JP2004126246A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】クリーナレスの画像形成装置において、ネガゴーストの発生を防止する。
【解決手段】感光ドラム1の回転方向(矢印R1方向)に沿っての転写部dの下流側でかつ帯電部aの上流側に、感光ドラム1表面の転写残トナーの帯電極性を均一化する転写残トナー均一化手段を設け、また、この転写残トナー均一化手段7の下流側でかつ帯電部aの上流側に、感光ドラム1表面の転写残トナーの帯電量を揃えるトナー帯電量制御手段8を設けて、転写残トナーが現像装置4に回収されやすいようにする。さらに、画像形成前に、感光ドラム1を回転させ、露光装置3により感光ドラム1表面を感光ドラム1の1周分の時間にわたって露光することで、ネガゴーストの発生を防止する。
【選択図】 図1
【解決手段】感光ドラム1の回転方向(矢印R1方向)に沿っての転写部dの下流側でかつ帯電部aの上流側に、感光ドラム1表面の転写残トナーの帯電極性を均一化する転写残トナー均一化手段を設け、また、この転写残トナー均一化手段7の下流側でかつ帯電部aの上流側に、感光ドラム1表面の転写残トナーの帯電量を揃えるトナー帯電量制御手段8を設けて、転写残トナーが現像装置4に回収されやすいようにする。さらに、画像形成前に、感光ドラム1を回転させ、露光装置3により感光ドラム1表面を感光ドラム1の1周分の時間にわたって露光することで、ネガゴーストの発生を防止する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、クリーナレスの画像形成装置に関し、詳しくは、像担持体上の残った転写残トナーを、現像装置によって現像同時クリーニングで除去する方式の画像形成装置にかかる。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真方式を用いた複写機,プリンタ,ファクシミリ等の転写方式の画像形成装置は、回転ドラム型を一般的とする像担持体である感光体(感光ドラム)、その感光体を所定の極性・電位に一様に帯電処理する帯電装置(帯電工程)、帯電処理された感光体に静電潜像を形成する情報書き込み手段としての露光装置(露光工程)、感光体上に形成された静電潜像を現像剤であるトナーにより顕像化する現像装置(現像工程)、トナー像を感光体表面から紙などの記録材に転写する転写装置(転写工程)、転写工程後の感光体上に多少ながら残余するトナーを除去して感光体表面を清掃するクリーニング装置(クリーニング工程)、記録材上のトナー像を定着させる定着装置(定着工程)などから構成されており、感光体は繰り返して電子写真プロセス(帯電・露光・現像・転写・クリーニング)が適用されて作像に供される。
【0003】
転写工程後の感光体上に残余するトナーはクリーニング装置により感光体表面から除去されてクリーニング装置内に溜まって廃トナーとなるが、環境保全や資源の有効利用等の点からそのような廃トナーは出ないことが望ましい。
【0004】
そこで、クリーニング装置にて回収されている転写残トナー、いわゆる廃トナーを現像装置に戻して再利用する画像形成装置がある。
【0005】
また、クリーニング装置を廃し、転写工程後の感光体上の転写残トナーを現像装置において「現像同時クリーニング」で感光体上から除去・回収し再利用するようにしたクリーナレス方式の画像形成装置がある。
【0006】
現像同時クリーニングは、転写後の感光体上の転写残トナーを次工程以降の現像工程時、すなわち引き続き感光体を帯電し、露光して静電潜像を形成し、静電潜像の現像工程過程時にかぶり取りバイアス(現像装置に印加する直流電圧と感光体の表面電位間の電位差であるかぶり取り電位差(Vback)によって、感光体表面のうちのトナーで現像されない部分(非画像部)に存在する転写残トナーは現像装置に回収する方法である。この方式によれば、転写残トナーは現像装置に回収されて次工程以降の静電潜像の現像に再利用されるため、廃トナーをなくし、またメンテナンス時に手を煩わせることも少なくすることができる。またクリーナレスであることで画像形成装置の小型化にも有利である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述したような、転写工程後の感光体上の転写残トナーを現像装置において現像同時クリーニングで除去・回収し再利用するクリーナレス方式の画像形成装置において、感光体の帯電装置が感光体に当接して感光体表面を帯電処理する接触帯電装置であるときには、感光体上の転写残トナーが感光体と接触帯電装置との間の接触ニップ部である帯電部(帯電ニップ部)を通過する際に、転写残トナー中の特に帯電極性が正規極性とは逆極性に反転しているトナーが接触帯電装置に付着して接触帯電装置を許容以上にトナー汚染させて帯電不良の原因となってしまう。
【0008】
すなわち、現像剤としてのトナーには、量的には少ないけれども、帯電極性がもともと正規極性とは逆極性に反転しているトナーが混在している。また帯電極性が正規極性のトナーであっても転写バイアスや剥離放電等に影響されて帯電極性が反転するものや、除電されて帯電量が少なくなるものもある。
【0009】
したがって、転写残トナーには帯電極性が正規極性のもの、逆極性の反転トナー、帯電量が少ないものが混在しており、そのうちの反転トナーや帯電量が少ないトナーが感光体と接触帯電装置の間の帯電部を通過する際に接触帯電装置に付着しやすい。
【0010】
また、感光体上の転写残トナーを現像装置の現像同時クリーニングにて除去・回収するためには、帯電部を通過して現像部に持ち運ばれる感光体上の転写残トナーの帯電極性が正規極性であり、かつその帯電量が現像装置によって感光体の静電潜像を現像できるトナーの帯電量であることが必要である。反転トナーや帯電量が適切でないトナーについては感光体上から現像装置に除去・回収できず、不良画像の原因となってしまう。
【0011】
接触帯電装置へのトナーの付着は、転写部から帯電部へ持ち運ばれる、帯電極性が正規極性のもの、逆極性のもの、帯電量が少ないものが混在している感光体上の転写残トナーを転写残トナー均一化手段で一旦逆極性に揃え、さらに感光体回転方向下流のトナー帯電量制御手段によって正規極性へと帯電付与して帯電極性を正規極性に揃えるとともに帯電量を均一化することにより防止することができる。
【0012】
また転写残トナー均一化手段とトナー帯電量制御手段を通過したトナーは、通常、現像トナーの帯電量より大きくなるため、現像装置において回収されにくくなるが、接触帯電部で交流除電することで、転写残トナーを現像装置で回収されやすい帯電量にすることができ、回収不良による画像汚れなどもなく現像同時クリーニングが効率よく行われる。
【0013】
上述のクリーナレスプロセスで用いる感光体は、図3に示すように、光が当たるとフォトキャリヤ(同図ではプラス)を発生する電荷発生層(以下「CGL」という。)と、フォトキャリヤが移動する電荷輸送層(以下「CTL」という。)が重なり合う構造になっている。露光された部分に発生したフォトキャリヤが表面に帯電されたマイナス電荷と打ち消しあい、帯電電位(以下適宜「Vd」という。)よりも電位が下がり、図4に示すように、静電潜像が形成される。
【0014】
しかし、図5に示すように、CTL内にフォトキャリヤが残留することがある。このような場合、新たなフォトキャリヤがCTLを移動するのを阻害し、図6に示すように、その部分だけ電位が正規の電位に比べて下がらない。
【0015】
この現象がCTLとCGLの界面にフォトキャリヤが存在しない状況下で生じると、反転現像系では、図7に示すように、感光体の1回転の全周においての画像部が次の回転時で薄くなる、いわゆるネガゴーストとなってしまう。
【0016】
このネガゴーストを防止するため、帯電前に感光体のスラスト方向全域を露光する前露光方法が挙げられる。
【0017】
しかしながら、前述のような、転写残トナーの帯電量を感光体上でコントロールし、現像装置で回収するクリーナレスプロセスの場合、前露光は転写残トナー像の上から行うこととなり、その効果は不十分なものとなる。
【0018】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、感光体と、前記感光体表面を帯電する帯電手段と、帯電後の前記感光体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像にトナーを付着させてトナー像として現像する現像手段と、前記感光体上のトナー像を他部材に転写する転写手段とを備えた画像形成装置において、画像形成前に、前記感光体を回転させ、前記露光手段により前記感光体表面を所定時間にわたって露光する動作の実行を、画像形成装置本体外部から指示する手段を備える、ことを特徴とする。
【0019】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記所定時間が、前記感光体の1回転に要する時間の整数倍に設定されている、ことを特徴とする。
【0020】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載の画像形成装置において、前記感光体上のトナー像を前記他部材に転写する際に、前記他部材に転写されないで前記感光体表面に残った残留トナーを、前記現像手段によりトナー像の現像時に回収する、ことを特徴とする。
【0021】
請求項4に係る発明は、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の画像形成装置において、前記感光体表面の移動方向に沿っての前記転写手段の下流側でかつ前記帯電手段の上流側に、前記感光体表面の転写残トナーの帯電極性を均一化する転写残トナー均一化手段を有し、前記感光体表面の移動方向に沿っての前記転写残トナー均一化手段の下流側でかつ前記帯電手段の上流側に、前記感光体表面の転写残トナーの帯電量を揃えるトナー帯電量制御手段を有する、ことを特徴とする。
【0022】
請求項5に係る発明は、請求項1ないし4に記載の画像形成装置において、前記画像形成前に前記感光体を回転させる際に、前記帯電手段による前記感光体表面の帯電を行い、前記現像手段による静電潜像の現像は行わない、ことを特徴とする。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図面に沿って、本発明の実施の形態について説明する。なお、各図面において同一の符号を付したものは、同一の構成又は作用をなすものであり、これらについての重複説明は適宜省略した。
【0024】
<実施の形態1>
図1に、本発明に係る画像形成装置の一例として、実施の形態1に係る画像形成を示す。同図に示す画像形成装置は、転写方式、電子写真方式、接触帯電方式、反発現像方式、クリーナレス方式のレーザビームプリンタであり、最大通紙サイズがA3サイズのものである。
【0025】
[レーザビームプリンタの全体構成]
▲1▼像担持体(感光ドラム1)
図1に示すレーザビームプリンタ(以下「画像形成装置」という。)は、像担持体として、回転ドラム型の電子写真感光体(以下「感光ドラム」という。)1を備えている。この感光ドラム1は、本実施の形態では、負帯電性のOPC(有機光導電体)感光体である。感光ドラム1は、外径30mmの円筒状に形成されていて、中心支軸(不図示)を中心に130mm/secのプロセススピード(周速度)をもって矢印R1方向に回転駆動される。
【0026】
この感光ドラム1は、図2の層構成模式図に示すように、アルミニウム製シリンダ(導電性ドラム基体)1aの表面に、光の干渉を抑え、上層の接着性を向上させる下引き層1bと、電荷発生層1cと、電荷輸送層1dの3層を内側(図2中の下側)から順に塗り重ねた構成をしている。
【0027】
▲2▼帯電手段(帯電ローラ2)
感光ドラム1表面(外周面)を一様に帯電する帯電手段としては、接触帯電装置(接触帯電器)を採用しており、本実施の形態は帯電ローラ(接触帯電部材)2である。
【0028】
図2に示すように、帯電ローラ2は、芯金2aの両端部をそれぞれ軸受け部材(不図示)により回転自在に保持されるとともに、押圧ばね2eによって感光ドラムに向けて付勢されている。帯電ローラ2は、これにより感光ドラム1の表面に対して所定の押圧力をもって圧接させており、感光ドラム1の矢印R1方向に回転に伴って矢印R2方向に従動回転する。感光ドラム1と帯電ローラ2との圧接部が帯電部(帯電ニップ部)aとなる。
【0029】
この帯電ローラ2の芯金2aには帯電バイアス印加電源S1から所定の条件の帯電バイアス電圧が印加されることにより、感光ドラム1の表面が所定の極性・電位に接触帯電処理される。本実施の形態において、帯電ローラ2に対する帯電バイアス電圧は直流電圧Vdcと交流電圧Vacとを重畳させた電圧である。
【0030】
さらに具体的には、
・直流電圧Vdc:−500V
・交流電圧Vac:周波数f=1000Hz、ピーク間電圧Vpp=1400Vの正弦波、
である。これら直流電圧Vdcと交流電圧Vacとを重畳した振動電圧を帯電バイアス電圧として帯電ローラ2に印加し、これにより、感光ドラム1表面を−500V(暗電位Vd)に一様に接触帯電するようにしている。
【0031】
帯電ローラ2の長手方向(軸心2aに沿った方向)の長さは320mmであり、図2の層構成模式図に示すように、芯金(支持部材)2aの外周に、下層2bと、中間層2cと、表層2dを内側図から順次に積層した3層構成である。下層2bは帯電音を低減するための発泡スポンジ層であり、表層2dは感光ドラム1上にピンホール等の欠陥があってもリークが発生するのを防止するために設けている保護層である。
【0032】
さらに具体的には、本実施の形態の帯電ローラ2の仕様は以下のとおりである。
【0033】
・芯金2a :直径6mmのステンレス丸棒
・下層2b :カーボン分散の発泡EPDM、比重0.5g/cm3、体積抵抗値102〜109Ω・cm、層厚3.0mm、長さ320mm
・中間層2c:カーボン分散のNBR系ゴム、体積抵抗値102〜105Ω・cm、層厚700μm
・表層2d :フッ素化合物のトレジン樹脂に酸化スズ、カーボンを分散、体積抵抗値107 〜1010Ω・cm、表面粗さ(JIS規格10点平均表面粗さRa)1.5μm、層厚10μm。
【0034】
図2において、符合2fは帯電ローラクリーニング部材を示しており、本実施の形態では可撓性を有するクリーニングフィルムである。この帯電ローラクリーニング部材2fは、帯電ローラ2の長手方向に対し平行に配置され、かつ同長手方向に対し一定量の往復運動をする支持部材2gに一端(上端)を固定され、下端の自由端側近傍の面において帯電ローラ2と接触ニップを形成するよう配置されている。支持部材2gが画像形成装置の駆動モータ(不図示)によりギヤ列(不図示)を介して長手方向に対し一定量の往復運動駆動されて帯電ローラ2の表層2dが帯電ローラクリーニング部材2fで摺擦される。これにより帯電ローラ2の表層2dの汚染付着物(微粉トナー、外添剤など)の除去がなされる。
【0035】
▲3▼露光手段(露光装置3)
露光装置(露光手段)3は、帯電処理された感光ドラム1の表面に静電潜像を形成する情報書き込み手段として作用する。本実施の形態では、露光装置3として、半導体レーザを用いたレーザビームスキャナを使用している。画像読み取り装置(不図示)等のホスト処理から画像形成装置本体(不図示)側に送られた画像信号に対応して変調されたレーザ光Lを出力して感光ドラム1表面を露光部(露光位置)bにおいてレーザ走査露光(イメージ露光)する。このレーザ走査露光により、感光ドラム1表面のうちのレーザ光で照射された部分の電位が低下する。これにより感光ドラム1表面には、走査露光した画像情報に対応した静電潜像が順次に形成されていく。
【0036】
▲4▼現像手段(現像装置4)
図1中の符合4は、感光ドラム1上の静電潜像に現像剤(トナー)を供給して静電潜像を可視化する現像手段としての現像装置(現像器)を示している。現像装置4は、本実施の形態では、二成分磁気ブラシ現像方式の反転現像装置である。
【0037】
図1中の符合4aは現像容器、4bは現像剤担持搬送部材としての非磁性の現像スリーブ(現像部材)をそれぞれ示している。この現像スリーブ4bはその外周面の一部を現像容器4aから外部に露出させるようにして、現像容器4aによって回転可能に支持されている。符合4cは非回転に固定して現像スリーブ4b内に挿設したマグネットローラを示し、符合4dは現像剤コーティングブレードを示している。現像容器4a内には、二成分現像剤4eが収納されている。符合4fは現像容器4a内の底部側に配設した現像剤攪拌部材を示し、符合4gはトナーホッパーを示している。トナーホッパー4gには、補給用トナーが収納されている。
【0038】
現像容器4a内の二成分現像剤4eは、トナーと磁性キャリヤの混合物であり、現像剤攪拌部材4fにより攪拌される。本実施の形態において磁性キャリヤの抵抗は約1013Ω・cm、粒径は40μmである。トナーは磁性キャリヤとの摺擦により負極性に摩擦帯電される。
【0039】
現像スリーブ4bは、感光ドラム1との最近接距離(S−Dgapと称する)を350μmに保持した状態で、感光ドラム1に近接するように対向配置されている。この感光ドラム1と現像スリーブ4aとの対向部が現像部cである。現像スリーブ4b表面は、現像部cにおいて感光ドラム1表面の移動方向(矢印R1方向)とは逆方向の矢印R4方向に回転駆動される。この現像スリーブ4bの外周面に、内側のマグネットローラ4cの磁力により現像容器4a内の二成分現像剤4eの一部が磁気ブラシ層として吸着保持される。吸着保持された磁気ブラシ層は、現像スリーブ4bの回転に伴い回転搬送され、現像剤コーティングブレード4dにより所定の薄層に整層され、現像部cにおいて感光ドラム1表面に対して接触して感光ドラム1表面を適度に摺擦する。現像スリーブ4bには、現像バイアス印加電源S2から所定の現像バイアスが印加される。本実施の形態において、現像スリーブ4bに対する現像バイアス電圧は直流電圧Vdcと交流電圧Vacとを重畳した振動電圧である。さらに具体的には、
・直流電圧:−350V
・交流電圧:1600V
を重畳した振動電圧である。
【0040】
現像容器4a内の二成分現像剤4eは、回転する現像スリーブ4b表面に薄層としてコーティングされる。そして、現像部cに搬送され、二成分現像剤4e内のトナーが現像バイアスによる電界により、感光ドラム1表面の静電潜像に対応して選択的に付着することで静電潜像がトナー像として現像される。本実施の形態の場合は感光ドラム1表面の露光明部にトナーが付着して静電潜像が反転現像される。
【0041】
このとき感光ドラム1上に現像されたトナーの帯電量は−25μC/gである。
【0042】
現像部cを通過した現像スリーブ4b上の現像剤薄層は引き続く現像スリーブ4bの回転に伴い現像容器4a内の現像剤溜り部に戻される。
【0043】
現像容器4a内の二成分現像剤4eのトナー濃度を所定のほぼ一定範囲内に維持するために、現像容器4a内の二成分現像剤4eのトナー濃度が例えば光学式トナー濃度センサ(不図示)によって検知され、その検知情報に応じてトナーホッパー4gが駆動制御されて、トナーホッパー4g内のトナーが現像容器4a内の二成分現像剤4eに補給される。二成分現像剤4eに補給されたトナーは攪拌部材4fにより攪拌される。
【0044】
▲5▼転写手段(転写ローラ5)、定着手段(定着装置6)
図1中の符合5は転写装置(転写手段)としての転写ローラ5を示している。この転写ローラ5は、感光ドラム1に所定の押圧力をもって圧接されており、その圧接ニップ部が転写部dとなる。この転写部dに給紙機構部(不図示)から所定の制御タイミングにて記録材(例えば、紙、透明フィルム等の被記録媒体、転写材)Pが給送される。
【0045】
転写部dに給送された記録材Pは、感光ドラム1と転写ローラ5との間に挟持されて搬送され、その間、転写ローラ5に転写バイアス印加電源S3からトナーの正規帯電極性である負極性とは逆極性である正極性の転写バイアス、本実施の形態では+2kVの転写バイアスが印加される。これにより、転写部dを挟持搬送されていく記録材P表面に、感光ドラム1表面のトナー像が順次に静電転写されていく。
【0046】
転写部dを通ってトナー像の転写を受けた記録材Pは、感光ドラム1表面から順次に分離されて定着装置(定着装置)6に搬送される。記録材Pは、ここで定着ローラ6a、加圧ローラ6bによって加熱・加圧される。これにより、記録材P表面にトナー像が定着されて、画像形成物(プリント、コピー)として出力される。
【0047】
[クリーナレスシステム及びトナー帯電量制御]
本実施の形態の画像形成装置はクリーナレス方式を採用している。すなわち、記録材Pに対するトナー像の転写後に、感光ドラム1表面に若干量残留するトナー(転写残トナー)を除去する専用のクリーニング装置は具備していない。トナー像転写後の感光ドラム1表面の転写残トナーは、引き続く感光ドラム1の矢印R1方向の回転に伴い帯電部a、露後部bを通って現像部cに持ち運ばれて、現像装置3により現像同時クリーニング(回収)される。これがクリーナレスシステムである。
【0048】
本実施の形態においては現像装置4の現像スリーブ4b表面は、前述したように現像部cにおいて、感光ドラム1表面の回転方向(矢印R1方向)とは逆方向(矢印R4方向)に回転されている。これにより、現像スリーブ4b表面に担持された薄層現像剤と感光ドラム1表面とが接触する機会が増えるので、感光ドラム1表面の転写残トナーの回収に有利である。
【0049】
感光ドラム1表面の転写残トナーは露光部bを通るので露光工程はその転写残トナー上からなされるが、通常、転写残トナーの量は少ないため、大きな影響は現れない。
【0050】
ただし、前述のように、転写残トナーには帯電極性が正規極性のもの、逆極性のもの(反転トナー)、帯電量が少ないものが混在しており、そのうちの反転トナーや帯電量が少ないトナーが帯電部aを通過する際に帯電ローラ2に付着することで帯電ローラが許容以上にトナー汚染されて帯電不良が発生するおそれがある。
【0051】
また、感光ドラム1表面の転写残トナーに対する、現像装置3による現像同時クリーニングを効果的に行なわせるためには、現像部cに持ち運ばれる感光ドラム1上の転写残トナーの帯電極性が正規極性であり、かつその帯電量が現像装置4によって感光ドラム1の静電潜像を現像できるトナーの帯電量であることが必要である。反転トナーや帯電量が適切でないトナーについては感光ドラム1上から現像装置4に除去・回収できず、不良画像の原因となってしまう。
【0052】
また、近年、ユーザのニーズの多様化に伴い、写真画像などといった高印字率な画像などの連続の印字動作(画像形成動作)などにより、一度に大量の転写残トナーが発生して、上述のような問題をさらに助長させることがある。
【0053】
そこで、本実施の形態においては、感光ドラム1の回転方向(矢印R1方向)に沿っての、転写部dよりも下流側で、かつ帯電部aよりも上流側の位置において、感光ドラム1上の転写残トナーを均一化するための、転写残トナー(残留現像剤像)均一化手段7を設けている。さらに、感光ドラム1の回転方向に沿っての、転写残トナー均一化手段7よりも下流側で、かつ帯電部aよりも上流側の位置において、転写残トナーの帯電極性を正規極性である負極性に揃えるためのトナー(現像剤)帯電量制御手段8を設けている。
【0054】
本実施の形態では、上述の転写残トナー均一化手段7とトナー帯電量制御手段8は、それぞれ適度の導電性を持ったブラシ状部材7a,8aと、これらを支持する支持部材7b,8bによって構成し、ブラシ状部材7a,8aを感光ドラム1表面に接触させて配設してある。図1中の符合eは転写残トナー均一化手段7と感光ドラム1表面との接触部を示す。また符合fはトナー帯電量制御手段8と感光ドラム1表面との接触部を示す。
【0055】
転写残トナー均一化手段7には正極性の電圧が、電圧印加電源S4により印加されており、またトナー帯電量制御手段8には負極性の電圧が、電圧印加電源S5により印加されている。本実施の形態では転写残トナー均一化手段7には+300V、トナー帯電量制御手段8には−800V印加した。
【0056】
転写部dにおける記録材Pに対するトナー像転写後の感光ドラム1表面に残留する転写残トナーは、引き続く感光ドラム1の矢印R1方向の回転に伴って、転写残トナー均一化手段7と感光ドラム1との接触部eに至り、一旦、転写残トナー均一化手段7で正極性に揃えられる。また転写残トナー均一化手段7は、下流に位置するトナー帯電量制御手段8での放電を確実に行わせるため、感光ドラム1の表面電位を0V近傍にする。
【0057】
転写残トナー均一化手段7で正極性に揃えられた感光ドラム1表面の転写残トナーは、引き続く感光ドラム1の矢印R1方向の回転に伴って、トナー帯電量制御手段8と感光ドラム1との接触部fに到達する。接触部に到達した感光ドラム1表面の転写残トナーは、トナー帯電量制御手段8を通過する際に、その帯電極性が正規極性である負極性に揃えられる。本実施の形態ではトナー帯電量制御手段8通過後の転写残トナーの帯電量は−70μC/gであった。
【0058】
次に現像工程における転写残トナーの回収について述べる。
【0059】
現像装置4は前述したように、現像と同時に転写残トナーを清掃するクリーナレス方式である。感光ドラム1上に現像されたトナーの帯電量は前述したように、本実施の形態においては−25μC/gである。ここで、本実施の形態における現像条件において、転写残トナーが現像装置4に回収されるための、転写残トナーと帯電量との関係を図8に示す。
【0060】
感光ドラム1上の転写残トナーが現像装置4に回収されるためのトナー帯電量は、現像時のトナー帯電量(−25μC/g)と比較すると0.5〜1.8倍であることが必要である。
【0061】
しかしながら、上述したように帯電ローラ2へのトナー付着を防止するために、トナー帯電量制御手段8によって−70μC/gと負極性に大きく帯電された転写残トナーを、現像装置4において回収させるためには、除電を行う必要がある。
【0062】
帯電ローラ2には感光ドラム1表面を帯電処理するために、交流電圧Vac(周波数f=1000Hz、ピーク間電圧Vpp=1400V)が印加されていることにより、転写残トナーは交流除電されるのである。本実施の形態では帯電部aを通過後のトナー帯電量は−30μC/gとなった。現像工程においては、トナーが現像されるべきではない感光ドラム1上の転写残トナーは、上述の理由で現像装置4に回収される。
【0063】
このように転写部dから帯電部aへ持ち運ばれる感光ドラム1上の転写残トナーの帯電量を、転写残トナー均一化手段7とトナー帯電量制御手段8とによって、正規極性である負極性に揃えて帯電処理することにより、転写残トナーの帯電ローラ2への付着を防止しつつ、帯電ローラ2で感光ドラム1を所定の電位に帯電すると同時に、上述のトナー帯電量制御手段8で正規極性である負極性に帯電処理された転写残トナーの帯電量を、現像装置4によって感光ドラム1の静電潜像を現像できる適切な帯電量に制御することで現像装置4での転写残トナーの回収も効率的になされる。
【0064】
このような画像形成装置において、長期にわたって画像を出力しない状態、すなわち図2に示す感光ドラム1のCTL1dとCGL1cとの界面にフォトキャリヤが存在しない状況下で図6に示すような感光ドラム1の1周目(1回転目)に表面に濃度の高い画像を形成したとき、感光ドラム1の2周目(2回転目)の画像が薄くなるいわゆるネガゴーストが発生した。
【0065】
本実施の形態では、このようなネガゴーストが発生した時(1日放置後)に、画像形成する前に感光体1周分フル露光をする動作を行った。このドラム1周分露光をすることで感光体全域にフォトキャリヤが発生し、画像作成した時、一部分だけフォトキャリヤが残留することがなくなりネガゴーストが発生しなくなった。
【0066】
またこのようなネガゴーストが発生する場合は、前述の通りCTL1dとCGL1cとの界面にフォトキャリヤが存在しないときなので、すべての画像形成時に発生しない。ここで画像形成前に感光ドラム1を1周分(1回転分)フル露光する動作を基本動作で組み込むと、すべての画像形成時に感光ドラム1の1周分の時間が余分にかかることになる。つまりプリンタや複写機において、最初に画像が出てくるまでの時間(ファーストコピー時間)が感光ドラム1の1周分だけ長くなることになる。
【0067】
そこで本実施の形態では、画像形成装置本体の外部に配置されている操作部(例えば、操作パネル:不図示)に、感光ドラム1の1周分、フル露光動作を開始させる手段としてスイッチを設けた。ネガゴーストが発生した場合に、スイッチをONすると画像形成時の前に感光ドラム1を1周分フル露光する動作が始まり、ほとんどのネガゴーストを消すことができた。またネガゴーストのレベルが悪い、もしくはゴーストが目立ちやすい画像の場合は、画像形成時前の感光ドラム1をフル露光する時間を長くする(本実施の形態では、感光ドラム1の1周分の整数倍)ことですべてのネガゴーストを消すことができた。
【0068】
本発明に係る画像形成装置においては、上述の構成に代えて、以下の▲1▼〜▲9▼に示すような構成を採用することもできる。
【0069】
▲1▼転写残トナー均一化手段7とトナー帯電量制御手段8は、上述では、ブラシ状部材で7a,8aを有するものであったが、これに代えて、ブラシ回転体、弾性ローラ体、シート状部材など任意の形態の部材にすることができる。
【0070】
▲2▼感光ドラムは、表面抵抗が109〜1014Ω・cmの電荷注入層を設けた直接注入帯電性のものであってもよい。電荷注入層を用いていない場合でも、例えばCTL(電荷輸送層)がこの抵抗範囲にある場合も同等の効果が得られる。例えば、感光ドラムとして表層の体積抵抗が約1013Ω・cmであるアモルファスシリコン感光体を使用してもよい。
【0071】
▲3▼可撓性の接触帯電部材としては、上述の帯電ローラ2の他に、ファーブラシ、フェルト、布などの形状・材質のものも使用可能である。また各種材質のものの組み合わせでより適切な弾性、導電性、表面性、耐久性のものを得ることもできる。
【0072】
▲4▼接触帯電部材や現像部材に印加する振動電界の交番電圧成分(AC成分、周期的に電圧値が変化する電圧)の波形としては、正弦波、矩形波、三角波等が適宜使用可能である。直流電源を周期的にオン/オフすることによって形成された矩形波であってもよい。
【0073】
▲5▼像担持体としての感光ドラム1表面(帯電面)に対する情報書き込み手段としての露光装置3は、上述の実施の形態のレーザ走査手段以外にも、例えば、LEDのような固体発光素子アレイを用いたデジタル露光手段であってもよい。ハロゲンランプや蛍光灯等を原稿照明光源とするアナログ的な画像露光手段であってもよい。要するに、画像情報に対応した静電潜像を形成できるものであればよい。
【0074】
▲6▼感光体としては、上述の感光ドラム1に代えて、ベルト状の感光ベルトを使用することができる。さらに、像担持体としては、上述の感光体に代えて、静電記録誘電体などであってもよい。この場合はこの静電記録誘電体の表面を一様に帯電した後、その帯電面を除電針ヘッドや電子銃等の除電手段で選択的に除電して目的の画像情報に対応した静電潜像を書き込み形成する。
【0075】
▲7▼静電潜像のトナー現像方式・手段は任意である。反転現像方式でも正規現像方式でもよい。
【0076】
一般的に、静電潜像の現像方法は非磁性トナーについてはこれをブレード等でスリーブ等の現像剤担持搬送部材上にコーティングし、磁性トナーについてはこれを現像剤担持搬送部材上に磁気力によってコーティングして搬送して像担持体に対して非接触状態で適用し静電潜像を現像する方法(一成分非接触現像)と、上述のように現像剤担持搬送部材上にコーティングしたトナーを像担持体に対して接触状態で適用し静電潜像を現像する方法(一成分接触現像)と、トナー粒子に対して磁性のキャリヤを混合したものを現像剤(二成分現像剤)として用いて磁気力によって搬送して像担持体に対して接触状態で適用し静電潜像を現像する方法(二成分接触現像)と、上述の二成分現像剤を像担持体に対して非接触状態で適用し静電潜像を現像する方法(二成分非接触現像)との4種類に大別される。
【0077】
▲8▼転写手段としては、上述の転写ローラ5を使用したローラ転写に限らず、ブレード状の転写ブレードを使用したブレード転写、ベルト状の転写ベルトを使用したベルト転写、その他の接触転写帯電方式であってもよい。また、コロナ帯電器を使用した非接触転写帯電方式でもよい。
【0078】
▲9▼上述では本発明を、単色の画像形成装置に適用した例を説明したが、中間転写ベルトや中間転写ドラムなどの中間転写体を用いて、多重転写等により多色、フルカラー画像を形成する画像形成装置にも本発明は適用することができる。なお、この場合には、感光ドラム上のトナー像が転写される中間転写体が、他部材に相当することになる。
【0079】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によると、画像形成前に、感光体を回転させ、露光手段により感光体表面を所定時間にわたって露光する動作の実行を、画像形成装置本体外部から指示する手段を備えることにより、ネガゴーストが発生した、又は発生しそうな場合に、露光手段により所定時間の露光動作を行うことで、ネガゴーストの発生を有効に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像形成装置の概略構成を模式的に示す縦断面図である。
【図2】感光ドラム及び帯電ローラの層構成を模式的に示す縦断面図である。
【図3】感光ドラムの露光された部分に発生したフォトキャリヤが、CTL中を移動して表面に帯電されたマイナス電荷と打ち消し合うようすを説明する図である。
【図4】図3の電荷の打ち消しによって露光部分の電位が下がったようすを説明する図である。
【図5】前回発生したフォトキャリヤが、新たなフォトキャリヤがCTL中を移動するのを阻害するようすを説明する図である。
【図6】キャリヤの移動の阻害によって、前回の画像部の電位が下がらない状態を説明する図である。
【図7】感光ドラムの1周分に対応した、ネガゴーストの発生を説明する図である。
【図8】転写残トナーの帯電量と、現像装置による転写残トナーの回収性との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 感光体(感光ドラム)
2 帯電手段(帯電ローラ)
3 露光手段(露光装置)
4 現像手段(現像装置)
5 転写手段(転写ローラ)
7 転写残トナー均一化手段
8 トナー帯電量制御手段
P 他部材(記録材)
【発明の属する技術分野】
本発明は、クリーナレスの画像形成装置に関し、詳しくは、像担持体上の残った転写残トナーを、現像装置によって現像同時クリーニングで除去する方式の画像形成装置にかかる。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真方式を用いた複写機,プリンタ,ファクシミリ等の転写方式の画像形成装置は、回転ドラム型を一般的とする像担持体である感光体(感光ドラム)、その感光体を所定の極性・電位に一様に帯電処理する帯電装置(帯電工程)、帯電処理された感光体に静電潜像を形成する情報書き込み手段としての露光装置(露光工程)、感光体上に形成された静電潜像を現像剤であるトナーにより顕像化する現像装置(現像工程)、トナー像を感光体表面から紙などの記録材に転写する転写装置(転写工程)、転写工程後の感光体上に多少ながら残余するトナーを除去して感光体表面を清掃するクリーニング装置(クリーニング工程)、記録材上のトナー像を定着させる定着装置(定着工程)などから構成されており、感光体は繰り返して電子写真プロセス(帯電・露光・現像・転写・クリーニング)が適用されて作像に供される。
【0003】
転写工程後の感光体上に残余するトナーはクリーニング装置により感光体表面から除去されてクリーニング装置内に溜まって廃トナーとなるが、環境保全や資源の有効利用等の点からそのような廃トナーは出ないことが望ましい。
【0004】
そこで、クリーニング装置にて回収されている転写残トナー、いわゆる廃トナーを現像装置に戻して再利用する画像形成装置がある。
【0005】
また、クリーニング装置を廃し、転写工程後の感光体上の転写残トナーを現像装置において「現像同時クリーニング」で感光体上から除去・回収し再利用するようにしたクリーナレス方式の画像形成装置がある。
【0006】
現像同時クリーニングは、転写後の感光体上の転写残トナーを次工程以降の現像工程時、すなわち引き続き感光体を帯電し、露光して静電潜像を形成し、静電潜像の現像工程過程時にかぶり取りバイアス(現像装置に印加する直流電圧と感光体の表面電位間の電位差であるかぶり取り電位差(Vback)によって、感光体表面のうちのトナーで現像されない部分(非画像部)に存在する転写残トナーは現像装置に回収する方法である。この方式によれば、転写残トナーは現像装置に回収されて次工程以降の静電潜像の現像に再利用されるため、廃トナーをなくし、またメンテナンス時に手を煩わせることも少なくすることができる。またクリーナレスであることで画像形成装置の小型化にも有利である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述したような、転写工程後の感光体上の転写残トナーを現像装置において現像同時クリーニングで除去・回収し再利用するクリーナレス方式の画像形成装置において、感光体の帯電装置が感光体に当接して感光体表面を帯電処理する接触帯電装置であるときには、感光体上の転写残トナーが感光体と接触帯電装置との間の接触ニップ部である帯電部(帯電ニップ部)を通過する際に、転写残トナー中の特に帯電極性が正規極性とは逆極性に反転しているトナーが接触帯電装置に付着して接触帯電装置を許容以上にトナー汚染させて帯電不良の原因となってしまう。
【0008】
すなわち、現像剤としてのトナーには、量的には少ないけれども、帯電極性がもともと正規極性とは逆極性に反転しているトナーが混在している。また帯電極性が正規極性のトナーであっても転写バイアスや剥離放電等に影響されて帯電極性が反転するものや、除電されて帯電量が少なくなるものもある。
【0009】
したがって、転写残トナーには帯電極性が正規極性のもの、逆極性の反転トナー、帯電量が少ないものが混在しており、そのうちの反転トナーや帯電量が少ないトナーが感光体と接触帯電装置の間の帯電部を通過する際に接触帯電装置に付着しやすい。
【0010】
また、感光体上の転写残トナーを現像装置の現像同時クリーニングにて除去・回収するためには、帯電部を通過して現像部に持ち運ばれる感光体上の転写残トナーの帯電極性が正規極性であり、かつその帯電量が現像装置によって感光体の静電潜像を現像できるトナーの帯電量であることが必要である。反転トナーや帯電量が適切でないトナーについては感光体上から現像装置に除去・回収できず、不良画像の原因となってしまう。
【0011】
接触帯電装置へのトナーの付着は、転写部から帯電部へ持ち運ばれる、帯電極性が正規極性のもの、逆極性のもの、帯電量が少ないものが混在している感光体上の転写残トナーを転写残トナー均一化手段で一旦逆極性に揃え、さらに感光体回転方向下流のトナー帯電量制御手段によって正規極性へと帯電付与して帯電極性を正規極性に揃えるとともに帯電量を均一化することにより防止することができる。
【0012】
また転写残トナー均一化手段とトナー帯電量制御手段を通過したトナーは、通常、現像トナーの帯電量より大きくなるため、現像装置において回収されにくくなるが、接触帯電部で交流除電することで、転写残トナーを現像装置で回収されやすい帯電量にすることができ、回収不良による画像汚れなどもなく現像同時クリーニングが効率よく行われる。
【0013】
上述のクリーナレスプロセスで用いる感光体は、図3に示すように、光が当たるとフォトキャリヤ(同図ではプラス)を発生する電荷発生層(以下「CGL」という。)と、フォトキャリヤが移動する電荷輸送層(以下「CTL」という。)が重なり合う構造になっている。露光された部分に発生したフォトキャリヤが表面に帯電されたマイナス電荷と打ち消しあい、帯電電位(以下適宜「Vd」という。)よりも電位が下がり、図4に示すように、静電潜像が形成される。
【0014】
しかし、図5に示すように、CTL内にフォトキャリヤが残留することがある。このような場合、新たなフォトキャリヤがCTLを移動するのを阻害し、図6に示すように、その部分だけ電位が正規の電位に比べて下がらない。
【0015】
この現象がCTLとCGLの界面にフォトキャリヤが存在しない状況下で生じると、反転現像系では、図7に示すように、感光体の1回転の全周においての画像部が次の回転時で薄くなる、いわゆるネガゴーストとなってしまう。
【0016】
このネガゴーストを防止するため、帯電前に感光体のスラスト方向全域を露光する前露光方法が挙げられる。
【0017】
しかしながら、前述のような、転写残トナーの帯電量を感光体上でコントロールし、現像装置で回収するクリーナレスプロセスの場合、前露光は転写残トナー像の上から行うこととなり、その効果は不十分なものとなる。
【0018】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、感光体と、前記感光体表面を帯電する帯電手段と、帯電後の前記感光体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像にトナーを付着させてトナー像として現像する現像手段と、前記感光体上のトナー像を他部材に転写する転写手段とを備えた画像形成装置において、画像形成前に、前記感光体を回転させ、前記露光手段により前記感光体表面を所定時間にわたって露光する動作の実行を、画像形成装置本体外部から指示する手段を備える、ことを特徴とする。
【0019】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記所定時間が、前記感光体の1回転に要する時間の整数倍に設定されている、ことを特徴とする。
【0020】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載の画像形成装置において、前記感光体上のトナー像を前記他部材に転写する際に、前記他部材に転写されないで前記感光体表面に残った残留トナーを、前記現像手段によりトナー像の現像時に回収する、ことを特徴とする。
【0021】
請求項4に係る発明は、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の画像形成装置において、前記感光体表面の移動方向に沿っての前記転写手段の下流側でかつ前記帯電手段の上流側に、前記感光体表面の転写残トナーの帯電極性を均一化する転写残トナー均一化手段を有し、前記感光体表面の移動方向に沿っての前記転写残トナー均一化手段の下流側でかつ前記帯電手段の上流側に、前記感光体表面の転写残トナーの帯電量を揃えるトナー帯電量制御手段を有する、ことを特徴とする。
【0022】
請求項5に係る発明は、請求項1ないし4に記載の画像形成装置において、前記画像形成前に前記感光体を回転させる際に、前記帯電手段による前記感光体表面の帯電を行い、前記現像手段による静電潜像の現像は行わない、ことを特徴とする。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図面に沿って、本発明の実施の形態について説明する。なお、各図面において同一の符号を付したものは、同一の構成又は作用をなすものであり、これらについての重複説明は適宜省略した。
【0024】
<実施の形態1>
図1に、本発明に係る画像形成装置の一例として、実施の形態1に係る画像形成を示す。同図に示す画像形成装置は、転写方式、電子写真方式、接触帯電方式、反発現像方式、クリーナレス方式のレーザビームプリンタであり、最大通紙サイズがA3サイズのものである。
【0025】
[レーザビームプリンタの全体構成]
▲1▼像担持体(感光ドラム1)
図1に示すレーザビームプリンタ(以下「画像形成装置」という。)は、像担持体として、回転ドラム型の電子写真感光体(以下「感光ドラム」という。)1を備えている。この感光ドラム1は、本実施の形態では、負帯電性のOPC(有機光導電体)感光体である。感光ドラム1は、外径30mmの円筒状に形成されていて、中心支軸(不図示)を中心に130mm/secのプロセススピード(周速度)をもって矢印R1方向に回転駆動される。
【0026】
この感光ドラム1は、図2の層構成模式図に示すように、アルミニウム製シリンダ(導電性ドラム基体)1aの表面に、光の干渉を抑え、上層の接着性を向上させる下引き層1bと、電荷発生層1cと、電荷輸送層1dの3層を内側(図2中の下側)から順に塗り重ねた構成をしている。
【0027】
▲2▼帯電手段(帯電ローラ2)
感光ドラム1表面(外周面)を一様に帯電する帯電手段としては、接触帯電装置(接触帯電器)を採用しており、本実施の形態は帯電ローラ(接触帯電部材)2である。
【0028】
図2に示すように、帯電ローラ2は、芯金2aの両端部をそれぞれ軸受け部材(不図示)により回転自在に保持されるとともに、押圧ばね2eによって感光ドラムに向けて付勢されている。帯電ローラ2は、これにより感光ドラム1の表面に対して所定の押圧力をもって圧接させており、感光ドラム1の矢印R1方向に回転に伴って矢印R2方向に従動回転する。感光ドラム1と帯電ローラ2との圧接部が帯電部(帯電ニップ部)aとなる。
【0029】
この帯電ローラ2の芯金2aには帯電バイアス印加電源S1から所定の条件の帯電バイアス電圧が印加されることにより、感光ドラム1の表面が所定の極性・電位に接触帯電処理される。本実施の形態において、帯電ローラ2に対する帯電バイアス電圧は直流電圧Vdcと交流電圧Vacとを重畳させた電圧である。
【0030】
さらに具体的には、
・直流電圧Vdc:−500V
・交流電圧Vac:周波数f=1000Hz、ピーク間電圧Vpp=1400Vの正弦波、
である。これら直流電圧Vdcと交流電圧Vacとを重畳した振動電圧を帯電バイアス電圧として帯電ローラ2に印加し、これにより、感光ドラム1表面を−500V(暗電位Vd)に一様に接触帯電するようにしている。
【0031】
帯電ローラ2の長手方向(軸心2aに沿った方向)の長さは320mmであり、図2の層構成模式図に示すように、芯金(支持部材)2aの外周に、下層2bと、中間層2cと、表層2dを内側図から順次に積層した3層構成である。下層2bは帯電音を低減するための発泡スポンジ層であり、表層2dは感光ドラム1上にピンホール等の欠陥があってもリークが発生するのを防止するために設けている保護層である。
【0032】
さらに具体的には、本実施の形態の帯電ローラ2の仕様は以下のとおりである。
【0033】
・芯金2a :直径6mmのステンレス丸棒
・下層2b :カーボン分散の発泡EPDM、比重0.5g/cm3、体積抵抗値102〜109Ω・cm、層厚3.0mm、長さ320mm
・中間層2c:カーボン分散のNBR系ゴム、体積抵抗値102〜105Ω・cm、層厚700μm
・表層2d :フッ素化合物のトレジン樹脂に酸化スズ、カーボンを分散、体積抵抗値107 〜1010Ω・cm、表面粗さ(JIS規格10点平均表面粗さRa)1.5μm、層厚10μm。
【0034】
図2において、符合2fは帯電ローラクリーニング部材を示しており、本実施の形態では可撓性を有するクリーニングフィルムである。この帯電ローラクリーニング部材2fは、帯電ローラ2の長手方向に対し平行に配置され、かつ同長手方向に対し一定量の往復運動をする支持部材2gに一端(上端)を固定され、下端の自由端側近傍の面において帯電ローラ2と接触ニップを形成するよう配置されている。支持部材2gが画像形成装置の駆動モータ(不図示)によりギヤ列(不図示)を介して長手方向に対し一定量の往復運動駆動されて帯電ローラ2の表層2dが帯電ローラクリーニング部材2fで摺擦される。これにより帯電ローラ2の表層2dの汚染付着物(微粉トナー、外添剤など)の除去がなされる。
【0035】
▲3▼露光手段(露光装置3)
露光装置(露光手段)3は、帯電処理された感光ドラム1の表面に静電潜像を形成する情報書き込み手段として作用する。本実施の形態では、露光装置3として、半導体レーザを用いたレーザビームスキャナを使用している。画像読み取り装置(不図示)等のホスト処理から画像形成装置本体(不図示)側に送られた画像信号に対応して変調されたレーザ光Lを出力して感光ドラム1表面を露光部(露光位置)bにおいてレーザ走査露光(イメージ露光)する。このレーザ走査露光により、感光ドラム1表面のうちのレーザ光で照射された部分の電位が低下する。これにより感光ドラム1表面には、走査露光した画像情報に対応した静電潜像が順次に形成されていく。
【0036】
▲4▼現像手段(現像装置4)
図1中の符合4は、感光ドラム1上の静電潜像に現像剤(トナー)を供給して静電潜像を可視化する現像手段としての現像装置(現像器)を示している。現像装置4は、本実施の形態では、二成分磁気ブラシ現像方式の反転現像装置である。
【0037】
図1中の符合4aは現像容器、4bは現像剤担持搬送部材としての非磁性の現像スリーブ(現像部材)をそれぞれ示している。この現像スリーブ4bはその外周面の一部を現像容器4aから外部に露出させるようにして、現像容器4aによって回転可能に支持されている。符合4cは非回転に固定して現像スリーブ4b内に挿設したマグネットローラを示し、符合4dは現像剤コーティングブレードを示している。現像容器4a内には、二成分現像剤4eが収納されている。符合4fは現像容器4a内の底部側に配設した現像剤攪拌部材を示し、符合4gはトナーホッパーを示している。トナーホッパー4gには、補給用トナーが収納されている。
【0038】
現像容器4a内の二成分現像剤4eは、トナーと磁性キャリヤの混合物であり、現像剤攪拌部材4fにより攪拌される。本実施の形態において磁性キャリヤの抵抗は約1013Ω・cm、粒径は40μmである。トナーは磁性キャリヤとの摺擦により負極性に摩擦帯電される。
【0039】
現像スリーブ4bは、感光ドラム1との最近接距離(S−Dgapと称する)を350μmに保持した状態で、感光ドラム1に近接するように対向配置されている。この感光ドラム1と現像スリーブ4aとの対向部が現像部cである。現像スリーブ4b表面は、現像部cにおいて感光ドラム1表面の移動方向(矢印R1方向)とは逆方向の矢印R4方向に回転駆動される。この現像スリーブ4bの外周面に、内側のマグネットローラ4cの磁力により現像容器4a内の二成分現像剤4eの一部が磁気ブラシ層として吸着保持される。吸着保持された磁気ブラシ層は、現像スリーブ4bの回転に伴い回転搬送され、現像剤コーティングブレード4dにより所定の薄層に整層され、現像部cにおいて感光ドラム1表面に対して接触して感光ドラム1表面を適度に摺擦する。現像スリーブ4bには、現像バイアス印加電源S2から所定の現像バイアスが印加される。本実施の形態において、現像スリーブ4bに対する現像バイアス電圧は直流電圧Vdcと交流電圧Vacとを重畳した振動電圧である。さらに具体的には、
・直流電圧:−350V
・交流電圧:1600V
を重畳した振動電圧である。
【0040】
現像容器4a内の二成分現像剤4eは、回転する現像スリーブ4b表面に薄層としてコーティングされる。そして、現像部cに搬送され、二成分現像剤4e内のトナーが現像バイアスによる電界により、感光ドラム1表面の静電潜像に対応して選択的に付着することで静電潜像がトナー像として現像される。本実施の形態の場合は感光ドラム1表面の露光明部にトナーが付着して静電潜像が反転現像される。
【0041】
このとき感光ドラム1上に現像されたトナーの帯電量は−25μC/gである。
【0042】
現像部cを通過した現像スリーブ4b上の現像剤薄層は引き続く現像スリーブ4bの回転に伴い現像容器4a内の現像剤溜り部に戻される。
【0043】
現像容器4a内の二成分現像剤4eのトナー濃度を所定のほぼ一定範囲内に維持するために、現像容器4a内の二成分現像剤4eのトナー濃度が例えば光学式トナー濃度センサ(不図示)によって検知され、その検知情報に応じてトナーホッパー4gが駆動制御されて、トナーホッパー4g内のトナーが現像容器4a内の二成分現像剤4eに補給される。二成分現像剤4eに補給されたトナーは攪拌部材4fにより攪拌される。
【0044】
▲5▼転写手段(転写ローラ5)、定着手段(定着装置6)
図1中の符合5は転写装置(転写手段)としての転写ローラ5を示している。この転写ローラ5は、感光ドラム1に所定の押圧力をもって圧接されており、その圧接ニップ部が転写部dとなる。この転写部dに給紙機構部(不図示)から所定の制御タイミングにて記録材(例えば、紙、透明フィルム等の被記録媒体、転写材)Pが給送される。
【0045】
転写部dに給送された記録材Pは、感光ドラム1と転写ローラ5との間に挟持されて搬送され、その間、転写ローラ5に転写バイアス印加電源S3からトナーの正規帯電極性である負極性とは逆極性である正極性の転写バイアス、本実施の形態では+2kVの転写バイアスが印加される。これにより、転写部dを挟持搬送されていく記録材P表面に、感光ドラム1表面のトナー像が順次に静電転写されていく。
【0046】
転写部dを通ってトナー像の転写を受けた記録材Pは、感光ドラム1表面から順次に分離されて定着装置(定着装置)6に搬送される。記録材Pは、ここで定着ローラ6a、加圧ローラ6bによって加熱・加圧される。これにより、記録材P表面にトナー像が定着されて、画像形成物(プリント、コピー)として出力される。
【0047】
[クリーナレスシステム及びトナー帯電量制御]
本実施の形態の画像形成装置はクリーナレス方式を採用している。すなわち、記録材Pに対するトナー像の転写後に、感光ドラム1表面に若干量残留するトナー(転写残トナー)を除去する専用のクリーニング装置は具備していない。トナー像転写後の感光ドラム1表面の転写残トナーは、引き続く感光ドラム1の矢印R1方向の回転に伴い帯電部a、露後部bを通って現像部cに持ち運ばれて、現像装置3により現像同時クリーニング(回収)される。これがクリーナレスシステムである。
【0048】
本実施の形態においては現像装置4の現像スリーブ4b表面は、前述したように現像部cにおいて、感光ドラム1表面の回転方向(矢印R1方向)とは逆方向(矢印R4方向)に回転されている。これにより、現像スリーブ4b表面に担持された薄層現像剤と感光ドラム1表面とが接触する機会が増えるので、感光ドラム1表面の転写残トナーの回収に有利である。
【0049】
感光ドラム1表面の転写残トナーは露光部bを通るので露光工程はその転写残トナー上からなされるが、通常、転写残トナーの量は少ないため、大きな影響は現れない。
【0050】
ただし、前述のように、転写残トナーには帯電極性が正規極性のもの、逆極性のもの(反転トナー)、帯電量が少ないものが混在しており、そのうちの反転トナーや帯電量が少ないトナーが帯電部aを通過する際に帯電ローラ2に付着することで帯電ローラが許容以上にトナー汚染されて帯電不良が発生するおそれがある。
【0051】
また、感光ドラム1表面の転写残トナーに対する、現像装置3による現像同時クリーニングを効果的に行なわせるためには、現像部cに持ち運ばれる感光ドラム1上の転写残トナーの帯電極性が正規極性であり、かつその帯電量が現像装置4によって感光ドラム1の静電潜像を現像できるトナーの帯電量であることが必要である。反転トナーや帯電量が適切でないトナーについては感光ドラム1上から現像装置4に除去・回収できず、不良画像の原因となってしまう。
【0052】
また、近年、ユーザのニーズの多様化に伴い、写真画像などといった高印字率な画像などの連続の印字動作(画像形成動作)などにより、一度に大量の転写残トナーが発生して、上述のような問題をさらに助長させることがある。
【0053】
そこで、本実施の形態においては、感光ドラム1の回転方向(矢印R1方向)に沿っての、転写部dよりも下流側で、かつ帯電部aよりも上流側の位置において、感光ドラム1上の転写残トナーを均一化するための、転写残トナー(残留現像剤像)均一化手段7を設けている。さらに、感光ドラム1の回転方向に沿っての、転写残トナー均一化手段7よりも下流側で、かつ帯電部aよりも上流側の位置において、転写残トナーの帯電極性を正規極性である負極性に揃えるためのトナー(現像剤)帯電量制御手段8を設けている。
【0054】
本実施の形態では、上述の転写残トナー均一化手段7とトナー帯電量制御手段8は、それぞれ適度の導電性を持ったブラシ状部材7a,8aと、これらを支持する支持部材7b,8bによって構成し、ブラシ状部材7a,8aを感光ドラム1表面に接触させて配設してある。図1中の符合eは転写残トナー均一化手段7と感光ドラム1表面との接触部を示す。また符合fはトナー帯電量制御手段8と感光ドラム1表面との接触部を示す。
【0055】
転写残トナー均一化手段7には正極性の電圧が、電圧印加電源S4により印加されており、またトナー帯電量制御手段8には負極性の電圧が、電圧印加電源S5により印加されている。本実施の形態では転写残トナー均一化手段7には+300V、トナー帯電量制御手段8には−800V印加した。
【0056】
転写部dにおける記録材Pに対するトナー像転写後の感光ドラム1表面に残留する転写残トナーは、引き続く感光ドラム1の矢印R1方向の回転に伴って、転写残トナー均一化手段7と感光ドラム1との接触部eに至り、一旦、転写残トナー均一化手段7で正極性に揃えられる。また転写残トナー均一化手段7は、下流に位置するトナー帯電量制御手段8での放電を確実に行わせるため、感光ドラム1の表面電位を0V近傍にする。
【0057】
転写残トナー均一化手段7で正極性に揃えられた感光ドラム1表面の転写残トナーは、引き続く感光ドラム1の矢印R1方向の回転に伴って、トナー帯電量制御手段8と感光ドラム1との接触部fに到達する。接触部に到達した感光ドラム1表面の転写残トナーは、トナー帯電量制御手段8を通過する際に、その帯電極性が正規極性である負極性に揃えられる。本実施の形態ではトナー帯電量制御手段8通過後の転写残トナーの帯電量は−70μC/gであった。
【0058】
次に現像工程における転写残トナーの回収について述べる。
【0059】
現像装置4は前述したように、現像と同時に転写残トナーを清掃するクリーナレス方式である。感光ドラム1上に現像されたトナーの帯電量は前述したように、本実施の形態においては−25μC/gである。ここで、本実施の形態における現像条件において、転写残トナーが現像装置4に回収されるための、転写残トナーと帯電量との関係を図8に示す。
【0060】
感光ドラム1上の転写残トナーが現像装置4に回収されるためのトナー帯電量は、現像時のトナー帯電量(−25μC/g)と比較すると0.5〜1.8倍であることが必要である。
【0061】
しかしながら、上述したように帯電ローラ2へのトナー付着を防止するために、トナー帯電量制御手段8によって−70μC/gと負極性に大きく帯電された転写残トナーを、現像装置4において回収させるためには、除電を行う必要がある。
【0062】
帯電ローラ2には感光ドラム1表面を帯電処理するために、交流電圧Vac(周波数f=1000Hz、ピーク間電圧Vpp=1400V)が印加されていることにより、転写残トナーは交流除電されるのである。本実施の形態では帯電部aを通過後のトナー帯電量は−30μC/gとなった。現像工程においては、トナーが現像されるべきではない感光ドラム1上の転写残トナーは、上述の理由で現像装置4に回収される。
【0063】
このように転写部dから帯電部aへ持ち運ばれる感光ドラム1上の転写残トナーの帯電量を、転写残トナー均一化手段7とトナー帯電量制御手段8とによって、正規極性である負極性に揃えて帯電処理することにより、転写残トナーの帯電ローラ2への付着を防止しつつ、帯電ローラ2で感光ドラム1を所定の電位に帯電すると同時に、上述のトナー帯電量制御手段8で正規極性である負極性に帯電処理された転写残トナーの帯電量を、現像装置4によって感光ドラム1の静電潜像を現像できる適切な帯電量に制御することで現像装置4での転写残トナーの回収も効率的になされる。
【0064】
このような画像形成装置において、長期にわたって画像を出力しない状態、すなわち図2に示す感光ドラム1のCTL1dとCGL1cとの界面にフォトキャリヤが存在しない状況下で図6に示すような感光ドラム1の1周目(1回転目)に表面に濃度の高い画像を形成したとき、感光ドラム1の2周目(2回転目)の画像が薄くなるいわゆるネガゴーストが発生した。
【0065】
本実施の形態では、このようなネガゴーストが発生した時(1日放置後)に、画像形成する前に感光体1周分フル露光をする動作を行った。このドラム1周分露光をすることで感光体全域にフォトキャリヤが発生し、画像作成した時、一部分だけフォトキャリヤが残留することがなくなりネガゴーストが発生しなくなった。
【0066】
またこのようなネガゴーストが発生する場合は、前述の通りCTL1dとCGL1cとの界面にフォトキャリヤが存在しないときなので、すべての画像形成時に発生しない。ここで画像形成前に感光ドラム1を1周分(1回転分)フル露光する動作を基本動作で組み込むと、すべての画像形成時に感光ドラム1の1周分の時間が余分にかかることになる。つまりプリンタや複写機において、最初に画像が出てくるまでの時間(ファーストコピー時間)が感光ドラム1の1周分だけ長くなることになる。
【0067】
そこで本実施の形態では、画像形成装置本体の外部に配置されている操作部(例えば、操作パネル:不図示)に、感光ドラム1の1周分、フル露光動作を開始させる手段としてスイッチを設けた。ネガゴーストが発生した場合に、スイッチをONすると画像形成時の前に感光ドラム1を1周分フル露光する動作が始まり、ほとんどのネガゴーストを消すことができた。またネガゴーストのレベルが悪い、もしくはゴーストが目立ちやすい画像の場合は、画像形成時前の感光ドラム1をフル露光する時間を長くする(本実施の形態では、感光ドラム1の1周分の整数倍)ことですべてのネガゴーストを消すことができた。
【0068】
本発明に係る画像形成装置においては、上述の構成に代えて、以下の▲1▼〜▲9▼に示すような構成を採用することもできる。
【0069】
▲1▼転写残トナー均一化手段7とトナー帯電量制御手段8は、上述では、ブラシ状部材で7a,8aを有するものであったが、これに代えて、ブラシ回転体、弾性ローラ体、シート状部材など任意の形態の部材にすることができる。
【0070】
▲2▼感光ドラムは、表面抵抗が109〜1014Ω・cmの電荷注入層を設けた直接注入帯電性のものであってもよい。電荷注入層を用いていない場合でも、例えばCTL(電荷輸送層)がこの抵抗範囲にある場合も同等の効果が得られる。例えば、感光ドラムとして表層の体積抵抗が約1013Ω・cmであるアモルファスシリコン感光体を使用してもよい。
【0071】
▲3▼可撓性の接触帯電部材としては、上述の帯電ローラ2の他に、ファーブラシ、フェルト、布などの形状・材質のものも使用可能である。また各種材質のものの組み合わせでより適切な弾性、導電性、表面性、耐久性のものを得ることもできる。
【0072】
▲4▼接触帯電部材や現像部材に印加する振動電界の交番電圧成分(AC成分、周期的に電圧値が変化する電圧)の波形としては、正弦波、矩形波、三角波等が適宜使用可能である。直流電源を周期的にオン/オフすることによって形成された矩形波であってもよい。
【0073】
▲5▼像担持体としての感光ドラム1表面(帯電面)に対する情報書き込み手段としての露光装置3は、上述の実施の形態のレーザ走査手段以外にも、例えば、LEDのような固体発光素子アレイを用いたデジタル露光手段であってもよい。ハロゲンランプや蛍光灯等を原稿照明光源とするアナログ的な画像露光手段であってもよい。要するに、画像情報に対応した静電潜像を形成できるものであればよい。
【0074】
▲6▼感光体としては、上述の感光ドラム1に代えて、ベルト状の感光ベルトを使用することができる。さらに、像担持体としては、上述の感光体に代えて、静電記録誘電体などであってもよい。この場合はこの静電記録誘電体の表面を一様に帯電した後、その帯電面を除電針ヘッドや電子銃等の除電手段で選択的に除電して目的の画像情報に対応した静電潜像を書き込み形成する。
【0075】
▲7▼静電潜像のトナー現像方式・手段は任意である。反転現像方式でも正規現像方式でもよい。
【0076】
一般的に、静電潜像の現像方法は非磁性トナーについてはこれをブレード等でスリーブ等の現像剤担持搬送部材上にコーティングし、磁性トナーについてはこれを現像剤担持搬送部材上に磁気力によってコーティングして搬送して像担持体に対して非接触状態で適用し静電潜像を現像する方法(一成分非接触現像)と、上述のように現像剤担持搬送部材上にコーティングしたトナーを像担持体に対して接触状態で適用し静電潜像を現像する方法(一成分接触現像)と、トナー粒子に対して磁性のキャリヤを混合したものを現像剤(二成分現像剤)として用いて磁気力によって搬送して像担持体に対して接触状態で適用し静電潜像を現像する方法(二成分接触現像)と、上述の二成分現像剤を像担持体に対して非接触状態で適用し静電潜像を現像する方法(二成分非接触現像)との4種類に大別される。
【0077】
▲8▼転写手段としては、上述の転写ローラ5を使用したローラ転写に限らず、ブレード状の転写ブレードを使用したブレード転写、ベルト状の転写ベルトを使用したベルト転写、その他の接触転写帯電方式であってもよい。また、コロナ帯電器を使用した非接触転写帯電方式でもよい。
【0078】
▲9▼上述では本発明を、単色の画像形成装置に適用した例を説明したが、中間転写ベルトや中間転写ドラムなどの中間転写体を用いて、多重転写等により多色、フルカラー画像を形成する画像形成装置にも本発明は適用することができる。なお、この場合には、感光ドラム上のトナー像が転写される中間転写体が、他部材に相当することになる。
【0079】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によると、画像形成前に、感光体を回転させ、露光手段により感光体表面を所定時間にわたって露光する動作の実行を、画像形成装置本体外部から指示する手段を備えることにより、ネガゴーストが発生した、又は発生しそうな場合に、露光手段により所定時間の露光動作を行うことで、ネガゴーストの発生を有効に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像形成装置の概略構成を模式的に示す縦断面図である。
【図2】感光ドラム及び帯電ローラの層構成を模式的に示す縦断面図である。
【図3】感光ドラムの露光された部分に発生したフォトキャリヤが、CTL中を移動して表面に帯電されたマイナス電荷と打ち消し合うようすを説明する図である。
【図4】図3の電荷の打ち消しによって露光部分の電位が下がったようすを説明する図である。
【図5】前回発生したフォトキャリヤが、新たなフォトキャリヤがCTL中を移動するのを阻害するようすを説明する図である。
【図6】キャリヤの移動の阻害によって、前回の画像部の電位が下がらない状態を説明する図である。
【図7】感光ドラムの1周分に対応した、ネガゴーストの発生を説明する図である。
【図8】転写残トナーの帯電量と、現像装置による転写残トナーの回収性との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 感光体(感光ドラム)
2 帯電手段(帯電ローラ)
3 露光手段(露光装置)
4 現像手段(現像装置)
5 転写手段(転写ローラ)
7 転写残トナー均一化手段
8 トナー帯電量制御手段
P 他部材(記録材)
Claims (5)
- 感光体と、前記感光体表面を帯電する帯電手段と、帯電後の前記感光体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像にトナーを付着させてトナー像として現像する現像手段と、前記感光体上のトナー像を他部材に転写する転写手段とを備えた画像形成装置において、
画像形成前に、前記感光体を回転させ、前記露光手段により前記感光体表面を所定時間にわたって露光する動作の実行を、画像形成装置本体外部から指示する手段を備える、
ことを特徴とする画像形成装置。 - 前記所定時間が、前記感光体の1回転に要する時間の整数倍に設定されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記感光体上のトナー像を前記他部材に転写する際に、前記他部材に転写されないで前記感光体表面に残った残留トナーを、前記現像手段によりトナー像の現像時に回収する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。 - 前記感光体表面の移動方向に沿っての前記転写手段の下流側でかつ前記帯電手段の上流側に、前記感光体表面の転写残トナーの帯電極性を均一化する転写残トナー均一化手段を有し、
前記感光体表面の移動方向に沿っての前記転写残トナー均一化手段の下流側でかつ前記帯電手段の上流側に、前記感光体表面の転写残トナーの帯電量を揃えるトナー帯電量制御手段を有する、
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の画像形成装置。 - 前記画像形成前に前記感光体を回転させる際に、前記帯電手段による前記感光体表面の帯電を行い、前記現像手段による静電潜像の現像は行わない、
ことを特徴とする請求項1ないし4に記載の画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002290522A JP2004126246A (ja) | 2002-10-02 | 2002-10-02 | 画像形成装置 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008139355A (ja) * | 2006-11-29 | 2008-06-19 | Canon Inc | 画像形成装置 |
JP2016071298A (ja) * | 2014-10-01 | 2016-05-09 | キヤノン株式会社 | 画像形成装置 |
JP2016161658A (ja) * | 2015-02-27 | 2016-09-05 | キヤノン株式会社 | 画像形成装置 |
-
2002
- 2002-10-02 JP JP2002290522A patent/JP2004126246A/ja active Pending
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