JP2004112317A - サラウンド音響システム - Google Patents
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Abstract
【課題】センター音声信号とその他の音声信号との位相ずれを補正できるようにする。
【解決手段】テレビ受像機に内蔵されたスピーカをマルチサラウンド音場を実現するときのセンタースピーカとして使用すると共に、外部より供給されたセンター音声信号とその他のサラウンド用音声信号との位相がずれているときには、位相反転回路を介してセンター音声信号をセンタースピーカより出力させる。
これによれば、センター音声信号とその他のサラウンド用音声信号との位相が一致するので、センター音声信号とその他のサラウンド用音声信号との位相ずれに基づく違和感を確実に払拭できる。
【選択図】 図5
【解決手段】テレビ受像機に内蔵されたスピーカをマルチサラウンド音場を実現するときのセンタースピーカとして使用すると共に、外部より供給されたセンター音声信号とその他のサラウンド用音声信号との位相がずれているときには、位相反転回路を介してセンター音声信号をセンタースピーカより出力させる。
これによれば、センター音声信号とその他のサラウンド用音声信号との位相が一致するので、センター音声信号とその他のサラウンド用音声信号との位相ずれに基づく違和感を確実に払拭できる。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、テレビ受像機などのAV機器に内蔵されたスピーカをセンタースピーカとして使用するようにしたサラウンド音響システムに関する。詳しくは、外部アンプで生成されたセンター音声信号をAV機器の内蔵スピーカに供給するようなサラウンドモードが選択されたときで、センター音声信号とその他のサラウンド用音声信号との位相がずれているときには、AV機器内の位相反転処理を経たセンター音声信号が内蔵スピーカから出力されるように構成することによって、違和感のない音声サラウンド効果を実現したものである。
【0002】
【従来の技術】
テレビ受像機に内蔵されたスピーカをセンタースピーカとして使用するようにしたサラウンド音響システム(マルチサラウンド音響システム)が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この従来例は4チャネル構成のサラウンド音響システムの例であって、スピーカは図6のように配置される。図6において、テレビ受像機22には複数この例では一対のスピーカSa、Sbが内蔵され、これらスピーカSa、Sbを使用することで、視聴者24はステレオ音楽などを楽しむことができる。テレビ受像機12の左右にはフロント用の一対のスピーカFL、FRがそれぞれ配置される。視聴者24の後方にもモノラル用のスピーカRL,RRが配置される。
【0004】
そしてサラウンドモード(マルチサラウンドモード)が選択されたときには、テレビ受像機22の内蔵スピーカSa、SbがセンタースピーカCSとして使用され、このセンタースピーカCSと、上述したフロントスピーカFL、FRおよびリアスピーカRL,RRの4つのスピーカで、4チャネルのサラウンド音響システムが構築される。
【0005】
4チャネルではなく、5.1チャネルのサラウンド音響システムとするときには、図7に示すように、リアスピーカRL,RRがステレオ用のスピーカとして使用されると共に、さらにサブウーファ用スピーカSWが、例えば右フロントスピーカFR近くに配置される。サブウーファSWは低域(20〜120Hz程度)再生用のスピーカであるため、これら6個のスピーカ(FL,FR,CS,RL,RRおよびSW)で5.1チャネルのサラウンド音響システムが構築されることになる。
【0006】
このようなサラウンド音響システムにあっては、特許文献1にも示されるようにサラウンド用の音声信号を生成するデコーダ付きのアンプは、通常外部アンプが使用される。そして、外部アンプで生成されたセンター音声信号はテレビ受像機の外部入力端子を介してその内部に取り込まれる。テレビ受像機の内部では出力アンプを介して内蔵スピーカに供給されるが、このような内部音声処理系を通過することによって、あるいはスピーカの接続状況や外部アンプに接続されるサラウンド用スピーカと内蔵スピーカの仕様との違いなどによって、このセンター音声信号とその他のサラウンド用音声信号との位相が僅かにずれることがある。位相ずれが発生すると他の音声出力とのバランスが崩れるため、視聴者に違和感を抱かせることがある。
【0007】
なお、特許文献1に示されたデコーダにはテレビ受像機からの音声信号のみならず、外部再生装置例えばDVD用再生装置からの外部音声信号を用いてサラウンドを楽しむことがある。この場合には、外部再生装置からの再生ビデオ信号はテレビ受像機の外部ビデオ入力端子に供給される。周知のようにテレビ受像機に設けられた外部ビデオ入力端子は複数の入力端子で構成される場合が多い。したがってテレビ受像機側では外部ビデオ信号が供給された外部ビデオ入力端子を選択しないと、テレビ受像機の表示部(CRT画面や液晶画面)にその映像を映し出すことができない。
【0008】
これと同時に、外部アンプ(デコーダ)で生成されたセンター音声信号もテレビ受像機の外部オーディオ入力端子(専用端子)に供給されるので、テレビ受像機の内部で音声信号の切り替えも必要になる。特許文献1では内蔵アンプの前端に設けられた切り替え回路がこれに相当する。このようなことから、外部再生装置からの再生音声信号を用いてサラウンドを楽しむには、少なくとも外部ビデオ入力端子の切り替えと、再生音声信号の切り替え処理を同時に行う必要がある。
【0009】
特許文献1にも記載されているように、通常は外部にマルチサラウンド処理用のアンプ(デコーダ)が設けられ、このアンプでフロントスピーカFL、FR用のLおよびRの音声信号と、リアスピーカRL,RR用のモノラル音声信号がそれぞれ生成されると共に、フロント音声信号からセンター用の音声信号が生成される。
【0010】
サラウンドモードが選択されたときには、テレビ受像機22に設けられた内部スイッチを利用して内蔵スピーカSa、Sbにセンター音声信号が供給される構成となっている。5.1チャネルの場合にはモノラルの音声信号に代えて、リアスピーカRL,RR用のLおよびRの音声信号と、サブウーファ用の音声信号がこのアンプで生成される。
【0011】
またテレビ受像機22自身がステレオ放送を受信できる音声処理系を備えている場合で、この音声処理系が擬似的なサラウンド処理も可能なように構成されている場合がある。これはテレビ受像機22で受信した音声信号あるいはテレビ受像機22の外部端子から供給された音声信号を処理することで擬似的なサラウンド音場を実現できるからである。
【0012】
このような音声処理系は、特許文献1では内蔵アンプがこれを担うことになる場合が多い。内部サラウンド処理を行うときは、内蔵アンプに対してアンプ内のサラウンド処理系をオンにし、モノラル放送(必要に応じてモノラル放送)を選択するときには、このサラウンド処理系をオフにするような切り替えを手動で行うことになる。
【0013】
一方、これら一対の内蔵アンプにはセンター音声信号も供給される。センター音声信号が供給されているときは、サラウンドモードであるので、外部のスピーカFL,FR,RL,RR、SWなどを使用して最適なサラウンド音場が再現されることとなるが、この場合には内蔵のセンタースピーカCSを含むこれら複数のスピーカによってマルチサラウンド音場となるように、アンプ側でそれぞれの音声成分などが微妙に調整されている。
【0014】
しかし、内蔵アンプの内部処理であるサラウンド処理系を選択(オン)した状態になっていると、センター音声信号がさらにこのサラウンド処理系でサラウンド処理されてセンタースピーカCSから出力(放音)されることとなって、外部のアンプ側で適切に調整されたサラウンド音場が崩れてしまう。
【0015】
サラウンド音場に違和感を持ったときには、テレビ受像機22の内部サラウンド処理系をオフにする切り替えを行えばよいが、場合によっては違和感を持ちながらも内部サラウンド処理系を生かしたままサラウンドモードをそのまま継続することにもなりかねない。これでは、せっかくのサラウンド効果を十分に生かすことができなくなってしまう。そのような場合には、内部サラウンド処理系を自動的にオフできれば好ましい。
【0016】
なお特許文献1の図1に示される構成では、内蔵アンプの前段に設けられた切り換え回路の出力が外部アンプであるデコーダに供給されてセンター音声信号が生成され、生成されたセンター音声信号が外部入力端子を経て再び切り換え回路側に入力されて、この切り換え回路より出力されるような構成となっているので、センター音声信号に関して無限ループ構成となってしまう。したがって実際には、切り換え回路の前段よりデコーダ側にL、Rの音声信号を供給することになるものと思われる。
【0017】
【特許文献1】
特開平9−168126号公報(第3欄の段落番号(0021)以降、図1)
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
ところで上述したように、テレビ受像機などのAV機器に内蔵されたスピーカをサラウンド用のセンタースピーカとして使用する場合、サラウンド用のアンプ(デコーダ)としては一般に外部アンプが使用されることが多いので、このような場合には上述したように内蔵スピーカSa、Sbとの仕様などの相違に基づいて、センター音声信号とその他のサラウンド用音声信号との位相がずれることがあり、それが原因でセンタースピーカとその他のスピーカから出力される音声との間のバランスが僅かにずれてしまい、視聴者にとって違和感を抱かせることがある。
【0019】
特許文献1にはこれに対する対策が全く施されていないために、このような位相ずれが発生したときには、スピーカに対する極性(+、−)を切り替える操作を行って位相ずれを解消したり、位相がずれたまま違和感を持ちながらサラウンド音楽等を視聴することになる。
【0020】
そこで、この発明はこのような従来の課題を解決したものであって、特にテレビ受像機などのAV機器の内蔵スピーカをセンタースピーカとして使用すると共に、外部アンプで生成したセンター音声信号をこのセンタースピーカから出力する場合に発生することがある位相ずれを簡単に補正できるようにしたサラウンド音響システムを提供するものである。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するため、請求項1に記載したこの発明に係るサラウンド音響システムでは、AV機器の内蔵スピーカをセンター音声信号用のセンタースピーカとして使用するサラウンド音響システムであって、
音声のサラウンドモードが選択されたときで、センター音声信号とこれ以外の音声信号との位相ずれが発生しているときには、上記センター音声信号を位相反転させてから上記センタースピーカに供給するようにしたことを特徴とする。
【0022】
請求項7に記載したこの発明に係るサラウンド音響システムでは、AV機器の内蔵スピーカをセンター音声信号用のセンタースピーカとして使用するサラウンド音響システムにおいて、
複数の入力端子を有する第1の音声信号切り替え部と、この第1の音声信号切り替え部で選択された内部音声信号と、外部入力端子を介して入力したセンター音声信号が供給される位相反転回路と、上記内部音声信号と、上記位相反転回路を通過した上記センター音声信号と、この位相反転回路を通過しないスルーのセンター音声信号とがそれぞれ供給される第2の音声信号切り替え部からなるAV機器を有し、
上記センター音声信号は外部アンプで生成された音声信号が使用されることを特徴とする。
【0023】
AV機器はテレビ受像機が好適である。テレビ受像機に内蔵された複数のスピーカをサラウンド音声を再現するときのセンター音声信号用のスピーカ(センタースピーカ)として使用する。テレビ受像機に外部からの再生ビデオ信号を供給して映像を見ながら音声をサラウンド効果として楽しむときには、外部ビデオ信号入力端子を再生ビデオ信号が供給される入力端子に切り替える操作と、センター音声信号が内蔵スピーカに供給されるように音声信号切り替え部を切り替える操作を行う。その前提として外部再生装置からの再生ビデオ信号をテレビ受像機に供給し、また再生音声信号を外部アンプに供給する接続作業が必要である。
【0024】
テレビ受像機内での信号の切り替えを同時に処理することで、サラウンド音声を楽しむときの操作性を改善できる。つまり、ビデオ信号の入力切り替えと、音声信号のセンター音声信号への切り替えをそれぞれ同時処理する。これによってサラウンドモードを選択するだけで、面倒な一切の操作が不要になる。
【0025】
一般ユーザにおいては、DVD等の外部再生装置を入力する外部ビデオ端子などは頻繁に繋ぎかえることは極めて稀なことなので、この同時切り替え機能が特に有効である。
【0026】
サラウンド用の音声信号は外部アンプで生成する。外部アンプは入力2チャネルの音声信号から4チャネル以上のサラウンド音声信号を出力できるサラウンド用変換処理を含む、疑似的5.1チャネル出力対応のアンプである。BSデジタル放送の場合にはテレビ受像機に設けられたデジタル2チャネル又は5.1チャネルの音声信号が外部アンプに供給されてサラウンドの音場を楽しむことができる。
【0027】
センター音声信号とその他のサラウンド用音声信号との位相がずれているときには、センター音声信号に対する位相反転処理を行う。位相反転処理は正相のセンター音声信号と、位相反転回路を経た逆相のセンター音声信号の何れかを得る処理であって、他のスピーカとの位相がずれており現在のセンター音声信号が位相反転回路を通過しないスルーのもの(正相センター音声信号)であるときには位相反転回路を介してセンタースピーカに供給し、位相反転回路を通過したもの(逆相センター音声信号)であるときには、正相センター音声信号が得られるようにセンター音声信号を切り替えることで、センター音声信号とその他のサラウンド用音声信号との位相ずれに基づく違和感を払拭できる。正相のセンター音声信号を選択するか、逆相のセンター音声信号を選択するかはリモコンからコントロールされる。
【0028】
【発明の実施の形態】
続いて、この発明に係るサラウンド音響システムの一実施形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1はこの発明に係るサラウンド音響システム20を、5.1チャネル用のサラウンドシステムに適用した場合である。サラウンド音響システム20は、センタースピーカとしても使用される内蔵スピーカを有したAV機器22と、外部アンプ50と、この外部アンプ50に接続された複数のスピーカとで構成される。AV機器22としてこの実施の形態ではテレビ受像機を例示する。
【0029】
外部アンプ50としては5.1チャネル用のデコーダを含むアンプを使用した場合である。したがって、外部アンプ50は入力した音声信号が2チャネルのデジタル音声信号(AAC(Advanced Audio Code)信号又はPCM信号)であるときには、デコード処理して5.1チャネル用の音声信号を生成する変換処理がなされる。変換処理には5.1チャネル用の音声信号を生成する処理の他に、少なくともサラウンド出力のための調整処理および音量調整処理を含むものとする。そのため、2チャネル用の入力デジタル音声信号であるときには、上述したデコード処理と共に、サラウンド調整処理や音量調整処理がなされたのち複数の音声信号として対応するスピーカ出力端子に出力されるものとする。
【0030】
入力音声信号が5.1チャネル用のデジタル音声信号であるときにはサラウンド処理、増幅処理、音量調整処理されたのち対応するスピーカ出力端子に供給される。
【0031】
デジタル音声信号としては、各種の外部ソースからの再生音声信号の他に、AV機器例えば上述したようなテレビ受像機22より出力される外部信号用としてのデジタル音声信号(BSデジタル放送用デジタル2チャネルや5.1チャネル音声信号)などが考えられる。図1の例では、テレビ受像機22に設けられた外部出力端子61aに出力されたデジタル音声信号が外部アンプ50に供給されるように接続された場合である。
【0032】
5.1チャネル用のデジタル音声信号としては、テレビゲームや映像コンテンツが収録されたDVDなどの媒体に記録された音声信号なども考えられる。
【0033】
外部アンプ50にはLおよびRのフロント用音声信号を出力するフロントスピーカFL、FRの他に、リア用音声信号を出力するリアスピーカRL,RRおよび低域音声信号を出力するためのサブウーファ用スピーカSWがそれぞれ接続される。さらに、センター用音声信号の出力端子が設けられ、ここに得られるセンター用音声信号は、外部アンプ50単体で使用するときにはセンター音声信号用のスピーカCSが接続されるが、上述したようにテレビ受像機22などのAV機器に内蔵されたスピーカを使用するときには、このセンター音声信号が信号線によってテレビ受像機22の外部入力端子43に導かれる。
【0034】
なお、センター音声信号をそのままテレビ受像機22の外部入力端子43に入力すると、内部音声信号のレベルに比較してセンター音声信号の入力レベルが相当大きいので、外部アンプ50からの音声信号はテレビ受像機22の内部にて音声処理できるレベルまで減衰させるような処理(アッテネート処理)が行われる。
【0035】
テレビ受像機22は上述したように複数の内蔵スピーカSa、Sbを有し、サラウンドモードに切り換えられたときにはこれら内蔵スピーカSa、Sbがセンター音声信号を出力するためのセンタースピーカCSとして使用される。
【0036】
そのためテレビ受像機22には次のようなビデオ信号および音声信号に関する処理回路が設けられている。ビデオ信号系から説明すると、このテレビ受像機22には外部ビデオ入力端子30が設けられる。地上波テレビジョン信号を始めとして、DVDなどの外部再生装置(テレビゲーム用端末装置など)からの再生ビデオ信号などを入力できるようにするため、外部ビデオ入力端子30は複数の外部入力が可能な複数のビデオ入力端子30a、30b、・・・30nが設けられている。
【0037】
この外部ビデオ入力端子30に供給されたビデオ信号は外部ビデオ信号切り替え部31において必要なビデオ信号のみ選択される。選択されたビデオ信号はビデオ信号処理部32で映像を再生するに必要な信号処理がなされたのち、原色信号若しくは色差信号が映像表示部33に供給されて映像が再現される。映像表示部33としてはカラーCRTや、カラー液晶表示装置(LCD)などが利用される。
【0038】
外部ビデオ信号切り替え部31は内蔵されたCPUからなる制御部35からの制御信号によって切り替え制御される。この制御信号はバス36を介して外部ビデオ信号切り替え部31に供給される。テレビ受像機22の各種動作モードを始めとして、各信号処理部に対する制御は、ROMなどの記憶手段37に内蔵された制御プログラムに基づいて行われる。したがって制御部35に関連してワーキングあるいは制御データを保存するために不揮発性メモリなどの記憶手段38が使用されると共に、これらの制御が遠隔的に行えるようにするため、バス36にはリモコン用の送受信部39も設けられている。
【0039】
続いて、音声信号系について説明する。この実施の形態ではアナログ信号を取り扱う外部音声入力端子40と、デジタル信号を取り扱う外部音声入力端子61bがそれぞれ設けられる。アナログ用の外部音声入力端子40も複数の入力端子を有する。この例では地上波用のテレビジョン信号に関連したL、R2チャネルのアナログ音声信号用として使用される入力端子40aを始めとして、再生ビデオ信号に関連したアナログ音声信号用の入力端子40bや、L、Rコンポーネントのアナログ音声信号用の入力端子40cがそれぞれ設けられている。
【0040】
この外部音声入力端子40に供給された音声信号は第1の音声信号切り替え部41において必要な音声信号のみ選択される。選択信号は制御部35から与えられる。選択された音声信号は、上述したセンター音声信号と共に第2の音声信号切り替え部42に供給されて、その何れかの音声信号が選択される。
【0041】
第2の音声信号切り替え部42は内部音声信号とセンター音声信号との切り替えと共に、センター音声信号とその他のサラウンド用音声信号との位相がずれているときには、センター音声信号に対する位相反転処理を行う。
【0042】
位相反転処理は正相のセンター音声信号と、位相反転回路44を経た逆相のセンター音声信号の何れかを得る処理であって、他のスピーカとの位相がずれており現在のセンター音声信号が位相反転回路を通過しないスルーのもの(正相センター音声信号)であるときには位相反転回路を介してセンタースピーカCSに供給し、位相反転回路44を通過したもの(逆相センター音声信号)であるときには、正相センター音声信号が得られるようにセンター音声信号を切り替えることで、センター音声信号とその他のサラウンド用音声信号との位相ずれが補正される。第2の音声信号切り替え部42も制御部35で生成された切り替え信号に基づいて切り替え制御される。
【0043】
位相反転回路44はサラウンド用のアンプ50として外部アンプを使用するときにその効果を発揮する。外部アンプ50を使用する場合には、そのセンタースピーカCSとしてテレビ受像機22の内蔵スピーカSa、Sbが使用される。そうすると、スピーカの接続状況あるいは内蔵スピーカSa、Sbとその他のサラウンド用スピーカ(FL、FRなど)との仕様の違いによって、センター音声信号と外部アンプ50から出力されるその他の音声信号との間で、出力される音声信号の位相が微妙に食い違うことが起こる場合がある。音声信号の位相が僅かにずれると、それが違和感と感じることがある。そのようなときには、第2の音声信号切り替え部42で位相反転処理を行ってから、センター音声信号の位相を反転させて出力することで違和感を解消することでできる。このような位相ずれを補正するために正相のセンター音声信号と、位相反転回路44を通過した逆相のセンター音声信号の双方が用いられる。
【0044】
選択されたアナログ音声信号はさらにオーディオプロセッサ45に供給されてその音声信号に対して各種の信号処理が施される。そのため、このオーディオプロセッサ45には少なくともサラウンド処理部46,音量調整部47および出力アンプ48が含まれる。サラウンド処理部46では内部音声信号に対してサラウンド処理(エフェクト処理)を施すか否かの選択が行われると共に、サラウンド処理が選択されたときにはその微調整処理も同時に行われる。オーディオプロセッサ45から出力されたL、Rなどの音声信号は対応する内蔵スピーカSa、Sbに出力される。サラウンド処理部46に対するオンオフ制御処理および音量調整部47に対する制御処理は何れも制御部35からの制御信号に基づいて行われることになる。
【0045】
ここで、外部音声信号であるセンター音声信号が供給されたときには、内蔵スピーカSa、SbはそれぞれセンタースピーカCSとして使用される。このときサラウンド処理部46はオフされる。センター音声信号を使用する場合には、外部アンプ50でサラウンド処理がなされているので、サラウンド処理部46が動作していると、センター音声信号に対してさらに二重にサラウンド処理がなされるようになるため、不自然なサラウンド音場となるおそれがあるからである。
【0046】
音量調整部47は内部音声信号に対しても、センター音声信号に対してもその音量を独自に調整できる。ただし、センター音声信号の場合には、一般に内部音声信号よりも音量出力が低く設定されている場合が多いので、サラウンドモードが選択されたときには、センター音声の音量を上げるなどして、他のスピーカとのバランス調整を行うことがある。したがってこの音量調整状態のまま内部音声信号を出力してしまうと、そのままでは音量が非常に大きくなってしまう。
【0047】
そこで、音量調整部47は電子式に音量を調整できるように構成されると共に、内部音声信号を調整した直前の音量調整データと、センター音声信号を出力させたときに使用した直前の音量調整データをそれぞれ記憶手段38に保存しておくようになされている。
【0048】
こうすることで、内部音声信号が選択されたときには、直前に使用した内部音声信号用の音量調整データに基づいて音量調整がなされ、またセンター音声信号が選択されたときには、直前に使用したセンター音声信号用の音量調整データに基づいて音量調整がなされるので、常に適切な音量で視聴できるようになる。また、映像表示部33に映し出す番組コンテンツによっては台詞などのセンター音声が聞こえにくい場合があるが、このような場合にも、他のスピーカに対する音量はそのままで、音量調整部47を使用してセンター音声信号の音量のみを自由に調整できるので、サラウンド音場であっても台詞などを聞き取りやすく調整することができるようになる。この音量調整などは後述するリモコン72から制御できる。
【0049】
第1の音声信号切り替え部41で選択されたアナログ音声信号である内部音声信号は、第2の音声信号切り替え部42の他にさらにデジタル音声処理部60にも供給されて、デジタル2チャネル音声信号に変換されて出力される。
【0050】
このデジタル音声処理部60は、例えば図2に示すように構成することができる。L、R2チャネル構成の内部音声信号(アナログ音声信号)はA/D変換器62に供給されてデジタル化された後、この例ではPCM変調器63に供給されてパルスコード変調され、変調されたこのPCM信号が光信号変換部64に供給されてデジタル2チャネルの光信号に変換される。この光信号は外部出力端子61aを介して図1に示す外部アンプ50の2チャネル入力端子(図示はしない)に供給される。
【0051】
また、外部音声入力端子61bには、デジタル化されたL、R2チャネルのデジタル音声信号(AAC信号又はPCM信号)、あるいは、5.1チャネルのデジタル音声信号(AAC信号)もこの光信号変換部64に供給されて所定の光信号に変換されて、外部出力端子61a側に導かれる。
【0052】
なお、DVDなどのように音声信号が5.1チャネルとして記録された媒体を再生できる外部再生装置70を利用する場合にはサラウンド音響を楽しむことができるので、この場合には外部アンプ50の入力端子に5.1チャネル用のデジタル音声信号が供給されると共に、外部ビデオ入力端子例えば「ビデオ1」用の入力端子30bに再生ビデオ信号が供給されることになる。
【0053】
ところで、このように外部再生装置70を使用して映像と共にサラウンドオーディオを視聴するためには、その音声出力を外部アンプ50に供給し、そしてビデオ出力をテレビ受像機22に供給しなければならない。
【0054】
上述したようにテレビ受像機22に設けられた外部ビデオ入力端子30は通常複数の入力端子30a〜30nを持っているので、例えば外部再生装置70の再生ビデオ信号を指定する外部ビデオ入力端子30例えば入力端子30bに供給した場合でも、テレビ受像機22側ではこの入力端子30bを選択しないと再生ビデオ信号を映像表示部33で再現できない。そのため通常は予め外部ビデオ入力の端子を設定しておく必要がある。
【0055】
映像とサラウンドオーディオを楽しむためには、外部再生装置70をオンにすると共に、サラウンドモードに切り替える必要がある。サラウンドモードは第2の音声信号切り替え部42をセンター音声信号側に切り替える処理であり、これはサラウンドモードに切り替えると、制御部35からの切り替え信号によって自動的にセンター音声信号側に切り替わる。しかし、外部ビデオ信号までも自動的に切り替えられない。
【0056】
そこで、この実施の形態では、サラウンドモードが選択されたときには、予め設定された外部ビデオ入力端子に自動的に切り替えられるようにする。例えば「ビデオ1」用の外部ビデオ入力端子30bが選択されるように予め外部ビデオ入力系を設定しておく。こうすることで、サラウンドモードに切り替えたものの、映像が映し出されないなどと言った初歩的なトラブルを回避できる。
【0057】
そのため、図1に示す記憶手段37にはこのようなサラウンドモード設定のための初期処理プログラムが格納されている。この初期処理プログラムが起動されると、そのGUI(Graphic User Interface)を利用して図3に示すようなメニュー画面が表示される。
【0058】
メニュー画面にはこの例ではその左側に外部入力設定画面が表示される。図3では、ダイレクト入力切り替えを行うか否かを設定する「ダイレクト入力切り替え 入、切」が表示される。「入」に設定することで、設定内容が有効となる。入力端子としてこの例では「BS/CSデジタル」、「ビデオ入力1」、「ビデオ入力2」、「コンポーネント入力1」、「コンポーネント入力2」、「AVマルチ」および「I.LINK」の7種類が例示されている。
【0059】
DVDなどの再生ビデオ信号用の外部ビデオ入力端子としては、通常「コンポーネント入力」あるいは「ビデオ入力」などの入力端子が設定されることになる。設定された入力端子は記憶手段38に保存される。サラウンドモードが選択されたときには記憶手段38からこの情報を読み出して、外部ビデオ信号切り替え部31が自動的に制御されるものである。
【0060】
図3に示すメニュー画面にはさらに次のような設定もできるようになっている。図示の例ではまずセンター音声入力の設定ができる。つまりサラウンドモードのオンオフが設定される。「入」でサラウンドモードが設定されたことになり、サラウンドモード用のボタン(後述するようにセンタ音声ボタンがこれに相当する)を操作すると、第2の音声信号切り替え部42がセンター音声信号側に切り替えられる。
【0061】
また、センター音声信号とその他の音声信号(フロントのL、R音声信号、リアのL、R音声信号など)との位相がずれていると感じたときには、図3のメニュー画面を呼び出し、センター音声位相を「1」(反転)若しくは「2」(スルー、ストレート)の何れかに切り替える。この操作で位相ずれを解消できる。通常、その初期設定は、「2」である。
【0062】
このようなメニュー画面を使用した設定処理内容は、何れも記憶手段38に保存され、必要なとき、必要な保存情報が読み出される。
【0063】
図4はこのような設定処理を行うときに使用されるリモコン72の本体構成図である。リモコン本体73には電源ボタンなどの主操作ボタン74や、ファンクションキーボタンを含めた10キーボタン75が設けられると共に、この例では10キーボタン75と主操作ボタン74との間のスペースに各種設定ボタン76が半円状に配置され、その中心にシフトおよび決定をなす操作ボタン77が配されている。このようなボタン配列およびボタン配置は何れも操作性を考慮したためである。
【0064】
ここで、センター音声ボタンを選択して決定操作処理を行うと、上述したようにサラウンドモードとなり、外部ビデオ信号入力端子の選択と、センター音声信号への切り替えが自動的に行われる。
【0065】
さて、図5は上述したサラウンドモードを含む音声処理系の実施の形態を示すフローチャートである。図5に示すようなセンター音声切り替えのための操作がなされたときには(ステップ81)、まずオーディオプロセッサ45に対して音声ミュート処理を行う(ステップ82)。モード切り替え時にノイズなどがスピーカから出力されないようにするためである。
【0066】
音声ミュート処理を実行した後で、現在どのような音声出力モードであるかを判断する(ステップ83)。サラウンドモードではないときから説明すると、この場合には通常の音声信号を出力しているから、次に内部音声信号に対するサラウンド処理の有無を判断する(ステップ84)。つまりオーディオプロセッサ45においてサラウンド処理部46を利用してサラウンド処理しているかどうかを判断し、サラウンド処理していないときはそのままステップ86に進むが、サラウンド処理の実行中であるときにはオーディオプロセッサ45に対してサラウンド処理をオフするような制御を行う(ステップ85)。
【0067】
サラウンド処理をオフにしたあとに位相反転処理するかどうかを判別する(ステップ86)。位相反転処理の指示がなければそのままステップ88のセンター音声処理モードに遷移するが、位相反転の指示があるときは第2の音声信号切り替え部42に対して位相反転処理したセンター音声信号側を選択するような切り替え指示がなされる(ステップ87)。最初は正相センター音声信号が出力されるようにセッティングされている場合を前提とするときには、ステップ87は位相反転回路44の出力である逆相センター音声信号が選択されるような処理となる。現に逆相のセンター音声信号が選択されているときには、位相反転処理によって正相のセンター音声信号が選択されることになる。
【0068】
このような位相調整処理を行った後にセンター音声処理モードとなり、まずメニューなどで外部ビデオ入力の設定がなされているかどうかをチェックし(ステップ88)、外部ビデオ入力に対する設定がなされていないときにはそのまま次のステップ90に進むが、外部ビデオ入力の設定がなされているときには、外部ビデオ入力端子31に対し、設定されている外部ビデオ入力端子への切り替え処理を行う(ステップ89)。
【0069】
その後、ステップ90で不揮発性の記憶手段38からセンター音声信号用の音量調整データを読み出し、読み出した音量調整データに基づいてオーディオプロセッサ45内の音量調整部47がセットされる(ステップ91)。この音量はサラウンドモードから通常の音声出力モードに切り替えられる直前のセンター音量である。センター音声信号の出力をセットした段階で始めてオーディオプロセッサ45に対する音声ミュート処理が解除される(ステップ92)。したがって、音量調整部47にセットされた音量でセンター音声信号が出力されることになる。
【0070】
一方、ステップ83で現在の音声出力モードがサラウンドモードであったときには、今度は通常音声出力モードに切り替えられる。そのためその場合にはまずテレビ受像機内部でのサラウンド処理の設定がなされているかどうかを判断し(ステップ93)、サラウンド処理の設定がなされていないときにはそのままステップ95に進むが、そうでないときでサラウンド処理の設定をするときにはオーディオプロセッサ45に対してサラウンド設定処理を行う(ステップ94)。その後、第2の音声信号切り替え部42を制御して音声出力を内部音声信号側に切り替える(ステップ95)。
【0071】
その後、記憶手段38から今度は内部音声信号用の音量調整データを読み出し、読み出した音量調整データに基づいてオーディオプロセッサ45内の音量調整部47がセットされる(ステップ96,97)。この音量は通常の音声出力モードからサラウンドモードに切り替えられる直前の内部音声信号の音量である。内部音声信号の出力をセットした段階で始めてオーディオプロセッサ45に対する音声ミュート処理が解除される(ステップ98)。したがって、音量調整部47にセットされた音量で内部音声信号が出力されることになる。
【0072】
このようにサラウンドモードに切り替えられたときには、外部ビデオ入力端子のセット状態を確認して、セットされていればその入力端子に供給された外部ビデオ信号を出力できるように入力端子の切り替え処理がなされると共に、第2の音声信号の切り替え部42が制御されてセンター音声信号が出力されるように自動的に切り替え処理される。そのため、ユーザは図4に示すセンター音声ボタンを操作するだけで外部アンプ50を使用したサラウンド音響処理を実現できることになる。
【0073】
さらに、センター音声信号の位相反転回路44への切り替えが指示されているときには自動的に位相反転回路44を経由したセンター音声信号が選択されるようになる。もちろん、この段階で位相がずれているようなときには、リモコン72を操作してメニュー画面でセンター音声位相を元に戻すような設定処理を行えばよい。
【0074】
また、内部音声信号を視聴している状態でオーディオプロセッサ45内のサラウンド処理部46がセットされているときに、音声出力モードがサラウンドモードに切り替えられたときには、自動的にサラウンド処理を切断するようにしたので、違和感のないサラウンド音場を堪能できる。
【0075】
上述した実施の形態では、DVDなどの外部再生装置70からの再生信号を再生してサラウンド音場を再現する場合にこの発明を適用したが、5.1チャネルによるサラウンド処理であれば、BSデジタル放送におけるサラウンド放送などにもこの発明を適用できることは明らかである。BSデジタル放送の場合にはテレビ受像機22に設けられた外部入力端子61bにデジタル音声信号が供給される。そして外部出力端子61aより出力されたデジタル音声信号が外部アンプ50に入力され、デコード処理されて、5.1チャネルのサラウンドの音場を楽しむことができる。
【0076】
サラウンドも5.1チャネルのみではなく、4チャネルや、6.1チャネル、7.1チャネル等へのプロロジック処理などによるサラウンドの場合にも適用でき、テレビ受像機22の内蔵スピーカSa、SbなどをセンタースピーカCSとして使用する限りにおいてこの発明を適用できる。AV機器としてはテレビ受像機に限らず、内蔵スピーカを有するオーディオ機器などでもよい。
【0077】
【発明の効果】
以上説明したようにこの発明では、AV機器に内蔵されたスピーカをマルチサラウンド音場を実現するときのセンタースピーカとして使用すると共に、外部より供給されたセンター音声信号とその他のサラウンド用音声信号との位相がずれているときには、位相反転回路を介してセンター音声信号をセンタースピーカより出力させるようにしたものである。
【0078】
これによれば、センター音声信号とその他のサラウンド用音声信号との位相が一致するので、センター音声信号とその他のサラウンド用音声信号との位相ずれに基づく違和感を確実に払拭できる特徴を有する。またその操作もリモコンなどを利用して位相反転の指示を行うだけであるから、スピーカ極性の接続を変更するなどの面倒な処理が不要になるなどの実益を有する。
【0079】
したがって、この発明はテレビ受像機に内蔵されたスピーカをセンタースピーカとして使用するようなサラウンド音響システムなどに適用して極めて好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るサラウンド音響システムの実施の形態を示す要部の系統図である。
【図2】デジタル処理部の実施の形態を示す要部の系統図である。
【図3】音声切り替え処理時におけるメニュー画面例を示す図である。
【図4】この発明に適用できるリモコン操作系を示すボタン配置図である。
【図5】この発明に係る音声切り替え処理例を示すフローチャートである。
【図6】4チャネルサラウンド音響システムに使用されるスピーカ配置図である。
【図7】5.1チャネルサラウンド音響システムに使用されるスピーカ配置図である。
【符号の説明】
20・・・サラウンド音響システム、22・・・テレビ受像機、50・・・外部アンプ、31・・・外部ビデオ信号切り替え部、33・・・映像表示部、35・・・制御部、37,38・・・記憶手段、39・・・リモコン送受信部、41,42・・・音声信号切り替え部、44・・・位相反転回路、45・・・オーディオプロセッサ、46・・・サラウンド処理部、47・・・音量調整部、48・・・出力アンプ、60・・・デジタル処理部、70・・・外部再生装置、FL,FR,RL,RR,SW,CS・・・・スピーカ、24・・・視聴者
【発明の属する技術分野】
この発明は、テレビ受像機などのAV機器に内蔵されたスピーカをセンタースピーカとして使用するようにしたサラウンド音響システムに関する。詳しくは、外部アンプで生成されたセンター音声信号をAV機器の内蔵スピーカに供給するようなサラウンドモードが選択されたときで、センター音声信号とその他のサラウンド用音声信号との位相がずれているときには、AV機器内の位相反転処理を経たセンター音声信号が内蔵スピーカから出力されるように構成することによって、違和感のない音声サラウンド効果を実現したものである。
【0002】
【従来の技術】
テレビ受像機に内蔵されたスピーカをセンタースピーカとして使用するようにしたサラウンド音響システム(マルチサラウンド音響システム)が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この従来例は4チャネル構成のサラウンド音響システムの例であって、スピーカは図6のように配置される。図6において、テレビ受像機22には複数この例では一対のスピーカSa、Sbが内蔵され、これらスピーカSa、Sbを使用することで、視聴者24はステレオ音楽などを楽しむことができる。テレビ受像機12の左右にはフロント用の一対のスピーカFL、FRがそれぞれ配置される。視聴者24の後方にもモノラル用のスピーカRL,RRが配置される。
【0004】
そしてサラウンドモード(マルチサラウンドモード)が選択されたときには、テレビ受像機22の内蔵スピーカSa、SbがセンタースピーカCSとして使用され、このセンタースピーカCSと、上述したフロントスピーカFL、FRおよびリアスピーカRL,RRの4つのスピーカで、4チャネルのサラウンド音響システムが構築される。
【0005】
4チャネルではなく、5.1チャネルのサラウンド音響システムとするときには、図7に示すように、リアスピーカRL,RRがステレオ用のスピーカとして使用されると共に、さらにサブウーファ用スピーカSWが、例えば右フロントスピーカFR近くに配置される。サブウーファSWは低域(20〜120Hz程度)再生用のスピーカであるため、これら6個のスピーカ(FL,FR,CS,RL,RRおよびSW)で5.1チャネルのサラウンド音響システムが構築されることになる。
【0006】
このようなサラウンド音響システムにあっては、特許文献1にも示されるようにサラウンド用の音声信号を生成するデコーダ付きのアンプは、通常外部アンプが使用される。そして、外部アンプで生成されたセンター音声信号はテレビ受像機の外部入力端子を介してその内部に取り込まれる。テレビ受像機の内部では出力アンプを介して内蔵スピーカに供給されるが、このような内部音声処理系を通過することによって、あるいはスピーカの接続状況や外部アンプに接続されるサラウンド用スピーカと内蔵スピーカの仕様との違いなどによって、このセンター音声信号とその他のサラウンド用音声信号との位相が僅かにずれることがある。位相ずれが発生すると他の音声出力とのバランスが崩れるため、視聴者に違和感を抱かせることがある。
【0007】
なお、特許文献1に示されたデコーダにはテレビ受像機からの音声信号のみならず、外部再生装置例えばDVD用再生装置からの外部音声信号を用いてサラウンドを楽しむことがある。この場合には、外部再生装置からの再生ビデオ信号はテレビ受像機の外部ビデオ入力端子に供給される。周知のようにテレビ受像機に設けられた外部ビデオ入力端子は複数の入力端子で構成される場合が多い。したがってテレビ受像機側では外部ビデオ信号が供給された外部ビデオ入力端子を選択しないと、テレビ受像機の表示部(CRT画面や液晶画面)にその映像を映し出すことができない。
【0008】
これと同時に、外部アンプ(デコーダ)で生成されたセンター音声信号もテレビ受像機の外部オーディオ入力端子(専用端子)に供給されるので、テレビ受像機の内部で音声信号の切り替えも必要になる。特許文献1では内蔵アンプの前端に設けられた切り替え回路がこれに相当する。このようなことから、外部再生装置からの再生音声信号を用いてサラウンドを楽しむには、少なくとも外部ビデオ入力端子の切り替えと、再生音声信号の切り替え処理を同時に行う必要がある。
【0009】
特許文献1にも記載されているように、通常は外部にマルチサラウンド処理用のアンプ(デコーダ)が設けられ、このアンプでフロントスピーカFL、FR用のLおよびRの音声信号と、リアスピーカRL,RR用のモノラル音声信号がそれぞれ生成されると共に、フロント音声信号からセンター用の音声信号が生成される。
【0010】
サラウンドモードが選択されたときには、テレビ受像機22に設けられた内部スイッチを利用して内蔵スピーカSa、Sbにセンター音声信号が供給される構成となっている。5.1チャネルの場合にはモノラルの音声信号に代えて、リアスピーカRL,RR用のLおよびRの音声信号と、サブウーファ用の音声信号がこのアンプで生成される。
【0011】
またテレビ受像機22自身がステレオ放送を受信できる音声処理系を備えている場合で、この音声処理系が擬似的なサラウンド処理も可能なように構成されている場合がある。これはテレビ受像機22で受信した音声信号あるいはテレビ受像機22の外部端子から供給された音声信号を処理することで擬似的なサラウンド音場を実現できるからである。
【0012】
このような音声処理系は、特許文献1では内蔵アンプがこれを担うことになる場合が多い。内部サラウンド処理を行うときは、内蔵アンプに対してアンプ内のサラウンド処理系をオンにし、モノラル放送(必要に応じてモノラル放送)を選択するときには、このサラウンド処理系をオフにするような切り替えを手動で行うことになる。
【0013】
一方、これら一対の内蔵アンプにはセンター音声信号も供給される。センター音声信号が供給されているときは、サラウンドモードであるので、外部のスピーカFL,FR,RL,RR、SWなどを使用して最適なサラウンド音場が再現されることとなるが、この場合には内蔵のセンタースピーカCSを含むこれら複数のスピーカによってマルチサラウンド音場となるように、アンプ側でそれぞれの音声成分などが微妙に調整されている。
【0014】
しかし、内蔵アンプの内部処理であるサラウンド処理系を選択(オン)した状態になっていると、センター音声信号がさらにこのサラウンド処理系でサラウンド処理されてセンタースピーカCSから出力(放音)されることとなって、外部のアンプ側で適切に調整されたサラウンド音場が崩れてしまう。
【0015】
サラウンド音場に違和感を持ったときには、テレビ受像機22の内部サラウンド処理系をオフにする切り替えを行えばよいが、場合によっては違和感を持ちながらも内部サラウンド処理系を生かしたままサラウンドモードをそのまま継続することにもなりかねない。これでは、せっかくのサラウンド効果を十分に生かすことができなくなってしまう。そのような場合には、内部サラウンド処理系を自動的にオフできれば好ましい。
【0016】
なお特許文献1の図1に示される構成では、内蔵アンプの前段に設けられた切り換え回路の出力が外部アンプであるデコーダに供給されてセンター音声信号が生成され、生成されたセンター音声信号が外部入力端子を経て再び切り換え回路側に入力されて、この切り換え回路より出力されるような構成となっているので、センター音声信号に関して無限ループ構成となってしまう。したがって実際には、切り換え回路の前段よりデコーダ側にL、Rの音声信号を供給することになるものと思われる。
【0017】
【特許文献1】
特開平9−168126号公報(第3欄の段落番号(0021)以降、図1)
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
ところで上述したように、テレビ受像機などのAV機器に内蔵されたスピーカをサラウンド用のセンタースピーカとして使用する場合、サラウンド用のアンプ(デコーダ)としては一般に外部アンプが使用されることが多いので、このような場合には上述したように内蔵スピーカSa、Sbとの仕様などの相違に基づいて、センター音声信号とその他のサラウンド用音声信号との位相がずれることがあり、それが原因でセンタースピーカとその他のスピーカから出力される音声との間のバランスが僅かにずれてしまい、視聴者にとって違和感を抱かせることがある。
【0019】
特許文献1にはこれに対する対策が全く施されていないために、このような位相ずれが発生したときには、スピーカに対する極性(+、−)を切り替える操作を行って位相ずれを解消したり、位相がずれたまま違和感を持ちながらサラウンド音楽等を視聴することになる。
【0020】
そこで、この発明はこのような従来の課題を解決したものであって、特にテレビ受像機などのAV機器の内蔵スピーカをセンタースピーカとして使用すると共に、外部アンプで生成したセンター音声信号をこのセンタースピーカから出力する場合に発生することがある位相ずれを簡単に補正できるようにしたサラウンド音響システムを提供するものである。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するため、請求項1に記載したこの発明に係るサラウンド音響システムでは、AV機器の内蔵スピーカをセンター音声信号用のセンタースピーカとして使用するサラウンド音響システムであって、
音声のサラウンドモードが選択されたときで、センター音声信号とこれ以外の音声信号との位相ずれが発生しているときには、上記センター音声信号を位相反転させてから上記センタースピーカに供給するようにしたことを特徴とする。
【0022】
請求項7に記載したこの発明に係るサラウンド音響システムでは、AV機器の内蔵スピーカをセンター音声信号用のセンタースピーカとして使用するサラウンド音響システムにおいて、
複数の入力端子を有する第1の音声信号切り替え部と、この第1の音声信号切り替え部で選択された内部音声信号と、外部入力端子を介して入力したセンター音声信号が供給される位相反転回路と、上記内部音声信号と、上記位相反転回路を通過した上記センター音声信号と、この位相反転回路を通過しないスルーのセンター音声信号とがそれぞれ供給される第2の音声信号切り替え部からなるAV機器を有し、
上記センター音声信号は外部アンプで生成された音声信号が使用されることを特徴とする。
【0023】
AV機器はテレビ受像機が好適である。テレビ受像機に内蔵された複数のスピーカをサラウンド音声を再現するときのセンター音声信号用のスピーカ(センタースピーカ)として使用する。テレビ受像機に外部からの再生ビデオ信号を供給して映像を見ながら音声をサラウンド効果として楽しむときには、外部ビデオ信号入力端子を再生ビデオ信号が供給される入力端子に切り替える操作と、センター音声信号が内蔵スピーカに供給されるように音声信号切り替え部を切り替える操作を行う。その前提として外部再生装置からの再生ビデオ信号をテレビ受像機に供給し、また再生音声信号を外部アンプに供給する接続作業が必要である。
【0024】
テレビ受像機内での信号の切り替えを同時に処理することで、サラウンド音声を楽しむときの操作性を改善できる。つまり、ビデオ信号の入力切り替えと、音声信号のセンター音声信号への切り替えをそれぞれ同時処理する。これによってサラウンドモードを選択するだけで、面倒な一切の操作が不要になる。
【0025】
一般ユーザにおいては、DVD等の外部再生装置を入力する外部ビデオ端子などは頻繁に繋ぎかえることは極めて稀なことなので、この同時切り替え機能が特に有効である。
【0026】
サラウンド用の音声信号は外部アンプで生成する。外部アンプは入力2チャネルの音声信号から4チャネル以上のサラウンド音声信号を出力できるサラウンド用変換処理を含む、疑似的5.1チャネル出力対応のアンプである。BSデジタル放送の場合にはテレビ受像機に設けられたデジタル2チャネル又は5.1チャネルの音声信号が外部アンプに供給されてサラウンドの音場を楽しむことができる。
【0027】
センター音声信号とその他のサラウンド用音声信号との位相がずれているときには、センター音声信号に対する位相反転処理を行う。位相反転処理は正相のセンター音声信号と、位相反転回路を経た逆相のセンター音声信号の何れかを得る処理であって、他のスピーカとの位相がずれており現在のセンター音声信号が位相反転回路を通過しないスルーのもの(正相センター音声信号)であるときには位相反転回路を介してセンタースピーカに供給し、位相反転回路を通過したもの(逆相センター音声信号)であるときには、正相センター音声信号が得られるようにセンター音声信号を切り替えることで、センター音声信号とその他のサラウンド用音声信号との位相ずれに基づく違和感を払拭できる。正相のセンター音声信号を選択するか、逆相のセンター音声信号を選択するかはリモコンからコントロールされる。
【0028】
【発明の実施の形態】
続いて、この発明に係るサラウンド音響システムの一実施形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1はこの発明に係るサラウンド音響システム20を、5.1チャネル用のサラウンドシステムに適用した場合である。サラウンド音響システム20は、センタースピーカとしても使用される内蔵スピーカを有したAV機器22と、外部アンプ50と、この外部アンプ50に接続された複数のスピーカとで構成される。AV機器22としてこの実施の形態ではテレビ受像機を例示する。
【0029】
外部アンプ50としては5.1チャネル用のデコーダを含むアンプを使用した場合である。したがって、外部アンプ50は入力した音声信号が2チャネルのデジタル音声信号(AAC(Advanced Audio Code)信号又はPCM信号)であるときには、デコード処理して5.1チャネル用の音声信号を生成する変換処理がなされる。変換処理には5.1チャネル用の音声信号を生成する処理の他に、少なくともサラウンド出力のための調整処理および音量調整処理を含むものとする。そのため、2チャネル用の入力デジタル音声信号であるときには、上述したデコード処理と共に、サラウンド調整処理や音量調整処理がなされたのち複数の音声信号として対応するスピーカ出力端子に出力されるものとする。
【0030】
入力音声信号が5.1チャネル用のデジタル音声信号であるときにはサラウンド処理、増幅処理、音量調整処理されたのち対応するスピーカ出力端子に供給される。
【0031】
デジタル音声信号としては、各種の外部ソースからの再生音声信号の他に、AV機器例えば上述したようなテレビ受像機22より出力される外部信号用としてのデジタル音声信号(BSデジタル放送用デジタル2チャネルや5.1チャネル音声信号)などが考えられる。図1の例では、テレビ受像機22に設けられた外部出力端子61aに出力されたデジタル音声信号が外部アンプ50に供給されるように接続された場合である。
【0032】
5.1チャネル用のデジタル音声信号としては、テレビゲームや映像コンテンツが収録されたDVDなどの媒体に記録された音声信号なども考えられる。
【0033】
外部アンプ50にはLおよびRのフロント用音声信号を出力するフロントスピーカFL、FRの他に、リア用音声信号を出力するリアスピーカRL,RRおよび低域音声信号を出力するためのサブウーファ用スピーカSWがそれぞれ接続される。さらに、センター用音声信号の出力端子が設けられ、ここに得られるセンター用音声信号は、外部アンプ50単体で使用するときにはセンター音声信号用のスピーカCSが接続されるが、上述したようにテレビ受像機22などのAV機器に内蔵されたスピーカを使用するときには、このセンター音声信号が信号線によってテレビ受像機22の外部入力端子43に導かれる。
【0034】
なお、センター音声信号をそのままテレビ受像機22の外部入力端子43に入力すると、内部音声信号のレベルに比較してセンター音声信号の入力レベルが相当大きいので、外部アンプ50からの音声信号はテレビ受像機22の内部にて音声処理できるレベルまで減衰させるような処理(アッテネート処理)が行われる。
【0035】
テレビ受像機22は上述したように複数の内蔵スピーカSa、Sbを有し、サラウンドモードに切り換えられたときにはこれら内蔵スピーカSa、Sbがセンター音声信号を出力するためのセンタースピーカCSとして使用される。
【0036】
そのためテレビ受像機22には次のようなビデオ信号および音声信号に関する処理回路が設けられている。ビデオ信号系から説明すると、このテレビ受像機22には外部ビデオ入力端子30が設けられる。地上波テレビジョン信号を始めとして、DVDなどの外部再生装置(テレビゲーム用端末装置など)からの再生ビデオ信号などを入力できるようにするため、外部ビデオ入力端子30は複数の外部入力が可能な複数のビデオ入力端子30a、30b、・・・30nが設けられている。
【0037】
この外部ビデオ入力端子30に供給されたビデオ信号は外部ビデオ信号切り替え部31において必要なビデオ信号のみ選択される。選択されたビデオ信号はビデオ信号処理部32で映像を再生するに必要な信号処理がなされたのち、原色信号若しくは色差信号が映像表示部33に供給されて映像が再現される。映像表示部33としてはカラーCRTや、カラー液晶表示装置(LCD)などが利用される。
【0038】
外部ビデオ信号切り替え部31は内蔵されたCPUからなる制御部35からの制御信号によって切り替え制御される。この制御信号はバス36を介して外部ビデオ信号切り替え部31に供給される。テレビ受像機22の各種動作モードを始めとして、各信号処理部に対する制御は、ROMなどの記憶手段37に内蔵された制御プログラムに基づいて行われる。したがって制御部35に関連してワーキングあるいは制御データを保存するために不揮発性メモリなどの記憶手段38が使用されると共に、これらの制御が遠隔的に行えるようにするため、バス36にはリモコン用の送受信部39も設けられている。
【0039】
続いて、音声信号系について説明する。この実施の形態ではアナログ信号を取り扱う外部音声入力端子40と、デジタル信号を取り扱う外部音声入力端子61bがそれぞれ設けられる。アナログ用の外部音声入力端子40も複数の入力端子を有する。この例では地上波用のテレビジョン信号に関連したL、R2チャネルのアナログ音声信号用として使用される入力端子40aを始めとして、再生ビデオ信号に関連したアナログ音声信号用の入力端子40bや、L、Rコンポーネントのアナログ音声信号用の入力端子40cがそれぞれ設けられている。
【0040】
この外部音声入力端子40に供給された音声信号は第1の音声信号切り替え部41において必要な音声信号のみ選択される。選択信号は制御部35から与えられる。選択された音声信号は、上述したセンター音声信号と共に第2の音声信号切り替え部42に供給されて、その何れかの音声信号が選択される。
【0041】
第2の音声信号切り替え部42は内部音声信号とセンター音声信号との切り替えと共に、センター音声信号とその他のサラウンド用音声信号との位相がずれているときには、センター音声信号に対する位相反転処理を行う。
【0042】
位相反転処理は正相のセンター音声信号と、位相反転回路44を経た逆相のセンター音声信号の何れかを得る処理であって、他のスピーカとの位相がずれており現在のセンター音声信号が位相反転回路を通過しないスルーのもの(正相センター音声信号)であるときには位相反転回路を介してセンタースピーカCSに供給し、位相反転回路44を通過したもの(逆相センター音声信号)であるときには、正相センター音声信号が得られるようにセンター音声信号を切り替えることで、センター音声信号とその他のサラウンド用音声信号との位相ずれが補正される。第2の音声信号切り替え部42も制御部35で生成された切り替え信号に基づいて切り替え制御される。
【0043】
位相反転回路44はサラウンド用のアンプ50として外部アンプを使用するときにその効果を発揮する。外部アンプ50を使用する場合には、そのセンタースピーカCSとしてテレビ受像機22の内蔵スピーカSa、Sbが使用される。そうすると、スピーカの接続状況あるいは内蔵スピーカSa、Sbとその他のサラウンド用スピーカ(FL、FRなど)との仕様の違いによって、センター音声信号と外部アンプ50から出力されるその他の音声信号との間で、出力される音声信号の位相が微妙に食い違うことが起こる場合がある。音声信号の位相が僅かにずれると、それが違和感と感じることがある。そのようなときには、第2の音声信号切り替え部42で位相反転処理を行ってから、センター音声信号の位相を反転させて出力することで違和感を解消することでできる。このような位相ずれを補正するために正相のセンター音声信号と、位相反転回路44を通過した逆相のセンター音声信号の双方が用いられる。
【0044】
選択されたアナログ音声信号はさらにオーディオプロセッサ45に供給されてその音声信号に対して各種の信号処理が施される。そのため、このオーディオプロセッサ45には少なくともサラウンド処理部46,音量調整部47および出力アンプ48が含まれる。サラウンド処理部46では内部音声信号に対してサラウンド処理(エフェクト処理)を施すか否かの選択が行われると共に、サラウンド処理が選択されたときにはその微調整処理も同時に行われる。オーディオプロセッサ45から出力されたL、Rなどの音声信号は対応する内蔵スピーカSa、Sbに出力される。サラウンド処理部46に対するオンオフ制御処理および音量調整部47に対する制御処理は何れも制御部35からの制御信号に基づいて行われることになる。
【0045】
ここで、外部音声信号であるセンター音声信号が供給されたときには、内蔵スピーカSa、SbはそれぞれセンタースピーカCSとして使用される。このときサラウンド処理部46はオフされる。センター音声信号を使用する場合には、外部アンプ50でサラウンド処理がなされているので、サラウンド処理部46が動作していると、センター音声信号に対してさらに二重にサラウンド処理がなされるようになるため、不自然なサラウンド音場となるおそれがあるからである。
【0046】
音量調整部47は内部音声信号に対しても、センター音声信号に対してもその音量を独自に調整できる。ただし、センター音声信号の場合には、一般に内部音声信号よりも音量出力が低く設定されている場合が多いので、サラウンドモードが選択されたときには、センター音声の音量を上げるなどして、他のスピーカとのバランス調整を行うことがある。したがってこの音量調整状態のまま内部音声信号を出力してしまうと、そのままでは音量が非常に大きくなってしまう。
【0047】
そこで、音量調整部47は電子式に音量を調整できるように構成されると共に、内部音声信号を調整した直前の音量調整データと、センター音声信号を出力させたときに使用した直前の音量調整データをそれぞれ記憶手段38に保存しておくようになされている。
【0048】
こうすることで、内部音声信号が選択されたときには、直前に使用した内部音声信号用の音量調整データに基づいて音量調整がなされ、またセンター音声信号が選択されたときには、直前に使用したセンター音声信号用の音量調整データに基づいて音量調整がなされるので、常に適切な音量で視聴できるようになる。また、映像表示部33に映し出す番組コンテンツによっては台詞などのセンター音声が聞こえにくい場合があるが、このような場合にも、他のスピーカに対する音量はそのままで、音量調整部47を使用してセンター音声信号の音量のみを自由に調整できるので、サラウンド音場であっても台詞などを聞き取りやすく調整することができるようになる。この音量調整などは後述するリモコン72から制御できる。
【0049】
第1の音声信号切り替え部41で選択されたアナログ音声信号である内部音声信号は、第2の音声信号切り替え部42の他にさらにデジタル音声処理部60にも供給されて、デジタル2チャネル音声信号に変換されて出力される。
【0050】
このデジタル音声処理部60は、例えば図2に示すように構成することができる。L、R2チャネル構成の内部音声信号(アナログ音声信号)はA/D変換器62に供給されてデジタル化された後、この例ではPCM変調器63に供給されてパルスコード変調され、変調されたこのPCM信号が光信号変換部64に供給されてデジタル2チャネルの光信号に変換される。この光信号は外部出力端子61aを介して図1に示す外部アンプ50の2チャネル入力端子(図示はしない)に供給される。
【0051】
また、外部音声入力端子61bには、デジタル化されたL、R2チャネルのデジタル音声信号(AAC信号又はPCM信号)、あるいは、5.1チャネルのデジタル音声信号(AAC信号)もこの光信号変換部64に供給されて所定の光信号に変換されて、外部出力端子61a側に導かれる。
【0052】
なお、DVDなどのように音声信号が5.1チャネルとして記録された媒体を再生できる外部再生装置70を利用する場合にはサラウンド音響を楽しむことができるので、この場合には外部アンプ50の入力端子に5.1チャネル用のデジタル音声信号が供給されると共に、外部ビデオ入力端子例えば「ビデオ1」用の入力端子30bに再生ビデオ信号が供給されることになる。
【0053】
ところで、このように外部再生装置70を使用して映像と共にサラウンドオーディオを視聴するためには、その音声出力を外部アンプ50に供給し、そしてビデオ出力をテレビ受像機22に供給しなければならない。
【0054】
上述したようにテレビ受像機22に設けられた外部ビデオ入力端子30は通常複数の入力端子30a〜30nを持っているので、例えば外部再生装置70の再生ビデオ信号を指定する外部ビデオ入力端子30例えば入力端子30bに供給した場合でも、テレビ受像機22側ではこの入力端子30bを選択しないと再生ビデオ信号を映像表示部33で再現できない。そのため通常は予め外部ビデオ入力の端子を設定しておく必要がある。
【0055】
映像とサラウンドオーディオを楽しむためには、外部再生装置70をオンにすると共に、サラウンドモードに切り替える必要がある。サラウンドモードは第2の音声信号切り替え部42をセンター音声信号側に切り替える処理であり、これはサラウンドモードに切り替えると、制御部35からの切り替え信号によって自動的にセンター音声信号側に切り替わる。しかし、外部ビデオ信号までも自動的に切り替えられない。
【0056】
そこで、この実施の形態では、サラウンドモードが選択されたときには、予め設定された外部ビデオ入力端子に自動的に切り替えられるようにする。例えば「ビデオ1」用の外部ビデオ入力端子30bが選択されるように予め外部ビデオ入力系を設定しておく。こうすることで、サラウンドモードに切り替えたものの、映像が映し出されないなどと言った初歩的なトラブルを回避できる。
【0057】
そのため、図1に示す記憶手段37にはこのようなサラウンドモード設定のための初期処理プログラムが格納されている。この初期処理プログラムが起動されると、そのGUI(Graphic User Interface)を利用して図3に示すようなメニュー画面が表示される。
【0058】
メニュー画面にはこの例ではその左側に外部入力設定画面が表示される。図3では、ダイレクト入力切り替えを行うか否かを設定する「ダイレクト入力切り替え 入、切」が表示される。「入」に設定することで、設定内容が有効となる。入力端子としてこの例では「BS/CSデジタル」、「ビデオ入力1」、「ビデオ入力2」、「コンポーネント入力1」、「コンポーネント入力2」、「AVマルチ」および「I.LINK」の7種類が例示されている。
【0059】
DVDなどの再生ビデオ信号用の外部ビデオ入力端子としては、通常「コンポーネント入力」あるいは「ビデオ入力」などの入力端子が設定されることになる。設定された入力端子は記憶手段38に保存される。サラウンドモードが選択されたときには記憶手段38からこの情報を読み出して、外部ビデオ信号切り替え部31が自動的に制御されるものである。
【0060】
図3に示すメニュー画面にはさらに次のような設定もできるようになっている。図示の例ではまずセンター音声入力の設定ができる。つまりサラウンドモードのオンオフが設定される。「入」でサラウンドモードが設定されたことになり、サラウンドモード用のボタン(後述するようにセンタ音声ボタンがこれに相当する)を操作すると、第2の音声信号切り替え部42がセンター音声信号側に切り替えられる。
【0061】
また、センター音声信号とその他の音声信号(フロントのL、R音声信号、リアのL、R音声信号など)との位相がずれていると感じたときには、図3のメニュー画面を呼び出し、センター音声位相を「1」(反転)若しくは「2」(スルー、ストレート)の何れかに切り替える。この操作で位相ずれを解消できる。通常、その初期設定は、「2」である。
【0062】
このようなメニュー画面を使用した設定処理内容は、何れも記憶手段38に保存され、必要なとき、必要な保存情報が読み出される。
【0063】
図4はこのような設定処理を行うときに使用されるリモコン72の本体構成図である。リモコン本体73には電源ボタンなどの主操作ボタン74や、ファンクションキーボタンを含めた10キーボタン75が設けられると共に、この例では10キーボタン75と主操作ボタン74との間のスペースに各種設定ボタン76が半円状に配置され、その中心にシフトおよび決定をなす操作ボタン77が配されている。このようなボタン配列およびボタン配置は何れも操作性を考慮したためである。
【0064】
ここで、センター音声ボタンを選択して決定操作処理を行うと、上述したようにサラウンドモードとなり、外部ビデオ信号入力端子の選択と、センター音声信号への切り替えが自動的に行われる。
【0065】
さて、図5は上述したサラウンドモードを含む音声処理系の実施の形態を示すフローチャートである。図5に示すようなセンター音声切り替えのための操作がなされたときには(ステップ81)、まずオーディオプロセッサ45に対して音声ミュート処理を行う(ステップ82)。モード切り替え時にノイズなどがスピーカから出力されないようにするためである。
【0066】
音声ミュート処理を実行した後で、現在どのような音声出力モードであるかを判断する(ステップ83)。サラウンドモードではないときから説明すると、この場合には通常の音声信号を出力しているから、次に内部音声信号に対するサラウンド処理の有無を判断する(ステップ84)。つまりオーディオプロセッサ45においてサラウンド処理部46を利用してサラウンド処理しているかどうかを判断し、サラウンド処理していないときはそのままステップ86に進むが、サラウンド処理の実行中であるときにはオーディオプロセッサ45に対してサラウンド処理をオフするような制御を行う(ステップ85)。
【0067】
サラウンド処理をオフにしたあとに位相反転処理するかどうかを判別する(ステップ86)。位相反転処理の指示がなければそのままステップ88のセンター音声処理モードに遷移するが、位相反転の指示があるときは第2の音声信号切り替え部42に対して位相反転処理したセンター音声信号側を選択するような切り替え指示がなされる(ステップ87)。最初は正相センター音声信号が出力されるようにセッティングされている場合を前提とするときには、ステップ87は位相反転回路44の出力である逆相センター音声信号が選択されるような処理となる。現に逆相のセンター音声信号が選択されているときには、位相反転処理によって正相のセンター音声信号が選択されることになる。
【0068】
このような位相調整処理を行った後にセンター音声処理モードとなり、まずメニューなどで外部ビデオ入力の設定がなされているかどうかをチェックし(ステップ88)、外部ビデオ入力に対する設定がなされていないときにはそのまま次のステップ90に進むが、外部ビデオ入力の設定がなされているときには、外部ビデオ入力端子31に対し、設定されている外部ビデオ入力端子への切り替え処理を行う(ステップ89)。
【0069】
その後、ステップ90で不揮発性の記憶手段38からセンター音声信号用の音量調整データを読み出し、読み出した音量調整データに基づいてオーディオプロセッサ45内の音量調整部47がセットされる(ステップ91)。この音量はサラウンドモードから通常の音声出力モードに切り替えられる直前のセンター音量である。センター音声信号の出力をセットした段階で始めてオーディオプロセッサ45に対する音声ミュート処理が解除される(ステップ92)。したがって、音量調整部47にセットされた音量でセンター音声信号が出力されることになる。
【0070】
一方、ステップ83で現在の音声出力モードがサラウンドモードであったときには、今度は通常音声出力モードに切り替えられる。そのためその場合にはまずテレビ受像機内部でのサラウンド処理の設定がなされているかどうかを判断し(ステップ93)、サラウンド処理の設定がなされていないときにはそのままステップ95に進むが、そうでないときでサラウンド処理の設定をするときにはオーディオプロセッサ45に対してサラウンド設定処理を行う(ステップ94)。その後、第2の音声信号切り替え部42を制御して音声出力を内部音声信号側に切り替える(ステップ95)。
【0071】
その後、記憶手段38から今度は内部音声信号用の音量調整データを読み出し、読み出した音量調整データに基づいてオーディオプロセッサ45内の音量調整部47がセットされる(ステップ96,97)。この音量は通常の音声出力モードからサラウンドモードに切り替えられる直前の内部音声信号の音量である。内部音声信号の出力をセットした段階で始めてオーディオプロセッサ45に対する音声ミュート処理が解除される(ステップ98)。したがって、音量調整部47にセットされた音量で内部音声信号が出力されることになる。
【0072】
このようにサラウンドモードに切り替えられたときには、外部ビデオ入力端子のセット状態を確認して、セットされていればその入力端子に供給された外部ビデオ信号を出力できるように入力端子の切り替え処理がなされると共に、第2の音声信号の切り替え部42が制御されてセンター音声信号が出力されるように自動的に切り替え処理される。そのため、ユーザは図4に示すセンター音声ボタンを操作するだけで外部アンプ50を使用したサラウンド音響処理を実現できることになる。
【0073】
さらに、センター音声信号の位相反転回路44への切り替えが指示されているときには自動的に位相反転回路44を経由したセンター音声信号が選択されるようになる。もちろん、この段階で位相がずれているようなときには、リモコン72を操作してメニュー画面でセンター音声位相を元に戻すような設定処理を行えばよい。
【0074】
また、内部音声信号を視聴している状態でオーディオプロセッサ45内のサラウンド処理部46がセットされているときに、音声出力モードがサラウンドモードに切り替えられたときには、自動的にサラウンド処理を切断するようにしたので、違和感のないサラウンド音場を堪能できる。
【0075】
上述した実施の形態では、DVDなどの外部再生装置70からの再生信号を再生してサラウンド音場を再現する場合にこの発明を適用したが、5.1チャネルによるサラウンド処理であれば、BSデジタル放送におけるサラウンド放送などにもこの発明を適用できることは明らかである。BSデジタル放送の場合にはテレビ受像機22に設けられた外部入力端子61bにデジタル音声信号が供給される。そして外部出力端子61aより出力されたデジタル音声信号が外部アンプ50に入力され、デコード処理されて、5.1チャネルのサラウンドの音場を楽しむことができる。
【0076】
サラウンドも5.1チャネルのみではなく、4チャネルや、6.1チャネル、7.1チャネル等へのプロロジック処理などによるサラウンドの場合にも適用でき、テレビ受像機22の内蔵スピーカSa、SbなどをセンタースピーカCSとして使用する限りにおいてこの発明を適用できる。AV機器としてはテレビ受像機に限らず、内蔵スピーカを有するオーディオ機器などでもよい。
【0077】
【発明の効果】
以上説明したようにこの発明では、AV機器に内蔵されたスピーカをマルチサラウンド音場を実現するときのセンタースピーカとして使用すると共に、外部より供給されたセンター音声信号とその他のサラウンド用音声信号との位相がずれているときには、位相反転回路を介してセンター音声信号をセンタースピーカより出力させるようにしたものである。
【0078】
これによれば、センター音声信号とその他のサラウンド用音声信号との位相が一致するので、センター音声信号とその他のサラウンド用音声信号との位相ずれに基づく違和感を確実に払拭できる特徴を有する。またその操作もリモコンなどを利用して位相反転の指示を行うだけであるから、スピーカ極性の接続を変更するなどの面倒な処理が不要になるなどの実益を有する。
【0079】
したがって、この発明はテレビ受像機に内蔵されたスピーカをセンタースピーカとして使用するようなサラウンド音響システムなどに適用して極めて好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るサラウンド音響システムの実施の形態を示す要部の系統図である。
【図2】デジタル処理部の実施の形態を示す要部の系統図である。
【図3】音声切り替え処理時におけるメニュー画面例を示す図である。
【図4】この発明に適用できるリモコン操作系を示すボタン配置図である。
【図5】この発明に係る音声切り替え処理例を示すフローチャートである。
【図6】4チャネルサラウンド音響システムに使用されるスピーカ配置図である。
【図7】5.1チャネルサラウンド音響システムに使用されるスピーカ配置図である。
【符号の説明】
20・・・サラウンド音響システム、22・・・テレビ受像機、50・・・外部アンプ、31・・・外部ビデオ信号切り替え部、33・・・映像表示部、35・・・制御部、37,38・・・記憶手段、39・・・リモコン送受信部、41,42・・・音声信号切り替え部、44・・・位相反転回路、45・・・オーディオプロセッサ、46・・・サラウンド処理部、47・・・音量調整部、48・・・出力アンプ、60・・・デジタル処理部、70・・・外部再生装置、FL,FR,RL,RR,SW,CS・・・・スピーカ、24・・・視聴者
Claims (7)
- AV機器の内蔵スピーカをセンター音声信号用のセンタースピーカとして使用するサラウンド音響システムにおいて、
音声のサラウンドモードが選択されたときで、センター音声信号とこれ以外の音声信号との位相ずれが発生しているときには、上記センター音声信号を位相反転させてから上記センタースピーカに供給するようにしたことを特徴とするサラウンド音響システム。 - 上記AV機器には、位相反転回路と音声信号切り替え部が設けられ、
上記センター音声信号がスルーで上記音声信号切り替え部に供給されると共に、上記位相反転回路を経由した上記センター音声信号が上記音声信号切り替え部に供給されることを特徴とする請求項1記載のサラウンド音響システム。 - 上記センター音声信号は、外部アンプで生成された音声信号であることを特徴とする請求項1記載のサラウンド音響システム。
- 上記外部アンプは4チャネル以上であって、センター音声信号を含むサラウンド用音声信号が出力されるアンプであることを特徴とする請求項3記載のサラウンド音響システム。
- 上記外部アンプは、5.1チャネルのサブウーファ用の音声信号を出力できるアンプであることを特徴とする請求項4記載のサラウンド音響システム。
- 上記AV機器はテレビ受像機であることを特徴とする請求項1記載のサラウンド音響システム。
- AV機器の内蔵スピーカをセンター音声信号用のセンタースピーカとして使用するサラウンド音響システムにおいて、
複数の入力端子を有する第1の音声信号切り替え部と、この第1の音声信号切り替え部で選択された内部音声信号と、外部入力端子を介して入力したセンター音声信号が供給される位相反転回路と、上記内部音声信号と、上記位相反転回路を通過した上記センター音声信号と、この位相反転回路を通過しないスルーのセンター音声信号とがそれぞれ供給される第2の音声信号切り替え部からなるAV機器を有し、
上記センター音声信号は外部アンプで生成された音声信号が使用されることを特徴とするサラウンド音響システム。
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Applications Claiming Priority (1)
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Cited By (3)
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JP2006222765A (ja) * | 2005-02-10 | 2006-08-24 | Yamaha Corp | 音響再生装置 |
JP2008092274A (ja) * | 2006-10-02 | 2008-04-17 | Mitsubishi Electric Corp | オーディオ再生装置 |
JP2010103768A (ja) * | 2008-10-23 | 2010-05-06 | Alpine Electronics Inc | オーディオ装置及びオーディオ処理方法 |
-
2002
- 2002-09-18 JP JP2002271950A patent/JP2004112317A/ja active Pending
Cited By (4)
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