JP2004103185A - 光学的情報記録装置、システム、及び方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】光ディスクへの記録に当たって、光ディスクを回転させる速度を制御することで不要な消費電力を抑えることができるようにする。
【解決手段】ホストコンピュータ2からドライブ装置1に記録の要求(WRITEコマンド)が来た場合、ドライブ装置1の電源情報取得手段は、ホストコンピュータ2で省エネルギーモードが設定されているか否かを調べる。ホストコンピュータ2で省エネルギーモードが設定されていた場合、ドライブ装置1の回転制御モード選択手段は、回転制御手段による記録方式をCAV方式に設定する。この設定後、又は省エネルギーモードが設定されていない場合、それぞれの記録モード(CLV or CAV)でディスク3へのデータ記録を開始する。
【選択図】 図4
【解決手段】ホストコンピュータ2からドライブ装置1に記録の要求(WRITEコマンド)が来た場合、ドライブ装置1の電源情報取得手段は、ホストコンピュータ2で省エネルギーモードが設定されているか否かを調べる。ホストコンピュータ2で省エネルギーモードが設定されていた場合、ドライブ装置1の回転制御モード選択手段は、回転制御手段による記録方式をCAV方式に設定する。この設定後、又は省エネルギーモードが設定されていない場合、それぞれの記録モード(CLV or CAV)でディスク3へのデータ記録を開始する。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばCD−R/RW、DVD−R/−RW、+R/+RWといった光学的情報記録媒体に光を照射することで情報記録を行う光学的情報記録装置、システム、及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、書き換え可能な光ディスクとして、例えばCD−R/RW、DVD−R/−RW、+R/+RWがあり、そうした光ディスクの少なくとも1種類に対して読み出しや書き込みが可能な各種のドライブ装置(光学的情報記録装置)がある。
【0003】
こうしたドライブ装置での記録方式は、CLV(Constant Linear Velocity:内周と外周とで記録速度(線速度)が一定)方式が一般的だったが、近年の記録速度の高速化に伴い、内周と外周で回転速度に差が出すぎてしまい、内周記録時の線速度を外周記録時と同じに保つのが困難になってきた。
このため、記録方式としてCAV(Constant Angular Velocity:ディスク回転速度(角速度)が一定)方式をサポートする装置も出てきた。
【0004】
また、先願発明例として特開2000−182309号公報(特許文献1)がある。
この発明は、消費電力を抑制すると共に騒音を押さえることを目的とするものであり、その解決手段は基本的に装置を等倍速(1倍速のCLV)で動作させ、必要に応じて倍速指定する、というものである。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−182309号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来のドライブ装置、即ち記録方式としてCAVとCLVとをサポートするドライブ装置に、ランダムアドレス記録可能な光ディスクが挿入され、ドライブ装置がディスクに対して内周を記録した後、すぐに外周を記録するような動作を行った場合、CLV方式で記録するのとCAV方式で記録するのとでは動作が異なる。
【0007】
記録方式がCLV方式だった場合、内周と外周ではディスクの回転速度が異なるので、外周を記録する時、装置はディスクの線速度を内周で記録を行った速度に合わせる必要がある。この為、装置はディスクの回転速度を下げる作業が発生する。逆に外周を記録した後内周を記録する場合はディスクの回転速度を上げなければならない。
一方、記録手段がCAV方式だった場合は、回転速度を変える必要はない。
【0008】
従って、CLV方式での情報記録は、CAV方式に比べて回転速度制御の為の電力を消費してしまう。ランダムアクセスで、内周と外周を頻繁に交互に記録するような場合だと、記録方式がCAVか、CLVかで消費電力に差がでる。
これは例えば、装置がノートPCに内臓されていて、ノートPCのバッテリで駆動している場合等は切実な問題となる。また、バッテリ駆動でない場合でも消費電力は少ない方が望ましい。
【0009】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、光ディスクへの記録に当たって、光ディスクを回転させる速度を制御することで不要な消費電力を抑えることができる光学的情報記録装置、システム、及び方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために、本発明は以下の特徴を有する。
請求項1記載の発明は、光学的情報記録媒体に対して光を照射することにより情報記録を行う光学的情報記録装置であって、光学的情報記録媒体を角速度一定および線速度一定の少なくとも2つの回転制御モードで情報記録可能に回転させる回転制御手段と、情報記録を行うときの電源管理の情報を取得する電源情報取得手段と、電源情報取得手段で取得した電源管理の情報に基づいて回転制御モードの選択を行う回転制御モード選択手段と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項2記載の発明は、情報記録可能に挿入された光学的情報記録媒体がランダムアクセス可能か否かを識別する識別手段を備え、挿入された光学的情報記録媒体が識別手段によりランダムアクセス可能と識別された場合のみ回転制御モード選択手段が電源管理の情報に基づいた選択を行うことを特徴とする。
【0012】
請求項3記載の発明は、上記した電源情報取得手段が、接続されたホストコンピュータの電源がバッテリであるか否かの情報を取得し、取得された該情報を用いて回転制御モード選択手段が回転制御モードの選択を行うことを特徴とする。
【0013】
請求項4記載の発明は、上記した回転制御モード選択手段が、電源情報取得手段によりホストコンピュータの電源がバッテリであるという情報が取得されると、該ホストコンピュータで設定された省エネモードに応じて回転制御モードの選択を切り替えることを特徴とする。
【0014】
請求項5記載の発明は、光学的情報記録媒体に対して光を照射することにより情報記録を行う光学的情報記録装置と、該光学的情報記録装置に接続されて当該装置を制御可能なホストコンピュータとを備えてなる光学的情報記録システムであって、ホストコンピュータは、外部からの入力を受ける入力手段と、光学的情報記録装置による光学的情報記録媒体への情報記録を入力手段からの入力により省エネルギーモードに設定して制御する制御手段とを備え、光学的情報記録装置は、光学的情報記録媒体を角速度一定および線速度一定の少なくとも2つの回転制御モードで情報記録可能に回転させる回転制御手段と、ホストコンピュータが省エネルギーモードに設定されているか否かの情報を取得する電源情報取得手段と、電源情報取得手段により省エネルギーモードに設定されているという情報が取得されると角速度一定の回転制御モードを選択する回転制御モード選択手段と、を備えたことを特徴とする。
【0015】
請求項6記載の発明は、上記した光学的情報記録装置が、情報記録可能に挿入された光学的情報記録媒体がランダムアクセス可能か否かを識別する識別手段を備え、上記した回転制御モード選択手段は、挿入された光学的情報記録媒体が識別手段によりランダムアクセス可能と識別された場合のみ、省エネルギーモードに設定されているという情報により角速度一定の回転制御モードの選択を行うことを特徴とする。
【0016】
請求項7記載の発明は、上記したホストコンピュータの制御手段が、電源がバッテリであるか否かを識別し、バッテリであると識別すると該バッテリの残容量を確認し、省エネルギーモードは複数段階の設定が可能な中から確認された残容量に応じて設定されることを特徴とする。
【0017】
請求項8記載の発明は、上記した電源情報取得手段が、省エネルギーモードにおける複数段階の内の設定された段階の情報を取得し、回転制御モード選択手段は、電源情報取得手段により取得された設定された段階の情報に応じて異なる回転制御モード(CAV記録時回転速度)を選択することを特徴とする。
【0018】
請求項9記載の発明は、光学的情報記録媒体に対して光を照射することにより情報記録を行う光学的情報記録方法であって、省エネルギーモードに設定されているか否かを識別するモード識別工程と、モード識別工程で省エネルギーモードに設定されていると識別すると、光学的情報記録媒体を角速度一定の回転制御モードで情報記録可能に回転させて情報記録を行う角速度一定記録工程と、を備えたことを特徴とする。
【0019】
請求項10記載の発明は、光学的情報記録装置に情報記録可能に挿入された光学的情報記録媒体がランダムアクセス可能か否かを識別する媒体識別工程を備え、媒体識別工程によりランダムアクセス可能と識別された場合のみ、角速度一定記録工程での情報記録を行うことを特徴とする。
【0020】
請求項11記載の発明は、ホストコンピュータの電源がバッテリであるか否かを識別する電源識別工程と、電源識別工程により電源がバッテリであると識別されると、該バッテリの残容量を確認する残容量確認工程と、省エネルギーモードを複数段階の設定が可能な中から残容量確認工程で確認された残容量に応じて設定するモード設定工程と、を備えたことを特徴とする。
【0021】
請求項12記載の発明は、上記したモード識別工程では、モード設定工程により設定された省エネルギーモードの段階を識別し、上記した角速度一定記録工程では、モード識別工程で識別された省エネルギーモードの段階に応じて異なる角速度による回転制御モード(CAV記録時回転速度)を選択することを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係る光学的情報記録装置、システム、及び方法を図1から図9を用いて詳細に説明する。
以下に、本発明に係る光学的情報記録装置をCD−R/RWドライブ装置に適用した場合の実施形態について説明する。
【0023】
本発明の実施形態としての光学的情報記録システムは、図1に示すように、ディスク(CD−RWディスクなど)3への情報の読み出し(再生)や書き込み(記録)を行うドライブ装置(光学的情報記録装置)1と、そのドライブ装置1に接続されて当該ドライブ装置1を制御可能なホストコンピュータ2とを備えて構成される。
また、上記のディスク3は、ドライブ装置1に所定の方式により装着されて光を照射することにより情報の記録や再生が可能なものである。
【0024】
ドライブ装置1は、所定の方式により装着されたディスク3を回転させるスピンドルモータ11と、ディスク3にレーザを照射するための光ピックアップ13と、それらの制御を行うものとを備えている。スピンドルモーター11の回転制御は回転制御系12で行い、光ピックアップ13の制御は光ピックアップ制御系17で行う。粗動モータ14は光ピックアップ13をディスクの半径方向に移動させるモータで、粗動モータ14の制御を行うのが粗動モータ制御系15である。また、信号処理系16は光ピックアップ13からの信号の処理や、ディスク3に記録を行う為のデータの送受信を行う。コントローラ18は装置全体の制御を行うものである。
【0025】
すなわち、コントローラ18による制御の下に、上記した回転制御系12がスピンドルモータ11を制御すると共に、上記した粗動モータ制御系15が粗動モータ14を制御して光ピックアップ13を移動させ、その光ピックアップ13を光ピックアップ制御系17が制御することにより、ディスク3を予め定められた回転制御モードで情報記録可能に回転させる回転制御手段として機能する。
この回転制御手段は、所定の方式によりドライブ装置1に装着されたディスク3を、CLV(線速度一定)方式やCAV(角速度一定)方式の少なくとも2つの回転制御モードで情報記録可能に回転させて制御する。また、このCAV方式は、複数の角速度による回転制御モードを備えている。
【0026】
また、コントローラ18による制御の下に、ディスク3に照射した光を受けた光ピックアップ13からの信号の処理を信号処理系16が行うことにより、そのディスク3がランダムアクセス可能か否かを識別する識別手段として機能する。
【0027】
また、コントローラ18がホストコンピュータ2と通信を行うことで、ホストコンピュータ2が省エネルギーモードに設定されているか否かなど、ホストコンピュータ2がドライブ装置1により情報記録を行うときの電源管理の情報を取得する電源情報取得手段として機能する。なお、ここで取得する上記電源管理の情報とは、ホストコンピュータ2が省エネルギーモードに設定されているか否か、設定されているならば複数段階の内のどの段階として設定されているか、といった情報である。
また、コントローラ18は、ホストコンピュータ2の上記した電源管理の情報に基づいて予め定められた回転制御モードの選択を行う回転制御モード選択手段としても機能する。
【0028】
ホストコンピュータ2は、ユーザからの入力を受ける入力手段と、ホストコンピュータ2の動作やドライブ装置1との通信などの制御を行う制御手段とを備えてなる。
入力手段は、例えばキーボードやマウスなどである。
制御手段は、CPUなど所要の電子部品がHDDなどの記憶部に記憶されたプログラムにより動作することで機能し、ドライブ装置1によるディスク3への情報記録を省電力モードに設定したり、電源がバッテリであるか否かを識別したり、バッテリであると識別するとそのバッテリの残容量を確認して複数段階の設定が可能な省エネルギーモードの中から確認されたその残容量に応じて省エネルギーモードの段階を設定したりする。
【0029】
次に、本発明の実施形態としての光学的情報記録システムの動作について説明する。
まずホストコンピュータ2が省エネルギーモードを設定する手段を説明する。ここでは、ホストコンピュータ2が省エネルギーモードを設定する手段として、ModePageを用いる場合を例に説明する。
【0030】
図2にPower condition pageのByte3、Bit2に、省エネルギーモード用のビットとしてPMCWM(Power Management by Changing Write Method )を用意したものを示す。
以降に、ホストコンピュータ2がこのPMCWMを”1”にセットした場合、省エネルギモードに設定したことを意味し、”0”にセットした場合は、省エネルギーモードに設定していないことを意味するものとして説明していく。なお、上記のPMCWMビットの設定は、ModeSelectコマンドを用いれば可能である。
なお、本発明ではSFF8090Iで定義されるPower condition pageを使用する。
【0031】
ホストコンピュータ2がPMCWMに”0”を設定するか、”1”を設定するかは、ライターソフトのオプション等で、例えば図3に示すようなチェックボックスを用意して表示画面に表示されるようにし、ユーザーが該チェックボックスを”チェック”しているか否かで判断してもよい。
【0032】
次に、ホストコンピュータ2が省エネルギーモードに設定されている場合に、ドライブ装置1が情報記録における回転制御モードを切り替える動作について、図4のフローチャートを用いて説明する。この図4は、ドライブ装置1における動作例を示すものである。
【0033】
ホストコンピュータ2からドライブ装置1に記録の要求(WRITEコマンド)が来た場合(ステップS11)、ドライブ装置1の上記した電源情報取得手段は、ホストコンピュータ2で省エネルギーモードが設定されているか否かを調べる(ステップS12)。
これは、図2に示すPower condition pageのByte3、Bit2のPMCWMが”1”にセットされているか否かで判断すれば良い。”1”(省エネルギーモードが設定されていた場合)はステップS13へ、”0”(省エネルギーモードが設定されていた場合)はステップS14(記録開始)へ移行する。
【0034】
ホストコンピュータ2で省エネルギーモードが設定されていた場合、ドライブ装置1の上記した回転制御モード選択手段は、上記した回転制御手段による記録方式をCAV方式に設定する(ステップS13)。この設定は、Set CD SpeedコマンドでWriteSpeedを所定のSpeedに設定してやれば良い。設定されると、ステップS14として、それぞれの記録モード(CLV
or CAV)でディスク3へのデータ記録を開始する。
【0035】
次に、ドライブ装置1に装着されたディスク3がランダムアクセス可能か否かの識別結果を用いて上述した回転制御モードの切り替えを行う際の動作について、図5、図6を用いて説明する。
【0036】
CD−R/RWドライブ装置において、ランダムアドレス記録を行うことができるのは、ディスクがCD−RWであり、且つFixedPacketと呼ばれる記録方式の場合のみである。
【0037】
まず、FixedPacketについて説明する。
FixedPacketとは、1つのトラックを複数の固定ブロック長のパケットに分割して書き込む方法である。
あらかじめCD−RWメディアにパケット単位で所定のデータの記録を行っておく(この動作をフォーマットという)ことで、ディスク3にランダムにアクセスできるようになっている。参考として、FixedPacketされたメディアのデータ構成例を図5に示す。
図中に出てくるランインとランアウトは、いわゆる”継ぎ目”のことで、ランインからランアウト間のデータのまとまりを「パケット」と呼ぶ。
【0038】
上述したFixedPacket以外の記録方式の場合(例えばTrack at Once(TAO)、Disc at Once(DAO)、Variavle Packet、等)、ランダムアドレス記録はできず、いずれの記録方式でもディスクの内周から順に記録を行っていくことになる。
従って、内周と外周を頻繁に交互に記録するような記録方法はFixedPacketのみなので、記録方式の違い(CLVか、CAVか)で消費電力に差が出るのはFixedPacketのみといえる。
【0039】
従って、図6に示す動作を行わない場合、FixedPacket以外の記録では、省エネルギーモードが設定されていたとしても省エネルギーの効果が得られないにも関らず、ホストコンピュータが設定して来る速度と異なる記録方式で記録をすることになる。
【0040】
この図6に示すランダムアクセス可能か否かの識別結果を用いる動作例について説明する。
ステップS21とステップS22とは、上述したステップS11とステップS12との動作と同様である。
ステップS22で省エネルギーモードが設定されていた場合、ドライブ装置1の上記した識別手段は、装着されたディスク3がCD−RWディスクで且つFixedPacketのディスクであるか否かを判定(識別)する(ステップS23)。
【0041】
この識別は、挿入されているディスク3がFIXED PACKETのCD−RWか否かを見ればよい。FIXEDPACKETのCD−RWの場合はランダムアドレス記録を行う可能性があり、そうでなければ、ランダムアドレス記録は行われないと判断する。これはReadDiscInfoコマンドとReadTrackコマンドを用いることによって実現できる。
ランダムアドレス記録が行われない場合はステップS24へ、そうでない場合はステップS25へ移行する。ステップS24は上述したステップS13と同様であり、ステップS25は上述したステップS14と同様である。
【0042】
次に、ホストコンピュータ2の電源状態に応じて上記した回転制御モードを切り替える際の動作について、図7から図9を用いて説明する。
【0043】
上述したように、状況に応じてCAV方式に切り替えて記録することにより省エネルギー化を図るとしても、ドライブ装置1での記録速度を速く設定した場合と、記録速度を低く設定した場合とではそのドライブ装置1での消費電力が変わってくる。当然、速い記録速度でドライブ装置1を動作させる場合のほうが消費電力は多くなる。
【0044】
ドライブ装置1の電源がノートPC等のバッテリ等の場合で、バッテリの残量が少ない場合、上述したようにCAV方式に切り替えて記録するとしても、記録速度を最高速に設定することは消費電力を考えると望ましくない場合がある。常に最高速として消費電力を大きくしていると、記録の途中でバッテリが切れてしまい電源が落ちてしまう、といった不具合の可能性が高くなる虞がある。
【0045】
図7に示す本実施形態の動作では、ホストコンピュータ2がドライブ装置に記録の要求をする場合、ホストコンピュータ2はまず、省エネルギーモードを有効にするかどうかを判断する(ステップS31)。この判断は、図3の画面表示例を用いて上述したものである。
【0046】
ホストコンピュータ2は、ドライブ装置に記録要求を出す前に、ホストコンピュータ2がバッテリ駆動であるか否かを確認(識別)する(ステップS32)。この識別は、Windows(登録商標) OSの場合、電源ステータスを確認すればよい。バッテリ駆動であると判断した場合は、ステップS33へ移行する。
【0047】
バッテリ駆動と判断した場合には、ホストコンピュータ2の制御手段22は、バッテリの残容量を確認する(ステップS33)。確認すると、残りバッテリ容量に応じたPMCWMを設定する(ステップS34)。設定例を図8に示す。
こうして設定されたPMCWMに応じてドライブ装置1は、CAVの回転速度を決定する。CAV速度設定例を図9に示す。
【0048】
ドライブ装置1の上記した回転制御手段は、例えば図9に示すような複数の回転速度に対応する回転制御モードでの動作が可能であり、回転制御モード選択手段は、ディスク3にデータを記録する際に図9中のPMCWMに応じた回転速度の回転制御モードを設定することとしてよい。
【0049】
このように、本発明に係る光学的情報記録システムは、消費電力を押さえるためにホストコンピュータ2に省エネルギーモードを備え、ユーザが省エネルギーモードに設定した場合は、ホストコンピュータ2とドライブ装置1とを備えてなるシステムは自動的に記録方式をCLV方式からCAV方式に変換する。また、ホストコンピュータ2がバッテリ駆動であるかどうかも識別し、バッテリ駆動であると判断(識別)した場合は、そのバッテリ残量に応じて自動的にCAV記録方式の回転速度を切り替えるものである。
【0050】
なお、以上に、本発明に係る光学的情報記録装置をCD−R/RWドライブ装置に適用したものについて説明したが、このものに限定されず、書き込み可能な光学的記録媒体に情報記録を行う光学的情報記録装置であれば、この光学的情報記録装置を例えばDVD−R/−RWドライブなどとしても本発明は同様に適用可能である。
【0051】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、回転制御モード選択手段が電源管理の情報に基づいて回転制御モードの選択を行うことにより、光学的情報記録媒体への記録に当たって回転による不要な消費電力を抑えることができる。
【0052】
また、省エネルギーモードに設定されている場合に回転制御モード選択手段が角速度一定の回転制御モードを選択することにより、情報記録に当たって光学的情報記録媒体を線速度一定に回転させることによる不要な消費電力を抑えることができる。すなわち、光学的情報記録媒体の内周と外周とに交互に記録する場合など、線速度を一定に保つ為に回転速度の加速や減速の動作をする必要がなくなるので、消費電力を抑えることができる。
【0053】
また、情報記録可能に挿入された光学的情報記録媒体がランダムアクセス可能か否かを識別し、ランダムアクセス可能と識別された場合のみ、上記の角速度一定による情報記録を行うことにより、ランダムアクセス可能なディスク以外では光学的情報記録装置による回転制御モードの選択を行わないようにすることができる。
すなわち、省エネルギーモードに設定されていたとしても、記録方式を線速度一定方式から角速度一定方式に変えるだけでは消費電力に差が出ない記録方式(例えばCD−RWにおいては、FixedPacket以外)での記録においては、ホストコンピュータが設定してくる記録方式と異なる記録方式で光学的情報記録装置が記録することをなくすことができる。
【0054】
また、電源がバッテリであるか否かを識別し、バッテリであると識別すると該バッテリの残容量を確認し、その残容量に応じて省エネルギーモードを複数段階の中から設定することにより、バッテリの残容量に応じた省エネルギーモードを選択することができる。
すなわち、バッテリの残量によって省エネルギーモード(角速度一定による設定記録速度)を設定するので、バッテリの容量が少ないにも関らず、高速度で記録してしまい、途中で電源が落ちてしまう、といった不具合の発生頻度を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態としての光学的情報記録システムの構成例を示すブロック図である。
【図2】PMCWMにおける省エネルギーモード設定ビットの例を示す図である。
【図3】ユーザが設定を行う省エネルギーモード設定チェックボックスの表示例を示す図である。
【図4】本実施形態におけるドライブ装置1が情報記録における回転制御モードを切り替える動作の概要を例示するフローチャートである。
【図5】FixedPacketされた光ディスクにおけるデータ構成例を示す図である。
【図6】ランダムアクセス可能か否かの識別結果を用いて図4に示す動作を行う場合の動作の概要を例示するフローチャートである。
【図7】ホストコンピュータ2の電源状態に応じて上記した回転制御モードを切り替える際の動作の概要を例示するフローチャートである。
【図8】バッテリの残容量(残量)とその残容量におけるPMCWMとの設定例を示す図である。
【図9】バッテリの残容量(残量)とその残容量におけるPMCWMとCAVの回転速度との設定例を示す図である。
【符号の説明】
1 ドライブ装置(光学的情報記録装置)
11 スピンドルモータ
12 回転制御系
13 光ピックアップ
14 粗動モータ
15 粗動モータ制御系
16 信号処理系
17 光ピックアップ制御系
18 コントローラ
2 ホストコンピュータ
21 入力手段
22 制御手段
3 ディスク
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばCD−R/RW、DVD−R/−RW、+R/+RWといった光学的情報記録媒体に光を照射することで情報記録を行う光学的情報記録装置、システム、及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、書き換え可能な光ディスクとして、例えばCD−R/RW、DVD−R/−RW、+R/+RWがあり、そうした光ディスクの少なくとも1種類に対して読み出しや書き込みが可能な各種のドライブ装置(光学的情報記録装置)がある。
【0003】
こうしたドライブ装置での記録方式は、CLV(Constant Linear Velocity:内周と外周とで記録速度(線速度)が一定)方式が一般的だったが、近年の記録速度の高速化に伴い、内周と外周で回転速度に差が出すぎてしまい、内周記録時の線速度を外周記録時と同じに保つのが困難になってきた。
このため、記録方式としてCAV(Constant Angular Velocity:ディスク回転速度(角速度)が一定)方式をサポートする装置も出てきた。
【0004】
また、先願発明例として特開2000−182309号公報(特許文献1)がある。
この発明は、消費電力を抑制すると共に騒音を押さえることを目的とするものであり、その解決手段は基本的に装置を等倍速(1倍速のCLV)で動作させ、必要に応じて倍速指定する、というものである。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−182309号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来のドライブ装置、即ち記録方式としてCAVとCLVとをサポートするドライブ装置に、ランダムアドレス記録可能な光ディスクが挿入され、ドライブ装置がディスクに対して内周を記録した後、すぐに外周を記録するような動作を行った場合、CLV方式で記録するのとCAV方式で記録するのとでは動作が異なる。
【0007】
記録方式がCLV方式だった場合、内周と外周ではディスクの回転速度が異なるので、外周を記録する時、装置はディスクの線速度を内周で記録を行った速度に合わせる必要がある。この為、装置はディスクの回転速度を下げる作業が発生する。逆に外周を記録した後内周を記録する場合はディスクの回転速度を上げなければならない。
一方、記録手段がCAV方式だった場合は、回転速度を変える必要はない。
【0008】
従って、CLV方式での情報記録は、CAV方式に比べて回転速度制御の為の電力を消費してしまう。ランダムアクセスで、内周と外周を頻繁に交互に記録するような場合だと、記録方式がCAVか、CLVかで消費電力に差がでる。
これは例えば、装置がノートPCに内臓されていて、ノートPCのバッテリで駆動している場合等は切実な問題となる。また、バッテリ駆動でない場合でも消費電力は少ない方が望ましい。
【0009】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、光ディスクへの記録に当たって、光ディスクを回転させる速度を制御することで不要な消費電力を抑えることができる光学的情報記録装置、システム、及び方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために、本発明は以下の特徴を有する。
請求項1記載の発明は、光学的情報記録媒体に対して光を照射することにより情報記録を行う光学的情報記録装置であって、光学的情報記録媒体を角速度一定および線速度一定の少なくとも2つの回転制御モードで情報記録可能に回転させる回転制御手段と、情報記録を行うときの電源管理の情報を取得する電源情報取得手段と、電源情報取得手段で取得した電源管理の情報に基づいて回転制御モードの選択を行う回転制御モード選択手段と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項2記載の発明は、情報記録可能に挿入された光学的情報記録媒体がランダムアクセス可能か否かを識別する識別手段を備え、挿入された光学的情報記録媒体が識別手段によりランダムアクセス可能と識別された場合のみ回転制御モード選択手段が電源管理の情報に基づいた選択を行うことを特徴とする。
【0012】
請求項3記載の発明は、上記した電源情報取得手段が、接続されたホストコンピュータの電源がバッテリであるか否かの情報を取得し、取得された該情報を用いて回転制御モード選択手段が回転制御モードの選択を行うことを特徴とする。
【0013】
請求項4記載の発明は、上記した回転制御モード選択手段が、電源情報取得手段によりホストコンピュータの電源がバッテリであるという情報が取得されると、該ホストコンピュータで設定された省エネモードに応じて回転制御モードの選択を切り替えることを特徴とする。
【0014】
請求項5記載の発明は、光学的情報記録媒体に対して光を照射することにより情報記録を行う光学的情報記録装置と、該光学的情報記録装置に接続されて当該装置を制御可能なホストコンピュータとを備えてなる光学的情報記録システムであって、ホストコンピュータは、外部からの入力を受ける入力手段と、光学的情報記録装置による光学的情報記録媒体への情報記録を入力手段からの入力により省エネルギーモードに設定して制御する制御手段とを備え、光学的情報記録装置は、光学的情報記録媒体を角速度一定および線速度一定の少なくとも2つの回転制御モードで情報記録可能に回転させる回転制御手段と、ホストコンピュータが省エネルギーモードに設定されているか否かの情報を取得する電源情報取得手段と、電源情報取得手段により省エネルギーモードに設定されているという情報が取得されると角速度一定の回転制御モードを選択する回転制御モード選択手段と、を備えたことを特徴とする。
【0015】
請求項6記載の発明は、上記した光学的情報記録装置が、情報記録可能に挿入された光学的情報記録媒体がランダムアクセス可能か否かを識別する識別手段を備え、上記した回転制御モード選択手段は、挿入された光学的情報記録媒体が識別手段によりランダムアクセス可能と識別された場合のみ、省エネルギーモードに設定されているという情報により角速度一定の回転制御モードの選択を行うことを特徴とする。
【0016】
請求項7記載の発明は、上記したホストコンピュータの制御手段が、電源がバッテリであるか否かを識別し、バッテリであると識別すると該バッテリの残容量を確認し、省エネルギーモードは複数段階の設定が可能な中から確認された残容量に応じて設定されることを特徴とする。
【0017】
請求項8記載の発明は、上記した電源情報取得手段が、省エネルギーモードにおける複数段階の内の設定された段階の情報を取得し、回転制御モード選択手段は、電源情報取得手段により取得された設定された段階の情報に応じて異なる回転制御モード(CAV記録時回転速度)を選択することを特徴とする。
【0018】
請求項9記載の発明は、光学的情報記録媒体に対して光を照射することにより情報記録を行う光学的情報記録方法であって、省エネルギーモードに設定されているか否かを識別するモード識別工程と、モード識別工程で省エネルギーモードに設定されていると識別すると、光学的情報記録媒体を角速度一定の回転制御モードで情報記録可能に回転させて情報記録を行う角速度一定記録工程と、を備えたことを特徴とする。
【0019】
請求項10記載の発明は、光学的情報記録装置に情報記録可能に挿入された光学的情報記録媒体がランダムアクセス可能か否かを識別する媒体識別工程を備え、媒体識別工程によりランダムアクセス可能と識別された場合のみ、角速度一定記録工程での情報記録を行うことを特徴とする。
【0020】
請求項11記載の発明は、ホストコンピュータの電源がバッテリであるか否かを識別する電源識別工程と、電源識別工程により電源がバッテリであると識別されると、該バッテリの残容量を確認する残容量確認工程と、省エネルギーモードを複数段階の設定が可能な中から残容量確認工程で確認された残容量に応じて設定するモード設定工程と、を備えたことを特徴とする。
【0021】
請求項12記載の発明は、上記したモード識別工程では、モード設定工程により設定された省エネルギーモードの段階を識別し、上記した角速度一定記録工程では、モード識別工程で識別された省エネルギーモードの段階に応じて異なる角速度による回転制御モード(CAV記録時回転速度)を選択することを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係る光学的情報記録装置、システム、及び方法を図1から図9を用いて詳細に説明する。
以下に、本発明に係る光学的情報記録装置をCD−R/RWドライブ装置に適用した場合の実施形態について説明する。
【0023】
本発明の実施形態としての光学的情報記録システムは、図1に示すように、ディスク(CD−RWディスクなど)3への情報の読み出し(再生)や書き込み(記録)を行うドライブ装置(光学的情報記録装置)1と、そのドライブ装置1に接続されて当該ドライブ装置1を制御可能なホストコンピュータ2とを備えて構成される。
また、上記のディスク3は、ドライブ装置1に所定の方式により装着されて光を照射することにより情報の記録や再生が可能なものである。
【0024】
ドライブ装置1は、所定の方式により装着されたディスク3を回転させるスピンドルモータ11と、ディスク3にレーザを照射するための光ピックアップ13と、それらの制御を行うものとを備えている。スピンドルモーター11の回転制御は回転制御系12で行い、光ピックアップ13の制御は光ピックアップ制御系17で行う。粗動モータ14は光ピックアップ13をディスクの半径方向に移動させるモータで、粗動モータ14の制御を行うのが粗動モータ制御系15である。また、信号処理系16は光ピックアップ13からの信号の処理や、ディスク3に記録を行う為のデータの送受信を行う。コントローラ18は装置全体の制御を行うものである。
【0025】
すなわち、コントローラ18による制御の下に、上記した回転制御系12がスピンドルモータ11を制御すると共に、上記した粗動モータ制御系15が粗動モータ14を制御して光ピックアップ13を移動させ、その光ピックアップ13を光ピックアップ制御系17が制御することにより、ディスク3を予め定められた回転制御モードで情報記録可能に回転させる回転制御手段として機能する。
この回転制御手段は、所定の方式によりドライブ装置1に装着されたディスク3を、CLV(線速度一定)方式やCAV(角速度一定)方式の少なくとも2つの回転制御モードで情報記録可能に回転させて制御する。また、このCAV方式は、複数の角速度による回転制御モードを備えている。
【0026】
また、コントローラ18による制御の下に、ディスク3に照射した光を受けた光ピックアップ13からの信号の処理を信号処理系16が行うことにより、そのディスク3がランダムアクセス可能か否かを識別する識別手段として機能する。
【0027】
また、コントローラ18がホストコンピュータ2と通信を行うことで、ホストコンピュータ2が省エネルギーモードに設定されているか否かなど、ホストコンピュータ2がドライブ装置1により情報記録を行うときの電源管理の情報を取得する電源情報取得手段として機能する。なお、ここで取得する上記電源管理の情報とは、ホストコンピュータ2が省エネルギーモードに設定されているか否か、設定されているならば複数段階の内のどの段階として設定されているか、といった情報である。
また、コントローラ18は、ホストコンピュータ2の上記した電源管理の情報に基づいて予め定められた回転制御モードの選択を行う回転制御モード選択手段としても機能する。
【0028】
ホストコンピュータ2は、ユーザからの入力を受ける入力手段と、ホストコンピュータ2の動作やドライブ装置1との通信などの制御を行う制御手段とを備えてなる。
入力手段は、例えばキーボードやマウスなどである。
制御手段は、CPUなど所要の電子部品がHDDなどの記憶部に記憶されたプログラムにより動作することで機能し、ドライブ装置1によるディスク3への情報記録を省電力モードに設定したり、電源がバッテリであるか否かを識別したり、バッテリであると識別するとそのバッテリの残容量を確認して複数段階の設定が可能な省エネルギーモードの中から確認されたその残容量に応じて省エネルギーモードの段階を設定したりする。
【0029】
次に、本発明の実施形態としての光学的情報記録システムの動作について説明する。
まずホストコンピュータ2が省エネルギーモードを設定する手段を説明する。ここでは、ホストコンピュータ2が省エネルギーモードを設定する手段として、ModePageを用いる場合を例に説明する。
【0030】
図2にPower condition pageのByte3、Bit2に、省エネルギーモード用のビットとしてPMCWM(Power Management by Changing Write Method )を用意したものを示す。
以降に、ホストコンピュータ2がこのPMCWMを”1”にセットした場合、省エネルギモードに設定したことを意味し、”0”にセットした場合は、省エネルギーモードに設定していないことを意味するものとして説明していく。なお、上記のPMCWMビットの設定は、ModeSelectコマンドを用いれば可能である。
なお、本発明ではSFF8090Iで定義されるPower condition pageを使用する。
【0031】
ホストコンピュータ2がPMCWMに”0”を設定するか、”1”を設定するかは、ライターソフトのオプション等で、例えば図3に示すようなチェックボックスを用意して表示画面に表示されるようにし、ユーザーが該チェックボックスを”チェック”しているか否かで判断してもよい。
【0032】
次に、ホストコンピュータ2が省エネルギーモードに設定されている場合に、ドライブ装置1が情報記録における回転制御モードを切り替える動作について、図4のフローチャートを用いて説明する。この図4は、ドライブ装置1における動作例を示すものである。
【0033】
ホストコンピュータ2からドライブ装置1に記録の要求(WRITEコマンド)が来た場合(ステップS11)、ドライブ装置1の上記した電源情報取得手段は、ホストコンピュータ2で省エネルギーモードが設定されているか否かを調べる(ステップS12)。
これは、図2に示すPower condition pageのByte3、Bit2のPMCWMが”1”にセットされているか否かで判断すれば良い。”1”(省エネルギーモードが設定されていた場合)はステップS13へ、”0”(省エネルギーモードが設定されていた場合)はステップS14(記録開始)へ移行する。
【0034】
ホストコンピュータ2で省エネルギーモードが設定されていた場合、ドライブ装置1の上記した回転制御モード選択手段は、上記した回転制御手段による記録方式をCAV方式に設定する(ステップS13)。この設定は、Set CD SpeedコマンドでWriteSpeedを所定のSpeedに設定してやれば良い。設定されると、ステップS14として、それぞれの記録モード(CLV
or CAV)でディスク3へのデータ記録を開始する。
【0035】
次に、ドライブ装置1に装着されたディスク3がランダムアクセス可能か否かの識別結果を用いて上述した回転制御モードの切り替えを行う際の動作について、図5、図6を用いて説明する。
【0036】
CD−R/RWドライブ装置において、ランダムアドレス記録を行うことができるのは、ディスクがCD−RWであり、且つFixedPacketと呼ばれる記録方式の場合のみである。
【0037】
まず、FixedPacketについて説明する。
FixedPacketとは、1つのトラックを複数の固定ブロック長のパケットに分割して書き込む方法である。
あらかじめCD−RWメディアにパケット単位で所定のデータの記録を行っておく(この動作をフォーマットという)ことで、ディスク3にランダムにアクセスできるようになっている。参考として、FixedPacketされたメディアのデータ構成例を図5に示す。
図中に出てくるランインとランアウトは、いわゆる”継ぎ目”のことで、ランインからランアウト間のデータのまとまりを「パケット」と呼ぶ。
【0038】
上述したFixedPacket以外の記録方式の場合(例えばTrack at Once(TAO)、Disc at Once(DAO)、Variavle Packet、等)、ランダムアドレス記録はできず、いずれの記録方式でもディスクの内周から順に記録を行っていくことになる。
従って、内周と外周を頻繁に交互に記録するような記録方法はFixedPacketのみなので、記録方式の違い(CLVか、CAVか)で消費電力に差が出るのはFixedPacketのみといえる。
【0039】
従って、図6に示す動作を行わない場合、FixedPacket以外の記録では、省エネルギーモードが設定されていたとしても省エネルギーの効果が得られないにも関らず、ホストコンピュータが設定して来る速度と異なる記録方式で記録をすることになる。
【0040】
この図6に示すランダムアクセス可能か否かの識別結果を用いる動作例について説明する。
ステップS21とステップS22とは、上述したステップS11とステップS12との動作と同様である。
ステップS22で省エネルギーモードが設定されていた場合、ドライブ装置1の上記した識別手段は、装着されたディスク3がCD−RWディスクで且つFixedPacketのディスクであるか否かを判定(識別)する(ステップS23)。
【0041】
この識別は、挿入されているディスク3がFIXED PACKETのCD−RWか否かを見ればよい。FIXEDPACKETのCD−RWの場合はランダムアドレス記録を行う可能性があり、そうでなければ、ランダムアドレス記録は行われないと判断する。これはReadDiscInfoコマンドとReadTrackコマンドを用いることによって実現できる。
ランダムアドレス記録が行われない場合はステップS24へ、そうでない場合はステップS25へ移行する。ステップS24は上述したステップS13と同様であり、ステップS25は上述したステップS14と同様である。
【0042】
次に、ホストコンピュータ2の電源状態に応じて上記した回転制御モードを切り替える際の動作について、図7から図9を用いて説明する。
【0043】
上述したように、状況に応じてCAV方式に切り替えて記録することにより省エネルギー化を図るとしても、ドライブ装置1での記録速度を速く設定した場合と、記録速度を低く設定した場合とではそのドライブ装置1での消費電力が変わってくる。当然、速い記録速度でドライブ装置1を動作させる場合のほうが消費電力は多くなる。
【0044】
ドライブ装置1の電源がノートPC等のバッテリ等の場合で、バッテリの残量が少ない場合、上述したようにCAV方式に切り替えて記録するとしても、記録速度を最高速に設定することは消費電力を考えると望ましくない場合がある。常に最高速として消費電力を大きくしていると、記録の途中でバッテリが切れてしまい電源が落ちてしまう、といった不具合の可能性が高くなる虞がある。
【0045】
図7に示す本実施形態の動作では、ホストコンピュータ2がドライブ装置に記録の要求をする場合、ホストコンピュータ2はまず、省エネルギーモードを有効にするかどうかを判断する(ステップS31)。この判断は、図3の画面表示例を用いて上述したものである。
【0046】
ホストコンピュータ2は、ドライブ装置に記録要求を出す前に、ホストコンピュータ2がバッテリ駆動であるか否かを確認(識別)する(ステップS32)。この識別は、Windows(登録商標) OSの場合、電源ステータスを確認すればよい。バッテリ駆動であると判断した場合は、ステップS33へ移行する。
【0047】
バッテリ駆動と判断した場合には、ホストコンピュータ2の制御手段22は、バッテリの残容量を確認する(ステップS33)。確認すると、残りバッテリ容量に応じたPMCWMを設定する(ステップS34)。設定例を図8に示す。
こうして設定されたPMCWMに応じてドライブ装置1は、CAVの回転速度を決定する。CAV速度設定例を図9に示す。
【0048】
ドライブ装置1の上記した回転制御手段は、例えば図9に示すような複数の回転速度に対応する回転制御モードでの動作が可能であり、回転制御モード選択手段は、ディスク3にデータを記録する際に図9中のPMCWMに応じた回転速度の回転制御モードを設定することとしてよい。
【0049】
このように、本発明に係る光学的情報記録システムは、消費電力を押さえるためにホストコンピュータ2に省エネルギーモードを備え、ユーザが省エネルギーモードに設定した場合は、ホストコンピュータ2とドライブ装置1とを備えてなるシステムは自動的に記録方式をCLV方式からCAV方式に変換する。また、ホストコンピュータ2がバッテリ駆動であるかどうかも識別し、バッテリ駆動であると判断(識別)した場合は、そのバッテリ残量に応じて自動的にCAV記録方式の回転速度を切り替えるものである。
【0050】
なお、以上に、本発明に係る光学的情報記録装置をCD−R/RWドライブ装置に適用したものについて説明したが、このものに限定されず、書き込み可能な光学的記録媒体に情報記録を行う光学的情報記録装置であれば、この光学的情報記録装置を例えばDVD−R/−RWドライブなどとしても本発明は同様に適用可能である。
【0051】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、回転制御モード選択手段が電源管理の情報に基づいて回転制御モードの選択を行うことにより、光学的情報記録媒体への記録に当たって回転による不要な消費電力を抑えることができる。
【0052】
また、省エネルギーモードに設定されている場合に回転制御モード選択手段が角速度一定の回転制御モードを選択することにより、情報記録に当たって光学的情報記録媒体を線速度一定に回転させることによる不要な消費電力を抑えることができる。すなわち、光学的情報記録媒体の内周と外周とに交互に記録する場合など、線速度を一定に保つ為に回転速度の加速や減速の動作をする必要がなくなるので、消費電力を抑えることができる。
【0053】
また、情報記録可能に挿入された光学的情報記録媒体がランダムアクセス可能か否かを識別し、ランダムアクセス可能と識別された場合のみ、上記の角速度一定による情報記録を行うことにより、ランダムアクセス可能なディスク以外では光学的情報記録装置による回転制御モードの選択を行わないようにすることができる。
すなわち、省エネルギーモードに設定されていたとしても、記録方式を線速度一定方式から角速度一定方式に変えるだけでは消費電力に差が出ない記録方式(例えばCD−RWにおいては、FixedPacket以外)での記録においては、ホストコンピュータが設定してくる記録方式と異なる記録方式で光学的情報記録装置が記録することをなくすことができる。
【0054】
また、電源がバッテリであるか否かを識別し、バッテリであると識別すると該バッテリの残容量を確認し、その残容量に応じて省エネルギーモードを複数段階の中から設定することにより、バッテリの残容量に応じた省エネルギーモードを選択することができる。
すなわち、バッテリの残量によって省エネルギーモード(角速度一定による設定記録速度)を設定するので、バッテリの容量が少ないにも関らず、高速度で記録してしまい、途中で電源が落ちてしまう、といった不具合の発生頻度を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態としての光学的情報記録システムの構成例を示すブロック図である。
【図2】PMCWMにおける省エネルギーモード設定ビットの例を示す図である。
【図3】ユーザが設定を行う省エネルギーモード設定チェックボックスの表示例を示す図である。
【図4】本実施形態におけるドライブ装置1が情報記録における回転制御モードを切り替える動作の概要を例示するフローチャートである。
【図5】FixedPacketされた光ディスクにおけるデータ構成例を示す図である。
【図6】ランダムアクセス可能か否かの識別結果を用いて図4に示す動作を行う場合の動作の概要を例示するフローチャートである。
【図7】ホストコンピュータ2の電源状態に応じて上記した回転制御モードを切り替える際の動作の概要を例示するフローチャートである。
【図8】バッテリの残容量(残量)とその残容量におけるPMCWMとの設定例を示す図である。
【図9】バッテリの残容量(残量)とその残容量におけるPMCWMとCAVの回転速度との設定例を示す図である。
【符号の説明】
1 ドライブ装置(光学的情報記録装置)
11 スピンドルモータ
12 回転制御系
13 光ピックアップ
14 粗動モータ
15 粗動モータ制御系
16 信号処理系
17 光ピックアップ制御系
18 コントローラ
2 ホストコンピュータ
21 入力手段
22 制御手段
3 ディスク
Claims (12)
- 光学的情報記録媒体に対して光を照射することにより情報記録を行う光学的情報記録装置であって、
前記光学的情報記録媒体を角速度一定および線速度一定の少なくとも2つの回転制御モードで情報記録可能に回転させる回転制御手段と、
情報記録を行うときの電源管理の情報を取得する電源情報取得手段と、
前記電源情報取得手段で取得した電源管理の情報に基づいて前記回転制御モードの選択を行う回転制御モード選択手段と、を備えたことを特徴とする光学的情報記録装置。 - 情報記録可能に挿入された光学的情報記録媒体がランダムアクセス可能か否かを識別する識別手段を備え、
挿入された光学的情報記録媒体が前記識別手段によりランダムアクセス可能と識別された場合のみ前記回転制御モード選択手段が電源管理の情報に基づいた選択を行うことを特徴とする請求項1記載の光学的情報記録装置。 - 前記電源情報取得手段は、接続されたホストコンピュータの電源がバッテリであるか否かの情報を取得し、取得された該情報を用いて前記回転制御モード選択手段が前記回転制御モードの選択を行うことを特徴とする請求項1又は2記載の光学的情報記録装置。
- 前記回転制御モード選択手段は、前記電源情報取得手段により前記ホストコンピュータの電源がバッテリであるという情報が取得されると、該ホストコンピュータで設定された省エネモードに応じて回転制御モードの選択を切り替えることを特徴とする請求項3記載の光学的情報記録装置。
- 光学的情報記録媒体に対して光を照射することにより情報記録を行う光学的情報記録装置と、該光学的情報記録装置に接続されて当該装置を制御可能なホストコンピュータとを備えてなる光学的情報記録システムであって、
前記ホストコンピュータは、
外部からの入力を受ける入力手段と、
前記光学的情報記録装置による前記光学的情報記録媒体への情報記録を前記入力手段からの入力により省エネルギーモードに設定して制御する制御手段とを備え、
前記光学的情報記録装置は、
前記光学的情報記録媒体を角速度一定および線速度一定の少なくとも2つの回転制御モードで情報記録可能に回転させる回転制御手段と、
前記ホストコンピュータが前記省エネルギーモードに設定されているか否かの情報を取得する電源情報取得手段と、
前記電源情報取得手段により前記省エネルギーモードに設定されているという情報が取得されると前記角速度一定の回転制御モードを選択する回転制御モード選択手段と、を備えたことを特徴とする光学的情報記録システム。 - 前記光学的情報記録装置は、
情報記録可能に挿入された光学的情報記録媒体がランダムアクセス可能か否かを識別する識別手段を備え、
前記回転制御モード選択手段は、挿入された光学的情報記録媒体が前記識別手段によりランダムアクセス可能と識別された場合のみ、前記省エネルギーモードに設定されているという情報により前記角速度一定の回転制御モードの前記選択を行うことを特徴とする請求項5記載の光学的情報記録システム。 - 前記ホストコンピュータの前記制御手段は、電源がバッテリであるか否かを識別し、バッテリであると識別すると該バッテリの残容量を確認し、前記省エネルギーモードは複数段階の設定が可能な中から確認された前記残容量に応じて設定されることを特徴とする請求項5又は6記載の光学的情報記録システム。
- 前記電源情報取得手段は、前記省エネルギーモードにおける複数段階の内の設定された段階の情報を取得し、
前記回転制御モード選択手段は、前記電源情報取得手段により取得された前記設定された段階の情報に応じて異なる回転制御モードを選択することを特徴とする請求項7記載の光学的情報記録システム。 - 光学的情報記録媒体に対して光を照射することにより情報記録を行う光学的情報記録方法であって、
省エネルギーモードに設定されているか否かを識別するモード識別工程と、
前記モード識別工程で省エネルギーモードに設定されていると識別すると、前記光学的情報記録媒体を角速度一定の回転制御モードで情報記録可能に回転させて情報記録を行う角速度一定記録工程と、を備えたことを特徴とする光学的情報記録方法。 - 光学的情報記録装置に情報記録可能に挿入された光学的情報記録媒体がランダムアクセス可能か否かを識別する媒体識別工程を備え、
前記媒体識別工程によりランダムアクセス可能と識別された場合のみ、前記角速度一定記録工程での情報記録を行うことを特徴とする請求項9記載の光学的情報記録方法。 - ホストコンピュータの電源がバッテリであるか否かを識別する電源識別工程と、
前記電源識別工程により電源がバッテリであると識別されると、該バッテリの残容量を確認する残容量確認工程と、
前記省エネルギーモードを複数段階の設定が可能な中から前記残容量確認工程で確認された残容量に応じて設定するモード設定工程と、を備えたことを特徴とする請求項9又は10記載の光学的情報記録方法。 - 前記モード識別工程では、前記モード設定工程により設定された前記省エネルギーモードの段階を識別し、
前記角速度一定記録工程では、前記モード識別工程で識別された前記省エネルギーモードの段階に応じて異なる角速度による回転制御モードを選択することを特徴とする請求項11記載の光学的情報記録方法。
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