JP2004101837A - 画像形成装置、像担持体の寿命検知方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の画像形成装置は、像担持体に対して制御回路100の制御に従って高圧ユニット120から供給される電圧を印加する帯電器13を備える。この制御回路100は、帯電器13から像担持体に印加される電圧の印加条件(AC電圧とDC電圧とを重畳、DC電圧のみ、印加なし等)と、この電圧を印加した際の像担持体のドラムサイクル数とを像担持体の使用条件として把握する使用条件把握手段と、印加条件と像担持体の過去における使用履歴とから像担持体の寿命係数を決定する寿命係数決定手段と、この像担持体の過去における使用履歴情報(寿命積算量)、および寿命係数とサイクル数とに基づいて像担持体の寿命を算出する寿命積算量算出手段とからなり、これにより高精度な寿命を検知することができる。
【選択図】 図6
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式などを採用したフルカラーや白黒の画像等を形成することが可能なプリンタ、複写機、ファクシミリ等の画像形成装置等に関し、より詳しくは、複数の画像形成ユニットから構成される画像形成装置等に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、プリンタや複写機、ファクシミリ等の画像形成装置では、カラー画像を高速且つ高画質に形成することを目的として、所謂フルカラーのタンデム機が提案されている。このタンデム機の代表的なものとしては、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4つの画像形成ユニットを互いに並列的に配置し、これらの各画像形成ユニットにて順次形成される各色のトナー像(イエロー、マゼンタ、シアン、黒)を、中間転写ベルト上に一旦、多重に一次転写した後、この中間転写ベルトから転写紙上に一括して二次転写し、この転写紙上に形成されたトナー像を定着することによって、フルカラーや白黒(モノクロ)の画像を形成するものが挙げられる。
【0003】
図12は、かかるタンデム機の一例を示した図である。この図12に示す画像形成装置は、イエロー、マゼンタ、シアン、黒の各々色の異なるトナー像を形成する4つの画像形成ユニット300Y,300M,300C,300Kを備え、これらの画像形成ユニット300Y,300M,300C,300Kは、水平方向に沿って一定間隔を隔て、並列的に配置されている。この画像形成ユニット300Y,300M,300C,300Kは、形成するトナー像の色が異なる他は、ほぼ同様な構成を備えており、感光体ドラム301の表面を帯電装置302によって一様に帯電した後、露光装置303によって感光体ドラム301の表面に画像露光を施し、各色の画像情報に応じた静電潜像を形成している。この感光体ドラム301の表面に形成された静電潜像は、対応する色の現像装置304により顕像化されてトナー像となり、このトナー像は、一次転写用の帯電器305によって中間転写ベルト306上に、順次、多重に転写される。また、感光体ドラム301の表面に残留したトナーはクリーニング装置307によって除去され、次の画像形成工程に備える。
【0004】
中間転写ベルト306は、駆動ローラを含む複数本のローラ308、309、310、311、312によって、感光体ドラム301の回転速度と等しい速度で循環駆動される。この中間転写ベルト306上に多重に転写されたイエロー、マゼンタ、シアン、黒の各色のトナー像は、この中間転写ベルト306の下方に設けられた二次転写位置(ローラ311の位置)において、中間転写ベルト306の表面と接触する二次転写ロール313により、この二次転写位置に所定のタイミングで給紙される転写用紙314上に一括して転写される。その後、この転写用紙314は、定着装置(図示せず)まで搬送され、この定着装置によって熱および圧力で定着処理を受けることで、カラーや白黒の画像が形成される。
【0005】
ここで、感光体ドラム301の表面を帯電させる帯電装置302としては、従来、コロナ帯電装置によって放電する非接触型が広く用いられてきたが、オゾンの発生を低減し消費電力を削減するために、近年、接触型が注目されている。この接触型では、被帯電体である感光体ドラム301に、例えば帯電ローラや帯電ブラシ等の帯電部材を当接させ、所定の帯電バイアスを印加して像担持体である感光体ドラム301の表面を所定の極性、電位に帯電させている。
【0006】
この接触型の帯電部材を用いる従来技術として、感光体の寿命を検知するために、感光体の回転時間と一次AC高圧の印加時間、さらにプロセス速度に重み付けをして感光体の使用状況を測定し、それぞれの要因が感光体の寿命に与える影響を考慮して、この感光体の寿命を判断する技術が存在する(例えば、特許文献1参照)。また、帯電部材からのバイアス印加にAC電圧とDC電圧を併用している場合、印加されるバイアス成分に応じて、それぞれのバイアス印加が像担持体に対して与えるダメージを演算するための係数を変更し、この係数とバイアス印加時間とから演算された像担持体のダメージを積算する技術が存在する(例えば、特許文献2)。
【0007】
【特許文献1】
特開平10−39690号公報(第4−6頁、図1、図6)
【特許文献2】
特開平10−186972号公報(第8−9頁、図1、図4)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
このように、接触型帯電部材を感光体ドラム等の像担持体に接触させて帯電させる場合には、種々の要因により、この像担持体の表面がダメージを受けて摩耗する。この像担持体の摩耗の要因として、より具体的には、像担持体の表面に残留したトナーを除去するクリーニング装置との摩擦や、接触型帯電部材から印加される帯電バイアスによるダメージなどが挙げられる。特に、帯電バイアスの印加にAC電圧を用いた場合には、DC電圧を用いた場合よりも相当大きなダメージを与えることが知られている。この帯電バイアスによる像担持体のダメージは、非接触型の帯電装置であっても同様に発生し得る。このような要因により摩耗した像担持体にて画像を形成すると、画質が低下してしまうという問題がある。そのため、像担持体が摩耗し、表面の膜厚が所定値以下となった場合には、この像担持体の寿命がきたことを検知し、像担持体または像担持体を含むプロセスカートリッジ毎の交換を行うことが望ましい。
【0009】
しかしながら、画像形成装置の動作時に、この画像形成装置内部に装着されている像担持体の寿命を正確に検知することは困難である。かかる問題に対し、例えば、上述した文献1の技術を採用し、像担持体の回転時間、バイアス電圧の印加時間、およびプロセス速度から像担持体の寿命を判断することは、像担持体の寿命を検知するのにはある程度有効であるが、この寿命を正確に検知することはできない。また、上述した文献2に記載された技術では、印加されるバイアス電圧の成分に応じて摩耗係数を変更して、この係数とバイアス印加時間とから像担持体のダメージを積算しているが、像担持体のサイクルに応じた適切な摩耗係数の選択がなされておらず、この像担持体のダメージを正確に検知することができない。さらに、上記の特許文献1,2では、バイアス印加時間に対して重み付けを行っているが、像担持体の摩耗量は、この像担持体のサイクルによっても異なる。
【0010】
本発明は、以上のような技術的課題を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、接触型帯電部材により帯電バイアスを印加する際の使用状態に影響されることなく像担持体の寿命をより高精度に検知することにある。
また他の目的は、画像形成装置内に複数設けられた像担持体の使用状態に応じた寿命の検知を行い、それぞれの像担持体の寿命を個別に検知するシステムを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
かかる目的のもと、本発明では、像担持体に印加される電圧の印加条件とこの像担持体のサイクル数とによって決まる像担持体の使用状態に着目した。さらに本発明の発明者は、像担持体に電圧を印加した場合における摩耗量を高精度に計測して、印加条件とサイクル数とから高精度な寿命係数を求めた。そして本発明では、像担持体の寿命係数と使用状態に基づいて、この像担持体の寿命を高精度に検知する。
すなわち、本発明は、像担持体に対して電圧を印加する帯電器を備えた画像形成装置であって、この帯電器から像担持体に印加される電圧の印加条件とこの像担持体のサイクル数とを把握する使用状態把握手段と、この使用状態把握手段により把握された印加条件とこの像担持体の過去における使用履歴とから像担持体の寿命係数を決定する寿命係数決定手段と、この寿命係数決定手段により決定された寿命係数と像担持体のサイクル数とに基づいてこの像担持体の寿命を算出する寿命積算量算出手段とを備える。
【0012】
ここで、この寿命係数決定手段により決定される前記寿命係数の値は、帯電器により印加される印加電圧をパラメータとして、像担持体の寿命積算量から決定される値である。また、この使用状態把握手段により把握されるサイクル数は、帯電器から像担持体に印加される電圧の印加時間と、この像担持体におけるプロセス速度と、この像担持体の径とから把握される。さらに、使用状態把握手段により把握される電圧の印加条件は、少なくともAC電圧とDC電圧とを重畳させた電圧を印加した場合と、DC電圧のみからなる電圧を印加した場合とを含む。またさらに、この画像形成装置は、像担持体と帯電器とがカートリッジ化されてこの画像形成装置本体に収納されると共に、このカートリッジ単位で像担持体の過去における使用履歴情報を格納する格納手段をさらに備える。そして、寿命積算量算出手段は、この格納手段に格納された使用履歴情報に基づいて像担持体の寿命積算量を算出する。
【0013】
また、本発明の画像形成装置は、像担持体と、この像担持体を帯電させる帯電器と、この帯電器に対して所定の印加条件により帯電バイアスを印加する電源ユニットと、この電源ユニットによる帯電バイアスの印加条件およびこの像担持体の過去における使用履歴からこの像担持体の寿命係数を決定すると共に、この像担持体の使用状態と寿命係数とから像担持体の寿命積算量を算出する制御部とを備えた構成とすることができる。
ここで、この画像形成装置において、像担持体の使用状態は、この像担持体のサイクル数または帯電バイアスの印加による像担持体の帯電時間に基づいて把握される。また、像担持体の寿命係数は、この像担持体の寿命積算量に応じて無段階または段階的に増加する。
【0014】
さらに、本発明は、帯電器により帯電バイアスを印加される像担持体を備えた画像形成装置において、以下のような像担持体の寿命検知方法を提供する。この像担持体の寿命検知方法は、画像形成装置のプリント動作における像担持体のサイクル数を算出するステップと、この像担持体の過去における寿命積算量を読み込むステップと、この帯電器から像担持体に印加される帯電バイアスの印加条件と読み込まれた像担持体の寿命積算量とから寿命係数を算出するステップと、この像担持体のサイクル数と寿命係数とに基づいてこのプリント動作における寿命積算量を算出するステップとを含む。
【0015】
ここで、この像担持体の寿命検知方法において、寿命積算量を算出するステップでは、過去における寿命積算量と算出されたプリント動作における寿命積算量とから新たな寿命積算量を算出する。また、この像担持体の寿命検知方法は、算出された新たな寿命積算量と所定の閾値とを比較することにより像担持体の寿命を判断するステップをさらに含む。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、この発明の実施の形態について説明する。
図1は本実施の形態が適用される画像形成装置の全体構成を示した図であり、所謂タンデム型のデジタルカラープリンタを示している。図1に示す画像形成装置は、本体1に、各色の階調データに対応して画像形成を行う画像プロセス系10、記録用紙(シート)を搬送するシート搬送系40、例えばパーソナルコンピュータや画像読み取り装置等に接続され、受信された画像データに対して所定の画像処理を施す画像処理系であるIPS(Image Processing System)50を備えている。
【0017】
画像プロセス系10は、水平方向に一定の間隔を置いて並列的に配置される、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4つの画像形成ユニット11Y,11M,11C,11K、この画像形成ユニット11Y,11M,11C,11Kの感光体ドラム12に形成された各色のトナー像を中間転写ベルト21上に多重転写させる転写ユニット20、画像形成ユニット11Y,11M,11C,11Kに対してレーザ光を照射する光学系ユニットであるROS(Raster Output Scanner)30を備えている。また本体1には、転写ユニット20によって二次転写された記録用紙(シート)上の画像を、熱および圧力を用いて記録用紙に定着させる定着器29を備えている。更に、画像形成ユニット11Y,11M,11C,11Kに対して各色のトナーを供給するためのトナーカートリッジ19Y,19M,19C,19Kが設けられている。
【0018】
転写ユニット20は、中間転写体である中間転写ベルト21を駆動するドライブロール22、中間転写ベルト21に一定のテンションを付与するテンションロール23、重畳された各色のトナー像を記録用紙に二次転写するためのバックアップロール24、中間転写ベルト21上に存在する残留トナー等を除去するクリーニング装置25を備えている。中間転写ベルト21は、このドライブロール22とテンションロール23およびバックアップロール24との間に一定のテンションで掛け回されており、定速性に優れた専用の駆動モータ(図示せず)によって回転駆動されるドライブロール22により、矢印方向に所定の速度で循環駆動される。この中間転写ベルト21は、例えば、チャージアップを起こさないベルト素材(ゴムまたは樹脂)にて抵抗調整されたものが使用されている。クリーニング装置25は、クリーニングブラシ25aおよびクリーニングブレード25bを備えており、トナー像の転写工程が終了した後の中間転写ベルト21の表面から残留トナーや紙粉等を除去して、次の画像形成プロセスに備えるように構成されている。
【0019】
ROS30は、図示しない半導体レーザ、変調器の他、半導体レーザから出射されたレーザ光(LB−Y,LB−M,LB−C,LB−K)を偏向走査するポリゴンミラー31を備えている。図1に示す例では、ROS30は、画像形成ユニット11Y,11M,11C,11Kの下方に備えられることから、トナー等の落下による汚損の危険性を有している。そこで、ROS30は、各構成部材を密閉するための直方体状のフレーム32を設け、レーザ光(LB−Y,LB−M,LB−C,LB−K)が通過するガラス製のウィンドウ33をこのフレーム32の上方に設けて、走査露光と共にシールド効果を高めるように構成されている。
【0020】
シート搬送系40は、画像が記録される記録用紙(シート)を積載して供給する給紙装置41、給紙装置41から記録用紙を取り上げて供給するナジャーロール42、ナジャーロール42から供給された記録用紙を1枚ずつ分離して搬送するフィードロール43、フィードロール43により1枚ずつに分離された記録用紙を画像転写部に向けて搬送する搬送路44を備えている。また、搬送路44を介して搬送された記録用紙に対し、二次転写位置に向けてタイミングを合わせて搬送するレジストロール45、二次転写位置に設けられバックアップロール24に圧接して記録用紙上に画像を二次転写する二次転写ロール46を備えている。更に、定着器29によってトナー画像が定着された記録用紙を本体1の機外に排出する排出ロール47、排出ロール47によって排出された記録用紙を積載する排出トレイ48を有する。また、定着器29によって定着された記録用紙を反転させて両面記録を可能とする両面用搬送ユニット49を備えている。
【0021】
次に、図1に示す画像形成装置の動作について説明する。図示しない原稿読み取り装置によって読み取られた原稿の色材反射光像や、図示しないパーソナルコンピュータ等にて形成された色材画像データは、例えばR(赤)、G(緑)、B(青)の各8ビットの反射率データとしてIPS50に入力される。IPS50では、入力された反射率データに対して、シェーディング補正、位置ズレ補正、明度/色空間変換、ガンマ補正、枠消しや色編集、移動編集等の各種画像編集等の所定の画像処理が施される。画像処理が施された画像データは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4色の色材階調データに変換され、ROS30に出力される。
【0022】
ROS30では、入力された色材階調データに応じて、半導体レーザ(図示せず)から出射されたレーザ光(LB−Y,LB−M,LB−C,LB−K)を、f−θレンズ(図示せず)を介してポリゴンミラー31に出射している。ポリゴンミラー31では、入射されたレーザ光を各色の階調データに応じて変調し、偏向走査して、図示しない結像レンズおよび複数枚のミラーを介して画像形成ユニット11Y,11M,11C,11Kの感光体ドラム12に照射している。画像形成ユニット11Y,11M,11C,11Kの感光体ドラム12では、帯電された表面が走査露光され、静電潜像が形成される。形成された静電潜像は、各々の画像形成ユニット11Y,11M,11C,11Kにて、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー像として現像される。
【0023】
画像形成ユニット11Y,11M,11C,11Kの感光体ドラム12上に形成されたトナー像は、中間転写体である中間転写ベルト21上に多重転写される。このとき、黒色のトナー像を形成する黒の画像形成ユニット11Kは、中間転写ベルト21の移動方向の最下流側に設けられ、黒色のトナー像は、中間転写ベルト21に対して最後に一次転写される。
【0024】
一方、シート搬送系40では、画像形成のタイミングに合わせてナジャーロール42が回転し、給紙装置41から所定サイズの記録用紙が供給される。フィードロール43により1枚ずつ分離された記録用紙は、搬送路44を経てレジストロール45に搬送され、一旦、停止される。その後、トナー像が形成された中間転写ベルト21の移動タイミングに合わせてレジストロール45が回転し、記録用紙は、バックアップロール24および二次転写ロール46によって形成される二次転写位置に搬送される。二次転写位置にて下方から上方に向けて搬送される記録用紙には、圧接力および所定の電界を用いて、4色が多重されているトナー像が副走査方向に順次、転写される。そして、各色のトナー像が転写された記録用紙は、定着器29によって熱および圧力で定着処理を受けた後、排出ロール47によって本体1の上部に設けられた排出トレイ48に排出される。尚、排出トレイ48にそのまま排出せずに、図示しない切り換えゲートによって搬送方向を切り換え、定着器29によって定着された記録用紙を両面用搬送ユニット49によって反転させることもできる。この反転された記録用紙をレジストロール45に搬送した後、前述と同様な流れによって、印刷されていない他の面について画像を形成することで、記録用紙の両面に画像を形成することが可能となる。
【0025】
次に、画像プロセス系10における画像形成ユニット11Y,11M,11C,11Kについて詳述する。
図2は、画像形成ユニット11Y,11M,11C,11Kの構成を説明するための図であり、ここでは、イエロー(Y)の画像形成ユニット11Yとマゼンタ(M)の画像形成ユニット11Mとが示されている。他の画像形成ユニット11C,11Kもほぼ同様に構成されている。
【0026】
画像形成ユニット11Y,11M,11C,11Kは、トナー像を担持させる像担持体としての感光体ドラム12、帯電ロール13aを用いて感光体ドラム12を帯電させる帯電器13、帯電器13によって帯電され、ROS30からのレーザ光(LB−Y,LB−M,LB−C,LB−K)によって感光体ドラム12上に形成された静電潜像を現像ロール14aによって現像する現像器14、中間転写ベルト21を挟んで感光体ドラム12に対向して設けられ、帯電バイアスを印加することにより感光体ドラム12上に現像されたトナー像を中間転写ベルト21上に転写する一次転写ロール15、転写後に感光体ドラム12上に残った残留トナーを除去するクリーニング装置16を備えている。
【0027】
次に、カートリッジについて説明する。
図3は、本実施の形態におけるカートリッジを説明するための図である。本実施の形態では、各色ごとに、各画像形成ユニット11Y,11M,11C,11Kの感光体ドラム12、帯電器13、およびクリーニング装置16を一体化し、プロセスカートリッジ60を形成している。画像形成装置の本体1からこのプロセスカートリッジ60だけを取り外し、また、プロセスカートリッジ60だけを本体1に対して取り付け可能とし、ユーザによる交換を可能としている。これらのプロセスカートリッジ60は、各画像形成ユニット11Y,11M,11C,11Kの間で差し替えて用いることもできる。
【0028】
図4は、プロセスカートリッジを他の方向から見た斜視図である。この各プロセスカートリッジ60には、カートリッジメモリ61が搭載されている。このカートリッジメモリ61には、例えば、感光体ドラム12の回転数、高圧電圧印加時間、プリント枚数、寿命積算量(後述する)など、所定の画像形成ユニット11Y,11M,11C,11Kにて、そのプロセスカートリッジ60が装着された際の、各々のカートリッジ使用履歴情報が格納されている。各々のプロセスカートリッジ60に夫々カートリッジメモリ61が搭載されていることにより、プロセスカートリッジ60が異なる画像形成ユニットで用いられた場合であっても、トータルとしての自らの使用履歴情報を、プロセスカートリッジ60自らが保存することができる。その結果、プロセスカートリッジ60毎に、正しい寿命を判断することができる。
【0029】
次に、画像形成装置における駆動制御について説明する。
図5は、本実施の形態が適用される画像形成装置の駆動制御を説明するための図である。IPS50により画像処理がなされた画像信号に基づき、制御回路100のCPU(図示せず)は、ROM(図示せず)に記憶されたプログラムに従って処理を実行する。制御回路100は、駆動系として、2次転写ロール46や定着器29、シート搬送系40、黒の画像形成ユニット11Kにおける現像器14(14K)等を駆動させるメインモータ101、転写ユニット20の中間転写ベルト21等を駆動する中間転写体駆動モータ102、黒の画像形成ユニット11Kを除くカラー用の画像形成ユニット11Y,11M,11Cにおける感光体ドラム12(12Y,12M,12K)を駆動する感光体駆動モータ103、黒の画像形成ユニット11Kにおける感光体ドラム12(12K)を駆動する黒用感光体駆動モータ104、黒の画像形成ユニット11Kを除くカラー用の画像形成ユニット11Y,11M,11Cにおける現像器14(14Y,14M,14C)を駆動する現像器駆動モータ105を制御している。また、制御回路100は、メインモータ101に連結されシート搬送系40の駆動を切り換えるクラッチ111、およびメインモータ101に連結され黒の画像形成ユニット11Kにおける現像器14(14K)を切り換えるクラッチ112を制御している。制御回路100は、これらの各種モータ、クラッチの動作を制御することで、画像形成装置における各箇所のタイミングを図り、前述した動作によって記録用紙に対する画像形成を可能としている。
【0030】
尚、前述のように、本実施の形態では、画像形成ユニット11Y,11M,11C,11Kの一部をカートリッジ化し、各プロセスカートリッジ60に各々設けられたカートリッジメモリ61に使用履歴情報を格納している。例えば、画像形成ユニット11Y,11M,11C,11Kに設けられたカートリッジを夫々第1カートリッジ〜第4カートリッジとすると、制御回路100は、これらのプロセスカートリッジ60のカートリッジメモリ61から使用履歴情報を読み出し、読み出された使用履歴情報に基づいて、各画像形成ユニット11Y,11M,11C,11Kごとに、個別に、プロセス形成条件を変更することができる。また、制御回路100は、各プロセスカートリッジ60のカートリッジメモリ61に対して、新たな使用履歴情報を書き込む作業も行っている。
【0031】
図6は、駆動制御を除く画像形成装置の制御を説明するための図である。制御回路100は、高圧ユニット(HVPS:High Voltage Power Supply)120を制御しており、この高圧ユニット120は、帯電器13(13Y,13M,13C,13K)に対して帯電バイアスを印加している。尚、ここでは、高圧ユニット120から現像器14に印加される現像バイアス等の説明は省略している。また、制御回路100には、画像形成装置を操作するための各種ボタンまたはタッチパネル等の操作手段(図示せず)やディスプレイ等の表示手段(図示せず)を備えたコントロールパネル140が接続されている。この制御回路100は、CPU(図示せず)の機能として、ROM(図示せず)に記憶された各情報およびプログラムに従って動作する。
また、この制御回路100には、CPUが動作する際に用いられる各種情報を保持するRAM(図示せず)が備えられている。
【0032】
さらに、制御回路100は、各々の画像形成ユニット11Y,11M,11C,11Kを構成するプロセスカートリッジ60に搭載されたカートリッジメモリ61(61Y,61M,61C,61K)に接続されている。また、画像形成装置の本体1に設けられている本体メモリ130に接続されている。このカートリッジメモリ61には、前述のように各々のプロセスカートリッジ60における過去の使用履歴情報が格納されている。また本体メモリ130には、PV(Page Volume)カウンタによって計数された記録用紙のプリント枚数や、サイクルカウンタによって計数された感光体ドラム12の回転数等の情報、この感光体ドラム12の寿命積算量等が格納されている。制御回路100では、カートリッジメモリ61(61Y,61M,61C,61K)および本体メモリ130から得られた各情報に基づいて高圧ユニット120等に対する制御が実行されると共に、制御回路100からの指示に基づいてカートリッジメモリ61(61Y,61M,61C,61K)の使用履歴情報等が更新される。
【0033】
制御回路100は、高圧ユニット120を制御し、DC電圧成分の他、このDC電圧成分に振動成分(交流成分)を含むAC電圧成分を重畳させて帯電器13(13Y,13M,13C,13K)に帯電バイアスを印加している。帯電バイアスに用いられるDC電圧としては、例えば、定電圧としてVdc=(−750)Vが印加される。AC電圧としては、DC電圧と比べて均一帯電が可能なサイン(sin)波の波形で、プロセススピード165mm/sec(フルカラーモードのとき)にて、例えば、周波数f=1306Hzかつ電圧値Vpp=1.9kVとなるように制御される。この場合、感光体ドラム12には、AC電圧とDC電圧とが重畳された帯電バイアス、またはDC電圧のみの帯電バイアスが印加される。また、モノクロモードのときには、画像形成装置全体のプロセススピードが165mm/secであるときに、非作像エンジン(カラー用の画像形成ユニット11Y,11M,11C)のプロセススピードは、例えば52mm/secとなる。この場合、カラー用の感光体ドラム12(12Y,12M,12C)は、帯電バイアスが印加されない状態で空回りする。このように、フルカラーのタンデム機においては、形成する画像に応じて感光体ドラム12に印加される帯電バイアス(印加条件)が異なる。
【0034】
図7は、本実施の形態における制御回路100において実現される機能を説明するための図である。図7のブロック図に示す機能は、制御回路100のCPUにおいて実現されるソフトウェアブロックである。この制御回路100は、各帯電器13に対する電圧印加条件(帯電条件)に応じた感光体ドラム12のドラムサイクル数(感光体ドラム12が1回転するのを1サイクルとする)を検出する帯電サイクル検出部201と、プロセスカートリッジ60のカートリッジメモリ61に格納された直前のプリント動作終了時までの寿命積算量(過去における使用履歴に基づく寿命積算量または摩耗量)を読み込む寿命積算量読み込み部202と、帯電サイクル検出部201にて検出された電圧印加条件、ドラムサイクル数、および過去における使用履歴情報(寿命積算量)に基づいて感光体ドラム12の寿命係数を演算する寿命係数演算部203と、ドラムサイクル数と寿命係数演算部203にて演算された寿命係数とから寿命積算量を演算する寿命積算量演算部204と、寿命積算量演算部204にて演算された寿命積算量をプロセスカートリッジ60のカートリッジメモリ61に格納する寿命積算量書き込み部205とを備える。また、制御回路100は、感光体ドラム12の寿命を判断する閾値として用いられる寿命情報を読み込む寿命情報読み込み部206と、カートリッジメモリ61に格納された寿命積算量と寿命情報とを比較する寿命積算量比較部207と、寿命積算量比較部207における比較結果に従い必要に応じて警告を行う寿命警告部208とをさらに備える。
【0035】
ここで、上記の帯電サイクル検出部201は、帯電バイアスの成分(AC電圧とDC電圧とを重畳して印加した場合、DC電圧のみを印加した場合、帯電バイアス印加なしの場合)、すなわち帯電バイアスの印加条件ごとの、感光体ドラム12のドラムサイクル数を高精度に検出する。すなわち、制御回路100は、帯電バイアスの印加条件を把握すると共に、この印加条件に応じた感光体ドラム12のドラムサイクル数を把握する使用状態把握手段として機能する。また、寿命係数決定手段としての寿命係数演算部203は、電圧の印加条件と感光体ドラム12の過去における使用履歴(感光体ドラム12のドラムサイクル数に応じた摩耗量)から、この感光体ドラム12の摩耗係数を演算により算出する。さらに、寿命積算量算出手段としての寿命積算量演算部204は、後述する式に従い、プリント動作による寿命積算量を演算により算出する。
【0036】
ところで、上述したように感光体ドラム12の摩耗量は、帯電バイアスの印加条件、すなわち感光体ドラム12の使用状態によって異なる。以下図8では、感光体ドラム12の使用状態と摩耗量との関係についての実験結果を示す。
図8は、本実施の形態における感光体ドラム12のドラムサイクル数と、感光体ドラム12の摩耗量との関係を示す図である。ここで、図8では、横軸は感光体ドラム12のドラムサイクル数[kcycle]、縦軸は感光体ドラム12の摩耗量[μm]を示している。また、帯電器13に対する帯電バイアスの印加条件として、実線はAC電圧とDC電圧とが重畳された帯電バイアスが印加された場合、破線はDC電圧のみが帯電バイアスとして印加された場合、二点鎖線は帯電バイアスが印加されない場合について示している。ここでは、帯電バイアスによる印加電圧をパラメータとした、感光体ドラム12のドラムサイクル数と摩耗量との相関関係について説明する。
【0037】
図8に示すデータより、どのような使用条件下において感光体ドラム12を回転させた場合においても、この感光体ドラム12の摩耗量の増加率は、ドラムサイクル数が増加するにつれて大きくなる傾向にある。換言すれば、感光体ドラム12の摩耗量は、ドラムサイクル数の増加にしたがい、二次関数に近似的に増加していると言える。また、摩耗量の増加率は、AC電圧とDC電圧とを重畳させた帯電バイアスを印加した場合に最も大きく、次いでDC電圧のみの帯電バイアスを印加した場合が大きい。そして、摩耗量の増加率は、帯電バイアスを印加せずに感光体ドラム12を空回転させた場合に最も小さくなるが、帯電バイアスを印加しない場合であっても感光体ドラム12のドラムサイクル数に応じて所定量摩耗する。このようにして得られた、より正確なドラムサイクル数と摩耗量との関係から、感光体ドラム12の寿命を算出するための摩耗係数を導き出す。従来において摩耗係数を導き出すにあたっては、どのような使用条件においても摩耗量が帯電バイアス印加時間に応じて一次関数的(略直線的)に増加するものとしていた。これに対して本発明者は、ドラムサイクル数と摩耗量との関係を高精度に測定したことにより、より高精度な摩耗係数を導き出すことが可能となり、これにより、感光体ドラム12の寿命をより高精度に算出することができるようになる。
【0038】
本発明者の鋭意検討の結果、図8に示した実験結果のデータに基づき、感光体ドラム12の寿命係数を導き出すことができた。図9は、感光体ドラム12の寿命積算量と感光体ドラム12の寿命係数との相関関係を示す図である。図9では、横軸は感光体ドラム12の寿命積算量(摩耗量[μm])、縦軸は感光体ドラム12の寿命係数を示している。また、同図において、実線はAC電圧とDC電圧とが重畳された帯電バイアスが印加された場合における感光体ドラム12の寿命係数R1、破線はDC電圧のみが帯電バイアスとして印加された場合における感光体ドラム12の寿命係数R2、二点鎖線は帯電バイアスが印加されない場合における寿命係数R3を示している。
【0039】
図9に示すように、図8に示したドラムサイクル数と摩耗量との相関関係から導き出される寿命係数R1は、寿命積算量が0のときには約0.05、寿命積算量すなわち使用履歴に応じた摩耗量が例えば16[μm]のときには約0.08とすることができる。また、寿命係数R2は、寿命積算量が0のときには約0.02、上記の寿命積算量としての摩耗量が16[μm]のときには約0.035とすることができる。さらに、寿命係数R3は、寿命積算量が0のときには約0.005、寿命積算量としての摩耗量が16[μm]のときには約0.009とすることができる。このように、これらの寿命係数R1,R2,R3は、寿命積算量に応じて直線的(無段階)に増加するように設定することができる。
【0040】
また、図8の実験結果のデータに基づき、感光体ドラム12の寿命係数を、図10に示すように設定することができる。図10は、感光体ドラム12の寿命積算量と感光体ドラム12の寿命係数との相関関係を示す図である。図10の横軸および縦軸、さらに寿命係数R1,R2,R3を示す各線種は、図9に示したのと同じなので説明を省略する。図10に示すように、寿命係数R1は、寿命積算量(摩耗量[μm])が0のときには約0.05であり、約4[μm]摩耗するごとに(寿命積算量に応じて)約0.01ずつ増加し、寿命積算量としての摩耗量が16[μm]のときには約0.08とすることができる。また、寿命係数R2は、寿命積算量が0のときには約0.020であり、約4[μm]摩耗するごとに約0.005ずつ増加し、寿命積算量としての摩耗量が16[μm]のときには約0.035とすることができる。さらに、寿命係数R3は、寿命積算量が0のときには約0.0050であり、約4[μm]摩耗するごとに約0.0013ずつ増加し、寿命積算量としての摩耗量が16[μm]のときには約0.0090とすることができる。このように、これらの寿命係数R1,R2,R3は、ドラムサイクル数に応じて段階的に増加するように設定することができる。
【0041】
以上図9、図10では、電圧の印加条件をパラメータとした寿命積算量と摩耗量との関係から寿命係数R1,R2,R3を求める場合について示したが、これらのグラフに代えて、寿命積算量および寿命係数の各々の読み値に対応するテーブルを設け、このテーブルに基づいて寿命係数を求めるようにしても良い。また、以上では、寿命積算量に応じて寿命係数R1,R2,R3を求める場合について示したが、寿命積算量に代えて、ドラムサイクル数や帯電時間に基づいて寿命係数を求めるようにしても構わない。
【0042】
本実施の形態では、以上のようにして得られた寿命係数に基づいて、寿命積算量を導き出すことができる。
ここで、前プリント動作終了時点での寿命積算量をB、AC電圧とDC電圧とを重畳して帯電バイアスを印加した場合のドラムサイクル数をC1、この場合における寿命係数をR1、DC電圧のみの帯電バイアスを印加した場合のドラムサイクル数をC2、この場合における寿命係数をR2、帯電バイアスを印加せずに感光体ドラム12が空回りした場合のドラムサイクル数をC3、この場合における寿命係数をR3とすると、寿命積算量Aは、
A=B+(R1×C1+R2×C2+R3×C3)
となる。
このような式を用いて寿命積算量を算出すれば、感光体ドラム12の使用状態がどのような場合であっても、この使用状態に対応することができる。
【0043】
図11は、感光体ドラム12の使用状態に応じて、制御回路100によって実行される処理を示すフローチャートである。画像形成装置において或るプリント動作が行われると制御回路100により、このプリント動作が終了したことが認識される(ステップ1101)。そして、帯電サイクル検出部201において、このプリント動作の画像形成プロセスにおける帯電バイアスの印加時間とプロセス速度と感光体ドラム12の径とから、感光体ドラム12の使用状態としての帯電バイアスの印加条件(AC電圧とDC電圧とを重畳、DC電圧のみ、電圧印加なし)ごとのドラムサイクル数(C1,C2,C3)が算出される(ステップ1102)。この帯電サイクル検出部201によるドラムサイクル数の算出に代えて、各帯電バイアスの印加条件ごとに感光体ドラム12のドラムサイクル数を、センサ等を用いて検出するようにしても構わない。
【0044】
次に、寿命積算量読み込み部202により、プロセスカートリッジ60のカートリッジメモリ61から、直前のプリント動作終了時までの寿命積算量Bが読み込まれる(ステップ1103)。そして、寿命係数演算部203により、読み込まれた寿命積算量Bおよび帯電バイアスの印加条件から、図9、図10に示した感光体ドラム12の各使用状態における寿命係数(R1,R2,R3)が算出される(ステップ1104)。ステップ1102において算出されたドラムサイクル数(C1,C2,C3)、ステップ1103において読み込まれた寿命積算量B、およびステップ1104において算出された寿命係数(R1、R2,R3)は、例えば、制御回路100のRAM、または本体メモリ130に保持される。
【0045】
そして、寿命積算量演算部204において、RAMに保持されたドラムサイクル数(C1,C2,C3)、寿命係数(R1、R2,R3)、および寿命積算量Bが用いられ、上記の式に基づいてステップ1101のプリント動作終了時における新たな寿命積算量Aが算出される(ステップ1105)。ステップ1105において算出された寿命積算量Aは、RAMに保持されると共に、寿命積算量書き込み部205によりプロセスカートリッジ60のカートリッジメモリ61に書き込まれる(ステップ1106)。この書き込まれた寿命積算量Aは、次回以降の処理において寿命積算量読み込み部202により読み込まれる場合には、直前のプリント動作終了時までの寿命積算量Bとして読み込まれる。
【0046】
さらに、寿命情報読み込み部206により、プロセスカートリッジ60のカートリッジメモリ61または制御回路100のROMから、寿命情報(Y,Z)が読み込まれ(ステップ1107)、この寿命情報(Y,Z)はRAMに保持される。ここで、この寿命情報Yは、感光体ドラム12の寿命が近づいたことをユーザに対して通知し、交換を促すための閾値である。また、この寿命情報Zは、感光体ドラム12の寿命の閾値である。これらの閾値の大きさは、Y<Zである。そして、寿命積算量比較部207では、寿命積算量Aの値が寿命情報Yの値よりも小さいか否かの判断が行われる(ステップ1108)。ステップ1108において、寿命積算量Aの値が小さいと判断された場合には、感光体ドラム12の寿命は、まだ近づいてはいないものと判断され、ステップ1101において、それ以降のプリント動作の認識が行われるまで待機する。
【0047】
また、ステップ1108において、寿命積算量Aの値が大きいと判断された場合には、寿命積算量比較部207では、さらに、寿命積算量Aの値が寿命情報Zの値よりも小さいか否かの判断が行われる(ステップ1109)。ステップ1109において、寿命積算量Aの値が小さいと判断された場合には、寿命警告部208によって、例えば、コントロールパネル140に備えられた表示手段に、感光体ドラム12の交換を促すメッセージが表示され、ユーザに対して警告が行われる(ステップ1110)。ここで、ステップ1110の警告の表示が行われた後には、ステップ1101において、それ以降のプリント動作の認識が行われるまで待機する。
【0048】
ステップ1109において、寿命積算量Aの値が大きいと判断された場合には、寿命警告部208によって、コントロールパネル140の表示手段に、感光体ドラム12の寿命である旨の警告メッセージが表示され、それ以降のプリント動作が禁止される(ステップ1111)。ステップ1111の処理が行われた後には、寿命であると判断された感光体ドラム12が格納されたプロセスカートリッジ60でのプリント動作が禁止される。例えば、カラー用の感光体ドラム12(12Y,12M,12C)の寿命がきた場合には、フルカラーモードでの画像形成プロセスが禁止され、黒用の感光体ドラム12の寿命がきた場合には、さらに、モノクロモードでの画像形成プロセスが禁止される。
【0049】
図11に示したフローチャートでは、プリント動作が終了した時点から処理を開始する場合について例示したが、プリント動作の途中においても寿命積算量を演算し、各々の警告を示すようにしても構わない。また、以上では、1つのプリント動作ごとに処理を行う場合について例示したが、例えば、画像形成装置の起動時や省電力モードからの復旧時に寿命積算量を演算するようにしても構わない。
【0050】
以上説明したように、本実施の形態では、像担持体の使用状態に応じた摩耗係数を求め、この摩耗係数とドラムサイクル数とから、像担持体の寿命を検知している。より詳しくは、帯電器を用いて像担持体に印加される帯電バイアスの成分(AC電圧とDC電圧との重畳、DC電圧のみ、電圧印加なし)に応じた場合分けを行っている。そして、それぞれの帯電バイアスによって像担持体が受けるダメージ、すなわち像担持体の摩耗(過去における使用履歴)を正確に計測している。この計測結果から求められた摩耗係数とドラムサイクル数とに基づいて、像担持体の寿命をより正確に検知している。これにより、像担持体の使用状態が多種多様に変化する場合であっても、この像担持体の寿命をより高精度かつ簡易に把握することができるようになる。そして、寿命となった像担持体を交換することにより、この像担持体における静電潜像の形成に悪影響を与えるのを未然に抑制することができる。そうすることにより、像担持体の寿命が原因である記録紙上における画質の低下を未然に抑制することができる。
【0051】
また、本実施の形態では、プロセスカートリッジごとの像担持体の使用状態に応じた寿命の検知を行っている。より詳しくは、このプロセスカートリッジを使用してプリントを行った際の帯電バイアスの印加時間、プロセス速度、像担持体の径に基づいて、この像担持体の寿命を検知している。積算された寿命は、このプロセスカートリッジに備えられたカートリッジメモリに格納されるので、このプロセスカートリッジを他の位置に入れ換えた場合であっても、寿命を正確に検知することが可能である。そして、このようにカートリッジごとに寿命の検知を行うことにより、寿命となったカートリッジのみを交換することができるので、画像形成装置の運用コストを低減することができる。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、接触型帯電部材による帯電バイアスを印加する際の使用状態に影響されることなく像担持体の寿命をより高精度に検知することができる。
また、本発明によれば、画像形成装置内に複数設けられた像担持体の使用状態に応じた寿命の検知を行い、それぞれの像担持体の寿命を個別に検知するシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態が適用される画像形成装置の全体構成を示した図である。
【図2】画像形成ユニットの構成を説明するための図である。
【図3】本実施の形態におけるカートリッジを説明するための図である。
【図4】本実施の形態におけるプロセスカートリッジを他の方面から見た斜視図である。
【図5】本実施の形態が適用される画像形成装置の駆動制御を説明するための図である。
【図6】駆動制御を除く画像形成装置の制御を説明するための図である。
【図7】本実施の形態における制御回路において実現される機能を説明するための図である。
【図8】感光体ドラムのサイクル数と、感光体ドラムの摩耗量との関係を示す図である。
【図9】感光体ドラムの寿命積算量と、感光体ドラムの寿命係数との関係を示す図である。
【図10】感光体ドラムの寿命積算量と、感光体ドラムの寿命係数との他の関係を示す図である。
【図11】感光体ドラムの使用状態に応じて、制御回路よって実行される処理を示すフローチャートである。
【図12】従来技術としてタンデム機の一例を示した図である。
【符号の説明】
1…本体、10…画像プロセス系、11Y,11M,11C,11K…画像形成ユニット、12…感光体ドラム、13…帯電器、14…現像器、14a…現像ロール、15…一次転写ロール、16…クリーニング装置、20…転写ユニット、21…中間転写ベルト、30…ROS、40…シート搬送系、50…IPS(ImageProcessing System)、60…プロセスカートリッジ、61…カートリッジメモリ、100…制御回路、120…高圧ユニット、130…本体メモリ、140…コントロールパネル、201…帯電サイクル検出部、202…寿命積算量読み込み部、203…寿命係数演算部、204…寿命積算量演算部、205…寿命積算量書き込み部、206…寿命情報読み込み部、207…寿命積算量比較部、208…寿命警告部
Claims (12)
- 像担持体に対して電圧を印加する帯電器を備えた画像形成装置であって、
前記帯電器から前記像担持体に印加される前記電圧の印加条件と当該像担持体のサイクル数とを把握する使用状態把握手段と、
前記使用状態把握手段により把握された前記印加条件と前記像担持体の過去における使用履歴とから当該像担持体の寿命係数を決定する寿命係数決定手段と、
前記寿命係数決定手段により決定された前記寿命係数と前記像担持体の前記サイクル数とに基づいて当該像担持体の寿命を算出する寿命積算量算出手段と
を備えたことを特徴とする画像形成装置。 - 前記寿命係数決定手段により決定される前記寿命係数の値は、
前記帯電器により印加される印加電圧をパラメータとして、前記像担持体の寿命積算量から決定される値であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記使用状態把握手段により把握される前記サイクル数は、
前記帯電器から前記像担持体に印加される前記電圧の印加時間と、当該像担持体におけるプロセス速度と、当該像担持体の径とから把握されることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記使用状態把握手段により把握される前記電圧の前記印加条件は、
少なくともAC電圧とDC電圧とを重畳させた前記電圧を印加した場合と、DC電圧のみからなる前記電圧を印加した場合とを含むことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記像担持体と前記帯電器とがカートリッジ化されて前記装置本体に収納されると共に、当該カートリッジ単位で当該像担持体の過去における使用履歴情報を格納する格納手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 像担持体と、
前記像担持体を帯電させる帯電器と、
前記帯電器に対して所定の印加条件により帯電バイアスを印加する電源ユニットと、
前記電源ユニットによる前記帯電バイアスの前記印加条件および前記像担持体の過去における使用履歴から当該像担持体の寿命係数を決定すると共に、当該像担持体の使用状態と当該寿命係数とから当該像担持体の寿命積算量を算出する制御部と
を備えたことを特徴とする画像形成装置。 - 前記像担持体の使用状態は、
前記像担持体のサイクル数または前記帯電バイアスの印加による当該像担持体の帯電時間に基づいて把握されることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。 - 前記像担持体の寿命係数は、前記像担持体の寿命積算量に応じて無段階または段階的に増加することを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
- 前記像担持体と前記帯電器とがカートリッジ化されて前記装置本体に収納されると共に、当該カートリッジ単位で当該像担持体の過去における寿命積算量の情報を格納するカートリッジメモリをさらに備え、
前記制御部は、
前記カートリッジメモリに格納された前記過去における寿命積算量の情報に基づいて前記寿命積算量を算出することを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。 - 画像形成装置において帯電器により帯電バイアスを印加される像担持体の寿命検知方法であって、
前記画像形成装置のプリント動作における前記像担持体のサイクル数を算出するステップと、
前記像担持体の過去における寿命積算量を読み込むステップと、
前記帯電器から前記像担持体に印加される前記帯電バイアスの印加条件と読み込まれた当該像担持体の前記寿命積算量とから寿命係数を算出するステップと、
前記像担持体の前記サイクル数と前記寿命係数とに基づいて前記プリント動作における寿命積算量を算出するステップと
を含むことを特徴とする像担持体の寿命検知方法。 - 前記寿命積算量を算出するステップでは、
前記過去における寿命積算量と算出された前記プリント動作における前記寿命積算量とから新たな寿命積算量を算出することを特徴とする請求項10に記載の像担持体の寿命検知方法。 - 算出された前記新たな寿命積算量と所定の閾値とを比較することにより前記像担持体の寿命を判断するステップをさらに含むことを特徴とする請求項10に記載の像担持体の寿命検知方法。
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