JP2004113911A - 有機廃棄物処理方法及び処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】循環型社会に貢献するとともに、発酵処理中に発生する不快な発酵臭を外部に排出することなく、しかも、有機廃棄物を効率よく均一且つ良質な肥料及び飼料に変換する有機廃棄物処理方法及びその処理装置を提供することを目的とする。
【解決手段】有機廃棄物に発酵菌と水分調整材を混入して処理物を形成し、該処理物中の発酵菌が均等に分布されるように処理物を撹拌すると同時に、処理物に乾燥熱風を供給することで、処理物の発酵と乾燥を促進しながら、処理物を肥料及び飼料に変換する有機廃棄物の処理方法であって、前記乾燥熱風を処理物に供給し、処理物の水分を吸収して湿った熱風となった後、該熱風を外部に排出することなく再度加熱して乾燥熱風とし、これを処理物に再度供給し、乾燥熱風を循環させながら、処理物への乾燥熱風の供給を繰り返し行うことによって、処理物の発酵と乾燥を進めていくことを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】有機廃棄物に発酵菌と水分調整材を混入して処理物を形成し、該処理物中の発酵菌が均等に分布されるように処理物を撹拌すると同時に、処理物に乾燥熱風を供給することで、処理物の発酵と乾燥を促進しながら、処理物を肥料及び飼料に変換する有機廃棄物の処理方法であって、前記乾燥熱風を処理物に供給し、処理物の水分を吸収して湿った熱風となった後、該熱風を外部に排出することなく再度加熱して乾燥熱風とし、これを処理物に再度供給し、乾燥熱風を循環させながら、処理物への乾燥熱風の供給を繰り返し行うことによって、処理物の発酵と乾燥を進めていくことを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、食品加工上における残渣、一般家庭から排出される生ごみ、汚泥、動物糞尿等の有機廃棄物の処理方法及び処理装置に関するもので、さらに詳しくは、有機廃棄物を発酵させて肥料及び飼料等に変換する有機廃棄物の処理方法及びその処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近代産業の発展に伴い大きな課題となった環境問題に対して、近年、循環型社会の構築を目指し環境の修復及び改善に関する様々な取り組みが行われているが、未だ環境破壊のスピードが修復スピードを上回っているのが実状である。こうした状況の中、特に深刻な問題になっているのは、経済社会活動を行う上で必ず排出される廃棄物、特に食品加工上における残渣、一般家庭から排出される生ごみ、汚泥、動物糞尿等の有機廃棄物の処理に関してであり、これら有機廃棄物は、腐敗しやすい性質を持つため、不衛生で、悪臭を発生したり、害虫を発生することはもちろん、下水道を通って河川に流れ込み環境汚染を引き起こしている。さらに、有機廃棄物の処理方法の大半は焼却及び埋め立てであるため、焼却処理においては膨大なエネルギー消費とダイオキシン発生等の環境破壊の要因となり、埋め立て処理においては有機廃棄物の根本的な処理になっていないうえ処理能力に限界があり、さらに埋め立て地の土壌及び水質汚染等の環境破壊の要因となっている。
【0003】
これら有機廃棄物やその処理方法による環境破壊を防ぎ循環型社会に貢献するために、有機廃棄物を発酵させ短時間で肥料及び飼料に変換する有機廃棄物処理装置が数多く提案されている。それらの装置の多くは、発酵槽内の中央に配設した中空の回転軸に、複数枚の撹拌翼を放射状に突設し、それを回転軸に等間隔に複数段設け、回転軸を低速で回転させ発酵槽内に収容した有機廃棄物に発酵菌を混入した処理物を撹拌させるとともに、回転軸の中空路を通り撹拌翼の背部に設けた噴出孔から発酵槽内に熱風を噴出させ処理物に熱風を供給し、短時間で有機廃棄物を肥料及び飼料に変換する構造をなしている。また、発酵槽内に噴出した熱風を発酵処理装置外に排気する場合には、そのまま外部に排出するか、脱臭装置を介して放出されるかのどちらかである。
【0004】
しかし、このような構造では、有機廃棄物はもともと含水率が高いため、処理物を撹拌する際には、撹拌翼に非常に負荷が掛かるため回転軸及び撹拌翼が曲がったり折れたり等の破損を招き、発酵処理が十分に行われず悪臭を発生する原因となる。また、撹拌翼は発酵槽の内周壁から一定の間隔を保って回転しているため、発酵槽の底部に処理物がこびり付いてしまい、処理物を均一に撹拌することができず、発酵処理が均質に行われない原因となったり、処理物中に十分に破砕されていない物や、誤って金属類等の処理が不可能な物が混入してしまった場合等、撹拌翼と内周壁の隙間にそれらが嵌り込むと、撹拌翼に抵抗が掛かり破損することはもちろんのこと、発酵槽の内周壁を傷つけることにもなり、装置の耐用年数を縮めてしまう問題があった。さらに、有機廃棄物の発酵処理中には、有機廃棄物独自の悪臭に加え、有機廃棄物の含水率が高い場合には、嫌気性菌の発酵が進み独特の不快な発酵臭を発生するため、発酵槽内に送られる熱風を排気する際には、脱臭装置を介したとしても発酵臭を全て除去することは不可能で、周囲に不快な臭気が漏れてしまっているのが実状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、前記事情に基づいてなされたものであり、循環型社会に貢献するとともに、発酵処理中に発生する不快な発酵臭を外部に排出することなく、しかも、有機廃棄物を効率よく均一且つ良質な肥料及び飼料に変換する有機廃棄物処理方法及びその処理装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のうち請求項1記載の発明は、有機廃棄物に発酵菌と水分調整材を混入して処理物を形成し、該処理物中の発酵菌が均等に分布されるように処理物を撹拌すると同時に、処理物に乾燥熱風を供給することで、処理物の発酵と乾燥を促進しながら、処理物を肥料及び飼料に変換する有機廃棄物の処理方法であって、前記乾燥熱風を処理物に供給し、処理物の水分を吸収して湿った熱風となった後、該熱風を外部に排出することなく再度加熱して乾燥熱風とし、これを処理物に再度供給し、乾燥熱風を循環させながら、処理物への乾燥熱風の供給を繰り返し行うことによって、処理物の発酵と乾燥を進めていくことを特徴とする。
【0007】
ここで、発酵菌とは、有機廃棄物のほとんどが高含水率であることと、乾燥熱風を供給しながら発酵処理を進めていくため、嫌気性発酵菌と好気性発酵菌を混合させたものが望ましく、特に、発酵処理中に発生する病原菌や微生物を死滅させるために、高温発酵処理に適した高温発酵菌を使用することが望ましい。また、水分調整剤とは、嫌気性発酵菌の活動が活発化し易いように有機廃棄物の含水率を調整するものであり、例えば、おから、おがくず、もみがら等が挙げられる。また、乾燥熱風とは、発酵菌、特に好気性発酵菌の活動の活発化と、処理中の有機廃棄物の水分を効率良く除去することが可能な湿度と、を兼ね備えた風のことをいう。
【0008】
このように形成すれば、水分調整剤を混入することにより、嫌気性発酵菌の活動を活発化させるとともに、処理物に乾燥熱風を供給することで、好気性発酵菌の活動が活発化し、嫌気性発酵菌と好気性発酵菌がバランス良く処理物の発酵を促進するとともに、処理物を撹拌することによって、発酵菌が均等に分布されるため、処理物を効率良く均質な肥料及び飼料に変換することができる。また、処理物に供給された乾燥熱風を再度加熱し循環させることによって、処理物の水分が効率良く除去されるため、発酵処理によって発生する独特な不快な臭気を外部に排出することを防ぐことができる。
【0009】
請求項2記載の発明のように、有機廃棄物に発酵菌と水分調整材を混入させた処理物の投入口と、投入された処理物を発酵処理する発酵槽と、該発酵槽内に乾燥熱風を送風する熱風発生槽と、該発酵槽内に投入された処理物を撹拌する撹拌手段と、発酵処理された生成物を取り出す取出口と、から構成され、該発酵槽内に送風されて処理物の水分を吸収して湿った熱風を、装置外に排出せずに熱風発生槽内に再投入するための熱風循環路を備えることによって、発酵槽内に熱風を常時供給することで、地域や季節等によって外気温の異なる場合でも発酵槽内を常時同一条件にすることが可能であるとともに、撹拌手段によって撹拌しながら処理物に熱風を供給することが可能であるため、有機廃棄物を均質で効率よく肥料及び飼料等に変換することができる。また、熱風発生槽で発生し、発酵槽内に送風された乾燥熱風を循環させることによって、処理物の水分が効率よく除去されるため、有機廃棄物の発酵処理中に発生される不快な臭気を外部に発生することを防ぐことができるとともに、熱風の再利用が可能となり低ランニングコスト化を図ることが可能となり、有機廃棄物を均質で良質な肥料及び飼料に変換する効率をより一層向上させることができる。
【0010】
ここで、発酵槽内の処理物の撹拌手段は、発酵槽の中央に撹拌翼が突設された回転軸を配設し、該回転軸を回転させることで処理物を撹拌してもよいが、請求項3記載の発明のように、撹拌手段を円筒ドラム型の発酵槽と、該発酵槽の内周壁に突設された撹拌部材と、該発酵槽を回転させるための旋回手段と、から構成し、該撹拌部材は、発酵槽内の中心に向かって複数枚突設され、それを長手方向に複数段設けてもよい。このように、発酵槽を回転可能に構成することによって、含水率の高い処理物であっても処理物全体を容易且つ均一に撹拌することが可能であり、発酵槽の内周壁に処理物がこびり付くのを防ぐことも可能であるため、処理物の発酵処理を安定に行うことができる。また、発酵槽の内周壁に撹拌部材を突設させることで、処理物の撹拌をより一層均一に行えるとともに、撹拌部材に抵抗が生じにくくなるため、撹拌部材の破損を防ぎ低コスト化を図ることが可能であるため、処理物をより一層効率よく均質且つ良質な肥料及び飼料に変換することができる。旋回手段については、発酵槽を回転させることが可能な全ての手段を含み、発酵槽内に収容した処理物をより効率よく撹拌するために、回転方向は正逆回転可能に構成することが望ましい。特に、処理物の含水率が高い処理段階では、処理物の分解が十分に行われていないため、処理物が撹拌部材に連なって一方方向に移動し、投入口や取出口から飛び出す恐れがあるため、一定時間毎に正転、逆転を繰り返すことが望ましい。発酵処理が進み処理物が粉末状になれば、発酵槽の回転方向は一定に切り替えてもよい。また、撹拌部材は、処理物がより一層均一に撹拌されるように多方向に突設させることが望ましい。
【0011】
請求項4記載の発明のように、有機廃棄物処理装置に脱臭器を備えることによって、発酵処理の終了後、装置内の乾燥熱風を外部に排気する際に脱臭器を介して排気することによって、不快な臭気を外部に排出することを確実に防ぐことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0013】
本発明の有機廃棄物処理装置は、図1、図2に示すように、架台1と、処理物2を投入するための投入口3を備えた投入槽4と、処理物2の発酵処理を行う発酵槽5と、取出口6を備えた支持壁7と、発酵槽5内に乾燥熱風を供給する熱風発生槽8及び熱風送風用ブロワー9と、発酵槽5内に供給され処理物2の水分を吸収して湿った熱風を熱風発生槽8に再投入させる熱風循環路10と、循環した乾燥熱風を装置外に排出する排気用ブロワー11及び脱臭器12と、から構成され、装置の表面は耐熱塗装が施されている。
【0014】
発酵槽5本体は円筒ドラム型の横置き形であり、発酵槽5の一端には投入槽4を、他端には支持壁7が接続されており、投入槽4と支持壁7を架台1の上に載置してある。投入槽4の上面には突出部13と投入口3が形成されており、投入口3は開閉可能なように形成され且つ投入し易いように手前側にかけて下向きに傾斜している。また、投入槽4の底部は、投入口3より投入された処理物2を発酵槽5内にスムーズに導くために上げ底状になっている。支持壁7には、取出口6と点検口14が開閉可能なように形成されている。
【0015】
支持壁7の上部には、発酵槽5内に乾燥熱風を吹き込むための給気路15が接続され、給気路15は熱風送風用ブロワー9の吹出側に接続される。そして、熱風送風用ブロワー9の吸入側は通気路16を介して熱風発生槽8の側面に接続される。熱風発生槽8は、側面にガス及び灯油バーナー17が備えられており、上面には空気導入筒18が連通して形成されている。また、投入槽4の上部には熱風循環路10が接続され、熱風循環路10は熱風発生槽8の上面に接続される。従って、熱風送風用ブロワー9の運転により、空気導入筒18から空気が熱風発生槽8内に入り、ガスバーナー17によって加熱されて発生した乾燥熱風が通気路16、熱風送風用ブロワー9、給気路15を通って発酵槽5内に送風される。その後、発酵槽5内の処理物2の水分を吸収した湿った熱風は、投入槽4を介し熱風循環路10を通って熱風発生槽8内に再投入され、ガスバーナー17によって再加熱することで水蒸気を飛ばし乾燥熱風として発酵槽5内に再送風される。投入槽4と熱風循環路10の接続口には湿った熱風からゴミやちり等を除去するフィルター(図示せず)が備えてある。
【0016】
また、投入槽4の突出部13の側面には排気用ブロワー11の吸入側が接続されており、排気用ブロワー11の吹出側には排気路19を介して脱臭器12に接続されている。脱臭器12の上部には熱風を排気するための排気筒20が接続されている。従って、発酵槽5内の処理物2の水分を吸収して湿った熱風を装置外に排出する場合は、排気用ブロワー11の運転により、発酵槽5内の湿った熱風は投入槽4内に入り、排気用ブロワー11、排気路19を通って脱臭器12内に送風され、脱臭した後に排気筒20を介して装置外に排出される。
【0017】
図3,図4に示すように、発酵槽5は回転式ドラムであり、発酵槽5の外周壁には歯車21が突設されており、歯車21が無端チェーン22を介して架台1の上に載置されたモーター23の歯車24に連係されており、モーター23により回転駆動される。また、発酵槽5の両端付近の外周壁には、ガイドレール25が2本突設されており、ガイドレール25を支持し且つ発酵槽5の回転を安定且つ円滑に行うための支持滑車26が各ガイドレール25の下部に2箇所ずつ、計4箇所備えてある。ここで、ガイドレール25に関しては、必ずしも2本とは限らず、発酵槽5の大きさ等に応じて複数本設けてもよい。発酵槽5の内周壁には、周方向に一定の間隔を保って発酵槽5の中心方向に向かって長方形の板体である撹拌羽根27が複数枚突設しており、周方向に突設した複数枚の撹拌羽根27は、発酵槽5の長手方向に等間隔を保ち複数段設けてある。そして、各段に設けてある各周方向のそれぞれの撹拌羽根27は、発酵槽5を回転させることで収容している処理物2が一方方向に偏ることを防ぐために、隣合う撹拌羽根27に対して順次傾きを変えてある。従って、モーター23の起動により発酵槽5が回転し、発酵槽5の内周壁に突設した撹拌羽根27により、発酵槽5内に収容した処理物2を効率よく均一に撹拌することができる。
【0018】
次に、上記有機廃棄物処理装置の動作を説明する。
【0019】
処理する含水率の高い有機廃棄物を投入口3を開け、投入槽4を介して発酵槽5内に投入する。この際、予め、嫌気性発酵菌と好気性発酵菌の一定の割合で混合されて形成された高温発酵菌入りのおからを発酵槽5内に投入しておけば、含水率の非常に高い有機廃棄物であっても、嫌気性高温発酵菌の活動が活発に行われる50%〜60%の含水率に調整することができる。そして、モーター23を起動して発酵槽5を回転させ、発酵槽5の内周壁に突設させた撹拌羽根27によって、処理物2を撹拌し、高温発酵菌を均等に分布すると同時に、熱風発生槽8のガスバーナー17を点火し、熱風発生槽8内を加熱する。次に、熱風送風用ブロワー9を運転することで、熱風発生槽8内の空気導入筒18より熱風発生槽8内に空気が導入され、ガスバーナー17で加熱されて乾燥熱風として通気路16、熱風送風用ブロワー9、給気路15を経て発酵槽5内に送風される。こうして、発酵槽5内で撹拌された処理物2に乾燥熱風が供給され、好気性高温発酵菌の活動が活発化し、嫌気性高温発酵菌と好気性高温発酵菌とがバランス良く処理物2の発酵処理を促進する。
【0020】
発酵槽5内に送風され、処理物2の水分を吸収して湿った熱風は、発酵槽5を通り抜け投入槽4内に入り、投入槽4の上部に接続された熱風循環路10を通って熱風発生槽8内に再投入される。そして、再度ガスバーナー17によって加熱されて、乾燥熱風として、熱風送風用ブロワー9によって吸引されて、発酵槽5内に送風される。このように、乾燥熱風を装置内で循環されることで、処理物2の水分が効率良く除去されて乾燥していくとともに、発酵処理中に発生する独特な臭気を外部に排出することもない。
【0021】
発酵槽5内の熱風を外部に排気する際には、排気用ブロワー11を運転することによって、熱風を投入槽4内の上部から排気用ブロワー11に吸引し、排気路19を通って脱臭器12内に送風される。そして、熱風から臭気を脱臭し、脱臭器12の上部の排気筒20より外部に排気される。脱臭器12を介して排気することによって、不快な臭気を外部に排出することを確実に防ぐことができる。
【0022】
処理装置の運転中、発酵槽5の回転数は、モーター23のインバーターによって1rpm〜10rpmに制御され、発酵処理中に処理物2が投入口3及び取出口6から飛び出すことを防ぐために、一定時間毎に正転と逆転を繰り返すように運転されている。また、熱風発生槽8内の温度は常時200℃〜220℃、発酵槽5内の温度は常時60℃〜80℃の一定温度に保持されるように制御されている。
【0023】
このように、発酵槽5をモーター23によって回転させながら、発酵槽5内の撹拌羽根27で処理物2を撹拌するとともに、発酵槽5内に乾燥熱風を循環させながら供給することで、処理物2の発酵と乾燥が均質で効率良く行われ、含水率が50%〜60%だった処理物2は、最終的には含水率が10%にまで乾燥され、24時間以内に均質且つ良質な肥料及び飼料に変換される。その後、処理装置を停止し、取出口6を開いて変換された肥料及び飼料を取り出す。
【0024】
【発明の効果】
本発明のうち請求項1又は2記載の発明によれば、含水率の高い有機廃棄物に発酵菌を混入した水分調整材を混合し、処理物を撹拌するとともに、乾燥熱風を常時供給することで、発酵菌の活動が活発化し、処理物の発酵及び乾燥を促進し、処理物を短時間で効率よく均質で良質な肥料及び飼料等に変換することができる。また、処理物に供給された乾燥熱風を循環させることで、処理物の水分が効率よく除去されるため、有機廃棄物自身の持つ悪臭及び発酵処理中に発生される不快な臭気が外部に排出されるのを防ぐことができる。
【0025】
本発明のうち請求項3記載の発明によれば、含水率の高い処理物であっても、内周壁に撹拌部材を突設させた発酵槽を回転させることによって、発酵槽内の処理物が発酵槽の内周壁にこびり付くことなく容易且つ均一に撹拌されるとともに、処理物の撹拌中に撹拌部材に抵抗が掛かることを防ぐことが可能であるため、装置の低コスト化を図ることができるとともに、処理物の発酵及び乾燥が促進され、処理物をより一層安定且つ効率よく均質な肥料及び飼料に変換することができる。
【0026】
本発明のうち請求項4記載の発明によれば、装置内を循環させている乾燥熱風を外部に排出する際に、脱臭器を介して排気することより、より一層確実に不快な臭気を外部に排出することを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の有機廃棄物処理装置の正面図である。
【図2】本発明の有機廃棄物処理装置の平面図である。
【図3】本発明の有機廃棄物処理装置のA−A矢視の一部を切欠した断面図である。
【図4】本発明の有機廃棄物処理装置のB−B矢視の一部を切欠した断面図である。
【符号の説明】
2 処理物
3 投入口
5 発酵槽
6 取出口
8 熱風発生槽
10 熱風循環路
12 脱臭器
21 歯車(旋回手段)
22 チェーン(旋回手段)
23 モーター(旋回手段)
24 歯車(旋回手段)
27 撹拌羽根(撹拌部材)
【発明の属する技術分野】
本発明は、食品加工上における残渣、一般家庭から排出される生ごみ、汚泥、動物糞尿等の有機廃棄物の処理方法及び処理装置に関するもので、さらに詳しくは、有機廃棄物を発酵させて肥料及び飼料等に変換する有機廃棄物の処理方法及びその処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近代産業の発展に伴い大きな課題となった環境問題に対して、近年、循環型社会の構築を目指し環境の修復及び改善に関する様々な取り組みが行われているが、未だ環境破壊のスピードが修復スピードを上回っているのが実状である。こうした状況の中、特に深刻な問題になっているのは、経済社会活動を行う上で必ず排出される廃棄物、特に食品加工上における残渣、一般家庭から排出される生ごみ、汚泥、動物糞尿等の有機廃棄物の処理に関してであり、これら有機廃棄物は、腐敗しやすい性質を持つため、不衛生で、悪臭を発生したり、害虫を発生することはもちろん、下水道を通って河川に流れ込み環境汚染を引き起こしている。さらに、有機廃棄物の処理方法の大半は焼却及び埋め立てであるため、焼却処理においては膨大なエネルギー消費とダイオキシン発生等の環境破壊の要因となり、埋め立て処理においては有機廃棄物の根本的な処理になっていないうえ処理能力に限界があり、さらに埋め立て地の土壌及び水質汚染等の環境破壊の要因となっている。
【0003】
これら有機廃棄物やその処理方法による環境破壊を防ぎ循環型社会に貢献するために、有機廃棄物を発酵させ短時間で肥料及び飼料に変換する有機廃棄物処理装置が数多く提案されている。それらの装置の多くは、発酵槽内の中央に配設した中空の回転軸に、複数枚の撹拌翼を放射状に突設し、それを回転軸に等間隔に複数段設け、回転軸を低速で回転させ発酵槽内に収容した有機廃棄物に発酵菌を混入した処理物を撹拌させるとともに、回転軸の中空路を通り撹拌翼の背部に設けた噴出孔から発酵槽内に熱風を噴出させ処理物に熱風を供給し、短時間で有機廃棄物を肥料及び飼料に変換する構造をなしている。また、発酵槽内に噴出した熱風を発酵処理装置外に排気する場合には、そのまま外部に排出するか、脱臭装置を介して放出されるかのどちらかである。
【0004】
しかし、このような構造では、有機廃棄物はもともと含水率が高いため、処理物を撹拌する際には、撹拌翼に非常に負荷が掛かるため回転軸及び撹拌翼が曲がったり折れたり等の破損を招き、発酵処理が十分に行われず悪臭を発生する原因となる。また、撹拌翼は発酵槽の内周壁から一定の間隔を保って回転しているため、発酵槽の底部に処理物がこびり付いてしまい、処理物を均一に撹拌することができず、発酵処理が均質に行われない原因となったり、処理物中に十分に破砕されていない物や、誤って金属類等の処理が不可能な物が混入してしまった場合等、撹拌翼と内周壁の隙間にそれらが嵌り込むと、撹拌翼に抵抗が掛かり破損することはもちろんのこと、発酵槽の内周壁を傷つけることにもなり、装置の耐用年数を縮めてしまう問題があった。さらに、有機廃棄物の発酵処理中には、有機廃棄物独自の悪臭に加え、有機廃棄物の含水率が高い場合には、嫌気性菌の発酵が進み独特の不快な発酵臭を発生するため、発酵槽内に送られる熱風を排気する際には、脱臭装置を介したとしても発酵臭を全て除去することは不可能で、周囲に不快な臭気が漏れてしまっているのが実状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、前記事情に基づいてなされたものであり、循環型社会に貢献するとともに、発酵処理中に発生する不快な発酵臭を外部に排出することなく、しかも、有機廃棄物を効率よく均一且つ良質な肥料及び飼料に変換する有機廃棄物処理方法及びその処理装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のうち請求項1記載の発明は、有機廃棄物に発酵菌と水分調整材を混入して処理物を形成し、該処理物中の発酵菌が均等に分布されるように処理物を撹拌すると同時に、処理物に乾燥熱風を供給することで、処理物の発酵と乾燥を促進しながら、処理物を肥料及び飼料に変換する有機廃棄物の処理方法であって、前記乾燥熱風を処理物に供給し、処理物の水分を吸収して湿った熱風となった後、該熱風を外部に排出することなく再度加熱して乾燥熱風とし、これを処理物に再度供給し、乾燥熱風を循環させながら、処理物への乾燥熱風の供給を繰り返し行うことによって、処理物の発酵と乾燥を進めていくことを特徴とする。
【0007】
ここで、発酵菌とは、有機廃棄物のほとんどが高含水率であることと、乾燥熱風を供給しながら発酵処理を進めていくため、嫌気性発酵菌と好気性発酵菌を混合させたものが望ましく、特に、発酵処理中に発生する病原菌や微生物を死滅させるために、高温発酵処理に適した高温発酵菌を使用することが望ましい。また、水分調整剤とは、嫌気性発酵菌の活動が活発化し易いように有機廃棄物の含水率を調整するものであり、例えば、おから、おがくず、もみがら等が挙げられる。また、乾燥熱風とは、発酵菌、特に好気性発酵菌の活動の活発化と、処理中の有機廃棄物の水分を効率良く除去することが可能な湿度と、を兼ね備えた風のことをいう。
【0008】
このように形成すれば、水分調整剤を混入することにより、嫌気性発酵菌の活動を活発化させるとともに、処理物に乾燥熱風を供給することで、好気性発酵菌の活動が活発化し、嫌気性発酵菌と好気性発酵菌がバランス良く処理物の発酵を促進するとともに、処理物を撹拌することによって、発酵菌が均等に分布されるため、処理物を効率良く均質な肥料及び飼料に変換することができる。また、処理物に供給された乾燥熱風を再度加熱し循環させることによって、処理物の水分が効率良く除去されるため、発酵処理によって発生する独特な不快な臭気を外部に排出することを防ぐことができる。
【0009】
請求項2記載の発明のように、有機廃棄物に発酵菌と水分調整材を混入させた処理物の投入口と、投入された処理物を発酵処理する発酵槽と、該発酵槽内に乾燥熱風を送風する熱風発生槽と、該発酵槽内に投入された処理物を撹拌する撹拌手段と、発酵処理された生成物を取り出す取出口と、から構成され、該発酵槽内に送風されて処理物の水分を吸収して湿った熱風を、装置外に排出せずに熱風発生槽内に再投入するための熱風循環路を備えることによって、発酵槽内に熱風を常時供給することで、地域や季節等によって外気温の異なる場合でも発酵槽内を常時同一条件にすることが可能であるとともに、撹拌手段によって撹拌しながら処理物に熱風を供給することが可能であるため、有機廃棄物を均質で効率よく肥料及び飼料等に変換することができる。また、熱風発生槽で発生し、発酵槽内に送風された乾燥熱風を循環させることによって、処理物の水分が効率よく除去されるため、有機廃棄物の発酵処理中に発生される不快な臭気を外部に発生することを防ぐことができるとともに、熱風の再利用が可能となり低ランニングコスト化を図ることが可能となり、有機廃棄物を均質で良質な肥料及び飼料に変換する効率をより一層向上させることができる。
【0010】
ここで、発酵槽内の処理物の撹拌手段は、発酵槽の中央に撹拌翼が突設された回転軸を配設し、該回転軸を回転させることで処理物を撹拌してもよいが、請求項3記載の発明のように、撹拌手段を円筒ドラム型の発酵槽と、該発酵槽の内周壁に突設された撹拌部材と、該発酵槽を回転させるための旋回手段と、から構成し、該撹拌部材は、発酵槽内の中心に向かって複数枚突設され、それを長手方向に複数段設けてもよい。このように、発酵槽を回転可能に構成することによって、含水率の高い処理物であっても処理物全体を容易且つ均一に撹拌することが可能であり、発酵槽の内周壁に処理物がこびり付くのを防ぐことも可能であるため、処理物の発酵処理を安定に行うことができる。また、発酵槽の内周壁に撹拌部材を突設させることで、処理物の撹拌をより一層均一に行えるとともに、撹拌部材に抵抗が生じにくくなるため、撹拌部材の破損を防ぎ低コスト化を図ることが可能であるため、処理物をより一層効率よく均質且つ良質な肥料及び飼料に変換することができる。旋回手段については、発酵槽を回転させることが可能な全ての手段を含み、発酵槽内に収容した処理物をより効率よく撹拌するために、回転方向は正逆回転可能に構成することが望ましい。特に、処理物の含水率が高い処理段階では、処理物の分解が十分に行われていないため、処理物が撹拌部材に連なって一方方向に移動し、投入口や取出口から飛び出す恐れがあるため、一定時間毎に正転、逆転を繰り返すことが望ましい。発酵処理が進み処理物が粉末状になれば、発酵槽の回転方向は一定に切り替えてもよい。また、撹拌部材は、処理物がより一層均一に撹拌されるように多方向に突設させることが望ましい。
【0011】
請求項4記載の発明のように、有機廃棄物処理装置に脱臭器を備えることによって、発酵処理の終了後、装置内の乾燥熱風を外部に排気する際に脱臭器を介して排気することによって、不快な臭気を外部に排出することを確実に防ぐことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0013】
本発明の有機廃棄物処理装置は、図1、図2に示すように、架台1と、処理物2を投入するための投入口3を備えた投入槽4と、処理物2の発酵処理を行う発酵槽5と、取出口6を備えた支持壁7と、発酵槽5内に乾燥熱風を供給する熱風発生槽8及び熱風送風用ブロワー9と、発酵槽5内に供給され処理物2の水分を吸収して湿った熱風を熱風発生槽8に再投入させる熱風循環路10と、循環した乾燥熱風を装置外に排出する排気用ブロワー11及び脱臭器12と、から構成され、装置の表面は耐熱塗装が施されている。
【0014】
発酵槽5本体は円筒ドラム型の横置き形であり、発酵槽5の一端には投入槽4を、他端には支持壁7が接続されており、投入槽4と支持壁7を架台1の上に載置してある。投入槽4の上面には突出部13と投入口3が形成されており、投入口3は開閉可能なように形成され且つ投入し易いように手前側にかけて下向きに傾斜している。また、投入槽4の底部は、投入口3より投入された処理物2を発酵槽5内にスムーズに導くために上げ底状になっている。支持壁7には、取出口6と点検口14が開閉可能なように形成されている。
【0015】
支持壁7の上部には、発酵槽5内に乾燥熱風を吹き込むための給気路15が接続され、給気路15は熱風送風用ブロワー9の吹出側に接続される。そして、熱風送風用ブロワー9の吸入側は通気路16を介して熱風発生槽8の側面に接続される。熱風発生槽8は、側面にガス及び灯油バーナー17が備えられており、上面には空気導入筒18が連通して形成されている。また、投入槽4の上部には熱風循環路10が接続され、熱風循環路10は熱風発生槽8の上面に接続される。従って、熱風送風用ブロワー9の運転により、空気導入筒18から空気が熱風発生槽8内に入り、ガスバーナー17によって加熱されて発生した乾燥熱風が通気路16、熱風送風用ブロワー9、給気路15を通って発酵槽5内に送風される。その後、発酵槽5内の処理物2の水分を吸収した湿った熱風は、投入槽4を介し熱風循環路10を通って熱風発生槽8内に再投入され、ガスバーナー17によって再加熱することで水蒸気を飛ばし乾燥熱風として発酵槽5内に再送風される。投入槽4と熱風循環路10の接続口には湿った熱風からゴミやちり等を除去するフィルター(図示せず)が備えてある。
【0016】
また、投入槽4の突出部13の側面には排気用ブロワー11の吸入側が接続されており、排気用ブロワー11の吹出側には排気路19を介して脱臭器12に接続されている。脱臭器12の上部には熱風を排気するための排気筒20が接続されている。従って、発酵槽5内の処理物2の水分を吸収して湿った熱風を装置外に排出する場合は、排気用ブロワー11の運転により、発酵槽5内の湿った熱風は投入槽4内に入り、排気用ブロワー11、排気路19を通って脱臭器12内に送風され、脱臭した後に排気筒20を介して装置外に排出される。
【0017】
図3,図4に示すように、発酵槽5は回転式ドラムであり、発酵槽5の外周壁には歯車21が突設されており、歯車21が無端チェーン22を介して架台1の上に載置されたモーター23の歯車24に連係されており、モーター23により回転駆動される。また、発酵槽5の両端付近の外周壁には、ガイドレール25が2本突設されており、ガイドレール25を支持し且つ発酵槽5の回転を安定且つ円滑に行うための支持滑車26が各ガイドレール25の下部に2箇所ずつ、計4箇所備えてある。ここで、ガイドレール25に関しては、必ずしも2本とは限らず、発酵槽5の大きさ等に応じて複数本設けてもよい。発酵槽5の内周壁には、周方向に一定の間隔を保って発酵槽5の中心方向に向かって長方形の板体である撹拌羽根27が複数枚突設しており、周方向に突設した複数枚の撹拌羽根27は、発酵槽5の長手方向に等間隔を保ち複数段設けてある。そして、各段に設けてある各周方向のそれぞれの撹拌羽根27は、発酵槽5を回転させることで収容している処理物2が一方方向に偏ることを防ぐために、隣合う撹拌羽根27に対して順次傾きを変えてある。従って、モーター23の起動により発酵槽5が回転し、発酵槽5の内周壁に突設した撹拌羽根27により、発酵槽5内に収容した処理物2を効率よく均一に撹拌することができる。
【0018】
次に、上記有機廃棄物処理装置の動作を説明する。
【0019】
処理する含水率の高い有機廃棄物を投入口3を開け、投入槽4を介して発酵槽5内に投入する。この際、予め、嫌気性発酵菌と好気性発酵菌の一定の割合で混合されて形成された高温発酵菌入りのおからを発酵槽5内に投入しておけば、含水率の非常に高い有機廃棄物であっても、嫌気性高温発酵菌の活動が活発に行われる50%〜60%の含水率に調整することができる。そして、モーター23を起動して発酵槽5を回転させ、発酵槽5の内周壁に突設させた撹拌羽根27によって、処理物2を撹拌し、高温発酵菌を均等に分布すると同時に、熱風発生槽8のガスバーナー17を点火し、熱風発生槽8内を加熱する。次に、熱風送風用ブロワー9を運転することで、熱風発生槽8内の空気導入筒18より熱風発生槽8内に空気が導入され、ガスバーナー17で加熱されて乾燥熱風として通気路16、熱風送風用ブロワー9、給気路15を経て発酵槽5内に送風される。こうして、発酵槽5内で撹拌された処理物2に乾燥熱風が供給され、好気性高温発酵菌の活動が活発化し、嫌気性高温発酵菌と好気性高温発酵菌とがバランス良く処理物2の発酵処理を促進する。
【0020】
発酵槽5内に送風され、処理物2の水分を吸収して湿った熱風は、発酵槽5を通り抜け投入槽4内に入り、投入槽4の上部に接続された熱風循環路10を通って熱風発生槽8内に再投入される。そして、再度ガスバーナー17によって加熱されて、乾燥熱風として、熱風送風用ブロワー9によって吸引されて、発酵槽5内に送風される。このように、乾燥熱風を装置内で循環されることで、処理物2の水分が効率良く除去されて乾燥していくとともに、発酵処理中に発生する独特な臭気を外部に排出することもない。
【0021】
発酵槽5内の熱風を外部に排気する際には、排気用ブロワー11を運転することによって、熱風を投入槽4内の上部から排気用ブロワー11に吸引し、排気路19を通って脱臭器12内に送風される。そして、熱風から臭気を脱臭し、脱臭器12の上部の排気筒20より外部に排気される。脱臭器12を介して排気することによって、不快な臭気を外部に排出することを確実に防ぐことができる。
【0022】
処理装置の運転中、発酵槽5の回転数は、モーター23のインバーターによって1rpm〜10rpmに制御され、発酵処理中に処理物2が投入口3及び取出口6から飛び出すことを防ぐために、一定時間毎に正転と逆転を繰り返すように運転されている。また、熱風発生槽8内の温度は常時200℃〜220℃、発酵槽5内の温度は常時60℃〜80℃の一定温度に保持されるように制御されている。
【0023】
このように、発酵槽5をモーター23によって回転させながら、発酵槽5内の撹拌羽根27で処理物2を撹拌するとともに、発酵槽5内に乾燥熱風を循環させながら供給することで、処理物2の発酵と乾燥が均質で効率良く行われ、含水率が50%〜60%だった処理物2は、最終的には含水率が10%にまで乾燥され、24時間以内に均質且つ良質な肥料及び飼料に変換される。その後、処理装置を停止し、取出口6を開いて変換された肥料及び飼料を取り出す。
【0024】
【発明の効果】
本発明のうち請求項1又は2記載の発明によれば、含水率の高い有機廃棄物に発酵菌を混入した水分調整材を混合し、処理物を撹拌するとともに、乾燥熱風を常時供給することで、発酵菌の活動が活発化し、処理物の発酵及び乾燥を促進し、処理物を短時間で効率よく均質で良質な肥料及び飼料等に変換することができる。また、処理物に供給された乾燥熱風を循環させることで、処理物の水分が効率よく除去されるため、有機廃棄物自身の持つ悪臭及び発酵処理中に発生される不快な臭気が外部に排出されるのを防ぐことができる。
【0025】
本発明のうち請求項3記載の発明によれば、含水率の高い処理物であっても、内周壁に撹拌部材を突設させた発酵槽を回転させることによって、発酵槽内の処理物が発酵槽の内周壁にこびり付くことなく容易且つ均一に撹拌されるとともに、処理物の撹拌中に撹拌部材に抵抗が掛かることを防ぐことが可能であるため、装置の低コスト化を図ることができるとともに、処理物の発酵及び乾燥が促進され、処理物をより一層安定且つ効率よく均質な肥料及び飼料に変換することができる。
【0026】
本発明のうち請求項4記載の発明によれば、装置内を循環させている乾燥熱風を外部に排出する際に、脱臭器を介して排気することより、より一層確実に不快な臭気を外部に排出することを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の有機廃棄物処理装置の正面図である。
【図2】本発明の有機廃棄物処理装置の平面図である。
【図3】本発明の有機廃棄物処理装置のA−A矢視の一部を切欠した断面図である。
【図4】本発明の有機廃棄物処理装置のB−B矢視の一部を切欠した断面図である。
【符号の説明】
2 処理物
3 投入口
5 発酵槽
6 取出口
8 熱風発生槽
10 熱風循環路
12 脱臭器
21 歯車(旋回手段)
22 チェーン(旋回手段)
23 モーター(旋回手段)
24 歯車(旋回手段)
27 撹拌羽根(撹拌部材)
Claims (4)
- 有機廃棄物に発酵菌と水分調整材を混入して処理物を形成し、該処理物中の発酵菌が均等に分布されるように処理物を撹拌すると同時に、処理物に乾燥熱風を供給することで、処理物の発酵と乾燥を促進しながら、処理物を肥料及び飼料に変換する有機廃棄物の処理方法であって、前記乾燥熱風を処理物に供給し、処理物の水分を吸収して湿った熱風となった後、該熱風を外部に排出することなく再度加熱して乾燥熱風とし、これを処理物に再度供給し、乾燥熱風を循環させながら、処理物への乾燥熱風の供給を繰り返し行うことによって、処理物の発酵と乾燥を進めていくことを特徴とする有機廃棄物処理方法。
- 有機廃棄物に発酵菌と水分調整材を混入させた処理物(2)の投入口(3)と、投入された処理物を発酵処理する発酵槽(5)と、該発酵槽(5)内に乾燥熱風を送風する熱風発生槽(8)と、該発酵槽(5)内に投入された有機廃棄物を撹拌する撹拌手段と、発酵処理された生成物を取り出す取出口(6)と、から構成され、該発酵槽(5)内で処理物の水分を除去して湿った熱風を熱風発生槽(8)に再投入し、乾燥熱風として再度発酵槽(5)内に送風するための熱風循環路(10)を備えていることを特徴とする有機廃物処理装置。
- 前記撹拌手段は、円筒ドラム型の発酵槽(5)と、該発酵槽(5)の内周壁に突設された撹拌部材(27)と、該発酵槽(5)を回転させるための旋回手段(21,22,23,24)と、から構成され、該撹拌部材(27)は、発酵槽(5)内の中心に向かって複数枚突設されており、それが長手方向に複数段設けられていることを特徴とする請求項2記載の有機廃棄物処理装置。
- 請求項2及び3記載の有機廃棄物処理装置には、脱臭器(12)が備えてあることを特徴とする有機廃棄物処理装置。
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-
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- 2002-09-25 JP JP2002279666A patent/JP2004113911A/ja active Pending
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