JP2004119308A - 水タンクおよび燃料電池システム - Google Patents
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Abstract
【課題】凍結した氷を素早く融解して、加湿用の水を短時間で得ることができる水タンク、及び起動時間が短い燃料電池システムを提供する。
【解決手段】水タンク1の形状は、頂点を下方とする円錐形である。円錐面を成すタンク壁2に接して、その周囲に加熱手段としての温媒管4が設けられる。温媒管4の内部は、水素燃焼器の燃焼熱で加熱された温媒5が循環して、水タンク1の内部の氷を融かす。タンク壁2の円錐の頂点部には、液水排出管3が連通して、水の排出口となっている。
【選択図】 図2
【解決手段】水タンク1の形状は、頂点を下方とする円錐形である。円錐面を成すタンク壁2に接して、その周囲に加熱手段としての温媒管4が設けられる。温媒管4の内部は、水素燃焼器の燃焼熱で加熱された温媒5が循環して、水タンク1の内部の氷を融かす。タンク壁2の円錐の頂点部には、液水排出管3が連通して、水の排出口となっている。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池用に好適な水タンクおよびこの水タンクを備えた燃料電池システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、動作温度が低く、取り扱いの容易な固体高分子型燃料電池システムが移動体用電源や家庭用コジェネレーションシステムとして開発されている。
【0003】
固体高分子型燃料電池システムは、高分子電解質膜が水分を含んだ状態で水素イオン伝導性を持つため、燃料電池本体に供給する燃料ガスや酸化剤ガスを加湿したり、高分子電解質膜を備える燃料電池スタック内部を直接加湿する必要がある。
【0004】
また、戸外で使用される燃料電池システムでは、寒冷時に気温が零下(氷点下)に下がることが考えられるので、加湿用の水を貯蔵する水タンクは、凍結及び解凍の対策が施される必要がある。
【0005】
従来の燃料電池用の水タンクは、例えば、特許文献1記載の技術のように、タンク内に温媒を流通させる導管をもち、導管内を流れる温媒と氷との熱交換によって氷を解かしていた。この導管内を流れる温媒は、燃料電池からの排気や燃料電池スタックによって昇温した冷却液である。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−158024号公報(第4ページ、図2,3)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の水タンクでは、タンク内に温媒が流通する導管を備え、導管内を流れる温媒と氷との熱交換によって氷を解かしていたため、導管の周辺はすばやく解凍するが、導管と氷が直に接していない部分はほとんど解けないという問題点があった。これは導管内の温媒と解けた液水との熱交換を経て、液水と氷が熱交換をして氷を解かしていたためである。
【0008】
さらにタンク自体の形状が立方体もしくは直方体であったため、氷全体が不均一に解凍していた。このため、タンク内に未解凍の氷と液水が混在し、液水がタンク外に排出されるのを未解凍の氷が阻害し、燃料電池の運転に必要な液水がすばやく得られないという問題点があった。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するため、本発明は、水を貯蔵する水タンクにおいて、タンク壁に沿って加熱手段を設け、タンク形状が下方を頂点とする円錐形であり、頂点部に排出口を設けたことを要旨とする。
【0010】
【発明の効果】
本発明によれば、水タンクの形状が頂点を下方とした円錐形であるので、氷が解凍されても氷自体も円錐形に保たれ、温媒により加熱されるタンク壁と氷とが液水を解することなく直接接して、効率よく氷に熱を伝達し、すばやく氷を解かすことができる。
【0011】
また、タンク形状が円錐形であるため、タンク壁と接している氷が解けた液水は、未解凍の氷に阻害されること無く、速やかに下方に流出することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る水タンク及び燃料電池システムの実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
【0013】
図1は、本発明に係る水タンクを備えた燃料電池システムの実施形態の要部を示す構成図である。水タンク自体の各実施形態の詳細は、後述される。本実施形態の燃料電池システムは、水素リッチガス及び空気を加湿せずに、燃料電池スタックを直接純水で加湿するとともに、燃料電池スタックの冷却に不凍液(純水よりも凝固点の低い液体)を用いている。この不凍液は、内燃機関の冷却水として用いられる不凍液と同等のものであり、例えば、所望の凍結温度に応じて混合比を調節したエチレングリコール混合水に、必要に応じて、腐食防止剤、pH緩衝剤、消泡剤等を添加したものである。
【0014】
図1において、燃料電池システム101は、図外の水素源から水素リッチガスが導入される三方弁103と、図外の空気源から空気が導入される三方弁105と、三方弁103,105を介して供給される水素リッチガス及び空気により発電する燃料電池スタック107と、三方弁103,105を介して供給される水素リッチガス及び空気を燃焼させる水素燃焼器109と、水素燃焼器109の燃焼ガスと不凍液との熱交換を行う熱交換器111と、不凍液の熱を外部へ放出するラジエータ113と、熱交換器111とラジエータ113との何れを不凍液の循環路に組み込むかを切り替える三方弁115と、不凍液を循環させる不凍液ポンプ117と、純水を貯蔵する水タンク119と、水タンク119と燃料電池スタック107との間で純水を循環させる水ポンプ121とを備えている。
【0015】
次に、純水及び不凍液の回路構成を説明する。通常運転時においては、三方弁115はAB間が連通となっており、不凍液が燃料電池スタック107〜ラジエータ113間を循環する回路が構成される。不凍液は燃料電池スタック107の発熱をラジエータ113で放熱し、燃料電池スタック107を温調する。
【0016】
燃料電池システムの冷間起動時においては、三方弁115はAC間が連通となっており、不凍液が燃料電池スタック107〜熱交換器111間を循環する回路が構成される。図示しない水素タンクまたは燃料電池スタック107の燃料極からは水素リッチガスが水素燃焼器111に供給され、この燃焼ガスを加熱媒質とする熱交換器が不凍液を加温する。
【0017】
不凍液は燃料電池スタック107を流通、加温した後、水タンク119の外周部に設けられた温媒流路を流通し、熱交換器111に戻る。水素リッチガスと空気とが水素燃焼器109に供給され水素の燃焼が続いている限り、不凍液は加温され、これを温媒として、燃料電池スタック107、および水タンク119が加温される。
【0018】
解凍された水は、水タンク119の頂点部(最下部)の排出口から随時排出され、水ポンプ121と接続された水吸入管路を経て燃料電池スタック107に供給され加湿に用いられる。なお燃料電池スタック107を直接加湿しないで、別途設けた加湿器に水タンクから水を供給して水素リッチガス及び又は空気を加湿して燃料電池スタックに供給するようにしても良い。熱交換器111で不凍液と熱交換した燃焼ガスは系外へ排出される。
【0019】
図2は、本発明に係る水タンクの第一の実施形態を説明する断面図である。図2において、水タンク1は頂点を下方した円錐形であり、円錐面を成すタンク壁2の外側に接して、加熱手段である温媒管4が設置されている。温媒管4の内部には、不凍液を用いた温媒5が流通するようになっている。本実施形態の水タンク及び以下の各実施形態に示す水タンクは、図1に示した燃料電池システムの水タンク119として好適なものである。
【0020】
水タンク1内の氷は、この温媒との熱交換によって、タンク壁2の内面に接する部分から解けてゆく。この際、水タンク1が円錐形であるため、解凍された純水は円錐の頂点部分に向けて流動し、この頂点部分に連通するように設置された液水排出管3から排出される。
【0021】
解凍された純水が排出されることにより、氷自体は円錐形のタンク壁2の内面との接触を保ち、内壁面と接触する部分が温媒の熱により解凍される。このようにして、氷を効率よくすばやく溶かすことができる。また、タンク壁2の内面と接している氷が解けて生じる液水は水タンク1の形状が円錐形であるため、下方に流れ、液水排出管3からすばやく水タンク1の外部へ排出される。
【0022】
したがって、氷点下の温度における起動時にも早期に液水が確保できて燃料電池の加湿を行うことができるようになるため、燃料電池システムの起動時間を短縮できる。
【0023】
図3は本発明に係る水タンクの第二の実施形態を説明する断面図である。第二の実施形態は、円錐形のタンク壁2の内面に細溝6を設けたことが第一の実施形態と異なる。細溝6は円錐の頂点を中心にタンク壁2の内面に沿って放射状に設けられている。そのため、タンク壁2との熱交換によって解けた液水は、未だ解凍されていない氷の圧力により細溝6に追いやられる。細溝6に入った液水は溝を伝って下方に流動し、未解凍の氷に阻害されることなく、速やかに液水排出管3から水タンク1の外部に排出される。
【0024】
図4は本発明に係る水タンクの第三の実施形態を説明する断面図である。第三の実施形態は、タンク壁2の内側に加熱手段としての電気ヒータ(以下、ヒータと略す)を内蔵した多孔質材7を備えている点が第一の実施形態と異なる。
【0025】
多孔質材7は、液体を透過させる性質をもつ連続気泡体の樹脂を想定しているが、ヒータを内部に配置することができ、細かく砕けた氷を通過させず、かつ、液水を通過させるものであれば、セラミックや金属細線など他の材料を使用しても良い。
【0026】
多孔質材7は円錐形に成形され、その外面がタンク壁2の内面に接し、円錐内部に水を蓄えられる空間を持つ。また、多孔質材7の内部にはヒータが設置され、図1には表示しなかった2次電池等から電流を流して発熱させることができるようになっている。
【0027】
多孔質材7の円錐内部蓄えられた液水および多孔質材内部に浸透している液水が凍結した後、解凍を行おうとする場合、まず、多孔質材内部に設置されたヒータに通電して発熱させる。これにより、多孔質材浸透した状態で凍っている純水が解凍される。解凍された液水は多孔質材7の内部を下方に流動し、液水排出管3から排出される。
【0028】
また、多孔質材7に接している氷は、ヒータにより温められた多孔質材7からの伝熱により解凍され、多孔質材7の内部に浸透し、同様に下方に流動して、液水排出管3から排出される。更に、氷はヒータにより温められている多孔質材7に接触し、氷が無くなるまで、解凍、流動、排出が継続される。
【0029】
このような構成は、氷が解凍される過程で、撹拌されるなどの理由により細かく砕けた氷が生成する場合に有効である。多孔質材7を持たない構成では、解凍を早めるために氷を砕く機構を設けた場合などに、細かく砕けた氷が生成すると、液水のみを排出したいにもかかわらず未解凍の氷が混入することになる。また、液水排出管3の狭小部に詰まり、液水の排出を阻害し、解凍を遅らせる可能性がある。これらの場合に、水タンク1と氷の間に多孔質材7が存在することにより、排出された液水に、未解凍の氷が混ざることが無くなる。また、液水の流路が確保され、排水が阻害されること無く行われる。
【0030】
図5は本発明に係る水タンクの第四の実施形態を説明する部分断面図である。図5において、多孔質材7は断面ではなく表面が表示されている。第四の実施形態は、多孔質材7がタンク壁2の内面と対接する部分(多孔質材の外壁面)に、多孔質材外壁面に沿って円錐の頂点を中心に放射状に溝6が設置されている点が第三の実施形態と異なる。
【0031】
このように、多孔質材7の外壁面に沿って、円錐の頂点を中心に放射状の溝6を設置すると、解凍されて多孔質材7に浸透した液水がこの溝6に流入し、多孔質材7の内部を流動するよりも、更にすばやく液水を排出させることができる。
【0032】
図6は本発明に係る水タンクの第五の実施形態を説明する断面図である。第五の実施形態は、多孔質材7とタンク壁2の内面との間にOリング8が配置される点が第三の実施形態とは異なる。多孔質材7とタンク壁2の内面との間にOリング8が配置されることにより、多孔質材7とタンク壁2の内面との間に隙間ができる。温媒管4及び又はヒータにより温められた多孔質材7からの伝熱により、タンク内の氷は解凍され、解凍により生じた液水は多孔質材7に浸透する。
【0033】
多孔質材7に浸透した液水は、多孔質材7の外側の壁面を伝って円錐の頂点で滴り落ち、液水排出管3から排出される。または、多孔質材7の外側の壁面からタンク壁2の内面に滴り落ち、タンク壁2の内面を流動して、液水排出管3から排出される。
【0034】
以上説明した本実施形態によれば、加熱手段である温媒管及び又はヒータの加熱により解けた氷が速やかに下方に流出することができ、加湿用の水をより速やかに回収することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る燃料電池システムの要部を説明する構成図である。
【図2】第一実施形態の水タンクの構成を説明する断面図である。
【図3】第二実施形態の水タンクの構成を説明する断面図である。
【図4】第三実施形態の水タンクの構成を説明する断面図である。
【図5】第四実施形態の水タンクの構成を説明する断面図である。
【図6】第五実施形態の水タンクの構成を説明する断面図である。
【符号の説明】
1…水タンク
2…タンク壁
3…液水排出管
4…温媒管
5…温媒
6…細溝
7…多孔質材
8…Oリング
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池用に好適な水タンクおよびこの水タンクを備えた燃料電池システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、動作温度が低く、取り扱いの容易な固体高分子型燃料電池システムが移動体用電源や家庭用コジェネレーションシステムとして開発されている。
【0003】
固体高分子型燃料電池システムは、高分子電解質膜が水分を含んだ状態で水素イオン伝導性を持つため、燃料電池本体に供給する燃料ガスや酸化剤ガスを加湿したり、高分子電解質膜を備える燃料電池スタック内部を直接加湿する必要がある。
【0004】
また、戸外で使用される燃料電池システムでは、寒冷時に気温が零下(氷点下)に下がることが考えられるので、加湿用の水を貯蔵する水タンクは、凍結及び解凍の対策が施される必要がある。
【0005】
従来の燃料電池用の水タンクは、例えば、特許文献1記載の技術のように、タンク内に温媒を流通させる導管をもち、導管内を流れる温媒と氷との熱交換によって氷を解かしていた。この導管内を流れる温媒は、燃料電池からの排気や燃料電池スタックによって昇温した冷却液である。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−158024号公報(第4ページ、図2,3)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の水タンクでは、タンク内に温媒が流通する導管を備え、導管内を流れる温媒と氷との熱交換によって氷を解かしていたため、導管の周辺はすばやく解凍するが、導管と氷が直に接していない部分はほとんど解けないという問題点があった。これは導管内の温媒と解けた液水との熱交換を経て、液水と氷が熱交換をして氷を解かしていたためである。
【0008】
さらにタンク自体の形状が立方体もしくは直方体であったため、氷全体が不均一に解凍していた。このため、タンク内に未解凍の氷と液水が混在し、液水がタンク外に排出されるのを未解凍の氷が阻害し、燃料電池の運転に必要な液水がすばやく得られないという問題点があった。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するため、本発明は、水を貯蔵する水タンクにおいて、タンク壁に沿って加熱手段を設け、タンク形状が下方を頂点とする円錐形であり、頂点部に排出口を設けたことを要旨とする。
【0010】
【発明の効果】
本発明によれば、水タンクの形状が頂点を下方とした円錐形であるので、氷が解凍されても氷自体も円錐形に保たれ、温媒により加熱されるタンク壁と氷とが液水を解することなく直接接して、効率よく氷に熱を伝達し、すばやく氷を解かすことができる。
【0011】
また、タンク形状が円錐形であるため、タンク壁と接している氷が解けた液水は、未解凍の氷に阻害されること無く、速やかに下方に流出することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る水タンク及び燃料電池システムの実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
【0013】
図1は、本発明に係る水タンクを備えた燃料電池システムの実施形態の要部を示す構成図である。水タンク自体の各実施形態の詳細は、後述される。本実施形態の燃料電池システムは、水素リッチガス及び空気を加湿せずに、燃料電池スタックを直接純水で加湿するとともに、燃料電池スタックの冷却に不凍液(純水よりも凝固点の低い液体)を用いている。この不凍液は、内燃機関の冷却水として用いられる不凍液と同等のものであり、例えば、所望の凍結温度に応じて混合比を調節したエチレングリコール混合水に、必要に応じて、腐食防止剤、pH緩衝剤、消泡剤等を添加したものである。
【0014】
図1において、燃料電池システム101は、図外の水素源から水素リッチガスが導入される三方弁103と、図外の空気源から空気が導入される三方弁105と、三方弁103,105を介して供給される水素リッチガス及び空気により発電する燃料電池スタック107と、三方弁103,105を介して供給される水素リッチガス及び空気を燃焼させる水素燃焼器109と、水素燃焼器109の燃焼ガスと不凍液との熱交換を行う熱交換器111と、不凍液の熱を外部へ放出するラジエータ113と、熱交換器111とラジエータ113との何れを不凍液の循環路に組み込むかを切り替える三方弁115と、不凍液を循環させる不凍液ポンプ117と、純水を貯蔵する水タンク119と、水タンク119と燃料電池スタック107との間で純水を循環させる水ポンプ121とを備えている。
【0015】
次に、純水及び不凍液の回路構成を説明する。通常運転時においては、三方弁115はAB間が連通となっており、不凍液が燃料電池スタック107〜ラジエータ113間を循環する回路が構成される。不凍液は燃料電池スタック107の発熱をラジエータ113で放熱し、燃料電池スタック107を温調する。
【0016】
燃料電池システムの冷間起動時においては、三方弁115はAC間が連通となっており、不凍液が燃料電池スタック107〜熱交換器111間を循環する回路が構成される。図示しない水素タンクまたは燃料電池スタック107の燃料極からは水素リッチガスが水素燃焼器111に供給され、この燃焼ガスを加熱媒質とする熱交換器が不凍液を加温する。
【0017】
不凍液は燃料電池スタック107を流通、加温した後、水タンク119の外周部に設けられた温媒流路を流通し、熱交換器111に戻る。水素リッチガスと空気とが水素燃焼器109に供給され水素の燃焼が続いている限り、不凍液は加温され、これを温媒として、燃料電池スタック107、および水タンク119が加温される。
【0018】
解凍された水は、水タンク119の頂点部(最下部)の排出口から随時排出され、水ポンプ121と接続された水吸入管路を経て燃料電池スタック107に供給され加湿に用いられる。なお燃料電池スタック107を直接加湿しないで、別途設けた加湿器に水タンクから水を供給して水素リッチガス及び又は空気を加湿して燃料電池スタックに供給するようにしても良い。熱交換器111で不凍液と熱交換した燃焼ガスは系外へ排出される。
【0019】
図2は、本発明に係る水タンクの第一の実施形態を説明する断面図である。図2において、水タンク1は頂点を下方した円錐形であり、円錐面を成すタンク壁2の外側に接して、加熱手段である温媒管4が設置されている。温媒管4の内部には、不凍液を用いた温媒5が流通するようになっている。本実施形態の水タンク及び以下の各実施形態に示す水タンクは、図1に示した燃料電池システムの水タンク119として好適なものである。
【0020】
水タンク1内の氷は、この温媒との熱交換によって、タンク壁2の内面に接する部分から解けてゆく。この際、水タンク1が円錐形であるため、解凍された純水は円錐の頂点部分に向けて流動し、この頂点部分に連通するように設置された液水排出管3から排出される。
【0021】
解凍された純水が排出されることにより、氷自体は円錐形のタンク壁2の内面との接触を保ち、内壁面と接触する部分が温媒の熱により解凍される。このようにして、氷を効率よくすばやく溶かすことができる。また、タンク壁2の内面と接している氷が解けて生じる液水は水タンク1の形状が円錐形であるため、下方に流れ、液水排出管3からすばやく水タンク1の外部へ排出される。
【0022】
したがって、氷点下の温度における起動時にも早期に液水が確保できて燃料電池の加湿を行うことができるようになるため、燃料電池システムの起動時間を短縮できる。
【0023】
図3は本発明に係る水タンクの第二の実施形態を説明する断面図である。第二の実施形態は、円錐形のタンク壁2の内面に細溝6を設けたことが第一の実施形態と異なる。細溝6は円錐の頂点を中心にタンク壁2の内面に沿って放射状に設けられている。そのため、タンク壁2との熱交換によって解けた液水は、未だ解凍されていない氷の圧力により細溝6に追いやられる。細溝6に入った液水は溝を伝って下方に流動し、未解凍の氷に阻害されることなく、速やかに液水排出管3から水タンク1の外部に排出される。
【0024】
図4は本発明に係る水タンクの第三の実施形態を説明する断面図である。第三の実施形態は、タンク壁2の内側に加熱手段としての電気ヒータ(以下、ヒータと略す)を内蔵した多孔質材7を備えている点が第一の実施形態と異なる。
【0025】
多孔質材7は、液体を透過させる性質をもつ連続気泡体の樹脂を想定しているが、ヒータを内部に配置することができ、細かく砕けた氷を通過させず、かつ、液水を通過させるものであれば、セラミックや金属細線など他の材料を使用しても良い。
【0026】
多孔質材7は円錐形に成形され、その外面がタンク壁2の内面に接し、円錐内部に水を蓄えられる空間を持つ。また、多孔質材7の内部にはヒータが設置され、図1には表示しなかった2次電池等から電流を流して発熱させることができるようになっている。
【0027】
多孔質材7の円錐内部蓄えられた液水および多孔質材内部に浸透している液水が凍結した後、解凍を行おうとする場合、まず、多孔質材内部に設置されたヒータに通電して発熱させる。これにより、多孔質材浸透した状態で凍っている純水が解凍される。解凍された液水は多孔質材7の内部を下方に流動し、液水排出管3から排出される。
【0028】
また、多孔質材7に接している氷は、ヒータにより温められた多孔質材7からの伝熱により解凍され、多孔質材7の内部に浸透し、同様に下方に流動して、液水排出管3から排出される。更に、氷はヒータにより温められている多孔質材7に接触し、氷が無くなるまで、解凍、流動、排出が継続される。
【0029】
このような構成は、氷が解凍される過程で、撹拌されるなどの理由により細かく砕けた氷が生成する場合に有効である。多孔質材7を持たない構成では、解凍を早めるために氷を砕く機構を設けた場合などに、細かく砕けた氷が生成すると、液水のみを排出したいにもかかわらず未解凍の氷が混入することになる。また、液水排出管3の狭小部に詰まり、液水の排出を阻害し、解凍を遅らせる可能性がある。これらの場合に、水タンク1と氷の間に多孔質材7が存在することにより、排出された液水に、未解凍の氷が混ざることが無くなる。また、液水の流路が確保され、排水が阻害されること無く行われる。
【0030】
図5は本発明に係る水タンクの第四の実施形態を説明する部分断面図である。図5において、多孔質材7は断面ではなく表面が表示されている。第四の実施形態は、多孔質材7がタンク壁2の内面と対接する部分(多孔質材の外壁面)に、多孔質材外壁面に沿って円錐の頂点を中心に放射状に溝6が設置されている点が第三の実施形態と異なる。
【0031】
このように、多孔質材7の外壁面に沿って、円錐の頂点を中心に放射状の溝6を設置すると、解凍されて多孔質材7に浸透した液水がこの溝6に流入し、多孔質材7の内部を流動するよりも、更にすばやく液水を排出させることができる。
【0032】
図6は本発明に係る水タンクの第五の実施形態を説明する断面図である。第五の実施形態は、多孔質材7とタンク壁2の内面との間にOリング8が配置される点が第三の実施形態とは異なる。多孔質材7とタンク壁2の内面との間にOリング8が配置されることにより、多孔質材7とタンク壁2の内面との間に隙間ができる。温媒管4及び又はヒータにより温められた多孔質材7からの伝熱により、タンク内の氷は解凍され、解凍により生じた液水は多孔質材7に浸透する。
【0033】
多孔質材7に浸透した液水は、多孔質材7の外側の壁面を伝って円錐の頂点で滴り落ち、液水排出管3から排出される。または、多孔質材7の外側の壁面からタンク壁2の内面に滴り落ち、タンク壁2の内面を流動して、液水排出管3から排出される。
【0034】
以上説明した本実施形態によれば、加熱手段である温媒管及び又はヒータの加熱により解けた氷が速やかに下方に流出することができ、加湿用の水をより速やかに回収することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る燃料電池システムの要部を説明する構成図である。
【図2】第一実施形態の水タンクの構成を説明する断面図である。
【図3】第二実施形態の水タンクの構成を説明する断面図である。
【図4】第三実施形態の水タンクの構成を説明する断面図である。
【図5】第四実施形態の水タンクの構成を説明する断面図である。
【図6】第五実施形態の水タンクの構成を説明する断面図である。
【符号の説明】
1…水タンク
2…タンク壁
3…液水排出管
4…温媒管
5…温媒
6…細溝
7…多孔質材
8…Oリング
Claims (7)
- タンク形状が頂点を下方とする円錐形の水タンクであって、
円錐面を成すタンク壁に接する加熱手段と、
円錐の頂点部に連通する排出口と、
を備えたことを特徴とする水タンク。 - 前記加熱手段は、タンク壁に沿って設けられた温媒を流す温媒流路であることを特徴とする請求項1記載の水タンク。
- 前記円錐面を成すタンク壁の内面に、前記頂点部から放射状に伸びる細溝を備えたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の水タンク。
- 前記加熱手段として、ヒータを内蔵した多孔質材を前記円錐面を成すタンク壁の内面に設けたことを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載の水タンク。
- 前記多孔質材がタンク壁と対向する面に、前記頂点部から放射状に伸びる細溝を設けたことを特徴とする請求項4記載の水タンク。
- タンク壁の内面と前記多孔質材との間にOリングを備えたことを特徴とする請求項4記載の水タンク。
- 燃料電池スタックと、該燃料電池スタック内部を直接に又は該燃料電池スタックに供給する反応ガスを加湿するための水を貯蔵する水タンクと、を備えた燃料電池システムにおいて、
前記水タンクは、請求項1ないし請求項6の何れか1項に記載の水タンクであることを特徴とする燃料電池システム。
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