JP2004136296A - 圧延用複合ロール - Google Patents

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服部 敏幸
Hirochika Tomita
冨田 弘哉
Kazunori Sugino
杉野 員規
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Abstract

【課題】ロール外層を耐摩耗性に優れた超硬合金で形成するとともに、ロール表面に凹み疵が発生することを防止できる圧延用複合ロールを提供する。
【解決手段】鋼系または鉄系材料からなる内層の外周に耐摩耗性に優れた超硬合金からなる外層が接合してなり、ロール外層表面の押し込み硬さがHRA86以上であることを特徴とする。さらに、ロール外層と内層の間に、金属系バインダー相の重量比率が30%以上の超硬系あるいはサーメット系材質からなる中間層を少なくとも1層以上介在させることを特徴とする。
【選択図】   なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、靭性に優れる鋼系または鉄系材料からなる内層の外周に、高硬度の超硬合金からなる外層を形成した圧延用複合ロールに関する。
【0002】
【従来の技術】
鉄鋼を中心とする金属の圧延において、肌品質の向上、耐摩耗性の向上の要求から高品質な圧延用ロールの適用が進んでいる。特に板品質の要求が高いゼンジミア等の冷間板圧延の分野では、高硬度のダイス鋼、ハイス系ロール等が用いられている。
【0003】
さらに最近では、超硬合金を用いたロールが提案されている。例えば特開平10−263628号公報には、鋼と超硬合金の中間的なヤング率を得るために、外層を超硬合金とし芯材を鋼系の材料とした複合ロールが記載されている。このロールは、超硬合金の耐摩耗性を保持するとともに、超硬合金ロールの欠点である高ヤング率に起因する圧延形状制御の困難さを解消しうるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
超硬合金ロールは、ハイス系ロールなどに比べて耐摩耗性が格段に優れる利点を有する。しかしながら、冷間圧延の際、超硬合金ロール(ワークロール)と圧延材との間、あるいはワークロールと中間ロールまたはバックアップロールとの間に頻繁に異物が挟まり、圧延時の強圧力により、異物を挟んだ部分のワークロール表面が局部的にへこみ、凹み疵となって残るという問題があった。
【0005】
このような凹み疵は、通常凹み深さが1mm以下で微細であるため、圧延中のインライン検査で検出しづらいものである。圧延中に一旦発生した凹み疵をインライン検査で見逃すと、その後圧延された全ての製品板に凹み疵部の反転した模様が転写されるため、大量の品質不良に繋がる。特に仕上スタンド用ロールでは、製品板に明瞭に転写されて品質を著しく損ない被害が莫大となる。
【0006】
そこで、この問題に対処して、従来はロール表面に凹み疵が発生したか否かにかかわらず、圧延をある一定量終えると、ロールを交換したり、研磨し直していた。すなわち、ロールの使用方法を基準化することにより、ロールの凹み疵が転写されるのを未然に防止していた。この対処方法は、高品質を維持するには安全であるが、凹み疵が発生しておらず、本来ロールの交換、研磨が不要な場合でもロールの交換、研磨を行なうという無駄な作業を伴うため、生産効率、生産コストの面から不利であった。
【0007】
したがって、本発明は、ロール外層を耐摩耗性に優れた超硬合金で形成するとともに、ロール表面に凹み疵が発生することを防止できる圧延用複合ロールを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の圧延用複合ロールは、鋼系または鉄系材料からなる内層の外周に超硬合金からなる外層が接合してなり、外層表面の押し込み硬さがHRA86以上であることを特徴とする。
【0009】
本発明において、外層表面の押し込み硬さはHRA88以上がより好ましい。また、外層と内層の間に超硬合金または金属で形成された中間層を少なくとも1層以上介在させることが望ましい。
【0010】
【作用】
圧延時の強圧力により異物が押圧されて超硬合金ロール表面に凹み疵が発生する現象を鑑みて、複数の材質の異なる超硬ロール材に対して強制的に凹み疵を付与する実験を行ない検討した。
【0011】
炭化タングステン粒子の含有率が異なる密度13.4以上の超硬合金の焼結体を数種類準備した。そして、これらの超硬合金の焼結体から直径30mm×厚さ15mmの円盤状の供試材を複数個作製した。実際のロールの表面性状に合わせるため、供試材の上面および下面を算術平均粗さRa3.2μmに平面研磨した。次いで、炭化タングステン粒子の含有率が同一の2個の供試材1および供試材2を用いて、供試材1と供試材2の同心軸が一致するように両者を上下方向に向き合わせた。そして、供試材1の下面と供試材2の上面との間に、直径5mm×高さ2mmのステンレス鋼を挟ませて、供試材1の上面から油圧プレスにより実機圧延での押圧力に相当する100kNの圧力を付与した。
【0012】
これにより、供試材1および供試材2の表面には塑性変形による凹みが出現する。この凹みの深さを触針式表面粗さ計により測定した。供試材1および供試材2それぞれの凹み深さの最大値のうち、いずれか大きい方を本発明における供試材の凹み量とした。
【0013】
また、各供試材の押し込み硬さHRAを超硬工具協会規格CIS027に準拠して測定した。
【0014】
図1は、各供試材の押し込み硬さHRAと凹み量の関係を示すグラフである。図1から、供試材である超硬合金の押し込み硬さが増大するにしたがい、凹み量は小さくなる。押し込み硬さがHRA86以上では凹み量は5μm以下であり、HRA88以上では凹み量は3μm以下となることが分かった。
【0015】
前記実験における凹み量を5μm以下に抑えられる、すなわち押し込み硬さがHRA86以上の超硬合金は、実機圧延でもロール表面の凹み疵の発生を防止することができる。
【0016】
本発明の複合ロールの製造方法として、鋼系または鉄系材料からなる内層を用いて、真空焼結、加圧焼結ないしは熱間静水圧プレス(HIP)法により超硬合金からなる外層を接合させる。
【0017】
ロールの構成は、中実の複合ロールでもよく、複合スリーブロールを鋼等の軸材に焼嵌めて組み立てたものでも良い。
【0018】
また、本発明のロールは複合化により、超硬合金のみから構成される単体超硬ロールでは不可能であった軸材を有する超硬ロールが製造できるとともに、12〜20段の多段ミル用ワークロールのような、単体超硬ロールでもロール構成が可能な用途においても、単体超硬ロールではロールの剛性が高すぎるため困難であった被圧延材の形状制御も、鋼との複合化によるロール剛性低下作用により、その制御が容易になるという効果がある。
【0019】
また、超硬合金からなる外層と、鋼系または鉄系材料からなる内層との間に超硬合金または金属で形成された中間層を少なくとも1層以上介在させることにより、外層と内層との接合強度を高められるので好ましい。この中間層の少なくとも1層については、その組成において、金属系のバインダー相の重量比率が30%以上の超硬系あるいはサーメット系材質であることが望ましい。
【0020】
【発明の実施の形態】
(実施例1)
まず、外径62mm、長さ700mmの鋼で構成されるHIP缶の中央に、外径25mm、長さ700mmの中実鍛鋼製の内層を配置し、この内層の周りに、外層として組成がWC粒径2μm、WC88重量%、Co12重量%の外径60mm、内径30mmの超硬合金仮焼結体を配置した。
【0021】
次いで、内層の外面と中空スリーブの外層の内面との間に形成された空隙に、重量比で平均粒径5μmのWC粉末30%、平均粒径1μmのCo粉末70%の混合粉末を充填した。その後、HIP缶を鋼の蓋で溶接密封した後、700℃にて真空ポンプで脱気処理を行なった。HIP缶にリークが生じていないことを確認した後、1300℃、1400気圧にてHIP処理を行なった。冷却後、HIP缶を加工除去し、超音波探傷検査にて、外層と内層の接合が健全であることを確認した。
【0022】
このようにして得られた超硬合金製複合ロールを、外径40mm、全長600mmに機械加工し、本発明例1の冷間圧延用の多段式圧延機用ワークロールを作製した。
【0023】
また、本発明例2として、外層にWC粒径2μm、WC83重量%、Co17重量%の超硬合金製の焼結体からなる中空スリーブを用いて、他は実施例1同様に多段式圧延機用ワークロールを作製した。
【0024】
また、比較例1として、外層にWC粒径5μm、WC82重量%、Co18重量%の超硬合金製の焼結体からなる中空スリーブを用いて、他は実施例1同様に多段式圧延機用ワークロールを作製した。
【0025】
さらに、比較例2として、内層を有しないつまり単体のWC粒径2μm、WC88重量%、Co12重量%の超硬合金製の焼結体からなる多段式圧延機用ワークロールを用意した。比較例3として、単体のダイス鋼からなる多段式圧延機用ワークロールを用意した。
【0026】
これらの本発明例および比較例の多段式圧延機用ワークロールを12段の多段式圧延機に組み込み、鋼板材の実機圧延を行ない、圧延時の凹み疵の発生具合および被圧延材の形状制御性を評価した。また、各々のロール表面の硬さを測定した。表1にこれらの結果を示す。
【0027】
【表1】
Figure 2004136296
【0028】
本発明例1では100コイル以上、本発明例2では22コイル、圧延してもロール表面に凹み疵が認められなかった。一方、比較例1ではわずか3コイル、比較例3では1コイル圧延しただけで凹み疵が認められた。また、比較例2の単体超硬ロールでは、被圧延材の板形状制御ができず、圧延ができなかった。
【0029】
また、他形態の方法で、本発明の圧延用複合ロールを製造した例を以下に説明する。
【0030】
(実施例2)
外径730mm、長さ2300mmの鋼で構成されるHIP缶に、外径480mm、内径300mm、長さ2500mmの中空円筒状の内層となる鍛鋼を設置し、内層の外面とHIP缶の内面との間に形成された空隙に、重量比で平均粒径5μmのWC粉末90%、平均粒径1μmのCo粉末10%の混合粉末を充填した。HIP缶を鋼の蓋で溶接密封した後、500℃にて真空ポンプで脱気処理を行なった。HIP缶にリークが生じていないことを確認した後、1300℃、1400気圧にてHIP処理を行なった。冷却後、HIP缶を加工除去して超硬合金製複合スリーブロールを作製した。この複合スリーブロールの内径を加工した後、クロムモリブデン鋼の軸材に焼嵌め、本発明の冷間圧延用組立式ロールを完成した。
【0031】
(実施例3)
外径730mm、長さ2300mmの鋼で構成されるHIP缶に、外径480mm、内径300mm、長さ2500mmの中空円筒状の内層となる鍛鋼を設置し、この内層の周囲に内径490mm、厚み2mmの仕切りとなる鋼管を配置した。HIP缶の内面と鋼管の外面との間の空隙に重量比で平均粒径5μmのWC粉末92%、平均粒径1μmのCo粉末8%の混合粉末を充填した。また、鋼管の内面と内層の外面との間の空隙に中間層となる平均粒径7μmのWC粉末30%、平均粒径1μmのCo粉末70%の混合粉末を充填した。充填後、仕切りの鋼管を引き抜きいた後、次いでHIP缶を鋼の蓋で溶接密封し、700℃にて真空ポンプで脱気処理を行なった。HIP缶にリークが生じていないことを確認した後、1300℃、1400気圧にてHIP処理を行なった。冷却後、HIP缶を加工除去して超硬合金製複合スリーブロールを作製した。この複合スリーブロールの内径を加工した後、クロムモリブデン鋼の軸材に焼嵌め、本発明の冷間圧延用組立式ロールを完成した。
【0032】
【発明の効果】
本発明によれば、内層の外周に超硬合金からなる外層を接合して、超硬合金の表面の押し込み硬さをHRA86以上にすることにより、ロール表面の凹み疵の発生を防止することができる。このため、従来実施していた凹み疵による転写防止のための無駄なロール交換や研磨を省くことができ、生産効率の向上、生産コストの削減を達成できる。また、被圧延材の板形状制御を良好にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】超硬合金の各供試材の押し込み硬さHRAと凹み量の関係を示すグラフである。
【符号の説明】

Claims (2)

  1. 鋼系または鉄系材料からなる内層の外周に超硬合金からなる外層が接合してなり、外層表面の押し込み硬さがHRA86以上であることを特徴とする圧延用複合ロール。
  2. 前記外層と内層の間に中間層を少なくとも1層以上介在させることを特徴とする請求項1または2に記載の圧延用複合ロール。
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