JP2004119549A - 半導体装置およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ポリプラグとゲート電極の間の寄生容量を低下させ、ポリプラグ自身の抵抗を低下させて、半導体装置の動作の高速化を図る。
【解決手段】半導体基板1上に絶縁ゲート型電界効果トランジスタのゲート絶縁膜3およびゲート電極4を形成する。次に、ゲート電極4の側面上に複数の側壁絶縁膜6,7を積層形成する。次に、半導体基板1中に絶縁ゲート型電界効果トランジスタのソース領域およびドレイン領域8を形成する。次に、ソース領域またはドレイン領域に接続される第1の電極9を積層された複数の側壁絶縁膜6,7の最外層の側壁絶縁膜7に接するように形成する。次に、複数の側壁絶縁膜6,7のうちゲート電極の側面と直接接していない側壁絶縁膜7を選択的に除去して空間部10を形成する。次に、ゲート電極4上面、側壁絶縁膜6上面および第1の電極9上面に層間絶縁膜12を形成し、空間部14を内蔵させる。
【選択図】 図1
【解決手段】半導体基板1上に絶縁ゲート型電界効果トランジスタのゲート絶縁膜3およびゲート電極4を形成する。次に、ゲート電極4の側面上に複数の側壁絶縁膜6,7を積層形成する。次に、半導体基板1中に絶縁ゲート型電界効果トランジスタのソース領域およびドレイン領域8を形成する。次に、ソース領域またはドレイン領域に接続される第1の電極9を積層された複数の側壁絶縁膜6,7の最外層の側壁絶縁膜7に接するように形成する。次に、複数の側壁絶縁膜6,7のうちゲート電極の側面と直接接していない側壁絶縁膜7を選択的に除去して空間部10を形成する。次に、ゲート電極4上面、側壁絶縁膜6上面および第1の電極9上面に層間絶縁膜12を形成し、空間部14を内蔵させる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、絶縁ゲート型電界効果トランジスタを含む半導体装置およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体装置の高速化が進むにつれて、コンタクト部分の低抵抗化、低容量化が必要になってきている。
【0003】
図25は絶縁ゲート型電界効果トランジスタを含む半導体装置の概略断面図である。従来例のポリプラグ構造を有する半導体装置は、図25に示すように、第1導電型半導体基板1上に素子分離絶縁膜2、ゲート絶縁膜3およびゲート電極4を有し、第1導電型半導体基板1表面上に第2導電型拡散層8を有し、第1導電型半導体基板1上に第2導電型拡散層8と電気的に接続されている第1の電極(ポリプラグ)9を有し、ゲート電極4と第1の電極9との間に第1の側壁絶縁膜6を有し、第1の電極9の上部とゲート電極4の上部に金属シリサイド層11を有する構造である。金属シリサイド層11の上面には、層間絶縁膜12が設けられ、さらにゲート電極4および第1の電極9に接続するためのコンタクト開口13が設けられている。(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
以下、従来の半導体装置の製造方法について、図26〜図30を参照しながら説明する。
【0005】
図26に示すように、第1導電型半導体基板1上に素子分離絶縁膜2を形成し、ゲート絶縁膜3、ゲート電極4および絶縁膜5を形成する。
【0006】
つぎに、図27に示すように、第1導電型半導体基板1に第2導電型の低濃度不純物を注入した後、ゲート電極4の側面に第1の側壁絶縁膜6を形成し、さらに第1導電型半導体基板1に第2導電型の不純物を注入することによりソース領域およびドレイン領域となる第2導電型拡散層8を形成する。
【0007】
つぎに、図28に示すように、全面に第1の電極材料を堆積しエッチバックすることにより、第2導電型拡散層8上に第1の電極9を形成する。
【0008】
つぎに、図29に示すように、絶縁膜5を選択的に除去した後に、ゲート電極4の上面および第1の電極9の上面に金属シリサイド層11の形成を行う。
【0009】
つぎに、図30に示すように、金属シリサイド層11の上に層間絶縁膜12を形成し、層間絶縁膜12にゲート電極4および第1の電極9と接続するためのコンタクト開口13を形成する。
【0010】
つぎに、図示は省略しているが、金属配線形成工程、保護膜形成工程、ワイヤボンディング工程を行う。
【0011】
【特許文献1】
特開平5−029246号公報(第2頁段落0009〜第3頁段落0018、第1図)
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の装置、製造方法では、半導体装置の微細化に伴い、第1の電極9とゲート電極4との間の寄生容量が大きくなるという課題がある。
【0013】
また、図29に示したように、第1の電極9の金属シリサイド化により抵抗低減を行っているが、第1の電極9の上面部にしか金属シリサイド層の形成を行うことができない。したがって、半導体装置の微細化に伴って第1の電極9のアスペクト比が大きくなるに従い、第1の電極9の抵抗値が増大するという課題がある。
【0014】
本発明の目的は、ソース領域またはドレイン領域に接続される電極とゲート電極との間の寄生容量を低下させ、動作の高速化を容易に実現することができる半導体装置およびその製造方法を提供することである。
【0015】
本発明の他の目的は、ソース領域またはドレイン領域に接続される電極の抵抗を低下させ、動作の高速化を容易に実現することができる半導体装置およびその製造方法を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の第1の半導体装置は、半導体基板上に絶縁ゲート型電界効果トランジスタが形成されているもので、絶縁ゲート型電界効果トランジスタのゲート電極と、絶縁ゲート型電界効果トランジスタのソース領域またはドレイン領域と接続された電極とを絶縁分離する絶縁領域内に空間層を有することを特徴とする。
【0017】
このような構成とすることで、従来の半導体装置に比べ、絶縁ゲート型電界効果トランジスタのゲート電極と絶縁ゲート型電界効果トランジスタのソース領域またはドレイン領域と接続された電極との間の寄生容量がより小さくなり、半導体装置の動作の高速化が容易になる。
【0018】
また、本発明の第2の半導体装置は、半導体基板上に絶縁ゲート型電界効果トランジスタが形成されているもので、絶縁ゲート型電界効果トランジスタのゲート電極と、絶縁ゲート型電界効果トランジスタのソース領域またはドレイン領域と接続された電極とを絶縁分離する絶縁領域を有し、電極の上面および少なくとも側面の一部に金属シリサイド層を有することを特徴とする。
【0019】
このような構成とすることで、従来の半導体装置に比べ、絶縁ゲート型電界効果トランジスタのソース領域またはドレイン領域と接続された電極の抵抗がより小さくなり、半導体装置の動作の高速化が容易になる。
【0020】
また、本発明の第3の半導体装置は、半導体基板上に絶縁ゲート型電界効果トランジスタが形成されているもので、絶縁ゲート型電界効果トランジスタのゲート電極と、絶縁ゲート型電界効果トランジスタのソース領域またはドレイン領域と接続された電極とを絶縁分離する絶縁領域内に空間層を有し、かつ、上記の電極の上面および少なくとも側面の一部に金属シリサイド層を有することを特徴とする。
【0021】
このような構成とすることで、従来の半導体装置に比べ、絶縁ゲート型電界効果トランジスタのゲート電極と絶縁ゲート型電界効果トランジスタのソース領域またはドレイン領域と接続された電極との間の寄生容量がより小さくなり、かつ絶縁ゲート型電界効果トランジスタのソース領域またはドレイン領域と接続された電極の抵抗がより小さくなり、半導体装置の動作の高速化がさらに容易になる。
【0022】
また、本発明の第1の半導体装置の製造方法は、半導体基板上に絶縁ゲート型電界効果トランジスタのゲート絶縁膜およびゲート電極を形成する工程と、ゲート電極の側面上に複数層の側壁絶縁膜を積層形成する工程と、半導体基板中に絶縁ゲート型電界効果トランジスタのソース領域およびドレイン領域を形成する工程と、ソース領域またはドレイン領域に接続される電極を複数層の側壁絶縁膜の最外層に接するように形成する工程と、複数層の側壁絶縁膜のうちゲート電極の側面と直接接していない側壁絶縁膜のうちの少なくとも1層を選択的に除去して空間層を形成する工程とを含む。
【0023】
このような方法とすることで、従来の半導体装置に比べ、絶縁ゲート型電界効果トランジスタのゲート電極と絶縁ゲート型電界効果トランジスタのソース領域またはドレイン領域と接続された電極との間の寄生容量がより小さくなり、半導体装置の動作の高速化が容易になる。
【0024】
また、本発明の第2の半導体装置の製造方法は、半導体基板上に絶縁ゲート型電界効果トランジスタのゲート絶縁膜およびゲート電極を形成する工程と、ゲート電極の側面上に複数層の側壁絶縁膜を積層形成する工程と、半導体基板中に絶縁ゲート型電界効果トランジスタのソース領域およびドレイン領域を形成する工程と、ソース領域またはドレイン領域に接続される電極を複数層の側壁絶縁膜の最外層に接するように形成する工程と、複数層の側壁絶縁膜のうちの最外層を選択的に除去して空間層を形成する工程と、少なくとも電極上面および電極の空間層に面した側面の一部分を金属シリサイド化する工程とを含む。
【0025】
このような方法とすることで、従来の半導体装置に比べ、絶縁ゲート型電界効果トランジスタのソース領域またはドレイン領域と接続された電極の抵抗がより小さくなり、半導体装置の動作の高速化が容易になる。
【0026】
また、本発明の第2の半導体装置の製造方法において、少なくとも電極上面および電極の空間層に面した側面の一部分を金属シリサイド化する工程の後においても空間層を残存させることが好ましい。
【0027】
このような方法とすることで、従来の半導体装置に比べ、絶縁ゲート型電界効果トランジスタのゲート電極と絶縁ゲート型電界効果トランジスタのソース領域またはドレイン領域と接続された電極との間の寄生容量がより小さくなり、かつ絶縁ゲート型電界効果トランジスタのソース領域またはドレイン領域と接続された電極の抵抗がより小さくなり、半導体装置の動作の高速化がさらに容易になる。
【0028】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
図1に、本発明の半導体装置の第1の実施の形態を示す。この半導体装置は、第1導電型半導体基板1上に素子分離絶縁膜2、ゲート絶縁膜3およびゲート電極4を有し、第1導電型半導体基板1表面上に第2導電型拡散層8を有し、第1導電型半導体基板1上に第2導電型拡散層8と電気的に接続されている第1の電極9を有し、ゲート電極4の側面に第1の側壁絶縁膜6を有し、第1の電極9と第1の側壁絶縁膜6との間に空間部14を有する構造である。
【0029】
以下に、本発明の半導体装置の第1の実施の形態の製造方法について、図2〜図6を参照しながら説明する。
【0030】
まず、図2に示すように、第1導電型半導体基板1上に素子分離絶縁膜2を形成し、ゲート絶縁膜3、ゲート電極4および二酸化珪素膜による絶縁膜5を形成する。なお、絶縁膜5は窒化珪素膜でも良い。
【0031】
つぎに、図3に示すように、第1導電型半導体基板1に第2導電型の低濃度不純物を注入した後、ゲート電極4の側面に二酸化珪素膜50nmによる第1の側壁絶縁膜6および窒化珪素膜50nmによる第2の側壁絶縁膜7を形成し、さらに第1導電型半導体基板1に第2導電型の不純物を注入することによりソース領域およびドレイン領域となる第2導電型拡散層8を形成する。
【0032】
なお、第1の側壁絶縁膜6および第2の側壁絶縁膜7は、それぞれ、例えば窒化珪素膜50nmおよび二酸化珪素膜50nmでも良い。
【0033】
つぎに、図4に示すように、全面に第1の電極材料を堆積しエッチバックすることにより、第2導電型拡散層8上に第1の電極9を形成する。第1の電極材料としては、例えば第2導電型ポリシリコンを用いる。
【0034】
つぎに、図5に示すように、フッ化水素酸を用いて絶縁膜5を除去しゲート電極4の上面を露出させ、リン酸を用いて第2の側壁絶縁膜7を選択的に除去し空間層10の形成を行う。
【0035】
なお、絶縁膜5が窒化珪素膜の場合には、第2の側壁絶縁膜7と絶縁膜5とを同時にリン酸により除去することができる。また、絶縁膜5が二酸化珪素膜であり、第1の側壁絶縁膜6が窒化珪素膜であり、第2の側壁絶縁膜7が二酸化珪素膜であるときは、第2の側壁絶縁膜7と絶縁膜5とを同時にフッ化水素酸を用いて除去することができる。
【0036】
つぎに、図6に示すように、ゲート電極4および第1の電極9上に層間絶縁膜12を形成し、層間絶縁膜12にゲート電極4および第1の電極9と接続するためのコンタクト開口13を形成する。層間絶縁膜12をCVD法によって形成することにより、第1の電極9とゲート電極4との間に空間部14を形成する。この場合、空間部14は、内蔵され、密封された状態となる。
【0037】
なお、空間部14内には、層間絶縁膜12を形成する際の雰囲気ガスが存在すると考えられる。CVD法で用いるガスによって、空間部14内に存在するガスの種類は異なると考えられるが、例えば、窒素ガスが雰囲気ガスとして使用されることが多いので、その場合に例えば常圧の窒素ガスなどが空間部14内に存在する可能性が高いと考えられる。
【0038】
層間絶縁膜12の形成工程においては、例えばボロンおよびリンを含む二酸化珪素膜を、幅の狭い部分に堆積物が入り込みにくいように例えば常圧CVD法によって形成する。
【0039】
つぎに、図示は省略しているが、金属配線形成工程、保護膜形成工程、ワイヤボンディング工程を行う。
【0040】
この実施の形態の効果は、従来の半導体装置に比べ、ゲート電極4と第1の電極9との間の寄生容量がより小さくなることにより、半導体装置の動作の高速化が容易になることである。
【0041】
(第2の実施の形態)
図7に、本発明の半導体装置の第2の実施の形態を示す。この半導体装置は、第1導電型半導体基板1上に素子分離絶縁膜2、ゲート絶縁膜3およびゲート電極4を有し、第1導電型半導体基板1表面上に第2導電型拡散層8を有し、第1導電型半導体基板1上に第2導電型拡散層8と電気的に接続されている第1の電極9を有し、ゲート電極4と第1の電極9との間に第1の側壁絶縁膜6を有し、第1の電極9の上面、側面およびゲート電極4の上面に金属シリサイド層11を有する構造である。金属シリサイド層11の上面には、層間絶縁膜12が設けられ、さらにゲート電極4および第1の電極9に接続するためのコンタクト開口13が設けられている。
【0042】
以下に、本発明の半導体装置の第2の実施の形態の製造方法について、図2、図8〜図12を参照しながら説明する。
【0043】
まず、図2に示すように、第1導電型半導体基板1上に素子分離絶縁膜2を形成し、ゲート絶縁膜3、ゲート電極4および二酸化珪素膜による絶縁膜5を形成する。なお、絶縁膜5は窒化珪素膜でも良い。
【0044】
つぎに、図8に示すように、第1導電型半導体基板1に第2導電型の低濃度不純物を注入した後、ゲート電極4の側面に二酸化珪素膜100nmによる第1の側壁絶縁膜6および窒化珪素膜50nmによる第2の側壁絶縁膜7を形成し、さらに第1導電型半導体基板1に第2導電型の不純物を注入することによりソース領域およびドレイン領域となる第2導電型拡散層8を形成する。
【0045】
なお、第1の側壁絶縁膜6および第2の側壁絶縁膜7は、それぞれ、例えば窒化珪素膜100nmおよび二酸化珪素膜50nmでも良い。
【0046】
つぎに、図9に示すように、全面に第1の電極材料を堆積しエッチバックすることにより、第2導電型拡散層8上に第1の電極9を形成する。第1の電極材料としては、例えば第2導電型ポリシリコンを用いる。
【0047】
つぎに、図10に示すように、フッ化水素酸を用いて絶縁膜5を除去しゲート電極4の上面を露出させ、リン酸を用いて第2の側壁絶縁膜7を選択的に除去し空間層10の形成を行う。
【0048】
なお、絶縁膜5が窒化珪素膜の場合には、第2の側壁絶縁膜7と絶縁膜5とを同時にリン酸により除去することができる。また、絶縁膜5が二酸化珪素膜であり、第1の側壁絶縁膜6が窒化珪素膜であり、第2の側壁絶縁膜7が二酸化珪素膜であるときは、第2の側壁絶縁膜7と絶縁膜5とを同時にフッ化水素酸を用いて除去することができる。
【0049】
つぎに、図11に示すように、ゲート電極4の上面、第1の電極9の上面および第1の電極9の側面に金属シリサイド層11の形成を行う。第1の電極9の側面に形成された金属シリサイド層11により、空間層10は埋め込まれる。
【0050】
つぎに、図12に示すように、金属シリサイド層11の上に層間絶縁膜12を形成し、層間絶縁膜12にゲート電極4および第1の電極9と接続するためのコンタクト開口13を形成する。
【0051】
つぎに、図示は省略しているが、金属配線形成工程、保護膜形成工程、ワイヤボンディング工程を行う。
【0052】
この実施の形態の効果は、従来の半導体装置に比べ、第1の電極9の抵抗がより小さくなることにより、半導体装置の動作の高速化が容易になることである。
【0053】
(第3の実施の形態)
図13に、本発明の半導体装置の第3の実施の形態を示す。この半導体装置は、第1導電型半導体基板1上に素子分離絶縁膜2、ゲート絶縁膜3およびゲート電極4を有し、第1導電型半導体基板1表面上に第2導電型拡散層8を有し、第1導電型半導体基板1上に第2導電型拡散層8と電気的に接続されている第1の電極9を有し、ゲート電極4の側面に第1の側壁絶縁膜6を有し、第1の側壁絶縁膜6と第1の電極9との間に空間部14を有し、第1の電極9の上面、側面およびゲート電極4の上面に金属シリサイド層11を有する構造である。金属シリサイド層11の上面には、層間絶縁膜12が設けられ、さらにゲート電極4および第1の電極9に接続するためのコンタクト開口13が設けられている。
【0054】
以下に、本発明の半導体装置の第3の実施の形態の製造方法について、図2、図14〜図18を参照しながら説明する。
【0055】
まず、図2に示すように、第1導電型半導体基板1上に素子分離絶縁膜2を形成し、ゲート絶縁膜3、ゲート電極4および二酸化珪素膜による絶縁膜5を形成する。なお、絶縁膜5は窒化珪素膜でも良い。
【0056】
つぎに、図14に示すように、第1導電型半導体基板1に第2導電型の低濃度不純物を注入した後、ゲート電極4の側面に二酸化珪素膜50nmによる第1の側壁絶縁膜6および窒化珪素膜100nmによる第2の側壁絶縁膜7を形成し、さらに第1導電型半導体基板1に第2導電型の不純物を注入することによりソース領域およびドレイン領域となる第2導電型拡散層8を形成する。ここで、第2の側壁絶縁膜7の厚さを調節し、図17において第1の電極9の側面に金属シリサイド層11を形成した後にも、第1の電極9とゲート電極4との間に空間層10が残るようにしている。
【0057】
なお、第1の側壁絶縁膜6および第2の側壁絶縁膜7は、それぞれ、例えば窒化珪素膜50nmおよび二酸化珪素膜100nmでも良い。
【0058】
つぎに、図15に示すように、全面に第1の電極材料を堆積しエッチバックすることにより、第2導電型拡散層8上に第1の電極9を形成する。第1の電極材料としては、例えば、第2導電型ポリシリコンを用いる。
【0059】
つぎに、図16に示すように、フッ化水素酸を用いて絶縁膜5を除去しゲート電極4の上面を露出させ、リン酸を用いて第2の側壁絶縁膜7を選択的に除去し空間層10の形成を行う。
【0060】
なお、絶縁膜5が窒化珪素膜の場合には、第2の側壁絶縁膜7と絶縁膜5とを同時にリン酸により除去することができる。また、絶縁膜5が二酸化珪素膜であり、第1の側壁絶縁膜6が窒化珪素膜であり、第2の側壁絶縁膜7が二酸化珪素膜であるときは、第2の側壁絶縁膜7と絶縁膜5とを同時にフッ化水素酸を用いて除去することができる。
【0061】
つぎに、図17に示すように、ゲート電極4の上面、第1の電極9の上面および第1の電極9の側面に金属シリサイド層11の形成を行う。第2の実施の形態と比べて、第2の側壁絶縁膜7の膜厚を厚くすることにより、第2の側壁絶縁膜7を除去した後の空間層10の幅が広くなっているため、金属シリサイド層11の形成の後にも空間層10が埋め込まれてしまうことなく残る。
【0062】
つぎに、図18に示すように、金属シリサイド層11の上に層間絶縁膜12を形成し、層間絶縁膜12にゲート電極4および第1の電極9と接続するためのコンタクト開口13を形成する。層間絶縁膜12をCVD法によって形成することにより、第1の電極9とゲート電極4との間に空間部14を形成する。この場合、空間部14は、内蔵され、密封された状態となる。
【0063】
層間絶縁膜12の形成工程においては、例えばボロンおよびリンを含む二酸化珪素膜を、幅の狭い部分に堆積物が入り込みにくいように例えば常圧CVD法によって形成する。
【0064】
つぎに、図示は省略しているが、金属配線形成工程、保護膜形成工程、ワイヤボンディング工程を行う。
【0065】
この実施の形態の効果は、従来の半導体装置に比べ、ゲート電極4と第1の電極9との間の寄生容量がより小さくなり、かつ、第1の電極9の抵抗がより小さくなることにより、半導体装置の動作の高速化がさらに容易になることである。
【0066】
(第4の実施の形態)
図19に、本発明の半導体装置の第4の実施の形態を示す。この半導体装置は、第1導電型半導体基板1上に素子分離絶縁膜2、ゲート絶縁膜3およびゲート電極4を有し、第1導電型半導体基板1表面上に第2導電型拡散層8を有し、第1導電型半導体基板1上に第2導電型拡散層8と電気的に接続されている第1の電極9を有し、ゲート電極4の側面に第1の側壁絶縁膜6を有し、第1の電極の側面に第2の側壁絶縁膜7を有し、第1の側壁絶縁膜6と第2の側壁絶縁膜7との間に空間部14を有し、第1の電極9の上面およびゲート電極4の上面に金属シリサイド層11を有する構造である。金属シリサイド層11の上面には、層間絶縁膜12が設けられ、さらにゲート電極4および第1の電極9に接続するためのコンタクト開口13が設けられている。
【0067】
以下に、本発明の半導体装置の第4の実施の形態の製造方法について、図2、図20〜図24を参照しながら説明する。
【0068】
まず、図2に示すように、第1導電型半導体基板1上に素子分離絶縁膜2を形成し、ゲート絶縁膜3、ゲート電極4および二酸化珪素膜による絶縁膜5を形成する。なお、絶縁膜5は窒化珪素膜でも良い。
【0069】
つぎに、図20に示すように、第1導電型半導体基板1に第2導電型の低濃度不純物を注入した後、ゲート電極4の側面に二酸化珪素膜30nmによる第1の側壁絶縁膜6、窒化珪素膜40nmによる第3の側壁絶縁膜15および二酸化珪素膜30nmによる第2の側壁絶縁膜7を形成し、さらに第1導電型半導体基板1に第2導電型の不純物を注入することによりソース領域およびドレイン領域となる第2導電型拡散層8を形成する。
【0070】
なお、第1の側壁絶縁膜6、第3の側壁絶縁膜15および第2の側壁絶縁膜7は、それぞれ、例えば窒化珪素膜30nm、二酸化珪素膜40nmおよび窒化珪素膜30nmでも良い。
【0071】
つぎに、図21に示すように、全面に第1の電極材料を堆積しエッチバックすることにより、第2導電型拡散層8上に第1の電極9を形成する。第1の電極材料としては、例えば、第2導電型ポリシリコンを用いる。
【0072】
つぎに、図22に示すように、フッ化水素酸を用いて絶縁膜5を除去しゲート電極4の上面を露出させ、リン酸を用いて第3の側壁絶縁膜15を選択的に除去し空間層10の形成を行う。
【0073】
なお、絶縁膜5が窒化珪素膜の場合には、第3の側壁絶縁膜15と絶縁膜5とを同時にリン酸により除去することができる。また、絶縁膜5が二酸化珪素膜であり、第1の側壁絶縁膜6が窒化珪素膜であり、第3の側壁絶縁膜15が二酸化珪素膜であり、第2の側壁絶縁膜7が窒化珪素膜であるときは、第3の側壁絶縁膜15と絶縁膜5とを同時にフッ化水素酸を用いて除去することができる。
【0074】
つぎに、図23に示すように、ゲート電極4の上面、第1の電極9の上面に金属シリサイド層11の形成を行う。
【0075】
つぎに、図24に示すように、金属シリサイド層11の上に層間絶縁膜12を形成し、層間絶縁膜12にゲート電極4および第1の電極9と接続するためのコンタクト開口13を形成する。層間絶縁膜12をCVD法によって形成することにより、第1の側壁絶縁膜6と第2の側壁絶縁膜7との間に空間部14を形成する。この場合、空間部14は、内蔵され、密封された状態となる。
【0076】
層間絶縁膜12の形成工程においては、例えばボロンおよびリンを含む二酸化珪素膜を、幅の狭い部分に堆積物が入り込みにくいように例えば常圧CVD法によって形成する。
【0077】
つぎに、図示は省略しているが、金属配線形成工程、保護膜形成工程、ワイヤボンディング工程を行う。
【0078】
この実施の形態の効果は、従来の半導体装置に比べ、ゲート電極4と第1の電極9との間の寄生容量がより小さくなることにより、半導体装置の高速化が容易になり、また、第1の実施の形態に対してゲート電極4および第1の電極9の抵抗が小さく、半導体装置の高速化が容易になることである。
【0079】
【発明の効果】
本発明の第1の半導体装置によれば、絶縁ゲート型電界効果トランジスタのゲート電極と、絶縁ゲート型電界効果トランジスタのソース領域またはドレイン領域と接続された電極とを絶縁分離する絶縁領域内に空間層を有するので、従来の半導体装置に比べ、絶縁ゲート型電界効果トランジスタのゲート電極と絶縁ゲート型電界効果トランジスタのソース領域またはドレイン領域と接続された電極との間の寄生容量がより小さくなり、半導体装置の動作の高速化が容易になる。
【0080】
本発明の第2の半導体装置によれば、絶縁ゲート型電界効果トランジスタのゲート電極と、絶縁ゲート型電界効果トランジスタのソース領域またはドレイン領域と接続された電極とを絶縁分離する絶縁領域を有し、電極の上面および少なくとも側面の一部に金属シリサイド層を有するので、従来の半導体装置に比べ、絶縁ゲート型電界効果トランジスタのソース領域またはドレイン領域と接続された電極の抵抗がより小さくなり、半導体装置の動作の高速化が容易になる。
【0081】
本発明の第3の半導体装置によれば、絶縁ゲート型電界効果トランジスタのゲート電極と、絶縁ゲート型電界効果トランジスタのソース領域またはドレイン領域と接続された電極とを絶縁分離する絶縁領域内に空間層を有し、かつ、上記の電極の上面および少なくとも側面の一部に金属シリサイド層を有するので、従来の半導体装置に比べ、絶縁ゲート型電界効果トランジスタのゲート電極と絶縁ゲート型電界効果トランジスタのソース領域またはドレイン領域と接続された電極との間の寄生容量がより小さくなり、かつ絶縁ゲート型電界効果トランジスタのソース領域またはドレイン領域と接続された電極の抵抗がより小さくなり、半導体装置の動作の高速化がさらに容易になる。
【0082】
本発明の第1の半導体装置の製造方法によれば、絶縁ゲート型電界効果トランジスタのゲート電極の側面上に複数層の側壁絶縁膜を積層形成し、絶縁ゲート型電界効果トランジスタのソース領域またはドレイン領域に接続される電極を複数層の側壁絶縁膜の最外層に接するように形成し、複数層の側壁絶縁膜のうちゲート電極の側面と直接接していない側壁絶縁膜のうちの少なくとも1層を選択的に除去して空間層を形成するので、絶縁ゲート型電界効果トランジスタのゲート電極と絶縁ゲート型電界効果トランジスタのソース領域またはドレイン領域と接続された電極との間の寄生容量がより小さくなり、半導体装置の動作の高速化が容易になる。
【0083】
本発明の第2の半導体装置の製造方法によれば、絶縁ゲート型電界効果トランジスタのゲート絶縁膜の側面上に複数層の側壁絶縁膜を積層形成し、絶縁ゲート型電界効果トランジスタのソース領域またはドレイン領域に接続される電極を複数層の側壁絶縁膜の最外層に接するように形成し、複数層の側壁絶縁膜のうちの最外層を選択的に除去して空間層を形成し、少なくとも電極上面および電極の空間層に面した側面の一部分を金属シリサイド化するので、従来の半導体装置に比べ、絶縁ゲート型電界効果トランジスタのソース領域またはドレイン領域と接続された電極の抵抗がより小さくなり、半導体装置の動作の高速化が容易になる。
【0084】
本発明の第2の半導体装置の製造方法において、少なくとも電極上面および電極の空間層に面した側面の一部分を金属シリサイド化する工程の後においても空間層を残存させることにより、従来の半導体装置に比べ、絶縁ゲート型電界効果トランジスタのゲート電極と絶縁ゲート型電界効果トランジスタのソース領域またはドレイン領域と接続された電極との間の寄生容量がより小さくなり、かつ絶縁ゲート型電界効果トランジスタのソース領域またはドレイン領域と接続された電極の抵抗がより小さくなり、半導体装置の動作の高速化がさらに容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る半導体装置の概略断面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程順概略断面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程順概略断面図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程順概略断面図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程順概略断面図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程順概略断面図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係る半導体装置の概略断面図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程順概略断面図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程順概略断面図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程順概略断面図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程順概略断面図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程順概略断面図である。
【図13】本発明の第3の実施の形態に係る半導体装置の概略断面図である。
【図14】本発明の第3の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程順概略断面図である。
【図15】本発明の第3の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程順概略断面図である。
【図16】本発明の第3の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程順概略断面図である。
【図17】本発明の第3の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程順概略断面図である。
【図18】本発明の第3の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程順概略断面図である。
【図19】本発明の第4の実施の形態に係る半導体装置の概略断面図である。
【図20】本発明の第4の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程順概略断面図である。
【図21】本発明の第4の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程順概略断面図である。
【図22】本発明の第4の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程順概略断面図である。
【図23】本発明の第4の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程順概略断面図である。
【図24】本発明の第4の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程順概略断面図である。
【図25】従来の技術に係る半導体装置の概略断面図である。
【図26】従来の技術に係る半導体装置の製造方法を示す工程順概略断面図である。
【図27】従来の技術に係る半導体装置の製造方法を示す工程順概略断面図である。
【図28】従来の技術に係る半導体装置の製造方法を示す工程順概略断面図である。
【図29】従来の技術に係る半導体装置の製造方法を示す工程順概略断面図である。
【図30】従来の技術に係る半導体装置の製造方法を示す工程順概略断面図である。
【符号の説明】
1 第1導電型半導体基板
2 素子分離絶縁膜
3 ゲート絶縁膜
4 ゲート電極
5 絶縁膜
6 第1の側壁絶縁膜
7 第2の側壁絶縁膜
8 第2導電型拡散層
9 第1の電極
10 空間層
11 金属シリサイド層
12 層間絶縁膜
13 コンタクト開口
14 空間部
15 第3の側壁絶縁膜
【発明の属する技術分野】
本発明は、絶縁ゲート型電界効果トランジスタを含む半導体装置およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体装置の高速化が進むにつれて、コンタクト部分の低抵抗化、低容量化が必要になってきている。
【0003】
図25は絶縁ゲート型電界効果トランジスタを含む半導体装置の概略断面図である。従来例のポリプラグ構造を有する半導体装置は、図25に示すように、第1導電型半導体基板1上に素子分離絶縁膜2、ゲート絶縁膜3およびゲート電極4を有し、第1導電型半導体基板1表面上に第2導電型拡散層8を有し、第1導電型半導体基板1上に第2導電型拡散層8と電気的に接続されている第1の電極(ポリプラグ)9を有し、ゲート電極4と第1の電極9との間に第1の側壁絶縁膜6を有し、第1の電極9の上部とゲート電極4の上部に金属シリサイド層11を有する構造である。金属シリサイド層11の上面には、層間絶縁膜12が設けられ、さらにゲート電極4および第1の電極9に接続するためのコンタクト開口13が設けられている。(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
以下、従来の半導体装置の製造方法について、図26〜図30を参照しながら説明する。
【0005】
図26に示すように、第1導電型半導体基板1上に素子分離絶縁膜2を形成し、ゲート絶縁膜3、ゲート電極4および絶縁膜5を形成する。
【0006】
つぎに、図27に示すように、第1導電型半導体基板1に第2導電型の低濃度不純物を注入した後、ゲート電極4の側面に第1の側壁絶縁膜6を形成し、さらに第1導電型半導体基板1に第2導電型の不純物を注入することによりソース領域およびドレイン領域となる第2導電型拡散層8を形成する。
【0007】
つぎに、図28に示すように、全面に第1の電極材料を堆積しエッチバックすることにより、第2導電型拡散層8上に第1の電極9を形成する。
【0008】
つぎに、図29に示すように、絶縁膜5を選択的に除去した後に、ゲート電極4の上面および第1の電極9の上面に金属シリサイド層11の形成を行う。
【0009】
つぎに、図30に示すように、金属シリサイド層11の上に層間絶縁膜12を形成し、層間絶縁膜12にゲート電極4および第1の電極9と接続するためのコンタクト開口13を形成する。
【0010】
つぎに、図示は省略しているが、金属配線形成工程、保護膜形成工程、ワイヤボンディング工程を行う。
【0011】
【特許文献1】
特開平5−029246号公報(第2頁段落0009〜第3頁段落0018、第1図)
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の装置、製造方法では、半導体装置の微細化に伴い、第1の電極9とゲート電極4との間の寄生容量が大きくなるという課題がある。
【0013】
また、図29に示したように、第1の電極9の金属シリサイド化により抵抗低減を行っているが、第1の電極9の上面部にしか金属シリサイド層の形成を行うことができない。したがって、半導体装置の微細化に伴って第1の電極9のアスペクト比が大きくなるに従い、第1の電極9の抵抗値が増大するという課題がある。
【0014】
本発明の目的は、ソース領域またはドレイン領域に接続される電極とゲート電極との間の寄生容量を低下させ、動作の高速化を容易に実現することができる半導体装置およびその製造方法を提供することである。
【0015】
本発明の他の目的は、ソース領域またはドレイン領域に接続される電極の抵抗を低下させ、動作の高速化を容易に実現することができる半導体装置およびその製造方法を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の第1の半導体装置は、半導体基板上に絶縁ゲート型電界効果トランジスタが形成されているもので、絶縁ゲート型電界効果トランジスタのゲート電極と、絶縁ゲート型電界効果トランジスタのソース領域またはドレイン領域と接続された電極とを絶縁分離する絶縁領域内に空間層を有することを特徴とする。
【0017】
このような構成とすることで、従来の半導体装置に比べ、絶縁ゲート型電界効果トランジスタのゲート電極と絶縁ゲート型電界効果トランジスタのソース領域またはドレイン領域と接続された電極との間の寄生容量がより小さくなり、半導体装置の動作の高速化が容易になる。
【0018】
また、本発明の第2の半導体装置は、半導体基板上に絶縁ゲート型電界効果トランジスタが形成されているもので、絶縁ゲート型電界効果トランジスタのゲート電極と、絶縁ゲート型電界効果トランジスタのソース領域またはドレイン領域と接続された電極とを絶縁分離する絶縁領域を有し、電極の上面および少なくとも側面の一部に金属シリサイド層を有することを特徴とする。
【0019】
このような構成とすることで、従来の半導体装置に比べ、絶縁ゲート型電界効果トランジスタのソース領域またはドレイン領域と接続された電極の抵抗がより小さくなり、半導体装置の動作の高速化が容易になる。
【0020】
また、本発明の第3の半導体装置は、半導体基板上に絶縁ゲート型電界効果トランジスタが形成されているもので、絶縁ゲート型電界効果トランジスタのゲート電極と、絶縁ゲート型電界効果トランジスタのソース領域またはドレイン領域と接続された電極とを絶縁分離する絶縁領域内に空間層を有し、かつ、上記の電極の上面および少なくとも側面の一部に金属シリサイド層を有することを特徴とする。
【0021】
このような構成とすることで、従来の半導体装置に比べ、絶縁ゲート型電界効果トランジスタのゲート電極と絶縁ゲート型電界効果トランジスタのソース領域またはドレイン領域と接続された電極との間の寄生容量がより小さくなり、かつ絶縁ゲート型電界効果トランジスタのソース領域またはドレイン領域と接続された電極の抵抗がより小さくなり、半導体装置の動作の高速化がさらに容易になる。
【0022】
また、本発明の第1の半導体装置の製造方法は、半導体基板上に絶縁ゲート型電界効果トランジスタのゲート絶縁膜およびゲート電極を形成する工程と、ゲート電極の側面上に複数層の側壁絶縁膜を積層形成する工程と、半導体基板中に絶縁ゲート型電界効果トランジスタのソース領域およびドレイン領域を形成する工程と、ソース領域またはドレイン領域に接続される電極を複数層の側壁絶縁膜の最外層に接するように形成する工程と、複数層の側壁絶縁膜のうちゲート電極の側面と直接接していない側壁絶縁膜のうちの少なくとも1層を選択的に除去して空間層を形成する工程とを含む。
【0023】
このような方法とすることで、従来の半導体装置に比べ、絶縁ゲート型電界効果トランジスタのゲート電極と絶縁ゲート型電界効果トランジスタのソース領域またはドレイン領域と接続された電極との間の寄生容量がより小さくなり、半導体装置の動作の高速化が容易になる。
【0024】
また、本発明の第2の半導体装置の製造方法は、半導体基板上に絶縁ゲート型電界効果トランジスタのゲート絶縁膜およびゲート電極を形成する工程と、ゲート電極の側面上に複数層の側壁絶縁膜を積層形成する工程と、半導体基板中に絶縁ゲート型電界効果トランジスタのソース領域およびドレイン領域を形成する工程と、ソース領域またはドレイン領域に接続される電極を複数層の側壁絶縁膜の最外層に接するように形成する工程と、複数層の側壁絶縁膜のうちの最外層を選択的に除去して空間層を形成する工程と、少なくとも電極上面および電極の空間層に面した側面の一部分を金属シリサイド化する工程とを含む。
【0025】
このような方法とすることで、従来の半導体装置に比べ、絶縁ゲート型電界効果トランジスタのソース領域またはドレイン領域と接続された電極の抵抗がより小さくなり、半導体装置の動作の高速化が容易になる。
【0026】
また、本発明の第2の半導体装置の製造方法において、少なくとも電極上面および電極の空間層に面した側面の一部分を金属シリサイド化する工程の後においても空間層を残存させることが好ましい。
【0027】
このような方法とすることで、従来の半導体装置に比べ、絶縁ゲート型電界効果トランジスタのゲート電極と絶縁ゲート型電界効果トランジスタのソース領域またはドレイン領域と接続された電極との間の寄生容量がより小さくなり、かつ絶縁ゲート型電界効果トランジスタのソース領域またはドレイン領域と接続された電極の抵抗がより小さくなり、半導体装置の動作の高速化がさらに容易になる。
【0028】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
図1に、本発明の半導体装置の第1の実施の形態を示す。この半導体装置は、第1導電型半導体基板1上に素子分離絶縁膜2、ゲート絶縁膜3およびゲート電極4を有し、第1導電型半導体基板1表面上に第2導電型拡散層8を有し、第1導電型半導体基板1上に第2導電型拡散層8と電気的に接続されている第1の電極9を有し、ゲート電極4の側面に第1の側壁絶縁膜6を有し、第1の電極9と第1の側壁絶縁膜6との間に空間部14を有する構造である。
【0029】
以下に、本発明の半導体装置の第1の実施の形態の製造方法について、図2〜図6を参照しながら説明する。
【0030】
まず、図2に示すように、第1導電型半導体基板1上に素子分離絶縁膜2を形成し、ゲート絶縁膜3、ゲート電極4および二酸化珪素膜による絶縁膜5を形成する。なお、絶縁膜5は窒化珪素膜でも良い。
【0031】
つぎに、図3に示すように、第1導電型半導体基板1に第2導電型の低濃度不純物を注入した後、ゲート電極4の側面に二酸化珪素膜50nmによる第1の側壁絶縁膜6および窒化珪素膜50nmによる第2の側壁絶縁膜7を形成し、さらに第1導電型半導体基板1に第2導電型の不純物を注入することによりソース領域およびドレイン領域となる第2導電型拡散層8を形成する。
【0032】
なお、第1の側壁絶縁膜6および第2の側壁絶縁膜7は、それぞれ、例えば窒化珪素膜50nmおよび二酸化珪素膜50nmでも良い。
【0033】
つぎに、図4に示すように、全面に第1の電極材料を堆積しエッチバックすることにより、第2導電型拡散層8上に第1の電極9を形成する。第1の電極材料としては、例えば第2導電型ポリシリコンを用いる。
【0034】
つぎに、図5に示すように、フッ化水素酸を用いて絶縁膜5を除去しゲート電極4の上面を露出させ、リン酸を用いて第2の側壁絶縁膜7を選択的に除去し空間層10の形成を行う。
【0035】
なお、絶縁膜5が窒化珪素膜の場合には、第2の側壁絶縁膜7と絶縁膜5とを同時にリン酸により除去することができる。また、絶縁膜5が二酸化珪素膜であり、第1の側壁絶縁膜6が窒化珪素膜であり、第2の側壁絶縁膜7が二酸化珪素膜であるときは、第2の側壁絶縁膜7と絶縁膜5とを同時にフッ化水素酸を用いて除去することができる。
【0036】
つぎに、図6に示すように、ゲート電極4および第1の電極9上に層間絶縁膜12を形成し、層間絶縁膜12にゲート電極4および第1の電極9と接続するためのコンタクト開口13を形成する。層間絶縁膜12をCVD法によって形成することにより、第1の電極9とゲート電極4との間に空間部14を形成する。この場合、空間部14は、内蔵され、密封された状態となる。
【0037】
なお、空間部14内には、層間絶縁膜12を形成する際の雰囲気ガスが存在すると考えられる。CVD法で用いるガスによって、空間部14内に存在するガスの種類は異なると考えられるが、例えば、窒素ガスが雰囲気ガスとして使用されることが多いので、その場合に例えば常圧の窒素ガスなどが空間部14内に存在する可能性が高いと考えられる。
【0038】
層間絶縁膜12の形成工程においては、例えばボロンおよびリンを含む二酸化珪素膜を、幅の狭い部分に堆積物が入り込みにくいように例えば常圧CVD法によって形成する。
【0039】
つぎに、図示は省略しているが、金属配線形成工程、保護膜形成工程、ワイヤボンディング工程を行う。
【0040】
この実施の形態の効果は、従来の半導体装置に比べ、ゲート電極4と第1の電極9との間の寄生容量がより小さくなることにより、半導体装置の動作の高速化が容易になることである。
【0041】
(第2の実施の形態)
図7に、本発明の半導体装置の第2の実施の形態を示す。この半導体装置は、第1導電型半導体基板1上に素子分離絶縁膜2、ゲート絶縁膜3およびゲート電極4を有し、第1導電型半導体基板1表面上に第2導電型拡散層8を有し、第1導電型半導体基板1上に第2導電型拡散層8と電気的に接続されている第1の電極9を有し、ゲート電極4と第1の電極9との間に第1の側壁絶縁膜6を有し、第1の電極9の上面、側面およびゲート電極4の上面に金属シリサイド層11を有する構造である。金属シリサイド層11の上面には、層間絶縁膜12が設けられ、さらにゲート電極4および第1の電極9に接続するためのコンタクト開口13が設けられている。
【0042】
以下に、本発明の半導体装置の第2の実施の形態の製造方法について、図2、図8〜図12を参照しながら説明する。
【0043】
まず、図2に示すように、第1導電型半導体基板1上に素子分離絶縁膜2を形成し、ゲート絶縁膜3、ゲート電極4および二酸化珪素膜による絶縁膜5を形成する。なお、絶縁膜5は窒化珪素膜でも良い。
【0044】
つぎに、図8に示すように、第1導電型半導体基板1に第2導電型の低濃度不純物を注入した後、ゲート電極4の側面に二酸化珪素膜100nmによる第1の側壁絶縁膜6および窒化珪素膜50nmによる第2の側壁絶縁膜7を形成し、さらに第1導電型半導体基板1に第2導電型の不純物を注入することによりソース領域およびドレイン領域となる第2導電型拡散層8を形成する。
【0045】
なお、第1の側壁絶縁膜6および第2の側壁絶縁膜7は、それぞれ、例えば窒化珪素膜100nmおよび二酸化珪素膜50nmでも良い。
【0046】
つぎに、図9に示すように、全面に第1の電極材料を堆積しエッチバックすることにより、第2導電型拡散層8上に第1の電極9を形成する。第1の電極材料としては、例えば第2導電型ポリシリコンを用いる。
【0047】
つぎに、図10に示すように、フッ化水素酸を用いて絶縁膜5を除去しゲート電極4の上面を露出させ、リン酸を用いて第2の側壁絶縁膜7を選択的に除去し空間層10の形成を行う。
【0048】
なお、絶縁膜5が窒化珪素膜の場合には、第2の側壁絶縁膜7と絶縁膜5とを同時にリン酸により除去することができる。また、絶縁膜5が二酸化珪素膜であり、第1の側壁絶縁膜6が窒化珪素膜であり、第2の側壁絶縁膜7が二酸化珪素膜であるときは、第2の側壁絶縁膜7と絶縁膜5とを同時にフッ化水素酸を用いて除去することができる。
【0049】
つぎに、図11に示すように、ゲート電極4の上面、第1の電極9の上面および第1の電極9の側面に金属シリサイド層11の形成を行う。第1の電極9の側面に形成された金属シリサイド層11により、空間層10は埋め込まれる。
【0050】
つぎに、図12に示すように、金属シリサイド層11の上に層間絶縁膜12を形成し、層間絶縁膜12にゲート電極4および第1の電極9と接続するためのコンタクト開口13を形成する。
【0051】
つぎに、図示は省略しているが、金属配線形成工程、保護膜形成工程、ワイヤボンディング工程を行う。
【0052】
この実施の形態の効果は、従来の半導体装置に比べ、第1の電極9の抵抗がより小さくなることにより、半導体装置の動作の高速化が容易になることである。
【0053】
(第3の実施の形態)
図13に、本発明の半導体装置の第3の実施の形態を示す。この半導体装置は、第1導電型半導体基板1上に素子分離絶縁膜2、ゲート絶縁膜3およびゲート電極4を有し、第1導電型半導体基板1表面上に第2導電型拡散層8を有し、第1導電型半導体基板1上に第2導電型拡散層8と電気的に接続されている第1の電極9を有し、ゲート電極4の側面に第1の側壁絶縁膜6を有し、第1の側壁絶縁膜6と第1の電極9との間に空間部14を有し、第1の電極9の上面、側面およびゲート電極4の上面に金属シリサイド層11を有する構造である。金属シリサイド層11の上面には、層間絶縁膜12が設けられ、さらにゲート電極4および第1の電極9に接続するためのコンタクト開口13が設けられている。
【0054】
以下に、本発明の半導体装置の第3の実施の形態の製造方法について、図2、図14〜図18を参照しながら説明する。
【0055】
まず、図2に示すように、第1導電型半導体基板1上に素子分離絶縁膜2を形成し、ゲート絶縁膜3、ゲート電極4および二酸化珪素膜による絶縁膜5を形成する。なお、絶縁膜5は窒化珪素膜でも良い。
【0056】
つぎに、図14に示すように、第1導電型半導体基板1に第2導電型の低濃度不純物を注入した後、ゲート電極4の側面に二酸化珪素膜50nmによる第1の側壁絶縁膜6および窒化珪素膜100nmによる第2の側壁絶縁膜7を形成し、さらに第1導電型半導体基板1に第2導電型の不純物を注入することによりソース領域およびドレイン領域となる第2導電型拡散層8を形成する。ここで、第2の側壁絶縁膜7の厚さを調節し、図17において第1の電極9の側面に金属シリサイド層11を形成した後にも、第1の電極9とゲート電極4との間に空間層10が残るようにしている。
【0057】
なお、第1の側壁絶縁膜6および第2の側壁絶縁膜7は、それぞれ、例えば窒化珪素膜50nmおよび二酸化珪素膜100nmでも良い。
【0058】
つぎに、図15に示すように、全面に第1の電極材料を堆積しエッチバックすることにより、第2導電型拡散層8上に第1の電極9を形成する。第1の電極材料としては、例えば、第2導電型ポリシリコンを用いる。
【0059】
つぎに、図16に示すように、フッ化水素酸を用いて絶縁膜5を除去しゲート電極4の上面を露出させ、リン酸を用いて第2の側壁絶縁膜7を選択的に除去し空間層10の形成を行う。
【0060】
なお、絶縁膜5が窒化珪素膜の場合には、第2の側壁絶縁膜7と絶縁膜5とを同時にリン酸により除去することができる。また、絶縁膜5が二酸化珪素膜であり、第1の側壁絶縁膜6が窒化珪素膜であり、第2の側壁絶縁膜7が二酸化珪素膜であるときは、第2の側壁絶縁膜7と絶縁膜5とを同時にフッ化水素酸を用いて除去することができる。
【0061】
つぎに、図17に示すように、ゲート電極4の上面、第1の電極9の上面および第1の電極9の側面に金属シリサイド層11の形成を行う。第2の実施の形態と比べて、第2の側壁絶縁膜7の膜厚を厚くすることにより、第2の側壁絶縁膜7を除去した後の空間層10の幅が広くなっているため、金属シリサイド層11の形成の後にも空間層10が埋め込まれてしまうことなく残る。
【0062】
つぎに、図18に示すように、金属シリサイド層11の上に層間絶縁膜12を形成し、層間絶縁膜12にゲート電極4および第1の電極9と接続するためのコンタクト開口13を形成する。層間絶縁膜12をCVD法によって形成することにより、第1の電極9とゲート電極4との間に空間部14を形成する。この場合、空間部14は、内蔵され、密封された状態となる。
【0063】
層間絶縁膜12の形成工程においては、例えばボロンおよびリンを含む二酸化珪素膜を、幅の狭い部分に堆積物が入り込みにくいように例えば常圧CVD法によって形成する。
【0064】
つぎに、図示は省略しているが、金属配線形成工程、保護膜形成工程、ワイヤボンディング工程を行う。
【0065】
この実施の形態の効果は、従来の半導体装置に比べ、ゲート電極4と第1の電極9との間の寄生容量がより小さくなり、かつ、第1の電極9の抵抗がより小さくなることにより、半導体装置の動作の高速化がさらに容易になることである。
【0066】
(第4の実施の形態)
図19に、本発明の半導体装置の第4の実施の形態を示す。この半導体装置は、第1導電型半導体基板1上に素子分離絶縁膜2、ゲート絶縁膜3およびゲート電極4を有し、第1導電型半導体基板1表面上に第2導電型拡散層8を有し、第1導電型半導体基板1上に第2導電型拡散層8と電気的に接続されている第1の電極9を有し、ゲート電極4の側面に第1の側壁絶縁膜6を有し、第1の電極の側面に第2の側壁絶縁膜7を有し、第1の側壁絶縁膜6と第2の側壁絶縁膜7との間に空間部14を有し、第1の電極9の上面およびゲート電極4の上面に金属シリサイド層11を有する構造である。金属シリサイド層11の上面には、層間絶縁膜12が設けられ、さらにゲート電極4および第1の電極9に接続するためのコンタクト開口13が設けられている。
【0067】
以下に、本発明の半導体装置の第4の実施の形態の製造方法について、図2、図20〜図24を参照しながら説明する。
【0068】
まず、図2に示すように、第1導電型半導体基板1上に素子分離絶縁膜2を形成し、ゲート絶縁膜3、ゲート電極4および二酸化珪素膜による絶縁膜5を形成する。なお、絶縁膜5は窒化珪素膜でも良い。
【0069】
つぎに、図20に示すように、第1導電型半導体基板1に第2導電型の低濃度不純物を注入した後、ゲート電極4の側面に二酸化珪素膜30nmによる第1の側壁絶縁膜6、窒化珪素膜40nmによる第3の側壁絶縁膜15および二酸化珪素膜30nmによる第2の側壁絶縁膜7を形成し、さらに第1導電型半導体基板1に第2導電型の不純物を注入することによりソース領域およびドレイン領域となる第2導電型拡散層8を形成する。
【0070】
なお、第1の側壁絶縁膜6、第3の側壁絶縁膜15および第2の側壁絶縁膜7は、それぞれ、例えば窒化珪素膜30nm、二酸化珪素膜40nmおよび窒化珪素膜30nmでも良い。
【0071】
つぎに、図21に示すように、全面に第1の電極材料を堆積しエッチバックすることにより、第2導電型拡散層8上に第1の電極9を形成する。第1の電極材料としては、例えば、第2導電型ポリシリコンを用いる。
【0072】
つぎに、図22に示すように、フッ化水素酸を用いて絶縁膜5を除去しゲート電極4の上面を露出させ、リン酸を用いて第3の側壁絶縁膜15を選択的に除去し空間層10の形成を行う。
【0073】
なお、絶縁膜5が窒化珪素膜の場合には、第3の側壁絶縁膜15と絶縁膜5とを同時にリン酸により除去することができる。また、絶縁膜5が二酸化珪素膜であり、第1の側壁絶縁膜6が窒化珪素膜であり、第3の側壁絶縁膜15が二酸化珪素膜であり、第2の側壁絶縁膜7が窒化珪素膜であるときは、第3の側壁絶縁膜15と絶縁膜5とを同時にフッ化水素酸を用いて除去することができる。
【0074】
つぎに、図23に示すように、ゲート電極4の上面、第1の電極9の上面に金属シリサイド層11の形成を行う。
【0075】
つぎに、図24に示すように、金属シリサイド層11の上に層間絶縁膜12を形成し、層間絶縁膜12にゲート電極4および第1の電極9と接続するためのコンタクト開口13を形成する。層間絶縁膜12をCVD法によって形成することにより、第1の側壁絶縁膜6と第2の側壁絶縁膜7との間に空間部14を形成する。この場合、空間部14は、内蔵され、密封された状態となる。
【0076】
層間絶縁膜12の形成工程においては、例えばボロンおよびリンを含む二酸化珪素膜を、幅の狭い部分に堆積物が入り込みにくいように例えば常圧CVD法によって形成する。
【0077】
つぎに、図示は省略しているが、金属配線形成工程、保護膜形成工程、ワイヤボンディング工程を行う。
【0078】
この実施の形態の効果は、従来の半導体装置に比べ、ゲート電極4と第1の電極9との間の寄生容量がより小さくなることにより、半導体装置の高速化が容易になり、また、第1の実施の形態に対してゲート電極4および第1の電極9の抵抗が小さく、半導体装置の高速化が容易になることである。
【0079】
【発明の効果】
本発明の第1の半導体装置によれば、絶縁ゲート型電界効果トランジスタのゲート電極と、絶縁ゲート型電界効果トランジスタのソース領域またはドレイン領域と接続された電極とを絶縁分離する絶縁領域内に空間層を有するので、従来の半導体装置に比べ、絶縁ゲート型電界効果トランジスタのゲート電極と絶縁ゲート型電界効果トランジスタのソース領域またはドレイン領域と接続された電極との間の寄生容量がより小さくなり、半導体装置の動作の高速化が容易になる。
【0080】
本発明の第2の半導体装置によれば、絶縁ゲート型電界効果トランジスタのゲート電極と、絶縁ゲート型電界効果トランジスタのソース領域またはドレイン領域と接続された電極とを絶縁分離する絶縁領域を有し、電極の上面および少なくとも側面の一部に金属シリサイド層を有するので、従来の半導体装置に比べ、絶縁ゲート型電界効果トランジスタのソース領域またはドレイン領域と接続された電極の抵抗がより小さくなり、半導体装置の動作の高速化が容易になる。
【0081】
本発明の第3の半導体装置によれば、絶縁ゲート型電界効果トランジスタのゲート電極と、絶縁ゲート型電界効果トランジスタのソース領域またはドレイン領域と接続された電極とを絶縁分離する絶縁領域内に空間層を有し、かつ、上記の電極の上面および少なくとも側面の一部に金属シリサイド層を有するので、従来の半導体装置に比べ、絶縁ゲート型電界効果トランジスタのゲート電極と絶縁ゲート型電界効果トランジスタのソース領域またはドレイン領域と接続された電極との間の寄生容量がより小さくなり、かつ絶縁ゲート型電界効果トランジスタのソース領域またはドレイン領域と接続された電極の抵抗がより小さくなり、半導体装置の動作の高速化がさらに容易になる。
【0082】
本発明の第1の半導体装置の製造方法によれば、絶縁ゲート型電界効果トランジスタのゲート電極の側面上に複数層の側壁絶縁膜を積層形成し、絶縁ゲート型電界効果トランジスタのソース領域またはドレイン領域に接続される電極を複数層の側壁絶縁膜の最外層に接するように形成し、複数層の側壁絶縁膜のうちゲート電極の側面と直接接していない側壁絶縁膜のうちの少なくとも1層を選択的に除去して空間層を形成するので、絶縁ゲート型電界効果トランジスタのゲート電極と絶縁ゲート型電界効果トランジスタのソース領域またはドレイン領域と接続された電極との間の寄生容量がより小さくなり、半導体装置の動作の高速化が容易になる。
【0083】
本発明の第2の半導体装置の製造方法によれば、絶縁ゲート型電界効果トランジスタのゲート絶縁膜の側面上に複数層の側壁絶縁膜を積層形成し、絶縁ゲート型電界効果トランジスタのソース領域またはドレイン領域に接続される電極を複数層の側壁絶縁膜の最外層に接するように形成し、複数層の側壁絶縁膜のうちの最外層を選択的に除去して空間層を形成し、少なくとも電極上面および電極の空間層に面した側面の一部分を金属シリサイド化するので、従来の半導体装置に比べ、絶縁ゲート型電界効果トランジスタのソース領域またはドレイン領域と接続された電極の抵抗がより小さくなり、半導体装置の動作の高速化が容易になる。
【0084】
本発明の第2の半導体装置の製造方法において、少なくとも電極上面および電極の空間層に面した側面の一部分を金属シリサイド化する工程の後においても空間層を残存させることにより、従来の半導体装置に比べ、絶縁ゲート型電界効果トランジスタのゲート電極と絶縁ゲート型電界効果トランジスタのソース領域またはドレイン領域と接続された電極との間の寄生容量がより小さくなり、かつ絶縁ゲート型電界効果トランジスタのソース領域またはドレイン領域と接続された電極の抵抗がより小さくなり、半導体装置の動作の高速化がさらに容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る半導体装置の概略断面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程順概略断面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程順概略断面図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程順概略断面図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程順概略断面図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程順概略断面図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係る半導体装置の概略断面図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程順概略断面図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程順概略断面図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程順概略断面図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程順概略断面図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程順概略断面図である。
【図13】本発明の第3の実施の形態に係る半導体装置の概略断面図である。
【図14】本発明の第3の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程順概略断面図である。
【図15】本発明の第3の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程順概略断面図である。
【図16】本発明の第3の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程順概略断面図である。
【図17】本発明の第3の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程順概略断面図である。
【図18】本発明の第3の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程順概略断面図である。
【図19】本発明の第4の実施の形態に係る半導体装置の概略断面図である。
【図20】本発明の第4の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程順概略断面図である。
【図21】本発明の第4の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程順概略断面図である。
【図22】本発明の第4の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程順概略断面図である。
【図23】本発明の第4の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程順概略断面図である。
【図24】本発明の第4の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程順概略断面図である。
【図25】従来の技術に係る半導体装置の概略断面図である。
【図26】従来の技術に係る半導体装置の製造方法を示す工程順概略断面図である。
【図27】従来の技術に係る半導体装置の製造方法を示す工程順概略断面図である。
【図28】従来の技術に係る半導体装置の製造方法を示す工程順概略断面図である。
【図29】従来の技術に係る半導体装置の製造方法を示す工程順概略断面図である。
【図30】従来の技術に係る半導体装置の製造方法を示す工程順概略断面図である。
【符号の説明】
1 第1導電型半導体基板
2 素子分離絶縁膜
3 ゲート絶縁膜
4 ゲート電極
5 絶縁膜
6 第1の側壁絶縁膜
7 第2の側壁絶縁膜
8 第2導電型拡散層
9 第1の電極
10 空間層
11 金属シリサイド層
12 層間絶縁膜
13 コンタクト開口
14 空間部
15 第3の側壁絶縁膜
Claims (11)
- 半導体基板上に絶縁ゲート型電界効果トランジスタが形成された半導体装置であって、
前記絶縁ゲート型電界効果トランジスタのゲート電極と、前記絶縁ゲート型電界効果トランジスタのソース領域またはドレイン領域と接続された電極とを絶縁分離する絶縁領域内に空間層を有することを特徴とする半導体装置。 - 半導体基板上に絶縁ゲート型電界効果トランジスタが形成された半導体装置であって、
前記絶縁ゲート型電界効果トランジスタのゲート電極と、前記絶縁ゲート型電界効果トランジスタのソース領域またはドレイン領域と接続された電極とを絶縁分離する絶縁領域を有し、前記電極の上面および少なくとも側面の一部に金属シリサイド層を有することを特徴とする半導体装置。 - 半導体基板上に絶縁ゲート型電界効果トランジスタが形成された半導体装置であって、
前記絶縁ゲート型電界効果トランジスタのゲート電極と、前記絶縁ゲート型電界効果トランジスタのソース領域またはドレイン領域と接続された電極とを絶縁分離する絶縁領域内に空間層を有し、かつ、前記電極の上面および少なくとも側面の一部に金属シリサイド層を有することを特徴とする半導体装置。 - 前記絶縁領域は、前記ゲート電極の側面に接して形成された第1の絶縁体層と、前記電極の側面に接して形成された第2の絶縁体層と、前記第1および第2の絶縁体層に挟まれた前記空間層とからなることを特徴とする請求項1または3に記載の半導体装置。
- 前記金属シリサイド層を前記ゲート電極の上面にも有していることを特徴とする請求項2,3,4のうちいずれか1つに記載の半導体装置。
- 前記空間層は、前記ゲート電極の側壁絶縁膜の側面に沿って形成されていることを特徴とする請求項1、3、4、5のうちいずれか1つに記載の半導体装置。
- 半導体基板上に絶縁ゲート型電界効果トランジスタのゲート絶縁膜およびゲート電極を形成する工程と、
前記ゲート電極の側面上に複数層の側壁絶縁膜を積層形成する工程と、
前記半導体基板中に前記絶縁ゲート型電界効果トランジスタのソース領域およびドレイン領域を形成する工程と、
前記ソース領域またはドレイン領域に接続される電極を前記複数層の側壁絶縁膜の最外層に接するように形成する工程と、
前記複数層の側壁絶縁膜のうち前記ゲート電極の側面と直接接していない側壁絶縁膜のうちの少なくとも1層を選択的に除去して空間層を形成する工程とを含む半導体装置の製造方法。 - 前記ゲート電極上面および前記電極上面を金属シリサイド化する工程をさらに含む請求項7に記載の半導体装置の製造方法。
- 半導体基板上に絶縁ゲート型電界効果トランジスタのゲート絶縁膜およびゲート電極を形成する工程と、
前記ゲート電極の側面上に複数層の側壁絶縁膜を積層形成する工程と、
前記半導体基板中に前記絶縁ゲート型電界効果トランジスタのソース領域およびドレイン領域を形成する工程と、
前記ソース領域またはドレイン領域に接続される電極を前記複数層の側壁絶縁膜の最外層に接するように形成する工程と、
前記複数層の側壁絶縁膜のうちの最外層を選択的に除去して空間層を形成する工程と、
少なくとも前記電極上面および前記電極の前記空間層に面した側面の一部分を金属シリサイド化する工程とを含む半導体装置の製造方法。 - 少なくとも前記電極上面および前記電極の前記空間層に面した側面の一部分を金属シリサイド化する工程の後においても、前記空間層を残存させることを特徴とする請求項9に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記空間層を形成した後に、さらに前記ゲート電極上面、前記側壁絶縁膜上面および前記電極上面に層間絶縁膜を形成し、前記空間層を内蔵させる工程を含む請求項7,8,9,10のうちいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
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JP2002278560A JP2004119549A (ja) | 2002-09-25 | 2002-09-25 | 半導体装置およびその製造方法 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006045722A1 (de) * | 2004-10-28 | 2006-05-04 | Infineon Technologies Ag | Halbleiterbauelement sowie zugehöriges herstellungsverfahren |
CN103390644A (zh) * | 2012-05-08 | 2013-11-13 | 中国科学院微电子研究所 | 半导体器件及其制造方法 |
CN106104807A (zh) * | 2014-03-10 | 2016-11-09 | 高通股份有限公司 | 其中限定有间隙的半导体器件 |
-
2002
- 2002-09-25 JP JP2002278560A patent/JP2004119549A/ja active Pending
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