JP2004138916A - 色補正装置、色補正方法、色補正プログラム、色補正プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体、iccプロファイル、iccプロファイルの設定方法、iccプロファイルを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体 - Google Patents

色補正装置、色補正方法、色補正プログラム、色補正プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体、iccプロファイル、iccプロファイルの設定方法、iccプロファイルを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】液晶表示装置等の表示装置での表示のために、隣接画素の影響を含めてTRC特性を補正する。
【解決手段】色補正方法は、隣接画素の信号レベルがほぼ一定の基準レベルである場合の補正対象画素のTRC特性を表す関数をfg(i)、隣接画素の信号が補正対象画素に与える影響を補正対象画素の信号レベルに応じてTRC特性から取り消す補正量を表す関数をg(i)、補正対象画素および隣接画素の補正前の信号レベルをそれぞれG2,R2とするとき、fg(G3)+g(G3)×R2=G2、を満たすように、補正対象画素の補正後の信号レベルG3を得る。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カラー表示装置において正確な色再現を実現するための色補正装置、色補正方法、色補正プログラムおよびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体、ICCプロファイル、ICCプロファイルの設定方法、ICCプロファイルを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インターネットの普及に伴い、様々なカラー画像をRGB信号値を基準とした電子データにより扱う機会が増えている。しかし、RGB信号値のみを元に任意の表示装置に画像を出力すると、表示装置の特性により、表示画像の色合いが原画像とは異なって見えるという問題が発生する。
【0003】
この問題を解決する方法の一つに、ICC(International Color Consortium)プロファイルを使用した色補正方法がある。
【0004】
図16に示すように、ICCプロファイルを使用した色補正方法による色補正装置112は、入力装置TRC(tone reproduction curve)変換部101と、入力装置RGB→XYZ変換部102と、表示装置XYZ→RGB変換部103と、表示装置TRC変換部104から構成できる。なお、ICCプロファイルを記述するファイルフォーマットは、ICCにより定められている。また、カラー表示装置のICCプロファイルには、RGBのTRC特性と、RGB信号値をXYZ値に変換するマトリクスが記述されている。
【0005】
色補正装置112は、入力装置TRC変換部101により、画像データを作成した機器(入力装置111)の特性を示すICCプロファイルに基づいて、RGB値で記録された画像データを、画像データを作成した機器のTRC特性に従って変換した後、入力装置RGB→XYZ変換部102により、CIE(Commission International de I’Eclairage)が定めるXYZ値の画像データに変換する。
【0006】
さらに、色補正装置112は、表示装置XYZ→RGB変換部103により、表示装置113のICCプロファイルに基づいて、XYZ画像データを表示装置の特性に合わせたRGB画像データに変換し、表示装置TRC変換部104により、表示装置113の逆TRC特性に従って変換して、表示装置113に表示させる。
【0007】
ここで、逆TRC特性とは、画素に印加する信号レベルをx軸に、画素から出力される輝度レベルをy軸にとるTRC特性に対し、x軸、y軸を逆にした特性である。例えば、表示装置113のTRC特性が図18である場合、この縦軸と横軸を逆にした、図19に示す特性を逆TRC特性と呼ぶ。
【0008】
また、ICCプロファイルに記述されるTRC特性は、RGB各色毎に1つに定められている。そして、CRT(Cathode Ray Tube)に代表される従来のカラー表示装置においては、TRC特性はほぼ一定である。
【0009】
そこで、上記色補正装置112では、表示装置TRC変換部104は、例えば図17に示すように、RGBそれぞれにLUT(Look up Table)140r,140g,140bを設けて構成されている(図17)。
【0010】
以上より、色補正装置112によれば、表示装置113によって異なるRGB値ではなく、色の絶対値を示すXYZ値を一致させることが可能となり、表示装置113の特性を考慮した色補正を行って、正確な色再現が実現できる。ただし、色補正装置112は、表示装置113のTRC特性がほぼ一定であることを前提としている。
【0011】
つづいて、本願発明の説明図である図15を参照しながら、上記色補正装置112を利用した場合の画像表示システム90について説明する。
【0012】
画像表示システム90は、インターネット網93、それに接続するサーバ94およびクライアント91、サーバ94に内蔵されたハードディスク装置95、クライアント91のディスプレイ92から構成される。画像表示システム90において、クライアント91は、インターネット網93を介して、サーバ94にある画像データをダウンロードし、ディスプレイ92に表示する。ここで、クライアント91は、色補正装置112としての機能を備えている。
【0013】
画像表示システム90の動作は以下のとおりである。すなわち、最初に、クライアント91が、画像データのリクエストを、インターネット網93を経由して、サーバ94に送信する。次に、サーバ94が、リクエストされた画像データ96をハードディスク装置95から検索し、画像データ96のICCプロファイル97を添付してクライアント91に送信する。
【0014】
次に、クライアント91では、受信した画像データ96に添付されたICCプロファイル97と、クライアント91であらかじめ保持しているディスプレイ92のICCプロファイル98とに基づいて、クライアント91内部のCPUまたは専用のグラフィックボード等が色補正装置112として色補正を行い、画像データ96を作成者が意図したものに近い色でディスプレイ92に表示する。
【0015】
なお、本願発明に関連する先行技術文献としては、次の特許文献1,2がある。
【0016】
特許文献1には、クロストークノイズによって色特性が歪んだ液晶表示装置の色再現性を、2次元構造や3次元構造のLUTを用いて改善する液晶表示装置の色補正方法が記載されている。
【0017】
特許文献2には、プラズマアドレス型液晶表示装置において構造的に発生するクロストークの量を、映像信号の隣接する画素に印加される信号から予測し、補正信号を生成し、これを映像信号と合成することにより、クロストークによる輝度、色度、飽和度の変化を防止し、忠実に輝度と色の再現を行うプラズマアドレス型表示装置のクロストーク補正装置が記載されている。
【0018】
【特許文献1】
特開2002−41000号公報(公開日:平成14年2月8日)
【0019】
【特許文献2】
特開2000−321559号公報(公開日:平成12年11月24日)
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、液晶表示装置では、液晶層を上下二つの電極で挟むように構成し、上下の電極間に印加する電圧を変化させることで階調を実現する。しかし、1画素のサイズは非常に小さいため、隣接した画素に余計な電圧が印加され、階調に影響を与える。その結果、多くのカラー液晶表示装置では、電気的クロストークが発生するため、TRC特性が一意に定まらないという問題がある。
【0021】
図12を参照しながら、液晶表示装置のTRC特性について説明する。図12では、隣接画素の信号レベルが最小の場合のTRC特性を実線で、最大の場合のTRC特性を破線で示している。図12に示すように、隣接画素の信号レベルが最小の場合に比べ、最大の場合では、特に中間調において入力信号レベルに対する実際の出力レベルが大きくなっている。
【0022】
そのため、表示装置113が図12に示したTRC特性を持つ場合、隣接画素の信号レベルが最大であるにもかかわらず、実線のTRC特性を基準として補正を行うと、目標とは大きく異なる色が表示される。例えば、出力レベル0.3を期待して信号レベル0.65を画素に印加すると、実際に得られる出力レベルは0.4となる。
【0023】
以上のように、表示装置のTRC特性がほぼ一定の場合には、1つのTRC特性に従って変換すれば、十分に色再現性のよい色補正が可能である。しかしながら、表示装置のTRC特性が一意に決まらない場合には、1つのTRC特性に従って変換すると、色補正を適切に行うことができない。したがって、液晶表示装置等においては、隣接画素との電気的・光学的クロストークによりTRC特性が変動するために、ICCプロファイルによる正確な色再現が困難である。
【0024】
なお、上述のように、特許文献1には、クロストークの改善のために3D−LUTを用いる方法が提案されている。しかし、3D−LUTを使用する場合、特許文献1の実施例によれば、最小の場合でも12kバイトのLUTを使用しており、それを超えるメモリ資源が必要であるとともに、12kバイトのLUTを埋めるべく12000の多量のデータを作成しなければならない。
【0025】
また、特許文献2には、プラズマアドレス型表示装置のクロストーク補正装置が記載されている。しかし、これをそのまま液晶表示装置に適用することはできない。すなわち、液晶表示装置では、電極間に存在するのは液晶層のみであるため、電極間に液晶層のほか絶縁層を有するプラズマアドレス型表示装置と比べ、クロストークの影響そのものは小さい。しかし、微小な液晶層に起因するがゆえに、製造工程におけるわずかな誤差によってクロストークの大きさが大きく変動する。例えば、画素に対する電極線の微妙な位置ずれなどもクロストークの大きさを変える重要な要素である。また、液晶の劣化によってもクロストークの大きさは変化する。したがって、あらかじめ固定的にクロストークの影響を制御することが難しい、例えば液晶表示装置のようなカラー表示装置では、ユーザが個別に調整可能な方法が望まれている。
【0026】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、液晶表示装置等の表示装置での表示のために、隣接画素の影響を含めてTRC特性を補正することができる色補正装置および色補正方法、ならびに、ICCプロファイルおよびICCプロファイルの設定方法を提供することにある。また、本発明の目的には、上記色補正装置を実現する色補正プログラムおよびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体、ならびに、ICCプロファイルを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することも含まれる。
【0027】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明の色補正装置は、隣接画素の信号レベルがほぼ一定の基準レベルである場合の補正対象画素のTRC特性を表す関数F1を実現する第1の関数手段と、隣接画素の信号が補正対象画素に与える影響を補正対象画素の信号レベルに応じて上記TRC特性から取り消す補正量を表す関数F2を実現する第2の関数手段と、上記の第1の関数手段および第2の関数手段を用いて、補正対象画素の補正前の信号レベル、および、隣接画素の補正前あるいは補正後の信号レベルに基づき、補正対象画素の補正後の信号レベルを得る補正手段と、を具備することを特徴としている。
【0028】
本発明の色補正装置は、例えば、上記補正手段を、上記補正対象画素の補正前の信号レベルをc0、上記隣接画素の補正前あるいは補正後の信号レベルをdとするとき、F1(c1)+F2(c1)×d=c0、を満たすように、補正対象画素の補正後の信号レベルc1を得るものとして構成できる。
【0029】
また、本発明の色補正方法は、隣接画素の信号レベルがほぼ一定の基準レベルである場合の補正対象画素のTRC特性を表す関数をF1、隣接画素の信号が補正対象画素に与える影響を補正対象画素の信号レベルに応じて上記TRC特性から取り消す補正量を表す関数をF2とするとき、上記の関数F1および関数F2を用いて、補正対象画素の補正前の信号レベル、および、隣接画素の補正前あるいは補正後の信号レベルに基づき、補正対象画素の補正後の信号レベルを得ることを特徴としている。
【0030】
本発明の色補正方法は、例えば、上記補正対象画素の補正前の信号レベルをc0、上記隣接画素の補正前あるいは補正後の信号レベルをdとするとき、F1(c1)+F2(c1)×d=c0、を満たすように、補正対象画素の補正後の信号レベルc1を得る方法として構成できる。
【0031】
上記の構成および方法により、第1の関数F1は、隣接画素である他の1チャネルの信号レベルがほぼ一定の条件(基準レベル)における補正対象画素のチャネルのTRC特性を実現する。第2の関数F2は、隣接画素からのクロストークによるTRC特性の誤差を計算する。そして、補正手段の関係式によれば、第1の関数F1から、隣接画素の信号レベルに応じて調整した第2の関数F2をクロストークによる誤差として取り消し、補正後の信号レベルを得ることができる。
【0032】
具体的には、クロストークによる誤差を取り消す際、隣接画素の信号レベルが高い場合には補正量を大きくして補正対象画素の信号レベルを低く補正する一方、隣接画素の信号レベルが低い場合には補正量を小さくして補正対象画素の信号レベルを高く補正することができる。
【0033】
よって、上記の色補正装置および色補正方法によれば、隣接画素間で電気的あるいは光学的なクロストークが隣接する方向によって大きく偏って発生する表示装置について、影響が大きい方の隣接画素の信号レベルの変化に応じてTRC特性を補正することにより、隣接画素の影響を考慮した最適なTRC特性を得ることができる。その結果、クロストークの影響を低減して、色再現の精度を向上させることが可能となる。
【0034】
したがって、例えば液晶表示装置のように、隣接画素との電気的・光学的クロストークによりTRC特性が変動する場合であっても、ICCプロファイルによる正確な色再現が可能となる。なお、ICCプロファイルには、隣接画素の信号レベルがほぼ一定の基準レベル(例えば、最小あるいは最大)である場合のTRC特性をあらかじめ記述しておく。そして、既存のツールにより作成や書き換えが容易なICCプロファイルを使用できるため、個体差や経時変化の影響の制御に適している。すなわち、クロストークの影響をあらかじめ固定的に制御することが困難な表示装置であっても、ユーザによって個別に調整することが可能となる。
【0035】
さらに、第1の関数手段および第2の関数手段は、例えば、あらかじめ設定された演算式に従って演算するように構成することもできるし、あらかじめ設定されたLUTを参照するように構成することもできる。もちろん、一方を演算による構成とし、他方をLUTによる構成とすることも可能である。
【0036】
このように、上記の構成および方法によれば、第1の関数と第2の関数とを組み合わせるため、両関数をともにLUTで実現したとしても、関数を分けない場合と比べてLUTのデータ量を削減できる。それゆえ、LUTのサイズを小さくでき、メモリが節約できるとともに、データの作成が容易になる。
【0037】
さらに、本発明の色補正装置は、上記関数F1は、隣接画素の信号レベルがほぼ最大またはほぼ最小の場合の補正対象画素のTRC特性であり、上記関数F2は、上記2つのTRC特性の差分であることを特徴としている。
【0038】
上記の構成により、さらに、第1の関数F1は、隣接画素である他の1チャネルの信号レベルがほぼ最大またはほぼ最小の場合における補正対象画素のチャネルのTRC特性を実現する。第2の関数F2は、隣接画素からのクロストークによるTRC特性の誤差を計算するために、隣接画素の信号レベルがほぼ最大およびほぼ最小である場合における補正対象画素のチャネルのTRC特性の差分を実現する。そして、補正手段の関係式によれば、第1の関数F1から、第2の関数F2が与える差分を隣接画素の信号レベルに応じて調整した補正量を、クロストークによる誤差として取り消し、補正後の信号レベルを得ることができる。よって、演算式やLUTの作成および実装が容易である。
【0039】
また、関数F2は、液晶表示装置の場合、一般に、補正対象画素の信号レベルの2次関数で近似できる。よって、第2の関数手段を近似式である2次関数の演算を行うように構成すれば、演算が容易であり、ハードウェアの演算器としても容易に実現できる。
【0040】
また、上記の構成では、補正手段の関係式は、隣接画素の信号レベルが最大の場合の補正対象画素のTRC変換を表す関数をFmax、隣接画素の信号レベルが最小の場合の補正対象画素のTRC変換を表す関数をFminとして、
Fmax(c1)×d+Fmin(c1)×(1−d)=c0
と変形できる。
【0041】
よって、上記色補正装置は、関数F1,F2の代わりに、関数Fmax,Fminを用いて構成できる。そして、これらの関数Fmax,Fminも、第1の関数手段および第2の関数手段と同様に、例えば、あらかじめ設定された演算式に従って演算するように構成することもできるし、あらかじめ設定されたLUTを参照するように構成することもできる。もちろん、一方を演算による構成とし、他方をLUTによる構成とすることも可能である。この場合、隣接画素の信号レベルが最大の場合と最小の場合の2種類のTRC特性をICCプロファイルファイルに記述する、あるいは各TRC特性を記述した2種類のICCプロファイルファイルを作成し、この2種類のTRC特性から隣接画素の影響を考慮した適当なTRC特性を得る。
【0042】
本発明の色補正装置は、2つの隣接画素の信号レベルがともにほぼ一定の基準レベルである場合の補正対象画素のTRC特性を表す関数F1を実現する第1の関数手段と、一方の隣接画素の信号が補正対象画素に与える影響を補正対象画素の信号レベルに応じて上記TRC特性から取り消す補正量を表す関数F2を実現する第2の関数手段と、他方の隣接画素の信号が補正対象画素に与える影響を補正対象画素の信号レベルに応じて上記TRC特性から取り消す補正量を表す関数F3を実現する第3の関数手段と、上記の第1の関数手段、第2の関数手段、および第3の関数手段を用いて、補正対象画素の補正前の信号レベル、および、隣接画素の補正前あるいは補正後の信号レベルに基づき、補正対象画素の補正後の信号レベルを得る補正手段と、を具備することを特徴としている。
【0043】
本発明の色補正装置は、例えば、上記補正手段を、上記補正対象画素の補正前の信号レベルをc0、上記2つの隣接画素の補正前あるいは補正後の信号レベルをそれぞれd,eとするとき、F1(c1)+F2(c1)×d+F3(c1)×e=c0、を満たすように、補正対象画素の補正後の信号レベルc1を得るものとして構成できる。
【0044】
また、本発明の色補正方法は、2つの隣接画素の信号レベルがともにほぼ一定の基準レベルである場合の補正対象画素のTRC特性を表す関数をF1、一方の隣接画素の信号が補正対象画素に与える影響を補正対象画素の信号レベルに応じて上記TRC特性から取り消す補正量を表す関数をF2、他方の隣接画素の信号が補正対象画素に与える影響を補正対象画素の信号レベルに応じて上記TRC特性から取り消す補正量を表す関数をF3とするとき、上記の関数F1、関数F2、および関数F3を用いて、補正対象画素の補正前の信号レベル、および、2つの隣接画素の補正前あるいは補正後の信号レベルに基づき、補正対象画素の補正後の信号レベルを得ることを特徴としている。
【0045】
本発明の色補正方法は、例えば、上記補正対象画素の補正前の信号レベルをc0、上記2つの隣接画素の補正前あるいは補正後の信号レベルをそれぞれd,eとするとき、F1(c1)+F2(c1)×d+F3(c1)×e=c0、を満たすように、補正対象画素の補正後の信号レベルc1を得る方法として構成できる。
【0046】
上記の構成および方法により、第1の関数F1は、隣接画素である他の2チャネルの信号レベルがほぼ一定の条件(基準レベル)における補正対象画素のチャネルのTRC特性を実現する。第2の関数F2および第3の関数F3は、両側の隣接画素からのクロストークによるTRC特性の誤差をそれぞれ計算する。そして、補正手段の関係式によれば、第1の関数F1から、各隣接画素の信号レベルに応じてそれぞれ調整した第2の関数F2および第3の関数F3をクロストークによる誤差として取り消し、補正後の信号レベルを得ることができる。
【0047】
具体的には、クロストークによる誤差を取り消す際、隣接画素の信号レベルが高い場合には補正量を大きくして補正対象画素の信号レベルを低く補正する一方、隣接画素の信号レベルが低い場合には補正量を小さくして補正対象画素の信号レベルを高く補正することができる。
【0048】
よって、上記の色補正装置および色補正方法によれば、隣接画素間で電気的あるいは光学的なクロストークが隣接する方向によってあまり偏ることなく発生する表示装置について、両側の隣接画素の信号レベルの変化に応じてTRC特性を補正することにより、隣接画素の影響を考慮した最適なTRC特性を得ることができる。その結果、クロストークの影響を低減して、色再現の精度を向上させることが可能となる。
【0049】
したがって、例えば液晶表示装置のように、隣接画素との電気的・光学的クロストークによりTRC特性が変動する場合であっても、ICCプロファイルによる正確な色再現が可能となる。なお、ICCプロファイルには、隣接画素の信号レベルがほぼ一定の基準レベル(例えば、最小あるいは最大)である場合のTRC特性をあらかじめ記述しておく。そして、既存のツールにより作成や書き換えが容易なICCプロファイルを使用できるため、個体差や経時変化の影響の制御に適している。すなわち、クロストークの影響をあらかじめ固定的に制御することが困難な表示装置であっても、ユーザによって個別に調整することが可能となる。
【0050】
さらに、第1の関数手段、第2の関数手段、第3の関数手段は、例えば、あらかじめ設定された演算式に従って演算するように構成することもできるし、あらかじめ設定されたLUTを参照するように構成することもできる。もちろん、一部の関数手段を演算による構成とし、残りをLUTによる構成とすることも可能である。
【0051】
このように、上記の構成および方法によれば、3つの関数を組み合わせるため、各関数をすべてLUTで実現したとしても、関数を分けない場合と比べてLUTのデータ量を削減できる。それゆえ、LUTのサイズを小さくでき、メモリが節約できるとともに、データの作成が容易になる。
【0052】
さらに、本発明の色補正装置は、上記関数F1は、2つの隣接画素の信号レベルがほぼ最大またはほぼ最小の場合の補正対象画素のTRC特性であり、上記関数F2は、他方の隣接画素の信号レベルがほぼ最小である場合において、一方の隣接画素の信号レベルがほぼ最大およびほぼ最小の場合の補正対象画素のTRC特性の差分であり、上記関数F3は、一方の隣接画素の信号レベルがほぼ最小である場合において、他方の隣接画素の信号レベルがほぼ最大およびほぼ最小の場合の補正対象画素のTRC特性の差分である、ことを特徴としている。
【0053】
上記の構成により、さらに、第1の関数F1は、隣接画素である他の2チャネルの信号レベルがともにほぼ最大またはほぼ最小の場合における補正対象画素のチャネルのTRC特性を実現する。第2の関数F2および第3の関数F3は、2つの隣接画素からのクロストークによるTRC特性の誤差を計算するために、隣接画素の信号レベルがほぼ最大およびほぼ最小である場合における補正対象画素のチャネルのTRC特性の差分を実現する。そして、補正手段の関係式によれば、第1の関数F1から、第2の関数F2および第3の関数F3が与える差分を隣接画素の信号レベルに応じて調整した補正量を、クロストークによる誤差として取り消し、補正後の信号レベルを得ることができる。よって、演算式やLUTの作成および実装が容易である。
【0054】
また、関数F2,F3は、液晶表示装置の場合、一般に、補正対象画素の信号レベルの2次関数で近似できる。よって、第2の関数手段および第3の関数手段をそれぞれ近似式である2次関数の演算を行うように構成すれば、演算が容易であり、ハードウェアの演算器としても容易に実現できる。
【0055】
また、上記の構成では、補正手段の関係式は、一方の隣接画素の信号レベルが最大かつ他方の隣接画素の信号レベルが最小の場合の補正対象画素のTRC変換を表す関数をFmax1、他方の隣接画素の信号レベルが最大かつ一方の隣接画素の信号レベルが最小の場合の補正対象画素のTRC変換を表す関数をFmax2、2つの隣接画素の信号レベルが最小の場合の補正対象画素のTRC変換を表す関数をFminとして、
Fmax1(c1)×d+Fmax2(c1)×e
+Fmin(c1)×(1−d−e)     =c0
と変形できる。
【0056】
よって、上記色補正装置は、関数F1,F2,F3の代わりに、関数Fmax1,Fmax2,Fminを用いるように構成できる。そして、これらの関数Fmax1,Fmax2,Fminも、第1の関数手段および第2の関数手段と同様に、例えば、あらかじめ設定された演算式に従って演算するように構成することもできるし、あらかじめ設定されたLUTを参照するように構成することもできる。もちろん、一部を演算による構成とし、残りをLUTによる構成とすることも可能である。この場合、隣接画素の信号レベルが最大の場合と最小の場合の2種類のTRC特性をICCプロファイルファイルに記述する、あるいは各TRC特性を記述した2種類のICCプロファイルファイルを作成し、この2種類のTRC特性から隣接画素の影響を考慮した適当なTRC特性を得る。
【0057】
また、本発明の色補正プログラムは、コンピュータを上記の各手段として機能させるコンピュータ・プログラムである。
【0058】
上記の構成により、コンピュータで上記色補正装置の各手段を実現することによって、上記色補正装置を実現することができる。したがって、クロストークの影響を低減して、色再現の精度を向上させることが可能となる。また、LUTが占めるメモリ領域を小さくできる。
【0059】
また、本発明の色補正プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、上記の各手段をコンピュータに実現させて、上記色補正装置を動作させる色補正プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0060】
上記の構成により、上記記録媒体から読み出された色補正プログラムによって、上記色補正装置をコンピュータ上に実現することができる。
【0061】
本発明のICCプロファイルは、カラー表示装置のR、G、Bの各チャネル毎に、隣接画素の信号レベルがほぼ最大の場合および最小の場合の2種類のTRC特性が記述されていることを特徴としている。
【0062】
また、本発明のICCプロファイルの設定方法は、カラー表示装置のR、G、Bの各チャネル毎に、隣接画素の信号レベルがほぼ最大の場合および最小の場合の2種類のTRC特性を記述することを特徴としている。
【0063】
また、本発明のICCプロファイルを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、上記ICCプロファイルをコンピュータ読み取り可能に記録していることを特徴としている。
【0064】
上記の構成および方法により、上記ICCプロファイルには、補正対象画素のTRC特性が、隣接画素の信号レベルがほぼ最大の場合および最小の場合の2種類、カラー表示装置のR、G、Bの各チャネル毎に記述されている。
【0065】
よって、上記ICCプロファイルを利用すれば、上述した色補正装置に隣接画素の信号レベルがほぼ最大またはほぼ最小の場合の補正対象画素のTRC特性(関数F1)と、最大の場合のTRC特性と最小の場合のTRC特性との差分(関数F2,F3)とを設定できる。
【0066】
したがって、上記のようにTRC特性が設定された色補正装置により、補正手段の関係式に従い、関数F1から、隣接画素の信号レベルに応じて調整した関数F2,F3をクロストークによる誤差として取り消して、補正対象画素の補正後の信号レベルを得ることができる。
【0067】
なお、上記ICCプロファイルは、カラー表示装置(ディスプレイ)のメーカやユーザによって設定され、記録媒体に記録される。また、上記ICCプロファイルは、その利用が上述した色補正装置に限定されず、隣接画素の信号レベルがほぼ最大の場合および最小の場合の2種類のTRC特性を利用する装置であれば、任意の装置によって利用可能である。
【0068】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施の形態について図1から図15に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
【0069】
本実施の形態に係る色補正装置12は、ICC(International Color Consortium)プロファイルを使用した色補正装置である。なお、ICCプロファイルを記述するファイルフォーマットは、ICCにより定められている。また、カラー表示装置のICCプロファイル(後述するディスプレイICCプロファイル98(図15))には、RGBのTRC特性と、RGB信号値をXYZ値に変換するマトリクスが記述されている。
【0070】
図2に示すように、色補正装置12は、画像信号の入力装置11と、液晶表示装置等の表示装置13との間に設けられる。なお、色補正装置12は、表示装置13の内部や周辺部に一体に設けられていてもよい。また、色補正装置12は、表示装置13に接続されたコンピュータに搭載されたCPUやグラフィックボード等の機能として実現されてもよい。
【0071】
上記色補正装置12は、入力装置TRC(tone reproduction curve)変換部1と、入力装置RGB→XYZ変換部2と、表示装置XYZ→RGB変換部3と、表示装置TRC変換部4とを、少なくとも備えて構成されている。
【0072】
入力装置TRC変換部1は、画像データを作成した入力装置11の特性を示すICCプロファイルに基づいて、RGB値で記録された画像データを入力装置11を作成した機器のTRC特性に応じて変換する。
【0073】
入力装置RGB→XYZ変換部2は、入力装置TRC変換部1の出力を、CIE(Commission International de I’Eclairage)が定めるXYZ値の画像データに変換する。
【0074】
表示装置XYZ→RGB変換部3は、表示装置のICCプロファイルに基づいて、入力装置RGB→XYZ変換部2の出力であるXYZ画像データを、表示装置の特性に合わせたRGB画像データに変換する。
【0075】
表示装置TRC変換部4は、表示装置XYZ→RGB変換部3の出力を、画像データを表示する表示装置13の特性を示すICCプロファイルに基づいて、表示装置13の逆TRC特性に応じて変換する。ここで、逆TRC特性とは、画素に印加する信号レベルをx軸に、画素から出力される輝度レベルをy軸にとるTRC特性に対し、x軸、y軸を逆にした特性である。すなわち、あるTRC特性を有する表示装置がある場合、この縦軸と横軸を逆にした特性を、逆TRC特性と呼ぶ。
【0076】
このように、色補正装置12によれば、画像データを、機器によって異なるRGB値ではなく色の絶対値を示すXYZ値で一致させることが可能となり、表示装置13の特性を考慮した正確な色再現が実現できる。
【0077】
つづいて、表示装置TRC変換部4の構成例を説明する。まず、[1][2]に、隣接画素の信号レベル(基準レベル)が最小あるいは最大の場合のTRC特性を記述したICCプロファイルから前記逆TRC特性をLUTに記録し、このLUTを参照して、隣接画素の信号レベルの変化に応じたTRC変換をする場合について説明する。
【0078】
[1]クロストークによる影響に大きな偏りがある場合
図3、図4、図1を参照しながら、表示装置TRC変換部4の第1の構成例として、表示装置TRC変換部4Aを説明する。
【0079】
図3に示すように、クロストークによる影響に大きな偏りがある場合には、表示装置TRC変換部4Aは、RGB各信号に対応したTRC補正部40Ar,40Ag,40Abにより構成される。TRC補正部40ArにはR信号R2およびB信号B2が、TRC補正部40AgにはR信号R2およびG信号G2が、TRC補正部40AbにはG信号G2およびB信号B2が、それぞれ入力される。ここで、TRC補正部40Ar,40Ag,40Abは、構成および動作が同様であるので、以下、TRC補正部40Agを例に説明する。
【0080】
図4に示すように、TRC補正部40Agは、カウンタ(補正手段)41、演算器(第2の関数手段)42、LUT(Look up Table)(第1の関数手段)43、乗算器(補正手段)44、加算器(補正手段)45、比較演算器(補正手段)46、スイッチ(補正手段)47、遅延器(補正手段)48,49,50を備えて構成されている。なお、図4中のCLOCKの入力線は、図2および図3では省略されている。
【0081】
カウンタ41は、比較演算器46の出力に応じて増分1でカウントアップした信号iを出力する。
【0082】
演算器42は、隣接画素の信号レベルが最小の場合の表示装置13のTRC特性と、隣接画素の信号レベルが最大の場合の表示装置13のTRC特性の差分に近い入出力特性を提供する。例えば、表示装置13が、図12に示した2つの特性を持つ場合、この2つの特性の差分は図13に示す関係となる。これは、近似的には数式(1)で表すことができる。
【0083】
g(x)=a×(x−b)              (1)
ここで、a,bは任意の定数である。数式(1)は加算器と乗算器で簡単に構成できるが、構成の詳細は省略する。
【0084】
LUT43は、隣接画素の信号レベルが最小(基準レベル)の場合のG信号に対するTRC変換を実現する。TRC変換は、TRC特性を実現する変換である。TRC特性は、表示装置13のICCプロファイルに記述されたTRC特性から求められ、LUT43に記録されている。なお、TRC補正部40Arの入出力関係は逆TRC特性を実現するものであるが、内部に配置したLUT43では、通常のTRC変換を行えばよい。
【0085】
そして、LUT43は、入力された信号iに応じて、先頭からi番目のデータを信号fg(i)として出力する。ここでは、LUT43に記録するTRC特性のデータ数は、RGBの各階調数と同じであるとする。
【0086】
比較演算器46は、2値を比較し、大きさが等しい場合に“1”を出力する。比較演算器46の出力は、カウンタ41のリセットトリガおよびスイッチ47の切り替えトリガとなる。
【0087】
スイッチ47は、比較演算器46によりトリガが入力されたときのみ、カウンタ41からの入力値を出力とし、トリガが入力されない場合は同じ値を出力し続ける。
【0088】
なお、図4に示したTRC補正部40Agは、(TRC特性のデータ数)=(LUT43に記述されるデータ数)=(RGB各色の階調数)の条件が成り立つ場合の構成である。ICCプロファイルに記述されているTRC特性のデータ数は、ICCプロファイルの作成者が所定の範囲(例えば、3〜232)で自由に設定できる。よって、例えば24bitRGBであれば、RGB各色の階調数が256階調であるため、LUT43には256個のデータ数が記述されている。また、例えば、LUT43のデータ数が128であるのに対し、RGBの階調数が256である場合には、演算器42の前と、信号iをG信号G3として出力する前(例えば、遅延器48の前)に×2の演算を入れることで対応できる。もちろん、演算器42の前の演算は、演算器42の係数により吸収できる。以上のことは、後述するTRC補正部40Bg(図6)、TRC補正部40Cg(図8)、TRC補正部40Dg(図10)についても同様である。
【0089】
次に、図1を用いて、上記TRC補正部40Agにおける処理の流れを説明する。
【0090】
最初に、TRC補正部40Agはカウンタ41をクリアする(S11)。次に、カウンタ41の出力値iを、演算器42およびLUT43に入力し、それぞれg(i),fg(i)の出力を得る(S12)。ここで、g(i)は数式(1)の演算結果を、fg(i)はG信号に対するTRC変換を示す。
【0091】
次に、ステップS12で得たg(i)に、乗算器44によりR信号R2を乗算し、さらにfg(i)を加算した数式(2)の演算結果とG信号G2とを比較し(S13)、等しくなるまでiを増加しながら(S14)、演算を繰り返す。そして、ステップS13において、数式(2)の演算結果とG信号G2が等しくなったら、そのときのiを出力G3とする(S15)。
【0092】
y=fg(i)+g(i)×R2           (2)
上記の処理は、TRC補正部40Ar,40Abについても同様である。すなわち、TRC補正部40Arの場合は、数式(3)の演算結果とR信号R2を比較して、出力R3を決定する。ここで、fr(i)はR信号に対するTRC変換を示す。
【0093】
y=fr(i)+g(i)×B2           (3)
また、TRC補正部40Abの場合は、数式(4)の演算結果とB信号B2とを比較して、出力B3を決定する。ここで、fb(i)はB信号に対するTRC変換を示す。
【0094】
y=fb(i)+g(i)×G2           (4)
なお、図1では、数式(2)の演算結果とG信号G2が等しくなることを終了条件としているが、これらの2値が完全一致しない場合を考慮して、最も近い2値による補間処理を入れてもよい。
【0095】
また、上記の説明では、G信号に対してR信号の影響が強く、R信号に対してはB信号、B信号に対してはG信号の影響がそれぞれ強い場合を仮定している。この点、G信号に対してB信号、B信号に対してR信号、R信号に対してG信号の影響が強い場合に適用するために、表示装置TRC変換部4Aを上記とは逆に構成することも可能である。
【0096】
上記のように、TRC補正部40Ar,40Ag,40Abでは、簡単のため隣接画素(Rに対するB、Gに対するR、Bに対するG)の信号値を、演算器42の出力にそのまま乗算している。しかし、信号値は輝度を示すのに対し、クロストークは主に画素にかかる電圧に起因する。そこで、隣接画素の信号値に対し、液晶に印加する電圧と出力される輝度の関係を示すV−T特性変換を実現するLUTを用意し、隣接画素の信号値に対応する電圧値を、演算器42の出力に乗算するとさらに高い効果が得られる。このように、隣接画素の信号値をそのまま乗算せず、適宜調節してもよい。
【0097】
また、TRC補正部40Ar,40Ag,40Abでは、簡単のため隣接画素の信号値として、表示装置TRC変換前の信号値R2,G2,B2を入力しているが、変換後の信号値R3,G3,B3を入力してもよい。その場合、変換式は数式(2)〜(4)におけるR2,G2,B2をそれぞれR3,G3,B3としたものとなる。
【0098】
以上、[1]では、クロストークの影響に画素の隣接方向による偏りが大きいことを利用して、特に影響が強い片側についてのみ補正する構成について説明した。クロストークの影響に画素の隣接方向による偏りが大きい場合、影響の小さい側は補正する必要がない。例えば、Gに対するRの影響が大きく、Rを最大レベルにしたときと最小レベルにしたときでGの輝度が1.25倍違うのに対し、Bを変えてもGがほとんど変化しない場合には、B側の補正はする必要がないので、B側の補正分の装置構成を小さくできる。液晶ディスプレイにおいては、電極線が画素の境界付近に配置されている場合があり、[1]は、前述のような極端な偏りが発生しやすいことを考慮した構成である。なお、クロストークによる影響の偏りについては、特許文献1でも触れられている。
【0099】
これに対して、以下、[2]では、クロストークの影響に画素の隣接方向による偏りがあまりなく、両方向のクロストークの影響を考慮した構成について説明する。
【0100】
[2]クロストークによる影響が左右でそれほど差がない場合
図5から図7を参照しながら、表示装置TRC変換部4の第2の構成例として、表示装置TRC変換部4Bについて説明する。
【0101】
図5に示すように、クロストークによる影響に大きな偏りがない場合、すなわち左右両方の影響を考慮しなければならない場合、表示装置TRC変換部4Bは、RGB各信号に対応したTRC補正部40Br,40Bg,40Bbにより構成される。TRC補正部40Br,40Bg,40Bbには、R信号R2、G信号G2、B信号B2がそれぞれ入力される。ここで、TRC補正部40Br,40Bg,40Bbは、構成および動作が同様であるので、以下、TRC補正部40Bgを例に説明する。
【0102】
図6に示すように、TRC補正部40Bgは、カウンタ(補正手段)41、演算器(第2の関数手段)42、LUT(第1の関数手段)43、乗算器(補正手段)44、加算器(補正手段)53、比較演算器(補正手段)54、スイッチ(補正手段)47、遅延器(補正手段)48,49,50、演算器(第3の関数手段)51、乗算器(補正手段)52を備えて構成されている。すなわち、TRC補正部40Bgは、TRC補正部40Ag(図4)と比較して、加算器45の代わりに加算器53を設けるとともに、演算器51および乗算器52を追加した構成である。なお、図6中のCLOCKの入力線は、図5では省略されている。
【0103】
演算器51は、演算器42と同様に、隣接画素の信号レベルが最小の場合の表示装置13のTRC特性と、隣接画素の信号レベルが最大の場合の表示装置13のTRC特性の差分に近い入出力特性を提供する。
【0104】
すなわち、演算器51は、G信号に対するB信号のクロストークの影響を補正するために、隣接するB画素の信号レベルが最小の場合の表示装置13のG信号TRC特性と、隣接するB画素の信号レベルが最大の場合の表示装置13のG信号TRC特性の差分に近い入出力特性を提供する。また、演算器42は、G信号に対するR信号のクロストークの影響を補正するために、隣接するR画素の信号レベルが最小の場合の表示装置13のG信号TRC特性と、隣接するR画素の信号レベルが最大の場合の表示装置13のG信号TRC特性の差分に近い入出力特性を提供する。
【0105】
このように、RGB各信号に対応したTRC補正部40Br,40Bg,40Bbに、それぞれに信号R2,G2,B2を入力する(図5)とともに、演算器51および乗算器52を追加した(図6)構成とすることで、両方の隣接画素の影響を考慮した補正が可能となる。
【0106】
次に、図7を用いて、上記TRC補正部40Bgにおける処理の流れを説明する。
【0107】
最初に、TRC補正部40Bgはカウンタ41をクリアする(S21)。次に、カウンタ41の出力値iを、演算器42,51およびLUT43に入力し、それぞれgr(i),gb(i),fg(i)の出力を得る(S22)。ここで、gr(i)およびgb(i)は数式(1)の演算結果を、fg(i)はG信号に対するTRC変換を示す。
【0108】
次に、ステップS22で得たgr(i)にR信号R2を乗算し、gb(i)にB信号B2を乗算し、さらに2つの乗算結果にfg(i)を加算した数式(5)の演算結果とG信号G2とを比較し(S23)、等しくなるまでiを増加しながら(S24)、演算を繰り返す。そして、ステップS23において、数式(5)の演算結果とG信号G2が等しくなったら、そのときのiを出力G3とする(S25)。
【0109】
y=fg(i)+gr(i)×R2+gb(i)×B2 (5)
上記の処理は、TRC補正部40Br,40Bbについても同様である。すなわち、TRC補正部40Brの場合は、数式(6)の演算結果とR信号R2を比較して、出力R3を決定する。ここで、fr(i)はR信号に対するTRC変換を示す。
【0110】
y=fr(i)+gg(i)×G2+gb(i)×B2 (6)
また、TRC補正部40Bbの場合は、数式(7)の演算結果とB信号B2とを比較して、出力B3を決定する。ここで、fb(i)はB信号に対するTRC変換を、gg(i)は数式(1)の演算結果を示す。
【0111】
y=fb(i)+gr(i)×R2+gg(i)×G2 (7)
なお、図7では、数式(5)の演算結果とG信号G2が等しくなることを終了条件としているが、これらの2値が完全一致しない場合を考慮して、最も近い2値による補間処理を入れてもよい。
【0112】
上記のTRC補正部40A,40Bでは、隣接画素の信号レベルが最小の時のTRC特性を記述したICCプロファイルファイルからTRC特性を求め、LUT43に記録する。しかし、TRC補正部40A,40Bの加算器11を減算器に置き換えることで、隣接画素の信号レベルが最大の時のTRC特性を記述したICCプロファイルファイルを使用することもできる。
【0113】
また、TRC補正部40A,40Bでは、処理量や構成要素を少なくするために、隣接画素の信号レベルが最大あるいは最小のTRC特性を実現するLUT1つに対し、演算器を1つあるいは2つ割り当てて実現している。しかし、任意のTRC特性に対し、該TRC特性と、最大および最小のTRC特性との差分を出力する演算器を2つあるいは4つ割り当てることでも、同様の効果が得られる。
【0114】
また、TRC補正部40A,40Bでは、演算器42および51による演算として数式(1)を例に説明したが、さらに精度を高める、あるいは構成を簡略化するために、例えばxの3次式とするなど、数式(1)以外の演算を行ってもよい。
【0115】
[1]と同様、[2]では、簡単のため隣接画素の信号値を、演算器42および51の出力にそのまま乗算しているが、隣接画素の信号値をそのまま乗算せず、適宜調節してもよい。また、簡単のため隣接画素の信号値として、表示装置TRC変換前の信号値を入力しているが、変換後の信号値を入力してもよい。その場合、変換式は(5)〜(7)式におけるR2、B2、G2をそれぞれR3、B3、G3としたものとなる。
【0116】
つづいて、[3][4]に、隣接画素の信号レベルが最大の場合と最小の場合の2種類のTRC特性を記述したICCプロファイルファイル1つ、あるいは各TRC特性を記述した2種類のICCプロファイルファイルから、2種類のTRC特性を持つLUTを参照して、隣接画素の信号レベルの変化に応じたTRC変換をする場合について説明する。
【0117】
[3]クロストークによる影響に大きな偏りがある場合
図3、図8、図9を参照しながら、表示装置TRC変換部4の第3の構成例として、表示装置TRC変換部4Cについて説明する。
【0118】
図3に示すように、クロストークによる影響に大きな偏りがある場合には、表示装置TRC変換部4Cは、RGB各信号に対応したTRC補正部40Cr,40Cg,40Cbにより構成される。TRC補正部40CrにはR信号R2およびB信号B2が、TRC補正部40CgにはR信号R2およびG信号G2が、TRC補正部40CbにはG信号G2およびB信号B2が、それぞれ入力される。ここで、TRC補正部40Cr,40Cg,40Cbは、構成および動作が同様であるので、以下、TRC補正部40Cgを例に説明する。
【0119】
図8に示すように、TRC補正部40Cgは、カウンタ(補正手段)41、LUT61、減算器(補正手段)62、乗算器(補正手段)63、加算器(補正手段)64、LUT(第1の関数手段)43、比較演算器(補正手段)46、スイッチ(補正手段)47、遅延器(補正手段)48,49,50を備えて構成されている。すなわち、TRC補正部40Cgは、TRC補正部40Ag(図4)と比較して、演算器42、乗算器44、加算器45の代わりに、LUT61、減算器62、乗算器63、加算器64を設けた構成である。なお、図8中のCLOCKの入力線は、図3では省略されている。
【0120】
LUT61は、隣接画素の信号レベルが最大の場合の、G信号に対するTRC変換を実現する。LUT43は、隣接画素の信号レベルが最小の場合の、G信号に対するTRC変換を実現する。例えば、表示装置13が、図12に示したTRC特性を示す場合、LUT61,43の入出力は、図14に示す特性に従う。TRC変換の特性は、表示装置13のICCプロファイルに記述されたTRC特性から求められ、LUT61,43に記録されている。
【0121】
比較演算器46は、入力される2値を比較し、等しければ“1”を出力する。比較演算器46の出力は、カウンタ41のリセットトリガおよびスイッチ47の切り替えトリガとなる。
【0122】
スイッチ47は、比較演算器46によりトリガが入力されたときのみ、カウンタ41からの入力値を出力とし、トリガが入力されない場合は同じ値を出力し続ける。
【0123】
次に、図9を用いて、上記TRC補正部40Cgにおける処理の流れを説明する。
【0124】
最初に、TRC補正部40Cgはカウンタ41をクリアする(S31)。次に、カウンタ41の出力値iを、LUT61,43に入力し、それぞれfmaxg(i)、fming(i)の出力を得る(S32)。ここで、fmaxg(i)は隣接画素の信号レベルが最大のときのG信号に対するTRC変換を、fming(i)は隣接画素の信号レベルが最小のときのG信号に対するTRC変換を示す。
【0125】
次に、ステップS32で得たfmaxg(i)とfming(i)との差にR2を乗算し、さらにfming(i)を加算した数式(8)の演算結果とG信号G2とを比較し(S33)、等しくなるまでiを増加しながら(S34)、演算を繰り返す。そして、数式(8)の演算結果とG信号G2が等しくなったら、そのときのiを出力G3とする(S35)。
【0126】
y=fmaxg(i)×R2+fming(i)×(1−R2) (8)
上記の処理は、TRC補正部40Cr,40Cbについても同様である。すなわち、TRC補正部40Crの場合は、数式(9)の演算結果とR信号R2を比較して、出力R3を決定する。ここで、fmaxr(i)は隣接画素の信号レベルが最大のときのR信号に対するTRC変換を、fminr(i)は隣接画素の信号レベルが最小のときのR信号に対するTRC変換を示す。
【0127】
y=fmaxr(i)×B2+fminr(i)×(1−B2) (9)
また、TRC補正部40Cbの場合は、数式(10)の演算結果とB信号B2とを比較して、出力B3を決定する。ここで、fmaxb(i)は隣接画素の信号レベルが最大のときのB信号に対するTRC変換を、fminb(i)は隣接画素の信号レベルが最小のときのB信号に対するTRC変換を示す。
【0128】
y=fmaxb(i)×G2+fminb(i)×(1−G2) (10)
なお、図9では、数式(8)の演算結果とG信号G2が等しくなることを終了条件としているが、これらの2値が完全一致しない場合を考慮して、最も近い2値による補間処理を入れてもよい。
【0129】
また、上記の説明では、G信号に対してR信号の影響が強く、R信号に対してはB信号、B信号に対してはG信号の影響がそれぞれ強い場合を仮定している。この点、G信号に対してB信号、B信号に対してR信号、R信号に対してG信号の影響が強い場合に適用するために、表示装置TRC変換部4Cを上記とは逆に構成することも可能である。
【0130】
[1]と同様、[3]では、簡単のため隣接画素の信号値を、減算器62の出力にそのまま乗算しているが、隣接画素の信号値をそのまま乗算せず、適宜調節してもよい。また、本実施例では簡単のため隣接画素の信号値として、表示装置TRC変換前の信号値を入力しているが、変換後の信号値を入力してもよい。その場合、変換式は(8)〜(10)式におけるR2、B2、G2をそれぞれR3、B3、G3としたものとなる。
【0131】
[4]クロストークによる影響が左右でそれほど差がない場合
図5、図10、図11を参照しながら、表示装置TRC変換部4の第4の構成例として、表示装置TRC変換部4Dについて説明する。
【0132】
図5に示すように、クロストークによる影響にそれほど偏りがない場合、すなわち左右両方の影響を考慮しなければならない場合、表示装置TRC変換部4Dは、RGB各信号に対応したTRC補正部40Dr,40Dg,40Dbにより構成される。TRC補正部40Dr,40Dg,40Dbには、R信号R2、G信号G2、B信号D2がそれぞれ入力される。ここで、TRC補正部40Dr,40Dg,40Dbは、構成および動作が同様であるので、以下、TRC補正部40Dgを例に説明する。
【0133】
図10に示すように、TRC補正部40Dgは、カウンタ(補正手段)41、LUT61、減算器(補正手段)62、乗算器(補正手段)63、LUT(第1の関数手段)43、LUT71、減算器(補正手段)72、乗算器(補正手段)73、加算器(補正手段)74、比較演算器(補正手段)46、スイッチ(補正手段)47、遅延器(補正手段)48,49,50を備えて構成されている。すなわち、TRC補正部40Dgは、TRC補正部40Cg(図6)と比較して、加算器64の代わりに加算器74を設けるとともに、LUT71、減算器72、乗算器73を追加した構成である。なお、図10中のCLOCKの入力線は、図5では省略されている。
【0134】
LUT61は、隣接画素のR信号レベルが最大でB信号レベルが最小ときのG信号に対するTRC変換を実現する。LUT71は、隣接画素のB信号レベルが最大でR信号レベルが最小ときのG信号に対するTRC変換を実現する。LUT43は、両隣接画素のR信号およびB信号レベルがともに最小のときのG信号に対するTRC変換を実現する。
【0135】
このように、RGB各信号に対応したTRC補正部40Dr,40Dg,40Dbに、それぞれに信号R2,G2,B2を入力する(図5)とともに、LUT71、減算器72、乗算器73を追加した(図10)構成とすることで、両方の隣接画素の影響を考慮した補正が可能となる。
【0136】
次に、図11を用いて、上記TRC補正部40Dgにおける処理の流れを説明する。
【0137】
最初に、TRC補正部40Dgはカウンタ41をクリアする(S41)。次に、カウンタ41の出力値iを、LUT61,43,71に入力し、それぞれfmaxgr(i),fming(i),fmaxgb(i)の出力を得る(S42)。ここで、fmaxgr(i)はR信号が最大でB信号が最小ときのG信号に対するTRC変換を、fming(i)は両隣接画素の信号レベルが最小のときのG信号に対するTRC変換を、fmaxgb(i)はB信号が最大でR信号が最小のときのG信号に対するTRC変換を示す。
【0138】
次に、ステップS42で得たfmaxgr(i)とfming(i)との差にR信号R2を乗算し、fmaxgb(i)とfming(i)のと差にB信号B2を乗算し、さらに、これらの2値とfming(i)とを加算した数式(11)の演算結果とG信号G2とを比較し(S43)、等しくなるまでiを増加しながら(S44)、演算を繰り返す。そして、ステップS23において、数式(11)の演算結果とG信号G2が等しくなったら、そのときのiを出力G3とする(S45)。
【0139】
y=fmaxgr(i)×R2+fmaxgb(i)×B2
+fming(i)×(1−R2−B2)      (11)
上記の処理は、TRC補正部40Dr,40Dbについても同様である。すなわち、TRC補正部40Drの場合は、数式(12)の演算結果とR信号R2とを比較して、出力R3を決定する。ここで、数式(12)におけるfmaxrg(i)はG信号が最大でB信号が最小の場合のR信号のTRC特性を、fmaxrb(i)はB信号が最大でG信号が最小の場合のR信号のTRC特性を、fminr(i)は両隣接画素の信号レベルが最小の場合のR信号のTRC特性を示す。
【0140】
y=fmaxrg(i)×G2+fmaxrb(i)×B2
+fminr(i)×(1−G2−B2)      (12)
また、TRC補正部40Dbの場合は、数式(13)の演算結果とB信号B2とを比較して、出力B3を決定する。ここで、式(13)におけるfmaxbr(i)はR信号が最大でG信号が最小の場合のB信号のTRC特性を、fmaxbg(i)はG信号が最大でR信号が最小の場合のB信号のTRC特性を、fminb(i)は両隣接画素の信号レベルが最小の場合のB信号のTRC特性を示す。
【0141】
y=fmaxbr(i)×R2+fmaxbg(i)×G2
+fminb(i)×(1−R2−G2)      (13)
なお、図11では、数式(11)の演算結果とG信号G2が等しくなることを終了条件としているが、これらの2値が完全一致しない場合を考慮して、最も近い2値による補間処理を入れてもよい。
【0142】
[1]と同様、[4]では、簡単のため隣接画素の信号値を、減算器62および72の出力にそのまま乗算しているが、隣接画素の信号値をそのまま乗算せず、適宜調節してもよい。また、簡単のため隣接画素の信号値として、表示装置TRC変換前の信号値を入力しているが、変換後の信号値を入力してもよい。その場合、変換式は(11)〜(13)式におけるR2、B2、G2をそれぞれR3、B3、G3としたものとなる。
【0143】
以上のように、[1]〜[4]で説明した表示装置TRC変換部4A〜4Dによれば、隣接画素の影響を考慮した補正を行うことができる。よって、カラー液晶表示装置におけるクロストークによるTRC特性変動の影響を軽減し、カラーマネジメントシステムによる色再現の精度を向上させることができる。さらに、従来の手法に比較し、LUTサイズを小さくすることができ、メモリが節約できるとともに、LUTに記述されるデータが少なくなるため、データの作成が容易になる。
【0144】
また、[1]〜[4]では、LUT43,61,71に記録するTRC特性のデータ数がRGB各階調数と同じ場合について説明したが、これらのデータ数および階調数は任意に設定できる。具体的には、例えば、演算器42の前と、遅延器48の前からG3出力までの間に、階調数/データ数を乗算する演算器を入れることで、任意のデータ数、階調数に対応可能である。
【0145】
つぎに、図15を参照しながら、表示装置TRC変換部4A〜4Dのいずれかを含む色補正装置12を利用した画像表示システム90について説明する。
【0146】
画像表示システム90は、インターネット網93、それに接続するサーバ94およびクライアント91、サーバ94に内蔵されたハードディスク装置95、クライアント91のディスプレイ92から構成される。画像表示システム90において、クライアント91は、インターネット網93を介して、サーバ94にある画像データをダウンロードし、ディスプレイ92に表示する。ここで、クライアント91は、色補正装置12としての機能を備えている。
【0147】
画像表示システム90の動作は以下のとおりである。すなわち、最初に、クライアント91が、画像データのリクエストを、インターネット網93を経由して、サーバ94に送信する。次に、サーバ94が、リクエストされた画像データ96をハードディスク装置95から検索し、画像データ96のICCプロファイル97を添付してクライアント91に送信する。
【0148】
次に、クライアント91では、受信した画像データ96に添付されたICCプロファイル97と、クライアント91であらかじめ保持しているディスプレイ92用のディスプレイICCプロファイル98とに基づいて、クライアント91内部のCPUまたは専用のグラフィックボード等が色補正装置12として、本実施の形態において上述した色補正を行い、画像データ96を作成者が意図したものに近い色でディスプレイ92に表示する。なお、ディスプレイICCプロファイル98には、RGBのTRC特性と、RGB信号値をXYZ値に変換するマトリクスが記述されている。
【0149】
なお、本実施の形態では、[1]において、TRC補正部40Ar,40Ag,40Ab(図4)をハードウェアで構成する場合について説明したが、ソフトウェアで実現してもよい。ソフトウェアで実現する場合も、処理の流れは図1のフローチャートで表される。また、[2]において、TRC補正部40Br,40Bg,40Bb(図6)をハードウェアで構成する場合について説明したが、ソフトウェアで実現してもよい。ソフトウェアで実現する場合も、処理の流れは図7のフローチャートで表される。また、[3]において、TRC補正部40Cr,40Cg,40Cb(図8)をハードウェアで構成する場合について説明したが、ソフトウェアで実現してもよい。ソフトウェアで実現する場合も、処理の流れは図9のフローチャートで表される。また、[4]において、TRC補正部40Dr,40Dg,40Db(図10)をハードウェアで構成する場合について説明したが、ソフトウェアで実現してもよい。ソフトウェアで実現する場合も、処理の流れは図11のフローチャートで表される。なお、[1]〜[4]において、TRC補正部40A〜40Dをハードウェアで構成する場合、上記処理を行うものであれば適宜変更可能である。
【0150】
また、色補正装置12は、上記RAM等により、ディスプレイICCプロファイル98を記録媒体等から取得して、TRC特性をTRC補正部40A〜40Dに設定する機能を有する。
【0151】
さらに、色補正装置12の各ブロックは、以下のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0152】
すなわち、色補正装置12は、各機能を実現する色補正プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit )、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである色補正プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記色補正装置12に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。この場合、記録媒体から読み出されたプログラムコード自体が上述した機能を実現することになり、そのプログラムコードを記録した記録媒体は本発明を構成することになる。同様に、ディスプレイICCプロファイル98を記録した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0153】
よって、本明細書において、手段とは必ずしも物理的手段を意味するものではなく、各手段の機能がソフトウェアによって実現される場合も包含する。さらに、一つの手段の機能が、二つ以上の物理的手段により実現されても、もしくは、二つ以上の手段の機能が、一つの物理的手段により実現されてもよい。
【0154】
上記プログラムコードおよびディスプレイICCプロファイル(以下、「プログラムコード等」と記す。)を供給するための記録媒体は、システムあるいは装置と分離可能に構成することができる。また、上記記録媒体は、プログラムコード等を供給可能であるように固定的に担持する媒体であってもよい。そして、上記記録媒体は、記録したプログラムコード等をコンピュータが直接読み取ることができるようにシステムあるいは装置に装着されるものであっても、外部記憶装置としてシステムあるいは装置に接続されたプログラム読み取り装置を介して読み取ることができるように装着されるものであってもよい。
【0155】
例えば、上記記録媒体としては、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0156】
また、上記プログラムコード等は、コンピュータが記録媒体から読み出して直接実行できるように記録されていてもよいし、記録媒体から主記憶のプログラム記憶領域へ転送された後コンピュータが主記憶から読み出して実行できるように記録されていてもよい。
【0157】
さらに、システムあるいは装置を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコード等を通信ネットワークを介して供給してもよい。そして、通信ネットワークとしては、特に限定されず、具体的には、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、具体的には、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、プログラムコード等を記録媒体から読み出して主記憶に格納するためのプログラム、および、通信ネットワークからプログラムコードをダウンロードするためのプログラムは、コンピュータによって実行可能にあらかじめシステムあるいは装置に格納されているものとする。
【0158】
上述した機能は、コンピュータが読み出した上記プログラムコードを実行することによって実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOSなどが実際の処理の一部または全部を行うことによっても実現される。
【0159】
さらに、上述した機能は、上記記録媒体から読み出された上記プログラムコード等が、コンピュータに装着された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコード等の指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行うことによっても実現される。
【0160】
本実施の形態に係る色補正方法(カラーマッチング方法)は、隣接画素間で、少なくとも電気的あるいは光学的いずれかのクロストークが発生する表示装置に対し、隣接画素の信号レベルが高い場合は、隣接画素の信号レベルが低い場合に比較して、補正対象の画素の信号レベルを低くすることで該表示装置のクロストークの影響を低減する色補正方法であって、前記補正対象の画素の信号レベルを、隣接画素の信号レベルがほぼ一定の場合の該補正対象画素のTRC特性と、所定の関数による演算結果との和または差によって決定する方法であってもよい。
【0161】
さらに、上記色補正方法は、前記所定の関数が、補正対象画素の信号レベルの2次関数であってもよい。
【0162】
さらに、上記色補正方法は、前記TRC特性が、隣接画素の信号レベルがほぼ最大またはほぼ最小の場合の該補正対象画素のTRC特性であってもよい。
【0163】
本実施の形態に係る色補正方法は、隣接画素間で、少なくとも電気的あるいは光学的いずれかのクロストークが発生する表示装置に対し、隣接画素の信号レベルが高い場合は、隣接画素の信号レベルが低い場合に比較して、補正対象の画素の信号レベルを低くすることで該表示装置のクロストークの影響を低減する色補正方法であって、前記補正対象の画素の信号レベルは、隣接画素の信号レベルの異なる、少なくとも2通りの該補正対象画素のTRC特性により決定する方法であってもよい。
【0164】
さらに、上記色補正方法は、前記少なくとも2通りのTRC特性は、隣接画素の信号レベルがほぼ最大の場合およびほぼ最小の場合の2種類のTRC特性であってもよい。
【0165】
本実施の形態に係る色補正装置(カラーマネジメントシステム)は、上記色補正方法を用いたものである。
【0166】
本実施の形態に係るICCプロファイルの設定方法は、カラー表示装置のR、G、Bの各チャネル毎に、前記隣接画素の信号レベルがほぼ最大の場合およびほぼ最小の場合の2種類のTRC特性を記述する方法であってもよい。
【0167】
本実施の形態に係る色補正装置は、隣接画素間で、少なくとも電気的あるいは光学的いずれかのクロストークが発生する表示装置に対する色補正装置であって、表示装置の特性に従ったR,G,Bの各チャネル毎のTRC変換を行うTRC補正手段を有し、前記TRC補正手段は、他の1チャネルまたは2チャネルの信号レベルがほぼ一定の条件における補正対象チャネルのTRC特性を実現するLUTと、クロストークによるTRC特性の誤差を計算する演算器とを有して構成されていてもよい。
【0168】
さらに、上記色補正装置は、前記演算器が、前記補正対象チャネルの信号レベルの2次演算を実現するものであってもよい。
【0169】
さらに、上記色補正装置は、前記TRC特性が、他の1チャネルまたは2チャネルの信号レベルがほぼ最大またはほぼ最小であってもよい。
【0170】
本実施の形態に係る色補正装置は、隣接画素間で、少なくとも電気的あるいは光学的いずれかのクロストークが発生する表示装置に対する色補正装置であって、R,G,Bの各チャネル毎に表示装置の特性に従ったTRC変換を行うTRC補正手段を有し、前記TRC補正手段は、他の1チャネルまたは2チャネルの信号レベルがほぼ最大の条件における補正対象チャネルのTRC特性を実現する第一のLUTと、他の1チャネルまたは2チャネルの信号レベルがほぼ最小の条件における補正対象チャネルのTRC特性を実現する第二のLUTとを有する構成であってもよい。
【0171】
さらに、上記色補正装置は、前記TRC補正手段は、前記2つのLUT出力の差分と隣接画素の信号レベルの積を、前記第二のLUT出力に加算した値を出力とするものであってもよい。
【0172】
【発明の効果】
以上のように、本発明の色補正装置は、隣接画素の信号レベルがほぼ一定の基準レベルである場合の補正対象画素のTRC特性を表す関数F1を実現する第1の関数手段と、隣接画素の信号が補正対象画素に与える影響を補正対象画素の信号レベルに応じて上記TRC特性から取り消す補正量を表す関数F2を実現する第2の関数手段と、上記の第1の関数手段および第2の関数手段を用いて、補正対象画素の補正前の信号レベル、および、隣接画素の補正前あるいは補正後の信号レベルに基づき、補正対象画素の補正後の信号レベルを得る補正手段と、を具備する構成である。
【0173】
本発明の色補正装置は、例えば、上記補正手段を、上記補正対象画素の補正前の信号レベルをc0、上記隣接画素の補正前あるいは補正後の信号レベルをdとするとき、F1(c1)+F2(c1)×d=c0、を満たすように、補正対象画素の補正後の信号レベルc1を得るものとして構成できる。
【0174】
また、本発明の色補正方法は、隣接画素の信号レベルがほぼ一定の基準レベルである場合の補正対象画素のTRC特性を表す関数をF1、隣接画素の信号が補正対象画素に与える影響を補正対象画素の信号レベルに応じて上記TRC特性から取り消す補正量を表す関数をF2とするとき、上記の関数F1および関数F2を用いて、補正対象画素の補正前の信号レベル、および、隣接画素の補正前あるいは補正後の信号レベルに基づき、補正対象画素の補正後の信号レベルを得る方法である。
【0175】
本発明の色補正方法は、例えば、上記補正対象画素の補正前の信号レベルをc0、上記隣接画素の補正前あるいは補正後の信号レベルをdとするとき、F1(c1)+F2(c1)×d=c0、を満たすように、補正対象画素の補正後の信号レベルc1を得る方法として構成できる。
【0176】
それゆえ、上記の色補正装置および色補正方法によれば、隣接画素間で電気的あるいは光学的なクロストークが隣接する方向によって大きく偏って発生する表示装置について、影響が大きい方の隣接画素の信号レベルの変化に応じてTRC特性を補正することにより、隣接画素の影響を考慮した最適なTRC特性を得ることができる。その結果、クロストークの影響を低減して、色再現の精度を向上させることが可能となる。
【0177】
したがって、例えば液晶表示装置のように、隣接画素との電気的・光学的クロストークによりTRC特性が変動する場合であっても、ICCプロファイルによる正確な色再現が可能となる。そして、既存のツールにより作成や書き換えが容易なICCプロファイルを使用できるため、個体差や経時変化の影響の制御に適している。すなわち、クロストークの影響をあらかじめ固定的に制御することが困難な表示装置であっても、ユーザによって個別に調整することが可能となるという効果を奏する。また、LUTのサイズを小さくでき、メモリが節約できるとともに、データの作成が容易になるという効果を奏する。
【0178】
さらに、本発明の色補正装置は、上記関数F1は、隣接画素の信号レベルがほぼ最大またはほぼ最小の場合の補正対象画素のTRC特性であり、上記関数F2は、上記2つのTRC特性の差分である構成である。
【0179】
それゆえ、さらに、演算式やLUTの作成および実装が容易であるという効果を奏する。
【0180】
本発明の色補正装置は、2つの隣接画素の信号レベルがともにほぼ一定の基準レベルである場合の補正対象画素のTRC特性を表す関数F1を実現する第1の関数手段と、一方の隣接画素の信号が補正対象画素に与える影響を補正対象画素の信号レベルに応じて上記TRC特性から取り消す補正量を表す関数F2を実現する第2の関数手段と、他方の隣接画素の信号が補正対象画素に与える影響を補正対象画素の信号レベルに応じて上記TRC特性から取り消す補正量を表す関数F3を実現する第3の関数手段と、上記の第1の関数手段、第2の関数手段、および第3の関数手段を用いて、補正対象画素の補正前の信号レベル、および、隣接画素の補正前あるいは補正後の信号レベルに基づき、補正対象画素の補正後の信号レベルを得る補正手段と、を具備する構成である。
【0181】
本発明の色補正装置は、例えば、上記補正手段を、上記補正対象画素の補正前の信号レベルをc0、上記2つの隣接画素の補正前あるいは補正後の信号レベルをそれぞれd,eとするとき、F1(c1)+F2(c1)×d+F3(c1)×e=c0、を満たすように、補正対象画素の補正後の信号レベルc1を得るものとして構成できる。
【0182】
また、本発明の色補正方法は、2つの隣接画素の信号レベルがともにほぼ一定の基準レベルである場合の補正対象画素のTRC特性を表す関数をF1、一方の隣接画素の信号が補正対象画素に与える影響を補正対象画素の信号レベルに応じて上記TRC特性から取り消す補正量を表す関数をF2、他方の隣接画素の信号が補正対象画素に与える影響を補正対象画素の信号レベルに応じて上記TRC特性から取り消す補正量を表す関数をF3とするとき、上記の関数F1、関数F2、および関数F3を用いて、補正対象画素の補正前の信号レベル、および、2つの隣接画素の補正前あるいは補正後の信号レベルに基づき、補正対象画素の補正後の信号レベルを得る方法である。
【0183】
本発明の色補正方法は、例えば、上記補正対象画素の補正前の信号レベルをc0、上記2つの隣接画素の補正前あるいは補正後の信号レベルをそれぞれd,eとするとき、F1(c1)+F2(c1)×d+F3(c1)×e=c0、を満たすように、補正対象画素の補正後の信号レベルc1を得る方法として構成できる。
【0184】
それゆえ、上記の色補正装置および色補正方法によれば、隣接画素間で電気的あるいは光学的なクロストークが隣接する方向によってあまり偏ることなく発生する表示装置について、両側の隣接画素の信号レベルの変化に応じてTRC特性を補正することにより、隣接画素の影響を考慮した最適なTRC特性を得ることができる。その結果、クロストークの影響を低減して、色再現の精度を向上させることが可能となる。
【0185】
したがって、例えば液晶表示装置のように、隣接画素との電気的・光学的クロストークによりTRC特性が変動する場合であっても、ICCプロファイルによる正確な色再現が可能となる。そして、既存のツールにより作成や書き換えが容易なICCプロファイルを使用できるため、個体差や経時変化の影響の制御に適している。すなわち、クロストークの影響をあらかじめ固定的に制御することが困難な表示装置であっても、ユーザによって個別に調整することが可能となるという効果を奏する。また、LUTのサイズを小さくでき、メモリが節約できるとともに、データの作成が容易になるという効果を奏する。
【0186】
さらに、本発明の色補正装置は、上記関数F1は、2つの隣接画素の信号レベルがほぼ最大またはほぼ最小の場合の補正対象画素のTRC特性であり、上記関数F2は、他方の隣接画素の信号レベルがほぼ最小である場合において、一方の隣接画素の信号レベルがほぼ最大およびほぼ最小の場合の補正対象画素のTRC特性の差分であり、上記関数F3は、一方の隣接画素の信号レベルがほぼ最小である場合において、他方の隣接画素の信号レベルがほぼ最大およびほぼ最小の場合の補正対象画素のTRC特性の差分である構成である。
【0187】
それゆえ、さらに、演算式やLUTの作成および実装が容易であるという効果を奏する。
【0188】
また、本発明の色補正プログラムは、コンピュータを上記の各手段として機能させるコンピュータ・プログラムである。
【0189】
それゆえ、コンピュータで上記色補正装置の各手段を実現することによって、上記色補正装置を実現することができる。したがって、クロストークの影響を低減して、色再現の精度を向上させることが可能となるという効果を奏する。また、LUTが占めるメモリ領域を小さくできるという効果を奏する。
【0190】
また、本発明の色補正プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、上記の各手段をコンピュータに実現させて、上記色補正装置を動作させる色補正プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0191】
それゆえ、上記記録媒体から読み出された色補正プログラムによって、上記色補正装置をコンピュータ上に実現することができる。
【0192】
本発明のICCプロファイルは、カラー表示装置のR、G、Bの各チャネル毎に、隣接画素の信号レベルがほぼ最大の場合および最小の場合の2種類のTRC特性が記述されている構成である。
【0193】
また、本発明のICCプロファイルの設定方法は、カラー表示装置のR、G、Bの各チャネル毎に、隣接画素の信号レベルがほぼ最大の場合および最小の場合の2種類のTRC特性を記述する方法である。
【0194】
また、本発明のICCプロファイルを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、上記ICCプロファイルをコンピュータ読み取り可能に記録している記録媒体である。
【0195】
それゆえ、上記ICCプロファイルを利用すれば、上述した色補正装置に隣接画素の信号レベルがほぼ最大またはほぼ最小の場合の補正対象画素のTRC特性(関数F1)と、最大の場合のTRC特性と最小の場合のTRC特性との差分(関数F2,F3)とを設定できる。
【0196】
したがって、上記のようにTRC特性が設定された色補正装置により、補正手段の関係式に従い、関数F1から、隣接画素の信号レベルに応じて調整した関数F2,F3をクロストークによる誤差として取り消して、補正対象画素の補正後の信号レベルを得ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図4に示したTRC補正部におけるTRC補正処理の概略を示すフローチャートである。
【図2】本発明の一実施の形態に係る色補正装置の構成の概略を示す機能ブロック図である。
【図3】図2に示した色補正装置が備える表示装置TRC変換部の一構成の概略を示す機能ブロック図である。
【図4】図3に示した表示装置TRC変換部が備えるTRC補正部の一構成の概略を示すブロック図である。
【図5】図2に示した色補正装置が備える表示装置TRC変換部の他の構成の概略を示す機能ブロック図である。
【図6】図5に示した表示装置TRC変換部が備えるTRC補正部の一構成の概略を示すブロック図である。
【図7】図6に示したTRC補正部におけるTRC補正処理の概略を示すフローチャートである。
【図8】図3に示した表示装置TRC変換部が備えるTRC補正部の他の構成の概略を示すブロック図である。
【図9】図8に示したTRC補正部におけるTRC補正処理の概略を示すフローチャートである。
【図10】図5に示した表示装置TRC変換部が備えるTRC補正部の他の構成の概略を示すブロック図である。
【図11】図10に示したTRC補正部におけるTRC補正処理の概略を示すフローチャートである。
【図12】隣接画素の影響によるTRC特性の変化の一例を示すグラフである。
【図13】図12に示した2つのTRC特性の差分を示すグラフである。
【図14】図12に示したTRC特性の逆特性を示すグラフである。
【図15】図2に示した色補正装置を利用した画像表示システムの概略を示す説明図である。
【図16】従来の技術に係る色補正装置の構成の概略を示す機能ブロック図である。
【図17】図16に示した色補正装置が備える表示装置TRC変換部の構成の概略を示す機能ブロック図である。
【図18】ICCプロファイルに記述されたTRC特性の一例を示すグラフである。
【図19】図18に示したTRC特性の逆特性を示すグラフである。
【符号の説明】
12  色補正装置
41  カウンタ(補正手段)
42  演算器(第2の関数手段)
43  LUT(第1の関数手段)
44,52,63,73  乗算器(補正手段)
45,53,64,74  加算器(補正手段)
46  比較演算器(補正手段)
47  スイッチ(補正手段)
48,49,50  遅延器(補正手段)
51  演算器(第3の関数手段)
62,72  減算器(補正手段)
98  ディスプレイICCプロファイル(ICCプロファイル)
fg,fming,fmaxg  第1の関数(F1)
g,gr    第2の関数(F2)
gb    第3の関数(F3)
R2,G2,B2  補正前の信号レベル(c0,d,e)
R3,G3,B3  補正後の信号レベル(c1)

Claims (15)

  1. 隣接画素の信号レベルがほぼ一定の基準レベルである場合の補正対象画素のTRC特性を表す関数F1を実現する第1の関数手段と、
    隣接画素の信号が補正対象画素に与える影響を補正対象画素の信号レベルに応じて上記TRC特性から取り消す補正量を表す関数F2を実現する第2の関数手段と、
    上記の第1の関数手段および第2の関数手段を用いて、補正対象画素の補正前の信号レベル、および、隣接画素の補正前あるいは補正後の信号レベルに基づき、補正対象画素の補正後の信号レベルを得る補正手段と、を具備することを特徴とする色補正装置。
  2. 上記補正手段は、上記補正対象画素の補正前の信号レベルをc0、上記隣接画素の補正前あるいは補正後の信号レベルをdとするとき、
    F1(c1)+F2(c1)×d=c0
    を満たすように、補正対象画素の補正後の信号レベルc1を得るものであることを特徴とする請求項1に記載の色補正装置。
  3. 上記関数F1は、隣接画素の信号レベルがほぼ最大またはほぼ最小の場合の補正対象画素のTRC特性であり、
    上記関数F2は、上記2つのTRC特性の差分であることを特徴とする請求項1または2に記載の色補正装置。
  4. 2つの隣接画素の信号レベルがともにほぼ一定の基準レベルである場合の補正対象画素のTRC特性を表す関数F1を実現する第1の関数手段と、
    一方の隣接画素の信号が補正対象画素に与える影響を補正対象画素の信号レベルに応じて上記TRC特性から取り消す補正量を表す関数F2を実現する第2の関数手段と、
    他方の隣接画素の信号が補正対象画素に与える影響を補正対象画素の信号レベルに応じて上記TRC特性から取り消す補正量を表す関数F3を実現する第3の関数手段と、
    上記の第1の関数手段、第2の関数手段、および第3の関数手段を用いて、補正対象画素の補正前の信号レベル、および、隣接画素の補正前あるいは補正後の信号レベルに基づき、補正対象画素の補正後の信号レベルを得る補正手段と、を具備することを特徴とする色補正装置。
  5. 上記補正手段は、上記補正対象画素の補正前の信号レベルをc0、上記2つの隣接画素の補正前あるいは補正後の信号レベルをそれぞれd,eとするとき、
    F1(c1)+F2(c1)×d+F3(c1)×e=c0
    を満たすように、補正対象画素の補正後の信号レベルc1を得るものであることを特徴とする請求項4に記載の色補正装置。
  6. 上記関数F1は、2つの隣接画素の信号レベルがほぼ最大またはほぼ最小の場合の補正対象画素のTRC特性であり、
    上記関数F2は、他方の隣接画素の信号レベルがほぼ最小である場合において、一方の隣接画素の信号レベルがほぼ最大およびほぼ最小の場合の補正対象画素のTRC特性の差分であり、
    上記関数F3は、一方の隣接画素の信号レベルがほぼ最小である場合において、他方の隣接画素の信号レベルがほぼ最大およびほぼ最小の場合の補正対象画素のTRC特性の差分である、ことを特徴とする請求項4または5に記載の色補正装置。
  7. 隣接画素の信号レベルがほぼ一定の基準レベルである場合の補正対象画素のTRC特性を表す関数をF1、
    隣接画素の信号が補正対象画素に与える影響を補正対象画素の信号レベルに応じて上記TRC特性から取り消す補正量を表す関数をF2とするとき、
    上記の関数F1および関数F2を用いて、補正対象画素の補正前の信号レベル、および、隣接画素の補正前あるいは補正後の信号レベルに基づき、補正対象画素の補正後の信号レベルを得ることを特徴とする色補正方法。
  8. 上記補正対象画素の補正前の信号レベルをc0、上記隣接画素の補正前あるいは補正後の信号レベルをdとするとき、
    F1(c1)+F2(c1)×d=c0
    を満たすように、補正対象画素の補正後の信号レベルc1を得ることを特徴とする請求項7に記載の色補正方法。
  9. 2つの隣接画素の信号レベルがともにほぼ一定の基準レベルである場合の補正対象画素のTRC特性を表す関数をF1、
    一方の隣接画素の信号が補正対象画素に与える影響を補正対象画素の信号レベルに応じて上記TRC特性から取り消す補正量を表す関数をF2、
    他方の隣接画素の信号が補正対象画素に与える影響を補正対象画素の信号レベルに応じて上記TRC特性から取り消す補正量を表す関数をF3とするとき、
    上記の関数F1、関数F2、および関数F3を用いて、補正対象画素の補正前の信号レベル、および、2つの隣接画素の補正前あるいは補正後の信号レベルに基づき、補正対象画素の補正後の信号レベルを得ることを特徴とする色補正方法。
  10. 上記補正対象画素の補正前の信号レベルをc0、上記2つの隣接画素の補正前あるいは補正後の信号レベルをそれぞれd,eとするとき、
    F1(c1)+F2(c1)×d+F3(c1)×e=c0
    を満たすように、補正対象画素の補正後の信号レベルc1を得ることを特徴とする請求項9に記載の色補正方法。
  11. 請求項1から6のいずれか1項に記載の色補正装置を動作させる色補正プログラムであって、コンピュータを上記の各手段として機能させるための色補正プログラム。
  12. 請求項11に記載の色補正プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  13. カラー表示装置のR、G、Bの各チャネル毎に、隣接画素の信号レベルがほぼ最大の場合および最小の場合の2種類のTRC特性が記述されていることを特徴とするICCプロファイル。
  14. カラー表示装置のR、G、Bの各チャネル毎に、隣接画素の信号レベルがほぼ最大の場合および最小の場合の2種類のTRC特性を記述することを特徴とするICCプロファイルの設定方法。
  15. 請求項13に記載のICCプロファイルを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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