JP2004117024A - X線ct装置およびx線ct撮像方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】リングアーチファクトのみを低減できるX線CT装置を提供する。
【解決手段】X線源7より出射され、かつ回転テーブル3上の対象物2を透過したX線ビーム6を、複数の検出素子8aよりなるX線検出手段8で検出すると共に、X線検出手段8が検出したX線ビーム6の強度を基に対象物2の断層像を再構成するX線CT撮像装置であって、対象物2の断層に含まれる複数の点のうち、ある点を透過したX線ビーム6を検出する複数の検出素子8aの数が最小となる点を特異点とし、かつ回転テーブル3を回転させた状態で特異点の位置を回転テーブル3の半径方向へ並行移動させる並進駆動手段5を設けたもので、検出素子8aの感度特性にばらつきがあっても感度特性が平均化されるため、対象物2の断層像を劣化させることなく、リングアーチファクトを低減することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】X線源7より出射され、かつ回転テーブル3上の対象物2を透過したX線ビーム6を、複数の検出素子8aよりなるX線検出手段8で検出すると共に、X線検出手段8が検出したX線ビーム6の強度を基に対象物2の断層像を再構成するX線CT撮像装置であって、対象物2の断層に含まれる複数の点のうち、ある点を透過したX線ビーム6を検出する複数の検出素子8aの数が最小となる点を特異点とし、かつ回転テーブル3を回転させた状態で特異点の位置を回転テーブル3の半径方向へ並行移動させる並進駆動手段5を設けたもので、検出素子8aの感度特性にばらつきがあっても感度特性が平均化されるため、対象物2の断層像を劣化させることなく、リングアーチファクトを低減することができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は対象物の断層像を劣化させずにリングアーチファクトのみを低減することができるX線CT装置及びX線CT撮像方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のX線CT装置は、X線が物体の内部を減衰しながら透過していく性質を利用したもので、線源からのX線ビームを対象物に照射し、反対側に設置した検出器でX線の強度を測定するように構成されており、対象物の断層像を非破壊的に撮像することができることから従来から広く採用されていると共に、X線の減衰率は媒質の密度にほぼ比例することから、これを定量的に測ることにより、対象物を構成する材料の密度分布を求めることができる。
またX線CT装置の動作シーケンスにはいくつかの方式が存在するが、現在主流となっているのは「第二世代方式」と「第三世代方式」である。
第二世代方式では比較的少数の検出器を使用し、対象物(または線源と検出器)を回転走査及び並進走査させることによって断層像を作成するために必要な情報を取得するように構成されているが、この方式では2次元の走査が必要なため、撮像時間が長くかかる等の問題がある。
【0003】
これに対して第三世代方式は多数の検出器を使用して、対象物の回転走査のみによって断層像を作成するために必要な情報を取得する方式であるため、第二世代方式の10倍〜100倍の高速化が可能であるが、この第三世代方式では、検出器の感度特性のばらつきにより出現する「リングアーチファクト」と呼ばれる現象が問題になる。
このリングアーチファクトとは、断層像に同心円状の虚像(アーチファクト)が出現する現象で、並進走査を行わない第三世代方式では、対象物の回転中心を通るX線ビームはいつも同じ一つの検出器で検出されるのに対し、回転中心から離れた周辺部の点を通るX線ビームは、対象物の回転に伴って多数の検出器で検出されるようになっている。
【0004】
このため対象物の周辺部では、多数の検出器の感度特性が統計的に平均化されるのに対し、回転中心近くの点に対しては平均化がなされにくくなり、その結果ある検出器の感度が他のものより低いと、その検出器に対応する同心円状の領域で、あたかも材質の密度が高いかのように検出されてしまうため、CT画像上で対象物を観察しながら対象物の形状、密度を評価する際の妨げとなる等の問題がある。
以上の理由からリングアーチファクトの除去は、第三世代方式のX線CTにとってきわめて重要な課題であり、従来からリングアーチファクトを低減する方法が種々提案され、また実用化もされている。
【0005】
例えば特開2001−95793号公報には、画像処理装置でソフト的にリング補正処理を行うことにより、リングアーチファクトの低減を行う方法が記載されている。
また特開2001−330568号公報には、被検体を載置した回転テーブルを、回転とほぼ同時に回転中心の軸方向へ移動(並進)させることにより、被検体の回転軸方向の広い領域に亘る3次元像を一度に得ると共に、放射線検出器が検出する放射線ビームの端部に回転中心を設定して、この端部側のビーム外に被検体をはみ出させて大きい被検体の透過データを得るオフセットスキャンの場合は、窓関数を掛けて投影データの急激な変化を防止することにより、リングアーチファクトの少ない3次元像が得られるようにしたコンピュータ断層撮影装置が記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし前者公報のX線CT装置では、対象物がリング状の物体である場合、リングアーチファクトだけでなく、断層像そのものまで消去されてしまう虞があると共に、リングアーチファクトは、通常対象物の回転中心付近の狭い領域(通常は半径数十ピクセル以内の領域)に特に強く出現するため、発泡材料のように数mmの内部構造を持つ対象物の場合、前者公報のX線CT装置では、像がアーチファクトなのか、実際の構造なのかを判断するのが難しい等の問題がある。
また後者公報のコンピュータ断層撮影装置のように、被検体を回転中心の軸方向へ並進させるようにしたものでは、放射線検出器の感度特性のばらつきにより発生するリングアーチファクトを低減することができないと共に、窓関数を掛けて投影データの急激な変化を防止するソフト的な処理によりリングアーチファクトを低減するため、CT画像上で対象物を観察しながら形状、密度を評価する場合、実像と虚像の判断がしにくい等の問題もあった。
【0007】
本発明はかかる従来の問題を改善するためになされたもので、対象物の断層像そのものを劣化させることなく、リングアーチファクトのみを効果的に除去することができるX線CT装置及びX線CT撮像方法を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため本発明のX線CT装置は、X線ビームを出射するX線源と、X線ビーム内で対象物を回転させる回転テーブルと、対象物を透過したX線ビームを検出する複数の検出素子よりなるX線検出手段と、X線検出手段が検出したX線ビームの強度を基に対象物の断層像を構成する断層像再構成手段とを具備したX線CT装置であって、対象物の断層に含まれる複数の点のうち、ある点を透過したX線ビームを検出する複数の検出素子の数が最小となる点を特異点とし、かつ回転テーブルを回転させた状態で特異点の位置を回転テーブルの半径方向へ並行移動させる並進駆動手段を設けものである。
【0009】
前記構成により、対象物の特異点が複数の検出素子により検出されることから、X線検出手段を構成する検出素子の感度特性にばらつきがあっても感度特性が平均化されるため、感度特性のばらつきにより発生するリングアーチファクトを、対象物の断層像を劣化させることなく低減することができる。
これによってCT画像上で対象物を観察しながら対象物の形状、密度を評価する際、リングアーチファクトが評価の妨げとなることがないため、評価精度の向上が図れると共に、特に対象物の回転中心付近に発生するリングアーチファクトを効果的に低減することができるため、発泡材料のように数mmの内部構造を持つ対象物であっても、断層像がアーチファクトなのか、実際の構造なのかの判断が容易に行えるようになる。
【0010】
前記目的を達成するため本発明のX線CT装置は、回転テーブルを回転駆動する回転駆動手段と並進駆動手段を制御する回転走査及び並進同期手段より出力される回転走査制御信号に同期させて特異点を並行移動させるようにしたものである。
【0011】
前記構成により、特異点の移動はリングアーチファクトに対する移動平均処理と本質的に等価であり、またリングアーチファクトは、検出素子の感度の統計的なばらつきによって発生するものなので、移動平均処理によってリングアーチファクトを大幅に低減させることができる。
【0012】
前記目的を達成するため本発明のX線CT装置は、回転テーブルの並行移動により生じる偏差を補正する並行移動補正手段を設けたものである。
【0013】
前記構成により、回転テーブルの並行移動によって生じる断層像の劣化を抑制することができるようになる。
【0014】
前記目的を達成するため本発明のX線CT装置は、対象物に応じて特異点の並行移動量を指定する特異点指定手段を設けたものである。
【0015】
前記構成により、断層像上に出現したリングアーチファクトを、対象物の形状、密度の評価に支障のない位置まで移動させて対象物の形状、密度を評価することができるため、リングアーチファクトに邪魔されることなく対象物の評価が行えると共に、対象物に応じて特異点の移動量が調整できるため、撮像時間の短縮化が図れるようになる。
【0016】
前記目的を達成するため本発明のX線CT撮像方法は、X線ビームを出射するX線源と、X線ビーム内で対象物を回転させる回転テーブルと、対象物を透過したX線ビームを検出する複数の検出素子よりなるX線検出手段と、X線検出手段が検出したX線ビームの強度を基に対象物の断層像を構成する断層像再構成手段とから構成されたX線CT装置により対象物の断層像を撮像するX線CT撮像方法であって、対象物の断層に含まれる複数の点のうち、ある点を透過したX線ビームを検出する複数の検出素子の数が最小となる点を特異点とし、かつ回転テーブルを回転させた状態で特異点の位置を回転テーブルの半径方向へ並行移動さて対象物の断層像を撮像するようにしたものである。
【0017】
前記方法により、対象物の特異点が複数の検出素子により検出されることから、X線検出手段を構成する検出素子の感度特性にばらつきがあっても感度特性が平均化されるため、感度特性のばらつきにより発生するリングアーチファクトを、対象物の断層像を劣化させることなく低減することができる。
【0018】
前記目的を達成するため本発明のX線CT撮像方法は、回転テーブルを回転駆動する回転駆動手段と並進駆動手段を制御する回転走査及び並進同期手段より出力される回転走査制御信号に同期させて特異点を並行移動させるようにしたものである。
【0019】
前記方法により、特異点の移動はリングアーチファクトに対する移動平均処理と本質的に等価であり、またリングアーチファクトは、検出素子の感度の統計的なばらつきによって発生するものなので、移動平均処理によってリングアーチファクトを大幅に低減させることができる。
【0020】
前記目的を達成するため本発明のX線CT撮像方法は、回転テーブルの並行移動により生じる偏差を補正する並行移動補正工程を設けたものである。
【0021】
前記方法により、回転テーブルの並行移動によって生じる断層像の劣化を抑制することができるようになる。
【0022】
前記目的を達成するため本発明のX線CT撮像方法は、対象物に応じて特異点の並行移動量を指定する特異点指定工程を設けたものである。
【0023】
前記方法により、断層像上に出現したリングアーチファクトを、対象物の形状、密度の評価に支障のない位置まで移動させて対象物の形状、密度を評価することができるため、より精度の高い評価が可能になると共に、対象物に応じて特異点の移動量が調整できるため、撮像時間の短縮化が図れるようになる。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、図面を参照して詳述する。
図1はX線CT装置の全体的な構成図を示すもので、X線CT装置本体1は対象物2を載置する回転テーブル3と、回転テーブル3を回転駆動する回転駆動手段4及び回転テーブル3を回転中心Oに対して半径方向へ移動(並進)させる並進駆動手段5を有している。
また回転テーブル3を挟んで対向する位置には、対象物2に向けてX線ビーム6を照射するX線源7と、対象物2を透過したX線ビーム6を検出する多数の検出素子8aよりなるX線検出手段8が設置されている。
X線源7は、電子を強い電界により加速してターゲット材に衝突させ、そのときの制動輻射により発生するX線ビーム6を扇形に出射する加速器により構成されていて、制御手段10より出力される加速機制御信号11により制御されるようになっている。
【0025】
X線検出手段8は、重金属材料よりなるコリメータ12の後方に設けられていて、コリメータ12に形成された複数のスリット12a毎に設けられた複数の検出素子8aにより構成されている。
コリメータ12は、X線源7より扇状に放射されるX線ビーム6を分離して各検出素子8aに到達させるようにしたもので、X線源7と各検出素子8aを結ぶ光路と平行するよう各スリット12aが形成されている。
X線検出手段8の各検出素子8aは光電素子により形成されていて、コリメータ12の各スリット12aを通過したX線ビーム6の強度に応じて強度信号14を発生するようになっており、各検出素子8aより発生されたX線強度信号14は、信号処理手段15へ出力されるようになっている。
【0026】
信号処理手段15は、例えば対数増幅器とA/Dコンバータとにより構成されていて、各検出素子8aより出力されたX線強度信号14を演算処理することによって密度積分値16を算出し、得られた密度積分値16を断層像再構成手段17へ出力するようになっている。
断層像再構成手段17は、信号処理手段15より出力された密度積分値16を画像にマッピングすることにより、断層像20を再構成して入出力端末21へ出力するもので、この断層像再構成手段17には、密度積分値16のマッピングを行う際、回転テーブル3を半径方向へ並行移動した際に発生する偏差を補正する並行移動量補正手段18が設けられている。
入出力端末21は、対象物2を検査する際検査に必要な対象物2の各種情報を入力したり、断層像再構成手段17より出力された断層像20や各種情報を可視像化して表示部21aに表示するもので、パソコンやワークステーション等のコンピュータを使用しており、入出力端末21より入力されたコマンドを含む各種情報22を、制御手段10へ出力するようになっている。
【0027】
制御手段10は、入出力端末21より入力された各種情報22を基にX線源7を制御するようになっており、制御手段10には回転走査及び並進同期手段23が設けられていて、この回転走査及び並進同期手段23により回転駆動手段4及び並進駆動手段5へ回転走査制御信号24及び並行移動制御信号25へ出力することにより、X線源7と回転駆動手段4及び並進駆動手段5を同期制御できるようになっている。
回転駆動手段4及び並進駆動手段5は、例えばNC制御されるステッピングモータと図示しない動力伝達手段とにより構成されていて、回転駆動手段4は回転テーブル3を回転駆動し、また並進駆動手段5は回転する回転テーブル3を半径方向へ並行移動できるようになっている。
【0028】
なお断層像再構成手段17と入出力端末21及び制御手段10は、それぞれの機能を持つソフトウエアを同一コンピュータに予めインストールすることにより、1台のコンピュータで構成するようにしてもよい。
【0029】
次の前記構成されたX線CT装置の作用を、第3世代方式のX線CT装置の原理と併せて説明する。
検査する対象物2を回転テーブル3に載置してX線CT装置の運転を開始すると、X線源7より対象物2へ向けて扇状に照射されたX線ビーム6は、回転テーブル3とともに回転する対象物2を透過してX線検出手段8の各検出素子8aに達し、各検出素子8aによりX線ビーム6の強度が検出されるが、対象物2を透過したX線の減衰係数は、透過した媒質の密度にほぼ比例する。
そこでX線検出手段8の各検出素子8aが検出したX線強度信号14から減衰係数の積分値である減衰量を求め、これを基に各X線ビーム6毎に媒質の密度を積分値である密度積分値16として求める。
【0030】
次に得られた密度積分値16から断層像20の画像を再構成する処理を行うが、画像再構成の処理は、図2に示すように回転テーブル3とまったく同じように回転しながら、描画が可能なキャンバス30を想像すると理解しやすい。
回転テーブル3上の対象物2にX線ビーム6を照射することにより、対象物2を透過した1本の線(光路)L1に沿った対象物2の内部の密度積分値16を知ることができるので、図2に示すキャンバス30は予め中間色である灰色で塗り潰されているものとし、図2の(a)に示すように、光路L1に沿った密度積分値16が一定の基準値よりも大きい場合、キャンバス30にも線分L1’に沿って白い線を引き、また光路L2に沿った密度積分値16が一定の基準値よりも小さい場合、線分L2’に沿って黒い線を引くものとする。
ここでいう「線を引く」とは、正確にはそれぞれの光路Lに対応する線分L’が通過するすべての「ピクセル」において、密度積分値16に応じてキャンバス30の色を、白色側あるいは黒色側に変化させるということであり、「ピクセル」とは、キャンバス30に画像を構成する小さい点状の要素である。
また図2に示すキャンバス30には、白い線を点線で、また黒い線を実線で表示している。
【0031】
次に図2の(b)で示すように、回転駆動手段4による回転走査のステップだけ回転テーブル3を回転させ、図2の(a)のときと同じように線を引くと共に、さらに回転テーブル3を回転させながら線を引くと図2の(c)のようになる。
このような操作を回転テーブル3のすべての回転角度、X線ビーム6のすべての光路に対して行うと、最終的にはキャンバス30上にあるすべての点(ピクセル)において、角度の異なる多くの白い線や黒い線が重なり合うことになる。
いま2つの点、点Pと点Qを考えてみると、もし対象物2の内部にある点Pの密度が他の領域より高ければ、キャンバス30の上にある点P’を通る線の多くが白い線となるので、それらが重なり合う点P’も白い点となって浮かび上がってくる。同様に点Qの密度が他の領域より低ければ、キャンバス30上にある点Q’を通る線の多くが黒い線となるので、それらが重なり合う点Q’も黒い点となって浮かび上がってくる。
【0032】
そして以上の操作を繰り返すことにより、X線ビーム6の光路Lに沿った密度積分値16から対象物2の内部の密度分布を色の分布として知ることができるようになり、これが画像再構成処理の基本的な原理である。
ここで回転テーブル3の回転中心Oにある点Cを考えてみると、点Cを通るX線ビーム6は回転テーブル3の回転角度にかかわらず、いつも中央にある検出素子8aで受光されるが、もし複数の検出素子8aに感度のばらつきがあり、中央の検出素子8aの感度がたまたま他の検出素子8aの感度よりも低かったとすると、キャンバス30上にある点C’を通る線L’は、すべて本来の色に対して白色側に偏ることになり、その結果これらが重なり合う点P’も白色側に偏って現れることになり、これがリングアーチファクトの現れる原理である。
【0033】
対象とする点が回転テーブル3の回転中心Oから離れていくと、回転テーブル3の回転に伴い、その点を通るX線ビーム6は多くの検出素子8aで受光されるようになるため、各検出素子8aの感度のばらつきが平均化され、これによって統計的にばらつきが小さくなるので、リングアーチファクトは出現しにくくなる。
以後点Cやその近傍の点のように、単一またはごく少数の検出素子8aから出力されるX線強度信号14から、ピクセルの色、つまり媒質の密度が求められる点のことを「特異点」と呼ぶことにする。
これらの特異点は、X線源7や検出素子8aに対して静止している点であり、リングアーチファクトは、その発生原理から、特異点を中心として環状に現れることが分かる。
前記実施の形態になるX線CT装置本体1では、回転テーブル3の回転走査を行っている間に、回転と同期させて回転テーブル3を並進駆動手段5により半径方向へ並行移動させることにより、リングアーチファクトの発生を抑制するようにしているが、理解を容易にするために、回転テーブル3を並行移動させるいくつかの方法を図3に示す図面を参照して説明する。
なお以下の説明では、光軸方向を「X軸」、これに直角な方向を「Y軸」と呼ぶ。
【0034】
図3の(a)は、並行移動の振幅がX軸・Y軸方向とも0、つまり並行移動をさせない場合を示すもので、回転テーブル3の回転中心Oにある点Cが特異点である。
図3の(b)は、回転走査と同じ周期でX軸・Y軸方向ともに並行移動を行う場合を示すもので、回転テーブル3の回転軸が、半径Rの円周に沿って並行移動することになるので、点Cから距離Rだけ離れた点が特異点となり、点Cに対する特異点の方向・距離は、X軸・Y軸方向の移動量の位相と振幅によって変わる。
【0035】
すなわちこの方法を利用すると、リングアーチファクトは減少しないが、リングアーチファクトの中心を任意の位置に移動させることができるようになる。
図3の(c)は、回転走査の1/2の周期でX軸・Y軸方向ともに並行移動を行う場合を示しており、この方法では回転テーブル3の回転に伴い、点Cを中心とする円に沿って特異点が移動して行き、特異点の移動は、リングアーチファクトに対する移動平均処理と本質的に等価であり、またリングアーチファクトは、検出手段8aの感度の統計的なばらつきによって発生するものなので、移動平均処理によってリングアーチファクトを大幅に低減させることができる。
図3の(d)は、回転走査と同じ周期でY軸方向のみに並行移動を行う場合を示すもので、この場合点Cを通る円に沿って特異点が移動していくことから、この方法によっても、リングアーチファクトを低減させることができるようになる。
従ってX線CT装置本体1に回転駆動手段4及び並進駆動手段5を設け、かつ前記図3の(c)及び(d)で説明した方法を利用して、回転走査制御信号24に同期させながら特異点を移動させることにより、リングアーチファクトの大幅な低減が図れることが容易に理解できる。
【0036】
また並行移動量補正手段18は、回転テーブル3の並行移動量を画像再構成処理に反映させるためのもので、図2で説明したキャンバス30を回転テーブル3と同じように並行移動させることにより、X線ビーム6の光路Lと線分L’を常時一致させておくことができ、これによって回転テーブル3の並行移動によって生じる断層像16の劣化を(アーチファクトが低減されることを除いて)抑制することができるようになる。
以上のようにリングアーチファクトは、特異点の移動量を大きくすることにより効率よく低減させることができるが、回転テーブル3の並行移動量をあまり大きくし過ぎると、第二世代方式と同じように撮像に長い時間がかかることから、特異点の移動量は通常数十ボクセルで充分である。
また特異点の移動量を調整する手段を設ければ、対象物2に応じて特異点の移動量が調整できるため、撮像時間の短縮化が図れるようになる。
【0037】
一方図4は、X線CT装置本体1に特異点指定手段26を設けた変形例を示すもので、次にこの変形例について説明する。
この変形例では図3の(b)で説明した方法を利用するが、この方法では回転テーブル3の回転に伴う特異点の移動が生じないのでリングアーチファクトは低減されないが、特異点の位置を変えることによりリングアーチファクトの中心を任意の位置に移動させることができることから、リングアーチファクトが現れても問題とならない位置にその中心を移動させることにより、リングアーチファクトによる影響を少なくしている。
次に変形例になるX線CT装置本体1の作用を説明すると、まず準備撮像を行い、次に特異点の位置を指定した後、最後に本撮像を行うが、準備撮像では対象物2の断層撮像を行って、得られた断層像20を入出力端末21の表示部21aに、特異点指定画面27として図5に示すように表示させる。
【0038】
特異点指定画面27に表示される断層像20には、リングアーチファクト28が含まれているので、ユーザは入出力端末21に付属しているマウスなどのポインティングデバイス21bを使用してカーソル29を移動させ、リングアーチファクト28が現れても問題とならない位置を、断層像20の上で指定する。
このようにして指定された特異点の位置は制御手段10へ送られて、制御手段10の回転走査及び並進同期手段23に伝えられ、本撮像の際に回転走査及び並進同期手段23は、指定された特異点の位置に基づいて並行移動制御信号25を並進駆動手段5に出力する。
これによって回転テーブル3は、回転走査と同期した並行移動により特異点が指定された位置に移動されるため、リングアーチファクト28が現れているものの、実用の上で問題ない断層像20が得られるようになる。
【0039】
なお前記実施の形態及び変形例では、X線源7及び検出手段8を回転テーブル3を挟んで対向する位置に固定し、かつ回転テーブル3を回転及び並行移動させる構成としたが、X線源7及び検出手段8を回転移動させ、回転テーブル3を並行移動させるようにしてもよく、X線源7及び検出手段8を回転及び並行移動させ、回転テーブル3を固定してもよい。
また回転走査及び並進同期手段23により、回転テーブル3の回転走査と並行移動を同時に行うようにしたが、X線ビーム6をパルス的に出射して撮像する場合は、個々のパルスの間に回転走査と並行移動を時間的に分離して行うようにしてもよく、X線ビーム6が連続的に出射される場合であっても、回転テーブル3の微小な角度の回転走査と微小な距離の並行移動を短い周期で切り替え、時間的に分離して行うようにしてもよい。
さらにここまで説明してきた前記方法は、X線CTのみならず、光CTや中性子CT等にも応用できるものである。
【0040】
【発明の効果】
本発明は以上詳述したように、対象物の断層に含まれる複数の点のうち、ある点を透過したX線ビームを検出する複数の検出素子の数が最小となる点を特異点とし、かつ回転テーブルを回転させた状態で特異点の位置を回転テーブルの半径方向へ並行移動させる並進駆動手段を設けたことにより、対象物の特異点が複数の検出素子により検出されることから、X線検出手段を構成する検出素子の感度特性にばらつきがあっても感度特性が平均化されるため、感度特性のばらつきにより発生するリングアーチファクトを、対象物の断層像を劣化させることなく低減することができる。
これによってCT画像上で対象物を観察しながら対象物の形状、密度を評価する際、リングアーチファクトが評価の妨げとなることがないため、評価精度の向上が図れると共に、特に対象物の回転中心付近に発生するリングアーチファクトを効果的に低減することができるため、発泡材料のように数mmの内部構造を持つ対象物であっても、断層像がアーチファクトなのか、実際の構造なのかの判断が容易に行えるようになる。
【0041】
また回転テーブルを回転駆動する回転駆動手段と並進駆動手段を制御する回転走査及び並進同期手段より出力される回転走査制御信号に同期させて特異点を並行移動させるようにしたことから、特異点の移動はリングアーチファクトに対する移動平均処理と本質的に等価であり、またリングアーチファクトは、検出素子の感度の統計的なばらつきによって発生するものなので、移動平均処理によってリングアーチファクトを大幅に低減させることができると共に、回転テーブルの並行移動により生じる偏差を補正する並行移動補正手段を設けたことから、特異点の並行移動に伴う断層像の劣化を防止することができる。
【0042】
さらに対象物に応じて特異点の並行移動量を指定する特異点指定手段を設けたことから、断層像上に出現したリングアーチファクトを、対象物の形状、密度の評価に支障のない位置まで移動させて対象物の形状、密度を評価することができるため、リングアーチファクトに邪魔されることなく対象物の評価が行えると共に、対象物に応じて特異点の移動量が調整できるため、撮像時間の短縮化が図れるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態になるX線CT装置の構成図である。
【図2】(a)ないし(c)は本発明の実施の形態になるX線CT装置により画像再構成処理を行う際の説明図である。
【図3】(a)ないし(d)は本発明の実施の形態になるX線CT装置を構成する回転テーブルを並行移動した際の特異点の軌跡を示す説明図である。
【図4】本発明の実施の形態になるX線CT装置の変形例を示す構成図である。
【図5】本発明の実施の形態になるX線CT装置の変形例により表示される特異点指定画面の例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 X線CT装置本体
2 対象物
3 回転テーブル
4 回転駆動手段
5 並進駆動手段
6 X線ビーム
7 X線源
8 X線検出手段
8a 検出素子
17 断層像再構成手段
18 並行移動補正手段
20 断層像
23 回転走査及び並進同期手段
26 特異点指定手段
【発明の属する技術分野】
本発明は対象物の断層像を劣化させずにリングアーチファクトのみを低減することができるX線CT装置及びX線CT撮像方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のX線CT装置は、X線が物体の内部を減衰しながら透過していく性質を利用したもので、線源からのX線ビームを対象物に照射し、反対側に設置した検出器でX線の強度を測定するように構成されており、対象物の断層像を非破壊的に撮像することができることから従来から広く採用されていると共に、X線の減衰率は媒質の密度にほぼ比例することから、これを定量的に測ることにより、対象物を構成する材料の密度分布を求めることができる。
またX線CT装置の動作シーケンスにはいくつかの方式が存在するが、現在主流となっているのは「第二世代方式」と「第三世代方式」である。
第二世代方式では比較的少数の検出器を使用し、対象物(または線源と検出器)を回転走査及び並進走査させることによって断層像を作成するために必要な情報を取得するように構成されているが、この方式では2次元の走査が必要なため、撮像時間が長くかかる等の問題がある。
【0003】
これに対して第三世代方式は多数の検出器を使用して、対象物の回転走査のみによって断層像を作成するために必要な情報を取得する方式であるため、第二世代方式の10倍〜100倍の高速化が可能であるが、この第三世代方式では、検出器の感度特性のばらつきにより出現する「リングアーチファクト」と呼ばれる現象が問題になる。
このリングアーチファクトとは、断層像に同心円状の虚像(アーチファクト)が出現する現象で、並進走査を行わない第三世代方式では、対象物の回転中心を通るX線ビームはいつも同じ一つの検出器で検出されるのに対し、回転中心から離れた周辺部の点を通るX線ビームは、対象物の回転に伴って多数の検出器で検出されるようになっている。
【0004】
このため対象物の周辺部では、多数の検出器の感度特性が統計的に平均化されるのに対し、回転中心近くの点に対しては平均化がなされにくくなり、その結果ある検出器の感度が他のものより低いと、その検出器に対応する同心円状の領域で、あたかも材質の密度が高いかのように検出されてしまうため、CT画像上で対象物を観察しながら対象物の形状、密度を評価する際の妨げとなる等の問題がある。
以上の理由からリングアーチファクトの除去は、第三世代方式のX線CTにとってきわめて重要な課題であり、従来からリングアーチファクトを低減する方法が種々提案され、また実用化もされている。
【0005】
例えば特開2001−95793号公報には、画像処理装置でソフト的にリング補正処理を行うことにより、リングアーチファクトの低減を行う方法が記載されている。
また特開2001−330568号公報には、被検体を載置した回転テーブルを、回転とほぼ同時に回転中心の軸方向へ移動(並進)させることにより、被検体の回転軸方向の広い領域に亘る3次元像を一度に得ると共に、放射線検出器が検出する放射線ビームの端部に回転中心を設定して、この端部側のビーム外に被検体をはみ出させて大きい被検体の透過データを得るオフセットスキャンの場合は、窓関数を掛けて投影データの急激な変化を防止することにより、リングアーチファクトの少ない3次元像が得られるようにしたコンピュータ断層撮影装置が記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし前者公報のX線CT装置では、対象物がリング状の物体である場合、リングアーチファクトだけでなく、断層像そのものまで消去されてしまう虞があると共に、リングアーチファクトは、通常対象物の回転中心付近の狭い領域(通常は半径数十ピクセル以内の領域)に特に強く出現するため、発泡材料のように数mmの内部構造を持つ対象物の場合、前者公報のX線CT装置では、像がアーチファクトなのか、実際の構造なのかを判断するのが難しい等の問題がある。
また後者公報のコンピュータ断層撮影装置のように、被検体を回転中心の軸方向へ並進させるようにしたものでは、放射線検出器の感度特性のばらつきにより発生するリングアーチファクトを低減することができないと共に、窓関数を掛けて投影データの急激な変化を防止するソフト的な処理によりリングアーチファクトを低減するため、CT画像上で対象物を観察しながら形状、密度を評価する場合、実像と虚像の判断がしにくい等の問題もあった。
【0007】
本発明はかかる従来の問題を改善するためになされたもので、対象物の断層像そのものを劣化させることなく、リングアーチファクトのみを効果的に除去することができるX線CT装置及びX線CT撮像方法を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため本発明のX線CT装置は、X線ビームを出射するX線源と、X線ビーム内で対象物を回転させる回転テーブルと、対象物を透過したX線ビームを検出する複数の検出素子よりなるX線検出手段と、X線検出手段が検出したX線ビームの強度を基に対象物の断層像を構成する断層像再構成手段とを具備したX線CT装置であって、対象物の断層に含まれる複数の点のうち、ある点を透過したX線ビームを検出する複数の検出素子の数が最小となる点を特異点とし、かつ回転テーブルを回転させた状態で特異点の位置を回転テーブルの半径方向へ並行移動させる並進駆動手段を設けものである。
【0009】
前記構成により、対象物の特異点が複数の検出素子により検出されることから、X線検出手段を構成する検出素子の感度特性にばらつきがあっても感度特性が平均化されるため、感度特性のばらつきにより発生するリングアーチファクトを、対象物の断層像を劣化させることなく低減することができる。
これによってCT画像上で対象物を観察しながら対象物の形状、密度を評価する際、リングアーチファクトが評価の妨げとなることがないため、評価精度の向上が図れると共に、特に対象物の回転中心付近に発生するリングアーチファクトを効果的に低減することができるため、発泡材料のように数mmの内部構造を持つ対象物であっても、断層像がアーチファクトなのか、実際の構造なのかの判断が容易に行えるようになる。
【0010】
前記目的を達成するため本発明のX線CT装置は、回転テーブルを回転駆動する回転駆動手段と並進駆動手段を制御する回転走査及び並進同期手段より出力される回転走査制御信号に同期させて特異点を並行移動させるようにしたものである。
【0011】
前記構成により、特異点の移動はリングアーチファクトに対する移動平均処理と本質的に等価であり、またリングアーチファクトは、検出素子の感度の統計的なばらつきによって発生するものなので、移動平均処理によってリングアーチファクトを大幅に低減させることができる。
【0012】
前記目的を達成するため本発明のX線CT装置は、回転テーブルの並行移動により生じる偏差を補正する並行移動補正手段を設けたものである。
【0013】
前記構成により、回転テーブルの並行移動によって生じる断層像の劣化を抑制することができるようになる。
【0014】
前記目的を達成するため本発明のX線CT装置は、対象物に応じて特異点の並行移動量を指定する特異点指定手段を設けたものである。
【0015】
前記構成により、断層像上に出現したリングアーチファクトを、対象物の形状、密度の評価に支障のない位置まで移動させて対象物の形状、密度を評価することができるため、リングアーチファクトに邪魔されることなく対象物の評価が行えると共に、対象物に応じて特異点の移動量が調整できるため、撮像時間の短縮化が図れるようになる。
【0016】
前記目的を達成するため本発明のX線CT撮像方法は、X線ビームを出射するX線源と、X線ビーム内で対象物を回転させる回転テーブルと、対象物を透過したX線ビームを検出する複数の検出素子よりなるX線検出手段と、X線検出手段が検出したX線ビームの強度を基に対象物の断層像を構成する断層像再構成手段とから構成されたX線CT装置により対象物の断層像を撮像するX線CT撮像方法であって、対象物の断層に含まれる複数の点のうち、ある点を透過したX線ビームを検出する複数の検出素子の数が最小となる点を特異点とし、かつ回転テーブルを回転させた状態で特異点の位置を回転テーブルの半径方向へ並行移動さて対象物の断層像を撮像するようにしたものである。
【0017】
前記方法により、対象物の特異点が複数の検出素子により検出されることから、X線検出手段を構成する検出素子の感度特性にばらつきがあっても感度特性が平均化されるため、感度特性のばらつきにより発生するリングアーチファクトを、対象物の断層像を劣化させることなく低減することができる。
【0018】
前記目的を達成するため本発明のX線CT撮像方法は、回転テーブルを回転駆動する回転駆動手段と並進駆動手段を制御する回転走査及び並進同期手段より出力される回転走査制御信号に同期させて特異点を並行移動させるようにしたものである。
【0019】
前記方法により、特異点の移動はリングアーチファクトに対する移動平均処理と本質的に等価であり、またリングアーチファクトは、検出素子の感度の統計的なばらつきによって発生するものなので、移動平均処理によってリングアーチファクトを大幅に低減させることができる。
【0020】
前記目的を達成するため本発明のX線CT撮像方法は、回転テーブルの並行移動により生じる偏差を補正する並行移動補正工程を設けたものである。
【0021】
前記方法により、回転テーブルの並行移動によって生じる断層像の劣化を抑制することができるようになる。
【0022】
前記目的を達成するため本発明のX線CT撮像方法は、対象物に応じて特異点の並行移動量を指定する特異点指定工程を設けたものである。
【0023】
前記方法により、断層像上に出現したリングアーチファクトを、対象物の形状、密度の評価に支障のない位置まで移動させて対象物の形状、密度を評価することができるため、より精度の高い評価が可能になると共に、対象物に応じて特異点の移動量が調整できるため、撮像時間の短縮化が図れるようになる。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、図面を参照して詳述する。
図1はX線CT装置の全体的な構成図を示すもので、X線CT装置本体1は対象物2を載置する回転テーブル3と、回転テーブル3を回転駆動する回転駆動手段4及び回転テーブル3を回転中心Oに対して半径方向へ移動(並進)させる並進駆動手段5を有している。
また回転テーブル3を挟んで対向する位置には、対象物2に向けてX線ビーム6を照射するX線源7と、対象物2を透過したX線ビーム6を検出する多数の検出素子8aよりなるX線検出手段8が設置されている。
X線源7は、電子を強い電界により加速してターゲット材に衝突させ、そのときの制動輻射により発生するX線ビーム6を扇形に出射する加速器により構成されていて、制御手段10より出力される加速機制御信号11により制御されるようになっている。
【0025】
X線検出手段8は、重金属材料よりなるコリメータ12の後方に設けられていて、コリメータ12に形成された複数のスリット12a毎に設けられた複数の検出素子8aにより構成されている。
コリメータ12は、X線源7より扇状に放射されるX線ビーム6を分離して各検出素子8aに到達させるようにしたもので、X線源7と各検出素子8aを結ぶ光路と平行するよう各スリット12aが形成されている。
X線検出手段8の各検出素子8aは光電素子により形成されていて、コリメータ12の各スリット12aを通過したX線ビーム6の強度に応じて強度信号14を発生するようになっており、各検出素子8aより発生されたX線強度信号14は、信号処理手段15へ出力されるようになっている。
【0026】
信号処理手段15は、例えば対数増幅器とA/Dコンバータとにより構成されていて、各検出素子8aより出力されたX線強度信号14を演算処理することによって密度積分値16を算出し、得られた密度積分値16を断層像再構成手段17へ出力するようになっている。
断層像再構成手段17は、信号処理手段15より出力された密度積分値16を画像にマッピングすることにより、断層像20を再構成して入出力端末21へ出力するもので、この断層像再構成手段17には、密度積分値16のマッピングを行う際、回転テーブル3を半径方向へ並行移動した際に発生する偏差を補正する並行移動量補正手段18が設けられている。
入出力端末21は、対象物2を検査する際検査に必要な対象物2の各種情報を入力したり、断層像再構成手段17より出力された断層像20や各種情報を可視像化して表示部21aに表示するもので、パソコンやワークステーション等のコンピュータを使用しており、入出力端末21より入力されたコマンドを含む各種情報22を、制御手段10へ出力するようになっている。
【0027】
制御手段10は、入出力端末21より入力された各種情報22を基にX線源7を制御するようになっており、制御手段10には回転走査及び並進同期手段23が設けられていて、この回転走査及び並進同期手段23により回転駆動手段4及び並進駆動手段5へ回転走査制御信号24及び並行移動制御信号25へ出力することにより、X線源7と回転駆動手段4及び並進駆動手段5を同期制御できるようになっている。
回転駆動手段4及び並進駆動手段5は、例えばNC制御されるステッピングモータと図示しない動力伝達手段とにより構成されていて、回転駆動手段4は回転テーブル3を回転駆動し、また並進駆動手段5は回転する回転テーブル3を半径方向へ並行移動できるようになっている。
【0028】
なお断層像再構成手段17と入出力端末21及び制御手段10は、それぞれの機能を持つソフトウエアを同一コンピュータに予めインストールすることにより、1台のコンピュータで構成するようにしてもよい。
【0029】
次の前記構成されたX線CT装置の作用を、第3世代方式のX線CT装置の原理と併せて説明する。
検査する対象物2を回転テーブル3に載置してX線CT装置の運転を開始すると、X線源7より対象物2へ向けて扇状に照射されたX線ビーム6は、回転テーブル3とともに回転する対象物2を透過してX線検出手段8の各検出素子8aに達し、各検出素子8aによりX線ビーム6の強度が検出されるが、対象物2を透過したX線の減衰係数は、透過した媒質の密度にほぼ比例する。
そこでX線検出手段8の各検出素子8aが検出したX線強度信号14から減衰係数の積分値である減衰量を求め、これを基に各X線ビーム6毎に媒質の密度を積分値である密度積分値16として求める。
【0030】
次に得られた密度積分値16から断層像20の画像を再構成する処理を行うが、画像再構成の処理は、図2に示すように回転テーブル3とまったく同じように回転しながら、描画が可能なキャンバス30を想像すると理解しやすい。
回転テーブル3上の対象物2にX線ビーム6を照射することにより、対象物2を透過した1本の線(光路)L1に沿った対象物2の内部の密度積分値16を知ることができるので、図2に示すキャンバス30は予め中間色である灰色で塗り潰されているものとし、図2の(a)に示すように、光路L1に沿った密度積分値16が一定の基準値よりも大きい場合、キャンバス30にも線分L1’に沿って白い線を引き、また光路L2に沿った密度積分値16が一定の基準値よりも小さい場合、線分L2’に沿って黒い線を引くものとする。
ここでいう「線を引く」とは、正確にはそれぞれの光路Lに対応する線分L’が通過するすべての「ピクセル」において、密度積分値16に応じてキャンバス30の色を、白色側あるいは黒色側に変化させるということであり、「ピクセル」とは、キャンバス30に画像を構成する小さい点状の要素である。
また図2に示すキャンバス30には、白い線を点線で、また黒い線を実線で表示している。
【0031】
次に図2の(b)で示すように、回転駆動手段4による回転走査のステップだけ回転テーブル3を回転させ、図2の(a)のときと同じように線を引くと共に、さらに回転テーブル3を回転させながら線を引くと図2の(c)のようになる。
このような操作を回転テーブル3のすべての回転角度、X線ビーム6のすべての光路に対して行うと、最終的にはキャンバス30上にあるすべての点(ピクセル)において、角度の異なる多くの白い線や黒い線が重なり合うことになる。
いま2つの点、点Pと点Qを考えてみると、もし対象物2の内部にある点Pの密度が他の領域より高ければ、キャンバス30の上にある点P’を通る線の多くが白い線となるので、それらが重なり合う点P’も白い点となって浮かび上がってくる。同様に点Qの密度が他の領域より低ければ、キャンバス30上にある点Q’を通る線の多くが黒い線となるので、それらが重なり合う点Q’も黒い点となって浮かび上がってくる。
【0032】
そして以上の操作を繰り返すことにより、X線ビーム6の光路Lに沿った密度積分値16から対象物2の内部の密度分布を色の分布として知ることができるようになり、これが画像再構成処理の基本的な原理である。
ここで回転テーブル3の回転中心Oにある点Cを考えてみると、点Cを通るX線ビーム6は回転テーブル3の回転角度にかかわらず、いつも中央にある検出素子8aで受光されるが、もし複数の検出素子8aに感度のばらつきがあり、中央の検出素子8aの感度がたまたま他の検出素子8aの感度よりも低かったとすると、キャンバス30上にある点C’を通る線L’は、すべて本来の色に対して白色側に偏ることになり、その結果これらが重なり合う点P’も白色側に偏って現れることになり、これがリングアーチファクトの現れる原理である。
【0033】
対象とする点が回転テーブル3の回転中心Oから離れていくと、回転テーブル3の回転に伴い、その点を通るX線ビーム6は多くの検出素子8aで受光されるようになるため、各検出素子8aの感度のばらつきが平均化され、これによって統計的にばらつきが小さくなるので、リングアーチファクトは出現しにくくなる。
以後点Cやその近傍の点のように、単一またはごく少数の検出素子8aから出力されるX線強度信号14から、ピクセルの色、つまり媒質の密度が求められる点のことを「特異点」と呼ぶことにする。
これらの特異点は、X線源7や検出素子8aに対して静止している点であり、リングアーチファクトは、その発生原理から、特異点を中心として環状に現れることが分かる。
前記実施の形態になるX線CT装置本体1では、回転テーブル3の回転走査を行っている間に、回転と同期させて回転テーブル3を並進駆動手段5により半径方向へ並行移動させることにより、リングアーチファクトの発生を抑制するようにしているが、理解を容易にするために、回転テーブル3を並行移動させるいくつかの方法を図3に示す図面を参照して説明する。
なお以下の説明では、光軸方向を「X軸」、これに直角な方向を「Y軸」と呼ぶ。
【0034】
図3の(a)は、並行移動の振幅がX軸・Y軸方向とも0、つまり並行移動をさせない場合を示すもので、回転テーブル3の回転中心Oにある点Cが特異点である。
図3の(b)は、回転走査と同じ周期でX軸・Y軸方向ともに並行移動を行う場合を示すもので、回転テーブル3の回転軸が、半径Rの円周に沿って並行移動することになるので、点Cから距離Rだけ離れた点が特異点となり、点Cに対する特異点の方向・距離は、X軸・Y軸方向の移動量の位相と振幅によって変わる。
【0035】
すなわちこの方法を利用すると、リングアーチファクトは減少しないが、リングアーチファクトの中心を任意の位置に移動させることができるようになる。
図3の(c)は、回転走査の1/2の周期でX軸・Y軸方向ともに並行移動を行う場合を示しており、この方法では回転テーブル3の回転に伴い、点Cを中心とする円に沿って特異点が移動して行き、特異点の移動は、リングアーチファクトに対する移動平均処理と本質的に等価であり、またリングアーチファクトは、検出手段8aの感度の統計的なばらつきによって発生するものなので、移動平均処理によってリングアーチファクトを大幅に低減させることができる。
図3の(d)は、回転走査と同じ周期でY軸方向のみに並行移動を行う場合を示すもので、この場合点Cを通る円に沿って特異点が移動していくことから、この方法によっても、リングアーチファクトを低減させることができるようになる。
従ってX線CT装置本体1に回転駆動手段4及び並進駆動手段5を設け、かつ前記図3の(c)及び(d)で説明した方法を利用して、回転走査制御信号24に同期させながら特異点を移動させることにより、リングアーチファクトの大幅な低減が図れることが容易に理解できる。
【0036】
また並行移動量補正手段18は、回転テーブル3の並行移動量を画像再構成処理に反映させるためのもので、図2で説明したキャンバス30を回転テーブル3と同じように並行移動させることにより、X線ビーム6の光路Lと線分L’を常時一致させておくことができ、これによって回転テーブル3の並行移動によって生じる断層像16の劣化を(アーチファクトが低減されることを除いて)抑制することができるようになる。
以上のようにリングアーチファクトは、特異点の移動量を大きくすることにより効率よく低減させることができるが、回転テーブル3の並行移動量をあまり大きくし過ぎると、第二世代方式と同じように撮像に長い時間がかかることから、特異点の移動量は通常数十ボクセルで充分である。
また特異点の移動量を調整する手段を設ければ、対象物2に応じて特異点の移動量が調整できるため、撮像時間の短縮化が図れるようになる。
【0037】
一方図4は、X線CT装置本体1に特異点指定手段26を設けた変形例を示すもので、次にこの変形例について説明する。
この変形例では図3の(b)で説明した方法を利用するが、この方法では回転テーブル3の回転に伴う特異点の移動が生じないのでリングアーチファクトは低減されないが、特異点の位置を変えることによりリングアーチファクトの中心を任意の位置に移動させることができることから、リングアーチファクトが現れても問題とならない位置にその中心を移動させることにより、リングアーチファクトによる影響を少なくしている。
次に変形例になるX線CT装置本体1の作用を説明すると、まず準備撮像を行い、次に特異点の位置を指定した後、最後に本撮像を行うが、準備撮像では対象物2の断層撮像を行って、得られた断層像20を入出力端末21の表示部21aに、特異点指定画面27として図5に示すように表示させる。
【0038】
特異点指定画面27に表示される断層像20には、リングアーチファクト28が含まれているので、ユーザは入出力端末21に付属しているマウスなどのポインティングデバイス21bを使用してカーソル29を移動させ、リングアーチファクト28が現れても問題とならない位置を、断層像20の上で指定する。
このようにして指定された特異点の位置は制御手段10へ送られて、制御手段10の回転走査及び並進同期手段23に伝えられ、本撮像の際に回転走査及び並進同期手段23は、指定された特異点の位置に基づいて並行移動制御信号25を並進駆動手段5に出力する。
これによって回転テーブル3は、回転走査と同期した並行移動により特異点が指定された位置に移動されるため、リングアーチファクト28が現れているものの、実用の上で問題ない断層像20が得られるようになる。
【0039】
なお前記実施の形態及び変形例では、X線源7及び検出手段8を回転テーブル3を挟んで対向する位置に固定し、かつ回転テーブル3を回転及び並行移動させる構成としたが、X線源7及び検出手段8を回転移動させ、回転テーブル3を並行移動させるようにしてもよく、X線源7及び検出手段8を回転及び並行移動させ、回転テーブル3を固定してもよい。
また回転走査及び並進同期手段23により、回転テーブル3の回転走査と並行移動を同時に行うようにしたが、X線ビーム6をパルス的に出射して撮像する場合は、個々のパルスの間に回転走査と並行移動を時間的に分離して行うようにしてもよく、X線ビーム6が連続的に出射される場合であっても、回転テーブル3の微小な角度の回転走査と微小な距離の並行移動を短い周期で切り替え、時間的に分離して行うようにしてもよい。
さらにここまで説明してきた前記方法は、X線CTのみならず、光CTや中性子CT等にも応用できるものである。
【0040】
【発明の効果】
本発明は以上詳述したように、対象物の断層に含まれる複数の点のうち、ある点を透過したX線ビームを検出する複数の検出素子の数が最小となる点を特異点とし、かつ回転テーブルを回転させた状態で特異点の位置を回転テーブルの半径方向へ並行移動させる並進駆動手段を設けたことにより、対象物の特異点が複数の検出素子により検出されることから、X線検出手段を構成する検出素子の感度特性にばらつきがあっても感度特性が平均化されるため、感度特性のばらつきにより発生するリングアーチファクトを、対象物の断層像を劣化させることなく低減することができる。
これによってCT画像上で対象物を観察しながら対象物の形状、密度を評価する際、リングアーチファクトが評価の妨げとなることがないため、評価精度の向上が図れると共に、特に対象物の回転中心付近に発生するリングアーチファクトを効果的に低減することができるため、発泡材料のように数mmの内部構造を持つ対象物であっても、断層像がアーチファクトなのか、実際の構造なのかの判断が容易に行えるようになる。
【0041】
また回転テーブルを回転駆動する回転駆動手段と並進駆動手段を制御する回転走査及び並進同期手段より出力される回転走査制御信号に同期させて特異点を並行移動させるようにしたことから、特異点の移動はリングアーチファクトに対する移動平均処理と本質的に等価であり、またリングアーチファクトは、検出素子の感度の統計的なばらつきによって発生するものなので、移動平均処理によってリングアーチファクトを大幅に低減させることができると共に、回転テーブルの並行移動により生じる偏差を補正する並行移動補正手段を設けたことから、特異点の並行移動に伴う断層像の劣化を防止することができる。
【0042】
さらに対象物に応じて特異点の並行移動量を指定する特異点指定手段を設けたことから、断層像上に出現したリングアーチファクトを、対象物の形状、密度の評価に支障のない位置まで移動させて対象物の形状、密度を評価することができるため、リングアーチファクトに邪魔されることなく対象物の評価が行えると共に、対象物に応じて特異点の移動量が調整できるため、撮像時間の短縮化が図れるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態になるX線CT装置の構成図である。
【図2】(a)ないし(c)は本発明の実施の形態になるX線CT装置により画像再構成処理を行う際の説明図である。
【図3】(a)ないし(d)は本発明の実施の形態になるX線CT装置を構成する回転テーブルを並行移動した際の特異点の軌跡を示す説明図である。
【図4】本発明の実施の形態になるX線CT装置の変形例を示す構成図である。
【図5】本発明の実施の形態になるX線CT装置の変形例により表示される特異点指定画面の例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 X線CT装置本体
2 対象物
3 回転テーブル
4 回転駆動手段
5 並進駆動手段
6 X線ビーム
7 X線源
8 X線検出手段
8a 検出素子
17 断層像再構成手段
18 並行移動補正手段
20 断層像
23 回転走査及び並進同期手段
26 特異点指定手段
Claims (8)
- X線ビームを出射するX線源と、前記X線ビーム内で対象物を回転させる回転テーブルと、前記対象物を透過したX線ビームを検出する複数の検出素子よりなるX線検出手段と、前記X線検出手段が検出したX線ビームの強度を基に前記対象物の断層像を構成する断層像再構成手段とを具備したX線CT装置であって、前記対象物の断層に含まれる複数の点のうち、ある点を透過したX線ビームを検出する前記複数の検出素子の数が最小となる点を特異点とし、かつ前記回転テーブルを回転させた状態で前記特異点の位置を前記回転テーブルの半径方向へ並行移動させる並進駆動手段を設けたことを特徴とするX線CT装置。
- 前記回転テーブルを回転駆動する回転駆動手段と前記並進駆動手段を制御する回転走査及び並進同期手段より出力される回転走査制御信号に同期させて前記特異点を並行移動させることを特徴とする請求項1に記載のX線CT装置。
- 前記回転テーブルの並行移動により生じる偏差を補正する並行移動補正手段を設けてなる請求項1または2に記載のX線CT装置。
- 前記対象物に応じて前記特異点の並行移動量または移動先の位置を指定する特異点指定手段を設けてなる請求項1ないし3の何れかに記載のX線CT装置。
- X線ビームを出射するX線源と、前記X線ビーム内で対象物を回転させる回転テーブルと、前記対象物を透過したX線ビームを検出する複数の検出素子よりなるX線検出手段と、前記X線検出手段が検出したX線ビームの強度を基に前記対象物の断層像を構成する断層像再構成手段とから構成されたX線CT装置により前記対象物の断層像を撮像するX線CT撮像方法であって、前記対象物の断層に含まれる複数の点のうち、ある点を透過したX線ビームを検出する前記複数の検出素子の数が最小となる点を特異点とし、かつ前記回転テーブルを回転させた状態で前記特異点の位置を前記回転テーブルの半径方向へ並行移動さて前記対象物の断層像を撮像することを特徴とするX線CT撮像方法。
- 前記回転テーブルを回転駆動する回転駆動手段と前記並進駆動手段を制御する回転走査及び並進同期手段より出力される回転走査制御信号に同期させて前記特異点を並行移動させることを特徴とする請求項5に記載のX線CT撮像方法。
- 前記回転テーブルの並行移動により生じる偏差を補正する並行移動補正工程を設けてなる請求項5または6に記載のX線CT撮像方法。
- 前記対象物に応じて前記特異点の並行移動量または移動先の位置を指定する特異点指定工程を設けてなる請求項5ないし7の何れかに記載のX線CT撮像方法。
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- 2002-09-24 JP JP2002277144A patent/JP2004117024A/ja active Pending
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