりに、ステージ30を上下動させてもよい。その他にも、本発明は種々の形態で実施することができる。
【0055】
また、上記の実施形態の共焦点顕微鏡は反射型の顕微鏡であるが、透過型の共焦点顕微鏡にも本発明を適用することができる。透過型の顕微鏡の場合は、試料の裏面から共焦点光学系のレーザ光及び非共焦点光学系の白色光が照射される。
共焦点光学系の光源はレーザ光源を含む単色光源はもちろんのこと、複数波長を含むものであってもよい。非共焦点光学系の光源は自然光又は室内光で代用することもできる。
【0056】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明の走査モード選択可能な共焦点顕微鏡システムによれば、ユーザは、測定に際して複数の走査モードのうちの1つを選択できる。つまり、測定精度を優先する場合は走査線数の多い走査モードを選択し、測定時間の短縮を優先する場合には走査線数の少ない走査モードを選択することができる。また、実質的な測定範囲である走査範囲を狭めることができる場合は、走査範囲を狭めた走査モードを選択することによって更に測定時間を短縮することができる。更に、往復走査を選択することによって測定時間を略半分に短縮しながら、測定精度については走査線数を半分に低減する場合に比べて高い測定制度を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る共焦点顕微鏡システムの概略構成を示す図である。
【図2】対物レンズのZ方向位置に応じて変化する受光量データの例を示すグラフである。
【図3】共焦点顕微鏡システムのコントローラに外部コンピュータシステムを接続したハードウェア構成例を示すブロック図である。
【図4】走査モードの選択を含む測定条件の設定のための画面表示の例を示す図である。
【図5】図4の画面表示における測定条件の設定のための領域の拡大図である。
【図6】各走査モードにおける垂直走査範囲や走査線数等を例示する図表である。
【図7】走査方法の設定から測定終了までの手順の例を示すフローチャートである。
【図8】ガルバノスキャナを用いた垂直偏向装置の制御に関する回路構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 共焦点顕微鏡システム
2 共焦点光学系
14a 水平偏向装置(レゾナント(共振型)スキャナー)
14b 垂直偏向装置(ガルバノスキャナ)
19 受光素子
47,51 表示装置
60 画面表示
64 複数の走査モードを含むプルダウンメニュー
65 一方向走査又は往復走査を選択するチェックボックス
【発明の属する技術分野】
本発明は、試料からの光情報に基づいて試料の超深度画像や高さ分布等の情報を取得するための共焦点顕微鏡システムに関し、詳しくは、試料を光で走査する際の走査精度又は走査時間の優先度を選択可能とした共焦点顕微鏡システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
共焦点顕微鏡では、試料からの光が共焦点光学系を介して受光素子で受光され、その受光量に基づいて、試料の超深度画像(焦点深度が非常に深い画像)や高さ分布等の情報が取得される。ステージに載置された試料と対物レンズとの相対距離を光軸方向に変化させると、共焦点光学系を介して受光素子に入射する光の量、すなわち受光量が変化し、試料の表面にピントが合ったときに受光量が最大となる。したがって、最大受光量が得られるときの試料と対物レンズとの相対距離から試料の表面の高さ情報を算出し、試料の表面を光で走査することによって試料の表面の高さ分布を取得することができる。
【0003】
取得された高さ分布は、例えば三次元表示によって表示装置の画面上に表示される。あるいは、高さ分布を輝度分布や色分布に置き換えたものが画面上に表示される。表示装置としてCRT(陰極線管)やLCD(液晶表示装置)が使用され、共焦点顕微鏡に制御用のコントローラ、表示装置、コンソール等が接続されて共焦点顕微鏡システムが構成される。
【0004】
また、試料表面の各点(画素)でピントが合ったときの受光量の情報(すなわち各画素の最大輝度情報)をつなぎ合わせることにより、焦点深度の非常に深い試料表面の白黒画像を得ることができる。この画像がいわゆる超深度画像である。
【0005】
更に、白色光で照射された試料からの光を共焦点光学系から分離してカラー撮像素子で受光することにより、超深度画像と同じ範囲の試料表面のカラー画像を得ることができる。このカラー画像は超深度画像と異なり焦点深度の浅いものであるが、その輝度信号を超深度画像の輝度信号で置き換えるような合成処理を行うことにより、焦点深度の深いカラー画像(カラー超深度画像ということもある)を得ることも可能である。
【0006】
上記のような共焦点顕微鏡を用いた試料の測定では、試料の表面を光学倍率によって決まる測定範囲内でX方向及びY方向に光で走査して各画素の受光量を検出し記憶する処理を高さ方向(Z方向)に設定ピッチで繰り返し実行する。つまり、試料と対物レンズとの相対距離を設定範囲内で光軸方向(高さ方向)に設定ピッチで変化させながら、高さ方向の各位置における試料のXY平面(断面)の受光量分布が取得される。そして、高さ方向の設定範囲内の測定が完了した時点で、前述のようにXY平面の各画素ごとに高さ方向の位置と受光量との関係がデータ処理によって求められ、最大受光量に対応する高さ方向の位置が求められる。
【0007】
したがって、1回の測定に要する時間は高さ方向(Z方向)の測定範囲(上限値及び下限値)と測定ピッチ(設定ピッチ)によって変化する。この時間を短縮するには高さ方向の測定範囲を狭くするか測定ピッチを大きく(粗く)する必要がある。しかし、表面の凹凸(高低差)が大きい試料の場合は高さ方向の測定範囲が必然的に大きくなる。また、測定ピッチを粗くすれば、最大受光量に対応する高さ方向の位置の検出精度が悪くなる。したがって、測定ピッチを粗くするにも限界がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
1回の測定に要する時間を短縮するための方法として、XY平面での光による試料の走査時間を短縮することが考えられる。しかし、特にレゾナント(共振型)スキャナーを用いた場合の走査周波数には物理的な上限があり、それ以上に高くすることは困難である。そこで、XY平面での走査範囲を狭めたり、走査線のピッチを粗くしたりすることが考えられる。しかし、走査範囲を狭めることは、光学倍率によって決まる試料表面の測定範囲の一部のみを測定対象とすることを意味するので、できるだけ広い範囲の測定結果が優先する測定には不向きである。また、走査線のピッチを粗くすれば、その分だけ実測された画素データ数が少なくなるのでXY平面における測定精度が低下し、得られる画像の精細度が低下する。
【0009】
本発明は、上記のような従来の課題に鑑み、試料や測定条件に応じて測定時間又は測定精度のいずれを優先するかをユーザが選択できる共焦点顕微鏡システムを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の共焦点顕微鏡システムは、光学倍率によって決まる測定範囲内の試料表面からの光を共焦点光学系を介して受光素子で受光し、その受光情報に基づいて試料表面の高さ情報及び光量情報を取得し、取得した情報を処理して得られる試料表面の画像を表示装置の画面に表示する共焦点顕微鏡システムであって、測定範囲の光による試料表面の走査に関して、走査範囲が測定範囲の全体又は一部に切替可能であると共に、走査線の数が最大数又は縮小数に切替可能であり、走査範囲及び走査線の数の組合わせによって決まる複数の走査モードを備え、画面表示においてユーザが測定に際して複数の走査モードのうちの1つを選択できることを特徴とする。
【0011】
このような構成によれば、ユーザは、測定精度を優先する場合は走査線数の多い走査モードを選択し、測定時間の短縮を優先するには走査線数の少ない走査モードを選択することができる。また、実質的な測定範囲である走査範囲を狭めることができる場合(例えば、最初の測定の後に対象範囲を絞って更に測定する場合)は、走査範囲を狭めた走査モードを選択することによって更に測定時間を短縮することができる。
【0012】
また、好ましい実施形態において、光による試料表面の走査に関して水平走査に共振型(レゾナント)スキャナーが使用され、水平走査が一方向走査又は往復走査に切替可能であり、画面表示においてユーザが測定に際して複数の走査モードのうちの1つを選択できると共に一方向走査又は往復走査を選択可能である。
【0013】
共振型スキャナーの場合は、往路と復路の所要時間が同じ(半周期)であり位相変化も同等であるので往復走査が可能である。上記の構成によれば、通常の走査では測定精度を優先して一方向の走査を行いながら、測定時間の短縮を優先する場合は、往復走査を選択することができる。往復走査によって測定時間を略半分に短縮しながら、測定精度については走査線数を半分に低減する場合に比べて高い測定制度を得ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0015】
図1は、本発明の実施形態に係る共焦点顕微鏡システムの概略構成を示している。共焦点顕微鏡システム1は、共焦点光学系2及び非共焦点光学系3を有する共焦点顕微鏡と、共焦点顕微鏡のレーザ駆動回路44、受光素子からの信号処理回路41,42,43、対物レンズ移動機構40、マイクロコンピュータを用いた制御部46等を含むコントローラと、コントローラに接続された表示装置47及び入力装置48とを備えている。
【0016】
まず、共焦点顕微鏡の共焦点光学系2とその信号処理について説明する。共焦点光学系2は、試料wkに単色光(例えばレーザ光)を照射するための光源10、第1コリメートレンズ11、偏光ビームスプリッタ12、1/4波長板13、水平偏向装置14a、垂直偏向装置14b、第1リレーレンズ15、第2リレーレンズ16、対物レンズ17、結像レンズ18、ピンホール板9、受光素子19等を含んでいる。
【0017】
光源10には、例えば赤色レーザ光を発する半導体レーザが用いられる。レーザ駆動回路44によって駆動される光源10から出たレーザ光は、第1コリメートレンズ11を通り、偏光ビームスプリッタ12で光路を曲げられ、1/4波長板13を通過する。この後、水平偏向装置14a及び垂直偏向装置14bによって水平(横)方向及び垂直(縦)方向に偏向された後、第1リレーレンズ15及び第2リレーレンズ16を通過し、対物レンズ17によって試料ステージ30上に置かれた試料wkの表面に集光される。
【0018】
水平偏向装置14aはレゾナント(共振型)スキャナーで構成され、垂直偏向装置14bはガルバノ(電磁型)スキャナーで構成されている。両者でレーザ光を水平及び垂直方向に偏向させることにより、試料wkの表面をレーザ光で走査する。説明の便宜上、水平方向をX方向、垂直方向をY方向ということにする。
対物レンズ17は、対物レンズ移動機構40によりZ方向(光軸方向)に駆動される。これにより、対物レンズ17の焦点と試料wkとの光軸方向での相対位置を変化させることができる。
【0019】
ただし、対物レンズ17の焦点と試料wkとの光軸方向での相対位置は、他の方法で変化させることもできる。例えば、対物レンズ17をZ方向に駆動する代わりに試料ステージ30をZ方向に駆動してもよい。あるいは、対物レンズ17と試料wkとの間に屈折率が変化するレンズを挿入することにより、対物レンズ17の焦点をZ方向に移動させる構成も可能である。なお、試料ステージ30は、手動操作によってX、Y方向及びZ方向に変位可能である。
【0020】
試料wkで反射されたレーザ光は、上記の光路を逆に辿る。すなわち、対物レンズ17、第2リレーレンズ16及び第1リレーレンズ15を通り、水平偏向装置14a及び垂直偏向装置14bを介して1/4波長板13を再び通る。この結果、レーザ光は偏光ビームスプリッタ12を透過し、結像レンズ18によって集光される。集光されたレーザ光は、結像レンズ18の焦点位置に配置されたピンホール板9のピンホールを通過して受光素子19に入射する。受光素子19は、例えばフォトマルチプライヤチューブ(光電子増倍管)やフォトダイオードで構成され、受光量を電気信号に変換する。受光量に相当する電気信号は、出力アンプ及びゲイン制御回路(図示せず)を介して第1AD変換器41に与えられ、ディジタル値に変換される。
【0021】
上記のような構成の共焦点光学系2により、試料wkの高さ(深さ)情報を取得することができる。以下に、その原理を簡単に説明する。
【0022】
上述のように、対物レンズ17が対物レンズ移動機構40によってZ方向(光軸方向)に駆動されると、対物レンズ17の焦点と試料wkとの光軸方向での相対距離が変化する。そして、対物レンズ17の焦点が試料wkの表面に結ばれたときに、試料wkの表面で反射されたレーザ光は上記の光路を経て結像レンズ18で集光され、ほとんどすべてのレーザ光がピンホール板9のピンホールを通過する。したがって、このときに、受光素子19の受光量が最大になる。逆に、対物レンズ17の焦点が試料wkの表面からずれている状態では、結像レンズ18によって集光されたレーザ光はピンホール板9からずれた位置に焦点を結ぶので、一部のレーザ光しかピンホールを通過することができない。その結果、受光素子19の受光量は著しく低下する。
【0023】
したがって、試料wkの表面の任意の点について、対物レンズ17をZ方向(光軸方向)に駆動しながら受光素子19の受光量を検出すれば、その受光量が最大になるときの対物レンズ17のZ方向位置(対物レンズ17の焦点と試料wkとの光軸方向での相対位置)を高さ情報として一義的に求めることができる。
【0024】
実際には、対物レンズ17を1ステップ(1ピッチ)移動するたびに水平偏向装置14a及び垂直偏向装置14bによって試料wkの表面を走査して受光素子19の受光量を得る。対物レンズ17をZ方向での測定範囲の下端から上端までZ方向に移動させたとき、走査範囲内の各点(画素)について、Z方向位置に応じて変化する受光量データが得られる。
【0025】
図2は、対物レンズ17のZ方向位置に応じて変化する受光量データの例を示すグラフである。このような受光量データに基づいて、最大受光量とそのときのZ方向位置が各点(画素)ごとに得られる。したがって、試料wkの表面高さのXY平面での分布が得られる。この処理は、マイクロコンピュータを用いた制御部46によって実行される。
【0026】
得られた表面高さの分布情報は、いくつかの方法で表示装置47のモニタ画面に表示することができる。例えば3次元表示によって試料の高さ分布(表面形状)を立体的に表示することができる。あるいは、高さデータを輝度データに変換することにより、明るさの二次元分布として表示できる。高さデータを色差データに変換することにより、高さの分布を色の分布として表示することもできる。
【0027】
また、XY走査範囲内の各点(画素)について得られた受光量を輝度データとする輝度信号から、試料wkの表面画像(白黒画像)が得られる。各画素における最大受光量を輝度データとして輝度信号を生成すれば、表面高さの異なる各点でピントの合った焦点深度の非常に深い超深度画像が得られる。また、任意の注目画素で最大受光量が得られた高さ(Z方向位置)に固定した場合は、注目画素の部分と高低差が大きい部分の画素の受光量は著しく小さくなるので、注目画素と同じ高さの部分のみが明るい画像が得られる。
【0028】
つぎに、共焦点顕微鏡に備えられた非共焦点光学系3とその信号処理について説明する。非共焦点光学系3は、試料wkに白色光(カラー画像撮影用の照明光)を照射するための白色光源20、第2コリメートレンズ21、第1ハーフミラー22、第2ハーフミラー23、カラーCCD(イメージセンサー)24等を含んでいる。また、非共焦点光学系3は共焦点光学系2の対物レンズ17を共用しており、2つの光学系1,2の光軸は部分的に一致している。
【0029】
白色光源20には例えば白色ランプが用いられるが、特に専用の光源を設けず、自然光又は室内光を利用してもよい。白色光源20から出た白色光は、第2コリメートレンズ21を通り、第1ハーフミラー22で光路を曲げられ、対物レンズ17によって試料ステージ30上に置かれた試料wkの表面に集光される。
【0030】
試料wkで反射された白色光は、対物レンズ17、第1ハーフミラー22、第2リレーレンズ16を通過し、第2ハーフミラー23で反射されてカラーCCD24に入射して結像する。カラーCCD24は、共焦点光学系2のピンホール板9のピンホールと共役又は共役に近い位置に設けられている。カラーCCD24で撮像されたカラー画像は、CCD駆動回路43によって読み出され、そのアナログ出力信号は第2AD変換器42に与えられ、ディジタル値に変換される。このようにして得られたカラー画像は、試料wkの観察用の拡大カラー画像として表示装置47のモニタ画面に表示される。
【0031】
また、共焦点光学系2で得られた超深度画像と非共焦点光学系3で得られた通常のカラー画像とを組み合わせて、すべての画素で略ピントの合った焦点深度の深いカラー超深度画像を生成し、表示することもできる。例えば、非共焦点光学系3で得られたカラー画像を構成する輝度信号を共焦点光学系2で得られた超深度画像の輝度信号で置き換えることにより、簡易的にカラー超深度画像を生成することができる。
【0032】
上記のようなカラー画像に関する処理についても、制御部46を含むコントローラが司る。コントローラにはコンソール(操作卓)のような入力装置48やCRT(陰極線管)又はLCD(液晶表示装置)のような表示装置47が接続されている。また、マウスのようなポインティングデバイスも入力装置48として接続される。
【0033】
また、本実施形態の共焦点顕微鏡システム1(のコントローラ)には、パーソナルコンピュータのような外部コンピュータシステムを接続するインターフェイスも備えられている。共焦点顕微鏡システム1の制御を行うための専用ソフトウェアをインストールした外部コンピュータシステムを共焦点顕微鏡システム1に接続することにより、取得された試料wkの画像情報や高さ分布情報等の加工をシームレスに行うことが可能になる。
【0034】
図3は、共焦点顕微鏡システム1のコントローラに外部コンピュータシステム50を接続したハードウェア構成例を示すブロック図である。外部コンピュータシステム50は、CRT又はLCD等の表示装置51、キーボード52、マウス(他のポインティングデバイスでもよい)53、RS232C、USB(ユニバーサルシリアルバス)、IEEE1394等の通信インターフェイス54、処理装置(CPU)55、半導体記憶媒体である主メモリ56、補助記憶装置である固定ディスク装置57及びリムーバブルディスク装置58を備えている。
【0035】
共焦点顕微鏡システム1の制御を行うための専用ソフトウェアは、CD−ROMのような記憶媒体59に記憶された状態で供給され、CD−ROMドライブ装置のようなリムーバブルディスク装置58によって記憶媒体59から読み出され、固定ディスク装置57にインストールされる。固定ディスク装置57にインストールされたプログラムは、主メモリ56にロードされ、処理装置55によって実行される。
【0036】
このような専用ソフトウェアによって実行される処理には、共焦点顕微鏡システム1の測定条件の設定を行うための処理や測定の結果得られた画像の処理等が含まれている。次に、測定条件の設定のための画面表示における走査モードの選択について説明する。
【0037】
図4は、走査モードの選択を含む測定条件の設定のための画面表示の例を示す図である。表示装置51に表示される画面表示60において、左側の領域61は共焦点顕微鏡システム1の非共焦点光学系3のカラーCCD24から得られたカラー画像や共焦点光学系2の受光素子19から得られた共焦点画像又は高さ分布の測定結果等を表示するための領域であり、その右側に測定条件の設定のための縦長の領域62が表示されている。
【0038】
図5は、図4の画面表示60における測定条件の設定のための領域62の拡大図である。「スキャン設定」と表示された箇所の右側に走査モードの選択を行うための選択ブロック63が設けられている。この選択ブロック63の右端の下向き三角マークをマウス53でクリックすると、図5に示すようなプルダウンメニュー64が現れる。プルダウンメニュー64には、「ノーマル」、「パート1/2」、「パート1/3」、「スキップ」、「スキップ1/2」の5種類の走査モードが選択肢として含まれていおり、ユーザはマウス53を用いてこれらの選択肢の中から1つの走査モードを選択することができる。
【0039】
「ノーマル」は通常の走査モードであり、走査範囲が光学倍率によって決まるXY平面における測定範囲の全体であると共に走査線数が最大数(例えば768本)である。「パート1/2」では、垂直走査範囲が全体の中央部1/2となり、走査線数もそれに応じて1/2(例えば384本)になる。「パート1/3」では、垂直走査範囲が全体の中央部1/3となり、走査線の数もそれに応じて1/3になる。
【0040】
「スキップ」では、走査範囲は測定範囲の全体であるが、走査線数が1/2になる。つまり、隣接する走査線の間隔が2倍に広がっている。「スキップ1/2」では、隣接する走査線の間隔が2倍に広がり、かつ、垂直走査範囲が全体の中央部1/2となる。したがって、走査線数は1/4になる。なお、いずれの走査モードでも水平走査範囲は変化せず測定範囲全体の水平方向長さに等しい。また、スキップによって隣接する走査線の間隔が2倍に広がる場合は、補間処理によって走査線の間の画素データが生成される。
【0041】
図5において、プルダウンメニュー64によって一部隠れているが、「スキャン設定」と表示された箇所の下側に「ダブルスキャン」と表示され、その左側にチェックボックス65が設けられている。ユーザがマウス53を用いてこのチェックボックス65にチェックを入れると水平走査に関して往復走査が設定され、チェックを外すと通常の一方向走査が設定される。
【0042】
前述のように水平走査のための水平偏向装置14aはレゾナント(共振型)スキャナーで構成され、所定の電圧を印加すれば自励式にミラーの反射面が所定の周波数で振動する。したがって、往路と復路の所要時間が同じ(半周期)であり位相変化も同等であるので往復走査が可能である。往復走査を行う場合は一方向走査の場合に比べて、一垂直走査当たりの水平走査回数が同じであれば見かけ上2倍の走査線数が得られることになり、その分だけ測定精度が良くなる。逆に、一垂直走査当たりの水平走査回数を半分に低減しても、見かけ上の走査線数が同じであるので、測定精度の低下はほとんどないことになる。一垂直走査当たりの水平走査回数が半分に低減されれば、測定全体の所要時間が半分近くまで低減される。
【0043】
上記のように、ユーザは5通りの走査モードのうちの1つを選択し、かつ、一方向走査又は往復走査を選択することにより、計10通りの走査方法を設定することができる。
【0044】
図6は、各走査モードにおける垂直走査範囲や走査線数等を例示する図表である。この例では、ノーマル走査モードにおける走査線数(最大数)を100としている。実際には前述のように例えば768本である。また、図6の図表における走査線数は、往復走査の場合は見かけ上の走査線数に相当する。したがって、往復走査の場合の一垂直走査当たりの水平走査回数は一方向走査の場合の半分になる。
【0045】
垂直走査は、ガルバノスキャナ駆動データ用メモリからDMA(ダイレクトメモリアクセス)によってD/Aコンバータに駆動データを与え、D/Aコンバータの出力電圧が垂直偏向装置14bであるガルバノスキャナの駆動回路に与えられることによって行われる。このときのDMA回数が図6の図表におけるDMAデータ数に相当する。括弧内の数字は往復走査の場合の値である。なお、一方向走査及び往復走査の両方において、帰線パルス数は10としている。したがって、一方向走査のDMAデータ数から10を減算した値の1/2が往復走査のDMAデータ数から10を減算した値に等しい。
【0046】
また、垂直走査範囲が1(全体)の場合はD/A初期値が0でD/A最終値が100であるが、垂直走査範囲が1/2の場合はD/A初期値及び最終値が25及び75になっている。同様に、垂直走査範囲が1/3のの場合はD/A初期値及び最終値が33及び66になっている。つまり、垂直走査方向の途中から走査が始まり途中で走査が終了する。
【0047】
図7は、走査方法の設定から測定終了までの手順の例を示すフローチャートである。このフローチャートでは、ユーザによる操作と処理装置55がプログラムにしたがって実行する処理の両方が含まれているが、以下の説明でその区別を明らかにする。
【0048】
ステップ#101において、ユーザは図4及び図5に示した画面表示60における測定条件の設定のための領域62のチェックボックス65を用いて、一方向走査又は往復走査を選択する。続くステップ#102においてユーザは、同じく領域62の選択ブロック63に表示されるプルダウンメニュー64の中から走査モードを選択する。なお、ステップ#101とステップ#102の選択の順序は逆でもよい。
【0049】
ステップ#103において処理装置55は、ガルバノオフセット位置データを算出しD/A初期値をセットする。D/A初期値は図6を用いて説明した通りである。続くステップ#104において、処理装置55は、ガルバノスキャナ駆動データを作成しメモリに書き込む。更にステップ#105でDMAC(DMAコントローラ)にDMA回数と先頭アドレスをセットし、DMAをレディ状態にする。
【0050】
次のステップ#106で処理装置55は、ユーザが選択した一方向走査又は往復走査と求めた走査線数を画像取り込み回路にセットし、続くステップ#107でレゾナント発振をイネーブル状態にする。次のステップ#108で発振が安定するまで所定時間待った後、ステップ#109で走査を開始する。設定した回数のDMAが終了したか否かをステップ#110でチェックし、DMAが終了すればステップ#111で走査を終了してレゾナント発振を停止する。
【0051】
図8は、ガルバノスキャナを用いた垂直偏向装置14bの制御に関する回路構成を示すブロック図である。処理装置55に対応するCPU70とその制御プログラムが格納されたROM71及びワーキングメモリであるRAM72が設けられている。また、ガルバノスキャナ駆動回路73とそれに駆動データを与えるD/Aコンバータ74、及びガルバノスキャナ駆動データ用メモリ75が設けられている。
【0052】
ガルバノスキャナを用いた垂直偏向(垂直走査)は、ガルバノスキャナ駆動データ用メモリからDMA(ダイレクトメモリアクセス)によってD/Aコンバータに駆動データを与え、D/Aコンバータの出力電圧が垂直偏向装置14bであるガルバノスキャナの駆動回路に与えられることによって行われる。このためにDMAC(DAMコントローラ)76が設けられている。図7のフローチャートのステップ#105におけるDMA回数と先頭アドレスのセットは、このDMAC76内のレジスタに対して実行される。また、水平偏向装置14aを構成するレゾナントスキャナから正弦波のゼロクロス信号として出力される位置パルスA及び位置パルスBがORゲート77に入力され、その出力がDMAC76のDRQ端子に入力されている。また、DMAの完了信号はDMAC76のDONE端子から出力され、CPU70のINT(割込)端子に入力されている。
【0053】
なお、上記の実施形態では外部コンピュータシステム50に共焦点顕微鏡システム1の制御を行うための専用ソフトウェアをインストールし、外部コンピュータシステム50の表示装置51の画面上で走査モード選択等の設定を行う場合について説明したが、本発明はそのような実施形態に限られるわけではない。例えば共焦点顕微鏡システム1のコントローラに内蔵されるROM等の記憶媒体に記憶される制御プログラムに上記実施形態のような画像の手動つなぎ合わせのプログラムを組み込み、共焦点顕微鏡システム1に標準装備の表示装置47及び入力装置48を用いて画像の手動つなぎ合わせを実施するようにしてもよい。
【0054】
また、共焦点光学系2による試料wkの表面の高さ情報を取得するために、対物レンズ17をZ方向に移動(上下動)させる代わりに、ステージ30を上下動させてもよい。その他にも、本発明は種々の形態で実施することができる。
【0055】
また、上記の実施形態の共焦点顕微鏡は反射型の顕微鏡であるが、透過型の共焦点顕微鏡にも本発明を適用することができる。透過型の顕微鏡の場合は、試料の裏面から共焦点光学系のレーザ光及び非共焦点光学系の白色光が照射される。
共焦点光学系の光源はレーザ光源を含む単色光源はもちろんのこと、複数波長を含むものであってもよい。非共焦点光学系の光源は自然光又は室内光で代用することもできる。
【0056】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明の走査モード選択可能な共焦点顕微鏡システムによれば、ユーザは、測定に際して複数の走査モードのうちの1つを選択できる。つまり、測定精度を優先する場合は走査線数の多い走査モードを選択し、測定時間の短縮を優先する場合には走査線数の少ない走査モードを選択することができる。また、実質的な測定範囲である走査範囲を狭めることができる場合は、走査範囲を狭めた走査モードを選択することによって更に測定時間を短縮することができる。更に、往復走査を選択することによって測定時間を略半分に短縮しながら、測定精度については走査線数を半分に低減する場合に比べて高い測定制度を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る共焦点顕微鏡システムの概略構成を示す図である。
【図2】対物レンズのZ方向位置に応じて変化する受光量データの例を示すグラフである。
【図3】共焦点顕微鏡システムのコントローラに外部コンピュータシステムを接続したハードウェア構成例を示すブロック図である。
【図4】走査モードの選択を含む測定条件の設定のための画面表示の例を示す図である。
【図5】図4の画面表示における測定条件の設定のための領域の拡大図である。
【図6】各走査モードにおける垂直走査範囲や走査線数等を例示する図表である。
【図7】走査方法の設定から測定終了までの手順の例を示すフローチャートである。
【図8】ガルバノスキャナを用いた垂直偏向装置の制御に関する回路構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 共焦点顕微鏡システム
2 共焦点光学系
14a 水平偏向装置(レゾナント(共振型)スキャナー)
14b 垂直偏向装置(ガルバノスキャナ)
19 受光素子
47,51 表示装置
60 画面表示
64 複数の走査モードを含むプルダウンメニュー
65 一方向走査又は往復走査を選択するチェックボックス
Claims (2)
- 光学倍率によって決まる測定範囲内の試料表面からの光を共焦点光学系を介して受光素子で受光し、その受光情報に基づいて前記試料表面の高さ情報及び光量情報を取得し、取得した情報を処理して得られる前記試料表面の画像を表示装置の画面に表示する共焦点顕微鏡システムであって、
前記測定範囲の光による試料表面の走査に関して、走査範囲が前記測定範囲の全体又は一部に切替可能であると共に、走査線の数が最大数又は縮小数に切替可能であり、前記走査範囲及び走査線の数の組合わせによって決まる複数の走査モードを備え、画面表示においてユーザが測定に際して前記複数の走査モードのうちの1つを選択できることを特徴とする共焦点顕微鏡システム。 - 前記光による試料表面の走査に関して水平走査に共振型スキャナーが使用され、前記水平走査が一方向走査又は往復走査に切替可能であり、前記画面表示においてユーザが測定に際して前記複数の走査モードのうちの1つを選択できると共に前記一方向走査又は往復走査を選択可能であることを特徴とする
請求項1記載の共焦点顕微鏡システム。
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