JP2004129276A - トラックアンドホールド回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高調波歪を減少させる。
【解決手段】 NMOSトランジスタスイッチ603とホールドキャパシタ4とを含んでなり、NMOSトランジスタスイッチ603のバルク電位を入力信号あるいはソース電位のいずれよりも低いか同じとなるように入力信号を同位相で変化させるトラックアンドホールド回路を提供する。
【選択図】   図6

Description

 本発明は、トラックアンドホールド回路に関する。より詳細には、アナログ・デジタルコンバータのフロントエンドに適した高精度、低歪のトラックアンドホールド回路に関する。
 トラックアンドホールド回路は、アナログ・デジタルコンバータのフロントエンドなどに用いられる基礎的なアナログ回路の一つであり、時間的に連続変化する信号の値を離散的な時間間隔でサンプリングするためのものである。このトラックアンドホールド回路の歪の要因は三つある。それを、図3に示すトラックアンドホールド回路の最も基本的な従来例を用いて整理する。
 (A)トラックモード時のホールドキャパシタへの充電時間の変動
 図示したトラックアンドホールド回路は、二つの増幅器101,102と、FETスイッチとして働くMOSトランジスタ103と、ホールドキャパシタ104と、クロック源105とからなっている。MOSトランジスタ103のバルク端子は、共通電位点(グラウンド)に接続されている。ここで、MOSトランジスタ103がオンのときのベース抵抗Ronは、クロック電圧すなわちMOSトランジスタ103のゲート駆動電圧VΦや、ドレインへの入力電圧Vin、しきい値電圧Vthに依存し、次の関係を有する。
〔式1〕
 Ron=1/[β(VΦ−Vin−Vth)]
 ここで、βは製造プロセスにより決まる定数であり、β=μCoxW/L(μ:移動度、Cox:ゲート酸化膜容量、W:ゲート幅、L:ゲート長)で与えられる。
 したがって、Vinが変動するとこのRonも変動する。すると、Ron×CHで与えられるホールドキャパシタ104の充電時間の時定数も変動することとなる。このような、当然に変動するVinに依存するというMOSトランジスタの103のオン抵抗Ronの信号依存性は、ホールドキャパシタへの充電時間の変動を引き起こし、高調波歪の原因となる。
 (B)モード遷移時のタイミングの変動
 また、Vinが変動することにより、トラックモードからホールドモードに遷移するときのタイミングが図4に示すように変動する。すなわち、トラックからホールドへ遷移する電圧の条件はVΦ≧Vin+Vthであり、ホールドモードからトラックモードに遷移する電圧の条件はVΦ≦Vin+Vthであるので、Vinが大きいとトラックモードからホールドモードに遷移する時間が遅れ、ホールドモードからトラックモードに遷移する時間が早まってしまう。逆に、Vinが小さいとトラックモードからホールドモードにする時間が早まり、ホールドモードからトラックモードに遷移する時間が遅れることになる。このような信号依存性のあるタイミングの変動もまた、高調波歪の原因となる。
 (C)モード遷移時の電荷注入
 さらに、図5に示すように、トラックモードからホールモードに遷移する際に、MOSトランジスタ103のゲートに蓄えられた電荷が放出される。すなわちMOSトランジスタ103がオンのときに、ゲートに注入された電荷Q1はオフになると放出されてしまうのである。また、MOSトランジスタがオンのときに、MOSトランジスタ103のゲート・ソース間の寄生容量Cgsに蓄えられた電荷Q2もオフになると放出されてしまう。これらの電荷Q1,Q2がオフになったときにホールドキャパシタに流れ込むことによって、高調波歪が発生することがある。Q1とQ2は次の式により求められることが知られている。
〔式2〕
 Q1=−CoxA(VΦ−Vin−Vth)
 ここで、Coxは上記と同じMOSトランジスタ103の単位面積あたりのゲート酸化膜容量であり、AはMOSトランジスタ103のゲート面積であり、VΦは上述の通りクロック電圧、Vinは上述の通りドレインへの入力電圧、ゲート電圧Vthは上記と同じくしきい値電圧である。
〔式3〕
 Q2=−Cgs(Vin+Vth)
 ここで、Cgsは、MOSトランジスタのゲート・ソース間容量であり、Vthがしきい値電圧であるのは上と同様である。さらに、このCgsは次の式で表される入力電圧依存性がある。
〔式4〕
 Cgs=Cgs0/{1−(VΦ−Vin−Vth)/ψ0}1/2
 ここで、ψ0はビルトインポテンシャルと呼ばれるものであり、Cgs0はVgs=0のときのCgsの値を示す。
 このように、Q1とQ2のいずれも入力信号電圧Vinに依存しており、高調波歪の原因となる。特にQ2はVinに非線形的に依存している。
 これらの入力電圧の変動に起因する歪を軽減するための試みがなされている。その一つは、ゲート駆動電圧を大きくしオン抵抗の入力信号依存性を軽減したり、MOSトランジスタをCMOSスイッチ構成にしてオン抵抗を軽減することである。これらの方策は、MOSトランジスタの特性から明らかなものであるが、必要な駆動電圧が高くなってしまう(近年の回路設計の低電圧化の傾向に反する)、電荷のフィールドスルーが大きくなってしまう、また、高速のPMOSが必要になる上に、Vthの変動によるタイミングのズレの問題は解決されないなど、十分なものではない。
 さらに、入力信号のレベルに依存してゲート電圧を振る試みがなされている。そのような例としては、TEMIC Semiconductor社のSiliconix部門のAN301に関するアプリケーションノート(1997年3月10日付)、または、特許文献1を参照。しかし、このような回路構成は、10〜15ボルトの電圧源が必要となり、計測器などには用いることができるが、低電圧化が必要なシステムLSIには向いていない。さらにドライバー回路は複雑なものとなる。
 さらに、ダミースイッチによる電荷注入の軽減も考えられている(例えば、下記の特許文献2を参照のこと)。これは、上記のMOSトランジスタ103と出力側のアンプ101あるいはグラウンドの間にもう一つのMOSトランジスタを配置し、ホールドキャパシタに流入する電荷の少なくとも一部を吸収させようとするものである。しかし、そのためには付加的なMOSトランジスタの駆動タイミングを微妙にコントロールする必要がある。また、さらに本質的な問題としては、電荷注入を定量的に扱うのは困難であることがある。
特許第2833070号公報 特開平10−312698号公報
 本発明は、上記の従来技術が有する問題点に鑑み、より低い電圧で作動し、ホールド波形の歪を低減することができるトラックアンドホールド回路を提供することを目的とする。
 本発明は、MOSトランジスタスイッチのバルク電位あるいは基板電位をコントロールすることで、トラックアンドホールド回路の低歪化を図るものである。
 本発明は、MOSトランジスタスイッチとホールドキャパシタとを含んでなり、MOSトランジスタスイッチのバルク電位を入力信号と同位相で変化させるトラックアンドホールド回路を提供する。
 さらに、本発明は、そのゲート電圧に応じて入力電圧を伝達または遮断できるMOSトランジスタスイッチと、該MOSトランジスタスイッチに接続され、出力電圧を発生するホールドキャパシタと、入力信号に応じた電位を該MOSトランジスタのバルク端子に供給するレベルシフト回路とを含んでなるトラックアンドホールド回路を提供する。この回路は、ホールドキャパシタの該MOSトランジスタスイッチに接続された端子が増幅器の入力に接続されており、該増幅器の出力をその出力とするものであってよく、MOSトランジスタスイッチのバルク端子に供給される電位が入力信号と同位相であるのが好ましい。さらに、この回路においては、MOSトランジスタスイッチと入力端の間にバッファー増幅器を接続することができる。
 本発明は、トラックモードにおいて入力信号が反転入力端子に加えられる増幅器と、該増幅器の出力に一端が電気的に接続し、ホールドモードにおいて他端が該増幅器の該反転入力端子に電気的に接続された状態になるホールドキャパシタと、該ホールドキャパシタの該他端と該反転入力端子との間に接続された第1MOSトランジスタスイッチと、該ホールドキャパシタの該他端と共通電位点の間にある第2MOSトランジスタスイッチと、入力信号端子と該反転入力端子との間に接続された第3MOSトランジスタスイッチと、入力信号端子と共通電位点との間に接続された第4MOSトランジスタスイッチと、該第1及び第2MOSトランジスタスイッチのバルク端子にその出力端が接続された第1レベルシフト回路と、該第3及び第4MOSトランジスタスイッチのバルク端子にその出力端が接続された第2レベルシフト回路とを含んでなるトラックアンドホールド回路を提供する。
 このトラックアンドホールド回路においては、第1レベルシフト回路の入力を、増幅器の出力端からホールドキャパシタとほぼ同容量のキャパシタを介して接続することができ、あるいは、第1レベルシフト回路の入力を、ホールドキャパシタと第1MOSトランジスタスイッチと第2MOSトランジスタスイッチとの共通のノードに接続することができる。
 さらに、このようなトラックアンドホールド回路においては、第1レベルシフト回路が入力信号と逆位相の電位変動を第1及び第2MOSトランジスタスイッチのバルク端子に供給し、第2レベルシフト回路が入力信号と同位相の電位変動を第3及び第4MOSトランジスタスイッチのバルク端子に供給することができる。
 本発明によれば、DCリニアリティー、周波数帯域、ノイズフロアなどを犠牲にすることなく、簡単なレベルシフト回路を利用することにより、高調波歪を改善することができる。
 図1に本発明の第1の実施形態を示す。この第1実施形態のトラックアンドホールド回路は、バッファー増幅器1と出力段増幅器2と、これらの二つの増幅器の間にあるFETスイッチとして働くMOSトランジスタ3(ここでは一つのみ)と、MOSトランジスタ3のゲートに接続されたクロック源5と、入力信号電圧Vinと同位相で、バイアスされた電圧出力をバルク端子に印加するレベルシフト回路6とからなる。このレベルシフト回路6は基本的にはVinを入力とする単なる増幅器としての構成を取ることができ、これに適切なバイアス用の電圧Vbias(ゼロであってもよい)を加えることにより、MOSトランジスタ3のバルク端子に加えるのに適切な電圧を得ることができる。
 次に本発明の回路がどのようにして低歪を達成できるのかを考察する。まず、MOSトランジスタのしきい値電圧Vthは、ソースとバルク(基板)間の電圧(Vsb=Vs−Vb)によって変化することが知られている。一般に、しきい値電圧Vthは次式により与えられることが知られている。
〔式5〕
 Vth=Vtho+γ{(Vsb+2|φ|)1/2−(2|φ|)1/2}
 ここで、Vthoは初期しきい値電圧と呼ばれるもので定数であり、φは仕事関数、γ=(2qεNa)1/2/Coxであり、qは単位電荷、εは誘電定数、Naは不純物濃度、Coxは上記の通りである。
 したがって、簡略化してみると、Vthの適当に設定した定数値からの変化量ΔVthは、Vsbの二乗根に比例するものと考えることができ、バルク端子にかかる電圧を入力電圧と同位相でうまくコントロールすることにより、Vinと−ΔVthをほぼ等しいものとすることができる。ここで、ΔVthはVsbの二乗根に関係しているので、厳密にいえば、VinとΔVthの関係は、VsbをVinに比例して線形に変化させただけでは完全にうち消し合うものとはならないが、入力信号Vinの影響を相殺するのに近似的に十分な程度に、ΔVthをVinに対応して変化させることができることがシミュレーションと、本発明に基づいて実際に作成した回路に関する測定結果から分かっている。
 例えば、MOSトランジスタ3のオン抵抗Ronを考えると、上記の式1から容易に分かるように、−ΔVthがVinと同位相でほぼ同じ大きさだけ変化すれば、それぞれの影響は打ち消し合って、オン抵抗Ronは入力信号Vinの変動からおおよそ独立したものとなる。
 また、トラックとホールドのタイミングも、上記のようにVin+Vthが基準となっているので、MOSトランジスタのオン抵抗の場合と全く同様にVsbをVinと逆位相に変化させることにより、その入力信号依存性を相殺することができる。
 さらに、トラックモードからホールドモードに遷移するときの注入電荷の変動の問題も同様に軽減される。すなわち、上記のQ1とQ2についての上記式2と式3のそれぞれの関係と、Cgsについての式4の関係をみても、Vin+Vthの項がそれぞれの式に現れており、それ以外にはVinは見られないので、トラックモードからホールドモードへ遷移するときの注入電荷の入力信号電圧依存性も、上述のようにVinの変動と−ΔVthが打ち消し合うことにより、軽減されるものである。
 次に、本発明の第2の実施形態を見てみる。図2にこのような実施の形態の回路構成を例として示す。これは本発明の原理を積分型のトラックアンドホールド回路に適用したものである。積分型トラックアンドホールド回路においては、周波数が高くなるにつれて、図示のノードa、bにおける電圧が変動するため、これらのノードをモニターしてMOSトランジスタのバルク端子の電圧を入力信号と同位相でコントロールするものである。
 この回路構成においては、FETスイッチとして働く四つのMOSトランジスタSW1,SW2,SW3,SW4と、増幅器11と、ホールドキャパシタ14(CH)を主要な構成要素とし、それにFETスイッチの基板電圧を変化させるための本発明固有のレベルシフト回路12,13を付加したものである。レベルシフト回路は、入力信号Vinと同位相で、入力信号Vinにほぼ対応した波形をゼロまたはある一定のバイアス電圧に付加して生成することができるものである。ここでは、ある電圧Vbiasでバイアスされた増幅器として実現できるものである。レベルシフト回路12の出力は、SW3とSW4のバルク端子に接続されており、レベルシフト回路13の出力は、SW1とSW2のバルク端子に接続されている。レベルシフト回路12の入力は、ノードaに接続されおり、入力信号端子に抵抗器R1を介して結合している。
 ここで、SW1とSW2のバルク端子に接続された一方のレベルシフト回路13を見るとその右側には、トラックアンドホールド増幅器の特徴であるホールドキャパシタ14と同じ容量のキャパシタ15と、SW2に対応するMOSトランジスタSW5が設けられている。これは、ノードbの電圧がホールドキャパシタ14の電圧変動にセンシティブであるので、高周波数における問題を回避するためのバッファー回路として、ホールドキャパシタ14に対応する同容量のキャパシタ15をSW2に対応するFETスイッチSW5とを設け、そのSW5のゲートに一定の電圧(16で表す)を加えたものである。レベルシフト回路13への入力は、付加的なキャパシタ15を介して増幅器11の出力から取ることとしている。しかし、機能的には、このレベルシフト回路13はノードbから入力電圧を受けるものであり、ノードbの電圧と同位相の電圧を出力するものである。このようなバッファー回路は、低周波数用の応用例においては必要ではなく、ノードbから直接にレベルシフト回路13へと入力することも可能である。
 図2の回路構成をより詳細に説明すると、第1と第2のMOSトランジスタSW1とSW2とは、増幅器11の反転入力端子cと共通電位点(グラウンド)との間に直列に接続するものであり、ホールドキャパシタ14(容量CH)が増幅器11の出力端子とMOSトランジスタSW1とSW2との間に接続されている。SW1とSW2のドレインがノードbにおいて相互に接続しており、SW1のソースが増幅器11の反転入力端子cに接続している。SW2のソースは共通電位点に接続している。
 第3と第4のMOSトランジスタSW3とSW4は、増幅器11の反転入力端子cと共通電位点の間に直接に接続されている。SW3とSW4のドレインは互いにノードaにおいて接続しており、SW3のソースは増幅器11の反転入力端子cに接続している。SW4のソースは共通電位点に接続している。SW2とSW3のゲートはトラックアンドホールドクロック(T/H)で、SW1とSW4のゲートはその反転クロック(T/Hの上に線をかぶせたもの)で駆動されている。これらのクロックは外部の回路により生成される。
 トラックモードでは、MOSトランジスタSW2とSW3はオン、MOSトランジスタSW1とSW4はオフとなり、Vinは、増幅器のゲインに応じた絶対値をもって、反転した信号として出力される。ホールドモードでは、MOSトランジスタSW1とSW4がオン、SW2とSW3がオフとなって、ホールドキャパシタ14には、SW2がオフになったタイミングにおける反転出力信号の電圧値が保持される。なお、MOSトランジスタSW4がオンとなっているので、入力電圧Vinによる入力電流は共通電位点に流れ、増幅器の出力からは切り離される。なお、図2において、入力信号端子にある波形のシンボルと相似の波形のシンボルは、入力信号Vinと同位相の電位が現れる端子を示しており、異なる波形のシンボル(ノードbや、出力端Vout、レベルシフト回路13の出力端にある)は、逆相の電位が現れることを示している。
 本発明によれば、上述のとおりのメカニズムにより、歪の原因を抑えることができる。たとえば、入力信号Vinの周波数が高くなると、ホールドキャパシタ14を充電する電流が大きくなり、MOSトランジスタSW2のオン抵抗により生ずる電圧降下のためにホールドするタイミングが変調を受ける。これに対して、本発明によれば、レベルシフト回路13により、対になって作動するSW1とSW2のペアと、SW3とSW4のペアのそれぞれに対してバルク電位がノードaとbの電圧(すなわち、SW1とSW3のドレイン電圧)に応じて調整されるので、上述の歪の原因を抑制することができる。歪解消のメカニズムは、図1に示した回路の場合と同じである。
 図6に本発明の第1の実施形態から派生した第3の実施形態を示す。この実施形態では、図1の実施形態におけるバッファー増幅器1と出力段増幅器2とレベルシフト回路6を、負の電源電圧VEEと正の電源電圧VCCとをそれぞれ備えたバッファー増幅器601と出力段増幅器602とレベルシフト回路606にし、FETをNMOSトランジスタ603とし、トランジスタ603のバルク端子にレベルシフト回路606から、Vbias+Vinを印加するものである。
 ここで、該バルク端子に与えられる電圧Vbias+Vinの条件について図7を使って説明する。一般にNMOSトランジスタのバルク電位は、ソース端子の電位と同じにするか、回路につながれる最も低い負の電源電圧、すなわち、GND電圧、または、VEE≦GNDを満足するようなVEE電圧にバイアスされる。一方、PMOSトランジスタを用いる場合はこれと逆となり、回路につながれる最も高い電源電圧、すなわち、VCC≧GNDを満足するようなVCC電圧にバイアスされる。
 ところで、NMOSまたはPMOSトランジスタをスイッチとして使う場合には、オフ・アイソレーション(off isolation)についての考慮が必要となる。これは、NMOSトランジスタでバルク端子をソース端子に接続する場合には、ドレイン電位Vd<ソース電位Vsとなる条件では、トランジスタのドレイン−バルク間のPN接合に順バイアスがかかるため導通してしまう現象についての考慮である。また、トランジスタのバルク−ソース間のPN接合についても同様な考慮が必要となる。すなわち、図7(a)および図7(b)に示されるように、Vd<Vsの状態では、電流i1が流れてしまう。よって、オフ・アイソレーションをとるために、バルク端子をソース端子から切り離し、ドレイン端子とソース端子との両方よりも低いか同じ電位にバイアスする必要がある。これは、バルク端子をGND電位またはVEE電位に接続する場合も同様な考察が必要であり、VsまたはVdのうち低い電位≧バルク電位(GNDまたはVEE)となるように考慮する必要がある。
 以上のようなオフ・アイソレーションの考慮を同様にすることにより、図6におけるレベルシフト回路606では、負のバイアス電位に入力信号Vinを重畳し、このVbias+Vinは次の条件を満たしている。つまり、
〔式6〕
 VEE≦Vbias+Vin≦VinまたはVsのうちのいずれか低い方の電位
である。
 図1に示す回路についてSPICEシミュレーションを行い、従来例に比較して2次と3次の高調波歪がどのように減少するかを検証した。入力信号として、AC成分が0.5Vで100kHzのサイン波、DC成分が1Vの信号を想定し、CHを100pFとした。Vbiasは−2.0Vとした。バルク端子電圧のDC成分を0とした。サンプル時の歪を求めるために、ゲート電圧を5Vとし、ホールド時の歪を求めるために、サンプリング周波数を1Mサンプル/秒、ゲート電圧を5Vと0Vの間で変動するものとした。比較例は、バルク端子を共通電位点に接続したものである。
Figure 2004129276
 図2に示す回路を実際に作成して、そのホールドモードの2次歪と3次歪を、バルク電位を共通電位点に接続した場合(比較例)と、バルク電位を図2におけるレベルシフト回路12,13により調節した場合(本発明実施例)とについて測定した。入力波は±5Vの100kHzのサイン波であり、CH=100pF、1Mサンプル/秒(サンプリング周波数1MHz)で測定した。
Figure 2004129276
 この実施例において、DCリニアリティー、周波数帯域、ノイズフロアなどは、従来例と同等であったので、本発明によれば、望ましくない副作用なしに、高調波歪を改善できることがわかった。
 以上においては、例を用いて本発明を説明したが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。とくに、FETスイッチは、特定のタイプのトランジスタに限定されるものではなく、そのトランジスタの数も、用途に応じて、あるいは、更なる改良のために変更することができるものであるが、特許請求の範囲の記載に鑑み、それらの変更例も本発明の技術的範囲に属しうるものである。
本発明の第1実施例によるトラックアンドホールド回路の回路図を示す。 本発明の第2実施例によるトラックアンドホールド回路の回路図を示す。 従来技術によるトラックアンドホールド回路の回路図を示す。 トラックアンドホールド回路のタイミングの変動を理想的なものと実際的なものを考えて説明するためのグラフを示す図である。 図3の従来例のトラックアンドホールド回路におけるMOSトランジスタの電荷注入と寄生容量を説明するための回路図である。 本発明の第3実施例によるNMOSトランジスタを用いたトラックアンドホールド回路の回路図を示す。 Aは、図6のNMOSトランジスタの断面図である。Bは、AのNMOSトランジスタの回路図である。
符号の説明
 1、2 増幅器
 601 バッファー増幅器
 602 出力段増幅器
 3 MOSトランジスタ
 603 NMOSトランジスタ
 4 ホールドキャパシタ
 5 クロック
 6、606 レベルシフト回路

Claims (4)

  1.  NMOSトランジスタスイッチとホールドキャパシタとを含んでなり、該NMOSトランジスタスイッチのバルク電位を入力信号あるいはソース電位のいずれよりも低いか同じとなるように入力信号を同位相で変化させるトラックアンドホールド回路。
  2.  そのゲート電圧に応じて入力電圧を伝達または遮断できるNMOSトランジスタスイッチと、該NMOSトランジスタスイッチに電気的に接続され、出力電圧を発生するホールドキャパシタと、入力信号に応じた電位を入力信号あるいはソース電位のいずれよりも低いか同じとなるようにバイアスして該MOSトランジスタのバルク端子に供給するレベルシフト回路とを含んでなるトラックアンドホールド回路。
  3.  NMOSトランジスタスイッチのバルク端子に供給される電位入力信号と同位相である請求項2記載のトラックアンドホールド回路。
  4.  NMOSトランジスタスイッチのバルク端子に供給される電位が、前記レベルシフト回路の負電源電圧よりも高いか等しいものである請求項2記載のトラックアンドホールド回路。
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