JP2004138663A - ポジ型レジスト組成物 - Google Patents

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佐藤 健一郎
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Abstract

【課題】遠紫外光、とくにArFエキシマレーザー光を使用する上記ミクロフォトファブリケ−ション本来の性能向上のための技術における課題を解決するポジ型レジスト組成物を提供することにあり、ブリッジングなどの現像欠陥が少なく、塗布後の経時安定性(PCD)、露光後の経時安定性(PED)が大きいポジ型レジスト組成物、更に加えてプロセスマージンにも優れたポジ型レジスト組成物を提供する。
【解決手段】(A)特定の3種の繰り返し単位を含有する、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解速度が増大する樹脂、(B)活性光線又は放射線の照射により酸を発生するフェナシルスルホニウム化合物及び(C)溶剤を含有するポジ型レジスト組成物。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は遠紫外線に感応する半導体素子等の微細加工用ポジ型フォトレジスト組成物に関するものであり、更に詳しくは、遠紫外線露光用ポジ型フォトレジスト組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、集積回路はその集積度を益々高めており、超LSI等の半導体基板の製造に於いてはハーフミクロン以下の線幅から成る超微細パターンの加工が必要とされるようになってきた。その必要性を満たすためにフォトリソグラフィーに用いられる露光装置の使用波長は益々短波化し、今では、遠紫外線の中でも短波長のエキシマレーザー光(XeCl、KrF、ArF等)を用いることが検討されるまでになってきている。
この波長領域におけるリソグラフィーのパターン形成に用いられるものとして、化学増幅系レジストがある。
【0003】
ArF光源用のフォトレジスト組成物としては、ドライエッチング耐性付与の目的で脂環式炭化水素部位が導入された樹脂が提案されている。そのような樹脂としては、アクリル酸やメタクリル酸というカルボン酸部位を有する単量体や水酸基やシアノ基を分子内に有する単量体を脂環式炭化水素基を有する単量体と共重合させた樹脂が挙げられる。
【0004】
一方、前記アクリレート系単量体の側鎖に脂環式炭化水素部位を導入する方法以外にポリマー主鎖として脂環式炭化水素部位を活用したドライエッチング耐性付与する方法も検討されている。
【0005】
また、特許文献1(特開平9−73173号)には、脂環式基を含む構造で保護されたアルカリ可溶性基と、そのアルカリ可溶性基が酸により脱離して、アルカリ可溶性とならしめる構造単位を含む酸感応性化合物を用いたレジスト材料が記載されている。
【0006】
特許文献2(特開平7−234511号)は、透明性、エッチィング耐性、高感度、密着性に優れたレジスト組成物として、脂環基を有する繰り返し単位と酸分解性基を有する繰り返し単位を含有する樹脂を含有する組成物を記載している。
特許文献3(特開平7−199467号)は、感度、解像度及びドライエッチィング耐性を改良すべく、脂環基を有する繰り返し単位、酸により極性変換を起こす基及びカルボン酸基を有する(メタ)アクリレートの共重合体を含有するレジスト組成物を記載している。
特許文献4(特開2000−137327号)は、感度、解像度などのレジスト諸性能とともに、基板への密着性を改良すべく、(メタ)アクリル酸2−アルキル−2−アダマンチル繰り返し単位とともに、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシ−1−アダマンチル繰り返し単位及び/又は(メタ)アクリロニトリル繰り返し単位を有する樹脂を含有するポジ型レジスト組成物を提案している。
【0007】
特許文献5(特開2002−251013号)は、ハーフトーン露光適性、ホルピッチ依存性、露光マージンが優れ、経時保存による感度変動を防止でき、また、PED安定性が優れたレジスト組成物として、特定のラクトン構造を有する繰り返し単位を含有する樹脂とともに、酸発生剤として2種のスルホニウム塩を含有する組成物を開示している。
【0008】
以上のような遠紫外線露光用フォトレジストに用いられる、酸分解性基を含有する樹脂は、分子内に同時に脂肪族の環状炭化水素基を含有することが一般的である。上記の技術では未だ不十分な点が多く、改善が望まれている。その一つにレジスト膜の引き置き経時安定性(PCD安定性及びPED安定性)の問題の解決が望まれていた。
ここで、PCD(Post Coating Delay)安定性とは、基板にレジスト組成物を塗布後、照射装置内あるいは装置外に放置した場合の塗膜安定性であり、また、PED(Post Exposure Delay)安定性とは、照射後に加熱操作を行うまでの間、照射装置内あるいは装置外に放置した場合の塗膜安定性である。
また、プロセスマージンが広いことが望まれていた。
【0009】
【特許文献1】
特開平9−73173号公報
【特許文献2】
特開平7−234511号公報
【特許文献3】
特開平7−199467号公報
【特許文献4】
特開2000−137327号公報
【特許文献5】
特開2002−251013号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、遠紫外光、とくにArFエキシマレーザー光を使用する上記ミクロフォトファブリケ−ション本来の性能向上のために技術における課題を解決するポジ型レジスト組成物を提供することにあり、ブリッジングなどの現像欠陥が少なく、塗布後の経時安定性(PCD)、露光後の経時安定性(PED)が大きいポジ型レジスト組成物、更に加えてプロセスマージンにも優れたポジ型レジスト組成物を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、ポジ型レジスト組成物の構成材料を鋭意検討した結果、下記の構成によって、本発明の目的が達成されることを見出し、本発明に至った。
【0012】
(1) (A)下記一般式(A1)で表される繰り返し単位、下記一般式(A2)で表される繰り返し単位、及び下記一般式(A3)で表される繰り返し単位を含有する、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解速度が増大する樹脂、(B)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物及び(C)溶剤を含有するポジ型レジスト組成物。
【0013】
【化6】
Figure 2004138663
【0014】
式(A1)において、Rは水素原子又はアルキル基を表す。
Lは、単結合、アルキレン基、エーテル基、エステル基、カルボニル基、又はこれらの基の少なくとも二つの組み合わせを表す。
Zは、−COOH、−OH、又は−C(=O)CHC(=O)Rを表す。Rは炭化水素基を表す。
【0015】
【化7】
Figure 2004138663
【0016】
一般式(A2)において、Rは水素原子又はメチル基を表し、Aは単結合又は連結基を表し、ALGは下記一般式(pI)〜一般式(pV)のいずれかを表す。
【0017】
【化8】
Figure 2004138663
【0018】
式中、R11は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基又はsec−ブチル基を表し、Zは、炭素原子とともに脂環式炭化水素基を形成するのに必要な原子団を表す。
12〜R16は、各々独立に、炭素数1〜4個の、直鎖もしくは分岐のアルキル基又は脂環式炭化水素基を表す。但し、R12〜R14のうち少なくとも1つ、及びR15、R16のいずれかは脂環式炭化水素基を表す。
17〜R21は、各々独立に、水素原子、炭素数1〜4個の、直鎖もしくは分岐のアルキル基又は脂環式炭化水素基を表し、但し、R17〜R21のうち少なくとも1つは脂環式炭化水素基を表す。また、R19、R21のいずれかは炭素数1〜4個の、直鎖もしくは分岐のアルキル基又は脂環式炭化水素基を表す。
22〜R25は、各々独立に、炭素数1〜4個の、直鎖もしくは分岐のアルキル基又は脂環式炭化水素基を表し、但し、R22〜R25のうち少なくとも1つは脂環式炭化水素基を表す。また、R23とR24は、互いに結合して環を形成していてもよい。
【0019】
【化9】
Figure 2004138663
【0020】
一般式(A3)において、Rは水素原子又はメチル基を表す。
は単結合又は2価の連結基を表す。
はp+1価の脂環式炭化水素基を表す。
pは1〜3の整数を表す。
【化10】
Figure 2004138663
1c〜R5cは、各々独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、又はハロゲン原子を表す。
6c及びR7cは、各々独立に、水素原子、アルキル基、又はアリール基を表す。
Rx及びRyは、各々独立に、アルキル基、2−オキソアルキル基、アルコキシカルボニルメチル基、アリル基、又はビニル基を表す。
1c〜R7c中のいずれか2つ以上、及びRxとRyは、それぞれ結合して環構造を形成しても良く、この環構造は、酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合を含んでいてもよい。
は、スルホン酸、カルボン酸、又はスルホニルイミドのアニオンを表す。
【0021】
(2)更にトリアリールスルホニウム塩を含有することを特徴とする上記(1)に記載のポジ型レジスト組成物。
【0022】
(3)樹脂(A)が、更に、シクロヘキサンラクトン、ノルボルナンラクトン、又はアダマンタンラクトンを有する繰り返し単位を含有することを特徴とする上記(1)又は(2)に記載のポジ型レジスト組成物。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に使用する成分について詳細に説明する。
〔1〕酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解速度が増加する樹脂(A成分)
本発明のレジスト組成物が含有する、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解速度が増加する樹脂(酸分解性樹脂)は、一般式(A1)〜(A3)で表される繰り返し単位を含有する。
この特定の樹脂と一般式(A2I)で表される化合物とを組み合わせて使用するこにより、PCD安定性、PED安定性が良好となる。また、この特定の樹脂の添加により、ブリッジングなどの現像欠陥の発生を抑制する効果も得られる。
【0024】
まず、一般式(A1)で表される繰り返し単位について説明する。
【0025】
【化11】
Figure 2004138663
【0026】
式(A1)において、Rは水素原子又はアルキル基を表す。
Lは、単結合、アルキレン基、エーテル基、エステル基、カルボニル基、又はこれらの基の少なくとも二つの組み合わせを表す。
Zは、−COOH、−OH、又は−C(=O)CHC(=O)Rを表す。Rは炭化水素基を表す。
【0027】
としてのアルキル基は、置換基を有していてもよく、1〜4個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基等が挙げられる。
また、上記アルキル基が有してもよい置換基としては、例えば、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜4)、アシロキシ基(好ましくは炭素数2〜12)、ハロゲン原子、シアノ基、水酸基、カルボキシ基、ニトロ基等を挙げることができる。
【0028】
Lとしてのアルキレン基は、例えば、下記式で表される基を挙げることができる。
−〔C(R )(R )〕 −
ここで、R及びRは、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アルキル基又はアルコキシ基を表す。rは1〜10の整数、好ましくは1〜5の整数を表す。複数のR及びRは、同一でも異なっていてもよい。
及びRとしてのアルキル基は、炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基が挙げられる。ここで、アルキル基は、置換基を有していてもよく、置換基としては、水酸基、ハロゲン原子、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜4)等を挙げることができる。
及びRとしてのアルコキシ基は、炭素数1〜4のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、プロピロキシ基等を挙げることができる。
ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、フッ素原子、沃素原子等を挙げることができる。
【0029】
としての炭化水素基は、例えば、直鎖、分岐又は環状のアルキル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10、特に好ましくは炭素数1〜5)であり、置換基を有していてもよい。例えば、メチル基、エチル基、直鎖又は分岐状プロピル基、直鎖又は分岐状ブチル基、直鎖又は分岐状ペンチル基、直鎖、分岐又は環状ヘキシル基、アダマンチル基、ノルボルニル基などを挙げることができる。
【0030】
としての炭化水素基が有していてもよい置換基としては、例えば、アルコキシ基、ハロゲン原子、アシル基、アシロキシ基、シアノ基、水酸基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、ニトロ基、オキソ基等を挙げることができ、置換基の炭素数は15以下が好ましく、5以下がより好ましい。
【0031】
一般式(A1)で表される繰り返し単位の具体例を以下に挙げるが、これらに限定するものではない。
【0032】
【化12】
Figure 2004138663
【0033】
【化13】
Figure 2004138663
【0034】
次に、一般式(A2)で表される繰り返し単位について説明する。
【0035】
【化14】
Figure 2004138663
【0036】
一般式(A2)において、Rは水素原子又はメチル基を表し、Aは単結合又は連結基を表し、ALGは上記一般式(pI)〜一般式(pV)で示される脂環式炭化水素を含む基である。
【0037】
Aの連結基は、アルキレン基、置換アルキレン基、エーテル基、チオエーテル基、カルボニル基、エステル基、アミド基、スルフォンアミド基、ウレタン基、又はウレア基よりなる群から選択される単独あるいは2つ以上の基の組み合わせを表す。上記Aにおけるアルキレン基としては、下記式で表される基を挙げることができる。
−〔C(R )(R )〕 −
式中、R 、R は、水素原子、アルキル基、置換アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基を表し、両者は同一でも異なっていてもよい。アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等の低級アルキル基が好ましく、更に好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基から選択される。置換アルキル基の置換基としては、水酸基、ハロゲン原子、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜4)を挙げることができる。アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜4個のものを挙げることができる。ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、フッ素原子、沃素原子等を挙げることができる。rは1〜10の整数を表す。
【0038】
一般式(pI)〜(pV)において、R12〜R25におけるアルキル基としては、置換もしくは非置換のいずれであってもよい、1〜4個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐のアルキル基を表す。そのアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基等が挙げられる。
また、上記アルキル基の更なる置換基としては、炭素数1〜4個のアルコキシ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アシル基、アシロキシ基、シアノ基、水酸基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、ニトロ基等を挙げることができる。
【0039】
11〜R25における脂環式炭化水素基あるいはZと炭素原子が形成する脂環式炭化水素基としては、単環式でも、多環式でもよい。具体的には、炭素数5以上のモノシクロ、ビシクロ、トリシクロ、テトラシクロ構造等を有する基を挙げることができる。その炭素数は6〜30個が好ましく、特に炭素数7〜25個が好ましい。これらの脂環式炭化水素基は置換基を有していてもよい。
以下に、脂環式炭化水素基のうち、脂環式部分の構造例を示す。
【0040】
【化15】
Figure 2004138663
【0041】
【化16】
Figure 2004138663
【0042】
【化17】
Figure 2004138663
【0043】
本発明においては、上記脂環式部分の好ましいものとしては、アダマンチル基、ノルアダマンチル基、デカリン残基、トリシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、ノルボルニル基、セドロール基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロデカニル基、シクロドデカニル基を挙げることができる。より好ましくは、アダマンチル基、デカリン残基、ノルボルニル基、セドロール基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロデカニル基、シクロドデカニル基、トリシクロデカニル基である。
【0044】
これらの脂環式炭化水素基の置換基としては、アルキル基、置換アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基が挙げられる。
アルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等の低級アルキル基が好ましく、更に好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基よりなる群から選択された置換基を表す。
置換アルキル基の置換基としては、水酸基、ハロゲン原子、アルコキシ基を挙げることができる。
上記アルコキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜4個のものを挙げることができる。
【0045】
尚、走査型電子顕微鏡で観察時のパターンサイズの変動が少ない点(SEM耐性)から、一般式(A2)において、Aが単結合であり、ALGが下記で表される基である繰り返し単位が特に好ましい。
【0046】
【化18】
Figure 2004138663
【0047】
26及びR27は、各々独立に、炭素数1〜4個の直鎖もしくは分岐のアルキル基を表す。
【0048】
以下、一般式(A2)で示される繰り返し単位に相当するモノマーの具体例を示す。
【0049】
【化19】
Figure 2004138663
【0050】
【化20】
Figure 2004138663
【0051】
【化21】
Figure 2004138663
【0052】
【化22】
Figure 2004138663
【0053】
【化23】
Figure 2004138663
【0054】
【化24】
Figure 2004138663
【0055】
次に、一般式(A3)で表される繰り返し単位について説明する。
【0056】
【化25】
Figure 2004138663
【0057】
一般式(A3)において、Rは水素原子又はメチル基を表す。
は単結合又は2価の連結基を表す。
はp+1価の脂環式炭化水素基を表す。
pは1〜3の整数を表す。
即ち、−Z−(OH)pは、脂環式炭化水素基に水酸基がp個置換した基を表す。
【0058】
の2価の連結基としては、一般式(A2)におけるAと同様のものを挙げることができ、好ましい基についても同様である。
の脂環式炭化水素基としては、一般式(A2)におけるR11〜R25としての脂環式炭化水素基を挙げることができ、好ましい基についても同様である。
p個の水酸基は、Zの脂環式炭化水素基自体、及び、脂環式炭化水素が有する置換基部分のいずれで置換していてもよい。
【0059】
尚、アンダー露光によるラインパターン形成の際、広い露光マージンが得られる点で、一般式(A3)で表される繰り返し単位として、下記一般式(A3a)で表される繰り返し単位が好ましい。
【0060】
【化26】
Figure 2004138663
【0061】
一般式(A3a)中、R30は、水素原子又はメチル基を表す。
31〜R33は、各々独立に、水素原子、水酸基又はアルキル基を表し、但し少なくとも一つは水酸基を表す。
【0062】
また、アンダー露光によるホールパターン形成の際、広い露光マージンが得られる点で、一般式(A3a)で表される繰り返し単位において、R31〜R33のうちの二つが水酸基であることが更に好ましい。
【0063】
以下に一般式(A3)で表される繰り返し単位の具体例を挙げるが、これらに限定するものではない。
【0064】
【化27】
Figure 2004138663
【0065】
【化28】
Figure 2004138663
【0066】
【化29】
Figure 2004138663
【0067】
また、本発明の組成物に添加される樹脂は、エッチング時のホール変形を抑制する点で、脂環ラクトン構造を有する繰り返し単位を含有することが好ましい。脂環ラクトン構造を有する繰り返し単位としては、例えば、シクロヘキサンラクトン、ノルボルナンラクトン、又はアダマンタンラクトンを有する繰り返し単位を挙げることができる。
【0068】
例えば、シクロヘキサンラクトンを有する繰り返し単位としては、下記一般式(V−1)及び(V−2)で表される基を有する繰り返し単位、ノルボルナンラクトンを有する繰り返し単位としては下記一般式(V−3)及び(V−4)で表される基を有する繰り返し単位、アダマンタンラクトンを有する繰り返し単位としては、下記一般式(VI)で表される基を有する繰り返し単位を挙げることができる。
【0069】
【化30】
Figure 2004138663
【0070】
一般式(V−1)〜(V−4)において、R1b〜R5bは、各々独立に水素原子、置換基を有していてもよい、アルキル基、シクロアルキル基又はアルケニル基を表す。R1b〜R5bの内の2つは、結合して環を形成してもよい。
【0071】
一般式(V−1)〜(V−4)において、R1b〜R5bにおけるアルキル基としては、直鎖状、分岐状のアルキル基が挙げられ、置換基を有していてもよい。
直鎖状、分岐状のアルキル基としては、炭素数1〜12個の直鎖状あるいは分岐状アルキル基が好ましく、より好ましくは炭素数1〜10個の直鎖状あるいは分岐状アルキル基であり、更に好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基である。
【0072】
1b〜R5bにおけるシクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等の炭素数3〜8個のものが好ましい。
1b〜R5bにおけるアルケニル基としては、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基等の炭素数2〜6個のものが好ましい。
また、R1b〜R5bの内の2つが結合して形成する環としては、シクロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロオクタン環等の3〜8員環が挙げられる。
なお、一般式(V−1)〜(V−4)におけるR1b〜R5bは、環状骨格を構成している炭素原子のいずれに連結していてもよい。
【0073】
また、上記アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基が有してもよい好ましい置換基としては、炭素数1〜4個のアルコキシ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、炭素数2〜5のアシル基、炭素数2〜5のアシロキシ基、シアノ基、水酸基、カルボキシ基、炭素数2〜5のアルコキシカルボニル基、ニトロ基等を挙げることができる。
【0074】
一般式(V−1)〜(V−4)で表される基を有する繰り返し単位としては、下記一般式(V)で表される繰り返し単位等を挙げることができる。
【0075】
【化31】
Figure 2004138663
【0076】
一般式(V)中、Rb0は、水素原子、ハロゲン原子、又は炭素数1〜4の置換もしくは非置換のアルキル基を表す。Rb0のアルキル基が有していてもよい好ましい置換基としては、前記一般式(V−1)〜(V−4)におけるR1bとしてのアルキル基が有していてもよい好ましい置換基として先に例示したものが挙げられる。
b0のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子を挙げることができる。Rb0は水素原子が好ましい。
A’は、単結合、エーテル基、エステル基、カルボニル基、アルキレン基、又はこれらを組み合わせた2価の基を表す。
は、一般式(V−1)〜(V−4)のうちのいずれかで示される基を表す。A’において、該組み合わせた2価の基としては、例えば下記式のものが挙げられる。
【0077】
【化32】
Figure 2004138663
【0078】
上記式において、Rab、Rbbは、水素原子、アルキル基、置換アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基を表し、両者は同一でも異なっていてもよい。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等の低級アルキル基が好ましく、更に好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基から選択される。置換アルキル基の置換基としては、水酸基、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルコキシ基を挙げることができる。 アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜4個のものを挙げることができる。
ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、フッ素原子、沃素原子等を挙げることができる。
r1は1〜10の整数、好ましくは1〜4の整数を表す。mは1〜3の整数、好ましくは1又は2を表す。
【0079】
以下に、一般式(V)で表される繰り返し単位の具体例を挙げるが、本発明の内容がこれらに限定されるものではない。
【0080】
【化33】
Figure 2004138663
【0081】
【化34】
Figure 2004138663
【0082】
【化35】
Figure 2004138663
【0083】
【化36】
Figure 2004138663
【0084】
【化37】
Figure 2004138663
【0085】
【化38】
Figure 2004138663
【0086】
【化39】
Figure 2004138663
【0087】
アダマンタンラクトンを有する繰り返し単位としては、下記一般式(VI)で表される繰り返し単位を挙げることができる。
【0088】
【化40】
Figure 2004138663
【0089】
一般式(VI)において、Aは単結合、アルキレン基、シクロアルキレン基、エーテル基、チオエーテル基、カルボニル基、エステル基よりなる群から選択される単独あるいは2つ以上の基の組み合わせを表す。
6aは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、シアノ基、又はハロゲン原子を表す。
【0090】
一般式(VI)において、Aのアルキレン基としては、下記式で表される基を挙げることができる。
−〔C(Rnf)(Rng)〕r−
上記式中、Rnf、Rngは、水素原子、アルキル基、置換アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基を表し、両者は同一でも異なっていてもよい。アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等の低級アルキル基が好ましく、更に好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基から選択される。置換アルキル基の置換基としては、水酸基、ハロゲン原子、アルコキシ基を挙げることができる。アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜4のものを挙げることができる。ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、フッ素原子、沃素原子等を挙げることができる。rは1〜10の整数である。
【0091】
一般式(VI)において、Aのシクロアルキレン基としては、炭素数3から10個のものが挙げられ、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、シクロオクチレン基等を挙げることができる。
【0092】
を含む有橋式脂環式環は、置換基を有していてもよい。置換基としては、例えば、ハロゲン原子、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜4)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数1〜5)、アシル基(例えば、ホルミル基、ベンゾイル基)、アシロキシ基(例えば、プロピルカルボニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基)、アルキル基(好ましくは炭素数1〜4)、カルボキシル基、水酸基、アルキルスルホニルスルファモイル基(−CONHSOCH等)が挙げられる。尚、置換基としてのアルキル基は、更に水酸基、ハロゲン原子、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜4)等で置換されていてもよい。
【0093】
一般式(VI)において、Aに結合しているエステル基の酸素原子は、Zを含む有橋式脂環式環構造を構成する炭素原子のいずれの位置で結合してもよい。
【0094】
以下に、一般式(VI)で表される繰り返し単位の具体例を挙げるが、これらに限定されるものではない。
【0095】
【化41】
Figure 2004138663
【0096】
【化42】
Figure 2004138663
【0097】
本発明の酸分解性樹脂は、更に特開2002−251013号に記載の一般式(IV)で表されるラクトン構造を有する繰り返し単位を含有することもできる。
【0098】
(A)成分である酸分解性樹脂は、上記の繰り返し単位以外に、ドライエッチング耐性や標準現像液適性、基板密着性、レジストプロファイル、さらにレジストの一般的な必要な特性である解像力、耐熱性、感度等を調節する目的で様々な繰り返し単位を含有することができる。
【0099】
このような繰り返し単位としては、下記の単量体に相当する繰り返し構造単位を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
これにより、酸分解性樹脂に要求される性能、特に、
(1)塗布溶剤に対する溶解性、
(2)製膜性(ガラス転移点)、
(3)アルカリ現像性、
(4)膜べり(親疎水性、アルカリ可溶性基選択)、
(5)未露光部の基板への密着性、
(6)ドライエッチング耐性、
等の微調整が可能となる。
このような単量体として、例えばアクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、等から選ばれる付加重合性不飽和結合を1個有する化合物等を挙げることができる。
【0100】
具体的には、以下の単量体を挙げることができる。
アクリル酸エステル類(好ましくはアルキル基の炭素数が1〜10のアルキルアクリレート):
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸アミル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−t−オクチル、クロルエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート2,2−ジメチルヒドロキシプロピルアクリレート、5−ヒドロキシペンチルアクリレート、トリメチロールプロパンモノアクリレート、ペンタエリスリトールモノアクリレート、ベンジルアクリレート、メトキシベンジルアクリレート、フルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート等。
【0101】
メタクリル酸エステル類(好ましくはアルキル基の炭素数が1〜10のアルキルメタアクリレート):
メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、アミルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、クロルベンジルメタクリレート、オクチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、5−ヒドロキシペンチルメタクリレート、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、トリメチロールプロパンモノメタクリレート、ペンタエリスリトールモノメタクリレート、フルフリルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート等。
【0102】
アクリルアミド類:
アクリルアミド、N−アルキルアクリルアミド(アルキル基としては炭素数1〜10のもの、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、t−ブチル基、ヘプチル基、オクチル基、シクロヘキシル基、ヒドロキシエチル基等がある。)、N,N−ジアルキルアクリルアミド(アルキル基としては炭素数1〜10のもの、例えばメチル基、エチル基、ブチル基、イソブチル基、エチルヘキシル基、シクロヘキシル基等がある)、N−ヒドロキシエチル−N−メチルアクリルアミド、N−2−アセトアミドエチル−N−アセチルアクリルアミド等。
【0103】
メタクリルアミド類:
メタクリルアミド、N−アルキルメタクリルアミド(アルキル基としては炭素数1〜10のもの、例えばメチル基、エチル基、t−ブチル基、エチルヘキシル基、ヒドロキシエチル基、シクロヘキシル基等がある)、N,N−ジアルキルメタクリルアミド(アルキル基としてはエチル基、プロピル基、ブチル基等がある)、N−ヒドロキシエチル−N−メチルメタクリルアミド等。
【0104】
アリル化合物:
アリルエステル類(例えば酢酸アリル、カプロン酸アリル、カプリル酸アリル、ラウリン酸アリル、パルミチン酸アリル、ステアリン酸アリル、安息香酸アリル、アセト酢酸アリル、乳酸アリル等)、アリルオキシエタノール等。
【0105】
ビニルエーテル類:
アルキルビニルエーテル(例えばヘキシルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、デシルビニルエーテル、エチルヘキシルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、クロルエチルビニルエーテル、1−メチル−2,2−ジメチルプロピルビニルエーテル、2−エチルブチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ジエチレングリコールビニルエーテル、ジメチルアミノエチルビニルエーテル、ジエチルアミノエチルビニルエーテル、ブチルアミノエチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、テトラヒドロフルフリルビニルエーテル等。
【0106】
ビニルエステル類:
ビニルブチレート、ビニルイソブチレート、ビニルトリメチルアセテート、ビニルジエチルアセテート、ビニルバレート、ビニルカプロエート、ビニルクロルアセテート、ビニルジクロルアセテート、ビニルメトキシアセテート、ビニルブトキシアセテート、ビニルアセトアセテート、ビニルラクテート、ビニル−β−フェニルブチレート、ビニルシクロヘキシルカルボキシレート等。イタコン酸ジアルキル類;イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、イタコン酸ジブチル等。フマール酸のジアルキルエステル類又はモノアルキルエステル類;ジブチルフマレート等。
【0107】
その他クロトン酸、イタコン酸、無水マレイン酸、マレイミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、マレイロニトリル等。
【0108】
その他にも、上記種々の繰り返し単位に相当する単量体と共重合可能である付加重合性の不飽和化合物であれば、共重合されていてもよい。
【0109】
樹脂(A)において、各繰り返し単位の含有モル比はレジストのドライエッチング耐性や標準現像液適性、基板密着性、レジストプロファイル、さらにはレジストの一般的な必要性能である解像力、耐熱性、感度等を調節するために適宜設定される。
【0110】
樹脂(A)中、一般式(A1)で表される繰り返し単位の含有率は、全繰り返し単位中、0.1〜30モル%が好ましく、より好ましくは0.5〜25モル%、更に好ましくは1〜20モル%である。
一般式(A2)で表される繰り返し単位の含有率は、全繰り返し単位中、20〜55モル%が好ましく、より好ましくは24〜50モル%、更に好ましくは28〜45モル%である。
一般式(A3)で表される繰り返し単位の含有率は、全繰り返し単位中、1〜30モル%が好ましく、より好ましくは5〜25モル%、更に好ましくは10〜20モル%である。
脂環ラクトン構造を有する繰り返し単位の含有量は、全繰り返し単位中5〜60モル%が好ましく、より好ましくは10〜55モル%、更に好ましくは15〜50モル%である。
特開2002−251013号に記載の一般式(IV)で表される側鎖にラクトン構造を有する繰り返し単位の含有量は、全繰り返し単位中5〜60モル%が好ましく、より好ましくは10〜50モル%、更に好ましくは15〜45モル%である。
本発明の組成物がArF露光用であるとき、ArF光への透明性の点から、酸分解性樹脂は芳香族基を有しないことが好ましい。
【0111】
本発明に用いる樹脂は、常法に従って(例えばラジカル重合)合成することができる。例えば、一般的合成方法としては、モノマー種を、一括であるいは反応途中で反応容器に仕込み、これを必要に応じ反応溶媒、例えばテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジイソプロピルエーテルなどのエーテル類やメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンのようなケトン類、酢酸エチルのようなエステル溶媒、さらには後述のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートのような、各種モノマーを溶解させ得る溶媒に溶解させ均一とした後、窒素やアルゴンなど不活性ガス雰囲気下で必要に応じ加熱、市販のラジカル開始剤(アゾ系開始剤、パーオキサイドなど)を用いて重合を開始させる。所望により開始剤を追加、あるいは分割で添加し、反応終了後、溶剤に投入して粉体あるいは固形回収等の方法で所望のポリマーを回収する。反応の濃度は20質量%以上であり、好ましくは30質量%以上、さらに好ましくは40質量%以上である。反応温度は10℃〜150℃であり、好ましくは30℃〜120℃、さらに好ましくは50〜100℃である。
【0112】
本発明に係る樹脂の重量平均分子量は、GPC法によりポリスチレン換算値として、3,000〜100,000が好ましく、より好ましくは、4,000〜50,000、さらに好ましくは5,000〜30,000である。重量平均分子量が3,000未満では耐熱性やドライエッチング耐性の劣化が見られるため余り好ましくなく、100,000を越えると現像性が劣化したり、粘度が極めて高くなるため製膜性が劣化するなど余り好ましくない結果を生じる。
【0113】
また、本発明に係る樹脂の分散度(Mw/Mn)としては、1.3〜4.0の範囲が好ましく、より好ましくは1.4〜3.8、さらに好ましくは1.5〜3.5である。
【0114】
本発明のポジ型レジスト組成物において、本発明に係わる全ての樹脂の組成物全体中の配合量は、全レジスト固形分中40〜99.99質量%が好ましく、より好ましくは50〜99.97質量%である。
【0115】
〔2〕活性光線又は放射線の照射により酸を発生する、フェナシルスルホニウム塩構造を有する化合物(B1成分)
B1成分としては、例えば、以下の一般式(A2I)で表される化合物を挙げることができる。
【0116】
【化43】
Figure 2004138663
【0117】
1c〜R5cは、各々独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、又はハロゲン原子を表す。
6c及びR7cは、各々独立に、水素原子、アルキル基、又はアリール基を表す。
Rx及びRyは、各々独立に、アルキル基、2−オキソアルキル基、アルコキシカルボニルメチル基、アリル基、又はビニル基を表す。
1c〜R7c中のいずれか2つ以上、及びRxとRyは、それぞれ結合して環構造を形成しても良く、この環構造は、酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合を含んでいてもよい。
は、スルホン酸、カルボン酸、又はスルホニルイミドのアニオンを表す。
【0118】
1c〜R5cとしてのアルキル基は、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよく、例えば炭素数1〜10のアルキル基、好ましくは、炭素数1〜5の直鎖及び分岐アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、直鎖又は分岐プロピル基、直鎖又は分岐ブチル基、直鎖又は分岐ペンチル基)、炭素数3〜8の環状アルキル基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基)を挙げることができる。
1c〜R5cとしてのアルコキシ基は、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよく、例えば炭素数1〜10のアルコキシ基、好ましくは、炭素数1〜5の直鎖及び分岐アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、直鎖又は分岐プロポキシ基、直鎖又は分岐ブトキシ基、直鎖又は分岐ペントキシ基)、炭素数3〜8の環状アルコキシ基(例えば、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基)を挙げることができる。
好ましくはR1c〜R5cのうちいずれかが直鎖、分岐、環状アルキル基、又は直鎖、分岐、環状アルコキシ基であり、更に好ましくはR1cからR5cの炭素数の和が2〜15である。これにより、より溶剤溶解性が向上し、保存時にパーティクルの発生が抑制される。
【0119】
6c及びR7cとしてアルキル基については、R1c〜R5cとしてのアルキル基と同様のものを挙げることができる。アリール基としては、例えば、炭素数6〜14のアリール基(例えば、フェニル基)を挙げることができる。
Rx及びRyとしてのアルキル基は、R1c〜R5cとしてのアルキル基と同様のものを挙げることができる。
2−オキソアルキル基は、R1c〜R5cとしてのアルキル基の2位に>C=Oを有する基を挙げることができる。
アルコキシカルボニルメチル基におけるアルコキシ基については、R1c〜R5cとしてのアルコキシ基と同様のものを挙げることができる。
Rx及びRyが結合して形成する基としては、ブチレン基、ペンチレン基等を挙げることができる。
Rx及びRyとしての上記の各基は水酸基などの置換基を有していてもよい。
【0120】
式(A2I)の化合物は、環を形成することにより立体構造が固定され、光分解能が向上する。R1c〜R7c中のいずれか2つが結合して環構造を形成する場合については、R1c〜R5cのいずれか1つとR6c及びR7cのいずれか1つが結合して単結合または連結基となり、環を形成する場合が好ましく、特にR5cとR6c又はR7cが結合して単結合または連結基となり環を形成する場合が好ましい。
連結基としては、置換基を有していてもよいアルキレン基、置換基を有していてもよいアルケニレン基、−O−、−S−、−CO−、−CONR−(Rは水素原子、アルキル基、アシル基である)、及びこれらを2つ以上組み合わせてなる基を挙げることができ、更に、置換基を有していてもよい、アルキレン基、酸素原子を含むアルキレン基、硫黄原子を含むアルキレン基が好ましい。置換基としては、アルキル基(好ましくは炭素数1〜5)、アリール基(好ましくは炭素数6〜10、例えばフェニル基)、アシル基(例えば、炭素数2〜11)などを挙げることができる。
また、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、−CH−O−、−CH−S−のように5〜7員環を形成する連結基が好ましく、エチレン基、−CH−O−、−CH−S−などのように6員環を形成する連結基が特に好ましい。6員環を形成することによりカルボニル平面とC−S+シグマ結合がより垂直に近くなり、軌道相互作用により光分解能が向上する。
また、R1c〜R7c及びRxとRyのいずれかの位置で、単結合または連結基を介して結合し、式(A2I)の構造を2つ以上有する化合物であってもよい。
【0121】
は、好ましくはスルホン酸アニオンであり、より好ましくは1位がフッ素原子によって置換されたアルカンスルホン酸アニオン、又は電子吸引性基で置換されたベンゼンスルホン酸である。アルカンスルホン酸アニオンのアルカン部分は、アルコキシ基(例えば炭素数1〜8)、パーフルオロアルコキシ基(例えば炭素数1〜8)等の置換基で置換されていてもよい。また、電子吸引性基としては、塩素原子、臭素原子、ニトロ基、シアノ基、アルコキシカルボニル基、アシロキシ基、アシル基等を挙げることができる。
は、さらに好ましくは炭素数1〜8のパーフロロアルカンスルホン酸アニオンであり、特に好ましくはパーフロロオクタンスルホン酸アニオン、最も好ましくはパーフロロブタンスルホン酸アニオン、トリフロロメタンスルホン酸アニオンである。これら用いることにより酸分解性基の分解速度が向上し、感度が優れ、また発生酸の拡散性が制御され解像力が向上する。
以下に、本発明で使用できるフェナシルスルホニウム塩構造を有する化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0122】
【化44】
Figure 2004138663
【0123】
【化45】
Figure 2004138663
【0124】
【化46】
Figure 2004138663
【0125】
【化47】
Figure 2004138663
【0126】
【化48】
Figure 2004138663
【0127】
【化49】
Figure 2004138663
【0128】
【化50】
Figure 2004138663
【0129】
【化51】
Figure 2004138663
【0130】
【化52】
Figure 2004138663
【0131】
【化53】
Figure 2004138663
【0132】
【化54】
Figure 2004138663
【0133】
(B1)成分の添加量は、レジスト組成物の全固形分に対して、通常0.05〜20質量%、好ましくは0.1〜15質量%、より好ましくは0.5〜10質量%である。
【0134】
(フェナシルテトラヒドロチオフェニウムパーフロロブタンスルホネート:具体例(A2I−1)の合成)
テトラヒドロチオフェン53.2gをアセトニトリル400mlに溶解させ、この溶液にフェナシルブロミド100gをアセトニトリル300mlに溶解させたものをゆっくり加えた。室温で3時間撹拌すると粉体が析出した。反応液を酢酸エチル1500mlに注ぎ、粉体をろ取乾燥するとフェナシルテトラヒドロチオフェニウムブロミド137gが得られた。
パーフロロブタンスルホン酸カリウム60gを水200ml、メタノール200mlの混合溶剤に溶解させ、これにフェナシルテトラヒドロチオフェニウムブロミド49.5gを水300mlに溶解させたものを加えた。この水溶液をクロロホルム200mlで2回抽出し、有機相を水洗、濃縮すると粗生成物が得られた。これに蒸留水300mlを加え、100℃で30分加熱した後冷却すると固体が析出した。固体をろ取、ジイソプロピルエーテルでリスラリーするとフェナシルテトラヒドロチオフェニウムパーフロロブタンスルホネート77gが得られた。
【0135】
(フェナシルテトラヒドロチオフェニウムパーフロロオクタンスルホネート:具体例(A2I−3)の合成)
フェナシルテトラヒドロチオフェニウムブロミドを上記と同様の操作を行ってパーフロロオクタンスルホン酸と塩交換することによって合成した。
【0136】
(フェナシルテトラヒドロチオフェニウムトリフロロメタンスルホネート:具体例(A2I−2)の合成)
フェナシルテトラヒドロチオフェニウムブロミドを上記と同様の操作を行ってトリフロロメタンスルホン酸と塩交換することによって合成した。
【0137】
〔3〕トリアリールスルホニウム塩(B2成分)
本発明においては、上記(B1)成分とともに、活性光線又は放射線の照射により酸を発生するトリアリールスルホニウム塩(B2)を併用することがプロセスマージン向上の点で好ましい。
【0138】
トリアリールスルホニウム塩とは、トリアリールスルホニウムをカチオンとする塩である。
トリアリールスルホニウムカチオンのアリール基としてはフェニル基、ナフチル基が好ましく、更に好ましくはフェニル基である。トリアリールスルホニムカチオンが有する3つのアリール基は同一であっても異なっていてもよい。
各アリール基は、アルキル基(例えば炭素数1〜15)、アルコキシ基(例えば炭素数1〜15)、ハロゲン原子、水酸基、フェニルチオ基を置換基として有してもよい。好ましい置換基としては炭素数4以上のアルキル基、炭素数4以上のアルコキシ基であり、最も好ましくはt−ブチル基、炭素数1〜4のアルコキシ基である。置換基は3つのアリール基のうちのいずれか1つに置換していてもよいし、3つ全てに置換していてもよい。また置換基はアリール基のp−位に置換していることが好ましい。
トリアリールスルホニウム塩のアニオンとしては、例えばスルホン酸アニオンであり、好ましくは1位がフッ素原子によって置換されたアルカンスルホン酸アニオン、電子吸引性基で置換されたベンゼンスルホン酸であり、さらに好ましくは炭素数1〜8のパーフロロアルカンスルホン酸アニオンであり、最も好ましくはパーフロロブタンスルホン酸アニオン、パーフロロオクタンスルホン酸アニオンである。これら用いることにより酸分解性基の分解速度が向上し、感度が優れ、また発生酸の拡散性が制御され解像力が向上する。
トリアリールスルホニウム構造は、−S−等の連結基により他のトリアリールスルホニウム構造と結合し複数のトリアリールスルホニウム構造を有してもよい。
電子吸引性基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ニトロ基、シアノ基、アルコキシカルボニル基、アシロキシ基、アシル基等を挙げることができる。
以下に、本発明で使用できるトリアリールスルホニウム塩の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0139】
【化55】
Figure 2004138663
【0140】
【化56】
Figure 2004138663
【0141】
更に、以下の化合物を挙げることができる。
【0142】
【化57】
Figure 2004138663
【0143】
【化58】
Figure 2004138663
【0144】
【化59】
Figure 2004138663
【0145】
【化60】
Figure 2004138663
【0146】
【化61】
Figure 2004138663
【0147】
【化62】
Figure 2004138663
【0148】
【化63】
Figure 2004138663
【0149】
【化64】
Figure 2004138663
【0150】
(B2)成分の添加量は、(B1)成分との比率、(B2)/(B1)(質量比)として、好ましくは97/3〜5/95、更に好ましくは90/10〜10/90、特に好ましくは85/15〜15/85である。
【0151】
以下に合成例を示す。
合成例(1) 酸発生剤(I−3)の合成
ジフェニルスルホキシド50gをベンゼン800mlに溶解させ、これに塩化アルミニウム200gを加え、24時間還流した。反応液を水2Lにゆっくりと注ぎ、これに濃硫酸400mlを加えて70℃で10分加熱した。この水溶液を酢酸エチル500mlで洗浄し、ろ過した後にヨウ化アンモニウム200gを水400mlに溶解したものを加えた。析出した粉体をろ取、水洗した後酢酸エチルで洗浄、乾燥するとトリフェニルスルホニウムヨージドが70g得られた。
トリフェニルスルホニウムヨージド17.6gをメタノール1000mlに溶解させ、この溶液に酸化銀12.5gを加え、室温で4時間攪拌した。溶液をろ過し、これに25gパーフロロ−n−オクタンスルホン酸のメタノール溶液を加えた。反応液を濃縮し、析出した油状物を酢酸エチルに溶解させ、水洗、乾燥、濃縮すると目的物が20.5g得られた。
【0152】
合成例(2) 酸発生剤(I−5)の合成
ジ(t−ブチルフェニル)スルフィド(80mmol)、ジ(t−ブチルフェニル)ヨードニウムパーフロロ−n−ブタンスルホネート(20mmol)、安息香酸銅(4mmol)の混合物を窒素気流下130℃で4時間攪拌した。反応液を放冷し、これにエタノール100mlを加え、析出物を除いた。ろ液を濃縮し、これにエーテル200mlを加えると粉体が析出、これをろ取、エーテルで洗浄、乾燥すると目的物が得られた。
【0153】
〔4〕その他の光酸発生剤
また、(B1)及び(B2)成分以外に他の光酸発生剤を更に併用してもよい。
他の光酸発生剤の使用量は、モル比(成分(B1)及び(B2)の合計量/その他の酸発生剤)で、通常100/0〜20/80、好ましくは100/0〜40/60、更に好ましくは100/0〜50/50である。
【0154】
他の光酸発生剤としては、光カチオン重合の光開始剤、光ラジカル重合の光開始剤、色素類の光消色剤、光変色剤、あるいはマイクロレジスト等に使用されている公知の光(400〜200nmの紫外線、遠紫外線、特に好ましくは、g線、h線、i線、KrFエキシマレーザー光)、ArFエキシマレーザー光、電子線、X線、分子線又はイオンビームにより酸を発生する化合物及びそれらの混合物を適宜に選択して使用することができる。
【0155】
また、他の光酸発生剤としては、たとえばジアゾニウム塩、アンモニウム塩、ホスホニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、セレノニウム塩、アルソニウム塩等のオニウム塩、有機ハロゲン化合物、有機金属/有機ハロゲン化物、o−ニトロベンジル型保護基を有する光酸発生剤、イミノスルフォネ−ト等に代表される光分解してスルホン酸を発生する化合物、ジスルホン化合物、ジアゾケトスルホン、ジアゾジスルホン化合物等を挙げることができる。
また、これらの光により酸を発生する基、あるいは化合物をポリマーの主鎖又は側鎖に導入した化合物を用いることができる。
【0156】
さらにV.N.R.Pillai,Synthesis,(1),1(1980)、A.Abad etal,Tetrahedron Lett.,(47)4555(1971)、D.H.R.Barton etal,J.Chem.Soc.,(C),329(1970)、米国特許第3,779,778号、欧州特許第126,712号等に記載の光により酸を発生する化合物も使用することができる。
【0157】
上記活性光線又は放射線の照射により分解して酸を発生する化合物の中で、特に有効に併用される他の光酸発生剤について以下に説明する。
(1)トリハロメチル基が置換した下記一般式(PAG1)で表されるオキサゾール誘導体又は一般式(PAG2)で表されるS−トリアジン誘導体。
【0158】
【化65】
Figure 2004138663
【0159】
式中、R201は置換もしくは未置換のアリール基、アルケニル基、R202は置換もしくは未置換のアリール基、アルケニル基、アルキル基、−C(Y)を示す。Yは塩素原子又は臭素原子を示す。
【0160】
(2)下記の一般式(PAG3)で表されるヨードニウム塩、又は一般式(PAG4)で表されるスルホニウム塩。
【0161】
【化66】
Figure 2004138663
【0162】
ここで式Ar、Arは、各々独立に、置換もしくは未置換のアリール基を示す。
203、R204、R205は、各々独立に、置換もしくは未置換のアルキル基、アリール基を示す。但し、少なくともひとつはアルキル基である。
【0163】
は、対アニオンを示し、例えばBF 、AsF 、PF 、SbF 、SiF 2−、ClO 、CFSO 等のパーフルオロアルカンスルホン酸アニオン、ペンタフルオロベンゼンスルホン酸アニオン、ナフタレン−1−スルホン酸アニオン等の縮合多核芳香族スルホン酸アニオン、アントラキノンスルホン酸 アニオン、スルホン酸基含有染料等を挙げることができるがこれらに限定されるものではない。
【0164】
またR203、R204、R205のうちの2つ及びAr、Arはそれぞれの単結合又は置換基を介して結合してもよい。
【0165】
(3)下記一般式(PAG5)で表されるジスルホン誘導体又は一般式(PAG6)で表されるイミノスルホネート誘導体。
【0166】
【化67】
Figure 2004138663
【0167】
式中、Ar、Arは、各々独立に、置換もしくは未置換のアリール基を示す。R206は置換もしくは未置換のアルキル基、アリール基を示す。Aは置換もしくは未置換のアルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基を示す。
【0168】
(4)下記一般式(PAG7)で表されるジアゾジスルホン誘導体。
【0169】
【化68】
Figure 2004138663
【0170】
ここでRは、直鎖、分岐又は環状アルキル基、あるいは置換していてもよいアリール基を表す。
【0171】
〔5〕その他の添加剤
本発明のポジ型レジスト組成物には、必要に応じて更に界面活性剤、有機塩基性化合物、酸分解性溶解阻止化合物、染料、可塑剤、光増感剤、及び現像液に対する溶解性を促進させる化合物等を含有させることができる。
【0172】
(a)界面活性剤
本発明のポジ型レジスト組成物は、界面活性剤、好ましくはフッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤を含有する。
本発明のポジ型レジスト組成物は、フッ素系界面活性剤、シリコン系界面活性剤及びフッ素原子と珪素原子の両方を含有する界面活性剤のいずれか、あるいは2種以上を含有することが好ましい。
本発明のポジ型レジスト組成物が上記酸分解性樹脂と上記界面活性剤とを含有することにより、パターンの線幅が一層細い時に特に有効であり、現像欠陥が一層改良される。
【0173】
これらのフッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤として、例えば特開昭62−36663号公報、特開昭61−226746号公報、特開昭61−226745号公報、特開昭62−170950号公報、特開昭63−34540号公報、特開平7−230165号公報、特開平8−62834号公報、特開平9−54432号公報、特開平9−5988号公報、特開2002−277862号公報、米国特許第5405720号明細書、同5360692号明細書、同5529881号明細書、同5296330号明細書、同5436098号明細書、同5576143号明細書、同 5294511号明細書、同5824451号明細書記載の界面活性剤を挙げることができ、下記市販の界面活性剤をそのまま用いることもできる。
使用できる市販のフッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤として、例えばエフトップEF301、EF303、(新秋田化成(株)製)、フロラードFC430、431(住友スリーエム(株)製)、メガファックF171、F173、F176、F189、R08(大日本インキ化学工業(株)製)、サーフロンS−382、SC101、102、103、104、105、106(旭硝子(株)製)、トロイゾルS−366(トロイケミカル(株)製)等のフッ素系界面活性剤又はシリコン系界面活性剤を挙げることができる。またポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製)もシリコン系界面活性剤として用いることができる。
【0174】
また、フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤としては、上記に示すような公知のものの他に、テロメリゼーション法(テロマー法ともいわれる)もしくはオリゴメリゼーション法(オリゴマー法ともいわれる)により製造されたフルオロ脂肪族化合物から導かれたフルオロ脂肪族基を有する重合体を用いた界面活性剤を用いることが出来る。フルオロ脂肪族化合物は、特開2002−90991号公報に記載された方法によって合成することが出来る。
フルオロ脂肪族基を有する重合体としては、フルオロ脂肪族基を有するモノマーと(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート及び/又は(ポリ(オキシアルキレン))メタクリレートとの共重合体が好ましく、不規則に分布しているものでも、ブロック共重合していてもよい。また、ポリ(オキシアルキレン)基としては、ポリ(オキシエチレン)基、ポリ(オキシプロピレン)基、ポリ(オキシブチレン)基などが挙げられ、また、ポリ(オキシエチレンとオキシプロピレンとオキシエチレンとのブロック連結体)やポリ(オキシエチレンとオキシプロピレンとのブロック連結体)基など同じ鎖長内に異なる鎖長のアルキレンを有するようなユニットでもよい。さらに、フルオロ脂肪族基を有するモノマーと(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体は2元共重合体ばかりでなく、異なる2種以上のフルオロ脂肪族基を有するモノマーや、異なる2種以上の(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)などを同時に共重合した3元系以上の共重合体でもよい。
例えば、市販のフッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤として、メガファックF178、F−470、F−473、F−475、F−476、F−472(大日本インキ化学工業(株)製)を挙げることができる。さらに、C13基を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体、C13基を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシエチレン))アクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシプロピレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体、C17基を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体、C17基を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシエチレン))アクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシプロピレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体、などを挙げることができる。
【0175】
界面活性剤の使用量は、ポジ型レジスト組成物全量(溶剤を除く)に対して、好ましくは0.0001〜2質量%、より好ましくは0.001〜1質量%、特に好ましくは0.01質量%〜1質量%である。
【0176】
上記の他に使用することのできる界面活性剤としては、具体的には、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタントリステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテ−ト、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等のノニオン系界面活性剤等を挙げることができる。
【0177】
(b)有機塩基性化合物
本発明のポジ型レジスト組成物は、有機塩基性化合物を含有することが好ましい。好ましい有機塩基性化合物としては、フェノールよりも塩基性の強い化合物である。中でも含窒素塩基性化合物が好ましく、例えば下記(A)〜(E)で表される構造が挙げられる。
【0178】
【化69】
Figure 2004138663
【0179】
ここで、R250、R251及びR252は、各々独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアミノアルキル基、炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基又は炭素数6〜20の置換もしくは非置換のアリール基であり、ここでR251とR252は互いに結合して環を形成してもよい。
【0180】
【化70】
Figure 2004138663
【0181】
(式中、R253、R254、R255及びR256は、各々独立に、炭素数1〜6のアルキル基を示す)
更に好ましい化合物は、一分子中に異なる化学的環境の窒素原子を2個以上有する含窒素塩基性化合物であり、特に好ましくは、置換もしくは未置換のアミノ基と窒素原子を含む環構造の両方を含む化合物もしくはアルキルアミノ基を有する化合物である。好ましい具体例としては、置換もしくは未置換のグアニジン、置換もしくは未置換のアミノピリジン、置換もしくは未置換のアミノアルキルピリジン、置換もしくは未置換のアミノピロリジン、置換もしくは未置換のインダーゾル、置換もしくは未置換のピラゾール、置換もしくは未置換のピラジン、置換もしくは未置換のピリミジン、置換もしくは未置換のプリン、置換もしくは未置換のイミダゾリン、置換もしくは未置換のピラゾリン、置換もしくは未置換のピペラジン、置換もしくは未置換のアミノモルフォリン、置換もしくは未置換のアミノアルキルモルフォリン等が挙げられる。好ましい置換基は、アミノ基、アミノアルキル基、アルキルアミノ基、アミノアリール基、アリールアミノ基、アルキル基、アルコキシ基、アシル基、アシロキシ基、アリール基、アリールオキシ基、ニトロ基、水酸基、シアノ基である。
【0182】
含窒素塩基性化合物の好ましい具体例として、グアニジン、1,1−ジメチルグアニジン、1,1,3,3,−テトラメチルグアニジン、2−アミノピリジン、3−アミノピリジン、4−アミノピリジン、2−ジメチルアミノピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、2−ジエチルアミノピリジン、2−(アミノメチル)ピリジン、2−アミノ−3−メチルピリジン、2−アミノ−4−メチルピリジン、2−アミノ−5−メチルピリジン、2−アミノ−6−メチルピリジン、3−アミノエチルピリジン、4−アミノエチルピリジン、3−アミノピロリジン、ピペラジン、N−(2−アミノエチル)ピペラジン、N−(2−アミノエチル)ピペリジン、4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ピペリジノピペリジン、2−イミノピペリジン、1−(2−アミノエチル)ピロリジン、ピラゾール、3−アミノ−5−メチルピラゾール、5−アミノ−3−メチル−1−p−トリルピラゾール、ピラジン、2−(アミノメチル)−5−メチルピラジン、ピリミジン、2,4−ジアミノピリミジン、4,6−ジヒドロキシピリミジン、2−ピラゾリン、3−ピラゾリン、N−アミノモルフォリン、N−(2−アミノエチル)モルフォリン、1,5−ジアザビシクロ〔4.3.0〕ノナ−5−エン、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデカ−7−エン、1,4−ジアザビシクロ〔2.2.2〕オクタン、2,4,5−トリフェニルイミダゾール、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、N−ヒドロキシエチルモルホリン、N−ベンジルモルホリン、シクロヘキシルモルホリノエチルチオウレア(CHMETU)等の3級モルホリン誘導体、特開平11−52575号公報に記載のヒンダードアミン類(例えば該公報〔0005〕に記載のもの)等が挙げられるがこれに限定されるものではない。
【0183】
特に好ましい具体例は、1,5−ジアザビシクロ〔4.3.0〕ノナ−5−エン、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデカ−7−エン、1,4−ジアザビシクロ〔2.2.2〕オクタン、4−ジメチルアミノピリジン、ヘキサメチレンテトラミン、4,4−ジメチルイミダゾリン、ピロール類、ピラゾール類、イミダゾール類、ピリダジン類、ピリミジン類、CHMETU等の3級モルホリン類、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバゲート等のヒンダードアミン類、N,N−ジヒドロキシエチルアニリン、N,N−ジブチルアニリン、トリオクチルアミン、トリフェニルイミダゾール、アンチピリン、2,6−ジイソプロピルアニリン等を挙げることができる。
中でも、1,5−ジアザビシクロ〔4.3.0〕ノナ−5−エン、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデカ−7−エン、1,4−ジアザビシクロ〔2.2.2〕オクタン、4−ジメチルアミノピリジン、ヘキサメチレンテトラミン、CHMETU、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバゲート、N,N−ジヒドロキシエチルアニリン、N,N−ジブチルアニリン、トリオクチルアミン、トリフェニルイミダゾール、アンチピリン、2,6−ジイソプロピルアニリンが好ましい。
【0184】
これらの含窒素塩基性化合物は、単独であるいは2種以上組み合わせて用いられる。含窒素塩基性化合物の使用量は、本発明のレジスト組成物の全組成物の固形分に対し、通常、0.001〜10質量%、好ましくは0.01〜5質量%である。0.001質量%未満では上記含窒素塩基性化合物の添加の効果が得られない。一方、10質量%を超えると感度の低下や非露光部の現像性が悪化する傾向がある。
【0185】
〔6〕溶剤(C成分)
本発明のポジ型レジスト組成物は、上記各成分を溶解する溶剤に溶かして支持体上に塗布する。ここで使用する溶剤としては、エチレンジクロライド、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、メチルエチルケトン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、2−メトキシエチルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、エチレンカーボネート、トルエン、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、テトラヒドロフラン等が好ましく、これらの溶剤を単独あるいは混合して使用する。
【0186】
上記の中でも、好ましい溶剤としてはプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレンカーボネート、酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、N−メチルピロリドン、テトラヒドロフランを挙げることができる。
【0187】
各成分を溶剤に溶解し、調製されるレジスト組成物は、全固形分の濃度として、3〜25質量%であることが好ましく、5〜22質量%であることがより好ましく、7〜20質量%であることが更に好ましい。
【0188】
本発明のこのようなポジ型レジスト組成物は基板上に塗布され、薄膜を形成する。この塗膜の膜厚は0.2〜1.2μmが好ましい。
使用することができる基板としては、通常のBareSi基板、SOG基板、あるいは次に記載の無機の反射防止膜を有する基板等を挙げることができる。
また、必要により、市販の無機あるいは有機反射防止膜を使用することができる。
【0189】
反射防止膜としては、チタン、二酸化チタン、窒化チタン、酸化クロム、カーボン、α−シリコン等の無機膜型と、吸光剤とポリマー材料からなる有機膜型が用いることができる。前者は膜形成に真空蒸着装置、CVD装置、スパッタリング装置等の設備を必要とする。有機反射防止膜としては、例えば特公平7−69611号記載のジフェニルアミン誘導体とホルムアルデヒド変性メラミン樹脂との縮合体、アルカリ可溶性樹脂、吸光剤からなるものや、米国特許5294680号記載の無水マレイン酸共重合体とジアミン型吸光剤の反応物、特開平6−118631号記載の樹脂バインダーとメチロールメラミン系熱架橋剤を含有するもの、特開平6−118656号記載のカルボン酸基とエポキシ基と吸光基を同一分子内に有するアクリル樹脂型反射防止膜、特開平8−87115号記載のメチロールメラミンとベンゾフェノン系吸光剤からなるもの、特開平8−179509号記載のポリビニルアルコール樹脂に低分子吸光剤を添加したもの等が挙げられる。
また、有機反射防止膜として、ブリューワーサイエンス社製のDUV30シリーズや、DUV−40シリーズ、ARC25、シプレー社製のAC−2、AC−3、AR19、AR20等を使用することもできる。
【0190】
上記レジスト液を精密集積回路素子の製造に使用されるような基板(例:シリコン/二酸化シリコン被覆)上に(必要により上記反射防止膜を設けられた基板上に)、スピナー、コーター等の適当な塗布方法により塗布後、所定のマスクを通して露光し、ベークを行い現像することにより良好なレジストパターンを得ることができる。ここで露光光としては、好ましくは150nm〜250nmの波長の光である。具体的には、KrFエキシマレーザー(248nm)、ArFエキシマレーザー(193nm)、Fエキシマレーザー(157nm)、X線、電子ビーム等が挙げられる。
【0191】
現像液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン、n−プロピルアミン等の第一アミン類、ジエチルアミン、ジ−n−ブチルアミン等の第二アミン類、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の第三アミン類、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルコールアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等の第四級アンモニウム塩、ピロール、ピヘリジン等の環状アミン類等のアルカリ性水溶液(通常0.1〜10質量%)を使用することができる。更に、上記アルカリ性水溶液にアルコール類、界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
【0192】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0193】
合成例(1)樹脂(1)の合成
共栄社化学社製ライトエステルHO−MS、2−アダマンチル−2−プロピルメタクリレート、ジヒドロキシアダマンタンメタクリレート、ノルボルナンラクトンアクリレートを5/30/15/50の割合で仕込み、PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)/PGME(プロピレングリコールモノメチルエーテル)=6/4(質量比)に溶解し、固形分濃度22質量%の溶液450gを調製した。この溶液に和光純薬製V−601を8mol%加え、これを窒素雰囲気下、6時間かけて、80℃に加熱したPGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)/PGME(プロピレングリコールモノメチルエーテル)=6/4(質量比)、50gに滴下した。滴下終了後、反応液を2時間撹拌した。反応終了後、反応液を室温まで冷却し、ヘキサン/酢酸エチル=9/1の混合溶媒5Lに晶析、析出した白色粉体を濾取し、目的物である樹脂(1)を回収した。
【0194】
NMRから求めたポリマー組成比は5/30/16/49であった。また、GPC測定により求めた標準ポリスチレン換算の重量平均分子量は7100であった。
【0195】
上記合成例と同様の操作で、樹脂(2)〜(6)を合成した。
【0196】
【化71】
Figure 2004138663
【0197】
【化72】
Figure 2004138663
【0198】
【化73】
Figure 2004138663
【0199】
【化74】
Figure 2004138663
【0200】
【表1】
Figure 2004138663
【0201】
実施例1〜6及び比較例1及び2
(ポジ型レジスト組成物組成物の調製と評価)
表2におけるように、上記合成例で合成した樹脂(2g)、
光酸発生剤(配合量は表2に示した)、
有機塩基性化合物(4mg)、
界面活性剤(10mg)
を配合し、固形分11質量%となるように表2に示す溶剤に溶解した後、0.1μmのミクロフィルターで濾過し、更に0.03μmのフィルターで濾過し、実施例1〜6と比較例1及び2のポジ型レジスト組成物を調製した。尚、表2における各成分について複数使用の際の比率は質量比である。
【0202】
尚、比較例2に使用した樹脂R1は、特開2002−251013号公報の合成例1に従い合成した樹脂(1)である。即ち、2−アダマンチル−2−プロピルメタクリレート/ブチロラクトンメタクリレート/ノルボルネンラクトンアクリレート(モル比:5/2/3)の組成を有する重量平均分子量8900の樹脂である。
【0203】
【表2】
Figure 2004138663
【0204】
表2における各成分の記号は以下を示す。
〔界面活性剤〕
W1:メガファックF176(大日本インキ化学工業(株)製)(フッ素系)
W2:メガファックR08(大日本インキ化学工業(株)製)(フッ素及びシリコーン系)
W3:トロイゾルS−366(トロイケミカル(株)製)
【0205】
〔塩基性化合物〕
1:N,N−ジヒドロキシエチルアニリン
2:N,N−ジブチルアニリン
3:トリフェニルイミダゾール
4:アンチピリン
5:2,6−ジイソプロピルアニリン
6:1,5−ジアザビシクロ〔4.3.0〕−5−ノネン(DBN)
を表す。
【0206】
〔溶剤〕
S1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
S2:プロピレングリコールモノメチルエーテル
S3:γ−ブチロラクトン
【0207】
〔評価方法〕
上記で調製されたポジ型フォトレジスト液をスピンコータを利用してシリコンウエハー上に塗布し、表2に示す温度(SB)で90秒間乾燥、約0.3μmのポジ型フォトレジスト膜を作製し、それにArFエキシマレーザー(波長193nm、NA=0.6のISI社製ArFステッパー)で露光した。露光後の加熱処理を表2に示す温度(PEB)で90秒間行い、2.38質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で現像、蒸留水でリンスし、レジストパターンプロファイルを得る。
【0208】
〔PCD安定性〕
線幅130nmのラインマスクパターンについて、130nmのラインパターンを再現する露光量で、PCD(塗布後23℃で120分間放置)により、線幅が変動する変動率を下記式により評価し、得られた値をPCD安定性の指標とした。この値が小さいほうが安定性が良好であることを示す。
PCD安定性(%)= |(塗布後23℃で120分間放置後に加熱(SB)を行い得られたパターンの線幅)−(塗布後直ちに加熱(SB)を行い得られたパターンの線幅)|/130nm× 100
【0209】
〔PED安定性〕
線幅130nmのラインマスクパターンについて、130nmのラインパターンを再現する露光量で、PED(露光後23℃で60分間放置)により、線幅が変動する変動率を下記式により評価し、得られた値をPED安定性の指標とした。
PED安定性(%)= |(露光後23℃で60分間放置後に加熱(PEB)を行い得られたパターンの線幅)−(露光後直ちに加熱(PEB)を行い得られたパターンの線幅)|/130nm× 100
【0210】
〔プロセスマージン〕
マスクサイズ180nmのコンタクトホールパターン(ピッチ540nm)を露光し、(株)日立製作所製の測長SEM(S−9260)を使用してホールサイズを計測した。140nmのサイズで再現する露光量を最適露光量(E0)として、E0の5%オーバー露光した際の、140nm±10%の範囲のコンタクトホールサイズを満たす焦点許容範囲(DOF1)を求め、また、E0の5%アンダー露光した際の、140nm±10%の範囲のコンタクトホールサイズを満たす焦点許容範囲(DOF2)を求め、DOF1+DOF2をプロセスマージン(単位:μm)とした。
この評価結果を下記表3に示す。
【0211】
【表3】
Figure 2004138663
【0212】
表3の結果から、本発明の組成物は、PCD安定性、PED安定性、更にはプロセスマージンに優れていることがわかる。
【0213】
【発明の効果】
本発明により、ブリッジングなどの現像欠陥の発生が少なく、PCD安定性、PED安定性、更にはプロセスマージンに優れたポジ型レジスト組成物を提供できる。

Claims (3)

  1. (A)下記一般式(A1)で表される繰り返し単位、下記一般式(A2)で表される繰り返し単位、及び下記一般式(A3)で表される繰り返し単位を含有する、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解速度が増大する樹脂、(B)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する、一般式(A2I)で表される化合物、及び(C)溶剤を含有するポジ型レジスト組成物。
    Figure 2004138663
    式(A1)において、Rは水素原子又はアルキル基を表す。
    Lは、単結合、アルキレン基、エーテル基、エステル基、カルボニル基、又はこれらの基の少なくとも二つの組み合わせを表す。
    Zは、−COOH、−OH、又は−C(=O)CHC(=O)Rを表す。Rは炭化水素基を表す。
    Figure 2004138663
    一般式(A2)において、Rは水素原子又はメチル基を表し、Aは単結合又は連結基を表し、ALGは下記一般式(pI)〜一般式(pV)のいずれかを表す。
    Figure 2004138663
    式中、R11は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基又はsec−ブチル基を表し、Zは、炭素原子とともに脂環式炭化水素基を形成するのに必要な原子団を表す。
    12〜R16は、各々独立に、炭素数1〜4個の、直鎖もしくは分岐のアルキル基又は脂環式炭化水素基を表す。但し、R12〜R14のうち少なくとも1つ、及びR15、R16のいずれかは脂環式炭化水素基を表す。
    17〜R21は、各々独立に、水素原子、炭素数1〜4個の、直鎖もしくは分岐のアルキル基又は脂環式炭化水素基を表し、但し、R17〜R21のうち少なくとも1つは脂環式炭化水素基を表す。また、R19、R21のいずれかは炭素数1〜4個の、直鎖もしくは分岐のアルキル基又は脂環式炭化水素基を表す。
    22〜R25は、各々独立に、炭素数1〜4個の、直鎖もしくは分岐のアルキル基又は脂環式炭化水素基を表し、但し、R22〜R25のうち少なくとも1つは脂環式炭化水素基を表す。また、R23とR24は、互いに結合して環を形成していてもよい。
    Figure 2004138663
    一般式(A3)において、Rは水素原子又はメチル基を表す。
    は単結合又は2価の連結基を表す。
    はp+1価の脂環式炭化水素基を表す。
    pは1〜3の整数を表す。
    Figure 2004138663
    1c〜R5cは、各々独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、又はハロゲン原子を表す。
    6c及びR7cは、各々独立に、水素原子、アルキル基、又はアリール基を表す。
    Rx及びRyは、各々独立に、アルキル基、2−オキソアルキル基、アルコキシカルボニルメチル基、アリル基、又はビニル基を表す。
    1c〜R7c中のいずれか2つ以上、及びRxとRyは、それぞれ結合して環構造を形成しても良く、この環構造は、酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合を含んでいてもよい。
    は、スルホン酸、カルボン酸、又はスルホニルイミドのアニオンを表す。
  2. 更にトリアリールスルホニウム塩を含有することを特徴とする請求項1に記載のポジ型レジスト組成物。
  3. 樹脂(A)が、更に、シクロヘキサンラクトン、ノルボルナンラクトン、又はアダマンタンラクトンを有する繰り返し単位を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載のポジ型レジスト組成物。
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