JP2004111493A - 窒化物半導体発光素子とその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基板と、基板上面に、n型窒化物半導体層、活性層、p型窒化物半導体層が順に積層されてなる窒化物半導体発光素子であって、n型窒化物半導体層は、露出された上面を少なくとも2つ有し、かつ高さの異なる上面の間には、ほぼ垂直な側面を有することを特徴とする。
【選択図】 図2
Description
【産業上の利用分野】
本発明は、半導体発光素子に関し、特に窒化物半導体と異なる基板上に形成された窒化物半導体発光素子において、発光効率の高い素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
窒化物半導体発光素子、例えば発光ダイオード(LED)では、基本的には基板上にn型窒化物半導体層、活性層、p型窒化物半導体層を積層構造に成長させる一方、p型窒化物半導体層およびn型窒化物半導体層の上に電極を形成し、半導体層から注入される正孔と電子の再結合によって活性層において光が発生すると、その光をp型窒化物半導体層の上面側から、又は基板から取り出すようにした構造が採用されている。そして、p型窒化物半導体層上には、透光性電極や金属膜からなるメッシュ状の電極などが採用されている。尚、透光性電極とは、p型窒化物半導体層のほぼ全面に形成された金属薄膜又は透明導電膜からなる光透過性の電極のことである。
【0003】
近年、窒化物半導体発光素子において、光を外部に効率よく取り出す研究が様々な視点から成されている。いわゆる光取り出し効率の向上が求められている。窒化物半導体発光素子は、活性層から発光された光は、窒化物半導体中を伝搬し、外部に放出される。特に、窒化物半導体の界面において、活性層から発光された光は、臨界角よりも小さい場合には、外部に放出されるが、臨界角よりも大きい場合には、全反射し、窒化物半導体中をさらに伝搬する。臨界角とは入射する平面に対し、鉛直方向を基準としたときの、鉛直方向からの角度をさし、窒化物半導体の屈折率と、窒化物半導体に接する、電極や基板、空気や封止樹脂などの屈折率とによって決まる角度である。即ち、活性層からの光は、臨界角よりも大きい場合、窒化物半導体中で反射を繰り返し、窒化物半導体中を伝搬する。特に、p型窒化物半導体層上に形成される透光性電極や金属膜からなるメッシュ状の電極(以下、これらを総称してp電極とすることがある。)と基板に入射する光は、臨界角以上で入射すると、反射を繰り返し、窒化物半導体中を横方向に伝搬していく(図1(a)のようになる)。そして、その光は窒化物半導体発光素子の側面に当たるときに、外部に放出されやすい。しかしながら、光が反射を繰り返し、外部に放出されるまでには、反射の際、また窒化物半導体中を伝搬する際に、光は吸収され、減衰してしまう。特に、p電極との界面において反射する際の光の吸収は非常に大きい。
【0004】
例えば、窒化物半導体層の膜厚を大きくし、外部に放出されるまでの光の反射回数を少なくすることで、光取り出し効率を高めるLEDが開示されている(図1(b)のようになる)。(特許文献1参照)
また、活性層から外部に光が取り出されるまでの、光の吸収を少なくする目的で、あらかじめ基板にディンプル加工して、そのディンプル加工面に窒化物半導体層を成長させる研究が成されている。このディンプル加工とは、基板にくぼみを形成することで、基板は凹凸を有し、活性層からの光、またp電極から反射した光が、基板に当たるときの、臨界角を意図的に変えて、外部に光が取り出されやすくするものである。特にサファイア基板にディンプル加工する研究が成されている。
【0005】
さらにまた、サファイアを基板とする窒化物半導体発光素子をウエハからチップにする際、窒化物半導体層側からサファイア基板に達するまでエッチングまたはダイシングし、サファイア基板を露出した位置でチップ化する技術が多く開示されている。(特許文献2参照)
【特許文献1】特開2001−7393号公報(第2−4頁、第1図、第2図)。
【0006】
【特許文献2】特開平5−343742号公報(第3頁、第3図)。
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、基板として、ディンプル加工された基板を用いる場合、n型窒化物半導体層、活性層、p型窒化物半導体層との接合面が平滑になりにくく、窒化物半導体発光素子の発光特性を不安定にさせてしまう。そこで活性層を成長させる前のn型窒化物半導体層の膜厚を大きくして、できるだけ平滑な面を形成し、活性層とp型窒化物半導体層を積層する必要がある。
【0007】
さらにn型窒化物半導体層の膜厚を大きくすると、図1(b)のように、p電極と基板での反射回数を少なくでき、窒化物半導体発光素子の側面側から光が外部に取り出される光が増える。さらに、上面側へ取り出される光はそれほど変わらない。このことから、p電極側、つまり上方向に取り出される光よりも、窒化物半導体発光素子の側面側、つまり横方向に取り出される光の割合が大きくなってしまい、p電極側、上方向へ効率よく光が取り出せなくなる。側面側に取り出される光は、窒化物半導体発光素子の外部に反射板を設けることで光を上方に取り出されやすくはできるが、外部にわざわざ反射板を設ける必要があり、また反射板でも光は一部吸収してしまうので、必ずしも好ましいとは言えない。
【0008】
また、n型窒化物半導体層の膜厚を大きくすると、窒化物半導体発光素子の製造工程上で問題が生じる。まず、窒化物半導体層の膜厚が厚くなることから、サファイアなどの基板との熱膨張差に起因する歪みが大きくなり、基板上に窒化物半導体層を積層したウエハをチップ化する際に、チップ化が困難になったり、チップの割れや欠けが生じてしまう。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、これらの問題を鑑み、成されたものであり、具体的には、以下の構成からなる。
【0010】
(1) 基板と、基板上面に、n型窒化物半導体層、活性層、p型窒化物半導体層が順に積層されてなる窒化物半導体発光素子であって、前記n型窒化物半導体層は、露出された上面を少なくとも2つ有し、かつ高さの異なる前記上面の間には、ほぼ垂直な側面を有することを特徴とする窒化物半導体発光素子。
【0011】
(2) 前記窒化物半導体発光素子は、基板上面が一部露出されてなることを特徴とする前記(1)に記載の窒化物半導体発光素子。
【0012】
(3) 前記n型窒化物半導体層は、前記窒化物半導体発光素子の中央部に近い側に第1の上面を、中央部から遠い側に第2の上面を有し、該第2の上面は第1の上面よりも低い位置にあることを特徴とする前記(1)または(2)のいずれかに記載の窒化物半導体発光素子。
【0013】
(4) 前記n型窒化物半導体層は、n型窒化物半導体層と活性層との接合面から連続する第1の側面と、第1の上面と第2の上面との間に位置する第2の側面と、第2の上面と露出された基板上面との間に位置する第3の側面とを有することを特徴とする前記(3)に記載の窒化物半導体発光素子。
【0014】
(5) 前記第1の上面と第2の側面とは連続してなり、前記第2の上面と第3の側面との間には、それぞれに連続してなる傾斜面を有することを特徴とする前記(3)または(4)のいずれかに記載の窒化物半導体発光素子。
【0015】
(6) 基板と、基板上面に、n型窒化物半導体層、活性層、p型窒化物半導体層が順に積層されてなる窒化物半導体発光素子であって、前記n型窒化物半導体層は、露出された上面をm個(ただしmは3以上の整数)有し、かつ高さの異なる前記上面の間には、ほぼ垂直な側面を有することを特徴とする前記(1)から(5)のいずれか1つに記載の窒化物半導体発光素子。
【0016】
(7) 前記窒化物半導体発光素子は、基板上面が一部露出されてなることを特徴とする前記(6)に記載の窒化物半導体発光素子。
【0017】
(8) 前記n型窒化物半導体層は、窒化物半導体発光素子の中央部に近い側に第(m−1)の上面を、中央部から遠い側に第mの上面を有し、該第mの上面は第(m−1)の上面よりも低い位置にあることを特徴とする前記(6)または(7)のいずれかに記載の窒化物半導体発光素子。
【0018】
(9) 前記n型窒化物半導体層は、第(m−1)の側面と、第(m−1)の上面と第mの上面との間に位置する第mの側面と、第mの上面と露出された基板上面もしくは第(m+1)の上面との間に位置する第(m+1)の側面と、を有することを特徴とする前記(8)に記載の窒化物半導体発光素子。
【0019】
(10) 前記第(m−1)の上面と第mの側面との間には、それぞれに連続してなる第(m−2)の傾斜面を有し、前記第mの上面と第(m+1)の側面との間には、それぞれに連続してなる第mの傾斜面を有することを特徴とする前記(9)に記載の窒化物半導体発光素子。
【0020】
(11) 前記第mの傾斜面は複数の傾斜面が連続してなることを特徴とし、前記第(m−1)の傾斜面の個数は、第mの傾斜面の個数より少ないことを特徴とする前記(10)に記載の窒化物半導体発光素子。
【0021】
(12) 基板と活性層との間のn型窒化物半導体の膜厚が、5μm以上であることを特徴とする前記(1)から(11)のうちいずれか1つに記載の窒化物半導体発光素子。
【0022】
(13) 前記基板は、窒化物半導体との接合面に、規則的に配列されたディンプルが形成されてなることを特徴とする前記(1)から(12)のいずれか1項に記載の窒化物半導体発光素子。
【0023】
(14) 第1の工程として、基板上にn型窒化物半導体層と活性層とp型窒化物半導体層とを順に積層する工程と、第1の工程後、第2の工程として、p型窒化物半導体層にマスク層を形成し、非マスク形成部をn型窒化物半導体層が露出するまでエッチングする工程と、第2の工程後、第3の工程として、前記マスク層を一部除去し、非マスク形成部をn型窒化物半導体層が露出するまでエッチングする工程と、第3の工程後、第4の工程として、マスク層を一部除去し、非マスク形成部をn型窒化物半導体層が露出するまで、かつ一部は基板が露出するまでエッチングする工程を具備することを特徴とする窒化物半導体発光素子の製造方法。
【0024】
(15) 第1の工程後、第2の工程と第3の工程を複数回繰り返して行い、最後の第3の工程後、第4の工程を行うことを特徴とする前記(14)に記載の窒化物半導体発光素子の製造方法。
【0025】
【発明の実施の形態】
本発明の目的とするところは、窒化物半導体発光素子の発光効率を向上させるものであり、さらには素子からの光取り出し効率を向上させるものであり、最も目的とするところは、素子の上方への光取り出し効率を向上させるものである。
【0026】
本発明は素子の形状に特徴を有し、光を素子の上方に取り出しやすくする。図2は基板201上面にn型窒化物半導体層101、活性層102、p型窒化物半導体層103が順に積層されて、さらにn型窒化物半導体層は、窒化物半導体発光素子の上方を向いた上面が2つ露出されており、さらに基板上面が一部露出されている。また2つのn型窒化物半導体層を第1の上面と第2の上面とすると、第1の上面と第2の上面と基板上面との間には、n型窒化物半導体層の側面がそれぞれ露出されている。
【0027】
これまではn型窒化物半導体層の上面はn電極を形成するために、1つの面が露出されているだけであったが、さらにn電極形成面とは異なる面を設けることで、上方への光取り出し効率を高めることができる。詳説すると、活性層から放出される光の多くは、基板とp電極との間で反射を繰り返し、横方向に伝搬し、素子の側面側から光が取り出されやすくなる。その横方向に伝搬する光が素子の側面近くまで達する。従来は、側面近くに達した光は、n型窒化物半導体層の側面もしくは、n電極が形成されるn型窒化物半導体層の上面から外部に取り出されていたが、本発明では、第1の上面と、第2の上面を有し、それぞれの上面に伝搬してきた光が当たると、その面から外に光が取り出されるようになり、光は上方へと出ていく。第1の上面および第2の上面のうち、どちらか一方にはn電極が形成されるが、n電極が形成されない上面では、接する面の屈折率が異なることから、臨界角もそれまでの反射の角度とは変わり、外部に取り出されやすくなる。図2は第1の上面にn電極302が形成されているが、第1の上面においても、n電極の面積は外部と電気的に接続できたらよいので、n電極は第1の上面の全面に形成する必要はないが、好ましくは第1の上面、つまりn型窒化物半導体層に形成される上面のうち、一番高い位置に形成することが好ましい。なぜなら、n電極に入射する光は、一部が吸収されるのでn電極での反射回数を少なくする方が良いからである。
【0028】
また、窒化物半導体発光素子の中央部に近い側を第1の上面、中央部から遠い側を第2の上面とするとき、第2の上面を第1の上面よりも低い位置に形成する。つまり、活性層から離れるにつれて、上面を低い位置に形成していく。例えば第1の上面に当たった光は一部が上面から上方に取り出され、一部は上面で反射し、さらに横方向に伝搬していく。その反射した光のうち一部は、次の上面で一部が上方に取り出されるようになる。つまり素子の中央部から離れるにつれて、それぞれの上面ごとに、上方へ出される光も弱くなっていくので、素子上方への指向特性がよくなる。これとは逆に第1の上面を第2の上面よりも低い位置に形成した場合、n型窒化物半導体層と活性層との接合面と第1の上面との間に位置する第1の側面と、第1の上面と第2の上面との間に位置する第2の側面とが対向して存在するため、第1の上面から上方に取り出された光は、第1の側面と第2の側面との間で、反射を繰り返しながら素子の上方に出ていく。その繰り返して反射している間に光は徐々に減衰していき、取り出し効率が悪くなってしまう。さらに、素子上方への指向特性にムラが生じやすくなり、複数の素子を実装したユニットなどに用いるときに好ましくない。
【0029】
つまり、n型窒化物半導体層を、n型窒化物半導体層と活性層との接合面から連続する第1の側面と、第1の上面と第2の上面との間に位置する第2の側面と第2の上面と露出された基板上面との間に位置する第3の側面とを有するように、n型窒化物半導体層を階段状に形成することで、上方への光取り出し効率の高い素子を得ることができるのである。
【0030】
本発明の窒化物半導体発光素子は、第1の上面と第2の側面とは連続して形成され、第2の上面と第3の側面との間に、それぞれに連続してなる第1の傾斜面を有することが好ましい。活性層から放出された光の多くは、素子内で、反射を繰り返し、横方向に伝搬していく。その伝搬する光の多くは、素子の側面側から放出されるが、本発明の窒化物半導体発光素子は、n型窒化物半導体層に第1の上面と第2の上面を形成している。そのとき、上面と側面との間が90°の角を有していると、その角に光が集中してしまい、角部が他より強く光って見える(図3(a)参照)。上面と側面との間で反射を繰り返す光が角部に集中するからである。そこで、第2の上面と第3の側面との間に、それらの面に連続した第1の傾斜面を設ける。そうすることで、面と面のなす角度が90°よりも大きくなり、光が分散されるので、角部における光の集中を低減させることができる(図3(b)参照)。本発明の窒化物半導体発光素子は、素子のほぼ中央部より鉛直上方に光軸を有し、光軸方向の光強度をできるだけ大きくすることを特徴とすることから、光強度は、光軸からずれるにつれて徐々に小さくなっていく。このとき、活性層から離れた位置において、傾斜面を形成することで、徐々に光強度が小さくなることで、上面側からの光強度を大きくすることができる。
【0031】
これまでは、n型窒化物半導体層が高さの異なる2つの上面を有する場合について述べてきたが、上面が2つより多い場合であっても、同様の効果を奏する。つまり、n型窒化物半導体層にm個(ただしmは3以上の整数とする)の上面がある場合、窒化物半導体発光素子の中央部に近い側の第(m−1)の上面よりも低い位置に、中央部から遠い側の第mの上面を有することで、上方への光取り出し効率を高めることができる。また、第(m−1)の側面と、第(m−1)の上面と第mの上面との間に位置する第mの側面と、第mの上面と露出された基板上面または第(m+1)の上面との間に位置する第(m+1)の側面と、を形成し、n型窒化物半導体層を階段状にすることで、上方への光取り出し効率を高め、指向特性にムラのない良好な窒化物半導体発光素子を得ることができる。さらに、第(m−1)の上面と第mの側面との間には、それぞれに連続してなる第(m−2)の傾斜面を形成し、第mの上面と第(m+1)の側面との間には、それぞれに連続してなる第(m−1)の傾斜面を形成することで上面と側面との間の角部における光の集中を低減させることができる。さらに、第(m−1)の傾斜面は複数の傾斜面が連続して形成され、第(m−2)の傾斜面の個数は、第(m−1)の傾斜面の個数より少なくすることで、光軸方向からずれていくときの光強度の減少をなだらかにすることができ、好ましい指向特性を得ることができる。たとえば、mが3から成るとき、第2の上面と第3の側面との間には、第1の傾斜面を有し、第3の上面と第4の側面との間には、第2の傾斜面を有する。このとき、第2の傾斜面は連続してなる複数の傾斜面を有する。例えば、図4に示すように、第2の傾斜面が3個の傾斜面からなるとき、第1の傾斜面の個数は第2の傾斜面の個数3よりも少なく、1個とする。上面と側面との間の傾斜面の数を増やせば増やすほど、光はそれぞれの面に分散されることを利用し、活性層から離れるにつれて、角部での傾斜面の数を増やすことで、光軸方向からずれていくときの光強度の減少をなだらかにすることができるからである。
【0032】
本発明の窒化物半導体発光素子は、基板と活性層との間のn型窒化物半導体の膜厚が、5μm以上であるときに、顕著な効果を示す。n型窒化物半導体層の膜厚を大きくすることで、p電極と基板との間で反射を繰り返し、窒化物半導体層中を横方向に伝搬する光の減衰を防ぐことができるが、窒化物半導体発光素子を作製する上で、p電極およびn電極を形成時に、通常フォトリソグラフィ技術を用いる。具体的には、レジストなどをマスク材として、電極非形成部にマスクを形成し、全面に電極材料を形成後、マスク形成部はマスクから除去することで、部分的に(非マスク形成部に)、電極が形成されるような、リフトオフ法を用いている。その際、n型窒化物半導体層の膜厚が大きいために、図5(a)に示すように、レジスト501が均一に塗布できない。とくに側面と上面との間の角部において、レジスト501は非常に薄くなってしまい、角部に電極の材料が形成されてしまう傾向にある。また、レジストを厚く塗布することも可能であるが、レジストを厚く形成すると、パターニング精度が悪くなるので、厚くするのは好ましくない。そこで、本発明のようなn型窒化物半導体層101に異なる高さの上面を形成することで、高段差部をなくし、マスク材を均一に塗布しやすくできる。図5(a)と図5(b)を比較すると、図5(a)のn型窒化物半導体層101の上面を1つだけ設けて、その面にn電極を形成する、従来の窒化物半導体素子の形状では、n型窒化物半導体層の上面と側面との間の角部において、レジストが極端に薄くなっているが、図5(b)のように上面を2つ設けると、レジスト501は角部においても形成されるようになる。これは、レジストが流動性を持つためであり、レジストの粘度などにも左右されるが、だいたい5μmよりも厚い段差があると、角部において、レジストが塗布されにくくなる傾向にある。そこで、n型窒化物半導体層101が5μmよりも大きいときに、高さの異なる上面を複数設けることで、レジストが良好に形成され、信頼性の高い窒化物半導体発光素子を得ることが可能となる。このことから、例えばn型窒化物半導体層が10μmある場合には、n型窒化物半導体層に高さの異なる上面を3つ形成するとよい。レジストの被覆性を考慮する場合、n型窒化物半導体層に形成される段差のうち、高さ(側面における高さに相当する)は5μm以下が好ましい。また、段差の幅は(上面における幅に相当する)は5μm以上にすることで、その上面でレジストが一度平坦化されるので、複数の段差を設ける場合に好ましい。
【0033】
本発明の窒化物半導体発光素子は、基板が窒化物半導体との接合面に、規則的に配列されたディンプルが形成されてなるときに、顕著な効果を示す。本発明の目的とするところは、特に素子の上方への光取り出し効率を向上させるものである。そこで、基板にあらかじめ凹凸を形成し、その上に窒化物半導体をエピタキシャル成長させることで、活性層から放出された光が、またp電極から反射した光が基板に当たるときの入射角を、凹凸を形成しない場合の基板に当たるときの入射角と変えることで、外部に光が取り出されやすくすることができる。特に好ましくは、凹凸形成部の凸部を、メサ状に形成することで、凹部と凸部をつなぐ面に入射した光の多くが、上下方向に進路を変えて進むようになる。つまり、凹凸を形成すること、とくに凸部をメサ状にすることで、基板に入射する光のうち、臨界角よりも大きい角度で入射する光を減らし、臨界角よりも小さい角度で入射する光を増やすことが可能となる。また、ディンプルを形成することで、基板上に成長される窒化物半導体層は、基板の凹凸の形状を反映し成長されるため、窒化物半導体層成長面が平滑になりにくい。特に、活性層が平滑でなく、凹凸を有してしまうと、発光特性における歩留が悪くなってしまうので、好ましくない。そこで、ディンプルが形成された基板を用いるときには、基板と活性層との間のn型窒化物半導体層の膜厚を5μm以上とすることが好ましい。これにより、活性層は平滑な面が得られ、素子の上方への光取り出し効率が高く、歩留もよい窒化物半導体発光素子を得ることができる。本発明において、凹凸を有するディンプル形状とは、凹部および凸部には、平面が存在するものをさす。また、凹凸の具体的に好ましい基板の形状としては、凹部側面のテーパ角(=凹部の底面と側面のなす角)が105°以上、好ましくは115°以上でかつ、160°以下、好ましくは150°以下、さらに好ましくは140°以下とする。これにより素子上方への光取り出し効率が高い素子が得られる。また基板の形状として、凹部の深さ、凸部の段差が5nm以上で、n型窒化物半導体層の膜厚以下とすることで、光が基板に当たるときの入射角を、凹凸を形成しない場合の基板に当たるときの入射角と変えるときの、臨界角よりも大きい角度で入射する光を減らし、臨界角よりも小さい角度で入射する光を増やす効果が顕著にあらわれる。
【0034】
本発明において、n型窒化物半導体層101、活性層102およびp型窒化物半導体層103は、いずれも窒化物半導体からなり、好ましくはAlxInyGa1−x−yN(0≦x、0≦y、x+y≦1)からなる。またいずれの層もAlxInyGa1−x−yN(0≦x、0≦y、x+y<1)、すなわちGaを含む窒化物半導体を少なくとも1層有する。n型窒化物半導体層101およびp型窒化物半導体層103は、複数の層から成り、クラッド層として機能する層を少なくとも有する。またn型窒化物半導体層101においては、基板との接合面に、基板上に窒化物半導体層をエピタキシャル成長させるための、バッファ層を有する。また活性層102は、単一量子井戸構造、多重量子井戸構造のいずれでも良く、好ましくは、井戸層と障壁層とが繰り返し積層されてなる多重量子井戸構造とする。
【0035】
さらに、本発明は、p型窒化物半導体層103の最上面にはp電極が301、n型窒化物半導体層の複数の上面のうち、いずれか1つの上面には、n電極302が形成されてなり、いずれの電極も、少なくとも一部が、接する窒化物半導体層と好ましいオーミック性が得られるように形成されている。
【0036】
次に本発明の窒化物半導体発光素子の製造方法について説明する。
【0037】
本発明の窒化物半導体発光素子の製造方法は、第1の工程として、基板上にn型窒化物半導体層と活性層とp型窒化物半導体層とを順に積層する工程と、第1の工程後、第2の工程として、p型窒化物半導体層にマスク層を形成し、非マスク形成部をn型窒化物半導体層が露出するまでエッチングする工程と、第2の工程後、第3の工程として、前記マスク層を一部除去し、非マスク形成部をn型窒化物半導体層が露出するまでエッチングする工程と、第3の工程後、第4の工程として、マスク層を一部除去し、非マスク形成部をn型窒化物半導体層が露出するまで、かつ一部は基板が露出するまでエッチングする工程を具備することを特徴とする。さらには、第1の工程後、第2の工程と第3の工程を複数回繰り返して行い、最後の第3の工程後、第4の工程を行うことを特徴とする。
【0038】
基板上に窒化物半導体を形成して得られる窒化物半導体発光素子は、p電極とn電極を同一面側に形成する必要があるため、p型窒化物半導体層の一部にマスクを形成し、非マスク形成部をRIE等のエッチングにより、n型窒化物半導体層を露出させ、その露出面にn電極を形成する。本発明の窒化物半導体発光素子の製造方法は、さらにn電極を形成するn型窒化物半導体層の露出面とは異なる第2の露出面を設けるものである。
【0039】
以下に図を用いて、本発明の製造方法を詳細に説明する。図6から図14は、本発明の窒化物半導体発光素子の製造工程を順に示したものである。
【0040】
まず図6のように、基板201上にn型窒化物半導体層101と活性層102とp型窒化物半導体層103を積層する。基板201は好ましくはサファイア基板とする。またn型窒化物半導体層101と活性層102とp型窒化物半導体層103は、AlxInyGa1−x−yN(0≦x、0≦y、x+y≦1)からなる。またいずれの層もAlxInyGa1−x−yN(0≦x、0≦y、x+y<1)、すなわちGaを含む窒化物半導体を少なくとも1層有する、複数の層から成ることが好ましい。
【0041】
次に図7のように、p型窒化物半導体層103の一部にマスク層401を形成する。AlInGaN系の窒化物半導体層をRIE等でエッチングする際に好ましく用いられるマスク層の材料としては、SiO2が挙げられる。マスク層401を図7のように、パターニングして形成する方法としては、レジストを用いた通常のパターニング方法が用いられる。
【0042】
次に、図8のように、p型窒化物半導体層103上の一部にマスク層401を形成後、RIEにより窒化物半導体をエッチングし、n型窒化物半導体層101を露出する。ここで、この工程により露出するn型窒化物半導体層101の露出面を第1の領域とする。
【0043】
次に、図9のように、最初に形成したマスク層401の一部を除去する。最初に形成したマスク層よりも小さいマスク層を、パターニングして形成する。マスク層401の一部を除去する方法は、同様にレジストを用い、非マスク除去部にのみレジストを塗布し、マスク層のみが選択的にエッチングされるガスを用いて、RIEで除去するか、ウェットエッチングで除去する。いずれを用いて除去してもよいが、精度良く除去するにはRIEを用いるのがよい。
【0044】
そして、図10のように、マスク層401の一部を除去後、さらにRIEにより、非マスク形成部をn型窒化物半導体層が露出するまでエッチングする。マスク層を除去した部分において、p型窒化物半導体層103と活性層102とn型窒化物半導体層101の一部がエッチングされ、n型窒化物半導体層101が露出する。ここで、この工程により、あらたに露出されたn型窒化物半導体層の領域を第2の領域とする。また第1の領域、すなわち最初のエッチングで露出したn型窒化物半導体層101は、さらにエッチングされるので、最初の露出面よりも低い位置にn型窒化物半導体層101の露出面が形成される。このとき第1の領域と第2の領域との間に高低差が生じ、第1の段差部が形成される。
【0045】
次に、図11のように、マスク層401の一部をさらに除去する。先に形成したマスク層よりも小さいマスク層を、パターニングして形成する。
【0046】
そして、図12のように、マスク層401の一部を除去後、さらにRIEにより、非マスク形成部をn型窒化物半導体層101が露出するまでエッチングする。マスク層401を除去した部分において、p型窒化物半導体層103と活性層102とn型窒化物半導体層101の一部がエッチングされ、n型窒化物半導体層101が露出する。ここで、この工程により、あらたに露出されたn型窒化物半導体層101の領域を第3の領域とする。また第2の領域は、さらにエッチングされるので、第2の領域を形成した際の露出面よりもさらに低い位置にn型窒化物半導体層101の露出面が形成される。また第1の領域は、サファイア基板201が露出するまでエッチングする。つまり、この工程によるエッチングで、第3の領域はn型窒化物半導体層101が露出し、第2の領域は第3の領域よりも低い位置でn型窒化物半導体層101が露出し、第1の領域はサファイア基板201が露出する。第3の領域と第2の領域との間には、高低差が生じ、第2の段差部が形成される。また第2の領域と第1の領域との間には、さらにエッチングされた第1の段差部が形成される。
【0047】
最後に図13のように、マスク層401を除去し、図14のように、p型窒化物半導体層103にp電極301を、n型窒化物半導体層の第2の段差部表面にn電極302を形成し、基板をチップ状に切断することで、窒化物半導体発光素子を得ることができる。
【0048】
ここで、第1および第2の段差部は、n型窒化物半導体層の上面と側面とからなり、第2の段差部表面が第1の上面、第2の段差部側面が第2の側面、第1の段差部表面が第2の上面、第1の段差部側面が第3の側面に相当する。
【0049】
本発明の製造方法は、窒化物半導体層を数回に分けてエッチングし、そのうち最後のエッチングにより、基板を露出させるので、複数の段差部が形成されるだけでなく、基板と窒化物半導体層との熱膨張係数差に起因する圧縮歪みや引張り歪みを緩和することができ、歩留の高い窒化物半導体発光素子を得ることができる。
【0050】
また本発明の製造方法によると、RIEにより窒化物半導体をエッチングする際、エッチングされる窒化物半導体層に段差部を有する。段差部を有する窒化物半導体層をエッチングすると、段差部のうち、角部が特にエッチングされる。これはエッチングガスが特に角部に集中して当たるためで、角部は面取りされて、傾斜面が形成される。第2の段差部は、最後のエッチングにより形成された段差部であるので、傾斜面は形成されないが、第1の段差部は、最後のエッチングの際に既に形成されているので、角部がエッチングされ、傾斜面が形成される。ここで、第1の段差部傾斜面が第1の傾斜面に相当する。
【0051】
さらに本発明の製造方法は、第1の工程として、基板上にn型窒化物半導体層と活性層とp型窒化物半導体層とが順に積層する工程と、第1の工程後、第2の工程として、p型窒化物半導体層にマスク層を形成し、非マスク形成部をn型窒化物半導体層が露出するまでエッチングする工程と、第2の工程後、第3の工程として、前記マスク層を一部除去し、非マスク形成部をn型窒化物半導体層が露出するまでエッチングする工程と、第3の工程後、第4の工程として、マスク層を一部除去し、非マスク形成部をn型窒化物半導体層が露出するまで、かつ一部は基板が露出するまでエッチングする工程を具備するものであり、第1の工程後、第2の工程と第3の工程を複数回繰り返し、最後に第4の工程を行うことで、n型窒化物半導体層に複数の段差が階段状に形成され、上方への光取り出し効率を高め、指向特性にムラのない良好な窒化物半導体発光素子を得ることができる。さらに、段差部において、上面と側面との間の角部がエッチングされると、傾斜面を有するが、さらに傾斜面を有する段差部では、傾斜面と上面との角部、さらに傾斜面と側面との角部がエッチングされるので、3個の傾斜面が形成される。第2の工程と第3の工程を繰り返すことで、活性層から離れるほど、段差部は何回もエッチングされるので、活性層から離れるにつれて、角部での傾斜面の数が多い、窒化物半導体発光素子を得ることができる。活性層から離れるにつれて、角部での傾斜面の数を増やすことで、光軸方向からずれていくときの光強度の減少をなだらかにすることができる。
【0052】
【実施例】
[実施例1]
基板としてA面(11−20)にオリフラのあるC面(0001)を主面とするサファイア基板を用い、規則的に配列されたディンプルを形成する。ディンプルは、凹凸が繰り返して形成され、凸部の段差は1μm、凸部側面の傾斜角は120°とする。
【0053】
次にディンプルが形成されたサファイア基板の上に、n型半導体層としてAlxGa1−xN(0≦x≦1)の低温成長バッファ層を100Å、アンドープのGaNを3μm、SiドープのGaNを4μm、アンドープのGaNを3000Å積層し、続いて発光領域となる多重量子井戸の活性層として、(井戸層、障壁層)=(アンドープのInGaN、SiドープのGaN)をそれぞれの膜厚を(60Å、250Å)として井戸層が6層、障壁層が7層となるように交互に積層する。この場合、最後に積層する障壁層はアンドープのGaNとしてもよい。n型窒化物半導体層の総膜厚が、約7μmであるので、活性層は、基板の凹凸の形状が反映されることなく、平滑な面が得られる。
【0054】
多重量子井戸の活性層を積層後、p型半導体層として、MgドープのAlGaNを200Å、アンドープのGaNを1000Å、MgドープのGaNを200Å積層する。p型半導体層として形成するアンドープのGaN層は、隣接する層からのMgの拡散によりp型を示す。
【0055】
次にMgドープのGaNの一部にSiO2から成るマスク層を形成し、非マスク形成部のp型窒化物半導体層と活性層とn型窒化物半導体層の一部までをエッチングし、SiドープGaN層を露出させる。
【0056】
次に、MgドープGaN上のSiO2の一部を除去し、非マスク形成部のp型窒化物半導体層と活性層とn型窒化物半導体層の一部までをエッチングし、SiドープGaN層を露出させると同時に、さきに露出されているSiドープGaN層をさらにエッチングし、アンドープのGaN層を露出させる。
【0057】
次に、MgドープGaN上のSiO2の一部をさらに除去し、非マスク形成部のp型窒化物半導体層と活性層とn型窒化物半導体層の一部までをエッチングし、SiドープGaN層を露出させると同時に、さきに露出されているSiドープGaN層をさらにエッチングし、アンドープのGaN層を露出させると共に、さきに露出されているアンドープGaN層をさらにエッチングし、サファイア基板を露出させる。
【0058】
次に、MgドープGaN上のSiO2を除去し、MgドープGaNの表面全面にNi/Auからなる透光性のp電極を、さらに透光性のp電極上において、n電極形成部と対向する位置にAuからなるpパッド電極を形成し、n型窒化物半導体層の露出面のうち、SiドープGaN層の露出面にW/Al/Wからなるn電極およびPt/Auからなるnパッド電極を形成する。
【0059】
最後にウエハを四角形状にチップ化し、1mm□の半導体チップを得る。
[実施例2]
実施例1において、p電極を金属膜からなるメッシュ状の電極にする。詳しくは、開口率50%からなる開口であって、Rhからなるp電極を、p型半導体層表面のほぼ全面に形成する。さらにp電極上において、n電極形成部と対向する位置にAuからなるpパッド電極を形成し、n型窒化物半導体層の露出面のうち、SiドープGaN層の露出面にW/Al/Wからなるn電極およびPt/Auからなるnパッド電極を形成する。
【0060】
最後にウエハを四角形状にチップ化し、1mm□の半導体チップを得る。
[実施例3]
実施例1において、p電極を金属膜からなるメッシュ状の電極にする。詳しくは、開口率50%からなる開口であって、Ni/Auからなるp電極を、p型半導体層表面のほぼ全面に形成する。さらにp電極上において、n電極形成部と対向する位置にAuからなるpパッド電極を形成し、n型窒化物半導体層の露出面のうち、SiドープGaN層の露出面にW/Al/Wからなるn電極およびPt/Auからなるnパッド電極を形成する。
【0061】
最後にウエハを四角形状にチップ化し、1mm□の半導体チップを得る。
[実施例4]
実施例1において、p型窒化物半導体層としてMgドープGaNを成長させるまでは、実施例1と同様にする。
【0062】
次にMgドープのGaNの一部にSiO2から成るマスク層を形成し、非マスク形成部のp型窒化物半導体層と活性層とn型窒化物半導体層の一部までをエッチングし、SiドープGaN層を露出させる。
【0063】
次に、MgドープGaN上のSiO2の一部を除去し、非マスク形成部のp型窒化物半導体層と活性層とn型窒化物半導体層の一部までをエッチングし、SiドープGaN層を露出させると同時に、さきに露出されているSiドープGaN層をさらにエッチングする。さらにMgドープGaN上のSiO2の一部を除去し、非マスク形成部をエッチングするという同様の工程を繰り返し、階段状にn型窒化物半導体層を形成する。最後のエッチングにおいては、最初のエッチングでSiドープGaN層を露出させた面がサファイア基板に到達し、サファイア基板を露出させるようにする。
【0064】
次に、MgドープGaN上のSiO2を除去し、MgドープGaNの表面全面にNi/Auからなる透光性のp電極を、さらに透光性のp電極上において、n電極形成部と対向する位置にAuからなるpパッド電極を形成し、n型窒化物半導体層の露出面のうち、最も上に位置する、SiドープGaN層の露出面にW/Al/Wからなるn電極およびPt/Auからなるnパッド電極を形成する。
【0065】
最後にウエハを四角形状にチップ化し、1mm□の半導体チップを得る。
【0066】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の窒化物半導体発光素子は、素子の上方への光取り出し効率を向上させることができる。また本発明の窒化物半導体発光素子の製造方法により、素子の上方への光取り出し効率を向上させた窒化物半導体発光素子を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】窒化物半導体層中の光の伝搬を示す模式図、
【図2】本発明の窒化物半導体発光素子を示す模式段面図、
【図3】本発明の窒化物半導体発光素子の特徴を説明するための模式段面図、
【図4】本発明の窒化物半導体発光素子の一実施の形態を示す模式断面図、
【図5】本発明の窒化物半導体発光素子の特徴を説明するための模式段面図、
【図6】本発明の製造方法の一工程を説明する模式断面図、
【図7】本発明の製造方法の一工程を説明する模式断面図、
【図8】本発明の製造方法の一工程を説明する模式断面図、
【図9】本発明の製造方法の一工程を説明する模式断面図、
【図10】本発明の製造方法の一工程を説明する模式断面図、
【図11】本発明の製造方法の一工程を説明する模式断面図、
【図12】本発明の製造方法の一工程を説明する模式断面図、
【図13】本発明の製造方法の一工程を説明する模式断面図、
【図14】本発明の製造方法の一工程を説明する模式断面図。
【符号の説明】
101・・・n型窒化物半導体層、
102・・・活性層、
103・・・p型窒化物半導体層、
201・・・基板、
301・・・p電極、
302・・・n電極、
401・・・マスク層、
501・・・レジスト。
Claims (15)
- 基板と、基板上面に、n型窒化物半導体層、活性層、p型窒化物半導体層が順に積層されてなる窒化物半導体発光素子であって、
前記n型窒化物半導体層は、露出された上面を少なくとも2つ有し、かつ高さの異なる前記上面の間には、ほぼ垂直な側面を有することを特徴とする窒化物半導体発光素子。 - 前記窒化物半導体発光素子は、基板上面が一部露出されてなることを特徴とする請求項1に記載の窒化物半導体発光素子。
- 前記n型窒化物半導体層は、前記窒化物半導体発光素子の中央部に近い側に第1の上面を、中央部から遠い側に第2の上面を有し、該第2の上面は第1の上面よりも低い位置にあることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の窒化物半導体発光素子。
- 前記n型窒化物半導体層は、n型窒化物半導体層と活性層との接合面から連続する第1の側面と、第1の上面と第2の上面との間に位置する第2の側面と、第2の上面と露出された基板上面との間に位置する第3の側面とを有することを特徴とする請求項3に記載の窒化物半導体発光素子。
- 前記第1の上面と第2の側面とは連続してなり、前記第2の上面と第3の側面との間には、それぞれに連続してなる傾斜面を有することを特徴とする請求項3または請求項4のいずれかに記載の窒化物半導体発光素子。
- 基板と、基板上面に、n型窒化物半導体層、活性層、p型窒化物半導体層が順に積層されてなる窒化物半導体発光素子であって、
前記n型窒化物半導体層は、露出された上面をm個(ただしmは3以上の整数)有し、かつ高さの異なる前記上面の間には、ほぼ垂直な側面を有することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の窒化物半導体発光素子。 - 前記窒化物半導体発光素子は、基板上面が一部露出されてなることを特徴とする請求項6に記載の窒化物半導体発光素子。
- 前記n型窒化物半導体層は、窒化物半導体発光素子の中央部に近い側に第(m−1)の上面を、中央部から遠い側に第mの上面を有し、該第mの上面は第(m−1)の上面よりも低い位置にあることを特徴とする請求項6または請求項7のいずれかに記載の窒化物半導体発光素子。
- 前記n型窒化物半導体層は、第(m−1)の側面と、第(m−1)の上面と第mの上面との間に位置する第mの側面と、第mの上面と露出された基板上面もしくは第(m+1)の上面との間に位置する第(m+1)の側面と、を有することを特徴とする請求項8に記載の窒化物半導体発光素子。
- 前記第(m−1)の上面と第mの側面との間には、それぞれに連続してなる第(m−2)の傾斜面を有し、前記第mの上面と第(m+1)の側面との間には、それぞれに連続してなる第mの傾斜面を有することを特徴とする請求項9に記載の窒化物半導体発光素子。
- 前記第mの傾斜面は複数の傾斜面が連続してなることを特徴とし、前記第(m−1)の傾斜面の個数は、第mの傾斜面の個数より少ないことを特徴とする請求項10に記載の窒化物半導体発光素子。
- 基板と活性層との間のn型窒化物半導体の膜厚が、5μm以上であることを特徴とする請求項1乃至請求項11のうちいずれか1項に記載の窒化物半導体発光素子。
- 前記基板は、窒化物半導体との接合面に、規則的に配列されたディンプルが形成されてなることを特徴とする請求項1乃至請求項12のいずれか1項に記載の窒化物半導体発光素子。
- 第1の工程として、基板上にn型窒化物半導体層と活性層とp型窒化物半導体層とを順に積層する工程と、
第1の工程後、第2の工程として、p型窒化物半導体層にマスク層を形成し、非マスク形成部をn型窒化物半導体層が露出するまでエッチングする工程と、
第2の工程後、第3の工程として、前記マスク層を一部除去し、非マスク形成部をn型窒化物半導体層が露出するまでエッチングする工程と、
第3の工程後、第4の工程として、マスク層を一部除去し、非マスク形成部をn型窒化物半導体層が露出するまで、かつ一部は基板が露出するまでエッチングする工程を具備することを特徴とする窒化物半導体発光素子の製造方法。 - 第1の工程後、第2の工程と第3の工程を複数回繰り返して行い、最後の第3の工程後、第4の工程を行うことを特徴とする請求項14に記載の窒化物半導体発光素子の製造方法。
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