JP2004111095A - 電気光学装置及びその製造方法、並びに電子機器 - Google Patents

電気光学装置及びその製造方法、並びに電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】PEDOT:PSS等の酸性溶液による陽極の溶解性を制御しつつ、発光特性を悪化させることなく発光物質の輝度を維持し、電気光学装置の長寿命化を図ると共に、製造コストを低減した電気光学装置及びその製造方法、並びにそのような電気光学装置を備えた電子機器を提供すること。
【解決手段】対向する電極間23、50に、発光層60と、正孔輸送層70とが形成された電気光学装置において、電極のうち少なくとも一方の電極の、正孔輸送層70を形成する際に用いる酸性溶液に対する溶解性が制御されていることを特徴とする。
【選択図】   図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気光学装置及びその製造方法、並びに電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、有機エレクトロルミネッセンス(以下、有機ELと略記する)表示装置などの電気光学装置においては、基板上に複数の回路素子、陽極、正孔輸送層、EL物質などの電気光学物質で形成される発光層、また、陰極などが積層され、それらを封止基板によって基板との間に挟んで封止した構成を具備しているものがある。具体的には、ガラス基板等の透明基板上に、インジウム錫酸化物(ITO:Indium Tin Oxide)、酸化スズ(SnO)、等の透明導電材料からなる陽極と、ポリチオフェン誘導体(以下、PEDOTと略記する)等のドーピング体からなる正孔輸送層と、Alq3等の発光物質からなる発光層と、Al等の高融点金属材料や金属化合物からなる陰極とを順次積層したものである。
このような電気光学装置においては、陽極側から注入された正孔と、陰極側から注入された電子とが、蛍光能を有する発光層内で再結合し、励起状態から失活する際に発光する現象を利用している。
【0003】
この電気光学装置においては、正孔輸送層となるPEDOTにPSS(ポリスチレンスルフォン酸)をドープしたPEDOT:PSSが採用され、その一種であるバイトロン−p(Bytron−p:バイエル社製)などを好適に用いることが多い。
このPSSは、酸性材料であり、PEDOT:PSSを陽極上に積層形成すると、陽極の一部が溶解し、陽極とPEDOT:PSSは絡み合って密着し、渾然一体となった接合状態となる。
このように陽極とPEDOT:PSSとを密着させた接合状態にすることで、陽極と正孔輸送層との間においては、高い導電性が得られ、十分な電荷移動が行われるので、発光層は良好に発光する。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−45779号公報
【特許文献2】
特開2000−353593号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来の電気光学装置においては、酸性のPEDOT:PSSにより高い導電性が得られる反面、陽極の溶解によって生成した金属イオンが発光層中に拡散してしまい、発光特性の悪化、発光物質の輝度の低下及び電気光学装置の短寿命化を招いてしまうという問題があった。
【0006】
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、その目的は、PEDOT:PSS等を有した酸性溶液による陽極の溶解性を制御しつつ、発光特性を悪化させることなく発光物質の輝度を維持し、電気光学装置の長寿命化を図ると共に、製造コストを低減した電気光学装置及びその製造方法、並びにそのような電気光学装置を備えた電子機器を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明は以下の手段を採用した。
即ち、対向する電極間に、発光層と、正孔輸送層とが形成された電気光学装置において、対向する電極のうち少なくとも一方の電極が、前記正孔輸送層に対する耐溶解性を有することを特徴とするものである。
ここで、対向する電極とは、陽極と陰極とによって構成され、発光層に対して正孔と電子を供給し、また、高い導電性を有した金属酸化物等の金属材料によって形成されたものである。
また、正孔輸送層とは、陽極の正孔を発光層に効率的に供給するものであり、例えば、PEDOT:PSS等によって構成されている。なお、この正孔輸送層は、広義として正孔注入層の機能を含むものとする。
また、正孔輸送層を形成する際に用いる酸性溶液とは、PEDOT:PSS等の正孔輸送層を形成する材料に、蒸発又は揮発可能な溶媒を加えて液状化させたものである。このような酸性溶液は、電極に対して後述のスピンコーティング法によって塗布され、又は後述の材料吐出法によって吐出された後に、乾燥処理が施されることで、溶媒が蒸発し、正孔輸送層が形成される。
従って、本発明によれば、陽極は正孔輸送層を形成する際に用いる酸性溶液に対する溶解性が制御されていることから、所望の耐酸性及び溶解性が得られ、基板上に形成された陽極とこの酸性溶液とが接触した際には、陽極と酸性溶液との界面において浸食反応が生じ、陽極の金属がイオン化し、この金属イオンは酸性溶液中に所定の濃度で一様に拡散する。この状態で基板を乾燥処理することによって、酸性溶液中の溶媒が蒸発し、所定の濃度の金属原子を備えたPEDOT:PSS等からなる正孔輸送層が形成される。このように陽極と正孔輸送層は絡み合って密着し、渾然一体となった接合状態となり、正孔輸送層にとって好適な導電性が得られ、好適に正孔輸送が行われる。
即ち、陽極と正孔輸送層との間においては、高い導電性が得られ、十分な電荷移動が行われるので、発光層は良好に発光し、陽極の溶解に起因する発光特性の悪化が抑制され、発光物質の輝度の維持及び電気光学装置の長寿命化を達成することができる。
【0008】
また、本発明の電気光学装置は、先に記載の電気光学装置であり、電極はUV−オゾン処理又はO2プラズマ処理が施されていることを特徴とするものである。
ここで、UV−オゾン処理とは、O2(酸素)が供給され、かつ、所定の圧力に維持された容器内において、電極を有した基板が所定の温度に加熱され、この基板に対して175nm〜254nmの範囲の波長を有する紫外光を照射することでO2が活性化してオゾンが生成され、これが電極上の有機物等の不純物を除去して洗浄効果が促進されると共に、電極表面の物性を変化させるものである。例えば、電極がITO等の金属酸化物である場合、インジウム、錫及び酸素のストイキオメトリや、ITOの酸性溶液に対する溶解性及び抵抗値等が変化すると考えられている。
また、O2プラズマ処理とは、O2が供給され、かつ、所定の圧力に維持された容器内において、電極が形成された基板が所定の温度に維持され、容器内に設けられた平行平板電極やアンテナ等に印加された高周波電力よってプラズマが生成し、O2が励起分解され、これが電極上の有機物等の不純物を除去して洗浄効果が促進されると共に、電極表面の物性を変化させるものである。
従って、本発明によれば、先に記載の電気光学装置と同様の効果を奏すると共に、陽極の正孔輸送層を形成する際に用いる酸性溶液に対する溶解性がUV−オゾン処理又はO2プラズマ処理によって制御されるので、所望の耐酸性及び溶解性が得られ、好適な電気光学装置を提供することができる。
【0009】
また、本発明の電気光学装置は、先に記載の電気光学装置であり、電極は耐酸性を有していることを特徴とするものである。
従って、本発明によれば、先に記載の電気光学装置と同様の効果を奏すると共に、陽極が耐酸性を有するので、好適な電気光学装置を提供することができる。
【0010】
また、本発明の電気光学装置は、先に記載の電気光学装置であり、正孔輸送層は、ポリチオフェン誘導体にポリスチレンスルフォン酸が添加されたものであることを特徴とするものである。
従って、本発明によれば、先に記載の電気光学装置と同様の効果を奏すると共に、正孔輸送層を形成するドーピング体として、ポリチオフェン誘導体にポリスチレンスルフォン酸が添加されたもの、即ちPEDOT:PSSが用いられるので、好適な電気光学装置を提供することができる。
【0011】
また、更に本発明の電気光学装置の製造方法は、先に記載の電気光学装置の製造方法であり、対向する電極のうち少なくとも一方の電極に、正孔輸送層に対する耐溶解性を高くする処理を施すことを特徴とするものである。
ここで、正孔輸送層に対する耐溶解性を高くする処理とは、例えば、UV−オゾン処理やO2プラズマ処理が挙げられる。
UV−オゾン処理においては、プロセスのパラメータとなる紫外線波長、紫外線ランプの電力量、O2ガス供給量、照射時間、基板温度等を所定の条件に設定し、更に、紫外線を電極に照射することによって、電極の表面の物性を変化させて、正孔輸送層に対する耐溶解性を高くすることができる。
また、O2プラズマ処理においては、プロセスのパラメータとなる容器内圧力、基板温度、高周波電力量、O2ガス供給量、処理時間等を所定の条件に設定し、更に、電極に対してプラズマ処理を施すことによって、電極の表面の物性を変化させて、正孔輸送層に対する耐溶解性を高くすることができる。
従って、本発明によれば、先に記載の電気光学装置と同様の効果を奏すると共に、好適な電気光学装置を提供することができる。
【0012】
また、次に本発明の電気光学装置の製造方法は、先に記載の電気光学装置の製造方法であり、スピンコート法により前記正孔輸送層を形成することを特徴とするものである。
ここで、スピンコート法とは、高速回転可能なスピンナーと呼ばれる支持部に基材を固定し、これを回転させ回転中の基材の中央に液状化された材料の溶液を滴下し、遠心力を利用して基材上に均一な層を一様に形成する方法である。また、この基材を乾燥処理することで材料の溶液に含まれる溶媒又は液体を蒸発させて材料を固着させる工程を含むものとする。
なお、液状化とは、所定の材料を蒸発又は揮発可能な液体中に含ませることによって液体状とすることを意味する。従って、例えば溶媒に材料を溶かして液体状とすること、及び材料を液体中に分散させて液体状とすることを含むものとする。後者の場合、材料は粉体として形成されてもよいし、粉砕されて砕片とされていてもよい。また、材料吐出法によって製造可能であれば、他の形態をとることにより液状化してもよい。
従って、本発明によれば、先に記載の電気光学装置と同様の効果を奏すると共に、液状化された正孔輸送層の材料を上記のスピンコート法によって形成されるので、好適な電気光学装置を提供することができる。
【0013】
また、次に本発明の電気光学装置の製造方法は、先に記載の電気光学装置の製造方法であり、材料吐出法を施すことによって、前記正孔輸送層を形成することを特徴とするものである。
ここで、材料吐出法とは、液状化された材料インクを吐出ヘッドに充填し、吐出ヘッドと基材に対向させ、吐出ヘッドと基材とを相対移動させながら、材料インクを吐出して、所望のパターンを形成するものである。また、この基材を乾燥処理することで材料インクに含まれる溶媒又は液体を蒸発させて材料を固着させる工程や、予め基材にプラズマ処理することで親インク化又は撥インク化を施す工程等は、材料吐出法に関係する工程であることから、このような一連の工程を含むものとする。
従って、本発明によれば、先に記載の電気光学装置と同様の効果を奏すると共に、液状化された正孔輸送層の材料を上記の材料吐出法によって吐出し、パターンが形成されるので、一様な層膜を形成してから部分的に層膜を除去してパターンを形成するという材料及び製造工程の無駄が低減され、製造が容易になり、製造コストを低減することができる。
【0014】
次に、本発明の電子機器は、本発明の電気光学装置を備えたことを特徴とする。
このような電子機器としては、例えば、携帯電話機、移動体情報端末、時計、ワープロ、パソコンなどの情報処理装置などを例示することができる。このように電子機器の表示部に、本発明の表示装置を採用することによって、好適な電子機器を提供することが可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下では、本発明に係る電気光学装置およびその製造方法、並びに電子機器の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、係る実施の形態は、本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。なお、以下に示す各図においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材ごとに縮尺を異ならせてある。
【0016】
〔第1の実施形態〕
本発明の電気光学装置の第1の実施形態として、電気光学物質の一例である電界発光型物質、中でも有機エレクトロルミネッセンス(EL)材料を用いたEL表示装置について説明する。図1は本実施形態に係るEL表示装置の配線構造を示す模式図である。
【0017】
図1に示すEL表示装置(電気光学装置)1は、スイッチング素子として薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor、以下では、TFTと略記する)を用いたアクティブマトリクス方式のEL表示装置である。
【0018】
このEL表示装置1は、図1に示すように、複数の走査線101…と、各走査線101に対して直角に交差する方向に延びる複数の信号線102…と、各信号線102に並列に延びる複数の電源線103…とがそれぞれ配線された構成を有するとともに、走査線101…と信号線102…の各交点付近に、画素領域X…が設けられている。
【0019】
信号線102には、シフトレジスタ、レベルシフタ、ビデオライン及びアナログスイッチを備えるデータ線駆動回路100が接続されている。また、走査線101には、シフトレジスタ及びレベルシフタを備える走査線駆動回路80が接続されている。
【0020】
さらに、画素領域X各々には、走査線101を介して走査信号がゲート電極に供給されるスイッチング用TFT112と、このスイッチング用TFT112を介して信号線102から共有される画素信号を保持する保持容量113と、該保持容量113によって保持された画素信号がゲート電極に供給される駆動用TFT123と、この駆動用TFT123を介して電源線103に電気的に接続したときに当該電源線103から駆動電流が流れ込む画素電極(電極)23と、この画素電極23と陰極(電極)50との間に挟み込まれた機能層110とが設けられている。画素電極23と陰極50と機能層110により、発光素子が構成されている。
【0021】
このEL表示装置1によれば、走査線101が駆動されてスイッチング用TFT112がオン状態になると、そのときの信号線102の電位が保持容量113に保持され、該保持容量113の状態に応じて、駆動用TFT123のオン・オフ状態が決まる。そして、駆動用TFT123のチャネルを介して、電源線103から画素電極23に電流が流れ、さらに機能層110を介して陰極50に電流が流れる。機能層110は、これを流れる電流量に応じて発光する。
【0022】
次に、本実施形態のEL表示装置1の具体的な態様を図2〜5を参照して説明する。図2はEL表示装置1の構成を模式的に示す平面図である。図3は図2のA−B線に沿う断面図、図4は図2のC−D線に沿う断面図である。図5は図3の要部拡大断面図である。
【0023】
図2に示す本実施形態のEL表示装置1は、光透過性と電気絶縁性を備える基板20と、図示略のスイッチング用TFTに接続された画素電極が基板20上にマトリックス状に配置されてなる図示略の画素電極域と、画素電極域の周囲に配置されるとともに各画素電極に接続される電源線103…と、少なくとも画素電極域上に位置する平面視ほぼ矩形の画素部3(図中一点鎖線枠内)とを具備して構成されている。また画素部3は、中央部分の実表示領域4(図中二点鎖線枠内)と、実表示領域4の周囲に配置されたダミー領域5(一点鎖線および二点鎖線の間の領域)とに区画されている。
【0024】
実表示領域4には、それぞれ画素電極を有する表示領域R、G、BがA−B方向およびC−D方向に離間して配置されている。
また、実表示領域4の図中両側には、走査線駆動回路80、80が配置されている。この走査線駆動回路80、80はダミー領域5の下側に位置して設けられている。
【0025】
更に、実表示領域4の図中上側には、検査回路90が配置されている。この検査回路90はダミー領域5の下側に位置して設けられている。この検査回路90は、EL表示装置1の作動状況を検査するための回路であって、例えば検査結果を外部に出力する不図示の検査情報出力手段を備え、製造途中や出荷時の表示装置の品質、欠陥の検査を行うことができるように構成されている。
【0026】
走査線駆動回路80および検査回路90の駆動電圧は、所定の電源部から駆動電圧導通部310(図3参照)および駆動電圧導通部340(図4参照)を介して印加されている。また、これら走査線駆動回路80および検査回路90への駆動制御信号および駆動電圧は、このEL表示装置1の作動制御を司る所定のメインドライバなどから駆動制御信号導通部320(図3参照)および駆動電圧導通部350(図4参照)を介して送信および印加されるようになっている。なお、この場合の駆動制御信号とは、走査線駆動回路80および検査回路90が信号を出力する際の制御に関連するメインドライバなどからの指令信号である。
【0027】
EL表示装置1は、図3及び図4に示すように、基板20と封止基板30とが封止樹脂40を介して貼り合わされている。基板20、封止基板30および封止樹脂40とで囲まれた領域には、乾燥剤45が挿入されるとともに、窒素ガスが充填された窒素ガス充填層46が形成されており、水分及び酸素のEL表示装置1内部への浸入を抑制し、EL表示装置の長寿命化を図った構成となっている。
なお乾燥剤45に代えてゲッター剤を用いてもよい。
【0028】
基板20は、いわゆるトップエミッション型のEL表示装置の場合には、この基板20の対向側である封止基板30側から発光光を取り出す構成であるので、透明基板及び不透明基板のいずれも用いることができる。不透明基板としては、例えば、アルミナ等のセラミック、ステンレススチール等の金属シートに表面酸化などの絶縁処理を施したものの他に、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂などが挙げられる。
また、いわゆるバックエミッション型のEL表示装置の場合には、基板20側から発光光を取り出す構成であるので、基板20は、透明あるいは半透明のものが採用される。例えば、ガラス、石英、樹脂(プラスチック、プラスチックフィルム)等が挙げられ、特に、安価なソーダガラス基板が好適に用いられる。
【0029】
封止基板30は、例えば、電気絶縁性を有する板状部材を採用することができる。また、封止樹脂40は、例えば、熱硬化樹脂あるいは紫外線硬化樹脂からなるものであり、特に熱硬化樹脂の一種であるエポキシ樹脂よりなることが好ましい。
【0030】
また、基板20上には、画素電極23を駆動するための駆動用TFT123などを含む回路部11が形成され、その上に機能層110が設けられている。機能層110は、図5に示すように、画素電極23と、この画素電極23から正孔を注入及び輸送する正孔注入/輸送層(正孔輸送層)70と、電気光学物質の一つである有機EL物質を備える有機EL層(発光層)60と、有機EL層60に対して電子を注入する電子注入層52と、陰極50とが順に形成されている。
【0031】
画素電極23は、ITO等の透明導電膜によって構成され、印加された電圧によって、正孔を有機EL層60に向けて注入するものであり、仕事関数が高く導電性を有している。画素電極23を形成するための材料としては、ITOに限るものではなく、いわゆるトップエミッション型のEL表示装置の場合には、特に光透過性を備えた材料を採用する必要はなく、好適な材料であればよい。また、いわゆるバックエミッション型のEL表示装置の場合には、光透過性を備えた公知の材料を採用することができる。例えば、金属酸化物が挙げられるが、インジウム錫酸化物(ITO)、もしくは、金属酸化物に亜鉛(Zn)を含有した材料、例えば、酸化インジウム・酸化亜鉛系アモルファス透明導電膜(Indium Zinc Oxide:IZO/アイ・ゼット・オー)(登録商標))(出光興産社製)を採用することができる。
また、画素電極23の表面には、UV−オゾン処理又はO2プラズマ処理が施され、正孔注入/輸送層70を形成する際に用いる酸性溶液に対する溶解性が制御され、所望の耐酸性及び溶解性が得られる。
【0032】
正孔注入/輸送層70を形成するための材料としては、例えばポリチオフェン誘導体、ポリピロール誘導体など、または、それらのドーピング体などが採用できる。より具体的には、例えば、PEDOT:PSSの一種であるバイトロン−p(Bytron−p:バイエル社製)などを好適に用いることができる。PEDOT:PSSを用いて正孔注入/輸送層70を形成する際には、蒸発又は揮発可能な溶媒をPEDOT:PSSに加えたph4以下の酸性を示す分散溶液を、スピンコーティング法又はインクジェット法(材料吐出法)によって画素電極23上に塗布又は吐出し、更に乾燥処理を施して溶媒を蒸発させることで、正孔注入/輸送層70が形成される。
【0033】
有機EL層60を形成するための材料としては、蛍光あるいは燐光を発光することが可能な公知の発光材料を用いることができる。具体的には、(ポリ)フルオレン誘導体(PF)、(ポリ)パラフェニレンビニレン誘導体(PPV)、ポリフェニレン誘導体(PP)、ポリパラフェニレン誘導体(PPP)、ポリビニルカルバゾール(PVK)、ポリチオフェン誘導体、ポリメチルフェニルシラン(PMPS)などのポリシラン系などが好適に用いられる。
また、これらの高分子材料に、ペリレン系色素、クマリン系色素、ローダミン系色素などの高分子系材料、例えば、ルブレン、ペリレン、9,10−ジフェニルアントラセン、テトラフェニルブタジエン、ナイルレッド、クマリン6、キナクリドン等の低分子材料をドープして用いることができる。
【0034】
電子注入層52は、有機EL層60に電子を注入する役割を果たすものであり、この形成材料としては、特に限定されることなく、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタン及びその誘導体、ベンゾキノン及びその誘導体、ナフトキノン及びその誘導体、アントラキノン及びその誘導体、テトラシアノアンスラキノジメタン及びその誘導体、フルオレノン誘導体、ジフェニルジシアノエチレン及びその誘導体、ジフェノキノン誘導体、8−ヒドロキシキノリン及びその誘導体の金属錯体等が例示される。具体的には、先の正孔輸送層の形成材料と同様に、特開昭63−70257号、同63−175860号公報、特開平2−135359号、同2−135361号、同2−209988号、同3−37992号、同3−152184号公報に記載されているもの等が例示され、特に2−(4−ビフェニリル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、ベンゾキノン、アントラキノン、トリス(8−キノリノール)アルミニウムが好適とされる。
【0035】
陰極50は、図3〜4に示すように、実表示領域4及びダミー領域5の総面積より広い面積を備え、それぞれを覆うように形成されている。陰極50は、画素電極23の対向電極として、電子を有機EL層60に注入する機能を備え、仕事関数が低い材料から構成される。
陰極50を形成する材料としては、例えばカルシウム金属又はカルシウムを主成分とする合金を有機EL層60側に積層して第1の陰極層とし、その上層にアルミニウム又はアルミニウムを主成分とする合金、もしくは銀又は銀−マグネシウム合金などを積層して第2の陰極層とした積層体を採用することができる。なお、第2の陰極層は第1の陰極層を覆って、酸素や水分などとの化学反応から保護するとともに、陰極50の導電性を高めるために設けられる。したがって、化学的に安定で仕事関数が低く、単層構造でもよく、また金属材料に限るものではない。また、いわゆるトップエミッション型のEL表示装置を形成するための材料としては、透明性を備えた公知の材料として、ITOが好適に採用される。その他の透明性を備えた金属として、金属酸化物に亜鉛(Zn)を含有した材料、例えば、酸化インジウム・酸化亜鉛系アモルファス透明導電膜(Indium Zinc Oxide:IZO/アイ・ゼット・オー)(登録商標))(出光興産社製)等を採用することができる。
【0036】
次に、実表示領域4に設けられた駆動用TFT123の近傍の構成について、図5を参照して説明する。図5は画素領域Xを図2のA−B方向に沿った断面を示している。
図5に示すように、基板20の表面には、SiOを主体とする下地保護層281を下地として、その上層にはシリコン層241が形成されている。このシリコン層241の表面は、SiOおよび/またはSiNを主体とするゲート絶縁層282によって覆われている。なお、本明細書において、「主体」とする成分とは、構成成分のうち最も含有率の高い成分を指すこととする。
【0037】
そして、このシリコン層241のうち、ゲート絶縁層282を挟んでゲート電極242と重なる領域がチャネル領域241aとされている。なお、このゲート電極242は図示略の走査線101の一部である。一方、シリコン層241を覆い、ゲート電極242が形成されたゲート絶縁層282の表面は、SiOを主体とする第1層間絶縁層283によって覆われている。
【0038】
また、シリコン層241のうち、チャネル領域241aのソース側には低濃度ソース領域241bおよび高濃度ソース領域241Sが設けられる一方、チャネル領域241aのドレイン側には低濃度ドレイン領域241cおよび高濃度ドレイン領域241Dが設けられて、いわゆるLDD(Light Doped Drain)構造となっている。これらのうち、高濃度ソース領域241Sは、ゲート絶縁層282と第1層間絶縁層283とにわたって開孔するコンタクトホール243aを介して、ソース電極243に接続されている。このソース電極243は、上述した電源線103(図1参照、図5においてはソース電極243の位置に紙面垂直方向に延在する)の一部として構成される。一方、高濃度ドレイン領域241Dは、ゲート絶縁層282と第1層間絶縁層283とにわたって開孔するコンタクトホール244aを介して、ソース電極243と同一層からなるドレイン電極244に接続されている。
【0039】
ソース電極243およびドレイン電極244が形成された第1層間絶縁層283の上層は、例えばアクリル系の樹脂成分を主体とする第2層間絶縁層284によって覆われている。この第2層間絶縁層284は、アクリル系の絶縁膜以外の材料、例えば、SiN、SiOなどを用いることもできる。そして、ITO(Indium Tin Oxide)からなる画素電極23が、この第2層間絶縁層284の面上に形成されるとともに、当該第2層間絶縁層284に設けられたコンタクトホール23aを介してドレイン電極244に接続されている。すなわち、画素電極23は、ドレイン電極244を介して、シリコン層241の高濃度ドレイン領域241Dに接続されている。
【0040】
なお、走査線駆動回路80および検査回路90に含まれるTFT(駆動回路用TFT)、すなわち、例えばこれらの駆動回路のうち、シフトレジスタに含まれるインバータを構成するNチャネル型又はPチャネル型のTFTは、画素電極23と接続されていない点を除いて上記駆動用TFT123と同様の構造とされている。
【0041】
画素電極23が形成された第2層間絶縁層284の表面は、画素電極23と、例えばSiOなどの親液性材料を主体とする親液性制御層25と、アクリルやポリイミドなどからなる有機バンク層221とによって覆われている。そして、画素電極23には親液性制御層25に設けられた開口部25a、および有機バンク221に設けられた開口部221aの開口内部に、正孔注入/輸送層70と、有機EL層60とが画素電極23側からこの順で積層されている。なお、本実施形態における親液性制御層25の「親液性」とは、少なくとも有機バンク層221を構成するアクリル、ポリイミドなどの材料と比べて親液性が高いことを意味するものとする。
以上に説明した基板20から第2層間絶縁層284までの層は回路部11を構成している。
【0042】
また、本実施形態のEL表示装置1は、カラー表示を行うべく、各有機EL層60が、その発光波長帯域が光の三原色にそれぞれ対応して形成されている。例えば、有機EL層60として、発光波長帯域が赤色に対応した赤色用有機EL層60R、緑色に対応した緑色用有機EL層60G、青色に対応した青色用有機EL層60Bとをそれぞれに対応する表示領域R、G、Bに設け、これら表示領域R、G、Bをもってカラー表示を行う1画素が構成されている。また、各色表示領域の境界には、金属クロムをスパッタリングなどにて成膜した図示略のBM(ブラックマトリクス)が、有機バンク層221と親液性化制御層25との間に位置して形成されている。
【0043】
このように構成されたEL表示装置1においては、画素電極23の表面は、正孔注入/輸送層70を形成する際に用いるPEDOT:PSSの分散溶液に対する溶解性が制御されていることから、画素電極23とこの分散溶液とが接触した際に画素電極23と酸性溶液との界面において浸食反応が生じ、ITOからインジウム及び錫がイオン化し、インジウムイオン及び錫イオンはPEDOT:PSSの分散溶液中に所定の濃度で一様に拡散する。この状態で基板20が乾燥処理されることで、PEDOT:PSSの分散溶液中の溶媒が蒸発して所定の濃度のインジウム及び錫原子を備えたPEDOT:PSS等からなる正孔注入/輸送層70が形成される。このように画素電極23と正孔注入/輸送層70は絡み合って密着し、渾然一体となった接合状態となり、正孔注入/輸送層70にとって好適な導電性が得られ、好適に有機EL層60への正孔注入及び正孔輸送が行われ、有機EL層60にて正孔と電子とが結合して発光光が発生する。
【0044】
次に、本実施形態に係るEL表示装置1の製造方法の一例として、図6〜10を参照して説明する。なお、図6〜10に示す各断面図は、図2中のA−B線の断面図に対応しており、各製造工程順に示している。
【0045】
まず、図6(a)に示すように、基板20の表面に、下地保護層281を形成する。次に、下地保護層281上に、ICVD法、プラズマCVD法などを用いてアモルファスシリコン層501を形成した後、レーザアニール法又は急速加熱法により結晶粒を成長させてポリシリコン層とする。
【0046】
次いで、図6(b)に示すように、ポリシリコン層をフォトリソグラフィ法によりパターニングし、島状のシリコン層241、251および261を形成する。これらのうちシリコン層241は、表示領域内に形成され、画素電極23に接続される駆動用TFT123を構成するものであり、シリコン層251、261は、走査線駆動回路80に含まれるPチャネル型およびNチャネル型のTFT(駆動回路用TFT)をそれぞれ構成するものである。
【0047】
次に、プラズマCVD法、熱酸化法などにより、シリコン層241、251および261、下地保護層281の全面に厚さが約30nm〜200nmのシリコン酸化膜によって、ゲート絶縁層282を形成する。ここで、熱酸化法を利用してゲート絶縁層282を形成する際には、シリコン層241、251および261の結晶化も行い、これらのシリコン層をポリシリコン層とすることができる。
【0048】
また、シリコン層241、251および261にチャネルドープを行う場合には、例えば、このタイミングで約1×1012cm−2のドーズ量でボロンイオンを打ち込む。その結果、シリコン層241、251および261は、不純物濃度(活性化アニール後の不純物にて算出)が約1×1017cm−3の低濃度P型のシリコン層となる。
【0049】
次に、Pチャネル型TFT、Nチャネル型TFTのチャネル層の一部にイオン注入選択マスクを形成し、この状態でリンイオンを約1×1015cm−2のドーズ量でイオン注入する。その結果、パターニング用マスクに対してセルフアライン的に高濃度不純物が導入されて、図6(c)に示すように、シリコン層241及び261中に高濃度ソース領域241Sおよび261S並びに高濃度ドレイン領域241Dおよび261Dが形成される。
【0050】
次に、図6(c)に示すように、ゲート絶縁層282の表面全体に、ドープドシリコンやシリサイド膜、或いはアルミニウム膜やクロム膜、タンタル膜という金属膜からなるゲート電極形成用導電層502を形成する。この導電層502の厚さは概ね500nm程度である。その後、パターニング法により、図6(d)に示すように、Pチャネル型の駆動回路用TFTを形成するゲート電極252、画素用TFTを形成するゲート電極242、Nチャネル型の駆動回路用TFTを形成するゲート電極262を形成する。また、駆動制御信号導通部320(350)、陰極電源配線の第1層121も同時に形成する。なお、この場合、駆動制御信号導通部320(350)はダミー領域5に配設するものとされている。
【0051】
続いて、図6(d)に示すように、ゲート電極242,252および262をマスクとして用い、シリコン層241,251および261に対してリンイオンを約4×1013cm−2のドーズ量でイオン注入する。その結果、ゲート電極242,252および262に対してセルフアライン的に低濃度不純物が導入され、図7(c)および(d)に示すように、シリコン層241および261中に低濃度ソース領域241bおよび261b、並びに低濃度ドレイン領域241cおよび261cが形成される。また、シリコン層251中に低濃度不純物領域251Sおよび251Dが形成される。
【0052】
次に、図7(e)に示すように、Pチャネル型の駆動回路用TFT252以外の部分を覆うイオン注入選択マスク503を形成する。このイオン注入選択マスク503を用いて、シリコン層251に対してボロンイオンを約1.5×1015cm−2のドーズ量でイオン注入する。結果として、Pチャネル型駆動回路用TFTを構成するゲート電極252もマスクとして機能するため、シリコン層252中にセルフアライン的に高濃度不純物がドープされる。従って、低濃度不純物領域251Sおよび251Dはカウンタードープされ、P型チャネル型の駆動回路用TFTのソース領域およびドレイン領域となる。
【0053】
次いで、図7(f)に示すように、基板20の全面にわたって第1層間絶縁層283を形成するとともに、フォトリソグラフィ法を用いて当該第1層間絶縁層283をパターニングすることによって、各TFTのソース電極およびドレイン電極に対応する位置にコンタクトホールCを形成する。
【0054】
次に、図7(g)に示すように、第1層間絶縁層283を覆うように、アルミニウム、クロム、タンタルなどの金属からなる導電層504を形成する。この導電層504の厚さは概ね200nmないし800nm程度である。この後、導電層504のうち、各TFTのソース電極およびドレイン電極が形成されるべき領域240a、駆動電圧導通部310(340)が形成されるべき領域310a、陰極電源配線の第2層が形成されるべき領域122aを覆うようにパターニング用マスク505を形成するとともに、当該導電層504をパターニングして、図8(h)に示すソース電極243、253、263、ドレイン電極244、254、264を形成する。
【0055】
次いで、図8(i)に示すように、これらが形成された第1層間絶縁層283を覆う第2層間絶縁層284を、例えばアクリル系樹脂などの高分子材料によって形成する。この第2層間絶縁層284は、約1〜2μm程度の厚さに形成されることが望ましい。なお、SiN、SiOにより第2層間絶縁膜を形成する事も可能であり、SiNの膜厚としては200nm、SiOの膜厚としては800nmに形成することが望ましい。
【0056】
次いで、図8(j)に示すように、第2層間絶縁層284のうち、駆動用TFTのドレイン電極244に対応する部分をエッチングにより除去してコンタクトホール23aを形成する。
その後、基板20の全面を覆うようにITO等の透明電極材料からなる透明導電膜を形成し、また、透明電極材料に対してUV−オゾン処理が施され、透明電極材料の表面は、正孔注入/輸送層70を形成する際に用いる酸性溶液に対する溶解性が制御される。
ここで、UV−オゾン処理とは、O2が供給され、かつ、所定の圧力に維持された容器内において、電極を有した基板が所定の温度に加熱され、この基板に対して175nm〜254nmの範囲の波長を有する紫外光を照射することでO2が活性化してオゾンが生成され、これが電極上の有機物等の不純物を除去して洗浄効果が促進されると共に、電極表面の物性を変化させるものである。
本実施形態のUV−オゾン処理においては、波長185nm及び254nmの紫外線を発するランプを備えたUV照射装置を用いて、300℃に加熱された基板に対して紫外線を2時間照射し、更に、O2ガス供給量、紫外線ランプの電力量等の条件を調整することによって、画素電極23を形成する際のPEDOT:PSSの分散溶液に対する溶解性が制御され、所望の耐酸性及び溶解性が得られる。
これにより、所望の耐酸性を有する画素電極23の表面を形成することが可能になる。
【0057】
更に、この透明導電膜をフォトレジストによるパターニングを行うことにより、図9(k)に示すように、第2層間絶縁層284のコンタクトホール23aを介してドレイン電極244と導通する画素電極23を形成すると同時に、ダミー領域のダミーパターン26も形成する、なお、図3、4では、これら画素電極23、ダミーパターン26を総称して画素電極23としている。
ダミーパターン26は、第2層間絶縁層284を介して下層のメタル配線へ接続しない構成とされている。すなわち、ダミーパターン26は、島状に配置され、実表示領域に形成されている画素電極23の形状とほぼ同一の形状を有している。もちろん、表示領域に形成されている画素電極23の形状と異なる構造であってもよい。なお、この場合、ダミーパターン26は少なくとも上記駆動電圧導通部310(340)の上方に位置するものも含むものとする。
【0058】
次いで、図9(l)に示すように、画素電極23、ダミーパターン26上、および第2層間絶縁膜上に絶縁層である親液性制御層25を形成する。なお、画素電極23においては一部が開口する態様にて親液性制御層25を形成し、開口部25a(図3も参照)において画素電極23からの正孔移動が可能とされている。逆に、開口部25aを設けないダミーパターン26においては、絶縁層(親液性制御層)25が正孔移動遮蔽層となって正孔移動が生じないものとされている。
【0059】
次いで、図9(l)に示すように、親液性制御層25において、異なる2つの画素電極23の間に位置して形成された凹状部にBMを形成する。具体的には、親液性制御層25の上記凹状部に対して、金属クロムを用いスパッタリング法にて成膜する。
【0060】
次いで、図9(m)に示すように、親液性制御層25の所定位置、詳しくは上記BMを覆うように有機バンク層221を形成する。具体的な有機バンク層の形成方法としては、例えばアクリル樹脂、ポリイミド樹脂などのレジストを溶媒に溶かしたものを、スピンコート法、ディップコート法などの各種塗布法により塗布して有機質層を形成する。なお、有機質層の構成材料は、後述するインクの溶媒に溶解せず、しかもエッチングなどによってパターニングし易いものであればどのようなものでもよい。
【0061】
次いで、有機質層をフォトリソグラフィ技術などにより同時にエッチングして、有機質物のバンク開口部221aを形成し、開口部221aに壁面を備えた有機バンク層221を形成する。なお、この場合、有機バンク層221は少なくとも上記駆動制御信号導通部320の上方に位置するものを含むものとされる。
【0062】
次いで、有機バンク層221の表面に、親液性を示す領域と、撥液性を示す領域とを形成する。本実施形態においてはプラズマ処理工程により、各領域を形成するものとしている。具体的には、該プラズマ処理工程は、予備加熱工程と、有機バンク層221の上面および開口部221aの壁面ならびに画素電極23の電極面23c、親液性制御層25の上面を親液性にする親インク化工程と、有機バンク層の上面および開口部の壁面を撥液性にする撥インク化工程と、冷却工程とを具備している。
【0063】
すなわち、基材(バンクなどを含む基板20)を所定温度、例えば70〜80℃程度に加熱し、次いで親インク化工程として大気雰囲気中で酸素を反応ガスとするプラズマ処理(Oプラズマ処理)を行う。次いで、撥インク化工程として大気雰囲気中で4フッ化メタンを反応ガスとするプラズマ処理(CFプラズマ処理)を行い、その後、プラズマ処理のために加熱された基材を室温まで冷却することで、親液性および撥液性が所定箇所に付与されることとなる。
【0064】
なお、このCFプラズマ処理においては、画素電極23の電極面23cおよび親液性制御層25についても多少の影響を受けるが、画素電極23の材料であるITOおよび親液性制御層25の構成材料であるSiO、TiOなどはフッ素に対する親和性に乏しいため、親インク化工程で付与された水酸基がフッ素基で置換されることがなく、親液性が保たれる。
【0065】
次いで、図10(n)に示す正孔注入/輸送層70を形成するべく正孔注入/輸送層形成工程が行われる。正孔注入/輸送層形成工程では、インクジェット法により、正孔注入/輸送層材料を含む材料インクを電極面23c上に吐出した後に、乾燥処理を行い、電極23上に正孔注入/輸送層70を形成する。なお、この正孔注入/輸送層形成工程以降は、正孔注入/輸送層70および有機EL層60の酸化を防止すべく、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気などの不活性ガス雰囲気で行うことが好ましい。
このようなインクジェット法によれば、吐出ヘッド(図示略)に正孔注入/輸送層70の材料となるPEDOT:PSS等を含む材料インクを充填し、吐出ヘッドの吐出ノズルを親液性制御層25に形成された上記開口部25a内に位置する電極面23cに対向させ、吐出ヘッドと基材(基板20)とを相対移動させながら、吐出ノズルから1滴当たりの液量が制御された液滴を電極面23cに吐出する。次に、吐出後の液滴を乾燥処理して材料インクに含まれる極性溶媒を蒸発させることにより、正孔注入/輸送層70が形成される。
材料インクとしては、例えば、PEDOT:PSSをイソプロピルアルコールなどの極性溶媒に溶解させたものを用いることができる。ここで、吐出された液滴は、親インク処理された電極面23c上に広がり、親液性制御層25の開口部25a内に満たされる。その一方で、撥インク処理された有機バンク層221の上面では、液滴がはじかれて付着しない。従って、液滴が所定の吐出位置からはずれて有機バンク層221の上面に吐出されたとしても、該上面が液滴で濡れることがなく、弾かれた液滴が親液性制御層25の開口部25a内に転がり込む。
【0066】
次いで、図10(n)に示すように、有機EL層60を形成すべく発光層形成工程が行われる。発光層形成工程では、上記と同様のインクジェット法により、発光層用材料を含む材料インクを正孔注入/輸送層70上に吐出した後に乾燥処理および熱処理して、有機バンク層221に形成された開口部221a内に有機EL層60を形成する。
【0067】
発光層形成工程では、正孔注入/輸送層70の再溶解を防止するために、発光層形成の際に用いる材料インクの溶媒として、正孔注入/輸送層70に対して不溶な無極性溶媒を用いる。
この発光層形成工程としては、例えば吐出ヘッド(図示略)に、青色(B)発光層の材料を含有する材料インクを充填し、吐出ヘッドの吐出ノズルを絶縁層(親液性制御層)25の開口部25a内に位置する正孔注入/輸送層70に対向させ、吐出ヘッドと基材とを相対移動させながら、吐出ノズルから1滴当たりの液量が制御された液滴として吐出し、この液滴を正孔注入/輸送層70上に吐出する。
【0068】
吐出された液滴は、正孔注入/輸送層70上に広がって親液性制御層25の開口部25a内に満たされる。その一方で、撥インク処理された有機バンク層221上面では、液滴が弾かれて付着しない。これにより、液滴が所定の吐出位置からはずれて有機バンク層221上面に吐出されたとしても、該上面が液滴で濡れることがなく、液滴が上記親液性制御層25の開口部25a内に転がり込み、さらに有機バンク層221の開口部221a内に吐出・充填される。次いで、吐出後の液滴を乾燥処理することにより材料インクに含まれる無極性溶媒を蒸発させ、有機EL層60が形成される。なお、各色の有機EL層60は、それぞれ各色表示領域R、G、Bに対応して液滴が滴下される。
【0069】
ここで、正孔注入/輸送層70、有機EL層60をそれぞれインクジェットプロセスにより形成するが、この際、吐出ヘッドは発光ドット間のピッチにより傾き方向を制御している。
【0070】
次いで、図10(n)に示すように、有機EL層60上に電子注入層52を形成すべく電子注入層形成工程が行われ、この工程においては蒸着法が用いられる。
ここで、蒸着法とは、所定の温度及び圧力に保たれた真空容器内で金属を蒸発させ、金属分子を所望の基板に堆積させて薄膜を形成する方法であり、高品質の薄膜を形成するだけでなく、ナノメートルオーダーの薄膜を容易に形成する方法である。この蒸着法により、電子注入層52は所定の膜厚に形成される。
【0071】
続いて、図10(o)に示すように、陰極50を形成すべく陰極層形成工程が行われる。陰極50の材料としては、いわゆるバックエミッション型EL表示装置の場合には、Alが好適に採用され、Al以外に例えば、Ag、Mg−Ag合金などの陰極材料を用いることができ、また、いわゆるトップエミッション型EL表示装置の場合には、ITO等の透明性を有する材料が好適に用いることができる。また、陰極50はスパッタリング法によって形成される。
【0072】
最後に、図10(o)に示すように、封止基板30を形成すべく封止工程を行う。この封止工程では、封止基板30の内側に乾燥剤45を挿入しつつ、封止基板30と基板20とを接着剤40にて封止する。なお、この封止工程は、窒素、アルゴン、ヘリウムなどの不活性ガス雰囲気中で行うことが好ましい。
【0073】
本実施形態のEL表示装置1によれば、画素電極23の表面は、正孔注入/輸送層70を形成する際に用いるPEDOT:PSSの分散溶液に対する溶解性が制御され、所望の耐酸性及び溶解性が得られているので、発光層は良好に発光し、陽極の溶解に起因する発光特性の悪化が抑制され、発光物質の輝度の維持及び電気光学装置の長寿命化を達成することができるという利点がある。
また、この分散溶液に対する溶解性がUV−オゾン処理の諸条件を設定することによって制御されるので、好適な電気光学装置を提供することができるという利点がある。
また、透明電極を用いることによってバックエミッション型EL表示装置、又はトップエミッション型EL表示装置を提供することができるという利点がある。
また、正孔注入/輸送層70は、インクジェット法を用いて、PEDOT:PSSにより形成されるので、好適な電気光学装置を提供することができると共に、材料及び製造工程の無駄が低減され、製造が容易になり、製造コストを低減することができるという利点がある。
【0074】
次に本実施形態の変形例を説明する。
本変形例では、以上に説明したEL表示装置1の製造方法において、正孔注入/輸送層70をスピンコート法によって形成したものであり、それ以外は上記に説明した製造方法と同様である。
【0075】
このスピンコート法とは、高速回転可能なスピンナーと呼ばれる支持部に基材を固定し、これを回転させ回転中の基材の中央に液状化された材料の溶液を滴下し、遠心力を利用して基材上に均一な層を一様に形成する方法である。また、この基材を乾燥処理することで材料の溶液に含まれる溶媒又は液体を蒸発させて材料を固着させる工程を含むものとする。
【0076】
このスピンコート法を用いて、基板20をスピナーに固定し、回転させ、基板20の中央に正孔注入/輸送層70を形成する際に用いるPEDOT:PSSの分散溶液を滴下し、滴下した分散溶液は遠心力によって画素電極23の上に一様に形成され、乾燥処理を施すことで、正孔注入/輸送層70を形成することができるという利点がある。
このようにスピンコート法を用いることによって、上記と同様の効果を奏する電気光学装置を提供することができるという利点がある。
【0077】
〔第2の実施形態〕
次に本発明の電気光学装置の第2の実施形態としてのEL表示装置1について説明する。本実施形態は第1の実施形態で説明したUV−オゾン処理に代わってO2プラズマ処理を施すものであり、その他は同一の構成を備え、同一の製造方法を行うものである。以下では共通部分の説明は同一の符号を付して省略する。
【0078】
ここで、O2プラズマ処理とは、O2が供給され、かつ、所定の圧力に維持された容器内において、電極が形成された基板が所定の温度に維持され、容器内に設けられた平行平板電極やアンテナ等に印加された高周波電力よってプラズマが生成し、O2が励起分解され、これが電極上の有機物等の不純物を除去して洗浄効果が促進されると共に、電極表面の物性を変化させるものである。
【0079】
このようなO2プラズマ処理においては、容器内圧力、基板温度、高周波電力量、O2ガス供給量、処理時間等を所定の条件に設定することによって、画素電極23のPEDOT:PSSの分散溶液に対する溶解性が制御される。これにより、所望の耐酸性及び溶解性を有する画素電極23の表面を形成することが可能になり、上記と同様の効果を奏する電気光学装置を提供することができるという利点がある。
【0080】
〔第3の実施形態〕
次に本発明の電気光学装置の第3の実施形態としてのEL表示装置1について説明する。第1の実施形態で説明したUV−オゾン処理は、基板20の全面を覆うように透明導電膜を形成した後に施すものであるが、本実施形態のUV−オゾン処理は、有機バンク層221を形成した後に施すものであり、その他は同一の構成を備え、同一の製造方法を行うものである。以下では共通部分の説明は同一の符号を付して省略する。
【0081】
本実施形態において、図9(m)に示すように有機バンク層221を形成した後に、上記UV−オゾン処理を行い、画素電極23のPEDOT:PSSの分散溶液に対する溶解性が制御され、所望の耐酸性を有する画素電極23の表面を形成することができると共に、O2プラズマ処理が有機バンク221に与えるダメージが抑制することが可能になる。また、上記と同様の効果を奏する電気光学装置を提供することができるという利点がある。
【0082】
〔第4の実施形態〕
次に本発明の電気光学装置の第4の実施形態としてのEL表示装置1について説明する。第1の実施形態で説明したUV−オゾン処理は、基板20の全面を覆うように透明導電膜を形成した後に施すものであるが、本実施形態のUV−オゾン処理は、画素電極23をパターニングによって形成した後に施すものであり、その他は同一の構成を備え、同一の製造方法を行うものである。以下では共通部分の説明は同一の符号を付して省略する。
【0083】
本実施形態において、図9(k)に示すように画素電極23を形成した後に、上記UV−オゾン処理を行い、画素電極23のPEDOT:PSSの分散溶液に対する溶解性が制御され、所望の耐酸性を有する画素電極23の表面を形成することができると共に、上記と同様の効果を奏する電気光学装置を提供することができるという利点がある。
また、第1の実施形態で説明したような電極23のパターニングの前にUV−オゾン処理を施す場合と比較して、UV−オゾン処理が施された透明導電膜をエッチングする必要がなく、良好、かつ、所望のパターニングを施すことができるという利点がある。
【0084】
〔第5の実施形態〕
以下、第1の実施形態のEL表示装置を備えた電子機器の具体例について図11に基づき説明する。
図11(a)は、携帯電話の一例を示した斜視図である。図11(a)において、符号1000は携帯電話本体を示し、符号1001は前記のEL表示装置を用いた表示部を示している。
図11(b)は、腕時計型電子機器の一例を示した斜視図である。図11(b)において、符号1100は時計本体を示し、符号1101は前記のEL表示装置を用いた表示部を示している。
図11(c)は、ワープロ、パソコンなどの携帯型情報処理装置の一例を示した斜視図である。図11(c)において、符号1200は情報処理装置、符号1201はキーボードなどの入力部、符号1202は前記のEL表示装置を用いた表示部、符号1203は情報処理装置本体を示している。
【0085】
図11(a)〜(c)に示すそれぞれの電子機器は、前記の第1の実施形態のEL表示装置を用いた表示部を備えたものであり、先の第1の実施形態のEL表示装置の特徴を有するので、好適な電子機器となる。
これらの電子機器を製造するには、第1、2または3の実施形態のEL表示装置1を、携帯電話、携帯型情報処理装置、腕時計型電子機器などの各種電子機器の表示部に組み込むことにより製造される。
【0086】
【実施例】
次に、実施例及び比較例により本発明を具体的に示す。
図12(a)及び(b)は、正孔注入/輸送層70を形成する際に用いるPEDOT:PSSの分散溶液に対して、画素電極23となるITOの溶解量(Å/2hr)を処理温度毎に示した実験結果であり、UV処理装置によってオゾンを供給した場合と、空気を供給した場合について比較したものである。
なお、共通のUV処理条件としてPEDOT:PSS分散溶液の液温は50℃に設定している。
ここで、図12(a)は画素電極23に対してUV照射を施していない場合の実験結果であり、また、図12(b)は、20分間のUV照射を施した場合の実験結果である。
【0087】
図12(a)の実験結果から、処理温度を100℃、200℃、300℃に設定してオゾン供給した場合のITO膜厚溶解量は、それぞれ、約40Å/2hr、約30Å/2hr、約26Å/2hrとなった。また、同様の設定温度で空気を供給した場合のITO膜厚溶解量は、それぞれ、約46Å/2hr、約44Å/2hr、約40Å/2hrとなった。
従って、UV照射を施さずに処理温度を上昇させることによってITO膜厚溶解量を低減させることができ、また、空気よりもオゾンを供給することによってITO膜厚溶解量を低減できることが明らかである。
【0088】
また、図12(b)の実験結果から、処理温度を100℃、200℃、300℃に設定してオゾン供給した場合のITO膜厚溶解量は、それぞれ、約47Å/2hr、約29Å/2hr、約29Å/2hrとなった。また、同様の設定温度で吸気を供給した場合のITO膜厚溶解量は、それぞれ、約41Å/2hr、約34Å/2hr、約31Å/2hrとなった。
従って、UV照射を施してオゾンを供給した場合では、処理温度を上昇させることによってITO膜厚溶解量を低減させることができるが、処理温度200℃以上では、ITO膜厚溶解量を更に低減させることができないことが明らかである。
また、UV照射を施して空気を供給した場合では、処理温度を上昇させることによってITO膜厚溶解量を低減させることができると共に、処理温度300℃以上では、オゾンを供給した場合のITO膜厚溶解量と同程度にすることができることが明らかである。
【0089】
図12(c)は、正孔注入/輸送層70を形成する際に用いるPEDOT:PSSの分散溶液に対して、画素電極23となるITOの溶解量(Å/2hr)をUV照射時間毎に示した実験結果である。また、共通の処理条件としてPEDOT:PSS分散溶液の液温は50℃、処理温度300℃に設定され、オゾンを供給している。
図12(c)の実験結果から、UV照射時間を20分、40分、60分、120分のITO膜厚溶解量は、それぞれ、約29.1Å/2hr、約28.5Å/2hr、約27.0Å/2hr、約25.2Å/2hrとなった。
従って、長時間のUV照射を施すことで、ITOの溶解量を低減できることが明らかである。
【0090】
図13は、本発明のEL表示装置の寿命評価実験を行った実験結果であり、発光時間(経過時間)に対するEL表示装置の輝度(cd/m)示したものである。画素電極23に対して、(1)UV−オゾン処理のみを施した場合、(2)UV−オゾン処理とO2プラズマ処理を施した場合、(3)O2プラズマ処理のみを施した場合について比較したものである。
なお、UV−オゾン処理の処理条件は、酸素流量1L/min、処理温度300℃、処理時間2時間とした。
【0091】
図13の結果から、O2プラズマ処理のみを施したEL表示装置の輝度が低下しやすく、また、UV−オゾン処理のみを施した場合及びUV−オゾン処理とO2プラズマ処理のみを施した場合では、輝度の低下が同程度であることが明らかである。
【0092】
また、表1は図13で挙げた(1)〜(3)についての輝度(cd/m)、効率(lm/W)、半減寿命を比較したものである。
【0093】
【表1】
Figure 2004111095
【0094】
従って、(1)UV−オゾン処理のみを施した場合及び(2)UV−オゾン処理とO2プラズマ処理を施した場合では、輝度は0.81(cd/m)、効率は、1.1(lm/W)、半減寿命は1.43であった。これに対して、(3)O2プラズマ処理のみを施した場合では、輝度は1(cd/m)、効率は、1(lm/W)、半減寿命は1であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態のEL表示装置の配線構造を示す模式図。
【図2】第1の実施形態のEL表示装置の構成を示す平面図。
【図3】図2のA−B線に沿う断面図。
【図4】図2のC−D線に沿う断面図。
【図5】図3の要部拡大断面図。
【図6】第1の実施形態のEL表示装置の製造方法の工程図。
【図7】第1の実施形態のEL表示装置の製造方法の工程図。
【図8】第1の実施形態のEL表示装置の製造方法の工程図。
【図9】第1の実施形態のEL表示装置の製造方法の工程図。
【図10】第1の実施形態のEL表示装置の製造方法の工程図。
【図11】第5の実施形態の電子装置を示す斜視図。
【図12】実施例で示した実験結果。
【図13】実施例で示した実験結果。
【符号の説明】
1 EL表示装置(電気光学装置)、23 画素電極(電極)、50 陰極(電極)、52 正孔注入/輸送層70(正孔輸送層)、60 有機EL層(発光層)、1000、1100、1200 電子機器

Claims (8)

  1. 対向する電極間に、発光層と、正孔輸送層とが形成された電気光学装置において、
    前記電極のうち少なくとも一方の電極が、前記正孔輸送層に対する耐溶解性を有することを特徴とする電気光学装置。
  2. 請求項1記載の電気光学装置において、
    前記電極は、UV−オゾン処理又はO2プラズマ処理が施されていることを特徴とする電気光学装置。
  3. 請求項1又は請求項2記載の電気光学装置において、
    前記電極は、耐酸性を有していることを特徴とする電気光学装置。
  4. 請求項1から請求項3うちいずれかに記載の電気光学装置において、
    前記正孔輸送層は、ポリチオフェン誘導体にポリスチレンスルフォン酸が添加されたものであることを特徴とする電気光学装置。
  5. 対向する電極間に、発光層と、正孔輸送層とが形成された電気光学装置の製造方法において、
    前記電極のうち少なくとも一方の電極に、前記正孔輸送層に対する耐溶解性を高くする処理を施すことを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  6. 請求項5に記載の電気光学装置の製造方法において、
    スピンコート法により前記正孔輸送層を形成することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  7. 請求項5に記載の電気光学装置の製造方法において、
    材料吐出法を施すことによって、前記正孔輸送層を形成することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  8. 請求項1から請求項4のうちいずれかに記載の電気光学装置を備えたことを特徴とする電子機器。
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