JP2004130081A - 容器の中の流れによる滅菌方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】一定の化学的な蒸気滅菌処理が排気処理における一定の通常的な部分により一定の器具の容器の中を通して一定の滅菌剤蒸気の一部分を流すことにより改善されている。好ましくは、一定の滅菌チャンバーに一定の真空を供給する一定の排気導管が当該導管に到る入口に上記容器が近接するように配向されている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
本特許出願は2002年6月28日に出願されている米国特許出願第10/185,031号の一部継続出願であり、この内容の全体は本明細書に参考文献として含まれる。
本発明は一定の蒸気滅菌剤による各種物品の滅菌方法に関連しており、特に、各種物品を保持している一定の容器の中を通して蒸気滅菌剤が吸引される各種物品の滅菌方法に関連している。
【背景技術】
【0002】
過酸化水素、過酢酸およびグルタルアルデヒド等のような一定の気化した化学滅菌剤により各種物品を滅菌することが知られている。本明細書に参考文献として含まれるウー(Wu)他の特許文献1は一定の真空チャンバー、過酸化水素蒸気の供給源および一定のプラズマを生じるためのRFエネルギーの供給源を備えている一定の過酸化水素/ガス・プラズマ滅菌システムを記載している。商品名をSTERRAD(登録商標)として販売されているこのようなシステムはカリフォルニア州、アーバインのエシコン社(Ethicon, Inc.)におけるアドバンスド・ステリライゼーション・プロダクツ事業部(Advanced Sterilization Products division)から入手可能である。
【文献1】
米国特許第6,365,102号明細書
【考案の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
滅菌処理する各種物品に蒸気を接触させることが重要である。一般的に、一定のチャンバーの内部における低い圧力(0.5トール(0.67×102 パスカル)乃至10.0トール(1.33×103 パスカル))はその内部における全ての領域に対する滅菌剤蒸気の速やかな拡散を助長する。しかしながら、一定の容器の中への流れがその滅菌効率において有利になる可能性がある。本特許出願人は滅菌剤蒸気の一部を容器の中を通して流すために既存の滅菌処理工程における各部品を用いる一定の新規な方法において市場で入手可能な各種の容器の大部分と共に採用できる一定の様式でこの目的を達成している。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明による滅菌システムは滅菌処理する一定の物品を内部に収容している一定の容器を受容するための一定の滅菌チャンバーを備えている。さらに、一定の滅菌剤の供給源がこの滅菌チャンバーに接続している。また、一定の真空ポンプがこの滅菌チャンバーに接続している。これらの滅菌剤供給源または真空ポンプのいずれか、またはこれらの両方は上記容器に対する一定の介在手段を有する1個以上の導管を介して上記チャンバーに接続している。このことにより、上記容器内への滅菌剤の侵入が増進され、この滅菌剤は上記導管を介して上記容器内に直接的に流れ込み、あるいは、当該導管を介して上記容器の中を通り上記チャンバーから排出することができる。
【0005】
上記滅菌システムの一例の実施形態において、上記真空ポンプは上記導管を介して上記チャンバーに接続している。また、上記滅菌システムの別の実施形態において、上記滅菌剤の供給源は上記導管を介して上記チャンバーに接続している。さらに別の実施形態においては、上記の真空ポンプおよび滅菌剤の供給源の両方が上記導管を介して上記チャンバーに接続しており、これらの真空ポンプおよび滅菌剤の供給源のそれぞれがそれ自体と上記導管との間に一定の弁を有していて、当該導管からそれ自体を分離することができる。
【0006】
好ましくは、上記介在手段は上記導管の中に到る一定の開口部および上記容器の中に到る一定の開口部を含み、この導管の中に到る開口部は上記容器の中に到る開口部に近接している。上記容器は一定の物理的な接続手段により上記介在手段において上記導管に対して取り付ける必要はなく、単にこの介在手段に対して近接しているか当接していればよい。
【0007】
好ましくは、上記滅菌剤は一定の化学的な蒸気滅菌剤を含む。
【0008】
一例の実施形態において、上記介在手段は上記チャンバーから取り外し可能である。このことの一つの利点は異なる寸法または形状の各種の容器と共に使用するための異なる介在手段を上記容器内において使用することを可能にすることである。
【0009】
好ましくは、上記介在手段は上記容器を上部において静止できる一定の支持体を有しており、この支持体は上記容器に対向する1個以上の開口部を有しており、さらに、これら1個以上の開口部は上記導管に対して流体を介して連絡している。上記支持体は上部において上記容器を静止する一定の上面部を有することができ、上記1個以上の開口部はこの上面部を貫通している。
【0010】
一定のマニホールドが上記容器およびさらに付加的な容器を上部において静止できる複数の支持用の表面部分を上記チャンバー内において有することが望ましいと考えられ、上記介在手段は上記支持用の各表面部分において上記マニホールドの中に侵入している複数の開口部を有している。
【0011】
好ましくは、上記滅菌剤の供給源は上記チャンバーに対して流体を介して連絡している一定の気化装置を含む。
【0012】
一例の実施形態において、上記容器は上記導管に対して流体を介して連絡していて内部において一定の内孔部を有する装置を受容することに適合している一定のマニホールドを内部に有しており、これにより、その内孔部を有する装置の中への滅菌剤の侵入が増進する。
【0013】
本発明による一定の物品を滅菌するための方法は、
上記物品を一定の容器の中に配置する工程、
上記容器を一定のチャンバーの中に配置する工程、
一定の滅菌剤を上記チャンバーの中に入れる工程、および
以下の工程、すなわち、
(a)上記チャンバーから直接的に上記容器内の一定の雰囲気の少なくとも一部分を排気することにより、当該チャンバーの中にあって上記容器の外にある滅菌剤を当該容器の中に吸引する工程、および、
(b)上記滅菌剤の少なくとも一部分を上記容器の中に直接的に入れる工程、の内の少なくとも一つを行なうことにより上記容器の中への滅菌剤の侵入を増進する工程を含む。
【0014】
上記方法の一例の実施形態において、上記容器に対する一定の介在手段を有する一定の導管が一定の真空ポンプに接続しており、上記工程(a)がこの導管を通して行なわれる。一定の代替的な実施形態において、上記容器に対する一定の介在手段を有する一定の導管が一定の滅菌剤の供給源に接続しており、上記工程(b)がこの導管を通して行なわれる。
【0015】
上記滅菌剤を上記チャンバーの中に入れる工程は一定の滅菌剤溶液を気化して一定の化学的な蒸気滅菌剤を形成する処理を含むことができ、さらに、この蒸気滅菌剤を上記チャンバーの中に入れながら上記容器の中を通してその滅菌剤の一部分を排出する工程を含むことができる。
【0016】
好ましくは、上記容器はその一定の表面部分に一定の開口部を有しており、一定の導管がその内部に一定の開口部を有しており、上記方法が上記容器における開口部を上記導管における開口部の近くに配置する工程を含む。
【0017】
一例の実施形態において、上記物品が一定の内孔部を有しており、上記方法が上記容器に対する一定の介在手段を有していて一定の真空ポンプに接続している一定の導管を供給して、当該導管により上記工程(a)を行なう工程、上記内孔部を上記容器の中における一定のマニホールドに接続する工程、および当該マニホールドを介して上記内孔部を通して上記滅菌材の一部分を排出する工程を含む。また、別の実施形態において、上記物品が一定の内孔部を有しており、上記方法が上記容器に対する一定の介在手段を有していて一定の滅菌剤の供給源に接続している一定の導管を供給して、当該導管により上記工程(b)を行なう工程、上記内孔部を上記容器の中における一定のマニホールドに接続する工程、および当該マニホールドを介して上記内孔部の中に上記滅菌材の少なくとも一部分を導入する工程を含む。
【発明の効果】
【0018】
従って、本発明によれば、一定の蒸気滅菌剤による各種物品の改善された滅菌方法が提供でき、特に、各種物品を保持している一定の容器の中を通して蒸気滅菌剤が吸引される各種物品の改善された滅菌方法が提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
図1は一定の滅菌チャンバー12、気化装置14、および真空ポンプ16を備えている一定の滅菌システム10をブロック図の形態で示している。上記真空ポンプは、好ましくは0.5トール(0.67×102 パスカル)程度の低さに上記チャンバーの真空度を下げることができる。この真空ポンプ16とチャンバー12との間において、好ましくは、絞り弁18および随意的に一定のオリフィス・プレート20が配置されている。この絞り弁18は好ましくは良好な遮断性能も有している。好ましくは、一定の圧力ゲージ22が上記絞り弁18の近くに配置されていて、上記チャンバー12内の真空度を示す。また、一定のHEPA抗菌フィルターを採用している通気弁23が清浄な無菌状態の空気を上記チャンバー12内に入れることを可能にしている。上記気化装置14は一定の細長い拡散通路24を介してチャンバー12に接続している。さらに、図2において、この拡散通路24は当該拡散通路24に沿う温度を調整するための温度調整要素26を含む。
【0020】
過酸化水素溶液等の一定の液体滅菌剤に適している気化装置が当業界において知られている。共に本明細書に参考文献として含まれている、コーラー(Kohler)他の米国特許第6,106,772号および2000年12月10日に出願されているニューエン(Nguyen)他の米国特許出願第09/728,973号は本特許出願において適している各種の気化装置を開示している。この内の最も単純な気化装置は一定の小形チャンバーを備えており、このチャンバーの中に液体の過酸化水素溶液が注入される。このチャンバー内の真空度により生じる上記気化装置内の低い圧力により、その過酸化水素溶液が気化する。
【0021】
好ましくは、上記の気化装置14自体が加熱要素28を含んでおり、この加熱要素28が当該気化装置内の温度を調整してその気化処理を最適化する。好ましくは、上記気化装置14が上記拡散通路24に接続している場合に、一定の形態の断熱要素30がその境界面に備えられていて、気化装置14の高い温度が拡散通路24内の温度に対して過度に影響しないようになっている。これらの気化装置14および拡散通路24は好ましくはアルミニウムにより形成されており、断熱要素30はこれら2個の部品を一体に接続する一定の塩化ポリビニル(PVC)接合部の形態を採ることができる。
【0022】
さらに、一定のヒーター32が、好ましくは上記チャンバー12の内側において液化された過酸化水素を再気化するために当該チャンバー12の下方部分の近くにおいて、このチャンバー12の内側に備えられていることが好ましい。
【0023】
上記チャンバー12は好ましくは一定のプラズマをその内部に形成するために一定の機構(図示せず)を有している。この機構はヤコブズ(Jacobs)他の米国特許第4,643,867号または公開されている米国特許出願書類第20020068012号におけるプラット,ジュニア(Platt, Jr.)他により記載されているような高周波または低周波のエネルギーの一定の供給源を含んでおり、これら2件の文献は共に本明細書に参考文献として含まれる。
【0024】
本発明は過酸化水素の一部を上記気化装置14内の溶液から気化して上記拡散通路24の上に液化することを可能にすることによりその有益的な効果を達成している。この過酸化水素溶液の大部分が気化した後に、上記温度調整要素26が上記拡散通路の温度を上げて上記の液化した過酸化水素を再気化することを可能にする。この場合に、水が過酸化水素よりも高い蒸気圧を有しているので、その蒸気内の過酸化水素は水よりも容易に液化する。これにより、上記拡散通路内において液化する物質はその気化装置14の中における開始時の過酸化水素溶液の濃度よりも高い一定濃度の過酸化水素を含むことになる。
【0025】
単純な形態の上記温度調整要素26は電気抵抗ヒーターのみを含むことができる。このような場合に、上記拡散通路24の低い周囲温度により過酸化水素をその上部において液化するための低い温度が供給され、上記制御要素26がその後にこの拡散通路24を加熱してこの段階において高度に濃縮されている過酸化水素を拡散通路24から再気化する。過酸化水素の蒸気圧が温度の低下と共に降下するので、拡散通路24内の初期の温度を比較的に低くすることにより、当該拡散通路内における過酸化水素の液化を後続的に妨げることなくそのチャンバー12内の圧力を比較的に低くすることが可能になる。さらに、このように比較的に低いチャンバーの圧力はシステム効率を高めるので、上記温度調整要素26はさらに上記拡散通路の温度を周囲よりも下げるための一定の冷却要素を備えることができる。適当な冷却要素は熱電式の各種冷却装置または一定の典型的な機械的冷却システムを含む。このような場合に、上記拡散通路24が、好ましくは約10℃に、先ず冷却された後に、気化の開始またはその完了後においてある程度の時間が経過してから、その拡散通路24が、好ましくは50℃乃至110℃に加熱される。
【0026】
図2におけるように垂直方向に配向されている場合に、上記拡散通路24は気化している滅菌剤を各温度調整要素26の間における各冷却領域において液化した後に、その液化物が温度調整要素26を通過する際にこれを再気化する。
【0027】
以下の実施例は上記拡散通路内の熱を調整することの有益性を示している。
【0028】
実施例1
一定の20リットルのアルミニウム・チャンバー(4.4インチ(11.2cm)×12インチ(30.5cm)×22インチ(55.9cm))の中に典型的な各種の医療装置および試験用の内孔部を含む一定のCSR包装のトレイ(3.5インチ(8.89cm)×10インチ(25.4cm)×20インチ(50.8cm))を配置することにより効力試験を行なった。少なくとも1×106 個のバシラス属脂肪好熱菌類(Bacillus stearothermophilus spores)を接種した1インチ(2.54cm)のステンレス・スチール・ワイヤーを上記試験内孔部のそれぞれの中心に入れた。その後、上記拡散通路の温度調整の有無による作用効果を1mmの内径および700mmの長さを有する一定のテフロン(登録商標)(TEFLON(R))のポリ(テトラフルオロエチレン)の内孔部、および1mmの内径および500mmの長さを有する一定のステンレス・スチールの内孔部の両方において調べた。全ての内孔部はその両端部において開口していた。これらのサンプルのそれぞれを一定の20リットルの真空チャンバー内において一定の滅菌処理工程にかけて、5分間にわたり40℃および3トール(3.99×102 パスカル)に維持した。1.44mlの過酸化水素の59%水溶液を60℃に維持した気化装置の中に注入した。その後、5分用クロックを始動してチャンバーを3トールまでポンプにより減圧したが、この処理は1分未満の時間がかかった。一例の場合において、上記拡散通路24は上記チャンバーを3トールまで排気している状態の最初の1分において30℃の初期的な温度を有していたが、その後に、上記圧力を3トールに維持した状態でその処理工程の残りの部分において上記拡散通路からチャンバーの中に液化した過酸化物を放出するために50℃に加熱されている。また、別の場合においては、上記拡散通路は上記処理工程の全体において50℃に維持されている。このように拡散通路を50℃に維持することにより、その拡散通路の中にほとんどまたは全く過酸化物が残らなくなる。このような状態において、滅菌の作用効果を55℃において増殖培地内の各試験サンプルを培養してその試験生物の増殖について調べることにより測定した。以下の表1はこれらの試験の結果を示している。
【表1】
【0029】
上記拡散通路の温度をその処理の全体において高温に維持した場合には、上記テフロン(登録商標)(TEFLON(R))の内孔部内の各サンプルは全てバクテリアの増殖について陽性の試験結果を示して、滅菌処理が行なわれていないことを示しており、上記ステンレス・スチールの内孔部内の2個の内の1個も陽性の試験結果を示した。一方、同一の条件下であるが、拡散開始後の初めの1分間だけ加熱される拡散通路の温度を初期的に低くした場合には、各サンプルはいずれも陽性の試験結果を示さなかった。すなわち、初期的な気化段階において上記拡散通路内の過酸化物を液化した後にその拡散通路から上記チャンバーの中にその液化した過酸化物を再気化することにより、その効力が大幅に高められる。
【0030】
さらに付加的な有効性が図2において主に示されているように上記拡散通路24の中に冷却領域と加温領域を交互に設けることにより達成できる。この場合に、単純な形態の加熱要素として、各温度調整要素26が互いに離間して配置されている。また、好ましくは、上記拡散通路24はこの場合に垂直である。このような構成において、過酸化水素溶液がこの拡散通路24の中において気化してこれを通過する際に、その蒸気がその拡散通路24における加熱部分および未加熱部分をそれぞれ通過する時に交互に液化および再気化することが可能になると考えられる。また、この拡散通路は複数の加熱要素および冷却要素を交互に備えることも可能である。
【0031】
上記チャンバー12内のヒーター32は上記拡散通路24における加熱要素と同様に作用する。このヒーター32の温度を調整することにより、上記過酸化物をこのヒーター32の上に先ず液化してから、チャンバー12内に再気化することにより、この過酸化物を濃縮可能にする。
【0032】
一定の好ましい処理工程は本明細書に参考文献として含まれるウー(Wu)他の米国特許第6,365,102号において記載されている工程の変更例であると考えられる。すなわち、各処理間における通気を伴う一連の予備的なプラズマ・エネルギーの付加により上記チャンバー12内の水分を乾燥する。その後、一定の真空がそのチャンバー12内に供給されて、過酸化水素溶液が上記気化装置14の中に注入される。あるいは、この過酸化物溶液は大気圧において注入することもできる。一部の気化した溶液が冷温の拡散通路24の上において液化する。この気化装置14から大部分のまたは全ての過酸化水素溶液が気化するために十分な時間の経過後に、拡散経路24はその温度調整要素26により加温されて、その液化した過酸化水素溶液が再気化される。概ねこの時点において、上記絞り弁18が閉じて、ポンプ16が停止することによりチャンバー12が密封される。この結果、上記過酸化水素溶液における水の留分の大部分が真空ポンプ16によりチャンバー12から排出されて、拡散通路24から、あるいは、存在している場合のチャンバー12内のヒーター32から再気化される過酸化水素溶液の残りの部分がその開始時の溶液よりも高い過酸化水素の濃度を有する。好ましくは、一定のコンピューターに基づく制御システム(図示せず)が容易さおよび反復性のために上記処理の各機能を制御する。
【0033】
上記のようにして製造した過酸化水素の蒸気をチャンバー12内の1種類以上の物品34に接触させて、これらの滅菌を行なう。これらの物品34が長くて狭い内孔部のような拡散が制限される領域を有している場合には、その後にチャンバー12を換気して清浄な無菌状態の空気によりその過酸化水素の蒸気をこれらの拡散制限領域の中に深く送り込めるようにすることが好ましいと考えられる。その後、上記チャンバー12を再び真空状態にして、好ましくは上記拡散通路における加熱シーケンスを伴って、過酸化水素の付加的な注入を繰り返す。好ましくはバシラス属脂肪好熱菌(Bacillus stearothermophilus)等のような病原生物における対数で6程度の減少(six−log reduction)を伴う、上記物品34の滅菌を行なうために十分な時間の経過後に、一定のプラズマをチャンバー12の中に生じて、これによりその滅菌処理および過酸化水素の水および酸素への分解が促進される。
【0034】
上記オリフィス・プレート20は上記過酸化水素をその気化中において濃縮する作用を高めることができる。本明細書に参考文献として含まれるリン(Lin)他の米国特許第5,851,485号において記載されているように、水が一定の比較的に高い蒸気圧を有しているので、上記チャンバー12の一定の制御されたまたは低速のポンプによる排気処理により、過酸化水素よりも多量の水を初期的に吸引により除いて、比較的に高い濃度の過酸化水素を残留させることができる。一般に、各種の真空ポンプは絞り戻し(throttle back)を十分に行なわず、このような装置内の絞り弁は制御が困難であり高価であるので、上記のような制御されたポンプによる排気は困難であると考えられる。そこで、上記のオリフィス・プレート20をポンプ16に到る流通路の中に配置することにより、このポンプ16により排気されるチャンバー12からの雰囲気の量が制限され、さらに、このプレート20における適当な寸法のオリフィス36を選択することにより、チャンバー12内の過酸化水素を効果的に濃縮する一定の速度に制御可能になる。
【0035】
次に、図3において、システム10aは、図1および図2のシステム10と大部分において類似しており、類似の部品の各参照番号または符号は「a」が加えられて示されており、一定のオリフィス・プレート20aも含まれている。しかしながら、オリフィス・プレート20aにおける制御されたポンプ排気の利点を維持しながらこのチャンバー12aにおける速やかなポンプ排気を可能にするために、このシステム10aはポンプ16aからチャンバー12aに到る2個の通路を備えている。第1の通路40は一定の絞り弁42を含み、第2の通路44は一定の絞り弁46およびオリフィス・プレート20aを含む。これにより、初期的なポンプ排気中において、上記第1の絞り弁42が開口してポンプ16aがチャンバー12aに対して自由に接続している状態になる。その後、チャンバー12aが水の蒸気圧に近づくと、第1の絞り弁42が閉じて、ポンプ16aがオリフィス20aを介して排気するようになり、過酸化水素溶液から水を選択的に吸引してチャンバー12aから排出するために比較的に適している一定の減速した制御された速度でチャンバー12aの排気が行なわれる。
【0036】
次に、図4(A)および図4(B)において、図1のシステムに類似している一定のシステム110が示されている。この場合には、上記図3のシステム10aにおけるような2個の通路を用いる代わりに、一定の弁112が一定の弁体114、弁座116、および一定の蝶形円板、プラグまたはその類似物等のような、弁要素118を有している。さらに、一定のオリフィス120が上記弁要素の中に備えられている。これにより、弁112が開口している時に排気は速やかに行なえるが、弁112が閉じている時には、排気は比較的に低速で行なうことができる。
【0037】
次に、図5において、高濃度の滅菌用の蒸気は滅菌を効率的または効果的にすることにおいて役立つが、その蒸気を滅菌処理する各物品に対して接触させることもまた重要である。一般的に、一定のチャンバー12の内部における低い圧力(0.5トール(0.67×102 パスカル)乃至10.0トール(1.33×103 パスカル))がそのチャンバー12の中における全ての領域に対する滅菌剤蒸気の速やかな拡散を助長する。
【0038】
図5は一定の気化装置64、真空ポンプ66および通気手段68を含む一定のチャンバー62を備えている一定の滅菌システム60を示している図である。好ましくは、既に説明されているような一定の細長い温度調整型の拡散通路70が気化装置64をチャンバー62に接続している。一定の絞り弁72および圧力ゲージ74がポンプ66に備えられている。
【0039】
滅菌処理する各種の物品76がそれぞれのトレイまたは容器78の中に入れられている。2種類の包装が一般的に滅菌用の各種物品76を調製するために用いられている。その一例において、物品76は複数の開口部を有している一定のトレイの中に配置され、このトレイがその後に滅菌用の各種気体を通すが汚染性の微生物を遮断するCSRラップ材のような一定の材料により包装される。このようなトレイが本明細書に参考文献として含まれるウー(Wu)の米国特許第6,379,631号において記載されている。また、別の包装は幾つかのポートを、好ましくは上面部および下面部に、備えている一定の密封可能な容器を含み、これらのポートのそれぞれが一定の半透過性の膜により被覆されており、この膜は滅菌用の各種気体を通すが汚染性の微生物の侵入を遮断する。このような容器は本明細書に参考文献として含まれるニコルズ(Nichols)の米国特許第4,704,254号において記載されている。上記第1の種類の包装は一般的に「トレイ(tray)」と呼ばれており、第2の包装は「容器(container)」と呼ばれている。しかしながら、この用語の「容器(container)」は、本明細書において用いられているように、一定の化学的な蒸気の環境内において滅菌する各種物品を収容するために適している任意の容器、包装または閉鎖容器を意味する。
【0040】
上記ポンプ66は一定の排気マニホールド80を介してチャンバー62に接続している。このマニホールド80は1個以上の容器78を支持および受容するための1個以上の棚82を有しており、これらの容器は流体を媒体として絞り弁72を介してポンプ66に接続している。上記棚82のそれそれの上面部における一定の開口部、または、好ましくは複数の開口部84はそれぞれの開口部84を通して上記マニホールド80を介してチャンバー62内の雰囲気をポンプ66により排出することを可能にしている。
【0041】
上記の容器78は好ましくはその一定の下面部88に複数の開口部86を有しており、さらに、少なくとも1個の別の表面部分に付加的な開口部90を有している。これらの容器78が上記の棚82の上に置かれると、ポンプ66により排気される雰囲気が上記開口部90を通して容器78の中に部分的に吸引され、さらにこの容器を通してその内部における1種類以上の物品76に接触した後に、上記開口部86を通してマニホールド80の中にその開口部84を通して吸引される。このように排気される雰囲気が一定の滅菌用のガスまたは気体を含む場合に、この気体は各容器78の中への侵入を促進し、さらに、その内部における各物品76に対する接触を助長する。
【0042】
各種の滅菌用の気体もまた、上記滅菌剤溶液が気化していて上記第2の過酸化水素の添加の直前に、上述した処理工程中において同様に排気される。このような処理工程はさらに一定期間の拡散の後に一定のポンプ排気処理を行なうことも可能である。上記滅菌剤の蒸気が侵入した後に、チャンバー62の圧力はその内部における付加的な気体の存在により、一般的に約0.5トール(0.67×102 パスカル)乃至約10トール(1.33×103 パスカル)だけ、わずかに上昇する。このような比較的に高い圧力は負荷の量およびチャンバー温度を比較的に高くすることにより達成することもできる。
【0043】
次に、図6(A)および図6(B)において、一定の代替的な設計(この設計において、上記図5の設計における各部品と類似している各部品の参照番号または符号は「b」を加えてそれぞれ示されている)が上記図5の設計におけるマニホールド80を一定の単純なポート92に換えている。このポート92は容器78に対応する一定の支持体94により被覆されており、この支持体94はこれを貫通している複数の開口部96を有しているので、チャンバー62bは容器78、支持体94およびポート92を介してポンプ66bに対して流体を媒体として連絡している。なお、この支持体94は移動可能にできる。
【0044】
次に、図7(A)および図7(B)(これらの図において上記図5乃至図6(B)の設計における各部品と類似している各部品の参照番号または符号は「c」を加えてそれぞれ示されている)において、チャンバー62cの一定の表面部分102において静止している一定の支持体100が示されており、この支持体100を通してポート92cが侵入している。すなわち、支持体100はポート92cを囲っている。これにより、ポンプ66cにより排気される雰囲気の大部分または全部が容器78を通過して、当該容器78、支持体100および表面部分102の中に形成されている一定の空間部分104の中に入り、さらに、ポート92cを通してポンプ66cに吸引される。
【0045】
一定の容器を上記のような排気手段を介して単に接続することはその設計に特定の簡潔性を与えるが、このような容器は別の接続様式も有することができる。次に、図8において、一定の容器200が1個以上の上方開口部202および1個以上の下方開口部204を有している。この容器は一定のドア207を介して一定のチャンバー206の中に嵌合している。チャンバー206は一定の気化装置(図8において示されていない)に接続している一定の入口マニホールド208および一定の真空ポンプ(図8において示されていない)に接続している一定の出口マニホールド210を有している。好ましくは、上記の上方開口部202および下方開口部204は上述したような一定の様式でフィルターを備えていて、滅菌用の各種の気体の出入りを可能にするが、汚染性の各種微生物の侵入を阻む。多数の容器200を上記の入口マニホールド208および出口マニホールド210の間に配置することも可能であり、それぞれの容器200は個別に密封されている。
【0046】
図9は上記チャンバー206の中におけるさらに別の容器220を示しており、この容器220はさらに下方の各開口部224(あるいは、上方の各開口部226)に接続している一定のマニホールド222を有している。第1の端部232および第2の端部234を有する一定の貫通している内孔部230を有している、一定の内視鏡等のような、内孔装置228は上記マニホールド222に接続していて、その第1の端部232が上記マニホールドに流体を介して接続しており、その内孔部の第2の端部234が当該内孔部230を通して上記マニホールド222に流体を介して接続している。このマニホールド222は好ましくは内孔部230のみを介して容器220の残りの部分236に流体を介して接続するように設計されているので、滅菌用の各種の気体は強制的にこの内孔部230の中に流れる。好ましい使用の形態において、一定の真空が容器220に供給された後に、滅菌用の各種の気体が上記入口マニホールド208を通してその中に送り込まれる。この工程において、またはこの工程の後に、これらの気体の一部分が排気マニホールド210を通して排気されて、滅菌用の各種の気体が内孔部230の中に流れる。好ましくは、多数の上記のような内孔装置228が上記マニホールド222に同様に接続できる。また、好ましくは、装置228がマニホールド222に接続されるまで当該マニホールド222に対する接続部分が通常的に閉じられていて、各種の気体が内孔部230の中を通過することを避けるために、一定の迂回経路の形成を防止している。初期的な排気速度を速めるために、一定のバイパス弁(図示せず)を上記マニホールド222と容器の残りの部分236との間に備えることができ、この弁を所定の圧力差においてのみ開口させることができる。
【0047】
図10は一定のドア254を介して一定の滅菌チャンバー252の中に配置できる一定の容器250を示している図である。このチャンバー252の中における単一のマニホールド256は互いに近接している当該マニホールド256における一定の開口部258および容器250における一定の開口部260を介して容器250に対して介在している。これらの容器250とマニホールド256との間の物理的な取り付けは全く必要がない。このような実施形態において、容器250は上記開口部258および開口部260が整合している状態でマニホールド256の上部に静止している。上記開口部260は容器250の側壁部または上壁部に備えることも可能であり、この場合に、上記開口部258はこれに対して整合するように移動する。使用の容易さのために、容器250およびマニホールド256は互いに単に当接しているだけであることが好ましい。
【0048】
一定の気化装置等のような、滅菌剤の供給源262が上記マニホールド256に接続しており、同様に、一定の真空ポンプ等のような、排気ポンプ264がマニホールド256に接続している。これらの供給源262およびポンプ264はそれぞれ上記マニホールドに対してそれぞれの弁266および弁268により分離可能である。滅菌剤がマニホールド256を通して容器250に流れる時に、弁268がポンプ264を分離しており、ポンプ264が動作している時は、弁266が気化装置262をマニホールドから分離する。さらに、別の開口部270を容器250の中に備えて、当該容器250からチャンバー252の中に滅菌剤を拡散することを可能することもできる。
【0049】
以上において、本発明をその好ましい各実施形態に基づいて説明した。明らかに、上記の詳細な説明を読みこれを理解することにより本特許出願者以外の人においてその各種の変更例および変形例が考え出せるようになる。本発明は、これらの変更例および変形例が本発明の特許請求の範囲に含まれるか、当該範囲の等価物である限りにおいて、これらの変更例および変形例の全てを含むものとして解釈すべきであると考えられる。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明は滅菌処理する一定の物品を内部に収容している一定の容器を受容するための一定の滅菌チャンバーを備えている滅菌システムに適用可能である。このシステムにおいては、さらに、一定の滅菌剤の供給源がこの滅菌チャンバーに接続している。また、一定の真空ポンプがこの滅菌チャンバーに接続している。これらの滅菌剤供給源または真空ポンプのいずれか、またはこれらの両方は上記容器に対する一定の介在手段を有する1個以上の導管を介して上記チャンバーに接続している。このことにより、上記容器内への滅菌剤の侵入が増進され、この滅菌剤は上記導管を介して上記容器内に直接的に流れ込み、あるいは、当該導管を介して上記容器の中を通り上記チャンバーから排出することができる。
【0051】
本発明の具体的な実施態様は以下のとおりである。
(1)前記真空ポンプが前記導管を介して前記チャンバーに接続している請求項1に記載の滅菌システム。
(2)前記滅菌剤の供給源が前記導管を介して前記チャンバーに接続している請求項1に記載の滅菌システム。
(3)前記真空ポンプおよび前記滅菌剤の供給源の両方が前記導管を介して前記チャンバーに接続しており、これらの真空ポンプおよび滅菌剤の供給源のそれぞれがそれ自体と前記導管との間に一定の弁を有していて、それ自体を前記導管から分離できる請求項1に記載の滅菌システム。
(4)前記介在手段が前記導管の中に到る一定の開口部および前記容器の中に到る一定の開口部を含み、この導管の中に到る開口部が前記容器の中に到る開口部に近接している請求項1に記載の滅菌システム。
(5)前記容器が前記介在手段において前記導管に取り付けられていない実施態様(4)に記載の滅菌システム。
【0052】
(6)前記滅菌剤が一定の化学的な蒸気滅菌剤を含む請求項1に記載の滅菌システム。
(7)前記介在手段が前記チャンバーから取り外し可能である請求項1に記載の滅菌システム。
(8)前記介在手段が前記容器を上部において静止できる一定の支持体を有しており、この支持体が前記容器に対向している1個以上の開口部を有しており、これら1個以上の開口部が前記導管に対して流体を介して連絡している請求項1に記載の滅菌システム。
(9)前記支持体が前記容器を上部において静止する一定の上面部を有しており、前記1個以上の開口部が当該上面部を貫通している実施態様(8)に記載の滅菌システム。
(10)前記導管が前記容器およびさらに別の容器を上部において静止できる複数の支持用の表面部分を前記チャンバー内において有している一定のマニホールドを含み、前記介在手段が前記マニホールドの中に到る複数の開口部を前記支持用の表面部分において有している請求項1に記載の滅菌システム。
【0053】
(11)前記滅菌剤の供給源が前記チャンバーに流体を介して連絡している一定の気化装置を含む請求項1に記載の滅菌システム。
(12)さらに、前記導管に対して流体を介して連絡していて一定の内孔型の装置を内部に受容することに適合している一定のマニホールドを前記容器の中に備えており、これにより前記内孔型の装置の中への滅菌剤の侵入を助長する請求項1に記載の滅菌システム。
(13)さらに、前記容器に対する一定の介在手段を有していて一定の真空ポンプに接続している一定の導管を供給して、当該導管により前記工程(a)を行なう請求項2に記載の方法。
(14)さらに、前記容器に対する一定の介在手段を有していて一定の滅菌剤の供給源に接続している一定の導管を供給して、当該導管により前記工程(b)を行なう請求項2に記載の方法。
(15)前記滅菌剤が一定の化学的な蒸気滅菌剤を含む請求項2に記載の方法。
【0054】
(16)前記滅菌剤を前記チャンバーの中に入れる工程が一定の滅菌剤溶液を気化して前記化学的な蒸気滅菌剤を形成する処理を含み、さらに、当該滅菌剤の一部分を前記容器を通して排気すると共に前記蒸気滅菌剤を前記チャンバーの中に入れる工程を含む実施態様(15)に記載の方法。
(17)前記滅菌剤が過酸化水素の蒸気を含む請求項2に記載の方法。
(18)前記容器がその一定の表面部分において一定の開口部を有しており、一定の導管がその内部に一定の開口部を有しており、さらに、前記容器の開口部を前記導管の開口部に近接して配置する工程を含む請求項2に記載の方法。
(19)さらに、前記導管を通して前記容器の中の雰囲気の一部分を排気する工程を含む実施態様(18)に記載の方法。
(20)前記物品が一定の内孔部を有しており、前記方法がさらに、前記容器に対する一定の介在手段を有していて一定の真空ポンプに接続している一定の導管を供給して、当該導管により前記工程(a)を行なう工程、前記容器の中における一定のマニホールドに前記内孔部を接続する工程、および前記滅菌剤の一部分を前記マニホールドを介して前記内孔部の中を通して排気する工程を含む請求項2に記載の方法。
(21)前記物品が一定の内孔部を有しており、前記方法がさらに、前記容器に対する一定の介在手段を有していて一定の滅菌剤の供給源に接続している一定の導管を供給して、当該導管により前記工程(b)を行なう工程、前記容器の中における一定のマニホールドに前記内孔部を接続する工程、および前記滅菌剤の少なくとも一部分を前記マニホールドを介して前記内孔部の中に導入する工程を含む請求項2に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明による滅菌システムのブロック図である。
【図2】図1の滅菌システムにおける一定の気化装置および拡散通路のブロック図である。
【図3】本発明による滅菌システムの別の実施形態のブロック図である。
【図4】図4(A)は本発明による滅菌システムの別の実施形態のブロック図である。図4(B)は図4(A)の線3B−3Bに沿う断面図である。
【図5】本発明による滅菌システムの別の実施形態のブロック図である。
【図6】図6(A)は本発明による滅菌システムの別の実施形態のブロック図である。図6(B)は図6(A)の線6−6に沿う断面図である。
【図7】図7(A)は本発明による滅菌システムの別の実施形態のブロック図である。図7(B)は図7(A)の線8−8に沿う断面図である。
【図8】本発明による滅菌システムの別の実施形態のブロック図である。
【図9】本発明による滅菌システムのさらに別の実施形態のブロック図である。
【図10】本発明による滅菌システムのさらに別の実施形態のブロック図である。
【符号の説明】
【0056】
10 滅菌システム
12 滅菌チャンバー
14 気化装置
16 真空ポンプ
18 絞り弁
20 オリフィス・プレート
22 圧力ゲージ
23 通気弁
24 拡散通路
26 温度調整要素
28 加熱要素
30 断熱要素
32 ヒーター
34 物品
Claims (2)
- 滅菌システムにおいて、
滅菌処理する一定の物品を内部に収容している一定の容器を受容するための一定の滅菌チャンバー、
前記滅菌チャンバーに接続している一定の滅菌剤の供給源、および
前記滅菌チャンバーに接続している一定の真空ポンプを備えており、
前記滅菌剤の供給源または前記真空ポンプの少なくとも1個が前記容器に対する一定の介在手段を有する一定の導管を介して前記チャンバーに接続しており、
このことにより、前記容器内への滅菌剤の侵入が増進され、この滅菌剤が前記導管を介して前記容器内に直接的に流れ込むか、当該導管を介して前記容器の中を通り前記チャンバーから排出することを可能にする滅菌システム。 - 一定の物品を滅菌するための方法において、
前記物品を一定の容器の中に配置する工程、
前記容器を一定のチャンバーの中に配置する工程、
一定の滅菌剤を前記チャンバーの中に入れる工程、および
以下の各工程、すなわち、
(a)前記チャンバーから直接的に前記容器内の一定の雰囲気の少なくとも一部分を排気することにより、当該チャンバーの中にあって前記容器の外にある滅菌剤を当該容器の中に吸引する工程、および、
(b)前記滅菌剤の少なくとも一部分を前記容器の中に直接的に入れる工程、の内の少なくとも一つを行なうことにより前記容器の中への滅菌剤の侵入を増進する工程を含む方法。
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