JP2004122533A - インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】記録ヘッド1の吐出口が露出されている時間をタイマー9によって測定し、その測定時間に応じて、記録動作時に記録ヘッド1に加えるインクの吐出エネルギーを駆動信号制御部5によって変化させる。
【選択図】 図6
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、吐出口からインクを吐出可能な記録ヘッドを用いて、被記録媒体に記録をするインクジェット記録装置およびインクジェット記録方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録装置においては、記録時にインクジェット記録ヘッドの吐出口が常に大気中に露出されている状態となる。つまり、記録ヘッドにおける複数の吐出口は、画像データに応じて直ちにインクを吐出できるように、記録時には常に大気に露出されている。記録時以外のときは、通常、キャップ手段によって吐出口がキャッピングされている。したがって、記録動作の時間が長くなるにつれて、記録に使用されないノズル(インクを吐出しないノズル)に関しては、そのノズル内のインク中の水分が蒸発してインクの粘度が増加してしまう。その結果、そのインクが増粘したノズルを用いて、別の画像を記録しようとした場合、そのノズルの吐出口からのインクの吐出が不安定になる可能性がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例においては、特に、増粘しやすいインクを使用して低温低湿環境下にて記録を行った場合に、短い間隔で回復動作を行う必要が生じてしまう。その回復動作は、ノズル内の増粘したインクを吐出させるなどして、記録ヘッドにおけるインクの吐出状態を良好に保つための動作である。例えば、ある温度と湿度の環境下にて、許容暴露時間(記録ヘッドの吐出口を大気中に露出させた場合に安定したインク吐出が充分可能な暴露時間)が5秒しかない場合には、可変の画像データに基づいて記録をする際に、用紙のサイズにもよるが数枚分の記録毎に回復動作を行うことが必要となる。そのため、記録速度が極端に低下するおそれがある。また、頻繁な回復動作に伴って、記録ヘッドからインクを吐出する回数が増えるために、記録ヘッドの寿命が短くなるおそれがある。
【0004】
本発明の目的は、記録動作とは別の回復動作を実行することなく、記録ヘッド内の増粘インクを記録動作時に吐出させることができるインクジェット記録装置およびインクジェット記録方法を提供することにある。
【0005】
本発明の目的は、記録ヘッド内の増粘インクを吐出させることができるインクジェット記録装置およびインクジェット記録方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明のインクジェット記録装置は、複数の吐出口からインクを吐出可能な記録ヘッドを用いて、被記録媒体に記録を行うインクジェット記録装置において、前記記録ヘッドの前記吐出口が露出されている時間を測定する時間測定手段と、前記時間測定手段による測定時間に応じて、記録動作時に前記記録ヘッドの吐出口に加えるインクの吐出エネルギーを変化させる可変手段とを備えたことを特徴とする。
【0007】
本発明のインクジェット記録方法は、複数の吐出口からインクを吐出可能な記録ヘッドを用いて、被記録媒体に記録を行うインクジェット記録方法において、前記記録ヘッドの前記吐出口が露出されている時間に応じて、記録動作時に前記記録ヘッドに加えるインクの吐出エネルギーを変化させることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
まず、本発明を適用可能なインクジェット記録装置の基本的な構成例について説明する。
【0009】
インクジェット記録装置としては、記録ヘッドから吐出するインクの温度依存性を考慮し、記録ヘッドの温度あるいは環境温度に応じて記録ヘッドの駆動信号のパルス幅を制御することによって、インクの吐出量を制御するものがある。このような制御は、記録ヘッドの温度や環境温度が変化しても、インクの吐出量を所定の一定範囲内に収めて、安定した画像形成を行う。
【0010】
記録動作時における記録ヘッドの駆動パルスとしては、例えば、分離された2つのパルス信号(ダブルパルス)を用いることができる。図2は、そのダブルパルスの波形を表した図である。そのパルス信号は、ヒータ(電気熱変換体)の発熱によってノズルからインク滴を吐出する方式のインクジェット記録ヘッドに対して、駆動パルスとして印加される。この記録ヘッドにおいては、ヒータの発熱によってノズル内のインクが発泡され、その発泡エネルギーによって吐出口からインク滴が吐出される。図2において、P1はプレヒートパルス幅、P2はオフタイム、P3はメインヒートパルス幅を示している。記録動作時は、P1,P2,P3の順にパルスを記録ヘッドのヒータに印加し、記録ヘッド内の温度検出手段としてのDiセンサからの出力値に基づき、各インク色の記録ヘッド毎に、駆動パルスのパルス幅を決定してインクを吐出量を制御する。P1はプレヒートパルスであり、主に記録ヘッドのノズル内のインク温度を上昇させる役割を担う。P3はメインヒートパルスであり、インク滴を安定して吐出される役割を担う。すなわち、ヒーター上のインクに発泡現象を発生させ、その発泡エネルギーによって吐出口からインク滴を吐出させる。P1のパルス幅は、そのプレヒートパルスP1によって、インク中に発泡(プレ発泡)現象が生じないように設定する必要がある。P2はオフタイムであり、その幅に応じて吐出量が制御される。このような駆動パルスの幅P1,P2,P3に応じて、記録ヘッドに加えられるインクの吐出エネルギーが変化することになる。
【0011】
連続的な記録による記録ヘッドの温度上昇や、環境の変化が生じても、インクの吐出量を一定とするためには、記録ヘッドの温度と、最適な駆動パルスと、を対応付けたテーブルを用いることができる。実際の記録時には、記録ヘッド内のDiセンサの検出温度を読み込み、そのヘッド温度に対応する最適な駆動パルスをテーブルから選択して、その駆動パルスに基づいて記録ヘッドを駆動する。このような駆動は、PWM駆動(Pulse Width Modulation;PWM)と称され、また、このような駆動パルスのテーブルはPWMテーブルと称される。図3は、PWMテーブルの一例であり、Diセンサによって検出されたヘッド温度に対応するように、P1,P2,P3の幅が調整された駆動パルスがランク付け(ランク1〜12)されている。ヘッド温度が高くなる程、ランクは高くなり、駆動パルスの吐出エネルギーは小さくなる。
【0012】
このような駆動パルスを用いたPWM駆動によって、インクの吐出量を制御することができ、この結果、記録ヘッドの温度上昇や、環境の変化に起因するインクの吐出量の変化を小さく抑えて、記録画像の濃度の安定化を図ることが可能となる。インクは、温度が高くなるにつれて小さいエネルギーでも吐出することができるため、PWMテーブルは、温度が高くなるにつれて記録ヘッドに付与する吐出エネルギーを小さくするように設定される。
【0013】
図4(a),(b)は,記録時にインクを吐出するノズルのヒータに印加する駆動パルスの説明図である。
【0014】
記録時にインクを吐出するノズルのヒータに対しては、駆動パルスとして、図4(a)のようなダブルパルスの他、図4(b)のようなシングルパルスを印加してもよい。インクジェット記録ヘッドは、このような駆動パルスによってノズル内のヒータが発熱し、その発熱によるノズル内のインクの発泡に伴って、吐出口からインクが吐出される。そのため、記録時には、ノズルに熱が加えられることになる。
【0015】
図5は、インクジェット記録装置の構成例の概略説明図である。用紙(被記録媒体)3は、搬送装置4によって、上流側(給紙側A)から下流側(排紙側B)に向かって矢印C方向に搬送される。搬送装置4は、例えば、プーリー4a,4bの間に搬送ベルト4cが架け渡されており、その搬送ベルト4cと共に、用紙3を矢印C方向に搬送する構成となっている。用紙3が記録ヘッド1の下を通過する時に、記録ヘッド1のノズル2の吐出口からインクが吐出されることによって、その用紙3上に画像が形成される。記録ヘッド1は、用紙3の幅方向(図5中紙面の表裏方向)における記録面の全域に渡って延在してインクが吐出する吐出口を備えた複数のノズルが配列された長尺の記録ヘッドであり、吐出するインクの色に応じて複数の記録ヘッドが等間隔に備えられている。したがって、用紙3を矢印C方向に連続的に搬送しつつ、記録ヘッド1からインクを吐出することによって、用紙3上に画像が形成されることになる。このような方式の記録装置は、一般にフルラインタイプのプリンタと称される。
【0016】
図6は、インクジェット記録ヘッド1周辺の概略ブロック構成図である。
【0017】
1は、複数の記録ヘッドの内の1つを表しており、インクを吐出する吐出口を供えた複数のノズルを備え、更に温度センサとして、1つの記録ヘッド1に対して複数のDiセンサ6が所定間隔で設けられている。記録ヘッド1は、通常、複数のノズルをキャップするキャップ部材を備え、記録動作する際に、キャップ部材が複数のノズルの吐出口を露出させるように構成されている。7は温度検出部であり、Diセンサ6の温度情報を検出して、駆動信号部5に送る。駆動信号制御部5は、処理部CPU、プログラムメモリROMおよびデータメモリRAMを備え、外部のホストコンピュータから画像データを受信して記録の制御を行なう。処理部CPUは、プログラムメモリROMに記憶されているプログラムを読み出し、記録装置全体を制御する。プログラムメモリROMは、後述する図1および図10に示すフローに対応するプログラムおよびテーブル(図3および図7)を記憶している。データメモリRAMは、画像データおよび制御用のパラメータ(タイマ値、温度情報等)が必要に応じて記憶される。8は記録装置内の温度を検知する温度湿度センサであり、駆動信号制御部5により情報が読み取られる。9はタイマであり、その計測時間は駆動信号制御部5により読み取られる。
【0018】
記録動作時に、記録に使用するノズルからインクを吐出させるために、駆動信号制御部5から記録ヘッド1に駆動パルスを送り、指定されたノズルからインクを吐出して画像を形成する。記録時には、記録ヘッド1内に取り付けられた温度検出手段としてのDiセンサ6の検出温度を温度検出部7にて読み取り、その検出温度に基づいて、最適な駆動パルスを図3のようなPWMテーブルから選択し、その駆動パルスを駆動信号制御部5から記録ヘッド1に送る(PWM制御)。記録ヘッド1内のDiセンサ6は、記録ヘッド1内のノズル近傍の温度が検出できるように適切な個所に備える。このDiセンサ6から読み取った温度に基づいて、記録、その他の温度制御を行う。上述したように、8は、記録装置の機内の温度と湿度、つまり記録ヘッド1の周囲の温度と湿度を検出するための温湿度センサーであり、また9は、時間を計測するためのタイマーである。
【0019】
記録ヘッド1におけるインクの吐出状態を良好に保つための回復動作に実施に際しては、温湿度テーブルを用いることができる。
【0020】
すなわち、記録装置の環境(温度および湿度)と、記録ヘッドの吐出口が大気中に露出している時間(以下、「暴露時間」ともいう)と、を関連付けて温湿度テーブルを作成する。この温湿度テーブルは、記録装置の機内の温度および湿度と、それらの温度および湿度の条件下においてインクジェット記録ヘッドの吐出口を大気中に露出させた場合に安定したインク吐出が十分可能な暴露時間(以下、「許容暴露時間」ともいう)と、を関連付けたものである。図7は、そのような温湿度テーブルの一例である。基本的に、湿度が低い時は、ノズル内のインクが増粘しやすくなるため、安定したインク吐出が可能な許容暴露時間は短くなり、湿度が高い時は、その許容暴露時間が長くなる。
【0021】
記録開始時に、記録装置の機内の温湿度センサー8によって、その機内の温度および湿度を検出し、そして図7のような温湿度テーブルを用いることによって、検出した温度よび湿度に応じた許容暴露時間Tを決定することができる。図7において、温度は℃、湿度は%、暴露時間Tは秒である。また、記録装置の機内に設置されているタイマー9によって、インクジェット記録ヘッドの吐出口が大気中に露出されている暴露時間t(秒)がカウントされる。基本的には、その暴露時間tが許容暴露時間Tとなったときに(t=T)、次の記録動作のためのジョブによって、ノズル内の増粘したインクを吐出させるための回復動作を実行する。ただし、この時のジョブが前回のジョブと同じ画像データに基づいて記録動作する場合には、同一のノズルが使用されることになるため、回復動作は必要ない。その回復動作は記録動作とは別に実行され、またノズルの吐出口から吐出される増粘インクは、キャップ手段のキャップ内などに受容されて、画像の記録には寄与しない。
【0022】
前回と異なる画像データに基づいて記録動作をする場合は、内部のインクが増粘したノズルを使用するおそれがあるため、その記録動作の前に、前述の回復動作を行うことにより、使用するノズル内のインクがフレッシュされて、インク吐出の安定が図られる。
【0023】
次に、図1に示す本発明の第1の実施形態における記録動作を最もよく表したフローチャートを参照して、その記録動作について説明する。
まず記録開始時に、記録装置の機内に設置されているタイマー9(図6参照)によって、記録ヘッド1の吐出口が大気中に暴露されている暴露時間tのカウントを開始する(ステップS1)。そして、記録ヘッド1内のDiセンサ6(図6参照)によって記録ヘッド1内の温度を検出し(ステップS2)、図3のようなPWMテーブルに基づき、記録ヘッド1内の温度に対応する駆動パルスによって、記録ヘッド1をPWM駆動して記録を行う(ステップS3)。
【0024】
その後、タイマー9のカウント時間(暴露時間)tが所定の許容暴露時間Aに達したか否かを判定する(ステップS4)。その許容暴露時間Aは、記録装置が使用される最悪の環境下(記録ヘッド1のノズル内のインクが最も増粘しやすい環境下)において、記録ヘッド1を大気中に露出させた場合でも安定したインク吐出が十分可能な時間に設定しておく。
【0025】
記録ヘッド1の暴露時間tが許容暴露時間Aに達しないときは、記録が終了したか否かを判定する(ステップS4A)。そして、記録が終了していなければステップS2に戻り、記録が終了したときは記録動作を終了する。
【0026】
一方、記録ヘッド1の暴露時間tが許容暴露時間Aとなったときには(t=A)、次の記録動作のためのジョブが、今回の記録動作のためのジョブと同じ画像データに基づいて記録動作をするか否かを判定する(ステップS5)。次のジョブが今回のジョブと同じ画像データに基づいて記録動作をする場合には、次のジョブにおいても同一のノズルが使用されることになって、使用するノズル内のインクは増粘していないため、ステップS2に戻って記録動作を続行する。次のジョブが異なる画像データに基づいて記録動作をする場合には、次のようなシーケンス(以下、「発一シーケンス」ともいう)を実行する(ステップS6)。
【0027】
ステップS6の発一シーケンスにおいては、記録に使用するノズルの1発目から数発目のインク吐出のために、図3のようなPWMテーブルから、本来よりもランクが上の駆動パルス、つまり記録ヘッド1の温度が低い場合に用いるエネルギーの大きい駆動パルスを選択し、その駆動パルスを駆動信号制御部5から記録ヘッド1に送って画像を記録する。すなわち、まず、記録に使用するノズルから1発目のインク滴を吐出するときは、PWMテーブルから、本来のランクよりもnランク上の駆動パルスを選択して用いる。その後、そのノズルから2発目のインク滴を吐出するときは、本来のランクよりも(n−1)ランク上の駆動パルスを選択して用い、さらに、そのノズルから3発目のインク滴を吐出するときは、本来のランクよりも(n−2)ランク上の駆動パルスを選択して用いる。以下同様にして、駆動パルスのランクを1つずつ本来のランクに近付け、n発目のインク滴を吐出するときに、本来のランクの駆動パルスを選択して用いる。このようなノズルから吐出される最初のn発のインク滴は、その後に吐出されるインク滴と同様に画像の記録に用いられる。
【0028】
図9は、このような発一シーケンス実行時における記録例の説明図である。用紙3を矢印Cの紙送り方向に搬送しつつ、記録ヘッド1のノズルからインク滴を吐出することによって、用紙3上にインクドットを形成して画像を記録する。発一シーケンスにより、ノズルから1発目のインク滴を吐出するときは、本来のランクよりもnランク上(+n)の駆動パルスを用いるために、比較的濃いドットが形成される。その後、2発目,3発目,…n発目のインク滴を吐出するときは、駆動パルスが本来のランクに徐々に戻るランク{+(n−1)},{+(n−2))},{+(n−3))}…(±0)となり、ドットの濃度が徐々に本来の濃度に戻る。
【0029】
nの値は、ノズルから増粘したインクを吐出するために十分な値に設定する。粘度の低いインクを使用する場合には、nの値を小さくし、顔料インクのように粘度が高いインクを使用する場合には、nの値を大きくする。ただし、nの値は、駆動パルスのランクを上げたことによる記録画像の濃度変化が目立たない程度に、設定することが望ましい。また、本来よりも上のランクの駆動パルスを用いて吐出するインク滴の吐出数を複数発とした理由は、1発目のインク滴の吐出によって、増粘インクが吐出しきれない場合を想定したからである。また、駆動パルスのランクを徐々に本来のランクに戻す理由は、記録画像上の濃度差を目立たなくするためである。仮に、本来よりも上のランクの駆動パルスに基づいて1発目のインク滴を吐出した後、2発目のインク滴を吐出するための駆動パルスを一気に本来のランクの駆動パルスに戻した場合には、1発目に吐出されたインク滴による記録が濃くなって、濃度差が目立つおそれがある。
【0030】
なお、必ずしも、ノズルからインク滴を1発ずつ吐出する毎に、PWMテーブルにおける駆動パルスのランクを1つずつ線形に変化させる必要はない。例えば、図8のように、駆動パルスのランクを曲線的に変化させてもよい。また、このような発一吐出シーケンス以外の時は、記録ヘッド1内のDiセンサ6によって記録ヘッド1内の温度を検出し(ステップS2)、その検出温度に応じたランクの駆動パルスをPWMテーブルから選択し、その駆動パルスに基づいて記録を行う(ステップS3)。
【0031】
このように、記録ヘッド1の暴露によって生じたノズル内の増粘インクは、記録動作とは別の回復動作によって除去する必要がなく、記録時に吐出させることができる。この結果、例えば、粘度の低いインクを用いた場合、および低温低湿環境のようなインクが増粘しやすい環境下での記録時においても、スループットを低下させることなく記録を行うことができる。
【0032】
(第2の実施形態)
図10は、本発明の第2の実施形態における記録動作を説明するためのフローチャートである。
【0033】
記録開始時に、まず、記録装置の機内の温湿度センサー8(図6参照)によって機内の温度と湿度を検出し(ステップS8)、前述したように、図7のような温湿度テーブルから、機内の温度と湿度に対応する許容暴露時間Tを決定する(ステップS9)。それから、機内に設置されているタイマー9(図6参照)によって、記録ヘッド1の暴露時間tをカウントする(ステップS10)。そして、記録ヘッド1内のDiセンサ6(図6参照)によって記録ヘッド1内の温度を検出し(ステップS11)、図3のようなPWMテーブルに基づき、記録ヘッド1内の温度に対応するランクの駆動パルスによって、記録ヘッド1をPWM駆動して記録を行う(ステップS12)。
【0034】
そして、記録ヘッド1の暴露時間tが許容暴露時間Tに達したか否かを判定する(ステップS13)。記録ヘッド1の暴露時間tが許容暴露時間Tに達しないときは、記録が終了したか否かを判定する(ステップS13A)。そして、記録が終了していなければステップS11に戻り、記録が終了したときは記録動作を終了する。
【0035】
一方、記録ヘッド1の暴露時間tが許容暴露時間Tとなったときには(t=T)、次の記録動作のためのジョブが、今回の記録動作のためのジョブと同じ画像データに基づいて記録動作をするか否かを判定する(ステップS14)。次のジョブが今回のジョブと同じ画像データに基づいて記録動作をする場合には、次のジョブにおいても同一のノズルが使用されることになって、使用するノズル内のインクは増粘していないため、ステップS11に戻って記録動作を続行する。次のジョブが異なる画像データに基づいて記録動作をする場合には、前述した実施形態と同様の発一シーケンスを実行する(ステップS15)。
【0036】
このように、記録ヘッド1の暴露によって生じたノズル内の増粘インクは、記録動作とは別の回復動作によって除去する必要がなく、記録時に吐出させることができる。この結果、例えば、粘度の低いインクを用いた場合、および低温低湿環境のようなインクが増粘しやすい環境下での記録時においても、スループットを低下させることなく記録を行うことができる。
【0037】
さらに、本実施形態においては、図7のような温湿度テーブルを用いることにより、環境に応じて記録ヘッド1の許容暴露時間を延長することができる。そのため、前述した第1の実施形態と比べて、発一回復シーケンスの実行頻度を小さく抑え、記録ヘッド1に加えられるエネルギーを小さくして、記録ヘッド1の寿命を長くすることができる。
【0038】
(第3の実施形態)
上述した実施形態において、発一回復シーケンスの実行対象のノズルは、記録に使用されていない非記録ノズル(インクを吐出しないノズル)のみとしてもよい。記録に使用されているノズル内のインクは増粘していないため、このようなノズルに関しては、本来のランクの駆動パルスによって充分に安定したインク吐出を行うことができる。このように、発一回復シーケンスの実行対象のノズルを非記録ノズルのみとした場合には、その実行対象のノズルを全ノズルとした場合に比して、記録ヘッド1に加えられるエネルギーを小さくして、記録ヘッド1の寿命をより長くすることができる。
【0039】
(他の実施形態)
本発明は、図5のようなフルラインタイプの記録装置のみならず、記録ヘッドの主走査方向の移動を伴うシリアルスキャンタイプの記録装置にも適用することができる。
【0040】
また、記録ヘッドにおけるインクの吐出方式は、上述したようなヒーターを用いた吐出方式に限定されず、例えば、ピエゾ素子などを用いてインクを吐出する方式等であってもよい。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、記録ヘッドの吐出口が露出されている時間に応じて、記録動作時に記録ヘッドに加えるインクの吐出エネルギーを変化させることにより、記録ヘッドの吐出口の露出のために増粘したインクを記録動作時に吐出することができ、それを記録動作とは別の回復動作によって除去する必要がない。この結果、スループットを低下させることなく記録を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態における記録動作を説明するためのフローチャートである。
【図2】インクジェット記録ヘッドの駆動パルスの一例としてのダブルパルスの説明図である。
【図3】PWMテーブルの一例の説明図である。
【図4】(a)は、インクジェット記録ヘッドの駆動パルスの一例としてのダブルパルスの説明図、(b)は、インクジェット記録ヘッドの駆動パルスの他の例としてのシングルの説明図である。
【図5】フルラインタイプのインクジェット記録装置の概略構成図である。
【図6】図5の記録装置における記録ヘッド周辺部のブロック構成図である。
【図7】温湿度テーブルの一例の説明図である。
【図8】本発明の第1の実施形態における駆動パルスの他の変更例の説明図である。
【図9】本発明の第1の実施形態によるドットの形成例の説明図である。
【図10】本発明の第2の実施形態における記録動作を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
1 インクジェット記録ヘッド
2 ノズル
3 用紙(被記録媒体)
4 搬送手段
5 駆動信号制御部(可変手段)
6 Diセンサ
7 温度検出部
8 温湿度センサ(検出手段)
9 タイマー(時間測定手段)
A 搬送上流側
B 搬送下流側
C 搬送方向
Claims (14)
- 複数の吐出口からインクを吐出可能な記録ヘッドを用いて、被記録媒体に記録を行うインクジェット記録装置において、
前記記録ヘッドの前記吐出口が露出されている時間を測定する時間測定手段と、
前記時間測定手段による測定時間に応じて、記録動作時に前記記録ヘッドの吐出口に加えるインクの吐出エネルギーを変化させる可変手段と
を備えたことを特徴とするインクジェット記録装置。 - 前記記録ヘッドは、前記吐出エネルギーに応じてインクの吐出量が変化することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
- 前記時間測定手段は、測定する時間として記録動作の時間を含むことを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録装置。
- 前記可変手段は、前記時間測定手段による測定時間が所定時間を越えたときに、前記記録ヘッド内の増粘インクを吐出させる程度に前記吐出エネルギーを一時的に大きくすることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
- 前記可変手段は、前記被記録媒体の所定単位に対して同一画像が繰り返し記録されるときは前記吐出エネルギーを変化させず、前記被記録媒体の所定単位に対して異なる画像が記録されるときに前記吐出エネルギーを変化させることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
- 前記可変手段は、前記記録ヘッドにおける前記複数の吐出口の全てに関して、前記吐出エネルギーを同時に変化させることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
- 前記可変手段は、前記記録ヘッドにおける前記複数の吐出口の内、インクを所定時間以上吐出しなかった吐出口に関して、前記吐出エネルギーを変化させることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
- 前記記録ヘッドの温度を検出するための温度検出手段と、
前記温度検出手段の検出温度に応じて、前記吐出口からのインクの吐出量を一定に維持するように前記記録ヘッドの駆動信号を制御する制御手段と、を備え、
前記可変手段は、前記時間測定手段による測定時間に応じて、前記吐出エネルギーを一時的に変化させるように前記駆動信号を変更することを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載のインクジェット記録装置。 - 前記記録ヘッドの周囲の温度または湿度の少なくとも一方を検出する検出手段を備え、
前記可変手段は、前記検出手段による検出結果と前記時間測定手段による測定時間とに応じて、前記吐出エネルギーを変化させることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載のインクジェット記録装置。 - 前記記録ヘッドと前記被記録媒体とを相対移動させる手段を備えたことを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
- 前記記録ヘッドは、前記吐出エネルギーに応じた熱エネルギーを発生する電気熱変換体を備えることを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
- 複数の吐出口からインクを吐出可能な記録ヘッドを用いて、被記録媒体に記録を行うインクジェット記録方法において、
前記記録ヘッドの前記吐出口が露出されている時間に応じて、記録動作時に前記記録ヘッドに加えるインクの吐出エネルギーを変化させることを特徴とするインクジェット記録方法。 - 前記記録ヘッドの前記吐出口をキャップするキャップ手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
- 前記時間測定手段は、測定する時間として前記キャップ手段が前記吐出口を露出している時間を含むことを特徴とする請求項13に記載のインクジェット記録装置。
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