JP2004115330A - ガラス母材の製造方法及び製造装置 - Google Patents

ガラス母材の製造方法及び製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】複数のヒータを多段に配した焼結炉で、均一な外径で透明ガラス化することができるガラス母材の製造方法と製造装置を提供する。
【解決手段】炉心管の長手方向に配された3段以上の複数のヒータ11a〜11eを順次切換えてガラス微粒子堆積体2を加熱し、透明ガラス化するガラス母材の製造方法であって、少なくとも隣接する2つのヒータのそれぞれが、所定の時間だけ透明ガラス化に必要な所定温度を維持して同時にガラス微粒子堆積体2を加熱し、長手方向に順次透明ガラス化するとする。
【選択図】    図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガラス微粒子堆積体(多孔質ガラス母材)を加熱して透明ガラス化するガラス母材の製造方法及び製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ガラス光ファイバ等の製造に用いるガラス母材の製造方法において、ガラス原料ガスを火炎加水分解させてガラス微粒子を生成し、これを出発ガラスロッド等に堆積させてガラス微粒子堆積体(多孔質ガラス母材)とし、これを脱水、燒結して透明ガラス化することが知られている。また、ガラス微粒子堆積体の製造には、VAD法(気相軸付法)、OVD法(外付け気相蒸着法)等が知られている。
【0003】
OVD法は、例えば、反応容器内で回転する出発ガラスロッドの外周に、SiCl等のガラス原料ガスを、Hガス,Oガス等の燃焼用ガスとともにバーナで吹き付け、火炎加水分解反応によりガラス微粒子を生成して堆積させ、ガラス微粒子堆積体を作製する。VAD法は、回転する出発ガラスロッドの下方にバーナを配して、ガラス原料ガスと燃焼用ガスを吹き付け、火炎加水分解反応により生成されるガラス微粒子を軸方向に堆積させてガラス微粒子堆積体を作製する。
【0004】
ガラス微粒子堆積体の透明ガラス化は、カーボンまたは石英等の耐熱材で形成された炉心管を備えた焼結炉を用いて行われる。透明ガラス化の方法には種々の方法があるが、例えば、炉心管内を塩素含有雰囲気にして、脱水と透明ガラス化の加熱処理を同時に行なう方法がある。また、塩素系ガスとヘリウムガスで脱水加熱を行なった後に、温度を上げてヘリウムガスのみで加熱し透明ガラス化するなどの方法も知られている。これらの加熱処理を行なうための焼結炉には、今までに種々の構成のものが提案されている。
【0005】
焼結炉としては、例えば、炉心管の外周に単一のヒータを配して加熱ゾーンを形成し、ガラス微粒子堆積体を回転させながら炉心管内に移動させ、加熱ゾーンを順次通過させて透明ガラス化する構成のものがある。また、炉心管の外周に複数のヒータを多段に配し、順次ヒータの発熱を切換えて透明ガラス化する構成のものもある。後者の多段ヒータを用いた焼結炉は、ガラス微粒子堆積体を移動させる必要がないことから、密封状態での加熱処理が可能で炉心管内の有害ガスのリークがない。また、外部からの不純物の混入がなくなるので高品質なガラス母材を製造できる利点がある(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【0006】
図5は、後者の多段ヒータを用いた焼結炉の一例を示す図である。図中、1は焼結炉、2はガラス微粒子堆積体、3はダミーロッド、4は連結具、5は吊下げ支持具、6は炉心管、7は炉体、8はガス導入口、9はガス排気口、10は封止部、11a〜11dはヒータ、12a〜12dは温度センサ、13a〜13dは制御装置を示す。
【0007】
ガラス微粒子堆積体2は、少なくとも一方の端部にダミーロッド3が溶着により取付けられていて、その端部を連結具4を用いて吊下げ支持具5に吊下げ、焼結炉1の炉心管6内に入れられる。焼結炉1は、カーボン又は石英で形成された炉心管6の外周部を炉体7で囲い、炉心管6の外側にリング状の複数のヒータ11a〜11dを多段に配して構成されている。炉心管6の下部には、炉心管内にガスを供給するためのガス導入口8が設けられ、上部には、炉心管内のガスを排出するガス排気口9が設けられている。
【0008】
リング状のヒータ11a〜11dには、抵抗加熱ヒータ又は誘導加熱ヒータが用いられている。ヒータ11a〜11dの設置位置の近傍には、ヒータ毎に温度センサ12a〜12dが設けられ、炉心管6内の温度が予め設定された温度になるように加熱温度制御装置13a〜13dにより制御される。なお、以下の説明において、「・・・温度」とは、温度センサ12a〜12dで検知される炉心管内の温度を言うものとする。
【0009】
図5のように構成された燒結炉1において、例えば、上記特許文献1に開示された方法によれば、炉心管内にガラス微粒子堆積体を挿入した後、塩素ガスとヘリウムガスの混合ガス雰囲気とし、ヒータ11a〜11dを一斉にオンして、予熱温度(800℃程度)から脱水温度(1070℃程度)になるように加熱して脱水処理を行なう。次いで、炉心管6内をフッ素ガス雰囲気とし、ヒータ11a〜11dを一斉に温度制御して炉心管温度を上げ(1290℃程度)、屈折率制御のためのフッ素添加を行なう。
【0010】
この後、最下端のヒータ11dは、透明ガラス化に必要な温度(1550℃程度)になるように加熱制御され、他のヒータ11a〜11cは降温(1200℃程度)する制御が行なわれる。ヒータ11dによる加熱で透明カラス化温度に達したら、隣接する次のヒータ11cを制御して徐々に加熱温度を上げ、ヒータ11cによる加熱が透明カラス化温度に達したら、次のヒータ11bを制御して徐々に加熱する。なお、ヒータ11dは、隣接するヒータ11cによる加熱で透明カラス化温度に達したらオフとされる。前記の制御を順次行なうことにより、ガラス微粒子堆積体の透明ガラス化が行なわれる。
【0011】
【特許文献1】
特開昭63−206327号公報
【特許文献2】
実開平6−59436号公報参照
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
図6は、上記の透明ガラス化の加熱制御を図式化した図である。図6(A)はヒータの配設位置と炉心管内の温度分布を示した図、図6(B)は透明ガラス化のための温度制御で、経過時間と加熱温度の関係を示す図、図6(C)はガラス母材の長手方向位置と加熱温度の関係を示した図である。
【0013】
図6(A)に示すように、ヒータ11a〜11dは、抵抗加熱ヒータ、誘導加熱ヒータのいずれを用いても、その加熱範囲の温度分布はヒータ中央部が最高温度となる山形をしており、ヒータ両側における加熱温度は低くなる。図6(B)に示すように、下端側のヒータ11dによる領域が透明ガラス化に必要な所定温度に達した時点で、隣接する次のヒータ11cを制御して徐々に次の加熱領域を加熱し、ヒータ11cによる加熱が所定温度に達した時点で、ヒータ11dをオフにする。以下、順次各ヒータによる加熱領域を上端側に切換えていく。
【0014】
上記の加熱制御で、ヒータ11a〜ヒータ11dを順次切換えていくと、図6(C)に示すように加熱領域の境界部では、所定温度に達していない部分Dが生じる。これは、図6(A)に示したように、ヒータ11a〜11dの温度分布が山形でヒータ端部の温度が低くいため、ヒータ11a〜11dを途切れなく順次動作させたとしても、ヒータ11a〜11dの各加熱領域の境界部における炉心管内の温度が、所定温度まで達しないことによるものと考えられる。
【0015】
図7は、図6(C)の結果が、透明ガラス化に及ぼす影響を示した図である。図中、2aは透明ガラス化部分、2bは不均一部分である。その他の符号は図5に用いたのと同じ符合を用いることにより説明を省略する。
【0016】
図7においては、図6の説明とは異なるが、例えば、上方のヒータ11aから下方のヒータ11dに向けて順に昇温制御するものとする。図7(A)〜図7(C)に示すように、ヒータ11a、11b、11cの順に、図6(B)の方法で順次加熱制御していくと、ヒータ11aとヒータ11bの間、ヒータ11bとヒータ11cの間に、不均一部分2bが少々残ることがある。これは、図6(C)で示したように、各ヒータ11a〜11dの加熱領域の境界部において、透明ガラス化に必要な十分な温度が得られていないことによるものである。
【0017】
透明ガラス化されたガラス母材に、上記のような不均一部分が存在すると、ガラス母材を線引きしてファイバ化したとき、ファイバ外径が不均一となり所定のファイバ特性が得られなくなる。本発明は、上述した実情に鑑みてなされたもので、複数のヒータを多段に配した焼結炉で、均一な外径で透明ガラス化することができるガラス母材の製造方法と製造装置の提供を課題とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明によるガラス母材の製造方法は、炉心管の長手方向に配された3段以上の複数のヒータを順次切換えてガラス微粒子堆積体を加熱し、透明ガラス化するガラス母材の製造方法であって、少なくとも隣接する2つのヒータのそれぞれが、所定の時間だけ透明ガラス化に必要な所定温度を維持して同時にガラス微粒子堆積体を加熱し、長手方向に順次透明ガラス化するようにしたものである。
【0019】
また、本発明によるガラス母材の製造装置は、炉心管の長手方向に配された3段以上の複数のヒータを順次切換えて発熱させ、ガラス微粒子堆積体を加熱透明ガラス化するガラス母材の製造装置であって、複数のヒータはそれぞれ独立に制御可能とされ、少なくとも隣接する2つのヒータのそれぞれが、所定の時間だけ透明ガラス化に必要な所定温度を維持して同時に前記ガラス微粒子堆積体を加熱する制御装置を備えたものである。
【0020】
【発明の実施の形態】
図により本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明に用いる焼結炉の一例を説明する図で、図中の符号は図5に用いたのと同じ符号を用いることにより説明を省略する。焼結炉1の基本構成自体は、図5で説明した従来のものと基本的には同じである。
【0021】
本発明に用いられる焼結炉1は、従来と同様にカーボン又は石英で形成された炉心管6の外周部を炉体7で囲い、炉心管6の外側に長手方向に沿ってリング状の複数のヒータ11a〜11eを多段に配して構成される。ヒータ11a〜11eの数(図の例では5段のヒータを使用)は、3段以上の複数あればよいが、従来のものより軸方向の寸法を小さくして段数を増加させることにより、精度の高い温度制御を行なうことができる。炉心管6の下部には、炉心管内にガスを供給するためのガス導入口8が設けられ、上部には、炉心管内のガスを排出するガス排気口9が設けられている。
【0022】
ガラス微粒子堆積体2は、少なくとも一方の端部にダミーロッド3が溶着により取付けられていて、連結具4を用いて吊下げ支持具5により吊下げられ、焼結炉1の炉心管6内に入れられる。また、ダミーロッド3は、炉心管6の封止部10で封止されて内部のガスが漏出しないようにされる。ガラス微粒子堆積体2は、炉心管内で回転するようにしてもよいが、回転させなくてもよい。しかし、リング状のヒータ11a〜11eが、半割り等の分割形状で形成されている場合は、外周方向の温度分布が不均一となることがあるので、回転させるほうが均一な加熱を行なうことができる。
【0023】
ヒータ11a〜11eには、抵抗加熱ヒータ又は誘導加熱ヒータが用いられる。ヒータ11a〜11eは、リング状又は複数に分割したリング構造のもので、炉心管6の長手方向の所定範囲に、互いに熱絶縁して個別制御が可能なように組付けられる。ヒータ11a〜11eの設置位置の近傍には、ヒータ毎に温度センサ12a〜12eが設けられ、炉心管6内の温度が予め設定された温度になるように加熱温度制御装置13により制御される。なお、以下の説明において、「・・・温度」とは、温度センサ12a〜12eで検知される炉心管6内の温度を言うものとする。
【0024】
上記のように構成された燒結炉1において、炉心管6内にガラス微粒子堆積体2を入れた後、例えば、ヒータ11a〜11eを一斉にオンして所定の脱水温度(例えば、1100℃前後)とする共に、塩素系ガスとヘリウムガスの混合ガス雰囲気とし脱水処理を行なう。脱水処理を終えた後、引続いて炉心管6内のガスを一旦排出して、特定比率の塩素ガスとヘリウムガス、または、ヘリウムガスのみを導入し、透明ガラス化の加熱処理を行なう。
【0025】
図2は、本発明による透明ガラス化の加熱処理行なう温度制御を図式化したものである。図2(A)はヒータの配設位置と温度分布を示した図、図2(B)は透明ガラス化のための温度制御で、経過時間と加熱温度の関係を示す図、図2(C)はガラス母材の長手方向位置と加熱温度の関係を示した図である。
【0026】
図中、S1は透明ガラス化に必要な所定温度への昇温開始時点、S2は透明ガラス化に必要な所定温度に達する時点、S3はヒータをオフとする時点、Kは透明ガラス化に必要な所定温度に維持する時間、Lは隣り合う2つのヒータが透明ガラス化に必要な所定温度に同時に加熱する時間を示す。なお、図2においては、上方のヒータ11aから下方のヒータ11eに向けて順次透明ガラス化に必要な所定温度とし、ガラス微粒子堆積体2を上から下方に向かって透明ガラス化する例を示している。
【0027】
図2(A)に示すように、ヒータ11a〜11eによる加熱範囲の温度分布は、ヒータ中央部が最高温度となる山形をしており、ヒータ両側における加熱温度は低くなる。この温度分布は、従来技術の図5(A)で説明したのと同様である。
【0028】
本発明においては、図2(B)に示すように、第1のヒータ11aによる加熱領域が透明ガラス化に必要な所定温度(例えば、1500℃前後)に達した時点S2、又はしばらく前記の所定温度を維持した後に、隣接する第2のヒータ11bを昇温して、次の加熱領域を透明ガラス化に必要な所定温度に加熱する。なお、昇温開始時点S1から透明ガラス化に必要な所定温度に達する時点S2までは、昇温制御しない場合でも多少の時間遅れを生じるが、所定の時間をかけて徐々に昇温制御するようにしてもよい。
【0029】
第1のヒータ11aがオフにされる時点S3まで、第1のヒータ11aと第2のヒータ11bとは、所定の時間Lだけ透明ガラス化に必要な所定温度を同時に維持するように制御される。次いで、第2のヒータ11bによる加熱温度が透明ガラス化に必要な所定温度に達した時点S2、又はしばらく前記の所定温度を維持した後に、隣接する第3のヒータ11cの昇温を開始して、次の加熱領域を透明ガラス化に必要な所定温度に加熱する。第3のヒータ11cの昇温が開始される時点S1で、第1のヒータ11aのスイッチをオフとする。しかし、第1のヒータ11aのスイッチをオフする時点S3は、第3のヒータ11cの昇温が開始された時点S1の多少前であっても後であってもよく、厳密なものではない。
【0030】
第1のヒータ11aがオフにされた後、第2のヒータ11bがオフにされるまで、第2のヒータ11bと第3のヒータ11cとは、所定の時間Lだけ透明ガラス化に必要な所定温度を同時に維持するように制御される。以下、後段のヒータ11d、11eを、同様に昇温と加熱の制御を行ない、透明ガラス化に必要な所定温度をガラス微粒子堆積体2の上端部から下端部に向けて移動させる。ガラス微粒子堆積体2を同時に加熱する前記所定の時間Lは、ヒータの温度分布特性によって異なるが、ヒータ11a〜11eがそれぞれ透明ガラス化に必要な所定温度で加熱維持する時間Kの1/3以上とするのが望ましい。さらに好ましくは、加熱維持する時間Kの1/2以上とするのが望ましい。
【0031】
上述の如く、ヒータ11a〜11eを加熱制御することにより、図2(C)に示すように、ガラス微粒子堆積体の表面全域をほぼ均一に加熱することができる。これは、ヒータ11a〜11eの加熱温度分布が図2(A)に示すように山形でヒータ両側における加熱温度は低くても、隣接する2つのヒータで同時に所定温度に加熱することで、図6(C)で示したヒータの加熱領域の境界部における温度低下部分Dの温度を高めることができることによる。
【0032】
図3は、ガラス微粒子堆積体2を図2(B)の加熱制御で透明ガラス化する過程を示す図である。図3(A)において、先ず、ガラス微粒子堆積体2の上端部を第1のヒータ11aで透明ガラス化に必要な所定温度で加熱し、透明ガラス化部分2aを形成する。
【0033】
次いで、図3(B)に示すように、第1のヒータ11aによる加熱領域を透明ガラス化に必要な所定温度に維持した状態で、第1のヒータ11aと隣接する第2のヒータ11bで、隣接する加熱領域を透明ガラス化に必要な所定温度に加熱する。第2のヒータ11bによる加熱で、図3(A)で形成された透明ガラス化部分2aに引続いて連続的に透明ガラス化部分2aが形成される。第1のヒータ11aと第2のヒータ11bとで所定時間、同時に、透明ガラス化に必要な所定温度に加熱されるので、第1のヒータ11aと第2のヒータ11bの境界部において、図6に示したような不均一部分2bを生じることなく均一な外径の透明ガラス化部分2aとなる。
【0034】
次いで、図3(C)に示すように、第1のヒータ11aをオフとし、第2のヒータ11bによる加熱領域を透明ガラス化に必要な所定温度に維持した状態で、第2のヒータ11bに隣接する第3のヒータ11cで、隣接する加熱領域を透明ガラス化に必要な所定温度に加熱する。これにより、上述と同様に不均一部分を生じることなく連続的に透明ガラス化部分2aが形成される。図3(D)においても、第3のヒータ11cと第4のヒータ11dにより加熱が行なわれ、以下同様にしてガラス微粒子堆積体の下端部まで不均一部分を生じることなく連続的に透明ガラス化部分2aが形成される。
【0035】
なお、図2及び図3では、ガラス微粒子堆積体2の上端部側から下端部側に向けて順次加熱する形態で示したが、ガラス微粒子堆積体2の下端部側から上端部側に向けて順次加熱するようにしてもよい。
【0036】
図4は、ガラス微粒子堆積体を透明ガラス化する他の例を示す図である。この例では、先ず、図4(A)に示すように、ガラス微粒子堆積体2の中央部の領域を、第3のヒータ11cで、透明ガラス化に必要な所定温度に加熱する。次いで、図4(B)に示すように、第3のヒータ11cに隣接する第2のヒータ11bと第4のヒータ11dで、中央部の両側の領域を、所定時間、同時に、透明ガラス化に必要な所定温度に加熱する。この後、図4(C)に示すように、中央の第3のヒータ11cをオフとし、隣接する第2のヒータ11bと第1のヒータ11a及び第3のヒータ11dと第5のヒータ11eにより、それぞれの加熱領域を透明ガラス化に必要な所定温度に加熱する。
【0037】
図4の場合も、図3の場合と同様に、ガラス微粒子堆積体2の全領域で不均一部分を生じることなく連続的に均一な透明ガラス化部分2aを形成することができる。また、図4の例は、ガラス微粒子堆積体2の中央部から上下端部に向けて順次過熱して透明ガラス化するので、図3の例と比べて加熱処理を短時間で行なうことが可能となる。
【0038】
【発明の効果】
上述したように、本発明によれば、多段に配されたヒータによる透明ガラス化の加熱処理で、各ヒータによる加熱領域の境界部において、透明ガラス化部分に不均一部分が生じるのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に使用する焼結炉の概略を示す図である。
【図2】本発明による加熱制御の一例を示す図である。
【図3】本発明によるガラス母材の製造方法の一例を説明する図である。
【図4】本発明によるガラス母材の製造方法の他の例を説明する図である。
【図5】従来の焼結炉の概略を示す図である。
【図6】従来の加熱制御の一例を示す図である。
【図7】従来のガラス母材の製造方法の例を説明する図である。
【符号の説明】
1…焼結炉、2…ガラス微粒子堆積体、2a…透明ガラス化部分、2b…不均一部分、3…ダミーロッド、4…連結具、5…吊下げ支持具、6…炉心管、7…炉体、8…ガス導入口、9…ガス排気口、10…封止部、11a〜11eはヒータ、12a〜12d…温度センサ、13,13a〜13d…制御装置。

Claims (5)

  1. 炉心管の長手方向に配された3段以上の複数のヒータを順次切換えてガラス微粒子堆積体を加熱し、透明ガラス化するガラス母材の製造方法であって、少なくとも隣接する2つの前記ヒータのそれぞれが、所定の時間だけ透明ガラス化に必要な所定温度を維持して同時に前記ガラス微粒子堆積体を加熱し、長手方向に順次透明ガラス化することを特徴とするガラス母材の製造方法。
  2. 前記ガラス微粒子堆積体を同時に加熱する前記所定の時間は、それぞれの前記ヒータが透明ガラス化に必要な所定温度で加熱維持する時間の1/3以上であることを特徴とする請求項1に記載のガラス母材の製造方法。
  3. 前記透明ガラス化に必要な所定温度を、前記ガラス微粒子堆積体の一方の端部から他方の端部に向けて移動させていくことを特徴とする請求項1又は2に記載のガラス母材の製造方法。
  4. 前記透明ガラス化に必要な所定温度を、前記ガラス微粒子堆積体の中央部から両端部に向けて移動させていくことを特徴とする請求項1又は2に記載のガラス母材の製造方法。
  5. 炉心管の長手方向に配された3段以上の複数のヒータを順次切換えて発熱させ、ガラス微粒子堆積体を加熱透明ガラス化するガラス母材の製造装置であって、前記複数のヒータはそれぞれ独立に制御可能とされ、少なくとも隣接する2つの前記ヒータのそれぞれが、所定の時間だけ透明ガラス化に必要な所定温度を維持して同時に前記ガラス微粒子堆積体を加熱する制御装置を備えていることを特徴とするガラス母材の製造装置。
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