JP2004126100A - 投影光学系、露光装置及び露光方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高い開口数を有し、露光パターンの最小線幅を小さくすることが可能な投影光学系を提供することである。
【解決手段】レチクルRの像をウエハW上に形成する投影光学系において、投影光学系中のレンズ群のうち最もレチクル側に配置されて、少なくとも2つの負レンズを含み負の屈折力を有する第1レンズ群G1と、第1レンズ群とウエハとの間の光路中に配置されて少なくとも3つの正レンズを含み正の屈折力を有する第2レンズ群G2と、第2レンズ群とウエハとの間の光路中に配置されて少なくとも2つの両凹レンズを含み負の屈折力を有する第3レンズ群G3と、第3レンズ群とウエハとの間の光路中に配置されて開口絞りASを含み正の屈折力を有する第4レンズ群G4とを備え、第4レンズ群は、開口絞りのレチクル側に第1正レンズ群と、第1負レンズ群と、第2正レンズ群を備え、開口絞りのウエハ側に第3正レンズ群と、第2負レンズ群と、第4正レンズ群を備える。
【選択図】 図2
【解決手段】レチクルRの像をウエハW上に形成する投影光学系において、投影光学系中のレンズ群のうち最もレチクル側に配置されて、少なくとも2つの負レンズを含み負の屈折力を有する第1レンズ群G1と、第1レンズ群とウエハとの間の光路中に配置されて少なくとも3つの正レンズを含み正の屈折力を有する第2レンズ群G2と、第2レンズ群とウエハとの間の光路中に配置されて少なくとも2つの両凹レンズを含み負の屈折力を有する第3レンズ群G3と、第3レンズ群とウエハとの間の光路中に配置されて開口絞りASを含み正の屈折力を有する第4レンズ群G4とを備え、第4レンズ群は、開口絞りのレチクル側に第1正レンズ群と、第1負レンズ群と、第2正レンズ群を備え、開口絞りのウエハ側に第3正レンズ群と、第2負レンズ群と、第4正レンズ群を備える。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、第1面のパターンの像を第2面上に投影するための投影光学系、この投影光学系を備え、半導体素子、液晶表示素子等を製造するためのリソグラフィ工程中でレチクルのパターンを基板上に転写する際に使用される露光装置、及びこの露光装置を用いた露光方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体素子等を製造する際に、マスクとしてのレチクルのパターンの像を投影光学系を介して、レジストが塗布されたウエハ(又はガラスプレート等)上に転写する一括露光型の投影露光装置(ステッパー等)、ステップ・アンド・スキャン方式のような走査露光型の投影露光装置が使用されている。半導体集積回路等のパターンの微細化が進むに従って、その種の露光装置に備えられている投影光学系に対しては特に解像力の向上が望まれている。投影光学系の解像力を向上させるには、露光波長をより短くするか、あるいは開口数(N.A.)を大きくすることが考えられる。
【0003】
そこで近年、露光光については、水銀ランプのg線(波長436nm)から、i線(波長365nm)が用いられるようになってきており、更に最近ではより短波長の露光光、例えば、KrF(波長248nm)、更には、ArF(波長193nm)等のエキシマレーザ光が用いられるようになっている。そして、これら短波長の露光光のもとで使用できる投影光学系が開発されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−171699号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の特許文献1に開示されている投影光学系においては、最大の開口数が0.80であり、更なる解像力の向上が望まれている投影光学系においては十分な大きさの開口数が実現されていなかった。
【0006】
この発明の課題は、高い開口数を有し、露光パターンの最小線幅を小さくすることが可能な投影光学系を提供することである。また、この投影光学系を備えた露光装置及び、この露光装置を用いた露光方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の投影光学系は、第1面の像を第2面上に形成する投影光学系において、前記投影光学系中のレンズ群のうち最も前記第1面側に配置されて、少なくとも2つの負レンズを含み、負の屈折力を有する第1レンズ群と、前記第1レンズ群と前記第2面との間の光路中に配置されて、少なくとも3つの正レンズを含み、正の屈折力を有する第2レンズ群と、前記第2レンズ群と前記第2面との間の光路中に配置されて、少なくとも2つの両凹レンズを含み、負の屈折力を有する第3レンズ群と、前記第3レンズ群と前記第2面との間の光路中に配置されて、開口絞りを含み正の屈折力を有する第4レンズ群とを備え、前記第4レンズ群は、前記開口絞りの前記第1面側に隣接して配置され、1以上の正レンズを有し且つ負レンズを含まない第1正レンズ群と、前記第1正レンズ群の前記第1面側に隣接して配置され、1以上の負レンズを有し且つ正レンズを含まない第1負レンズ群と、前記第1負レンズ群の前記第1面側に隣接して配置され、1以上の正レンズを有し且つ負レンズを含まない第2正レンズ群と、前記開口絞りの前記第2面側に隣接して配置され、1以上の正レンズを有し且つ負レンズを含まない第3正レンズ群と、前記第3正レンズ群の前記第2面側に隣接して配置され、1以上の負レンズを有し且つ正レンズを含まない第2負レンズ群と、前記第2負レンズ群の前記第2面側に隣接して配置され、1以上の正レンズを有し且つ負レンズを含まない第4正レンズ群とを備えることを特徴とする。
【0008】
この請求項1記載の投影光学系によれば、第4レンズ群において、開口絞りに対して、屈折力が対称系となるようにレンズ群が配置されている。即ち、開口絞りの第1面側に隣接して第1正レンズ群、第1正レンズ群の第1面側に隣接して第1負レンズ群、第1負レンズ群の第1面側に隣接して第2正レンズ群が配置されると共に、開口絞りの第2面側に隣接して第3正レンズ群、第3正レンズ群の第2面側に隣接して第2負レンズ群、第2負レンズ群の第2面側に隣接して第4正レンズ群が配置されている。従って、横収差であるコマ収差、歪曲収差(ディストーション)、更には倍率色収差の補正を有利に行うことができる。また、開口絞りよりも第2面側に負レンズ群が配置されていることから、開口絞りから第2面までの間のペッツバル和の補正を容易に行うことができ、瞳収差の補正を有利に行うことができる。
【0009】
また、請求項2記載の投影光学系は、第1面の像を第2面上に形成する投影光学系において、前記第1面と前記第2面の間の光路中に配置されて、少なくとも2つの負レンズを含み、負の屈折力を有する第1レンズ群と、前記第1レンズ群と前記第2面との間の光路中に配置されて、少なくとも3つの正レンズを含み、正の屈折力を有する第2レンズ群と、前記第2レンズ群と前記第2面との間の光路中に配置されて、少なくとも2つの両凹レンズを含み、負の屈折力を有する第3レンズ群と、前記第3レンズ群と前記第2面との間の光路中に配置されて、開口絞りを含み正の屈折力を有する第4レンズ群とを備え、前記第4レンズ群は、前記開口絞りの前記第1面側に隣接して配置され、1以上の正レンズを有し且つ負レンズを含まない第1正レンズ群と、前記第1正レンズ群の前記第1面側に隣接して配置され、1以上の負レンズを有し且つ正レンズを含まない第1負レンズ群と、前記第1負レンズ群の前記第1面側に隣接して配置され、1以上の正レンズを有し且つ負レンズを含まない第2正レンズ群と、前記開口絞りの前記第2面側に隣接して配置され、1以上の正レンズを有し且つ負レンズを含まない第3正レンズ群と、前記第3正レンズ群の前記第2面側に隣接して配置され、1以上の負レンズを有し且つ正レンズを含まない第2負レンズ群と、前記第2負レンズ群の前記第2面側に隣接して配置され、1以上の正レンズを有し且つ負レンズを含まない第4正レンズ群と、前記第1正レンズ群と前記第3正レンズ群との間の光路中に配置された気体レンズとを備え、前記気体レンズの軸上厚さをD1とし、前記投影光学系の全長をLとするとき、
0.02<(D1/L)<0.2
の条件を満足することを特徴とする。
【0010】
この請求項2記載の投影光学系によれば、第4レンズ群において、開口絞りに対して、屈折力が対称系となるようにレンズ群が配置されているため、横収差であるコマ収差、歪曲収差、更には倍率色収差の補正を有利に行うことができる。また、開口絞りよりも第2面側に負レンズ群が配置されていることから、開口絞りから第2面までの間のペッツバル和の補正を容易に行うことができ、瞳収差の補正を有利に行うことができる。
【0011】
また、第1正レンズ群と第3正レンズ群との間の光路中に厚さの厚い気体レンズを備えることにより、即ち0.02<(D1/L)の条件を満足することにより、可変絞り等により構成される開口絞りの配置位置の幅を大きくすることができ、可変絞り機構等を配置する際の設計自由度を大きくすることができる。一方、(D1/L)<0.2の条件を満足することにより投影光学系が巨大化するのを防止することができる。
【0012】
更に、第4レンズ群の第1正レンズ群、気体レンズ及び第3正レンズ群が全体として正の屈折力を有する群を構成することから、厚さの厚い気体レンズにより第1正レンズ群、気体レンズ及び第3正レンズ群の凸レンズ作用を軽減することができ、球面収差の発生を低減させることができる。従って、正の屈折力を有する第4レンズ群においては球面収差の発生が抑制されていることから、第2レンズ群の正の屈折力を低減させることができ、第2レンズ群において一枚毎のレンズの屈折力の低減が可能になる。
【0013】
また、請求項3記載の投影光学系は、第1面の像を第2面上に形成する投影光学系において、前記第1面と前記第2面の間の光路中に配置されて、少なくとも2つの負レンズを含み、負の屈折力を有する第1レンズ群と、前記第1レンズ群と前記第2面との間の光路中に配置されて、少なくとも3つの正レンズを含み、正の屈折力を有する第2レンズ群と、前記第2レンズ群と前記第2面との間の光路中に配置されて、少なくとも2つの両凹レンズを含み、負の屈折力を有する第3レンズ群と、前記第3レンズ群と前記第2面との間の光路中に配置されて、開口絞りを含み正の屈折力を有する第4レンズ群とを備え、前記第4レンズ群は、前記開口絞りの前記第1面側に隣接して配置され、1以上の正レンズを有し且つ負レンズを含まない第1正レンズ群と、前記第1正レンズ群の前記第1面側に隣接して配置され、1以上の負レンズを有し且つ正レンズを含まない第1負レンズ群と、前記第1負レンズ群の前記第1面側に隣接して配置され、1以上の正レンズを有し且つ負レンズを含まない第2正レンズ群と、前記開口絞りの前記第2面側に隣接して配置され、1以上の正レンズを有し且つ負レンズを含まない第3正レンズ群と、前記第3正レンズ群の前記第2面側に隣接して配置され、1以上の負レンズを有し且つ正レンズを含まない第2負レンズ群と、前記第2負レンズ群の前記第2面側に隣接して配置され、1以上の正レンズを有し且つ負レンズを含まない第4正レンズ群と、前記第1正レンズ群と前記第1負レンズ群との間の光路中に配置されて正の屈折力を有する第1気体レンズと、前記第3正レンズ群と前記第2負レンズ群との間の光路中に配置されて正の屈折力を有する第2気体レンズとを備えることを特徴とする。
【0014】
この請求項3記載の投影光学系によれば、第4レンズ群において、開口絞りに対して、屈折力が対称系となるようにレンズ群が配置されているため、横収差であるコマ収差、歪曲収差、更には倍率色収差の補正を有利に行うことができる。また、開口絞りよりも第2面側に負レンズ群が配置されていることから、開口絞りから第2面までの間のペッツバル和の補正を容易に行うことができ、瞳収差の補正を有利に行うことができる。
【0015】
また、第1正レンズ群と第1負レンズ群との間の光路中に正の屈折力を有する第1気体レンズが配置され、第3正レンズ群と第2負レンズ群との間の光路中に正の屈折力を有する第2気体レンズが配置される、即ち、開口絞りに対して対称に正の屈折力を有する気体レンズが配置されるため、横収差の補正状態を保ちながら縦収差である球面収差の補正を有利に行うことができ、大開口数の投影光学系を実現することができる。
【0016】
また、請求項4記載の投影光学系は、前記第4レンズ群が前記第1正レンズ群と前記第3正レンズ群との間に配置された気体レンズを備え、前記気体レンズの軸上厚さをD1とし、前記投影光学系の全長をLとするとき、
0.02<(D1/L)<0.2
の条件を満足することを特徴とする。
【0017】
この請求項4記載の投影光学系によれば、第1正レンズ群と第3正レンズ群との間の光路中に厚さの厚い気体レンズを備えることにより、即ち0.02<(D1/L)の条件を満足することにより、可変絞り等により構成される開口絞りの配置位置の幅を大きくすることができ、可変絞り機構等を配置する際の設計自由度を大きくすることができる。一方、(D1/L)<0.2の条件を満足することにより投影光学系が巨大化するのを防止することができる。
【0018】
更に、第4レンズ群の第1正レンズ群、気体レンズ及び第3正レンズ群が全体として正の屈折力を有する群を構成することから、厚さの厚い気体レンズにより第1正レンズ群、気体レンズ及び第3正レンズ群の凸レンズ作用を軽減することができ、球面収差の発生を低減させることができる。従って、正の屈折力を有する第4レンズ群においては球面収差の発生が抑制されていることから、第2レンズ群の正の屈折力を低減させることができ、第2レンズ群において一枚毎のレンズの屈折力の低減が可能になる。
【0019】
また、請求項5記載の投影光学系は、前記第4レンズ群が、前記第1正レンズ群と前記第1負レンズ群との間の光路中に配置されて正の屈折力を有する第1気体レンズと、前記第3正レンズ群と前記第2負レンズ群との間の光路中に配置されて正の屈折力を有する第2気体レンズとを備えることを特徴とする。
【0020】
この請求項5記載の投影光学系によれば、第1正レンズ群と第1負レンズ群との間の光路中に正の屈折力を有する第1気体レンズが配置され、第3正レンズ群と第2負レンズ群との間の光路中に正の屈折力を有する第2気体レンズが配置される、即ち、開口絞りに対して対称に正の屈折力を有する気体レンズが配置されるため、横収差の補正状態を保ちながら縦収差である球面収差の補正を有利に行うことができ、大開口数の投影光学系を実現することができる。
【0021】
また、請求項6記載の投影光学系は、前記第4レンズ群中の少なくとも1つの正レンズを蛍石により構成することを特徴とする。この請求項6記載の投影光学系によれば、蛍石により構成された正レンズを有することから、軸上色収差の補正を有利に行うことができる。
【0022】
また、請求項7記載の投影光学系は、前記第4レンズ群が、前記第2正レンズ群と前記第3レンズ群との間の光路中に配置されて、1以上の負レンズを有し且つ正レンズを含まない第3負レンズ群と、前記第4正レンズ群と前記第2面との間の光路中に配置されて、1以上の負レンズを有し且つ正レンズを含まない第4負レンズ群とを備え、前記第3負レンズ群を構成する少なくとも1つのレンズの前記開口絞り側のレンズ面が前記第2面側に凹面を向け、前記第4負レンズ群を構成する少なくとも1つのレンズの前記開口絞り側の面が前記第1面側に凹面を向けていることを特徴とする。
【0023】
この請求項7記載の投影光学系によれば、第2正レンズ群と第3レンズ群との間の光路中に第3負レンズ群が配置され、第4正レンズ群と第2面との間の光路中に第4負レンズ群が配置されているため、高次球面収差の補正を有利に行うことができる。
【0024】
また、請求項8記載の投影光学系は、前記第1レンズ群及び前記第3レンズ群の少なくとも一方のレンズ群が非球面形状のレンズ面を備えることを特徴とする。この請求項8記載の投影光学系によれば、第1レンズ群及び第3レンズ群の少なくとも一方のレンズ群が非球面形状のレンズ面を備えるため、コマ収差、歪曲収差等、画角によって異なる高次収差の補正を有利に行うことができる。
【0025】
また、請求項9記載の露光装置は、請求項1乃至請求項8の何れか一項に記載の投影光学系と、前記第1面に配置されたレチクルを照明する照明光学系とを備え、前記照明光学系からの露光光により前記レチクルのパターンの像を前記投影光学系を介して前記第2面に配置された基板上に投影することを特徴とする。
【0026】
この請求項9記載の露光装置によれば、投影光学系が大開口数を有し且つ、収差補正が良好に行われていることから、最小線幅の小さい露光パターンの露光を良好に行うことができる。
【0027】
また、請求項10記載の露光方法は、請求項1乃至請求項8の何れか一項記載の照明光学系を用いて前記第1面に配置されたレチクルを照明する照明工程と、前記レチクルのパターンを前記第2面に配置された基板上に転写する露光工程とを有することを特徴とする。
【0028】
この請求項10記載の露光方法によれば、露光装置の投影光学系が大開口数を有し且つ、収差補正が良好に行われていることから、最小線幅の小さい露光パターンの露光を良好に行うことができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、この発明の実施の形態について説明する。図1は、投影光学系を備えた投影露光装置の構成を示す図である。
【0030】
図1に示すように、投影光学系PLの物体面(第1面)には所定の回路パターンが形成された投影原版としてレチクルRが配置され、投影光学系PLの像面(第2面)には、基板としてのフォトレジストが塗布されたウエハWが配置されている。レチクルRはレチクルステージRS上に保持され、ウエハWはウエハステージWS上に保持されている。レチクルRの上方には、レチクルRを均一照明するための照明光学装置ISが配置されている。
【0031】
投影光学系PLは、瞳位置近傍に可変の開口絞りASを有すると共に、レチクルR側及びウエハW側において、実質的にテレセントリックとなっている。照明光学装置ISは、露光光の照度分布を均一化するためのフライアイレンズ、照明系開口絞り、可変視野絞り(レチクルブラインド)、及びコンデンサレンズ系等から構成されている。照明光学装置ISから供給される露光光は、レチクルRを照明し、投影光学系PLの瞳位置には照明光学装置IS中の光源の像が形成され、所謂ケーラー照明が行われる。そして、ケーラー照明されたレチクルRのパターンの像が、投影光学系PLを介して投影倍率で縮小されてウエハW上に露光(転写)される。
【0032】
図2は、第1の実施例にかかる投影光学系のレンズ断面図である。この投影光学系PLは、第1物体としてのレチクルR側から、レチクル側に凸面を向けた負メニスカスレンズL1101及びレチクル側に凹面を向けた負メニスカスレンズL1102により構成される負の屈折力を有する第1レンズ群G1、レチクル側に凹面を向けた正メニスカスレンズL1201,L1202、両凸レンズL1203,L1204,L1205,L1206により構成される正の屈折力を有する第2レンズ群G2、両凹レンズL1301,L1302,L1303、両凹レンズL(第3負レンズ群)L1304により構成される負の屈折力を有する第3レンズ群G3、両凸レンズ(第2正レンズ群)L1401、レチクル側に凹面を向けた正メニスカスレンズ(第2正レンズ群)L1402、レチクル側に凹面を向けた負メニスカスレンズ(第1負レンズ群)L1403、両凸レンズ(第1正レンズ群)L1404、レチクル側に凹面を向けた正メニスカスレンズ(第3正レンズ群)L1405、レチクル側に凹面を向けた平凹レンズ(第2負レンズ群)L1406、レチクル側に凸面を向けた正メニスカスレンズ(第4正レンズ群)L1407,レチクル側に凸面を向けた正メニスカスレンズ(第4正レンズ群)L1408,レチクル側に凸面を向けた正メニスカスレンズ(第4正レンズ群)L1409、両凹レンズ(第4負レンズ群)L1410、レチクル側に凸面を向けた正メニスカスレンズL1411、レクチル側に凸面を向けた平凸レンズL1412により構成される正の屈折力を有する第4レンズ群G4の4群(G1〜G4)によって構成されている。
【0033】
なお、両凸レンズL1404と正メニスカスレンズL1405の間に、開口絞りASが配置されている。また、第1正レンズ群、第2正レンズ群、第3正レンズ群、第4正レンズ群は、1以上の正レンズを有し且つ負レンズを含まないレンズ群であり、第1負レンズ群、第2負レンズ群、第3負レンズ群、第4負レンズ群は、1以上の負レンズを有し且つ正レンズを含まないレンズ群である。
【0034】
この投影光学系によれば、第4レンズ群G4において、開口絞りASに対して、屈折力が対称系となるようにレンズ群が配置されている。即ち、開口絞りASのレチクルR側に隣接して第1正レンズ群L1404、第1正レンズ群L1404のレチクルR側に隣接して第1負レンズ群L1403、第1負レンズ群L1403のレチクルR側に隣接して第2正レンズ群L1401,L1402が配置されると共に、開口絞りASのウエハW側に隣接して第3正レンズ群L1405、第3正レンズ群L1405のウエハW側に隣接して第2負レンズ群1406、第2負レンズ群1406のウエハW側に隣接して第4正レンズ群1407,L1408,L1409が配置されている。従って、横収差であるコマ収差、歪曲収差、更には倍率色収差の補正を有利に行うことができる。また、開口絞りASよりもウエハW側に負レンズ群が配置されていることから、開口絞りからウエハWまでの間のペッツバル和の補正を容易に行うことができ、瞳収差の補正を有利に行うことができる。
【0035】
この投影光学系は、第4レンズ群G4が第1正レンズ群L1404と第3正レンズ群L1405との間に配置された気体レンズを備えている。この気体レンズの軸上厚さをD1とし、投影光学系の全長をLとするとき、
0.02<(D1/L)<0.2
の条件を満足する。
【0036】
この投影光学系によれば、第1正レンズ群L1404と第3正レンズ群L1405との間の光路中に厚さの厚い気体レンズを備えることにより、即ち0.02<(D1/L)の条件を満足することにより、可変絞り等により構成される開口絞りの配置位置の幅を大きくすることができ、可変絞り機構等を配置する際の設計自由度を大きくすることができる。一方、(D1/L)<0.2の条件を満足することにより投影光学系が巨大化するのを防止することができる。
【0037】
更に、第4レンズ群G4の第1正レンズ群L1404、気体レンズ及び第3正レンズ群L1405が全体として正の屈折力を有する群を構成することから、厚さの厚い気体レンズにより第1正レンズ群、気体レンズ及び第3正レンズ群の凸レンズ作用を軽減することができ、球面収差の発生を低減させることができる。従って、正の屈折力を有する第4レンズ群においては球面収差の発生が抑制されていることから、第2レンズ群の正の屈折力を低減させることができ、第2レンズ群において一枚毎のレンズの屈折力の低減が可能になる。
【0038】
また、この投影光学系は、第4レンズ群G4が第1正レンズ群L1404と第1負レンズ群L1403との間の光路中に配置されて正の屈折力を有する気体レンズ(第1気体レンズ)と、第3正レンズ群L1405と第2負レンズ群L1406との間の光路中に配置されて正の屈折力を有する気体レンズ(第2気体レンズ)とを備える。即ち、開口絞りに対して対称に正の屈折力を有する気体レンズが配置されるため、横収差の補正状態を保ちながら縦収差である球面収差の補正を優位に行うことができ、大開口数の投影光学系を実現することができる。
【0039】
また、この投影光学系においては、投影光学系を構成するレンズがArFエキシマレーザの波長(波長λ=193nm)における硝材屈折率n=1.560326の合成石英(SiO2)又は、ArFエキシマレーザの波長(波長λ=193nm)における硝材屈折率n=1.501455の蛍石(CaF2)により形成されている。第4レンズ群G4においては、正メニスカスレンズL1402、正メニスカスレンズL1411、レクチル側に凸面を向けた平凸レンズL1412が蛍石により形成されている。第4レンズ群G4において蛍石により構成された正レンズを有することから、軸上色収差の補正を有利に行うことができる。なお、この投影光学系では、第2レンズ群G2中の両凸レンズL1206、第4レンズ群G4中のレクチル側に凹面を向けた正メニスカスレンズL1402も蛍石により形成されている。
【0040】
また、この投影光学系は、第2正レンズ群L1401,L1402と第3レンズ群G3との間の光路中に第3負レンズ群L1304が配置され、第4正レンズ群L1407,L1408,L1409とウエハWとの間の光路中に第4負レンズ群L1410が配置されているため、高次球面収差の補正を有利に行うことができる。
【0041】
また、投影光学系PL内に非球面ASP1〜ASP8を有するように構成されている。即ち第1レンズ群G1において負メニスカスレンズL1101のウエハW側のレンズ面が非球面ASP1として構成されており、負メニスカスレンズL1102のレチクルR側のレンズ面が非球面ASP2として構成されている。また、第3レンズ群G3において両凹レンズL1301のウエハW側のレンズ面が非球面ASP3として構成されており、両凹レンズL1302のレチクルR側のレンズ面が非球面ASP4として構成されており、両凹レンズL1303のウエハW側のレンズ面が非球面ASP5として構成されており、両凹レンズL1304のウエハW側のレンズ面が非球面ASP6として構成されている。また、第4レンズ群G4において正メニスカスレンズL1409のウエハW側のレンズ面が非球面ASP7として構成されており、両凹レンズL1410のウエハW側のレンズ面が非球面ASP8として構成されている。この投影光学系によれば、第1レンズ群G1及び第3レンズ群G3の少なくとも一方のレンズ群が非球面形状のレンズ面を備えるため、コマ収差、歪曲収差等、画角によって異なる高次収差の補正を有利に行うことができる。
【0042】
次に、第1の実施例にかかる投影光学系の諸元値を表1に示す。ここで、投影光学系の設計諸元を以下に示す。
開口数(N.A.)=0.85
露光フィールド=26×8(mm)
結像倍率=1/4倍
物体−光学系距離:53.88146(mm)
像−光学系距離:11.91157(mm)
投影光学系全長(L):1250(mm)
表1において、面番号はレチクルR側からのレンズ面の順序、rは該当レンズ面の曲率半径、dは該当レンズ面から次のレンズ面までの光軸上の間隔、有効径は各レンズ面における有効径、nはArFエキシマレーザの波長(波長λ=193nm)における硝材屈折率をそれぞれ示している。
【0043】
【表1】
【0044】
また、表2において、非球面形状を表す係数を示す。ここで非球面形状を以下に示す数式1にて定義する。
【0045】
【数1】
【0046】
ただし、Zはsag量、hは光軸からの距離、rは面頂点の曲率半径、kは円錐係数(k=0の時は球面)である。
【0047】
【表2】
【0048】
次に、第1の実施例にかかる条件式に対応する値(条件対応値)を示す。
D1=122.271
L=1250
D1/L=0.098
図3は、第1の実施例にかかる投影光学系の縦収差を示し、図4は、その子午方向(タンジェンシャル方向)及び球欠方向(サジタル方向)における横収差(コマ収差)を示している。各収差図において、N.A.は投影光学系PLのウエハW側の開口数、field heightはウエハW側の像高を示しており、非点収差図中において、点線は子午像面(タンジェンシャル像面)、実線は球欠像面(サジタル像面)を示している。
【0049】
この第1の実施例にかかる投影光学系、即ち、この高開口数を有する投影光学系においては、球面収差、歪曲収差(ディストーション)、コマ収差等がバランス良く補正されていることが理解できる。
【0050】
次に、第2の実施例にかかる投影光学系の構成を説明する。図5は、第2の実施例にかかる投影光学系のレンズ断面図である。この投影光学系PLは、第1物体としてのレチクルR側から、両凹レンズL2101,L2102により構成される負の屈折力を有する第1レンズ群G1、両凸レンズL2201,L2202,L2203、レチクル側に凸面を向けた正メニスカスレンズL2204、両凸レンズL2205により構成される正の屈折力を有する第2レンズ群G2、両凹レンズL2301,L2302,L2303,両凹レンズ(第3負レンズ群)L2304により構成される負の屈折力を有する第3レンズ群G3、レチクル側に凹面を向けた正メニスカスレンズ(第2正レンズ群)L2401,レチクル側に凹面を向けた正メニスカスレンズ(第2正レンズ群)L2402、レチクル側に凹面を向けた負メニスカスレンズ(第1負レンズ群)L2403、レチクル側に凹面を向けた正メニスカスレンズ(第1正レンズ群)L2404、レチクル側に凹面を向けた正メニスカスレンズ(第3正レンズ群)L2405、レチクル側に凹面を向けた平凹レンズ(第2負レンズ群)L2406、レチクル側に凹面を向けた正メニスカスレンズ(第4正レンズ群)L2407、レチクル側に凸面を向けた正メニスカスレンズ(第4正レンズ群)L2408,レチクル側に凸面を向けた正メニスカスレンズ(第4正レンズ群)L2409、両凹レンズ(第4負レンズ群)L2410、レチクル側に凸面を向けた正メニスカスレンズL2411、レクチル側に凸面を向けた平凸レンズL2412により構成される正の屈折力を有する第4レンズ群G4の4群(G1〜G4)によって構成されている。
【0051】
なお、正メニスカスレンズL2404と正メニスカスレンズL2405の間に、開口絞りASが配置されている。また、第1正レンズ群、第2正レンズ群、第3正レンズ群、第4正レンズ群は、1以上の正レンズを有し且つ負レンズを含まないレンズ群であり、第1負レンズ群、第2負レンズ群、第3負レンズ群、第4負レンズ群は、1以上の負レンズを有し且つ正レンズを含まないレンズ群である。
【0052】
この投影光学系によれば、第4レンズ群G4において、開口絞りASに対して、屈折力が対称系となるようにレンズ群が配置されている。即ち、開口絞りASのレチクルR側に隣接して第1正レンズ群L2404、第1正レンズ群L2404のレチクルR側に隣接して第1負レンズ群L2403、第1負レンズ群L2403のレチクルR側に隣接して第2正レンズ群L2401,L2402が配置されると共に、開口絞りASのウエハW側に隣接して第3正レンズ群L2405、第3正レンズ群L2405のウエハW側に隣接して第2負レンズ群2406、第2負レンズ群2406のウエハW側に隣接して第4正レンズ群2407,L2408,L2409が配置されている。従って、横収差であるコマ収差、歪曲収差、更には倍率色収差の補正を有利に行うことができる。また、開口絞りASよりもウエハW側に負レンズ群が配置されていることから、開口絞りからウエハWまでの間のペッツバル和の補正を容易に行うことができ、瞳収差の補正を有利に行うことができる。
【0053】
この投影光学系は、第4レンズ群G4が第1正レンズ群L2404と第3正レンズ群L2405との間に配置された気体レンズを備えている。この気体レンズの軸上厚さをD1とし、投影光学系の全長をLとするとき、
0.02<(D1/L)<0.2
の条件を満足する。
【0054】
この投影光学系によれば、第1正レンズ群L2404と第3正レンズ群L2405との間の光路中に厚さの厚い気体レンズを備えることにより、即ち0.02<(D1/L)の条件を満足することにより、可変絞り等により構成される開口絞りの配置位置の幅を大きくすることができ、可変絞り機構等を配置する際の設計自由度を大きくすることができる。一方、(D1/L)<0.2の条件を満足することにより投影光学系が巨大化するのを防止することができる。
【0055】
更に、第4レンズ群G4の第1正レンズ群L2404、気体レンズ及び第3正レンズ群L2405が全体として正の屈折力を有する群を構成することから、厚さの厚い気体レンズにより第1正レンズ群、気体レンズ及び第3正レンズ群の凸レンズ作用を軽減することができ、球面収差の発生を低減させることができる。従って、正の屈折力を有する第4レンズ群においては球面収差の発生が抑制されていることから、第2レンズ群の正の屈折力を低減させることができ、第2レンズ群において一枚毎のレンズの屈折力の低減が可能になる。
【0056】
また、この投影光学系は、第4レンズ群G4が第1正レンズ群L2404と第1負レンズ群L2403との間の光路中に配置されて正の屈折力を有する気体レンズ(第1気体レンズ)と、第3正レンズ群L2405と第2負レンズ群L2406との間の光路中に配置されて正の屈折力を有する気体レンズ(第2気体レンズ)とを備える。即ち、開口絞りに対して対称に正の屈折力を有する気体レンズが配置されるため、横収差の補正状態を保ちながら縦収差である球面収差の補正を有利に行うことができ、大開口数の投影光学系を実現することができる。
【0057】
また、この投影光学系においては、投影光学系を構成するレンズがArFエキシマレーザの波長(波長λ=193nm)における硝材屈折率n=1.560326の合成石英(SiO2)又は、ArFエキシマレーザの波長(波長λ=193nm)における硝材屈折率n=1.501455の蛍石(CaF2)により形成されている。第4レンズ群G4においては、正メニスカスレンズL2411、レクチル側に凸面を向けた平凸レンズL2412が蛍石により形成されている。第4レンズ群G4において蛍石により構成された正レンズを有することから、軸上色収差の補正を有利に行うことができる。
【0058】
また、この投影光学系は、第2正レンズ群L2401,L2402と第3レンズ群G3との間の光路中に第3負レンズ群L2304が配置され、第4正レンズ群L2407,L2408,L2409とウエハWとの間の光路中に第4負レンズ群L2410が配置されているため、高次球面収差の補正を有利に行うことができる。
【0059】
また、投影光学系PL内に非球面ASP1〜ASP8を有するように構成されている。即ち第1レンズ群G1において両凹レンズL2101のウエハW側のレンズ面が非球面ASP1として構成されており、両凹レンズL2102のレチクルR側のレンズ面が非球面ASP2として構成されている。また、第3レンズ群G3において両凹レンズL2301のウエハW側のレンズ面が非球面ASP3として構成されており、両凹レンズL2302のレチクルR側のレンズ面が非球面ASP4として構成されており、両凹レンズL2303のウエハW側のレンズ面が非球面ASP5として構成されており、両凹レンズL2304のウエハW側のレンズ面が非球面ASP6として構成されている。また、第4レンズ群G4において正メニスカスレンズL2409のウエハW側のレンズ面が非球面ASP7として構成されており、両凹レンズL1410のウエハW側のレンズ面が非球面ASP8として構成されている。この投影光学系によれば、第1レンズ群G1及び第3レンズ群G3の少なくとも一方のレンズ群が非球面形状のレンズ面を備えるため、コマ収差、歪曲収差等、画角によって異なる高次収差の補正を有利に行うことができる。
【0060】
次に、第2の実施例にかかる投影光学系の諸元値を表3に示す。ここで、投影光学系の設計諸元を以下に示す。
開口数(N.A.)=0.85
露光フィールド=26×8(mm)
結像倍率=1/4倍
物体−光学系距離:58.90558(mm)
像−光学系距離:11.59551(mm)
投影光学系全長(L):1250(mm)
表3において、面番号はレチクルR側からのレンズ面の順序、rは該当レンズ面の曲率半径、dは該当レンズ面から次のレンズ面までの光軸上の間隔、有効径は各レンズ面における有効径、nはArFエキシマレーザの波長(波長λ=193nm)における硝材屈折率をそれぞれ示している。
【0061】
【表3】
【0062】
また、表4において、非球面形状を表す係数を示す。ここで非球面形状は、上述の数式1にて定義する。
【0063】
【表4】
【0064】
次に、第2の実施例にかかる条件式に対応する値(条件対応値)を示す。
D1=88.47547
L=1250
D1/L=0.071
図6は、第2の実施例にかかる投影光学系の縦収差を示し、図7は、その子午方向(タンジェンシャル方向)及び球欠方向(サジタル方向)における横収差(コマ収差)を示している。各収差図において、N.A.は投影光学系PLのウエハW側の開口数、field heightはウエハW側の像高を示しており、非点収差図中において、点線は子午像面(タンジェンシャル像面)、実線は球欠像面(サジタル像面)を示している。
【0065】
この第2の実施例にかかる投影光学系、即ち、この高開口数を有する投影光学系においては、球面収差、歪曲収差(ディストーション)、コマ収差等がバランス良く補正されていることが理解できる。
【0066】
なお、上記の実施の形態では、露光光としてArFエキシマレーザ光を用いた例を示したが、本発明はこれに限定されることなく、KrFエキシマレーザ光や、水銀ランプのg線、i線等、更にはそれ以外の波長の光を使用する場合にも適用できることは言うまでもない。
【0067】
上述の実施の形態にかかる露光装置では、照明光学装置によってレチクル(マスク)を照明し(照明工程)、投影光学系を用いてマスクに形成された転写用のパターンを感光性基板に露光する(露光工程)ことにより、マイクロデバイス(半導体素子、撮像素子、液晶表示素子、薄膜磁気ヘッド等)を製造することができる。以下、図1に示す実施の形態の露光装置を用いて感光基板としてのウエハ等に所定の回路パターンを形成することによって、マイクロデバイスとしての半導体デバイスを得る半導体デバイスの製造方法を、図8のフローチャートを参照して説明する。
【0068】
先ず、図8のステップ301において、1ロットのウエハ上に金属膜が蒸着される。次のステップ302において、その1ロットのウエハ上の金属膜上にフォトレジストが塗布される。その後、ステップ303において、図1に示す露光装置を用いて、マスク上のパターンの像がその投影光学系を介して、その1ロットのウエハ上の各ショット領域に順次露光転写される。即ち、照明光学装置によりマスクを照明し(照明工程)、マスクのパターンをウエハ上に転写する(露光工程)。
【0069】
その後、ステップ304において、その1ロットのウエハ上のフォトレジストの現像が行われた後、ステップ305において、その1ロットのウエハ上でレジストパターンをマスクとしてエッチングを行うことによって、マスク上のパターンに対応する回路パターンが、各ウエハ上の各ショット領域に形成される。その後、更に上のレイヤの回路パターンの形成等を行うことによって、半導体素子等のデバイスが製造される。上述の半導体デバイス製造方法によれば、極めて微細な回路パターンを有する半導体デバイスをスループット良く得ることができる。
【0070】
また、図1に示す本実施の形態の露光装置では、プレート(ガラス基板)上に所定のパターン(回路パターン、電極パターン等)を形成することによって、マイクロデバイスとしての液晶表示素子を得ることもできる。以下、図9のフローチャートを参照して、マイクロデバイスとしての液晶表示素子を製造する方法を説明する。図9において、パターン形成工程401では、図1に示す露光装置を用いてマスクのパターンを感光性基板(レジストが塗布されたガラス基板等)に転写露光する、所謂光リソグラフィ工程が実行される。この光リソグラフィ工程によって、感光性基板上には多数の電極等を含む所定パターンが形成される。その後、露光された基板は、現像工程、エッチング工程、レチクル剥離工程等の各工程を経ることによって、基板上に所定のパターンが形成され、次のカラーフィルター形成工程402へ移行する。
【0071】
次に、カラーフィルター形成工程402では、R(Red)、G(Green)、B(Blue)に対応した3つのドットの組がマトリックス状に多数配列され、またはR、G、Bの3本のストライプのフィルターの組を複数水平走査線方向に配列したカラーフィルターを形成する。そして、カラーフィルター形成工程402の後に、セル組み立て工程403が実行される。セル組み立て工程403では、パターン形成工程401にて得られた所定パターンを有する基板、およびカラーフィルター形成工程402にて得られたカラーフィルター等を用いて液晶パネル(液晶セル)を組み立てる。セル組み立て工程403では、例えば、パターン形成工程401にて得られた所定パターンを有する基板とカラーフィルター形成工程402にて得られたカラーフィルターとの間に液晶を注入して、液晶パネル(液晶セル)を製造する。
【0072】
その後、モジュール組み立て工程404にて、組み立てられた液晶パネル(液晶セル)の表示動作を行わせる電気回路、バックライト等の各部品を取り付けて液晶表示素子として完成させる。上述の液晶表示素子の製造方法によれば、極めて微細な回路パターンを有する液晶表示素子をスループット良く得ることができる。
【0073】
【発明の効果】
この発明の投影光学系によれば、第4正レンズ群において、開口絞りに対して、屈折力が対称系となるようにレンズ群が配置されているため、横収差であるコマ収差、ディストーション、更には倍率色収差の補正を有利に行うことができる。また、開口絞りよりも第2面側に負レンズ群が配置されていることから、開口絞りから第2面までの間のペッツバル和の補正を容易に行うことができ、瞳収差の補正を有利に行うことができる。
【0074】
また、第1正レンズ群と第3正レンズ群との間の光路中に所定の厚さの気体レンズを備えることにより可変絞り等により構成される開口絞りの配置位置の幅を大きくすることができ、可変絞り等を配置する際の設計自由度を大きくすることができる。一方、投影光学系が巨大化するのを防止することができる。
【0075】
更に、第4レンズ群の第1正レンズ群、気体レンズ及び第3正レンズ群が全体として正の屈折力を有する群を構成することから、厚さの厚い気体レンズにより第1正レンズ群、気体レンズ及び第3正レンズ群の凸レンズ作用を軽減することができ、球面収差の発生を抑制することができる。
【0076】
また、第1正レンズ群と第1負レンズ群との間の光路中に正の屈折力を有する第1気体レンズが配置され、第3正レンズ群と第2負レンズ群との間の光路中に正の屈折力を有する第2気体レンズが配置される、即ち、開口絞りに対して対称に正の屈折力を有する気体レンズが配置されるため、横収差の補正状態を保ちながら縦収差である球面収差の補正を優位に行うことができ、大開口数の投影光学系を実現することができる。
【0077】
また、第4レンズ群中に蛍石により構成された正レンズを有することから、軸上色収差の補正を有利に行うことができる。
【0078】
また、第2正レンズ群と第3レンズ群との間の光路中に第3負レンズ群が配置され、第4正レンズ群と第2面との間の光路中に第4負レンズ群が配置されているため、高次球面収差の補正を有利に行うことができる。
【0079】
また、第1レンズ群及び第3レンズ群の少なくとも一方のレンズ群が非球面形状のレンズ面を備えるため、コマ収差、歪曲収差等、画角によって異なる高次収差の補正を有利に行うことができる。
【0080】
また、この発明の露光装置によれば、投影光学系が大開口数を有し且つ、収差補正が良好に行われていることから、最小線幅の小さい露光パターンの露光を良好に行うことができる。
【0081】
また、この発明の露光方法によれば、露光装置の投影光学系が大開口数を有し且つ、収差補正が良好に行われていることから、最小線幅の小さい露光パターンの露光を良好に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態にかかる投影光学系を備えた投影露光装置の構成を示す図である。
【図2】この発明の第1の実施例にかかる投影光学系のレンズ構成を示す図である。
【図3】この発明の第1の実施例にかかる投影光学系の縦収差を示す図である。
【図4】この発明の第1の実施例にかかる投影光学系の横収差を示す図である。
【図5】この発明の第2の実施例にかかる投影光学系のレンズ構成を示す図である。
【図6】この発明の第2の実施例にかかる投影光学系の縦収差を示す図である。
【図7】この発明の第2の実施例にかかる投影光学系の横収差を示す図である。
【図8】この発明の各実施例にかかる投影光学系を用いた半導体デバイスの製造方法を示すフローチャートである。
【図9】この発明の各実施例にかかる投影光学系を用いた半導体デバイスの製造方法を示すフローチャートである。
【符号の説明】
IS…照明光学装置、R…レチクル、RS…レチクルステージ、PL…投影光学系、AS…開口絞り、W…ウエハ、WS…ウエハステージ、G1…第1レンズ群、G2…第2レンズ群、G3…第3レンズ群、G4…第4レンズ群、L1404,L2404…第1正レンズ群、(L1401,L1402),(L2401,L2402)…第2正レンズ群、L1405,L2405…第3正レンズ群、(L1407,L1408,L1409),(L2407,L2408,L2409)…第4正レンズ群、L1403,L2403…第1負レンズ群、L1406,L2406…第2負レンズ群、L1304,L2304…第3負レンズ群、L1410,L2410…第4負レンズ群。
【発明の属する技術分野】
この発明は、第1面のパターンの像を第2面上に投影するための投影光学系、この投影光学系を備え、半導体素子、液晶表示素子等を製造するためのリソグラフィ工程中でレチクルのパターンを基板上に転写する際に使用される露光装置、及びこの露光装置を用いた露光方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体素子等を製造する際に、マスクとしてのレチクルのパターンの像を投影光学系を介して、レジストが塗布されたウエハ(又はガラスプレート等)上に転写する一括露光型の投影露光装置(ステッパー等)、ステップ・アンド・スキャン方式のような走査露光型の投影露光装置が使用されている。半導体集積回路等のパターンの微細化が進むに従って、その種の露光装置に備えられている投影光学系に対しては特に解像力の向上が望まれている。投影光学系の解像力を向上させるには、露光波長をより短くするか、あるいは開口数(N.A.)を大きくすることが考えられる。
【0003】
そこで近年、露光光については、水銀ランプのg線(波長436nm)から、i線(波長365nm)が用いられるようになってきており、更に最近ではより短波長の露光光、例えば、KrF(波長248nm)、更には、ArF(波長193nm)等のエキシマレーザ光が用いられるようになっている。そして、これら短波長の露光光のもとで使用できる投影光学系が開発されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−171699号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の特許文献1に開示されている投影光学系においては、最大の開口数が0.80であり、更なる解像力の向上が望まれている投影光学系においては十分な大きさの開口数が実現されていなかった。
【0006】
この発明の課題は、高い開口数を有し、露光パターンの最小線幅を小さくすることが可能な投影光学系を提供することである。また、この投影光学系を備えた露光装置及び、この露光装置を用いた露光方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の投影光学系は、第1面の像を第2面上に形成する投影光学系において、前記投影光学系中のレンズ群のうち最も前記第1面側に配置されて、少なくとも2つの負レンズを含み、負の屈折力を有する第1レンズ群と、前記第1レンズ群と前記第2面との間の光路中に配置されて、少なくとも3つの正レンズを含み、正の屈折力を有する第2レンズ群と、前記第2レンズ群と前記第2面との間の光路中に配置されて、少なくとも2つの両凹レンズを含み、負の屈折力を有する第3レンズ群と、前記第3レンズ群と前記第2面との間の光路中に配置されて、開口絞りを含み正の屈折力を有する第4レンズ群とを備え、前記第4レンズ群は、前記開口絞りの前記第1面側に隣接して配置され、1以上の正レンズを有し且つ負レンズを含まない第1正レンズ群と、前記第1正レンズ群の前記第1面側に隣接して配置され、1以上の負レンズを有し且つ正レンズを含まない第1負レンズ群と、前記第1負レンズ群の前記第1面側に隣接して配置され、1以上の正レンズを有し且つ負レンズを含まない第2正レンズ群と、前記開口絞りの前記第2面側に隣接して配置され、1以上の正レンズを有し且つ負レンズを含まない第3正レンズ群と、前記第3正レンズ群の前記第2面側に隣接して配置され、1以上の負レンズを有し且つ正レンズを含まない第2負レンズ群と、前記第2負レンズ群の前記第2面側に隣接して配置され、1以上の正レンズを有し且つ負レンズを含まない第4正レンズ群とを備えることを特徴とする。
【0008】
この請求項1記載の投影光学系によれば、第4レンズ群において、開口絞りに対して、屈折力が対称系となるようにレンズ群が配置されている。即ち、開口絞りの第1面側に隣接して第1正レンズ群、第1正レンズ群の第1面側に隣接して第1負レンズ群、第1負レンズ群の第1面側に隣接して第2正レンズ群が配置されると共に、開口絞りの第2面側に隣接して第3正レンズ群、第3正レンズ群の第2面側に隣接して第2負レンズ群、第2負レンズ群の第2面側に隣接して第4正レンズ群が配置されている。従って、横収差であるコマ収差、歪曲収差(ディストーション)、更には倍率色収差の補正を有利に行うことができる。また、開口絞りよりも第2面側に負レンズ群が配置されていることから、開口絞りから第2面までの間のペッツバル和の補正を容易に行うことができ、瞳収差の補正を有利に行うことができる。
【0009】
また、請求項2記載の投影光学系は、第1面の像を第2面上に形成する投影光学系において、前記第1面と前記第2面の間の光路中に配置されて、少なくとも2つの負レンズを含み、負の屈折力を有する第1レンズ群と、前記第1レンズ群と前記第2面との間の光路中に配置されて、少なくとも3つの正レンズを含み、正の屈折力を有する第2レンズ群と、前記第2レンズ群と前記第2面との間の光路中に配置されて、少なくとも2つの両凹レンズを含み、負の屈折力を有する第3レンズ群と、前記第3レンズ群と前記第2面との間の光路中に配置されて、開口絞りを含み正の屈折力を有する第4レンズ群とを備え、前記第4レンズ群は、前記開口絞りの前記第1面側に隣接して配置され、1以上の正レンズを有し且つ負レンズを含まない第1正レンズ群と、前記第1正レンズ群の前記第1面側に隣接して配置され、1以上の負レンズを有し且つ正レンズを含まない第1負レンズ群と、前記第1負レンズ群の前記第1面側に隣接して配置され、1以上の正レンズを有し且つ負レンズを含まない第2正レンズ群と、前記開口絞りの前記第2面側に隣接して配置され、1以上の正レンズを有し且つ負レンズを含まない第3正レンズ群と、前記第3正レンズ群の前記第2面側に隣接して配置され、1以上の負レンズを有し且つ正レンズを含まない第2負レンズ群と、前記第2負レンズ群の前記第2面側に隣接して配置され、1以上の正レンズを有し且つ負レンズを含まない第4正レンズ群と、前記第1正レンズ群と前記第3正レンズ群との間の光路中に配置された気体レンズとを備え、前記気体レンズの軸上厚さをD1とし、前記投影光学系の全長をLとするとき、
0.02<(D1/L)<0.2
の条件を満足することを特徴とする。
【0010】
この請求項2記載の投影光学系によれば、第4レンズ群において、開口絞りに対して、屈折力が対称系となるようにレンズ群が配置されているため、横収差であるコマ収差、歪曲収差、更には倍率色収差の補正を有利に行うことができる。また、開口絞りよりも第2面側に負レンズ群が配置されていることから、開口絞りから第2面までの間のペッツバル和の補正を容易に行うことができ、瞳収差の補正を有利に行うことができる。
【0011】
また、第1正レンズ群と第3正レンズ群との間の光路中に厚さの厚い気体レンズを備えることにより、即ち0.02<(D1/L)の条件を満足することにより、可変絞り等により構成される開口絞りの配置位置の幅を大きくすることができ、可変絞り機構等を配置する際の設計自由度を大きくすることができる。一方、(D1/L)<0.2の条件を満足することにより投影光学系が巨大化するのを防止することができる。
【0012】
更に、第4レンズ群の第1正レンズ群、気体レンズ及び第3正レンズ群が全体として正の屈折力を有する群を構成することから、厚さの厚い気体レンズにより第1正レンズ群、気体レンズ及び第3正レンズ群の凸レンズ作用を軽減することができ、球面収差の発生を低減させることができる。従って、正の屈折力を有する第4レンズ群においては球面収差の発生が抑制されていることから、第2レンズ群の正の屈折力を低減させることができ、第2レンズ群において一枚毎のレンズの屈折力の低減が可能になる。
【0013】
また、請求項3記載の投影光学系は、第1面の像を第2面上に形成する投影光学系において、前記第1面と前記第2面の間の光路中に配置されて、少なくとも2つの負レンズを含み、負の屈折力を有する第1レンズ群と、前記第1レンズ群と前記第2面との間の光路中に配置されて、少なくとも3つの正レンズを含み、正の屈折力を有する第2レンズ群と、前記第2レンズ群と前記第2面との間の光路中に配置されて、少なくとも2つの両凹レンズを含み、負の屈折力を有する第3レンズ群と、前記第3レンズ群と前記第2面との間の光路中に配置されて、開口絞りを含み正の屈折力を有する第4レンズ群とを備え、前記第4レンズ群は、前記開口絞りの前記第1面側に隣接して配置され、1以上の正レンズを有し且つ負レンズを含まない第1正レンズ群と、前記第1正レンズ群の前記第1面側に隣接して配置され、1以上の負レンズを有し且つ正レンズを含まない第1負レンズ群と、前記第1負レンズ群の前記第1面側に隣接して配置され、1以上の正レンズを有し且つ負レンズを含まない第2正レンズ群と、前記開口絞りの前記第2面側に隣接して配置され、1以上の正レンズを有し且つ負レンズを含まない第3正レンズ群と、前記第3正レンズ群の前記第2面側に隣接して配置され、1以上の負レンズを有し且つ正レンズを含まない第2負レンズ群と、前記第2負レンズ群の前記第2面側に隣接して配置され、1以上の正レンズを有し且つ負レンズを含まない第4正レンズ群と、前記第1正レンズ群と前記第1負レンズ群との間の光路中に配置されて正の屈折力を有する第1気体レンズと、前記第3正レンズ群と前記第2負レンズ群との間の光路中に配置されて正の屈折力を有する第2気体レンズとを備えることを特徴とする。
【0014】
この請求項3記載の投影光学系によれば、第4レンズ群において、開口絞りに対して、屈折力が対称系となるようにレンズ群が配置されているため、横収差であるコマ収差、歪曲収差、更には倍率色収差の補正を有利に行うことができる。また、開口絞りよりも第2面側に負レンズ群が配置されていることから、開口絞りから第2面までの間のペッツバル和の補正を容易に行うことができ、瞳収差の補正を有利に行うことができる。
【0015】
また、第1正レンズ群と第1負レンズ群との間の光路中に正の屈折力を有する第1気体レンズが配置され、第3正レンズ群と第2負レンズ群との間の光路中に正の屈折力を有する第2気体レンズが配置される、即ち、開口絞りに対して対称に正の屈折力を有する気体レンズが配置されるため、横収差の補正状態を保ちながら縦収差である球面収差の補正を有利に行うことができ、大開口数の投影光学系を実現することができる。
【0016】
また、請求項4記載の投影光学系は、前記第4レンズ群が前記第1正レンズ群と前記第3正レンズ群との間に配置された気体レンズを備え、前記気体レンズの軸上厚さをD1とし、前記投影光学系の全長をLとするとき、
0.02<(D1/L)<0.2
の条件を満足することを特徴とする。
【0017】
この請求項4記載の投影光学系によれば、第1正レンズ群と第3正レンズ群との間の光路中に厚さの厚い気体レンズを備えることにより、即ち0.02<(D1/L)の条件を満足することにより、可変絞り等により構成される開口絞りの配置位置の幅を大きくすることができ、可変絞り機構等を配置する際の設計自由度を大きくすることができる。一方、(D1/L)<0.2の条件を満足することにより投影光学系が巨大化するのを防止することができる。
【0018】
更に、第4レンズ群の第1正レンズ群、気体レンズ及び第3正レンズ群が全体として正の屈折力を有する群を構成することから、厚さの厚い気体レンズにより第1正レンズ群、気体レンズ及び第3正レンズ群の凸レンズ作用を軽減することができ、球面収差の発生を低減させることができる。従って、正の屈折力を有する第4レンズ群においては球面収差の発生が抑制されていることから、第2レンズ群の正の屈折力を低減させることができ、第2レンズ群において一枚毎のレンズの屈折力の低減が可能になる。
【0019】
また、請求項5記載の投影光学系は、前記第4レンズ群が、前記第1正レンズ群と前記第1負レンズ群との間の光路中に配置されて正の屈折力を有する第1気体レンズと、前記第3正レンズ群と前記第2負レンズ群との間の光路中に配置されて正の屈折力を有する第2気体レンズとを備えることを特徴とする。
【0020】
この請求項5記載の投影光学系によれば、第1正レンズ群と第1負レンズ群との間の光路中に正の屈折力を有する第1気体レンズが配置され、第3正レンズ群と第2負レンズ群との間の光路中に正の屈折力を有する第2気体レンズが配置される、即ち、開口絞りに対して対称に正の屈折力を有する気体レンズが配置されるため、横収差の補正状態を保ちながら縦収差である球面収差の補正を有利に行うことができ、大開口数の投影光学系を実現することができる。
【0021】
また、請求項6記載の投影光学系は、前記第4レンズ群中の少なくとも1つの正レンズを蛍石により構成することを特徴とする。この請求項6記載の投影光学系によれば、蛍石により構成された正レンズを有することから、軸上色収差の補正を有利に行うことができる。
【0022】
また、請求項7記載の投影光学系は、前記第4レンズ群が、前記第2正レンズ群と前記第3レンズ群との間の光路中に配置されて、1以上の負レンズを有し且つ正レンズを含まない第3負レンズ群と、前記第4正レンズ群と前記第2面との間の光路中に配置されて、1以上の負レンズを有し且つ正レンズを含まない第4負レンズ群とを備え、前記第3負レンズ群を構成する少なくとも1つのレンズの前記開口絞り側のレンズ面が前記第2面側に凹面を向け、前記第4負レンズ群を構成する少なくとも1つのレンズの前記開口絞り側の面が前記第1面側に凹面を向けていることを特徴とする。
【0023】
この請求項7記載の投影光学系によれば、第2正レンズ群と第3レンズ群との間の光路中に第3負レンズ群が配置され、第4正レンズ群と第2面との間の光路中に第4負レンズ群が配置されているため、高次球面収差の補正を有利に行うことができる。
【0024】
また、請求項8記載の投影光学系は、前記第1レンズ群及び前記第3レンズ群の少なくとも一方のレンズ群が非球面形状のレンズ面を備えることを特徴とする。この請求項8記載の投影光学系によれば、第1レンズ群及び第3レンズ群の少なくとも一方のレンズ群が非球面形状のレンズ面を備えるため、コマ収差、歪曲収差等、画角によって異なる高次収差の補正を有利に行うことができる。
【0025】
また、請求項9記載の露光装置は、請求項1乃至請求項8の何れか一項に記載の投影光学系と、前記第1面に配置されたレチクルを照明する照明光学系とを備え、前記照明光学系からの露光光により前記レチクルのパターンの像を前記投影光学系を介して前記第2面に配置された基板上に投影することを特徴とする。
【0026】
この請求項9記載の露光装置によれば、投影光学系が大開口数を有し且つ、収差補正が良好に行われていることから、最小線幅の小さい露光パターンの露光を良好に行うことができる。
【0027】
また、請求項10記載の露光方法は、請求項1乃至請求項8の何れか一項記載の照明光学系を用いて前記第1面に配置されたレチクルを照明する照明工程と、前記レチクルのパターンを前記第2面に配置された基板上に転写する露光工程とを有することを特徴とする。
【0028】
この請求項10記載の露光方法によれば、露光装置の投影光学系が大開口数を有し且つ、収差補正が良好に行われていることから、最小線幅の小さい露光パターンの露光を良好に行うことができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、この発明の実施の形態について説明する。図1は、投影光学系を備えた投影露光装置の構成を示す図である。
【0030】
図1に示すように、投影光学系PLの物体面(第1面)には所定の回路パターンが形成された投影原版としてレチクルRが配置され、投影光学系PLの像面(第2面)には、基板としてのフォトレジストが塗布されたウエハWが配置されている。レチクルRはレチクルステージRS上に保持され、ウエハWはウエハステージWS上に保持されている。レチクルRの上方には、レチクルRを均一照明するための照明光学装置ISが配置されている。
【0031】
投影光学系PLは、瞳位置近傍に可変の開口絞りASを有すると共に、レチクルR側及びウエハW側において、実質的にテレセントリックとなっている。照明光学装置ISは、露光光の照度分布を均一化するためのフライアイレンズ、照明系開口絞り、可変視野絞り(レチクルブラインド)、及びコンデンサレンズ系等から構成されている。照明光学装置ISから供給される露光光は、レチクルRを照明し、投影光学系PLの瞳位置には照明光学装置IS中の光源の像が形成され、所謂ケーラー照明が行われる。そして、ケーラー照明されたレチクルRのパターンの像が、投影光学系PLを介して投影倍率で縮小されてウエハW上に露光(転写)される。
【0032】
図2は、第1の実施例にかかる投影光学系のレンズ断面図である。この投影光学系PLは、第1物体としてのレチクルR側から、レチクル側に凸面を向けた負メニスカスレンズL1101及びレチクル側に凹面を向けた負メニスカスレンズL1102により構成される負の屈折力を有する第1レンズ群G1、レチクル側に凹面を向けた正メニスカスレンズL1201,L1202、両凸レンズL1203,L1204,L1205,L1206により構成される正の屈折力を有する第2レンズ群G2、両凹レンズL1301,L1302,L1303、両凹レンズL(第3負レンズ群)L1304により構成される負の屈折力を有する第3レンズ群G3、両凸レンズ(第2正レンズ群)L1401、レチクル側に凹面を向けた正メニスカスレンズ(第2正レンズ群)L1402、レチクル側に凹面を向けた負メニスカスレンズ(第1負レンズ群)L1403、両凸レンズ(第1正レンズ群)L1404、レチクル側に凹面を向けた正メニスカスレンズ(第3正レンズ群)L1405、レチクル側に凹面を向けた平凹レンズ(第2負レンズ群)L1406、レチクル側に凸面を向けた正メニスカスレンズ(第4正レンズ群)L1407,レチクル側に凸面を向けた正メニスカスレンズ(第4正レンズ群)L1408,レチクル側に凸面を向けた正メニスカスレンズ(第4正レンズ群)L1409、両凹レンズ(第4負レンズ群)L1410、レチクル側に凸面を向けた正メニスカスレンズL1411、レクチル側に凸面を向けた平凸レンズL1412により構成される正の屈折力を有する第4レンズ群G4の4群(G1〜G4)によって構成されている。
【0033】
なお、両凸レンズL1404と正メニスカスレンズL1405の間に、開口絞りASが配置されている。また、第1正レンズ群、第2正レンズ群、第3正レンズ群、第4正レンズ群は、1以上の正レンズを有し且つ負レンズを含まないレンズ群であり、第1負レンズ群、第2負レンズ群、第3負レンズ群、第4負レンズ群は、1以上の負レンズを有し且つ正レンズを含まないレンズ群である。
【0034】
この投影光学系によれば、第4レンズ群G4において、開口絞りASに対して、屈折力が対称系となるようにレンズ群が配置されている。即ち、開口絞りASのレチクルR側に隣接して第1正レンズ群L1404、第1正レンズ群L1404のレチクルR側に隣接して第1負レンズ群L1403、第1負レンズ群L1403のレチクルR側に隣接して第2正レンズ群L1401,L1402が配置されると共に、開口絞りASのウエハW側に隣接して第3正レンズ群L1405、第3正レンズ群L1405のウエハW側に隣接して第2負レンズ群1406、第2負レンズ群1406のウエハW側に隣接して第4正レンズ群1407,L1408,L1409が配置されている。従って、横収差であるコマ収差、歪曲収差、更には倍率色収差の補正を有利に行うことができる。また、開口絞りASよりもウエハW側に負レンズ群が配置されていることから、開口絞りからウエハWまでの間のペッツバル和の補正を容易に行うことができ、瞳収差の補正を有利に行うことができる。
【0035】
この投影光学系は、第4レンズ群G4が第1正レンズ群L1404と第3正レンズ群L1405との間に配置された気体レンズを備えている。この気体レンズの軸上厚さをD1とし、投影光学系の全長をLとするとき、
0.02<(D1/L)<0.2
の条件を満足する。
【0036】
この投影光学系によれば、第1正レンズ群L1404と第3正レンズ群L1405との間の光路中に厚さの厚い気体レンズを備えることにより、即ち0.02<(D1/L)の条件を満足することにより、可変絞り等により構成される開口絞りの配置位置の幅を大きくすることができ、可変絞り機構等を配置する際の設計自由度を大きくすることができる。一方、(D1/L)<0.2の条件を満足することにより投影光学系が巨大化するのを防止することができる。
【0037】
更に、第4レンズ群G4の第1正レンズ群L1404、気体レンズ及び第3正レンズ群L1405が全体として正の屈折力を有する群を構成することから、厚さの厚い気体レンズにより第1正レンズ群、気体レンズ及び第3正レンズ群の凸レンズ作用を軽減することができ、球面収差の発生を低減させることができる。従って、正の屈折力を有する第4レンズ群においては球面収差の発生が抑制されていることから、第2レンズ群の正の屈折力を低減させることができ、第2レンズ群において一枚毎のレンズの屈折力の低減が可能になる。
【0038】
また、この投影光学系は、第4レンズ群G4が第1正レンズ群L1404と第1負レンズ群L1403との間の光路中に配置されて正の屈折力を有する気体レンズ(第1気体レンズ)と、第3正レンズ群L1405と第2負レンズ群L1406との間の光路中に配置されて正の屈折力を有する気体レンズ(第2気体レンズ)とを備える。即ち、開口絞りに対して対称に正の屈折力を有する気体レンズが配置されるため、横収差の補正状態を保ちながら縦収差である球面収差の補正を優位に行うことができ、大開口数の投影光学系を実現することができる。
【0039】
また、この投影光学系においては、投影光学系を構成するレンズがArFエキシマレーザの波長(波長λ=193nm)における硝材屈折率n=1.560326の合成石英(SiO2)又は、ArFエキシマレーザの波長(波長λ=193nm)における硝材屈折率n=1.501455の蛍石(CaF2)により形成されている。第4レンズ群G4においては、正メニスカスレンズL1402、正メニスカスレンズL1411、レクチル側に凸面を向けた平凸レンズL1412が蛍石により形成されている。第4レンズ群G4において蛍石により構成された正レンズを有することから、軸上色収差の補正を有利に行うことができる。なお、この投影光学系では、第2レンズ群G2中の両凸レンズL1206、第4レンズ群G4中のレクチル側に凹面を向けた正メニスカスレンズL1402も蛍石により形成されている。
【0040】
また、この投影光学系は、第2正レンズ群L1401,L1402と第3レンズ群G3との間の光路中に第3負レンズ群L1304が配置され、第4正レンズ群L1407,L1408,L1409とウエハWとの間の光路中に第4負レンズ群L1410が配置されているため、高次球面収差の補正を有利に行うことができる。
【0041】
また、投影光学系PL内に非球面ASP1〜ASP8を有するように構成されている。即ち第1レンズ群G1において負メニスカスレンズL1101のウエハW側のレンズ面が非球面ASP1として構成されており、負メニスカスレンズL1102のレチクルR側のレンズ面が非球面ASP2として構成されている。また、第3レンズ群G3において両凹レンズL1301のウエハW側のレンズ面が非球面ASP3として構成されており、両凹レンズL1302のレチクルR側のレンズ面が非球面ASP4として構成されており、両凹レンズL1303のウエハW側のレンズ面が非球面ASP5として構成されており、両凹レンズL1304のウエハW側のレンズ面が非球面ASP6として構成されている。また、第4レンズ群G4において正メニスカスレンズL1409のウエハW側のレンズ面が非球面ASP7として構成されており、両凹レンズL1410のウエハW側のレンズ面が非球面ASP8として構成されている。この投影光学系によれば、第1レンズ群G1及び第3レンズ群G3の少なくとも一方のレンズ群が非球面形状のレンズ面を備えるため、コマ収差、歪曲収差等、画角によって異なる高次収差の補正を有利に行うことができる。
【0042】
次に、第1の実施例にかかる投影光学系の諸元値を表1に示す。ここで、投影光学系の設計諸元を以下に示す。
開口数(N.A.)=0.85
露光フィールド=26×8(mm)
結像倍率=1/4倍
物体−光学系距離:53.88146(mm)
像−光学系距離:11.91157(mm)
投影光学系全長(L):1250(mm)
表1において、面番号はレチクルR側からのレンズ面の順序、rは該当レンズ面の曲率半径、dは該当レンズ面から次のレンズ面までの光軸上の間隔、有効径は各レンズ面における有効径、nはArFエキシマレーザの波長(波長λ=193nm)における硝材屈折率をそれぞれ示している。
【0043】
【表1】
【0044】
また、表2において、非球面形状を表す係数を示す。ここで非球面形状を以下に示す数式1にて定義する。
【0045】
【数1】
【0046】
ただし、Zはsag量、hは光軸からの距離、rは面頂点の曲率半径、kは円錐係数(k=0の時は球面)である。
【0047】
【表2】
【0048】
次に、第1の実施例にかかる条件式に対応する値(条件対応値)を示す。
D1=122.271
L=1250
D1/L=0.098
図3は、第1の実施例にかかる投影光学系の縦収差を示し、図4は、その子午方向(タンジェンシャル方向)及び球欠方向(サジタル方向)における横収差(コマ収差)を示している。各収差図において、N.A.は投影光学系PLのウエハW側の開口数、field heightはウエハW側の像高を示しており、非点収差図中において、点線は子午像面(タンジェンシャル像面)、実線は球欠像面(サジタル像面)を示している。
【0049】
この第1の実施例にかかる投影光学系、即ち、この高開口数を有する投影光学系においては、球面収差、歪曲収差(ディストーション)、コマ収差等がバランス良く補正されていることが理解できる。
【0050】
次に、第2の実施例にかかる投影光学系の構成を説明する。図5は、第2の実施例にかかる投影光学系のレンズ断面図である。この投影光学系PLは、第1物体としてのレチクルR側から、両凹レンズL2101,L2102により構成される負の屈折力を有する第1レンズ群G1、両凸レンズL2201,L2202,L2203、レチクル側に凸面を向けた正メニスカスレンズL2204、両凸レンズL2205により構成される正の屈折力を有する第2レンズ群G2、両凹レンズL2301,L2302,L2303,両凹レンズ(第3負レンズ群)L2304により構成される負の屈折力を有する第3レンズ群G3、レチクル側に凹面を向けた正メニスカスレンズ(第2正レンズ群)L2401,レチクル側に凹面を向けた正メニスカスレンズ(第2正レンズ群)L2402、レチクル側に凹面を向けた負メニスカスレンズ(第1負レンズ群)L2403、レチクル側に凹面を向けた正メニスカスレンズ(第1正レンズ群)L2404、レチクル側に凹面を向けた正メニスカスレンズ(第3正レンズ群)L2405、レチクル側に凹面を向けた平凹レンズ(第2負レンズ群)L2406、レチクル側に凹面を向けた正メニスカスレンズ(第4正レンズ群)L2407、レチクル側に凸面を向けた正メニスカスレンズ(第4正レンズ群)L2408,レチクル側に凸面を向けた正メニスカスレンズ(第4正レンズ群)L2409、両凹レンズ(第4負レンズ群)L2410、レチクル側に凸面を向けた正メニスカスレンズL2411、レクチル側に凸面を向けた平凸レンズL2412により構成される正の屈折力を有する第4レンズ群G4の4群(G1〜G4)によって構成されている。
【0051】
なお、正メニスカスレンズL2404と正メニスカスレンズL2405の間に、開口絞りASが配置されている。また、第1正レンズ群、第2正レンズ群、第3正レンズ群、第4正レンズ群は、1以上の正レンズを有し且つ負レンズを含まないレンズ群であり、第1負レンズ群、第2負レンズ群、第3負レンズ群、第4負レンズ群は、1以上の負レンズを有し且つ正レンズを含まないレンズ群である。
【0052】
この投影光学系によれば、第4レンズ群G4において、開口絞りASに対して、屈折力が対称系となるようにレンズ群が配置されている。即ち、開口絞りASのレチクルR側に隣接して第1正レンズ群L2404、第1正レンズ群L2404のレチクルR側に隣接して第1負レンズ群L2403、第1負レンズ群L2403のレチクルR側に隣接して第2正レンズ群L2401,L2402が配置されると共に、開口絞りASのウエハW側に隣接して第3正レンズ群L2405、第3正レンズ群L2405のウエハW側に隣接して第2負レンズ群2406、第2負レンズ群2406のウエハW側に隣接して第4正レンズ群2407,L2408,L2409が配置されている。従って、横収差であるコマ収差、歪曲収差、更には倍率色収差の補正を有利に行うことができる。また、開口絞りASよりもウエハW側に負レンズ群が配置されていることから、開口絞りからウエハWまでの間のペッツバル和の補正を容易に行うことができ、瞳収差の補正を有利に行うことができる。
【0053】
この投影光学系は、第4レンズ群G4が第1正レンズ群L2404と第3正レンズ群L2405との間に配置された気体レンズを備えている。この気体レンズの軸上厚さをD1とし、投影光学系の全長をLとするとき、
0.02<(D1/L)<0.2
の条件を満足する。
【0054】
この投影光学系によれば、第1正レンズ群L2404と第3正レンズ群L2405との間の光路中に厚さの厚い気体レンズを備えることにより、即ち0.02<(D1/L)の条件を満足することにより、可変絞り等により構成される開口絞りの配置位置の幅を大きくすることができ、可変絞り機構等を配置する際の設計自由度を大きくすることができる。一方、(D1/L)<0.2の条件を満足することにより投影光学系が巨大化するのを防止することができる。
【0055】
更に、第4レンズ群G4の第1正レンズ群L2404、気体レンズ及び第3正レンズ群L2405が全体として正の屈折力を有する群を構成することから、厚さの厚い気体レンズにより第1正レンズ群、気体レンズ及び第3正レンズ群の凸レンズ作用を軽減することができ、球面収差の発生を低減させることができる。従って、正の屈折力を有する第4レンズ群においては球面収差の発生が抑制されていることから、第2レンズ群の正の屈折力を低減させることができ、第2レンズ群において一枚毎のレンズの屈折力の低減が可能になる。
【0056】
また、この投影光学系は、第4レンズ群G4が第1正レンズ群L2404と第1負レンズ群L2403との間の光路中に配置されて正の屈折力を有する気体レンズ(第1気体レンズ)と、第3正レンズ群L2405と第2負レンズ群L2406との間の光路中に配置されて正の屈折力を有する気体レンズ(第2気体レンズ)とを備える。即ち、開口絞りに対して対称に正の屈折力を有する気体レンズが配置されるため、横収差の補正状態を保ちながら縦収差である球面収差の補正を有利に行うことができ、大開口数の投影光学系を実現することができる。
【0057】
また、この投影光学系においては、投影光学系を構成するレンズがArFエキシマレーザの波長(波長λ=193nm)における硝材屈折率n=1.560326の合成石英(SiO2)又は、ArFエキシマレーザの波長(波長λ=193nm)における硝材屈折率n=1.501455の蛍石(CaF2)により形成されている。第4レンズ群G4においては、正メニスカスレンズL2411、レクチル側に凸面を向けた平凸レンズL2412が蛍石により形成されている。第4レンズ群G4において蛍石により構成された正レンズを有することから、軸上色収差の補正を有利に行うことができる。
【0058】
また、この投影光学系は、第2正レンズ群L2401,L2402と第3レンズ群G3との間の光路中に第3負レンズ群L2304が配置され、第4正レンズ群L2407,L2408,L2409とウエハWとの間の光路中に第4負レンズ群L2410が配置されているため、高次球面収差の補正を有利に行うことができる。
【0059】
また、投影光学系PL内に非球面ASP1〜ASP8を有するように構成されている。即ち第1レンズ群G1において両凹レンズL2101のウエハW側のレンズ面が非球面ASP1として構成されており、両凹レンズL2102のレチクルR側のレンズ面が非球面ASP2として構成されている。また、第3レンズ群G3において両凹レンズL2301のウエハW側のレンズ面が非球面ASP3として構成されており、両凹レンズL2302のレチクルR側のレンズ面が非球面ASP4として構成されており、両凹レンズL2303のウエハW側のレンズ面が非球面ASP5として構成されており、両凹レンズL2304のウエハW側のレンズ面が非球面ASP6として構成されている。また、第4レンズ群G4において正メニスカスレンズL2409のウエハW側のレンズ面が非球面ASP7として構成されており、両凹レンズL1410のウエハW側のレンズ面が非球面ASP8として構成されている。この投影光学系によれば、第1レンズ群G1及び第3レンズ群G3の少なくとも一方のレンズ群が非球面形状のレンズ面を備えるため、コマ収差、歪曲収差等、画角によって異なる高次収差の補正を有利に行うことができる。
【0060】
次に、第2の実施例にかかる投影光学系の諸元値を表3に示す。ここで、投影光学系の設計諸元を以下に示す。
開口数(N.A.)=0.85
露光フィールド=26×8(mm)
結像倍率=1/4倍
物体−光学系距離:58.90558(mm)
像−光学系距離:11.59551(mm)
投影光学系全長(L):1250(mm)
表3において、面番号はレチクルR側からのレンズ面の順序、rは該当レンズ面の曲率半径、dは該当レンズ面から次のレンズ面までの光軸上の間隔、有効径は各レンズ面における有効径、nはArFエキシマレーザの波長(波長λ=193nm)における硝材屈折率をそれぞれ示している。
【0061】
【表3】
【0062】
また、表4において、非球面形状を表す係数を示す。ここで非球面形状は、上述の数式1にて定義する。
【0063】
【表4】
【0064】
次に、第2の実施例にかかる条件式に対応する値(条件対応値)を示す。
D1=88.47547
L=1250
D1/L=0.071
図6は、第2の実施例にかかる投影光学系の縦収差を示し、図7は、その子午方向(タンジェンシャル方向)及び球欠方向(サジタル方向)における横収差(コマ収差)を示している。各収差図において、N.A.は投影光学系PLのウエハW側の開口数、field heightはウエハW側の像高を示しており、非点収差図中において、点線は子午像面(タンジェンシャル像面)、実線は球欠像面(サジタル像面)を示している。
【0065】
この第2の実施例にかかる投影光学系、即ち、この高開口数を有する投影光学系においては、球面収差、歪曲収差(ディストーション)、コマ収差等がバランス良く補正されていることが理解できる。
【0066】
なお、上記の実施の形態では、露光光としてArFエキシマレーザ光を用いた例を示したが、本発明はこれに限定されることなく、KrFエキシマレーザ光や、水銀ランプのg線、i線等、更にはそれ以外の波長の光を使用する場合にも適用できることは言うまでもない。
【0067】
上述の実施の形態にかかる露光装置では、照明光学装置によってレチクル(マスク)を照明し(照明工程)、投影光学系を用いてマスクに形成された転写用のパターンを感光性基板に露光する(露光工程)ことにより、マイクロデバイス(半導体素子、撮像素子、液晶表示素子、薄膜磁気ヘッド等)を製造することができる。以下、図1に示す実施の形態の露光装置を用いて感光基板としてのウエハ等に所定の回路パターンを形成することによって、マイクロデバイスとしての半導体デバイスを得る半導体デバイスの製造方法を、図8のフローチャートを参照して説明する。
【0068】
先ず、図8のステップ301において、1ロットのウエハ上に金属膜が蒸着される。次のステップ302において、その1ロットのウエハ上の金属膜上にフォトレジストが塗布される。その後、ステップ303において、図1に示す露光装置を用いて、マスク上のパターンの像がその投影光学系を介して、その1ロットのウエハ上の各ショット領域に順次露光転写される。即ち、照明光学装置によりマスクを照明し(照明工程)、マスクのパターンをウエハ上に転写する(露光工程)。
【0069】
その後、ステップ304において、その1ロットのウエハ上のフォトレジストの現像が行われた後、ステップ305において、その1ロットのウエハ上でレジストパターンをマスクとしてエッチングを行うことによって、マスク上のパターンに対応する回路パターンが、各ウエハ上の各ショット領域に形成される。その後、更に上のレイヤの回路パターンの形成等を行うことによって、半導体素子等のデバイスが製造される。上述の半導体デバイス製造方法によれば、極めて微細な回路パターンを有する半導体デバイスをスループット良く得ることができる。
【0070】
また、図1に示す本実施の形態の露光装置では、プレート(ガラス基板)上に所定のパターン(回路パターン、電極パターン等)を形成することによって、マイクロデバイスとしての液晶表示素子を得ることもできる。以下、図9のフローチャートを参照して、マイクロデバイスとしての液晶表示素子を製造する方法を説明する。図9において、パターン形成工程401では、図1に示す露光装置を用いてマスクのパターンを感光性基板(レジストが塗布されたガラス基板等)に転写露光する、所謂光リソグラフィ工程が実行される。この光リソグラフィ工程によって、感光性基板上には多数の電極等を含む所定パターンが形成される。その後、露光された基板は、現像工程、エッチング工程、レチクル剥離工程等の各工程を経ることによって、基板上に所定のパターンが形成され、次のカラーフィルター形成工程402へ移行する。
【0071】
次に、カラーフィルター形成工程402では、R(Red)、G(Green)、B(Blue)に対応した3つのドットの組がマトリックス状に多数配列され、またはR、G、Bの3本のストライプのフィルターの組を複数水平走査線方向に配列したカラーフィルターを形成する。そして、カラーフィルター形成工程402の後に、セル組み立て工程403が実行される。セル組み立て工程403では、パターン形成工程401にて得られた所定パターンを有する基板、およびカラーフィルター形成工程402にて得られたカラーフィルター等を用いて液晶パネル(液晶セル)を組み立てる。セル組み立て工程403では、例えば、パターン形成工程401にて得られた所定パターンを有する基板とカラーフィルター形成工程402にて得られたカラーフィルターとの間に液晶を注入して、液晶パネル(液晶セル)を製造する。
【0072】
その後、モジュール組み立て工程404にて、組み立てられた液晶パネル(液晶セル)の表示動作を行わせる電気回路、バックライト等の各部品を取り付けて液晶表示素子として完成させる。上述の液晶表示素子の製造方法によれば、極めて微細な回路パターンを有する液晶表示素子をスループット良く得ることができる。
【0073】
【発明の効果】
この発明の投影光学系によれば、第4正レンズ群において、開口絞りに対して、屈折力が対称系となるようにレンズ群が配置されているため、横収差であるコマ収差、ディストーション、更には倍率色収差の補正を有利に行うことができる。また、開口絞りよりも第2面側に負レンズ群が配置されていることから、開口絞りから第2面までの間のペッツバル和の補正を容易に行うことができ、瞳収差の補正を有利に行うことができる。
【0074】
また、第1正レンズ群と第3正レンズ群との間の光路中に所定の厚さの気体レンズを備えることにより可変絞り等により構成される開口絞りの配置位置の幅を大きくすることができ、可変絞り等を配置する際の設計自由度を大きくすることができる。一方、投影光学系が巨大化するのを防止することができる。
【0075】
更に、第4レンズ群の第1正レンズ群、気体レンズ及び第3正レンズ群が全体として正の屈折力を有する群を構成することから、厚さの厚い気体レンズにより第1正レンズ群、気体レンズ及び第3正レンズ群の凸レンズ作用を軽減することができ、球面収差の発生を抑制することができる。
【0076】
また、第1正レンズ群と第1負レンズ群との間の光路中に正の屈折力を有する第1気体レンズが配置され、第3正レンズ群と第2負レンズ群との間の光路中に正の屈折力を有する第2気体レンズが配置される、即ち、開口絞りに対して対称に正の屈折力を有する気体レンズが配置されるため、横収差の補正状態を保ちながら縦収差である球面収差の補正を優位に行うことができ、大開口数の投影光学系を実現することができる。
【0077】
また、第4レンズ群中に蛍石により構成された正レンズを有することから、軸上色収差の補正を有利に行うことができる。
【0078】
また、第2正レンズ群と第3レンズ群との間の光路中に第3負レンズ群が配置され、第4正レンズ群と第2面との間の光路中に第4負レンズ群が配置されているため、高次球面収差の補正を有利に行うことができる。
【0079】
また、第1レンズ群及び第3レンズ群の少なくとも一方のレンズ群が非球面形状のレンズ面を備えるため、コマ収差、歪曲収差等、画角によって異なる高次収差の補正を有利に行うことができる。
【0080】
また、この発明の露光装置によれば、投影光学系が大開口数を有し且つ、収差補正が良好に行われていることから、最小線幅の小さい露光パターンの露光を良好に行うことができる。
【0081】
また、この発明の露光方法によれば、露光装置の投影光学系が大開口数を有し且つ、収差補正が良好に行われていることから、最小線幅の小さい露光パターンの露光を良好に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態にかかる投影光学系を備えた投影露光装置の構成を示す図である。
【図2】この発明の第1の実施例にかかる投影光学系のレンズ構成を示す図である。
【図3】この発明の第1の実施例にかかる投影光学系の縦収差を示す図である。
【図4】この発明の第1の実施例にかかる投影光学系の横収差を示す図である。
【図5】この発明の第2の実施例にかかる投影光学系のレンズ構成を示す図である。
【図6】この発明の第2の実施例にかかる投影光学系の縦収差を示す図である。
【図7】この発明の第2の実施例にかかる投影光学系の横収差を示す図である。
【図8】この発明の各実施例にかかる投影光学系を用いた半導体デバイスの製造方法を示すフローチャートである。
【図9】この発明の各実施例にかかる投影光学系を用いた半導体デバイスの製造方法を示すフローチャートである。
【符号の説明】
IS…照明光学装置、R…レチクル、RS…レチクルステージ、PL…投影光学系、AS…開口絞り、W…ウエハ、WS…ウエハステージ、G1…第1レンズ群、G2…第2レンズ群、G3…第3レンズ群、G4…第4レンズ群、L1404,L2404…第1正レンズ群、(L1401,L1402),(L2401,L2402)…第2正レンズ群、L1405,L2405…第3正レンズ群、(L1407,L1408,L1409),(L2407,L2408,L2409)…第4正レンズ群、L1403,L2403…第1負レンズ群、L1406,L2406…第2負レンズ群、L1304,L2304…第3負レンズ群、L1410,L2410…第4負レンズ群。
Claims (10)
- 第1面の像を第2面上に形成する投影光学系において、
前記投影光学系中のレンズ群のうち最も前記第1面側に配置されて、少なくとも2つの負レンズを含み、負の屈折力を有する第1レンズ群と、
前記第1レンズ群と前記第2面との間の光路中に配置されて、少なくとも3つの正レンズを含み、正の屈折力を有する第2レンズ群と、
前記第2レンズ群と前記第2面との間の光路中に配置されて、少なくとも2つの両凹レンズを含み、負の屈折力を有する第3レンズ群と、
前記第3レンズ群と前記第2面との間の光路中に配置されて、開口絞りを含み正の屈折力を有する第4レンズ群と
を備え、
前記第4レンズ群は、
前記開口絞りの前記第1面側に隣接して配置され、1以上の正レンズを有し且つ負レンズを含まない第1正レンズ群と、
前記第1正レンズ群の前記第1面側に隣接して配置され、1以上の負レンズを有し且つ正レンズを含まない第1負レンズ群と、
前記第1負レンズ群の前記第1面側に隣接して配置され、1以上の正レンズを有し且つ負レンズを含まない第2正レンズ群と、
前記開口絞りの前記第2面側に隣接して配置され、1以上の正レンズを有し且つ負レンズを含まない第3正レンズ群と、
前記第3正レンズ群の前記第2面側に隣接して配置され、1以上の負レンズを有し且つ正レンズを含まない第2負レンズ群と、
前記第2負レンズ群の前記第2面側に隣接して配置され、1以上の正レンズを有し且つ負レンズを含まない第4正レンズ群と、
を備えることを特徴とする投影光学系。 - 第1面の像を第2面上に形成する投影光学系において、
前記第1面と前記第2面の間の光路中に配置されて、少なくとも2つの負レンズを含み、負の屈折力を有する第1レンズ群と、
前記第1レンズ群と前記第2面との間の光路中に配置されて、少なくとも3つの正レンズを含み、正の屈折力を有する第2レンズ群と、
前記第2レンズ群と前記第2面との間の光路中に配置されて、少なくとも2つの両凹レンズを含み、負の屈折力を有する第3レンズ群と、
前記第3レンズ群と前記第2面との間の光路中に配置されて、開口絞りを含み正の屈折力を有する第4レンズ群と
を備え、
前記第4レンズ群は、
前記開口絞りの前記第1面側に隣接して配置され、1以上の正レンズを有し且つ負レンズを含まない第1正レンズ群と、
前記第1正レンズ群の前記第1面側に隣接して配置され、1以上の負レンズを有し且つ正レンズを含まない第1負レンズ群と、
前記第1負レンズ群の前記第1面側に隣接して配置され、1以上の正レンズを有し且つ負レンズを含まない第2正レンズ群と、
前記開口絞りの前記第2面側に隣接して配置され、1以上の正レンズを有し且つ負レンズを含まない第3正レンズ群と、
前記第3正レンズ群の前記第2面側に隣接して配置され、1以上の負レンズを有し且つ正レンズを含まない第2負レンズ群と、
前記第2負レンズ群の前記第2面側に隣接して配置され、1以上の正レンズを有し且つ負レンズを含まない第4正レンズ群と、
前記第1正レンズ群と前記第3正レンズ群との間の光路中に配置された気体レンズと
を備え、
前記気体レンズの軸上厚さをD1とし、前記投影光学系の全長をLとするとき、以下の条件を満足することを特徴とする投影光学系。
0.02<(D1/L)<0.2 - 第1面の像を第2面上に形成する投影光学系において、
前記第1面と前記第2面の間の光路中に配置されて、少なくとも2つの負レンズを含み、負の屈折力を有する第1レンズ群と、
前記第1レンズ群と前記第2面との間の光路中に配置されて、少なくとも3つの正レンズを含み、正の屈折力を有する第2レンズ群と、
前記第2レンズ群と前記第2面との間の光路中に配置されて、少なくとも2つの両凹レンズを含み、負の屈折力を有する第3レンズ群と、
前記第3レンズ群と前記第2面との間の光路中に配置されて、開口絞りを含み正の屈折力を有する第4レンズ群と
を備え、
前記第4レンズ群は、
前記開口絞りの前記第1面側に隣接して配置され、1以上の正レンズを有し且つ負レンズを含まない第1正レンズ群と、
前記第1正レンズ群の前記第1面側に隣接して配置され、1以上の負レンズを有し且つ正レンズを含まない第1負レンズ群と、
前記第1負レンズ群の前記第1面側に隣接して配置され、1以上の正レンズを有し且つ負レンズを含まない第2正レンズ群と、
前記開口絞りの前記第2面側に隣接して配置され、1以上の正レンズを有し且つ負レンズを含まない第3正レンズ群と、
前記第3正レンズ群の前記第2面側に隣接して配置され、1以上の負レンズを有し且つ正レンズを含まない第2負レンズ群と、
前記第2負レンズ群の前記第2面側に隣接して配置され、1以上の正レンズを有し且つ負レンズを含まない第4正レンズ群と、
前記第1正レンズ群と前記第1負レンズ群との間の光路中に配置されて正の屈折力を有する第1気体レンズと、
前記第3正レンズ群と前記第2負レンズ群との間の光路中に配置されて正の屈折力を有する第2気体レンズと、
を備えることを特徴とする投影光学系。 - 前記第4レンズ群は、前記第1正レンズ群と前記第3正レンズ群との間に配置された気体レンズを備え、
前記気体レンズの軸上厚さをD1とし、前記投影光学系の全長をLとするとき、以下の条件を満足することを特徴とする請求項1又は請求項3に記載の投影光学系。
0.02<(D1/L)<0.2 - 前記第4レンズ群は、
前記第1正レンズ群と前記第1負レンズ群との間の光路中に配置されて正の屈折力を有する第1気体レンズと、
前記第3正レンズ群と前記第2負レンズ群との間の光路中に配置されて正の屈折力を有する第2気体レンズと、
を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の投影光学系。 - 前記第4レンズ群中の少なくとも1つの正レンズを蛍石により構成することを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか一項に記載の投影光学系。
- 前記第4レンズ群は、
前記第2正レンズ群と前記第3レンズ群との間の光路中に配置されて、1以上の負レンズを有し且つ正レンズを含まない第3負レンズ群と、
前記第4正レンズ群と前記第2面との間の光路中に配置されて、1以上の負レンズを有し且つ正レンズを含まない第4負レンズ群と、
を備え、
前記第3負レンズ群を構成する少なくとも1つのレンズの前記開口絞り側のレンズ面が前記第2面側に凹面を向け、前記第4負レンズ群を構成する少なくとも1つのレンズの前記開口絞り側の面が前記第1面側に凹面を向けていることを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか一項に記載の投影光学系。 - 前記第1レンズ群及び前記第3レンズ群の少なくとも一方のレンズ群は、非球面形状のレンズ面を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか一項に記載の投影光学系。
- 請求項1乃至請求項8の何れか一項に記載の投影光学系と、
前記第1面に配置されたレチクルを照明する照明光学系とを備え、
前記照明光学系からの露光光により前記レチクルのパターンの像を前記投影光学系を介して前記第2面に配置された基板上に投影することを特徴とする露光装置。 - 請求項1乃至請求項8の何れか一項記載の照明光学系を用いて前記第1面に配置されたレチクルを照明する照明工程と、
前記レチクルのパターンを前記第2面に配置された基板上に転写する露光工程と
を有することを特徴とする露光方法。
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-
2002
- 2002-10-01 JP JP2002288462A patent/JP2004126100A/ja active Pending
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