JP2004105797A - 薬液の脱気方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】膜材が劣化することなく、かつ処理する薬液の組成を変化させずに薬液中の溶存気体を脱気できる薬液の脱気方法の提供。
【解決手段】有機溶媒を含む薬液の脱気方法において、凝集エネルギー密度の平方根が13(MPa)1/2以上である有機溶媒を含む薬液を、ポリオレフィン製の均質膜の片側に通液し、該均質膜の他方側を減圧することを特徴とする薬液の脱気方法。
【選択図】  なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機溶媒を含有する液体中に存在する気体の脱気方法に関し、より詳しくは半導体製造工程で使用する薬液、各種インク、オイル、分析機器用溶媒等の薬液中の微細気泡の除去及び発生抑制、酸化防止などの目的で薬液中の溶存気体を脱気する際に用いるのが好適な薬液の脱気方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
工業用に利用される薬液の脱気については、種々の脱気方法が提案されているが、例えば、薬液を使用する装置内で気泡の発生抑制及び発生した気泡を除去するために配管やタンクにガス抜き手段を設ける方法、薬液が貯蔵してあるタンク内を減圧して脱気する方法等がある。
【0003】
上記の脱気方法において、配管やタンクにガス抜きを設ける方法では、脱気効果が不十分であるために、薬液中の気泡を十分脱気するまでには至っていない。また、薬液の貯蔵タンク内を減圧して脱気する方法では、貯蔵タンクからユースポイントまで薬液が搬送される際に搬送用の加圧気体等が混入し、ユースポイントではやはり気泡が発生してしまうという問題点があった。
【0004】
これらを解決するために、気体透過膜を用いて膜の一方に液体を通じ、もう一方を減圧することによって、薬液中の溶存気体のみを膜を透過させるような、膜を用いた脱気方法が提案されている。特許文献1においては、中空糸膜を利用した脱気方法が提案されており、これによりインラインで効率よく脱気でき、ユースポイントで確実に気泡の発生が抑制される脱気方法である。
【0005】
しかしながら、脱気を行う薬液の種類と使用する膜材の組み合わせによっては、膜素材の耐久性がしばしば問題となる。特に有機溶媒を含む薬液では、膜材そのものを溶解したり、または膨潤、崩壊させるような組み合わせの場合があり、このような場合は脱気を行うことができない。均質層がポリウレタンでこの均質層をポリエチレンの多孔質層で挟み込んだような三層複合膜(例えば、特許文献2参照)は、均質層と特定の有機溶媒が接触してしまうと、極めて短時間で膜が損傷あるいは溶解してしまい、使用できなくなってしまう。また、シリコン系の共重合体薄膜においても有機溶媒で膨潤が著しく、薄膜の機械的強度が低下しやすいという問題がある(例えば特許文献3参照)。
【0006】
また、膜の材質によっては対象とする薬液に含まれる有機溶媒蒸気の透過性も問題となり、多量の有機溶媒蒸気が膜を介して透過し、脱気処理が行われても処理後の薬液の組成が変化してしまうと、薬液としての性状が変わってしまい、その後目的の用途に使用できなくなるという問題が生じる。
【0007】
【特許文献1】
特開平11−244607号公報
【特許文献2】
特開平3−169303号公報
【特許文献3】
特開平11−104473号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記課題を解決するためになされたもので、特定の有機溶媒において、膜材が劣化することなく、また処理する薬液の組成を変えることなく薬液中の溶存気体を脱気できる薬液の脱気方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、有機溶媒を含む薬液の脱気方法において、凝集エネルギー密度の平方根が13(MPa)1/2以上である有機溶媒を含む薬液を、ポリオレフィン製の均質膜の片側に通液し、該均質膜の他方側を減圧することを特徴とする薬液の脱気方法である。
【0010】
また、もう一つの本発明は、有機溶媒を含む薬液の脱気方法において、膜材に対する蒸気透過量が20℃で200g・mm/m・day以下である有機溶媒を含む薬液を、均質膜の片側に通液し、該均質膜の他方側を減圧することを特徴とする薬液の脱気方法である。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の有機溶媒を含む薬液の脱気方法においては、第1の態様では、その凝集エネルギー密度の平方根が13(MPa)1/2以上である有機溶媒を含む薬液を使用する。
【0012】
ここで、有機溶媒の凝集エネルギー密度の平方根δは下式(1)で定義される。
δ=(ΔE/V)1/2 …(1)
(式中、ΔEは有機溶媒の蒸発エネルギー、Vは有機溶媒のモル容積を示す。)すなわち、ΔE/Vは有機溶媒の凝集エネルギー密度を表し、この凝集エネルギー密度は1mL当りの蒸発エネルギーであり、溶媒分子を互いに結合している分子間力に打ち勝って1mLの液体を蒸発するのに要するエネルギー量の尺度である。この凝集エネルギー密度が近い有機溶媒同士は、互いの分子間力も近似しているので互いに相溶しやすくなることが知られている。
【0013】
凝集エネルギー密度の平方根が13(MPa)1/2以上である有機溶媒の脱気においては、材質がポリオレフィンで構成される均質膜を利用することが適当である。13(MPa)1/2より小さい凝集エネルギー密度の平方根を持つ溶媒の場合、疎水性が極めて高く、ポリオレフィン製の膜を膨潤、脆化させる傾向が強く、膜の寿命が著しく短くなってしまう。
凝集エネルギー密度の平方根が13(MPa)1/2以上である有機溶媒としては、ジイイソプロピルエーテル、ミネラルスピリット、ヘキサン、酢酸アミル、ブチルエーテル、フタル酸ジオクチル、ジエチルアミン、ラウリルアルコール、酢酸ブチル、シクロヘキサン、安息香酸エチル、メタクリル酸ブチル、酢酸イソブチル、エチレングリコールジエチルエーテル、メタクリル酸エチル、プロピオン酸エチル、メチルイソアミルケトン、酢酸プロピル、ノニルアルコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、メチルイソプロピルケトン、アクリル酸エチル、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピルベンゼン、ジエチレングリコールモノラウレート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチルケトン、エチルベンゼン、メタクリル酸メチル、酢酸プロピル、キシレン、トルエン、酢酸エチル、ベンゼン、シクロヘキシルベンゼン、1,2,4−トリメチルベンゼン、エチレングリコールメチルエチルアセテート、プロピレンオキサイド、メチルエチルケトン、スチレン、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、酢酸メチル、アセトン、シクロヘキサノン、ジメチルカーボネート、プロピオン酸、テトラエチレングリコール、ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジアセテート、酢酸、プロピレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、アセトアルデヒド、オクチルアルコール、イソブチルアルコール、エチレングリコールモノエチルエーテル、安息香酸メチル、n−ヘキシルアルコール、ピリジン、ジメチルアセトアミド、アミルアルコール、エチレングリコールモノベンジルエーテル、n−ブチルアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、1,3−ブタンジオール、アセトニトリル、n−プロピルアルコール、アクリル酸、ジメチルスルホキシド、ベンジルアルコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、ジメチルホルムアミド、プロピレングリコール、エチルアルコール、メチルアルコール等が挙げられる。
【0014】
また、凝集エネルギー密度の平方根δには、下記式(2)で表される関係がある。
δ=δ +δ +δ    (2)
(式中、δは有機溶媒の分散性に寄与する項、δは有機溶媒の極性に関する項、δは有機溶媒の水素結合に関する項を表す。)
本発明に用いる有機溶媒としては、上記式(2)におけるδまたはδが0でないような溶媒が好ましい。δやδは、溶媒の極性や水素結合の有無に関するファクターであり、これらが「0」であるということは、無極性であるかあるいは水素結合をすることがない溶媒である。このような溶媒ではポリオレフィンとの親和性は比較的高く、組み合わせによっては膜が有機溶媒によって膨潤してしまい膜の劣化や性能低下が引き起こされる。
【0015】
δまたはδが0でない有機溶媒としては、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ビフェニルのような芳香族炭化水素;テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド等のアルデヒド類;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、酢酸エチル、酢酸ブチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジ−n−ブチル等のエステル類;アセトニトリル、エタノールアミン、ジエチルアミン、ジメチルホルムアミド等の窒素含有溶媒;ジメチルスルホキシド等の硫黄含有溶媒;酢酸、プロピオン酸、アクリル酸、安息香酸等のカルボン酸類;メタノール、アルコール、1−プロパノール、イソプロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、ベンジルアルコール、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等のアルコール類;ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノラウレート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールジアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のアルコール誘導体等が挙げられる。
【0016】
また、これらの有機溶媒を含む薬液の中で、ハロゲン元素を構成元素として含む有機溶媒が含まれる薬液に対して脱気を行うことは好ましくない。ハロゲン元素、例えば塩素を含む塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロベンゼン等の有機溶媒は、ポリオレフィン膜素材を比較的短時間で膨潤、劣化させてしまうので、これらの溶媒を含む薬液の脱気を行う時は細心の注意が必要である。
【0017】
本発明の脱気方法においては、上述した有機溶媒単独で構成される薬液であってもよいし、複数の有機溶媒を混合して含むものであっても差し支えない。また、それらの薬液には、常温で固体の物質が溶解されていても構わない。
【0018】
本発明の脱気方法で用いる膜としては、第1の態様においてはポリオレフィン製の均質膜を使用する。上述した有機溶媒を含む薬液に対しては、ポリオレフィン素材が大きな膨潤が少なく、脱気ができる素材として適している。膜材で使用するポリオレフィンとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ4−メチルペンテン−1等が挙げられる。有機溶媒に対しての膨潤並びに劣化、薄膜化のし易さからポリオレフィンの中でもポリエチレンが好ましい素材として挙げられ、その中でも脱気性能を高めるためにガス透過性が高く、特に好ましい素材として直鎖状低密度ポリエチレンが挙げられる。
【0019】
本発明で用いる均質膜とは、均質層の層厚全体において電子顕微鏡で視察されるレベル孔が存在しない非多孔な構造を有する膜をいう。多孔質膜であると上記のような有機溶媒と接触するとすぐ孔は濡れ液が浸透し、減圧側に溶媒が液として滲み出てくることになる。液体として出てくると、減圧脱気することで薬液そのものが損失するだけでなく、薬液の組成が大きく変化したり、減圧する側の真空ポンプや配管に悪影響を与えたりする。均質膜を用いることで液体としての透過が確実に抑えられる。
【0020】
膜の形態については、平膜、管状膜、中空糸膜等任意のものが使用できるが、コンパクトなケースに大きな膜面積を収納できるという点や、膜面における気液界面の境膜が乱れ易さにより脱気性能が向上できる点で、中空糸膜が好ましい。
【0021】
さらに好ましい膜構造としては、ポリオレフィンで構成される均質層(均質膜)の両面に多孔質層が配された三層構造を有する中空糸膜が挙げられる。このような構造で、ガス分離機能を有する均質層の薄膜化を達成することができ、ガス透過性能の向上ひいては脱気性能の向上につながる。均質層だけの膜の場合、膜そのものの機械的強度を保持するためにはある程度の膜厚が必要であるが、膜厚が厚くなればガスの透過性が低下する。上記のような三層構造にすることにより膜全体の強度は両面の多孔質層が保持し、その部分におけるガスの透過抵抗は極めて小さい。一方、均質層は薄膜化することができるのでガス透過性を向上できる。
【0022】
このような三層膜の多孔質層を構成するポリマーとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ3−メチルブテン−1、ポリ4−メチルペンテン−1等のポリオレフィン、フッ素系ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン等のポリマーが挙げられる。
【0023】
なお、この三層膜における均質層の厚みは0.2〜10μmの範囲が好ましい。0.2μmより薄いと薄膜化した時にピンホールが形成されやすくなり、そこから薬液の漏れが生じる。また、均質層を若干膨潤させるような薬液の場合には、薄すぎると膨潤によって極短時間で均質層の破壊が進行してしまうことがある。また、均質層の膜厚が10μmより厚いとガス透過性能が低すぎて脱気効率が低いものになってしまう。
【0024】
さらに、本発明の脱気方法においては、脱気する際に膜を薬液(溶媒)蒸気の透過が低いことが好ましい。本発明方法の第2の態様では、均質な膜材に対する蒸気の透過量が、20℃で200g・mm/m・day以下であるような有機溶媒と膜材の組み合わせを使用する。蒸気透過量がこれより高いと、脱気する際に対象とする薬液から有機溶媒が蒸気として抜け出す量が多く、薬液の組成を変えてしまうことがある。また、多量の有機溶媒蒸気が減圧側に抜け出した場合、真空ポンプなどの駆動系に悪影響を与えることがある。また、多量の有機溶媒蒸気が出てくる場合には、排気の対策も講じなければならない。さらに好ましい有機溶媒の蒸気透過量としては、150g・mm/m・day以下であるような膜材と溶媒の組み合わせである。
【0025】
均質膜の材質に低密度ポリエチレンを用いた場合、150g・mm/m・day以下であるような溶媒は、o−キシレン、イソプロパノール、メタノール、エタノール、イソペンタン、n−ヘキサン、エチレングリコールモノブチルエーテル、グリセリン、n−ブタノール、ベンジルアルコール、シクロヘキサン、アセトン、酢酸、ジエチレングリコール、酢酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキシルベンゼン、1,2,4−トリメチルベンゼン等が挙げられる。
【0026】
均質膜は膜の形態に応じてモジュール化され、膜の片側に脱気をする薬液を通液し、もう一方側を減圧することによって脱気処理を連続的に行うことが可能である。脱気する際の薬液流量や減圧する側の真空度は、目的とする脱気の度合によって任意で決めることができる。
【0027】
膜モジュールは、様々な薬液と接触されることになるので、モジュール内の接液部は、膜はもちろんのことそれ以外の部材にも耐薬液性が要求される。したがって、モジュール構成部材にはポリエチレンやポリプロピレンのようなポリオレフィン系ポリマーやポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系ポリマー等が挙げられる。
【0028】
【実施例】
[実施例1]
均質層に直鎖状低密度ポリエチレン(ウルトゼックス 20200J、商品名、三井化学(株)製)を用い、均質層の両側から高密度ポリエチレンハイゼックス2200J、商品名、三井化学(株)製)の多孔質層を配して挟み込んだ三層構造を有する中空糸膜を用いて、イソプロパノールの脱気を行った。イソプロパノールの凝集エネルギー密度の平方根δは23.5(MPa)1/2で、均質層に対するイソプロパノール蒸気の20℃での透過量は、0.4g・mm/m・dayであった。
【0029】
用いた中空糸膜の内径は200μm、外径280μm、均質層の厚みは2μmで、この中空糸膜を8320本束ねた中空糸束をポリエチレン製ケースに挿入し、中空糸膜それぞれの両端部において開口状態を保持したままポリエチレン樹脂で気密に固定された中空糸膜モジュールを作製した。このときの中空糸膜モジュールの膜面積(内表面)は0.4mであった。
【0030】
この中空糸膜モジュールの中空糸膜の内側にイソプロパノールを20℃で、120mL/minで通液し、中空糸膜の外側を3.2kPaまで減圧にしてイソプロパノールの脱気を行った。その結果、初期83ppmあった溶存酸素濃度が、47ppmまで脱気することができた。
【0031】
なお、この中空糸膜モジュールを用い、上記の条件で6ヶ月間液漏れを生じることなく脱気処理を継続することができた。
【0032】
[実施例2]
実施例1で作製した中空糸膜モジュールと同様のモジュールを用い、プロピレングリコールモノメチルアセテートの脱気を行った。プロピレングリコールモノメチルアセテートの凝集エネルギー密度の平方根δは17.8(MPa)1/2で、均質層に対するプロピレングリコールモノメチルアセテート蒸気の20℃での透過量は、0.55g・mm/m・dayであった。
【0033】
この中空糸膜モジュールの中空糸膜の内側にプロピレングリコールモノメチルアセテートを20℃で、50mL/minで通液し、中空糸膜の外側を3.0kPaまで減圧にしてプロピレングリコールモノメチルアセテートの脱気を行った。その結果、初期63ppmあった溶存酸素濃度が、15ppmまで脱気することができた。
【0034】
なお、この中空糸膜モジュールを用い、上記の条件で3ヶ月間液漏れを生じることなく脱気処理を継続することができた。
【0035】
[実施例3]
実施例1で作製した中空糸膜モジュールと同様のモジュールを用い、ベンゼンの脱気を行った。ベンゼンのδは18.8(MPa)1/2で、均質層に対するベンゼン蒸気の20℃での透過量は、170g・mm/m・dayであった。
【0036】
この中空糸膜モジュールの中空糸膜の内側にベンゼンを20℃で、50mL/minで通液し、中空糸膜の外側を4.4kPaまで減圧にしてベンゼンの脱気を行った。その結果、初期68ppmあった溶存酸素濃度が、18ppmまで脱気することができた。
なお、この中空糸膜モジュールを用い、上記の条件で40日間液漏れを生じることなく脱気処理を継続することができた。
【0037】
【発明の効果】
本発明の薬液の脱気方法を利用することにより、特定の有機溶媒を含む薬液の脱気において、膜材が劣化したり、薬液の組成が変化したりすることなく、脱気処理が長時間にわたって効率よく安定して継続することができる。

Claims (9)

  1. 有機溶媒を含む薬液の脱気方法において、凝集エネルギー密度の平方根が13(MPa)1/2以上である有機溶媒を含む薬液を、ポリオレフィン製の均質膜の片側に通液し、該均質膜の他方側を減圧することを特徴とする薬液の脱気方法。
  2. 有機溶媒を含む薬液の脱気方法において、膜材に対する蒸気透過量が20℃で200g・mm/m・day以下である有機溶媒を含む薬液を、均質膜の片側に通液し、該均質膜の他方側を減圧することを特徴とする薬液の脱気方法。
  3. 有機溶媒を含む薬液の脱気方法において、凝集エネルギー密度の平方根が13(MPa)1/2以上であり、かつ膜材に対する溶媒蒸気透過量が20℃で200g・mm/m・day以下である有機溶媒を含む薬液を、ポリオレフィン製の均質膜の片側に通液し、該均質膜の他方側を減圧することを特徴とする薬液の脱気方法。
  4. 有機溶媒の凝集エネルギー密度の平方根δが下記関係式
    δ=δ +δ +δ
    (式中、δは有機溶媒の分散性に寄与する項、δは有機溶媒の極性に関する項、δは有機溶媒の水素結合に関する項を表す。)
    で表される場合に、δまたはδが0でない有機溶媒を用いる請求項1または3記載の薬液の脱気方法。
  5. 有機溶媒が構成元素にハロゲン元素を含まないものである請求項1〜4のいずれか一項に記載の薬液の脱気方法。
  6. ポリオレフィンがポリエチレンである請求項1、3、4または5記載の薬液の脱気方法。
  7. ポリエチレンが直鎖状低密度ポリエチレンである請求項6記載の薬液の脱気方法。
  8. ポリオレフィン製の均質膜がポリオレフィンで構成される均質層の両面に多孔質層が配された三層構造を有する中空糸膜で、該中空糸膜の内側または外側に薬液を通液し、他方側を減圧することを特徴とする請求項1、3、4、5、6または7記載の薬液の脱気方法。
  9. 均質層の厚みが0.2〜10μmである請求項8記載の薬液の脱気方法。
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