JP2004107427A - インクセット及びインクジェット記録方法 - Google Patents

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Masafumi Tsujimura
辻村 政史
Shinya Mishina
三品 伸也
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朝木 則泰
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Abstract

【課題】高品位かつ堅牢性に富む画像を形成することが可能なインクセット及びインクジェット記録方式を提供する。
【解決手段】少なくとも1種以上のインク組成物と該インク組成物中の少なくとも1種と反応し該インクを凝集せしめる反応液を有するインクジェット用インクセットにおいて、同一の色調を有するが色材濃度が異なるインク間の重量平均粒径の大小を規定した。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水性ボールペン、万年筆、水性サインペンなどの筆記具や、インクジェットプリンタ用に好適なインクセットおよびインクジェット記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
安価な装置で高解像度、高品位な画像を、高速で印刷可能であるという特徴を有するインクジェット記録は、インク組成物の小滴を飛翔させ、紙等の記録媒体に付着させて印刷を行う印刷方法である。しかしながら、インクジェット記録方法はインク組成物が液体であるために記録媒体上に着弾した際にインク液滴が記録媒体中に浸透するために輪郭部が不明瞭となったりまた、隣接する異なる色間の境界にじみ(所謂カラーブリード)が発生する現象があった。
【0003】
この問題を解決することを目的として、新たに開示されているように、多価金属塩溶液を記録媒体に適用した後、少なくとも一つのカルボキシル基を有する染料を含むインク組成物を適用する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。即ち、多価金属イオンを含有する反応液と染料が記録媒体で接触することにより不溶性物が形成される。この結果として輪郭部の不明瞭性改善およびカラーブリードを生じることのなく更に裏抜け性の優れた高品位の画像を得ることが可能となる。
【0004】
また、塩との作用により増粘または凝集するブラックインクとその塩を含有するカラーインクとを組合せて使用することにより、画像濃度が高くかつカラーブリードがない高品位のカラー画像が得られるという技術手段も開示されている。即ち塩を含有する第一の液と、インク組成物との二液を印字することで、良好な画像を得ることが可能となる(例えば、特許文献2参照。)。
【0005】
更に、二液を用いる各種の提案がなされている(例えば、特許文献3、特許文献4参照。)。
【0006】
【特許文献1】
特開平5−202328号公報
【特許文献2】
特開平6−106735号公報
【特許文献3】
特開平3−240557号公報
【特許文献4】
特開平3−240558号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
また、前述の手段と同一色調で異なる濃度を有するインクセット(所謂濃淡インク)を組み合わせることで更に高画質な記録物が得られることは、当該業者であれば容易に想像可能である。この時、色材として顔料を採用すれば顔料の特徴の一つである画像堅牢性の飛躍的な向上が十分期待できる。
【0008】
しかし、本発明者が詳細に検討した結果、高画質を追求し顔料の粒径を小さくしていくと顔料インクといえどもその画像堅牢性に問題があることが判明した。顔料濃度を低くした淡インクに至っては、紙面上での顔料存在密度が濃インクに比べ疎になることで、顔料の粒径が小さくなったことに起因する色材の劣化による色調変化がより顕著になってしまうと現段階では推定している。
【0009】
従って、本発明者らは上記インクセットにおいて、色材濃度に応じて、それぞれのインクの粒径を変える手段が優れた高品位の堅牢性に富む画像を形成する為に必要であるとの結論に至った。
【0010】
即ち、本発明の目的は、反応液と重量平均粒径が異なる特定の顔料インク組成物を組み合わせ優れた高品位の堅牢性に富む画像を形成することが可能となるインクセット・インクジェット記録方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成することのできる本発明の一実施形態にかかるインクセットは、少なくとも1種以上のインク組成物と該インク組成物中の少なくとも1種と反応し該インクを凝集せしめる反応液を有するインクジェット用インクセットにおいて、該インク組成物が少なくともアニオン性物質により分散されているもしくは表面にアニオン性基を有する第一の顔料インク及びアニオン性物質により分散されているもしくは表面にアニオン性基を有し且つ該第一のインクと同一の色調を有し、該第1のインクよりも色材の濃度が低く且つ顔料の重量平均粒径が大きい第二のインクを有するインクセットを特徴とするものである。
【0012】
また、上記の目的を達成することのできる本発明の他の実施形態にかかるインクセットは、前記第一の顔料インクの重量平均粒径が120nm以下であるインクセットを特徴とするものである。
【0013】
また、上記の目的を達成することのできる本発明の他の実施形態にかかるインクセットは、前記第二の顔料インクの重量平均粒径が120nm以上であるインクセットを特徴とするものである。
【0014】
また、上記の目的を達成することのできる本発明の他の実施形態にかかるインクセットは前記第一の顔料インクの重量平均粒径と前記第二の顔料インクの重量平均粒径の差が40nm以上であるインクセットを特徴とするものである。
【0015】
また、上記の目的を達成することのできる本発明の他の実施形態にかかるインクセットは、前記同一の色調を有する顔料インクが、シアン及びマゼンタであるインクセットを特徴とするものである。
【0016】
また、上記の目的を達成することのできる本発明の他の実施形態にかかるインクセットは、前記反応液が多価金属を含有するインクセットを特徴とするものである。
【0017】
また、上記の目的を達成することのできる本発明の他の実施形態にかかるインクセットは、前記多価金属がCa2+、Cu2+、Ni2+、Mg2+、Zn2+、Ba2+、Al3+、Fe3+、Cr3+、Y3+の何れか1種を含むインクセットを特徴とするものである。
【0018】
上記の目的を達成することのできる本発明の一実施形態にかかるインクジェット記録方法は、少なくとも1種以上のインク組成物と該インク組成物中の少なくとも1種と反応し該インクを凝集せしめる反応液を有するインクジェット用インクセットを用いるインクジェット記録方法において、該インク組成物が少なくともアニオン性物質により分散されているもしくは表面にアニオン性基を有する第一の顔料インク及びアニオン性物質により分散されているもしくは表面にアニオン性基を有し且つ該第一のインクと同一の色調を有し、該第1のインクよりも色材の濃度が低く且つ顔料の重量平均粒径が大きい第二のインクを有するインクジェット記録方法を特徴とするものである。
【0019】
更に、上記の目的を達成することのできる本発明の他の実施形態にかかるインクジェット記録方法は、前記反応液を前記インクに先だって記録媒体に記録する工程を少なくとも含むインクジェット記録方法を特徴とするものである。
【0020】
また、上記の目的を達成することのできる本発明の他の実施形態にかかるインクジェット記録方法は、前記第一の顔料インクの重量平均粒径が120nm以下であるインクジェット記録方法を特徴とするものである。
【0021】
また、上記の目的を達成することのできる本発明の他の実施形態にかかるインクジェット記録方法は、前記第二の顔料インクの重量平均粒径が120nm以上であるインクジェット記録方法を特徴とするものである。
【0022】
また、上記の目的を達成することのできる本発明の他の実施形態にかかるインクジェット記録方法は、前記第一の顔料インクの重量平均粒径と前記第二の顔料インクの重量平均粒径の差が40nm以上であるインクジェット記録方法を特徴とするものである。
【0023】
また、上記の目的を達成することのできる本発明の他の実施形態にかかるインクジェット記録方法は、前記同一の色調を有する顔料インクが、シアン及びマゼンタであるインクジェット記録方法を特徴とするものである。
【0024】
また、上記の目的を達成することのできる本発明の他の実施形態にかかるインクジェット記録方法は、インク組成物中の色材が少なくとも顔料を含むインクジェット記録方法を特徴とするものである。
【0025】
また、上記の目的を達成することのできる本発明の他の実施形態にかかるインクジェット記録方法は、前記反応液が多価金属を含有するインクジェット記録方法を特徴とするものである。
【0026】
また、上記の目的を達成することのできる本発明の他の実施形態にかかるインクジェット記録方法は、前記多価金属がCa2+、Cu2+、Ni2+、Mg2+、Zn2+、Ba2+、Al3+、Fe3+、Cr3+、Y3+の何れか1種を含むインクジェット記録方法を特徴とするものである。
【0027】
以上、本発明についてその詳細を説明したが、これを下記に整理して記述する。
【0028】
(1)少なくとも1種以上のインク組成物と該インク組成物中の少なくとも1種と反応し該インクを凝集せしめる反応液を有するインクジェット用インクセットにおいて、該インク組成物が少なくともアニオン性物質により分散されているもしくは表面にアニオン性基を有する第一の顔料インク及びアニオン性物質により分散されているもしくは表面にアニオン性基を有し且つ該第一のインクと同一の色調を有し、該第一のインクよりも色材の濃度が低く且つ顔料の重量平均粒径が大きい第二のインクを有することを特徴とするインクセット。
【0029】
(2)前記第一の顔料インクの重量平均粒径が120nm以下であることを特徴とする前記(1)記載のインクセット。
【0030】
(3)前記第二の顔料インクの重量平均粒径が120nm以上であることを特徴とする前記(1)記載のインクセット。
【0031】
(4)前記第一の顔料インクの重量平均粒径と前記第二の顔料インクの重量平均粒径の差が40nm以上であることを特徴とする前記(1)ないし(3)いずれか記載のインクセット。
【0032】
(5)前記同一の色調を有する顔料インクが、シアン及びマゼンタであることを特徴とする前記(1)ないし(4)いずれか記載のインクセット。
【0033】
(6)前記反応液が多価金属を含有することを特徴とする前記(1)ないし(5)いずれか記載のインクセット。
【0034】
(7)前記多価金属がCa2+、Cu2+、Ni2+、Mg2+、Zn2+、Ba2+、Al3+、Fe3+、Cr3+、Y3+の何れか1種を含むことを特徴とする前記(6)記載のインクセット。
【0035】
(8)少なくとも1種以上のインク組成物と該インク組成物中の少なくとも1種と反応し該インクを凝集せしめる反応液を有するインクジェット用インクセットを用いるインクジェット記録方法において、該インク組成物が少なくともアニオン性物質により分散されているもしくは表面にアニオン性基を有する第一の顔料インク及びアニオン性物質により分散されているもしくは表面にアニオン性基を有し且つ該第1のインクと同一の色調を有し、該第一のインクよりも色材の濃度が低く且つ顔料の重量平均粒径が大きい第二のインクを有することを特徴とするインクジェット記録方法。
【0036】
(9)前記反応液を前記インクに先だって記録媒体に記録する工程を少なくとも含むことを特徴とする前記(8)記載のインクジェット記録方法。
【0037】
(10)前記第一の顔料インクの重量平均粒径が120nm以下であることを特徴とする前記(8)または(9)記載のインクジェット記録方法。
【0038】
(11)前記第二の顔料インクの重量平均粒径が120nm以上であることを特徴とする前記(8)または(9)記載のインクジェット記録方法。
【0039】
(12)前記第一の顔料インクの重量平均粒径と前記第二の顔料インクの重量平均粒径の差が40nm以上であることを特徴とする前記(8)ないし(11)いずれか記載のインクジェット記録方法。
【0040】
(13)前記同一の色調を有する顔料インクが、シアン及びマゼンタであることを特徴とする前記(8)ないし(12)いずれか記載のインクジェット記録方法。
【0041】
(14)前記反応液が多価金属を含有することを特徴とする前記(8)ないし(13)いずれか記載のインクジェット記録方法。
【0042】
(15)前記多価金属がCa2+、Cu2+、Ni2+、Mg2+、Zn2+、Ba2+、Al3+、Fe3+、Cr3+、Y3+の何れか1種を含むことを特徴とする前記(14)記載のインクジェット記録方法。
【0043】
【発明の実施の形態】
次に好ましい実施の形態を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。
【0044】
(反応液)
水性媒体中にイオン性基の作用によって水性媒体に分散または溶解させられている色材の分散安定性を被記録媒体上で破壊及び凝集することのできる反応液としては、金属塩および水性媒体を含んでいることが好ましい。
【0045】
(金属塩について)
反応液に用いることができる金属塩とは、二価以上の多価金属イオンとこれら多価金属イオンに結合する陰イオンとから構成され、水に可溶なものである。多価金属イオンの具体例としては、Ca2+、Cu2+、Ni2+、Mg2+、Zn2+、Ba2+等の二価金属イオンAl3+、Fe3+、Cr3+、Y3+、などの三価金属イオン等があげられる。陰イオンとしては、SO 2−、Cl、CO 2−、NO3−、I、Br、ClO よびCHCOOなどが挙げられる。勿論、上記化合物に限定されるものではない。
【0046】
又反応液中の上記塩の含有量は、本発明にかかる効果を考慮すると0.01〜20wt%が好ましい。又反応液は、必ずしも可視域に吸収を示さないものである必要はない。可視域に吸収を示すとしても実質上画像に影響を与えない範囲であれば可視域に吸収を示すものであってもかまわない。
【0047】
(水性媒体)
本実施態様に係る反応液に用いられる水性媒体の例としては例えば水、或いは水と水溶性有機溶剤との混合溶媒が挙げられる。水溶性有機溶媒としては、反応液の乾燥防止効果を有するものが特に好ましい。具体的には例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等の炭素数1〜4のアルキルアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;アセトン、ジアセトンアルコール等のケトンまたはケトアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール等のアルキレン基が2〜6個の炭素原子を含むアルキレングリコール類;ポリエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の低級アルキルエーテルアセテート;グリセリン;エチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、ジエチレングリコールメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類;トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン等の多価アルコール;N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が挙げられる。上記のごとき水溶性有機溶剤は、単独でもあるいは混合物としても使用することができる。
【0048】
又、水としては脱イオン水を使用することが望ましい。
【0049】
本実施態様に関わる反応液中に含有される水溶性有機溶剤の含有量は特に限定されないが、反応液全重量に対して、好ましくは3〜50重量%の範囲が好適である。又、反応液に含有される水の含有量は反応液全重量に対して好ましくは50〜95重量%の範囲である。
【0050】
更に上記の成分のほかに必要に応じて所望の物性値を持つ反応液とするために、界面活性剤、消泡剤、防腐剤、防黴剤等を添加することができる。
【0051】
(インク組成物)
上記した反応液は、色材がイオン性基によって水性媒体に分散または溶解させられているインク組成物と組み合わせて記録に用いることで高品質の画像を形成等の好ましい効果を得られる。
【0052】
かかるインクに用いることのできる色材としては、顔料(マイクロカプセル化顔料更には着色樹脂等も本願中では顔料の範疇とする)が挙げられる。以下これらの色材について詳述する。
【0053】
(顔料)
用い得る顔料としては、例えばカーボンブラックや有機顔料等が挙げられる。
【0054】
(カーボンブラック)
カーボンブラックとしては例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック顔料で、例えば、レイヴァン(Raven)7000、レイヴァン5750、レイヴァン5250、レイヴァン5000、レイヴァン3500、レイヴァン2000、レイヴァン1500、レイヴァン1250、レイヴァン1200、レイヴァン1190ULTRA−II、レイヴァン1170、レイヴァン1255(以上コロンビア社製)、ブラックパールズ(Black Pearls)L、リーガル(Regal)400R、リーガル330R、リーガル660R、モウグル(Mogul)L、モナク(Monarch)700、モナク800、モナク880、モナク900、モナク1000、モナク1100、モナク1300、モナク1400、ヴァルカン(Valcan)XC−72R(以上キャボット社製)、カラーブラック(Color Black)FW1、カラーブラックFW2、カラーブラックFW2V、カラーブラックFW18、カラーブラックFW200、カラーブラックS150、カラーブラックS160、カラーブラックS170、プリンテックス(Printex)35、プリンテックスU、プリンテックスV、プリンテックス140U、プリンテックス140V、スペシャルブラック(SpecialBlack)6、スペシャルブラック5、スペシャルブラック4A、スペシャルブラック4(以上デグッサ社製)、No.25,No.33,No.40,No.47,No.52,No.900,No.2300,MCF−88,MA600,MA7,MA8,MA100(以上三菱化学社製)等を使用することができるが、これらに限定されるものではなく従来公知のカーボンブラックを使用することが可能である。また、マグネタイト、フェライト等の磁性体微粒子やチタンブラック等を黒色顔料として用いても良い。
【0055】
(有機顔料)
有機顔料として具体的には、トルイジンレッド、トルイジンマルーン、ハンザエロー、ベンジジンエロー、ピラゾロンレッドなどの不溶性アゾ顔料、リトールレッド、ヘリオボルドー、ピグメントスカーレット、パーマネントレッド2Bなどの溶性アゾ顔料、アリザリン、インダントロン、チオインジゴマルーンなどの建染染料からの誘導体、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーンなどのフタロシアニン系顔料、キナクリドンレッド、キナクリドンマゼンタなどのキナクリドン系顔料、ペリレンレッド、ペリレンスカーレットなどのペリレン系顔料、イソインドリノンエロー、イソインドリノンオレンジなどのイソインドリノン系顔料、ベンズイミダゾロンエロー、ベンズイミダゾロンオレンジ、ベンズイミダゾロンレッド等のイミダゾロン系顔料、ピランスロンレッド、ピランスロンオレンジなどのピランスロン系顔料、チオインジゴ系顔料、縮合アゾ系顔料、チオインジゴ系顔料、フラバンスロンエロー、アシルアミドエロー、キノフタロンエロー、ニッケルアゾエロー、銅アゾメチンエロー、ペリノンオレンジ、アンスロンオレンジ、ジアンスラキノニルレッド、ジオキサジンバイオレット等のその他の顔料が例示できる。
【0056】
また、有機顔料をカラーインデックス(C.I.)ナンバーにて示すと、C.I.ピグメントエロー12,13,14,17,20,24,74,83,86,93,109,110,117,120,125,137,138,147,148,151,153,154,166,168,C.I.ピグメントオレンジ16,36,43,51,55,59,61,C.I.ピグメントレッド9,48,49,52,53,57,97,122,123,149,168,175,176,177,180,192,215,216,217,220,223,224,226,227,228,238,240,C.I.ピグメントバイオレット19,23,29,30,37,40,50,C.I.ピグメントブルー15,15:3,15:1,15:4,15:6,22,60,64,C.I.ピグメントグリーン7,36,C.I.ピグメントブラウン23,25,26等が例示できる。勿論上記以外でも従来公知の有機顔料が使用可能である。
【0057】
(分散剤)
上記したカーボンブラックや有機顔料を用いる場合には分散剤を併用することが好ましい。分散剤としては、アニオン性基の作用によって上記の顔料を水性媒体に安定に分散させることのできるものが好適に用いられる。分散剤の具体例は、例えばスチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−マレイン酸ハーフエステル共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸−マレイン酸ハーフエステル共重合体あるいはこれらの塩等が含まれる。またこれらの分散剤は、重量平均分子量が1000〜30000の範囲のものが好ましく、特には3000〜15000の範囲のものが好ましい。
【0058】
(自己分散型顔料)
色材として、顔料表面にイオン性基(アニオン性基)を結合させることによって分散剤なしで水性媒体に分散させることのできる顔料、所謂自己分散型顔料を用いることもでき、このような顔料の一例として例えば、自己分散型カーボンブラックを挙げることができる。
【0059】
自己分散型カーボンブラックとしては、例えばアニオン性基がカーボンブラック表面に結合したものを挙げることができる。
【0060】
(アニオン性CB)
アニオン性カーボンブラックとしては、カーボンブラックの表面に例えば−COO(M2)、−SO(M2)、−POH(M2)、−PO(M2)2から選ばれる少なくとも1つのアニオン性基を結合させたものが挙げられる。
【0061】
上記式中、M2は水素原子、アルカリ金属、アンモニウムまたは有機アンモニウムを表わす。Rは炭素原子数1〜12のアルキル基、置換もしくは未置換のフェニル基、または置換もしくは未置換のナフチル基を表わす。これらの中で特に−COO(M2)や−SO(M2)をカーボンブラック表面に結合してアニオン性に帯電せしめたカーボンブラックはインク中の分散性が良好なため本実施態様に特に好適に用い得るものである。ところで上記親水性基中「M2」として表したもののうち、アルカリ金属の具体例としては例えばLi、Na、K、RbおよびCs等が挙げられ、また有機アンモニウムの具体例としては例えばメチルアンモニウム、ジメチルアンモニウム、トリメチルアンモニウム、エチルアンモニウム、ジエチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、メタノールアンモニウム、ジメタノールアンモニウム、トリメタノールアンモニウム等が挙げられる。そしてM2をアンモニウム或いは有機アンモニウムとした自己分散型カーボンブラックを含む本実施態様のインクは、記録画像の耐水性をより向上させることができ、この点において特に好適に用いることのできるものである。これは当該インクが記録媒体上に付与されると、アンモニウムが分解し、アンモニアが蒸発する影響によるものと考えられる。ここでM2をアンモニウムとした自己分散型カーボンブラックは、例えばM2がアルカリ金属である自己分散型カーボンブラックをイオン交換法を用いてM2をアンモニウムに置換する方法や酸を加えてH型とした後に水酸化アンモニウムを添加してM2をアンモニウムにする方法等が挙げられる。
【0062】
アニオン性に帯電している自己分散型カーボンブラックの製造方法としては、例えばカーボンブラックを次亜塩素酸ソーダで酸化処理する方法が挙げられ、この方法によってカーボンブラック表面に−COONa基を化学結合させることができる。
【0063】
ところで上記した様な種々の親水性基は、カーボンブラックの表面に直接結合させてもよい。或いは他の原子団をカーボンブラック表面と該親水性基との間に介在させ、該親水性基をカーボンブラック表面に間接的に結合させても良い。ここで他の原子団の具体例としては例えば炭素原子数1〜12の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキレン基、置換もしくは未置換のフェニレン基、置換もしくは未置換のナフチレン基が挙げられる。ここでフェニレン基およびナフチレン基の置換基としては例えば炭素数1〜6の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が挙げられる。また他の原子団と親水性基の組合わせの具体例としては、例えば−CCOO(M2)、−Ph−SO(M2)、−Ph−COO(M2)等(但し、Phはフェニル基を表す)が挙げられる。
【0064】
ところで本実施態様において上記した自己分散型カーボンブラックの中から2種若しくはそれ以上を適宜選択したインクの色材に用いてもよい。またインク中の自己分散型カーボンブラックの添加量としてはインク全重量に対して、0.1〜15重量%、特には1〜10重量%の範囲とすることが好ましい。この範囲とすることで自己分散型カーボンブラックはインク中で十分な分散状態を維持することができる。更にインクの色調の調製等を目的として、自己分散型カーボンブラックに加えて染料を色材として添加してもよい。
【0065】
(着色微粒子/マイクロカプセル化顔料)
色材として上記したものの他に、ポリマー等でマイクロカプセル化した顔料や樹脂粒子の周囲を色材で被覆した着色微粒子等も用いることができる。
【0066】
マイクロカプセルに関しては、本来的に水性媒体に対する分散性を有すが、分散安定性を高める為に上記したような分散剤を更にインク中に共存させてもよい。また着色微粒子を色材として用いる場合には、上記したアニオン系分散剤等を用いることが好ましい。
【0067】
(水性媒体)
上記した様な色材を分散させる水性媒体は、特に限定されるものでなく、反応液に用いる水性媒体として前記したものと同様のものを用いることができる。また該カラーインクをインクジェット法(例えばバブルジェット(登録商標)法等)で記録媒体に付着せしめる場合には、前述したように優れたインクジェット吐出特性を有するようにインク所望の粘度、表面張力を有するように調製する事が好ましい。本実施態様に係るインク組成物に用いられる水性媒体の例としては例えば水、或いは水と水溶性有機溶剤との混合溶媒が挙げられる。水溶性有機溶媒としては、反応液の乾燥防止効果を有するものが特に好ましい。具体的には例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等の炭素数1〜4のアルキルアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;アセトン、ジアセトンアルコール等のケトンまたはケトアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール等のアルキレン基が2〜6個の炭素原子を含むアルキレングリコール類;ポリエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の低級アルキルエーテルアセテート;グリセリン;エチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、ジエチレングリコールメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類;トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン等の多価アルコール;N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が挙げられる。上記のごとき水溶性有機溶剤は、単独でもあるいは混合物としても使用することができる。
【0068】
又、水としては脱イオン水を使用することが望ましい。
【0069】
本実施態様に関わるインク組成物中に含有される水溶性有機溶剤の含有量は特に限定されないが、インク組成物全重量に対して、好ましくは3〜50重量%の範囲が好適である。又、インク組成物に含有される水の含有量は反応液全重量に対して好ましくは50〜95重量%の範囲である。
【0070】
更に上記の成分のほかに必要に応じて保湿剤を添加することは勿論、所望の物性値を持つ反応液とするために、界面活性剤、消泡剤、防腐剤、防黴剤等を添加しても構わない。
【0071】
(記録方法)
該反応液は、色材がイオン性基の作用によって水性媒体に分散させられているインクと組み合わせて、(i)該インクを記録媒体に付与する工程;および(ii)該反応液を該記録媒体の少なくとも該インクが付与される領域に付与する工程、を有する記録方法を採用することによって極端に反応液とインク組成物の反応性を高めることなく輪郭部の不明瞭性改善およびカラーブリードを生じることなく更に裏抜け性の優れた高品位の画像を形成することが可能となるインクセット・インクジェット記録方法並びにその記録物を提供することができる。なおこのようなインクセットが高画像濃度および高発色で印字品位を良好にできる理由は明らかではないが、例えば該反応液と該インクをインクジェット法によって紙面上に飛翔させ、両者を付着させた場合、インク中では安定し存在していた顔料等の色材が、紙面に付着後急速に反応することで、紙面上の着弾位置に顔料が留まるためと考えられる。
【0072】
上記インクと反応液とのインクセットをインクジェット等で用いた場合、
a:反応液を印字した後にインクを印字する場合、
b:インクを印字した後に反応液を印字する場合、
c:インクを印字した後に反応液を印字させ更にインクを印字させる場合
d:反応液を印字した後にインクを印字させ更に反応液を印字させる場合
等様々な記録方法が考えられる。そしてインクと反応液との記録方法は、適宜選択すればよい。しかし本発明の目的を鑑みれば、反応液をインクに先だって記録媒体に記録する工程を少なくとも含むa)またはd)が好ましい。
【0073】
これまでの発明者らの検討によれば以下の様に考えられる。aまたはdの記録方法においては、先ず反応液1が記録媒体25に付与され(図1(a)参照)、ついで反応液が付与された部位にインク2が付与される(図1(b)参照)。そのためインク中の色材は、記録媒体25に付与された直後から被記録材表面に存在する反応液との反応することによりインク中の色材をより多く記録媒体25の表面に留めることができる結果、輪郭部の不明瞭性改善およびカラーブリードを生じることのなく更に裏抜け性の優れた高品位の画像を形成することが可能になると考えられるからである。
【0074】
また、上記反応液とインク組成物とのインクセットを複数、もしくは上記反応液とインク組成物とのインクセットと他のインク組成物を組み合わせる事によってカラー画像の形成に対し、好適に用い得るインクセットを提供する事ができる。そしてこのようなインクセットを用いて、例えばブラックインクに上記インクセットを用いて黒色画像部およびカラー画像部と隣接するような記録を行った場合、ブリーディングの発生を極めて有効に抑える事ができる。
【0075】
(インク特性;インクジェット吐出特性、記録媒体への浸透性について)
上記各実施態様にかかるインクセットは、インクジェット記録用のインクセットとして好適に用いる事ができる。インクジェット記録方法としては、インクに力学的エネルギーを作用させ、液滴を吐出する記録法法、およびインクに熱エネルギーを加えてインクの発泡により液滴を吐出する記録法法があり、それらの記録方法に本発明の反応液およびインクは特に好適である。ところで上記各実施態様にかかる反応液およびインクをインクジェット記録用に用いる場合には、該反応液およびインクはインクジェットヘッドから吐出可能である特性を有する事が好ましい。インクジェットヘッドからの吐出性という観点からは、該液体の特性としては、例えばその粘度を1〜15cps、表面張力が25mN/m(dyne/cm)以上、特には粘度を1〜5cps、表面張力が25〜50mN/m(dyne/cm)とする事が好ましい。
【0076】
(記録装置)
本発明の画像形成方法を実施するための記録装置について説明する。本発明には記録ヘッドの室内のインクに記録信号に対応した熱エネルギーを与え、前記熱エネルギーにより液滴を吐出させるインクジェット記録方法及びインクジェット記録装置が挙げられる。その装置の主要部であるヘッド構成例を図2、図3及び図4に示す。
【0077】
ヘッド13はインクを通す溝14を有するガラス、セラミック、またはプラスチック板等と、感熱記録に用いられる発熱ヘッド15(図ではヘッドが示されているが、これに限定されるものではない。)とを密着して得られる。発熱ヘッド15は酸化シリコン等で形成される保護膜16、アルミニウム電極17―1及び17―2、ニクロム等で形成される発熱抵抗体層18、蓄熱層19、アルミナ等の放熱性のよい基板20より成っている。
【0078】
インク21は吐出オリフィス(微細孔)22まできており、不図示の圧力によりメニスカス23を形成している。
【0079】
電極17―1、17―2に電気信号が加わると、発熱ヘッド15のnで示される領域が急激に発熱し、ここに接しているインク21に気泡が発生し、その圧力でメニスカス23が突出し、インク21が吐出し、オリフィス22より記録小滴24となり、被記録材25に向かって飛翔する。
【0080】
図4には図2に示すヘッドを多数並べたマルチヘッドの外観図を示す。前記マルチヘッドはマルチ溝26を有するガラス板27と、図1に説明したものと同様な発熱ヘッド28を密着して製作される。
【0081】
なお、図2は、インク流路に沿ったヘッド13の断面図であり、図3は図2のA―B線での断面図である。
【0082】
図5に、本発明に係るヘッドを組み込んだインクジェット記録装置の1例を示す。図5において、61はワイピング部材としてのブレードであり、その一端はブレード保持部材によって保持されて固定端となり、カンチレバーの形態をなす。ブレード61は記録ヘッドによる記録領域に隣接した位置に配設される。また、本例の場合、記録ヘッドの移動経路中に突出した形態で保持される。
【0083】
62はキャップであり、ブレード61に隣接するホームポジションに配設され、記録ヘッドの移動方向と垂直な方向に移動して突出口面と当接し、キャッピングを行う構成を具備する。さらに63はブレード61に隣接して配設されるインク吸収体であり、ブレード61と同様、記録ヘッドの移動経路中に突出した形態で保持される。上記ブレード61、キャップ62、インク吸収体63によってインク吐出口面の水分、塵埃等の除去が行われる。
【0084】
65は吐出エネルギー発生手段を有し、吐出口を配した吐出口面に対向する被記録材にインクを吐出して記録を行う記録ヘッドであり、66はこの記録ヘッド65を搭載して記録ヘッド65の移動を行うためのキャリッジである。キャリッジ66はガイド軸67と摺動可能に係合し、キャリッジ66の一部はモータ68によって駆動されるベルト69と接続(不図示)している。これによりキャリッジ66はガイド軸67に沿って移動が可能となり、記録ヘッド65による記録領域及びその隣接した領域の移動が可能になる。
【0085】
51は被記録材を挿入するための給紙部であり、52は不図示のモータにより駆動される紙送りローラである。これらの構成によって記録ヘッドの吐出口面と対向する位置へ被記録材が給紙され、記録が進行するにつれて排紙ローラを配した排紙部へ排紙される。
【0086】
上記の構成において、記録ヘッド65が記録終了等でホームポジションに戻る際、ヘッド回復部64のキャップ62は記録ヘッド65の移動経路から退避しているが、ブレード61は移動経路中に突出している。この結果、記録ヘッド65の突出面がワイピングされる。なお、キャップ62が記録ヘッド65の突出面に当接してキャッピングを行う場合、キャップ62は記録ヘッドの移動経路中に突出するように移動する。
【0087】
記録ヘッド65がホームポジションから記録開始位置へ移動する場合、キャップ62及びブレード61は、上記したワイピング時の位置と同様の位置にある。この結果、この移動においても、記録ヘッド65の吐出口面はワイピングされる。
【0088】
上記の記録ヘッドのホームポジションへの移動は、記録終了時や吐出回復時ばかりでなく、記録ヘッドが記録のために記録領域を移動する間に所定の間隔で記録領域に隣接したホームポジションへ移動し、この移動に伴って上記ワイピングが行われる。
【0089】
図6はヘッドにインク供給部材、例えば、チューブを介して供給されるインクを収容したインクカートリッジの一例を示す図である。このインクカートリッジ45には、供給用インクを収容した収容部、例えば、インク袋40の先端にはゴム製の栓42が設けられている。この栓42に針(不図示)を挿入することにより、インク袋40のインクをヘッドに供給可能ならしめる。44は廃インクを受容する吸収体である。インク収容部としては、インクとの接液面がポリオレフィン、特にポリエチレンで形成されているのが本発明にとって好ましい。
【0090】
本発明で使用されるインクジェット記録装置としては、上記の如きヘッドとインクカートリッジとが別体となったものに限らず、図7に示す記録ユニットのようにそれらが一体となったものにも好適に用いられる。
【0091】
図7において、70は記録ユニットであって、この中にはインクを収容した収容部、例えば、インク吸収体が収納されており、かかるインク吸収体中のインクが複数のオリフィスを有するヘッド部71からインク滴として吐出される構成になっている。インク吸収体の材料としては、ポリウレタン、セルロース、またはポリビニルアセテートを用いることが本発明にとって好ましい。
【0092】
72は、記録ユニット内部を大気に連通させるための大気連通口である。この記録ユニット70は、図5で示す記録ヘッドに代えて用いられるものであって、キャリッジ66に対し、着脱自在になっている。
【0093】
なお、本発明に使用する記録装置において、上記ではインクに熱エネルギーを作用させてインク液滴を吐出するインクジェット記録装置を例に挙げたが、そのほか圧電素子を使用するピエゾ方式のインクジェット記録装置でも同様に利用できる。
【0094】
さて、本発明の画像形成方法を実施する場合には、例えば前記図4に示した記録ヘッドを5つのキャリッジ上に並べた記録装置を使用する。図8はその一例である。81,82,83,84はそれぞれ濃淡イエロー、濃淡マゼンタ、濃淡シアン、濃淡ブラックの各インクを吐出するための記録ヘッドである。また、85は液体組成物を吐出するためのヘッドである。前記ヘッドは前記した記録装置に配置され、記録信号に応じて、各色の記録インクを吐出する。また、液体組成物はそれに先立ち、少なくとも各色の記録インクが記録紙に付着する部分に予め付着させておく。図8では記録ヘッドを5つ使用した例を示したが、具体的にはこれらの記録ヘッドは例えば図9に示すインクジェット記録装置のキャリッジ1101に装着してカラー印刷を行うものである。キャリッジ1101は、ガイドシャフト1103及びサポートシャフト1105によって摺動自在に支持され、ガイドシャフト1103及びサポートシャフト1105は、シャーシ1107の両側壁に配設されている。これら両シャフト上を主走査方向に往復移動するキャリッジ1101の駆動力は、駆動ベルト1109を介してキャリッジモータ1111から与えられる。
【0095】
また、紙等の記録媒体(不図示)の挟持搬送は、プラテンローラ1113及びピンチローラ1115により行われ、プラテン1117上に記録媒体が搬送される。このとき、キャリッジ1101に搭載された記録ヘッドの記録ヘッド部(不図示)はキャリッジ1101から下方へ突出して、記録ヘッド部の吐出口形成面は、プラテン1117上の記録媒体に平行に対向するようになっている。なお、前記シャーシ1107が固着されている本体1119には、廃インクタンク1121が配設されている。図10は、図9のインクジェット記録装置のキャリッジ1101に5つの記録ヘッドが取り付けられた状態を、インクが吐出されるノズル側から見たときの概略図である。図10において86は液体組成物を吐出させるヘッドであって、前記ヘッドは吐出口列86Aを備えている。前記吐出口列86Aは例えば(600)dpi間隔で吐出口が(304)個配列されてなるものである。同様に87は濃黒インクを吐出させるヘッド、88は淡黒インクを吐出させるヘッドであり、各々のヘッドは吐出口86Aと同様の吐出口列87A及び88Aを備えている。さらに89は濃イエローインク、濃マゼンタインク及び濃シアンインクを吐出させるヘッドであって、各々のインクを吐出するインク吐出口列89A、89B及び89Cを備えている。インク吐出口89A、89B及び89Cは各々が例えば(600)dpi間隔で(80)個の吐出口を有している。さらにまた90は淡イエローインク、淡マゼンタインク及び淡シアンインクを吐出させるヘッドであり、各々のインクを吐出するインク吐出口列90A、90B及び90Cを有している。インク吐出口列90A、90B及び90Cの各々は、例えば(600)dpi間隔で(80)個の吐出口を有している。
【0096】
図11は図10に示した記録ヘッド配列及び吐出口配列の変形例を示す概略図であり、91〜98の各々が記録ヘッドである。そして91は吐出口列91Aから液体組成物を吐出させる記録ヘッド、92は吐出口列92Aから黒インクを吐出させる記録ヘッド、93は吐出口列93Aから濃シアンインクを吐出させるヘッド、94は吐出口列94Aから濃マゼンタインクを吐出させる記録ヘッド、95は吐出口列95Aから濃イエローインクを吐出させる記録ヘッド、96は吐出口列96Aから淡シアンインクを吐出させる記録ヘッド、97は吐出口列97Aから淡マゼンタインクを吐出させる記録ヘッド、そして98は吐出口列98Aから淡イエローインクを吐出させる記録ヘッドである。
【0097】
図12もまた図10に示した記録ヘッド配列及び吐出口配列の変形例を示す概略図であり、101は吐出口列101Aから液体組成物を吐出する記録ヘッド、102は吐出口列102A、102B、102C及び102Dの各々から濃黒インク、濃シアンインク、濃マゼンタインク及び濃イエローインクを吐出する記録ヘッドである。また103は吐出口列103A、103B、103C及び103Dの各々から淡黒インク、淡シアンインク、淡マゼンタインク及び淡イエローインクを吐出する記録ヘッドである。
【0098】
また、図13は、記録ヘッド配置及び吐出口配列の更なる変形例を示す概略図であり、2個の記録ヘッド1201及び1203で構成されている。
【0099】
記録ヘッド1201は液体組成物を吐出する吐出口列1201A及び黒インクを吐出する吐出口列1201Bを備えている。前記吐出口列1201A及び1201Bは例えば600dpi間隔で吐出口が304個配列されてなるものである。また、記録ヘッド1203は、濃イエローインク、濃マゼンタインク及び濃シアンインクの各々を吐出させる吐出口列1203A、1203B及び1203Cと、淡イエローインク、淡マゼンタインク及び淡シアンインクの各々を吐出させる吐出口列1203D、1203E及び1203Fを備えている。そして各吐出口列1203A〜Fの各々は、例えば(600)dpi間隔で(80)個の吐出口を有している。
【0100】
図14は、図13の記録ヘッド1201の構成例のうちの1つであって、記録ヘッド部分と吐出される液体組成物及び黒インクと個別に収納されたタンクとが一体化されたカートリッジ1301の概略斜視図である。1302は、記録液滴を吐出するための複数のノズル及びオリフィスが2列、内部に形成された1個の天板と、記録液滴を吐出するためのエネルギー発生部である複数の発熱用ヒータが形成された2個のヒータボードと、それぞれのヒータボードを天板に固定する2個の固定用ばねとが一体的に組み立てられた吐出チップである。
【0101】
1303は、その内部に黒インク及び液体組成物を個別に内蔵し、保持するインクタンクである。吐出チップ1302とインクタンク1303とは、互いに一体的に固定される。そしてインクタンク中の液体組成物と黒インクとは各々が記録ヘッドの液室(不図示)に導かれ、記録情報に応じて吐出口列1201Aと1201Bとから吐出される。液体組成物は、インクタンク1303内の図中の手前側、黒インクは、図中奥側に、それぞれ同量に配置されている。液体組成物及び黒インクのそれぞれは吐出チップ1302内に連通し、液体組成物は吐出チップ1302内の図中の手前側、黒インクは図中奥側の液室に導かれている。そして液体組成物の吐出口列1201Aから、また黒インクは吐出口列1201Bから個別に吐出される。
【0102】
図15は、図13の記録ヘッド1203の構成例の一つであって、記録ヘッド部分1401と前記記録ヘッド部分に着脱可能に装着されてなる、カラーインクを収納したインクタンク1403の概略斜視図である。
【0103】
1402は、記録液滴を吐出するための複数のノズル及びオリフィスが2列、内部に形成された1個の天板と、記録液滴を吐出するためのエネルギー発生部である複数の発熱用ヒータが形成された2個のヒータボードと、このヒータボードを天板に固定する2個の固定用ばねとが一体的に組み立てられた吐出チップである。
【0104】
インクタンク1403は、その内部に濃イエローインク、淡イエローインク、濃マゼンタインク、淡マゼンタインク、濃シアンインク、淡シアンインクの6色のインクを個別に内蔵、保持している。そしてインクタンク1403は記録ヘッド部分1401のインクタンクホルダ1405部分に着脱可能に装着され、そのときに各々のインクはインク供給口1404を介して記録ヘッド部分1401に供給される。具体的には、インクタンク1403をインクタンクホルダ1405内に装着することで6種のインクは吐出チップ1402内に連通し、吐出チップ1402内の図中の奥側の3色分離された液室(不図示)にY,M,C濃インクが導かれ、図中の手前側の3色分離された液室(不図示)にY,M,C淡インクが導かれ、インクタンク内のインクは各々吐出口の吐出口列1203A〜Fから記録情報に応じて個別に吐出される。
【0105】
上記図14に示したカートリッジ1301及び図15に示した記録ヘッドは、例えば図16に示すインクジェット記録装置のキャリッジ1501に装着することで図13に示したような記録ヘッド配列、及び吐出口配列を実現することができる。1503は、ヘッド先端部に形成されたインクを吐出する複数のオリフィスからのインク乾燥を防止するヘッドキャップと、ヘッドの動作不良時に複数のオリフィスからインクを吸引するための吸引ポンプとが組み込まれたヘッド回復ユニットである。1505は記録媒体が搬送される面である。
【0106】
ここでは、キャリッジ1501は、回復ユニット1503上での位置をホームポジションとしており、印刷図中の左方向へ走査し始めることで開始される。このようにC,M,Yそれぞれが濃淡2種のインクで構成されることで色再現領域が拡大し、写真調の高画質を再現することが可能となる。この際、写真調の画像ではハイライト部の色再現が多くなるため、淡インクの使用量が濃インクの使用量に比べ多くなり、Y,M,C各色濃淡の6種のインクを同一タンク内に内蔵する場合には、淡インクをより多量に内蔵することが必要となる。したがって、図14に示したインクタンク1403では、図中の右部に淡インク、左部に濃インクを配置し、各色の淡インクを各色の濃インクの2倍保持するような構成にしている。
【0107】
本発明の画像形成方法を用いて形成された画像形成物は、白もやがなく、非常に鮮明な画像形成物である。特に、ハイライト部を有する写真画像を本発明の画像形成方法を用いて被記録媒体上に形成した画像形成物は、際だって鮮明な画像形成物であるとの印象を与えるものである。
【0108】
【実施例】
以下、実施例および比較例を用いてさらに具体的に説明するが、本発明は、その要旨を越えない限り、下記実施例により限定されるものではない。尚以下の記載で、部、%とあるものは特に断らない限り重量基準である。
【0109】
(実施例1)
(反応液)
以下の成分を混合し、十分攪拌して溶解後、ポアサイズ0.2μmのミクロフィルター(富士フィルム製)にて加圧濾過し、反応液を調製した。
硝酸マグネシウム                       7部
トリメチロールプロパン                    6部
グリセリン                          5部
ジエチレングリコール                     5部
アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物
(商品名:アセチレノールEH)                1部
水                             76部
(Bkインク)
アニオン系高分子P−1(スチレン−メタクリル酸−エチルアクリレート、酸価400、重量平均分子量6,000、固形分20%の水溶液、中和剤:水酸化カリウム)を分散剤として用い、以下に示す材料をバッチ式縦型サンドミル(アイメックス製)に仕込み、1mm径のガラスビーズをメディアとして充填し、水冷しつつ、3時間分散処理を行った。分散後の粘度は9mN/m、pHは10.0であった。
【0110】
この分散液を遠心分離機にかけ粗大粒子を除去し、得られた分散体を十分に攪拌して、重量平均粒径が100nmのBkインクを作成した。粗大粒子除去後のBkインクの固形分は、約6%であった。
【0111】
(Bkインクの組成)
P−1水溶液(固形分20%)                40部
カーボンブラック Mogul L(キャブラック製)     12部
グリセリン                          9部
ジエチレングリコール                     6部
アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物
(商品名:アセチレノールEH)                1部
イソプロピルアルコール                    3部
水                            135部
(濃Cインク)
Bkインクの作製の際に使用したアニオン系高分子P−1を分散剤として用い、以下に示す材料を用いて、Bkインクと同様な分散条件で重量平均粒径が107nmの濃Cインクを作製した。粗大粒子除去後の濃Cインクの固形分は、約5.9%であった。
【0112】
(濃Cインクの組成)
P−1水溶液(固形分20%)                30部
C.I.ピグメントブルー15:3              12部
(ファストゲンブルーFGF、大日本インキ化学株式会社製)
グリセリン                          9部
ジエチレングリコール                     6部
アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物
(商品名:アセチレノールEH)                1部
水                            135部
(淡Cインク)
Bkインクの作製の際に使用したアニオン系高分子P−1を分散剤として用い、以下に示す材料を用いて、分散時間を2時間とした以外はBkインクと同様な分散条件で重量平均粒径が183nmの淡Cインクを作製した。粗大粒子除去後の淡Cインクの固形分は、約1.0%であった。
【0113】
(淡Cインクの組成)
P−1水溶液(固形分20%)                 5部
C.I.ピグメントブルー15:3               2部
(ファストゲンブルーFGF、大日本インキ化学株式会社製)
グリセリン                          9部
ジエチレングリコール                     6部
アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物
(商品名:アセチレノールEH)                1部
水                            170部
(濃Mインク)
Bkインクの作製の際に使用したアニオン系高分子P−1を分散剤として用い、以下に示す材料を用いて、Bkインクと同様な分散条件で重量平均粒径105nmの濃Mインクを作製した。粗大粒子除去後の濃Mインクの固形分は、約6.3%であった。
【0114】
(濃マゼンタ顔料インクの組成)
P−1水溶液(固形部20%)                20部
C.I.ピグメントレッド122               12部
(大日本インキ化学株式会社製)
グリセリン                          9部
ジエチレングリコール                     6部
アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物
(商品名:アセチレノールEH)                1部
水                            135部
(淡Mインク)
Bkインクの作製の際に使用したアニオン系高分子P−1を分散剤として用い、以下に示す材料を用いて、分散時間を2時間とした以外はBkインクと同様な分散条件で重量平均粒径190nmの淡Mインクを作製した。粗大粒子除去後の淡Mインクの固形分は、約1.1%であった。
【0115】
(淡マゼンタ顔料インクの組成)
P−1水溶液(固形部20%)               3.3部
C.I.ピグメントレッド122                2部
(大日本インキ化学株式会社製)
グリセリン                          9部
ジエチレングリコール                     6部
アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物
(商品名:アセチレノールEH)                1部
水                          161.7部
(Yインク)
Bkインクの作製の際に使用したアニオン系高分子P−1を分散剤として用い、以下に示す材料を用いて、Bkインクと同様な分散条件で重量平均粒径103nmのYインクを作製した。粗大粒子除去後のYインクの固形分は約6%であった。
【0116】
(Yインクの組成)
P−1水溶液(固形部20%)                35部
C.I.ピグメントイエロー180              12部
(ノバパームイエローPH−G、ヘキスト)
グリセリン                          9部
ジエチレングリコール                     6部
アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物
(商品名:アセチレノールEH)                1部
水                            135部
【0117】
上記で調整したインクを下記のように組み合わせてインクセットを作製した。
・反応液
・ブラックインク
・濃シアンインク
・淡シアンインク
・濃マゼンタインク
・淡マゼンタインク
・イエローインク
【0118】
上記インクセットを用いて、記録信号に応じた熱エネルギーをインクに付与することによりインクを吐出させるオンデマンド型マルチ記録ヘッドを有するインクジェット記録装置BJF−800(キヤノン製)を用いて下記の様にして耐光性の評価を行った。評価項目を以下に示す。被プリント材としては、市販のコピー用紙、ボンド紙、再生紙を使用した。
・耐光性
アトラス耐光性試験機で30時間照射後の耐光性を評価した。
【0119】
照度は0.39W/m2、槽内温度は50℃、湿度は70%の条件で行った。
【0120】
◎:すべての紙で十分な画像濃度が得られる。
○:一部の紙で十分な画像濃度が得られないが実用上問題なし。
△:一部の紙で十分な画像濃度が得られる。
×:すべての紙で十分な画像濃度が得られない。
【0121】
比較例として、顔料インク作成時におけるバッチ式縦型サンドミル(アイメックス製)による分散処理時間を変化させることで、重量平均粒径が実施例1とは異なる淡Cインクおよび淡Mインクを作成し、同様な評価を行った。
【0122】
その際用いる反応液、Bkインク、濃Cインク、濃Mインク、Yインクは実施例と同一のものとした。
【0123】
以下に、実施例1及び実施例2で用いた淡Cインク及び淡Mインクの作成方法を示す。
【0124】
(比較例1)
(淡Cインク)
Bkインクの作製の際に使用したアニオン系高分子P−1を分散剤として用い、以下に示す材料を用いて、分散時間を3時間とした以外はBkインクと同様な分散条件で重量平均粒径117nmの淡シアン色分散体を作製した。粗大粒子除去後の淡Cインクの固形分は、約1.1%であった。
【0125】
(淡Cインクの組成)
P−1水溶液(固形分20%)                 5部
C.I.ピグメントブルー15:3               2部
(ファストゲンブルーFGF、大日本インキ化学株式会社製)
グリセリン                          9部
ジエチレングリコール                     6部
アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物
(商品名:アセチレノールEH)                1部
水                            170部
(淡Mインク)
Bkインクの作製の際に使用したアニオン系高分子P−1を分散剤として用い、以下に示す材料を用いて、分散時間を3時間とした以外はBkインクと同様な分散条件で重量平均粒径118nmの淡Mインクを作製した。粗大粒子除去後の最終調整物の固形分は、約1.1%であった。
【0126】
(淡マゼンタ顔料インクの組成)
P−1水溶液(固形部20%)               3.3部
C.I.ピグメントレッド122                2部
(大日本インキ化学株式会社製)
グリセリン                          9部
ジエチレングリコール                     6部
アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物
(商品名:アセチレノールEH)                1部
水                          161.7部
(比較例2)
(淡Cインク)
Bkインクの作製の際に使用したアニオン系高分子P−1を分散剤として用い、以下に示す材料を用いて、分散時間を2.5時間とした以外はBkインクと同様な分散条件で重量平均粒径143nmの淡Cインクを作製した。粗大粒子除去後の淡Cインクの固形分は、1.1%であった。
【0127】
(淡Cインクの組成)
P−1水溶液(固形分20%)                 5部
C.I.ピグメントブルー15:3               2部
(ファストゲンブルーF  大日本インキ化学株式会社製)
グリセリン                          9部
ジエチレングリコール                     6部
アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物
(商品名:アセチレノールEH)                1部
水                            170部
(淡Mインク)
Bkインクの作製の際に使用したアニオン系高分子P−1を分散剤として用い、以下に示す材料を用いて、分散時間を2.5時間とした以外はBkインクと同様な分散条件で重量平均粒径135nmの淡Mインクを作製した。粗大粒子除去後の淡インクの固形分は、約1.2%であった。
【0128】
(淡Mインクの組成)
P−1水溶液(固形部20%)               3.3部
C.I.ピグメントレッド122                2部
(大日本インキ化学株式会社製)
グリセリン                          9部
ジエチレングリコール                     6部
アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物
(商品名:アセチレノールEH)                1部
水                          161.7部
結果の一覧を以下に記す。
【0129】
【表1】
Figure 2004107427
【0130】
【発明の効果】
本発明によれば、反応液と特定の顔料インク組成物を組み合わせ優れた高品位の堅牢性に富む画像を形成することが出来るインクセット及びインクジェット記録方法を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a),(b) 本発明の一実施態様にかかる記録方法の概略説明図
【図2】インクジェット記録装置のヘッド部の縦断面図
【図3】インクジェット記録装置のヘッド部の横断面図
【図4】インクジェット記録装置のヘッド部の外観斜視図
【図5】インクジェット記録装置の一例を示す斜視図
【図6】インクカートリッジの縦断面図
【図7】記録ユニットの斜視図
【図8】複数の記録ヘッドが配列した記録ユニットを示した斜視図
【図9】インクジェット記録装置の概略斜視図
【図10】記録ヘッド配列及び吐出口配列の一実施態様の説明図
【図11】記録ヘッド配列及び吐出口配列の他の実施態様の説明図
【図12】記録ヘッド配列及び吐出口配列の他の実施態様の説明図
【図13】記録ヘッド配列及び吐出口配列のさらに他の実施態様の説明図
【図14】インクカートリッジの概略斜視図
【図15】記録ヘッド及びそれに装着されるインクタンクの概略斜視図
【図16】インクジェット記録装置の概略斜視図
【符号の説明】
1 液体組成物(反応液)
2 インク
12 溝
13 ヘッド
14 インク溝(ノズル)
15 発熱ヘッド
16 保護膜
17―1 アルミニウム電極
17―2 アルミニウム電極
18 発熱抵抗体層
19 蓄熱層
20 基板
21 インク
22 吐出オリフィス
23 メニスカス
24 記録小滴
25 記録媒体(被記録材)
26 マルチ溝
27 ガラス板
28 発熱ヘッド
40 インク袋
42 栓
44 インク吸収体
45 インクカートリッジ
51 給紙部
52 紙送りローラ
53 排紙ローラ
61 ブレード
62 キャップ
63 インク吸収体
64 ヘッド回復部
65 記録ヘッド
66 キャリッジ
67 ガイド軸
68 モータ
69 ベルト
70 記録ユニット
71 ヘッド部
72 大気連通孔
81 記録ヘッド
82 記録ヘッド
83 記録ヘッド
84 記録ヘッド
85 記録ヘッド
86 液体組成物を吐出させる記録ヘッド
87 濃黒インクを吐出させる記録ヘッド
88 淡黒インクを吐出させる記録ヘッド
89 濃カラーインクを吐出させる記録ヘッド
90 淡カラーインクを吐出させる記録ヘッド
91〜98 記録ヘッド
101〜103 記録ヘッド
1101 キャリッジ
1103 ガイドシャフト
1105 サポートシャフト
1107 シャーシ
1109 駆動ベルト
1111 キャリッジモータ
1113 プラテンローラ
1115 ピンチローラ
1117 プラテン
1119 本体
1121 廃インクタンク
1201、1203 記録ヘッド
1301 カートリッジ
1302 吐出チップ
1303 インクタンク
1401 記録ヘッド部分
1402 吐出チップ
1403 インクタンク
1404 インク供給口
1405 インクタンクホルダ
1501 キャリッジ
1503 回復ユニット
1505 記録媒体が搬送される面

Claims (15)

  1. 少なくとも1種以上のインク組成物と該インク組成物中の少なくとも1種と反応し該インクを凝集せしめる反応液を有するインクジェット用インクセットにおいて、該インク組成物が少なくともアニオン性物質により分散されているもしくは表面にアニオン性基を有する第一の顔料インク及びアニオン性物質により分散されているもしくは表面にアニオン性基を有し且つ該第一のインクと同一の色調を有し、該第一のインクよりも色材の濃度が低く且つ顔料の重量平均粒径が大きい第二のインクを有することを特徴とするインクセット。
  2. 前記第一の顔料インクの重量平均粒径が120nm以下であることを特徴とする請求項1記載のインクセット。
  3. 前記第二の顔料インクの重量平均粒径が120nm以上であることを特徴とする請求項1記載のインクセット。
  4. 前記第一の顔料インクの重量平均粒径と前記第二の顔料インクの重量平均粒径の差が40nm以上であることを特徴とする請求項1ないし3いずれか記載のインクセット。
  5. 前記同一の色調を有する顔料インクが、シアン及びマゼンタであることを特徴とする請求項1ないし4いずれか記載のインクセット。
  6. 前記反応液が多価金属を含有することを特徴とする請求項1ないし5いずれか記載のインクセット。
  7. 前記多価金属がCa2+、Cu2+、Ni2+、Mg2+、Zn2+、Ba2+、Al3+、Fe3+、Cr3+、Y3+の何れか1種を含むことを特徴とする請求項6記載のインクセット。
  8. 少なくとも1種以上のインク組成物と該インク組成物中の少なくとも1種と反応し該インクを凝集せしめる反応液を有するインクジェット用インクセットを用いるインクジェット記録方法において、該インク組成物が少なくともアニオン性物質により分散されているもしくは表面にアニオン性基を有する第一の顔料インク及びアニオン性物質により分散されているもしくは表面にアニオン性基を有し且つ該第1のインクと同一の色調を有し、該第一のインクよりも色材の濃度が低く且つ顔料の重量平均粒径が大きい第二のインクを有することを特徴とするインクジェット記録方法。
  9. 前記反応液を前記インクに先だって記録媒体に記録する工程を少なくとも含むことを特徴とする請求項8記載のインクジェット記録方法。
  10. 前記第一の顔料インクの重量平均粒径が120nm以下であることを特徴とする請求項8または9記載のインクジェット記録方法。
  11. 前記第二の顔料インクの重量平均粒径が120nm以上であることを特徴とする請求項8または9記載のインクジェット記録方法。
  12. 前記第一の顔料インクの重量平均粒径と前記第二の顔料インクの重量平均粒径の差が40nm以上であることを特徴とする請求項8ないし11いずれか記載のインクジェット記録方法。
  13. 前記同一の色調を有する顔料インクが、シアン及びマゼンタであることを特徴とする請求項8ないし12いずれか記載のインクジェット記録方法。
  14. 前記反応液が多価金属を含有することを特徴とする請求項8ないし13いずれか記載のインクジェット記録方法。
  15. 前記多価金属がCa2+、Cu2+、Ni2+、Mg2+、Zn2+、Ba2+、Al3+、Fe3+、Cr3+、Y3+の何れか1種を含むことを特徴とする請求項14記載のインクジェット記録方法。
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