JP2004114377A - インクジェット記録装置及びこの装置に用いるインク - Google Patents

インクジェット記録装置及びこの装置に用いるインク Download PDF

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仲島 厚志
Kazuhiro Murata
村田 和広
Hiroshi Yokoyama
横山 浩
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Abstract

【課題】超微細なインク滴を吐出することで、記録媒体へのインクの滲み、インク自体の乾燥不良、インクによる記録媒体のコックリング等の弊害を抑制して高精細な画像を記録する。
【解決手段】本発明のインクジェット記録装置は、インクを滴として吐出するノズル21を有する記録ヘッド20を備え、ノズル21からインク滴を基材Kに吐出して基材Kに所望の画像を記録するものである。このインクジェット記録装置においては、ノズル21から吐出されるインク滴の一滴当たりの滴量が、1〜400flであり、基材Kに対する一色当たりのインク付着量が、0.2〜5.6ml/mである。
【選択図】       図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット記録装置及びこの装置に用いるインクに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のインクジェット記録方式としては、圧電素子の振動によりインク流路を変形させることによりインク滴を吐出させるピエゾ方式、インク流路内に発熱体を設け、その発熱体を発熱させて気泡を発生させ、気泡によるインク流路内の圧力変化に応じてインク滴を吐出させるサーマル方式、インク流路内のインクを帯電させてインクの静電吸引力によりインク滴を吐出させる静電吸引方式が知られている。
【0003】
上記したようなインクジェット記録方式によるインクジェット記録装置は、記録媒体に着弾したインク滴により複数のドットを形成して記録媒体に所望の画像を記録するものであるが、近年では、吐出量が数pl(ピコリットル)〜数十plの微小なインク滴を吐出できるようになっている(例えば、特許文献3、4参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−238774号公報
【特許文献2】
特開2000−127410号公報
【特許文献3】
特開平10−291303号公報
【特許文献4】
特開平11−268266号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記インクジェット記録装置による記録に関して、上記の通りに各インク滴の滴量が数pl〜数十plであっても、記録媒体に着弾する各インク滴のドット径は数十μm(マイクロメートル)に達し、記録媒体に対する一色当たりのインク付着量も十ml/m近傍に達している。
【0006】
具体的に説明すると、通常のインクジェット記録装置では、インクを滴として吐出するノズルからは、2〜80pl程度のインク滴が吐出されているが、ノズルからのインクの吐出量が20plである場合には、記録媒体に着弾する各インク滴のドット径は60μmに達している。このときの解像度は600dpi(dot per inch)に相当しており、記録媒体に対する一色当たりのインク付着量は11.11ml/mに達している。
【0007】
また、ノズルからのインクの吐出量が2plである場合には、記録媒体に着弾する各インク滴のドット径は25μmに達している。このときの解像度は1440dpiに相当し、記録媒体に対する一色当たりのインク付着量は6.4ml/mとなってインク付着量は比較的少なくて済む。しかし、実際には、インク滴の吐出角度の誤差、インク滴の吐出速度の誤差、記録媒体の搬送誤差、ノズルと記録媒体との距離によるインク滴の着弾誤差等の微小な誤差が生じるため記録媒体の各画素を完全にインクにより埋める必要があり、結局、一色当たりのインク付着量は6.4ml/mよりも多い。
【0008】
このような記録では、各ドット径及び一色当たりのインク付着量が比較的大きく、例えば、明るい色のインク滴から構成される記録部分(以下「ハイライト部」という。)では、濃い色のインク滴が他のインク滴に比較して際立って認識され、また、互いに異なる濃い色のインク滴から構成される記録部分(以下「混色部」という。)でも、インク滴の一滴一滴が際立って認識される。つまり、濃い色のインク滴だけでは、記録すべき画像に滑らかな階調を表現することは困難であり、滑らかな階調表現を実現するためには、濃い色のインクだけではなく、色材の濃度を低減した淡い色のインクを用いなければならない。
【0009】
しかしながら、淡い色のインクを用いた場合には、一定の濃度を得るための単位面積当たりのインクの滴量が多くなり、その結果、上記と同様に、記録媒体に付着する一色当たりのインク付着量も多くなる。このような状況においては、インクが記録媒体に滲んだり、記録媒体に着弾したインクが充分に乾燥しきれなかったり、所謂「波打ち現象」により記録媒体がコックリングしたりして、画像の品質低下を招く可能性がある。特に、多数のインク滴を一度に吐出して高速記録を行うためにノズルの数を増やした場合には、顕著なものとなる。
【0010】
紫外線の被照射により硬化する紫外線硬化型インクを用い、記録媒体に着弾したインクに紫外線を照射しこのインクを硬化させることで、上記不都合を解消することも考えられるが、紫外線の照射を受けた紫外線硬化型インクは、記録媒体に吸収されずに即座に硬化するので、記録媒体に着弾した各インク滴が記録媒体上で大きく盛り上がり、記録された画像の質感を損ねてしまう。つまり、記録媒体上に各インク滴による凹凸が顕著に現れてしまう。
【0011】
また、上記インクジェット記録装置には、以下の問題があった。
(1)微小インク滴形成の安定性
ノズル径が大きいため、ノズルから吐出されるインク滴の形状が安定しない。(2)微小インク滴の着弾精度の不足
ノズルから吐出したインク滴に付与される運動エネルギーは、インク滴半径の3乗に比例して小さくなる。このため、微小インク滴は空気抵抗に耐えるほどの十分な運動エネルギーを確保できず、空気対流などによる擾乱を受け、正確な着弾が期待出来ない。さらに、インク滴が微細になるほど、表面張力の効果が増すために、インク滴の蒸気圧が高くなり蒸発量が激しくなる。このため微細インク滴は、飛翔中の著しい質量の消失を招き、着弾時にインク滴の形態を保つことすら難しいという事情があった。
【0012】
以上のようにインク滴の微細化と高精度化は、相反する課題であり、両方を同時に実現することは困難であった。
この着弾位置精度の悪さは、印字画質を低下させるのみならず、例えばインクジェット技術により導電性インクを用いて回路の配線パターンを描画する際などには特に大きな問題となる。すなわち、位置精度の悪さは所望の太さの配線が描画出来ないばかりか、断線やショートを生ずることさえあり得る。
(3)高印加電圧
従来の静電吸引方式の原理では、メニスカスの中心に電荷を集中させてメニスカスの***を発生する。この***したテーラーコーン先端部の曲率半径は、電荷の集中量により定まり、集中した電荷量と電界強度による静電力がそのときのメニスカスの表面張力より勝った時にインク滴の分離が始まる。
メニスカスの最大電荷量は、インクの物性値とメニスカス曲率半径により定まるため、最小のインク滴のサイズはインクの物性値(特に表面張力)とメニスカス部に形成される電界強度により定まる。
【0013】
一般的に、インクの表面張力は純粋な溶媒よりも溶剤を含んだ方が表面張力は低くなる傾向があり、実際のインクにおいても種々の溶剤を含んでいるため、表面張力を高くすることは難しい。このため、インクの表面張力を一定と考え、電界強度を高くすることによりインク滴サイズを小さくする方法が採られていた。
従って、上記の特許文献1,2に開示されたインクジェット記録装置では、両者とも吐出原理として、吐出インク滴の投影面積よりもはるかに広い面積のメニスカス領域に強い電界強度のフィールドを形成することにより該メニスカスの中心に電荷を集中させ、該集中した電荷と形成している電界強度からなる静電力により吐出を行うため、2000[V]に近い非常に高い電圧を印加する必要があり、駆動制御が難しいと共に、インクジェット記録装置を操作するうえでの安全性の面からも問題があった。
【0014】
(4)吐出応答性
上記の特許文献1,2に開示されたインクジェット記録装置では、両者とも吐出原理として、吐出インク滴の投影面積よりもはるかに広い面積のメニスカス領域に強い電界強度のフィールドを形成することにより該メニスカスの中心に電荷を集中させ、該集中した電荷と形成している電界強度からなる静電力により吐出を行うため、メニスカス部の中心に電荷が移動するための電荷の移動時間が吐出応答性に影響し、印字速度の向上において問題となっていた。
【0015】
本発明の課題は、超微細なインク滴を吐出することで、記録媒体へのインクの滲み、インク自体の乾燥不良、インクによる記録媒体のコックリング等の弊害を抑制して高精細な画像を記録できるインクジェット記録装置を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、インクを滴として吐出するノズルを備え、前記ノズルからインク滴を基材に吐出して基材に所望の画像を記録するインクジェット記録装置において、
前記ノズルから吐出されるインク滴の一滴当たりの滴量は、1〜400fl(フェムトリットル)であり、基材に対する一色当たりのインク付着量は、0.2〜5.6ml/mであることを特徴とする。
【0017】
請求項1に記載の発明では、数plを大きく下回る1〜400flの超微細なインク滴を吐出し、基材に付着する一色当たりのインク付着量を0.2〜5.6ml/mに抑えることができるので、基材に付着する各インク滴のドット径を大幅に減少させることができる。これにより、基材へのインクの滲み、インク自体の乾燥不良、基材に付着したインクによる基材のコックリング等の弊害を抑制でき、ひいては複数の超微細なドットによる高精細な画像を記録することができる。また、この場合、基材には超微細なドットが形成されるから、ハイライト部及び混色部に対して、滑らかな階調表現を行うことができる。
【0018】
なお、上記構成において、インク滴の一滴当たりの滴量が1fl未満であり、基材に対する一色当たりのインク付着量が0.2ml/m未満である場合には、基材に対する各インク滴の着弾精度を十分に保持できず、更には記録に十分なインク濃度を保持することができない。また、インク滴の一滴当たりの滴量が400flより大きく、基材に対する一色当たりのインク付着量が5.6ml/mより大きい場合には、基材へのインクの滲み、インク自体の乾燥不良、基材に付着したインクによる基材のコックリング等の従来からの弊害を抑制できない。
また、上記構成及び以下に記載する「基材」とは、ノズルから吐出されたインク滴の着弾を受ける対象物(記録媒体)をいう。従って、例えば、用紙に所望の画像を記録する場合には、当該用紙が基材に相当する。
【0019】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のインクジェット記録装置において、
前記ノズルから吐出されるインク滴の一滴当たりの滴量は、1〜100flであり、基材に対する一色当たりのインク付着量は、0.2〜2.5ml/mであることを特徴とする。
【0020】
請求項2に記載の発明は、請求項1から導出される効果をより確実に奏することができるものであるから、請求項2に記載の発明では、基材へのインクの滲み、インク自体の乾燥不良、基材に付着したインクによる基材のコックリング等の弊害をより確実に抑制でき、ひいては複数の超微細なドットによる高精細な画像をより確実に記録することができる。また、この場合、基材には超微細なドットが確実に形成されるから、ハイライト部及び混色部に対して、滑らかな階調表現をより確実に行うことができる。
【0021】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のインクジェット記録装置において、
前記ノズルに対向するように配置されかつ基材が外面に巻き付けられた円筒状のドラムを備え、
前記ノズルから吐出された各インク滴を、前記ドラムの外面に巻き付けられた基材に付着させて基材に所望の画像を記録することを特徴としている。
【0022】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置において、
前記ノズルに対向するように配置される中間転写体を備え、
前記ノズルから吐出された各インク滴が前記中間転写体に付着し、前記中間転写体に付着した各インク滴が基材に転写されることを特徴としている。
【0023】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置において、
帯電したインクのインク滴の吐出を受ける受け面を有する基材にその先端部を対向させて配置されると共に当該先端部からインク滴を吐出する超微細径の前記ノズルと、
前記ノズル内にインクを供給するインク供給手段と、
前記ノズル内のインクに吐出電圧を印加する吐出電圧印加手段と、
を備えることを特徴とする。
【0024】
請求項5に記載の構成にあっては、ノズルの先端部にインク滴の受け面が対向するように、ノズル又は基材が配置される。これら相互の位置関係を実現するための配置作業は、ノズルの移動又は基材の移動のいずれにより行ってもよい。
そして、インク供給手段によりノズル内にインクが供給される。ノズル内のインクは吐出を行うために帯電した状態にあることが要求される。インクの帯電は、吐出電圧を印加する吐出電圧印加手段により、吐出されない範囲での電圧印加により行ってもよいし、帯電専用の電極を設けてもよい。
【0025】
請求項5に記載の構成にあっては、ノズルを従来にない超微細径とすることでノズル先端部に電界を集中させて電界強度を高めることに特徴がある。ノズルの小径化に関しては後の記載により詳述する。かかる場合、ノズルの先端部に対向する対向電極がなくともインク滴の吐出を行うことが可能である。例えば、対向電極が存在しない状態で、ノズル先端部に対向させて基材を配置した場合、当該基材が導体である場合には、基材の受け面を規準としてノズル先端部の面対称となる位置に逆極性の鏡像電荷が誘導され、基材が絶縁体である場合には、基材の受け面を規準として基材の誘電率により定まる対称位置に逆極性の映像電荷が誘導される。そして、ノズル先端部に誘起される電荷と鏡像電荷又は映像電荷間での静電力によりインク滴の飛翔が行われる。
【0026】
但し、請求項5に記載の構成は、対向電極を不要とすることを可能とするが、対向電極を併用しても構わない。対向電極を併用することで、ノズル−対向電極間での電界による静電力を飛翔電極の誘導のために併用することも可能となるし、対向電極を接地すれば、帯電したインク滴の電荷を対向電極を介して逃がすことができ、電荷の蓄積を低減する効果も得られるので、むしろ併用することが望ましい構成といえる。
【0027】
請求項5に記載の発明を引用する引用発明として、請求項5に記載の発明と同様の構成を備えると共に、吐出電圧を一定とし、その動作周波数を、
f=σ/2πε
で表される境界値fよりも大きな値と小さな値とを切り替えることで吐出と停止とを切り替える動作制御を行う周波数制御手段を備える、という構成を採ってもよい。ただし、σ:溶液の導電率、ε:溶液の比誘電率とする。
【0028】
上記構成では、請求項5に記載の発明と同様の動作が行われると共に、ノズル内のインクに対して、インク滴の吐出が可能な電位の吐出電圧を連続的に印加すると共に、その周波数の変動により吐出動作のオンオフの制御を行う。即ち、境界値f=σ/2πεは、インクの導電率及び比誘電率に基づく帯電速度に応じて決定される臨界周波数であって、これ以上の周波数で吐出電圧が印加された場合、例え電位が適正範囲であっても、インク滴の吐出は行われない。従って、ノズル内のインクに、吐出可能な電位の吐出電圧を連続的に印加し続けると共に、吐出を行わないときには、その周波数を境界値fよりも大きい状態に維持し、吐出を行う際には境界値fよりも小さい状態に切り替えることでインク滴の吐出を行うことができる。
【0029】
また、吐出電圧の周波数を切り替えることでインク滴吐出のオンオフを制御する場合、吐出電圧の印加のオンオフによりインク滴吐出のオンオフを切り替える場合や吐出電圧の電位の高低によりインク滴吐出のオンオフを切り替える場合よりも時間応答性に優れており、再吐出の際の応答性の向上を図ることができる。
【0030】
請求項5に記載の発明を引用する引用発明として、請求項5に記載の発明と同様の構成を備えると共に、少なくともノズルの流路の内側面を絶縁化すると共に、流路内のインクの周囲であって絶縁化した部分よりも外側に流動供給用電極を設ける、という構成を採ってもよい。
【0031】
上記構成において、「絶縁化した部分よりも外側に流動供給用電極を設ける」とは、ノズルの内側に絶縁膜を介して流動供給用電極を設ける場合も、ノズル全体を絶縁素材で形成すると共にノズルの外側に流動供給用電極を設ける場合も含むことを意味するものである。
【0032】
一般に、管路の内面を絶縁すると共に当該絶縁部を介して設けた電極と、管路の内側のインクに電圧を印加する電極とにより相互間に電位差を設けて各電極に電圧を印加すると、絶縁された管路の内面に対するインクのぬれ性が向上するという、いわゆるエレクトロウェッティング現象の効果を得ることができる。
上記発明の構成にあっては、ノズルの内側面を絶縁化した部分の外側に設けられた流動供給用電極による印加電圧と吐出電圧印加手段による印加電圧とに電位差を設けることで、エレクトロウェッティング効果によりノズル内のぬれ性の向上を図ることができ、エレクトロウェッティング効果によるノズル内へのインク供給の円滑化を図ることができる。
【0033】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置に用いるインクにおいて、
色材の濃度は8〜90wt%(質量%)であり、直径0.3μm以上の粒子を含まないことを特徴とする。
【0034】
なお、請求項6に記載の発明に係るインクにおいて、色材の濃度が8wt%未満である場合には、記録に十分なインク濃度を保持することができない。また、色材の濃度が90wt%よりも大きい場合には、インク自体の流動性が劣化してノズルからのインクの吐出が不安定となったり、インクの長期保存の際にインクの粘度が増えるといった不都合が生じてしまう。さらに、請求項6に記載の発明に係るインクは、直径0.3μm以上の粒子(好ましくは直径0.05μm以上の粒子)を含まないものである。
【0035】
また、請求項6に記載の発明に係るインクにおいて、色材として顔料及び染料の両方が適用可能である。ここで、色材として顔料を適用した場合に、顔料を構成する各粒子が直径0.3μm未満であれば特に問題無いが、この場合、顔料に対してはインク中で十分に分散することが要求されるため、色材として染料を適用するのが好ましい。
【0036】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置において、
前記ノズルのノズル径が30μm以下であることを特徴とする。
【0037】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載のインクジェット記録装置において、
前記ノズルのノズル径が20μm未満であることを特徴とする。
【0038】
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載のインクジェット記録装置において、
前記ノズルのノズル径が8μm以下であることを特徴とする。
【0039】
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載のインクジェット記録装置において、
前記ノズルのノズル径が4μm以下であることを特徴とする。
【0040】
本発明において、「ノズル径」とは、ノズルの先端部の内部直径をいう。
ノズル径を20[μm]未満とすることにより、電界強度分布が狭くなる。このことにより、電界を集中させることができる。その結果、形成されるインク滴を微小で且つ形状の安定化したものとすることができると共に、総印加電圧を低減することができる。また、インク滴は、ノズルから吐出された直後、電界と電荷の間に働く静電力により加速されるが、ノズルから離れると電界は急激に低下するので、その後は、空気抵抗により減速する。しかしながら、微小インク滴でかつ電界が集中したインク滴は、対向電極に近づくにつれ、鏡像力により加速される。この空気抵抗による減速と鏡像力による加速とのバランスをとることにより、微小インク滴を安定に飛翔させ、着弾精度を向上させることが可能となる。
【0041】
また、ノズルの内部直径は、8[μm]以下であることが好ましい。ノズルの内部直径を8[μm]以下とすることにより、さらに電界を集中させることが可能となり、さらなるインク滴の微小化と、飛翔時に対向電極の距離の変動が電界強度分布に影響することを低減させることができるので、対向電極の位置精度や基材の特性や厚さのインク滴形状への影響や着弾精度への影響を低減することができる。
【0042】
さらに、ノズルの内部直径を4[μm]以下とすることにより、顕著な電界の集中を図ることができ、最大電界強度を高くすることができ、形状の安定なインク滴の超微小化と、インク滴の初期吐出速度を大きくすることができる。これにより、飛翔安定性が向上することにより、着弾精度をさらに向上させ、吐出応答性を向上することができる。
【0043】
また、ノズルの内部直径は0.2[μm]より大きい方が望ましい。ノズルの内径を0.2[μm]より大きくすることで、インク滴の帯電効率を向上させることができるので、インク滴の吐出安定性を向上させることができる。
【0044】
さらに、上記各請求項及び請求項5に記載の発明を引用する引用発明の構成において、
(1)ノズルを電気絶縁材で形成し、ノズル内に電極を挿入あるいはメッキ形成ことが好ましい。
(2)上記各請求項の構成又は上記(1)の構成において、ノズルを電気絶縁材で形成し、ノズル内に電極を挿入或いはメッキ形成すると共にノズルの外側に電極を設けることが好ましい。
(1)及び(2)により、上記各請求項による作用効果に加え、吐出力を向上させることができるので、ノズル径をさらに微小化しても、低電圧で液を吐出することができる。
(3)上記各請求項の構成、上記(1)又は(2)の構成において、基材を導電性材料または絶縁性材料により形成することが好ましい。
(4)上記各請求項の構成、上記(1)、(2)又は(3)の構成において、ノズルに印加する電圧Vを
【数1】
Figure 2004114377
で表される流域において駆動することが好ましい。
ただし、γ:液体の表面張力、ε:真空の誘電率、r:ノズル半径、h:ノズル−基板間距離、k:ノズル形状に依存する比例定数(1.5<k<8.5)とする。
(5)上記各請求項の構成、上記(1)、(2)、(3)又は(4)の構成において、印加する任意波形電圧が1000V以下であることが好ましい。
(6)上記各請求項の構成、上記(1)、(2)、(3)、(4)又は(5)の構成において、印加する任意波形電圧が500V以下であることが好ましい。
基材を導電性または絶縁性の基材ホルダーに裁置ことが好ましい。
(7)上記各請求項の構成、上記(1)〜(6)いずれかの構成において、ノズルと基板との距離が500[μm]以下とすることが、ノズル径を微細にした場合でも高い着弾精度を得ることができるので好ましい。
(8)上記各請求項の構成、上記(1)〜(7)いずれかの構成において、ノズル内の溶液に圧力を印加するように構成することが好ましい。
(9)上記各請求項の構成、上記(1)〜(8)いずれかの構成において、単一パルスによって吐出する場合、
【数2】
Figure 2004114377
により決まる時定数τ以上のパルス幅Δtを印加する構成としても良い。ただし、ε:流体の誘電率、σ:導電率とする。
【0045】
【発明の実施の形態】
以下の実施形態で説明するインクジェット記録装置のノズル径(内部直径)は、30[μm]以下であることが好ましく、さらに好ましくは20[μm]未満、さらに好ましくは8[μm]以下、さらに好ましくは4[μm]以下とすることが好ましい。また、ノズル径は、0.2[μm]より大きいことが好ましい。
【0046】
(インクジェット記録装置の全体構成)
以下、インクジェット記録装置について図1に基づいて説明する。
図1はインクジェット記録装置の概略構成図であり、このインクジェット記録装置100は、所定の基材Kを支持するためのプラテン102と、このプラテン102の上方に配置された記録ヘッド20と、プラテン102の基材Kの搬送方向上流側および下流側に配置された搬送ローラ103a,103bと、これら各搬送ローラ103a,103bに圧接されて基材Kを搬送ローラ103a,103bとの間で挟持する圧接ローラ104a,104bとを備えている。
【0047】
(記録ヘッド及び記録ヘッドに係る部材の構成)
以下、記録ヘッド20及び記録ヘッド20に係る部材について図2及び図3に基づいて説明する。図2はノズル21に沿った記録ヘッド20及び記録ヘッド20に係る部材の断面図であり、図3はインクの吐出動作とインクに印加される電圧との関係を示す説明図であって、図3(A)は吐出を行わない状態であり、図3(B)は吐出状態を示す。
【0048】
図1及び図2に示す通り、記録ヘッド20には、帯電可能なインクのインク滴をその先端部から吐出する超微細径のノズル21が設けられている。ノズル21は、プラテン102に指向されている。記録ヘッド20のノズル21の下方には、対向電極23がノズル21に対向するように設けられている。対向電極23は、プラテン102に一体的に形成されており、ノズル21の先端部に対向する対向面を有すると共にその対向面でインク滴の着弾を受ける基材Kを支持する。また、記録ヘッド20には、ノズル21内の流路22にインクを供給するインク供給手段と、ノズル21内のインクに吐出電圧を印加する吐出電圧印加手段25とが、つながれている。
【0049】
なお、上記ノズル21とインク供給手段の一部の構成と吐出電圧印加手段25の一部の構成はノズルプレート26により一体的に形成されている。
【0050】
上記記録ヘッド20は、図示しない駆動機構により、基材Kの搬送方向(図1中左方向)に対して直交する方向に走査自在とされた走査型の記録ヘッドであって、複数のノズル21を備えている。本実施形態において、この記録ヘッド20には、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、ブラック(K)等の色材を含む各プロセスカラーインクがインク供給手段の後述するインクタンクから供給され、記録ヘッド20は、各プロセスカラーインクを滴として各ノズル21から吐出する。
【0051】
(ノズル)
上記ノズル21は、後述するノズルプレート26の下面層26cと共に一体的に形成されており、当該ノズルプレート26の平板面上から垂直に立設されている。さらに、ノズル21にはその先端部からその中心線に沿って貫通するノズル内流路22が形成されている。
【0052】
ノズル21についてさらに詳説する。ノズル21は、前述の通り、超微細径で形成されている。詳しくは、ノズル21の先端部における内径は、30μm以下であるが、20μ未満であってもよいし、8μm以下であってもよいし、4μm以下であってもよい。具体的な各部の寸法の一例を挙げると、ノズル内流路22の内部直径は、1[μm]、ノズル21の先端部における外部直径は2[μm]、ノズル21の根元の直径は5[μm]、ノズル21の高さは100[μm]に設定されており、その形状は限りなく円錐形に近い円錐台形に形成されている。また、ノズル21はその全体がノズルプレート26の下面層26cと共に絶縁性の樹脂材により形成されている。
【0053】
なお、ノズルの各寸法は上記一例に限定されるものではない。特にノズル内径については、後述する電界集中の効果によりインク滴の吐出を可能とする吐出電圧が1000[V]未満を実現する範囲であって、例えば、ノズル直径70[μm]以下であり、より望ましくは、直径20[μm]以下であって、現行のノズル形成技術によりインクを通す貫通穴を形成することが実現可能な範囲である直径をその下限値とする。
【0054】
(インク供給手段)
インク供給手段は、ノズルプレート26の内部であってノズル21の根元となる位置に設けられると共にノズル内流路22に連通するインク室24と、図示しない外部のインクタンクからインク室24にインクを導くインク供給路27と、インク室24へのインクの供給圧力を付与する図示しない供給ポンプとを備えている。
上記インクタンクには、Y、M、C、Aの各プロセスカラーインクが貯留されており、上記供給ポンプは、ノズル21の先端部まで各プロセスカラーインクを供給し、当該先端部からこぼれ出さない範囲の供給圧力を維持しながら、記録ヘッド20に対して各プロセスカラーインクの供給を行う(図3(A)参照)。
【0055】
(吐出電圧印加手段)
吐出電圧印加手段25は、ノズルプレート26の内部であってインク室24とノズル内流路22との境界位置に設けられた吐出電圧印加用の吐出電極28と、この吐出電極28に常時直流のバイアス電圧を印加するバイアス電源30と、吐出電極28にバイアス電圧に重畳して吐出に要する電位とするパルス電圧を印加する吐出電圧電源29と、を備えている。
【0056】
上記吐出電極28は、インク室24内部においてインクに直接接触し、インクを帯電させると共に吐出電圧を印加する。
バイアス電源30によるバイアス電圧は、インクの吐出が行われない範囲で常時電圧印加を行うことにより、吐出時に印加すべき電圧の幅を予め低減し、これによる吐出時の反応性の向上を図っている。
【0057】
吐出電圧電源29は、インクの吐出を行う際にのみパルス電圧をバイアス電圧に重畳させて印加する。このときの重畳電圧Vは次式の条件を満たすようにパルス電圧の値が設定されている。
【数3】
Figure 2004114377
但し、γ:インクの表面張力、ε:真空の誘電率、r:ノズル半径、k:ノズル形状に依存する比例定数(1.5<k<8.5)とする。
一例を挙げると、バイアス電圧はDC300[V]で印加され、パルス電圧は100[V]で印される。従って、吐出の際の重畳電圧は400[V]となる。
【0058】
(ノズルプレート)
ノズルプレート26は、図2において最も上層に位置するベース層26aと、その下に位置するインクの供給路を形成する流路層26bと、この流路層26bのさらに下に形成される下面層26cとを備え、流路層26bと上面層26cとの間には前述した吐出電極28が介挿されている。
【0059】
上記ベース層26aは、シリコン基板或いは絶縁性の高い樹脂又はセラミックにより形成され、その上に溶解可能な樹脂層を形成すると共に供給路27及びインク室24のパターンに従う部分のみを残して除去し、除去された部分に絶縁樹脂層を形成する。この絶縁樹脂層が流路層26bとなる。そして、この絶縁樹脂層の下面に導電素材(例えばNiP)のメッキにより吐出電極28を形成し、さらにその下から絶縁性のレジスト樹脂層を形成する。このレジスト樹脂層が下面層26cとなるので、この樹脂層はノズル21の高さを考慮した厚みで形成される。そして、この絶縁性のレジスト樹脂層を電子ビーム法やフェムト秒レーザにより露光し、ノズル形状を形成する。ノズル内流路22もレーザ加工により形成される。そして、供給路27及びインク室24のパターンに従う溶解可能な樹脂層を除去し、これら供給路27及びインク室24が開通してノズルプレートが完成する。
【0060】
(対向電極)
対向電極23は、ノズル21に垂直な対向面を備えており、かかる対向面に沿うように基材Kの支持を行う。ノズル21の先端部から対向電極23の対向面までの距離は、一例としては100[μm]に設定される。
また、この対向電極23は接地されているため、常時接地電位を維持している。従って、パルス電圧の印加時にはノズル21の先端部と対向面との間に生じる電界による静電力により吐出されたインク滴を対向電極23側に誘導する。
【0061】
なお、インクジェット記録装置20は、ノズル21の超微細化による当該ノズル21の先端部での電界集中により電界強度を高めることでインク滴の吐出を行うことから、対向電極23による誘導がなくともインク滴の吐出を行うことは可能ではあるが、ノズル21と対向電極23との間での静電力による誘導が行われた方が望ましい。また、帯電したインク滴の電荷を対向電極23の接地により逃がすことも可能である。
【0062】
(インク)
インクとしては、通常のインクジェット記録装置に用いられるタイプのインク(具体的には、水性インク、油性インク、溶剤インク、紫外線硬化型インク、ソリッドインク等)が適用可能である。インクは、色材の濃度が8〜90wt%であり、直径0.3μm以上の粒子を含まないとすることが好ましい。
【0063】
さらに詳しく説明すると、インクとしては、粘度が0.1〜1000mPa・s(好ましくは、1〜100mPa・s)であり、表面張力が20〜70mN/m(好ましくは、25〜50mN/m)であるインクが適用可能である。インクの粘度が0.1mPa・s未満又は1000mPa・sよりも大きい場合には、ノズル21からのインクの吐出が不安定なものとなる。また、インクの表面張力が20mN/m未満である場合には、ノズル21から吐出されたインク滴が基材Kに滲みやすい。インクの表面張力が70mN/mよりも大きい場合には、ノズル21から吐出されたインク滴により基材Kの各画素を完全に埋めることができず、基材Kに対する一色当たりのインク付着量を多くしなければならない。結局、この場合、基材へのインクの滲み、インク自体の乾燥不良、基材に付着したインクによる基材のコックリング等の従来からの弊害を抑制できない。
【0064】
なお、インクとして紫外線硬化型インクを適用する場合には、基材Kに着弾したインク滴に紫外線を照射できる位置(例えば、ノズル21近傍)に紫外線照射手段を設け、基材Kに着弾した各インク滴に紫外線を照射させてこれら各インク滴を硬化させる必要がある。紫外線照射手段の「光源」としては、低圧水銀ランプ、紫外線レーザー、キセノンフラッシュランプ、捕虫灯、ブラックライト、殺菌灯、冷陰極管、LED(Light Emitting Diode)、LED高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、エキシマーランプ、無電極紫外線ランプ等が適用可能であり、これら以外の光源を適用してもよい。
【0065】
(基材)
基材Kとしては、アート紙、コート紙、上質紙等の各種紙、各種布地、各種不織布が適用可能であって、さらに樹脂、金属、ガラス等の材質からなるものも適用可能である。基材Kの形態としては、ロール状、カットシート状、板状等のように記録面が二次元的に広がりを有していてもよいし、さらに円筒状、円錐状、多角状等のように記録面が三次元的に広がりを有していてもよい。
【0066】
(インクジェット記録装置による画像記録動作)
次に、図1によりインクジェット記録装置100の動作説明を行う。
まず、搬送ローラ103aを回転駆動させることにより、所定の基材Kを搬送ローラ103aと圧接ローラ104aとにより挟持しながらプラテン102に搬送する。
そして、基材Kをプラテン102により支持した状態で搬送ローラ103aと圧接ローラ104aとにより基材Kを間欠的に搬送するとともに、基材Kの搬送方向に直交する方向に走査型の記録ヘッド20を走査しながら記録ヘッド20から各プロセスカラーインクを吐出させて、基材Kに所望の画像を記録する。画像記録後の基材Kは、搬送ローラ103bと圧接ローラ104bとにより挟持されてプラテン102から取り除かれる。
【0067】
(記録ヘッドによる微小インク滴の吐出動作)
図2及び図3により記録ヘッド20の動作説明を行う。
インク供給手段の供給ポンプによりノズル内流路22にはインクが供給された状態にあり、かかる状態でバイアス電源30により吐出電極28を介してバイアス電圧がインクに印加されている。かかる状態で、インクは帯電すると共に、ノズル21の先端部においてインクによる凹状に窪んだメニスカスが形成される(図3(A))。
そして、吐出電圧電源29によりパルス電圧が印加されると、ノズル21の先端部では集中された電界の電界強度による静電力によりインクがノズル21の先端側に誘導され、外部に突出した凸状メニスカスが形成されると共に、かかる凸状メニスカスの頂点により電界が集中し、ついにはインクの表面張力に抗して微小インク滴が対向電極23側に吐出される(図3(B))。
【0068】
この場合、ノズル21からは、一滴当たり1〜400flの滴量のインク滴が吐出され、また、ノズル21から吐出されて基材Kに着弾したインク滴の一色当たりのインク付着量は、0.2〜5.6ml/mとなっている。
【0069】
以上のようなインクジェット記録装置100では、記録ヘッド20は、微小径のノズル21によりインク滴の吐出を行うので、ノズル内流路22内で帯電した状態のインクにより電界が集中され、電界強度が高められる。このため、電界の集中化が行われない構造のノズル(例えば内径100[μm])では吐出に要する電圧が高くなり過ぎて事実上吐出不可能とされていた微細径でのノズルによるインクの吐出をより低電圧で行うことが出来るようになっている。
【0070】
また、インクジェット記録装置100では、微細径であるがために、ノズルコンダクタンスの低さによりその単位時間あたりの吐出流量を低減する制御を容易に行うことができると共に、パルス幅を狭めることなく十分に小さなインク滴(一滴当たり1〜400flの滴量のインク滴)によるインクの吐出を実現している。
【0071】
さらに、吐出されるインク滴は帯電されているので、微小のインク滴であっても蒸気圧が低減され、蒸発を抑制することからインク滴の質量の損失を低減し、飛翔の安定化を図り、インク滴の着弾精度の低下を防止している。
【0072】
そして、これらのことより、上記の通りに、ノズル21から吐出されるインク滴の一滴当たりの滴量を1〜400flとすることができ、また、ノズル21から吐出されて基材Kに着弾したインク滴の一色当たりの付着量を0.2〜5.6ml/mに抑えることができるので、基材Kに付着したインク滴の各ドット径を大幅に減少させることができる。従って、従来において課題とされていた、基材Kへのインクの滲み、インク自体の乾燥不良、基材Kに付着したインクによる基材Kのコックリング等の弊害を抑制でき、ひいては複数の超微細なドットによる高精細な画像を基材Kに対して記録することができる。また、この場合、基材Kには超微細なドットが形成されるから、ハイライト部及び混色部に対して、滑らかな階調表現を行うこともできるようになる。
【0073】
なお、上記実施形態において、ノズル21にエレクトロウェッティング効果を得るために、ノズル21の外周に電極を設けるか、また或いは、ノズル内流路22の内面に電極を設け、その上から絶縁膜で被覆してもよい。そして、この電極に電圧を印加することで、吐出電極28により電圧が印加されているインクに対して、エレクトロウェッティング効果によりノズル内流路22の内面のぬれ性を高めることができ、ノズル内流路22へのインクの供給を円滑に行うことができ、良好に吐出を行うと共に、吐出の応答性の向上を図ることが可能となる。
【0074】
また、上記実施形態では、吐出電圧印加手段25ではバイアス電圧を常時印加すると共にパルス電圧をトリガーとしてインク滴の吐出を行っているが、吐出に要する振幅で常時交流又は連続する矩形波を印加すると共にその周波数の高低を切り替えることで吐出を行う構成としてもよい。インク滴の吐出を行うためにはインクの帯電が必須であり、インクの帯電する速度を上回る周波数で吐出電圧を印加していても吐出が行われず、インクの帯電が十分に図れる周波数に替えると吐出が行われる。従って、吐出を行わないときには吐出可能な周波数より大きな周波数で吐出電圧を印加し、吐出を行う場合にのみ吐出可能な周波数帯域まで周波数を低減させる制御を行うことで、インクの吐出を制御することが可能となる。かかる場合、インクに印加される電位自体に変化はないので、より時間応答性を向上させると共に、これによりインク滴の着弾精度を向上させることが可能となる。
【0075】
さらに、上記した実施形態では、図4(a)に示すように、基材Kの搬送方向に直交する方向に記録ヘッド20を走査させながら記録を行う記録方式の例を示したが、インクジェット記録装置100では、図4(a)に示す記録方式を以下に示す各記録方式に変更してもよい。なお、図4(a)〜図4(g)は、種々の各記録方式を概略的に図示したものである。
【0076】
すなわち、図4(b)に示す通り、記録ヘッド20を所定の方向に間欠的に移動させるとともに、記録ヘッド20の移動方向と直交する方向に基材Kを往復移動させる記録方式でもよい。また、図4(c)に示す通り、走査型の記録ヘッド20に代えて、基材Kの搬送方向に対して直交する方向に多数のノズル21を配列してなるライン型のラインヘッド20aを適用する記録方式でもよい。
【0077】
また、図4(d)に示す通り、基材Kを外面に巻き付けた円筒状のドラム40を記録ヘッド20に対向するように配置し、ドラム40を所定の方向に回転させながら記録ヘッド20を走査する記録方式でもよい。また、図4(e)に示す通り、図4(d)に示す記録方式での記録ヘッド20を、図4(c)に示すようなライン型のラインヘッド20aに代える記録方式でもよい。
【0078】
また、図4(f)に示す通り、記録ヘッド20と基材Kとの間に、所定方向に回転するドラム状の中間転写体41を配置し、記録ヘッド20から中間転写体41に向けてインクを吐出し、中間転写体41に付着したインクを基材Kに転写する記録方式でもよい。この場合の中間転写体41は、記録ヘッド20から吐出された各インク滴を自己の表層で保持しながら搬送する機能と搬送した各インク滴を基材Kに加圧転写する機能とを具備する。また、図4(g)に示す通り、図4(f)に示す記録方式での記録ヘッド20を、図4(c)及び図4(e)に示すようなライン型のラインヘッド20aに代える記録方式でもよい。
【0079】
【実施例】
[実施例1]
以下に示す水性インクAを作製した。
(水性インクA)
各色材の濃度:20wt%
色材(Y):ウォーターイエロー6(オリエント化学工業(株)製)
色材(M):チューガノール−ファーストレッド3B(中外化成(株)製)
色材(C):カヤラスターコイス−ブルーGL(日本化薬(株)製)
色材(K):スペシャル・ブラック7984(バイエル製)
エチレングリコール濃度:20wt%
水の濃度:60wt%
【0080】
そして、上記水性インクAを用いて上記インクジェット記録装置20により、所定の画像(各インク滴の一滴当たりの滴量:100fl,解像度:5000dpi)をアート紙に記録した。この場合、アート紙の記録領域のうち、各画素が全てインク滴により埋め尽くされた所定領域の一色当たりのインク付着量は3.9ml/mであった。また、この場合、アート紙へのインクの滲み及びアート紙のコックリングは非常に軽微なものであり、アート紙に付着したインクの各インク滴は、ドライヤーによる乾燥によりアート紙に素早く定着した。
【0081】
[実施例1に対する比較例]
以下に示す水性インクBを作製した。
(水性インクB)
各色材の濃度:3.3wt%
各色材:実施例1と同様
エチレングリコール濃度:20wt%
水の濃度:76.7wt%
【0082】
そして、上記水性インクBを用いて通常のピエゾ素子方式のインクジェット記録装置により、所定の画像(各インク滴の一滴当たりの滴量:2pl,解像度:1800dpi)をアート紙に記録した。この場合、アート紙の記録領域のうち、各画素が全てインク滴により埋め尽くされた所定領域の一色当たりのインク付着量は10ml/mであった。また、この場合、混色部において、各インク滴がアート紙に滲み、アート紙のコックリングが確認され、更にはアート紙に付着した各インク滴の乾燥に所定の時間を要した。
【0083】
[実施例2]
以下に示す水性インクCを作製した。
(水性インクC)
各色材の濃度:50wt%
各色材:実施例1と同様
水の濃度:50wt%
【0084】
そして、上記水性インクCを用いて上記インクジェット記録装置20により、所定の画像(各インク滴の一滴当たりの滴量:15fl,解像度:7000dpi)をアート紙に記録した。この場合、アート紙の記録領域のうち、各画素が全てインク滴により埋め尽くされた所定領域の一色当たりのインク付着量は1.1ml/mであった。また、この場合、アート紙へのインクの滲み及びアート紙のコックリングは発生せず、アート紙に付着したインクの各インク滴は、即座に乾燥した。
【0085】
[実施例3]
以下の表1に示す組成比を有する各色のインクをサンドグラインダーにて8時間分散させ、その後、これら各色のインクを0.3μmのメンブレンフィルタに通し、紫外線硬化型のインクDを作製した。
【0086】
【表1】
Figure 2004114377
なお、表1において、分散剤:Avecia社製ソルスパース24000,OXT221:東亜合成(株)製アロンオキセタンOXT221,2021P:ダイセル製セロキサイド2021P,UVI6990:ダウケミカル製光酸発生剤である。
【0087】
そして、上記インクDを用いて上記インクジェット記録装置20により、所定の画像(各インク滴の一滴当たりの滴量:300fl,解像度:3000dpi)をPET(PolyEthylene Terephthalate)フィルムに記録した。その後、この画像に対して、短波長紫外線(波長約280nm以下の紫外線)と長波長紫外線(波長約320〜約400nmの紫外線)とを同時に照射し、画像を構成する各インク滴を硬化させてPETフィルムに定着させた。この場合、PETフィルムの記録領域のうち、各画素が全てインク滴により埋め尽くされた所定領域の一色当たりのインク付着量は5.6ml/mであった。また、この場合、PETフィルムへのインクの滲みは無く、更には通常の紫外線硬化型インクに特有の基材上での凹凸はほとんどみられず、画像の質感は良好だった。
【0088】
(印加電圧低下および微少インク滴量の安定吐出実現の方策)
本発明では、静電吸引型インクジェット方式において果たすノズルの役割を再考察し、
【数4】
Figure 2004114377
即ち、
【数5】
Figure 2004114377
或いは
【数6】
Figure 2004114377
という従来吐出不可能として試みられていなかった領域において、マクスウェル力などを利用することで、微細インク滴を形成することができる。
【0089】
このような駆動電圧低下および微少量吐出実現の方策のための吐出条件等を近似的に表す式を導出したので以下に述べる。
以下の説明は、上記各本発明の実施形態で説明したインクジェット記録装置に適用可能である。
いま、半径rのノズルに導電性溶液を注入し、基材としての無限平板導体からhの高さに垂直に位置させたと仮定する。この様子を図5に示す。このとき、ノズル先端部に誘起される電荷は、ノズル先端の半球部に集中すると仮定し、以下の式で近似的に表される。
【数7】
Figure 2004114377
ここで、Q:ノズル先端部に誘起される電荷、ε:真空の誘電率、ε:基板の誘電率、h:ノズル−基板間距離、r:ノズル内径の半径、V:ノズルに印加する電圧である。α:ノズル形状などに依存する比例定数で、1〜1.5程度の値を取り、特にr<<hのときほぼ1程度となる。
【0090】
また、基材としての基板が導体基板の場合、基板内の対称位置に反対の符号を持つ鏡像電荷Q’が誘導されると考えられる。基板が絶縁体の場合は、誘電率によって定まる対称位置に同様に反対符号の映像電荷Q’が誘導される。
ところで、ノズル先端部に於ける電界強度Eloc.は、先端部の曲率半径をRと仮定すると、
【数8】
Figure 2004114377
で与えられる。ここでk:比例定数で、ノズル形状などにより異なるが、1.5〜8.5程度の値をとり、多くの場合5程度と考えられる。(P. J. Birdseye and D.A.Smith, Surface Science, 23 (1970) 198−210)。今簡単のため、r=Rとする。これは、ノズル先端部に表面張力で導電性溶液がノズル径rと同じ半径を持つ半球形状に盛り上がっている状態に相当する。
ノズル先端の液体に働く圧力のバランスを考える。まず、静電的な圧力は、ノズル先端部の液面積をSとすると、
【数9】
Figure 2004114377
(8)、(9)、(10)式よりα=1とおいて、
【数10】
Figure 2004114377
と表される。
【0091】
一方、ノズル先端部に於ける液体の表面張力をPsとすると、
【数11】
Figure 2004114377
ここで、γ:表面張力、である。
静電的な力により流体の吐出が起こる条件は、静電的な力が表面張力を上回る条件なので、
【数12】
Figure 2004114377
となる。十分に小さいノズル径rをもちいることで、静電的な圧力が、表面張力を上回らせる事が可能である。
この関係式より、Vとrの関係を求めると、
【数13】
Figure 2004114377
が吐出の最低電圧を与える。すなわち、式(7)および式(14)より、
【数14】
Figure 2004114377
が、本発明の動作電圧となる。
【0092】
ある半径rのノズルに対し、吐出限界電圧Vcの依存性を前述した図6に示す。この図より、微細ノズルによる電界の集中効果を考慮すると、吐出開始電圧は、ノズル径の減少に伴い低下する事が明らかになった。つまり、ノズル径が20μm未満であることにより、電界を集中させることができ、微細液滴を安定に吐出でき、かつ吐出開始電圧を低減できる。図6より、ノズル径が8μm以下であることにより、さらに電界を集中させることができ、微細液滴をさらに安定に吐出でき、かつさらに吐出開始電圧を低減できることがわかる。また、さらにノズル径は、4μm以下であることが好ましい。
従来の電界に対する考え方、すなわちノズルに印加する電圧と対向電極間の距離によって定義される電界のみを考慮した場合では、微小ノズルになるに従い、吐出に必要な電圧は増加する。一方、局所電界強度に注目すれば、微細ノズル化により吐出電圧の低下が可能となる。
【0093】
静電吸引による吐出は、ノズル端部における流体の帯電が基本である。帯電の速度は誘電緩和によって決まる時定数程度と考えられる。
【数15】
Figure 2004114377
ここで、ε:流体の比誘電率、σ:流体の導電率である。流体の比誘電率を10、導電率を10−6 S/m を仮定すると、τ=1.854×10−5secとなる。あるいは、臨界周波数をfcとすると、
【数16】
Figure 2004114377
となる。このfcよりも早い周波数の電界の変化に対しては、応答できず吐出は不可能になると考えられる。上記の例について見積もると、周波数としては10 kHz程度となる。このとき、ノズル半径2μm、電圧500V弱の場合、Gは10−13/sと見積もることができるが、上記の例の液体の場合、10kHzでの吐出が可能なので、1周期での最小吐出量は10fl(フェムトリットル、1fl:10−15 l)程度を達成できる。
【0094】
なお、各上記本実施の形態においては、図5に示したようにノズル先端部に於ける電界の集中効果と、対向基板に誘起される鏡像力の作用を特徴とする。このため、先行技術のように基板または基板支持体を導電性にしたり、これら基板または基板支持体に電圧を印加する必要はない。すなわち、基板として絶縁性のガラス基板、ポリイミドなどのプラスチック基板、セラミックス基板、半導体基板などを用いることが可能である。
また、上記各実施形態において電極への印加電圧はプラス、マイナスのどちらでも良い。
さらに、ノズルと基材との距離は、500[μm]以下に保つことにより、溶液の吐出を容易にすることができる。また、図示しないが、ノズル位置検出によるフィードバック制御を行い、ノズルを基材に対し一定に保つようにする。
また、基材を、導電性または絶縁性の基材ホルダーに裁置して保持するようにしても良い。
【0095】
図7は、本発明の他の基本例の一例としてのインクジェット記録装置の側面断面図を示したものである。ノズル1の側面部には電極15が設けられており、ノズル内インク3との間に制御された電圧が引加される。この電極15の目的は、Electrowetting 効果を制御するための電極である。十分な電場がノズルを構成する絶縁体にかかる場合この電極がなくともElectrowetting効果は起こると期待される。しかし、本基本例では、より積極的にこの電極を用いて制御することで、吐出制御の役割も果たすようにしたものである。ノズル1を絶縁体で構成し、その厚さが1μm、ノズル内径が2μm、印加電圧が300Vの場合、約30気圧のElectrowetting効果になる。この圧力は、吐出のためには、不十分であるが溶液のノズル先端部への供給の点からは意味があり、この制御電極により吐出の制御が可能と考えられる。
【0096】
前述した図7は、本発明における吐出開始電圧のノズル径依存性を示したものである。インクジェット記録装置として、図1に示すものを用いた。微細ノズルになるに従い吐出開始電圧が低下し、従来より低電圧で吐出可能なことが明らかになった。
【0097】
上記実施形態において、インク吐出の条件は、ノズル基板間距離(L)、印加電圧の振幅(V)、印加電圧振動数(f)のそれぞれの関数になり、それぞれにある一定の条件を満たすことが吐出条件として必要になる。逆にどれか一つの条件を満たさない場合他のパラメーターを変更する必要がある。
【0098】
この様子を図8を用いて説明する。
まず吐出のためには、それ以上の電界でないと吐出しないというある一定の臨界電界Ecが存在する。この臨界電界は、ノズル径、溶液の表面張力、粘性などによって変わってくる値で、Ec以下での吐出は困難である。臨界電界Ec以上すなわち吐出可能電界強度において、ノズル基板間距離(L)と印加電圧の振幅(V)の間には、おおむね比例の関係が生じ、ノズル間距離を縮めた場合、臨界印加電圧Vを小さくする事が出来る。
【0099】
逆に、ノズル基板間距離Lを極端に離し、印加電圧Vを大きくした場合、仮に同じ電界強度を保ったとしても、コロナ放電による作用などによって、流体インク滴の破裂すなわちバーストが生じてしまう。そのため良好な吐出特性を得るためには、ノズル基板間距離は100μm程度以下に抑えることが吐出特性並びに、着弾精度の両面から望ましい。
【0100】
【発明の効果】
本発明によれば、基材へのインクの滲み、インク自体の乾燥不良、基材に付着したインクによる基材のコックリング等の弊害を抑制でき、ひいては複数の超微細なドットによる高精細な画像を記録することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェット記録装置の側面図である。
【図2】記録ヘッド及び記録ヘッドに係る部材の断面図である。
【図3】インクの吐出動作とインクに印加される電圧との関係を示す説明図であって、図3(A)は吐出を行わない状態であり、図3(B)は吐出状態を示す。
【図4】(a)〜(g)種々の各記録方式を示す概略図である。
【図5】ノズルの電界強度の計算を説明するために示したものである。
【図6】ノズルのノズル径とメニスカス部で吐出する液滴が飛翔を開始する吐出開始電圧、該初期吐出液滴のレイリー限界での電圧値及び吐出開始電圧とレイリー限界電圧値の比との関係を示す線図である。
【図7】インクジェット記録装置の側面断面図を示したものである。
【図8】インクジェット記録装置における距離−電圧の関係による吐出条件を説明した図である。
【符号の説明】
100   インクジェット記録装置
20   記録ヘッド
20a   ラインヘッド
21   ノズル
22   流路
23   対向電極
24   インク室
25   吐出電圧印加手段
26   ノズルプレート
27   インク供給路
28   吐出電極
29   吐出電圧電源
30   バイアス電源
40   ドラム
41   中間転写体
102   プラテン
103a,103b   搬送ローラ
104a,104b   圧接ローラ
K   基材

Claims (10)

  1. インクを滴として吐出するノズルを備え、前記ノズルからインク滴を基材に吐出して基材に所望の画像を記録するインクジェット記録装置において、
    前記ノズルから吐出されるインク滴の一滴当たりの滴量は、1〜400flであり、基材に対する一色当たりのインク付着量は、0.2〜5.6ml/mであることを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 請求項1に記載のインクジェット記録装置において、
    前記ノズルから吐出されるインク滴の一滴当たりの滴量は、1〜100flであり、基材に対する一色当たりのインク付着量は、0.2〜2.5ml/mであることを特徴とするインクジェット記録装置。
  3. 請求項1又は2に記載のインクジェット記録装置において、
    前記ノズルに対向するように配置されかつ基材が外面に巻き付けられた円筒状のドラムを備え、
    前記ノズルから吐出された各インク滴を、前記ドラムの外面に巻き付けられた基材に付着させて基材に所望の画像を記録することを特徴とするインクジェット記録装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置において、
    前記ノズルに対向するように配置される中間転写体を備え、
    前記ノズルから吐出された各インク滴が前記中間転写体に付着し、前記中間転写体に付着した各インク滴が基材に転写されることを特徴とするインクジェット記録装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置において、
    帯電したインクのインク滴の吐出を受ける受け面を有する基材にその先端部を対向させて配置されると共に当該先端部からインク滴を吐出する超微細径の前記ノズルと、
    前記ノズル内にインクを供給するインク供給手段と、
    前記ノズル内のインクに吐出電圧を印加する吐出電圧印加手段と、
    を備えることを特徴とするインクジェット記録装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置に用いるインクにおいて、
    色材の濃度は8〜90wt%であり、直径0.3μm以上の粒子を含まないことを特徴とするインク。
  7. 請求項1〜5のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置において、
    前記ノズルのノズル径が30μm以下であることを特徴とするインクジェット記録装置。
  8. 請求項7に記載のインクジェット記録装置において、
    前記ノズルのノズル径が20μm未満であることを特徴とするインクジェット記録装置。
  9. 請求項8に記載のインクジェット記録装置において、
    前記ノズルのノズル径が8μm以下であることを特徴とするインクジェット記録装置。
  10. 請求項9に記載のインクジェット記録装置において、
    前記ノズルのノズル径が4μm以下であることを特徴とするインクジェット記録装置。
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