JP2004110061A - 防眩フィルム、偏光板及び透過型表示装置 - Google Patents

防眩フィルム、偏光板及び透過型表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 防眩フィルムにおいて、所望範囲内の曇価であり、写り込み性を低下させることなく、透過鮮明性を向上し、且つシンチレーションを低下させることができるようにした防眩フィルムを得る。
【解決手段】 防眩フィルム10は、透明基材フィルム12と防眩層18を積層してなり、防眩層18は透光性樹脂14中に、透光性微粒子16及び46を含み、透光性微粒子16及び46と透光性樹脂14との屈折率の差が0.03以上、0.20以下であり、且つ、透光性微粒子16と46では屈折率の差を有するように構成する。
【選択図】 なし

Description

 この発明は、コンピュータ、ワードプロセッサ、テレビジョン等の画像表示に用いるCRT、液晶パネル等の高精細画像用ディスプレイの表面に設ける防眩フィルム、この防眩フィルムを用いた偏光フィルム及び透過型表示装置に関する。
 上記のようなディスプレイにおいて、主として内部から出射する光がディスプレイ表面で拡散することなく直進すると、ディスプレイ表面を目視した場合、眩しいために、内部から出射する光をある程度拡散するための防眩フィルムをディスプレイ表面に設けている。
 この防眩フィルムは、例えば特開平6−18706号公報、特開平10−20103号公報等に開示されるように、透明基材フィルムの表面に、二酸化ケイ素(シリカ)等のフィラーを含む樹脂を塗工して形成したものである。
 これらの防眩フィルムは、凝集性シリカ等の粒子の凝集によって防眩層の表面に凹凸形状を形成するタイプ、塗膜の膜厚以上の粒径を有する有機フィラーを樹脂中に添加して層表面に凹凸形状を形成するタイプ、あるいは層表面に凹凸をもったフィルムをラミネートして凹凸形状を転写するタイプがある。
 上記のような従来の防眩フィルムは、いずれのタイプでも、防眩層の表面形状の作用により、光拡散・防眩作用を得るようにしていて、防眩性を高めるためには前記凹凸形状を大きくする必要があるが、凹凸が大きくなると、塗膜の曇価(ヘイズ値)が上昇し、これに伴い透過鮮明度が低下するという問題点がある。
 上記に類似したものとして、微粒子を層内部に分散して光分散効果を得るようにした光拡散フィルムが、例えば反射型液晶表示装置用として、照明学会研究会誌MD−96−48(1996年)第277頁〜282頁に開示されている。
 ここで用いられている内部散乱効果により十分な光拡散効果を得るためには、用いている微粒子の粒径を大きくしなければならず、このため、曇価が高いものの画像の鮮明性が非常に小さいという問題点がある。
 また、ディスプレイ表面に前記光拡散フィルムのような内部散乱効果により光拡散効果を得るものを防眩用として用いた場合には、その表面がほぼ平坦であるためディスプレイ表面への外光の写り込みを防止できず、いわゆる写り込み防止性がないという問題点もある。
 更に又、上記従来のタイプの防眩フィルムは、フィルム表面に、いわゆる面ぎら(シンチレーション)と呼ばれるキラキラ光る輝きが発生し、表示画面の視認性が低下するという問題がある。
 このような防眩フィルムの評価基準の一つとしてヘイズ値があるが、表面のヘイズ値を低くすると、いわゆる面ぎらと称されるギラつき感が強くなり、これを解消しようとしてヘイズ値を高くすると、全体が白っぽくなって黒濃度が低下し、これによりコントラストが低下してしまうという問題点がある。逆に、白っぽさを除くためにヘイズ値を低くすると、いわゆる写り込みとギラつき感が増加してしまうという問題点がある。
 上記問題点を解決するため、発明者らは、拡散・防眩性を低下させることなく、透過鮮明性を向上し、シンチレーションを低下させ、且つ写り込み防止性を有することができるようにした防眩フィルムの開発を行ない、特願平10−125494号として出願している。
 前記特性を実現するためには内部散乱効果による曇価の調整が必要である。内部散乱効果は、透光性微粒子と透光性樹脂との配合比、透光性微粒子と透光性樹脂との屈折率差、透光性微粒子の粒径や、防眩層の乾燥膜厚等の制御により可能である。
 しかしながら、先の配合比、粒径、膜厚の調整は表面形状にも影響を与えるため、写り込み防止性と透過鮮明性を一定に保ったまま、曇価のみを調整することができないという問題点がある。
 また、透光性微粒子の屈折率によっても内部散乱効果の制御は可能であるが、逆に透光性微粒子の屈折率により曇価の調整に制約が生じるという問題点もある。
 本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであって、所望範囲内の曇価において、写り込み性を低下させることなく、透過鮮明性を向上し、且つシンチレーションを低下させることができるようにした防眩フィルム、この防眩フィルムを用いた偏光板及び透過型表示装置を提供することを目的とする。
 本発明は、請求項1のように、少なくとも透明基材フィルムと、透光性樹脂中に少なくとも2種類以上の透光性微粒子を含む防眩層と、を積層してなる防眩フィルムであって、前記透光性微粒子と前記透光性樹脂との屈折率の差が0.03以上、0.20以下であり、且つ、前記2種類以上の透光性微粒子が屈折率の差を有することを特徴とする防眩フィルムにより、上記目的を達成するものである。
 請求項2のように、前記2種類以上の透光性微粒子の屈折率の差が0.02以上、0.10以下であってもよい。
 請求項3のように、前記透光性樹脂の屈折率が1.49〜1.53であり、且つ、前記透光性微粒子の屈折率が1.53〜1.57及び1.58〜1.62であってもよい。
 請求項4のように、前記防眩フィルムのヘイズ値が10%以上である防眩フィルムにより、上記目的を達成するものである。
 請求項5のように、前記透光性樹脂は電離放射線硬化型樹脂であり、前記2種類以上の透光性微粒子の粒径が1−5μmであり、且つ、前記2種類以上の透光性微粒子の前記防眩層における含有率が5〜30重量%としてもよい。
 又、前記透光性微粒子が、単分散有機微粒子であってもよい。
 更に又、前記透光性微粒子が、無機微粒子であってもよい。
 又、前記透明基材フィルムは、トリアセチルセルロースフィルムとしてもよい。
 偏光板に係る発明は、請求項9のように、偏光素子と、前記偏光素子の表面に、透明基材フィルムにおける前記防眩層と反対側の面を向けて積層された上記のような防眩フィルムと、を有して構成することにより、上記目的を達成するものである。
 更に、透過型表示装置の発明は、請求項10のように、平面状の透光性表示体と、前記透光性表示体を背面から照射する光源装置と、前記透光性表示体の表面に積層された上記のような防眩フィルムと、を有してなる透過型表示装置を構成し、上記の目的を達成するものである。
 本発明は、上上記のように構成したので、所望範囲内の曇価において、写り込み性を低下させることなく、透過鮮明性を向上し、且つシンチレーションを低下させることができるようにした防眩フィルムを容易に得ることができる。
 以下本発明の実施の形態の例を図面を参照して詳細に説明する。
 本発明の実施の形態の例に係る防眩フィルム10は、図1に示されるように、透明基材フィルム12と、透光性樹脂14中に例えば第1の透光性微粒子16及び第2の透光性微粒子46とを含む防眩層18と、を積層してなる。ここでは2種類の異なる屈折率を有する透光性微粒子にて説明を行なうが、2種類以上の透光性微粒子を用いてもよい。
 前記透明基材フィルム12は、トリアセチルセルロースフィルム等の樹脂フィルムであり、透光性樹脂14は、透明基材フィルム12へ塗布後に硬化することができ、例えば紫外線硬化型樹脂(屈折率1.51)からなり、前記第1の透光性微粒子16は、透光性樹脂、例えばアクリル−スチレンの共重合体ビーズ(屈折率1.55)から構成され、前記第2の透光性微粒子46は、透光性樹脂、例えばスチレンビーズ(屈折率1.60)から構成されている。
 前記透光性微粒子16及び46と前記透光性樹脂14との屈折率の差を0.02以上、0.20以下としたのは、防眩性の関点からは、屈折率差が0.02未満の場合は、両者の屈折率の差が小さすぎて、光拡散効果を得られず、又屈折率差が0.2よりも大きい場合は、光拡散性が高すぎて、フィルム全体が白化してしまうからである。なお、前記屈折率差は、0.02以上、0.11以下がより好ましく、0.03以上、0.09以下が最も良い。
 前記透光性微粒子において、2種類以上の異なる屈折率を有する透光性微粒子を用い、それら透光性微粒子の混合を行なうことにより、透光性微粒子の屈折率は透光性微粒子の屈折率と比率とに応じた平均値として見なすことができ、透光性微粒子の混合比により細かい屈折率設定が可能となり、1種類の場合よりも制御が可能となり、様々な設計が容易となる。
 前記透光性微粒子のうち、第1の透光性微粒子16と第2の透光性微粒子46との屈折率の差を0.02以上、0.10以下としたのは、屈折率差が0.02未満の場合は、両者の屈折率の差が小さすぎて、両者を混合しても屈折率の制御をすることが十分にはできないからであり、又屈折率差が0.10よりも大きい場合は、屈折率の大きい透光性微粒子により光拡散性が決定してしまうからである。なお、前記屈折率差は、0.02以上、0.08以下がより好ましく、0.03以上、0.07以下が最も良い。
 前記透光性微粒子16および46の粒径は1.0μm以上5.0μm以下が好ましく、1.0μm未満の場合、透光性樹脂14に添加すべき前記透光性微粒子の添加量を非常に大きくしないと光拡散効果が得られなくなり、粒径が5.0μmを超えるときは、防眩層18の表面形状が粗くなり、ヘイズ値が高くなってしまうからである。さらに好ましくは、前記透光性微粒子の直径は2μm以上、4μm以下である。
 又、前記透光性微粒子16および46が、単分散の有機微粒子、無機微粒子であってもよい。粒径にばらつきがないほど、散乱特性にばらつきが少なくなり、曇価の設計が容易となる。
 上記のようにすると、フィラーである前記透光性微粒子16及び46と透光性樹脂14との僅かな屈折率差により、フィルム全体が白化したりすることなく、高い透過鮮明度を維持した状態で、拡散効果により防眩フィルム10内を透過する光を平均化することができる。
 前記透明基材フィルム12の素材としては、透明樹脂フィルム、透明樹脂板、透明樹脂シートや透明ガラスがある。
 透明樹脂フィルムとしては、トリアセチルセルロース(TAC)フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ジアセチレンセルロースフィルム、アセテートブチレートセルロースフィルム、ポリエーテルサルホンフィルム、ポリアクリル系樹脂フィルム、ポリウレタン系樹脂フィルム、ポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリエーテルフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、(メタ)アクリルニトリルフィルム等が使用できる。又、厚さは通常25μm〜1000μm程度とする。
 前記透明基材フィルム12としては、複屈折がないTACフィルムが、防眩フィルムを偏光素子と積層して偏光板を作製することが可能(後述)であり、更にその偏光板を用いて表示品位の優れた液晶表示装置を得ることができるので、特に好ましい。
 又、防眩層18を、各種コーティング方法によって塗工する場合の耐熱、耐溶剤性や機械強度等の加工適性の面から、透明基材フィルム12としては、PETが特に望ましい。 
 前記防眩層18を形成する透光性樹脂14としては、主として紫外線・電子線によって硬化する樹脂、即ち、電離放射線硬化型樹脂、電離放射線硬化型樹脂に熱可塑性樹脂と溶剤を混合したもの、熱硬化型樹脂の3種類が使用される。又、厚さは通常0.5μm〜50μm程度とし、好ましくは1μm〜20μm、さらに好ましくは2μm〜10μmとすると良い。
 電離放射線硬化型樹脂組成物の被膜形成成分は、好ましくは、アクリレート系の官能基を有するもの、例えば比較的低分子量のポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂、多価アルコール等の多官能化合物の(メタ)アクリレート(以下本明細書では、アクリレートとメタアクリレートとを(メタ)アクリレートと記載する。)などのオリゴマー又はプレポリマー及び反応性希釈剤としてを比較的多量に含む電離放射線硬化型樹脂から構成する。上記希釈剤としては、エチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、スチレン、ビニルトルエン、N−ビニルピロリドンなどの単官能モノマー、並びに多官能モノマー、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートなどがある。
 更に、上記の電離放射線硬化型樹脂を紫外線硬化型樹脂として使用するときは、これらの中に光重合開始剤として、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、α−アミロキシムエステル、チオキサントン類や、光増感剤としてn−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリn−ブチルホスフィンなどを混合して使用することができる。特に本発明では、オリゴマーとしてウレタンアクリレート、モノマーとしてジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等を混合するのが好ましい。
 更に、上記防眩層18を形成するための透光性樹脂14として、上記のような電離放射線硬化型樹脂に対して溶剤乾燥型樹脂を含ませてもよい。前記溶剤乾燥型樹脂には、主として、熱可塑性樹脂例えば、セノール樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アミノアルキッド樹脂、メラミン−尿素共縮合樹脂、ケイ素樹脂、ポリシロキサン樹脂等が用いられる。
 電離放射線硬化型樹脂に添加する溶剤乾燥型熱可塑性樹脂の種類は通常用いられるものが使用されるが、透明基材フィルム12として特に前述のようなTAC等のセルロース系樹脂を用いるときには、電離放射線硬化型樹脂に含ませる溶剤乾燥型樹脂には、ニトロセルロース、アセチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネート、エチルヒドロキシエチルセルロース等のセルロース系樹脂が塗膜の密着性及び透明性の点で有利である。 
 上記のような電離放射線硬化型樹脂組成物の硬化方法としては、前記電離放射線硬化型樹脂組成物の通常の硬化方法、即ち、電子線又は紫外線の照射によって硬化することができる。
 例えば、電子線硬化の場合には、コックロフワルトン型、バンデグラフ型、共振変圧型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器から放出される50〜1000KeV、好ましくは100〜300KeVのエネルギーを有する電子線等が使用され、紫外線硬化の場合には超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアーク、メタルハライドランプ等の光線から発する紫外線等が利用できる。
 前記防眩層18に含有させる第1の透光性微粒子16としては、プラスチックビーズが好適であり、特に透明度が高く、透光性樹脂14との屈折率差が前述のような数値になるものが好ましい。
 第1の透光性微粒子16に用いられるプラスチックビーズとしては、アクリル−スチレン共重合体ビーズ(屈折率1.55)、メラミンビーズ(屈折率1.57)、ポリカーボネートビーズ(屈折率1.57)、等が用いられる。
 前記防眩層18に含有させる第2の透光性微粒子46としては、プラスチックビーズが好適であり、特に透明度が高く、透光性樹脂14との屈折率差が前述のような数値になるものが好ましい。
 第2の透光性微粒子46に用いられるプラスチックビーズとしては、スチレンビーズ(屈折率1.60)、ポリ塩化ビニルビーズ(屈折率1.60)、等が用いられる。
 第1の透光性微粒子16と第2の透光性微粒子46のプラスチックビーズの粒径は、前述のように1〜5μmのものを適宜選択して用いるとよく、透光性樹脂100重量部に対して5〜30重量部含有させるとよい。この場合、第1の透光性微粒子16と第2の透光性微粒子46の粒径を揃えることにより、第1の透光性微粒子16と第2の透光性微粒子46の比率を自由に選択して用いることができる。第1の透光性微粒子16と第2の透光性微粒子46との粒径を揃えるためには粒径が整っている単分散有機微粒子が好ましく用いられる。
 上記のような第1の透光性微粒子16及び第2の透光性微粒子46を添加した場合には、樹脂組成物(透光性樹脂14)中で透光性微粒子が沈降し易いので、沈降防止のためにシリカ等の無機フィラーを添加してもよい。なお、無機フィラーは添加量が増す程、透光性微粒子の沈降防止に有効であるが、塗膜の透明性に悪影響を与える。従って、好ましくは、粒径0.5μm以下の無機フィラーを、透光性樹脂14に対して塗膜の透明性を損なわない程度に、0.1重量%未満程度含有させるとよい。
 次に、前記透明基材フィルム12の面に、防眩層18を形成する過程について説明する。
 前記透明基材フィルム12に対して、前記第1の透光性微粒子16及び前記第2の透光性微粒子46を混ぜた透光性樹脂14を塗布し、前記第1の透光性微粒子16及び前記第2の透光性微粒子46による透光性樹脂表面の凹凸形状が充分に形成されるまで放置、次に前記透光性14が電子線あるいは紫外線硬化型樹脂の場合は、これら電子線あるいは紫外線を照射して硬化する。
 このようにすると、防眩層18は全体として平滑な状態となり、第1の透光性微粒子16及び前記第2の透光性微粒子46による凹凸が形成された防眩層18とすることができる。ここでは前記凹凸が形成されたものを示したが、前記凹凸が形成されない防眩層であっても良い。
 また、防眩層18の表面に賦型加工或いは鏡面加工を施しても良い。
 防眩フィルムのヘイズ値(曇価)は、JIS−K−7105に準じ村上色彩技術研究所製HR−100を用いてを測定するが、ヘイズ値が10%以上であると良く、好ましくは10%〜40%、さらに好ましくは10%〜35%であると良い。
 次に図2に示される本発明にかかる偏光板の実施の形態の例について説明する。
 図2に示されるように、この実施の形態の例の偏光板20は、偏光層(偏光素子)22の一方の面(図2において上面側)に前記と同様の防眩フィルム11が設けられた構成である。
 前記偏光層22は、2層の透明基材フィルムであるTACフィルム12A、24の間に積層されていて、且つ3層構造であり、第1層及び第3層がポリビニルアルコール(PVA)にヨウ素を加えたフィルム、中間の第2層がPVAフィルムからなっている。
 前記防眩フィルム11はTACフィルム12Aに防眩層18を積層した構成である。
 前記偏光層22の両外側に設けられ、透明基材となるTACは複屈折がなく偏光が乱されないので、偏光素子となるPVA及びPVA+ヨウ素フィルムと積層しても、偏光が乱されない。従って、このような偏光板20を用いて表示品位の優れた液晶表示装置を得ることができる。
 上記のような偏光板20における偏光層22を構成する偏光素子としては、ヨウ素又は染料により染色し、延伸してなるPVAフィルムに、ポリビニルホルマールフィルム、ポリビニルアセタールフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体系ケン化フィルム等がある。
 なお、偏光層22を構成する各フィルムを積層するにあたっては、接着性の増加及び静電防止のために、前記TACフィルムにケン化処理を行うとよい。
 次に、図3に示されている本発明に係る透過型表示装置を液晶表示装置とした場合の実施の形態の例について説明する。
 図3に示される液晶表示装置30は、上記偏光板20と同様な偏光板32と、液晶パネル34と、偏光板36とを、この順で積層すると共に、偏光板36側の背面にバックライト38を配置した透明型の液晶表示装置である。
 前記液晶表示装置30における液晶パネル34で使用される液晶モードとしては、ツイストネマチックタイプ(TN)、スーパーツイストネマチックタイプ(STN)、相転移タイプ(PC)、高分子分散タイプ(PDLC)等のいずれであってもよい。
 又、液晶の駆動モードとしては、単純マトリックスタイプ、アクティブマトリックスタイプのどちらでもよく、アクティブマトリックスタイプの場合では、TFT、MIM等の駆動方式が取られる。
 更に、液晶パネル34は、カラータイプあるいはモノクロタイプのいずれであってもよい。
 以下本発明の実施例について、比較例と対照して説明する。
 〔実施例1〕
 防眩層を構成する透光性樹脂は、紫外線硬化型樹脂(日本化薬製PETA、屈折率1.51)を50部とし、硬化開始剤(チバガイギー社製、イルガキュアー184)を2重量部、第1の透光性微粒子としては、アクリル−スチレンビーズ(総研化学製、粒径3.5μm、屈折率1.55)を2重量部、第2の透光性微粒子としては、スチレンビーズ(綜研化学製、粒径3.5μm、屈折率1.60)を2重量部、これらをトルエン50重量部と混合して塗工液として調整したものを、トリアセチルセルロースフィルム(富士フィルム社製、TD−80U)上に、乾燥膜厚3μmになるように塗工、70℃にて1分間溶剤乾燥後、紫外線を100mJ照射して防眩フィルムを作製した。
 JIS−K−7105に準じ村上色彩技術研究所製HR−100を用いて、防眩フィルムのヘイズ(曇価)を測定したところ、20%であった。
 また、防眩フィルムの透過鮮明性を目視評価したところ、良好な透過鮮明性を示した。 
 この防眩フィルムを用いて形成した偏光板を12.1インチサイズのXGA液晶パネル上に貼り合せて観察した際、シンチレーション(面ぎら)は発生しせず、また、反射像の写り込みもなかった。
 〔実施例2〕
 第1の透光性微粒子のアクリル−スチレンビーズ(綜研化学製、粒径3.5μm、屈折率1.55)を4重量部、第2の透光性微粒子のスチレンビーズ(綜研化学製、粒径3.5μm、屈折率1.60)0.5重量部用いた以外は、実施例1と同様にして防眩フィルムを作製した。
 実施例1同様にして防眩フィルムの各種評価を行なったところ、ヘイズ(曇価)は30%であった。
 また、防眩フィルムの透過鮮明性を目視評価したところ、実施例1と同等の良好な透過鮮明性を示した。
 この防眩フィルムを用いて形成した偏光板を12.1インチサイズのXGA液晶パネル上に貼り合せて観察した際、シンチレーション(面ぎら)は発生せず、また、反射像の写り込みもなかった。ここで、相対的に実施例1の防眩フィルムよりもシンチレーション発生を押さえる効果はより顕著であった。
 〔実施例3〕
 第1の透光性微粒子のアクリル−スチレンビーズ(綜研化学製、粒径3.5μm、屈折率1.55)を0.5重量部、第2の透光性微粒子のスチレンビーズ(総研化学製、粒径3.5μm、屈折率1.60)4重量部用いた以外は、実施例1と同様にして防眩フィルムを作製した。
 実施例1同様にして防眩フィルムの各種評価を行なったところ、ヘイズ(曇価)は15%であった。
 また、防眩フィルムの透過鮮明性を目視評価したところ、実施例1と同等の良好な透過鮮明性を示した。
 この防眩フィルムを用いて形成した偏光板を12.1インチサイズのXGA液晶パネル上に貼り合せて観察した際、シンチレーション(面ぎら)は発生せず、また、反射像の写り込みもなかった。ここで、相対的に実施例1の防眩フィルムよりもコントラストが良好であった。
 〔比較例1〕
 第1の透光性微粒子のスチレンビーズ(総研化学製、粒径3.5μm、屈折率1.60)を2重量部用い、第2の透光性微粒子のアクリル−スチレンビーズ(総研化学製、粒径3.5μm、屈折率1.55)用いなかった以外は、実施例1と同様にして防眩フィルムを作製した。
 実施例1同様にして防眩フィルムの各種評価を行なったところ、ヘイズ(曇価)は15%であり、又、良好な透過鮮明性を示したが、シンチレーション(面ぎら)が発生し、また、反射像の写り込みも生じてしまい、全ての評価を満足する防眩フィルムは得られなかった。
本発明の実施の形態に係る防眩フィルム示す断面図。 本発明の防眩フィルムを用いた偏光板の実施の形態の例を示す断面図。 本発明の防眩フィルムを用いた透過型表示装置の実施の形態の例を示す断面図。
符号の説明
10、11 防眩フィルム
12 透明基材フィルム
14 透光性樹脂
16 第1の透光性微粒子
46 第2の透光性微粒子
18 防眩層
20 偏光板
22 偏光層
30 液晶表示装置
32、36 偏光板
34 液晶パネル

Claims (10)

  1.  透明基材フィルムと、透光性樹脂中に2種類以上の透光性微粒子を含んでなる防眩層とにより構成されてなり、
     前記透光性微粒子と前記透光性樹脂との屈折率の差が0.03以上0.20以下であり、
     前記2種類以上の透光性微粒子が各々異なる屈折率を有するものである、防眩フィルム。
  2.  前記2種類以上の透光性微粒子の屈折率の差が0.02以上0.10以下である、請求項1に記載の防眩フィルム。
  3.  前記透光性樹脂の屈折率が1.49〜1.53であり、
     前記透光性微粒子の屈折率が1.53〜1.57および1.58〜1.62である、請求項1または2に記載の防眩フィルム。
  4.  前記防眩フィルムのヘイズ値が10%以上である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の防眩フィルム。
  5.  前記透光性樹脂が電離放射線硬化型樹脂であり、
     前記2種類以上の透光性微粒子の粒径が1〜5μmであり、
     前記2種類以上の透光性微粒子の前記防眩層における含有率が5〜30重量%である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の防眩フィルム。
  6.  前記透光性微粒子が単分散有機微粒子である、請求項5に記載の防眩フィルム。
  7.  前記透光性微粒子が無機微粒子である、請求項5に記載の防眩フィルム。
  8.  前記透明基材フィルムがトリアセチルセルロースフィルムである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の防眩フィルム。
  9.  偏光素子と、防眩フィルムとにより構成されてなる偏光板であって、
     前記防眩フィルムが請求項1〜8のいずれか一項に記載されたものであり、
     前記偏光素子が前記防眩フィルムにおける透明基材フィルムと接するように形成されてなる、偏光板。
  10.  平面状の透光性表示体と、前記透光性表示体を背面から照射する光源装置と、前記透光性表示体の表面に形成されてなる請求項1〜8のいずれか一項に記載の防眩フィルムとにより構成されてなる、透過型表示装置。
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