JP2004129344A - ガス遮断器 - Google Patents
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Abstract
【課題】活線状態のまま機器の状態を正確に把握でき、実際の機器状態にそくしたタイムリーなメンテナンスを実施して、信頼性・経済性に優れたガス遮断器を提供する。
【解決手段】ガスタンク1の胴部にはグリース劣化診断装置6が取付けられいる。グリース劣化診断装置6は観測用窓7及びグリースホルダー8から構成されている。観測用窓7はガスタンク1の胴部に垂直に配置されている。グリースホルダー8はガスタンク1内に水平に配置されており、消弧室2の接点部に使用しているグリースと同一のグリース14が塗布されている。
【選択図】 図1
【解決手段】ガスタンク1の胴部にはグリース劣化診断装置6が取付けられいる。グリース劣化診断装置6は観測用窓7及びグリースホルダー8から構成されている。観測用窓7はガスタンク1の胴部に垂直に配置されている。グリースホルダー8はガスタンク1内に水平に配置されており、消弧室2の接点部に使用しているグリースと同一のグリース14が塗布されている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電力系統の変電所あるいは開閉所に用いられるガス遮断器に係り、特に、メンテナンスの時期を判別する診断機能を備えたガス遮断器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ガス遮断器を良好な状態で動作させるためにはメンテナンスが不可欠である。ただし、図19に示すように、メンテナンス対象となる消弧室2は消弧性ガスを密封したガスタンク1内に収められているため、外部からその状況を活線状態では直接見ることができない。例えば、消弧室2内部において接点同士の摺動部にはグリースが塗布されているが、このグリースの状態を直接見ることが不可能である。そのため、グリースの状態の良否によらず、回線を停止した状態で定期的な内部点検を実施し、グリースアップを行っている。このように従来では、メンテナンス実施の判定基準を、累積遮断電流が基準値に達した場合、及び据付けから12年ないし18年経過した場合というように設定し、定期的なメンテナンスを行うのが一般的であった。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−260502号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、実際には機器による個体差が大きく、12年以上経過してもメンテナンスが不要な場合もある。反対に、消弧室における接点同士の摺動を円滑に行うために塗布されているグリースの劣化や、摺動粉による絶縁劣化が激しい場合は、累積遮断電流が基準値に達する前にメンテナンスが必要となることもある。安全且つ安定した電力供給を実現するためには、メンテナンスのタイミングは極めて重要である。また、正常な機器に対するメンテナンスに関しては、省略した方が経済的な観点からも望ましい。そのため近年では、メンテナンスを判定基準に従って定期的に実施するのではなく、機器の状態にそくして機器に異常が発生した時のみ実施するタイムリーなメンテナンスが求められている。
【0005】
本発明は、かかる事情に鑑みて提案されたものであり、その目的は、電力供給を停止することなく活線状態のまま機器の状態を正確に把握でき、実際の機器状態にそくしたタイムリーなメンテナンスを実施して、信頼性・経済性に優れたガス遮断器を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、接地電位のガスタンク内に、接離自在な固定接点及び可動接点を備えた消弧室を収納すると共に絶縁ガスを充填し、さらに前記可動接点を操作機構によって駆動する構成としたガス遮断器において、次のような技術的な特徴を有している。
【0007】
請求項1の発明は、前記消弧室には接点同士の摺動を円滑に行うためにグリースを塗布しており、前記ガスタンクにグリース劣化診断装置を取付け、前記グリース劣化診断装置は、前記消弧室に使用しているグリースと同一のグリースを塗布したグリースホルダーと、前記グリースホルダーに塗布したグリースを観測するための観測用窓とからなることを特徴としている。
請求項9の発明では、前記ガスタンクに異物監視装置を取付け、前記異物監視装置は、前記ガスタンク内に異物を集める異物トラップと、前記異物トラップに集めた異物を観測するための観測用窓とからなることを特徴としている。
【0008】
請求項12の発明では、前記ガスタンクの底面部の少なくとも1ヶ所に荷重測定プローブを取付けたことを特徴としている。
さらに、請求項13の発明では、前記操作機構の収納箱内または前記ガスタンク内にマイクロフォンを取付けたことを特徴としている。
【0009】
以上のような構成を有する本発明によれば、グリースホルダーや異物トラップにあるグリースや異物の状態を観測用窓から監視する、あるいは荷重測定プローブにて動作荷重を測定する、さらにはマイクロフォンからの動作音を分析するといった作業を通じて、活線状態のままでも機器の正常・異常を判別することができる。これにより、実際の機器状態にそくしたタイムリーなメンテナンスが実施可能である。その結果、良好な動作性を保持することができ、信頼性が向上する。また、機器が正常に動作している間はメンテナンスを実施しなくて済むので、メンテナンスにかかるコストを削減でき、経済的である。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る実施の形態の一例について、図面および図中に付した符号を引用して説明する。なお、下記の実施の形態では消弧室2に接点同士の摺動を円滑に行うためにグリースが塗布されている。また、従来の技術で説明した構成部分と同一または対応する部分には同一符号を付して説明省略する。
【0011】
(第1の実施の形態)
(構成)
第1の実施の形態は請求項1の発明に係るガス遮断器を適用したものであり、図1は第1の実施の形態を示す横断面図、図2は第1の実施の形態の要部横断面図である。ガスタンク1の胴部にはグリース劣化診断装置6が取付けられいる。グリース劣化診断装置6は観測用窓7及びグリースホルダー8から構成されている。観測用窓7はガスタンク1の胴部に垂直に配置されている。グリースホルダー8はガスタンク1内に水平に配置されており、消弧室2の接点部に使用しているグリースと同一のグリース14が塗布されている。
【0012】
(作用効果)
上述したように、従来では活線状態において、消弧性ガスを密封したガスタンク1に収納された消弧室2内部の摺動部に塗布されたグリースの状態を直接見ることが不可能であった。これに対して本実施の形態では、グリースホルダー8に塗布されたグリース14の色等を観測用窓7から直接見ることで、グリース14の状態の良否を判別することができる。
【0013】
したがって、活線状態のままグリース14状態を判別することができる。その結果、ガス遮断器のグリース14状態に応じたタイムリーなメンテナンスを実施することができる。これにより、安定した動作状態を長期にわたって維持することができ、信頼性が向上する。しかも、グリース14の状態の良好であるうちは、メンテナンスを実施する必要がないため、メンテナンスの回数を最小限に押さえることができ、コストを削減することが可能である。
【0014】
(第2の実施の形態)
(構成)
第2の実施の形態は請求項2の発明に係るガス遮断器を適用したものであり、図3は第2の実施の形態の要部横断面図である。図3に示すように、グリースホルダー8には1対の電極8aが設けられ、この電極8aの端子がガス気密の絶縁端子32を通してガスタンク1外部に引き出されている。
【0015】
(作用効果)
上記第2の実施の形態によれば、ガス気密の絶縁端子32を使用してグリースホルダー8に塗布されたグリース14の絶縁抵抗を測定することができる。そのため、正常時のグリース14の抵抗値と、測定した抵抗値とを比較し、グリース14の劣化に伴う抵抗値の変化を見極めて電気的評価を下すことができる。すなわち、上記第1の実施の形態と同じく、活線状態のままグリース14状態を判別可能であり、タイムリーなメンテナンスを実施して、信頼性・経済性を高めることができる。
【0016】
(第3の実施の形態)
(構成)
第3の実施の形態は請求項3及び4の発明に係るガス遮断器を適用したものであり、図4は第3の実施の形態の要部横断面図、図5はプローブのグリースへの接触面の正面図である。図4に示すように、グリース劣化診断装置6には絶縁ガスをシール可能なパッキン11を介してプローブ9が取付けられている。プローブ9はガスタンク1の外部からの操作が可能であり、その先端がグリースホルダー8のグリース14表面に機械的に押し当てられるように構成されている。また、プローブ9先端のグリース14への接触面には格子状の模様9a(図5(a)参照)や、同心円状の模様9b(図5(b)参照)が設けられている。これらの模様9a,9bはいずれも、グリース14側に模様を写すことができるよう凹凸面を有している。さらに、グリースホルダー8及びプローブ9は両方とも観測用窓7から直接見ることができるようになっている。
【0017】
(作用効果)
以上の第3の実施の形態では、ガスタンク1外部から操作してプローブ9を動作させ、グリースホルダー8のグリース14表面にプローブ9先端を押し当てる。そして、プローブ9を押し当てた際のグリース14の粘性等を観測用窓7から観察する。この時、プローブ9のグリース14への接触面には模様9a,9bを形成しているので、グリース14側に模様9a,9bの様子が写る。このような第3の実施の形態によれば、上記実施の形態の持つ作用効果に加えて、グリース14の状態を一目で把握することができ、グリース14の劣化を迅速に判別できるといった利点がある。
【0018】
(第4の実施の形態)
(構成)
第4の実施の形態は請求項5の発明に係るガス遮断器を適用したものであり、図6は第4の実施の形態の要部横断面図である。図6に示すごとく、グリースホルダー8とプローブ9との間で一対の電極が構成され、グリースホルダー8にはガスタンク1と電気的に絶縁された絶縁端子15が取付けられている。プローブ9は絶縁物からなるシールフランジ10及び絶縁ガスをシール可能なパッキン11を介してガスタンク1に取付けられている。このため、プローブ9はガスタンク1から電気的に絶縁されると同時に、ガスタンク1外部からの機械的操作が可能である。また、グリースホルダー8及びプローブ9は両方とも観測用窓7から直接見ることができるようになっている。
【0019】
(作用効果)
以上のような構成を有する第4の実施の形態では、プローブ9をガスタンク1外部から操作してグリースホルダー8とのギャップを変化させながら電圧を印加して、グリースホルダー8とプローブ9との間で構成した電極間の絶縁破壊電圧を測定することができる。このため、グリース14劣化に伴う電気絶縁性能の変化を知ることができる。また、グリースホルダー8に異物が付着した場合には、異物の影響を考慮したグリース14の電気絶縁性能の変化を見ることも可能である。このような第4の実施の形態によれば、グリース14の状態に応じた機器の状況を細かく把握することができ、メンテナンスのタイミングを高い精度で割り出すことが可能となる。
【0020】
(第5の実施の形態)
(構成)
第5の実施の形態は請求項6の発明に係るガス遮断器を適用したものであり、図7は第5の実施の形態の要部横断面図である。図7に示すように、第5の実施の形態の特徴は、観測用窓7の外側(大気側)に金属等からなる遮光性の保護板19が着脱自在に取付けられている点にある。
【0021】
(作用効果)
上記第5の実施の形態では、グリースホルダー8のグリース14を観測する時以外は観測用窓7に保護板19を取付けておくことで、グリース14に直接外光が当たることを制限できる。したがって、外光によるグリース14の劣化を抑えることができ、グリース14の劣化状況は実際の機器にそくしたものとなる。このため、メンテナンスを実施する際のタイミングがずれることがなく、信頼性・経済性がいっそう向上する。
【0022】
(第6の実施の形態)
(構成)
第6の実施の形態は請求項7の発明に係るガス遮断器を適用したものであり、図8は第6の実施の形態の要部横断面図である。第7の実施の形態では、グリースホルダー8のグリース14を塗布した面が略垂直に配置されていることに特徴がある。
【0023】
(作用効果)
以上のような第6の実施の形態では、グリースホルダー8のグリース14を略垂直に配置したので、略水平配置では影響の受けなかった重力がグリース14に働き、重力によるグリース14の状態変化を観測することができる。したがって、グリース14の劣化状況はより実際の機器にそくしたものとなり、正確なタイミングでメンテナンスが実施可能となり、優れた信頼性・経済性を得ることができる。
【0024】
(第7の実施の形態)
(構成)
第7の実施の形態は請求項8の発明に係るガス遮断器を適用したものであり、図9は第7の実施の形態の横断面図、図10は第7の実施の形態の要部横断面図である。図9及び図10に示すように、ガスタンク1にはグリース劣化診断装置12が設置されている。グリース劣化診断装置12には消弧室2の接触子と相似形状である接離可能な固定接触子と可動接触子の模擬接点13が設けられている。模擬接点13の一端はガスタンク1外部から操作可能に構成されている。模擬接点13の摺動部には消弧室2接点部に使用しているグリースと同一のグリース14が塗布されている。つまり、第7の実施の形態では模擬接点13自体がグリースホルダー8の役割を果たしている。模擬接点13に塗布されたグリース14の状態は観測用窓7から直接観測可能である。さらに、グリース劣化診断装置12の外部には着脱可能な負荷診断装置33が設置されている。
【0025】
(作用効果)
上記構成を有する第7の実施の形態では、模擬接点13の一端をガスタンク1外部から操作することにより、模擬接点13摺動部のグリース14状態を観測用窓7から直接観測し、グリース14状態の良否を判断することができる。同時に、模擬接点13操作時に負荷診断装置33を取付けて摩擦力を測定することができる。消弧室2摺動部のグリースが劣化した場合、摩擦力の増大に伴っていわゆる「かじり」などが発生するが、第7の実施の形態によればこのような不具合を定量的に評価することが可能となる。したがって、タイムリーなメンテナンスが可能であり、ガス遮断器の信頼性・経済性の向上に寄与することができる。
【0026】
(第8の実施の形態)
(構成)
第8の実施の形態は請求項9の発明に係るガス遮断器を適用したものであり、図11は第8の実施の形態の横断面図、図12は第8の実施の形態の要部横断面図である。図11及び図12に示すように、ガスタンク1の胴部には異物監視装置16が設けられている。異物監視装置16は異物トラップ17及び観測用窓7から構成されている。異物トラップ17に堆積した異物29は観測用窓7から直接見ることができるようになっている。
【0027】
(作用効果)
以上のような第8の実施の形態によれば、異物トラップ17に堆積した異物29を観測用窓7から直接見ることにより、異物29の材質、量、形状を把握できる。このため、ガス遮断器の遮断性能及び絶縁性能等に影響を及ぼす異物29の発生状況を、活線状態のまま的確に知ることができる。したがって、異物29の状況に応じてタイムリーなメンテナンスが可能となり、信頼性・経済性を高めることができる。
【0028】
(第9の実施の形態)
(構成)
第9の実施の形態は請求項10の発明に係るガス遮断器を適用したものであり、図13は第9の実施の形態の要部横断面図である。図13に示すように、異物トラップ17は絶縁物から構成され、少なくとも1対の電極17aが設けられている。該電極17aは異物トラップ17から気密性の絶縁端子30によりガスタンク1外部に引き出されている。
【0029】
(作用効果)
以上のような第9の実施の形態では、絶縁端子30の両端に電圧を印加した状態で、異物トラップ17に堆積した異物29の挙動を観測用窓7から観察することができる、このため、異物29が導電性の金属異物であるのか、あるいは絶縁物であるのかといった判断を下すことができる。したがって、異物29の発生状況をより正確に掌握でき、タイミングを外すことなくメンテナンスを実施可能である。
【0030】
(第10の実施の形態)
(構成)
第10の実施の形態は請求項11の発明に係るガス遮断器を適用したものであり、図14は第10の実施の形態の要部横断面図である。図14に示すように、ガスタンク1に設けた観測用窓は複数枚の透明板18から構成され、透明板18の間には通気口31により外部大気が連通されている。なお、図14の実施の形態では、観測用窓である透明板18からの観測対象としてグリースホルダー8を配置しているが、異物トラップ17であっても構わない。
【0031】
(作用効果)
上記第10の実施の形態では、観測用窓として、隙間に外部大気を通した複数枚の透明板18から設けたので、グリスホルダー8(あるいは異物トラップ17)の観測中、万一ガスタンク1内部圧力が急上昇してガスに接した内側の透明板18が破損した場合でも、観測者を破片から保護することができる。したがって、監視作業における安全性を確保することが可能である。
【0032】
(第11の実施の形態)
(構成)
第11の実施の形態は請求項12の発明に係るガス遮断器を適用したものであり、図15は第11の実施の形態の横断面図、図16は第11の実施の形態の要部横断面図である。図15及び図16に示すように、ベース25上のガス遮断器の脚部24には動作荷重診断装置20が設置されている。荷重診断装置20は、ジャッキボルト27を締上げることでブロック22によりガス遮断器を支持し、取付けボルト26を取外して、脱着可能なプローブ21を取付けることにより構成される。
【0033】
(作用効果)
このような第11の実施の形態では、荷重診断装置20において、ガス遮断器の動作荷重を脱着可能なプローブ21により測定し、その結果を正常時の動作荷重と測定した動作荷重とを比較して、活線状態での機器動作の正常・異常の判別を行うことができる。これにより、機器状態の良否を容易に判断でき、実際の機器の状態にそくしたタイムリーなメンテナンスが可能となる。
【0034】
(第12の実施の形態)
(構成)
第12の実施の形態は請求項13の発明に係るガス遮断器を適用したもので、図17は第12の実施の形態の横断面図である。第12の実施の形態では図17に示すように、操作機構5の収納箱内に脱着可能なマイクロフォン28が取付けられたことを特徴としている。
【0035】
(作用効果)
以上の第12の実施の形態では、ガス遮断器の動作時の音をマイクロフォン28を用いて集め、音声周波数スペクトルを分析し、その結果を正常時のものと比較する。これにより、上記第11の実施の形態と同じく、活線状態での機器動作の正常・異常を容易に判別でき、メンテナンスが可能となる。なお、第12の実施の形態における変形例として、図18に示すように、マイクロフォン28の取付位置を、操作機構5の収納箱内からガスタンク1の内部に変更しても良く、この実施の形態によっても同様の作用効果を得ることができる。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、グリースホルダーにあるグリースを観測用窓から監視することにより、活線状態のまま機器の状態を正確に把握でき、実際の機器状態にそくしたタイムリーなメンテナンスを実施して、信頼性・経済性に優れたガス遮断器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の横断面図。
【図2】第1の実施の形態の要部横断面図。
【図3】本発明の第2の実施の形態の要部横断面図。
【図4】本発明の第3の実施の形態の要部横断面図。
【図5】(a),(b)共に、本発明の第3の実施の形態におけるプローブのグリースへの接触面の正面図。
【図6】本発明の第4の実施の形態の要部横断面図。
【図7】本発明の第5の実施の形態の要部横断面図。
【図8】本発明の第6の実施の形態の要部横断面図。
【図9】本発明の第7の実施の形態の横断面図。
【図10】第7の実施の形態の要部横断面図。
【図11】本発明の第8の実施の形態の横断面図。
【図12】本発明の第8の実施の形態の要部横断面図。
【図13】本発明の第9の実施の形態の要部横断面図。
【図14】本発明の第10の実施の形態の要部横断面図。
【図15】本発明の第11の実施の形態の横断面図。
【図16】本発明の第11の実施の形態の要部横断面図。
【図17】本発明の第12の実施の形態の横断面図。
【図18】本発明の第12の実施の形態における変形例の横断面図。
【図19】従来のガス遮断器の横断面図。
【符号の説明】
1…ガスタンク
2…消弧室
3,4…導体
5…操作機構部
6…グリース劣化診断装置
7…観測用窓
8…グリースホルダー
9,21…プローブ
9a,9b…プローブ先端の模様
10…シールフランジ
11…パッキン
12…グリース劣化診断装置
13…模擬接点
14…グリース
15…絶縁端子
16…異物監視装置
17…異物トラップ
18…透明板
19…保護板
20…動作荷重診断装置
24…脚
28…マイクロフォン
29…異物
30…絶縁端子
31…通気口
32…絶縁端子
33…負荷診断装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、電力系統の変電所あるいは開閉所に用いられるガス遮断器に係り、特に、メンテナンスの時期を判別する診断機能を備えたガス遮断器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ガス遮断器を良好な状態で動作させるためにはメンテナンスが不可欠である。ただし、図19に示すように、メンテナンス対象となる消弧室2は消弧性ガスを密封したガスタンク1内に収められているため、外部からその状況を活線状態では直接見ることができない。例えば、消弧室2内部において接点同士の摺動部にはグリースが塗布されているが、このグリースの状態を直接見ることが不可能である。そのため、グリースの状態の良否によらず、回線を停止した状態で定期的な内部点検を実施し、グリースアップを行っている。このように従来では、メンテナンス実施の判定基準を、累積遮断電流が基準値に達した場合、及び据付けから12年ないし18年経過した場合というように設定し、定期的なメンテナンスを行うのが一般的であった。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−260502号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、実際には機器による個体差が大きく、12年以上経過してもメンテナンスが不要な場合もある。反対に、消弧室における接点同士の摺動を円滑に行うために塗布されているグリースの劣化や、摺動粉による絶縁劣化が激しい場合は、累積遮断電流が基準値に達する前にメンテナンスが必要となることもある。安全且つ安定した電力供給を実現するためには、メンテナンスのタイミングは極めて重要である。また、正常な機器に対するメンテナンスに関しては、省略した方が経済的な観点からも望ましい。そのため近年では、メンテナンスを判定基準に従って定期的に実施するのではなく、機器の状態にそくして機器に異常が発生した時のみ実施するタイムリーなメンテナンスが求められている。
【0005】
本発明は、かかる事情に鑑みて提案されたものであり、その目的は、電力供給を停止することなく活線状態のまま機器の状態を正確に把握でき、実際の機器状態にそくしたタイムリーなメンテナンスを実施して、信頼性・経済性に優れたガス遮断器を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、接地電位のガスタンク内に、接離自在な固定接点及び可動接点を備えた消弧室を収納すると共に絶縁ガスを充填し、さらに前記可動接点を操作機構によって駆動する構成としたガス遮断器において、次のような技術的な特徴を有している。
【0007】
請求項1の発明は、前記消弧室には接点同士の摺動を円滑に行うためにグリースを塗布しており、前記ガスタンクにグリース劣化診断装置を取付け、前記グリース劣化診断装置は、前記消弧室に使用しているグリースと同一のグリースを塗布したグリースホルダーと、前記グリースホルダーに塗布したグリースを観測するための観測用窓とからなることを特徴としている。
請求項9の発明では、前記ガスタンクに異物監視装置を取付け、前記異物監視装置は、前記ガスタンク内に異物を集める異物トラップと、前記異物トラップに集めた異物を観測するための観測用窓とからなることを特徴としている。
【0008】
請求項12の発明では、前記ガスタンクの底面部の少なくとも1ヶ所に荷重測定プローブを取付けたことを特徴としている。
さらに、請求項13の発明では、前記操作機構の収納箱内または前記ガスタンク内にマイクロフォンを取付けたことを特徴としている。
【0009】
以上のような構成を有する本発明によれば、グリースホルダーや異物トラップにあるグリースや異物の状態を観測用窓から監視する、あるいは荷重測定プローブにて動作荷重を測定する、さらにはマイクロフォンからの動作音を分析するといった作業を通じて、活線状態のままでも機器の正常・異常を判別することができる。これにより、実際の機器状態にそくしたタイムリーなメンテナンスが実施可能である。その結果、良好な動作性を保持することができ、信頼性が向上する。また、機器が正常に動作している間はメンテナンスを実施しなくて済むので、メンテナンスにかかるコストを削減でき、経済的である。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る実施の形態の一例について、図面および図中に付した符号を引用して説明する。なお、下記の実施の形態では消弧室2に接点同士の摺動を円滑に行うためにグリースが塗布されている。また、従来の技術で説明した構成部分と同一または対応する部分には同一符号を付して説明省略する。
【0011】
(第1の実施の形態)
(構成)
第1の実施の形態は請求項1の発明に係るガス遮断器を適用したものであり、図1は第1の実施の形態を示す横断面図、図2は第1の実施の形態の要部横断面図である。ガスタンク1の胴部にはグリース劣化診断装置6が取付けられいる。グリース劣化診断装置6は観測用窓7及びグリースホルダー8から構成されている。観測用窓7はガスタンク1の胴部に垂直に配置されている。グリースホルダー8はガスタンク1内に水平に配置されており、消弧室2の接点部に使用しているグリースと同一のグリース14が塗布されている。
【0012】
(作用効果)
上述したように、従来では活線状態において、消弧性ガスを密封したガスタンク1に収納された消弧室2内部の摺動部に塗布されたグリースの状態を直接見ることが不可能であった。これに対して本実施の形態では、グリースホルダー8に塗布されたグリース14の色等を観測用窓7から直接見ることで、グリース14の状態の良否を判別することができる。
【0013】
したがって、活線状態のままグリース14状態を判別することができる。その結果、ガス遮断器のグリース14状態に応じたタイムリーなメンテナンスを実施することができる。これにより、安定した動作状態を長期にわたって維持することができ、信頼性が向上する。しかも、グリース14の状態の良好であるうちは、メンテナンスを実施する必要がないため、メンテナンスの回数を最小限に押さえることができ、コストを削減することが可能である。
【0014】
(第2の実施の形態)
(構成)
第2の実施の形態は請求項2の発明に係るガス遮断器を適用したものであり、図3は第2の実施の形態の要部横断面図である。図3に示すように、グリースホルダー8には1対の電極8aが設けられ、この電極8aの端子がガス気密の絶縁端子32を通してガスタンク1外部に引き出されている。
【0015】
(作用効果)
上記第2の実施の形態によれば、ガス気密の絶縁端子32を使用してグリースホルダー8に塗布されたグリース14の絶縁抵抗を測定することができる。そのため、正常時のグリース14の抵抗値と、測定した抵抗値とを比較し、グリース14の劣化に伴う抵抗値の変化を見極めて電気的評価を下すことができる。すなわち、上記第1の実施の形態と同じく、活線状態のままグリース14状態を判別可能であり、タイムリーなメンテナンスを実施して、信頼性・経済性を高めることができる。
【0016】
(第3の実施の形態)
(構成)
第3の実施の形態は請求項3及び4の発明に係るガス遮断器を適用したものであり、図4は第3の実施の形態の要部横断面図、図5はプローブのグリースへの接触面の正面図である。図4に示すように、グリース劣化診断装置6には絶縁ガスをシール可能なパッキン11を介してプローブ9が取付けられている。プローブ9はガスタンク1の外部からの操作が可能であり、その先端がグリースホルダー8のグリース14表面に機械的に押し当てられるように構成されている。また、プローブ9先端のグリース14への接触面には格子状の模様9a(図5(a)参照)や、同心円状の模様9b(図5(b)参照)が設けられている。これらの模様9a,9bはいずれも、グリース14側に模様を写すことができるよう凹凸面を有している。さらに、グリースホルダー8及びプローブ9は両方とも観測用窓7から直接見ることができるようになっている。
【0017】
(作用効果)
以上の第3の実施の形態では、ガスタンク1外部から操作してプローブ9を動作させ、グリースホルダー8のグリース14表面にプローブ9先端を押し当てる。そして、プローブ9を押し当てた際のグリース14の粘性等を観測用窓7から観察する。この時、プローブ9のグリース14への接触面には模様9a,9bを形成しているので、グリース14側に模様9a,9bの様子が写る。このような第3の実施の形態によれば、上記実施の形態の持つ作用効果に加えて、グリース14の状態を一目で把握することができ、グリース14の劣化を迅速に判別できるといった利点がある。
【0018】
(第4の実施の形態)
(構成)
第4の実施の形態は請求項5の発明に係るガス遮断器を適用したものであり、図6は第4の実施の形態の要部横断面図である。図6に示すごとく、グリースホルダー8とプローブ9との間で一対の電極が構成され、グリースホルダー8にはガスタンク1と電気的に絶縁された絶縁端子15が取付けられている。プローブ9は絶縁物からなるシールフランジ10及び絶縁ガスをシール可能なパッキン11を介してガスタンク1に取付けられている。このため、プローブ9はガスタンク1から電気的に絶縁されると同時に、ガスタンク1外部からの機械的操作が可能である。また、グリースホルダー8及びプローブ9は両方とも観測用窓7から直接見ることができるようになっている。
【0019】
(作用効果)
以上のような構成を有する第4の実施の形態では、プローブ9をガスタンク1外部から操作してグリースホルダー8とのギャップを変化させながら電圧を印加して、グリースホルダー8とプローブ9との間で構成した電極間の絶縁破壊電圧を測定することができる。このため、グリース14劣化に伴う電気絶縁性能の変化を知ることができる。また、グリースホルダー8に異物が付着した場合には、異物の影響を考慮したグリース14の電気絶縁性能の変化を見ることも可能である。このような第4の実施の形態によれば、グリース14の状態に応じた機器の状況を細かく把握することができ、メンテナンスのタイミングを高い精度で割り出すことが可能となる。
【0020】
(第5の実施の形態)
(構成)
第5の実施の形態は請求項6の発明に係るガス遮断器を適用したものであり、図7は第5の実施の形態の要部横断面図である。図7に示すように、第5の実施の形態の特徴は、観測用窓7の外側(大気側)に金属等からなる遮光性の保護板19が着脱自在に取付けられている点にある。
【0021】
(作用効果)
上記第5の実施の形態では、グリースホルダー8のグリース14を観測する時以外は観測用窓7に保護板19を取付けておくことで、グリース14に直接外光が当たることを制限できる。したがって、外光によるグリース14の劣化を抑えることができ、グリース14の劣化状況は実際の機器にそくしたものとなる。このため、メンテナンスを実施する際のタイミングがずれることがなく、信頼性・経済性がいっそう向上する。
【0022】
(第6の実施の形態)
(構成)
第6の実施の形態は請求項7の発明に係るガス遮断器を適用したものであり、図8は第6の実施の形態の要部横断面図である。第7の実施の形態では、グリースホルダー8のグリース14を塗布した面が略垂直に配置されていることに特徴がある。
【0023】
(作用効果)
以上のような第6の実施の形態では、グリースホルダー8のグリース14を略垂直に配置したので、略水平配置では影響の受けなかった重力がグリース14に働き、重力によるグリース14の状態変化を観測することができる。したがって、グリース14の劣化状況はより実際の機器にそくしたものとなり、正確なタイミングでメンテナンスが実施可能となり、優れた信頼性・経済性を得ることができる。
【0024】
(第7の実施の形態)
(構成)
第7の実施の形態は請求項8の発明に係るガス遮断器を適用したものであり、図9は第7の実施の形態の横断面図、図10は第7の実施の形態の要部横断面図である。図9及び図10に示すように、ガスタンク1にはグリース劣化診断装置12が設置されている。グリース劣化診断装置12には消弧室2の接触子と相似形状である接離可能な固定接触子と可動接触子の模擬接点13が設けられている。模擬接点13の一端はガスタンク1外部から操作可能に構成されている。模擬接点13の摺動部には消弧室2接点部に使用しているグリースと同一のグリース14が塗布されている。つまり、第7の実施の形態では模擬接点13自体がグリースホルダー8の役割を果たしている。模擬接点13に塗布されたグリース14の状態は観測用窓7から直接観測可能である。さらに、グリース劣化診断装置12の外部には着脱可能な負荷診断装置33が設置されている。
【0025】
(作用効果)
上記構成を有する第7の実施の形態では、模擬接点13の一端をガスタンク1外部から操作することにより、模擬接点13摺動部のグリース14状態を観測用窓7から直接観測し、グリース14状態の良否を判断することができる。同時に、模擬接点13操作時に負荷診断装置33を取付けて摩擦力を測定することができる。消弧室2摺動部のグリースが劣化した場合、摩擦力の増大に伴っていわゆる「かじり」などが発生するが、第7の実施の形態によればこのような不具合を定量的に評価することが可能となる。したがって、タイムリーなメンテナンスが可能であり、ガス遮断器の信頼性・経済性の向上に寄与することができる。
【0026】
(第8の実施の形態)
(構成)
第8の実施の形態は請求項9の発明に係るガス遮断器を適用したものであり、図11は第8の実施の形態の横断面図、図12は第8の実施の形態の要部横断面図である。図11及び図12に示すように、ガスタンク1の胴部には異物監視装置16が設けられている。異物監視装置16は異物トラップ17及び観測用窓7から構成されている。異物トラップ17に堆積した異物29は観測用窓7から直接見ることができるようになっている。
【0027】
(作用効果)
以上のような第8の実施の形態によれば、異物トラップ17に堆積した異物29を観測用窓7から直接見ることにより、異物29の材質、量、形状を把握できる。このため、ガス遮断器の遮断性能及び絶縁性能等に影響を及ぼす異物29の発生状況を、活線状態のまま的確に知ることができる。したがって、異物29の状況に応じてタイムリーなメンテナンスが可能となり、信頼性・経済性を高めることができる。
【0028】
(第9の実施の形態)
(構成)
第9の実施の形態は請求項10の発明に係るガス遮断器を適用したものであり、図13は第9の実施の形態の要部横断面図である。図13に示すように、異物トラップ17は絶縁物から構成され、少なくとも1対の電極17aが設けられている。該電極17aは異物トラップ17から気密性の絶縁端子30によりガスタンク1外部に引き出されている。
【0029】
(作用効果)
以上のような第9の実施の形態では、絶縁端子30の両端に電圧を印加した状態で、異物トラップ17に堆積した異物29の挙動を観測用窓7から観察することができる、このため、異物29が導電性の金属異物であるのか、あるいは絶縁物であるのかといった判断を下すことができる。したがって、異物29の発生状況をより正確に掌握でき、タイミングを外すことなくメンテナンスを実施可能である。
【0030】
(第10の実施の形態)
(構成)
第10の実施の形態は請求項11の発明に係るガス遮断器を適用したものであり、図14は第10の実施の形態の要部横断面図である。図14に示すように、ガスタンク1に設けた観測用窓は複数枚の透明板18から構成され、透明板18の間には通気口31により外部大気が連通されている。なお、図14の実施の形態では、観測用窓である透明板18からの観測対象としてグリースホルダー8を配置しているが、異物トラップ17であっても構わない。
【0031】
(作用効果)
上記第10の実施の形態では、観測用窓として、隙間に外部大気を通した複数枚の透明板18から設けたので、グリスホルダー8(あるいは異物トラップ17)の観測中、万一ガスタンク1内部圧力が急上昇してガスに接した内側の透明板18が破損した場合でも、観測者を破片から保護することができる。したがって、監視作業における安全性を確保することが可能である。
【0032】
(第11の実施の形態)
(構成)
第11の実施の形態は請求項12の発明に係るガス遮断器を適用したものであり、図15は第11の実施の形態の横断面図、図16は第11の実施の形態の要部横断面図である。図15及び図16に示すように、ベース25上のガス遮断器の脚部24には動作荷重診断装置20が設置されている。荷重診断装置20は、ジャッキボルト27を締上げることでブロック22によりガス遮断器を支持し、取付けボルト26を取外して、脱着可能なプローブ21を取付けることにより構成される。
【0033】
(作用効果)
このような第11の実施の形態では、荷重診断装置20において、ガス遮断器の動作荷重を脱着可能なプローブ21により測定し、その結果を正常時の動作荷重と測定した動作荷重とを比較して、活線状態での機器動作の正常・異常の判別を行うことができる。これにより、機器状態の良否を容易に判断でき、実際の機器の状態にそくしたタイムリーなメンテナンスが可能となる。
【0034】
(第12の実施の形態)
(構成)
第12の実施の形態は請求項13の発明に係るガス遮断器を適用したもので、図17は第12の実施の形態の横断面図である。第12の実施の形態では図17に示すように、操作機構5の収納箱内に脱着可能なマイクロフォン28が取付けられたことを特徴としている。
【0035】
(作用効果)
以上の第12の実施の形態では、ガス遮断器の動作時の音をマイクロフォン28を用いて集め、音声周波数スペクトルを分析し、その結果を正常時のものと比較する。これにより、上記第11の実施の形態と同じく、活線状態での機器動作の正常・異常を容易に判別でき、メンテナンスが可能となる。なお、第12の実施の形態における変形例として、図18に示すように、マイクロフォン28の取付位置を、操作機構5の収納箱内からガスタンク1の内部に変更しても良く、この実施の形態によっても同様の作用効果を得ることができる。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、グリースホルダーにあるグリースを観測用窓から監視することにより、活線状態のまま機器の状態を正確に把握でき、実際の機器状態にそくしたタイムリーなメンテナンスを実施して、信頼性・経済性に優れたガス遮断器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の横断面図。
【図2】第1の実施の形態の要部横断面図。
【図3】本発明の第2の実施の形態の要部横断面図。
【図4】本発明の第3の実施の形態の要部横断面図。
【図5】(a),(b)共に、本発明の第3の実施の形態におけるプローブのグリースへの接触面の正面図。
【図6】本発明の第4の実施の形態の要部横断面図。
【図7】本発明の第5の実施の形態の要部横断面図。
【図8】本発明の第6の実施の形態の要部横断面図。
【図9】本発明の第7の実施の形態の横断面図。
【図10】第7の実施の形態の要部横断面図。
【図11】本発明の第8の実施の形態の横断面図。
【図12】本発明の第8の実施の形態の要部横断面図。
【図13】本発明の第9の実施の形態の要部横断面図。
【図14】本発明の第10の実施の形態の要部横断面図。
【図15】本発明の第11の実施の形態の横断面図。
【図16】本発明の第11の実施の形態の要部横断面図。
【図17】本発明の第12の実施の形態の横断面図。
【図18】本発明の第12の実施の形態における変形例の横断面図。
【図19】従来のガス遮断器の横断面図。
【符号の説明】
1…ガスタンク
2…消弧室
3,4…導体
5…操作機構部
6…グリース劣化診断装置
7…観測用窓
8…グリースホルダー
9,21…プローブ
9a,9b…プローブ先端の模様
10…シールフランジ
11…パッキン
12…グリース劣化診断装置
13…模擬接点
14…グリース
15…絶縁端子
16…異物監視装置
17…異物トラップ
18…透明板
19…保護板
20…動作荷重診断装置
24…脚
28…マイクロフォン
29…異物
30…絶縁端子
31…通気口
32…絶縁端子
33…負荷診断装置
Claims (13)
- 接地電位のガスタンク内に、接離自在な固定接点及び可動接点を備えた消弧室を収納すると共に絶縁ガスを充填し、さらに前記可動接点を操作機構によって駆動する構成としたガス遮断器において、
前記消弧室には接点同士の摺動を円滑に行うためにグリースを塗布しており、
前記ガスタンクにグリース劣化診断装置を取付け、
前記グリース劣化診断装置は、前記消弧室に使用しているグリースと同一のグリースを塗布したグリースホルダーと、前記グリースホルダーに塗布したグリースを観測するための観測用窓とからなることを特徴とするガス遮断器。 - 前記グリースホルダーに少なくとも1対の電極を設け、
ガス気密の絶縁端子を通して前記電極の端子をガスタンクの外部に引き出したことを特徴とする請求項1記載のガス遮断器。 - 前記ガスタンクの外部から操作して前記グリースホルダーのグリース表面に機械的に押し当てるプローブを備えたことを特徴とする請求項1または2記載のガス遮断器。
- 前記プローブのグリースへの接触面に、グリース側に写すことが可能な凹凸面を有する模様を設けたことを特徴とする請求項3記載のガス遮断器。
- 前記プローブと前記ガスタンクとの間、及び前記グリースホルダーと前記ガスタンクとの間を電気的に絶縁し、
前記プローブと前記グリースホルダーとの間で対の電極構成としたことを特徴とする請求項3または4記載のガス遮断器。 - 前記観測用窓の外側に遮光性の保護板を着脱自在に配置したことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のガス遮断器。
- 前記グリースホルダーのグリース面を略垂直に配置したことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のガス遮断器。
- 前記グリース劣化診断装置には、前記消弧室の接触子と相似形状である接離可能な固定接触子と可動接触子からなる模擬接点を設け、
前記模擬接点は一端部を前記ガスタンクの外部から操作するように構成したことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のガス遮断器。 - 接地電位のガスタンク内に固定接点と可動接点からなる消弧室を収納すると共に絶縁ガスを充填し、さらに前記可動接点を操作機構により駆動する構成としたガス遮断器において、
前記ガスタンクに異物監視装置を取付け、
前記異物監視装置は、前記ガスタンク内に異物を集める異物トラップと、前記異物トラップに集めた異物を観測するための観測用窓とからなることを特徴とするガス遮断器。 - 前記異物トラップは絶縁物からなり、
前記異物トラップに少なくとも1対の電極を設け、
前記電極の端子を前記ガスタンクの外部に引き出したことを特徴とする請求項9記載のガス遮断器。 - 前記観測用窓は複数枚の透明板からなり、前記透明板の間は外部の大気と連通したことを特徴とする請求項9または10記載のガス遮断器。
- 接地電位のガスタンク内に固定接点と可動接点からなる消弧室を収納すると共に絶縁ガスを充填し、さらに前記可動接点を操作機構により駆動する構成としたガス遮断器において、
前記ガスタンクの底面部の少なくとも1ヶ所に荷重測定プローブを取付けたことを特徴とするガス遮断器。 - 接地電位のガスタンク内に固定接点と可動接点からなる消弧室を収納すると共に絶縁ガスを充填し、さらに前記可動接点を操作機構により駆動する構成としたガス遮断器において、
前記操作機構の収納箱内または前記ガスタンク内にマイクロフォンを取付けたことを特徴とするガス遮断器。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002287431A JP2004129344A (ja) | 2002-09-30 | 2002-09-30 | ガス遮断器 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2011052288A1 (ja) * | 2009-10-29 | 2011-05-05 | 三菱電機株式会社 | 電力開閉装置 |
JP2012034531A (ja) * | 2010-08-02 | 2012-02-16 | Central Res Inst Of Electric Power Ind | パッファーを備えないガス絶縁開閉器の異常検出方法 |
-
2002
- 2002-09-30 JP JP2002287431A patent/JP2004129344A/ja active Pending
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JP2012034531A (ja) * | 2010-08-02 | 2012-02-16 | Central Res Inst Of Electric Power Ind | パッファーを備えないガス絶縁開閉器の異常検出方法 |
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