JP2004113839A - 流動層式粉砕分級機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】流動層式粉砕分級機(カウンタージェットミル方式)において、粉砕機底部と粉砕ノズルとの間の距離を調節可能な粉砕位置調節体を装着して、粉砕ノズルの周囲で、粉砕されるべき被粉砕物の供給量を調節可能にしたことを特徴とする流動層式粉砕分級機。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、トナー粉砕分級方法に関し、微粒子粉砕分級手段に応用される。
【0002】
【従来の技術】
流動層式粉砕機方法として、粉砕室断面積に対する粉砕ノズルの合計断面積を一定範囲に規定することが記載(特許文献1)され、また、下上段の対抗ノズルと上段の対抗ノズルを真上から見たとき重ならないように配置することが記載(特許文献2)され、また、粉砕物を上方の分級部に導く通路と、上方からの戻り粗粉を下方向の粉砕部に導く通路とを区画する円筒状の分離板を設けることが記載(特許文献3)され、また、各設置ノズルに対向する二等辺三角形の斜面を有する角錐型の突起物を、粉砕室底部中心に設けることが記載(特許文献4)され、また、内部空気密度の定義が記載(特許文献5)され、また、ノズル開口から噴射された被粉砕物を衝突させる衝突部材として、粉砕ノズル開口に対向するように配置された鋭角の突出部先端から根元方向に拡がる裾野部を有する衝突部材が記載(特許文献6)され、また、粉砕機内の高圧加速ガスとして蒸気噴流を併用することが記載(特許文献7)されている。
また、本発明者らは、流動層型ジェット粉砕機内の内面コートに関する発明を完成し、特願2002−78325号として出願済みである。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−117137号公報(請求項1)
【特許文献2】
特開2000−107626号公報(請求項1、2)
【特許文献3】
特開2000−15126号公報(請求項1)
【特許文献4】
特開2000−5621号公報(特許請求の範囲)
【特許文献5】
特開2000−126560号公報
【特許文献6】
特開平8−112543号公報(特許請求の範囲)
【特許文献7】
特開平11−70340号公報(請求項1〜14)
【0004】
従来の流動層ジェット粉砕機を示す図1は、粉砕ノズル(1)が層内ジェット噴流を射出する際、供給済みの周囲の被粉砕物(2)を加速し、対抗する粉砕ノズル同士の相対速度によって粉砕を行なう。効率を高めるには予め粉砕ノズルを覆うレベル量の被粉砕物の初期投入が重要になる。また、粉砕された材料はただちに上部に設置された分級ロータ(4)を介して分級され、分級された微粉砕品は配管(5)を介して回収され、粗粉は流動層内を落下し再び粉砕されることが要求される。しかしながら、現在の流動層では被粉砕物を、粉砕ノズルを覆うレベル量まで投入すると粉砕ノズル(1)と流動層底部(3)にて粉砕されるもの以上に被粉砕物の投入量が多く、被粉砕物の舞上りが増大し分級ロータ廻りの固気比が上昇する。結果的に分級精度の低下による過粉砕や粉砕上り品への粗粉混入が増大し、生産能力の低下につながる。
特に、処理能力を高めるために、上部に分級ロータを複数個設置したものは粉砕物が分級ロータに導かれる過程で相互干渉を生じ、結果、流動層内の挙動に乱れが生じ分級精度の低下による過粉砕や粉砕上り品への粗粉混入が増大し、生産能力の低下につながる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明の課題は、当該分野の上記現状に鑑み、簡単な構造で融通性があり能力が高められた新規流動層式粉砕分級機を提供することにあり、特に、被粉砕物を多量に投入しても分級室内での被粉砕物の舞上りが少なく、上部に配置された分級ロータ廻りの固気比が異常上昇せず、結果的に分級精度の低下がなくしたがって過粉砕や粉砕上り品への粗粉混入がなく、生産能力の低下がない新規流動層式粉砕分級機を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、本発明の(1)「流動層式粉砕分級機(カウンタージェットミル方式)において、粉砕機底部と粉砕ノズルとの間の距離を調節可能な粉砕位置調節体を装着して、粉砕ノズルの周囲で、粉砕されるべき被粉砕物の供給量を調節可能にしたことを特徴とする流動層式粉砕分級機」;
(2)「前記粉砕位置調節体が、周辺部から中心部に向かって低くなった勾配を有する上面形状を有し、該勾配は中心からの垂線と円周を結ぶ角度θが下記式(数1)を満たすものであることを特徴とする前記第(1)項に記載の流動層式粉砕分級機;
【0007】
【数9】
180°<θ≦90° ・・・(数1)」;
【0008】
(3)「前記粉砕位置調節体が、嵩上げできる底板の円周が粉砕ノズルの開口位置レベル(C)−(D)に対し下記式(化2)の範囲の距離(h1)で調整可能であることを特徴とする第(1)項または第(2)項に記載の流動層式粉砕分級機;
【0009】
【数10】
30mm≦h1≦100mm ・・・(数2)」;
【0010】
(4)「流動層式粉砕分級機機(カウンタージェットミル方式)において、対向し設置しているノズル上部に、粉砕流を相互干渉なく流動化し分級ロータに到達可能とする流動仕切り板を装着したことを特徴とする第(1)項乃至第(3)項のいずれか1に記載の流動層式粉砕分級機」;
【0011】
(5)「 該流動仕切り板は、上下方向長さ(H2)が、前記粉砕位置調節体の調整可能範囲の距離(h1)とは、下記式(数3)の関係を満たすものであることを特徴とする第(4)項に記載の流動層式粉砕分級機;
【0012】
【数11】
1/3H2≦H1≦2/3H2 ・・・(数3)」;
【0013】
(6)「前記流動仕切り板の上下方向長さ(H2)が、下記式(数4)の範囲であることを特徴とする第(4)項または第(5)項に記載の流動層式粉砕分級機;
【0014】
【数12】
50mm≦h2≦150mm ・・・(数4)」;
(7)「流動仕切り板の幅(W2)は流動層(7)の内径(W1)に対し下記式(数5)の範囲を満足する第(4)項乃至第(6)項のいずれかに記載の流動層式粉砕分級機」;
【0015】
【数13】
2/5W1≦W2≦4/5W1 …(数5)」;
【0016】
(8)「前記粉砕位置調節体および流動仕切り板は、表面が導電性ポリテトラフロロエチレン系フッ素樹脂で形成されていることを特徴とする第(4)項乃至第(7)項の何れかに記載の流動層式粉砕分級機」により達成される。
【0017】
また、上記課題は、本発明の(9)「流動層式粉砕分級機機(カウンタージェットミル方式)を用いる静電荷像現像用トナーの製造方法において、粉砕ノズルの周囲に粉砕されるべき被粉砕物が適正供給できるように粉砕機低部と粉砕ノズルとの間の距離を嵩上げできる調節可能な粉砕位置調節体を装着した流動層式粉砕分級装置を用いて製造することを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法」;
【0018】
(10)「前記粉砕位置調節体が、周辺部から中心部に向かって低くなった勾配を有する上面形状を有し、該勾配は中心からの垂線と円周を結ぶ角度θが下記式(数1)を満たすものであることを特徴とする第(9)項に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法;
【0019】
【数14】
180°<θ≦90° ・・・(数1)」;
【0020】
(11)「前記粉砕位置調節体が、嵩上げできる底板の円周が粉砕ノズルの開口位置レベル(C)−(D)に対し下記式(化2)の範囲の距離(h1)で調整可能であることを特徴とする第(9)項または第(10)項に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法;
【0021】
【数15】
30mm≦h1≦100mm ・・・(数2)」;
【0022】
(12)「前記流動層式粉砕分級機機が、対向し設置しているノズル上部に、粉砕流を相互干渉なく流動化し分級ロータに到達可能とする流動仕切り板を装着したことを特徴とする第(9)項乃至第(11)項のいずれか1に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法」;
【0023】
(13)「該流動仕切り板は、上下方向長さ(H2)が、前記粉砕位置調節体の調整可能範囲の距離(h1)とは、下記式(数3)の関係を満たすものであることを特徴とする第(12)項に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法;
【0024】
【数16】
1/3H2≦H1≦2/3H2 ・・・(数3)」;
【0025】
(14)「前記流動仕切り板の上下方向長さ(H2)が、下記式(数4)の範囲であることを特徴とする第(12)項または第(13項のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法;
【0026】
【数17】
50mm≦h2≦150mm ・・・(数4)」;
【0027】
(15)「流動仕切り板の幅(W2)は流動層(7)の内径(W1)に対し下記式(数5)の範囲を満足する第(12)項乃至第(14)項のいずれかに記載の流動層式粉砕分級機」;
【0028】
【数18】
2/5W1≦W2≦4/5W1 …(数5)」;
【0029】
(16)「前記粉砕位置調節体および流動仕切り板は、表面が導電性ポリテトラフロロエチレン系フッ素樹脂で形成されていることを特徴とする第(9)項請求項8乃至第(15)項の何れかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法」により達成される。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面を参照して詳細に説明する。
本発明は、図2に示されるように、ジェットミル断面図において、粉砕ノズル(1)の周囲に粉砕に必要な被粉砕物が適正供給できるように、粉砕機底部(3)と粉砕ノズル(1)との間の距離を、嵩上げ等の調節が可能な、例えば板状体のような粉砕位置調節体(3a)を装着することを上記第(1)項および第(8)項は特徴とする。その際、粉砕位置調節体(3a)は流動層の内筒径に適合させる。粉砕位置調節体(3a)は、粉砕分級機に着脱自在のものとすることが必須ではないが好ましい。図2−1に粉砕位置調節体(3a)が板状体である場合の1例の詳細を示す。
【0031】
流動層内部は粉砕位置調節体(3a)による嵩上げ等の距離調節により被粉砕物の過剰な機内初期投入量を抑制することによって、分級ロータ(4)の固気比が低下し、常時、粉砕物のみがロータ周囲を覆うため分級された粉砕品への粗粉の飛込みあるいは過粉砕による微粉の増加が抑制される。
【0032】
上記第(2)項および第(9)項は、図3に示されるように、粉砕位置調節体(3a)が、周辺部から中心部に向かって低くなった勾配を有するコーン状の上面形状を有し、図3に示されるように、カウンタージェットミル断面図中心線(AB)と底板(3)の円周(3b)、(3c)で形成されるコーンの頂角(3d)の角度θ、中心からの垂線と円周を結ぶ角度θが下記式(数1)の範囲を形成し、即ち該勾配の程度は、下記式(数1)を満たす流動層式粉砕分級機である。
【0033】
【数19】
180°<θ≦90° ・・・(数1)
【0034】
図3−1にコーン例の詳細を示す。
この例においては、流動層内部は板状体の形の粉砕位置調節体(3a)による嵩上げの頂角θによるコーン状になることで粉砕ノズル(1)の噴流軌跡(1a)、(1b)に沿った形状を成すことになり、そのため流動層下部のデットスペースが解消され初期投入された被粉砕物の粉砕がより向上すると共に、コーン状勾配面に沿って衝突しながら噴射されるため粉砕効率も低下せず、分級された粉砕品への粗粉の飛込みあるいは過粉砕による微粉の増加が抑制される。
【0035】
このような板状体の形の粉砕位置調節体(3a)としては、勾配及び腰の高さの異なるものを複数個準備しておき、粉砕ノズル(1)からの噴射強度の違いに起因する噴射粉雲の拡がり角度の変化に応じて使い分けられるようにすることができる。
【0036】
上記第(3)項および第(10)項は、図3に示す嵩上げできる底板の円周が粉砕ノズル中心線(C)−(D)と底板(3)の流動層内面に接する中心線(E)−(F)の設置距離(h1)が下記式(化2)の範囲で調整可能を特徴とする流動層式粉砕分級機である。即ち正確に云えば、嵩上げ等の調節が可能な、例えば板状体のような粉砕位置調節体(3a)が、嵩上げできる底板の円周が粉砕ノズルの開口位置レベル(C)−(D)に対し下記式(数2)の範囲の距離(h1)で調整可能なものである。
【0037】
【数20】
30mm≦h1≦100mm …(数2)
【0038】
被粉砕物の目的粒度や粉砕性に応じて板状体のような粉砕位置調節体(3a)の粉砕ノズルまでの高さを調整することによって常に粉砕効率のよい量の被粉砕物の初期投入が達成され粉砕能力の向上と分級された粉砕品への粗粉の飛込みあるいは過粉砕による微粉の増加が抑制される。
【0039】
図4に上記第(4)項および第(11)項記載の流動層式粉砕分級機(カウンタージェットミル方式)を示す。対向し設置されるノズル上部に粉砕流が相互干渉なく流動化し分級ロータに到達できるように流動層内筒に流動仕切り板(6)を装着することを特徴とする粉砕分級装置である。仕切板(6)は例えば粉砕ノズル(1)の設置本数に応じて図4−1に詳細に示すように複数枚の板片から構成された形になっている。また仕切り板(6)の流動層内設置はノズルが4本の場合、3本の場合流動層断面(J)−(K)で図4−2,図4−3に示すように設置する。仕切り板の設置により流動層内で粉砕された被粉砕物は上部に設置された分級ロータ(4)に到達される間、粒子同士の干渉がなく分級された粉砕品への粗粉の飛込みあるいは過粉砕による微粉の増加が抑制される。
【0040】
上記第(5)項および第(12)項に記載の粉砕分級機は、図4に示す対向し設置しているノズル上部に設置する流動仕切り板長さ(h2)が、分級ロータ中心線(L)−(M)と粉砕ノズル中心線(C)−(D)間の前記高さ(h)に対し下記式(数5)の範囲を満足する流動層式粉砕分級機である。即ち流動仕切り板(6)は、その上下方向長さ(H2)が、前記粉砕位置調節体の調整可能範囲の距離(h1)とは、下記式(数3)の関係を満たすものである。
【0041】
【数21】
2/6h2≦h≦5/6h2 …(数3)
【0042】
被粉砕物の目的粒度や粉砕性に応じて流動層内の仕切り板高さを調整することによって、流動層内の流動範囲が調整でき、分級ロータ(4)の周囲は干渉の少ない粉体で覆われるため粗粉の飛込みあるいは過粉砕による微粉の増加が抑制される。
【0043】
上記第(6)項および第(13)項に記載の粉砕分級機は、図5に示す対向し設置しているノズル上部に設置する流動仕切り板の幅(W2)は流動層(7)の内径(W1)に対し下記式(数6)の範囲を形成する流動層式粉砕分級機である。
【0044】
【数22】
2/5W1≦W2≦4/5W1 …(数6)
【0045】
被粉砕物の目的粒度や粉砕性に応じて流動層(7)の内径(W1)に対し仕切り板幅(W2)を調整することによって流動範囲が調整でき分級ローター(4)の周囲は干渉の少ない粉体で覆われるため粉砕上がり品への粗粉の飛込みあるいは過粉砕による微粉の増加が抑制される。
【0046】
上記第(7)項および第(14)項は、嵩上げできる底板および流動仕切り板の表面は導電性ポリテトラフロロエチレン系フッ素樹脂(離型剤)で形成されていることを特徴とする流動層式粉砕分級機である。
離型剤の具体例としてシリコン系樹脂、フッ素樹脂系が挙げられるが、特にトナー材質と粒径の特性を考慮するとフッ素樹脂系が特に好ましい。離型剤によって仕切り板を通過する粉体の付着・凝集・融着・固着等の少なくとも一つを抑制するのに有効である。
【0047】
【実施例】
以下、実施例により詳細に説明する。
(実施例1)
請求項1、8の実施例として以下に示す。
ポリエステル樹脂80重量%とスチレンアクリル共重合樹脂5重量%とカーボンブラック15重量%の混合物をロールミルにて溶融混練し、冷却固化した後ハンマーミルで粗粉砕したトナー原料を、図2のフローで拡大図2−1に示した底板(板状体の形の粉砕位置調節体(3a))を装着し粉砕エアー圧力0.6Mpa分級ローター4で周速45m/sで粉砕したところ重量平均粒径6.5μmで4μm以下微粉含有率が個数平均で49POP.%、16μm以下粗粉含有率が重量平均で1.0Vol%のトナー粒径を12kg/hr得ることができた。この粒径測定に際してはコールターカウンター社のマルチサイザーを用いた。
【0048】
(比較例1)
実施例1と同一の混練品と粉砕分級条件を用いて図1に示す従来型のカウンタージェットミルで粉砕を行なったところ、重量平均粒径6.6μmで4μm以下微粉含有率が個数平均で52POP.%、16μm以下粗粉含有率が重量平均で1.2Vol%のトナー粒径を10kg/hr得ることができた。
【0049】
(実施例2)
請求項2、9の実施例として以下に示す。
実施例1の混練品と粉砕分級条件を用いて図3に示すカウンタージェットミルの粉砕位置調節体としての底板の頂角θ=120°で粉砕したところ重量平均粒径6.5μmで4μm以下微粉含有率が個数平均で47POP.%、16μm以下粗粉含有率が重量平均で0.8Vol%のトナー粒径を13kg/hr得ることができた。
【0050】
(実施例3)
請求項3、10の実施例として以下に示す。
実施例1の混練品と粉砕分級条件を用いて図3に示す工程フローでカウンタージェットミルの底板の頂角θ=120°で粉砕ノズル中心線(C)−(D)と底板(3)の流動層内面に接する(E)−(F)の設置距離が(h1)=60mmで粉砕したところ重量平均粒径6.5μmで4μm以下微粉含有率が個数平均で46POP.%、16μm以下粗粉含有率が重量平均で0.7Vol%のトナー粒径を14kg/hr得ることができた。
【0051】
(実施例4)
請求項4、11の実施例として以下に示す。
実施例1の混練品と粉砕分級条件を用いて図4に示す流動層内筒(7)に流動仕切り板(6)を装着し粉砕したところ重量平均粒径6.5μmで4μm以下微粉含有率が個数平均で46POP.%、16μm以下粗粉含有率が重量平均で0.8Vol%のトナー粒径を15kg/hr得ることができた。
【0052】
(実施例5)
請求項5、12の実施例として以下に示す。
実施例1の混練品を用いて図4に示す対向し設置しているノズル上部に設置する流動仕切り板長さ(h2)を分級ロータ中心線(L)−(M)と粉砕ノズル中心線(C)−(D)間の高さに対し(h2)=4/6hで粉砕したところ重量平均粒径6.5μmで4μm以下微粉含有率が個数平均で45POP.%、16μm以下粗粉含有率が重量平均で0.5Vol%のトナー粒径を16kg/hr得ることができた。
【0053】
(実施例6)
請求項6、13の実施例として以下に示す。
実施例1の混練品を用いて図5に示す対向し設置しているノズル上部に設置する流動仕切り板の幅(W2)は流動層(7)の内径(W1)に対し(W2)=3/5(W1)で粉砕したところ重量平均6.5μmで4μm以下微粉含有率が個数平均で45POP.%、16μm以下粗粉含有率が重量平均で0.5Vol%のトナー粒径を17kg/hr得ることができた。
【0054】
(実施例7)
実施例1の混練品を用いて実施例6の条件の流動層仕切り板表面にFEP(テレラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体)電気抵抗値106Ω・cmのコーティングを施し1500kg粉砕処理したところ重量平均6.5μmで4μm以下微粉含有率が個数平均で45POP.%、16μm以下粗粉含有率が重量平均で0.5Vol%のトナー粒径を17kg/hr得ることができ終了後流動仕切り板の表面に付着・凝集はなかった。
【0055】
【発明の効果】
以上、詳細かつ具体的な説明から明らかなように、本発明の請求項1、8により、従来法と比べジェット噴流中の被粉砕物は底板(粉砕位置調節体)による機内初期投入量の過剰抑制によって、分級ロータの固気比が低下し常時粉砕物のみがローター周囲を覆うため分級された粉砕品への粗粉の飛込みあるいは過粉砕による微粉の増加が抑制される。
また、本発明の請求項2、9により、流動層内部の粉砕位置調節体(底板)がコーン状を形成することで粉砕ノズルの噴流軌跡による流動層下部のデットスペースが解消されるため初期投入された被粉砕物の粉砕がより向上し分級された粉砕品への粗粉の飛込みあるいは過粉砕による微粉の増加が抑制される。
また、本発明の請求項3、10により、嵩上げした粉砕位置調節体(底板)が粉砕ノズルまでの高さで調整できることによって常に粉砕効率のよい被粉砕物の初期投入が達成され粉砕能力の向上と分級された粉砕品への粗粉の飛込みあるいは過粉砕による微粉の増加が抑制される。
また、本発明の請求項4、11により、流動層内筒に流動仕切り板を装着することによって流動層内で粉砕された被粉砕物が分級ロータに到達される間、粒子同士の干渉が無く分級された粉砕品への粗粉の飛込みあるいは過粉砕による微粉の増加が抑制される。
また、本発明の請求項5、12により、被粉砕物の目的粒度や粉砕性に応じて流動層内の仕切り板高さを調整することで流動範囲が調整でき分級ロータ(4)の周囲は干渉の少ない粉体で覆われるため粗粉の飛込みあるいは過粉砕による微粉の増加が抑制される。
また、本発明の請求項6、13により、被粉砕物の目的粒度や粉砕性に応じて仕切り板幅を調整することによって流動範囲が調整でき分級ロータの周囲は干渉の少ない粉体で覆われるため粉砕上がり品への粗粉の飛込みあるいは過粉砕による微粉の増加が抑制される。
さらにまた、本発明の請求項7、14により、離型剤によって仕切り板を通過する粉体の付着・凝集・融着・固着等が抑制され高処理能力を長期にわたって持続させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の流動層ジェット粉砕機を示した図である。
【図2】本発明の流動層ジェット粉砕機を示した別の図である。
【図3】本発明の流動層ジェット粉砕機を示した更に別の図である。
【図4】本発明の流動層ジェット粉砕機を示した更に別の図である。
【図5】本発明の流動層ジェット粉砕機を示した更に別の図である。
【符号の説明】
1 粉砕ノズル
1a 噴流軌跡
1b 噴流軌跡
2 被粉砕物
3 流動層底部
3a 粉砕位置調節体
3b 円周
3c 円周
3d 頂角
4 分級ロータ
5 配管
6 仕切板
7 流動層
H 高さ
H1 設置距離
H2 仕切り板長さ
AB 中心線
CD 中心線
EF 中心線
JK 流動層断面
LM 分級ロータ中心線
W1 流動層内径
W2 仕切り板の幅
Claims (14)
- 流動層式粉砕分級機(カウンタージェットミル方式)において、粉砕機底部と粉砕ノズルとの間の距離を調節可能な粉砕位置調節体を装着して、粉砕ノズルの周囲で、粉砕されるべき被粉砕物の供給量を調節可能にしたことを特徴とする流動層式粉砕分級機。
- 流動層式粉砕分級機機(カウンタージェットミル方式)において、対向し設置しているノズル上部に、粉砕流を相互干渉なく流動化し分級ロータに到達可能とする流動仕切り板を装着したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1に記載の流動層式粉砕分級機。
- 前記粉砕位置調節体および流動仕切り板は、表面が導電性ポリテトラフロロエチレン系フッ素樹脂で形成されていることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の流動層式粉砕分級機。
- 流動層式粉砕分級機機(カウンタージェットミル方式)を用いる静電荷像現像用トナーの製造方法において、粉砕ノズルの周囲に粉砕されるべき被粉砕物が適正供給できるように粉砕機低部と粉砕ノズルとの間の距離を嵩上げできる調節可能な粉砕位置調節体を装着した流動層式粉砕分級装置を用いて製造することを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
- 前記流動層式粉砕分級機機が、対向し設置しているノズル上部に、粉砕流を相互干渉なく流動化し分級ロータに到達可能とする流動仕切り板を装着したことを特徴とする請求項8乃至10のいずれか1に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
- 前記粉砕位置調節体および流動仕切り板は、表面が導電性ポリテトラフロロエチレン系フッ素樹脂で形成されていることを特徴とする請求項8乃至13の何れかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
Priority Applications (1)
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