JP2004111137A - プラズマ反応法による水素の製造方法及び装置 - Google Patents

プラズマ反応法による水素の製造方法及び装置 Download PDF

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Abstract

【課題】メタノールなどの液状有機材料と水を原料とし、プラズマを発生している電極のエネルギーを利用して、これら液体の有機化合物と水を気化させることによって、安定にプラズマ中に供給する方法および装置を実現すること。さらに当該装置により、効率よく、簡便にかつ迅速に高濃度の水素ガスを製造する方法を実現すること。
【解決手段 】陰極54と陽極55との間に発生させたアーク57で、液状の水素発生原料53を供給して、高温のプラズマ56を作るプラズマ発生方法であって、該液状の水素発生原料が液状の有機材料と水59であり、アークを発生している電極によるエネルギーを利用して、該液体の有機材料と水を気化させ、得られた気体を放電領域の高温部分において反応させ、主に水素と一酸化炭素から成る気体を製造する方法と装置。
【選択図】    図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、メタノール等の有機化合物と水を原料として、高温のプラズマを発生し、プラズマ反応によって、取扱う際に安全かつ簡便な態様で、迅速、効率良く水素を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
水素は、冶金金属加工、各種熱源、アンモニア合成、メタノール合成、CO−水素化反応、フィシャートロープス合成、オキソ合成等の石油化学分野の反応、各種水添反応の原料として使用され、かつ化石燃料と異なるクリーンエネルギー源としても重要視されるが、希ガスを除くほとんど全ての元素と反応し、金属容器にはよく吸収されてこれを脆化させ、また、特にエネルギー源として用いる場合、例えば水を分解してこれを製造する際の反応は高吸熱反応(△G°=229kJ/mol、したがって燃焼時は高発熱反応)であって、光、熱又は温度、電力等のエネルギー源を用い、かつまた本来それ自身エネルギー源として使用される化石燃料を用いて製造しなければならない2次燃料でありかつ酸素との反応が超高速で爆発的であること等の理由で、燃料電池等において、効率良く、水素を製造しかつ使用する方法が検討されてきた。
【0003】
化石燃料を用い電磁波としてHF(high frequency)波、UHF(ultra high frequency)波のアシストによりプラズマから水素を製造する場合に必然的に副成するCOの水(スチーム)分解について、CO→CO + 1/2・O +△H= 2.9 eV/ mol. の吸熱反応と、CO + HO →CO + H +△H= −0.4 eV/ mol. の若干の発熱反応とを併発することが記載(非特許文献1)されている。ちなみに、1eVの各種エネルギー源は、電磁波の場合、波長で1.24×10−4cm、周波数で2.42×1014sec−1、波数で8.07×10cm−1に相当し、温度の場合、1.16×10Kに相当し、エネルギーとしては1.60×10−19J(=1.60×10−12erg)に相当し、したがって電力エネルギーの場合1.60×10−12W sec = 1.60×10−12×3600 W 時に相当している。
【0004】
【非特許文献1】
Int. J. Hydrogen Energy, Vol, No. 5 pp441−449 (1981)
(page 441 lines 12 to 23)
【0005】
また、メタン及び炭酸ガスをプラズマ分解により低温、常圧下で合成ガス(H/CO)を得る際、H/COの生成比は主に原料ガスのCH/CO の組成比に依存し、合成ガスへの変換率zは印加電圧、原料ガス圧、反応温度に依存し、原料ガスの組成比に殆ど依存せず、原料ガス中のCO比が大きくCHが少ないとき(CH:CO =20:80モル)の最小組成比のときは炭素及びワックス状物質の生成が少なく、印加エネルギーが一定(87kWh/Nm)のときCH:CO の最大組成比=80:20で、H含有量最大の52モル%及びCO14モル%の合成ガスを得、また高温反応は多量の炭素及びワックス状物質の生成を招き、かつ、原料ガスは低圧導入の方が好ましいことが記載(非特許文献2)されており、このように、激しいプラズマ条件下での水素ガスの発生は、一般的に、すすやワックス状物質の生成を伴うので避けるべきであるとされてきた。
【0006】
【非特許文献2】
L.M.Zhou, B.xue, U. Kogelshatz. and B.Eliasson, Energy &
Fuels 1998, No.12, pp1191−1199
【0007】
一方、コストや熱効率よりも例えば簡便にかつ極所的に高温を得ることの方を優先される場合もあり、その際には高濃度の水素ガスを得ることは高温の非酸化性トーチを作るために無論望ましく、水素の高発熱と超高速の反応性という2特質は利用価値が高い。
【0008】
近年、チェコ国AQACENTRUM 社で水プラズマ溶射装置が開発され、全世界に24台出荷されたことが記載(非特許文献3)されているが、しかし同時に、この装置は、3相入力250V(途中400Vへのステップアップトランスをシステム内に含む)、 出力160KW, Alの溶射量最大55kg/hrで重量37kgのプラズマトーチを含む全重量2700kgの大型装置であることが記載されており、また、米国カルフォニア州のPlasma Energy Corporation Raigh 社によるReductgasと名付けられたデモ用のプラズマガス化のためのパイロット装置は、底部に負極の溶融金属浴を、側部に窒素ガスを用いた正極の水プラズマトーチをそれぞれ有し、槽底部の溶融金属浴表面から槽上部まで4m以上の高さを有する大型のものであることが記載(非特許文献4)されているが、これら技術は、かつ極所的に高温を得る簡便な方法と云うことは難かしい。
【0009】
【非特許文献3】
「金属」1982年2月臨時増刊号(第1頁左欄第1〜2行、第17行、第1頁第8〜10行目、図1)
【0010】
【非特許文献4】
W.W.Plotczyk, A. Resztak and Szymanski. Int. J.of Materials and Product Technology. Vol. 10、Nos 3−6 (1995)、 pp 530−540(第531頁下から4行目〜第532頁第6行目、Fig.1)
【0011】
水素製造方法の1つとして、高吸熱反応である水(水蒸気)の分解のためにプラズマエネルギーを利用する水プラズマ反応法は、上記のように、従来から検討されている。水プラズマ反応法によって水素を製造するためには、水プラズマを発生させる必要がある。水分解反応に適したプラズマには熱エネルギー、マイクロ波、電波、直流電力、交流電力のようなエネルギー源が、使用可能性あるものとして挙げられるが、吸熱分解に必要な高エネルギーを高密度で連続して簡便に出力するのには交流電力は現在社会ではネガチブフィードバック制御により確実簡単に供給力安定が実現されており適したものである。陰極と陽極との間に発生させたアークで液体を気化させ得られる蒸気を電離させてプラズマを作る液体プラズマ発生方法において、該液体を収容する液収容部の液体を、交番電気エネルギーを機械振動に変換する素子で液を滴化してアーク発生箇所側に供給する液体プラズマ発生方法が開示(特許文献1)されている。
しかし、供給力が安定してさえいれば、当然、直流電力も複雑大型の供給電源設備を必要としないので適しているものと云える。
【0012】
【特許文献1】
特開平11−345699号公報
【0013】
直流放電を用いた水プラズマの発生方法としては、プラズマ中に液体の水を供給して、プラズマ中で水を気化する方法と、プラズマ中に水蒸気を供給する方法がある。
両者とも純粋な水プラズマを得ることは難しく、通常はアルゴンと水の混合気体から成るプラズマしか得ることができない。ここで、アルゴンは直流放電で励起されてアルゴンプラズマとなり、水にエネルギー伝達した後アルゴンに戻ることを繰り返すという触媒的なプラズマアシスト作用をするものと見なされているが、同様な目的でアルゴンに代えて窒素ガスを用いることも検討されている。
【0014】
また、前者の場合(液体の水供給)には、プラズマ中での水の気化が不安定であり、安定なプラズマを得ることが困難であった。後者の場合にはプラズマ中への水蒸気の安定な供給やプラズマの安定性の問題、および蒸気発生装置が別途必要となる問題があった。従来はこれらの問題を解決する方法として、直流放電によるプラズマの場合には、安定に水蒸気をプラズマ中に供給する方法として、減圧下で操作が行なわれていた。例えば、非特許文献5には、0.2から2 torr の減圧下で窒素ガスアシストによる、シリンダ状陰極放電管中で印加電力を変えた場合、水プラズマの生成率及び組成に与える影響について論じられている(非特許文献5)。それでもプラズマの安定性の問題があった。また、この場合には減圧装置が必要となるので、装置が大型化し、装置全体が高価となる。また、水素製造を常に減圧下の条件で行なうので、大気圧下の操作と比べて煩雑になる。
【0015】
【非特許文献5】
Acta Physica Austriaca Vol, 49. Pp67−70(1978)
【0016】
純粋な水プラズマを発生する方法としては、上記のように、高周波放電プラズマやマイクロ波放電がある。この場合には直流放電プラズマに比べて、電源装置が大型かつ高価になってしまう。さらにプラズマ反応法によって水素を得るには、水とともに有機化合物も供給することが必要であり、プラズマ中への水と有機化合物の安定な供給、および安定なプラズマの発生はより困難であった。
【0017】
主に水素と一酸化炭素から成る気体を製造するには、プラズマを用いる方法以外にも、石油石化学の分野では水蒸気改質法、部分酸化法、石炭ガス化法があり、他にも電気分解、直接熱分解、光触媒などがある。特に水蒸気改質法は、水素を安価に製造する方法と評価されているが、この方法は、大型の石油プラントに用いられる方法であり、炭化水素とスチームの熱プラズマを用いて触媒の存在下に水素及び炭酸ガスに変換するものであるが、フィード原料が常温で気体であるか液体であるかは、さほど問題にはならない。重質高沸点炭化水素のガス化に適したエバポレータであっても大型の石油プラント中では流体輸送や減圧のためのポンプ装置と同様、多くの施設のうちほんの1施設に過ぎない。また前記のように、1eVに相当する各種エネルギーのうち、熱(温度)は1000k以上(したがって加圧状態)であって、熱プラズマを発生させる方法は、大型装置と触媒を必要とし、加圧下に行なわれるエネルギー高消費型の発生方法である(非特許文献6)と云える。この定期刊行物はさらに、水素発生効率は、プラズマ中に導入される水量、キャリアガス(窒素ガス)の流量にも依存するが、印加電圧の関数であり、3.25kVの印加電圧の場合に2.8×10−4〜3.4×10−3 mol0.8 L−0.8 min−1であることが記載されている。さらに、石油起源の炭化水素特に飽和炭化水素は、酸化により高発熱量を発生するが、分解速度はそれらの部分酸化物より低い。例えばエタン、エチレン、アセチレンでは、燃焼時の発熱量はこの順序で高く、逆に酸化速度(酸素との反応性)は逆にこの順序で低い。したがって、使用時にタイムリーに、プラズマを用い簡便かつ安定に水素を発生してその急激燃焼により高温を得んとする際に、必ずしもエタンの方が低発熱量のアセチレンより適していると云うことはできず、従来から行なわれている石油化学プラント分野での水素の製造方法は、本発明にとって直接には参考になるものではない。
【0018】
【非特許文献6】
Rec. Chem. Inntermed. Vol. 26. No. 9. pp849−874(2000) (pp.850.line 16−26)
【0019】
また、廃棄物又は、廃棄物と可燃材との混合物を熱分解ガス化し、次に、このガス中の可燃物を燃焼して前記ガス中の灰分を溶融する廃棄物の熱分解溶融方法において、前記熱分解溶融方法で使用する空気を前記可燃物の燃焼排ガスの顕熱を用いて発電した電気によるプラズマを用い予熱する廃棄物の熱分解溶融方法が記載(特許文献2)され、(a)プラズマ反応室内に対向電極を配置して上流および下流にそれぞれ第1反応ゾーンおよび第2反応ゾーンを形成する工程と;(b)第1反応ゾーンおよび第2反応ゾーンにそれぞれ水素生成触媒および炭素含有材を充填する工程と;(c)対向電極に給電して第1および第2反応ゾーン内でプラズマを発生させる工程と;(d)第1反応ゾーンに水を導入してプラズマの存在下で水を水素生成触媒と接触させて水素を生成する工程と;(e)水素を第2反応ゾーンに導入してプラズマの存在下で水素と炭素含有材とを接触させてメタンを生成する工程と;とからなる合成天然ガス製造法が記載(特許文献3)されているが、これらも、本発明に参考になるものではない。
【0020】
【特許文献2】
特開2000−140796号公報
【0021】
【特許文献3】
特開2001−039897号公報
【0022】
水プラズマによって有機化合物から水素を製造する場合には、水を原料としてプラズマを安定に発生することが重要であるので、水蒸気から成るプラズマを安定に迅速に発生することが課題である。さらにガスボンベや蒸気発生装置を別途必要とせず、簡便に水プラズマを発生する装置を開発することが課題である。
【0023】
純粋な水プラズマを発生するための方法として従来報告されているものは、高周波放電やマイクロ波放電によってプラズマを発生する方法である。これらの方法では、高温のプラズマ中に、あらかじめ気化した水蒸気を噴射する方法なので、安定な水蒸気の供給がむずかしく、よって安定な水プラズマを発生することは困難であった。また、アルゴンガス等を用いた直流放電プラズマの下流に水を噴射する方法があるが、プラズマが最も高温である放電領域を水が通過しないので、効率が良い方法ではない。また、この場合には純粋な水プラズマを得ることはできない。
【0024】
水プラズマを用いて、有機化合物から水素を発生させるためには、高温のプラズマ中に安定に有機化合物を供給する必要がある。この場合にも、プラズマの高温領域に有機化合物を通過させることが重要であるが、直流プラズマの場合には、それは困難である。よって水プラズマによって水素を製造するには、効率の点から考えて従来の技術では燃料電池等の産業応用に用いることには問題が多かった。
【0025】
プラズマの発生には、通常はプラズマをつくるための気体を収容するガスボンベが必要である。プラズマ発生装置に加えて、ガスボンベがあることによって装置は大型になり、限定された場所ではプラズマを発生することが困難な場合がある。さらに、水プラズマを発生するために水蒸気を供給する場合には、外部の蒸気発生装置の立ち上げや、水蒸気の凝縮を防ぐための配管の保温が必要なので、安定な水プラズマを発生するまでに時間がかかる。さらに、装置全体が大型なので、これらの装置から成る水プラズマ発生装置を持ち運ぶことは困難である。
【0026】
本発明者は、プラズマ反応によって水素を製造する方法について鋭意研究した結果、液体の有機材料と水を気化させ、これら気体のプラズマによって直接、水素を製造する方法を見出し本発明に到達したものである。すなわち本発明は、高温のプラズマを発生している電極のエネルギーを利用して、液体の有機材料と水を気化させ、これら気体を放電領域において反応させることによって達成したものである。特に電源装置が簡単で安価な直流電源を用いて、ガスボンベや蒸気発生装置を別途必要としない水プラズマ発生装置によって水素を製造することが特徴である。
【0027】
プラズマ反応によって水素を製造する方法で考慮すべき点は、高温のプラズマ中に、安定に水蒸気および有機材料を供給し、効率良く反応させることである。すなわち、大気圧のプラズマ中に水蒸気を供給する場合には、水蒸気を導く配管を100℃以上に加熱することが必要であり、さらに有機材料をプラズマ中で水と反応させるためには、有機材料をプラズマの高温領域に通過させる必要がある。水蒸気が配管中で凝縮したり、または水蒸気や有機材料のプラズマ中への供給位置が片寄ったり、安定に供給できない場合には、プラズマの状態が不安定となり、極端な場合にはプラズマが消滅してしまう。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような点に鑑みてなされたもので、その目的は、メタノールなどの液状有機材料と水を原料とし、プラズマを発生している電極のエネルギーを利用して、これら液体の有機化合物と水を気化させることによって、安定にプラズマ中に供給する方法および装置を実現することにあり、特に液体の有機材料と水を効率良く反応させて、プラズマ反応によってすすやワックス状物質の生成を伴うことなく、効率よく、簡便にかつ迅速に簡便に極所的に高温を得ることのできる高濃度の水素ガスを製造する方法および装置を実現することにある。
【0029】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、本発明の(1)「陰極と陽極との間に発生させたアークで、液状の水素発生原料を供給して、高温のプラズマを作るプラズマ発生方法であって、該液状の水素発生原料が液状の有機材料と水であり、アークを発生している電極によるエネルギーを利用して、該液体の有機材料と水を気化させ、得られた気体を放電領域の高温部分において反応させ、主に水素と一酸化炭素から成る気体を製造する方法」;
(2)「前記有機材料がメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類、ギ酸、酢酸等のカルボン酸類、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド等のアルデヒド類、アセトン等のケトン類、n−ヘキサン等のアルカン、1−ヘキセン等のアルケン、1−ヘキシン等のアルキン、及びベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素の群から選ばれたものであることを特徴とする前記第(1)項に記載の気体を製造する方法」により達成される。
【0030】
また、上記課題は、本発明の(3)「ノズル状の陽極と、棒状の陰極より成る直流プラズマトーチと、これらの電極で発生するエネルギーによって気化が促進される液体の有機材料と水が入れられている容器と、これら気化した気体を放電部分に導く流路と、得られた気体の取り出し口と、これらを収容する容器を備えたプラズマ反応法による主に水素と一酸化炭素から成る気体の製造装置」;
(4)「前記有機材料がメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類、ギ酸、酢酸等のカルボン酸類、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド等のアルデヒド類、アセトン等のケトン類、n−ヘキサン等のアルカン、1−ヘキセン等のアルケン、1−ヘキシン等のアルキン、及びベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素の群から選ばれたものであることを特徴とする前記第(3)項に記載の気体の製造装置」により達成される。
【0031】
以下、本発明を図面に基いて、詳細活具体的に説明する。
光田章一「金属表面技術」Vol.36、No.1(1985)第88−95頁に示されるように、この種のプラズマ装置では、高圧水を溶射機チャンバー内に導入して定常的な円筒渦水流を形成させておく(円筒渦水流はダイヤフラムを直列に設置し、その円筒に接線方向の細孔を通して高圧水を放出することにより実現される)。その中心軸上に設置された陰極と回転陽極との間に高電圧をかけておき、瞬間的ショートを行なわせるとアーク放電すなわち熱プラズマが発生し、発生したアーク熱により円筒渦水流内径側表層部の水は瞬時に蒸発(HO(l)→HO(g))、解離(HO(g)→2H+O)、電離(2H+O→2H+O+3e)の反応を起こす。この電離状態では電気伝導度が良好なので大電流が定常的に流れるようになり、熱プラズマ状態が維持されるようになる。それと同時に円筒渦水流内径側の水がプラズマアーク外層部分を強制冷却するので、外層部での電離すなわち電気伝導度が低下する。この熱ピンチ効果によりアーク電流はより高温の中心軸に集中する傾向を示す。その結果電流密度が増大してプラズマアーク中心部分の圧力、温度、電気伝導度がさらに上昇することになる。
このようにして電流密度が上昇すると、ある時点でファラディーの磁場内並行電流の相互引張り、すなわち磁気ピンチ効果により、より一層の電流集中が起こり温度および圧力が上昇する。この結果プラズマ温度は10,000〜50,000Kまで上昇する(図6)。
本発明のプラズマ発生方法及び装置においては、直流放電の高温領域を、有機材料と水から得られた気体からのプラズマ形成に用いるだけでなく、アークを発生している電極によるエネルギーを利用して、該液体の有機材料と水を気化させ放電の高温領域に導びく際にも、調節可能なピエゾ振動子の補助として利用することにより、特に液体の有機材料と水を効率良く反応させて、プラズマ反応によってすすやワックス状物質の生成を伴うことなく、効率よく、簡便にかつ迅速に簡便に極所的に高温を得ることのできる高濃度の水素ガスを製造する方法および装置を実現することができる。
また、本発明にもとづくプラズマ発生装置は、特に水素発生原料である液体の有機材料と水を、電極で発生するエネルギーによって気化させることに特徴がある。
図5は、米国特許第5609777号で提案されている液体を用いたプラズマトーチの概略構成図である。このプラズマトーチは、放電室(11)を備えたプラズマトーチ本体(1)と、作動流体用の容器(6)とを備えている。本体(1)は、吐出口が形成されたアノード(2)と、この吐出口と同軸の棒状のカソード(4)とを有する。このカード(4)はホルダ(3)に固定されている。このホルダ(3)は電気絶縁性のチューブ(12)に囲まれ、さらにこの電気絶縁性のチューブ(12)が熱伝導性のチューブ(13)に囲まれている。また、本体(1)は、熱伝導性材料からなるリング(9)を有する。このリング(9)はアノード(2)に接触し、かつ、このアノード(2)との接触部に接線方向に形成された放電室(11)への通路(10)を有している。この通路はリング(9)の中心を軸とする円周方向に、少し(例えば3度〜10度程度)傾斜している。
【0032】
上記容器(6)は上記本体(1)側のスリーブ部(5)を介して本体(1)に接続され、その内部が湿気吸収材(7)で満たされている。この湿気吸収材(7)としては例えばカオリンウールやガラスウールなどを使用できる。
【0033】
本体(1)と容器(6)とのギャップは、多孔質の熱伝導性材(8)で満たされている。この多孔質熱伝導性材(8)は本体(1)側で上記リング(9)に接触しており、また容器(6)側で上記湿気吸収材(7)に接触している。この多孔質熱伝導性材(8)としては焼結銅ショットや銅チップなどを使用できる。
【0034】
上記カソードホルダ(3)、電気絶縁性チューブ(12)及び熱導電性チューブ(13)は、上記多孔質熱伝導性材(8)や湿気吸収材(7)を貫通して後端側に延びている。このうち両チューブ(12)、(13)の後端側は構造体(21)に固設されている。上記カソードホルダ(3)は、電気絶縁性チューブ(12)内で軸線方向に可動にされており、その後端部にボタン(16)が取り付けられている。このボタン(16)は、その先端部が構造体(22)に取り付けられた蓋(14)のセンタ孔を貫通して外部に露出し、かつ、その基端側のフランジ部(20)が該孔の内周縁部に突き当たるように配置されている。そして、スプリング(15)で後端側に付勢されている。そして、図示を省略した外部電源からの電圧がアノード(2)及びカソード(4)に印加できるようになっている。
【0035】
このプラズマトーチを使用する場合には、まず、栓(17)を外して作動流体補充孔(18)から容器(6)内に作動流体としての水を入れ、容器内の湿気吸収材に水を含ませる。その後栓(17)を取り付ける。この状態で外部電源のスイッチを入れてアノード(2)等への電圧印加を開始する。そして、ボタン(16)を押し、カソードホルダ(3)を移動させ、その先端にあるカソード(4)をアノード(2)に接触させる。そして、ボタン(16)の押し込みを止める。押し込みを止めるとスプリング(15)の付勢力でボタン(16)が押し戻され、これに伴ってカソードホルダ(3)も初期位置に戻る。この戻りに伴いカソード(4)がアノード(2)から離れるときに放電室(11)内でアーク放電が開始する。
【0036】
このアーク放電で電流が流れて発生した熱は、熱伝導性リンク(9)を介して多孔質熱伝導性材(8)に含まれている水に伝わる。この結果、水は蒸気になる。そして、過剰圧力が生じ、この蒸気はリング(9)の接線の流路(10)を通り抜けて放電室(11)に進入する。ここで水蒸気はプラズマ化される。それからアノード(2)の中心軸の穴を通して外部に吹き出す。これにより、そのアーク柱を安定させ、同時にアノード(2)やカソード(4)を冷やす。水蒸気は通路(10)を通過するときに前記した円周方向の傾斜により、スパイラル方向の推進力を得る。プラズマ化されてもこの推進力は受け継がれ、アークをより一層安定させ、かつ、アノード(2)の中心軸の孔より吹き出すプラズマを安定させる。
【0037】
このプラズマトーチでは、1KWの入力パワーで25分間連続作動させたときに、水を70ml程度消費するとされている。この公知のプラズマトーチでは、作動液体としての水をアーク放電に伴って発生した熱で蒸気にし、しかも、その蒸気圧で放電室側に移動させるので、プラズマジェットの生成初期のプラズマジェットの不安定な時期が生じたり、アーク放電に伴って発生する熱を水のメインの収容部、あるいは、その近傍まで伝え得るような構造を必要とする等の構造上の制約が生じたりする。
【0038】
【発明の実施の形態】
本発明の装置は以上の背景に鑑みなされたものであり、新規な作動液体搬送系を用いた液体プラズマ発生装置が提供され、また、すすやワックス状物質の生成を伴うことなく、簡便にかつ極所的に高温を得ることのできる高濃度の水素ガスを得る液体プラズマ発生装置が提供される。
図2にその1例が示されるように、本発明のプラズマ発生装置は、ポータブルなハンデイタイプの高温水素のプラズマバーナーであり、初期作動ボタン(51)の操作により移動式陰極部(52)のロッドを陽極ノズル(57)に対して進退させ、かつ接近した両極間にアーク(58)を形成させる。また、この装置の把持部の内腔部には液体(53)を収納せる液体収納部が設けられ、この液体収納部は水収納部と液体有機物質収納部とに仕切られており、それぞれの収納部には独立に作動されるPZE振動子が設けられている。
【0039】
前以て水及び液体有機物質がそれぞれの収容部に注入された、このプラズマバーナーの作動は、初期作動ボタン(51)を短く押すことで開始される。ボタン(51)を押すことで、移動式陰極部(52)は前方に移動し、陰極先端が陽極ノズル(57)に押し付けられる。即ち、電気回路“陽極=陰極”が短絡する。ボタン(51)を離すことで、陰極部(52)はスプリングの作用で、陰極ノズルから離れ、陰極と陽極ノズル内面との間に、アーク(58)が生じ、また、水及び液体有機物質(59)がプラズマ化され、陰極先端耐熱棒(60)の孔部から噴射される。アーク(58)の熱エネルギーは、水及び液体有機物質を加熱し、水及び液体有機物質は蒸気となる。蒸気は加圧され、陰極ノズルの出口に向かう。アークゾーンを通過して、蒸気はノズル内面からアークを開放し、アークを外に伸ばし、陰極ノズルの外端に連結する。
出口の狭い断面で、蒸気は全面からアークを締め付け、アークを中心に合わせ、出口の側面とアークが連結しないようにする。アークとの相互作用で、蒸気の一部は、4相−プラズマ状態となり、温度は8000Kになる。こうしてプラズマの炎ができる。
【0040】
図3には、本発明のプラズマ発生装置の他の1例が示される。この例の装置において本実施形態のプラズマトーチが、上記米国特許に記載の公知プラズマトーチと異なる点は、次の点である。
(1)作動流体用の容器(6)から湿気吸収材(7)を取り出し、容器内部を仕切部材(25)で仕切って、後端側の内部空間に直接水及び液体有機物質(24)を収容する水収容室を形成した。
(2)追加して設けた仕切壁(26)、(27)で水及び液体有機物質収容室よりトーチ本体(1)側に超音波振動で水及び液体有機物質をミスト化するためのミスト化室を形成し、ここに圧電素子、例えば超音波振動子としての例えばピエゾ素子(28)を配置した。このピエゾ素子(28)には外部電源から電圧を印加するための図示を省略した外部駆動回路やスイッチを接続した。
(3)水及び液体有機物質収容室の水及び液体有機物質をミスト化室に供給するため、両室にまたがるように水伝達用部材としてのフェルト(29)を配置した。このフェルト(29)のミスト化室側の端部は上記ピエゾ素子(28)に接するように位置決めした。
(4)多孔質熱伝導性材(8)を短めにし、後述するように形状を変更した。更に、この形状変更に伴ってリンク(9)の形状も変更した。
(5)多孔質熱導電性材(8)の外周面とトーチ本体(1)の内周面との間の間隙と上記ミスト化室内とを複数本の耐熱性パイプ(30)で接続した。
(6)なお、アノード(2)とカソード(4)は、互いに電圧を逆にしてカソード(2)、アノード(4)として使用してもよい。
【0041】
図4(a)及び(b)において、上記多孔質熱伝導性材(8)は、図3の多孔質熱導電性材に対し、トーチ本体(1)の内周面に対向する部分のみを残しそれより後端側を切断した形状にした。また、外周面に無数の突起(31)を螺旋状に設けた。更にリンク(9)との接触先端部にテーパを設け、このテーパ部に接線方向の溝通路(32)を複数本形成した。そして、リンク(9)の後端面形状を、上記テーパ部に接触するように逆テーパ形状にした。そして、リンク(9)の外周面には複数本(図示の例では8本)の溝通路(10a)を形成した。またリンク(9)のアノート(2)と接触する先端テーパ部に、上記外周面の複数の溝(10a)のうちの一部(図示の例では3本)についてのみ連続させて、通路用の溝通路(10)を形成した。
【0042】
図4(c)において、上記ピエゾ素子としては平板状のピエゾ素子(28)を使用し、その状面に接触するようにフェルト端部を重ねた。このフェルト端には四角の孔(33)を形成した。このような形状に代え図4(d)に示すように複数の丸状の孔(34)を形成してもよい。更には同図(d)に仮想線で示すように上記耐熱性パイプの一端をこの丸状の孔(34)に接続してもよい。
【0043】
以上の構成において、本実施形態のプラズマトーチを使用する場合には、まず、栓(17)を外して作動流体補充孔(18)から容器(6)内の水及び液体有機物質収容室に作動流体としての水及び液体有機物質を入れる。この水及び液体有機物質収容室内の水及び液体有機物質(24)はフェルト(29)を伝ってミスト化室に供給され、ピエゾ素子(28)上面に重なっているフェルト端部に水及び液体有機物質が保持され、フェルト(29)に形成された孔(33)内も水及び液体有機物質で満たされる。その後栓(17)を取り付ける。この状態で外部電源のスイッチを入れてアノード(2)等への電圧印加を開始する。そして、ボタン(16)を押し、カソードホルダ(3)を移動させ、その先端にあるカソード(4)をアノード(2)に接触させる。そして、ボタン(16)の押し込みを止める。押し込みを止めるとスプリング(15)の付勢力でボタン(16)が押し戻され、これに伴ってカソードホルダ(3)も初期位置に戻る。この戻りに伴いカソード(4)がアノード(2)から離れるときに放電室(10)内でアーク放電が開始する。ふた(14)とプラスチックカバー(19)の接触部はネジになっている。このネジを手で廻すことにより、ふた(14)とプラスチックカバー(19)の位置関係を調整できる。これにより、アノード(2)とカソード(4)の距離を調整することができる。従ってアークの最適な長さを得ることができる。
【0044】
ここで、本実施形態では、上記外部電源のスイッチを入れるのに伴い、あるいは、上記ボタン(16)を押すのに伴い、前述のピエゾ素子(28)の駆動回路にも電圧が印加されピエゾ素子(28)が超音波振動を開始する。この超音波振動で、ピエゾ素子上のフェルト端部に保持されている水及び液体有機物質がミスト化される。特に、フェルト端部に形成された孔(33)内に満たされている水及び液体有機物質が効率良くミスト化される。そして、水及び液体有機物質のミストは耐熱性パイプ(30)を介して多孔質熱導電性材(8)の外周面とトーチ本体(1)の内周面との間の間隙に供給される。
【0045】
そして、上記アーク放電で電流が流れて発生した熱は、熱伝導性リンク(9)を介して多孔質熱伝導性材(8)に伝わる。この結果、多孔質熱導電性材(8)の外周面とトーチ本体(1)の内周面との間の間隙に供給されている水及び液体有機物質のミストが蒸気になる。そして、過剰圧力が生じ、この蒸気は、図4(a)中に符号Aで示すように、リンク(9)の外周面の通路(10a)及び先端テーパ部の溝通路(10)を介して放電室(11)に進入する。なお、リンク(9)の外周面の複数の通路(10a)のうち、先端テーパ部の通路(10)に連続していないものに進入した蒸気は逆流する。また、上記過剰圧力で、上記蒸気の一部は、図4(a)中に符号(B)で示すように、多孔質熱導電性材(9)の先端テーパ部の通路(32)を通って直接放電室(11)に進入する。上記逆流した上記の一部もこの通路(32)を通って直接放電室(11)に進入する。それから、放電室(11)に進入した蒸気はプラズマ化され、アノード(2)の中心軸の穴を通して外部に吹き出す。これにより、そのアーク柱を安定させ、同時にアノード(2)やカソード(4)を冷やす。
【0046】
以上の実施形態に係るプラズマトーチによれば、超音波振動子でミスト化した水及び液体有機物質をトーチ本体(1)側に供給するので、トーチ本体側への水及び液体有機物質供給を超音波振動子の駆動制御によりコントロールできる。よつて、例えば連続駆動により安定した水及び液体有機物質の供給が可能である。また、作動開始直後から安定したプラズマジェット流の噴射が可能である。これに対し、前述の図5に示す公知のプラズマトーチでは、環境や使用履歴によって変動する容器(6)内の水及び液体有機物質部分状態等によりトーチ本体(1)側への水及び液体有機物質供給状態や加熱により蒸気発生状態が左右され、特に、作動開始直後はプラズマジェット流が不安定になりがちである。
【0047】
また、本実施形態のプラズマトーチでは、湿気吸収材(7)に吸収させた状態ではなく、水及び液体有機物質収容室内に直接水及び液体有機物質を収容しているので、湿気吸収材(7)を用いない分だけ、水及び液体有機物質収容量を多めに確保できる。よって、プラズマトーチ全体の内容量の小型化あるいは収容水容量の増大が図れる。
【0048】
なお、以上の実施形態に係る液体プラズマ装置は、手に持って扱えるものであるが、本発明は、固定式の液体プラズマ装置にも適用できる。また、上記実施形態に係るプラズマ装置は、プラズマジェット流として噴出するプラズマジェットあるいは非移行性アーク生成タイプのものであるが、本発明は、移行性アークを生成するタイプのものにも適用できる。更に、上記実施形態は、アーク放電を起こすのに、陰極と陽極を接触させて電流を通電し、その後電極を引き離す方法を採用したものであるが、これに代え、電極間に高周波高電圧を印加して電極間の気体を電離する方法、電極間を細いワイヤーで短絡し、電流によってワイヤーが溶断する際のアークを種プラズマとする方法などを採用したものにも、本発明は適用できる。
【0049】
従来の直流放電を用いたプラズマ発生装置では電極が高温になるので、電極が溶融しないように冷却水によって保護する。しかしプラズマに加えたエネルギーは冷却水によって失われ、プラズマに実際に与えられるエネルギーは、加えたエネルギーの30%程度である。しかし、本発明にもとづくプラズマ発生装置は、電極で発生するエネルギーを液体の有機化合物と水の気化に用いるために、プラズマ発生装置に加えるエネルギーの効率が良い。よって水素発生装置全体のエネルギー効率が良いことが大きな特徴である。
【0050】
水プラズマによる水素製造の特徴としては、迅速な製造プロセスの立ち上げが可能であることである。外部に蒸気発生装置や配管の保温装置を必要としないので、水素を必要とするときに迅速に水プラズマを発生して、水素を得ることが可能である。また、もしも何らかの理由により装置を停止する必要が生じた場合には、水プラズマを発生している電源への電力の供給を停止すれば、安全に装置を緊急に停止することが可能である。本発明はこのような特徴によって、水素が必要なときに必要量を迅速に製造することが可能であるので、製造した水素を貯蔵するための貯蔵設備を必要としない。さらに装置全体が小型で軽量であるので、必要に応じて装置を持ち運ぶことが容易である。
【0051】
以上のように、本発明の第(1)項に記載の発明に基づくプラズマ反応法による水素の製造方法は、従来のようにプラズマ中に気体の状態で水蒸気や有機材料をプラズマ中に供する方法ではなく、液体の有機材料と水を原料として、プラズマを発生する電極のエネルギーによってこれらの液体を気化させ、その気体を放電領域に直接導くようにしたことを特徴とする。
【0052】
また、第(2)項に記載の発明では、有機材料の種類に言及し、有機材料がメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類、ギ酸、酢酸等のカルボン酸類、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド等のアルデヒド類、アセトン等のケトン類、アルカン、アルケン、アルキン、及びベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素の群から選ばれたものである前記第(1)項に記載のプラズマ反応法による水素の製造方法である。
【0053】
さらに、第(3)項に記載の発明に基づくプラズマ反応による水素の製造装置は、銅製のノズル状の陽極と、銅製の棒状およびハフニウム合金の先端から成る陰極によって構成される直流プラズマトーチと、これらの電極で発生するエネルギーによって蒸発する液体の有機化合物と水が入れられている容器と、これらの気体を放電部分に導く流路と、反応によって得られた気体の取り出し口と、これらを収容する容器を備えたことを特徴としている。直流電源によって水プラズマを安定に発生するための電圧は100V程度、電流は5A程度である。有機材料が水に可溶の場合には、有機化合物の水溶液を容器に入れて、有機材料と水のいる。有機材料が水に不溶の場合には、有機材料と水をそれぞれ別の容器に混合蒸気を得る。この容器には液体の有機材料水溶液が100cm程度が収容されて入れて、有機化合物と水の混合蒸気を得る。いずれの方法においても、従来の方法では液体を蒸発させるために、プラズマ発生装置と別途気化器が必要であったが、本装置では、プラズマの電極で発生するエネルギーによって有機材料と水を蒸発させるので、プラズマ発生装置以外には特別な気化器を必要としないことが特徴である。
【0054】
さらにまた、第(4)項に記載の発明では、有機材料の種類に言及し、有機材料がメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類、ギ酸、酢酸等のカルボン酸類、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド等のアルデヒド類、アセトン等のケトン類、アルカン、アルケン、アルキン、及びベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素の群から選ばれたものである前記第(3)項に記載のプラズマ反応による水素の製造装置である。
【0055】
高温のプラズマによって有機化合物と水から、水素と一酸化炭素を製造する方法は以下の反応に基づく。以下に反応具体例を示す。
有機化合物としてメタノールを用いる場合には、下記式(1)で示した反応がプラズマ中で起きる。
【0056】
【化1】
CHOH → 2H + CO
ΔH=128 kJ/mol     …(1)
有機化合物としてエタノールを用いる場合には、下記式(2)で示した反応がプラズマ中で起きる。
【0057】
【化2】
OH + HO → 4H + 2CO
ΔH=342 kJ/mol     …(2)
有機化合物としてアセトアルデヒドを用いる場合には、下記式(3)で示した反応がプラズマ中で起きる。
【0058】
【化3】
CHCHO + HO → 3H + 2CO
ΔH=231 kJ/mol     …(3)
有機化合物として酢酸を用いる場合には、下記式(4)で示した反応がプラズマ中で起きる。
【0059】
【化4】
CHCOOH → 2H + 2CO
ΔH=263 kJ/mol     …(4)
有機化合物としてアセトンを用いる場合には、下記式(5)で示した反応がプラズマ中で起きる。
【0060】
【化5】
CHCOCH + 2HO → 5H + 3CO
ΔH=458 kJ/mol     …(5)
有機化合物としてヘキサンを用いる場合には、下記式(6)で示した反応がプラズマ中で起きる。
【0061】
【化6】
14 + 6HO → 13H + 6CO
ΔH=1250 kJ/mol     …(6)
有機化合物としてトルエンを用いる場合には、下記式(7)で示した反応がプラズマ中で起きる。
【0062】
【化7】
CH + 7HO → 11H + 7CO
ΔH=1219 kJ/mol   …(7)
【0063】
高温のプラズマを発生させるための気体は、高温の電極で発生するエネルギーによって、水と有機化合物を気化させることにより発生させる。このようにして気化した気体は、高温のプラズマ中で反応し、水素と一酸化炭素を発生する。これらの反応の起こり易さを図1に示す。図で示した縦軸のギブスの自由エネルギー変化は、この値が負であれば、その反応は自発的に起こることを示している。どの反応も高温では、ギブスの自由エネルギー変化は負に大きな値を示しており、高温のプラズマ中では有機化合物と水が容易に反応することがわかる。よって、請求項2に記載した各種の有機化合物の群から選ばれたものと水を原料として、水素を製造することが可能である。
【0064】
上記の反応によって発生した一酸化炭素をさらに水と反応させて、水素と二酸化炭素を製造する方法は下記式(8)の反応に基づく。
【0065】
【化8】
CO + HO → H + CO
ΔH=2.76 kJ/mol     …(8)
この反応は、プラズマの下流領域において行なう。発生した一酸化炭素を水蒸気と反応させて、水素と二酸化炭素を発生させる。
【0066】
本発明において用いられる前記有機材料は、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類、ギ酸、酢酸等のカルボン酸類、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド等のアルデヒド類、アセトン等のケトン類、n−ヘキサン等のアルカン、1−ヘキセン等のアルケン、1−ヘキシン等のアルキン、及びベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素の群から選ばれたものである。これらは混合して用いることができる。このうち好ましくは、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類、ギ酸、酢酸等のカルボン酸類、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド等のアルデヒド類、アセトン等のケトン類等の含酸素有機材料、及びベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素の群から選ばれたものであり、より好ましくは、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類、ギ酸、酢酸等のカルボン酸類、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド等のアルデヒド類、アセトン等のケトン類等の含酸素有機材料、アルケン類、芳香族炭化水素の群から選ばれたものであり、さらに好ましくは、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類、ギ酸、酢酸等のカルボン酸類、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド等のアルデヒド類、アセトン等のケトン類等の含酸素有機材料である。メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類、ギ酸、酢酸等のカルボン酸類、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド等のアルデヒド類、アセトン等のケトン類は水に可溶なので、これらの有機化合物の水溶液を容器に入れて、有機化合物と水の混合蒸気を得る。この場合には、水溶液中の有機化合物の濃度を調整することによって、反応によって得られる気体の組成を制御することができる。アルカン、アルケン、アルキン、及びベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素は水に不溶の場合なので、有機化合物と水をそれぞれ別の容器に入れて、有機化合物と水の混合蒸気を得る。この場合には、発生した混合蒸気の組成は、原料のそれぞれの蒸気圧に依存するので、反応によって得られる気体の組成を制御することは困難である。
【0067】
有機化合物と水を原料としてプラズマを発生し、プラズマ反応によって効率良く水素を製造するためには、プラズマ中における酸素と炭素の比であるO/Cの値が1.0以上である必要がある。これは、この値が1.0を下回ると、Cが遊離してすすが発生するからである。有機化合物が水溶性に場合、水素を適切に発生させるための原料液体中の有機化合物のモル濃度は以下の通りである。メタノール、ホルムアルデヒド、酢酸の場合は、水溶液中の有機化合物のモル濃度は任意でよい。これはメタノールホルムアルデヒド、酢酸の場合には水がなくても水素を発生することが可能だからである。エタノールの場合は、水溶液中のエタノールのモル濃度は16.9%以下とする。1−プロパノールの場合は、水溶液中の1−プロパノールのモル濃度は59.9%以下とする。2−プロパノールの場合は、水溶液中の2−プロパノールのモル濃度は10.0%以下とする。アセトンの場合は、水溶液中のアセトンのモル濃度は2.9%以下とする。
【0068】
【実施例】
以下、実施例に基づき本発明を具体的に説明するが、本発明は、これら実施例により何ら限定されるものではない。
(実施例1)
図2の装置を用い、原料として水とメタノールを用い、水素製造を行なった。メタノールは水溶性なので、メタノール水溶液をプラズマ発生器内の容器に入れて、水とメタノールの混合蒸気から成るプラズマを発生した。さらにメタノールのみでプラズマを発生し、水素を製造する実験も行なった。ノズル下流のプラズマガスをサンプリングし、ガスクロマトグラフにより気体組成を測定したところ、発生した水素の濃度は、原料中のメタノールの濃度に大きく依存することがわかった。メタノールのみの場合には、発生した気体中の水素の濃度は55%であった。水溶液中のメタノールのモル濃度が50%の場合には、発生した気体中の水素の濃度は46%であった。なお、水溶液中のメタノールのモル濃度が30%の場合には、他の気体についても分析を行なった。その結果、水素は41%、一酸化炭素は25%、二酸化炭素は7%、水は20%であり、他に微量のメタン、アセチレン、エチレン等が生成していた。なお、発生した気体の有する熱量は7.8MJ/Nmであり、燃料用の気体としても、充分に使用が可能であることを確認している。
【0069】
(実施例2)
図3の装置を用い、原料として水とn−ヘキサンを用い、水素製造を行なった。n−ヘキサンは水に不溶なので、水とn−ヘキサンをそれぞれ別の容器に入れて、水とn−ヘキサンの混合蒸気から成るプラズマを発生した。n−ヘキサンのように水に不溶の有機化合物の場合には、発生した混合蒸気の組成は、原料のそれぞれの蒸気圧に依存するので、混合蒸気中のn−ヘキサンの濃度を変えることはできない。ノズル下流のプラズマガスをサンプリングし、ガスクロマトグラフにより気体組成を測定したところ、発生した気体中の水素の濃度は75%であった。
【0070】
【発明の効果】
以上、詳細かつ具体的な説明から明らかなように、本発明により、メタノールなどの有機化合物と水を原料とし、プラズマを発生している電極のエネルギーを利用して、水素を容易に製造することができる。本発明による水素の製造方法の特徴は、プラズマをつくるための気体を収容するガスボンベや蒸気発生装置を別途必要とせず、さらに水蒸気の凝縮を防ぐための配管の保温が不要であることである。さらに水素が必要なときに必要量を迅速に製造することが可能であるので、製造した水素を貯蔵するための貯蔵設備を必要としない。また、何らかの理由により装置を停止する必要が生じた場合には、水プラズマを発生している電源への電力の供給を停止すれば、安全に装置を緊急に停止することが可能である。装置全体が小型で軽量なので、必要に応じて水プラズマ発生装置を持ち運ぶことが可能である。これら液体の有機化合物と水を気化させることによって、安定にプラズマ中に供給する方法および装置を実現することができ、特に液体の有機材料と水を効率良く反応させて、プラズマ反応によってすすやワックス状物質の生成を伴うことなく、効率よく、簡便にかつ迅速に簡便に極所的に高温を得ることのできる高濃度の水素ガスを製造する方法および装置を実現することができる。よって、本発明に基づく水素の製造方法および装置は、燃料電池の原料である水素製造装置や、エネルギーシステムとしての水素製造装置として利用することが可能であり、効率よく安定に水素を製造できるため、本発明の工業的な価値は極めて高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いる有機化合物と水とのプラズマ反応におけるギブスの自由エネルギー変化である。この値が負であれば、その反応は自発的に起こることを示している。
【図2】本発明を実施するための装置の一具体例を示す概略図の断面図である。有機化合物が水溶性の場合に用いる装置である。
【図3】本発明を実施するための装置の他の一具体例を示す概略図の断面図である。有機化合物が水溶性の場合に用いる装置である。
【図4】図3に示される装置の要部の詳細例を示す概略図の断面図である。有機化合物が水に不溶の場合に用いる装置である。
【図5】従来のプラズマ装置の一具体例を示す概略図の断面図である。
【図6】プラズマ装置におけるプラズマ機構を説明する概略断面図である。
【符号の説明】
1  トーチ本体
2  アノード
3  カソードホルダ
4  カソード
5  容器のスリーブ部
6  作動流体用容器
7  湿気吸収材
8  多孔質熱伝導性材
9  リンク
10  通路用溝通路
10a  溝通路
11  放電室
12  電気絶縁性の管
13  熱導電性の管
14  ふた
15  スプリング
16  ボタン
17  栓
18  作動流体補充孔
19  プラスチックカバー
20  ボタンのフランジ部
24  水及び液体有機物質
25  容器内仕切部材
26  水及び液体有機物質収容室
27  水及び液体有機物質収容室
28  ピエゾ素子
29  フェルト
30  耐熱性パイプ
31  無数の螺旋状突起
32  接線方向溝通路
33  孔
34  孔
51  初期作動ボタン
52  移動式陰極部
53  液体
54  陰極先端
55  陽極ノズル
56  プラズマの炎
57  アーク
58  液体の流れ
59  水及び液体有機物質
60  陰極先端耐熱棒

Claims (4)

  1. 陰極と陽極との間に発生させたアークで、液状の水素発生原料を供給して、高温のプラズマを作るプラズマ発生方法であって、該液状の水素発生原料が液状の有機材料と水であり、アークを発生している電極によるエネルギーを利用して、該液体の有機材料と水を気化させ、得られた気体を放電領域の高温部分において反応させ、主に水素と一酸化炭素から成る気体を製造する方法。
  2. 前記有機材料がメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類、ギ酸、酢酸等のカルボン酸類、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド等のアルデヒド類、アセトン等のケトン類、n−ヘキサン等のアルカン、1−ヘキセン等のアルケン、1−ヘキシン等のアルキン、及びベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素の群から選ばれたものであることを特徴とする請求項1に記載の気体を製造する方法。
  3. ノズル状の陽極と、棒状の陰極より成る直流プラズマトーチと、これらの電極で発生するエネルギーによって気化が促進される液体の有機材料と水が入れられている容器と、これら気化した気体を放電部分に導く流路と、得られた気体の取り出し口と、これらを収容する容器を備えたプラズマ反応法による主に水素と一酸化炭素から成る気体の製造装置。
  4. 前記有機材料がメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類、ギ酸、酢酸等のカルボン酸類、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド等のアルデヒド類、アセトン等のケトン類、n−ヘキサン等のアルカン、1−ヘキセン等のアルケン、1−ヘキシン等のアルキン、及びベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素の群から選ばれたものであることを特徴とする請求項3に記載の気体の製造装置。
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