JP2004137422A - ポリエーテル誘導体及びその製造方法 - Google Patents

ポリエーテル誘導体及びその製造方法 Download PDF

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Takashi Tamura
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Abstract

【課題】マイクロカプセルや生理活性蛋白質の化学修飾、ドラッグデリバリーシステムの化学修飾等に有用な新規ポリエーテル誘導体及びその有利な製造方法を提供する。
【解決手段】下記一般式(I)で表されるポリエーテル誘導体。
【化1】
Figure 2004137422

〔一般式(I)において、Xは−CO−又は−SO−を表し、Arは無置換アリーレン又はハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、シアノ基で置換されたアリーレンを表し、Lはアルキレンを表し、mは1又は2を表す。Aは−X−Ar−(NH、水素原子、アルキル基、アリール基、アシル基を表し、該XとArとlはそれぞれ上記XとArとmに同義である。nはポリエーテル基の平均付加モル数で10〜500の数である。〕
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規なポリエーテル誘導体及びその製造方法に関する。更に詳しくは、本発明は、マイクロカプセルや生理活性蛋白質の化学修飾、ドラッグデリバリーシステムにおける化学修飾等に有用なポリエーテル誘導体及びその有利な製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
いわゆるジアゾ型の感熱記録材料(例えば、非特許文献1参照。)においては、ジアゾニウム塩化合物をマイクロカプセルで包含し、カプラーや水、塩基性化合物から隔離する方法が提案されている(例えば、非特許文献2参照。)。この様なマイクロカプセルとしては、ポリウレタン又はポリウレア壁からなるマイクロカプセルが良く知られている(例えば、非特許文献3及び4参照。)。
【0003】
上記ポリウレタン或いはポリウレア壁を有するマイクロカプセルの形成材料である多価イソシアネート化合物としては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンの付加体、キシリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンの付加体が主として使用されている(例えば、特許文献1及び2参照。)。更に、片末端に活性水素を有するポリエーテル、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレア、ポリウレタン、ポリシロキサン、ビニルモノマーの重合体等と分子中に2個以上のイソシアネート基を有する多官能イソシアネートとの付加物も知られており(例えば、特許文献3参照。)、片末端に活性水素を有するポリエーテル誘導体の有用性が記載されている。
【0004】
また近年になり、末端変性ポリエーテル化合物が、ドラッグデリバリーシステムやコンビナトリアル合成の重要な担体として注目を集めるようになり、ポリエーテル化合物にアミノ基を導入した化合物の研究が盛んに行われている。末端アミノアルキル変性ポリエーテル誘導体については、ポリエチレングリコールの末端水酸基をトシル化した後にガブリエル法によりフタルイミドとし、脱保護することによりアミノエチル基としたもの(例えば、非特許文献5参照。)、メトキシポリエチレングリコールの末端水酸基とアクリロニトリルとのマイケル付加反応の後に還元してアミノプロピル基としたもの(例えば、特許文献4参照。)、メトキシポリエチレングリコールの末端水酸基をアルカンジイソシアンートの片方のイソシアナート基と反応させた後に残ったイソシアナート基にt−ブチルアルコールを反応させてウレタンとした後に脱保護によりアミノアルキル基としたもの(例えば、非特許文献6参照。)、メトキシポリエチレングリコールの末端水酸基とBoc−グリシンをDCC存在下に反応させた後にTFAでBoc基を脱保護してグリシンエステルとしたもの(例えば、非特許文献7参照。)等が知られている。
【0005】
しかしながら、これらの末端アミノ基を有するポリエーテル誘導体の合成は、トシル酸塩やフタルヒドラジド、ジシクロヘキシルウレアなどの副生成物のため精製が困難であったり、過剰のアセトニトリルの使用を要したり、脱保護時に副反応が起こるなどの問題を有している。
【0006】
一方、末端アミノアリール変性ポリエーテルとしては、メトキシポリエチレングリコールの3−アミノ−4−アルキルアミノ安息香酸エステルが合成されているが(例えば、非特許文献8参照。)、他の置換形式は知られておらず、また前駆体であるメトキシポリエチレングリコールのニトロ安息香酸エステル誘導体の合成にはDCCを用いているために、副生するジシクロヘキシルウレアの除去が困難である。
【0007】
【特許文献1】
特開昭62−212190号公報
【特許文献2】
特開平4−26189号公報
【特許文献3】
特開平10−114153号公報
【特許文献4】
特開平11−263834号公報
【非特許文献1】
佐藤弘次ら著「画像電子学会誌」、第11巻、第4号、290〜296頁、1982年、など
【非特許文献2】
宇佐美智正ら著「電子写真学会誌」、第26巻、第2号、115〜125頁、1987年
【非特許文献3】
近藤朝士著「マイクロカプセル」、日刊工業新聞社、1970年
【非特許文献4】
近藤保ら著「マイクロカプセル」、三共出版、1977年
【非特許文献5】
J.Org.Chem.<45>、5364、1980年
【非特許文献6】
Eur.Poly.J.<19>、341、1983年
【非特許文献7】
J.Am.Chem.Soc.<118>、10150、1996年
【非特許文献8】
Tetrahedron Letters、<43>、1529、2002年
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の諸問題を解決し、新規な末端アミノアリールポリエーテル誘導体及び、該ポリエーテル誘導体の有利な製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決する為の、本発明の手段は次の通りである。即ち、
<1> 下記一般式(I)で表されるポリエーテル誘導体。
【化3】
Figure 2004137422
〔一般式(I)において、Xは−CO−又は−SO−を表し、Arは無置換アリーレン又はハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、シアノ基で置換されたアリーレンを表し、Lはアルキレンを表し、mは1又は2を表す。Aは−X−Ar−(NH、水素原子、アルキル基、アリール基、アシル基を表し、ここで該XとArとlはそれぞれ上記XとArとmに同義である。nはポリエーテル基の平均付加モル数で10〜500の数を表す。〕
<2> 前記一般式(I)中の置換基Aが、アルキル基、アリール基又はアシル基である上記<1>に記載のポリエーテル誘導体。
<3> 下記一般式(II)で表されるポリエーテル誘導体と下記一般式(III)で表される芳香族ニトロ化合物を反応させた後に、接触水素還元用の触媒下に水素還元して前記一般式(1)で表されるポリエーテル誘導体を得ることを特徴とするポリエーテル誘導体の製造方法。
【化4】
Figure 2004137422
〔一般式(II)及び一般式(III)において、Eは水素原子、アルキル基、アリール基、アシル基を表し、Xは前記X又はXを表し、Arは前記Ar又はArを表し、pは前記m又はlを表し、Lはアルキレンを表す。nはポリエーテル基の平均付加モル数で10〜500の数を表す。〕
【0010】
【発明の実施の形態】
(一般式(I)のポリエーテル誘導体)
最初に、本発明の下記一般式(I)で表されるポリエーテル誘導体につき詳細に説明する。
【化5】
Figure 2004137422
【0011】
上記一般式(I)において、Xは−CO−又は−SO−を表し、中でも−CO−が好ましい。
Arは無置換アリーレン又はハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、シアノ基で置換されたアリーレンを表し、総炭素数が6〜30のものが好ましく、特に総炭素数が6〜20のものが好ましい。上記置換されている場合の置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、シアノ基が好ましく、特にハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基が好ましい。mは1又は2を表す。
この様な−X−Ar−(NHの具体例としては、4−アミノベンゾイル基、3,5−ジアミノベンゾイル基、4−アミノベンゼンスルホニル基等が挙げられる。
【0012】
一般式(I)のLはアルキレンを表し、該アルキレンは置換基を有していてもよく、また分岐を有していてもよく、総炭素数が2〜20のものが好ましく、特に総炭素数が2〜10のものが好ましい。上記置換基としてはアリール基、アルケニル基、アルコキシ基、アシル基が好ましく、中でも特にアリール基が好ましい。この様なアルキレンの具体例としては、エチレン、プロピレン、テトラメチレン、フェニルエチレン、シクロヘキシレン、ビニルエチレン、フェノキシメチルエチレン等が挙げられる。
【0013】
一般式(I)の繰り返し単位−(L−O)−は、n個の繰り返しにおいてそれぞれ独立の基を表してもよいが、同一の基であることが好ましい。この様な繰り返し単位を有するポリエーテルの具体例としては、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンキシド、ポリテトラメチレンオキシド、ポリスチレンオキシド、ポリシクロヘキシレンオキシド、ポリエチレンオキシド−ポリプロピレンオキシド−ブロック共重合体、ポリエチレンオキシド−ポリプロピレンオキシドランダム共重合体等が挙げられる。
【0014】
一般式(I)において、Aは−X−Ar−(NH、水素原子、アルキル基、アリール基、アシル基を表し、ここで該XとArとlはそれぞれ上記XとArとmに同義である。中でも、−X−Ar−(NHは−X−Ar−(NHと同一の基を表すことが好ましい。
Aで表される上記アルキル基は置換基を有していてもよく、また分岐を有していてもよく、総炭素数が1〜30のものが好ましく、特に総炭素数が1〜20のものが好ましい。上記置換基としてはアリール基、アルケニル基、アルコキシ基が好ましい。この様なアルキル基の具体例としてはメチル基、エチル基、ブチル基、イソプロピル基、ベヘニル基、ベンジル基、アリル基、オレイル基、メトキシエチル基等が挙げられる。
【0015】
Aで表される上記アリール基は置換基を有していてもよく、総炭素数が6〜30のものが好ましく、特に総炭素数が6〜20のものが好ましい。上記置換基としてはハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基が好ましく、中でも特にアルキル基、アルコキシ基が好ましい。この様なアリール基の具体例としては、フェニル基、ノニルフェニル基、オクチルフェニル基、フルオロフェニル基、スチリルフェニル基、フェニルエテニルフェニル基、メトキシフェニル基等が挙げられる。
【0016】
Aで表される上記アシル基は脂肪族でも芳香族のアシル基でもよく、また置換基を有していてもよく、また分岐を有していてもよく、総炭素数が2〜30のものが好ましく、特に総炭素数が2〜20のものが好ましい。上記置換基にはアミノ基、ニトロ基は含まれず、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルコキシ基が好ましい。この様なアシル基の具体例としてはアセチル基、ベンゾイル基、(メタ)アクリロイル基、オレオイル基、ラウロイル基、ステアロイル基、メトキシベンゾイル基等が挙げられる。
【0017】
以上、この様なAで表される基の中でも、−X−Ar−(NH、アルキル基、アリール基、アシル基が好ましく、更にアルキル基、アリール基、アシル基がより好ましく、特にアルキル基が最も好ましい。
【0018】
nはポリエーテル基の平均付加モル数で10〜500の数を表し、該平均付加モル数としては10〜400の数が好ましく、特に10〜300の数がより好ましい。
【0019】
以下に、本発明の前記一般式(I)で表されるポリエーテル誘導体の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0020】
【化6】
Figure 2004137422
【0021】
【化7】
Figure 2004137422
【0022】
【化8】
Figure 2004137422
【0023】
【化9】
Figure 2004137422
【0024】
【化10】
Figure 2004137422
【0025】
【化11】
Figure 2004137422
【0026】
【化12】
Figure 2004137422
【0027】
(ポリエーテル誘導体の製造方法)
次に、本発明のポリエーテル誘導体の製造方法について詳細に説明する。
本発明のポリエーテル誘導体は、下記一般式(II)で表されるポリエーテル誘導体と下記一般式(III)で表される芳香族ニトロ化合物とを反応させ、下記一般式(IV)のニトロ化合物にした後に、該ニトロ化合物を接触水素還元用の触媒の存在下に水素還元することにより製造することができる。
【0028】
【化13】
Figure 2004137422
【0029】
上記一般式(II)及び一般式(III)において、Eは水素原子、アルキル基、アリール基、アシル基を表し、Xは前記X又はXを表し、Arは前記Ar又はArを表し、pは前記m又はlを表し、Lはアルキレンを表す。nはポリエーテル基の平均付加モル数で10〜500の数である。
【0030】
一般式(III)で表される芳香族ニトロ化合物の使用量は、一般式(II)で表されるポリエーテル誘導体の水酸基1.0モルに対して1.0〜3.0モルが好ましく、特に1.0〜1.5モルが好ましい。
【0031】
一般式(II)で表されるポリエーテル誘導体と一般式(III)で表される芳香族ニトロ化合物との反応には、トリエチルアミン、ピリジン、DBU、水素化ナトリウム等の塩基を使用することが好ましく、特にトリエチルアミンの使用が好ましい。塩基の使用量は一般式(II)で表されるポリエーテル誘導体の水酸基1.0モルに対して1.0〜3.0モルが好ましく、特に1.0〜2.2モルが好ましい。
【0032】
また、上記の反応には溶媒を使用してもよく、該溶媒としてはトルエン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、塩化メチレンが好ましく、特にトルエン、アセトニトリルが好ましい。溶媒を使用する場合の使用量は一般式(II)で表されるポリエーテル誘導体1.0gに対して0.5ml〜50mlが好ましく、特に1ml〜10mlが好ましい。
【0033】
上記反応の反応温度としては、0℃〜100℃又は使用する溶媒の還流温度が好ましく、特に5℃〜35℃が好ましい。
【0034】
また、一般式(II)で表されるポリエーテル誘導体を、反応前に脱水して使用することも好ましく、脱水方法としては真空ポンプで60℃〜100℃加熱下に数時間攪拌する方法、トルエン等の溶媒と共沸脱水する方法等が挙げられる。
【0035】
一般式(IV)の化合物は精製せずに次工程の還元に使用することができるが、精製する場合には、塩酸塩を濾過により除いた後に、再沈殿により行うことができる。再沈殿に用いる溶媒は、合成した化合物の性質により適宜選択することができる。
【0036】
一般式(IV)の化合物の水素還元に用いる接触水素還元用の触媒は、公知の触媒を使用することができる。該接触水素還元用の触媒に関しては、「第4版実験化学講座26」251頁〜266頁(日本化学会編、丸善、1992年)に詳しい。この中でも触媒のコスト及び反応性等の観点より、Pd/C触媒を用いることが特に好ましい。該触媒の使用量は一般式(IV)の化合物1gに対して0.005g〜0.1gが好ましく、特に0.008g〜0.05gが好ましい。
【0037】
また溶媒を使用してもよく、溶媒としてはメタノール、エタノール、2−プロパノール、テトラヒドロフラン、クロロホルムが好ましく、特にメタノール、エタノールが好ましい。該溶媒を使用する場合の使用量は一般式(IV)の化合物1gに対して0.5ml〜50mlが好ましく、特に1ml〜10mlが好ましい。
【0038】
上記反応の反応温度は0℃〜60℃又は使用する溶媒の還流温度が好ましく、特に15℃〜35℃が好ましい。また水素の添加は常圧で行なうことができるが、必要に応じて圧力を加えてもよい。
【0039】
生成する一般式(I)のポリエーテル誘導体は、触媒を濾過により除き、濾液を濃縮することにより単離することができる。また必要に応じて再沈殿により精製することができる。再沈殿に用いる溶媒は、合成した化合物の性質により適宜選択することができる。
【0040】
【実施例】
以下に実施例を示し、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。尚、本実施例において「部」及び「%」は全て、「質量部」及び「質量%」を表す。
【0041】
[実施例1]:例示化合物(1−1)の合成
下記に示す合成手順に従って、例示化合物(1−1)を合成した。
ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(日本油脂(株)製の「ユニオックスM−4000」、平均分子量:4350)60g(13.8mmol)を外温80℃で2時間かけて真空ポンプを用いて乾燥した後に、窒素気流下、アセトニトリル140ml及びトリエチルアミン3.8ml(27mmol)を添加した。次いで氷浴下、p−ニトロベンゾイルクロリド2.82g(15.2mmol)をアセトニトリル50mlに溶解したものを30分かけて滴下した。その後室温で2.5時間攪拌した後に、溶媒を留去し、酢酸エチルを加え60℃に加熱した。溶け残った固体を濾過により取り除き、濾液を濃縮することにより薄黄色固体を得た。この固体物を酢酸エチルで再沈殿を行なうことにより、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルのニトロベンゾイル体を50.6g得た。収率は79%であった。
【0042】
上記で得られたポリエチレングリコールモノメチルエーテルのニトロベンゾイル体50gと、10%Pd/C(50質量%wet)0.5g及びメタノール150mlを混合し、常圧で水素ガスを吹き込んだ。室温で3時間かけて攪拌した後に、セライト濾過により触媒を除き、濾液を濃縮して、例示化合物(1−1)を薄黄色固体として46g得た。収率は92%であった。
【0043】
上記で得られた薄黄色固体物をH−NMR(CDCl)解析により同定した結果を下記に示す。δ(in ppm from TMS);
7.85(d、2H)、6.63(d、2H)、4.41(t、2H)、3.88(t、2H)、3.80(t、2H)、3.74−3.53(m、ca.384H)、3.42−3.38(m、5H)
【0044】
[実施例2]:例示化合物(1−2)の合成
ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(Aldrich社製の「20,251−7」、平均分子量:5000)14.95g(2.99mmol)、アセトニトリル40ml及びトリエチルアミン0.42ml(3mmol)の混合物を氷浴に漬けて、窒素気流下、p−ニトロベンゾイルクロリド0.56g(2.99mmol)をアセトニトリル20mlに溶解したものを10分かけて滴下した。その後、室温で3時間攪拌した後に、溶媒を留去し、酢酸エチルを加え60℃に加熱した。溶け残った固体を濾過により取り除き、濾液を濃縮することにより薄黄色固体を得た。この固体物を酢酸エチルで再沈殿を行なうことにより、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルのニトロベンゾイル体を12.3g得た。収率は79%であった。
【0045】
上記で得られたポリエチレングリコールモノメチルエーテルのニトロベンゾイル体11.9g(2.29mmol)と、10%Pd/C(50質量%wet)0.12g及びメタノール60mlを混合し、常圧で水素ガスを吹き込んだ。室温で2時間攪拌した後に、セライト濾過により触媒を取り除き、濾液を濃縮した後に酢酸エチルで再沈殿を行なうことにより、例示化合物(1−2)を薄黄色固体として9.15g得た。収率は77%であった。
【0046】
上記で得られた薄黄色固体物をH−NMR(CDCl)解析により同定した結果を下記に示す。δ(in ppm from TMS);
7.86(d、2H)、6.64(d、2H)、4.42(t、2H)、3.88(t、2H)、3.81(t、2H)、3.74−3.54(m、ca.444H)、3.43−3.38(m、5H)
【0047】
[実施例3]:例示化合物(1−3)の合成
ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(Aldrich社製の「20,250−9」、平均分子量:2000)20g(10mmol)を外温80℃で2時間かけて真空ポンプを用いて乾燥した後に、窒素気流下に、アセトニトリル50ml及びトリエチルアミン2.8ml(20mmol)を添加した。次いで氷浴下に、p−ニトロベンゾイルクロリド2.04g(11mmol)をアセトニトリル30mlに溶解したものを45分かけて滴下した。室温で2時間攪拌した後に、溶媒を留去し、酢酸エチルを加え60℃に加熱した。溶け残った固体を濾過により取り除き、濾液を濃縮することにより薄黄色固体を得た。この固体物を酢酸エチルで再沈殿を行なうことによりポリエチレングリコールモノメチルエーテルのニトロベンゾイル体を20.5g得た。収率は93%であった。
【0048】
上記で得られたポリエチレングリコールモノメチルエーテルのニトロベンゾイル体20gと、10%Pd/C(50質量%wet)0.4g及びメタノール100mlを混合し、常圧で水素ガスを吹き込んだ。室温で3時間攪拌した後に、セライト濾過により触媒を除き、濾液を濃縮して、例示化合物(1−3)を薄黄色固体として20g得た。収率は定量的であった。
【0049】
上記で得られた薄黄色固体物をH−NMR(CDCl)解析により同定した結果を下記に示す。δ(in ppm from TMS);
7.85(d、2H)、6.64(d、2H)、4.41(t、2H)、3.88(t、2H)、3.72−3.53(m、ca.174H)、3.42−3.38(m、5H)
【0050】
[実施例4]:例示化合物(1−16)の合成
ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(日本油脂(株)製の「ユニオックスM−4000」、平均分子量:4350)10.1g(2.32mmol)を外温80℃で2時間かけて真空ポンプを用いて乾燥した後に、窒素気流下に、アセトニトリル20ml及びトリエチルアミン0.70ml(5mmol)を添加した。次いで氷浴下に、3,5−ジニトロベンゾイルクロリド0.59g(2.55mmol)をアセトニトリル10mlに溶解したものを20分かけて滴下した。室温で3時間攪拌した後に、溶媒を留去し、酢酸エチルを加え60℃に加熱した。溶け残った固体を濾過により取り除き、濾液を濃縮することにより、薄赤色固体を得た。この固体物を酢酸エチルで再沈殿を行なうことにより、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルのジニトロベンゾイル体を8.24g得た。収率は78%であった。
【0051】
上記で得られたポリエチレングリコールモノメチルエーテルのジニトロベンゾイル体8.2gと、10%Pd/C(50質量%wet)0.16g及びメタノール50mlを混合し、常圧で水素ガスを吹き込んだ。室温で3時間攪拌した後に、セライト濾過により触媒を取り除き、濾液を濃縮し、例示化合物(1−16)を薄赤色固体として8.1g得た。収率は99%であった。
【0052】
上記で得られた薄赤色固体物をH−NMR(CDCl)解析により同定した結果を下記に示す。δ(in ppm from TMS);
6.78(s、2H)、6.20(s、1H)、4.41(t、2H)、3.83(t、2H)、3.80(t、2H)、3.74−3.53(m、ca.384H)、3.42−3.38(m、5H)
【0053】
【発明の効果】
本発明のポリエーテル誘導体は、新規な末端アミノ基を有するポリエーテル誘導体であり、マイクロカプセルや生理活性蛋白質の化学修飾、或いはドラッグデリバリーシステムにおける化学修飾等の広汎な分野に有用な新規化合物である。また、上記ポリエーテル誘導体に係わる本発明の製造方法は、副生成物が少なく精製が容易で収率の良い実用的に有利な製法である。

Claims (3)

  1. 下記一般式(I)で表されるポリエーテル誘導体。
    Figure 2004137422
    〔一般式(I)において、Xは−CO−又は−SO−を表し、Arは無置換アリーレン又はハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、シアノ基で置換されたアリーレンを表し、Lはアルキレンを表し、mは1又は2を表す。Aは−X−Ar−(NH、水素原子、アルキル基、アリール基、アシル基を表し、ここで該XとArとlはそれぞれ上記XとArとmに同義である。nはポリエーテル基の平均付加モル数で10〜500の数を表す。〕
  2. 前記一般式(I)中の置換基Aが、アルキル基、アリール基又はアシル基である請求項1に記載のポリエーテル誘導体。
  3. 下記一般式(II)で表されるポリエーテル誘導体と下記一般式(III)で表される芳香族ニトロ化合物を反応させた後に、接触水素還元用の触媒下に水素還元して前記一般式(1)で表されるポリエーテル誘導体を得ることを特徴とするポリエーテル誘導体の製造方法。
    Figure 2004137422
    〔一般式(II)及び一般式(III)において、Eは水素原子、アルキル基、アリール基、アシル基を表し、Xは前記X又はXを表し、Arは前記Ar又はArを表し、pは前記m又はlを表し、Lはアルキレンを表す。nはポリエーテル基の平均付加モル数で10〜500の数を表す。〕
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