JP2004126324A - 一成分非磁性トナー及び現像装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】一成分非磁性トナーを周面に担持し、感光体に接して回転し、感光体上の静電潜像にトナーを供給して現像を行なう現像ローラと、該現像ローラの周面に接し、現像ローラ上のトナーを薄層化する薄層形成部材と、トナーホッパとを備えた画像形成装置の現像装置において、該ホッパ内で経時したトナーの帯電量の飽和値(μ1)と、新たに補給されるトナーの帯電量の飽和値(μ2)との関係がμ1≦μ2であることを特徴とする現像装置。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、一成分非磁性トナーを現像剤として使用する画像形成装置の現像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、一成分現像剤を使用する電子写真現像方法として、現像剤担持体上にトナー層を形成し、静電潜像保持体と接触させて現像を行なう接触現像法と、トナー層を静電潜像保持体に直接接触させず静電潜像により静電潜像保持体にトナーを飛翔させるジャンピング現像法及びプロジェクション現像法等の非接触現像法がある。
【0003】
上記接触現像法で現像剤担持体上にトナー薄層を形成する現像装置に用いる場合に、トナーに均一な帯電を持たせるために、現像剤担持体表面のトナーの層厚は極力薄くする必要があるが、薄層を形成し帯電を付加させるためトナーには外的ストレスによる外添剤の埋没など経時的な変化が生じる。
そのために初期と経時後では、トナーの帯電量が異なってくる。それに伴い連続複写後に、画像上に地肌汚れ、ボソツキ等が発生するようになり、特に、カラートナーの場合には色調の変動が起こりやすい。
トナー補給を行なわず、トナーカートリッジを交換してしまう無補給タイプの現像装置では問題視されないが、トナー補給を行なう場合、トナーエンド時の残トナー帯電量と補給トナーとの帯電量の違いにより、残トナーが逆帯電性を帯び、画像上に地肌汚れとして発生してしまう。トナーエンド毎にカートリッジを交換する現像装置は、感光体、現像ローラ等の高価な部品を捨ててしまうことになり、地球環境保全の立場からは好ましくない。
【0004】
このような従来の問題に対して、いくつかの方法が提案されている。例えば、特許文献1、特許文献2には、初期トナーと補給トナーとはトナー粒子中に添加される磁性体粉の含有量を変えることが記載されている。しかし、該現像剤は二成分現像剤用では効果を得られるが、カラートナーへの対応が課題となる一成分トナーとして使用できない。
また、特許文献3、特許文献4では、初期トナーと補給トナーの添加剤種類を変更し、初期トナーと補給トナーの帯電量を異なるように設定し、使用時での現像剤中トナーの帯電量差を少なくし、画像安定性を保つことが提案されている。また、特許文献5には、初期トナーと補給トナーの添加剤含有量を変更し、放置低下後の初期トナーと補給トナーの帯電量の差を少なくし、画像安定性を保つことが記載され、特許文献6には、初期トナーと補給トナーの添加剤表面処理剤を変更し、初期トナーでのトナーエンド時に低下した帯電を逆極性の外添剤を含有する補給トナーにより帯電量の差を少なくし、画像安定性を保つことが提案されている。しかしいずれも補給トナーとして初期トナーとは異なるトナーを使用するため補給毎に違ったトナーが必要となり現実には困難である。
これらの効果はいずれも充分とはいえず、特に4色重ね合わせるフルカラー現像システムにおいては、より精密にトナー帯電量を制御することが必要であり、従って長期安定化には未だ課題が残っている。
【0005】
【特許文献1】
特開平2−205857号公報(第1頁第1欄第4行〜第2欄第14行目、請求項1)
【特許文献2】
特公平7−89236号公報(第1頁第1欄第3行〜第12行目、請求項1)
【特許文献3】
特開平2−205858号公報(第1頁第1欄第4行〜第14行目、請求項1)
【特許文献4】
特公平7−89240号公報(第1頁第1欄第3行〜第16行目、請求項1)
【特許文献5】
特許第2527473号公報(第1頁第1欄第3行〜第14行目、請求項1)
【特許文献6】
特許第2528511号公報(第1頁第1欄第3行〜第14行目、請求項1)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような従来技術の実情に鑑みてなされたものである。即ち、本発明の目的は、トナー容器(トナーのみ補給する)だけを交換する現像装置において、初期トナーと補給トナーとを区別することなく、トナーの経時帯電安定性に優れることによる印字濃度および地肌汚れを安定に制御できると同時に、トナー補給時の地肌汚れや、印字濃度変動を引き起こすことがない画像形成方法および静電潜像現像剤用非磁性一成分トナーと、これを用いた画像形成装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、非磁性一成分現像プロセスの帯電変動に着目し、上記目的を達成するべく鋭意研究を重ねた結果、ホッパ内で経時したトナー帯電量の飽和値(μ1)と新たに補給されるトナーの帯電量の飽和値(μ2)の関係をμ1≦μ2とすることによりトナー帯電変動の改善が著しいことを見出した。
【0008】
すなわち、上記課題は、本発明の(1)「一成分非磁性トナーを周面に担持し、感光体に接して回転し、感光体上の静電潜像にトナーを供給して現像を行なう現像ローラと、該現像ローラの周面に接し、現像ローラ上のトナーを薄層化する薄層形成部材と、トナーホッパとを備えた画像形成装置の現像装置において、該ホッパ内で経時したトナーの帯電量の飽和値(μ1)と、新たに補給されるトナーの帯電量の飽和値(μ2)との関係がμ1≦μ2であることを特徴とする現像装置」、
(2)「ホッパ内で経時したトナーの凝集度(A1)と新たに補給されるトナーの凝集度(A2)の関係がA1≧A2であることを特徴とする前記第(1)項に記載の現像装置」、
(3)「トナー補給時のホッパ内で経時したトナー残量が新たに補給されるトナーの量よりも少ないことを特徴とする前記第(1)項または第(2)項に記載の現像装置」、
(4)「現像ローラ上一回転毎に現像ローラ上のトナーが剥がされホッパ内に戻ることを特徴とする前記第(1)項乃至第(3)項の何れか1に記載の現像装置」により達成される。
【0009】
また、上記課題は、本発明の(5)「前記トナーが、結着樹脂、磁性体又は着色剤、及び荷電制御剤を少なくとも含有しているトナー粒子と、外添剤としての重量平均粒径が0.01〜0.1μmの金属酸化物粒子又は複合金属酸化物粒子を有したトナーであり、薄層形成時のストレスにより該金属酸化物粒子又は複合金属酸化物粒子がトナー粒子中に埋没していくことを特徴とする前記第(1)項乃至第(4)項の何れか1に記載の現像装置」、
(6)「前記トナーは、定着樹脂がポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂もしくはその共重合体の何れかを主成分とすることを特徴とする前記第(1)項乃至第(5)項の何れか1に記載の現像装置」、
(7)「上記トナーの外添剤表面被覆率が60%以上140%以下であることを特徴とする前記第(5)項又は第(6)項に記載の現像装置」、
(8)「上記トナーの外添剤が少なくとも2種の混合であることを特徴とする前記第(5)項乃至第(7)項の何れか1に記載の現像装置」、
(9)「上記トナーの少なくとも一種の外添剤粒径が20nm以上100nm以下であることを特徴とする前記第(5)項乃至第(8)の何れか1に記載の現像装置」、
(10)「上記トナーの少なくとも一種の外添剤が疎水化シリカであることを特徴とする前記第(5)項乃至第(9)項の何れか1に記載の現像装置」により達成される。
【0010】
また、上記課題は、本発明の(11)「一成分非磁性トナーを周面に担持し、感光体に接して回転し、感光体上の静電潜像にトナーを供給して現像を行なう現像ローラと、該現像ローラの周面に接し、現像ローラ上のトナーを薄層化する薄層形成部材と、トナーホッパとを備えた画像形成装置の現像装置に用いられるトナーであって、該ホッパ内で経時したトナーの帯電量の飽和値(μ1)と、新たに補給されるトナーの帯電量の飽和値(μ2)との関係がμ1≦μ2であることを特徴とする一成分非磁性トナー」、
(12)「ホッパ内で経時したトナーの凝集度(A1)と新たに補給されるトナーの凝集度(A2)の関係がA1≧A2であることを特徴とする前記第(11)項に記載の一成分非磁性トナー」、
(13)「補給時でのホッパ内で経時したトナーの残量が新たに補給されるトナー量よりも少ないことを特徴とする前記第(11)項または第(12)項に記載の一成分非磁性トナー」、
(14)「現像ローラ上一回転毎に現像ローラ上で剥がされホッパ内に戻ることを特徴とする前記第(11)項乃至第(13)項の何れか1に記載の一成分非磁性トナー」により達成される。
【0011】
また、上記課題は、本発明の(15)「結着樹脂、磁性体又は着色剤、及び荷電制御剤を少なくとも含有しているトナー粒子と、外添剤としての重量平均粒径が0.01〜0.1μmの金属酸化物粒子又は複合金属酸化物粒子を有したトナーであり、薄層形成時のストレスにより該金属酸化物粒子又は複合金属酸化物粒子がトナー粒子中に埋没していくことを特徴とする前記第(11)項乃至第(14)項の何れか1に記載の一成分非磁性トナー」、
(16)「トナーの定着樹脂がポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂もしくはその共重合体の何れかを主成分とする前記第(15)項に記載の一成分非磁性トナー」、
(17)「上記トナーの外添剤表面被覆率が60%以上140%以下であることを特徴とする前記第(15)項または第(16)項に記載の一成分非磁性トナー」、
(18)「上記トナーの外添剤が少なくとも2種の混合であることを特徴とする前記第(15)項乃至又は第(17)項の何れか1に記載の一成分非磁性トナー」
(19)「上記トナーの少なくとも一種の外添剤粒径が20nm以上100nm以下であることを特徴とする前記第(15)項乃至第(18)項の何れか1に記載の一成分非磁性トナー」、
(20)「上記トナーの少なくとも一種の外添剤が疎水化シリカであることを特徴とする前記第(15)項乃至第(19)項の何れかに記載の一成分非磁性トナー」により達成される。
【0012】
以下、本発明を詳細に説明する。本発明のトナーは、定着樹脂及び着色剤を主成分とするトナー母体と外添剤とからなる。
【0013】
(帯電量の飽和値)
本発明の帯電量の、(実質的なほぼピーク値と見なされる)飽和値(μ1)は以下の方法にて測定を行なった。
トナーを飽和帯電に至るまで、帯電付与させるため二成分現像剤に用いられるキャリアと混合攪拌を行なう。ここではキャリアとしてFCP300LC(パウダーテック社製)を用いトナーとの重量比を100対5とした現像剤を作成し攪拌を行なった。1分毎に10分間(即ちサンプル数は、当初の無攪拌サンプルを含めて経時したトナー及びバージントナー共に11づつ)該現像剤の一部をサンプリングしホソカワミクロン社製E−spartアナライザにて測定を行ない最大帯電量(ピーク帯電量)を示したサンプルの帯電値を飽和値(μ1)とした。測定トナーが二つ以上のピークを持つ場合カウント数の最も多い位置をμ1とした。
原因は不明であるが、経歴の異なるトナーを、本発明において摩擦帯電処理したときに、帯電量の増加モードに違いがあり、すなわち摩擦帯電処理を施した単位時間(1分)毎に帯電量を測定した結果をヒストグラムとして表わすと、帯電量が飽和に達するまでの時間及び飽和帯電量の値自体がトナーにより異なり得るが、本発明において、特定の関係にあるトナーを同時に摩擦帯電するときは、帯電量の低いトナー(例えば典型的には経時トナー)から高いトナー(例えばバージントナー)への電荷の受け渡しがあることが判った。
【0014】
(凝集度)
本発明の凝集度とはトナーの流動性を表すものであり以下の方法で測定を行なう。
メッシュの異なるフルイ(75,45,22μm)を小さい順に3段に重ねて最上段に試料を入れ10秒間振動させる。各フルイに残ったトナーの重量を量って以下の式から凝集度を求める。
【0015】
【数1】
凝集度A(%)=(5a+3b+c)/5×1/試料採取量(g)×100
a:上段に残った粉体重量 b:中段に残った粉体重量
c:下段に残った粉体重量
凝集度の値が小さいほどトナーの流動性が高く、大きいほど流動性が低いといえる。また、流動性が高いトナーは比較的短時間の摩擦帯電による帯電性が高い。
【0016】
本発明のトナーにおいて、添加混合される外添剤(流動性付与部剤)としては、例えばポリテトラフロロエチレン系フッ素樹脂、ステアリン酸亜鉛のごとき滑剤あるいは酸化セリウム、炭化珪素等の研磨剤、あるいは例えばカーボンブラック、酸化スズ等の導電性付与剤、あるいは低分子量ポリオレフィン、ワックス等の定着助剤、あるいは例えばコロイダルシリカ、酸化アルミニウム、酸化チタン等がある。添加量としてはトナーに対し0.1重量%〜10重量%、好ましくは0.2重量%〜5重量%である。
外添剤表面被覆率はトナー母体の表面積と外添剤個々の投影面積の総和の比にて表わされる。
【0017】
【数2】
外添剤表面被覆率(%)=外添剤の投影面積の総和/トナー母体の表面積
【0018】
外添剤表面被覆率は60%〜140%が好ましい。60%以下では薄層形成時における外添剤への応力が分散しにくくなりトナー母体への埋没が起こりやすくなる。また、140%以上となると外添剤がトナー母体から浮遊し現像ローラへの付着等による帯電不良を発生しやすくなる場合がある。
本発明では少なくとも一種の外添剤粒径が20nm以上100nm以下であることが好ましい。20nm以下の外添剤はトナー母体に埋没しやすく、100nm以上の外添剤はトナーの流動性を著しく低下させるものとなる。
外添剤の埋没によりトナーは帯電能の変化、流動性の低下等の影響を受ける。
【0019】
本発明で用いられる定着樹脂としては、これまでトナー用結着樹脂として使用されてきたものが適用できる。具体的には、ポリスチレン、ポリクロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン/p−クロロスチレン共重合体、スチレン/プロピレン共重合体、スチレン/ビニルトルエン共重合体、スチレン/ビニルナフタリン共重合体、スチレン/アクリル酸メチル共重合体、スチレン/アクリル酸エチル共重合体、スチレン/アクリル酸ブチル共重合体、スチレン/アクリル酸オクチル共重合体、スチレン/メタクリル酸メチル共重合体、スチレン/メタクリル酸エチル共重合体、スチレン/メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン/α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン/アクリロニトリル共重合体、スチレン/ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン/ビニルメチルケトン共重合体、スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/イソプレン共重合体、スチレン/アクリロニトリル/インデン共重合体、スチレン/マレイン酸共重合体、スチレン/マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリビニルブチルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂などが挙げられる。
【0020】
本発明のトナー中には、離型剤を含有させることも可能である。この場合、使用される離型剤としては、これまでトナーの離型剤として用いられてきたものが適用できるが、低分子量のポリエチレン、ポリプロピレンなどの合成ワックス類の他、キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、木ロウ、ホホバ油などの植物系ワックス類;ミツロウ、ラノリン、鯨ロウ等の動物系ワックス類;モンタンワックス、オゾケライトなどの鉱物系ワックス類;硬化ヒマシ油、ヒドロキシステアリン酸、脂肪酸アミド、フェノール脂肪酸エステルなどの油脂系ワックス類などが挙げられる。
【0021】
また、本発明のトナーに使用される着色剤としては、従来から使用されてきた顔料、染料が適用される。具体的には、群青、ニグロシン染料、アニリンブルー、カルコオイルブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ローダミン6Cレーキ、キナクリドン、ベンジジンイエロー、マラカイトグリーン、ハンザイエローG,マラカイトグリーンヘキサレート、オイルブラック、アゾオイルブラック、ローズベンガル、モノアゾ系染顔料、ジスアゾ系染顔料、トリスアゾ系染顔料などが挙げられる。
なお、本発明のトナーにおいては、極性を制御するために、帯電制御剤を配合することが効果的である。この場合の帯電制御剤の例としては、ニグロシン、4級アンモニウム塩、含金属アゾ染料、サリチル酸の錯化合物などがある。
【0022】
現像ローラ上に薄膜形成されたトナーは、一回転毎に剥がされホッパ内に戻されることが好ましい。これにより現像機内のトナー経時変化が均一されると共に現像ローラへのフィルミング防止の効果もある。
【0023】
薄層形成部材はローラ状の形態であり一定の周速で回転するのが好ましい。これにより薄層形成部材へのフィルミングを防止し摩擦力の変動が緩和される。
薄層形成部材の少なくとも現像ローラに接触する部分近傍は平滑度が高いものが好ましく、表面粗さRzは1μm以下が好ましい。該接触する近傍部の表面粗さが大きいとトナーの流れが一部遮断され白スジの原因となりうる。
また、薄層形成部材は弾性材料であることが好ましい。トナーは現像ローラと薄層形成部材との圧密状態において薄層形成部材の歪をギャップとして通過するものであって、また歪があそびとなることでトナーの流れを均一化し白スジを防ぐ効果もある。
付言すれば、母剤以上の帯電性をもつ外添剤が添加されたトナーはその外添剤が埋没することによりμが大きくなる。一成分系ではトナー帯電量を維持するために一般的なトナーはそのような外添剤を使っているので、本発明とは逆の趣旨の設計が一般的である。凝集度に関しては外添剤がストレスにより固定化、埋没が進み凝集度は大きくなる。よって、必ず経時トナーの凝集度は大きくなる。本発明における、ホッパ内で経時したトナーの凝集度(A1)と新たに補給されるトナーの凝集度(A2)の関係がA1≧A2は、ホッパ内で経時したトナーの帯電量の飽和値(μ1)と、新たに補給されるトナーの帯電量の飽和値(μ2)との関係において、外添剤を添加しているという趣旨になる。
【0024】
【実施例】
以下に、本発明の実施例を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、部は重量部を表わす。
図1は、本発明が適用される現像装置(10)の一例の構成を、感光体(1)の近傍とともに示す断面図であり、図2は、図1における現像装置(10)の薄層形成部材(7)に第3の発明である薄層形成ローラを適用した現像装置の1例である。
この装置例においては、トナーホッパ(4)内のトナーは、補給ローラ(6)により現像ローラ(2)上に供給される。現像ローラ(2)上に供給されたトナーは現像ローラ(2)と薄層形成部材(7)若しくは薄層形成ローラ(9)との摩擦により帯電する。現像に消費されなかったトナーは、補給ローラ(6)により現像ローラ(2)から剥がされ、トナーホッパ内に戻る。更にアジテータ(5)によりホッパ内は攪拌され均一な状態に保たれる。
【0025】
(実施例1)
ポリエステル樹脂A(軟化点106℃、Tg62℃) 100部
キナクリドン系マゼンタ顔料 4部
サリチル酸の亜鉛化合物 1.5部
上記原材料を、ヘンシェルミキサーにより混合し、120℃に設定したブスコニーダー(ブス社製)によって溶融混練し、混練物を冷却後、ターボミル(ターボ工業社製)を用いた粉砕機によって微粉砕し、風力分級機を用いて分級し、体積平均粒径:6.69μm、比表面積:2.34m2/gのマゼンダ母体トナーAを得た。
上記の母体トナーA 100部に対し、シリカとしてTG−810G(CABOT社製・BET比表面積:230m2/g)を1.0重量%およびAEROSIL RX50(日本アエロジル社製・BET比表面積:50m2/g)を1.8重量%、チタニアとしてMT150(テイカ社製・BET比表面積:65m2/g)を0.5重量%を添加し、ヘンシェルミキサー(三井三池社製)で充分混合して、電子写真用トナーAを得た。
【0026】
(実施例2)
ポリエステル樹脂A(軟化点106℃、Tg62℃)がポリスチレン樹脂A(軟化点109℃、Tg59℃)である実施例1の電子写真用トナーBを得た。
【0027】
(実施例3)
上記の母体トナーA 100部に対し、シリカとしてTG−810G(CABOT社製・BET比表面積:230m2/g)を1.8重量%および、チタニアとしてMT150(テイカ社製・BET比表面積:65m2/g)を0.5重量%を添加し、ヘンシェルミキサー(三井三池社製)で充分混合して、電子写真用トナーCを得た。
【0028】
(実施例4)
ポリエステル樹脂A(軟化点106℃、Tg62℃) 100部
キナクリドン系マゼンタ顔料 4部
サリチル酸の亜鉛化合物 4部
上記原材料を、ヘンシェルミキサーにより混合し、120℃に設定したブスコニーダー(ブス社製)によって溶融混練し、混練物を冷却後、ターボミル(ターボ工業社製)を用いた粉砕機によって微粉砕し、風力分級機を用いて分級し、体積平均粒径:6.69μm、比表面積:2.34m2/gのマゼンダ母体トナーBを得た。
上記の母体トナーB 100部に対し、シリカとしてTG−810G(CABOT社製・BET比表面積:230m2/g)を0.8重量%および、チタニアとしてMT150(テイカ社製・BET比表面積:65m2/g)を0.5重量%を添加し、ヘンシェルミキサー(三井三池社製)で充分混合して、電子写真用トナーDを得た。
【0029】
(比較例1)
上記の母体トナーB 100部に対し、シリカとしてTG−810G(CABOT社製・BET比表面積:230m2/g)を1.8重量%および、チタニアとしてMT150(テイカ社製・BET比表面積:65m2/g)を0.5重量%を添加し、ヘンシェルミキサー(三井三池社製)で充分混合して、電子写真用トナーEを得た。
【0030】
(比較例2)
上記の母体トナーB 100部に対し、シリカとしてTG−810G(CABOT社製・BET比表面積:230m2/g)を1.0重量%およびAEROSIL RX50(日本アエロジル社製・BET比表面積:50m2/g)を1.8重量%、チタニアとしてMT150(テイカ社製・BET比表面積:65m2/g)を0.5重量%を添加し、ヘンシェルミキサー(三井三池社製)で充分混合して、電子写真用トナーFを得た。
【0031】
上記電子写真用トナーA〜Fの初期トナー飽和帯電量ピーク位置μ2及び実機評価後のホッパ内経時トナー飽和帯電量ピーク位置μ1を表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】
[実機評価]
(実機評価1)
実施例、比較例で得られた電子写真用トナーA〜Fについて、(株)リコー製「IPSIO Color5000」改造機を用いてコピーテストを実施し、以下の項目について評価を行なった。改造機は、「Color5000」の薄層形成部材を薄層形成ローラにしたものを用いた。また、コピーテストは、黒を含むフルカラーモードで実施した。コピーテスト開始後と1万枚コピー実施後、現像機内の現像剤残量が初期の20%となるまでコピーテストを継続した。その後ホッパ内の現像剤を一部サンプリングし帯電量の飽和値の測定を行なった。さらに新トナーを補給しコピーテストを継続した際の画質を評価した。
画質は、画像の濃度ムラ、地肌汚れがないか否かを、目視で評価した。表2より、本発明の実施例1〜4の静電潜像現像剤は、(株)リコー製「IPSIO Color5000」改造機を用いたテストで、濃度、画質、地肌汚れにおいて、良好な性能を示し、維持性の観点からもほぼ問題がないことがわかる。一方、比較例1、2の静電潜像現像剤は、画像上に地肌汚れ、画像濃度変動が発生した。
【0034】
【表2】
【0035】
【発明の効果】
以上、詳細かつ具体的な説明から明らかなように、本発明により、トナー容器(トナーのみ補給する)だけを交換する現像装置において、初期トナーと補給トナーとを区別することなく、トナーの経時帯電安定性に優れることによる印字濃度および地肌汚れを安定に制御できると同時に、トナー補給時の地肌汚れや、印字濃度変動を引き起こすことがない画像形成方法および静電潜像現像剤用非磁性一成分トナーと、これを用いた画像形成装置を提供できるという極めて優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される現像装置の一例の構成を感光体の近傍とともに示す断面図である。
【図2】本発明の実施例の薄層形成部材に薄層形成ローラを用いた例を示す平面図である。
【符号の説明】
1 感光体
2 現像ローラ
3 現像装置ケーシング
4 トナーホッパ
5 アジテータ
6 補給ローラ
7 薄層形成部材
8 転写チャージャ
9 薄層形成ローラ
10 現像装置
a 回転方向
b 回転方向
Claims (10)
- 一成分非磁性トナーを周面に担持し、感光体に接して回転し、感光体上の静電潜像にトナーを供給して現像を行なう現像ローラと、該現像ローラの周面に接し、現像ローラ上のトナーを薄層化する薄層形成部材と、トナーホッパとを備えた画像形成装置の現像装置において、該ホッパ内で経時したトナーの帯電量の飽和値(μ1)と、新たに補給されるトナーの帯電量の飽和値(μ2)との関係がμ1≦μ2であることを特徴とする現像装置。
- ホッパ内で経時したトナーの凝集度(A1)と新たに補給されるトナーの凝集度(A2)の関係がA1≧A2であることを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
- トナー補給時のホッパ内で経時したトナー残量が新たに補給されるトナーの量よりも少ないことを特徴とする請求項1または2に記載の現像装置。
- 現像ローラ上一回転毎に現像ローラ上のトナーが剥がされホッパ内に戻ることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1に記載の現像装置。
- 結着樹脂、磁性体又は着色剤、及び荷電制御剤を少なくとも含有しているトナー粒子と、外添剤としての重量平均粒径が0.01〜0.1μmの金属酸化物粒子又は複合金属酸化物粒子を有したトナーであり、薄層形成時のストレスにより該金属酸化物粒子又は複合金属酸化物粒子がトナー粒子中に埋没していき、請求項1乃至4の何れか1に記載の現像装置に用いられることを特徴とする一成分非磁性トナー。
- トナーの定着樹脂がポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂もしくはその共重合体の何れかを主成分とする請求項5に記載の一成分非磁性トナー。
- 上記トナーの外添剤表面被覆率が60%以上140%以下であることを特徴とする請求項5又は6に記載の一成分非磁性トナー。
- 上記トナーの外添剤が少なくとも2種の混合であることを特徴とする請求項5乃至7の何れかに記載の一成分非磁性トナー。
- 上記トナーの少なくとも一種の外添剤粒径が20nm以上100nm以下であることを特徴とする請求項5乃至8の何れかに記載の一成分非磁性トナー。
- 上記トナーの少なくとも一種の外添剤が疎水化シリカであることを特徴とする請求項5乃至9の何れかに記載の一成分非磁性トナー。
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