JP2004102771A - 指紋読取装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】指紋認証時のたびに認証しやすい指紋画像が得られ、更には装置本体の大型化を防止できる指紋読取装置を提供する。
【解決手段】本発明の指紋読取装置1は、指先100が載置される載置面を有し、載置面に載置された指先の指紋を載置面下から読み取るものである。この指紋読取装置1では、前記載置面に、載置面に載置された指先100の載置位置を検知する位置検知手段としての位置検知部3が設けられている。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明の指紋読取装置1は、指先100が載置される載置面を有し、載置面に載置された指先の指紋を載置面下から読み取るものである。この指紋読取装置1では、前記載置面に、載置面に載置された指先100の載置位置を検知する位置検知手段としての位置検知部3が設けられている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被験者の指先の指紋を読み取る指紋指紋装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
指紋は、各個人に特有の模様を呈しているため、各個人の認証をおこなう上で非常に有用な手段である。近年では、指紋を各個人の認証に適用する種々の認証装置が開発されている。具体的に、この認証装置は、指紋読取装置で読み取った被験者の指紋画像を、予め登録された登録者の指紋画像データと照合することにより各個人の認証を行うものであり、PC(Personal Computer)、PDA(Personal Digital Assistance)、携帯電話等の情報機器にも搭載されている。
【0003】
認証装置に組み込まれる指紋読取装置には、指紋の凹凸と電極との間に蓄積される電荷量を検知することで指紋を読み取る半導体式、指紋の凹凸に光を照射し光の反射量を検知することで指紋を読み取る光学式、指紋の凹凸による圧力を検知することで指紋を読み取る感圧式、指紋の凹凸の温度を検知することで指紋を読み取る感熱式等があり、各方式の指紋読取装置の開発が日々続けられている。
【0004】
このように、種々の方式を利用した指紋読取装置が開発されてはいるものの、指紋が認証されるたびに、指先が何物にも拘束されずに自由に読取面に載置されるのでは、各回の指紋認証時において、同一の指紋画像が毎回得られるとは限らない。仮に、指紋読取装置の読取面において通常の載置位置からずれた位置に指先が載置された場合には、読み取られた指紋画像と登録済みの指紋画像との間で微妙なずれが生じ、被験者が登録者本人であるにもかかわらず、照合した指紋画像が不一致であるといった結果が出力される可能性がある。
【0005】
従って、このような不都合を解消するために、指先の載置位置を固定するための固定機構を各方式の指紋読取装置に設けている(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−198785号公報(第2−3頁、第2図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、同公報の技術も含めて固定機構を設けた指紋読取装置においては、固定機構を収容する分だけ装置本体が大型化する。特に、PC、PDA、携帯電話等の小型の情報機器では、このような固定機構により装置本体の大型化は顕著なものとなり、利便性に著しく劣ってしまう。
【0008】
本発明の課題は、指紋認証時のたびに認証しやすい指紋画像が得られ、更には装置本体の大型化を防止できる指紋読取装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、例えば図1〜図5に示すように、
指先(指先100)が載置される載置面を有し、前記載置面に載置された指先の指紋を前記載置面下から読み取る指紋読取装置(指紋読取装置1)において、前記載置面には、前記載置面に載置された指先の載置位置を検知する位置検知手段(位置検知部3)が設けられていることを特徴とする。
【0010】
請求項1に記載の発明では、載置面に位置検知手段が設けられているから、載置面に載置された指先の載置位置を検知できる。従って、指紋登録時の指先の載置位置を予め検知して登録しておけば、指紋認証時の指先の載置位置を登録時の載置位置へと補正することが可能となる。この場合、指紋認証時のたびに指先の載置位置が登録時の載置位置からずれたとしても、その指紋認証時の載置位置が登録時の載置位置へと補正可能であるから、指紋認証時のたびに常に認証しやすい指紋画像を得ることができる。また、この場合、装置本体に指先を固定するための固定機構を設ける必要がないから、その分だけ装置本体の大型化を防止できる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、例えば図7に示すように、
指先(指先100)が載置される載置面と、
前記載置面に載置された指先の指紋を前記載置面下から撮像する固体撮像素子と、
前記載置面の所定位置に指先をガイドするガイド機構(ガイド機構71)と、
を備え、
前記ガイド機構は、
互いに径の異なる略半円筒形状のガイド部材(第一及び第二のガイド部材71a,71b)を複数重ね合わせた多重構造を有し、複数の前記ガイド部材が重ね合わさる状態と、複数の前記ガイド部材のうち少なくとも一のガイド部材が他のガイド部材から引き出される状態と、に移行自在であることを特徴とする。
【0012】
請求項2に記載の発明において、ガイド機構は、全てのガイド部材が重ね合わさる状態と、少なくとも一のガイド部材が他のガイド部材から引き出される状態とに移行自在であって、伸縮機能を有するものである。従って、指紋認証時においてガイド部材を伸張させることで、被験者の指をガイド機構の主軸に沿ってガイドでき指先を載置面の所定位置へとガイドできる。これにより、被験者の指先は、指紋認証時のたびにガイド機構にガイドされながら載置面の所定位置に載置されるので、指紋の方向がばらつくことが抑えられ、常に同一方向に沿った指紋画像を得ることができる。
【0013】
また、ガイド機構は、全てのガイド部材が重ね合わさる状態に移行可能であるから、装置本体にガイド機構を設けたとしても装置本体が大型化するのを防止できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。ただし、発明の範囲は図示例に限定されない。
【0015】
[第一の実施の形態]
図1は、第一の実施の形態に係る指紋読取装置1の概略の正面断面図である。図1に示す通り、指紋読取装置1は、指先100の指紋を読み取る指紋読取部2と、指先100の載置位置を検知する位置検知手段としての位置検知部3と、を備える。
【0016】
まず、指紋読取部2について図2〜図4を参照して説明する。
図2は指紋読取部2の回路構成を示す平面図であり、図3は図2の破断線C−Cで指紋読取部2を破断した断面図である。
【0017】
図2及び図3に示す通り、指紋読取部2は、光学的にセンシングすることによって、指先100の凹凸からの反射光又は透過光による光量の差を電気信号に変換する固体撮像素子8と、固体撮像素子8からの電気信号を検知することによって指先100の指紋画像を取得する撮像回路10と、撮像回路10からの制御信号に従って固体撮像素子8を駆動するためのトップゲートドライバ11、ボトムゲートドライバ12及びドレインドライバ13と、可視光線を発する光源14と、光源14から発せられた可視光を固体撮像素子8へ導く導光板15と、を具備する。
【0018】
固体撮像素子8は、複数のダブルゲート型薄膜トランジスタ(以下、「DG−TFT」という。)20,20,…がn行×m列(n及びmはともに自然数である。)のマトリクス状に配列されたものである。各DG−TFTは、透明基板17上に形成されている。
【0019】
透明基板17は、透光性(つまり、可視光に対して透過性)及び絶縁性を有する基板であって、石英ガラス等といったガラス基板又はポリカーボネート等といったプラスチック基板である。
【0020】
導光板15は、略平板状であり、光源14に向いた側面及び透明基板17に向いた表面を除き光反射材で覆われている。光源14からの光が導光板15にて面拡散して、導光板15の表面から面放射した光が透明基板17の裏面に均等に照射される。なお、導光板15と光源14の代わりに、有機EL素子といった面発光素子を透明基板17の裏面に対向するように設けてもよい。
【0021】
図4は、図3の一部を拡大した拡大図である。
図4に示す通り、各DG−TFT20は、ボトムゲート電極21と、ボトムゲート絶縁膜22と、半導体膜23と、チャネル保護膜24と、不純物半導体膜25,26と、ソース電極27と、ドレイン電極28と、トップゲート絶縁膜29と、トップゲート電極30と、保護絶縁膜31とを具備し、これらが積層した構造となっている。
【0022】
各DG−TFT20のボトムゲート電極21は、透明基板17上に形成されている。また、図2に示す通り、透明基板17上には横方向に延在するn本のボトムゲートライン41が形成されており、横方向に配列された同一行の各DG−TFT20のボトムゲート電極21は、共通のボトムゲートライン41に導電している。ボトムゲート電極21及びボトムゲートライン41は、導電性及び遮光性を有し、例えば、クロム、クロム合金、アルミ若しくはアルミ合金又はこれらの化合物からなる。
【0023】
図4に示す通り、各DG−TFT20のボトムゲート電極21上には共通のボトムゲート絶縁膜22が形成されている。ボトムゲート絶縁膜22は、絶縁性及び透光性を有し、例えば、窒化シリコン又は酸化シリコンからなる。
【0024】
ボトムゲート絶縁膜22上には、各DG−TFT20の半導体膜23が形成されており、半導体膜23はボトムゲート電極21に対向するように配置されている。半導体膜23はアモルファスシリコン等からなる層である。半導体膜23上にはチャネル保護膜24が形成されている。チャネル保護膜24は、パターニングに用いられるエッチャントから半導体膜23のチャネル領域での界面を保護する機能を備え、絶縁性及び透光性を有し、例えば窒化シリコン又は酸化シリコンからなる。半導体膜23に光が入射すると、光量に従った量の電子−正孔対がチャネル保護膜24との界面付近を中心に発生する。
【0025】
半導体膜23の一端部上には、一部がチャネル保護膜24に重なるように不純物半導体膜25が形成されており、半導体膜23の他端部上には、一部がチャネル保護膜24に重なるように不純物半導体膜26が形成されており、不純物半導体膜25,26は互いに離間している。不純物半導体膜25,26は、n型の不純物イオンを含むアモルファスシリコン(n+シリコン)からなる。
【0026】
不純物半導体膜25上には、ソース電極27が形成されている。不純物半導体膜26上には、ドレイン電極28が形成されている。
【0027】
また、図2に示す通り、ボトムゲート絶縁膜22上には、縦方向に延在するm本のソースライン42及びドレインライン43が形成されている。縦方向に配列された同一列の各DG−TFT20のソース電極27は、共通のソースライン42に導電している。同様に、縦方向に配列された同列の各DG−TFT20のドレイン電極28は、共通のドレインライン43に導電している。ソース電極27、ドレイン電極28、ソースライン42,42,…及びドレインライン43,43,…は、導電性及び遮光性を有しており、例えばクロム、クロム合金、アルミ若しくはアルミ合金又はこれらの化合物からなる。
【0028】
図4に示す通り、全てのDG−TFT20,20,…のチャネル保護膜24、ソース電極27及びドレイン電極28並びにソースライン42,42,…及びドレインライン43,43,…上には、共通のトップゲート絶縁膜29が形成されている。トップゲート絶縁膜29は、絶縁性及び透光性を有し、例えば窒化シリコン又は酸化シリコンからなる。
【0029】
トップゲート絶縁膜29上には、各DG−TFT20のトップゲート電極30が形成されている。トップゲート電極30は、ボトムゲート電極21及び半導体膜23に対向するように配設されている。
【0030】
また、図2に示す通り、トップゲート絶縁膜29上には、横方向に延在するn本のトップゲートライン44が形成されており、横方向に配列された同一行の各DG−TFT20のトップゲート電極30は、共通のトップゲートライン44に導電している。トップゲート電極30及びトップゲートライン44は、導電性及び透光性を有し、例えば錫ドープ酸化インジウム(ITO)、亜鉛ドープ酸化インジウム(IZO)、酸化インジウム(In2O3)、酸化スズ(SnO2)又は酸化亜鉛(ZnO)からなる。
【0031】
図4に示す通り、全てのDG−TFT20,20,…のトップゲート電極30上には、共通の保護絶縁膜31が形成されている。保護絶縁膜31は、絶縁性及び透光性を有し、例えば窒化シリコン又は酸化シリコンからなる。保護絶縁膜31は、トップゲートドライバ11、ボトムゲートドライバ12及びドレインドライバ13も被覆している。なお、保護絶縁膜31の屈折率は、空気の屈折率より高い。
【0032】
以上の各DG−TFT20は、次のような光電変換素子及びMOS型トランジスタを具備するダブルゲート型フォトセンシング素子である。
光電変換素子は、半導体膜23、チャネル保護膜24、ソース電極27、ドレイン電極28、トップゲート絶縁膜29及びトップゲート電極30から構成され、半導体膜23に入射した光量に従った電気的特性をもつ。つまり、指先100との接触面下において半導体膜23が光の受光部分となって、半導体膜23への入射光量に従った量のキャリアが半導体膜23とチャネル保護膜24との界面近傍に蓄積される。
MOS型トランジスタは、半導体膜23、ソース電極27、ドレイン電極28、ボトムゲート絶縁膜22及びボトムゲート電極21で構成される。半導体膜23は、光電変換素子及びMOSトランジスタに共通したチャネル領域として機能する。
【0033】
図2に示す通り、各ソースライン42は、一定電圧に保たれており、例えば接地されて0〔V〕に保たれている。各ボトムゲートライン41はボトムゲートドライバ12に接続されている。各トップゲートライン44は、トップゲートドライバ11に接続されている。
【0034】
トップゲートドライバ11は所謂シフトレジスタである。つまり、トップゲートドライバ11は、1行目のトップゲートライン44からn行目のトップゲートライン44の順(n行目に達したら1行目に戻る。)にハイレベルのリセットパルスを出力する。
【0035】
ボトムゲートドライバ12は所謂シフトレジスタである。つまり、ボトムゲートドライバ12は一行目のボトムゲートライン41からn行目のボトムゲートライン41の順にハイレベルのリードパルスを出力する。
【0036】
トップゲートドライバ11がi行目(iは1〜nの何れかの整数。)のトップゲートライン44にリセットパルスを出力してから、ボトムゲートドライバ12がi行目のボトムゲートライン41にリードパルスを出力するように、トップゲートドライバ11及びボトムゲートドライバ12は出力信号をシフトする。
【0037】
ドレインドライバ13は、リセットパルスが出力されてからリードパルスが出力されるまでの間に、全てのドレインライン43,43,…に所定レベル(ハイレベル)のプリチャージパルスを出力する。更に、ドレインドライバ13は、ドレインライン43,43,…の電圧を増幅して、撮像回路10に出力する。
【0038】
撮像回路10は、演算処理装置4での指令に従って、ボトムゲートドライバ12がボトムゲートライン41に適宜リードパルスを出力するようにボトムゲートドライバ12に制御信号群Bcntを出力し、トップゲートドライバ11がトップゲートライン44に適宜リセットパルスを出力するようにトップゲートドライバ11に制御信号群Tcntを出力し、ドレインドライバ13がドレインライン43に適宜プリチャージパルスを出力するようにドレインドライバ13に制御信号群Dcntを出力し、またリードパルスが出力されてから所定時間経過後のドレインライン43,43,…の電圧を検出したり又はリードパルスが出力されてからドレインライン43,43,…の電圧が所定閾値電圧に至るまでの時間を検出したりすることによって、指先100の光学像(つまり、指紋パターン)の指紋画像を取得する。
【0039】
なお、撮像回路10は、指紋読取装置1の外部に設けられた演算処理装置4に接続されている。
【0040】
次に、位置検知部3について図5を参照して説明する。
図1に示す通り、位置検知部3は上記指紋読取部2の保護絶縁膜31の上部に設けられている。図5(a)は、位置検知部3の具体的な構成を示す断面図であり、図5(b)は位置検知部3を示す平面図である。
【0041】
図5(a)に示す通り、位置検知部3は、ガラス等からなる透明な透明基板51と、ポリエステル等からなる透明な可撓性の透明フィルム52と、を備える。透明基板51と透明フィルム52は、互いの端部間において接着剤53により貼り合せられている。
【0042】
透明基板51の上部には、図5(b)中においてX軸方向に延在する長尺な複数のX軸透明電極54,54,…が、X軸と直交するY軸方向に所定の間隔をあけて並んで成膜されている。各X軸透明電極54は、ITO等からなり、透光性及び導電性を有するものである。
【0043】
透明フィルム52の下部にも、Y軸方向に延在する長尺な複数のY軸透明電極55,55,…が、X軸方向に所定の間隔をあけて並んで成膜されている。各Y軸透明電極55は、ITO等からなり、透光性及び導電性を有するものである。つまり、X軸透明電極54とY軸透明電極55とにおいては、各X軸及びY軸透明電極54,55が互いに直交した状態で対向しており、位置検知部3を平面視すると各X軸及びY軸透明電極54,55がマトリクス状に配置されている。
【0044】
透明基板51の上部には、ドット状の透明な複数のスペーサ56,56,…が互いに所定間隔をあけた状態で形成されている。これらスペーサ56,56,…により、各X軸及びY軸透明電極54,55間には、所定量のスペース(間隔)が保たれている。
【0045】
なお、位置検知部3の各X軸及びY軸透明電極54,55は、指紋読取装置1の外部に設けられた演算処理装置4に接続されている。
【0046】
次に、演算処理装置4について説明する。
演算処理装置4は、図2に示す通り、CPU4aと、RAM4bと、ROM4cと、記憶媒体4dと、インターフェースと、これらを接続するバス等と、を備える。
【0047】
ROM4cには、指紋読取装置1全体を制御するための制御プログラムが格納されている。CPU4aは、RAM4bを作業領域としてROM4cに格納された制御プログラムに従った処理を行う。
【0048】
記憶媒体4dには、登録者数分の指紋照合データが格納されている。「指紋照合データ」とは、指紋読取部2によって取得される被験者の指紋画像データが一致するか否かを照合する際に基準となる予め登録された指紋画像データであって、登録者ごとに対応付けられた(つまり、登録者固有のIDに対応付けられた)ものである。これら全ての指紋画像データは、指紋の長軸方向が所定の方向に合わせて登録されている。
【0049】
次に、指紋認証時の指紋読取装置1及び演算処理装置4の作用について説明する。なお、以下の説明では、始めに、指紋読取装置1の指紋読取部2及び位置検知部3についての作用をそれぞれ説明し、その後に演算処理装置4についての作用を説明する。
【0050】
位置検知部3においては、予めX軸透明電極54とY軸透明電極55とに互いに異なる電圧が印加されている。被験者の指先100が位置検知部3の透明フィルム52上に載置されていない状態では、透明フィルム52は屈曲していないため、X軸透明電極54とY軸透明電極55との間で導通しない程度に離間した状態が維持されている。
【0051】
そして、この初期状態から被験者の指先100が位置検知部3の透明フィルム52上に載置されると、透明フィルム52が撓んで指先100の押圧を受けた部分のY軸透明電極55がX軸透明電極54に接触し、互いに接触したX軸及びY軸透明電極54,55間で電流が流れ、CPU4aが、その流れる電流等から接触位置に応じて異なる抵抗を検出してX軸座標及びY軸座標上の指先100の載置位置を検知する。
【0052】
図6(a)を参照しながら詳しく説明すると、互いに接触したX軸及びY軸透明電極54,55から、載置された指先100の輪郭に対応するX軸座標及びY軸座標上の載置位置が、(X1,Y1),…,(XN,YN)(Nは自然数である。)のN個の座標位置からなるものとして検知される。その後、これらN個の各座標位置を示す検知結果は、座標データとして位置検知部3から演算処理装置4へと出力される。
【0053】
なお、位置検知部3では、指紋認証時前に行われる指紋登録時においても上記と同様の操作が行われており、指紋登録時の指先の載置位置を示す(X1,Y1),…,(XN,YN)(Nは自然数である。)のN個の座標位置からなる座標データが、指紋照合データの一部として記憶媒体4dに格納されている。
【0054】
指紋読取部2においては、被験者の指先100が位置検知部3の透明フィルム52上に載置されて、CPU4aがX軸透明電極54及びY軸透明電極55間に電流が流れたことを検知すると、演算処理装置4から撮像回路10を介してトップゲートドライバ11、ボトムゲートドライバ12及びドレインドライバ13にそれぞれ制御信号群Tcnt、Bcnt、Dcntが出力され、各DG−TFT20が駆動される。これと同時に、光源14から可視光が発せられ、発せられた可視光は導光板15の面上において均一に発光する。
【0055】
その後、i行目のトップゲートライン44にリセットパルスが出力され、i行目の各DG−TFT20の半導体膜23とチャネル保護膜24との界面近傍に蓄積されたキャリアが、トップゲート電極30の電圧により反発して吐出される。
【0056】
トップゲートライン44に対してのリセットパルスの出力が終了すると、指先100で反射した反射光の光量に応じた量のキャリアが、半導体膜23とチャネル保護膜24との界面近傍に蓄積される。
【0057】
ここで、図4に示す通り、指先100の凸部101は位置検知部3に密接し、指紋の凹部102は位置検知部3から離れている。凸部101は位置検知部3に密接しているため、導光板15からの光は凸部101に入射し、凸部101において反射した反射光はほとんど減衰せずに伝播する(図4中矢印A参照)。
【0058】
一方、凹部102は位置検知部3に密接していないため、導光板15からの光は凹部102に入射し、凹部102において反射した反射光は、凹部102と位置検知部3の透明フィルム52の表面との間で減衰してしまう(図4中矢印B参照)。従って、指先100の凹凸による指紋パターンに応じた反射光が各DG−TFT20の半導体膜23へ入射し、各DG−TFT20の半導体膜23への入射光量に応じて蓄積されるキャリアの量が定まる。
【0059】
次いで、ドレインドライバ13から全てのドレインライン43,43,…にプリチャージパルスが出力される。この際、i行目の各DG−TFT20のトップゲート電極30にはリセットパルスが出力されておらず、ボトムゲート電極21にもリードパルスが出力されていないため、半導体膜23にnチャネルが形成されず、プリチャージパルスによってドレイン電極28に電荷がチャージされる。
【0060】
プリチャージパルスの出力の終了と略同時にリードパルスがi行目のボトムゲートライン41に出力されると、i行目の各DG−TFT20のボトムゲート電極21の電圧によって半導体膜23にチャネルが形成され、i行目の各DG−TFT20がオン状態になる。従って、i行目の各DG−TFT20のドレイン電極28及びドレインライン43,43,…の電圧は、ドレイン−ソース間電流によって時間の経過とともに徐々に低下する傾向を示す。
【0061】
ここで、半導体膜23に入射される光量が小さい程、トップゲート電極30の負電界により半導体膜23の界面に蓄積されるキャリアのうちの正孔が少なくなり、半導体膜23の内部の空乏層がより広くなる。そのため、ボトムゲート電極21にリードパルスが入力されても半導体膜23がより高抵抗になり、DG−TFT20ではソース−ドレイン間を流れる電流のレベルが低くなり、所定の期間中のドレインライン43の電圧の変位が小さい。
【0062】
逆に、半導体膜23に入射される光量が多い程、半導体膜23の界面に蓄積されるキャリアのうちの正孔がより多くなり、nチャネルの形成を阻害するためのトップゲート電極30の負電界が緩和又は相殺され、半導体膜23の内部の空乏層がより狭くなる。そのため、ボトムゲート電極21にリードパルスが入力されると半導体膜23がより低抵抗になり、DG−TFT20ではソース−ドレイン間を流れる電流のレベルが高くなり、所定の期間中にドレインライン43の電圧のレベルが大きく変位する。
【0063】
従って、ドレインライン43の電圧の変化傾向(変化率)は、指先100から半導体膜23に入射した光量に深く関連する。ドレインドライバ13が、リードパルスが出力されてから所定の時間経過後の各ドレインライン43の電圧を検出して撮像回路10に出力することにより又は各ドレインライン43の所定の閾値電圧に至るまでの時間を検出して撮像回路10に出力することにより、撮像回路10は指先100からの反射光の光量を換算する。
【0064】
そして、全ての行の各DG−TFT20にも同等の処理手順が繰り返されることにより、撮像回路10で指先100の指紋画像が取得されて、指紋画像がデジタルデータ(指紋画像データ)として撮像回路10から演算処理装置4へと出力される。
【0065】
演算処理装置4においては、撮像回路10からの指紋画像データと位置検知部3からの座標データとが入力され、演算処理装置4は、被験者の指先100の指紋画像データが予め登録された指紋画像データに実質的に一致するか否かの指紋照合処理を行う。
【0066】
具体的には、CPU4aは、ROM4cに格納された制御プログラムに従って、位置検知部3からの座標データを、記憶媒体4dに格納された指紋照合データのうちの指紋登録時の座標データへと補正する。つまり、座標データとして示されるN個の(X1,Y1),…,(XN,YN)の各座標位置が、指紋登録時の正規の各座標位置からずれている場合に、各座標位置でのずれ量がCPU4aにより算出されて、CPU4aは、それらのずれ量を相殺するように、指紋認証時の座標データを指紋登録時の正規の座標データへと一致させる処理を行う。例えば、図6(b)に示すように、指の長軸方向をY軸方向に対してずれた方向に向けて指紋を検出してしまった場合、位置検知部3の中央付近の定点Pを通る線が指紋の外形SFと重なる二点間の距離を測定することで、検知された指の概ねの長軸方向を算出する。まず、定点Pと重なり、隣接する線と互いに角度θで傾いている線A0、A1、A2、…、AK(ただしKは2以上の整数)のそれぞれの長さL0、L1、L2、…、LKを、位置検知部3からの座標データから算出して比較し、最も長いものをY軸方向に合うように修正させる。これにより、指紋読取部2で取得された指紋画像は、常に、所定の向きの指紋画像として演算処理装置4に認識されるため、予め登録された指紋画像データと一致させやすくなる。
【0067】
その後、CPU4aは、ROM4cに格納された制御プログラムに従って、補正後の指紋画像データが記憶媒体4dに格納された指紋照合データに一致するか否かを判定する処理を行い、指紋画像データが指紋照合データと一致した場合に、被験者を登録者として認証する処理を行う。
【0068】
以上のような指紋読取装置1では、指紋読取部2により指紋画像が得られるが、同時に位置検知部3によっても指先100の載置位置が検知される。そして、指紋認証時においては、指紋読取部2により取得された指紋画像の位置が、位置検知部3による検知結果に基づいて補正された後に、指紋画像と予め登録された照合用の指紋画像とが照合される。
【0069】
従って、指紋照合時において、指先100が指紋登録時とは異なる正規の載置位置からずれた斜めの載置位置に置かれたとしても、指先100は、指紋登録時と同じ正規の載置位置に置かれたものとして認識され、指紋照合の処理が行われる。これにより、指紋読取装置1では、被験者が同一人である場合において、指紋認証時のたびに常にその被験者から認証しやすい指紋画像を得ることができ、指紋照合率を大幅に向上させることができる。
【0070】
また、指紋読取装置1では、指紋読取部2で取得した指紋画像の位置が補正されて指紋照合されるから、指先100を常に所定位置に載置するための固定機構を特に設ける必要も無く、固定機構を設けなくてもよい分だけ指紋読取装置1本体の大型化を防止できる。
【0071】
なお、本第一の実施形態では、指紋読取部2の光電変換素子としてDG−TFT20が画素ごとに設けられていたが、CCD(電荷結合素子)が画素ごとに設けられていてもよいし、CMOSイメージセンサが画素ごとに設けられてもよい。そして、DG−TFT20の場合と同様に、複数のCCD又は複数のCMOSイメージセンサに保護絶縁膜が被膜される。ただし、光電変換素子を駆動する周辺ドライバは、素子の種類によって異なる。
【0072】
また、本第一の実施形態では、固体撮像素子8の表層の保護絶縁膜31に直接位置検知部3が設けられていたが、固体撮像素子8に対して位置検知部3が離れて設けられてもよい。特に、固体撮像素子8と位置検知部3とが離れている場合には、位置検知部3の透明フィルム52に載置された指先100の指紋画像を固体撮像素子8に結像する光学系(例えば、一又は複数のレンズから構成されている。)を固体撮像素子8と位置検知部3との間に配設するとよい。
【0073】
[第二の実施の形態]
図7(a)(b)は、第二の実施の形態に係る指紋読取装置200を示す概略の側面断面図であり、図7(c)は、指紋読取装置200を示す正面断面図である。
図7に示す通り、指紋読取装置200は、指先100の指紋を読み取る指紋読取部70と、指紋読取部70の所定位置に指先100をガイドするガイド機構71と、指紋読取部70を含む各種部材を収容し、表示部73を有する携帯機器72と、を具備する。
【0074】
指紋読取部70は、第一の実施形態で説明した指紋読取部2と同様のものである。本第二の実施形態では、指紋読取部70の構成及び作用についての詳細な説明は省略する。
【0075】
表示部73は、液晶パネル等のディスプレイパネルで構成され、携帯機器72に設けられた図示しないキーボードの操作結果や指紋読取部70での認証結果等を表示する機能を有している。
【0076】
ガイド機構71は、指紋読取部70を覆うように携帯機器72上に形成され、第一のガイド部材71aと、第二のガイド部材71bとを備える。図8は、ガイド機構71の各ガイド部材71a,71bの概観を示す斜視図である。
【0077】
図8に示す通り、各ガイド部材71a,71bは、両端が開口した略半円筒体であって、一方の端部から他方の端部に向かって先細になるテーパ形状を有するものである。第一のガイド部材71aの外径は、第二のガイド部材71bの内径よりも小さく形成されており、第一のガイド部材71aの大径側の外径と第二ガイド部材71bの小径側の内径とは、略同様の径に形成されている。これにより、第一のガイド部材71aの上部又は上方に第二のガイド部材71bを重ね合わせることができる。
【0078】
図7(a)(b)に示す通り、第一のガイド部材71aが携帯機器72において指紋読取部70の上部に設けられ、第二のガイド部材71bが第一のガイド部材71aの上に重なっている。つまり、ガイド機構71は、第一のガイド部材71aの上に第二のガイド部材71bが重なった二重構造を有している。
【0079】
図7(b)に示す通り、第二のガイド部材71bは、携帯機器72に支持された状態で前後に移動可能であり、第一のガイド部材71aから引き出されたり、第一のガイド部材71aに重ね合わせたりすることができる。これにより、ガイド機構71は伸縮機能を具備する。
【0080】
なお、第二のガイド部材71bと携帯機器72との間には、図示略のロック機構が設けられており、第二のガイド部材71bが、第一のガイド部材71aから最も引き出された状態又は第一のガイド部材71aに重ね合わせられた状態では、第二のガイド部材71bはその位置でロックされ、所定量以上の外力が加わらない限り、第二のガイド部材はその位置から移動しない。指紋認証時以外の場合において、例えば、表示部73を視認するときは、図7(b)に示すように、第二のガイド部材71bは第一のガイド部材71aに重ね合わせられ、露出した表示部73が、携帯機器72の上方から視認可能となっている。そして、指紋認証時は、図7(a)に示すように、第二のガイド部材71bが引き出されると、表示部73が隠れるようになっている。
【0081】
次に、指紋認証時の指紋読取装置200の作用について説明する。
第二のガイド部材71bが第一のガイド部材71aから引き出され、第一のガイド部材71aに対して第二のガイド部材71bが最大に引き出された位置で、第二のガイド部材71bは携帯機器72にロックされる。
【0082】
その後、被験者の指先100が、第二のガイド部材71bの内部に挿通され、更に第一のガイド部材71aの内部にも挿通されて、第一のガイド部材71a及び第二のガイド部材71bに沿って指紋読取部70の読取面70a(図4に示す保護絶縁膜31)上の所定位置に載置される。
【0083】
このとき、第二のガイド部材71bは、第一のガイド部材71aでは覆いきれない部分の指先100をガイドし、指先100が指紋読取部70の読取面70aの所定位置に向かうようにガイドしている。
【0084】
その後、第一の実施形態に説明したように、指紋読取部70によって指先100の指紋画像が得られ、指紋読取装置200での処理が終了する。なお、指紋読取装置200での処理が終了したら、第二のガイド部材71bは、第一のガイド部材71aから突出していて邪魔なので、ロックを解除して元の状態に戻すとよい。
【0085】
以上のような指紋読取装置200では、指先100は、ガイド機構70によりガイドされながら指紋読取部70の所定位置に載置される。従って、指紋認証時のたびに、指先100は所定位置にガイドされ、常に、認証しやすい指紋画像を得ることができる。
【0086】
また、ガイド機構71は、各ガイド部材71a,71bからなる二重構造を有した伸縮機能を具備するから、指紋認証時のみ第二のガイド部材71bを第一のガイド部材71aから引き出し、それ以外では第二のガイド部材71bを第一のガイド部材71aに重ね合わせて収納すればよく、指紋読取装置200本体が大型化するのを防止できる。
【0087】
更に、ガイド機構71は、上記の通り、各ガイド部材71a,71bからなる二重構造を有した伸縮機能を具備するから、ガイド機構71そのものをコンパクトかつ簡単な設計で実現できる。
【0088】
なお、本第二の実施形態では、第一のガイド部材71aが、携帯機器72に略固定される状態を維持する構成であったが、第一のガイド部材71aも第二のガイド部材71bと同様に前後に移動可能な構成としてもよい。
【0089】
また、本第二の実施形態では、ガイド機構71は、各ガイド部材71a,71bからなる二重構造を有した構成であったが、第二のガイド部材71bの外径よりも大きい内径を有するガイド部材を一つ又は複数設けて、更なる多重構造を有する構成としてもよい。
【0090】
また、本第二の実施形態では、ガイド部材71bは、指紋読取時では表示部73を覆ったが、指紋読取時に図示しないキーボードを覆い、指紋読取時以外は、キーボードを露出するようしてもよい。
【0091】
【発明の効果】
本発明によれば、指紋認証時のたびに認証しやすい指紋画像を得ることができ、更には装置本体の大型化をも防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一の実施の形態に係る指紋読取装置を示す概略断面図である。
【図2】指紋読取部の回路構成を示す平面図である。
【図3】図2の破断線C−Cで指紋読取部を破断した断面図である。
【図4】図3の一部を拡大した図面である。
【図5】位置検知部を示す(a)断面図(b)平面図である。
【図6】位置検知部により検知される指先のX軸座標及びY軸座標上の各位置を示す座標データを説明するための図面である。
【図7】第二の実施の形態に係る指紋読取装置を示す(a)(b)概略断面図(c)正面断面図である。
【図8】各ガイド部材の斜視図である。
【符号の説明】
100 指先
1,200 指紋読取装置
2,70 指紋読取部
3 位置検知部(位置検知手段)
4 演算処理装置
8 固体撮像素子
54 X軸透明電極
55 Y軸透明電極
71 ガイド機構
71a 第一のガイド部材
71b 第二のガイド部材
【発明の属する技術分野】
本発明は、被験者の指先の指紋を読み取る指紋指紋装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
指紋は、各個人に特有の模様を呈しているため、各個人の認証をおこなう上で非常に有用な手段である。近年では、指紋を各個人の認証に適用する種々の認証装置が開発されている。具体的に、この認証装置は、指紋読取装置で読み取った被験者の指紋画像を、予め登録された登録者の指紋画像データと照合することにより各個人の認証を行うものであり、PC(Personal Computer)、PDA(Personal Digital Assistance)、携帯電話等の情報機器にも搭載されている。
【0003】
認証装置に組み込まれる指紋読取装置には、指紋の凹凸と電極との間に蓄積される電荷量を検知することで指紋を読み取る半導体式、指紋の凹凸に光を照射し光の反射量を検知することで指紋を読み取る光学式、指紋の凹凸による圧力を検知することで指紋を読み取る感圧式、指紋の凹凸の温度を検知することで指紋を読み取る感熱式等があり、各方式の指紋読取装置の開発が日々続けられている。
【0004】
このように、種々の方式を利用した指紋読取装置が開発されてはいるものの、指紋が認証されるたびに、指先が何物にも拘束されずに自由に読取面に載置されるのでは、各回の指紋認証時において、同一の指紋画像が毎回得られるとは限らない。仮に、指紋読取装置の読取面において通常の載置位置からずれた位置に指先が載置された場合には、読み取られた指紋画像と登録済みの指紋画像との間で微妙なずれが生じ、被験者が登録者本人であるにもかかわらず、照合した指紋画像が不一致であるといった結果が出力される可能性がある。
【0005】
従って、このような不都合を解消するために、指先の載置位置を固定するための固定機構を各方式の指紋読取装置に設けている(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−198785号公報(第2−3頁、第2図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、同公報の技術も含めて固定機構を設けた指紋読取装置においては、固定機構を収容する分だけ装置本体が大型化する。特に、PC、PDA、携帯電話等の小型の情報機器では、このような固定機構により装置本体の大型化は顕著なものとなり、利便性に著しく劣ってしまう。
【0008】
本発明の課題は、指紋認証時のたびに認証しやすい指紋画像が得られ、更には装置本体の大型化を防止できる指紋読取装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、例えば図1〜図5に示すように、
指先(指先100)が載置される載置面を有し、前記載置面に載置された指先の指紋を前記載置面下から読み取る指紋読取装置(指紋読取装置1)において、前記載置面には、前記載置面に載置された指先の載置位置を検知する位置検知手段(位置検知部3)が設けられていることを特徴とする。
【0010】
請求項1に記載の発明では、載置面に位置検知手段が設けられているから、載置面に載置された指先の載置位置を検知できる。従って、指紋登録時の指先の載置位置を予め検知して登録しておけば、指紋認証時の指先の載置位置を登録時の載置位置へと補正することが可能となる。この場合、指紋認証時のたびに指先の載置位置が登録時の載置位置からずれたとしても、その指紋認証時の載置位置が登録時の載置位置へと補正可能であるから、指紋認証時のたびに常に認証しやすい指紋画像を得ることができる。また、この場合、装置本体に指先を固定するための固定機構を設ける必要がないから、その分だけ装置本体の大型化を防止できる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、例えば図7に示すように、
指先(指先100)が載置される載置面と、
前記載置面に載置された指先の指紋を前記載置面下から撮像する固体撮像素子と、
前記載置面の所定位置に指先をガイドするガイド機構(ガイド機構71)と、
を備え、
前記ガイド機構は、
互いに径の異なる略半円筒形状のガイド部材(第一及び第二のガイド部材71a,71b)を複数重ね合わせた多重構造を有し、複数の前記ガイド部材が重ね合わさる状態と、複数の前記ガイド部材のうち少なくとも一のガイド部材が他のガイド部材から引き出される状態と、に移行自在であることを特徴とする。
【0012】
請求項2に記載の発明において、ガイド機構は、全てのガイド部材が重ね合わさる状態と、少なくとも一のガイド部材が他のガイド部材から引き出される状態とに移行自在であって、伸縮機能を有するものである。従って、指紋認証時においてガイド部材を伸張させることで、被験者の指をガイド機構の主軸に沿ってガイドでき指先を載置面の所定位置へとガイドできる。これにより、被験者の指先は、指紋認証時のたびにガイド機構にガイドされながら載置面の所定位置に載置されるので、指紋の方向がばらつくことが抑えられ、常に同一方向に沿った指紋画像を得ることができる。
【0013】
また、ガイド機構は、全てのガイド部材が重ね合わさる状態に移行可能であるから、装置本体にガイド機構を設けたとしても装置本体が大型化するのを防止できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。ただし、発明の範囲は図示例に限定されない。
【0015】
[第一の実施の形態]
図1は、第一の実施の形態に係る指紋読取装置1の概略の正面断面図である。図1に示す通り、指紋読取装置1は、指先100の指紋を読み取る指紋読取部2と、指先100の載置位置を検知する位置検知手段としての位置検知部3と、を備える。
【0016】
まず、指紋読取部2について図2〜図4を参照して説明する。
図2は指紋読取部2の回路構成を示す平面図であり、図3は図2の破断線C−Cで指紋読取部2を破断した断面図である。
【0017】
図2及び図3に示す通り、指紋読取部2は、光学的にセンシングすることによって、指先100の凹凸からの反射光又は透過光による光量の差を電気信号に変換する固体撮像素子8と、固体撮像素子8からの電気信号を検知することによって指先100の指紋画像を取得する撮像回路10と、撮像回路10からの制御信号に従って固体撮像素子8を駆動するためのトップゲートドライバ11、ボトムゲートドライバ12及びドレインドライバ13と、可視光線を発する光源14と、光源14から発せられた可視光を固体撮像素子8へ導く導光板15と、を具備する。
【0018】
固体撮像素子8は、複数のダブルゲート型薄膜トランジスタ(以下、「DG−TFT」という。)20,20,…がn行×m列(n及びmはともに自然数である。)のマトリクス状に配列されたものである。各DG−TFTは、透明基板17上に形成されている。
【0019】
透明基板17は、透光性(つまり、可視光に対して透過性)及び絶縁性を有する基板であって、石英ガラス等といったガラス基板又はポリカーボネート等といったプラスチック基板である。
【0020】
導光板15は、略平板状であり、光源14に向いた側面及び透明基板17に向いた表面を除き光反射材で覆われている。光源14からの光が導光板15にて面拡散して、導光板15の表面から面放射した光が透明基板17の裏面に均等に照射される。なお、導光板15と光源14の代わりに、有機EL素子といった面発光素子を透明基板17の裏面に対向するように設けてもよい。
【0021】
図4は、図3の一部を拡大した拡大図である。
図4に示す通り、各DG−TFT20は、ボトムゲート電極21と、ボトムゲート絶縁膜22と、半導体膜23と、チャネル保護膜24と、不純物半導体膜25,26と、ソース電極27と、ドレイン電極28と、トップゲート絶縁膜29と、トップゲート電極30と、保護絶縁膜31とを具備し、これらが積層した構造となっている。
【0022】
各DG−TFT20のボトムゲート電極21は、透明基板17上に形成されている。また、図2に示す通り、透明基板17上には横方向に延在するn本のボトムゲートライン41が形成されており、横方向に配列された同一行の各DG−TFT20のボトムゲート電極21は、共通のボトムゲートライン41に導電している。ボトムゲート電極21及びボトムゲートライン41は、導電性及び遮光性を有し、例えば、クロム、クロム合金、アルミ若しくはアルミ合金又はこれらの化合物からなる。
【0023】
図4に示す通り、各DG−TFT20のボトムゲート電極21上には共通のボトムゲート絶縁膜22が形成されている。ボトムゲート絶縁膜22は、絶縁性及び透光性を有し、例えば、窒化シリコン又は酸化シリコンからなる。
【0024】
ボトムゲート絶縁膜22上には、各DG−TFT20の半導体膜23が形成されており、半導体膜23はボトムゲート電極21に対向するように配置されている。半導体膜23はアモルファスシリコン等からなる層である。半導体膜23上にはチャネル保護膜24が形成されている。チャネル保護膜24は、パターニングに用いられるエッチャントから半導体膜23のチャネル領域での界面を保護する機能を備え、絶縁性及び透光性を有し、例えば窒化シリコン又は酸化シリコンからなる。半導体膜23に光が入射すると、光量に従った量の電子−正孔対がチャネル保護膜24との界面付近を中心に発生する。
【0025】
半導体膜23の一端部上には、一部がチャネル保護膜24に重なるように不純物半導体膜25が形成されており、半導体膜23の他端部上には、一部がチャネル保護膜24に重なるように不純物半導体膜26が形成されており、不純物半導体膜25,26は互いに離間している。不純物半導体膜25,26は、n型の不純物イオンを含むアモルファスシリコン(n+シリコン)からなる。
【0026】
不純物半導体膜25上には、ソース電極27が形成されている。不純物半導体膜26上には、ドレイン電極28が形成されている。
【0027】
また、図2に示す通り、ボトムゲート絶縁膜22上には、縦方向に延在するm本のソースライン42及びドレインライン43が形成されている。縦方向に配列された同一列の各DG−TFT20のソース電極27は、共通のソースライン42に導電している。同様に、縦方向に配列された同列の各DG−TFT20のドレイン電極28は、共通のドレインライン43に導電している。ソース電極27、ドレイン電極28、ソースライン42,42,…及びドレインライン43,43,…は、導電性及び遮光性を有しており、例えばクロム、クロム合金、アルミ若しくはアルミ合金又はこれらの化合物からなる。
【0028】
図4に示す通り、全てのDG−TFT20,20,…のチャネル保護膜24、ソース電極27及びドレイン電極28並びにソースライン42,42,…及びドレインライン43,43,…上には、共通のトップゲート絶縁膜29が形成されている。トップゲート絶縁膜29は、絶縁性及び透光性を有し、例えば窒化シリコン又は酸化シリコンからなる。
【0029】
トップゲート絶縁膜29上には、各DG−TFT20のトップゲート電極30が形成されている。トップゲート電極30は、ボトムゲート電極21及び半導体膜23に対向するように配設されている。
【0030】
また、図2に示す通り、トップゲート絶縁膜29上には、横方向に延在するn本のトップゲートライン44が形成されており、横方向に配列された同一行の各DG−TFT20のトップゲート電極30は、共通のトップゲートライン44に導電している。トップゲート電極30及びトップゲートライン44は、導電性及び透光性を有し、例えば錫ドープ酸化インジウム(ITO)、亜鉛ドープ酸化インジウム(IZO)、酸化インジウム(In2O3)、酸化スズ(SnO2)又は酸化亜鉛(ZnO)からなる。
【0031】
図4に示す通り、全てのDG−TFT20,20,…のトップゲート電極30上には、共通の保護絶縁膜31が形成されている。保護絶縁膜31は、絶縁性及び透光性を有し、例えば窒化シリコン又は酸化シリコンからなる。保護絶縁膜31は、トップゲートドライバ11、ボトムゲートドライバ12及びドレインドライバ13も被覆している。なお、保護絶縁膜31の屈折率は、空気の屈折率より高い。
【0032】
以上の各DG−TFT20は、次のような光電変換素子及びMOS型トランジスタを具備するダブルゲート型フォトセンシング素子である。
光電変換素子は、半導体膜23、チャネル保護膜24、ソース電極27、ドレイン電極28、トップゲート絶縁膜29及びトップゲート電極30から構成され、半導体膜23に入射した光量に従った電気的特性をもつ。つまり、指先100との接触面下において半導体膜23が光の受光部分となって、半導体膜23への入射光量に従った量のキャリアが半導体膜23とチャネル保護膜24との界面近傍に蓄積される。
MOS型トランジスタは、半導体膜23、ソース電極27、ドレイン電極28、ボトムゲート絶縁膜22及びボトムゲート電極21で構成される。半導体膜23は、光電変換素子及びMOSトランジスタに共通したチャネル領域として機能する。
【0033】
図2に示す通り、各ソースライン42は、一定電圧に保たれており、例えば接地されて0〔V〕に保たれている。各ボトムゲートライン41はボトムゲートドライバ12に接続されている。各トップゲートライン44は、トップゲートドライバ11に接続されている。
【0034】
トップゲートドライバ11は所謂シフトレジスタである。つまり、トップゲートドライバ11は、1行目のトップゲートライン44からn行目のトップゲートライン44の順(n行目に達したら1行目に戻る。)にハイレベルのリセットパルスを出力する。
【0035】
ボトムゲートドライバ12は所謂シフトレジスタである。つまり、ボトムゲートドライバ12は一行目のボトムゲートライン41からn行目のボトムゲートライン41の順にハイレベルのリードパルスを出力する。
【0036】
トップゲートドライバ11がi行目(iは1〜nの何れかの整数。)のトップゲートライン44にリセットパルスを出力してから、ボトムゲートドライバ12がi行目のボトムゲートライン41にリードパルスを出力するように、トップゲートドライバ11及びボトムゲートドライバ12は出力信号をシフトする。
【0037】
ドレインドライバ13は、リセットパルスが出力されてからリードパルスが出力されるまでの間に、全てのドレインライン43,43,…に所定レベル(ハイレベル)のプリチャージパルスを出力する。更に、ドレインドライバ13は、ドレインライン43,43,…の電圧を増幅して、撮像回路10に出力する。
【0038】
撮像回路10は、演算処理装置4での指令に従って、ボトムゲートドライバ12がボトムゲートライン41に適宜リードパルスを出力するようにボトムゲートドライバ12に制御信号群Bcntを出力し、トップゲートドライバ11がトップゲートライン44に適宜リセットパルスを出力するようにトップゲートドライバ11に制御信号群Tcntを出力し、ドレインドライバ13がドレインライン43に適宜プリチャージパルスを出力するようにドレインドライバ13に制御信号群Dcntを出力し、またリードパルスが出力されてから所定時間経過後のドレインライン43,43,…の電圧を検出したり又はリードパルスが出力されてからドレインライン43,43,…の電圧が所定閾値電圧に至るまでの時間を検出したりすることによって、指先100の光学像(つまり、指紋パターン)の指紋画像を取得する。
【0039】
なお、撮像回路10は、指紋読取装置1の外部に設けられた演算処理装置4に接続されている。
【0040】
次に、位置検知部3について図5を参照して説明する。
図1に示す通り、位置検知部3は上記指紋読取部2の保護絶縁膜31の上部に設けられている。図5(a)は、位置検知部3の具体的な構成を示す断面図であり、図5(b)は位置検知部3を示す平面図である。
【0041】
図5(a)に示す通り、位置検知部3は、ガラス等からなる透明な透明基板51と、ポリエステル等からなる透明な可撓性の透明フィルム52と、を備える。透明基板51と透明フィルム52は、互いの端部間において接着剤53により貼り合せられている。
【0042】
透明基板51の上部には、図5(b)中においてX軸方向に延在する長尺な複数のX軸透明電極54,54,…が、X軸と直交するY軸方向に所定の間隔をあけて並んで成膜されている。各X軸透明電極54は、ITO等からなり、透光性及び導電性を有するものである。
【0043】
透明フィルム52の下部にも、Y軸方向に延在する長尺な複数のY軸透明電極55,55,…が、X軸方向に所定の間隔をあけて並んで成膜されている。各Y軸透明電極55は、ITO等からなり、透光性及び導電性を有するものである。つまり、X軸透明電極54とY軸透明電極55とにおいては、各X軸及びY軸透明電極54,55が互いに直交した状態で対向しており、位置検知部3を平面視すると各X軸及びY軸透明電極54,55がマトリクス状に配置されている。
【0044】
透明基板51の上部には、ドット状の透明な複数のスペーサ56,56,…が互いに所定間隔をあけた状態で形成されている。これらスペーサ56,56,…により、各X軸及びY軸透明電極54,55間には、所定量のスペース(間隔)が保たれている。
【0045】
なお、位置検知部3の各X軸及びY軸透明電極54,55は、指紋読取装置1の外部に設けられた演算処理装置4に接続されている。
【0046】
次に、演算処理装置4について説明する。
演算処理装置4は、図2に示す通り、CPU4aと、RAM4bと、ROM4cと、記憶媒体4dと、インターフェースと、これらを接続するバス等と、を備える。
【0047】
ROM4cには、指紋読取装置1全体を制御するための制御プログラムが格納されている。CPU4aは、RAM4bを作業領域としてROM4cに格納された制御プログラムに従った処理を行う。
【0048】
記憶媒体4dには、登録者数分の指紋照合データが格納されている。「指紋照合データ」とは、指紋読取部2によって取得される被験者の指紋画像データが一致するか否かを照合する際に基準となる予め登録された指紋画像データであって、登録者ごとに対応付けられた(つまり、登録者固有のIDに対応付けられた)ものである。これら全ての指紋画像データは、指紋の長軸方向が所定の方向に合わせて登録されている。
【0049】
次に、指紋認証時の指紋読取装置1及び演算処理装置4の作用について説明する。なお、以下の説明では、始めに、指紋読取装置1の指紋読取部2及び位置検知部3についての作用をそれぞれ説明し、その後に演算処理装置4についての作用を説明する。
【0050】
位置検知部3においては、予めX軸透明電極54とY軸透明電極55とに互いに異なる電圧が印加されている。被験者の指先100が位置検知部3の透明フィルム52上に載置されていない状態では、透明フィルム52は屈曲していないため、X軸透明電極54とY軸透明電極55との間で導通しない程度に離間した状態が維持されている。
【0051】
そして、この初期状態から被験者の指先100が位置検知部3の透明フィルム52上に載置されると、透明フィルム52が撓んで指先100の押圧を受けた部分のY軸透明電極55がX軸透明電極54に接触し、互いに接触したX軸及びY軸透明電極54,55間で電流が流れ、CPU4aが、その流れる電流等から接触位置に応じて異なる抵抗を検出してX軸座標及びY軸座標上の指先100の載置位置を検知する。
【0052】
図6(a)を参照しながら詳しく説明すると、互いに接触したX軸及びY軸透明電極54,55から、載置された指先100の輪郭に対応するX軸座標及びY軸座標上の載置位置が、(X1,Y1),…,(XN,YN)(Nは自然数である。)のN個の座標位置からなるものとして検知される。その後、これらN個の各座標位置を示す検知結果は、座標データとして位置検知部3から演算処理装置4へと出力される。
【0053】
なお、位置検知部3では、指紋認証時前に行われる指紋登録時においても上記と同様の操作が行われており、指紋登録時の指先の載置位置を示す(X1,Y1),…,(XN,YN)(Nは自然数である。)のN個の座標位置からなる座標データが、指紋照合データの一部として記憶媒体4dに格納されている。
【0054】
指紋読取部2においては、被験者の指先100が位置検知部3の透明フィルム52上に載置されて、CPU4aがX軸透明電極54及びY軸透明電極55間に電流が流れたことを検知すると、演算処理装置4から撮像回路10を介してトップゲートドライバ11、ボトムゲートドライバ12及びドレインドライバ13にそれぞれ制御信号群Tcnt、Bcnt、Dcntが出力され、各DG−TFT20が駆動される。これと同時に、光源14から可視光が発せられ、発せられた可視光は導光板15の面上において均一に発光する。
【0055】
その後、i行目のトップゲートライン44にリセットパルスが出力され、i行目の各DG−TFT20の半導体膜23とチャネル保護膜24との界面近傍に蓄積されたキャリアが、トップゲート電極30の電圧により反発して吐出される。
【0056】
トップゲートライン44に対してのリセットパルスの出力が終了すると、指先100で反射した反射光の光量に応じた量のキャリアが、半導体膜23とチャネル保護膜24との界面近傍に蓄積される。
【0057】
ここで、図4に示す通り、指先100の凸部101は位置検知部3に密接し、指紋の凹部102は位置検知部3から離れている。凸部101は位置検知部3に密接しているため、導光板15からの光は凸部101に入射し、凸部101において反射した反射光はほとんど減衰せずに伝播する(図4中矢印A参照)。
【0058】
一方、凹部102は位置検知部3に密接していないため、導光板15からの光は凹部102に入射し、凹部102において反射した反射光は、凹部102と位置検知部3の透明フィルム52の表面との間で減衰してしまう(図4中矢印B参照)。従って、指先100の凹凸による指紋パターンに応じた反射光が各DG−TFT20の半導体膜23へ入射し、各DG−TFT20の半導体膜23への入射光量に応じて蓄積されるキャリアの量が定まる。
【0059】
次いで、ドレインドライバ13から全てのドレインライン43,43,…にプリチャージパルスが出力される。この際、i行目の各DG−TFT20のトップゲート電極30にはリセットパルスが出力されておらず、ボトムゲート電極21にもリードパルスが出力されていないため、半導体膜23にnチャネルが形成されず、プリチャージパルスによってドレイン電極28に電荷がチャージされる。
【0060】
プリチャージパルスの出力の終了と略同時にリードパルスがi行目のボトムゲートライン41に出力されると、i行目の各DG−TFT20のボトムゲート電極21の電圧によって半導体膜23にチャネルが形成され、i行目の各DG−TFT20がオン状態になる。従って、i行目の各DG−TFT20のドレイン電極28及びドレインライン43,43,…の電圧は、ドレイン−ソース間電流によって時間の経過とともに徐々に低下する傾向を示す。
【0061】
ここで、半導体膜23に入射される光量が小さい程、トップゲート電極30の負電界により半導体膜23の界面に蓄積されるキャリアのうちの正孔が少なくなり、半導体膜23の内部の空乏層がより広くなる。そのため、ボトムゲート電極21にリードパルスが入力されても半導体膜23がより高抵抗になり、DG−TFT20ではソース−ドレイン間を流れる電流のレベルが低くなり、所定の期間中のドレインライン43の電圧の変位が小さい。
【0062】
逆に、半導体膜23に入射される光量が多い程、半導体膜23の界面に蓄積されるキャリアのうちの正孔がより多くなり、nチャネルの形成を阻害するためのトップゲート電極30の負電界が緩和又は相殺され、半導体膜23の内部の空乏層がより狭くなる。そのため、ボトムゲート電極21にリードパルスが入力されると半導体膜23がより低抵抗になり、DG−TFT20ではソース−ドレイン間を流れる電流のレベルが高くなり、所定の期間中にドレインライン43の電圧のレベルが大きく変位する。
【0063】
従って、ドレインライン43の電圧の変化傾向(変化率)は、指先100から半導体膜23に入射した光量に深く関連する。ドレインドライバ13が、リードパルスが出力されてから所定の時間経過後の各ドレインライン43の電圧を検出して撮像回路10に出力することにより又は各ドレインライン43の所定の閾値電圧に至るまでの時間を検出して撮像回路10に出力することにより、撮像回路10は指先100からの反射光の光量を換算する。
【0064】
そして、全ての行の各DG−TFT20にも同等の処理手順が繰り返されることにより、撮像回路10で指先100の指紋画像が取得されて、指紋画像がデジタルデータ(指紋画像データ)として撮像回路10から演算処理装置4へと出力される。
【0065】
演算処理装置4においては、撮像回路10からの指紋画像データと位置検知部3からの座標データとが入力され、演算処理装置4は、被験者の指先100の指紋画像データが予め登録された指紋画像データに実質的に一致するか否かの指紋照合処理を行う。
【0066】
具体的には、CPU4aは、ROM4cに格納された制御プログラムに従って、位置検知部3からの座標データを、記憶媒体4dに格納された指紋照合データのうちの指紋登録時の座標データへと補正する。つまり、座標データとして示されるN個の(X1,Y1),…,(XN,YN)の各座標位置が、指紋登録時の正規の各座標位置からずれている場合に、各座標位置でのずれ量がCPU4aにより算出されて、CPU4aは、それらのずれ量を相殺するように、指紋認証時の座標データを指紋登録時の正規の座標データへと一致させる処理を行う。例えば、図6(b)に示すように、指の長軸方向をY軸方向に対してずれた方向に向けて指紋を検出してしまった場合、位置検知部3の中央付近の定点Pを通る線が指紋の外形SFと重なる二点間の距離を測定することで、検知された指の概ねの長軸方向を算出する。まず、定点Pと重なり、隣接する線と互いに角度θで傾いている線A0、A1、A2、…、AK(ただしKは2以上の整数)のそれぞれの長さL0、L1、L2、…、LKを、位置検知部3からの座標データから算出して比較し、最も長いものをY軸方向に合うように修正させる。これにより、指紋読取部2で取得された指紋画像は、常に、所定の向きの指紋画像として演算処理装置4に認識されるため、予め登録された指紋画像データと一致させやすくなる。
【0067】
その後、CPU4aは、ROM4cに格納された制御プログラムに従って、補正後の指紋画像データが記憶媒体4dに格納された指紋照合データに一致するか否かを判定する処理を行い、指紋画像データが指紋照合データと一致した場合に、被験者を登録者として認証する処理を行う。
【0068】
以上のような指紋読取装置1では、指紋読取部2により指紋画像が得られるが、同時に位置検知部3によっても指先100の載置位置が検知される。そして、指紋認証時においては、指紋読取部2により取得された指紋画像の位置が、位置検知部3による検知結果に基づいて補正された後に、指紋画像と予め登録された照合用の指紋画像とが照合される。
【0069】
従って、指紋照合時において、指先100が指紋登録時とは異なる正規の載置位置からずれた斜めの載置位置に置かれたとしても、指先100は、指紋登録時と同じ正規の載置位置に置かれたものとして認識され、指紋照合の処理が行われる。これにより、指紋読取装置1では、被験者が同一人である場合において、指紋認証時のたびに常にその被験者から認証しやすい指紋画像を得ることができ、指紋照合率を大幅に向上させることができる。
【0070】
また、指紋読取装置1では、指紋読取部2で取得した指紋画像の位置が補正されて指紋照合されるから、指先100を常に所定位置に載置するための固定機構を特に設ける必要も無く、固定機構を設けなくてもよい分だけ指紋読取装置1本体の大型化を防止できる。
【0071】
なお、本第一の実施形態では、指紋読取部2の光電変換素子としてDG−TFT20が画素ごとに設けられていたが、CCD(電荷結合素子)が画素ごとに設けられていてもよいし、CMOSイメージセンサが画素ごとに設けられてもよい。そして、DG−TFT20の場合と同様に、複数のCCD又は複数のCMOSイメージセンサに保護絶縁膜が被膜される。ただし、光電変換素子を駆動する周辺ドライバは、素子の種類によって異なる。
【0072】
また、本第一の実施形態では、固体撮像素子8の表層の保護絶縁膜31に直接位置検知部3が設けられていたが、固体撮像素子8に対して位置検知部3が離れて設けられてもよい。特に、固体撮像素子8と位置検知部3とが離れている場合には、位置検知部3の透明フィルム52に載置された指先100の指紋画像を固体撮像素子8に結像する光学系(例えば、一又は複数のレンズから構成されている。)を固体撮像素子8と位置検知部3との間に配設するとよい。
【0073】
[第二の実施の形態]
図7(a)(b)は、第二の実施の形態に係る指紋読取装置200を示す概略の側面断面図であり、図7(c)は、指紋読取装置200を示す正面断面図である。
図7に示す通り、指紋読取装置200は、指先100の指紋を読み取る指紋読取部70と、指紋読取部70の所定位置に指先100をガイドするガイド機構71と、指紋読取部70を含む各種部材を収容し、表示部73を有する携帯機器72と、を具備する。
【0074】
指紋読取部70は、第一の実施形態で説明した指紋読取部2と同様のものである。本第二の実施形態では、指紋読取部70の構成及び作用についての詳細な説明は省略する。
【0075】
表示部73は、液晶パネル等のディスプレイパネルで構成され、携帯機器72に設けられた図示しないキーボードの操作結果や指紋読取部70での認証結果等を表示する機能を有している。
【0076】
ガイド機構71は、指紋読取部70を覆うように携帯機器72上に形成され、第一のガイド部材71aと、第二のガイド部材71bとを備える。図8は、ガイド機構71の各ガイド部材71a,71bの概観を示す斜視図である。
【0077】
図8に示す通り、各ガイド部材71a,71bは、両端が開口した略半円筒体であって、一方の端部から他方の端部に向かって先細になるテーパ形状を有するものである。第一のガイド部材71aの外径は、第二のガイド部材71bの内径よりも小さく形成されており、第一のガイド部材71aの大径側の外径と第二ガイド部材71bの小径側の内径とは、略同様の径に形成されている。これにより、第一のガイド部材71aの上部又は上方に第二のガイド部材71bを重ね合わせることができる。
【0078】
図7(a)(b)に示す通り、第一のガイド部材71aが携帯機器72において指紋読取部70の上部に設けられ、第二のガイド部材71bが第一のガイド部材71aの上に重なっている。つまり、ガイド機構71は、第一のガイド部材71aの上に第二のガイド部材71bが重なった二重構造を有している。
【0079】
図7(b)に示す通り、第二のガイド部材71bは、携帯機器72に支持された状態で前後に移動可能であり、第一のガイド部材71aから引き出されたり、第一のガイド部材71aに重ね合わせたりすることができる。これにより、ガイド機構71は伸縮機能を具備する。
【0080】
なお、第二のガイド部材71bと携帯機器72との間には、図示略のロック機構が設けられており、第二のガイド部材71bが、第一のガイド部材71aから最も引き出された状態又は第一のガイド部材71aに重ね合わせられた状態では、第二のガイド部材71bはその位置でロックされ、所定量以上の外力が加わらない限り、第二のガイド部材はその位置から移動しない。指紋認証時以外の場合において、例えば、表示部73を視認するときは、図7(b)に示すように、第二のガイド部材71bは第一のガイド部材71aに重ね合わせられ、露出した表示部73が、携帯機器72の上方から視認可能となっている。そして、指紋認証時は、図7(a)に示すように、第二のガイド部材71bが引き出されると、表示部73が隠れるようになっている。
【0081】
次に、指紋認証時の指紋読取装置200の作用について説明する。
第二のガイド部材71bが第一のガイド部材71aから引き出され、第一のガイド部材71aに対して第二のガイド部材71bが最大に引き出された位置で、第二のガイド部材71bは携帯機器72にロックされる。
【0082】
その後、被験者の指先100が、第二のガイド部材71bの内部に挿通され、更に第一のガイド部材71aの内部にも挿通されて、第一のガイド部材71a及び第二のガイド部材71bに沿って指紋読取部70の読取面70a(図4に示す保護絶縁膜31)上の所定位置に載置される。
【0083】
このとき、第二のガイド部材71bは、第一のガイド部材71aでは覆いきれない部分の指先100をガイドし、指先100が指紋読取部70の読取面70aの所定位置に向かうようにガイドしている。
【0084】
その後、第一の実施形態に説明したように、指紋読取部70によって指先100の指紋画像が得られ、指紋読取装置200での処理が終了する。なお、指紋読取装置200での処理が終了したら、第二のガイド部材71bは、第一のガイド部材71aから突出していて邪魔なので、ロックを解除して元の状態に戻すとよい。
【0085】
以上のような指紋読取装置200では、指先100は、ガイド機構70によりガイドされながら指紋読取部70の所定位置に載置される。従って、指紋認証時のたびに、指先100は所定位置にガイドされ、常に、認証しやすい指紋画像を得ることができる。
【0086】
また、ガイド機構71は、各ガイド部材71a,71bからなる二重構造を有した伸縮機能を具備するから、指紋認証時のみ第二のガイド部材71bを第一のガイド部材71aから引き出し、それ以外では第二のガイド部材71bを第一のガイド部材71aに重ね合わせて収納すればよく、指紋読取装置200本体が大型化するのを防止できる。
【0087】
更に、ガイド機構71は、上記の通り、各ガイド部材71a,71bからなる二重構造を有した伸縮機能を具備するから、ガイド機構71そのものをコンパクトかつ簡単な設計で実現できる。
【0088】
なお、本第二の実施形態では、第一のガイド部材71aが、携帯機器72に略固定される状態を維持する構成であったが、第一のガイド部材71aも第二のガイド部材71bと同様に前後に移動可能な構成としてもよい。
【0089】
また、本第二の実施形態では、ガイド機構71は、各ガイド部材71a,71bからなる二重構造を有した構成であったが、第二のガイド部材71bの外径よりも大きい内径を有するガイド部材を一つ又は複数設けて、更なる多重構造を有する構成としてもよい。
【0090】
また、本第二の実施形態では、ガイド部材71bは、指紋読取時では表示部73を覆ったが、指紋読取時に図示しないキーボードを覆い、指紋読取時以外は、キーボードを露出するようしてもよい。
【0091】
【発明の効果】
本発明によれば、指紋認証時のたびに認証しやすい指紋画像を得ることができ、更には装置本体の大型化をも防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一の実施の形態に係る指紋読取装置を示す概略断面図である。
【図2】指紋読取部の回路構成を示す平面図である。
【図3】図2の破断線C−Cで指紋読取部を破断した断面図である。
【図4】図3の一部を拡大した図面である。
【図5】位置検知部を示す(a)断面図(b)平面図である。
【図6】位置検知部により検知される指先のX軸座標及びY軸座標上の各位置を示す座標データを説明するための図面である。
【図7】第二の実施の形態に係る指紋読取装置を示す(a)(b)概略断面図(c)正面断面図である。
【図8】各ガイド部材の斜視図である。
【符号の説明】
100 指先
1,200 指紋読取装置
2,70 指紋読取部
3 位置検知部(位置検知手段)
4 演算処理装置
8 固体撮像素子
54 X軸透明電極
55 Y軸透明電極
71 ガイド機構
71a 第一のガイド部材
71b 第二のガイド部材
Claims (2)
- 指先が載置される載置面を有し、前記載置面に載置された指先の指紋を前記載置面下から読み取る指紋読取装置において、
前記載置面には、前記載置面に載置された指先の載置位置を検知する位置検知手段が設けられていることを特徴とする指紋読取装置。 - 指先が載置される載置面と、
前記載置面に載置された指先の指紋を前記載置面下から撮像する固体撮像素子と、
前記載置面の所定位置に指先をガイドするガイド機構と、
を備え、
前記ガイド機構は、
互いに径の異なる略半円筒形状のガイド部材を複数重ね合わせた多重構造を有し、複数の前記ガイド部材が重ね合わさる状態と、複数の前記ガイド部材のうち少なくとも一のガイド部材が他のガイド部材から引き出される状態と、に移行自在であることを特徴とする指紋読取装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002265246A JP2004102771A (ja) | 2002-09-11 | 2002-09-11 | 指紋読取装置 |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007287120A (ja) * | 2006-03-22 | 2007-11-01 | Hitachi Omron Terminal Solutions Corp | 生体認証装置における遮光カバー |
JP2009204499A (ja) * | 2008-02-28 | 2009-09-10 | Casio Comput Co Ltd | 生体高分子分析チップ |
WO2017047091A1 (ja) * | 2015-09-18 | 2017-03-23 | 日本電気株式会社 | 指紋読取装置 |
WO2017047092A1 (ja) * | 2015-09-18 | 2017-03-23 | 日本電気株式会社 | 指紋読取装置 |
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2002
- 2002-09-11 JP JP2002265246A patent/JP2004102771A/ja active Pending
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