JP2004109615A - アナログ表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ほぼ全方向(全出射角度方向)にわたって光の射出方向を制御できる光学部材や光学フィルタを簡単に製造することが可能なルーバーフィルムを用いたアナログ表示装置を提供する。
【解決手段】光源からの光で表示部が透過照明される光透過性文字盤とその光を透過する指針とを備え、指針がルーバーフィルムを含むアナログ表示装置において、ルーバーフィルムは第1ルーバー層と第2ルーバー層とを備え、ルーバー層それぞれは、表面及び裏面を有し、表面に平行な面内方向に沿って所定の間隔をおいて互いに平行に延在するルーバーを含んでなり、第1ルーバー層の表面と第2ルーバー層の裏面とが密着する様に、接着剤で接着されたルーバーフィルムであって、第1ルーバー層のルーバーの延在方向と、第2ルーバー層のルーバーの延在方向とが所定の角度を成して交差しているルーバーフィルムであるアナログ表示装置。
【選択図】 図1
【解決手段】光源からの光で表示部が透過照明される光透過性文字盤とその光を透過する指針とを備え、指針がルーバーフィルムを含むアナログ表示装置において、ルーバーフィルムは第1ルーバー層と第2ルーバー層とを備え、ルーバー層それぞれは、表面及び裏面を有し、表面に平行な面内方向に沿って所定の間隔をおいて互いに平行に延在するルーバーを含んでなり、第1ルーバー層の表面と第2ルーバー層の裏面とが密着する様に、接着剤で接着されたルーバーフィルムであって、第1ルーバー層のルーバーの延在方向と、第2ルーバー層のルーバーの延在方向とが所定の角度を成して交差しているルーバーフィルムであるアナログ表示装置。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、2つのルーバー層(第1ルーバー層及び第2ルーバー層)を重ねて密着して形成した積層ルーバー層を含むルーバーフィルムを用いたアナログ表示装置に関する。
本発明で用いるルーバーフィルムでは、光の出射を制御する角度範囲が従来のルーバーフィルムに比べて広がり、ほぼ全角度方向において光の出射を制御することができる。
【0002】
【従来の技術】
パーソナルコンピュータ(パソコン;PC)、携帯端末、無人顧客応対装置(銀行のATMや、駅の券売機等)等では、使用者に情報を提供するために画像を表示する必要がある。この様な画像は、通常、ディスプレー装置(画像表示装置)を用いて表示される。この様なディスプレー装置は、通常、ディスプレーと、そのディスプレーの光出射面(ディスプレー画面)を被覆する様に配置された光透過性パネルとを備えた複合ユニット、すなわちディスプレーユニットを必須構成要素として含む。光透過性パネルは、ディスプレーの光出射面と面する裏面と、その裏面と対向する表面であって、操作者(使用者)が接触可能な表面とを有する。操作者は、光透過性パネルを通して表示画像を見ることができる。
【0003】
光透過性パネルとしては、ディスプレー画面を保護するために用いられる透明保護パネルや、接触スイッチ機能を有するタッチパネルが使用されている。光透過性パネルがタッチパネルである場合、使用者が指等で直接的に、または接触用ペン等の器具を介して間接的に接触することによりスイッチが働く機能(すなわち、ON−OFF機能)を、ディスプレーユニット自体に持たせることができる。
【0004】
ディスプレーは、たとえば、液晶ディスプレー(液晶表示装置とも呼ばれる。)である。液晶ディスプレーは、通常、液晶ディスプレーパネル(以降、「液晶パネル」と呼ぶこともある。)と、液晶パネルの背面(表示面の反対側の面)から照明するための光源(すなわち、バックライト)とを備えている。
液晶パネルは、第1及び第2の、2つの偏光板と、それらの間に挟まれた液晶層を備えている。2つの偏光板は、第1偏光板の偏光軸(第1偏光軸)と、第2偏光板の偏光軸(第2偏光軸)とが互いに所定の角度を成す、例えば直交する様に配置される。バックライトは、たとえば、導光板と、その導光板の側面から導光板内に光を供給する光源とを備えている、いわゆるエッジライト型バックライトである。
【0005】
これらのバックライト照明は、照明光が比較的広角度に広がる様に液晶パネル背面を照明し、液晶パネルを透過した光は表示面の正面方向から離れた方向(側面方向)にも出射する。したがって、たとえば、液晶ディスプレーがカーナビゲーション等の車載装置である場合、液晶表示がフロントウインドウやサイドウインドウ(ドアウインドウ)に映り込み、運転者の視界を邪魔することもあった。
そこで、ルーバーフィルムやそれを含む光学フィルタを、ディスプレー画面を被覆する様に配置することや、または、液晶パネルとバックライト光源と間に配置して装置内に組み込むことが行われている。この様なルーバーフィルムを含む光学フィルタの装置への組み込みは、側面方向への液晶パネル透過光の不必要な出射を防止し、液晶表示のフロントウインドウへの映り込みを効果的に防止できる。
【0006】
従来公知のルーバーフィルムは、その表面に平行な面内方向に沿って所定の間隔をおいて互いに平行に延在する、複数の微小なルーバー(または、ルーバー状エレメント、ルーバー要素とも呼ばれる。)を内部に有する1つのルーバー層を含んでなる光学フィルムである。通常、そのルーバー層の少なくとも表面に密着した光透過性かつ非粘着性を有する硬質の保護層をも備えている。ルーバー層の内部に組み込まれた複数のルーバーが、ルーバー層を透過する光の進行方向を所定の出射角度範囲に制御する効果(方向制御効果)を発揮する。すなわち、ルーバーの延在方向を横切る方向に出射される光は、ルーバーに吸収または反射され、その方向への光の出射量を低く制御できる。したがって、側面方向への液晶パネル透過光の不必要な出射を効果的に防止することができる。この様なルーバーフィルムは、光線調節フィルム(Light Control Film)とも呼ばれている。なお、従来公知のルーバーフィルムでは、ルーバーの延在方向にほぼ平行な方向に出射される光に対しては、この様な制御効果を発揮しない。
【0007】
ルーバーフィルムの構成、製造方法及び使用方法については、いくつかの先行文献に開示されている。たとえば、米国特許再発行第27,617号公報には、比較的低い(透明な)および比較的高い(着色した)光学密度を有するプラスチックの交互層のビレットをそぐ(skive)ことによって、ルーバーフィルムを製造する方法を開示している。ビレットをそいだときに、着色した層は光を平行にするルーバー状エレメントを与え、同特許明細書の説明によれば、このエレメントを、ルーバーフィルムの表面に対して直角に延ばすことができる。米国特許第3,707,416号公報には、光を平行にするルーバー状エレメントを、ルーバーフィルムの表面に対して傾斜させる方法を開示されている。米国特許第3,919,559号公報には、光を平行にするルーバー状エレメントの傾斜角度を漸進的に変化させる方法を教示している。
【0008】
特開昭61−227029号公報及び特開平8−224811号公報には、ルーバーフィルムの取扱い中の損傷を防止するために、感圧型接着剤層をルーバーフィルムの少なくとも一方の主面(表面または裏面)に配置し、その接着剤層の接着面に、保護層として透明プラスチックフィルムを密着させることが開示されている。
【0009】
ここで使用される感圧型接着剤層は、粘着性ポリマーを含有する感圧型接着剤から形成される。粘着性ポリマーは、常温(約25℃)で粘着性を示すポリマーである。粘着性ポリマーは、重合された後に接着(好ましくは透明な)状態になるモノマー含有組成物を、重合させて得ることができる。この公報に具体的に例示されているものは、90部(質量部)のアクリル酸イソオクチルと、10部のアクリル酸と、0.2部の光重合開始剤と、0.1部の光活***叉結合剤(架橋剤)とを含有するモノマー組成物を紫外線重合し、硬化しないレベルに架橋された軟質かつ粘着性のポリマーである。
なお、市販のルーバーフィルムの具体例として、3M社製「商標:ライトコントロールフィルム」等を挙げることができる。
【0010】
ルーバーフィルムは、次の様な用途においても有効に利用できる。特開2001−281592号公報には、光源からの光で表示部が透過照明される光透過性の文字盤と、光源からの光を透過する指針とを備えたアナログ表示装置であって、指針がルーバーフィルムを含んでなる、アナログ表示装置が開示されている。この様なアナログ表示装置は、たとえば、速度計等の計器類である。また、この装置では、文字盤は液晶ディスプレー画面である。指針に組み込まれたルーバーフィルムは、それを透過した光(液晶表示)が窓映りする現象を解消するために利用されている。
【0011】
ところが、装置の稼動中は指針の向きは常に変化し、したがって、それに組み込まれたルーバーフィルムのルーバーの延在方向も一定では無い。すなわち、ルーバーの延在方向は、ある時は鉛直方向に平行であったり、別のある時は水平方向に平行であったりする。前述の様に、従来公知のルーバーフィルムでは、ルーバーの延在方向にほぼ平行な方向に出射される光に対しては、出射方向を制御する効果を発揮しない。したがって、このままでは、指針の向きにかかわらずに光の窓映り現象を常に防止することはできなかった。
【0012】
そこで、上記特開2001−281592号公報では、ルーバーフィルムのルーバーの延在方向を指針の長さ方向に直交する様にし、かつ指針の幅方向の端に位置する両側面に指針表面より突き出される、遮光用庇を指針と一体形成して設けることを提案している。これにより、ルーバーの延在方向にほぼ平行な方向に出射される光に対しては、遮光用庇が方向制御効果を発揮し、ほぼ全方向(全出射角度方向)にわたって光の射出方向を制御できる。したがって、指針の向きにかかわらずに光の窓映りを防止できる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
ルーバーフィルムと遮光用庇の組み合わせは、アナログ表示装置の指針に限らず、あらゆるディスプレー装置に組み込んで使用される光学フィルタとして比較的有効である。たとえば、カーナビゲーション等の車載装置の画面から発せられる光が、フロントウインドウ方向(縦方向)にも、サイドウインドウ方向(横方向)にも出射しない様にすることもできる。
【0014】
ところで、庇は、その形や大きさ(指針表面より突き出る高さ等)を指針や装置画面の形や面積に応じて最適に設計した上、ルーバーフィルムに別途設ける必要がある。したがって、ルーバーフィルムまたはそれを含む光学フィルタの原反を裁断したり、打ち抜いて、所定の形と面積とを有するものに加工するだけでは、所望の効果を発揮する光学部材を製造することができなかった。庇を別途設けることはそれほど簡単ではないので、ユーザーからは、より簡単に製造できる光学フィルタ等が望まれていた。
したがって、本発明の目的は、ほぼ全方向(全出射角度方向)にわたって光の射出方向を制御できる光学部材や光学フィルタを簡単に製造することが可能な、ルーバーフィルムを用いたアナログ表示装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、光源からの光で表示部が透過照明される光透過性の文字盤と、前記光源からの光を透過する指針とを備え、前記指針がルーバーフィルムを含んでなるアナログ表示装置において、
前記ルーバーフィルムは、第1ルーバー層と第2ルーバー層とを備え、第1ルーバー層と第2ルーバー層のそれぞれは、表面及びその表面と略平行な裏面を有し、その表面に平行な面内方向に沿って所定の間隔をおいて互いに平行に延在する複数のルーバーを含んでなり、第1ルーバー層の表面と第2ルーバー層の裏面とが密着する様に、硬化されたまたは架橋された樹脂を含有する接着剤で接着されたルーバーフィルムであって、
前記第1ルーバー層のルーバーの延在方向と、前記第2ルーバー層のルーバーの延在方向とが所定の角度を成して交差している、ルーバーフィルムであることを特徴とする、アナログ表示装置
を提供し、上記課題を解決する。
【0016】
【発明の実施の形態】
(作用)
本発明で用いるルーバーフィルムは、第1ルーバー層と第2ルーバー層とを備え、第1ルーバー層と第2ルーバー層のそれぞれが、表面及びその表面と略平行な裏面を有し、その表面に平行な面内方向に沿って所定の間隔をおいて互いに平行に延在する複数のルーバーを含んでなり、第1ルーバー層の表面と第2ルーバー層の裏面とが密着する様に接着されている。このルーバーフィルムの特徴は、前記第1ルーバー層のルーバーの延在方向と、前記第2ルーバー層のルーバーの延在方向とが所定の角度を成して交差していることである。
【0017】
このようなルーバーフィルムは、例えば特開2001−281592号公報に記載されている様な遮光用庇を別途設ける必要は無い。したがって、ルーバーフィルムやそれを含む光学フィルタの原反を所定の形と面積とを有するものに加工するだけで、ほぼ全方向(全出射角度方向)にわたって光の射出方向を制御できる光学部材や光学フィルタを、簡単に製造できる。
【0018】
2つのルーバー層の間に空気層が存在すると、一方のルーバー層を透過して他方のルーバー層に入射しようとする光が空気界面で反射される傾向がある。したがって、ルーバーフィルム全体の光透過率を可及的に上げるために、2つのルーバー層は互いに密着している必要がある。ルーバー層を密着させるには、接着剤を用いるのが良い。
【0019】
2つのルーバー層のルーバー延在方向が成す鋭角な方の角度、すなわち、鋭角な方のルーバー交差角度は、好適には45度以上(45度〜90度の範囲)である。この交差角度が45度未満では、ルーバーどうしの交点における鋭角頂点が向き合う方向(鋭角を二等分する線分と平行な方向)において、光の射出方向が効果的に制御できないおそれがある。特に、前述の様なアナログ表示装置において、指針の向きにかかわらずに光の窓映りを効果的に防止するには、ルーバー交差角度がほぼ90度(例えば75度〜90度の範囲)であるのが好適である。
【0020】
本発明で用いるルーバーフィルムでは、互いに交差した2組の平行なルーバー(平行ルーバー)を作るのに、2つのルーバー層を積層している。この様な積層体を用いることで、次の様な利点も生まれる。1つのルーバー層の光出射方向を制御する性能は、たとえば、ルーバー層の厚さによって変えることができる。通常、ルーバー層の厚さが厚いほど、光の出射角度を小さくできる。前述の様な車載装置の画面から発せられる光を、縦方向(フロントウインドウ方向)にはほとんど出射されない様にしながら、それと直交する横方向への出射制御を緩やかにしたい場合、2つのルーバー層それぞれの厚さを異なる様にするだけで、所望の出射制御性能を有するルーバーフィルムを作ることができる。すなわち、横方向に並んだ平行ルーバーを含むルーバー層の厚さを比較的厚くし、縦方向に並んだ平行ルーバーを含むルーバー層の厚さを比較的薄くすれば良い。車載装置の場合、その設置位置によっては、運転者及び助手席に座る搭乗者の両方から装置画面を見える様にするには、横方向への出射制御を緩やかにしなければならない場合がある。この様な場合に、厚さの異なる2つのルーバー層の積層体を用いることが有効である。
【0021】
また、前記第1ルーバー層のルーバーの延在方向と前記第2ルーバー層のルーバーの延在方向との交差角度がほぼ90度であるルーバーフィルムは、光学フィルタを構成する部材として有用である。この様なルーバーフィルムを含んでなる光学フィルタは、ATM等の無人顧客応対装置の操作画面において、2つのルーバー層のうちの一方のルーバーの延在方向を、装置の操作画面と操作者とを結ぶ方向に対してほぼ平行に配置して使用される。この様にすれば、光学フィルタは、無人顧客応対装置の画面を操作者以外の他人が、操作者の脇(横方向)から、及び操作者の後方から覗き見しにくい様にできる、いわゆるプライバシー保護効果を発揮できる。現在の銀行のATMでは、他人が操作者の脇から画面を見えない様にするための衝立を設けているが、上記のようなルーバーフィルムを含んでなる光学フィルタを用いれば、この様な衝立を用いなくてもプライバシー保護効果が発揮できる。また、操作者の後方に立った他人が、または、操作者の後方天井近くに備え付けられたセキュリティ用の監視カメラを通じて他人が、操作画面を覗き見ることを効果的に防止できる。
【0022】
なお、無人顧客応対装置は、通常、ディスプレーと、そのディスプレーの光出射面(ディスプレー画面)を被覆する様に配置されたタッチパネルとを備えている。光学フィルタは、ディスプレー画面を被覆する様に配置されるが、これは、▲1▼タッチパネルの操作面上に配置されるか、または、▲2▼タッチパネルとディスプレーとの間に配置されることを意味する。好ましくは、上記▲2▼である。タッチパネルの操作性を損なわずに、プライバシー保護効果が良好に発揮されるからである。
【0023】
(ルーバーフィルム)
本発明で用いるルーバーフィルムの好適な実施例について、図面に沿って説明する。
図1は、本例のルーバーフィルム(100)の模式的側面図である。本例のルーバーフィルム(100)は、通常、図1に示される様に、第1ルーバー層(1)と、第1ルーバー層(1)の表面側に固定的に配置された第2ルーバー層(2)とを含んでなる、ルーバー積層体(101)を備えている。第1ルーバー層(1)は、微小なルーバーが内部に組み込まれたもので、従来のルーバーフィルムに用いられているものと同じものが使用できる。第2ルーバー層(1)も同様に、微小なルーバーが内部に組み込まれたもので、従来のルーバーフィルムに用いられているものと同じものが使用できる。
【0024】
図示の例のルーバーフィルムでは、第1ルーバー層(1)のルーバーの延在方向と、第2ルーバー層(2)のルーバーの延在方向とがほぼ90度の角度を成して交差している。図2は、ルーバー積層体(101)の拡大平面図である。第1ルーバー層(1)の平行ルーバー(19)と、第2ルーバー層(2)の平行ルーバー(29)とが互いに直交し、碁盤目を形成している。三次元的な構造は、第1ルーバー層(1)の平行ルーバー(19)の上に、第2ルーバー層(2)の平行ルーバー(29)が重なっているものである。
【0025】
ルーバー積層体(101)は、第1ルーバー層側を表面側として使用しても良いし、第2ルーバー層側を表面側として使用しても良い。ここでは、第1ルーバー層側を表面側として使用した場合について説明する。
ルーバー積層体(101)の裏面(第2ルーバー層の裏面)から積層体(101)に入射した光のうち、積層体(101)の裏面の法線に対して比較的大きく傾いたものは、平行ルーバー(19)または平行ルーバー(29)に当たる。この時、平行ルーバーが光を吸収する材質から形成されている場合、この様な光はこの積層体(101)を透過できない。一方、積層体(101)の裏面の法線にほぼ平行にルーバー積層体に入射した光は、いずれの平行ルーバーにも当たらずに、この積層体の表面に到達し、この積層体を透過可能である。すなわち、積層体(101)の表面に平行な面内において、ほぼ全方向(全出射角度方向)にわたって光の射出方向を制御できる。
【0026】
光の射出方向を効果的に制御するには、平行ルーバーが光を吸収するものが好ましいが、平行ルーバーが光を反射する場合も、上記とほぼ同様に効果が得られる。この場合、積層体(101)の裏面の法線に対して比較的大きく傾いて入射した光は、平行ルーバー(19)または平行ルーバー(29)で反射される。反射光の進行方向は、平行ルーバー(19)の部分と平行ルーバー(29)の部分とが形作るセル状領域(102)(図2に示す碁盤目の1つの四角形)の中心を通る法線に近づく方向である。したがって、セル状領域(102)を透過する光はほとんど広がらずに積層体の表面から出射される。
【0027】
平行ルーバーが光を反射する場合、平行ルーバーが光を吸収する場合に比べて光の射出方向を制御する効果は劣るが、その代わりに、透過光量を低下させないというメリットを有する。したがって、1つの平行ルーバーにおいて、一方の面(第1のセル状領域に面する面)が光を吸収する様にし、他方の面(第1のセル状領域とその平行ルーバーを挟んで隣接する第2のセル状領域に面する面)が光を反射する様にしても良い。これにより、透過光量の低下を可及的に抑えながら、光の射出方向を制御する効果を高めることができる。なお、平行ルーバーの材質の詳細については後述する。
【0028】
図示の例では、2つのルーバー層(1、2)が、接着層(3)を介して密着している。ここで用いられる接着層の接着剤は、好ましくは、硬化されたまたは架橋された樹脂を含有する。ルーバーフィルムを使用中、2つの平行ルーバーの交差角度が変化すると光の出射方向を制御する性能が低下するおそれがある。たとえば、前述の様に、2つの平行ルーバーの交差角度が小さくなると、全方向において光の射出方向が効果的に制御できないおそれがある。接着層の流動性が比較的高い場合、比較的高温の環境でルーバーフィルムを使用している間に、2つのルーバー層が互いに回転する様にずれてルーバー交差角度が変化するおそれがある。この様な交差角度の変化は、硬化されたまたは架橋された樹脂を含有する接着剤を用いることで効果的に防止できる。この様な接着剤は、たとえば硬化型の接着剤である。硬化型接着剤は、加熱または光照射により硬化される樹脂を含有する接着剤である。
また、本発明の効果を損なわない限り、架橋された樹脂を含有する感圧接着剤を使用してもよい。
【0029】
本発明で用いるルーバーフィルムは、上記の様なルーバー積層体だけからなるものでも良いが、好ましくは、図示の例の様に、積層体(101)の表裏両面を保護する2つの保護層(4、5)を備えている。この様な保護層を備えている場合、このルーバーフィルムは、ディスプレー画面を被覆する光学フィルタとして使用するのに有利である。保護層(4)は、接着層(6)を介して積層体(101)に密着している。保護層(5)も同様に、接着層(7)を介して積層体(101)に密着している。保護層の密着に用いられる接着層の接着剤は、通常の接着剤、たとえば、感圧接着剤、感熱接着剤、硬化型接着剤等であって良い。なお、保護層の詳細については、以下で説明する。
【0030】
保護層(4、5)のそれぞれの厚さは、特に限定されないが、通常10〜300μmである。接着層(3、6、7)のそれぞれの厚さは、特に限定されないが通常1〜100μmである。
それぞれの保護層は光透過性であって、その全光線透過率は通常70%以上、好適には80%以上である。それぞれの接着層も光透過性であって、その全光線透過率は通常70%以上、好適には80%以上である。なお、本明細書における「光透過率」は、分光光度計または、光度計の機能も備えるカラーメーターを使用し、550nmの光を用いて測定された全光線透過率を意味する。
【0031】
本例のルーバーフィルムは、たとえば次の様な方法で製造するのが好ましい。すなわち、
(i)一方のルーバー層の表面(または裏面)に、硬化性樹脂を含有する未硬化接着層を配置し、その未硬化接着層に他方のルーバー層を密着させ、接着層を硬化させて、ルーバー積層体を用意する。
(ii)上記(i)で用意したルーバー積層体の表面または裏面の一方に、硬化性樹脂を含有する未硬化接着層を配置し、その未硬化接着層に保護層を密着させ、接着層を硬化させて、ルーバー積層体に一方の保護層を接着する。これに引き続きまたはこれと同時に、他方の保護層を同様にして硬化型接着層を用いてルーバー積層体の表面または裏面の他方に接着し、ルーバーフィルムを完成させる。なお、この(ii)の段階で、保護層側に未硬化接着層を配置した後、その未硬化接着層にルーバー積層体を密着させても良い。
【0032】
図示の様なルーバーフィルムを用い、その一方の保護層の表面に被着体接着用の接着層を固定的に配置し、被着体に接着して使用可能な光学フィルタを形成することもできる。この場合の接着層は、感圧性接着剤、感熱性接着剤、硬化型接着剤等、通常の接着剤から形成できる。また、再剥離性の接着剤から接着層を形成しても良い。被着体接着用の接着層は、通常、粘着性ポリマー、またはゴム系ポリマーを含有する。粘着性ポリマー(self−adherent polymer)は、常温(約25℃)で粘着性を示すポリマーである。粘着性ポリマーは、たとえば、アクリル系ポリマー、オレフィン系ポリマー、ポリウレタン等である。ゴム系ポリマーは、たとえば、シリコーン系ポリマー、フッ素系ポリマー、ニトリル−ブタジエン系共重合体(NBR等)、スチレン−ブタジエン系共重合体(SBR等)等である。なお、被着体接着用の接着層の厚さは、通常5〜50μmである。
【0033】
(ルーバー層)
本発明で用いられるルーバー層は、層内部に微小なルーバー(ルーバー状エレメント)を組み込んだフィルムである。ルーバー層は、通常、光透過部と、光を遮断する微小なルーバー状エレメントとを含む。ルーバー層の視野角(出射制御角度)の範囲は、通常45〜90度である。
【0034】
光透過部は、ルーバーフィルム全体の光線透過率が低下しない様に、ルーバー状エレメントの幅(ルーバー層表面に平行で、かつルーバー状エレメントの長さ方向と直交する方向における寸法)よりも大きな幅を有することが好ましい。光透過部の幅は、好適には50〜500μm、特に好適には70〜200μmである。
ルーバー状エレメントの幅は、ルーバーフィルム全体の光線透過率が低下しない様に、光透過部よりも小さくすることが好ましい。ルーバー状エレメントの幅は、好適には1〜100μm、より好適には10〜50μmである。また、ルーバー状エレメントの角度は、要求される出射制御角度によって適宜決定されるが、通常45〜90度の範囲である。なお、ルーバー状エレメントの角度は、ルーバー層表面に対する角度で、ルーバー層表面と直交する場合を90度とする。
【0035】
2つのルーバー層において、ルーバー状エレメントの角度は同じであっても良く、また、互いに異なる様に組み合わせても良い。たとえば、一方のルーバー層が表面とほぼ直交する角度(86〜90度)のルーバー状エレメントを備え、他方のルーバー層のルーバー状エレメントの角度をやや傾けて、70〜85度とするのが好ましい。この様な2つのルーバー層を組み合わせたルーバー積層体は、次の様な理由から、ATM用のルーバーフィルム(またはATM用光学フィルタの構成部材としてのルーバーフィルム)として有用である。ATMの場合、ATMに近接した操作者の目は、ATM操作画面の法線方向よりもやや傾いた方向に位置する。たとえば、ATM操作画面が、地面に対してほぼ水平であるものがあるが、その場合、ATM操作画面の法線から手前に(操作者に向かって)傾いた方向に操作者の目がある。この様な場合、ATM操作画面から操作者に向かう方向に平行なルーバー層のルーバー状エレメントを手前に傾けておくと、操作者の居る方向を画面が明るく見える方向にすることができる。この場合の相対的に大きく傾斜したルーバー状エレメントの角度は70〜85度であるが、70度よりも小さくなると、操作者の後方に立った人が画面を視認しやすくなり、プライバシー保護効果が発揮できないおそれがある。なお、85度以下にするのは、ATM操作画面の法線方向よりもやや傾いた方向に位置する操作者の目に対して、画面を見やすくするのに有利だからである。
【0036】
ルーバー層の厚さは、使用目的に応じて適宜決定できる。しかしながら、厚さが薄くなるにしたがって、光の進行方向制御効果が低下する傾向がある。また、厚さが厚くなると、ルーバーフィルム全体の薄型化が困難になる。したがって、その厚さは、好適には10〜1,000μm、特に好適には40〜500μmである。なお、ルーバー層の厚さが厚いほど、同じルーバー状エレメントの角度であっても、出射制御角度が小さくなる。
【0037】
ルーバー層の光透過部は、透明性の高いポリマーから形成されるのが好ましい。ポリマーとしては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂等が使用でき、たとえば、セルロースアセテートブチレート、トリアセチルセルロース等のセルロース系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリスチレン、ポリウレタン、塩化ビニル、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等があげられる。
【0038】
一方、ルーバー状エレメントは光を吸収、あるいは反射できる遮光物質から形成する。この様な遮光物質としては、たとえば、(1)黒色、灰色等の暗色顔料や暗色染料、(2)アルミニウム、銀等の金属、(3)二酸化チタン等の白色の無機酸化物、(4)暗色の金属酸化物である。また、ルーバー状エレメントは、これら(1)〜(4)の物質を、前掲の透明性の高いポリマーに含有させたものからも形成できる。
【0039】
上記の様なルーバー層は、たとえば、前掲の従来技術のところで紹介した特許に開示されている様に、次の様にして製造できる。まず、光透過部として用いるポリマーフィルムの一方の主面に、遮光物質を含む層を固定してルーバー状エレメントを形成し、ポリマーフィルム/遮光物質層からなる積層フィルムの組を作る。この様な組を複数用意し、それらの複数の組を積層し、ポリマーフィルム/遮光物質層とが交互に配列され、互いに固定されたルーバーフィルム前駆体を形成する。この様な前駆体を用い、前駆体の主面(積層面)と直交する方向(積層方向)に沿って所定の厚さになるようスライスし、ルーバー層を得ることができる。ルーバー層は、表面及び裏面の一方または両方を被覆するポリマー層(ルーバーを内部に含まない層)を備えていても良い。
【0040】
ルーバー層は、通常は非粘着性のポリマーを用いて形成するが、粘着性ポリマーを含むルーバー層を用いてルーバー積層体を形成することもできる。粘着性ポリマーは、たとえば、シリコーン系ポリマー、オレフィン系ポリマー、ウレタン系ポリマー、アクリル系ポリマー等である。この場合、ルーバー層どうしを、接着層(図1の場合、接着層3)を用いずに接着してルーバー積層体を形成することができる。粘着性ポリマーは、架橋されているものが好ましい。粘着性ポリマーが架橋されている場合、比較的高温の環境で使用中に、ルーバー交差角度が変化することを効果的に防止できる。
また、本発明で用いるルーバーフィルムを製造するのに、市販のルーバーフィルム用のルーバー層を使用することができる。
【0041】
(接着層)
2つのルーバー層を接着する接着剤は、好適には、熱または放射線(光)照射により硬化可能な樹脂を含んでなる接着剤である。硬化性樹脂は、重合または/及び架橋して2つのルーバー層を強固に結合する接着層(硬化後)を形成可能な樹脂である。硬化性の樹脂は、通常、硬化性のモノマーまたは/及びオリゴマーを硬化性成分として含有する。
【0042】
アクリルモノマーまたはアクリルオリゴマーは、光硬化性成分として有用である。この様なアクリル化合物は、通常、1または2以上の(メタ)アクリロイル基を分子内に有し、数平均分子量が70〜5,000、好ましくは80〜3,000の化合物である。(メタ)アクロイル基は、通常、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルに由来する。光硬化性成分は、この様なアクリル化合物を、通常1種以上、好ましくは2種以上を混合して用いる。
【0043】
アクリル化合物は、芳香環、複素環および脂環式炭化水素基から選ばれる環状基を分子内に更に有することが好ましい。硬化樹脂(硬化した硬化性樹脂)の透明性及びヤング率が向上するからである。
環状基を分子内に有するアクリルモノマーの具体例には、アクリロイルモルホリン、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート等が挙げられる。環状基を分子内に有するアクリルモノマーは、一般に1〜95質量%、好ましくは2〜90質量%の量で硬化性成分中に含有される。これらの量が1質量%を下回ると硬化樹脂の透明性またはヤング率の向上効果が低下し、90質量%を上回ると、物品に対する密着性が低下するおそれがある。
【0044】
上記の他に、分子量90〜200のアクリル基を有するN,N−ジ置換アミド(N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート等)、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フェノキシエチル、トリブロモ(メタ)アクリル酸ベンジル、トリブロモ(メタ)アクリル酸フェノキシエチル、ジ(メタ)アクリル酸ビスフェノールA、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のエチレングリコール系の(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等のグリセリン(メタ)アクリレートエステル類、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート等のジオール類の(メタ)アクリル酸エステル、ネオペンチルジ(メタ)アクリレートなどが、目的に応じて使用できる。
たとえば、N,N−ジチメルアクリルアミドは、硬化樹脂の透明性を向上する効果にすぐれる点で好ましい。N,N−ジメチルアクリルアミドは、一般的に20〜100質量%、好ましくは30〜90質量%の量で硬化性成分中に含有される。これらの量が20質量%を下回ると透明性の向上効果が低下する傾向がある。
【0045】
アクリルオリゴマーは、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルに由来する(メタ)アクリル基を分子内に有するオリゴマーである。たとえば、分子内に(メタ)アクリル基を1または2以上有するポリオキシエチレンオリゴマー、分子内に(メタ)アクリル基を1または2以上有するポリウレタンオリゴマー等が使用できる。アクリルモノマーまたはオリゴマーは室温付近で液状であることが望ましいが、固体状のものであっても、併用される他のアクリルモノマーに溶解して液状となるものであれば使用できる。
【0046】
アクリル化合物を使用する場合、通常、光開始剤(光重合開始剤)を併用し、塗膜内で均一な塊状反応(塊状重合)が生じる様にするのが好ましい。光開始剤の中で、ラジカル重合開始剤の例としては、カンファキノン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾイン−n−プロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンジル、ベンゾフェノン、p−メチルベンゾフェノン、ジアセチル、ミヒラーズケトン、アセトフェノン、アンスラキノン、クロロアンスラキノン、2−メチルアンスラキノン、α−ヒドロキシイソブチルフェノン、ブチロイン、アニソインエチルエーテル、アゾビスイソブチロニトリル、テトラメチルチウラムジスルフィド等を挙げることができる。
また、カチオン重合開始剤の例としては、トリフェニルスルホニウム六フッ化アンチモン酸塩等の硫黄系開始剤、ジフェニルヨードニウム六フッ化アンチモン酸塩等のヨウ素系開始剤に代表されるオニウム塩が挙げられる。
上記のような光開始剤は、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。光開始剤は、アクリル化合物100質量部に対して、0.1〜5質量部、好ましくは0.2〜4質量部の量で使用される。
【0047】
光開始剤による硬化反応を促進させる目的で、光重合促進剤を上記開始剤と併用することができる。その代表例としては、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、2−ジメチルアミノエタノール等の第3級アミン類、トリフェニルホスフィンで代表されるアルキルホスフィン類、β−チオグリコールで代表されるチオール類等を挙げることができる。
【0048】
接着層は、まず、上記硬化性成分を含有する塗料を用意し、この塗料を2つのルーバー層のいずれかまたは両方の表面に塗布して未硬化塗膜を形成し、未硬化塗膜を介して2つのルーバー層を密着させた状態で塗膜を硬化させて形成する。たとえば、接着層用の塗料は、アクリル化合物、光重合開始剤等を混合することにより調製できる。混合の方法は特に限定されず、たとえば、プロペラミキサー、ロールミキサー等の通常の混合装置を使用して行う。
【0049】
本発明の効果を損なわない限り、接着層を形成する接着剤中に、コロイド状の無機微粒子を添加しても良い。コロイド状の無機微粒子は、その粒子径が可視光の波長より小さいので、接着層の光透過率を低下させずに、接着層の接着強度(剥離強度)や耐熱性を高めることができる。好ましい無機粒子としてはシリカ、ジルコニア、アルミナ、チタニア、酸化アンチモン、酸化スズ、酸化鉄、マグネシア、カルシア等が挙げられる。無機微粒子は、通常、液媒体中にコロイド状に分散されたものを使用する。無機微粒子の平均粒子径は、可視光線の波長以下、つまり約300nm以下、好ましくは5〜100nmとする。
【0050】
光照射で接着層を硬化する場合の光を照射する照射源としては、たとえば、水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、キセノンランプ、カーボンアーク、メタルハライドランプ等を挙げることができる。光を照射するときの雰囲気は、空気または不活性気体であることが好ましい。光の照射強度は0.1〜100mW/cm2が好ましく、照射量は100〜20,000mJ/cm2が好ましい。
【0051】
接着層の屈折率は、通常1.4〜1.8である。屈折率は、ルーバー層の光透過部の屈折率とほぼ同じであるのが好ましい。これらの屈折率の差を可及的に小さくすることで、接着層とルーバー層(光透過部)との間の界面での光の反射を防止し、ルーバー積層体を透過して観察者に届く光量が低下するのを効果的に防止できる。
【0052】
(保護層)
ルーバー層(ルーバー積層体)を被覆する保護層は、光透過性を有する透明プラスチックフィルムからなる。透明プラスチックフィルムは、種々のポリマー、たとえば、熱可塑性ポリマー、熱硬化性ポリマー、紫外線硬化性ポリマー等から形成できる。プラスチックフィルムを構成するポリマーの具体例として、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート等を挙げることができる。ルーバー層の表面に、透明プラスチックからなる保護層を積層することにより、信頼性試験における安定性にすぐれた(たとえば、熱変形やルーバー層の亀裂損傷が発生しない様な耐久性を有する)ルーバーフィルムを提供可能である。
【0053】
保護層は、前述の様に、接着層を介してルーバー積層体に接着される。また、硬化後に非粘着性を示す硬化可能な樹脂を含む塗膜から形成しても良い。この場合、接着層に換えて、この様な硬化可能樹脂を含む塗膜をルーバー積層体の表面及び裏面に密着させた後、この塗膜を硬化して保護層を形成することができる。保護層を塗膜から形成すると、前述の様な透明プラスチックフィルムを別途備え付ける必要が無いので、ルーバーフィルム全体の薄型化が容易になる。また、保護層と接着層との間の界面が存在しなくなるので、界面反射によるルーバーフィルムの光透過率の低下を防止するのにも有利である。
【0054】
【実施例】
以下、本発明のより具体的な実施例について説明する。
(実施例)
本例では、硬化型接着剤を用いて、図1及び図2に示される様な構造のルーバーフィルムを作製した。2つのルーバー層はそれぞれ同じもので、厚さ約200μmの3M社製「(商品名)マイクロルーバーフィルム」(品番0UB60、視野角度=60度)であった。2つルーバー層の間に紫外線硬化型接着剤(東亞合成(株)社製、商品名:UVX−1962)からなる接着層(未硬化)を配置して、両ルーバー層をルーバー交差角が90度になる様に互いに重ね合わせ、紫外線を照射して接着層を硬化して両ルーバー層を接着し、ルーバー積層体を形成した。このルーバー積層体の表裏両面に、保護層として、PETフィルム(東洋紡(株)社製、品番:A4100、厚さ100μm)を配置し、前出の紫外線硬化型接着剤(商品名:UVX−1962)を用いて2つの保護層とルーバー積層体とを接着し、本例のルーバーフィルムを完成させた。
【0055】
上記の様にして作製したルーバーフィルムを、厚さが1.5mmのアクリル板の表面に接着して板付きルーバーフィルムを作製し、それを裁断して自動車用の速度計の指針を作製した。本例の指針において、一方のルーバー層のルーバー延在方向が、指針の長さ方向とほぼ平行になる様にした。
本例の自動車用速度計の指針は、速度計が作動して指針の長さ方向が鉛直方向に平行になった場合も、水平方向に平行になった場合でも、指針の向きにかかわらずに光の窓映り現象を防止することが可能であった。
【0056】
一方、本例のルーバーフィルムの裏面に被着体接着用の再剥離性の接着層を固定的に配置し、光学フィルタを作製した。この光学フィルタを、再剥離性の接着層を介して液晶ディスプレー画面を被覆する様に取り付けた。この時、ルーバーフィルムに含まれる一方のルーバーの延在方向が、ディスプレー画面と観察者とを結ぶ方向に対して平行になる様にして取り付け、本例の光学フィルタにおける可視範囲の制御効果を確認した。
本例の光学フィルタは、観察者以外の他人が、その脇(横方向)からも、観察者の後方からも覗き見しにくい様にでき、十分なプライバシー保護効果を発揮できることが確認できた。
【0057】
(比較例)
本例では、ルーバー層を1層のみ備えたルーバーフィルム(3M社製、商品名:ライトコントロールフィルム、品番:188P 0UB60、厚さ約400μm、)を用いた。このルーバーフィルムを用いて、実施例と同様にして自動車用の速度計の指針を作製した。本例の指針においては、ルーバー層のルーバー延在方向が、指針の長さ方向に直交する様にした。この指針では、指針が12時方向を向いた時(指針の長さ方向が鉛直方向に平行な時)は、光の窓映り現象を防止することが可能であったが、指針が9時方向を向いた時は、フロントガラスに指針の光(像)の写り込みが生じた。すなわち、指針の向きにかかわらずに光の窓映り現象を防止することはできなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いるルーバーフィルムの一例の模式的断面図である。
【図2】図1のルーバーフィルムの拡大平面図である。
【符号の説明】
100:ルーバーフィルム、1:第1ルーバー層、2:第2ルーバー層、3:接着層、4,5:保護層、6,7:接着層、101:ルーバー積層体。
19,29:平行ルーバー、102:セル状領域。
【発明の属する技術分野】
本発明は、2つのルーバー層(第1ルーバー層及び第2ルーバー層)を重ねて密着して形成した積層ルーバー層を含むルーバーフィルムを用いたアナログ表示装置に関する。
本発明で用いるルーバーフィルムでは、光の出射を制御する角度範囲が従来のルーバーフィルムに比べて広がり、ほぼ全角度方向において光の出射を制御することができる。
【0002】
【従来の技術】
パーソナルコンピュータ(パソコン;PC)、携帯端末、無人顧客応対装置(銀行のATMや、駅の券売機等)等では、使用者に情報を提供するために画像を表示する必要がある。この様な画像は、通常、ディスプレー装置(画像表示装置)を用いて表示される。この様なディスプレー装置は、通常、ディスプレーと、そのディスプレーの光出射面(ディスプレー画面)を被覆する様に配置された光透過性パネルとを備えた複合ユニット、すなわちディスプレーユニットを必須構成要素として含む。光透過性パネルは、ディスプレーの光出射面と面する裏面と、その裏面と対向する表面であって、操作者(使用者)が接触可能な表面とを有する。操作者は、光透過性パネルを通して表示画像を見ることができる。
【0003】
光透過性パネルとしては、ディスプレー画面を保護するために用いられる透明保護パネルや、接触スイッチ機能を有するタッチパネルが使用されている。光透過性パネルがタッチパネルである場合、使用者が指等で直接的に、または接触用ペン等の器具を介して間接的に接触することによりスイッチが働く機能(すなわち、ON−OFF機能)を、ディスプレーユニット自体に持たせることができる。
【0004】
ディスプレーは、たとえば、液晶ディスプレー(液晶表示装置とも呼ばれる。)である。液晶ディスプレーは、通常、液晶ディスプレーパネル(以降、「液晶パネル」と呼ぶこともある。)と、液晶パネルの背面(表示面の反対側の面)から照明するための光源(すなわち、バックライト)とを備えている。
液晶パネルは、第1及び第2の、2つの偏光板と、それらの間に挟まれた液晶層を備えている。2つの偏光板は、第1偏光板の偏光軸(第1偏光軸)と、第2偏光板の偏光軸(第2偏光軸)とが互いに所定の角度を成す、例えば直交する様に配置される。バックライトは、たとえば、導光板と、その導光板の側面から導光板内に光を供給する光源とを備えている、いわゆるエッジライト型バックライトである。
【0005】
これらのバックライト照明は、照明光が比較的広角度に広がる様に液晶パネル背面を照明し、液晶パネルを透過した光は表示面の正面方向から離れた方向(側面方向)にも出射する。したがって、たとえば、液晶ディスプレーがカーナビゲーション等の車載装置である場合、液晶表示がフロントウインドウやサイドウインドウ(ドアウインドウ)に映り込み、運転者の視界を邪魔することもあった。
そこで、ルーバーフィルムやそれを含む光学フィルタを、ディスプレー画面を被覆する様に配置することや、または、液晶パネルとバックライト光源と間に配置して装置内に組み込むことが行われている。この様なルーバーフィルムを含む光学フィルタの装置への組み込みは、側面方向への液晶パネル透過光の不必要な出射を防止し、液晶表示のフロントウインドウへの映り込みを効果的に防止できる。
【0006】
従来公知のルーバーフィルムは、その表面に平行な面内方向に沿って所定の間隔をおいて互いに平行に延在する、複数の微小なルーバー(または、ルーバー状エレメント、ルーバー要素とも呼ばれる。)を内部に有する1つのルーバー層を含んでなる光学フィルムである。通常、そのルーバー層の少なくとも表面に密着した光透過性かつ非粘着性を有する硬質の保護層をも備えている。ルーバー層の内部に組み込まれた複数のルーバーが、ルーバー層を透過する光の進行方向を所定の出射角度範囲に制御する効果(方向制御効果)を発揮する。すなわち、ルーバーの延在方向を横切る方向に出射される光は、ルーバーに吸収または反射され、その方向への光の出射量を低く制御できる。したがって、側面方向への液晶パネル透過光の不必要な出射を効果的に防止することができる。この様なルーバーフィルムは、光線調節フィルム(Light Control Film)とも呼ばれている。なお、従来公知のルーバーフィルムでは、ルーバーの延在方向にほぼ平行な方向に出射される光に対しては、この様な制御効果を発揮しない。
【0007】
ルーバーフィルムの構成、製造方法及び使用方法については、いくつかの先行文献に開示されている。たとえば、米国特許再発行第27,617号公報には、比較的低い(透明な)および比較的高い(着色した)光学密度を有するプラスチックの交互層のビレットをそぐ(skive)ことによって、ルーバーフィルムを製造する方法を開示している。ビレットをそいだときに、着色した層は光を平行にするルーバー状エレメントを与え、同特許明細書の説明によれば、このエレメントを、ルーバーフィルムの表面に対して直角に延ばすことができる。米国特許第3,707,416号公報には、光を平行にするルーバー状エレメントを、ルーバーフィルムの表面に対して傾斜させる方法を開示されている。米国特許第3,919,559号公報には、光を平行にするルーバー状エレメントの傾斜角度を漸進的に変化させる方法を教示している。
【0008】
特開昭61−227029号公報及び特開平8−224811号公報には、ルーバーフィルムの取扱い中の損傷を防止するために、感圧型接着剤層をルーバーフィルムの少なくとも一方の主面(表面または裏面)に配置し、その接着剤層の接着面に、保護層として透明プラスチックフィルムを密着させることが開示されている。
【0009】
ここで使用される感圧型接着剤層は、粘着性ポリマーを含有する感圧型接着剤から形成される。粘着性ポリマーは、常温(約25℃)で粘着性を示すポリマーである。粘着性ポリマーは、重合された後に接着(好ましくは透明な)状態になるモノマー含有組成物を、重合させて得ることができる。この公報に具体的に例示されているものは、90部(質量部)のアクリル酸イソオクチルと、10部のアクリル酸と、0.2部の光重合開始剤と、0.1部の光活***叉結合剤(架橋剤)とを含有するモノマー組成物を紫外線重合し、硬化しないレベルに架橋された軟質かつ粘着性のポリマーである。
なお、市販のルーバーフィルムの具体例として、3M社製「商標:ライトコントロールフィルム」等を挙げることができる。
【0010】
ルーバーフィルムは、次の様な用途においても有効に利用できる。特開2001−281592号公報には、光源からの光で表示部が透過照明される光透過性の文字盤と、光源からの光を透過する指針とを備えたアナログ表示装置であって、指針がルーバーフィルムを含んでなる、アナログ表示装置が開示されている。この様なアナログ表示装置は、たとえば、速度計等の計器類である。また、この装置では、文字盤は液晶ディスプレー画面である。指針に組み込まれたルーバーフィルムは、それを透過した光(液晶表示)が窓映りする現象を解消するために利用されている。
【0011】
ところが、装置の稼動中は指針の向きは常に変化し、したがって、それに組み込まれたルーバーフィルムのルーバーの延在方向も一定では無い。すなわち、ルーバーの延在方向は、ある時は鉛直方向に平行であったり、別のある時は水平方向に平行であったりする。前述の様に、従来公知のルーバーフィルムでは、ルーバーの延在方向にほぼ平行な方向に出射される光に対しては、出射方向を制御する効果を発揮しない。したがって、このままでは、指針の向きにかかわらずに光の窓映り現象を常に防止することはできなかった。
【0012】
そこで、上記特開2001−281592号公報では、ルーバーフィルムのルーバーの延在方向を指針の長さ方向に直交する様にし、かつ指針の幅方向の端に位置する両側面に指針表面より突き出される、遮光用庇を指針と一体形成して設けることを提案している。これにより、ルーバーの延在方向にほぼ平行な方向に出射される光に対しては、遮光用庇が方向制御効果を発揮し、ほぼ全方向(全出射角度方向)にわたって光の射出方向を制御できる。したがって、指針の向きにかかわらずに光の窓映りを防止できる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
ルーバーフィルムと遮光用庇の組み合わせは、アナログ表示装置の指針に限らず、あらゆるディスプレー装置に組み込んで使用される光学フィルタとして比較的有効である。たとえば、カーナビゲーション等の車載装置の画面から発せられる光が、フロントウインドウ方向(縦方向)にも、サイドウインドウ方向(横方向)にも出射しない様にすることもできる。
【0014】
ところで、庇は、その形や大きさ(指針表面より突き出る高さ等)を指針や装置画面の形や面積に応じて最適に設計した上、ルーバーフィルムに別途設ける必要がある。したがって、ルーバーフィルムまたはそれを含む光学フィルタの原反を裁断したり、打ち抜いて、所定の形と面積とを有するものに加工するだけでは、所望の効果を発揮する光学部材を製造することができなかった。庇を別途設けることはそれほど簡単ではないので、ユーザーからは、より簡単に製造できる光学フィルタ等が望まれていた。
したがって、本発明の目的は、ほぼ全方向(全出射角度方向)にわたって光の射出方向を制御できる光学部材や光学フィルタを簡単に製造することが可能な、ルーバーフィルムを用いたアナログ表示装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、光源からの光で表示部が透過照明される光透過性の文字盤と、前記光源からの光を透過する指針とを備え、前記指針がルーバーフィルムを含んでなるアナログ表示装置において、
前記ルーバーフィルムは、第1ルーバー層と第2ルーバー層とを備え、第1ルーバー層と第2ルーバー層のそれぞれは、表面及びその表面と略平行な裏面を有し、その表面に平行な面内方向に沿って所定の間隔をおいて互いに平行に延在する複数のルーバーを含んでなり、第1ルーバー層の表面と第2ルーバー層の裏面とが密着する様に、硬化されたまたは架橋された樹脂を含有する接着剤で接着されたルーバーフィルムであって、
前記第1ルーバー層のルーバーの延在方向と、前記第2ルーバー層のルーバーの延在方向とが所定の角度を成して交差している、ルーバーフィルムであることを特徴とする、アナログ表示装置
を提供し、上記課題を解決する。
【0016】
【発明の実施の形態】
(作用)
本発明で用いるルーバーフィルムは、第1ルーバー層と第2ルーバー層とを備え、第1ルーバー層と第2ルーバー層のそれぞれが、表面及びその表面と略平行な裏面を有し、その表面に平行な面内方向に沿って所定の間隔をおいて互いに平行に延在する複数のルーバーを含んでなり、第1ルーバー層の表面と第2ルーバー層の裏面とが密着する様に接着されている。このルーバーフィルムの特徴は、前記第1ルーバー層のルーバーの延在方向と、前記第2ルーバー層のルーバーの延在方向とが所定の角度を成して交差していることである。
【0017】
このようなルーバーフィルムは、例えば特開2001−281592号公報に記載されている様な遮光用庇を別途設ける必要は無い。したがって、ルーバーフィルムやそれを含む光学フィルタの原反を所定の形と面積とを有するものに加工するだけで、ほぼ全方向(全出射角度方向)にわたって光の射出方向を制御できる光学部材や光学フィルタを、簡単に製造できる。
【0018】
2つのルーバー層の間に空気層が存在すると、一方のルーバー層を透過して他方のルーバー層に入射しようとする光が空気界面で反射される傾向がある。したがって、ルーバーフィルム全体の光透過率を可及的に上げるために、2つのルーバー層は互いに密着している必要がある。ルーバー層を密着させるには、接着剤を用いるのが良い。
【0019】
2つのルーバー層のルーバー延在方向が成す鋭角な方の角度、すなわち、鋭角な方のルーバー交差角度は、好適には45度以上(45度〜90度の範囲)である。この交差角度が45度未満では、ルーバーどうしの交点における鋭角頂点が向き合う方向(鋭角を二等分する線分と平行な方向)において、光の射出方向が効果的に制御できないおそれがある。特に、前述の様なアナログ表示装置において、指針の向きにかかわらずに光の窓映りを効果的に防止するには、ルーバー交差角度がほぼ90度(例えば75度〜90度の範囲)であるのが好適である。
【0020】
本発明で用いるルーバーフィルムでは、互いに交差した2組の平行なルーバー(平行ルーバー)を作るのに、2つのルーバー層を積層している。この様な積層体を用いることで、次の様な利点も生まれる。1つのルーバー層の光出射方向を制御する性能は、たとえば、ルーバー層の厚さによって変えることができる。通常、ルーバー層の厚さが厚いほど、光の出射角度を小さくできる。前述の様な車載装置の画面から発せられる光を、縦方向(フロントウインドウ方向)にはほとんど出射されない様にしながら、それと直交する横方向への出射制御を緩やかにしたい場合、2つのルーバー層それぞれの厚さを異なる様にするだけで、所望の出射制御性能を有するルーバーフィルムを作ることができる。すなわち、横方向に並んだ平行ルーバーを含むルーバー層の厚さを比較的厚くし、縦方向に並んだ平行ルーバーを含むルーバー層の厚さを比較的薄くすれば良い。車載装置の場合、その設置位置によっては、運転者及び助手席に座る搭乗者の両方から装置画面を見える様にするには、横方向への出射制御を緩やかにしなければならない場合がある。この様な場合に、厚さの異なる2つのルーバー層の積層体を用いることが有効である。
【0021】
また、前記第1ルーバー層のルーバーの延在方向と前記第2ルーバー層のルーバーの延在方向との交差角度がほぼ90度であるルーバーフィルムは、光学フィルタを構成する部材として有用である。この様なルーバーフィルムを含んでなる光学フィルタは、ATM等の無人顧客応対装置の操作画面において、2つのルーバー層のうちの一方のルーバーの延在方向を、装置の操作画面と操作者とを結ぶ方向に対してほぼ平行に配置して使用される。この様にすれば、光学フィルタは、無人顧客応対装置の画面を操作者以外の他人が、操作者の脇(横方向)から、及び操作者の後方から覗き見しにくい様にできる、いわゆるプライバシー保護効果を発揮できる。現在の銀行のATMでは、他人が操作者の脇から画面を見えない様にするための衝立を設けているが、上記のようなルーバーフィルムを含んでなる光学フィルタを用いれば、この様な衝立を用いなくてもプライバシー保護効果が発揮できる。また、操作者の後方に立った他人が、または、操作者の後方天井近くに備え付けられたセキュリティ用の監視カメラを通じて他人が、操作画面を覗き見ることを効果的に防止できる。
【0022】
なお、無人顧客応対装置は、通常、ディスプレーと、そのディスプレーの光出射面(ディスプレー画面)を被覆する様に配置されたタッチパネルとを備えている。光学フィルタは、ディスプレー画面を被覆する様に配置されるが、これは、▲1▼タッチパネルの操作面上に配置されるか、または、▲2▼タッチパネルとディスプレーとの間に配置されることを意味する。好ましくは、上記▲2▼である。タッチパネルの操作性を損なわずに、プライバシー保護効果が良好に発揮されるからである。
【0023】
(ルーバーフィルム)
本発明で用いるルーバーフィルムの好適な実施例について、図面に沿って説明する。
図1は、本例のルーバーフィルム(100)の模式的側面図である。本例のルーバーフィルム(100)は、通常、図1に示される様に、第1ルーバー層(1)と、第1ルーバー層(1)の表面側に固定的に配置された第2ルーバー層(2)とを含んでなる、ルーバー積層体(101)を備えている。第1ルーバー層(1)は、微小なルーバーが内部に組み込まれたもので、従来のルーバーフィルムに用いられているものと同じものが使用できる。第2ルーバー層(1)も同様に、微小なルーバーが内部に組み込まれたもので、従来のルーバーフィルムに用いられているものと同じものが使用できる。
【0024】
図示の例のルーバーフィルムでは、第1ルーバー層(1)のルーバーの延在方向と、第2ルーバー層(2)のルーバーの延在方向とがほぼ90度の角度を成して交差している。図2は、ルーバー積層体(101)の拡大平面図である。第1ルーバー層(1)の平行ルーバー(19)と、第2ルーバー層(2)の平行ルーバー(29)とが互いに直交し、碁盤目を形成している。三次元的な構造は、第1ルーバー層(1)の平行ルーバー(19)の上に、第2ルーバー層(2)の平行ルーバー(29)が重なっているものである。
【0025】
ルーバー積層体(101)は、第1ルーバー層側を表面側として使用しても良いし、第2ルーバー層側を表面側として使用しても良い。ここでは、第1ルーバー層側を表面側として使用した場合について説明する。
ルーバー積層体(101)の裏面(第2ルーバー層の裏面)から積層体(101)に入射した光のうち、積層体(101)の裏面の法線に対して比較的大きく傾いたものは、平行ルーバー(19)または平行ルーバー(29)に当たる。この時、平行ルーバーが光を吸収する材質から形成されている場合、この様な光はこの積層体(101)を透過できない。一方、積層体(101)の裏面の法線にほぼ平行にルーバー積層体に入射した光は、いずれの平行ルーバーにも当たらずに、この積層体の表面に到達し、この積層体を透過可能である。すなわち、積層体(101)の表面に平行な面内において、ほぼ全方向(全出射角度方向)にわたって光の射出方向を制御できる。
【0026】
光の射出方向を効果的に制御するには、平行ルーバーが光を吸収するものが好ましいが、平行ルーバーが光を反射する場合も、上記とほぼ同様に効果が得られる。この場合、積層体(101)の裏面の法線に対して比較的大きく傾いて入射した光は、平行ルーバー(19)または平行ルーバー(29)で反射される。反射光の進行方向は、平行ルーバー(19)の部分と平行ルーバー(29)の部分とが形作るセル状領域(102)(図2に示す碁盤目の1つの四角形)の中心を通る法線に近づく方向である。したがって、セル状領域(102)を透過する光はほとんど広がらずに積層体の表面から出射される。
【0027】
平行ルーバーが光を反射する場合、平行ルーバーが光を吸収する場合に比べて光の射出方向を制御する効果は劣るが、その代わりに、透過光量を低下させないというメリットを有する。したがって、1つの平行ルーバーにおいて、一方の面(第1のセル状領域に面する面)が光を吸収する様にし、他方の面(第1のセル状領域とその平行ルーバーを挟んで隣接する第2のセル状領域に面する面)が光を反射する様にしても良い。これにより、透過光量の低下を可及的に抑えながら、光の射出方向を制御する効果を高めることができる。なお、平行ルーバーの材質の詳細については後述する。
【0028】
図示の例では、2つのルーバー層(1、2)が、接着層(3)を介して密着している。ここで用いられる接着層の接着剤は、好ましくは、硬化されたまたは架橋された樹脂を含有する。ルーバーフィルムを使用中、2つの平行ルーバーの交差角度が変化すると光の出射方向を制御する性能が低下するおそれがある。たとえば、前述の様に、2つの平行ルーバーの交差角度が小さくなると、全方向において光の射出方向が効果的に制御できないおそれがある。接着層の流動性が比較的高い場合、比較的高温の環境でルーバーフィルムを使用している間に、2つのルーバー層が互いに回転する様にずれてルーバー交差角度が変化するおそれがある。この様な交差角度の変化は、硬化されたまたは架橋された樹脂を含有する接着剤を用いることで効果的に防止できる。この様な接着剤は、たとえば硬化型の接着剤である。硬化型接着剤は、加熱または光照射により硬化される樹脂を含有する接着剤である。
また、本発明の効果を損なわない限り、架橋された樹脂を含有する感圧接着剤を使用してもよい。
【0029】
本発明で用いるルーバーフィルムは、上記の様なルーバー積層体だけからなるものでも良いが、好ましくは、図示の例の様に、積層体(101)の表裏両面を保護する2つの保護層(4、5)を備えている。この様な保護層を備えている場合、このルーバーフィルムは、ディスプレー画面を被覆する光学フィルタとして使用するのに有利である。保護層(4)は、接着層(6)を介して積層体(101)に密着している。保護層(5)も同様に、接着層(7)を介して積層体(101)に密着している。保護層の密着に用いられる接着層の接着剤は、通常の接着剤、たとえば、感圧接着剤、感熱接着剤、硬化型接着剤等であって良い。なお、保護層の詳細については、以下で説明する。
【0030】
保護層(4、5)のそれぞれの厚さは、特に限定されないが、通常10〜300μmである。接着層(3、6、7)のそれぞれの厚さは、特に限定されないが通常1〜100μmである。
それぞれの保護層は光透過性であって、その全光線透過率は通常70%以上、好適には80%以上である。それぞれの接着層も光透過性であって、その全光線透過率は通常70%以上、好適には80%以上である。なお、本明細書における「光透過率」は、分光光度計または、光度計の機能も備えるカラーメーターを使用し、550nmの光を用いて測定された全光線透過率を意味する。
【0031】
本例のルーバーフィルムは、たとえば次の様な方法で製造するのが好ましい。すなわち、
(i)一方のルーバー層の表面(または裏面)に、硬化性樹脂を含有する未硬化接着層を配置し、その未硬化接着層に他方のルーバー層を密着させ、接着層を硬化させて、ルーバー積層体を用意する。
(ii)上記(i)で用意したルーバー積層体の表面または裏面の一方に、硬化性樹脂を含有する未硬化接着層を配置し、その未硬化接着層に保護層を密着させ、接着層を硬化させて、ルーバー積層体に一方の保護層を接着する。これに引き続きまたはこれと同時に、他方の保護層を同様にして硬化型接着層を用いてルーバー積層体の表面または裏面の他方に接着し、ルーバーフィルムを完成させる。なお、この(ii)の段階で、保護層側に未硬化接着層を配置した後、その未硬化接着層にルーバー積層体を密着させても良い。
【0032】
図示の様なルーバーフィルムを用い、その一方の保護層の表面に被着体接着用の接着層を固定的に配置し、被着体に接着して使用可能な光学フィルタを形成することもできる。この場合の接着層は、感圧性接着剤、感熱性接着剤、硬化型接着剤等、通常の接着剤から形成できる。また、再剥離性の接着剤から接着層を形成しても良い。被着体接着用の接着層は、通常、粘着性ポリマー、またはゴム系ポリマーを含有する。粘着性ポリマー(self−adherent polymer)は、常温(約25℃)で粘着性を示すポリマーである。粘着性ポリマーは、たとえば、アクリル系ポリマー、オレフィン系ポリマー、ポリウレタン等である。ゴム系ポリマーは、たとえば、シリコーン系ポリマー、フッ素系ポリマー、ニトリル−ブタジエン系共重合体(NBR等)、スチレン−ブタジエン系共重合体(SBR等)等である。なお、被着体接着用の接着層の厚さは、通常5〜50μmである。
【0033】
(ルーバー層)
本発明で用いられるルーバー層は、層内部に微小なルーバー(ルーバー状エレメント)を組み込んだフィルムである。ルーバー層は、通常、光透過部と、光を遮断する微小なルーバー状エレメントとを含む。ルーバー層の視野角(出射制御角度)の範囲は、通常45〜90度である。
【0034】
光透過部は、ルーバーフィルム全体の光線透過率が低下しない様に、ルーバー状エレメントの幅(ルーバー層表面に平行で、かつルーバー状エレメントの長さ方向と直交する方向における寸法)よりも大きな幅を有することが好ましい。光透過部の幅は、好適には50〜500μm、特に好適には70〜200μmである。
ルーバー状エレメントの幅は、ルーバーフィルム全体の光線透過率が低下しない様に、光透過部よりも小さくすることが好ましい。ルーバー状エレメントの幅は、好適には1〜100μm、より好適には10〜50μmである。また、ルーバー状エレメントの角度は、要求される出射制御角度によって適宜決定されるが、通常45〜90度の範囲である。なお、ルーバー状エレメントの角度は、ルーバー層表面に対する角度で、ルーバー層表面と直交する場合を90度とする。
【0035】
2つのルーバー層において、ルーバー状エレメントの角度は同じであっても良く、また、互いに異なる様に組み合わせても良い。たとえば、一方のルーバー層が表面とほぼ直交する角度(86〜90度)のルーバー状エレメントを備え、他方のルーバー層のルーバー状エレメントの角度をやや傾けて、70〜85度とするのが好ましい。この様な2つのルーバー層を組み合わせたルーバー積層体は、次の様な理由から、ATM用のルーバーフィルム(またはATM用光学フィルタの構成部材としてのルーバーフィルム)として有用である。ATMの場合、ATMに近接した操作者の目は、ATM操作画面の法線方向よりもやや傾いた方向に位置する。たとえば、ATM操作画面が、地面に対してほぼ水平であるものがあるが、その場合、ATM操作画面の法線から手前に(操作者に向かって)傾いた方向に操作者の目がある。この様な場合、ATM操作画面から操作者に向かう方向に平行なルーバー層のルーバー状エレメントを手前に傾けておくと、操作者の居る方向を画面が明るく見える方向にすることができる。この場合の相対的に大きく傾斜したルーバー状エレメントの角度は70〜85度であるが、70度よりも小さくなると、操作者の後方に立った人が画面を視認しやすくなり、プライバシー保護効果が発揮できないおそれがある。なお、85度以下にするのは、ATM操作画面の法線方向よりもやや傾いた方向に位置する操作者の目に対して、画面を見やすくするのに有利だからである。
【0036】
ルーバー層の厚さは、使用目的に応じて適宜決定できる。しかしながら、厚さが薄くなるにしたがって、光の進行方向制御効果が低下する傾向がある。また、厚さが厚くなると、ルーバーフィルム全体の薄型化が困難になる。したがって、その厚さは、好適には10〜1,000μm、特に好適には40〜500μmである。なお、ルーバー層の厚さが厚いほど、同じルーバー状エレメントの角度であっても、出射制御角度が小さくなる。
【0037】
ルーバー層の光透過部は、透明性の高いポリマーから形成されるのが好ましい。ポリマーとしては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂等が使用でき、たとえば、セルロースアセテートブチレート、トリアセチルセルロース等のセルロース系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリスチレン、ポリウレタン、塩化ビニル、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等があげられる。
【0038】
一方、ルーバー状エレメントは光を吸収、あるいは反射できる遮光物質から形成する。この様な遮光物質としては、たとえば、(1)黒色、灰色等の暗色顔料や暗色染料、(2)アルミニウム、銀等の金属、(3)二酸化チタン等の白色の無機酸化物、(4)暗色の金属酸化物である。また、ルーバー状エレメントは、これら(1)〜(4)の物質を、前掲の透明性の高いポリマーに含有させたものからも形成できる。
【0039】
上記の様なルーバー層は、たとえば、前掲の従来技術のところで紹介した特許に開示されている様に、次の様にして製造できる。まず、光透過部として用いるポリマーフィルムの一方の主面に、遮光物質を含む層を固定してルーバー状エレメントを形成し、ポリマーフィルム/遮光物質層からなる積層フィルムの組を作る。この様な組を複数用意し、それらの複数の組を積層し、ポリマーフィルム/遮光物質層とが交互に配列され、互いに固定されたルーバーフィルム前駆体を形成する。この様な前駆体を用い、前駆体の主面(積層面)と直交する方向(積層方向)に沿って所定の厚さになるようスライスし、ルーバー層を得ることができる。ルーバー層は、表面及び裏面の一方または両方を被覆するポリマー層(ルーバーを内部に含まない層)を備えていても良い。
【0040】
ルーバー層は、通常は非粘着性のポリマーを用いて形成するが、粘着性ポリマーを含むルーバー層を用いてルーバー積層体を形成することもできる。粘着性ポリマーは、たとえば、シリコーン系ポリマー、オレフィン系ポリマー、ウレタン系ポリマー、アクリル系ポリマー等である。この場合、ルーバー層どうしを、接着層(図1の場合、接着層3)を用いずに接着してルーバー積層体を形成することができる。粘着性ポリマーは、架橋されているものが好ましい。粘着性ポリマーが架橋されている場合、比較的高温の環境で使用中に、ルーバー交差角度が変化することを効果的に防止できる。
また、本発明で用いるルーバーフィルムを製造するのに、市販のルーバーフィルム用のルーバー層を使用することができる。
【0041】
(接着層)
2つのルーバー層を接着する接着剤は、好適には、熱または放射線(光)照射により硬化可能な樹脂を含んでなる接着剤である。硬化性樹脂は、重合または/及び架橋して2つのルーバー層を強固に結合する接着層(硬化後)を形成可能な樹脂である。硬化性の樹脂は、通常、硬化性のモノマーまたは/及びオリゴマーを硬化性成分として含有する。
【0042】
アクリルモノマーまたはアクリルオリゴマーは、光硬化性成分として有用である。この様なアクリル化合物は、通常、1または2以上の(メタ)アクリロイル基を分子内に有し、数平均分子量が70〜5,000、好ましくは80〜3,000の化合物である。(メタ)アクロイル基は、通常、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルに由来する。光硬化性成分は、この様なアクリル化合物を、通常1種以上、好ましくは2種以上を混合して用いる。
【0043】
アクリル化合物は、芳香環、複素環および脂環式炭化水素基から選ばれる環状基を分子内に更に有することが好ましい。硬化樹脂(硬化した硬化性樹脂)の透明性及びヤング率が向上するからである。
環状基を分子内に有するアクリルモノマーの具体例には、アクリロイルモルホリン、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート等が挙げられる。環状基を分子内に有するアクリルモノマーは、一般に1〜95質量%、好ましくは2〜90質量%の量で硬化性成分中に含有される。これらの量が1質量%を下回ると硬化樹脂の透明性またはヤング率の向上効果が低下し、90質量%を上回ると、物品に対する密着性が低下するおそれがある。
【0044】
上記の他に、分子量90〜200のアクリル基を有するN,N−ジ置換アミド(N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート等)、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フェノキシエチル、トリブロモ(メタ)アクリル酸ベンジル、トリブロモ(メタ)アクリル酸フェノキシエチル、ジ(メタ)アクリル酸ビスフェノールA、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のエチレングリコール系の(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等のグリセリン(メタ)アクリレートエステル類、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート等のジオール類の(メタ)アクリル酸エステル、ネオペンチルジ(メタ)アクリレートなどが、目的に応じて使用できる。
たとえば、N,N−ジチメルアクリルアミドは、硬化樹脂の透明性を向上する効果にすぐれる点で好ましい。N,N−ジメチルアクリルアミドは、一般的に20〜100質量%、好ましくは30〜90質量%の量で硬化性成分中に含有される。これらの量が20質量%を下回ると透明性の向上効果が低下する傾向がある。
【0045】
アクリルオリゴマーは、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルに由来する(メタ)アクリル基を分子内に有するオリゴマーである。たとえば、分子内に(メタ)アクリル基を1または2以上有するポリオキシエチレンオリゴマー、分子内に(メタ)アクリル基を1または2以上有するポリウレタンオリゴマー等が使用できる。アクリルモノマーまたはオリゴマーは室温付近で液状であることが望ましいが、固体状のものであっても、併用される他のアクリルモノマーに溶解して液状となるものであれば使用できる。
【0046】
アクリル化合物を使用する場合、通常、光開始剤(光重合開始剤)を併用し、塗膜内で均一な塊状反応(塊状重合)が生じる様にするのが好ましい。光開始剤の中で、ラジカル重合開始剤の例としては、カンファキノン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾイン−n−プロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンジル、ベンゾフェノン、p−メチルベンゾフェノン、ジアセチル、ミヒラーズケトン、アセトフェノン、アンスラキノン、クロロアンスラキノン、2−メチルアンスラキノン、α−ヒドロキシイソブチルフェノン、ブチロイン、アニソインエチルエーテル、アゾビスイソブチロニトリル、テトラメチルチウラムジスルフィド等を挙げることができる。
また、カチオン重合開始剤の例としては、トリフェニルスルホニウム六フッ化アンチモン酸塩等の硫黄系開始剤、ジフェニルヨードニウム六フッ化アンチモン酸塩等のヨウ素系開始剤に代表されるオニウム塩が挙げられる。
上記のような光開始剤は、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。光開始剤は、アクリル化合物100質量部に対して、0.1〜5質量部、好ましくは0.2〜4質量部の量で使用される。
【0047】
光開始剤による硬化反応を促進させる目的で、光重合促進剤を上記開始剤と併用することができる。その代表例としては、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、2−ジメチルアミノエタノール等の第3級アミン類、トリフェニルホスフィンで代表されるアルキルホスフィン類、β−チオグリコールで代表されるチオール類等を挙げることができる。
【0048】
接着層は、まず、上記硬化性成分を含有する塗料を用意し、この塗料を2つのルーバー層のいずれかまたは両方の表面に塗布して未硬化塗膜を形成し、未硬化塗膜を介して2つのルーバー層を密着させた状態で塗膜を硬化させて形成する。たとえば、接着層用の塗料は、アクリル化合物、光重合開始剤等を混合することにより調製できる。混合の方法は特に限定されず、たとえば、プロペラミキサー、ロールミキサー等の通常の混合装置を使用して行う。
【0049】
本発明の効果を損なわない限り、接着層を形成する接着剤中に、コロイド状の無機微粒子を添加しても良い。コロイド状の無機微粒子は、その粒子径が可視光の波長より小さいので、接着層の光透過率を低下させずに、接着層の接着強度(剥離強度)や耐熱性を高めることができる。好ましい無機粒子としてはシリカ、ジルコニア、アルミナ、チタニア、酸化アンチモン、酸化スズ、酸化鉄、マグネシア、カルシア等が挙げられる。無機微粒子は、通常、液媒体中にコロイド状に分散されたものを使用する。無機微粒子の平均粒子径は、可視光線の波長以下、つまり約300nm以下、好ましくは5〜100nmとする。
【0050】
光照射で接着層を硬化する場合の光を照射する照射源としては、たとえば、水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、キセノンランプ、カーボンアーク、メタルハライドランプ等を挙げることができる。光を照射するときの雰囲気は、空気または不活性気体であることが好ましい。光の照射強度は0.1〜100mW/cm2が好ましく、照射量は100〜20,000mJ/cm2が好ましい。
【0051】
接着層の屈折率は、通常1.4〜1.8である。屈折率は、ルーバー層の光透過部の屈折率とほぼ同じであるのが好ましい。これらの屈折率の差を可及的に小さくすることで、接着層とルーバー層(光透過部)との間の界面での光の反射を防止し、ルーバー積層体を透過して観察者に届く光量が低下するのを効果的に防止できる。
【0052】
(保護層)
ルーバー層(ルーバー積層体)を被覆する保護層は、光透過性を有する透明プラスチックフィルムからなる。透明プラスチックフィルムは、種々のポリマー、たとえば、熱可塑性ポリマー、熱硬化性ポリマー、紫外線硬化性ポリマー等から形成できる。プラスチックフィルムを構成するポリマーの具体例として、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート等を挙げることができる。ルーバー層の表面に、透明プラスチックからなる保護層を積層することにより、信頼性試験における安定性にすぐれた(たとえば、熱変形やルーバー層の亀裂損傷が発生しない様な耐久性を有する)ルーバーフィルムを提供可能である。
【0053】
保護層は、前述の様に、接着層を介してルーバー積層体に接着される。また、硬化後に非粘着性を示す硬化可能な樹脂を含む塗膜から形成しても良い。この場合、接着層に換えて、この様な硬化可能樹脂を含む塗膜をルーバー積層体の表面及び裏面に密着させた後、この塗膜を硬化して保護層を形成することができる。保護層を塗膜から形成すると、前述の様な透明プラスチックフィルムを別途備え付ける必要が無いので、ルーバーフィルム全体の薄型化が容易になる。また、保護層と接着層との間の界面が存在しなくなるので、界面反射によるルーバーフィルムの光透過率の低下を防止するのにも有利である。
【0054】
【実施例】
以下、本発明のより具体的な実施例について説明する。
(実施例)
本例では、硬化型接着剤を用いて、図1及び図2に示される様な構造のルーバーフィルムを作製した。2つのルーバー層はそれぞれ同じもので、厚さ約200μmの3M社製「(商品名)マイクロルーバーフィルム」(品番0UB60、視野角度=60度)であった。2つルーバー層の間に紫外線硬化型接着剤(東亞合成(株)社製、商品名:UVX−1962)からなる接着層(未硬化)を配置して、両ルーバー層をルーバー交差角が90度になる様に互いに重ね合わせ、紫外線を照射して接着層を硬化して両ルーバー層を接着し、ルーバー積層体を形成した。このルーバー積層体の表裏両面に、保護層として、PETフィルム(東洋紡(株)社製、品番:A4100、厚さ100μm)を配置し、前出の紫外線硬化型接着剤(商品名:UVX−1962)を用いて2つの保護層とルーバー積層体とを接着し、本例のルーバーフィルムを完成させた。
【0055】
上記の様にして作製したルーバーフィルムを、厚さが1.5mmのアクリル板の表面に接着して板付きルーバーフィルムを作製し、それを裁断して自動車用の速度計の指針を作製した。本例の指針において、一方のルーバー層のルーバー延在方向が、指針の長さ方向とほぼ平行になる様にした。
本例の自動車用速度計の指針は、速度計が作動して指針の長さ方向が鉛直方向に平行になった場合も、水平方向に平行になった場合でも、指針の向きにかかわらずに光の窓映り現象を防止することが可能であった。
【0056】
一方、本例のルーバーフィルムの裏面に被着体接着用の再剥離性の接着層を固定的に配置し、光学フィルタを作製した。この光学フィルタを、再剥離性の接着層を介して液晶ディスプレー画面を被覆する様に取り付けた。この時、ルーバーフィルムに含まれる一方のルーバーの延在方向が、ディスプレー画面と観察者とを結ぶ方向に対して平行になる様にして取り付け、本例の光学フィルタにおける可視範囲の制御効果を確認した。
本例の光学フィルタは、観察者以外の他人が、その脇(横方向)からも、観察者の後方からも覗き見しにくい様にでき、十分なプライバシー保護効果を発揮できることが確認できた。
【0057】
(比較例)
本例では、ルーバー層を1層のみ備えたルーバーフィルム(3M社製、商品名:ライトコントロールフィルム、品番:188P 0UB60、厚さ約400μm、)を用いた。このルーバーフィルムを用いて、実施例と同様にして自動車用の速度計の指針を作製した。本例の指針においては、ルーバー層のルーバー延在方向が、指針の長さ方向に直交する様にした。この指針では、指針が12時方向を向いた時(指針の長さ方向が鉛直方向に平行な時)は、光の窓映り現象を防止することが可能であったが、指針が9時方向を向いた時は、フロントガラスに指針の光(像)の写り込みが生じた。すなわち、指針の向きにかかわらずに光の窓映り現象を防止することはできなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いるルーバーフィルムの一例の模式的断面図である。
【図2】図1のルーバーフィルムの拡大平面図である。
【符号の説明】
100:ルーバーフィルム、1:第1ルーバー層、2:第2ルーバー層、3:接着層、4,5:保護層、6,7:接着層、101:ルーバー積層体。
19,29:平行ルーバー、102:セル状領域。
Claims (2)
- 光源からの光で表示部が透過照明される光透過性の文字盤と、前記光源からの光を透過する指針とを備え、前記指針がルーバーフィルムを含んでなるアナログ表示装置において、
前記ルーバーフィルムは、第1ルーバー層と第2ルーバー層とを備え、第1ルーバー層と第2ルーバー層のそれぞれは、表面及びその表面と略平行な裏面を有し、その表面に平行な面内方向に沿って所定の間隔をおいて互いに平行に延在する複数のルーバーを含んでなり、第1ルーバー層の表面と第2ルーバー層の裏面とが密着する様に、硬化されたまたは架橋された樹脂を含有する接着剤で接着されたルーバーフィルムであって、
前記第1ルーバー層のルーバーの延在方向と、前記第2ルーバー層のルーバーの延在方向とが所定の角度を成して交差している、ルーバーフィルムであることを特徴とする、アナログ表示装置。 - 前記指針において、前記第1ルーバー層のルーバーの延在方向と前記第2ルーバー層のルーバーの延在方向との交差角度がほぼ90度であり、前記第1ルーバー層のルーバーの延在方向が前記指針の長手方向とほぼ平行である、請求項1に記載のアナログ表示装置。
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