JP2004110008A - 静電荷像現像用トナーおよび該静電荷像現像用トナーを用いた画像形成方法 - Google Patents

静電荷像現像用トナーおよび該静電荷像現像用トナーを用いた画像形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 繰り返しプリントを行ってもカブリが発生せず、黒点のない良好な画像を形成することができ、高温高湿での帯電量リークが無く、低温低湿での帯電量上昇が無く、現像剤の寿命が長く、保存性が良好で、外添剤の離脱が無く、高転写性でクリーナーレスプロセスへの高い適合性を有する静電荷像現像用トナーおよび該静電荷像現像用トナーを用いた画像形成方法の提供。
【解決手段】 少なくとも樹脂と着色剤と2種以上の金属元素を含む金属酸化物粒子を含有する静電荷像現像用トナーにおいて、該金属酸化物粒子がドメイン・マトリクス構造を有し、前記ドメインをもつ粒子が金属酸化物粒子中の5〜49個数%であることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
【選択図】    なし

Description

 本発明は、静電潜像現像用トナーおよび該静電潜像現像用トナーを用いた画像形成方法に関するものである。
 従来、静電荷像現像用トナーを用いた電子写真方式の画像形成方法としては簡便さの観点より磁気ブラシ等を用いた乾式現像方式が一般に用いられている。また、電子写真方式の技術分野では、装置が小型で、高速の画像形成が可能で、しかも画像品位の高いカラープリンタの開発競争が激化している。
 カラープリンタの小型化を実現する技術として、例えば転写装置をシンプル、且つコンパクトに設計しつつ、帯電や現像バイアスを工夫することで、クリーナーユニットを取り除くことを可能にした、いわゆる、クリーナーレスプロセスが挙げられる(例えば、特許文献1参照。)。
 上記の装置上の課題に対して、その代表例として重合法により作製した重合トナーを用いた画像形成方法が挙げられ、小粒径でシャープな粒度分布および形状分布を有する重合トナーを用いて画像形成すると細線再現性に優れた高画質のトナー画像が得られることから注目されている(例えば、特許文献2参照。)。
 また、重合トナーでは、トナー粒子の電荷がそろっているので高い転写性が得られ、クリーナレスプロセスへの適合性を有していることから装置の小型化を達成する上で有利である。
 クリーナーレスという観点からも、併せて比較的粒径の大きな外添剤(平均一次粒子径が300nm程度まで大きい大粒径の外添剤)を採用するメーカーが増えている(例えば、特許文献3参照。)。大粒径の外添剤を使用する目的は、現像を安定させると共に高い転写性を発揮させるためである。
 そこで、上記の重合トナーと大粒径外添剤という、各々トナー転写性を向上させる技術を組み合わる技術が開示されているが、重合トナーに従来公知の大粒径外添剤を加えるとトナー粒子表面へ大粒径外添剤の付着・固着強度が弱く、トナー粒子表面から大粒径外添剤が離脱しやすいという問題点があった(例えば、特許文献4参照。)。
 その理由として、重合法で作製したトナー粒子は、粒子表面に角がないものが多いため、物理的に外添剤を強くトラップできないためと考えられている。
 また、トナー粒子から外添剤が離脱することによる問題点としては、下記のようなものが挙げられる。
 (a)例えば、二成分現像剤の場合、離脱した外添剤が、キャリアや摩擦帯電付与部材を設置した現像ローラ表面に外添剤が移行し、それらが汚染されることにより、摩擦帯電が阻害され、帯電不良が起こりやすい。その結果、現像剤や現像器の寿命が低下する。
 (b)離脱した外添剤が、現像器の加熱ロール表面や感光体表面に突き刺さったり研磨したりして異常点(例えばキズ)を発生させる。異常を起こした部位は、トナーオフセットが発生したり電位が下がらなかったりして、当業界でいうところの黒点やホワイトスポットが発生する。
 (c)離脱した外添剤が、帯電装置(主に、帯電器の帯電ワイヤー)を汚染することにより帯電不良が汚染した場所に発生し、その結果、当業界でいうところのハーフトーンの白すじが発生する。
 (d)離脱した外添剤が、現像剤のキャリア表面を汚染し、帯電量を変動させたり上昇(特に低温低湿環境で)させたりして、画像かぶりを発生させる。
 トナー粒子への外添剤の付着・固着強度を高めるには、大粒径シリカ(例えば特許文献3参照。)が有効であるが、大粒径のシリカ粒子を用いた場合、帯電性が強く、トナーの帯電量上昇を招く問題があり、また、帯電性の強い大粒径シリカは、低湿度環境において転写性は高めるものの小径の感光体と組み合わせると転写材との分離時に剥離放電が発生しやすく、ハーフトーンに放電によるムラが生じやすいという問題があった(当業者間では転写はじきと呼ばれることが多い)。
 さらに、
 (e)高温高湿に現像剤を放置したときに帯電量のリークが起こり、画像かぶりが発生するという問題もあった。
特開2002−132015号公報 特開2000−214629号公報 特開2001−66820号公報 特開2002−287410号公報
 本発明は、上記課題を鑑みてなされたものでありる。
 本発明の第1の目的は、外添剤がトナー粒子表面から離脱することのないトナー粒子と外添剤を見出すことにより、現像剤の寿命を伸ばすことが可能な静電荷像現像用トナー(以下、単にトナーとも云う)および該トナーを用いた画像形成方法を提供することである。
 本発明の第2の目的は、外添剤をトナー粒子表面から離脱させないことにより、定着ロールや感光体表面に異常点の発生を防止し、黒点やホワイトスポットを発生させないトナーおよび該トナーを用いた画像形成方法を提供することである。
 本発明の第3の目的は、外添剤をトナー粒子表面から離脱させないことにより、帯電器の帯電ワイヤーが汚染されて放電むらが発生するのを防止し、ハーフトーン白すじを発生させないトナーおよび該トナーを用いた画像形成方法を提供することである。
 本発明の第4の目的は、外添剤の添加による帯電性の変動や上昇が少なく、転写はじきの発生しない良好な転写性を発現し、クリーナーレスプロセスへの適合性を有するトナーおよび該トナーを用いた画像形成方法を提供することである。
 本発明の第5の目的は、大粒径の外添剤を用いることにより、トナー粒子中に外添剤が埋没することがなく、高温に放置してもトナーの流動性が確保でき、良好な保存性を有するトナーおよび該トナーを用いた画像形成方法を提供することである。
 本発明の第6の目的は、現像剤を高温高湿に放置しても現像剤の帯電量リークが起こらないトナーおよび該トナーを用いた画像形成方法を提供することである。
 本発明者らは、外添剤のトナー粒子表面への安定したトラップ性能を発現させる因子として外添剤の構造が何らかの作用を及ぼすものと想定した。そして、ドメイン・マトリクス構造を有する金属酸化物粒子を外添剤として用いた時に、安定したトラップ性能が発現されることを見出し、本発明を達成させた。
(請求項1)
少なくとも樹脂と着色剤と2種以上の金属元素を含む金属酸化物粒子を含有する静電荷像現像用トナーにおいて、該金属酸化物粒子がドメイン・マトリクス構造を有し、前記ドメインをもつ粒子が金属酸化物粒子中の5〜49個数%であることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
 本発明では、ドメイン・マトリスク構造を有する金属酸化物粒子におけるドメインをもつ粒子の存在に着目した。そして、金属酸化物粒子中に占めるドメインをもつ粒子の比率が5〜49個数%の時に、金属酸化物粒子がトナー粒子に対して安定したトラップを発現し、金属酸化物粒子がトナー粒子から離脱しないようにすることを可能にした。
(請求項2)
前記金属酸化物粒子のマトリクスがシリカであることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
(請求項3)
前記ドメインがチタン化合物からなることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
(請求項4)
前記ドメインがアルミニウム化合物からなることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
(請求項5)
前記ドメインがジルコニウム化合物からなることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
(請求項6)
前記金属酸化物粒子の個数基準の平均一次粒子径が10〜300nmの範囲であり、前記ドメインの個数基準の平均フェレ水平径が1〜60nmの範囲であることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
(請求項7)
前記静電荷像現像用トナーを構成するトナー粒子の中で、角がないトナー粒子の割合が50個数%以上であり、個数粒度分布における個数変動係数が27%以下であることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
(請求項8)
前記静電荷像現像用トナーが、互いに異なる樹脂組成物によってカプセル化されているかまたは表面修飾されていることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
(請求項9)
画像形成支持体上に、静電荷像現像用トナーからなるトナー画像を形成し、該トナー画像を加熱部材と加圧部材の間を通過させて画像形成支持体上に定着する工程を含む画像形成方法において、該静電荷像現像用トナーが請求項1に記載の静電荷像現像用トナーであることを特徴とする画像形成方法。
 本発明に係るトナーに使用される金属酸化物粒子は、トナー粒子内に埋没したり、トナー粒子表面から離脱しないため、繰り返しプリントを行ってもカブリが発生せず、黒点、ホワイトスポットおよびハーフトーンの白すじが発生しない良好な画像形成が可能で、低温低湿(例えば、10℃、20%RH)でも帯電量上昇が無く、高温高湿(例えば、30℃85%RH)での現像剤の帯電量リークが起こらず、現像剤の寿命が長く、保存性が良好で、外添剤の離脱が無く、高転写性でクリーナーレスプロセスへの高い適合性を有する。
 具体的には、金属酸化物粒子がトナー粒子表面にトラップされて離脱しないため、金属酸化物粒子が飛散せず、現像剤のキャリア表面に付着しないので現像剤の寿命が長く良好である。
 また、本発明で用いる金属酸化物粒子の電気抵抗が、高温高湿での現像剤の帯電量リークを起こさず、また、転写率を上げるのに適合しているため転写残トナーをクリーニングする必要のないクリーナーレスプロセスへの高い適合性を有する。
 また、金属酸化物粒子が現像剤のキャリア表面に移行しにくいため繰り返しプリントを行っても現像剤およびトナーの帯電量を安定に保つことができ、低温低湿でも帯電量の上昇がなく、カブリの発生が抑えられる。
 また、本発明で用いる金属酸化物粒子は研磨性が少ないので、感光体の表面や定着ロール表面に研磨キズが発生しにくく、研磨キズに起因するホワイトスポットや黒点の発生を抑えることができる。
 また、本発明で用いられる金属酸化物粒子の粒径が大きいため、該金属酸化物粒子を外添剤として用いたトナーは流動性が良く、高温高湿の環境に保存しても顆粒の発生を防止できる。
 本発明に係るトナーは、少なくとも樹脂と着色剤と2種以上の金属元素を含有し、且つ、ドメイン・マトリクス構造を有する金属酸化物粒子を含有してなるものである。前記金属酸化物粒子は、大粒径でトナー粒子内に埋没しにくく、且つトナー粒子表面に強固にトラップされているのでトナー粒子表面から離脱しない性質を有している。
 この様に、本発明では、ドメイン・マトリクス構造を有する金属酸化物粒子を外添剤として用い、該金属酸化物粒子中のドメインをもつ粒子の比率が5〜49個数%の時に、トナー粒子表面から金属酸化物粒子の離脱が発生しなくなったことが確認された。
 この様に、ドメイン・マトリスク構造を有する金属酸化物粒子中の比率を特定範囲内にすることで、トナー粒子表面から金属酸化物粒子が離脱しなくなった理由は明らかではないが、そろらく、電気抵抗が低く、高い誘電性を有するドメインをもつ粒子が、電気抵抗が高いマトリスク中に含有されることにより、ドメインをもつ粒子の誘電作用で金属酸化物粒子自体がトナー粒子に対して強いトラップ性を有するようになったためと推測される。
 そして、この強く、安定したトラップ性の作用で金属酸化物粒子はトナー粒子表面から離脱しなくなったものと推測される。
 以下、本発明について詳細に説明する。
 《金属酸化物粒子》
 (ドメイン・マトリクス構造を有する金属酸化物粒子)
 本発明に係るドメイン・マトリクス構造を有する金属酸化物粒子について図1を用いて説明する。
 図1は、ドメイン・マトリクス構造を有する金属酸化物粒子の断面図である。
 図1において、1は金属酸化物粒子、2は連続相の領域であるマトリクス(海とも云う)、3はドメイン(島とも云う)を示す。
 ドメイン・マトリクス構造とは、海島構造とも云い、図1に示すように、連続相(連続相がマトリクスであり、海を表す領域である)中に、閉じた界面(相と相との境界)を有する島状の相が存在する構造のものを云う。
 すなわち、本発明に係る金属酸化物粒子は、金属酸化物粒子中に、お互いに相溶せずに、それぞれが独立した相(ドメイン(島)、マトリクス(海))を形成する構成成分を各々有し、一方が島状の相、もう一方が海状の相を形成して、ドメイン・マトリクス構造(海島構造)からなる金属酸化物粒子を形成していものである。
 (ドメイン・マトリクス構造の観察)
 本発明に係る、金属酸化物粒子のドメイン・マトリクス構造の観察は、電界放射型透過電子顕微鏡(FE−TEM)を用いて、粒子の観察を行い、併せて、目的とする元素のマッピングを行うことにより行うことができる。
 (金属酸化物粒子中のドメインを持つ粒子の個数%)
 金属酸化物粒子中のドメインを持つ粒子の個数%は、5〜49個数%で、好ましくは10〜40個数%である。
 金属酸化物粒子中のドメインを持つ粒子の個数%の算出は、市販の蛍光X線分析により、ドメイン中の金属元素とマトリクスを構成する金属元素との元素比を求めることにより算出する。
 例えば、ドメインが酸化チタン(TiO2)、マトリクスがシリカ(SiO2)の場合、ドメイン中のTiとマトリクスのSiに注目して、X線を用いての元素分析を行い、得られた結果を、各々TiO2量、SiO2量に換算し、下記式を用いて算出する。
 (式)
   (TiO2)/(TiO2+SiO2)×100(個数%)
 本発明に係る金属酸化物粒子は、2種以上の金属元素を含み、好ましい金属元素としては、Si、Ti、Mg、Al、Sn、Ge、Zr、Zn等を挙げることができ、より好ましい金属元素としては、Si、Tiを挙げることができる。
 本発明に係る金属酸化物粒子の個数基準の平均一次粒子径は、10〜300nmが好ましく、35〜180nmがより好ましく、60〜140nmがさらに好ましい。
 また、ドメインの個数基準の平均フェレ水平径は、1〜60nm好ましく、2〜60nmがより好ましく、4〜20nmがさらに好ましい。
 ドメインのフェレ水平径、ドメイン・マトリクス構造を有する金属酸化物粒子の平均一次粒子径は、透過型電子顕微鏡で求めることができる。このときに市販の画像解析装置「ルーゼックスF」(日本ニコレ株式会社製)を用いても求めることができる。
 ここで、フェレ水平径とは、粒子を水平上に任意の状態で置いたときにおける粒子の水平方向の長さを表すもので、島部のフェレ水平径とは、この様に任意に置かれた金属酸化物粒子の内部に存在する各島の水平方向の長さを表すものである。
 次に、金属酸化物粒子の製造方法について説明する。
 本発明に係る金属酸化物粒子は、火炎燃焼法あるいは湿式法で製造することができるが、火炎燃焼法で製造することが好ましい。
 ドメイン・マトリクス構造にするための基本的な製造方法は、ハロゲンを含まないシランカップリング剤と金属カップリング剤を液状で混合し、バーナーから火炎中に噴霧する方法である。
 ドメイン径は、原料が含むハロゲン量により制御でき、ハロゲンを増やすと微細になり、過剰では相分離が起きずドメイン・マトリクス構造を形成しなくなる。ハロゲン量は好ましくは2〜14質量%である。金属酸化物粒子中のドメインを持つ粒子の個数%は、原料として用いるシランカップリング剤と金属カップリング剤の混合比により変えることがでる。ドメインを持つ粒子の個数%を小さくする、即ち本発明の範囲にするためには金属カップリング剤の混合比を50質量%未満にすることで可能である。
 図2は、金属酸化物粒子を製造する製造装置の一例を示すフロー図である。
 図2において、原料(金属カップリング剤混合物)21は原料タンク22から定量供給ポンプ23で導入管25を通して先端に噴霧ノズルが取り付けられたメインバーナー26に導かれ噴霧される。原料21は燃焼炉27の内部に噴霧され、補助火炎により着火し、燃焼火炎28が形成される。燃焼により生成した金属酸化物粒子は排ガスと共に煙道29で冷却され、サイクロン30およびバグフィルター33で分離され、回収器31、33に捕集される。排ガスは排風機34により排気される。
 《トナー粒子》
 本発明に係るトナー粒子を構成する樹脂や着色剤については、後述する製造方法において説明するが、ここでは、トナー粒子の好ましい特徴について説明する。
 (角がないトナー粒子)
 本発明に係るトナー粒子は、トナー粒子の凝集性低減の観点から粒子形状として「角がないトナー粒子」が好ましい。
 トナー粒子中、角がないトナー粒子の割合は50個数%以上であることが好ましく、60〜95個数%がより好ましく、65〜85個数%がさらに好ましい。
 角がないトナー粒子の割合が50個数%以上であることにより、転写されたトナー層(粉体層)の空隙が減少して定着性が向上し、オフセットが発生しにくくなる。また、摩耗、破断しやすいトナー粒子および電荷の集中する部分を有するトナー粒子が減少することとなり、帯電量分布がシャープとなって、帯電性も安定し、良好な画質を長期にわたって形成することができる。
 ここで、「角がないトナー粒子」とは、電荷の集中するような突部またはストレスにより摩耗しやすいような突部を実質的に有しないトナー粒子を言い、具体的には以下のトナー粒子を角がないトナー粒子と云う。
 図3は、角がないトナー粒子の一例を示す図である。
 図3(a)に示すように、トナー粒子Tの長径をLとするときに、半径(L/10)の円Cで、トナー粒子Tの周囲線に対し1点で内側に接しつつ内側をころがした場合に、当該円Cがトナー粒子Tの外側に実質的にはみださない場合を「角がないトナー粒子」と云う。「実質的にはみ出さない場合」とは、はみ出す円が存在する突起が1箇所以下である場合を云う。また、「トナー粒子の長径」とは、当該トナー粒子の平面上への投影像を2本の平行線ではさんだとき、その平行線の間隔が最大となる粒子の幅を云う。なお、図2(b)および(c)は、それぞれ角のあるトナー粒子の投影像を示している。
 角がないトナー粒子の割合の測定は次のようにして行った。先ず、走査型電子顕微鏡によりトナー粒子を拡大した写真を撮影し、さらに拡大して15,000倍の写真像を得る。次いでこの写真像について前記の角の有無を測定する。この測定を100個のトナー粒子について行った。
 角がないトナー粒子を作製する方法は特に限定されない。具体的には、トナー粒子を熱気流中に噴霧する方法、またはトナー粒子を気相中において衝撃力による機械的エネルギーを繰り返して付与する方法、あるいはトナー粒子を溶解しない溶媒中に添加し旋回流を付与する方法によって作製することができる。
 (トナー粒子の個数流度分布における個数変動係数)
 本発明に係るトナー粒子は、さらに個数粒度分布における個数変動係数が27%以下であることが好ましく、9〜25%がより好ましくは、12〜21%がさらに好ましい。個数粒度分布における個数変動係数が27%以下のトナー粒子を用いてを画像形成を行うと、トナーの帯電特性が安定し、クリーニング不良が発生しにくい等の効果を示す。
 トナー粒子の均一形状を示す一変数である「個数粒度分布における個数変動係数」は、「コールターカウンターTA」または「コールターマルチサイザー」(コールター株式会社製)で測定することができる。本発明においては「コールターマルチサイザー」を用い、粒度分布を出力するインターフェース(日科機株式会社製)、パーソナルコンピューターを接続して測定した。前記「コールターマルチサイザー」において使用するアパーチャーとしては100μmのものを用いて、1μm以上のトナー粒子の体積、個数を測定して粒度分布及び個数平均粒径を算出した。個数粒度分布とは、粒子径に対するトナー粒子の相対度数を表すものであり、個数平均粒径とは、個数粒度分布におけるメジアン径を表すものである。トナー粒子の「個数粒度分布における個数変動係数」(以下、トナー粒子の個数変動係数とも云う)は下記式から算出される。
   トナー粒子の個数変動係数=(S2/Dn)×100(%)
 式中、S2は個数粒度分布における標準偏差を示し、Dnは個数平均粒径(μm)を示す。
 トナー粒子における個数変動係数の制御は、公知の方法により行うことができる。例えば、トナー粒子を風力により分級する方法も使用できるが、個数変動係数をより小さくするためには液中での分級が効果的である。この液中で分級する方法としては、遠心分離機を用い、回転数を制御してトナー粒子径の違いにより生じる沈降速度差に応じてトナー粒子を分別回収し調製する方法がある。
 特に懸濁重合法等によりトナー粒子を製造する場合、個数粒度分布における個数変動係数を27%以下とするためには分級操作が必須である。懸濁重合法では、重合前に重合性単量体を水系媒体中にトナー粒子としての所望の大きさの油滴に分散させることが必要である。即ち、重合性単量体の大きな油滴に対して、ホモミキサーやホモジナイザーなどによる機械的な剪断を繰り返して、トナー粒子程度の大きさまで油滴を小さくすることとなるが、このような機械的な剪断による方法では、得られる油滴の個数粒度分布は広いものとなり、従って、これを重合してなるトナー粒子の粒度分布も広いものとなる。このために分級操作を行うことが好ましい。
 本発明に係るトナー粒子は、互いに異なる樹脂組成物によってカプセル化されているか、または表面修飾されている。
 ここで、カプセル化、表面修飾とは、市販の走査型原子間力顕微鏡を用いてトナー粒子の断面の粘弾性像を測定し、トナー粒子の内側と表面側の硬度または粘弾性挙動が異なっている場合をカプセル化しているといい、部分的に硬度が異なるまたは粘弾性挙動が異なっている場合を表面修飾されていると定義する。
 カプセル化されているトナー粒子、表面修飾されているトナー粒子の作製手段としては、トナー粒子の内側の樹脂よりも表面側にTg(ガラス転移点)が高い樹脂を用いて、全面被覆(カプセル化)または部分的な被覆(表面修飾)を行うことが挙げることができる。
 本発明に係るトナー粒子の製造方法は、特に限定されず公知の方法により作製することができる。
 以下に、着色剤の不存在下において樹脂粒子を形成し、当該樹脂粒子の分散液に着色剤粒子の分散液を加え、当該樹脂粒子と着色剤粒子とを塩析、凝集、融着させてトナ粒子を作製する方法について説明する。
 上記の作製方法によれば、樹脂粒子の調製を着色剤の存在しない系で行うので、複合樹脂粒子を得るための重合反応が阻害されることがない。このため、このトナー粒子を用いて画像形成すると、優れた耐オフセット性を有し、トナーの蓄積による定着装置の汚染や画像汚れを発生させることはない。
 また、樹脂粒子を得るための重合反応が確実に行われる結果、得られるトナー粒子中に単量体やオリゴマーが残留するようなことはなく、このトナー粒子を用いて多数枚のプリントを行っても熱定着器から異臭を発生させることはない。
 さらに、得られるトナー粒子の表面特性は均質であり、帯電量分布もシャープとなるため、鮮鋭性に優れた画像を長期にわたり形成することができる。
 トナー粒子を構成する樹脂粒子は、樹脂からなる核粒子の表面を覆うように、当該核粒子を形成する樹脂とは分子量および/または組成の異なる樹脂からなる1または2以上の被覆層が形成されている多層構造の樹脂粒子が好ましい。
 すなわち樹脂粒子の分子量分布は単分散ではなく、また、樹脂粒子は、通常、その中心部(核)〜外層(殻)にかけて分子量勾配を有することが好ましい。
 樹脂粒子を得るために「多段重合法」を用いることが、分子量分布制御の観点から、すなわち定着強度、耐オフセット性を確保する観点から好ましい。本発明において、樹脂粒子を得るための「多段重合法」とは、単量体(n)を重合処理(第n段)して得られた樹脂粒子(n)の存在下に、単量体(n+1)を重合処理(第n+1段)して、当該樹脂粒子(n)の表面に、単量体(n+1)の重合体(樹脂粒子(n)の構成樹脂とは分散および/または組成の異なる樹脂)からなる被覆層(n+1)を形成する方法を示す。
 ここに、樹脂粒子(n)が核粒子である場合(n=1)には、「二段重合法」となり、樹脂粒子(n)が複合樹脂粒子である場合(n≧2)には、三段以上の多段重合法となる。
 多段重合法によって得られる複合樹脂粒子中には、組成および/または分子量が異なる複数の樹脂が存在することになる。従って、当該複合樹脂粒子と着色剤粒子とを塩析、凝集、融着させることにより得られるトナーは、トナー粒子間において、組成・分子量・表面特性のバラツキがきわめて小さい。
 このようなトナー粒子間における組成・分子量・表面特性が均質であるトナーによれば、接触加熱方式による定着工程を含む画像形成方法において、画像支持体に対する良好な接着性(高い定着強度)を維持しながら、耐オフセット性および巻き付き防止特性の向上を図ることができ、適度の光沢を有する画像を得ることができる。
 本発明に係るトナー粒子の製造方法の一例を具体的に示すと、
 (1)樹脂粒子を得るための重合工程、
 (2)樹脂粒子と着色剤粒子とを塩析、凝集、融着させてトナー粒子を得る塩析、凝集、融着する工程(II)、
 (3)トナー粒子の分散系からトナー粒子を濾別し、トナー粒子から界面活性剤などを除去する濾過、洗浄工程、
 (4)洗浄処理されたトナー粒子を乾燥する乾燥工程、
 (5)乾燥処理されたトナー粒子に外添剤を添加する工程から構成される。
 以下、各工程について説明する。
 離型剤を樹脂粒子(核粒子)に含有させる方法としては、離型剤を単量体に溶解させ、得られる単量体溶液を水系媒体中に油滴分散させ、この系を重合処理することにより、ラテックス粒子として得る方法を採用することができる。
 この塩析、凝集、融着する工程(II)は、重合工程(I)によって得られた樹脂粒子と、着色剤粒子とを塩析、凝集、融着させる(塩析と融着とを同時に起こさせる)ことによって、非球形のトナー粒子を得る工程である。
 この塩析、凝集、融着する工程(II)においては、複合樹脂粒子および着色剤粒子とともに、エステルワックスなどの離型剤、荷電制御剤などの内添剤粒子(数平均一次粒子径が10〜1000nm程度の微粒子)を加え、塩析、凝集、融着させてもよい。
 着色剤粒子は、表面改質されていてもよい。ここに、表面改質剤としては、従来公知のものを使用することができる。
 着色剤粒子は、水性媒体中に分散された状態で塩析、凝集、融着処理に供される。着色剤粒子が分散される水性媒体は、臨界ミセル濃度(CMC)以上の濃度で界面活性剤が溶解されている水溶液を挙げることができる。
 ここに界面活性剤としては、多段重合工程(I)で使用した界面活性剤と同一のものを使用することができる。
 着色剤粒子の分散処理に使用する分散機は特に限定されないが、好ましくは、高速回転するローターを備えた攪拌装置「クレアミックス(CLEARMIX)」(エム・テクニック株式会社製)、超音波分散機、機械的ホモジナイザー、マントンゴーリン、圧力式ホモジナイザー等の加圧分散機、ゲッツマンミル、ダイヤモンドファインミル等の媒体型分散機が挙げられる。
 樹脂粒子と着色剤粒子とを塩析、凝集、融着させるためには、樹脂粒子および着色剤粒子が分散している分散液中に、臨界凝集濃度以上の凝集剤を添加するとともに、この分散液を、樹脂粒子のガラス転移温度(Tg)以上に加熱することが好ましい。
 更に好ましくは、凝集剤により複合樹脂粒子が所望の粒径に達した段階で凝集停止剤が用いられる。その凝集停止剤としては、1価の金属塩、中でも塩化ナトリウムが好ましく用いられる。
 塩析、凝集、融着させるために好適な温度範囲としては、(Tg+10)〜(Tg+50℃)とされ、特に好ましくは(Tg+15)〜(Tg+40℃)とされる。また、融着を効果的に行なわせるために、水に無限溶解する有機溶媒を添加してもよい。
 ここに、塩析、凝集、融着の際に使用する「凝集剤」としては、前述のようなアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩を挙げることができる。
 本発明に係る塩析、凝集について説明する。
 本発明において、「塩析、凝集、融着」するとは、塩析(粒子の凝集)と融着(粒子間の界面消失)とが同時に起こること、または、塩析と融着とを同時に起こさせる行為を云う。
 塩析と融着とを同時に行わせるためには、複合樹脂粒子を構成する樹脂のガラス転移温度(Tg)以上の温度条件下において粒子(複合樹脂粒子、着色剤粒子)を凝集させることが好ましい。
 このように、樹脂粒子の調製を着色剤の存在しない系で行うことにより、複合樹脂粒子を得るための重合反応が阻害されることない。このため、本発明のトナーによれば、優れた耐オフセット性が損なわれることはなく、トナーの蓄積による定着装置の汚染や画像汚れを発生させることはない。
 また、複合樹脂粒子を得るための重合反応が確実に行われる結果、得られるトナー粒子中に単量体やオリゴマーが残留するようなことはなく、当該トナーを使用する画像形成方法の熱定着工程において、異臭を発生させることはない。
 さらに、得られるトナー粒子の表面特性は均質であり、帯電量分布もシャープとなるため、鮮鋭性に優れた画像を長期にわたり形成することができる。このようなトナー粒子間における組成・分子量・表面特性が均質であるトナーによれば、接触加熱方式による定着工程を含む画像形成方法において、画像支持体に対する良好な接着性(高い定着強度)を維持しながら、耐オフセット性の向上を図ることができ、適度の光沢を有する画像を得ることができる。
 上記記載の樹脂粒子形成に用いられる樹脂としては、例えば、熱可塑性結着樹脂などが挙げられ、具体的には、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類の単独重合体または共重合体(スチレン系樹脂);アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のビニル基を有するエステル類の単独重合体または共重合体(ビニル系樹脂);アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルニトリル類の単独重合体または共重合体(ビニル系樹脂);ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類の単独重合体または共重合体(ビニル系樹脂);ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類の単独重合体または共重合体(ビニル系樹脂);エチレン、プロピレン、ブタジエン、イソプレン等のオレフィン類の単独重合体または共重合体(オレフィン系樹脂);エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂等の非ビニル縮合系樹脂、及びこれらの非ビニル縮合系樹脂とビニル系モノマーとのグラフト重合体などが挙げられる。これらの樹脂は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
 これらの樹脂の中でもビニル系樹脂が特に好ましい。ビニル系樹脂の場合、イオン性界面活性剤などを用いて乳化重合やシード重合により樹脂粒子分散液を容易に調製することができる点で有利である。前記ビニル系モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、ケイ皮酸、フマル酸、ビニルスルフォン酸、エチレンイミン、ビニルピリジン、ビニルアミンなどのビニル系高分子酸やビニル系高分子塩基の原料となるモノマーが挙げられる。本発明においては、前記樹脂粒子が、前記ビニル系モノマーをモノマー成分として含有するのが好ましい。本発明においては、これらのビニル系モノマーの中でも、ビニル系樹脂の形成反応の容易性等の点でビニル系高分子酸がより好ましく、具体的にはアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、ケイ皮酸、フマル酸などのカルボキシル基を解離基として有する解離性ビニル系モノマーが、重合度やガラス転移点の制御の点で特に好ましい。
 尚、前記解離性ビニル系モノマーにおける解離基の濃度は、例えば、高分子ラテックスの化学(高分子刊行会)に記載されているような、トナー粒子等の粒子を表面から溶解して定量する方法などにより決定することができる。なお、前記方法等により、粒子の表面から内部にかけての樹脂の分子量やガラス転移点を決定することもできる。
 前記樹脂粒子の個数平均粒径としては、通常、大きくとも1μm(1μm以下)であり、0.01〜1μmであるのが好ましい。前記個数平均粒径が1μmを越えると、最終的に得られるトナーの粒径分布が広くなったり、遊離粒子の発生が生じ、性能や信頼性の低下を招き易い。一方、前記個数平均粒径が前記範囲内にあると前記欠点がない上、トナー間の偏在が減少し、トナー粒子中の分散が良好となり、性能や信頼性のバラツキが小さくなる点で有利である。なお、前記個数平均粒径は、例えばコールターカウンターなどを用いて測定することができる。
 前記着色剤分散液は、少なくとも着色剤を分散させてなる。前記着色剤としては、例えば、カーボンブラック、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、ブリリアントカーミン3B、ブリリアントカーミン6B、デュポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオキサレートなどの種々の顔料;アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、ジオキサジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジコ系、チオインジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアジン系、チアゾール系、キサンテン系などの各種染料;などが挙げられる。これらの着色剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
 前記着色剤の個数平均粒径としては、通常大きくとも1μm(即ち1μm以下)であるが、大きくとも0.5μm(即ち0.5μm以下)が好ましく、0.01〜0.5μmが特に好ましい。前記個数平均粒径が1μmを越えると、最終的に得られるトナー粒子の粒径分布が広くなったり、遊離粒子の発生が生じ、性能や信頼性の低下を招き易い。一方、前記個数平均粒径が前記範囲内にあると前記欠点がない上、トナー粒子間の偏在が減少し、トナー粒子中の分散が良好となり、性能や信頼性のバラツキが小さくなる点で有利である。更に、前記個数平均粒径が0.5μm以下であると、得られるトナー粒子が、発色性、色再現性、OHP透過性等に優れる点で有利である。なお、前記個数平均粒径は、例えばマイクロトラックなどを用いて測定することができる。
 本発明に係るトナー粒子中には、離型剤を含有させることが好ましい。
 離型剤としては公知の化合物や下記一般式に示す化合物を用いることができるが、これらの中では下記一般式に示す化合物が好ましい。
 一般式
   R1−(OCO−R2n
 nは1〜4の整数、好ましくは2〜4、更に好ましくは3〜4、特に好ましくは4である。
 R1、R2は置換基を有しても良い炭化水素基を示す。
 R1は炭素数1〜40であることが好ましく、更に好ましくは1〜20であり、特に好ましくは2〜5である。
 R2は炭素数1〜40であることが好ましく、更に好ましくは16〜30であり、特に好ましくは18〜26である。
 次に代表的な例示化合物を記載する。
Figure 2004110008
Figure 2004110008
 離型剤の添加量は、トナー粒子全体に対し1〜30質量%が好ましく、3〜25質量%がより好ましい。
 また、本発明に係るトナー粒子中には、帯電防止剤を含有させることもできる。
 帯電制御剤としては、例えば、4級アンモニウム塩化合物、ニグロシン系化合物、アルミ、鉄、クロムなどの錯体からなる染料、トリフェニルメタン系顔料等を挙げることができる。
 《トナーの調製》
 本発明のトナーは、前記トナー粒子に金属酸化物粒子等の外添剤を混合してを調製することができる。調製する装置は、特に限定されず、公知の装置を用いて行うことができ、具体的には、タービュラーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー、V型混合機等の種々の混合装置を挙げることができる。これらの装置の中では、ヘンシェルミキサーが好ましい。
 トナー粒子に添加する外添剤の量は、トナー粒子に対して0.1〜4質量%が好ましく、0.5〜2質量%がより好ましい。
 外添剤としては、本発明に係る金属酸化物粒子の他に公知の外添剤を併用することができる。
 公知の外添剤としては、酸化チタン、アルミナ等の微粒子(BET法で測定した窒素吸着による比表面積が50〜400m2/g)、有機微粒子等を用いることができる。
 酸化チタン微粒子としては、例えば、日本アエロジル社製の市販品T−805、T−604、テイカ社製の市販品MT−100S、MT−100B、MT−500BS、MT−600、MT−600SS、JA−1、富士チタン社製の市販品TA−300SI、TA−500、TAF−130、TAF−510、TAF−510T、出光興産社製の市販品IT−S、IT−OA、IT−OB、IT−OC等が挙げられる。
 アルミナ微粒子としては、例えば、日本アエロジル社製の市販品RFY−C、C−604、石原産業社製の市販品TTO−55等が挙げられる。
 又、有機微粒子としては数平均一次粒子径が10〜2000nm程度の球形の有機微粒子を使用することができる。このものとしては、スチレンやメチルメタクリレート等の単独重合体やこれらの共重合体を使用することができる。
 本発明では、外添剤としての滑剤を加えても良い。例えば、ステアリン酸の亜鉛、アルミニウム、銅、マグネシウム、カルシウム等の塩、オレイン酸の亜鉛、マンガン、鉄、銅、マグネシウム等の塩、パルミチン酸の亜鉛、銅、マグネシウム、カルシウム等の塩、リノール酸の亜鉛、カルシウム等の塩、リシノール酸の亜鉛、カルシウム等の塩等の高級脂肪酸の金属塩が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
 《現像剤》
 本発明のトナーは、一成分現像剤として、或いは二成分現像剤として用いることができるが、二成分現像剤として用いるのが好ましい。
 一成分現像剤として用いる場合は、非磁性一成分現像剤として前記トナーをそのまま用いる方法もあるが、通常はトナー粒子中に0.1〜5μm程度の磁性粒子を含有させ磁性一成分現像剤として用いる。その含有方法としては、着色剤と同様にしてトナー粒子中に含有させるのが普通である。
 又、磁性粒子であるキャリアと混合して二成分現像剤として用いる場合には、磁性粒子として、鉄、フェライト、マグネタイト等の金属、それらの金属とアルミニウム、鉛等の金属との合金等の従来から公知の材料を用いることができる。特にこれらの中ではフェライト粒子が好ましい。上記キャリアの体積平均粒径は15〜100μmが好ましく、25〜60μmのものがより好ましい。
 キャリアの体積平均粒径の測定は、代表的には湿式分散機を備えたレーザ回折式粒度分布測定装置「ヘロス」(シンパティック株式会社製)により測定することができる。
 キャリアとしては、磁性粒子が更に樹脂により被覆されているもの、あるいは樹脂中に磁性粒子を分散させたいわゆる樹脂分散型キャリアを用いることもできる。被覆用の樹脂組成としては、特に限定されないが、例えば、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン/アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、エステル系樹脂或いはフッ素含有重合体系樹脂等が用いられる。又、樹脂分散型キャリアを構成するための樹脂も、特に限定されず公知のものを使用することができ、例えば、スチレン/アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、フッ素系樹脂、フェノール系樹脂等を用いることができる。
 次に、画像形成方法について説明する。
 《画像形成方法》
 本発明に係る画像形成方法は、画像形成支持体(感光体)上に、トナーからなるトナー画像を形成し、該トナー画像を加熱部材(加熱ローラ)と加圧部材(加圧ローラ)の間を通過させて画像形成支持体上にトナー画像を定着する工程を有する方法である。
 図4は、本発明のトナーを用いる画像形成方法の一例を示す画像形成装置の断面構成図である。
 図4に示す画像形成装置は、デジタル方式による画像形成装置であって、画像読取り部A、画像処理部B(図示省略)、画像形成部C、転写紙搬送手段としての転写紙搬送部Dから構成されている。
 画像読取り部Aの上部には原稿を自動搬送する自動原稿送り手段が設けられていて、原稿載置台111上に載置された原稿は原稿搬送ローラ112によって1枚宛分離搬送され読み取り位置113aにて画像の読み取りが行われる。原稿読み取りが終了した原稿は原稿搬送ローラ112によって原稿排紙皿114上に排出される。
 一方、プラテンガラス113上に置かれた場合の原稿の画像は走査光学系を構成する照明ランプ及び第1ミラーから成る第1ミラーユニット115の速度vによる読み取り動作と、V字状に位置した第2ミラー及び第3ミラーから成る第2ミラーユニット116の同方向への速度v/2による移動によって読み取られる。
 読み取られた画像は、投影レンズ117を通してラインセンサである撮像素子CCDの受光面に結像される。撮像素子CCD上に結像されたライン状の光学像は順次電気信号(輝度信号)に光電変換されたのちA/D変換を行い、画像処理部Bにおいて濃度変換、フィルタ処理等の処理が施された後、画像データは一旦メモリに記憶される。
 画像形成部Cでは、画像形成ユニットとして、像担持体であるドラム状の感光体(以下、感光体ドラムとも云う)121と、その外周に、帯電手段である帯電器122、現像手段である現像装置123、転写手段である転写器124、分離手段である分離器125、クリーニング装置(ブレードクリーニング)126及びPCL(プレチャージランプ)127が各々動作順に配置されている。感光体121は、光導電性化合物をドラム基体上に塗布形成したもので、例えば有機感光体(OPC)が好ましく使用され、図示の時計方向に駆動回転される。
 回転する感光体121へは帯電器122による一様帯電がなされた後、露光光学系130により画像処理部Bのメモリから呼び出された画像信号に基づいた像露光が行われる。書き込み手段である露光光学系130は図示しないレーザーダイオードを発光光源とし、回転するポリゴンミラー131、fθレンズ(符号なし)、シリンドリカルレンズ(符号なし)を経て反射ミラー132により光路が曲げられ主走査がなされるもので、感光体121に対してAoの位置において像露光が行われ、感光体121の回転(副走査)によって潜像が形成される。本実施の形態の一例では文字部に対して露光を行い潜像を形成する。
 感光体121上の潜像は現像装置123によって反転現像が行われ、感光体121の表面に可視像のトナー像が形成される。転写紙搬送部Dでは、画像形成ユニットの下方に異なるサイズの転写紙Pが収納された転写紙収納手段としての給紙ユニット141(A)、141(B)、141(C)が設けられ、又、側方には手差し給紙を行う手差し給紙ユニット142が設けられていて、それらの何れかから選択された転写紙Pは案内ローラ143によって搬送路140に沿って給紙され、給紙される転写紙の傾きと偏りの修正を行うレジストローラ対144によって転写紙Pは一時停止を行ったのち再給紙が行われ、搬送路140、転写前ローラ143a及び転写進入ガイド板146に案内され、感光体121上のトナー画像が転写位置Boにおいて転写器124によって転写紙Pに転写され、次いで分離器125によって除電されて転写紙Pは感光体121面より分離し、搬送装置145により定着器150に搬送される。
 定着器150は加熱ローラ151と加圧ローラ152とを有しており、転写紙Pを加熱ローラ151と加圧ローラ152との間を通過させることにより、加熱、加圧によってトナーを熔着させる。トナー画像の定着を終えた転写紙Pは、排紙トレイ164上に排出される。
 以下に、実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明の実施態様はこれらに限定されるものではない。
 実施例1
 《金属酸化物粒子の製造》
 金属酸化物粒子の製造には、図2に記載の装置を用いた。
 室温下、表1の原料を混合して調製された原料液は、竪型燃焼炉の頂部に設けられたバーナーに供給し、バーナー先端部に取り付けられた噴霧ノズルから噴霧媒体の空気により微細液滴にして噴霧され、プロパンの燃焼による補助火炎により燃焼させた。支燃性ガスとしてバーナーから酸素、空気を供給した。
 「金属酸化物粒子1〜7」および「比較用金属酸化物粒子1〜4」は、表1に記載の原料で調製した原料液の供給量を5〜8kg/HR、噴霧空気を1〜7Nm3/HR、プロパン量を0.4Nm3/HR、酸素空気の供給量を15〜184Nm3/HRにコントロールし、火炎温度を2500℃に調整して燃焼し、サイクロンとバグフィルターで捕集して製造した。
 上記で製造された金属酸化物粒子のドメイン・マトリクス構造の有無、粒子の平均一次粒子径、ドメインの個数基準の平均フェレ水平径は透過型電子顕微鏡を用いて観察し、画像解析装置「ルーゼックスF」(ニレコ株式会社製)で計測した。
 また、金属酸化物粒子中のドメインの個数%は蛍光X線分析法により求めたもので、具体的には理学電気工業社製の蛍光X線分析装置を用いた。
 表1に、金属酸化物粒子を製造するのに用いた原料を、表2に得られた金属酸化物粒子の物性値を示す。
Figure 2004110008
Figure 2004110008
 実施例2
 《トナー1の製造》
 (ラテックス(1HML)の調製)
 (1)核粒子の調製(第一段重合):攪拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた5000mlのセパラブルフラスコにアニオン系界面活性剤(101)
 (101) C1021(OCH2CH22OSO3Na
 7.08質量部をイオン交換水3010質量部に溶解させた界面活性剤溶液(水系媒体)を仕込み、窒素気流下230rpmの攪拌速度で攪拌しながら、フラスコ内の温度を80℃に昇温させた。
 この界面活性剤溶液に、重合開始剤(過硫酸カリウム:KPS)9.2質量部をイオン交換水200質量部に溶解させた開始剤溶液を添加し、温度を75℃とした後、スチレン70.1質量部、n−ブチルアクリレート19.9質量部、メタクリル酸10.9質量部からなる単量体混合液を1時間かけて滴下し、この系を75℃にて2時間にわたり加熱、攪拌することにより重合(第一段重合)を行い、ラテックス(高分子量樹脂からなる樹脂粒子の分散液)を調製した。これを「ラテックス(1H)」とする。
 (2)中間層の形成(第二段重合);攪拌装置を取り付けたフラスコ内において、スチレン105.6質量部、n−ブチルアクリレート30.0質量部、メタクリル酸6.2質量部、n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル5.6質量部からなる単量体混合液に、結晶性物質として、上記式(19)で表される化合物(以下、「例示化合物(19)」とも云う。)98.0質量部を添加し、90℃に加温し溶解させて単量体溶液を調製した。
 一方、アニオン系界面活性剤(上記式(101))1.6質量部をイオン交換水2700mlに溶解させた界面活性剤溶液を98℃に加熱し、この界面活性剤溶液に、核粒子の分散液である前記ラテックス(1H)を固形分換算で28質量部添加した後、循環経路を有する機械式分散機「クレアミックス(CLEARMIX)」(エム・テクニック(株)製)により、前記例示化合物(19)の単量体溶液を8時間混合分散させ、乳化粒子(油滴)を含む分散液(乳化液)を調製した。
 次いで、この分散液(乳化液)に、重合開始剤(KPS)5.1質量部をイオン交換水240mlに溶解させた開始剤溶液と、イオン交換水750mlとを添加し、この系を98℃にて12時間にわたり加熱攪拌することにより重合(第二段重合)を行い、ラテックス(高分子量樹脂からなる樹脂粒子の表面が中間分子量樹脂により被覆された構造の複合樹脂粒子の分散液)を得た。これを「ラテックス(1HM)」とする。
 前記ラテックス(1HM)を乾燥し、走査型電子顕微鏡で観察したところ、ラテックスに取り囲まれなかった例示化合物(19)を主成分とする粒子(400〜1000nm)が観察された。
 (3)外層の形成(第三段重合):上記の様にして得られたラテックス(1HM)に、重合開始剤(KPS)7.4質量部をイオン交換水200mlに溶解させた開始剤溶液を添加し、80℃の温度条件下に、スチレン300質量部、n−ブチルアクリレート95質量部、メタクリル酸15.3質量部、n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル10.4質量部からなる単量体混合液を1時間かけて滴下した。滴下終了後、2時間にわたり加熱攪拌することにより重合(第三段重合)を行った後、28℃まで冷却しラテックス(高分子量樹脂からなる中心部と、中間分子量樹脂からなる中間層と、低分子量樹脂からなる外層とを有し、前記中間層に例示化合物(19)が含有されている複合樹脂粒子の分散液)を得た。このラテックスを「ラテックス(1HML)」とする。
 この「ラテックス(1HML)」を構成する複合樹脂粒子は、138,000、80,000および13,000にピーク分子量を有するものであり、また、この複合樹脂粒子の質量平均粒径は122nmであった。
 アニオン系界面活性剤(101)59.0質量部をイオン交換水1600mlに攪拌溶解し、この溶液を攪拌しながら、カーボンブラック「リーガル330」(キャボット社製)420.0質量部を徐々に添加し、次いで「クレアミックス」(エム・テクニック(株)製)を用いて分散処理することにより、着色剤粒子の分散液(以下「着色剤分散液1」とも云う。)を調製した。この着色剤分散液における着色剤粒子の粒子径を、電気泳動光散乱光度計「ELS−800」(大塚電子社製)を用いて測定したところ、質量平均粒径で89nmであった。
 「ラテックス(1HML)」420.7質量部(固形分換算)と、イオン交換水900質量部と、166質量部の「着色剤分散液1」とを、温度センサー、冷却管、窒素導入装置、攪拌装置を取り付けた反応容器(四つ口フラスコ)に入れ攪拌した。容器内の温度を30℃に調整した後、この溶液に5モル/Lの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを10.0に調整した。
 次いで、塩化マグネシウム・6水和物12.1質量部をイオン交換水1000mlに溶解した水溶液を、攪拌下、30℃にて10分間かけて添加した。3分間放置した後に昇温を開始し、この系を6〜60分間かけて90℃まで昇温し、会合粒子の生成を行った。その状態で、「コールターカウンターTA−II」にて会合粒子の粒径を測定し、個数平均粒径が4μmになった時点で、塩化ナトリウム80.4質量部をイオン交換水1000mlに溶解した水溶液を添加して粒子成長を停止させ、更に熟成処理として液温度98℃にて2時間にわたり加熱攪拌することにより、粒子の融着及び結晶性物質の相分離を継続させた。
 その後、30℃まで冷却し、塩酸を添加してpHを4.0に調整し、攪拌を停止した。生成した会合粒子をバスケット型遠心分離機「MARKIII型式番号60×40」(松本機械株式会社製)で固液分離し、トナー粒子のケーキを形成した。該トナー粒子のケーキは前記バスケット型遠心分離機内で水洗浄され、その後「フラッシュジェットドライヤー」(セイシン企業株式会社製)に移し、水分量が0.5質量%となるまで乾燥して「トナー粒子1」を得た。この「トナー粒子1」100質量部に表1に記載の「金属酸化物粒子1」1.0質量部と一次粒子径12nmの疎水性シリカ0.6質量部を添加し「ヘンシェルミキサー」で混合後、45μmの目開きのシーブを用いて粗大粒子を除去し「トナー1」を得た。
 《トナー2の製造》
 (樹脂微粒子分散液の調製)
 スチレン370質量部、n−ブチルアクリレート30質量部、アクリル酸8質量部、ドデカンチオール24質量部四臭化炭素4質量部を混合して溶解したものを、非イオン性界面活性剤6質量部及びアニオン性界面活性剤(ドデシル)10質量部をイオン交換水550質量部に溶解したフラスコ中で乳化重合させ、10分間ゆっくり混合しながら、これに過硫酸アンモニウム4質量部を溶解したイオン交換水50質量部を投入した。窒素置換を行った後、前記フラスコ内を攪拌しながら内容物が70℃になるまでオイルバスで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続した。その結果、150nmであり、T質量部=58℃、質量平均分子量Mw=11500の樹脂粒子が分散された樹脂微粒子分散液が得られた。この分散液の固形分濃度は40質量%であった。
 (離型剤分散液の調製)
 パラフィンワックス                  100質量部
   (HNP0190:日本精蝋(株)製、融点85℃)
 カチオン性界面活性剤                   5質量部
   (サニゾールB50:花王(株)製)
 イオン交換水                     240質量部
 以上の成分を、丸型ステンレス鋼製フラスコ中でホモジナイザー「ウルトラタラックスT50」(IKA社製)を用いて10分間分散した後、圧力吐出型ホモジナイザーで分散処理し、平均粒径が550nmである離型剤粒子が分散された「離型剤分散液2」を調製した。
(凝集粒子の調製)
 樹脂微粒子分散液                     234部
 着色剤分散液1                       40部
 離型剤分散液2                       40部
 ポリ塩化アルミニウム                   1.8部
 イオン交換水                       600部
 以上の成分を、丸型ステンレス鋼鉄フラスコ中でホモジナイザー「ウルトラタラックスT50」(IKA社製)を用いて混合し、分散した後、加熱用オイルバス中でフラスコ内を攪拌しながら55℃まで加熱した。55℃で30分保持した後、D50が4.8μmの凝集粒子が生成していることを確認した。更に加用オイルバスの温度を上げて56℃で2時間保持し、D50は5.9μmとなった。その後、この凝集体粒子を含む分散液に32質量部の樹脂微粒子分散液を追加した後、加熱用オイルバスの温度を55℃まで上げて30分間保持した。この凝集体粒子を含む分散液、1N水酸化ナトリウムを追加して、系のpHを5.0に調整した後ステンレス製フラスコを密閉し、磁気シールを用いて攪拌を継続しながら95℃まで加熱し、6時間保持し常温まで冷却した。その後、バスケット型遠心分離機「MARKIII 型式番号60×40」(松本機械株式会社製)で固液分離し、トナー粒子のケーキを形成した。該トナー粒子のケーキは前記バスケット型遠心分離機内で水洗浄され、その後「フラッシュジェットドライヤー」(セイシン企業株式会社製)に移し、水分量が0.5質量%となるまで乾燥して「トナー粒子2」を得た。この「トナー粒子2」100質量部に表1に記載の「金属酸化物粒子2」1.0質量部と一次粒子径12nmの疎水性シリカ0.6質量部を添加し「ヘンシェルミキサー」で混合後、45μmの目開きのシーブを用いて粗大粒子を除去し「トナー2」を得た。
 《トナー3の製造》
 スチレン=165質量部、n−ブチルアクリレート=35質量部、カーボンブラック=10質量部、ジ−t−ブチルサリチル酸金属化合物=2質量部、スチレン−メタクリル酸共重合体=8質量部、パラフィンワックス(mp=70℃)=20質量部を60℃に加温し、TKホモミキサー(特殊機化工業社製)にて12000rpmで均一に溶解、分散した、これに重合開始剤として2,2′−アゾビス(2,4−バレロニトリル)=10質量部を加えて溶解させ、重合性単量体組成物を調製した。
 ついで、イオン交換水710質量部に0.1M燐酸ナトリウム水溶液450質量部を加え、TKホモミキサーにて13000rpmで攪拌しながら1.0M塩化カルシウム68質量部を徐々に加え、燐酸三カルシウムを分散させた懸濁液を調製した。この懸濁液に上記重合性単量体組成物を添加し、TKホモミキサーにて10000rpmで20分間攪拌し、重合性単量体組成物を造粒した。
 その後、市販の重合反応装置を使用し、75〜95℃にて5〜15時間反応させた。塩酸により燐酸三カルシウムを溶解除去した。その後バスケット型遠心分離機「MARKIII 型式番号60×40」(松本機械株式会社製)で固液分離し、トナー粒子のケーキを形成した。該トナー粒子のケーキは前記バスケット型遠心分離機内で水洗浄され、その後「フラッシュジェットドライヤー」(セイシン企業株式会社製)に移し、水分量が0.5質量%となるまで乾燥して「トナー粒子3」を得た。この「トナー粒子3」100質量部に表1に記載の「金属酸化物粒子3」1.0質量部と一次粒子径12nmの疎水性シリカ0.6質量部を添加し「ヘンシェルミキサー」で混合後、45μmの目開きのシーブを用いて粗大粒子を除去し「トナー3」を得た。
 《トナー4の製造》
 (トナー用分散液の調製)
 ポリビニルブチラール                   8質量部
  (ポリ酢酸ビニル単位:2質量%、ポリビニルアルコール単位:19質量%、ポリビニルアセタール単位:79質量%、平均重合度:630)
 2−メチル−2−ブタノール              300質量部
 スチレン                        82質量部
 n−ブチルアクリレート                 18質量部
 からなる混合物を十分に溶解し、これに
 カーボンブラック                     7質量部
 ガラスビーズ(直径1mm)              500質量部
 を投入し、ペイントシェーカーで6時間撹拌した後、メッシュでガラスビーズを除去した。
 機械的撹拌機、窒素バブリング用導入管をとりつけた重合容器を15℃に保持しつつ、これに、得られた分散液300質量部と、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル3.6質量部を、徐々に投入して重合反応系を形成した。このときの重合反応系の顔料分散率ψは1.01であった。また、重合反応系内の溶存酸素量は8.2m質量部/リットルであった。
 重合反応系を20℃に保持しつつ、重合反応系内の溶存酸素量が0.2m質量部/リットルになるまで液中に窒素をバブリングした。これを75℃に加熱し、撹拌下12時間重合した。重合中も窒素のバブリングを継続した。
 反応終了後、撹拌しつつ20℃まで冷却した。その後バスケット型遠心分離機「MARKIII 型式番号60×40」(松本機械株式会社製)で固液分離し、トナー粒子のケーキを形成した。該トナー粒子のケーキは前記バスケット型遠心分離機内で水洗浄され、その後「フラッシュジェットドライヤー」(セイシン企業株式会社製)に移し、水分量が0.5質量%となるまで乾燥して「トナー粒子4」を得た。この「トナー粒子4」100質量部に表1に記載の「金属酸化物粒子4」1.0質量部と一次粒子径12nmの疎水性シリカ0.6質量部を添加し「ヘンシェルミキサー」で混合後、45μmの目開きのシーブを用いて粗大粒子を除去し「トナー4」を得た。
 《トナー5の製造》
 (顔料分散液の調製)
 ポリエステル樹脂                      50部
   (T質量部;60℃、軟化点;98℃、質量平均分子量;18000)
 カーボンブラック                      50部
 酢酸エチル                        100部
 上記材料組成の分散液に、ガラスビーズを加えサンドミル分散機に装着した。
 分散容器回りを冷却しながら、高速撹拌モードで3時間分散し酢酸エチルで希釈することにより着色剤濃度15質量%濃度の「着色剤分散液5」を調製した。
 (微粒子化ワックスの作製)
 パラフィンワックス:(融点:85℃)            15部
 トルエン                          85部
 上記材料を撹拌羽根を装着し、容器回りに熱媒を循環させる機能を持った分散機に投入した。毎分83回転で撹拌しながら徐々に温度を上げてゆき、最後に100℃に保ったまま3時間撹拌した。次に撹拌を続けながら毎分約2℃の割合で室温まで冷却し、微粒子化したワックスを析出させた。このワックス分散液を高圧乳化機「APVAULIN HOMOGENIZER 15MR型」を用い、高圧をかけて再度分散を行った。同様にワックス粒度を測定したところ0.69μmであった。作製した微粒子化ワックスの分散液は、ワックスの質量濃度が15質量%濃度になるように酢酸エチルで希釈した。
 (油相の作製)
 ポリエステル樹脂                      85部
  (ガラス転移点;60℃、軟化点;98℃、質量平均分子量;18000)
 着色剤分散液2                       50部
 微粒子化ワックスの分散液:(ワックス濃度15質量%)    33部
 酢酸エチル                         32部
 上記材料組成の油相をポリエステル樹脂が充分に溶解することを確認したのち調製した。上記油相を、ホモミキサー「エースホモジナイザー」(日本精機社製)に投入し、毎分16000回転で二分間撹拌し、均一な油相を調製した。
 (水相の作製)
 炭酸カルシウム:(平均粒径0.03μm)          60部
 純水                            40部
 上記材料をボールミルで4日間撹拌して得られた炭酸カルシウム水溶液を水相とした。
 レーザ回折/散乱粒度分布測定装置「LA−700」(堀場製作所)を用いて炭酸カルシウムの平均粒度を測定すると約0.08μmであった。
 カルボキシルメチルセルロース                 2部
   (セロゲンBSH;第一工業製薬)
 純水                            98部
 上記材料をボールミルで撹拌して得られたカルボキシルメチルセルロースを水相とした。
 (球形粒子の調製)
 油相                            55部
 水相(炭酸カルシウム水溶液)                15部
 水相(カルボキシルメチルセルロース水溶液)         30部
 上記材料をコロイドミル(日本精機社製)に投入し、ギャップ間隔1.5mm、毎分9400回転で40分間乳化をおこなった。次に上記乳化物を、ロータリーエバポレータに投入し、室温4kPaの減圧下で3時間脱溶媒を行った。その後12M塩酸をpH2になるまで加え、炭酸カルシウムをトナー粒子表面から除去した。その後、10Nの水酸化ナトリウムをpH10になるまで加え、さらに超音波洗浄槽中で撹拌しながら一時間撹拌を継続した。
 ついでバスケット型遠心分離機「MARKIII 型式番号60×40」(松本機械株式会社製)で固液分離し、トナー粒子のケーキを形成した。該トナー粒子のケーキは前記バスケット型遠心分離機内で水洗浄され、その後「フラッシュジェットドライヤー」(セイシン企業株式会社製)に移し、水分量が0.5質量%となるまで乾燥して「トナー粒子5」を得た。この「トナー粒子5」100質量部に表1に記載の「金属酸化物粒子5」1.0質量部と一次粒子径12nmの疎水性シリカ0.6質量部を添加し「ヘンシェルミキサー」で混合後、45μmの目開きのシーブを用いて粗大粒子を除去し「トナー5」を得た。
 《トナー6の製造》
 (ポリエーテル樹脂(A)の合成)
 攪拌装置、窒素導入管、温度計、原料等注入口を備えた高圧反応装置に、水酸化カリウム0.5部及び溶媒であるトルエン200部を入れ、系内の圧力を100kPa、温度を40℃に保ち、攪拌しながらプロピレンオキシド10.8部及びスチレンオキシド89.2部からなる混合液を少量ずつ注入し、分子量変化の様子を末端基適定により追跡し、数平均分子量が7,000になったところで反応を終了させた。このとき注入したモノマーの総量は、プロピレンオキシドが8.64部で、スチレンオキシドが71.4部であった。得られた高分子溶液から4kPaの減圧下にトルエン及び未反応モノマーを留去させて「ポリエーテル樹脂(A)」を得た。
 「ポリエーテル樹脂(A)」18部と、ポリエステル系樹脂72部と、カーボンブラック10部とを、2軸連続混練機を用いて180℃に加熱された着色樹脂溶融体とし、キャビトロンCD1010(ユ−ロテック社製回転型連続分散装置)に毎分100質量部の速度で移送した。別途準備した水性媒体タンクには試薬アンモニア水をイオン交換水で希釈した0.37質量%濃度の希アンモニア水を入れ、熱交換器で150℃に加熱しながら毎分0.1リットルの速度で、上記着色樹脂溶融体と同時にキャビトロンに移送し、回転子の回転速度が7500rpm、圧力が50kPaの運転条件で、着色樹脂球状微粒子が分散された温度160℃の分散液を得、さらに30秒間で温度40℃まで冷却した。その後、バスケット型遠心分離機「MARKIII 型式番号60×40」(松本機械株式会社製)で固液分離し、トナー粒子のケーキを形成した。該トナー粒子のケーキは前記バスケット型遠心分離機内で水をかけて洗浄され、その後「フラッシュジェットドライヤー」(セイシン企業株式会社製)に移し、水分量が0.5質量%となるまで乾燥して「トナー粒子6」を得た。この「トナー粒子6」100質量部に表1に記載の「金属酸化物粒子6」1.0質量部と一次粒子径12nmの疎水性シリカ0.6質量部を添加し「ヘンシェルミキサー」で混合後、45μmの目開きのシーブを用いて粗大粒子を除去し「トナー6」を得た。
 《トナー7の製造》
 (ポリエステル樹脂Bの調製)
 テレフタル酸ジメチル715.0gと、5−スルホイソフタル酸ジメチルナトリウム95.8gと、プロパンジオール526.0gと、ジエチレングリコール48.0gと、ジプロピレングリコール247.1gと、水酸化ブチルスズ触媒1.5gとを重縮合反応器に入れた。混合物を190℃に加熱し、メタノール副生物を蒸留受け器に集めながら、ゆっくりと約200〜202℃まで温度を上げた。次に、約4.5時間かけて圧力を大気圧から約1067Paまで下げながら、温度を約210℃まで上げた。生成物を取り出し、ガラス転移温度が53.8℃の「ポリエステル樹脂B」を調製した。
 (ポリエステル樹脂分散液の調製)
 次に、上記「ポリエステル樹脂B」168gを1,232gの脱イオン水に加え、98℃で2時間撹拌して、「ポリエステル樹脂分散液7」を調製した。
 (会合工程)
 反応器に、1,400gの「ポリエステル樹脂分散液7」と、14.22gのカーボンブラックとを加え分散した。次に、酢酸亜鉛を脱イオン水に溶解して、5質量%の酢酸亜鉛溶液を調製した。この溶液を、秤の上に置いた貯蔵器に入れ、0.01〜9.9ml/分で酢酸亜鉛溶液を正確に供給可能なポンプに接続した。分散液の会合に必要な酢酸亜鉛の量は、分散液中の樹脂質量の10%である。
 分散液を56℃に加熱した後、酢酸亜鉛溶液を9.9ml/分でポンプ供給し、会合を開始した。酢酸亜鉛の全量の60質量%(5質量%溶液で205g)を加えたら、ポンプの添加速度を1.1ml/分に下げ、酢酸亜鉛の量が分散液中の樹脂の10質量%に等しく(5質量%溶液で335g)なるまで添加を続け、80℃で9時間攪拌した。
 その後バスケット型遠心分離機「MARKIII 型式番号60×40」(松本機械株式会社製)で固液分離し、トナー粒子のケーキを形成した。該トナー粒子のケーキは前記バスケット型遠心分離機内で水洗浄され、その後「フラッシュジェットドライヤー」(セイシン企業株式会社製)に移し、水分量が0.5質量%となるまで乾燥して「トナー粒子7」を得た。この「トナー粒子7」100質量部に表1に記載の「金属酸化物粒子1」1.0質量部と一次粒子径12nmの疎水性シリカ0.6質量部を添加し「ヘンシェルミキサー」で混合後、45μmの目開きのシーブを用いて粗大粒子を除去し「トナー7」を得た。
 《比較用トナー1の製造》
 「トナー1」の製造で用いた「金属酸化物粒子1」の代わりに「比較用金属酸化物粒子1」(以下、比較用1とも云う)を使用した以外は同様にして「比較用トナー1」を得た。
 《比較用トナー2の製造》
 「トナー1」の製造で用いた「金属酸化物粒子1」の代わりに「比較用金属酸化物粒子2」(以下、比較用2とも云う)を使用した以外は同様にして「比較用トナー2」を得た。
 《比較用トナー3の製造》
 「トナー1」の製造で用いた「金属酸化物粒子1」の代わりに「比較用金属酸化物粒子3」(以下、比較用3とも云う)を使用した以外は同様にして「比較用トナー3」を得た。
 《比較用トナー4の製造》
 「トナー1」の製造で用いた「金属酸化物粒子1」の代わりに「比較用金属酸化物粒子4」(以下、比較用4とも云う)を使用した以外は同様にして「比較用トナー4」を得た。
 《比較用トナー5の製造》
 「トナー1」の製造で用いた「金属酸化物粒子1」の代わりに「比較用金属酸化物粒子4」(以下、比較用5とも云う)を使用した以外は同様にして「比較用トナー5」を得た。
 《比較用トナー6の製造》
 「トナー1」の製造で用いた「金属酸化物粒子1」の代わりに「比較用金属酸化物粒子4」(以下、比較用6とも云う)を使用した以外は同様にして「比較用トナー6」を得た。
 得られたトナーの物性値を表3に示す。
Figure 2004110008
 《現像剤の調製》
 上記で調製した「トナー1〜7」と「比較用トナー1〜6」の各々に、シリコーン樹脂を被覆した体積平均粒径60μmのフェライトキャリアをトナー濃度が6質量%になるよう混合し、「現像剤1〜7」、「比較用現像剤1〜6」を調製した。
 《評価》
 上記で作製した「トナー1〜7」、「比較用トナー1〜6」の各々について下記の評価を行った。なお、現像剤は各トナーに対応したものを使用した。
 評価機としては、電子写真方式を採用した市販のカラープリンタ「C−1616」(富士ゼロックス株式会社製)を改造し、径20mmの感光体を装着して使用した。
 なお、感光体のクリーニングブラシ、中間転写体の清掃機構は外して評価した。また、現像剤性能を明確に評価するため、4色すべての現像器に同一のトナーと現像剤をセットして評価を行った。
 なお、かぶりおよび画像濃度の測定はマクベス反射濃度計「RD−918」(マクベス株式会社製)を用いて行った。
 〈画像カブリ〉
 画像カブリはベタ白画像濃度で判定した。印字されていないプリント用紙(白紙)の濃度を20カ所、絶対画像濃度で測定し、その平均値を白紙濃度とする。次に、画像形成がなされた評価用紙の白地部分を同様に20カ所、絶対画像濃度で測定し、その平均濃度から前記白紙濃度を引いた値をベタ白画像濃度として評価した。
 (評価基準)
 ◎:ベタ白画像濃度が0.005以下は、良好
 ○:ベタ白画像濃度が0.006〜0.008は、実用上問題ないレベル
 ×:ベタ白画像濃度が0.009より大は、実用上問題となるレベル。
 〈キズによる黒点〉
 加熱ロール表面のキズに起因する長径0.4mm以上の黒点が、A4版の白ベタ画像当たり何個あるかで評価した。なお、黒点の長径はビデオプリンター付き顕微鏡で確認した。
 (評価基準)
 ◎:0.4mm以上の黒点が3個/A4版以下は、実用上問題無く良好
 ○:0.4mm以上の黒点が4個〜12個/A4版は、実用上問題ないレベル
 ×:0.4mm以上の黒点が13個/A4版以上は、実用上問題となるレベル。
 〈低温低湿での転写はじき〉
 ランクゼロックス社の200g紙を低温低湿(10℃,20%RH)で連続32枚プリントした。相対濃度0.2〜0.3となるハーフトーンを印字し、画像後端部に放電による斑紋の発生を目視で確認した。
 (評価基準)
 ◎:放電による斑紋が一枚もない(優良)
 ○:凝視しなければ検知できないほどの斑紋が1〜2枚ある(良好)
 ×:明瞭な斑紋が3枚以上発生した(不良)。
 〈高温高湿での帯電量リーク〉
 高温高湿(30℃,85%RH)に放置前と24時間放置後の現像剤の帯電量を吸引式帯電量測定器で測定した。現像剤放置前に測定した帯電量に対し高温高湿に放置後に測定した帯電量との差を帯電量リークとして評価した。
 (評価基準)
 ◎:帯電量リークが3.0μC/g未満であり良好
 ○:帯電量リークが3.0〜6.0μC/gでありほぼ良好
 ×:帯電量リークが6.0μC/gより大きく不良。
 〈低温低湿での帯電量上昇〉
 低温低湿(10℃,20%RH)で5万プリントを行い、開始時と5万枚プリント終了後の帯電量と画像濃度を測定した。帯電量は4つの現像器内の現像剤をサンプリングし、ブローオフ帯電量測定装置「TB−200」(東芝ケミカル株式会社製)で測定した。
 (評価基準)
 ◎:開始時と5万プリント終了後で帯電量上昇が3.0μC/g未満であり、且つ画像濃度の低下が0.01未満である(優良)
 ○:開始時と5万プリント終了後で帯電量上昇が3.0〜6.0μC/gであり、且つ画像濃度の低下が0.04未満である(良好)
 ×:初期と5万プリント終了後で帯電量上昇が6.0μC/gより大きく、且つ画像濃度の低下が0.04以上である(不良)。
 〈現像剤寿命〉
 メーカー仕様3万プリントのカートリッジを用い、現像剤は3万プリントごとにテスト済みカートリッジの現像剤を新品のカートリッジに次々と入れ替えて、現像剤の耐久テストを継続し、画質を目視で判断し使用の可否を判断した。
 (評価基準)
 ◎:延べ60万プリント以上までプリント画質が劣化せず、寿命は非常に長く良好
 ○:延べ30〜60万プリントでプリント画質が劣化したが、寿命は長く良好
 △:延べ6〜29万プリントでプリント画質が劣化し、寿命はやや短い
 ×:延べ3〜5万プリントでプリントの画質が劣化し、寿命は短く問題。
 〈保存安定性〉
 各トナー1gをガラス製のサンプル管に入れ、50℃、90%RHの恒温槽に48時間放置した。その後、28メッシュの試験篩にかけメッシュ上に残ったトナー顆粒を秤量し、顆粒発生率をもって保存性を評価した。
 (評価基準)
 ◎:顆粒発生が10%未満で保存安定性非常に優良
 ○:顆粒発生が10%以上30%未満で保存安定性良好
 ×:顆粒発生が30%以上で保存安定性は実用上問題。
 〈外添剤離脱〉
 市販の電界効果型走査型電子顕微鏡にて、キャリア表面を4万倍で観察し、キャリア表面の外添剤付着状態から評価した。
 (評価基準)
 ◎:トナーから離脱した外添剤がほとんど付着していない
 ○:トナーから離脱した外添剤が1μm四方のエリアに2〜10個存在するが、帯電阻害は発生せず、実用上問題ない
 ×:トナーから離脱した外添剤が1μm四方のエリアに30個以上存在し、帯電量が初期に比較し10μC/g質量部以上低下し、トナー飛散、かぶりが発生した。
 〈クリーナーレスプロセスへの適合性〉
 メーカー仕様3万プリントの間で下記のようなランク評価を行った。
 (評価基準)
 ◎:帯電ローラーのトナー汚染、転写ローラーのトナー汚染による白スジが全くない、また、直前に印字した細線等が次の画像に現れることが皆無(優良)
 ○:帯電ローラーのトナー汚染、転写ローラーのトナー汚染による白スジが検知できなかった。直前に印字した細線等が次の画像に現れることが稀にあったが、凝視しなければ検知できず実用上問題ない(良好)
 ×:帯電ローラーのトナー汚染、転写ローラーのトナー汚染による白スジが発生した。また、直前に印字した細線等が次の画像に明瞭に検知された(不良)。
 評価結果を表4に示す。
Figure 2004110008
 表4から明らかなように本発明の「トナー1〜7」は繰り返しプリントを行ってもカブリが発生せず、黒点のない良好な画像を形成することができ、高温高湿での帯電量リークが無く、低温低湿での帯電量上昇が無く、現像剤の寿命が長く、保存性が良好で、外添剤の離脱が無く優れた特性を有する。また、高転写性でクリーナーレスプロセスへの適合性を有することからプリンターの小型化が可能となる。
ドメイン・マトリクス構造を有する金属酸化物粒子の断面図である。 金属酸化物粒子を製造する製造装置の一例を示すフロー図である。 角がないトナー粒子の一例を示す図である。 本発明のトナーを用いる画像形成方法の一例を示す画像形成装置の断面構成図である。
符号の説明
 1 金属酸化物粒子
 2 連続相の領域であるマトリクス
 3 ドメイン

Claims (9)

  1. 少なくとも樹脂と着色剤と2種以上の金属元素を含む金属酸化物粒子を含有する静電荷像現像用トナーにおいて、該金属酸化物粒子がドメイン・マトリクス構造を有し、前記ドメインをもつ粒子が金属酸化物粒子中の5〜49個数%であることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
  2. 前記金属酸化物粒子のマトリクスがシリカであることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
  3. 前記ドメインがチタン化合物からなることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
  4. 前記ドメインがアルミニウム化合物からなることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
  5. 前記ドメインがジルコニウム化合物からなることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
  6. 前記金属酸化物粒子の個数基準の平均一次粒子径が10〜300nmの範囲であり、前記ドメインの個数基準の平均フェレ水平径が1〜60nmの範囲であることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
  7. 前記静電荷像現像用トナーを構成するトナー粒子の中で、角がないトナー粒子の割合が50個数%以上であり、個数粒度分布における個数変動係数が27%以下であることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
  8. 前記静電荷像現像用トナーが、互いに異なる樹脂組成物によってカプセル化されているかまたは表面修飾されていることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
  9. 画像形成支持体上に、静電荷像現像用トナーからなるトナー画像を形成し、該トナー画像を加熱部材と加圧部材の間を通過させて画像形成支持体上に定着する工程を含む画像形成方法において、該静電荷像現像用トナーが請求項1に記載の静電荷像現像用トナーであることを特徴とする画像形成方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005309184A (ja) * 2004-04-23 2005-11-04 Matsushita Electric Ind Co Ltd トナーの製造方法、二成分現像剤及び画像形成装置

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