JP2004135375A - 同軸モータのロータ構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】内側ロータと外側ロータを備えた同軸モータにおいて、ステータにおける鎖交磁束を減少させる。
【解決手段】ステータの内側に前記ステータと同軸的に配置される内側ロータと、前記ステータの外側に前記ステータと同軸的に配置される外側ロータとを有し、前記ステータの前記コイルには内側ロータを駆動する交流電流と外側ロータを駆動する交流電流とを複合した複合電流が通電され、内側ロータと外側ロータが独立に制御される同軸モータにおいて、一方のロータに関して、d軸磁束をq軸磁束より小さくし、前記他方のロータに関して、d軸磁束をq軸磁束より大きくする。このようにして、全磁束のベクトル和が小さくなる。
【選択図】    図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、複数のロータをステータに同軸的に配置したモータのロータ構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
特開平11−275826号公報は、2つのロータと1つのステータを三層構造で、かつ同一の軸上に具備する同軸モータと該モータの電流駆動方法を開示している。この同軸モータでは、2つのロータは、ステータの外側に配置される外側ロータとステータの内側に配置される内側ロータとで構成される。ステータには単一のステータ巻線が形成され、この単一のステータ巻線に外側ロータを駆動する交流電流と内側ロータを駆動する交流電流を合成した複合電流が流される。こうして、同軸モータにおいて、ロータの数と同数の回転磁場が発生する。さらに外側ロータを駆動する交流電流は外側ロータにのみ回転トルクを与え、内側ロータを駆動する交流電流は内側ロータにのみ回転トルクを与えるよう電流が設定できるため、各ロータは独立に制御される。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−275826号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、内側ロータと外側ロータを永久磁石にて構成する場合、ステータには、内側ロータと外側ロータの2つの磁束が通過することになる。このため、2つのロータ磁束を通過させるために充分なステータコアの幅が必要となる。ティース幅を極端に狭くした場合は、ステータコアの磁束密度が増加し、飽和に至ってしまうので、出力を上げることが出来ない。また、ステータコアの幅を極端に広くした場合には、小型化が困難となる。したがって、小型、高出力を目的とするならば、ステータ幅は適切な範囲に設定される必要がある。
【0005】
一方、モータの磁束として、永久磁石による磁束から成るd軸磁束Φd(磁束のd軸成分)とステータコイルの電流による磁束から成るq軸磁束Φq(磁束のq軸成分)が存在する。電流を流しトルクを出力する場合には、これらd軸磁束とq軸磁束のベクトル和がステータに鎖交することになる。
【0006】
同軸モータの場合、ロータが2つあるために、内側ロータに関するd軸磁束、q軸磁束と外側ロータに関するd軸磁束、q軸磁束の合計4つの磁束が存在する。ステータの磁気飽和を防止するために、それらの磁束のバランスを最適化し、ステータに鎖効する磁束のベクトル和を減少することが必要である。例えば、大きな磁石トルクを得るために、内側ロータと外側ロータがそれぞれロータ表面に張り付けた磁石を持つ場合、両者のd軸磁束が増加してしまいステータが磁気的に飽和してしまうという問題点が生じてしまう。
【0007】
本発明は、2つのロータを同軸的に備えるモータにおいて、出力を維持しつつ、d軸磁束、q軸磁束を調整することによりステータに鎖交する磁束を減少することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、コイルが巻かれたステータと、前記ステータの内側に前記ステータと同軸的に配置される内側ロータと、前記ステータの外側に前記ステータと同軸的に配置される外側ロータとを有し、前記ステータの前記コイルには内側ロータを駆動する交流電流と外側ロータを駆動する交流電流とを複合した複合電流が通電され、内側ロータと外側ロータが独立に制御される同軸モータにおいて、前記内側ロータと前記外側ロータのうち一方のロータは第一の永久磁石を備え、他方のロータは第二の永久磁石を備え、前記一方のロータに関して、第一の永久磁石の磁束から成るd軸磁束が前記一方のロータを駆動する電流から生じるq軸磁束より小さくなり、前記他方のロータに関して、第二の永久磁石の磁束から成るd軸磁束が前記他方のロータを駆動する電流から生じるq軸磁束より大きくなることを特徴とする。
【0009】
【作用・効果】
本発明によれば、内側ロータと外側ロータのうち一方のロータに関して、該一方のロータの永久磁石によるd軸磁束が該一方のロータを駆動する電流から生じるq軸磁束より小さくなるように永久磁石が構成かつ配置されており、他方のロータに関して、該他方のロータの永久磁石によるd軸磁束が該他方のロータを駆動する電流から生じるq軸磁束より大きくなるように永久磁石が構成かつ配置されているので、同軸モータの出力を大きく落とすことなく、ステータに鎖交する磁束を低減することが可能になる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0011】
図1と図2は、一般的な埋込磁石同期モータにおけるd軸磁束Φdとq軸磁束Φqを説明する図である。これらの図において、ステータの一部のティースが描かれている。図1にd軸磁束の様子を磁束線20で代表して示す、図2にq軸磁束を磁束線21で代表して示す。ここで、d軸、q軸はロータとともに回転する回転座標であり、図1、2に示すように、d軸は磁石中心とロータ回転軸5とを結ぶ方向(つまり半径方向)を向き、q軸はd軸から電気角で90度ずれている方向を向く。図のような2極対ロータの場合q軸とd軸は実際の角度で45度をなす。d軸磁束とは、d軸がステータコアのティースに対向したときに生じる磁束であり、q軸磁束とはq軸がステータコアのティースに対向したときに生じる磁束である。図1と図2は、同軸モータにおける内側ロータを示しているが、外側ロータの場合も同様に、d軸とq軸は設定される。
【0012】
d軸磁束は磁石による磁束であり、磁石の表面積、厚さ、磁力、磁化方向等の磁石の特性、及び埋め込み深さL等によって決まる。q軸磁束は、電流値、磁石形状、埋め込み深さL等によって決まる。これは、q軸インダクタンスLqが磁石形状や埋め込み深さLにより変化するためである。一般的に磁石を深く埋め込むと、q軸の磁界は通りやすくなるので、q軸インダクタンスLqは増える。磁石形状を変えると同時に埋め込み深さLも変化するため、磁石形状の変化はq軸インダクタンスの変化をもたらす。なお、埋め込み深さLは、磁石とロータ表面との距離を表す。図1と図2では、磁石が半径方向の平面に関して対称形状であるため、断面における磁石10の中心線15上での内側ロータ外周面6とステータに対向する磁石表面19との距離をとっている。磁石が非対称な形状な場合は、内側ロータ外周面6からの径方向の磁石の平均距離などを埋め込み深さLとしてもよい。
【0013】
次に、d軸磁束、q軸磁束の調整方法を説明する。外側ロータと内側ロータの両方に関して、ステータに鎖交するd軸磁束、q軸磁束の大小関係は、磁石の厚み、磁力の大きさ等の磁石特性及び、埋め込み深さL、電流値の調整により、自在に調整することができる。d軸磁束、q軸磁束は、埋め込み深さLに対して、一般的に図3の実線のように変化する。q軸磁束は埋め込み深さLが深くなるほどq軸インダクタンスLqが増加するために単調的に増加する。一方、d軸磁束は埋め込み深さLが深くなると、ロータとステータ間のエアギャップからの距離が遠くなるので単調的に減少していく。図3の実線で示すように、一般的な埋込磁石同期モータの通常運転時の場合(トルクが定格トルクの所定パーセント以上出ている場合)、埋め込み深さLが閾値L1より小さい時d軸磁束がq軸磁束が大きいが、埋め込み深さLが閾値L1以上の時、逆にq軸磁束がd軸磁束が大きくなる。なお、トルクがゼロの場合、q軸電流がゼロであり、常にd軸磁束はq軸磁束より大きい。
【0014】
一方、図3の点線で示すように、磁石の磁力や磁石の厚みを極端に小さくすることなど磁石特性を変化させることによりd軸磁束を減少させ、d軸磁束とq軸磁束の大小関係を埋め込み深さLを固定したままで調整することもできる。
【0015】
図4を参照して、本発明に係る同軸モータの第一実施形態を説明する。なお、図4において、同軸モータの回転軸に垂直にとった断面の3分の1が示されている。
【0016】
同軸モータには、ステータ1と内側ロータ2と外側ロータ3が、同軸的に配置されている。ステータ1は、ロータ回転軸5の周りで等間隔に円周状に配置された複数の分割コア4と、各分割コア4のティースに巻かれたコイル9と、隣り合う分割コア4間に配置されるスペーサ14とを具備する。スペーサ14は、樹脂等からなり、分割コア4を隣の分割コアから磁気的、電気的に分離する。本実施形態では、ステータ1には、18個の分割コア4が、20度ごとに配置されている。図4では、全体のうち6個の分割コアが示されている。ステータ1と内側ロータ2の間、ステータ1と外側ロータ3の間には、隙間が設けられ、エアギャップが形成されている。
【0017】
ステータ1には、複数のコイルを含んだ単一のステータ巻線が形成され、この単一のステータ巻線に外側ロータを駆動する交流電流と内側ロータを駆動する交流電流を合成した複合電流が流される。こうして、同軸モータにおいて、ロータの数と同数の回転磁場が発生し、内側ロータ2と外側ロータ3は、共通の回転軸5の周りで回転する。さらに、内側ロータ2を駆動する交流電流は内側ロータ2にのみ回転トルクを与え、外側ロータ3を駆動する交流電流は外側ロータにのみ回転トルクを与えるよう図示しないインバータから供給される。各ロータは対応する回転磁場に同期して回転し、それぞれ独立に制御される。例えば、特開平11−275826号公報に示される電流設定方法により、各ロータの駆動電流が設定される。
【0018】
内側ロータ2には、ステータに面する磁極が交互にS極とN極になるように、60度の所定間隔おきに、回転軸方向に平行に延びる永久磁石12が配置される。外側ロータ3には、内側ロータ2の一極に対してS極とN極を配置するよう、30度の所定間隔おきに、回転軸方向に平行に延びる永久磁石11が配置される。このように、内側ロータ2と外側ロータ3に磁石を配置すると、一方のロータの回転が、他方のロータの回転に影響を与えることがなくなる。
【0019】
内側ロータのd軸磁束と外側ロータのd軸磁束が共に大きい場合ステータが磁気的に飽和する可能性がある。例えば、内側ロータ2と外側ロータ3がそれぞれロータ表面に張り付けた磁石を持つ場合、両者のd軸磁束が増加してしまいステータが飽和してしまう場合がある。さらに、内側ロータのq軸磁束と外側ロータのq軸磁束が共に大きい場合、例えば一方のロータが最大トルク出力時であるような場合、ステータが磁気的に飽和する可能性がある。そこで、本実施形態では、内側ロータ2の埋め込み深さLiと外側ロータの埋め込み深さLoを調整することで、全体の磁束(内側ロータのd、q軸磁束と外側ロータのd、q軸磁束)のバランスをとる。
【0020】
具体的には、外側ロータに関するd軸磁束をq軸磁束より多くし、内側ロータはq軸磁束をd軸磁束より多くすることで、全体の磁束によるステータコアの磁束密度がステータコアの飽和磁束密度を超えないようにする。なお、ここで、内側ロータのd軸磁束は、内側ロータ2の永久磁石による磁束であり、内側ロータのq軸磁束は、内側ロータ2を駆動するためにコイル9に流れる電流による磁束である。同様に、外側ロータのd軸磁束は、外側ロータ3の永久磁石による磁束であり、外側ロータのq軸磁束は、外側ロータ3を駆動するためにコイル9に流れる電流による磁束である。
【0021】
このため、図5に示すように外側ロータの埋め込み深さLoは浅くとり、図4に示すように内側ロータの埋め込み深さLiは深くとってある。なお、外側ロータ3について、q軸磁束をd軸磁束より多くし、内側ロータはd軸磁束をq軸磁束より多くすることも可能である。しかし、同軸モータの小型化のため外側ロータ3の厚みは薄くq軸磁束に対する磁路が少ないので、磁石の埋め込み深さを深くした場合に外側ロータ3が飽和してしまう。このため、外側ロータに関するd軸磁束をq軸磁束より多くし、内側ロータに関してはq軸磁束をd軸磁束より大きくする設定が好ましい。
【0022】
電流値がゼロの場合(トルク出力がゼロの場合)にq軸磁束はゼロになり、電流値の増加とともにq軸磁束は大きくなる。このため、少なくとも両ロータがq軸磁束が最大となる最大トルク出力付近にある時には、一方のロータに関するd軸磁束をq軸磁束より多くし、他方のロータはq軸磁束をd軸磁束より多くすることで、全体の磁束のベクトル和を小さくする調整が必要である。さらに、電流値がゼロでq軸磁束がゼロの場合でも、両ロータのd軸磁束は存在するので、常に両ロータのd軸磁束のベクトル和によるステータコアの磁束密度がステータコアの飽和磁束密度を超えないようにしておく。
【0023】
本実施形態では、両ロータの埋め込み深さLi、Loを調整することで、外側ロータに関してd軸磁束がq軸磁束よりも多く、内側ロータに関してq軸磁束がd軸磁束を多くすることで、ステータの飽和を防ぐことが出来る。このように、単に内側ロータ磁石と外側ロータの磁石の埋め込み深さを異ならせることで、ステータに鎖交する磁束を、出力を落とすことなく低減することが可能であり、モータの小型化が可能となる。
【0024】
このとき、トルクはq軸磁束が多い場合はリラクタンストルクが活用でき、またd軸磁束が多い場合は磁石トルクを活用できるので、トルクの低下はほとんど無い。なお、ここで、磁石トルクはd軸磁束とこれに直交するq軸電流との電磁作用によるトルクである。リラクタンストルクとはq軸磁束とこれに直交するd軸電流との電磁作用によるトルクである。
【0025】
本実施形態では、内側ロータの永久磁石が半径方向の平面30に関して略対称な形状を有しており、内側ロータの永久磁石の表面は前記ステータに対向する表面19を備え、内側ロータ外周面から表面19までの径方向の距離が磁石中心部に向かって長くなる。こうして、内側ロータ2の磁石12は、埋め込み深さを深くとりつつd軸磁束を小さくなり過ぎないようにできる。この構造を実現するための磁石12の軸方向垂直な断面形状として、磁石断面の中心線に関して略対称なV字形状又は逆円弧状の形状が挙げられる。
【0026】
磁石の断面形状を図1、図2に示す平板形状にすることもできる。しかし、埋め込み深さが同じ場合、V字型又は逆円弧状磁石のq軸インダクタンスは、図1、図2に示す平板型磁石のq軸インダクタンスとほぼ同じであるが、d軸磁束の調整が簡便にできるため、V字型又は逆円弧状の断面をもつ磁石の方が平板型断面形状をもつ磁石より好ましい。なお、磁石12は、ロータが正逆両方向に回転することを考慮して、磁石12が半径方向の平面30に関して対称になるような配置と形状をもつが、非対称形状の磁石でも、簡便に埋め込み深さの調整によりd軸磁束とq軸磁束のバランスをとることができる。
【0027】
本実施形態では、外側ロータ3の磁石11の形状は、半径方向の平面40に関して略対称な形状を有しており、外側ロータ3の永久磁石11の表面はステータに対向する表面23を備え、外側ロータ内周面17から表面23までの径方向の距離が磁石中心部に向かって短くなる。つまり、外側ロータ3はステータ側に平面状の表面をもつ形状であり、図4の断面形状は、ステータ側が直線状であり、ステータと反対側では円弧状になっている。磁石11のステータ側表面23と円柱状の外側ロータ内周面17との半径方向の距離は中心に向かって短くなる。この場合、埋め込み深さを深くすると外側ロータのd軸磁束が若干減少するが、磁石11の形状の効果によりd軸の磁束を設定値に保ちつつも、外側ロータのq軸磁束を少なくすることができる。さらに、外側ロータ3の磁石11の埋め込み深さが深いほど、内側ロータ2の磁石12からの外部磁界に晒されることによる磁石11の磁化変動は小さくなるので、磁石11の厚みを薄くできる。
【0028】
本実施例の効果と説明すると、一方のロータに関してd軸磁束がq軸磁束より大きくなるように永久磁石の径方向の位置を調整し、他方のロータに関してd軸磁束がq軸磁束より大きくなるように永久磁石のロータ径方向の位置を調整することにより、簡便にステータに鎖交する磁束を低減することが可能になる。内側ロータに関して、永久磁石の磁束から成るd軸磁束が内側ロータを駆動する電流から生じるq軸磁束より小さくなり、外側ロータに関して、永久磁石の磁束から成るd軸磁束が外側ロータを駆動する電流から生じるq軸磁束より小さくすることにより、外側ロータの磁気的な飽和を防止しトルク出力を維持しながら全体的な磁束の大きさを減少することができる。
【0029】
さらに、内側ロータ外周面6から内側ロータ磁石12のステータ1に対向する表面19の中心部までの径方向の距離を、外側ロータ内周面17から外側ロータ磁石11のステータ1に対向する表面23の中心部までの径方向の距離よりも長くすることにより、内側ロータ2に関してd軸磁束を減少させq軸磁束を増加させることができ、一方、外側ロータ3に関してq軸磁束を減少させd軸磁束を増加させることができる。又、内側ロータ2の永久磁石12の表面は、ステータに対向する表面19を備え、内側ロータ外周面6から表面19までの径方向の距離が磁石中心部に向かって長くなるようなV字型状の形状をとることにより、内側ロータ2のd軸磁束を適正に維持しつつq軸磁束を増加させることができる。
【0030】
外側ロータ3の永久磁石11のステータに対向する表面23は、磁石中心部に向かって外側ロータ内周面17までの径方向長さが短くなる形状をもつことにより、外側ロータのd軸磁束を適正に維持しつつq軸磁束を減少させることができる。
【0031】
図6を参照して、本発明に係る同軸モータの第二実施形態を説明する。図6において、同軸モータの回転軸方向にとった垂直な断面の部分が示されている。
【0032】
第二実施形態において、内側ロータの磁石12’は、第一実施形態の内側ロータの磁石12の中心部分を切り欠いて、二つの磁石部分12a、12bに分割した形状をとる。ただし、2つの磁石部分12a、12bの間の切り欠き部分は、磁石部分12a、12bの大きさに比べて小さい。他の構成は、第一実施形態と同じである。分割した磁石を配置したほうが、一体化した磁石を配置するよりロータの強度が高くなる。この場合、内側ロータ2は高速回転に耐えられる。
【0033】
第二実施形態において、内側ロータ2の磁石の埋め込み深さLiは、図6に示すように、切り欠き部分で隣接し合い内側ロータ外周面6に対峙する磁石角部と内側ロータ外周面6との距離にとることができ、この磁石の埋め込み深さLiが内側ロータのq軸インダクタンスの指標となる。
【0034】
図7を参照して、本発明に係る同軸モータの第三実施形態を説明する。図7において、同軸モータの回転軸方向にとった垂直な断面の部分が示されている。
【0035】
第一実施形態において、外側ロータ3の磁石11の形状は、ステータ側に平面状の表面をもつ形状であった。しかし、本実施形態では、磁石11の形状は、ステータ側に半円柱状の表面をもち、その断面形状は、ステータ側及びステータの反対側の両方で円弧状である。つまり、外側ロータ3の永久磁石11のステータに対向する表面から外側ロータ内周面17までの径方向の距離が一定である。磁石11は、外側ロータ3のステータ側の外側ロータ内周面17の一部を構成している。外側ロータ3の磁石11の埋め込み深さがゼロとなり、外側ロータ3のd軸磁束が大きくなる。この場合、内側ロータ2の磁石12による外部磁界に晒されることによる磁石11の磁化変動は大きいので、磁石11の厚みを厚くする必要がある。
【0036】
本実施形態の効果を説明すると、外側ロータ3の永久磁石の表面は、ステータに対向する表面23を備え、外側ロータ内周面17から表面23までの径方向の距離が一定になる形状をもつことにより、外側ロータのd軸磁束を適正に維持しつつq軸磁束を減少させることができる。
【0037】
本発明は上記の実施の形態に限定されずに、その技術的な思想の範囲内において種々の変更がなしうることは明白である。
【図面の簡単な説明】
【図1】ロータのd軸磁束、磁石の埋め込み深さを説明する一般的な永久磁石同期モータの断面図である。
【図2】ロータのq軸磁束、磁石の埋め込み深さを説明する一般的な永久磁石同期モータの断面図である。
【図3】ロータ磁石の埋め込み深さとd軸磁束、q軸磁束の関係を示す図である。
【図4】第一実施形態に係る同軸モータの軸方向に垂直な断面を示す部分断面図である。
【図5】外側ロータ磁石の埋め込み深さを説明する部分断面図である。
【図6】第二実施形態に係る同軸モータの軸方向に垂直な断面を示す部分断面図である。
【図7】第三実施形態に係る同軸モータの軸方向に垂直な断面を示す部分断面図である。
【符号の説明】
1 ステータ
2 内側ロータ
3 外側ロータ
4 分割コア
5 回転軸
6 内側ロータ外周面
11 外側ロータ磁石
12 内側ロータ磁石
17 外側ロータ内周面

Claims (7)

  1. コイルが巻かれたステータと、前記ステータの内側に前記ステータと同軸的に配置される内側ロータと、前記ステータの外側に前記ステータと同軸的に配置される外側ロータとを有し、前記ステータの前記コイルには内側ロータを駆動する交流電流と外側ロータを駆動する交流電流とを複合した複合電流が通電され、内側ロータと外側ロータが独立に制御される同軸モータにおいて、
    前記内側ロータと前記外側ロータのうち一方のロータは第一の永久磁石を備え、他方のロータは第二の永久磁石を備えており、
    前記一方のロータに関して、第一の永久磁石の磁束から成るd軸磁束が前記一方のロータを駆動する電流から生じるq軸磁束より小さくなり、前記他方のロータに関して、第二の永久磁石の磁束から成るd軸磁束が前記他方のロータを駆動する電流から生じるq軸磁束より大きくなることを特徴とする同軸モータ。
  2. 前記一方のロータに関してd軸磁束がq軸磁束より大きくなるように前記第一の永久磁石の径方向の位置が調整され、前記他方のロータに関してd軸磁束がq軸磁束より大きくなるように前記第二の永久磁石のロータ径方向の位置が調整されていることを特徴とする請求項1に記載の同軸モータ。
  3. 前記一方のロータが前記内側ロータであり、前記他方のロータが前記外側ロータであることを特徴とする請求項1に記載の同軸モータ。
  4. 前記内側ロータの前記第一の永久磁石と前記外側ロータの前記第二の永久磁石とが平面に関して略対称な形状を有しており、内側ロータ外周面から前記第一の永久磁石の前記ステータに対向する表面の中心部までの径方向の距離が、外側ロータ内周面から前記第二の永久磁石の前記ステータに対向する表面の中心部までの径方向の距離よりも長いことを特徴とする請求項3に記載の同軸モータ。
  5. 前記内側ロータの永久磁石が平面に関して略対称な形状を有しており、前記内側ロータの永久磁石の表面は前記ステータに対向する第一表面を備え、内側ロータ外周面から第一表面までの径方向の距離が磁石中心部に向かって長くなることを特徴とする請求項1に記載の同軸モータ。
  6. 前記外側ロータの永久磁石が平面に関して略対称な形状を有しており、前記外側ロータの永久磁石の表面は前記ステータに対向する第二表面を備え、外側ロータ内周面から第二表面までの径方向の距離が一定、もしくは磁石中心部に向かって径方向長さが短くなることを特徴とする請求項1に記載の同軸モータ。
  7. 両ロータのd軸磁束の和によるステータコアの磁束密度がステータコアの飽和磁束密度より小さい請求項1から6に記載の同軸モータ。
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