JP2004110388A - タッチパネルを有する装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】入力誤りが生じにくく、かつ、操作性に優れたタッチパネルを有する装置を提供する。
【解決手段】本体101を駆動する可変周波数バイブレータ204と、タッチパネル部104への弱押圧操作の有無と弱押圧検出座標値を検出する検出パネル201と、弱押圧操作と区別して強押圧操作の有無を検出する感圧センサ203と、第1,第2の制御手段を含む制御部207とを備える。上記検出パネル201により検出された弱押圧検出座標値に応じて、第1の制御手段によって、可変周波数バイブレータ204に第1の機械的駆動(駆動状態A,B)を行わせる。また、感圧センサ203による強押圧操作の有無の検出に応じて、第2の制御手段によって、可変周波数バイブレータ204に第2の機械的駆動(駆動状態B)を行わせる。
【選択図】 図2
【解決手段】本体101を駆動する可変周波数バイブレータ204と、タッチパネル部104への弱押圧操作の有無と弱押圧検出座標値を検出する検出パネル201と、弱押圧操作と区別して強押圧操作の有無を検出する感圧センサ203と、第1,第2の制御手段を含む制御部207とを備える。上記検出パネル201により検出された弱押圧検出座標値に応じて、第1の制御手段によって、可変周波数バイブレータ204に第1の機械的駆動(駆動状態A,B)を行わせる。また、感圧センサ203による強押圧操作の有無の検出に応じて、第2の制御手段によって、可変周波数バイブレータ204に第2の機械的駆動(駆動状態B)を行わせる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、タッチパネルを有する装置に関し、特に、タッチパネルの操作により機械的に駆動する駆動機構によって、操作者に操作位置に関する情報を通知して、操作性を向上できるタッチパネルを有する装置並びにタッチパネルを入力装置とする携帯端末および携帯電話端末に関する。
【0002】
【従来の技術】
通常のタッチパネルでは、例えばスイッチとして、視覚的に表示された図形の領域(以降、単に表示領域と呼ぶ)に対して、操作者は視覚のみによって、入力操作を受け付ける領域(以降、有効入力領域と呼ぶ)の位置を判断して入力を行う。そして、入力されたことを音や表示の変化で知らせるものが普通である。
【0003】
そのため、タッチパネルは、入力の誤りを少なくするために、スイッチとして、上記表示領域に一致させた有効入力領域を設定し、それらの領域を十分大きな面積とし、更に、隣接するスイッチとの間に十分な距離の間隔を必要とする。
【0004】
従来のタッチパネルを有する装置では、平面的なタッチパネルにおいての操作者の操作時の感触を向上させるため、更に、振動や衝撃の機械的駆動を行う機構を有している(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
図10は上記タッチパネルを有する装置の概略構成を示している。
【0006】
図10に示すように、タッチパネルを有する装置は、タッチパネル1001の所定座標に設定されたスイッチに触れたか押したとき、タッチパネルの座標信号1005を検出し、制御装置1004がバイブレータ1002を駆動する信号1006を発する。それによって、操作者はバイブレータ1002の振動を感じる。また、特定の時間内にタッチパネルを2回以上触れたか押したとき、電磁ハンマー1003を駆動する制御信号1007を発する、それによって、操作者は、電磁ハンマー1003の衝撃を感じる。
【0007】
ここで、特定の時間内に2回以上触れたか押したときとは、コンピュータ装置のマウス等で用いられるダブルクリック操作に相当し、その座標での入力を行う行為である。つまり、上記タッチパネルを有する装置においては、操作者がタッチパネル上のスイッチに触れたか押したときにスイッチ部分に触れている場合、振動等でスイッチの場所であることを知覚させる。そして、ダブルクリック操作で入力を行わせ、入力が受け付けられたことを、また異なる衝撃で操作者に知覚させることを可能にしている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記タッチパネルを有する装置では、通常のタッチパネルを使用しているために、触れたか押したときと、入力の操作を区別するため、特定の時間内に2回以上触れたか押した操作を入力操作とせざるを得ない構成となっている。そのため、指をタッチパネル面から離さざるを得ず、操作位置に誤差が生じ、入力の誤りを生じる原因となってしまっていた。
【0009】
そのため、従来のタッチパネルと同様に、入力の誤りを少なくするために、十分大きな面積の有効入力領域、及び、隣接する有効入力領域との間に十分な距離の間隔を必要としていた。
【0010】
また、通常の機械的なスイッチに比べて、入力の動作が複雑になり操作スピードがどうしても低下してしまう欠点を有していた。
【0011】
一方、現在の携帯端末や特に携帯電話端末では、小型化と高機能化が進み、非常に小さい入力スイッチが、きわめて近接して配置された構成で、操作者は電子メール等の入力を非常に高速に行っている。この際、入力スイッチよりも操作している指の大きさが大きいことがしばしばあるが、それが当たり前のように操作が行われている。
【0012】
また、小さな装置の限られた入力ボタンで日本語入力を行うために1文字入力するのにも多くの入力操作を行っている。例えば、「こ」を入力するために、「か行」のボタンを5回押すように操作をしている。
【0013】
そこで、本発明の課題は、入力誤りが生じにくく、かつ、操作性に優れたタッチパネルを有する装置を提供することである。
【0014】
また、特に、小型の携帯端末の場合でも、タッチパネル上のスイッチを小さく、あるいは、間隔を狭く設定することが可能なタッチパネルを有する装置を提供することである。
【0015】
また、特に、入力操作を高速に行うことに適したタッチパネルを有する装置を提供することである。
【0016】
【特許文献1】
特開平8−221173号公報
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、本体またはタッチパネルの少なくとも一方を機械的に駆動する駆動手段を有し、上記タッチパネルの弱押圧操作の有無と弱押圧検出座標値を弱押圧検出手段によって検出する。また、上記タッチパネルの上記弱押圧と区別して、強押圧操作の有無を強押圧検出手段によって検出する。そして、上記弱押圧検出手段により検出された弱押圧検出座標値に応じて、第1の制御手段によって、上記駆動手段を制御し、第1の機械的駆動を行わせる。また、上記強押圧検出手段の強押圧操作の有無の検出に応じて、第2の制御手段によって、上記駆動手段を制御し、上記第1の機械的駆動とは異なる第2の機械的駆動を行わせる。つまり、操作者のタッチパネル表面への操作圧力、あるいは、押し込み距離の差によって、上記弱押圧操作に対して上記強押圧操作を区別して検出する。そして、上記弱押圧検出手段による弱押圧検出座標値に応じて第1の機械的駆動を行うように、第1の制御手段で上記駆動手段の制御を行う。また、上記強押圧検出手段の検出結果(強押圧操作の有無)に応じて、第1の機械的駆動とは異なる第2の機械的駆動を行うように、第2の制御手段で上記駆動手段の制御を行う。
【0018】
操作者は、例えば機械的な入力スイッチの操作を行う場合、上記入力スイッチ(あるいは操作面)を軽くなぞる操作、すなわち、弱押圧操作を行うことで、上記入力スイッチの位置やスイッチの領域を触覚で知覚し、続いて、上記入力スイッチを押し込む操作、すなわち強押圧操作を行うことで、入力を行おうとする。同じようにタッチパネルにおいても、操作者は、上記タッチパネルを軽くなぞる弱押圧操作を行うことで、入力スイッチの位置と領域を知覚しようとする。
【0019】
上記構成のタッチパネルを有する装置によれば、操作者は、タッチパネル上でのスイッチの位置を確かめるための軽く触る動作の弱押圧操作と、現在の場所で入力を行う旨の押し込む動作の強押圧操作を、タッチパネルから手を放すことなく、速やかに連続して行うことができる。そのとき、操作者が自分の操作を正しく装置が検出していることを機械的駆動の違いにより知覚できる。
【0020】
また、操作者は、上記第1の機械的駆動と上記第2の機械的駆動によって、なぞっている位置に関する情報、及び、弱押圧操作を行っているのか、強押圧操作を行っているのかの情報を知覚することができ、操作時のタッチパネル面への操作位置、及び、操作圧力、あるいは、押し込み距離の加減の学習が自然とできる。つまり、目視による知覚から後の入力までの操作が、弱押圧操作から強押圧操作まで連続した触覚として途切れることなく知覚されるので、上記の加減の学習が自然とできるのである。
【0021】
そのため、入力誤りを犯すことが少ない、操作性の優れたタッチパネルを有する装置を提供することができる。また、操作者の自然な学習により、操作が高速になるタッチパネルを有する装置を提供することができる。
【0022】
また、上記の効果によって、特にタッチパネル上のスイッチを小さく、あるいは、間隔を狭く設定することが可能なタッチパネルを有する装置を提供することができる。
【0023】
これに対して、従来技術で示したタッチパネルが入力をダブルクリックのようなタッチパネルから一度手を離してしまう構成では、操作者にとって触覚による知覚がそこで一度途切れてしまい、連続した感覚が得られず、上記の操作者の自然な学習につながりにくくなる面で大きく異なる。
【0024】
上記駆動手段の異なる機械的駆動とは、機械的駆動の有無、機械的駆動の種類、機械的駆動の方向、機械的駆動の強さ、機械的駆動の周波数、機械的駆動のパターン、あるいは更にそれらの組み合わせ方のいずれかが異る機械的駆動を意味する。
【0025】
また、上記弱押圧操作と上記強押圧操作との区別は、異なるしきい値によって、押圧操作の圧力の検出を行う複数の種類の検出手段で行っても構わないし、ひとつの種類の検出手段で2段階のしきい値を有することで区別して検出しても構わない。
【0026】
また、上記弱押圧検出手段は、例えば静電容量の変化の検出によって検出するタッチパネルのように、検出原理として、必ずしもタッチパネル表面に接触する必要のない検出手段を用いることも可能である。
【0027】
また、上記強押圧検出手段は、上記のように弱押圧操作に対して強押圧操作を押圧操作の圧力の違いで検出する構成以外に、押し込み距離の違いを検出する構成としてもよい。
【0028】
また、強押圧操作時に、上記弱押圧検出手段が座標や接触の検出を継続していることは何ら問題がなく、強押圧操作時に上記弱押圧検出手段が検出しなくなる必要はない。
【0029】
また、上記強押圧検出手段は、強押圧操作の有無の検出のほかにその強押圧検出座標値も出力するように構成してもかまわない。しかし必ずしも強押圧検出座標値を出力する必要はない。強押圧操作は、例えば入力操作として用いるので入力座標が必要となる場合もあるが、上記弱押圧検出手段による上記弱押圧検出座標値を、強押圧操作が行われたときの操作を検出して座標値を用いてもよい。
【0030】
また、上記第1の機械的駆動と上記第2の機械的駆動は、上記タッチパネルの一部においてのみ異なるように、第1の制御手段と第2の制御手段とで行われてもよく、必ずしもタッチパネルの全面で上記の制御を行わなくてもよい。
【0031】
また、一実施形態のタッチパネルを有する装置では、上記座標範囲設定手段によって、上記弱押圧検出手段により検出される弱押圧検出座標値に対する座標範囲を設定する。そして、上記第1の制御手段によって、上記駆動手段を制御して、上記弱押圧検出手段の上記弱押圧検出座標値と、上記座標範囲設定手段によって設定された上記座標範囲との相対関係に応じて機械的駆動を変化させる。つまり、上記座標範囲と上記弱押圧検出座標値との相対関係で、上記第1の制御手段によって駆動手段を制御し、弱押圧操作に対して機械的駆動を変化させ、上記座標範囲を操作者に触覚の差として知覚させる。
【0032】
上記実施形態のタッチパネルを有する装置によれば、操作者は、概ね平面のタッチパネルで、機械的駆動の変化によって触覚として知覚した上記座標範囲の位置(すなわち、スイッチの位置)を、手をタッチパネルから放すことなく、連続して入力を行う旨の強押圧操作することができる。そして入力が受け付けられたことを、また異なる機械的駆動(第2の機械的駆動)によって確認することができる。そのため、入力の誤りを犯すことが少ない操作性の優れたタッチパネルを有する装置を提供することができる。
【0033】
また、特に、弱押圧操作から例えば入力操作としての強押圧操作へ連続して操作が可能であり高速に操作を行うことが可能なタッチパネルを有する装置を提供することができる。
【0034】
上記実施形態での第1の機械的駆動の変化とは、機械的駆動の有無、機械的駆動の種類、機械的駆動の方向、機械的駆動の強さ、機械的駆動の周波数、機械的駆動のパターン、あるいは更にそれらの組み合わせ方のいずれかの変化を意味する。
【0035】
つまり、例えば、上記弱押圧検出座標値が上記座標範囲の内部と外部との一方で機械的に駆動し、他方で機械的に駆動しないように、機械的駆動の有無によって触覚の差を与えることもできる。その場合、特に、上記弱押圧検出座標値が上記座標範囲の内部であるときは機械的に駆動し、外部であるときは機械的に駆動しないように第1の制御手段で制御することがより好ましい。
【0036】
また、特に、スイッチの位置を明確にするために、上記弱押圧検出手段の上記弱押圧検出座標値が上記座標範囲の内部と外部との境界で、機械的駆動が不連続に異なるように第1の制御手段で制御を行うことが好ましい。
【0037】
また、一実施形態のタッチパネルを有する装置では、上記第1の制御手段によって、上記駆動手段を制御して、上記弱押圧検出手段の上記弱押圧検出座標値と、上記座標範囲設定手段によって設定された上記座標範囲との相対関係に応じて機械的駆動を徐々に変化させる。つまり、操作者の上記弱押圧操作に対して、上記弱押圧検出座標値の上記座標範囲に対する相対関係(例えば上記座標範囲の中央座標値からの相対距離や、例えば上記座標範囲の境界からの相対距離)とともに、駆動手段の機械的駆動を徐々に変化させて操作者に知覚させる。
【0038】
上記実施形態のタッチパネルを有する装置によれば、上記タッチパネルの操作面の上記座標範囲(すなわち、スイッチの領域)、あるいは、上記座標範囲の特定の個所に操作者の操作を誘因する効果を有する。例えば、上記座標範囲の内部での上記機械的駆動を上記座標範囲の中央の座標値に向かって徐々に強く変化することによって、上記座標範囲の中央に操作者の操作を誘因することができる。また、例えば、上記座標範囲の外部での上記機械的駆動を上記座標範囲の方向に向かって徐々に強く変化することによって、上記座標範囲の方向に操作者の操作を誘因することができる。
【0039】
そのため、自然と操作者の操作が正しい、あるいはより好ましい操作位置に誘因され、入力の誤りを犯すことが少ない操作性の優れたタッチパネルを有する装置を提供することができる。
【0040】
また、特に、上記の誘引された正しい位置で弱押圧操作から強押圧操作へ連続して操作が可能であることで高速に正確な操作を行うことが可能なタッチパネルを有する装置を提供することができる。
【0041】
また、上記座標範囲の位置の通知を、より細かく制御した機械的駆動によって行うことになるので、触覚による位置の知覚がより明確になる効果とともに、操作者が操作位置をより学習しやすくなる。
【0042】
また、操作を繰り返す都度、操作に伴う上記弱押圧操作で、タッチパネル上での上記座標範囲の境界の方向、中央部付近の方向、あるいは、上記座標範囲そのものの方向を確認できるので、操作の都度、自然と操作位置の誤差を修正し、高速な操作を継続して行うことができる特別な利点を有する。
【0043】
上記実施形態での第1の機械的駆動を徐々に変化させるとは、機械的駆動の種類、機械的駆動の方向、機械的駆動の強さ、機械的駆動の周波数、機械的駆動のパターン、あるいは更にそれらの組み合わせ方のいずれかを連続的に変化させること、あるいは段階的に変化させることを意味する。
【0044】
また、特に、上記座標範囲の内部と外部の境界で、機械的駆動が不連続に異なるように駆動手段の制御を行って、スイッチの位置を操作者に明確に知覚させた上で、上記座標範囲の内部、あるいは、外部、あるいは、その両方で、更に、上記実施形態の構成を実施することが好ましい。そうすることによって、操作者は慣れれば、スイッチの中央の位置、あるいは、方向を知覚しながら、操作の指の動きを少なくするために、意図的にスイッチの許容される範囲内で入力操作を行うことができる。
【0045】
また、一実施形態のタッチパネルを有する装置では、上記座標範囲設定手段により設定された上記座標範囲に対応するように上記タッチパネルに設定された視覚的な表示領域に対して、弱押圧操作要求手段により操作者に弱押圧操作を要求する。そして、弱押圧操作要求手段により操作者が弱押圧操作をすることにより、上記表示領域の座標に対する上記弱押圧検出座標値のずれを弱押圧検出座標値ずれ測定手段によって測定する。そして、弱押圧検出座標値ずれ補正手段によって、弱押圧検出手段の弱押圧検出座標値のずれを補正する。つまり、タッチパネル上の表示領域(視覚的に表示された図形の領域)、例えば、操作者が視覚的に知覚するスイッチを表示する。そして、上記表示領域に対して、操作者に上記スイッチの弱押圧操作を行わせる。そうすると、上記表示領域(あるいは表示領域の中央部)の座標値に対して、上記弱押圧検出手段が検出した上記弱押圧検出座標値がずれを生じ、このずれを測定する。そして、測定したずれにより、以降に行われる上記第1の制御手段により制御される駆動手段の第1の機械的駆動を補正することが可能となる。
【0046】
上記タッチパネルでは、上記座標範囲と上記検出座標値との相対関係で、上記第1の制御手段によって駆動手段を制御し、弱押圧操作に対して機械的駆動を変化させて、操作者に触覚の差を与えるように設定している。そのとき、タッチパネル上で例えばスイッチとしての上記表示領域を操作者が視覚的に知覚する位置と、操作者が触覚的に知覚する上記座標範囲の位置が異なってしまう場合がある。
【0047】
これは、タッチパネルの表示を行う機構と弱押圧検出手段を構成する機構との位置合わせの誤差によるものだけでなく、操作方法によっても生じることがある。例えば、携帯電話端末での操作のように片手で装置を保持して、保持した手の親指でキー入力を行う場合などのように、操作が必ずしも操作面の垂直方向から丁寧に行われない場合などでは、特に上記検出座標値がずれることがある。
【0048】
このとき、上記表示領域の位置に合わせて上記座標範囲を設定すると、操作者にとって、上記表示領域と上記座標範囲との間に距離を感じたり、視覚と触覚の間に矛盾を感じてしまう場合がある。特に、複数の上記座標範囲が近接して存在する場合や、上記座標範囲が小さい場合では、操作者を混乱させてしまう。
【0049】
上記実施形態のタッチパネルを有する装置によれば、上記表示領域と上記座標範囲の位置関係を補正して、操作者の視覚によって知覚する位置と触覚によって知覚する位置とを一致させることができる。そのため、操作性に優れたタッチパネルを有する装置を提供することが可能となる。
【0050】
また、タッチパネル上の上記座標範囲の通知を、上記のより細かく制御した機械的駆動によって行う場合、触覚による位置の知覚がより明確になるため、更に、上記実施形態の構成とすることにより、操作者の操作感を特に向上させることができる。
【0051】
また、一実施形態のタッチパネルを有する装置では、上記強押圧検出手段により強押圧操作が検出されたときに強押圧座標検出手段によって強押圧検出座標値を出力する。そして、上記タッチパネル設定にされた上記座標範囲に対して、強押圧操作要求手段により操作者に強押圧操作を要求する。そして、操作者に強押圧操作を行わせて、上記強押圧検出座標値ずれ測定手段によって、上記座標範囲に対する上記強押圧検出座標値のずれを測定する。そして、強押圧検出座標値補正手段によって、上記強押圧座標検出手段の強押圧検出座標値のずれを補正する。
【0052】
つまり、上記タッチパネルでは、上記座標範囲と上記強押圧検出座標値との相対関係で、上記第1の制御手段によって駆動手段を制御し、弱押圧操作に対して機械的駆動を変化させ、操作者に触覚の差を与えるように設定している。ここでの上記座標範囲は、例えば、スイッチとしての領域である。そして、操作者に上記弱押圧操作を行わせ、更に、操作者が触覚で知覚した上記座標範囲に対して上記強押圧操作を行わせる。そうすると、上記座標範囲(あるいは座標範囲の中央部)の座標の値に対して、上記強押圧検出手段により強押圧操作が検出されたときの上記強押圧座標値はいくらかのずれを生じて検出される、そしてこのずれを強押圧検出座標値ずれ測定手段により測定する。このとき、測定したずれにより、以降に行われる上記強押圧操作の場合の上記強押圧座標検出手段により検出される強押圧検出座標値の補正を行う。
【0053】
上記タッチパネルを有する装置において、操作者が強押圧操作を、例えば入力操作として行う場合、上記座標範囲を操作者が触覚として知覚した位置での上記強押圧検出座標値と、操作者がその場所で上記強押圧操作を行った場合に検出される上記強押圧検出座標値とに差が生じる場合がある。これは、タッチパネルの上記弱押圧検出手段の検出機構と、強押圧座標検出手段の検出機構との機械的な位置合わせの誤差によるものだけでなく、操作方法によっても生じる場合がある。
【0054】
例えば、強押圧操作でのタッチパネルへの指の接触面が弱押圧操作の場合と変わってしまうために生じる。特に携帯電話端末での操作のように片手で装置を保持して、保持した手の親指でキー入力を行う場合などのように操作が必ずしも操作面の垂直方向から丁寧に行われない場合などでは、相互で検出する座標が大きくずれる場合がある。
【0055】
このとき、上記強押圧検出座標値を入力操作の座標値とすると、弱押圧操作で知覚した上記検出座標値とずれてしまう。つまり、上記座標範囲の内部と操作者が触覚によって知覚した場所で入力できなかったり、上記座標範囲の外部と知覚した場所で入力できてしまったりする場合がある。
【0056】
これは、複数の有効入力領域(入力操作を受け付ける領域)が近接して存在する場合や、有効入力領域が小さい場合では、最悪、隣接する他の有効入力領域に入力してしまう誤操作が生じ、操作者を混乱させてしまう場合がある。
【0057】
上記実施形態のタッチパネルを有する装置によれば、上記強押圧座標検出手段を補正して、操作者が弱押圧操作で知覚している位置とその場所での強押圧操作で検出される位置との座標を一致させることができる。そのため、操作性に優れたタッチパネルを有する装置を提供することが可能となる。
【0058】
また、タッチパネル上の上記座標範囲の通知を、上記のより細かく制御した機械的駆動によって行う場合、触覚による座標の知覚がより明確になるため、更に上記実施形態の構成とすることによって、操作者の操作感を特に向上させることができる。
【0059】
また、上記強押圧座標検出手段は、強押圧検出座標値として、例えば、上記弱押圧検出手段によって得られる上記弱押圧検出座標値を出力するように構成することができる。あるいは、上記弱押圧検出手段とは別の機構で上記強押圧検出座標を検出して出力するように構成してもかまわない。
【0060】
また、一実施形態のタッチパネルを有する装置は携帯端末である。
【0061】
上記携帯端末では、できるだけディスプレイ画面を大きくしてたくさんの情報を表示しようとすると、キー入力部が小さくなって操作性が低下してしまう場合がある。
【0062】
本発明のタッチパネルを有する装置を用いてディスプレイ画面と入力部を兼用することで操作性を損なうことなくディスプレイを大きくすることが可能である。
【0063】
また、入力面が狭く多くの情報の入力が敬遠されがちな携帯端末において、上記のように操作速度が向上する効果があるので、携帯端末自身の利用機会が増加するという効果を有する。
【0064】
また、一実施形態のタッチパネルを有する装置は携帯電話端末である。
【0065】
最近の携帯電話端末では、ダイヤル表示等のほかに、例えば、電子メールやWEBコンテンツの表示やデジタルテレビの視聴を可能とするものが開発されている。そのため、ディスプレイ画面が大きく、あるいは複数のディスプレイ画面を有する構成として、多くの情報を表示できるものが好ましい。例えば、デジタルテレビの視聴では、公衆の場所でのマナーの面で字幕放送を利用する機会が増加する。その場合、テレビ画面と字幕の両方を表示する必要があることからディスプレイ画面がより大きな面積を確保できる構成、あるいは、複数のディスプレイ画面を含む構成が必要になる。
【0066】
しかし、一方、ダイヤル操作や、電子メールの入力のために操作性の良い入力装置が必要である。携帯電話端末では、元々キー入力装置が小さく、近接して配置されている。
【0067】
上記実施形態のタッチパネルを有する装置によれば、タッチパネルをディスプレイ画面と入力部に兼用しても、操作性を損なうことがなく、ディスプレイ画面の総面積を大きくすることが可能である。
【0068】
【発明の実施の形態】
以下、この発明のタッチパネルを有する装置を図示の実施の形態により詳細に説明する。
【0069】
〔第1実施形態〕
図1は、この発明の第1実施形態のタッチパネルを有する装置の一例としての携帯電話端末の斜視図を示している。
【0070】
図1に示すように、この携帯電話端末の本体101は、折り畳み部102で折り畳むことができる構造となっている。また、ディスプレイ部103およびタッチパネル部104を、本体101の折り畳む内側の面に配置している。
【0071】
また、図2は上記タッチパネル部104の構造を模式的に示している。図2に示すように、タッチパネル部104は、弱押圧検出手段の一例としての検出パネル201と、表示手段の一例としての液晶表示パネル202と、強押圧検出手段の一例としての感圧センサ203と、本体101に設けられた駆動手段の一例としての可変周波数バイブレータ204からなっている。
【0072】
図2では、検出パネル201と、液晶表示パネル202とを取り外した状態で示しており、実際には、破線で示すように、本体101の所定位置に重ね合わせた状態で使用される。
【0073】
上記検出パネル201は、操作面への接触の検出の有無を弱押圧検出信号として、また、操作面への接触の検出座標値を弱押圧座標信号として平面座標値(X軸205,Y軸206) を出力するように構成している。そして、上記強押圧操作が行われた場合でも同じように出力するように構成している。
【0074】
上記検出パネル201の検出機構は、抵抗膜式、超音波式、光電式、静電容量式などのいわゆるタッチパネルの既存技術によるものなので詳細な説明は省略する。ここでは、検出パネル201は、下部に配置される液晶表示パネル202の画面に重ねて配置されるため、透明(または半透明)の材料で構成している。
【0075】
また、上記感圧センサ203は、強押圧操作、つまり、操作者がスイッチを強く押す旨の操作を、上記検出パネル201をなぞる弱押圧操作と区別して検出する機構としている。この第1実施形態では、4個の感圧センサ203によりタッチパネル部104を支えるように構成している。そして、4個の感圧センサ203による圧力を合計して、タッチパネル部104全体への圧力として算出する。そして、検出パネル201が検出を開始する圧力のしきい値よりも大きい圧力の操作で感圧センサ203が強押圧操作を検出するように、感圧センサ203のしきい値を所定の圧力に設定する。そして、強押圧操作が行われたときに感圧センサ203から強押圧検出信号を出力するように構成している。
【0076】
なお、上記強押圧検出手段の一例としての感圧センサ203は、上記の感圧による検出方式の他、押し込み距離(ストローク)の違いを検出し、弱押圧操作による操作面への軽い接触とは区別して、操作者の強押圧操作を検出し、強押圧操作の検出信号を出力する構成してもよい。
【0077】
また、ディスプレイ部103および液晶表示パネル202は、既存技術のバックライト付きのLCD装置(液晶ディスプレイ装置)を使用している。タッチパネル部104のディスプレイ手段は、他に、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイや、CRT(カソードレイチューブ)ディスプレイ等の既存の技術が利用できる。
【0078】
また、上記可変周波数バイブレータ204は、操作者に機械的駆動を伝える機構を有する。ここでは、可変周波数バイブレータ204は、携帯電話端末の着信を知らせるために利用される振動装置と共用され、振動の周波数をコントロールできるように構成している。上記駆動手段は、振動周波数を変化させる機構とする他に、振動強度を変化させることのできるバイブレータを用いることもできるし、振動の方向やパターン、あるいはそれらの組み合わせを変化させることのできる機械的な駆動部を用いることができる。
【0079】
上記検出パネル201と感圧センサ203の各検出信号は、図中には記載していないが、上記携帯電話端末の本体101に内蔵された制御部207に入力され、制御部207から可変周波数バイブレータ204と液晶表示パネル202に制御信号が入力される。
【0080】
また、強押圧座標検出手段の一例として、上記強押圧検出信号を検出したときに制御部207で上記弱押圧座標信号の示す座標値をもって、強押圧操作が行われたときの座標値(強押圧検出座標値)を強押圧座標信号として検出する構成としている。
【0081】
なお、検出信号、制御信号の経路や制御部の相互の接続については、既存技術、特開平10−293644にも記載がある。
【0082】
図3は、この第1実施形態でのタッチパネルを有する携帯電話端末の操作と操作に伴う可変周波数バイブレータ204の機械的駆動を制御する制御部207の動作を説明するためのフローチャートである。以下、図3にしたがって携帯電話端末の機械的駆動の制御を説明する。
【0083】
先ず、ステップS1で、触覚の差を与える領域を設定する。つまり、後述のステップによって、上記弱押圧座標値との相対関係で機械的駆動を変化させる領域を設定する。例えば、操作者にスイッチとして機械的駆動を触覚によって知覚させる領域である。
【0084】
この第1実施形態では、上記検出パネル201で検出される上記弱押圧座標信号の座標値に対する座標範囲を設定することで行われる。つまり、検出パネル201の上記座標範囲に対応する座標上の領域が上記触覚の差を与える領域となる。上記座標範囲は、例えば弱押圧座標信号のX座標値,Y座標値を用いた数式や論理式として設定する。
【0085】
次に、ステップS2で、入力操作が有効な有効入力領域を設定する。つまり、強押圧操作で入力操作が行われたとき入力操作を受け付けるタッチパネル部104上の領域を設定する。
【0086】
この第1実施形態では、上記ステップS1で設定された検出パネル201の座標上の領域(触覚の差を与える領域)に座標が概略一致するように、上記有効入力領域を設定している。上記有効入力領域は、上記強押圧座標検出手段によって検出される上記強押圧座標信号のX座標値,Y座標値を用いた数式や論理式として設定する。
【0087】
また、更に、同じく上記触覚の差を与える領域に座標が概略一致するように、図形で示されたスイッチ(表示領域)を液晶表示パネル202に表示する。例えば、電話のダイヤルに相当する数字が表示された図形を表示する。
【0088】
上記ステップS1とステップS2で設定される上記触覚の差を与える領域および上記有効入力領域は、後述の処理(ステップS9)によっては、同じ配置を維持する場合もあるし、違う配置に変える場合もある。例えば、タッチパネル部104には、ダイヤルの入力中などは、数字が表示されたスイッチを設定し、同じ配置の入力画面で操作を続けるが、電子メールの画面に代わった場合など、電子メールの操作のスイッチにあわせたスイッチ配置に変更するように使用される。つまり、上記触覚の差を与える領域や上記有効入力領域も同じように配置を維持したり、あるいは、別の配置になるように変更されたりする。また、液晶表示パネル202に表示された表示領域も同じように変更される。また、上記触覚の差を与える領域および上記有効入力領域は、通常、複数箇所設定されるが、一個所だけである場合もある。
【0089】
次に、ステップS3で、弱押圧操作の有無を判断し、弱押圧操作が有る場合はステップS4に進む一方、弱押圧操作の有無を判断し、弱押圧操作がない場合はステップS13に進む。つまり、ステップS3では、操作者がタッチパネル部104の操作面(検出パネル201)に触れているかを判断する。この第1実施形態では、弱押圧操作の有無は、上記検出パネル201が出力する上記弱押圧検出信号の有無で判断する。
【0090】
そして、ステップS13では、可変周波数バイブレータ204の機械的駆動を停止し、ステップS12に進む。この第1実施形態では、周波数可変バイブレータ204の機械的駆動を停止する。
【0091】
また、ステップS4では、上記弱押圧操作の位置が上記触覚の差を与える領域の内部か否か判断し、上記触覚の差を与える領域の内部であればステップS5に進む一方、上記弱押圧操作の位置が上記触覚の差を与える領域の内部でなければステップS14に進む。つまり、ステップS4では、操作者が上記検出パネル201に設定された上記触覚の差を与える領域に接触れているかを判断する。この第1実施形態では、上記検出パネル201の出力する上記弱押圧座標信号のX座標値,Y座標値がステップS1で設定した座標範囲の内部であるかどうかで判断する。
【0092】
次に、ステップS5では、可変周波数バイブレータ204を駆動状態Aで機械的に駆動し、ステップS6に進む。つまり、操作者にステップS1で設定された触覚の差を与える領域を触っていることを通知する。この第1実施形態では、駆動状態Aは、第1の機械的駆動であって、中程度の周波数で可変周波数バイブレータ204を機械的に駆動する状態とした。
【0093】
一方、ステップS14では、可変周波数バイブレータ204を駆動状態Dで機械的に駆動し、ステップS12に進む。つまり、操作者にステップS1で設定された触覚の差を与える領域の外部を触っていることを通知する。この第1実施形態では、駆動状態Dは、第1の機械的駆動であって、低い周波数で可変周波数バイブレータ204を機械的に駆動する状態とし、ステップS5の機械的駆動と区別して操作者が知覚できるようにした。
【0094】
次に、ステップS6では、強押圧操作の有無を判断し、強押圧操作の有る場合は、ステップS7に進む一方、強押圧操作の有無を判断し、強押圧操作が無い場合は、ステップS12に進む。つまり、ステップS6では、強く押し込む操作として入力操作が行われたかを判断する。この第1実施形態では、強押圧操作の有無は、感圧センサ203の出力する強押圧検出信号の有無で判断する。
【0095】
そして、ステップS7では、強押圧操作の位置を検出し、ステップS8に進む。
【0096】
この第1実施形態では、感圧センサ203の検出信号がある場合に、弱押圧操作の弱押圧座標信号のX座標値,Y座標値を強押圧操作の位置、つまり強押圧座標信号として制御部207で処理する。
【0097】
つまり、このステップ7で強押圧座標検出手段が構成されている。
【0098】
次に、ステップS8では、ステップ7で検出した強押圧操作の位置がステップS2で設定した有効入力領域の内部か否か判断し、有効入力領域の内部の場合は、ステップS9に進む一方、強押圧操作の位置が上記有効入力領域の内部でない場合は、ステップS15に進む。つまり、ステップS8では操作者が上記有効入力領域で入力操作を行ったかを判断する。この第1実施形態では、ステップS2で上記有効入力領域を設定した数式や論理式に、上記強押圧座標信号の値を代入して判断する。
【0099】
そして、ステップS9では、可変周波数バイブレータ204を駆動状態Bで機械的に駆動し、ステップS10に進む。つまり、操作者に強押圧操作による入力操作が受け付けられたことを通知する。この第1実施形態では、駆動状態Bは、第2の機械的駆動であって、高い周波数で可変周波数バイブレータ204を機械的に駆動する状態とし、ステップS5とステップS14の機械的駆動と区別して操作者が知覚できるようにした。
【0100】
次に、ステップS10では、ステップ8での操作者が入力を行った有効入力領域に対応する入力処理を行い、ステップS11に進む。例えば、ダイヤル部の数字の「1」のスイッチに対応する有効入力領域であれば、ダイヤルの「1」を入力した操作に対応してディスプレイに「1」を表示し、「1」が入力されたことを記憶するなどである。
【0101】
そして、ステップS11では、強押圧操作の終了を待ち、強押圧操作が終了するとステップS12に進む。つまり、1回の強押圧操作を連続して入力操作として検出しないように、あるいは、強押圧操作がの検出が細かくオンオフを繰り返す場合(これは検出のしきい値付近で操作した場合に生じる場合がある)に、間違って複数回の入力操作として検出しないように、一定時間、強押圧操作の無い状態を維持するまで待つ。
【0102】
一方、ステップS15では、可変周波数バイブレータ204を駆動状態Cとし、ステップS12に進む。つまり、操作者に上記有効入力領域の外部で入力操作をしてしまったことを通知する。この第1実施形態では、駆動状態Cは機械的駆動を行わない状態とした。
【0103】
そして、ステップS12では、終了の指示の有無を判断し、終了の指示がある場合は終了し、終了の指示が無い場合は、ステップS1に戻って繰り返す。操作の終了の指示は、例えば、電源の切断や、操作者が処理の中断を指示するスイッチを操作したり、あるいは、タッチパネル部104上のそれらの機能に相当する有効入力領域で強押圧操作が行われることで設定される。
【0104】
つまり、ステップS4,S5,S14によって、上記弱押圧検出手段の検出座標値に応じて、上記駆動手段に第1の機械的駆動を行わせる第1の制御手段が構成される。
【0105】
また、ステップS8,S9によって、上記強押圧検出手段の強押圧操作の有無の検出に応じて、上記駆動手段に上記第1の機械的駆動とは異なる第2の機械的駆動を行わせる第2の制御手段が構成される。
【0106】
また、ステップS1によって、上記弱押圧検出手段の一例としての検出パネル201により検出される弱押圧検出座標値に対する座標範囲(触覚の差を与える領域)を設定する座標範囲設定手段を構成している。
【0107】
また、ステップS4,S5,S14によって、上記第1の制御手段は、上記弱押圧検出手段の一例としての検出パネル201により検出される弱押圧検出座標値と、上記座標範囲設定手段によって設定された上記座標範囲との相対関係に応じて、上記駆動手段のの一例としての可変周波数バイブレータ204の機械的駆動を変化させるものとして構成される。
【0108】
また、ステップS7によって、上記強押圧検出手段により強押圧が検出されたときに強押圧座標信号を出力する強押圧座標検出手段が構成される。
【0109】
この第1実施形態の携帯電話端末によれば、操作者は、タッチパネル部104上での位置を確かめるための軽く触る動作の弱押圧操作と、その場所で入力を行う旨の押し込む動作の強押圧操作を、タッチパネル部104の操作面から手を放すことなく、速やかに連続して行うことができる。そのとき、操作者が自分の操作を正しく装置が検出していることを上記の機械的駆動周波数の違いにより知覚でき、操作時のタッチパネル部104の操作面への操作位置、及び、操作圧力、あるいは、押し込み距離を自然と加減するように自然と学習することができる。
【0110】
そのため、入力の誤りの少ない携帯電話端末を提供することができる。また、入力の誤りが少なくなるので、スイッチを小さく、あるいは、間隔を狭く配置することが可能となる。
【0111】
これは、機械的なスイッチの操作を行う場合での操作者の指先の入力スイッチに対する感触を、概略平面のタッチパネルにおいて機械的駆動周波数の違いによって置き換えることで、操作者の操作感を向上させ、なおかつ、操作者が指先の感覚や座標を学習して操作スピードを向上させることを可能とするために必要な構成である。
【0112】
つまり、視覚での大まかなスイッチ位置の確認に引き続き、指先での触覚でスイッチ位置を知覚し、その位置で連続して入力操作を行い、入力操作の結果を感触で確認する。これらの構成が欠けると、感覚の整合性が失われて操作スピードが低下するとともに、操作者が指先の感覚でスイッチ位置を学習して操作スピードを向上させることが困難になる。
【0113】
例として、特開平8―221173号公報で示される構成では、触覚によるスイッチ部の知覚の後、操作面から指を一度離さなければ入力操作を行うことができないため、触角による知覚が途切れてしまう。つまり、触覚による知覚が入力操作の完了まで連続することができず、操作者が操作位置を見失うことになり、自然と操作位置の学習することが難しい。そのため、本発明の課題を解決することができない。また、操作者にとって機械的なスイッチとの感覚の差があまりに大きいことも、上記の操作者の自然な学習を妨げる原因となっている。
【0114】
また、別の例として、この第1実施形態の中で引用した特開平10−293644号公報で示される構成では、機械的な構成はこの第1実施形態に近い。しかし、特開平10−293644号公報においては、弱押圧操作や誤って触れることによっては、誤操作が起こらないし、触感応答も与えられないようにする課題を解決する構成となっている。そのため、本発明の課題と大きく異なり、また、この第1実施形態と制御手段が大きく異なっており、弱押圧操作による応答が得られないため、本発明の課題を解決することができない。
【0115】
上記の駆動状態A、駆動状態B、駆動状態C、あるいは、駆動状態Dは、この第1実施形態では振動周波数の違い、あるいは振動の有無として差を設けたが、それぞれを別の種類の機械的駆動とすることで操作者が区別しやすくすることも可能である。
【0116】
例えば、従来技術に示されているように、バイブレータと電磁ハンマーの差とすることができる。あるいは、特開2001−350592号公報に示されるように、機械的駆動の波形を変えて一方(入力操作が好ましい)をパルス的な機械的駆動とする方法も可能である。あるいは、特開平7−64723号公報に示されるように、操作面が操作面に対して垂直な座標変化を伴うような移動を行うことも可能である。あるいは、特開平4−137419号公報に示されるように、操作面が操作面に対して平行に振動する機構等を用いて、振動方向を変えて区別しやすくすることも可能である。あるいは、操作面の振動と、装置全体の振動の違いによって区別しやすくすることも可能である。
【0117】
また、図3に示すステップS10,S11は、できれば並列処理されることが好ましい。より好ましくは、ステップS10の処理とその他のステップの処理を、プログラム中の並列処理される別のスレッド、あるいは、並列処理される別のプログラムで行うようにした方が好ましい。
【0118】
また、図3に示すステップS15で、駆動を停止する代わりに、別の種類の駆動を行い、間違った座標で入力操作が行われたことを操作者に通知することもできる。あるいは、その前の機械的駆動(駆動状態A、駆動状態Bまたは駆動状態Dのいずれか)を変化させないようにすることも可能である。しかし、本構成のように機械的駆動を停止することで、操作者は有効入力領域が無い操作面で弱押圧操作の力の加減を試して、有効入力領域への操作に先立って調節することができる利点を有する。
【0119】
また、図1に示す携帯電話端末は、ディスプレイ部103を表示装置として、タッチパネル部104を入力装置として使用する通常の携帯電話端末の利用形態の他に、例えば、ディスプレイ部103に地上デジタルテレビ放送のテレビ画面を表示し、タッチパネル部104を第2のディスプレイ部として、テレビ放送の字幕を表示する構成とすることもできる。
【0120】
上記第1実施形態の構成とすることで、入力部分が狭く、また、スイッチが小さく密集しているために、操作性の面からタッチパネルを実質上利用できなかった携帯電話端末の入力操作にタッチパネルを用いることが実質上可能となる。そのため、大きさの限られた携帯電話端末にタッチパネルを第2のディスプレイとして配置することが可能となる。携帯電話端末でのテレビの視聴は、電車等の公共交通機関や、ホテルや病院の待合室、図書館等、マナーとして静粛性を求められる場所でもテレビ放送を利用される機会が多くなるので、字幕を大きく表示でき、かつ、携帯電話端末の操作性も優れた携帯電話端末が必要であり、この第1実施形態の構成が特に適している。
【0121】
〔第2実施形態〕
次に、この発明の第2実施形態のタッチパネルを有する装置の一例としての携帯電話端末について説明する。なお、この第2実施形態の携帯電話端末は、駆動手段である可変周波数バイブレータ204の機械的駆動をより細かく制御する点を除いて第1実施形態の携帯電話端末と略同一の構成をしており、図1,図2を援用する。
【0122】
スイッチへの入力操作において、操作者は、確実に入力を行うために、機械的なスイッチであっても、タッチパネル部104上に設定されたスイッチであっても、入力したいスイッチのより中央部に近い座標で入力操作を行おうとする。
【0123】
しかし、上記検出パネル201(図2に示す)に設定された触覚の差を与える領域の内部で機械的駆動が一定の場合は、弱押圧操作で上記触覚の差を与える領域を知覚した後、弱押圧操作を広い幅で行い上記触覚の差を与える領域の境界を確認し、推測によってその中央座標を判断する必要があった。
【0124】
また、上記検出パネル201に設定された触覚の差を与える領域は、上記液晶表示パネル202(図2に示す)に表示された表示領域に概略一致するように設定されている。しかし小さなスイッチの場合では、目視で上記表示領域を知覚し、弱押圧操作を始めると、タッチパネルが指で隠れるために上記表示領域が見づらくなる。そのため、上記触覚の差を与える領域から外れている場合に、上記触覚の差を与える領域を触覚の差で見つけるために、弱押圧操作を広い幅で行う必要があった。これは特にタッチパネルの面積が限られる携帯端末とりわけ、携帯電話端末でスイッチが小さくなるために特に問題となっていた。
【0125】
図4に、上記第1実施形態で説明した検出パネル201に設定された座標範囲としての触覚の差を与える領域401,402を、例えば、電話番号を入力する際の数字の「1」,「2」に相当するスイッチの領域として示している。上記触覚の差を与える領域401,402は、デザイン上斜めに傾いた楕円の形状としており、上記表示領域、あるいは上記有効入力領域の形状にできるだけあわせて設定される。例えば、楕円図形のスイッチとして表示領域が液晶表示パネル202に表示され、表示された楕円に重なるように上記触覚の差を与える領域401、402が設定される。また、それに一致して有効入力領域が設定される。当然、上記触覚の差を与える領域の形状は、例えば円形、楕円形、矩形、その他の形状である場合もある。
【0126】
そして、操作者は、液晶表示パネル202の表示の楕円図形を目視して、タッチパネル部104の操作面に軽く触れる動作、つまり、上記弱押圧操作を開始し、上記触覚の差を与える領域401,402を上記第1の機械的駆動、すなわち、駆動状態A(中程度の周波数)、駆動状態D(低い周波数)の差で知覚し、そして入力操作を行う。
【0127】
上記のように、検出パネル201に設定される触覚の差を与える領域はいろいろな形状が可能であるため、その触覚の差を与える領域の中央は一義的に決めることができない。しかし、実際の使用上では入力する上で、中心あるいは中央部と判断できる領域を設定することができる。この第2実施形態では、楕円の領域401,402の中央付近に、各触覚の差を与える領域401,402のそれぞれの中央部403,404を設定した。
【0128】
上記触覚の差を与える領域401の内部の点405は、弱押圧操作で検出パネル201の出力する弱押圧座標信号の示す座標を示している。図4の矢印付き線406は、上記触覚の差を与える領域401の中央部403から点405までの距離を示している。
【0129】
また、上記触覚の差を与える領域401,402の外部の点407は、また別の時点での弱押圧操作での弱押圧座標信号の示す座標を示している。図4の矢印付き線408は、上記触覚の差を与える領域401から点407までの距離を示している。また、図4の矢印付き線409は、上記触覚の差を与える領域402から点407までの距離を示している。
【0130】
図5は、図4の触覚の差を与える領域の設定されたタッチパネル部104(図2に示す)への操作を行った場合の可変周波数バイブレータ204(図2に示す)の制御を説明するための図である。図5では、入力操作や有効入力領域内外の弱押圧操作の相対距離(図4の矢印付き線406,408の対応)を横軸にし、可変周波数バイブレータ204の機械的に駆動する周波数を縦軸にしたグラフである。
【0131】
つまり、タッチパネル部104の有効入力領域での強押圧操作による入力操作503では、高い周波数504で機械的駆動を行う。
【0132】
タッチパネル部104に弱押圧操作が行われた場合は、例えば上記触覚の差を与える領域401の内部では、矢印付き線406で示された中央部403からの距離に応じて機械的駆動の周波数を徐々に変化させる。
【0133】
図5では、図4に示す上記触覚の差を与える領域401の中央部403が横軸の目盛り505で示され、図4に示す上記触覚の差を与える領域401の外縁が横軸の目盛り506で示されており、図4に示す中央部403から点405までの距離(矢印付き線406に対応)が横軸507で示されている。機械的駆動の周波数は、グラフ501で示すように、上記触覚の差を与える領域401の中央部403での高い周波数508から、外縁での低い周波数509に徐々に変化するように制御される。
【0134】
また、上記触覚の差を与える領域401の外部では、矢印付き線408で示された上記触覚の差を与える領域401から点407までの距離に応じて、、機械的駆動の周波数を徐々に変化させる。この第2実施形態では、隣接する別の触覚の差を与える領域402から点407までの距離(矢印付き線409に対応)と比べて、距離の近い方(矢印付き線408に対応)の値を用いるようにした。
【0135】
図5では、上記触覚の差を与える領域の近接部が横軸の目盛り511で示され、遠隔部が横軸の目盛り512で示されており、上記触覚の差を与える領域からの距離が横軸513で示されている。機械的駆動の周波数は、近接部での高い周波数515から、周辺部での低い周波数516にグラフ517で示すように徐々に変化するように制御される。
【0136】
この第2実施形態では、図3のステップS9を周波数504とし、ステップS5を周波数のグラフ510とし、ステップS14を周波数のグラフ517として、それぞれの機械的駆動を制御する。
【0137】
つまり、ステップS5での駆動状態Aを図5のグラフ510に示すような徐々に機械的駆動が変化する構成、あるいは、ステップS14での駆動状態Dを図5のグラフ517に示すような徐々に機械的駆動が変化する構成とすることによって、上記弱押圧検出手段の一例としての検出パネルにより検出された弱押圧検出座標値と、上記座標範囲設定手段によって設定された上記座標範囲との相対関係に応じて、上記駆動手段の一例としての可変周波数バイブレータ204の機械的駆動を徐々に変化させる上記第1の制御手段を構成している。
【0138】
また、上記触覚の差を与える領域の内部と外部の境界は、操作者がはっきり区別できるように、上記触覚の差を与える領域の内部での機械的駆動の最も低い周波数509と上記触覚の差を与える領域の外部での機械的駆動の最も高い周波数515に十分な差を設けることが好ましい。
【0139】
当然、上記触覚の差を与える領域の内部での機械的駆動の最も高い周波数508と、入力操作時の機械的駆動の周波数504にも操作者がはっきり区別できるように十分な差を設けることが好ましい。
【0140】
また、上記に示したように、機械的駆動の周波数を徐々に変化させる制御のほかに、機械的駆動の強度を徐々に変化させたり、種類を徐々に変化させたりすることもできる。あるいは、第1実施形態と同様に、これらの機械的駆動を操作者が区別しやすくするために、駆動状態A、駆動状態B、駆動状態C、あるいは、駆動状態Dを別の種類の機械的駆動とし、上記の各駆動状態の中で、その駆動の強度、あるいは種類、あるいはその組み合わせを弱押圧座標信号の値に応じて徐々に変化させることも可能である。
【0141】
また、上記の徐々に変化する機械的駆動は、図5に示すグラフ510,517に示したように滑らかに変化する構成のほか、階段状に変化する構成とすることも、直線的に変化させることも可能である。その場合、階段状に変化する場合は1段ごとの変化が、駆動状態Aと駆動状態Cの境界での変化に比べて小さく設定されることで、上記触覚の差を与える領域の境界と紛らわしくならないようにすることがより好ましい。
【0142】
この第2実施形態の構成により、上記検出パネル201に設定された触覚の差を与える領域の内部で、上記のように徐々に機械的駆動を変化させる構成では、弱押圧操作で指を動かすことで上記触覚の差を与える領域の中央部に向かって移動しているのか、中央部から離れて行く方向に移動しているのかを知覚することができる。
【0143】
そのため、上記触覚の差を与える領域の境界を確認できるまで大きくなぞる動作をすることなく、また、推測で中央を判断することなく、上記触覚の差を与える領域の中央部付近を知覚することができ、自然と触覚の差を与える領域の中央部付近に操作が誘引される。そのため、操作性の優れた携帯電話端末を提供することが可能となる。
【0144】
また、操作を繰り返す中で、操作に伴う弱押圧操作で触覚の差を与える領域の中央部付近、あるいは中央部付近からのずれの方向や、程度を確認できるので、触覚の差を与える領域の中央部付近を操作者が自然と学習し、操作速度が速くなる効果がある。また、操作の都度、指の感覚で触覚の差を与える領域の中央部、あるいはその方向を知覚することができるので、自然と操作の誤差がフィードバックされ、高速で正確な操作を継続することができる効果を有する。
【0145】
また、上記検出パネル201に設定された触覚の差を与える領域の外部で、上記のように徐々に機械的駆動を変化させる構成では、触覚の差を与える領域の外部において弱押圧操作で指を動かすことで、触覚の差を与える領域に向かって移動しているのか、触覚の差を与える領域から離れて行く方向に移動しているのかを知覚することができ、自然と触覚の差を与える領域の方向に操作が誘引される。
【0146】
そのため、すばやく触覚の差を与える領域を見つけることができる操作性の優れた携帯電話端末を提供することが可能となる。
【0147】
また、操作を繰り返す中で、操作に伴う弱押圧操作で触覚の差を与える領域からのずれの方向や、程度を確認できるので、触覚の差を与える領域を操作者が自然と学習し、操作速度が速くなる効果がある。また、操作の都度、指の感覚で触覚の差を与える領域の方向を知覚することができるので、自然と操作の誤差がフィードバックされ、高速で正確な操作を継続することができる効果を有する。
【0148】
また、上記実施形態の構成により、タッチパネル部104上の触覚の差を与える領域の座標の通知を、より細かく制御した機械的駆動によって通知する構成となるので、触覚による位置の知覚がより明確になる効果を有する。
【0149】
また、上記の触覚を与える領域の内部での制御と外部での制御は、その一方で徐々に機械的駆動が変化するように行ってもよい。
【0150】
また、特に、複数の触覚の差を与える領域が近接して存在する場合や、触覚の差を与える領域が小さい場合では、触覚の差を与える領域の内部と外部の両方で、上記のように徐々に異なる機械的駆動を行う構成とすることにより、さらに自然に触覚の差を与える領域と、触覚の差を与える領域内の中央に向かう方向を知覚することができる利点を有する。
【0151】
〔第3実施形態〕
次に、この発明の第3実施形態のタッチパネルを有する装置の一例としての携帯電話端末について説明する。なお、この第3実施形態のタッチパネルを有する装置は、タッチパネルの液晶表示パネル202に表示された表示領域と検出パネル201に設定された触覚の差を与える領域との相対的な位置関係の補正を行う点を除いて第1実施形態の携帯電話端末と略同一の構成をしており、図1,図2を援用する。
【0152】
上記第3実施形態の携帯電話端末において、目視で操作者がスイッチ(液晶表示パネル202に表示された表示領域)と知覚した領域と、触覚で操作者がスイッチ(検出パネル201に設定された触覚の差を与える領域)と知覚した領域とに差が生じる場合がある。
【0153】
例えば、液晶表示パネル202と検出パネル201の機械的なずれや、液晶表示パネル202と検出パネル201が操作面の垂直方向で距離を持つために、視覚的なずれを生じる場合がある。しかし、そのほかに、指の形状や、検出パネル201の検出機構の性質により、本人の触っているつもりの座標と検出パネル201が検出している座標とに差が出ることが原因となる。
【0154】
これは、片手で操作されることの多い携帯電話端末においては弱押圧操作が、タッチパネル正面からまっすぐ操作されることが少ないため、特に誤差が大きくなる問題を有している。
【0155】
このとき、上記検出パネル201に設定された触覚の差を与える領域の位置を液晶表示パネル202に表示された表示領域の位置に一致して設定した場合、操作者にとって、上記表示領域と上記触覚の差を与える領域との間に距離を感じたり、視覚と触覚の間に矛盾を感じてしまうことがある。
【0156】
これは、複数の触覚の差を与える領域が近接して存在する場合や、触覚の差を与える領域が小さい場合では、操作者を混乱させてしまうのである。
【0157】
この第3実施形態では、以下に示す補正手段により、液晶表示パネル202に表示された表示領域と検出パネル201に設定された触覚の差を与える領域との位置関係を補正することにより、タッチパネルを目視して知覚した位置と、弱押圧操作で触覚の差として感じる位置とを、操作者がより一致した位置としてして感じることができるようにしている。
【0158】
図6は上記液晶表示パネル202に表示された表示領域と、検出パネル201に設定された触覚の差を与える領域との位置関係の補正を行う制御部207の動作を説明するフローチャートを示している。また、図7は上記タッチパネル部104に表示された表示領域と、弱押圧操作の検出座標信号の値の示す位置と、補正された触覚の差を与える領域を示している。
【0159】
先ず、ステップS20で、タッチパネル上に表示領域を設定する。つまり、液晶表示パネル202にスイッチに相当する図形を表示する。そして、操作者には、例えば上記表示領域を触るように指示を与える。この第3実施形態では、図7に示すように、液晶表示パネル202にスイッチとしての複数の楕円図形の表示領域701,702を表示している。
【0160】
次に、ステップS21で、操作者の弱押圧操作位置を記録する。この第3実施形態では、検出パネル201により検出された弱押圧検出座標値を記録する。図7に、上記表示領域701に対して弱押圧操作したときの記録として、上記検出座標信号の値のX座標値,Y座標値から得られる弱押圧操作の軌跡703を示している。
【0161】
次に、ステップS22で、上記表示領域、あるいは上記表示領域の中央の座標に対する上記弱押圧座標信号の値のずれを用いて、視覚的な表示領域と触覚の差を与える領域との位置関係を補正する。
【0162】
図7に、弱押圧操作の軌跡703の座標から算出して平均化した座標値と上記表示領域701の中央部とのずれを矢印704で示している。つまり、操作者にとって上記表示領域701を触ろうとすると検出パネル201には、矢印704のずれをもって検出座標信号が検出される。そのため、操作者に表示の位置と弱押圧操作での触覚で知覚する位置とを同じ場所として知覚させるためには、上記表示領域701の位置に対して、矢印704の分だけ位置を補正した触覚の差を与える領域401を図3に示すステップS1で設定する。あるいは、触覚の差を与える領域を楕円の領域701の位置にあわせて設定し、図3に示すステップS4での上記触覚の差を与える領域の内部か否かの判断において、弱押圧操作の弱押圧座標信号の値を矢印704の分だけ逆に補正して上記触覚の差を与える領域の内部かどうかを判断するようにすることもできる。
【0163】
また、場合によっては、上記表示領域に対して上記触覚の差を与える領域の形状を補正する必要がある場合もある。そのような例を図7では、表示領域702に対応する触覚の差を与える領域402で示している。ここでは、上記表示領域702の幅705に対して、上記触覚の差を与える領域402の幅706が小さくなっている。これは、上記表示領域702を触ったときの軌跡の広がりなどから補正を加えたり、隣接する別の触覚領域との間隔を所定間隔以上確保したりするように、必要に応じて補正を加えることが可能である。当然、このような補正も、ステップS4での弱押圧操作の弱押圧座標信号の値を必要なだけ逆に補正して領域内かどうかを検出することで実現することもできる。
【0164】
また、以上の補正は、代表するひとつあるいは複数の表示領域によってずれを測定し、その他の表示領域に対して測定した代表する表示領域のずれを元に補正を行うように構成することも可能である。あるいは、個々の表示領域に対してずれの測定と補正を行うように構成することも可能である。
【0165】
つまり、ステップS20によって、上記タッチパネル部104に設定された視覚的な表示領域に対して、操作者に弱押圧操作を要求する弱押圧操作要求手段を構成している。
【0166】
また、ステップS21によって、上記表示領域の座標に対する弱押圧検出手段の一例としての検出パネル201の弱押圧座標値のずれを測定する弱押圧検出座標値ずれ測定手段を構成している。
【0167】
また、ステップS22によって、上記弱押圧検出手段のずれを補正する弱押圧検出座標値ずれ補正手段を構成している。
【0168】
すなわち、制御部207は、弱押押圧操作要求手段と弱押圧検出座標値ずれ測定手段と弱押圧検出座標値ずれ補正手段とを有している。
【0169】
この第3実施形態の構成により、操作者の目視による位置と弱押圧操作における位置のずれを補正して弱押圧操作に伴う機械的駆動の制御を行うことで、タッチパネル部104の目視による位置と弱押圧操作で触覚として感じる位置とを、操作者がより一致した位置として感じることができる。そのため、入力操作における入力の誤りがより少なくなる効果を有する。
【0170】
また、タッチパネル部104上の小さなスイッチ、あるいは、隣接するスイッチとの間隔が狭いスイッチにおいても、より入力の誤りが少なくできる効果を有する。
【0171】
そのため、特にタッチパネルの操作面が限られた面積であるタッチパネルを有する携帯端末に特に適している。
【0172】
また、片手で高速な入力操作が行われて使用されることの多い携帯電話端末により適している。
【0173】
また、視覚で知覚する位置と触覚で知覚する位置が一致することで、指先がスイッチの座標を学習しやすくなり、入力速度を向上させやすい装置を提供することができる。
【0174】
また、特に、タッチパネル部104上の触覚の差を与える領域の通知を、より細かく制御した機械的駆動によって行う第2実施形態で示した構成の場合、触覚による位置の知覚がより明確になるため、目視の感覚と触覚の感覚のずれを無くすことで、操作者の操作感を特に向上させることができ、入力の誤りをより低減させる効果がある。そのため、この第3実施形態による補正が特に効果を有する。
【0175】
〔第4実施形態〕
次に、この発明の第4実施形態のタッチパネルを有する装置の一例としての携帯電話端末について説明する。なお、この第3実施形態の携帯電話端末は、タッチパネルの触覚の差を与える領域と、有効入力領域との相対的な位置関係の補正を行う点を除いて第2実施形態の携帯電話端末と略同一の構成をしており、図1,図2を援用する。
【0176】
上記第4実施形態の携帯電話端末において、弱押圧操作で操作者が第1の機械的駆動によって触覚的に差を与えられてスイッチと知覚した領域と、強押圧操作によって入力操作を行った場合に入力を受け付ける領域(有効入力領域)とに差が生じる場合がある。例えば、弱押圧操作のときのタッチパネル部104に対する操作の圧力と入力操作のときのタッチパネル部104に対する圧力の違いによって、それぞれで検出する座標値に差が生じる場合等が原因となる。
【0177】
これは、片手で操作されることの多い携帯電話端末において入力操作が、タッチパネル部104正面からまっすぐ入力されることが少ないため、特に誤差が大きくなる問題を有している。
【0178】
このとき、有効入力領域を触覚の差を与える領域に一致して設定した場合、上記触覚の差を与える領域の内部と知覚した場所で入力できなかったり、上記触覚の差を与える領域の外部と知覚した場所で入力できてしまったりすることがある。
【0179】
これは、複数の有効入力領域が近接して存在する場合や、有効入力領域が小さい場合では、最悪、隣接する他の有効入力領域に入力してしまう入力の誤りを生じ、操作者を混乱させてしまうからである。
【0180】
この第4実施形態では、以下に示す補正手段により、触覚の差を与える領域と有効入力領域との位置関係を補正することにより、タッチパネル部104への弱押圧操作で感じる位置と入力操作で入力が受け付けられる位置とを、操作者がより一致した位置として感じることができるようにしている。
【0181】
図8にタッチパネル部104の触覚を与える領域と、有効入力領域の位置関係の補正を行う制御部207の動作を説明するフローチャートを示している。また、図9に、上記タッチパネル部104の触覚の差を与える領域と、入力操作である強押圧操作のときの強押圧座標信号の示す位置と、補正された有効入力領域を示している。
【0182】
先ず、ステップS30で、タッチパネル部104に上記触覚の差を与える領域を設定する。つまり、タッチパネル部104上のスイッチに相当する領域を設定する。そして、操作者には、例えば上記表示領域を目視して、更に、触って触覚で確認して強押圧操作による入力操作を行うように指示を与える。
【0183】
図9において、スイッチとしての楕円図形からなる液晶表示パネル202に表示された表示領域701,702と、それぞれに対応する上記検出パネル201に設定された触覚の差を与える領域401,402を示している。
【0184】
この第4実施形態では、特に上記第2実施形態の構成に引き続き補正を行う例として示している。
【0185】
次に、ステップS31で、上記触覚の差を与える領域に対する、操作者の強押圧操作による強押圧座標信号の値を記録する。つまり、強押圧操作による入力操作の入力位置を記録する。
【0186】
図9では、強押圧操作時の上記触覚の差を与える領域401に対して強押圧操作を行ったときの強押圧座標信号の値の示す位置を黒丸903で表している。この第4実施形態では、操作誤差や検出誤差を平均化するため複数の強押圧操作を行って強押圧操作位置の平均的な座標を求めるようにしている。そのため、図9では、黒丸903の他に、複数の強押圧操作位置を示す複数の黒丸が示されている。
【0187】
次に、ステップS32で、タッチパネル部104の触覚の差を与える領域の座標と有効入力領域との位置関係の補正を行う。図9では、複数の強押圧操作位置を平均化した位置と上記触覚の差を与える領域401の中央部の位置とのずれを矢印904で示している。つまり、操作者にとって弱押圧操作で触覚として知覚した位置に入力しようとすると、入力操作の強押圧座標信号の値としては、矢印904のずれをもって検出される。そのため、操作者に触覚の差を与える領域の位置と強押圧操作との位置とを同じ場所と知覚させるためには、上記触覚の差を与える領域401の位置に対して、矢印904に相当する位置の補正を行って、有効入力領域901を設定する。あるいは、有効入力領域の座標を上記触覚の差を与える領域と同じ領域401に設定し、図3に示すステップS8の入力操作での強押圧操作の強押圧座標信号の値を矢印904の分だけ逆に補正して上記有効入力領域の内部か判断するようにすることもできる。
【0188】
また、場合によっては、触覚の差を与える領域に対して有効入力領域の形状を補正する必要がある場合もある。この例を図9では、触覚の差を与える領域402に対応する有効入力領域902で示している。ここでは、上記触覚の差を与える領域402の幅706に対して、上記有効入力領域902の幅905が小さくなっている。これは、複数の強押圧操作を行った場合の、複数の強押圧座標信号の値の広がりなどから補正を加えたり、隣接する有効入力領域との間隔を所定以上確保たりするように、必要に応じて補正を加えることが可能である。当然、このような補正も、図3に示すステップS8での強押圧操作の強押圧座標信号の値を必要な分だけ逆に補正して領域内かどうかを判断することで実現することもできる。
【0189】
また、以上の補正は、代表するひとつあるいは複数の触覚の差を与える領域によってずれを測定し、その他の触覚の差を与える領域に対して測定した代表する触覚の差を与える領域のずれを元に補正を行うように構成することも可能である。あるいは、個々の触覚の差を与える領域に対してずれの測定と補正を行うように構成することも可能である。
【0190】
つまり、ステップS30によって、上記タッチパネルに設定された上記座標範囲に対して、操作者に強押圧操作を要求する強押圧操作要求手段を構成している。
【0191】
また、ステップS31によって、上記座標範囲に対する強押圧検出座標値のずれを測定する強押圧検出座標値ずれ測定手段を構成している。
【0192】
また、ステップS32によって、上記強押圧座標検出手段の補正を行う強押圧検出座標値ずれ補正手段を構成している。
【0193】
すなわち、制御部207は、強押圧操作要求手段と強押圧検出座標値ずれ測定手段と強押圧検出座標値ずれ補正手段とを有している。
【0194】
この第4実施形態の構成により、上記タッチパネル部104上に設定される領域と入力操作における上記有効入力領域の位置のずれを補正して入力操作を検出することで、タッチパネル部104上の触覚に差を与える領域の位置と入力操作で入力が受け付けられる位置すなわち有効入力領域の位置とを、操作者がより一致した位置としてして知覚することができる。そのため、入力操作における入力誤りがより少なくなる効果を有する。
【0195】
また、タッチパネル部104上の小さなスイッチ、あるいは、隣接するスイッチとの間隔が狭いスイッチにおいても、より入力の誤りが少なくできる効果を有する。そのため、この発明のタッチパネルを有する装置は、特にタッチパネルの操作面が限られた面積であるタッチパネルを有する携帯端末に特に適している。
【0196】
また、この発明のタッチパネルを有する装置は、片手で高速な入力操作を行って使用されることの多い携帯電話端末により適している。
【0197】
また、触覚によって知覚するスイッチの領域と入力の受け入れられる領域とが一致することで、指先がスイッチの位置を学習しやすくなり、入力速度を向上させやすい装置を提供することができる。
【0198】
また、特に、第3実施形態のように、液晶表示パネル202に表示された表示領域と上記触覚の差を与える領域との位置関係の補正を行う構成と共に、この第4実施形態の触覚の差を与える領域と有効入力領域との位置関係の補正を行う構成を用いることで、操作者のタッチパネル部104上の操作で、より整合性のある操作感を持つことができる利点を有する。
【0199】
また、特に、タッチパネル部104上の触覚の差を与える領域の通知を、より細かく制御した機械的駆動によって行う第2実施形態の構成の場合、触覚による座標の知覚がより明確になるため、弱押圧操作の感覚と入力を受け付ける領域のずれを無くすことで、操作者の操作感を特に向上させることができ、入力の誤りをより低減させる効果がある。そのため、この第3実施形態の構成による補正が特に効果を有する。
【0200】
上記第1〜第4実施形態では、第1実施形態と同様に強押圧操作によって入力操作を行うように構成したが、入力操作は強押圧操作に限られるものではなく、従来技術に示されるように、一定時間内に複数回操作面に触れる動作、いわゆるダブルクリックのような動作で入力を行うような構成とすることができる。そして同じように、弱押圧操作における位置の知覚がより正確にすばやくできる効果を有する。特に、従来技術では、触覚で知覚した位置から、入力操作を行うために指を離すことが誤操作の原因となっていた。この第3実施形態の構成では、弱押圧操作における触覚による位置の知覚と、ダブルクリック操作などによる入力位置のずれを補正することができる。
【0201】
しかし、この第3実施形態のように強押圧操作を入力操作として用いた方が、入力位置を触覚で正確にすばやく確認した後、指をタッチパネル部104から離すことなく連続して入力操作を行うことができるため、より入力の誤りを少なくかつすばやく行うことが可能となり、より好ましい。
【0202】
なお、上記第4実施形態では、上記第3実施形態の構成に引き続き補正を行う例を説明したが、第3実施形態の液晶表示パネルに表示された表示領域と検出パネルに設定された触覚の差を与える領域との相対的な位置関係の補正をせずに、触覚の差を与える領域と有効入力領域との相対的な位置関係の補正をしてもよい。
【0203】
【発明の効果】
以上より明らかなように、この発明のタッチパネルを有する装置によれば、操作者は、タッチパネル上での位置を確かめるための軽く触る動作の弱押圧操作と、現在の場所で入力を行う旨の押し込む動作の強押圧操作を、タッチパネルから手を放すことなく、速やかに連続して行うことができる。そのとき、操作者が自分の操作を正しく装置が検出していることを機械的駆動の違いにより知覚できる。
【0204】
また、操作者は、上記第1の機械的駆動と上記第2の機械的駆動によって、なぞっている位置に関する情報、及び、弱押圧操作を行っているのか、強押圧操作を行っているのかの情報を知覚することができ、操作時のタッチパネル面への操作位置、及び、操作圧力、あるいは、押し込み距離を自然と加減するように自然と学習することができる。
【0205】
そのため、入力誤りを犯すことが少ない操作性の優れたタッチパネルを有する装置を提供することができる。また、操作者の自然な学習により、操作が高速になるタッチパネルを有する装置を提供することができる。
【0206】
また、上記の効果によって、特にタッチパネル上のスイッチを小さく、あるいは、間隔を狭く設定することが可能なタッチパネルを有する装置を提供することができる。
【0207】
また、特に小型の携帯端末の場合でも、タッチパネル上のスイッチを小さく、あるいは、間隔を狭く設定することが可能なタッチパネルを有する装置を提供することができる。
【0208】
また、特に、入力部が非常に狭く、密集しており、高速な操作を必要とする携帯電話端末においても、本発明のタッチパネルを有する装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明の第1実施形態のタッチパネルを有する装置の一例としての携帯電話端末の斜視図である。
【図2】図2は、上記携帯電話端末のタッチパネル部と駆動部の配置を示す概念図である。
【図3】図3は、上記携帯電話端末の制御を説明するためのフローチャートである。
【図4】図4は、この発明の第2実施形態のタッチパネルを有する装置の一例としての携帯端末端末のより細かな制御について説明するための図である。
【図5】図5は、上記携帯電話端末において入力操作や有効入力領域内外の弱押圧操作の相対距離と駆動周波数との関係を示す図である。
【図6】図6は、この発明の第3実施形態のタッチパネルを有する装置の一例としての携帯電話端末において、液晶表示パネルに表示された表示領域と上記検出パネルに設定された触覚の差を与える領域の補正を説明するためのフローチャートである。
【図7】図7は、上記携帯電話端末の液晶表示パネルに表示された表示領域と検出パネルに設定された触覚の差を与える領域の補正を説明するための図である。
【図8】図8は、この発明の第4実施形態のタッチパネルを有する装置の一例としての携帯電話端末において、触覚の差を与える領域と有効補正領域の補正を説明するためのフローチャートである。
【図9】図9は、触覚の差を与える領域と有効入力領域の補正を説明するための図である。
【図10】図10は、従来のタッチパネルを有する装置の概略構成図である。
【符号の説明】
101…本体、
103…ディスプレイ部、
104…タッチパネル部、
201…検出パネル、
202…液晶表示パネル、
203…感圧センサ、
204…可変周波数バイブレータ、
205…X軸、
206…Y軸、
207…制御部、
401,402…触覚の差を与える領域、
403,404…中央部、
405…点、
406,408,409…矢印付き線、
407…点、
701,702…表示領域、
703…弱押圧座標信号の値の軌跡、
704,705…ずれ、
901,902…有効入力領域、
903…強押圧座標信号の値の示す位置、
904…ずれ、
1001…タッチパネル、
1002…バイブレータ、
1003…電磁ハンマー、
1004…制御部、
1005…検出信号、
1006,1007…制御信号。
【発明の属する技術分野】
本発明は、タッチパネルを有する装置に関し、特に、タッチパネルの操作により機械的に駆動する駆動機構によって、操作者に操作位置に関する情報を通知して、操作性を向上できるタッチパネルを有する装置並びにタッチパネルを入力装置とする携帯端末および携帯電話端末に関する。
【0002】
【従来の技術】
通常のタッチパネルでは、例えばスイッチとして、視覚的に表示された図形の領域(以降、単に表示領域と呼ぶ)に対して、操作者は視覚のみによって、入力操作を受け付ける領域(以降、有効入力領域と呼ぶ)の位置を判断して入力を行う。そして、入力されたことを音や表示の変化で知らせるものが普通である。
【0003】
そのため、タッチパネルは、入力の誤りを少なくするために、スイッチとして、上記表示領域に一致させた有効入力領域を設定し、それらの領域を十分大きな面積とし、更に、隣接するスイッチとの間に十分な距離の間隔を必要とする。
【0004】
従来のタッチパネルを有する装置では、平面的なタッチパネルにおいての操作者の操作時の感触を向上させるため、更に、振動や衝撃の機械的駆動を行う機構を有している(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
図10は上記タッチパネルを有する装置の概略構成を示している。
【0006】
図10に示すように、タッチパネルを有する装置は、タッチパネル1001の所定座標に設定されたスイッチに触れたか押したとき、タッチパネルの座標信号1005を検出し、制御装置1004がバイブレータ1002を駆動する信号1006を発する。それによって、操作者はバイブレータ1002の振動を感じる。また、特定の時間内にタッチパネルを2回以上触れたか押したとき、電磁ハンマー1003を駆動する制御信号1007を発する、それによって、操作者は、電磁ハンマー1003の衝撃を感じる。
【0007】
ここで、特定の時間内に2回以上触れたか押したときとは、コンピュータ装置のマウス等で用いられるダブルクリック操作に相当し、その座標での入力を行う行為である。つまり、上記タッチパネルを有する装置においては、操作者がタッチパネル上のスイッチに触れたか押したときにスイッチ部分に触れている場合、振動等でスイッチの場所であることを知覚させる。そして、ダブルクリック操作で入力を行わせ、入力が受け付けられたことを、また異なる衝撃で操作者に知覚させることを可能にしている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記タッチパネルを有する装置では、通常のタッチパネルを使用しているために、触れたか押したときと、入力の操作を区別するため、特定の時間内に2回以上触れたか押した操作を入力操作とせざるを得ない構成となっている。そのため、指をタッチパネル面から離さざるを得ず、操作位置に誤差が生じ、入力の誤りを生じる原因となってしまっていた。
【0009】
そのため、従来のタッチパネルと同様に、入力の誤りを少なくするために、十分大きな面積の有効入力領域、及び、隣接する有効入力領域との間に十分な距離の間隔を必要としていた。
【0010】
また、通常の機械的なスイッチに比べて、入力の動作が複雑になり操作スピードがどうしても低下してしまう欠点を有していた。
【0011】
一方、現在の携帯端末や特に携帯電話端末では、小型化と高機能化が進み、非常に小さい入力スイッチが、きわめて近接して配置された構成で、操作者は電子メール等の入力を非常に高速に行っている。この際、入力スイッチよりも操作している指の大きさが大きいことがしばしばあるが、それが当たり前のように操作が行われている。
【0012】
また、小さな装置の限られた入力ボタンで日本語入力を行うために1文字入力するのにも多くの入力操作を行っている。例えば、「こ」を入力するために、「か行」のボタンを5回押すように操作をしている。
【0013】
そこで、本発明の課題は、入力誤りが生じにくく、かつ、操作性に優れたタッチパネルを有する装置を提供することである。
【0014】
また、特に、小型の携帯端末の場合でも、タッチパネル上のスイッチを小さく、あるいは、間隔を狭く設定することが可能なタッチパネルを有する装置を提供することである。
【0015】
また、特に、入力操作を高速に行うことに適したタッチパネルを有する装置を提供することである。
【0016】
【特許文献1】
特開平8−221173号公報
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、本体またはタッチパネルの少なくとも一方を機械的に駆動する駆動手段を有し、上記タッチパネルの弱押圧操作の有無と弱押圧検出座標値を弱押圧検出手段によって検出する。また、上記タッチパネルの上記弱押圧と区別して、強押圧操作の有無を強押圧検出手段によって検出する。そして、上記弱押圧検出手段により検出された弱押圧検出座標値に応じて、第1の制御手段によって、上記駆動手段を制御し、第1の機械的駆動を行わせる。また、上記強押圧検出手段の強押圧操作の有無の検出に応じて、第2の制御手段によって、上記駆動手段を制御し、上記第1の機械的駆動とは異なる第2の機械的駆動を行わせる。つまり、操作者のタッチパネル表面への操作圧力、あるいは、押し込み距離の差によって、上記弱押圧操作に対して上記強押圧操作を区別して検出する。そして、上記弱押圧検出手段による弱押圧検出座標値に応じて第1の機械的駆動を行うように、第1の制御手段で上記駆動手段の制御を行う。また、上記強押圧検出手段の検出結果(強押圧操作の有無)に応じて、第1の機械的駆動とは異なる第2の機械的駆動を行うように、第2の制御手段で上記駆動手段の制御を行う。
【0018】
操作者は、例えば機械的な入力スイッチの操作を行う場合、上記入力スイッチ(あるいは操作面)を軽くなぞる操作、すなわち、弱押圧操作を行うことで、上記入力スイッチの位置やスイッチの領域を触覚で知覚し、続いて、上記入力スイッチを押し込む操作、すなわち強押圧操作を行うことで、入力を行おうとする。同じようにタッチパネルにおいても、操作者は、上記タッチパネルを軽くなぞる弱押圧操作を行うことで、入力スイッチの位置と領域を知覚しようとする。
【0019】
上記構成のタッチパネルを有する装置によれば、操作者は、タッチパネル上でのスイッチの位置を確かめるための軽く触る動作の弱押圧操作と、現在の場所で入力を行う旨の押し込む動作の強押圧操作を、タッチパネルから手を放すことなく、速やかに連続して行うことができる。そのとき、操作者が自分の操作を正しく装置が検出していることを機械的駆動の違いにより知覚できる。
【0020】
また、操作者は、上記第1の機械的駆動と上記第2の機械的駆動によって、なぞっている位置に関する情報、及び、弱押圧操作を行っているのか、強押圧操作を行っているのかの情報を知覚することができ、操作時のタッチパネル面への操作位置、及び、操作圧力、あるいは、押し込み距離の加減の学習が自然とできる。つまり、目視による知覚から後の入力までの操作が、弱押圧操作から強押圧操作まで連続した触覚として途切れることなく知覚されるので、上記の加減の学習が自然とできるのである。
【0021】
そのため、入力誤りを犯すことが少ない、操作性の優れたタッチパネルを有する装置を提供することができる。また、操作者の自然な学習により、操作が高速になるタッチパネルを有する装置を提供することができる。
【0022】
また、上記の効果によって、特にタッチパネル上のスイッチを小さく、あるいは、間隔を狭く設定することが可能なタッチパネルを有する装置を提供することができる。
【0023】
これに対して、従来技術で示したタッチパネルが入力をダブルクリックのようなタッチパネルから一度手を離してしまう構成では、操作者にとって触覚による知覚がそこで一度途切れてしまい、連続した感覚が得られず、上記の操作者の自然な学習につながりにくくなる面で大きく異なる。
【0024】
上記駆動手段の異なる機械的駆動とは、機械的駆動の有無、機械的駆動の種類、機械的駆動の方向、機械的駆動の強さ、機械的駆動の周波数、機械的駆動のパターン、あるいは更にそれらの組み合わせ方のいずれかが異る機械的駆動を意味する。
【0025】
また、上記弱押圧操作と上記強押圧操作との区別は、異なるしきい値によって、押圧操作の圧力の検出を行う複数の種類の検出手段で行っても構わないし、ひとつの種類の検出手段で2段階のしきい値を有することで区別して検出しても構わない。
【0026】
また、上記弱押圧検出手段は、例えば静電容量の変化の検出によって検出するタッチパネルのように、検出原理として、必ずしもタッチパネル表面に接触する必要のない検出手段を用いることも可能である。
【0027】
また、上記強押圧検出手段は、上記のように弱押圧操作に対して強押圧操作を押圧操作の圧力の違いで検出する構成以外に、押し込み距離の違いを検出する構成としてもよい。
【0028】
また、強押圧操作時に、上記弱押圧検出手段が座標や接触の検出を継続していることは何ら問題がなく、強押圧操作時に上記弱押圧検出手段が検出しなくなる必要はない。
【0029】
また、上記強押圧検出手段は、強押圧操作の有無の検出のほかにその強押圧検出座標値も出力するように構成してもかまわない。しかし必ずしも強押圧検出座標値を出力する必要はない。強押圧操作は、例えば入力操作として用いるので入力座標が必要となる場合もあるが、上記弱押圧検出手段による上記弱押圧検出座標値を、強押圧操作が行われたときの操作を検出して座標値を用いてもよい。
【0030】
また、上記第1の機械的駆動と上記第2の機械的駆動は、上記タッチパネルの一部においてのみ異なるように、第1の制御手段と第2の制御手段とで行われてもよく、必ずしもタッチパネルの全面で上記の制御を行わなくてもよい。
【0031】
また、一実施形態のタッチパネルを有する装置では、上記座標範囲設定手段によって、上記弱押圧検出手段により検出される弱押圧検出座標値に対する座標範囲を設定する。そして、上記第1の制御手段によって、上記駆動手段を制御して、上記弱押圧検出手段の上記弱押圧検出座標値と、上記座標範囲設定手段によって設定された上記座標範囲との相対関係に応じて機械的駆動を変化させる。つまり、上記座標範囲と上記弱押圧検出座標値との相対関係で、上記第1の制御手段によって駆動手段を制御し、弱押圧操作に対して機械的駆動を変化させ、上記座標範囲を操作者に触覚の差として知覚させる。
【0032】
上記実施形態のタッチパネルを有する装置によれば、操作者は、概ね平面のタッチパネルで、機械的駆動の変化によって触覚として知覚した上記座標範囲の位置(すなわち、スイッチの位置)を、手をタッチパネルから放すことなく、連続して入力を行う旨の強押圧操作することができる。そして入力が受け付けられたことを、また異なる機械的駆動(第2の機械的駆動)によって確認することができる。そのため、入力の誤りを犯すことが少ない操作性の優れたタッチパネルを有する装置を提供することができる。
【0033】
また、特に、弱押圧操作から例えば入力操作としての強押圧操作へ連続して操作が可能であり高速に操作を行うことが可能なタッチパネルを有する装置を提供することができる。
【0034】
上記実施形態での第1の機械的駆動の変化とは、機械的駆動の有無、機械的駆動の種類、機械的駆動の方向、機械的駆動の強さ、機械的駆動の周波数、機械的駆動のパターン、あるいは更にそれらの組み合わせ方のいずれかの変化を意味する。
【0035】
つまり、例えば、上記弱押圧検出座標値が上記座標範囲の内部と外部との一方で機械的に駆動し、他方で機械的に駆動しないように、機械的駆動の有無によって触覚の差を与えることもできる。その場合、特に、上記弱押圧検出座標値が上記座標範囲の内部であるときは機械的に駆動し、外部であるときは機械的に駆動しないように第1の制御手段で制御することがより好ましい。
【0036】
また、特に、スイッチの位置を明確にするために、上記弱押圧検出手段の上記弱押圧検出座標値が上記座標範囲の内部と外部との境界で、機械的駆動が不連続に異なるように第1の制御手段で制御を行うことが好ましい。
【0037】
また、一実施形態のタッチパネルを有する装置では、上記第1の制御手段によって、上記駆動手段を制御して、上記弱押圧検出手段の上記弱押圧検出座標値と、上記座標範囲設定手段によって設定された上記座標範囲との相対関係に応じて機械的駆動を徐々に変化させる。つまり、操作者の上記弱押圧操作に対して、上記弱押圧検出座標値の上記座標範囲に対する相対関係(例えば上記座標範囲の中央座標値からの相対距離や、例えば上記座標範囲の境界からの相対距離)とともに、駆動手段の機械的駆動を徐々に変化させて操作者に知覚させる。
【0038】
上記実施形態のタッチパネルを有する装置によれば、上記タッチパネルの操作面の上記座標範囲(すなわち、スイッチの領域)、あるいは、上記座標範囲の特定の個所に操作者の操作を誘因する効果を有する。例えば、上記座標範囲の内部での上記機械的駆動を上記座標範囲の中央の座標値に向かって徐々に強く変化することによって、上記座標範囲の中央に操作者の操作を誘因することができる。また、例えば、上記座標範囲の外部での上記機械的駆動を上記座標範囲の方向に向かって徐々に強く変化することによって、上記座標範囲の方向に操作者の操作を誘因することができる。
【0039】
そのため、自然と操作者の操作が正しい、あるいはより好ましい操作位置に誘因され、入力の誤りを犯すことが少ない操作性の優れたタッチパネルを有する装置を提供することができる。
【0040】
また、特に、上記の誘引された正しい位置で弱押圧操作から強押圧操作へ連続して操作が可能であることで高速に正確な操作を行うことが可能なタッチパネルを有する装置を提供することができる。
【0041】
また、上記座標範囲の位置の通知を、より細かく制御した機械的駆動によって行うことになるので、触覚による位置の知覚がより明確になる効果とともに、操作者が操作位置をより学習しやすくなる。
【0042】
また、操作を繰り返す都度、操作に伴う上記弱押圧操作で、タッチパネル上での上記座標範囲の境界の方向、中央部付近の方向、あるいは、上記座標範囲そのものの方向を確認できるので、操作の都度、自然と操作位置の誤差を修正し、高速な操作を継続して行うことができる特別な利点を有する。
【0043】
上記実施形態での第1の機械的駆動を徐々に変化させるとは、機械的駆動の種類、機械的駆動の方向、機械的駆動の強さ、機械的駆動の周波数、機械的駆動のパターン、あるいは更にそれらの組み合わせ方のいずれかを連続的に変化させること、あるいは段階的に変化させることを意味する。
【0044】
また、特に、上記座標範囲の内部と外部の境界で、機械的駆動が不連続に異なるように駆動手段の制御を行って、スイッチの位置を操作者に明確に知覚させた上で、上記座標範囲の内部、あるいは、外部、あるいは、その両方で、更に、上記実施形態の構成を実施することが好ましい。そうすることによって、操作者は慣れれば、スイッチの中央の位置、あるいは、方向を知覚しながら、操作の指の動きを少なくするために、意図的にスイッチの許容される範囲内で入力操作を行うことができる。
【0045】
また、一実施形態のタッチパネルを有する装置では、上記座標範囲設定手段により設定された上記座標範囲に対応するように上記タッチパネルに設定された視覚的な表示領域に対して、弱押圧操作要求手段により操作者に弱押圧操作を要求する。そして、弱押圧操作要求手段により操作者が弱押圧操作をすることにより、上記表示領域の座標に対する上記弱押圧検出座標値のずれを弱押圧検出座標値ずれ測定手段によって測定する。そして、弱押圧検出座標値ずれ補正手段によって、弱押圧検出手段の弱押圧検出座標値のずれを補正する。つまり、タッチパネル上の表示領域(視覚的に表示された図形の領域)、例えば、操作者が視覚的に知覚するスイッチを表示する。そして、上記表示領域に対して、操作者に上記スイッチの弱押圧操作を行わせる。そうすると、上記表示領域(あるいは表示領域の中央部)の座標値に対して、上記弱押圧検出手段が検出した上記弱押圧検出座標値がずれを生じ、このずれを測定する。そして、測定したずれにより、以降に行われる上記第1の制御手段により制御される駆動手段の第1の機械的駆動を補正することが可能となる。
【0046】
上記タッチパネルでは、上記座標範囲と上記検出座標値との相対関係で、上記第1の制御手段によって駆動手段を制御し、弱押圧操作に対して機械的駆動を変化させて、操作者に触覚の差を与えるように設定している。そのとき、タッチパネル上で例えばスイッチとしての上記表示領域を操作者が視覚的に知覚する位置と、操作者が触覚的に知覚する上記座標範囲の位置が異なってしまう場合がある。
【0047】
これは、タッチパネルの表示を行う機構と弱押圧検出手段を構成する機構との位置合わせの誤差によるものだけでなく、操作方法によっても生じることがある。例えば、携帯電話端末での操作のように片手で装置を保持して、保持した手の親指でキー入力を行う場合などのように、操作が必ずしも操作面の垂直方向から丁寧に行われない場合などでは、特に上記検出座標値がずれることがある。
【0048】
このとき、上記表示領域の位置に合わせて上記座標範囲を設定すると、操作者にとって、上記表示領域と上記座標範囲との間に距離を感じたり、視覚と触覚の間に矛盾を感じてしまう場合がある。特に、複数の上記座標範囲が近接して存在する場合や、上記座標範囲が小さい場合では、操作者を混乱させてしまう。
【0049】
上記実施形態のタッチパネルを有する装置によれば、上記表示領域と上記座標範囲の位置関係を補正して、操作者の視覚によって知覚する位置と触覚によって知覚する位置とを一致させることができる。そのため、操作性に優れたタッチパネルを有する装置を提供することが可能となる。
【0050】
また、タッチパネル上の上記座標範囲の通知を、上記のより細かく制御した機械的駆動によって行う場合、触覚による位置の知覚がより明確になるため、更に、上記実施形態の構成とすることにより、操作者の操作感を特に向上させることができる。
【0051】
また、一実施形態のタッチパネルを有する装置では、上記強押圧検出手段により強押圧操作が検出されたときに強押圧座標検出手段によって強押圧検出座標値を出力する。そして、上記タッチパネル設定にされた上記座標範囲に対して、強押圧操作要求手段により操作者に強押圧操作を要求する。そして、操作者に強押圧操作を行わせて、上記強押圧検出座標値ずれ測定手段によって、上記座標範囲に対する上記強押圧検出座標値のずれを測定する。そして、強押圧検出座標値補正手段によって、上記強押圧座標検出手段の強押圧検出座標値のずれを補正する。
【0052】
つまり、上記タッチパネルでは、上記座標範囲と上記強押圧検出座標値との相対関係で、上記第1の制御手段によって駆動手段を制御し、弱押圧操作に対して機械的駆動を変化させ、操作者に触覚の差を与えるように設定している。ここでの上記座標範囲は、例えば、スイッチとしての領域である。そして、操作者に上記弱押圧操作を行わせ、更に、操作者が触覚で知覚した上記座標範囲に対して上記強押圧操作を行わせる。そうすると、上記座標範囲(あるいは座標範囲の中央部)の座標の値に対して、上記強押圧検出手段により強押圧操作が検出されたときの上記強押圧座標値はいくらかのずれを生じて検出される、そしてこのずれを強押圧検出座標値ずれ測定手段により測定する。このとき、測定したずれにより、以降に行われる上記強押圧操作の場合の上記強押圧座標検出手段により検出される強押圧検出座標値の補正を行う。
【0053】
上記タッチパネルを有する装置において、操作者が強押圧操作を、例えば入力操作として行う場合、上記座標範囲を操作者が触覚として知覚した位置での上記強押圧検出座標値と、操作者がその場所で上記強押圧操作を行った場合に検出される上記強押圧検出座標値とに差が生じる場合がある。これは、タッチパネルの上記弱押圧検出手段の検出機構と、強押圧座標検出手段の検出機構との機械的な位置合わせの誤差によるものだけでなく、操作方法によっても生じる場合がある。
【0054】
例えば、強押圧操作でのタッチパネルへの指の接触面が弱押圧操作の場合と変わってしまうために生じる。特に携帯電話端末での操作のように片手で装置を保持して、保持した手の親指でキー入力を行う場合などのように操作が必ずしも操作面の垂直方向から丁寧に行われない場合などでは、相互で検出する座標が大きくずれる場合がある。
【0055】
このとき、上記強押圧検出座標値を入力操作の座標値とすると、弱押圧操作で知覚した上記検出座標値とずれてしまう。つまり、上記座標範囲の内部と操作者が触覚によって知覚した場所で入力できなかったり、上記座標範囲の外部と知覚した場所で入力できてしまったりする場合がある。
【0056】
これは、複数の有効入力領域(入力操作を受け付ける領域)が近接して存在する場合や、有効入力領域が小さい場合では、最悪、隣接する他の有効入力領域に入力してしまう誤操作が生じ、操作者を混乱させてしまう場合がある。
【0057】
上記実施形態のタッチパネルを有する装置によれば、上記強押圧座標検出手段を補正して、操作者が弱押圧操作で知覚している位置とその場所での強押圧操作で検出される位置との座標を一致させることができる。そのため、操作性に優れたタッチパネルを有する装置を提供することが可能となる。
【0058】
また、タッチパネル上の上記座標範囲の通知を、上記のより細かく制御した機械的駆動によって行う場合、触覚による座標の知覚がより明確になるため、更に上記実施形態の構成とすることによって、操作者の操作感を特に向上させることができる。
【0059】
また、上記強押圧座標検出手段は、強押圧検出座標値として、例えば、上記弱押圧検出手段によって得られる上記弱押圧検出座標値を出力するように構成することができる。あるいは、上記弱押圧検出手段とは別の機構で上記強押圧検出座標を検出して出力するように構成してもかまわない。
【0060】
また、一実施形態のタッチパネルを有する装置は携帯端末である。
【0061】
上記携帯端末では、できるだけディスプレイ画面を大きくしてたくさんの情報を表示しようとすると、キー入力部が小さくなって操作性が低下してしまう場合がある。
【0062】
本発明のタッチパネルを有する装置を用いてディスプレイ画面と入力部を兼用することで操作性を損なうことなくディスプレイを大きくすることが可能である。
【0063】
また、入力面が狭く多くの情報の入力が敬遠されがちな携帯端末において、上記のように操作速度が向上する効果があるので、携帯端末自身の利用機会が増加するという効果を有する。
【0064】
また、一実施形態のタッチパネルを有する装置は携帯電話端末である。
【0065】
最近の携帯電話端末では、ダイヤル表示等のほかに、例えば、電子メールやWEBコンテンツの表示やデジタルテレビの視聴を可能とするものが開発されている。そのため、ディスプレイ画面が大きく、あるいは複数のディスプレイ画面を有する構成として、多くの情報を表示できるものが好ましい。例えば、デジタルテレビの視聴では、公衆の場所でのマナーの面で字幕放送を利用する機会が増加する。その場合、テレビ画面と字幕の両方を表示する必要があることからディスプレイ画面がより大きな面積を確保できる構成、あるいは、複数のディスプレイ画面を含む構成が必要になる。
【0066】
しかし、一方、ダイヤル操作や、電子メールの入力のために操作性の良い入力装置が必要である。携帯電話端末では、元々キー入力装置が小さく、近接して配置されている。
【0067】
上記実施形態のタッチパネルを有する装置によれば、タッチパネルをディスプレイ画面と入力部に兼用しても、操作性を損なうことがなく、ディスプレイ画面の総面積を大きくすることが可能である。
【0068】
【発明の実施の形態】
以下、この発明のタッチパネルを有する装置を図示の実施の形態により詳細に説明する。
【0069】
〔第1実施形態〕
図1は、この発明の第1実施形態のタッチパネルを有する装置の一例としての携帯電話端末の斜視図を示している。
【0070】
図1に示すように、この携帯電話端末の本体101は、折り畳み部102で折り畳むことができる構造となっている。また、ディスプレイ部103およびタッチパネル部104を、本体101の折り畳む内側の面に配置している。
【0071】
また、図2は上記タッチパネル部104の構造を模式的に示している。図2に示すように、タッチパネル部104は、弱押圧検出手段の一例としての検出パネル201と、表示手段の一例としての液晶表示パネル202と、強押圧検出手段の一例としての感圧センサ203と、本体101に設けられた駆動手段の一例としての可変周波数バイブレータ204からなっている。
【0072】
図2では、検出パネル201と、液晶表示パネル202とを取り外した状態で示しており、実際には、破線で示すように、本体101の所定位置に重ね合わせた状態で使用される。
【0073】
上記検出パネル201は、操作面への接触の検出の有無を弱押圧検出信号として、また、操作面への接触の検出座標値を弱押圧座標信号として平面座標値(X軸205,Y軸206) を出力するように構成している。そして、上記強押圧操作が行われた場合でも同じように出力するように構成している。
【0074】
上記検出パネル201の検出機構は、抵抗膜式、超音波式、光電式、静電容量式などのいわゆるタッチパネルの既存技術によるものなので詳細な説明は省略する。ここでは、検出パネル201は、下部に配置される液晶表示パネル202の画面に重ねて配置されるため、透明(または半透明)の材料で構成している。
【0075】
また、上記感圧センサ203は、強押圧操作、つまり、操作者がスイッチを強く押す旨の操作を、上記検出パネル201をなぞる弱押圧操作と区別して検出する機構としている。この第1実施形態では、4個の感圧センサ203によりタッチパネル部104を支えるように構成している。そして、4個の感圧センサ203による圧力を合計して、タッチパネル部104全体への圧力として算出する。そして、検出パネル201が検出を開始する圧力のしきい値よりも大きい圧力の操作で感圧センサ203が強押圧操作を検出するように、感圧センサ203のしきい値を所定の圧力に設定する。そして、強押圧操作が行われたときに感圧センサ203から強押圧検出信号を出力するように構成している。
【0076】
なお、上記強押圧検出手段の一例としての感圧センサ203は、上記の感圧による検出方式の他、押し込み距離(ストローク)の違いを検出し、弱押圧操作による操作面への軽い接触とは区別して、操作者の強押圧操作を検出し、強押圧操作の検出信号を出力する構成してもよい。
【0077】
また、ディスプレイ部103および液晶表示パネル202は、既存技術のバックライト付きのLCD装置(液晶ディスプレイ装置)を使用している。タッチパネル部104のディスプレイ手段は、他に、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイや、CRT(カソードレイチューブ)ディスプレイ等の既存の技術が利用できる。
【0078】
また、上記可変周波数バイブレータ204は、操作者に機械的駆動を伝える機構を有する。ここでは、可変周波数バイブレータ204は、携帯電話端末の着信を知らせるために利用される振動装置と共用され、振動の周波数をコントロールできるように構成している。上記駆動手段は、振動周波数を変化させる機構とする他に、振動強度を変化させることのできるバイブレータを用いることもできるし、振動の方向やパターン、あるいはそれらの組み合わせを変化させることのできる機械的な駆動部を用いることができる。
【0079】
上記検出パネル201と感圧センサ203の各検出信号は、図中には記載していないが、上記携帯電話端末の本体101に内蔵された制御部207に入力され、制御部207から可変周波数バイブレータ204と液晶表示パネル202に制御信号が入力される。
【0080】
また、強押圧座標検出手段の一例として、上記強押圧検出信号を検出したときに制御部207で上記弱押圧座標信号の示す座標値をもって、強押圧操作が行われたときの座標値(強押圧検出座標値)を強押圧座標信号として検出する構成としている。
【0081】
なお、検出信号、制御信号の経路や制御部の相互の接続については、既存技術、特開平10−293644にも記載がある。
【0082】
図3は、この第1実施形態でのタッチパネルを有する携帯電話端末の操作と操作に伴う可変周波数バイブレータ204の機械的駆動を制御する制御部207の動作を説明するためのフローチャートである。以下、図3にしたがって携帯電話端末の機械的駆動の制御を説明する。
【0083】
先ず、ステップS1で、触覚の差を与える領域を設定する。つまり、後述のステップによって、上記弱押圧座標値との相対関係で機械的駆動を変化させる領域を設定する。例えば、操作者にスイッチとして機械的駆動を触覚によって知覚させる領域である。
【0084】
この第1実施形態では、上記検出パネル201で検出される上記弱押圧座標信号の座標値に対する座標範囲を設定することで行われる。つまり、検出パネル201の上記座標範囲に対応する座標上の領域が上記触覚の差を与える領域となる。上記座標範囲は、例えば弱押圧座標信号のX座標値,Y座標値を用いた数式や論理式として設定する。
【0085】
次に、ステップS2で、入力操作が有効な有効入力領域を設定する。つまり、強押圧操作で入力操作が行われたとき入力操作を受け付けるタッチパネル部104上の領域を設定する。
【0086】
この第1実施形態では、上記ステップS1で設定された検出パネル201の座標上の領域(触覚の差を与える領域)に座標が概略一致するように、上記有効入力領域を設定している。上記有効入力領域は、上記強押圧座標検出手段によって検出される上記強押圧座標信号のX座標値,Y座標値を用いた数式や論理式として設定する。
【0087】
また、更に、同じく上記触覚の差を与える領域に座標が概略一致するように、図形で示されたスイッチ(表示領域)を液晶表示パネル202に表示する。例えば、電話のダイヤルに相当する数字が表示された図形を表示する。
【0088】
上記ステップS1とステップS2で設定される上記触覚の差を与える領域および上記有効入力領域は、後述の処理(ステップS9)によっては、同じ配置を維持する場合もあるし、違う配置に変える場合もある。例えば、タッチパネル部104には、ダイヤルの入力中などは、数字が表示されたスイッチを設定し、同じ配置の入力画面で操作を続けるが、電子メールの画面に代わった場合など、電子メールの操作のスイッチにあわせたスイッチ配置に変更するように使用される。つまり、上記触覚の差を与える領域や上記有効入力領域も同じように配置を維持したり、あるいは、別の配置になるように変更されたりする。また、液晶表示パネル202に表示された表示領域も同じように変更される。また、上記触覚の差を与える領域および上記有効入力領域は、通常、複数箇所設定されるが、一個所だけである場合もある。
【0089】
次に、ステップS3で、弱押圧操作の有無を判断し、弱押圧操作が有る場合はステップS4に進む一方、弱押圧操作の有無を判断し、弱押圧操作がない場合はステップS13に進む。つまり、ステップS3では、操作者がタッチパネル部104の操作面(検出パネル201)に触れているかを判断する。この第1実施形態では、弱押圧操作の有無は、上記検出パネル201が出力する上記弱押圧検出信号の有無で判断する。
【0090】
そして、ステップS13では、可変周波数バイブレータ204の機械的駆動を停止し、ステップS12に進む。この第1実施形態では、周波数可変バイブレータ204の機械的駆動を停止する。
【0091】
また、ステップS4では、上記弱押圧操作の位置が上記触覚の差を与える領域の内部か否か判断し、上記触覚の差を与える領域の内部であればステップS5に進む一方、上記弱押圧操作の位置が上記触覚の差を与える領域の内部でなければステップS14に進む。つまり、ステップS4では、操作者が上記検出パネル201に設定された上記触覚の差を与える領域に接触れているかを判断する。この第1実施形態では、上記検出パネル201の出力する上記弱押圧座標信号のX座標値,Y座標値がステップS1で設定した座標範囲の内部であるかどうかで判断する。
【0092】
次に、ステップS5では、可変周波数バイブレータ204を駆動状態Aで機械的に駆動し、ステップS6に進む。つまり、操作者にステップS1で設定された触覚の差を与える領域を触っていることを通知する。この第1実施形態では、駆動状態Aは、第1の機械的駆動であって、中程度の周波数で可変周波数バイブレータ204を機械的に駆動する状態とした。
【0093】
一方、ステップS14では、可変周波数バイブレータ204を駆動状態Dで機械的に駆動し、ステップS12に進む。つまり、操作者にステップS1で設定された触覚の差を与える領域の外部を触っていることを通知する。この第1実施形態では、駆動状態Dは、第1の機械的駆動であって、低い周波数で可変周波数バイブレータ204を機械的に駆動する状態とし、ステップS5の機械的駆動と区別して操作者が知覚できるようにした。
【0094】
次に、ステップS6では、強押圧操作の有無を判断し、強押圧操作の有る場合は、ステップS7に進む一方、強押圧操作の有無を判断し、強押圧操作が無い場合は、ステップS12に進む。つまり、ステップS6では、強く押し込む操作として入力操作が行われたかを判断する。この第1実施形態では、強押圧操作の有無は、感圧センサ203の出力する強押圧検出信号の有無で判断する。
【0095】
そして、ステップS7では、強押圧操作の位置を検出し、ステップS8に進む。
【0096】
この第1実施形態では、感圧センサ203の検出信号がある場合に、弱押圧操作の弱押圧座標信号のX座標値,Y座標値を強押圧操作の位置、つまり強押圧座標信号として制御部207で処理する。
【0097】
つまり、このステップ7で強押圧座標検出手段が構成されている。
【0098】
次に、ステップS8では、ステップ7で検出した強押圧操作の位置がステップS2で設定した有効入力領域の内部か否か判断し、有効入力領域の内部の場合は、ステップS9に進む一方、強押圧操作の位置が上記有効入力領域の内部でない場合は、ステップS15に進む。つまり、ステップS8では操作者が上記有効入力領域で入力操作を行ったかを判断する。この第1実施形態では、ステップS2で上記有効入力領域を設定した数式や論理式に、上記強押圧座標信号の値を代入して判断する。
【0099】
そして、ステップS9では、可変周波数バイブレータ204を駆動状態Bで機械的に駆動し、ステップS10に進む。つまり、操作者に強押圧操作による入力操作が受け付けられたことを通知する。この第1実施形態では、駆動状態Bは、第2の機械的駆動であって、高い周波数で可変周波数バイブレータ204を機械的に駆動する状態とし、ステップS5とステップS14の機械的駆動と区別して操作者が知覚できるようにした。
【0100】
次に、ステップS10では、ステップ8での操作者が入力を行った有効入力領域に対応する入力処理を行い、ステップS11に進む。例えば、ダイヤル部の数字の「1」のスイッチに対応する有効入力領域であれば、ダイヤルの「1」を入力した操作に対応してディスプレイに「1」を表示し、「1」が入力されたことを記憶するなどである。
【0101】
そして、ステップS11では、強押圧操作の終了を待ち、強押圧操作が終了するとステップS12に進む。つまり、1回の強押圧操作を連続して入力操作として検出しないように、あるいは、強押圧操作がの検出が細かくオンオフを繰り返す場合(これは検出のしきい値付近で操作した場合に生じる場合がある)に、間違って複数回の入力操作として検出しないように、一定時間、強押圧操作の無い状態を維持するまで待つ。
【0102】
一方、ステップS15では、可変周波数バイブレータ204を駆動状態Cとし、ステップS12に進む。つまり、操作者に上記有効入力領域の外部で入力操作をしてしまったことを通知する。この第1実施形態では、駆動状態Cは機械的駆動を行わない状態とした。
【0103】
そして、ステップS12では、終了の指示の有無を判断し、終了の指示がある場合は終了し、終了の指示が無い場合は、ステップS1に戻って繰り返す。操作の終了の指示は、例えば、電源の切断や、操作者が処理の中断を指示するスイッチを操作したり、あるいは、タッチパネル部104上のそれらの機能に相当する有効入力領域で強押圧操作が行われることで設定される。
【0104】
つまり、ステップS4,S5,S14によって、上記弱押圧検出手段の検出座標値に応じて、上記駆動手段に第1の機械的駆動を行わせる第1の制御手段が構成される。
【0105】
また、ステップS8,S9によって、上記強押圧検出手段の強押圧操作の有無の検出に応じて、上記駆動手段に上記第1の機械的駆動とは異なる第2の機械的駆動を行わせる第2の制御手段が構成される。
【0106】
また、ステップS1によって、上記弱押圧検出手段の一例としての検出パネル201により検出される弱押圧検出座標値に対する座標範囲(触覚の差を与える領域)を設定する座標範囲設定手段を構成している。
【0107】
また、ステップS4,S5,S14によって、上記第1の制御手段は、上記弱押圧検出手段の一例としての検出パネル201により検出される弱押圧検出座標値と、上記座標範囲設定手段によって設定された上記座標範囲との相対関係に応じて、上記駆動手段のの一例としての可変周波数バイブレータ204の機械的駆動を変化させるものとして構成される。
【0108】
また、ステップS7によって、上記強押圧検出手段により強押圧が検出されたときに強押圧座標信号を出力する強押圧座標検出手段が構成される。
【0109】
この第1実施形態の携帯電話端末によれば、操作者は、タッチパネル部104上での位置を確かめるための軽く触る動作の弱押圧操作と、その場所で入力を行う旨の押し込む動作の強押圧操作を、タッチパネル部104の操作面から手を放すことなく、速やかに連続して行うことができる。そのとき、操作者が自分の操作を正しく装置が検出していることを上記の機械的駆動周波数の違いにより知覚でき、操作時のタッチパネル部104の操作面への操作位置、及び、操作圧力、あるいは、押し込み距離を自然と加減するように自然と学習することができる。
【0110】
そのため、入力の誤りの少ない携帯電話端末を提供することができる。また、入力の誤りが少なくなるので、スイッチを小さく、あるいは、間隔を狭く配置することが可能となる。
【0111】
これは、機械的なスイッチの操作を行う場合での操作者の指先の入力スイッチに対する感触を、概略平面のタッチパネルにおいて機械的駆動周波数の違いによって置き換えることで、操作者の操作感を向上させ、なおかつ、操作者が指先の感覚や座標を学習して操作スピードを向上させることを可能とするために必要な構成である。
【0112】
つまり、視覚での大まかなスイッチ位置の確認に引き続き、指先での触覚でスイッチ位置を知覚し、その位置で連続して入力操作を行い、入力操作の結果を感触で確認する。これらの構成が欠けると、感覚の整合性が失われて操作スピードが低下するとともに、操作者が指先の感覚でスイッチ位置を学習して操作スピードを向上させることが困難になる。
【0113】
例として、特開平8―221173号公報で示される構成では、触覚によるスイッチ部の知覚の後、操作面から指を一度離さなければ入力操作を行うことができないため、触角による知覚が途切れてしまう。つまり、触覚による知覚が入力操作の完了まで連続することができず、操作者が操作位置を見失うことになり、自然と操作位置の学習することが難しい。そのため、本発明の課題を解決することができない。また、操作者にとって機械的なスイッチとの感覚の差があまりに大きいことも、上記の操作者の自然な学習を妨げる原因となっている。
【0114】
また、別の例として、この第1実施形態の中で引用した特開平10−293644号公報で示される構成では、機械的な構成はこの第1実施形態に近い。しかし、特開平10−293644号公報においては、弱押圧操作や誤って触れることによっては、誤操作が起こらないし、触感応答も与えられないようにする課題を解決する構成となっている。そのため、本発明の課題と大きく異なり、また、この第1実施形態と制御手段が大きく異なっており、弱押圧操作による応答が得られないため、本発明の課題を解決することができない。
【0115】
上記の駆動状態A、駆動状態B、駆動状態C、あるいは、駆動状態Dは、この第1実施形態では振動周波数の違い、あるいは振動の有無として差を設けたが、それぞれを別の種類の機械的駆動とすることで操作者が区別しやすくすることも可能である。
【0116】
例えば、従来技術に示されているように、バイブレータと電磁ハンマーの差とすることができる。あるいは、特開2001−350592号公報に示されるように、機械的駆動の波形を変えて一方(入力操作が好ましい)をパルス的な機械的駆動とする方法も可能である。あるいは、特開平7−64723号公報に示されるように、操作面が操作面に対して垂直な座標変化を伴うような移動を行うことも可能である。あるいは、特開平4−137419号公報に示されるように、操作面が操作面に対して平行に振動する機構等を用いて、振動方向を変えて区別しやすくすることも可能である。あるいは、操作面の振動と、装置全体の振動の違いによって区別しやすくすることも可能である。
【0117】
また、図3に示すステップS10,S11は、できれば並列処理されることが好ましい。より好ましくは、ステップS10の処理とその他のステップの処理を、プログラム中の並列処理される別のスレッド、あるいは、並列処理される別のプログラムで行うようにした方が好ましい。
【0118】
また、図3に示すステップS15で、駆動を停止する代わりに、別の種類の駆動を行い、間違った座標で入力操作が行われたことを操作者に通知することもできる。あるいは、その前の機械的駆動(駆動状態A、駆動状態Bまたは駆動状態Dのいずれか)を変化させないようにすることも可能である。しかし、本構成のように機械的駆動を停止することで、操作者は有効入力領域が無い操作面で弱押圧操作の力の加減を試して、有効入力領域への操作に先立って調節することができる利点を有する。
【0119】
また、図1に示す携帯電話端末は、ディスプレイ部103を表示装置として、タッチパネル部104を入力装置として使用する通常の携帯電話端末の利用形態の他に、例えば、ディスプレイ部103に地上デジタルテレビ放送のテレビ画面を表示し、タッチパネル部104を第2のディスプレイ部として、テレビ放送の字幕を表示する構成とすることもできる。
【0120】
上記第1実施形態の構成とすることで、入力部分が狭く、また、スイッチが小さく密集しているために、操作性の面からタッチパネルを実質上利用できなかった携帯電話端末の入力操作にタッチパネルを用いることが実質上可能となる。そのため、大きさの限られた携帯電話端末にタッチパネルを第2のディスプレイとして配置することが可能となる。携帯電話端末でのテレビの視聴は、電車等の公共交通機関や、ホテルや病院の待合室、図書館等、マナーとして静粛性を求められる場所でもテレビ放送を利用される機会が多くなるので、字幕を大きく表示でき、かつ、携帯電話端末の操作性も優れた携帯電話端末が必要であり、この第1実施形態の構成が特に適している。
【0121】
〔第2実施形態〕
次に、この発明の第2実施形態のタッチパネルを有する装置の一例としての携帯電話端末について説明する。なお、この第2実施形態の携帯電話端末は、駆動手段である可変周波数バイブレータ204の機械的駆動をより細かく制御する点を除いて第1実施形態の携帯電話端末と略同一の構成をしており、図1,図2を援用する。
【0122】
スイッチへの入力操作において、操作者は、確実に入力を行うために、機械的なスイッチであっても、タッチパネル部104上に設定されたスイッチであっても、入力したいスイッチのより中央部に近い座標で入力操作を行おうとする。
【0123】
しかし、上記検出パネル201(図2に示す)に設定された触覚の差を与える領域の内部で機械的駆動が一定の場合は、弱押圧操作で上記触覚の差を与える領域を知覚した後、弱押圧操作を広い幅で行い上記触覚の差を与える領域の境界を確認し、推測によってその中央座標を判断する必要があった。
【0124】
また、上記検出パネル201に設定された触覚の差を与える領域は、上記液晶表示パネル202(図2に示す)に表示された表示領域に概略一致するように設定されている。しかし小さなスイッチの場合では、目視で上記表示領域を知覚し、弱押圧操作を始めると、タッチパネルが指で隠れるために上記表示領域が見づらくなる。そのため、上記触覚の差を与える領域から外れている場合に、上記触覚の差を与える領域を触覚の差で見つけるために、弱押圧操作を広い幅で行う必要があった。これは特にタッチパネルの面積が限られる携帯端末とりわけ、携帯電話端末でスイッチが小さくなるために特に問題となっていた。
【0125】
図4に、上記第1実施形態で説明した検出パネル201に設定された座標範囲としての触覚の差を与える領域401,402を、例えば、電話番号を入力する際の数字の「1」,「2」に相当するスイッチの領域として示している。上記触覚の差を与える領域401,402は、デザイン上斜めに傾いた楕円の形状としており、上記表示領域、あるいは上記有効入力領域の形状にできるだけあわせて設定される。例えば、楕円図形のスイッチとして表示領域が液晶表示パネル202に表示され、表示された楕円に重なるように上記触覚の差を与える領域401、402が設定される。また、それに一致して有効入力領域が設定される。当然、上記触覚の差を与える領域の形状は、例えば円形、楕円形、矩形、その他の形状である場合もある。
【0126】
そして、操作者は、液晶表示パネル202の表示の楕円図形を目視して、タッチパネル部104の操作面に軽く触れる動作、つまり、上記弱押圧操作を開始し、上記触覚の差を与える領域401,402を上記第1の機械的駆動、すなわち、駆動状態A(中程度の周波数)、駆動状態D(低い周波数)の差で知覚し、そして入力操作を行う。
【0127】
上記のように、検出パネル201に設定される触覚の差を与える領域はいろいろな形状が可能であるため、その触覚の差を与える領域の中央は一義的に決めることができない。しかし、実際の使用上では入力する上で、中心あるいは中央部と判断できる領域を設定することができる。この第2実施形態では、楕円の領域401,402の中央付近に、各触覚の差を与える領域401,402のそれぞれの中央部403,404を設定した。
【0128】
上記触覚の差を与える領域401の内部の点405は、弱押圧操作で検出パネル201の出力する弱押圧座標信号の示す座標を示している。図4の矢印付き線406は、上記触覚の差を与える領域401の中央部403から点405までの距離を示している。
【0129】
また、上記触覚の差を与える領域401,402の外部の点407は、また別の時点での弱押圧操作での弱押圧座標信号の示す座標を示している。図4の矢印付き線408は、上記触覚の差を与える領域401から点407までの距離を示している。また、図4の矢印付き線409は、上記触覚の差を与える領域402から点407までの距離を示している。
【0130】
図5は、図4の触覚の差を与える領域の設定されたタッチパネル部104(図2に示す)への操作を行った場合の可変周波数バイブレータ204(図2に示す)の制御を説明するための図である。図5では、入力操作や有効入力領域内外の弱押圧操作の相対距離(図4の矢印付き線406,408の対応)を横軸にし、可変周波数バイブレータ204の機械的に駆動する周波数を縦軸にしたグラフである。
【0131】
つまり、タッチパネル部104の有効入力領域での強押圧操作による入力操作503では、高い周波数504で機械的駆動を行う。
【0132】
タッチパネル部104に弱押圧操作が行われた場合は、例えば上記触覚の差を与える領域401の内部では、矢印付き線406で示された中央部403からの距離に応じて機械的駆動の周波数を徐々に変化させる。
【0133】
図5では、図4に示す上記触覚の差を与える領域401の中央部403が横軸の目盛り505で示され、図4に示す上記触覚の差を与える領域401の外縁が横軸の目盛り506で示されており、図4に示す中央部403から点405までの距離(矢印付き線406に対応)が横軸507で示されている。機械的駆動の周波数は、グラフ501で示すように、上記触覚の差を与える領域401の中央部403での高い周波数508から、外縁での低い周波数509に徐々に変化するように制御される。
【0134】
また、上記触覚の差を与える領域401の外部では、矢印付き線408で示された上記触覚の差を与える領域401から点407までの距離に応じて、、機械的駆動の周波数を徐々に変化させる。この第2実施形態では、隣接する別の触覚の差を与える領域402から点407までの距離(矢印付き線409に対応)と比べて、距離の近い方(矢印付き線408に対応)の値を用いるようにした。
【0135】
図5では、上記触覚の差を与える領域の近接部が横軸の目盛り511で示され、遠隔部が横軸の目盛り512で示されており、上記触覚の差を与える領域からの距離が横軸513で示されている。機械的駆動の周波数は、近接部での高い周波数515から、周辺部での低い周波数516にグラフ517で示すように徐々に変化するように制御される。
【0136】
この第2実施形態では、図3のステップS9を周波数504とし、ステップS5を周波数のグラフ510とし、ステップS14を周波数のグラフ517として、それぞれの機械的駆動を制御する。
【0137】
つまり、ステップS5での駆動状態Aを図5のグラフ510に示すような徐々に機械的駆動が変化する構成、あるいは、ステップS14での駆動状態Dを図5のグラフ517に示すような徐々に機械的駆動が変化する構成とすることによって、上記弱押圧検出手段の一例としての検出パネルにより検出された弱押圧検出座標値と、上記座標範囲設定手段によって設定された上記座標範囲との相対関係に応じて、上記駆動手段の一例としての可変周波数バイブレータ204の機械的駆動を徐々に変化させる上記第1の制御手段を構成している。
【0138】
また、上記触覚の差を与える領域の内部と外部の境界は、操作者がはっきり区別できるように、上記触覚の差を与える領域の内部での機械的駆動の最も低い周波数509と上記触覚の差を与える領域の外部での機械的駆動の最も高い周波数515に十分な差を設けることが好ましい。
【0139】
当然、上記触覚の差を与える領域の内部での機械的駆動の最も高い周波数508と、入力操作時の機械的駆動の周波数504にも操作者がはっきり区別できるように十分な差を設けることが好ましい。
【0140】
また、上記に示したように、機械的駆動の周波数を徐々に変化させる制御のほかに、機械的駆動の強度を徐々に変化させたり、種類を徐々に変化させたりすることもできる。あるいは、第1実施形態と同様に、これらの機械的駆動を操作者が区別しやすくするために、駆動状態A、駆動状態B、駆動状態C、あるいは、駆動状態Dを別の種類の機械的駆動とし、上記の各駆動状態の中で、その駆動の強度、あるいは種類、あるいはその組み合わせを弱押圧座標信号の値に応じて徐々に変化させることも可能である。
【0141】
また、上記の徐々に変化する機械的駆動は、図5に示すグラフ510,517に示したように滑らかに変化する構成のほか、階段状に変化する構成とすることも、直線的に変化させることも可能である。その場合、階段状に変化する場合は1段ごとの変化が、駆動状態Aと駆動状態Cの境界での変化に比べて小さく設定されることで、上記触覚の差を与える領域の境界と紛らわしくならないようにすることがより好ましい。
【0142】
この第2実施形態の構成により、上記検出パネル201に設定された触覚の差を与える領域の内部で、上記のように徐々に機械的駆動を変化させる構成では、弱押圧操作で指を動かすことで上記触覚の差を与える領域の中央部に向かって移動しているのか、中央部から離れて行く方向に移動しているのかを知覚することができる。
【0143】
そのため、上記触覚の差を与える領域の境界を確認できるまで大きくなぞる動作をすることなく、また、推測で中央を判断することなく、上記触覚の差を与える領域の中央部付近を知覚することができ、自然と触覚の差を与える領域の中央部付近に操作が誘引される。そのため、操作性の優れた携帯電話端末を提供することが可能となる。
【0144】
また、操作を繰り返す中で、操作に伴う弱押圧操作で触覚の差を与える領域の中央部付近、あるいは中央部付近からのずれの方向や、程度を確認できるので、触覚の差を与える領域の中央部付近を操作者が自然と学習し、操作速度が速くなる効果がある。また、操作の都度、指の感覚で触覚の差を与える領域の中央部、あるいはその方向を知覚することができるので、自然と操作の誤差がフィードバックされ、高速で正確な操作を継続することができる効果を有する。
【0145】
また、上記検出パネル201に設定された触覚の差を与える領域の外部で、上記のように徐々に機械的駆動を変化させる構成では、触覚の差を与える領域の外部において弱押圧操作で指を動かすことで、触覚の差を与える領域に向かって移動しているのか、触覚の差を与える領域から離れて行く方向に移動しているのかを知覚することができ、自然と触覚の差を与える領域の方向に操作が誘引される。
【0146】
そのため、すばやく触覚の差を与える領域を見つけることができる操作性の優れた携帯電話端末を提供することが可能となる。
【0147】
また、操作を繰り返す中で、操作に伴う弱押圧操作で触覚の差を与える領域からのずれの方向や、程度を確認できるので、触覚の差を与える領域を操作者が自然と学習し、操作速度が速くなる効果がある。また、操作の都度、指の感覚で触覚の差を与える領域の方向を知覚することができるので、自然と操作の誤差がフィードバックされ、高速で正確な操作を継続することができる効果を有する。
【0148】
また、上記実施形態の構成により、タッチパネル部104上の触覚の差を与える領域の座標の通知を、より細かく制御した機械的駆動によって通知する構成となるので、触覚による位置の知覚がより明確になる効果を有する。
【0149】
また、上記の触覚を与える領域の内部での制御と外部での制御は、その一方で徐々に機械的駆動が変化するように行ってもよい。
【0150】
また、特に、複数の触覚の差を与える領域が近接して存在する場合や、触覚の差を与える領域が小さい場合では、触覚の差を与える領域の内部と外部の両方で、上記のように徐々に異なる機械的駆動を行う構成とすることにより、さらに自然に触覚の差を与える領域と、触覚の差を与える領域内の中央に向かう方向を知覚することができる利点を有する。
【0151】
〔第3実施形態〕
次に、この発明の第3実施形態のタッチパネルを有する装置の一例としての携帯電話端末について説明する。なお、この第3実施形態のタッチパネルを有する装置は、タッチパネルの液晶表示パネル202に表示された表示領域と検出パネル201に設定された触覚の差を与える領域との相対的な位置関係の補正を行う点を除いて第1実施形態の携帯電話端末と略同一の構成をしており、図1,図2を援用する。
【0152】
上記第3実施形態の携帯電話端末において、目視で操作者がスイッチ(液晶表示パネル202に表示された表示領域)と知覚した領域と、触覚で操作者がスイッチ(検出パネル201に設定された触覚の差を与える領域)と知覚した領域とに差が生じる場合がある。
【0153】
例えば、液晶表示パネル202と検出パネル201の機械的なずれや、液晶表示パネル202と検出パネル201が操作面の垂直方向で距離を持つために、視覚的なずれを生じる場合がある。しかし、そのほかに、指の形状や、検出パネル201の検出機構の性質により、本人の触っているつもりの座標と検出パネル201が検出している座標とに差が出ることが原因となる。
【0154】
これは、片手で操作されることの多い携帯電話端末においては弱押圧操作が、タッチパネル正面からまっすぐ操作されることが少ないため、特に誤差が大きくなる問題を有している。
【0155】
このとき、上記検出パネル201に設定された触覚の差を与える領域の位置を液晶表示パネル202に表示された表示領域の位置に一致して設定した場合、操作者にとって、上記表示領域と上記触覚の差を与える領域との間に距離を感じたり、視覚と触覚の間に矛盾を感じてしまうことがある。
【0156】
これは、複数の触覚の差を与える領域が近接して存在する場合や、触覚の差を与える領域が小さい場合では、操作者を混乱させてしまうのである。
【0157】
この第3実施形態では、以下に示す補正手段により、液晶表示パネル202に表示された表示領域と検出パネル201に設定された触覚の差を与える領域との位置関係を補正することにより、タッチパネルを目視して知覚した位置と、弱押圧操作で触覚の差として感じる位置とを、操作者がより一致した位置としてして感じることができるようにしている。
【0158】
図6は上記液晶表示パネル202に表示された表示領域と、検出パネル201に設定された触覚の差を与える領域との位置関係の補正を行う制御部207の動作を説明するフローチャートを示している。また、図7は上記タッチパネル部104に表示された表示領域と、弱押圧操作の検出座標信号の値の示す位置と、補正された触覚の差を与える領域を示している。
【0159】
先ず、ステップS20で、タッチパネル上に表示領域を設定する。つまり、液晶表示パネル202にスイッチに相当する図形を表示する。そして、操作者には、例えば上記表示領域を触るように指示を与える。この第3実施形態では、図7に示すように、液晶表示パネル202にスイッチとしての複数の楕円図形の表示領域701,702を表示している。
【0160】
次に、ステップS21で、操作者の弱押圧操作位置を記録する。この第3実施形態では、検出パネル201により検出された弱押圧検出座標値を記録する。図7に、上記表示領域701に対して弱押圧操作したときの記録として、上記検出座標信号の値のX座標値,Y座標値から得られる弱押圧操作の軌跡703を示している。
【0161】
次に、ステップS22で、上記表示領域、あるいは上記表示領域の中央の座標に対する上記弱押圧座標信号の値のずれを用いて、視覚的な表示領域と触覚の差を与える領域との位置関係を補正する。
【0162】
図7に、弱押圧操作の軌跡703の座標から算出して平均化した座標値と上記表示領域701の中央部とのずれを矢印704で示している。つまり、操作者にとって上記表示領域701を触ろうとすると検出パネル201には、矢印704のずれをもって検出座標信号が検出される。そのため、操作者に表示の位置と弱押圧操作での触覚で知覚する位置とを同じ場所として知覚させるためには、上記表示領域701の位置に対して、矢印704の分だけ位置を補正した触覚の差を与える領域401を図3に示すステップS1で設定する。あるいは、触覚の差を与える領域を楕円の領域701の位置にあわせて設定し、図3に示すステップS4での上記触覚の差を与える領域の内部か否かの判断において、弱押圧操作の弱押圧座標信号の値を矢印704の分だけ逆に補正して上記触覚の差を与える領域の内部かどうかを判断するようにすることもできる。
【0163】
また、場合によっては、上記表示領域に対して上記触覚の差を与える領域の形状を補正する必要がある場合もある。そのような例を図7では、表示領域702に対応する触覚の差を与える領域402で示している。ここでは、上記表示領域702の幅705に対して、上記触覚の差を与える領域402の幅706が小さくなっている。これは、上記表示領域702を触ったときの軌跡の広がりなどから補正を加えたり、隣接する別の触覚領域との間隔を所定間隔以上確保したりするように、必要に応じて補正を加えることが可能である。当然、このような補正も、ステップS4での弱押圧操作の弱押圧座標信号の値を必要なだけ逆に補正して領域内かどうかを検出することで実現することもできる。
【0164】
また、以上の補正は、代表するひとつあるいは複数の表示領域によってずれを測定し、その他の表示領域に対して測定した代表する表示領域のずれを元に補正を行うように構成することも可能である。あるいは、個々の表示領域に対してずれの測定と補正を行うように構成することも可能である。
【0165】
つまり、ステップS20によって、上記タッチパネル部104に設定された視覚的な表示領域に対して、操作者に弱押圧操作を要求する弱押圧操作要求手段を構成している。
【0166】
また、ステップS21によって、上記表示領域の座標に対する弱押圧検出手段の一例としての検出パネル201の弱押圧座標値のずれを測定する弱押圧検出座標値ずれ測定手段を構成している。
【0167】
また、ステップS22によって、上記弱押圧検出手段のずれを補正する弱押圧検出座標値ずれ補正手段を構成している。
【0168】
すなわち、制御部207は、弱押押圧操作要求手段と弱押圧検出座標値ずれ測定手段と弱押圧検出座標値ずれ補正手段とを有している。
【0169】
この第3実施形態の構成により、操作者の目視による位置と弱押圧操作における位置のずれを補正して弱押圧操作に伴う機械的駆動の制御を行うことで、タッチパネル部104の目視による位置と弱押圧操作で触覚として感じる位置とを、操作者がより一致した位置として感じることができる。そのため、入力操作における入力の誤りがより少なくなる効果を有する。
【0170】
また、タッチパネル部104上の小さなスイッチ、あるいは、隣接するスイッチとの間隔が狭いスイッチにおいても、より入力の誤りが少なくできる効果を有する。
【0171】
そのため、特にタッチパネルの操作面が限られた面積であるタッチパネルを有する携帯端末に特に適している。
【0172】
また、片手で高速な入力操作が行われて使用されることの多い携帯電話端末により適している。
【0173】
また、視覚で知覚する位置と触覚で知覚する位置が一致することで、指先がスイッチの座標を学習しやすくなり、入力速度を向上させやすい装置を提供することができる。
【0174】
また、特に、タッチパネル部104上の触覚の差を与える領域の通知を、より細かく制御した機械的駆動によって行う第2実施形態で示した構成の場合、触覚による位置の知覚がより明確になるため、目視の感覚と触覚の感覚のずれを無くすことで、操作者の操作感を特に向上させることができ、入力の誤りをより低減させる効果がある。そのため、この第3実施形態による補正が特に効果を有する。
【0175】
〔第4実施形態〕
次に、この発明の第4実施形態のタッチパネルを有する装置の一例としての携帯電話端末について説明する。なお、この第3実施形態の携帯電話端末は、タッチパネルの触覚の差を与える領域と、有効入力領域との相対的な位置関係の補正を行う点を除いて第2実施形態の携帯電話端末と略同一の構成をしており、図1,図2を援用する。
【0176】
上記第4実施形態の携帯電話端末において、弱押圧操作で操作者が第1の機械的駆動によって触覚的に差を与えられてスイッチと知覚した領域と、強押圧操作によって入力操作を行った場合に入力を受け付ける領域(有効入力領域)とに差が生じる場合がある。例えば、弱押圧操作のときのタッチパネル部104に対する操作の圧力と入力操作のときのタッチパネル部104に対する圧力の違いによって、それぞれで検出する座標値に差が生じる場合等が原因となる。
【0177】
これは、片手で操作されることの多い携帯電話端末において入力操作が、タッチパネル部104正面からまっすぐ入力されることが少ないため、特に誤差が大きくなる問題を有している。
【0178】
このとき、有効入力領域を触覚の差を与える領域に一致して設定した場合、上記触覚の差を与える領域の内部と知覚した場所で入力できなかったり、上記触覚の差を与える領域の外部と知覚した場所で入力できてしまったりすることがある。
【0179】
これは、複数の有効入力領域が近接して存在する場合や、有効入力領域が小さい場合では、最悪、隣接する他の有効入力領域に入力してしまう入力の誤りを生じ、操作者を混乱させてしまうからである。
【0180】
この第4実施形態では、以下に示す補正手段により、触覚の差を与える領域と有効入力領域との位置関係を補正することにより、タッチパネル部104への弱押圧操作で感じる位置と入力操作で入力が受け付けられる位置とを、操作者がより一致した位置として感じることができるようにしている。
【0181】
図8にタッチパネル部104の触覚を与える領域と、有効入力領域の位置関係の補正を行う制御部207の動作を説明するフローチャートを示している。また、図9に、上記タッチパネル部104の触覚の差を与える領域と、入力操作である強押圧操作のときの強押圧座標信号の示す位置と、補正された有効入力領域を示している。
【0182】
先ず、ステップS30で、タッチパネル部104に上記触覚の差を与える領域を設定する。つまり、タッチパネル部104上のスイッチに相当する領域を設定する。そして、操作者には、例えば上記表示領域を目視して、更に、触って触覚で確認して強押圧操作による入力操作を行うように指示を与える。
【0183】
図9において、スイッチとしての楕円図形からなる液晶表示パネル202に表示された表示領域701,702と、それぞれに対応する上記検出パネル201に設定された触覚の差を与える領域401,402を示している。
【0184】
この第4実施形態では、特に上記第2実施形態の構成に引き続き補正を行う例として示している。
【0185】
次に、ステップS31で、上記触覚の差を与える領域に対する、操作者の強押圧操作による強押圧座標信号の値を記録する。つまり、強押圧操作による入力操作の入力位置を記録する。
【0186】
図9では、強押圧操作時の上記触覚の差を与える領域401に対して強押圧操作を行ったときの強押圧座標信号の値の示す位置を黒丸903で表している。この第4実施形態では、操作誤差や検出誤差を平均化するため複数の強押圧操作を行って強押圧操作位置の平均的な座標を求めるようにしている。そのため、図9では、黒丸903の他に、複数の強押圧操作位置を示す複数の黒丸が示されている。
【0187】
次に、ステップS32で、タッチパネル部104の触覚の差を与える領域の座標と有効入力領域との位置関係の補正を行う。図9では、複数の強押圧操作位置を平均化した位置と上記触覚の差を与える領域401の中央部の位置とのずれを矢印904で示している。つまり、操作者にとって弱押圧操作で触覚として知覚した位置に入力しようとすると、入力操作の強押圧座標信号の値としては、矢印904のずれをもって検出される。そのため、操作者に触覚の差を与える領域の位置と強押圧操作との位置とを同じ場所と知覚させるためには、上記触覚の差を与える領域401の位置に対して、矢印904に相当する位置の補正を行って、有効入力領域901を設定する。あるいは、有効入力領域の座標を上記触覚の差を与える領域と同じ領域401に設定し、図3に示すステップS8の入力操作での強押圧操作の強押圧座標信号の値を矢印904の分だけ逆に補正して上記有効入力領域の内部か判断するようにすることもできる。
【0188】
また、場合によっては、触覚の差を与える領域に対して有効入力領域の形状を補正する必要がある場合もある。この例を図9では、触覚の差を与える領域402に対応する有効入力領域902で示している。ここでは、上記触覚の差を与える領域402の幅706に対して、上記有効入力領域902の幅905が小さくなっている。これは、複数の強押圧操作を行った場合の、複数の強押圧座標信号の値の広がりなどから補正を加えたり、隣接する有効入力領域との間隔を所定以上確保たりするように、必要に応じて補正を加えることが可能である。当然、このような補正も、図3に示すステップS8での強押圧操作の強押圧座標信号の値を必要な分だけ逆に補正して領域内かどうかを判断することで実現することもできる。
【0189】
また、以上の補正は、代表するひとつあるいは複数の触覚の差を与える領域によってずれを測定し、その他の触覚の差を与える領域に対して測定した代表する触覚の差を与える領域のずれを元に補正を行うように構成することも可能である。あるいは、個々の触覚の差を与える領域に対してずれの測定と補正を行うように構成することも可能である。
【0190】
つまり、ステップS30によって、上記タッチパネルに設定された上記座標範囲に対して、操作者に強押圧操作を要求する強押圧操作要求手段を構成している。
【0191】
また、ステップS31によって、上記座標範囲に対する強押圧検出座標値のずれを測定する強押圧検出座標値ずれ測定手段を構成している。
【0192】
また、ステップS32によって、上記強押圧座標検出手段の補正を行う強押圧検出座標値ずれ補正手段を構成している。
【0193】
すなわち、制御部207は、強押圧操作要求手段と強押圧検出座標値ずれ測定手段と強押圧検出座標値ずれ補正手段とを有している。
【0194】
この第4実施形態の構成により、上記タッチパネル部104上に設定される領域と入力操作における上記有効入力領域の位置のずれを補正して入力操作を検出することで、タッチパネル部104上の触覚に差を与える領域の位置と入力操作で入力が受け付けられる位置すなわち有効入力領域の位置とを、操作者がより一致した位置としてして知覚することができる。そのため、入力操作における入力誤りがより少なくなる効果を有する。
【0195】
また、タッチパネル部104上の小さなスイッチ、あるいは、隣接するスイッチとの間隔が狭いスイッチにおいても、より入力の誤りが少なくできる効果を有する。そのため、この発明のタッチパネルを有する装置は、特にタッチパネルの操作面が限られた面積であるタッチパネルを有する携帯端末に特に適している。
【0196】
また、この発明のタッチパネルを有する装置は、片手で高速な入力操作を行って使用されることの多い携帯電話端末により適している。
【0197】
また、触覚によって知覚するスイッチの領域と入力の受け入れられる領域とが一致することで、指先がスイッチの位置を学習しやすくなり、入力速度を向上させやすい装置を提供することができる。
【0198】
また、特に、第3実施形態のように、液晶表示パネル202に表示された表示領域と上記触覚の差を与える領域との位置関係の補正を行う構成と共に、この第4実施形態の触覚の差を与える領域と有効入力領域との位置関係の補正を行う構成を用いることで、操作者のタッチパネル部104上の操作で、より整合性のある操作感を持つことができる利点を有する。
【0199】
また、特に、タッチパネル部104上の触覚の差を与える領域の通知を、より細かく制御した機械的駆動によって行う第2実施形態の構成の場合、触覚による座標の知覚がより明確になるため、弱押圧操作の感覚と入力を受け付ける領域のずれを無くすことで、操作者の操作感を特に向上させることができ、入力の誤りをより低減させる効果がある。そのため、この第3実施形態の構成による補正が特に効果を有する。
【0200】
上記第1〜第4実施形態では、第1実施形態と同様に強押圧操作によって入力操作を行うように構成したが、入力操作は強押圧操作に限られるものではなく、従来技術に示されるように、一定時間内に複数回操作面に触れる動作、いわゆるダブルクリックのような動作で入力を行うような構成とすることができる。そして同じように、弱押圧操作における位置の知覚がより正確にすばやくできる効果を有する。特に、従来技術では、触覚で知覚した位置から、入力操作を行うために指を離すことが誤操作の原因となっていた。この第3実施形態の構成では、弱押圧操作における触覚による位置の知覚と、ダブルクリック操作などによる入力位置のずれを補正することができる。
【0201】
しかし、この第3実施形態のように強押圧操作を入力操作として用いた方が、入力位置を触覚で正確にすばやく確認した後、指をタッチパネル部104から離すことなく連続して入力操作を行うことができるため、より入力の誤りを少なくかつすばやく行うことが可能となり、より好ましい。
【0202】
なお、上記第4実施形態では、上記第3実施形態の構成に引き続き補正を行う例を説明したが、第3実施形態の液晶表示パネルに表示された表示領域と検出パネルに設定された触覚の差を与える領域との相対的な位置関係の補正をせずに、触覚の差を与える領域と有効入力領域との相対的な位置関係の補正をしてもよい。
【0203】
【発明の効果】
以上より明らかなように、この発明のタッチパネルを有する装置によれば、操作者は、タッチパネル上での位置を確かめるための軽く触る動作の弱押圧操作と、現在の場所で入力を行う旨の押し込む動作の強押圧操作を、タッチパネルから手を放すことなく、速やかに連続して行うことができる。そのとき、操作者が自分の操作を正しく装置が検出していることを機械的駆動の違いにより知覚できる。
【0204】
また、操作者は、上記第1の機械的駆動と上記第2の機械的駆動によって、なぞっている位置に関する情報、及び、弱押圧操作を行っているのか、強押圧操作を行っているのかの情報を知覚することができ、操作時のタッチパネル面への操作位置、及び、操作圧力、あるいは、押し込み距離を自然と加減するように自然と学習することができる。
【0205】
そのため、入力誤りを犯すことが少ない操作性の優れたタッチパネルを有する装置を提供することができる。また、操作者の自然な学習により、操作が高速になるタッチパネルを有する装置を提供することができる。
【0206】
また、上記の効果によって、特にタッチパネル上のスイッチを小さく、あるいは、間隔を狭く設定することが可能なタッチパネルを有する装置を提供することができる。
【0207】
また、特に小型の携帯端末の場合でも、タッチパネル上のスイッチを小さく、あるいは、間隔を狭く設定することが可能なタッチパネルを有する装置を提供することができる。
【0208】
また、特に、入力部が非常に狭く、密集しており、高速な操作を必要とする携帯電話端末においても、本発明のタッチパネルを有する装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明の第1実施形態のタッチパネルを有する装置の一例としての携帯電話端末の斜視図である。
【図2】図2は、上記携帯電話端末のタッチパネル部と駆動部の配置を示す概念図である。
【図3】図3は、上記携帯電話端末の制御を説明するためのフローチャートである。
【図4】図4は、この発明の第2実施形態のタッチパネルを有する装置の一例としての携帯端末端末のより細かな制御について説明するための図である。
【図5】図5は、上記携帯電話端末において入力操作や有効入力領域内外の弱押圧操作の相対距離と駆動周波数との関係を示す図である。
【図6】図6は、この発明の第3実施形態のタッチパネルを有する装置の一例としての携帯電話端末において、液晶表示パネルに表示された表示領域と上記検出パネルに設定された触覚の差を与える領域の補正を説明するためのフローチャートである。
【図7】図7は、上記携帯電話端末の液晶表示パネルに表示された表示領域と検出パネルに設定された触覚の差を与える領域の補正を説明するための図である。
【図8】図8は、この発明の第4実施形態のタッチパネルを有する装置の一例としての携帯電話端末において、触覚の差を与える領域と有効補正領域の補正を説明するためのフローチャートである。
【図9】図9は、触覚の差を与える領域と有効入力領域の補正を説明するための図である。
【図10】図10は、従来のタッチパネルを有する装置の概略構成図である。
【符号の説明】
101…本体、
103…ディスプレイ部、
104…タッチパネル部、
201…検出パネル、
202…液晶表示パネル、
203…感圧センサ、
204…可変周波数バイブレータ、
205…X軸、
206…Y軸、
207…制御部、
401,402…触覚の差を与える領域、
403,404…中央部、
405…点、
406,408,409…矢印付き線、
407…点、
701,702…表示領域、
703…弱押圧座標信号の値の軌跡、
704,705…ずれ、
901,902…有効入力領域、
903…強押圧座標信号の値の示す位置、
904…ずれ、
1001…タッチパネル、
1002…バイブレータ、
1003…電磁ハンマー、
1004…制御部、
1005…検出信号、
1006,1007…制御信号。
Claims (7)
- 本体に取り付けられ、弱押圧操作の有無と弱押圧検出座標値を検出する弱押圧検出手段を有するタッチパネルと、
上記本体または上記タッチパネルの少なくとも一方を機械的に駆動する駆動手段と、
上記タッチパネルの上記弱押圧操作と区別して、強押圧操作の有無を検出する強押圧検出手段と、
上記弱押圧検出手段により検出された上記弱押圧検出座標値に応じて、上記駆動手段に第1の機械的駆動を行わせる第1の制御手段と、
上記強押圧検出手段の上記強押圧操作の有無の検出に応じて、上記駆動手段に上記第1の機械的駆動とは異なる第2の機械的駆動を行わせる第2の制御手段とを有することを特徴とするタッチパネルを有する装置。 - 請求項1に記載のタッチパネルを有する装置において、
上記弱押圧検出手段により検出される上記弱押圧検出座標値に対する座標範囲を設定する座標範囲設定手段を有し、
上記第1の制御手段は、上記弱押圧検出手段により検出された上記弱押圧検出座標値と、上記座標範囲設定手段により設定された上記座標範囲との相対関係に応じて、上記駆動手段の機械的駆動を変化させることを特徴とするタッチパネルを有する装置。 - 請求項2に記載のタッチパネルを有する装置において、
上記第1の制御手段は、上記弱押圧検出手段により検出された上記検出座標値と、上記座標範囲設定手段により設定された上記座標範囲との相対関係に応じて、上記駆動手段の機械的駆動を徐々に変化させることを特徴とするタッチパネルを有する装置。 - 請求項2に記載のタッチパネルを有する装置において、
上記座標範囲設定手段により設定された上記座標範囲に対応するように上記タッチパネルに設定された視覚的な表示領域を表示して、その表示領域に対して操作者に弱押圧操作を行うように要求する弱押圧操作要求手段と、
上記弱押圧操作要求手段により操作者が押圧操作することにより上記表示領域の座標に対する上記弱押圧検出手段の弱押圧検出座標値のずれを測定する弱押圧検出座標値ずれ測定手段と、
上記弱押圧検出座標値ずれ測定手段により検出された上記表示領域の座標に対する上記弱押圧検出手段の弱押圧検出座標値のずれを補正する弱押圧検出座標値ずれ補正手段とを有することを特徴とするタッチパネルを有する装置。 - 請求項2に記載のタッチパネルを有する装置において、
上記強押圧検出手段により強押圧操作が検出されたときに強押圧検出座標値を検出する強押圧座標検出手段と、
上記座標範囲設定手段により設定された上記座標範囲に対して、操作者に上記タッチパネルに強押圧操作を行うように要求する強押圧操作要求手段と
上記強押圧操作要求手段により操作者が上記タッチパネルに強押圧操作することにより上記座標範囲に対する上記強押圧検出座標値のずれを測定する強押圧検出座標値ずれ測定手段と、
上記強押圧検出座標値ずれ測定手段により検出された上記座標範囲に対する上記強押圧検出座標値のずれを補正する強押圧検出座標値ずれ補正手段とを有することを特徴とするタッチパネルを有する装置。 - 携帯端末であることを特徴とする請求項1に記載のタッチパネルを有する装置。
- 携帯電話端末であることを特徴とする請求項1に記載のタッチパネルを有する装置。
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