JP2004130885A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Masami Kikuchi
菊池 正美
Satoshi Aizawa
相澤  聡
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Abstract

【課題】大量の充填材を配合することなく、放熱性を改善したタイヤを提供する。
【解決手段】ゴム成分及び高熱伝導性材料を含んでなる棒状体を互いに平行に並べ、コーティングゴムで被覆してなる放熱性部材を、前記棒状体の一端がタイヤ外表面に露出し他端がタイヤ内部に位置するように配置した空気入りタイヤである。ここで、前記放熱性部材は、ベルト端近傍及び/又はカーカス折り返し端近傍に位置するように配置されるのが好ましい。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気入りタイヤに関し、特に放熱性の高い空気入りタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
空気入りタイヤは、転動に伴い特にベルト端近傍のショルダー部及びカーカス折り返し端近傍のビード部が激しく変形を繰り返すことにより発熱するため、タイヤ走行中に高温になる。タイヤが高温になると、タイヤを構成するゴム部材や補強部材の劣化が促進され、結果としてタイヤ自体の寿命が短くなるという問題がある。
【0003】
これに対し、タイヤの熱伝導性を良くし放熱性を改善する方法として、アルミナや窒化ホウ素等の充填材を配合する手法があるが、充分な効果を得るには配合量を大量にする必要があり、結果として充填材の均一な分散を得ることができず性能にバラツキが生じたり、粘度の上昇や物性の低下が大きくなって成形性が悪化したり、得られたタイヤの力学物性が低下する等の問題があった。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−238431号公報
【特許文献2】
特開2000−247109号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明の目的は、大量の充填材を配合することなく、放熱性を改善したタイヤを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を達成するために鋭意検討した結果、タイヤの発熱が生じ易い部位に可撓性の放熱性部材を設けることにより、タイヤの放熱性が大きく向上することを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0007】
即ち、本発明の空気入りタイヤは、ゴム成分及び高熱伝導性材料を含んでなる棒状体を互いに平行に並べ、コーティングゴムで被覆してなる放熱性部材を、前記棒状体の一端がタイヤ外表面に露出し他端がタイヤ内部に位置するように配置したことを特徴とする。
【0008】
本発明の空気入りタイヤの好適例においては、前記放熱性部材を、ベルト端近傍及び/又はカーカス折り返し端近傍に位置するように配置する。
【0009】
本発明の空気入りタイヤの他の好適例においては、前記放熱性部材は、厚さが1〜5mmである。
【0010】
本発明の空気入りタイヤの他の好適例においては、前記棒状体は、直径が0.1〜2mmである。
【0011】
本発明の空気入りタイヤの他の好適例においては、前記棒状体のゴム成分はブチルゴムである。
【0012】
本発明の空気入りタイヤの他の好適例においては、前記棒状体の高熱伝導性材料は、カーボンナノチューブ、Al合金、Al−ダイヤモンド焼結体、Cu−ダイヤモンド焼結体及びAl−カーボンナノチューブ複合体からなる群から選択される。
【0013】
ここで、前記棒状体において、高熱伝導性材料が複数のカーボンナノチューブである場合、該カーボンナノチューブは前記棒状体中で長手方向に配向すると共に、少なくとも一部のカーボンナノチューブが互いに接触し、該棒状体の一端から他端まで連続しているのがより好ましい。該カーボンナノチューブは、長さが0.1〜30μmで、直径が10〜300nmであるのが特に好ましい。また、該棒状体は、カーボンナノチューブの配向方向の熱伝導率が0.15W/m・K以上であるのが特に好ましい。
【0014】
また、前記棒状体において、高熱伝導性材料がAl合金、Al−ダイヤモンド焼結体、Cu−ダイヤモンド焼結体及びAl−カーボンナノチューブ複合体の何れかよりなるフィラメントである場合、棒状体の一端から他端まで連続しているのがより好ましい。該フィラメントは、直径が0.1〜0.3mmであるのが特に好ましい。
【0015】
更に、前記棒状体において、高熱伝導性材料がAl合金、Al−ダイヤモンド焼結体、Cu−ダイヤモンド焼結体及びAl−カーボンナノチューブ複合体の何れかよりなるフィラメントの複数の小片である場合、該小片は棒状体中で長手方向に配向すると共に、少なくとも一部の小片が互いに接触し、該棒状体の一端から他端まで連続しているのがより好ましい。
【0016】
本発明の空気入りタイヤの他の好適例においては、前記棒状体の高熱伝導性材料は、カーボンナノチューブ、Al合金、Al−ダイヤモンド焼結体、Cu−ダイヤモンド焼結体及びAl−カーボンナノチューブ複合体からなる群から選択され、前記ゴム成分中にランダムに存在する。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を詳細に説明する。本発明の空気入りタイヤは、ゴム成分及び高熱伝導性材料を含んでなる棒状体を互いに平行に並べ、コーティングゴムで被覆してなる放熱性部材が、前記棒状体の一端がタイヤ外表面に露出し他端がタイヤ内部に位置するように配置されている。棒状体は、高熱伝導性材料を含むため熱伝導性がゴムよりも高い。また、放熱性部材は、棒状体が並列に配置されているので、棒状体の長手方向の熱伝導性が特に高い。本発明では、放熱性部材中の棒状体の一端がタイヤ外表面に露出しているので、転動による変形でタイヤが発熱しても、熱が棒状体のタイヤ内部に位置する一方の端から棒状体を経由して棒状体のタイヤ外表面に露出したもう一方の端に移動し、該露出部がタイヤ外部の空気により常に空冷されているため、熱がタイヤから放散される。
【0018】
本発明の空気入りタイヤに用いる放熱性部材は、タイヤの放熱性を向上させる観点から、棒状体の一端がタイヤ外表面に露出し他端がベルト端近傍及び/又はカーカス折り返し端近傍に位置するように配置されるのが好ましい。ここで、カーカス折り返し端とは、ビードコアの周りでタイヤの内側から外側に折り返したカーカスの端をいう。ベルト端近傍及びカーカス折り返し端近傍は、タイヤの転動によりタイヤ内部の中でも最も発熱しやすい部分であるため、該部分に放熱性部材の一端を配置し他端をタイヤ外表面に露出すように配置することで、タイヤの放熱が効率良く行われる。
【0019】
上記放熱性部材は、厚さが1〜5mmであるのが好ましい。1mm未満では、放熱断面積が小さく放熱が不充分であり、5mmを超えると、周囲の補強ゴムの割合が減って耐久性や剥離の問題が発生する。
【0020】
上記放熱性部材を構成する棒状体は、直径が0.1〜2mmであるのが好ましい。0.1mm未満では、製造時の実径が小さくて出にくく、生産性が低く、表面抵抗大で、2mmを超えると、カーボンナノチューブ(CNT)の配向が悪くなる。
【0021】
本発明にかかわる棒状体を構成するゴム成分としては、天然ゴム;乳化重合スチレン−ブタジエンゴム、溶液重合スチレン−ブタジエンゴム、高シス−1,4ポリブタジエンゴム、低シス−1,4ポリブタジエンゴム、高シス−1,4ポリイソプレンゴム等の汎用合成ゴム;ニトリルゴム、水添ニトリルゴム、クロロプレンゴム等のジエン系特殊ゴム;エチレン−プロピレンゴム、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、アクリルゴム、クロロスルホン化ポリエチレン等のオレフィン系特殊ゴム;ヒドリンゴム、フッ素ゴム、多硫化ゴム、ウレタンゴム等の他の特殊ゴム等が挙げられ、引張張力が低く練り易い、ガス透過性が低い、耐透過性で磁粉の耐食に有利、粘度が低く混練りし易い等の観点からブチルゴムが好ましい。
【0022】
本発明にかかわる棒状体を構成する高熱伝導性材料は、前記ゴム成分よりも熱伝導性の高い材料であり、該高熱伝導性材料としては、カーボンナノチューブ、Al合金、Al−ダイヤモンド焼結体、Cu−ダイヤモンド焼結体及びAl−カーボンナノチューブ複合体等が挙げられる。
【0023】
上記カーボンナノチューブ(CNT)は、直径数nm〜数十nm程度の炭素原子からなる構造体であり、通常のカーボンファイバー(CF)(平均直径5μm以上、長さ100μm程度)の10−3倍のオーダーの極微細なチューブ状構造を有する。カーボンナノチューブ自体の熱伝導率は、測定方法が確立していないため正確な数値が明らかではないが、その構造から理論的に推定され、非常に高いことが知られている。
【0024】
本発明に用いるカーボンナノチューブは、長さが0.1〜30μmのものが好ましく、0.1〜10μmのものがより好ましい。0.1μmより短いものは、カーボンナノチューブ自体の熱伝導長が短いため端部が多く、カーボンナノチューブ同士を接触させ連続させるのが困難であり、30μmより長いものは、カーボンナノチューブがもつれて配向し難く、混練りも困難である。
【0025】
また、カーボンナノチューブは、直径が10〜300nmのものが好ましく、100〜250nmのものがより好ましい。10nmより小さいものは、製造時の歩止まりが悪く生産性が悪いため高コストで汎用品としての使用が困難であり、300nmより大きいものは、表面積が小さく熱伝導性が悪い。
【0026】
上記カーボンナノチューブは、プラズマCVD(化学気相成長)法、熱CVD法、表面分解法、流動気相合成法、アーク放電法等により合成されるものが好ましい。この中でも、量産性の観点から、流動気相合成法により合成されるものが特に好ましい。
【0027】
上記カーボンナノチューブは、単層ナノチューブ及び多層ナノチューブの何れでもよい。単層ナノチューブは束(バンドル)構造をとるが、1バンドル当りのチューブ数は特に制限されない。また、多層ナノチューブにおけるチューブ層数も特に制限されない。
【0028】
本発明においては、市販品のカーボンナノチューブを適宜使用することができ、例えば、昭和電工社製気相法炭素繊維VGCF(登録商標)、米国マテリアルズテクノロジーズリサーチ(Materials, Technologies, Research(MTR))社製のカーボンナノチューブを用いることができる。
【0029】
上記カーボンナノチューブの配合量は、前記棒状体のゴム成分100質量部に対して5〜100質量部が好ましい。5質量部未満では、熱伝導性の向上効果が低く、100質量部を超えると、混合や成形等における作業性が低下する。
【0030】
棒状体がゴム成分とカーボンナノチューブとを含んでなる場合、カーボンナノチューブがゴム成分中にランダムに存在していれば、ゴム単独のものに比べ充分な放熱性が得られる。しかし、棒状体の熱伝導率を向上させる観点からは、複数のカーボンナノチューブが棒状体中で長手方向に配向すると共に、少なくとも一部のカーボンナノチューブが互いに接触し、棒状体の一端から他端まで連続しているのが好ましい。この場合、カーボンナノチューブの配合量は、棒状体のゴム成分100質量部に対して5〜100質量部が好ましい。5質量部以上では、カーボンナノチューブ同士の接触が多いため熱伝導性の向上効果が高くなる。熱伝導性の高いカーボンナノチューブが棒状体の一端から他端まで連続していると、熱が主にこれらカーボンナノチューブを通して棒状体の一端から他端に効率的に熱移動するため、配向方向への熱伝導性が、配向方向に垂直な方向への熱伝導性よりも著しく高くなる。ここで、該棒状体は、カーボンナノチューブの配向方向の熱伝導率が0.15W/m・K以上、より好適には0.5W/m・K以上である。
【0031】
上記のカーボンナノチューブが棒状体中で長手方向に配向すると共に、少なくとも一部のカーボンナノチューブが互いに接触し、棒状体の一端から他端まで連続している棒状体は、例えば、以下のようにして製造することができる。まず、ゴム成分とカーボンナノチューブとを混練する。ここで、ゴム業界で通常使用される配合剤を適宜配合して混練することができる。次に、該混練物を加熱して粘性を低下させた後、押出機から低温側へ押し出すと共に、該押出物に張力を掛けて延伸させ、低温側で固化させて、棒状体を得る。ここで、押出速度(単位時間当りの押出物の長さ)より速い延伸速度(単位時間当りの延伸物の長さ)に相当する張力を押出物にかけることにより、カーボンナノチューブが長手方向に配向される。張力の上限は、延伸された押出物の切断が防止される程度のものである。
【0032】
棒状体が、ゴム成分と、Al合金、Cu−ダイヤモンド焼結体、Al−ダイヤモンド焼結体及びAl−カーボンナノチューブ複合体の何れかの高熱伝導性材料とを含んでなる場合、該高熱伝導性材料は、ゴム成分中にランダムに存在していれば、ゴム単独のものに比べ充分な放熱性が得られる。しかし、棒状体の熱伝導率を向上させる観点からは、高熱伝導性材料がフィラメントとして棒状体の一端から他端まで連続するか、又は複数のフィラメントの小片が棒状体中で長手方向に配向すると共に、少なくとも一部の小片が互いに接触し、棒状体の一端から他端まで連続しているのが好ましい。棒状体の一端から他端まで連続していれば、該高熱伝導性材料を通して棒状体の一端から他端に効率的に熱が移動するため、タイヤの放熱性を向上させることができる。ここで、該高熱伝導性材料のフィラメントは、直径が0.1〜0.3mmであるのがより好ましい。0.1mm未満では、製造上の問題で生産性が低く、0.3mmを超えると、剛性が高くタイヤの変形に追従しなくなり破断したり、曲げ応力が増加して破断したりする。
【0033】
上記Al−カーボンナノチューブ複合体のフィラメントは、熱伝導性を向上させる観点から、カーボンナノチューブがAl中で長手方向に配向すると共に、少なくとも一部のカーボンナノチューブが互いに接触し、該フィラメントの一端から他端まで連続しているのが好ましい。
【0034】
上記Al合金は、単体或いは合金としてJIS−1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000系等、強度・耐食向上の為に添加物(Ca、Mg、Nb、Si、Fe、Cu、Mn、Mg、Cr、Zn、Ti)を添加したものを指す。
【0035】
上記Al−ダイヤモンド焼結体は、Al粉とダイヤモンド粉とバインダーとを混合、プレス固化後、脱脂後に焼結したものであり、上記Cu−ダイヤモンド焼結体は、Al−ダイヤモンド焼結体におけるAl粉をCu粉に置き換えたものである。
【0036】
本発明にかかわる棒状体には、上述したゴム成分及び高熱伝導性材料の他、ゴム業界で通常使用される配合剤、例えば、充填材、加硫剤、加硫促進剤、補強材、老化防止剤、軟化剤を適宜配合することができる。
【0037】
本発明にかかわる放熱性部材を構成するコーティングゴムは、ベルトやカーカスに用いられるコーティングゴムと同じであり、該コーティングゴムに用いるゴム組成物は、隣接する部材との接着性が良好でありさえすれば、特に限定はない。
【0038】
次に、図を参照して本発明の空気入りタイヤを更に詳細に説明する。図1は、本発明の空気入りタイヤの実施態様の一例を示す断面図である。図1に示すタイヤは、一対のビード部1と、一対のサイドウォール部2と、トレッド部3と、該ビード部1に埋設されたリング状のビードコア4間にトロイド状に延在し、その両端部が前記ビードコア4の周りで内側から外側に折り返されてなるカーカス5と、該カーカス5のクラウン部の外周上に配置した少なくとも2つのベルト層からなるベルト6と、タイヤ赤道面に対する法線方向にベルト端近傍からタイヤ外表面に延在する一対の放熱性部材7とを備える。
【0039】
図2は、本発明の空気入りタイヤの実施態様の他の一例を示す断面図である。図2に示すタイヤは、一対の放熱性部材8をビード部1のカーカス5の折り返し端近傍からタイヤ外表面に延在するよう配置させた以外は図1のタイヤと同じ構造を有する。なお、該放熱性部材8は、カーカス5の折り返し端近傍からタイヤ外表面までの距離が最も短くなる方向に延在している。
【0040】
図3は、図1に示す空気入りタイヤのIII−III線に沿う部分断面図である。図3において、放熱性部材7は複数の棒状体9と該棒状体9を覆うコーティングゴム10とで構成され、棒状体9の長手方向と切断面とがほぼ直交している。
【0041】
図4は、図2に示す空気入りタイヤのIV−IV線に沿う部分断面図である。図4においても、放熱性部材8は複数の棒状体9とコーティングゴム10とで構成され、棒状体9の長手方向と切断面とがほぼ直交している。
【0042】
ここで、放熱性部材7又は8の幅は、目的とするタイヤのサイズに対応して決められた、ベルト端又はカーカス折り返し端近傍からタイヤ外表面までの距離に相当する。また、放熱性部材7、8を構成する棒状体9は、長さが放熱性部材の幅と合致し、直径が0.1〜2.0mm、好ましくは0.1〜1.0mmである。なお、複数の棒状体9を周方向に所定の間隔(所定の打ち込み数)で互いに平行に並べ、これらをコーティングゴム10で覆うことにより、放熱性部材7、8を形成する。
【0043】
図5は、本発明の空気入りタイヤの放熱性部材に好適なゴム成分とカーボンナノチューブとを含んでなる棒状体の一例を示す略線斜視図である。図5において、棒状体9は、ゴム成分11中にその軸線方向に沿って配向された複数のカーボンナノチューブ12を有し、これらのカーボンナノチューブ12の少なくとも一部は互いに接触し、棒状体9の一方の端面13Aからもう一方の端面13Bまで連続して延在している。なお、図示例においては、棒状体9に比べカーボンナノチューブ12を実際よりも著しく拡大して記載してある。
【0044】
図6は、本発明の空気入りタイヤの放熱性部材に好適なゴム成分11と2本の高熱伝導性材料のフィラメント14とを含んでなる棒状体の一例を示す斜視図である。図6において、各フィラメント14は、棒状体9の一端から他端まで連続している。フィメント14がAl−カーボンナノチューブ複合体からなる場合、該複合体は、Al中に図5と同様の構造でカーボンナノチューブが存在する。
【0045】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、 本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
【0046】
(実施例1〜3)
表1に示す配合内容を有するゴム組成物を夫々調製した。次に、該ゴム組成物の夫々を混練後、押出機から押出速度10m/分で押出すと同時に、0〜200N/mmの張力を掛け延伸速度15m/分で延伸し、続いて加硫してカーボンナノチューブが配向した直径1mmの図5に示すような棒状体を製造した。該棒状体の熱伝導率を、京都電子(株)製迅速熱伝導率計QTM−500を用いて測定して、表1に示す結果を得た。
【0047】
次に、上記棒状体複数個を、コーティングゴムでゴム引きして放熱性部材を作製し、図1に示す構造のタイヤを製造した。該タイヤを用い、30℃の環境下の室内ドラム試験にて100km/hrで300km走行した後のタイヤのショルダー部の温度を測定して、表1に示す結果を得た。また、比較例として、カーボンナノチューブを含まないゴム組成物を調製し、上記実施例と同様の構造のタイヤを製造し、熱伝導率及びタイヤショルダー部の温度を測定した。
【0048】
【表1】
Figure 2004130885
【0049】
(従来例)
従来例のタイヤとして放熱性部材を備えない以外は図1に示すタイヤと同じ構造のタイヤを用意し、上記実施例1と同様にして室内ドラム試験後のタイヤのショルダー部の温度を測定したところ、110℃であった。
【0050】
(実施例4)
直径0.2mmで、熱伝導率250W/m・KのAl合金のフィラメント2本からなる高熱伝導性材料をカーボンナノチューブを含まない以外は実施例1と同じ配合のゴム組成物で覆い、図6に示すような直径1mmの棒状体を製造し、該棒状体複数個をコーティングゴムでゴム引きして放熱性部材を作製し、実施例1と同じ構造のタイヤを製造した。実施例1と同様にして室内ドラム試験後の該タイヤのショルダー部の温度を測定したところ、82℃であった。なお、長距離テストでは、フィラメントの破断が発生した。
【0051】
(実施例5)
直径0.2mm、熱伝導率400W/m・KのAl−ダイヤモンド焼結体のフィラメント2本からなる高熱伝導性材料を用いる以外は、実施例4と同様にしてタイヤを製造し、室内ドラム試験後のタイヤのショルダー部の温度を測定したところ、75℃であった。なお、長距離テストでは、フィラメントの破断が発生した。
【0052】
(実施例6)
直径1.0mm、複合体全体として熱伝導率3.7W/m・Kのゴム−カーボンナノチューブ複合体を棒状体として用い、該棒状体複数個をコーティングゴムでゴム引きして放熱性部材を作製し、実施例1と同じ構造のタイヤを製造した。実施例1と同様にして室内ドラム試験後の該タイヤのショルダー部の温度を測定したところ、73℃であった。なお、長距離テストにおいて、複合体の破断はなかった。
【0053】
【発明の効果】
本発明によれば、ゴム成分及び高熱伝導性材料を含んでなる棒状体とコーティングゴムとからなる放熱性部材を、棒状体の一端がタイヤ外表面に露出し他端がタイヤ内部に位置するように空気入りタイヤに配設することによって、タイヤの放熱性を著しく向上させ、走行によりタイヤが高温になるのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の空気入りタイヤの実施態様の一例を示す断面図である。
【図2】本発明の空気入りタイヤの実施態様の他の一例を示す断面図である。
【図3】図1のIII−III線に沿う部分断面図である。
【図4】図2のIV−IV線に沿う部分断面図である。
【図5】本発明の空気入りタイヤの放熱性部材に好適なゴム成分とカーボンナノチューブとを含んでなる棒状体の一例を示す略線斜視図である。
【図6】本発明の空気入りタイヤの放熱性部材に好適なゴム成分と高熱伝導性材料のフィラメントとを含んでなる棒状体の一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 ビード部
2 サイドウォール部
3 トレッド部
4 ビードコア
5 カーカス
6 ベルト
7 放熱性部材
8 放熱性部材
9 棒状体
10 コーティングゴム
11 ゴム成分
12 カーボンナノチューブ
13A、13B 棒状体の端面
14 高熱伝導性材料のフィラメント

Claims (13)

  1. ゴム成分及び高熱伝導性材料を含んでなる棒状体を互いに平行に並べ、コーティングゴムで被覆してなる放熱性部材を、前記棒状体の一端がタイヤ外表面に露出し他端がタイヤ内部に位置するように配置した空気入りタイヤ。
  2. 前記放熱性部材を、ベルト端近傍及び/又はカーカス折り返し端近傍に位置するように配置したことを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記放熱性部材は、厚さが1〜5mmであることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記棒状体は、直径が0.1〜2.0mmであることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記棒状体のゴム成分がブチルゴムであることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記棒状体の高熱伝導性材料が、カーボンナノチューブ、Al合金、Al−ダイヤモンド焼結体、Cu−ダイヤモンド焼結体及びAl−カーボンナノチューブ複合体からなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記棒状体において、高熱伝導性材料が複数のカーボンナノチューブであり、該カーボンナノチューブが前記棒状体中で長手方向に配向すると共に、少なくとも一部のカーボンナノチューブが互いに接触し、該棒状体の一端から他端まで連続していることを特徴とする請求項6に記載の空気入りタイヤ。
  8. 前記カーボンナノチューブは、長さが0.1〜30μmで、直径が10〜300nmであることを特徴とする請求項7に記載の空気入りタイヤ。
  9. 前記棒状体は、カーボンナノチューブの配向方向の熱伝導率が0.15W/m・K以上であることを特徴とする請求項7に記載の空気入りタイヤ。
  10. 前記棒状体において、高熱伝導性材料がAl合金、Al−ダイヤモンド焼結体、Cu−ダイヤモンド焼結体及びAl−カーボンナノチューブ複合体の何れかよりなるフィラメントであって、棒状体の一端から他端まで連続していることを特徴とする請求項6に記載の空気入りタイヤ。
  11. 前記フィラメントは、直径が0.1〜0.3mmであることを特徴とする請求項10に記載の空気入りタイヤ。
  12. 前記棒状体において、高熱伝導性材料がAl合金、Al−ダイヤモンド焼結体、Cu−ダイヤモンド焼結体及びAl−カーボンナノチューブ複合体の何れかよりなるフィラメントの複数の小片であり、該小片が棒状体中で長手方向に配向すると共に、少なくとも一部の小片が互いに接触し、該棒状体の一端から他端まで連続していることを特徴とする請求項6に記載の空気入りタイヤ。
  13. 前記棒状体の高熱伝導性材料が、カーボンナノチューブ、Al合金、Al−ダイヤモンド焼結体、Cu−ダイヤモンド焼結体及びAl−カーボンナノチューブ複合体からなる群から選択され、前記ゴム成分中にランダムに存在することを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007230544A (ja) * 2006-01-31 2007-09-13 Tokai Rubber Ind Ltd 吸音体及び吸音構造体
KR100812810B1 (ko) 2007-06-15 2008-03-12 금호타이어 주식회사 냉각핀이 삽입된 공기입 타이어
KR100833169B1 (ko) 2007-06-28 2008-05-28 금호타이어 주식회사 방열성능을 높인 타이어

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