JP2004101815A - 電子写真感光体 - Google Patents

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Abstract

【課題】ホーニング砥粒の粒度分布が小粒径を含む広い範囲のものを使い液体ホーニングを行なう。基本の表面粗さが小さくても干渉縞が出にくいため画像欠陥が少なく、砥粒を分級しないで使用するためコストが安い。
【解決手段】ホーニング砥粒の粒度分布が5ミクロン以下の小粒径砥粒を含むブロードな砥粒を用いて液体ホーニングを行ない、基本の表面を複雑な凹凸にして、粗さが比較的少なくて干渉縞が出ないようにする。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像形成装置に用いる電子写真感光体、特にアルミニウム基板を用いた電子写真感光体に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真装置は、高速でかつ高印字品質が得られ、複写機及びレーザービームプリンター等の分野において利用されている。電子写真装置に用いられる感光体として、有機の光導電材料を用いた有機感光体(OPC)の開発が進められ普及してきている。また感光体の構成も電荷移動型錯体構造や電荷発生材料を結着樹脂中に分散した単層型の感光体から、電荷発生層と電荷輸送層とを分離した機能分離型の感光体構成へと変遷し、性能が向上してきた。この機能分離型感光体構成において現在では、アルミニウム基材の上に、下引き層を形成しその後電荷発生層、電荷輸送層を形成する構成が主流となっている。
【0003】
また、電子写真装置の進歩に伴い、感光体の性能においてより高品位な画質が要求されるようになってきた。感光体の繰り返し安定性や環境安定性の改善に対しては、電荷発生層および電荷輸送層および下引き層のいずれの層も感度・画質や繰り返し安定性など電子写真特性それぞれ重要な影響を与えている。さらに基材はコスト低減や画質欠陥の改善などを目的として、押し出し管やED管、EI管など各種のものが用いられるようになってきた。
【0004】
一般に、レーザープリンタ用の電子写真用感光体の基体を製造する場合、熱間押し出しによる素管製造後、冷間引抜きにより素管の振れおよび外径精度を得ていたり、あるいは旋盤によりダイヤモンド切削バイトで素管を切削加工をし、素管の振れと外径精度を出し、その際、表面をなるべく平滑にするためにバイトの送り量を少なくしなければならず、1本の素管を切削するのに数分時間が掛かり、また、このようにして切削加工された切削管や引抜き管に、レーザー光が基体に反射して起こる干渉縞を防止するため、何らかの手段による粗面化が必要である。この粗面の粗さは形状にもよるがおよそRz0.6μm以上が必要である。しかし、切削加工では、切削の粗さが規則的であるため干渉縞は消えても切削のスジとレーザー光との干渉によるモアレ現象が起きてしまう。また、乾式ブラストや不定形アルミナ砥粒を用いた液体ホーニングでは、砥粒が基体表面に突き刺さり、感光体を作製したときに画像に黒点として現れてしまう。ガラスビーズを用いた液体ホーニングでは、ガラスがすぐに割れて基体表面に突き刺さったり粗さのコントロールが難しい。そのため、高価な球状アルミナ砥粒やジルコニア砥粒等を用いた液体ホーニング処理方法にて、基体を粗面化した後、感光層を形成して、電子写真感光体を作製するのであるが、この場合、加工時の研磨砥粒の粒径分布が狭いほど表面粗さが均一ムラのない面が得られる。しかし、粒度分布の非常に狭い研磨砥粒を製造することは、困難であり、またコストも非常に高くなってしまうのであるという問題があった。
【0005】
しかも、粒径が同じ砥粒でホーニングを行い表面を荒らすと、表面形状が規則的になりやすいため、粗さをやや大きくしなければ干渉縞が消えず、そのためにRz値やRmax値が大きくなり、それが表面の突起等となり、画像に黒点として現れるため、画像および環境特性的に於いても、画像欠陥の少ない電子写真感光体を得られにくいという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明は、上記のような問題点を解決することを目的としてなされたものである。すなわち、本発明の目的は、レーザー光による干渉縞を防止するために感光体支持体の表面をランダムに粗面化するにあたり、液体ホーニング方法を用い安価にて、干渉縞、モアレ、画像欠陥、ハーフトーンムラおよび白地における黒点等のない良好な画像を与える電子写真感光体、およびその支持体を製造するアルミニウムパイプを用いた電子写真感光体および該感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供することにある。
【0007】
本発明の電子写真感光体は、アルミニウム押し出し素管に引抜きまたは切削加工を施した後、粒度分布の広い砥粒を用いた湿式ホーニング処理を施して得られたアルミニウム基板上に、その後に感光層を設けてなるものであって、前記、液体ホーニングの砥粒の粒度分布が平均粒径±75%以内のものを50%以上含み、且つ、粒径5μm以下の砥粒が個数分布で5%以上含むことを特徴とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、鋭意検討を重ねた結果、アルミニウム押し出し素管を冷間引抜きまたは切削加工したのち、平均粒径30μm程度の粒度分布の範囲の1〜50μmの広い球状アルミナ砥粒を用い、被加工物面に対して15〜45°の角度で液体ホーニングを行うことにより、本発明の上記目的が達成されることを見い出だし、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明の電子写真感光体基体の製造方法は、図2に示すように、基体上に、切削管または引抜き管の表面を粒度分布の範囲の広い球状アルミナの砥粒を用い、被加工物面(アルミシリンダー基体)に対しθ=15°〜45°の角度で砥粒を吐出して液体ホーニング後、少なくとも、感光層または下引き層および感光層を形成することを特徴とする。
【0010】
図1に示す液体ホーニング方法は、砥粒を液体に懸濁させて被加工物に細いノズル1の先からエア圧で投射させて表面を粗らす方法で、懸濁媒体7としては一般的に水を用いて、メディアとしてはアルミナビーズが用いられる。この液体ホーニングに用いられる砥粒の粒径は、50μmから数100μm程度である。これらは、使用目的に応じて使い分けられている。
【0011】
これらのメディアを懸濁媒体(主に水)に対して2%から20%の割合で混合させる。メディアの割合が少なすぎると加工の効率が落ちてしまい、多すぎると懸濁媒体の流動性が悪くなりノズルからの吐出量が少なくなり、あるいは出なくなってしまう。
【0012】
液体ホーニングは、砥粒を懸濁させた液体をポンプ11で循環し、口径5mmから20mmのノズルの先から吐出させ、被加工物4に投射するのであるが、毎分5リットルから50リットル程度の循環量では、懸濁液が被加工物に当たっても表面の粗さはあまり変わらない。投射時にエアの圧力で砥粒が当たって、大きく粗さが変化する。このエア圧力は一般には0.1MPaから0.6MPa程度である。この範囲以下では、加工されないし、この範囲以上では表面粗さが大きくなり過ぎる。
【0013】
しかし、球状アルミナの砥粒を用いた場合は、平均粒径が20〜30μmである。しかし、粒度分布としては、2〜40μmの粒径のものが含まれる。ある程度粒度分布がシャープなものを製造することは、可能ではあるが完全に小粒径の砥粒を無くす事は出来ないし、コストが高くなってしまう。
【0014】
本発明における砥粒の粒径測定方法は、乾式方法を用いた。この方法は、測定試料を減圧吸引して分散した粒子にレーザーを照射し、発生する回折光や散乱光の強度の角度依存性から粒度分布を測定することが出来る。このような乾式の測定装置としては、例えば、レーザー回折式粒度分布測定装置(日本電子社製HEROS)が挙げられる。
【0015】
ノズル1先端と被加工物4との距離は、近いほど効率がよいが、一般的に、円筒状のものを回転させながらノズル1を移動させていく方法では、ノズルを近付け過ぎると加工ムラがでてしまうため、100mmから200mmの距離で加工を行なっている。ノズルの移動速度は、毎分0.2mから2m程度であり、一般に被加工物を回転させながら、ノズルを移動させてホーニングする方法が用いられる。
【0016】
回転数は速い程ムラが出にくいが、(1/2)s−1から2s−1程度であり、ノズルの移動速度に合わせて調節する。ノズルから吐出された砥粒は、同時に吐出された水の影響で被加工物にソフトに衝突する。そのため、懸濁媒体(水)を用いない乾式サンドブラスト方法よりも、砥粒の衝撃が少なく、従って加工する表面の粗さは、乾式サンドブラスト方法よりも同じ条件では少なく、砥粒の割れる割合も少ない。乾式サンドブラスト方法や液体ホーニング方法では、一般に表面を荒らすということは表面を削ると考えられているが、実際には殆ど表面は削れておらず、主に砥粒が衝突した衝撃で表面が凹んでいるのである。特に球状の砥粒を用いた場合にはその傾向が強い。
【0017】
それゆえに乾式サンドブラスト方法や液体ホーニング方法では表面に隈無く砥粒を投射すれば、それ以上は同じ条件で砥粒を当てても表面の粗さは殆ど変化しないのである。
【0018】
また、ホーニングやブラストによる粗面化の場合、被加工物面に対して吐出砥粒を垂直に当てるよりも角度を小さくして斜めに当てた方が、砥粒噴射時の加工面積が広がりムラが出にくいのである。
【0019】
本発明の感光体基体を用いて感光体を作製する場合、感光層は電荷発生層と電荷輸送層からなる積層構造型のもの、あるいは1層の中に電荷発生物質および電荷輸送物質を含む単層型のものがある。
【0020】
本発明の電子写真感光体に用いられる電荷発生材料としては、ピリリウム系染料、チアピリリウム系染料、フタロシアニン系顔料、アントアントロン系顔料、ジベンズピレンキノン顔料、ピラントロン顔料、トリスアゾ顔料、ジスアゾ顔料、アゾ顔料、インジゴ顔料、キナクリドン顔料、非対称キノシアニン等を用いることができる。
【0021】
特に、デジタル用電子写真感光体の場合、これらの電荷発生材料の中で、赤外レーザー、可視光レーザーへの対応において、波長への感光依存性の広さから、フタロシアニン系が優れており、さらに、フタロシアニン系の中でもオキシチタニルフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニンがその感度の高さからさらに優れていると言える。
【0022】
また、本発明の感光体に使用される電荷輸送材料としては、例えば各種ヒドラゾン類、ピラゾリン類、オキサゾール化合物、チアゾール化合物、トリアリールメタン系化合物、トリアリルアミン系化合物、ポリアリールアルカン類などの化合物の中から選択される。
【0023】
これらの電荷発生材料や電荷輸送材料は、真空蒸着あるいは適当な結着樹脂と組み合わせて、基体上に塗工して成膜を行うことで感光層とする。
【0024】
感光層の結着樹脂としては、例えばポリビニールアセタール、ポリカーポネート、ポリスチレン、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、ポリメタクリル酸エステル、アクリル樹脂、セルロース系樹脂等が好ましく用いられる。
【0025】
本発明の電子写真感光体においては、感光層上に保護層を設けてもよい。保護層は主に樹脂で構成される。保護層を構成する材料としては、例えばポリエステル、ポリウレタン、ポリアクリレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプタジェン、ポリカーポネート、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリサルホン、ポリアクリルエーテル、ポリアセタール、ナイロン、フェノール樹脂、アクリル樹脂、シリコン樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、アリル樹脂、アルキッド樹脂、ブチラール樹脂などがあげられる。
【0026】
これらの樹脂中には、クリーニング性、耐摩耗性などの改善のために、ポリ四フッ化エチレン、ポリフッ化ビリニデン、フッ素系グラフトポリマー、シリコン系グラフトポリマー、シリコン系オイルなどの潤滑剤や、保護層の抵抗制御の意味で酸化スズ粉体や導電性酸化チタンなどを分散させることも可能である。
【0027】
保護層の膜厚は、0.05μから15μ、特には1μmから10μmが好ましい。
【0028】
本発明の導電性基体と感光層の間にバリアー機能と下引き機能を持つ下引き層を設けることもできる。
【0029】
下引き層は感光層の接着性改良、基体の保護、基体からの電荷注入性改良、感光体の電気的破壊に対する保護等のために形成することができる。
【0030】
下引き層の材料としては、ポリビニルアルコール、ポリ−N−ビニルイミダゾール、ポリエチレンオキシド、エチルセルロース、メチルセルロース、エチレン・アクリル酸コポリマー、カゼイン、ポリアミド、共重合ナイロン、ニカワ、ゼラチンなどが使用される。
【0031】
また、無機高分子化合物を用いたゾルゲル法による下引き層も用いても良い。
【0032】
これらは、ジルコニウムとシラン化合物の混合物、シラン化合物およびジルコニウム化合物にセルロース樹脂を添加したもの、ブチラール樹脂をジルコニウムおよびシランの無機成分に添加した塗工液などがある。
【0033】
また、下引き層の替わりに表面を、クロム酸を用いるクロメート化成処理、またはチタニウム塩やジルコニウム塩を用いるノンクロメート化成処理を行ない下引き層の代わりとしても良い。
【0034】
本発明の感光体用基体に感光層を塗布する方法としては、浸漬塗布法、ブレードコーティング法、バーコート法、スプレーコート法などがある。
【0035】
本発明の感光体用基体上に感光層を設ける場合に、その膜厚は単一層構造の場合、5μmから100μmが好ましく、特には10μmから60μmが好ましい。感光層が積層構造の場合、電荷発生層の厚さは0.001μmから5μm、特には0.05μmから2μmが好ましく、電荷輸送層の厚さは1μmから40μm、特には、10μmから30μmが好ましい。
【0036】
図3において、21はドラム上の本発明の感光体であり、ドラム軸24を中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。感光体は、回転過程において、1次帯電手段19によりその周面に正または負の所定電位の均一帯電を受け、次いで、スリット露光29やレーザービーム走査露光等の像露光手段20からの画像露光光を受ける。こうして感光体の周面に帯電潜像が順次形成されていく。
【0037】
形成された静電潜像は、次いで現像器23によりトナー現像され、現像されたトナー現像像は、不図示の給紙部から感光体21と転写帯電器25との間に感光体21の回転と同期し取り出された転写紙26に、転写帯電器により順次転写されていく。
【0038】
像転写を受けた転写紙は、感光体面から分離されて定着ローラー27へ導入されて像定着を受けることにより印刷物として装置外へプリントアウトされる。
【0039】
像転写後の感光体21の表面は、クリーニングブレード28によって転写残りトナーの除去を受けて清浄面化され、更に前露光手段からの前露光光29により除電処理された後、繰り返し画像形成に使用される。なお、1次帯電手段19が帯電ローラーを用いた接触帯電方式である場合は、前露光は必ずしも必要ではない。
【0040】
【発明の実施の形態】
次に、本発明を実施例により説明する。なお、実施例において、「部」は「重量部」を意味する。
【0041】
(実施例1)
熱間押し出しにより得たA6063の外径φ30.5mm、内径φ28.5mm、長さ260mm、振れ精度100μm、表面粗さRzl0μmのアルミニウム素管を準備した。
【0042】
この素管を施盤に装着し、ダイヤモンド焼結バイトにて、外径30.0±0.02mm、振れ精度15μm、表面粗さRz=0.2μmになるように切削加工した。この時の主軸回転数は3000rpm、バイトの送り速度は、0.3mm/revで加工時間はワークの着脱を除き24秒であった。
【0043】
得られたアルミニウム切削管に対して、図1に示す液体(湿式)ホーニング装置(不二精機製造所製)を用いて、下記条件にて液体ホーニング処理を行った。
【0044】
(液体ホーニング条件)
研磨材砥粒=球状アルミナビーズ平均粒径30μm、15μm以下の砥粒全体の7%
粒度分布は、窒素ガスを連結したレーザー回折式粒度分布測定装置HEROS(日本電子製)を用いて、粒径0.5μmを最小値とし、1.80〜350μmの範囲を31分割して測定した。
【0045】
懸濁媒体=水、
研磨材/懸濁媒体=1/10(体積比)
アルミニウム切削管の回転数=1.67S−1
エア吹き付け圧力=0.1MPa
ガン移動速度=13.3mm/sec.
ガンノズルとアルミニウム切削管の距離=200mm
ホーニング砥粒吐出角度:45°
ホーニング処理時間=30sec.
ホーニング後のシリンダー表面粗さはRmax1.84μm、Rzl.12μm、Ra0.15μm、Sm31μmであった。上記の様にして湿式ホーニング処理を施したアルミニウムパイプに上記切削したシリンダーを40℃の20%硫酸水溶液に3分間浸漬し、その後純水で洗浄し自然乾燥させた。
【0046】
その後、シリンダーに下引き層を0.65μm形成した。
【0047】
次に、チタニルフタロシアニン顔料4重量部、ポリビニルブチラール樹脂(商品名BX−1,積水化学工業製)2重量部、シクロヘキサノン34重量部からなる溶液をサンドミルで8時間分散した後、テトラヒドロフラン60重量部を加えて電荷発生層用の分散液を調合した。
【0048】
この分散液を前記の化成処理を行なったシリンダー基体上に浸漬塗布し、80℃で10分間加熱草燥することにより、電荷発生層を形成した。電荷発生層の膜厚は0.2μmであった。
【0049】
次いで、トリアリールアミン化合物50重量部と、ポリカーポネート樹脂(ユーピロンZ−200,三菱瓦斯化学製)50重量部をモノクロルベンゼン400重量部に溶解した溶液を前記電荷発生層の上に浸漬塗布し、120℃で1時間加熱乾燥して20μmの電荷輸送層を形成した。
【0050】
このようにして作製した本発明の電子写真感光体を、解像度600dpiのレーザービームプリンターLBP−930(キヤノン株式会社製)に装着して、黒画像、白画像、ハーフトーン画像をそれぞれ出して、画像評価を行なった。
【0051】
ハーフトーン画像は黒線1本と白線2本分が交互に連続しているものであり、縦方向、横方向それぞれ走査したものを使用した。
【0052】
この電子写真感光体を、レーザープリンタLBP−930に装着し、15000枚の耐久試験を行ない、画質評価を行なった。電子写真感光体を前記レーザープリンタ機に装着し、画質評価を行ったところ、干渉縞も画像欠陥もない良好な画質が得られ、しかも充分な耐久性があった。
【0053】
(実施例2)
ホーニング用球状アルミナ砥粒の平均粒径を20μm、10μm以下の砥粒全体の5%のものに変え吐出エア圧を0.13MPaに上げたほかは、他の条件は実施例1と同じ条件で、液体ホーニング装置を用いて、シリンダーの液体ホーニング処理を行った。
【0054】
ホーニング後のシリンダー表面粗さはRmax1.93μm、Rz1.17μm、Ra0.13μm、Sm26μmであった。
【0055】
上記の様にして湿式ホーニング処理を施したアルミニウムパイプに実施例1と同様に0.65μmの下引き層を形成した。
【0056】
この電子写真感光体を、実施例1と同様に耐久試験を行ない、画質評価を行なったところ、干渉縞も画像欠陥もない良好な画質が得られ、しかも充分な耐久性があった。
【0057】
(実施例3)
実施例1と同じ条件でA6063切削シリンダーをA3003引抜きシリンダーに変えたほかは、他の条件は実施例1と同じ条件で、液体ホーニング装置を用いて、アルミシリンダーの液体ホーニング処理を行った。
【0058】
ホーニング後のシリンダー表面粗さはRmax1.73μm、Rz1.14μm、Ra0.14μm、Sm32μmであった。
【0059】
上記のようにして湿式ホーニング処理を施したアルミニウムパイプに実施例1と同様に0.65μmの下引き層を形成し、電荷発生層、電荷輸送層を形成し電子写真感光体を完成させた。
【0060】
この電子写真感光体を、実施例1と同様に耐久試験を行ない、画質評価を行なったところ、干渉縞も画像欠陥もない良好な画質が得られ、しかも充分な耐久性があった。
【0061】
(実施例4)
実施例1のホーニング用球状アルミナ砥粒を平均粒径30μmのジルコニアビーズ(15μm以下の砥粒全体の5%)に替え、吐出エア圧を0.13MPaに上げたほかは、他の条件は実施例1と同じ条件で、液体ホーニング装置を用いて、シリンダーの液体ホーニング処理を行った。
【0062】
ホーニング後のシリンダー表面粗さはRmax1.84μm、Rz1.21μm、Ra0.12μm、Sm34μmであった。
【0063】
上記の様にして湿式ホーニング処理を施したアルミニウムパイプに実施例1と同様に0.65μmの下引き層を形成した。
【0064】
この電子写真感光体を、実施例1と同様に耐久試験を行ない、画質評価を行なったところ、干渉縞も画像欠陥もない良好な画質が得られ、しかも充分な耐久性があった。
【0065】
(実施例5)
実施例1のホーニング用球状アルミナ砥粒を平均粒径50μmの球状スチルビーズ(25μm以下全体の6%)に替え、吐出エア圧を0.1MPaに下げ、ノズル角度を30°にしたほかは、他の条件は実施例1と同じ条件で、液体ホーニング装置を用いて、シリンダーの液体ホーニング処理を行った。
【0066】
ホーニング後のシリンダー表面粗さはRmax1.94μm、Rz1.31μm、Ra0.13μm、Sm47μmであった。
【0067】
上記の様にして湿式ホーニング処理を施したアルミニウムパイプに実施例1と同様に0.65μmの下引き層を形成した。
【0068】
この電子写真感光体を、実施例1と同様に耐久試験を行ない、画質評価を行なったところ、干渉縞も画像欠陥もない良好な画質が得られ、しかも充分な耐久性があった。
【0069】
(実施例6)
実施例1のホーニング用球状アルミナ砥粒を平均粒径50μmの球状ステンレススチルビーズ(25μm以下の砥粒全体の8%)の砥粒に替えたほかは、他の条件は実施例5と同じ条件で、液体ホーニング装置を用いて、シリンダーの液体ホーニング処理を行った。
【0070】
ホーニング後のシリンダー表面粗さはRmax2.02μm、Rz1.23μm、Ra0.12μm、Sm44μmであった。
【0071】
上記の様にして湿式ホーニング処理を施したアルミニウムパイプに実施例1と同様に0.65μmの下引き層を形成した。
【0072】
この電子写真感光体を、実施例1と同様に耐久試験を行ない、画質評価を行なったところ、干渉縞も画像欠陥もない良好な画質が得られ、しかも充分な耐久性があった。
【0073】
(比較例1)
実施例1と同様にホーニング砥粒を球状アルミナビーズCB−A20S(平均粒径20μm、10μm以下の砥粒0%)に替えて、吐出エア圧を0.1MPaにしてホーニングを行った。
【0074】
ホーニング後のシリンダー表面粗さはRmax1.75μm、Rz1.13μm、Ra0.13μm、Sm25μmであった。
【0075】
上記の様にして湿式ホーニング処理を施したアルミニウムパイプに実施例1と同様に0.65μmの下引き層を形成し、その後、電荷発生層、電荷輸送層を形成し電子写真感光体を完成させた。
【0076】
この電子写真感光体を、実施例1と同様に耐久試験を行ない、画質評価を行なったところ、黒点の画像欠陥は現れなかったが、画像にレーザー光の干渉縞によるムラが現れてしまった。
【0077】
(比較例2)
実施例1と同様に砥粒を球状アルミナビーズCB−A30S(昭和タイタニウム社製、平均粒径30μm15μm以下の砥粒0%)、吐出エア圧を0.15MPaにしてホーニングを行った。
【0078】
初期ホーニングのシリンダー表面粗さはRmax2.42μm、Rz1.54μm、Ra0.23μm、Sm33μmであった。
【0079】
上記の様にして湿式ホーニング処理を施したアルミニウムパイプに実施例1と同様に0.65μmの下引き層を形成し、電荷発生層、電荷輸送層を形成し電子写真感光体を完成させた。
【0080】
この電子写真感光体を、実施例1と同様に耐久試験を行ない、画質評価を行なったところ、干渉縞は現れなかったが、画像欠陥による黒点が現れてしまった。
【0081】
【発明の効果】
本発明の液体ホーニング方法によれば、上記のように粒度分布範囲の広い球場砥粒を使用することにより、アルミシリンダーの表面粗さを干渉縞の出にくい最適な状態にでき、表面粗さも最小の粗さに出来るため、凹凸の欠陥等による画像欠陥がきわめて少なくなるのである。また球状アルミナ砥粒の粒径をシャープに分級することなく使用するため、電子写真感光体基体を製造するコストが非常に安くなる。
【0082】
【表1】
Figure 2004101815
【0083】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における感光体を再生処理に使用するための液体ホーニング装置の概略構成図である。
【図2】本発明に使用される液体ホーニング拡大構成図である。
【図3】・本発明に使用されるLBPカートリッジの概略図である。
【図4】本発明に使用される球状アルミナ砥粒の形状およびホーニング後の表面形状および粒度分布図である。
【図5】本発明に使用されない分級された球状アルミナ砥粒の形状およびホーニング後の表面形状および粒度分布図である。
【符号の説明】
1 ホーニングのノズル
2 エア供給管
3 ホーニング液循環管
4 ワーク(円筒基体)
5 ワーク置き台
6 ワーク回転モータ
7 ホーニング液
8 撹拌モータ
9 撹拌用プロペラ
10 ホーニング液回収管
11 ホーニング液循環ポンプ
12 ノズル移動方向
13 ホーニング砥粒
19 1次帯電手段ローラ
20 レーザー光
21 電子写真感光体
22 現像スリーブ
23 現像器
24 感光体ドラム軸
25 転写帯電器
26 転写紙
27 定着ローラ
28 クリーニングブレード
29 前露光

Claims (11)

  1. 電子写真感光体に用いる基体の表面を液体ホーニングにより粗面化するにあたり、使用する研磨材砥粒の平均粒径が15〜60μmで、且つ、平均粒径の2分の1以下の粒径の砥粒の個数分布が、全体の個数の5%以上含むものであることを特徴とする電子写真感光体基体および電子写真感光体。
  2. 前記、液体ホーニングに用いる砥粒が略球状であることを特徴とする請求項1の電子写真感光体基体および電子写真感光体。
  3. 前記、液体ホーニングに用いる砥粒が略球状アルミナであることを特徴とする請求項1および2の電子写真感光体基体および電子写真感光体。
  4. 前記、液体ホーニングに用いる砥粒が略球状ジルコニアビーズであることを特徴とする請求項1および2の電子写真感光体基体および電子写真感光体。
  5. 前記、液体ホーニングに用いる砥粒が略球状スチールビーズであることを特徴とする請求項1および2の電子写真感光体基体および電子写真感光体。
  6. 前記、液体ホーニングに用いる砥粒が略球状ステンレスビーズであることを特徴とする請求項1および2の電子写真感光体基体および電子写真感光体。
  7. ホーニングノズルガンの処理液の吐出中心方向角度が、シリンダー基体の中心軸線に対して15度乃至45度の角度で処理液を吐出し、ホーニング処理を行うことを特徴とする請求項1〜6に記載の電子写真感光体基体および電子写真感光体。
  8. ホーニング処理液の吹き付けエア圧が、5×10−2乃至8×10−1MPaでホーニング処理液を吐出させてホーニング処理を行うことを特徴とする請求項1〜8に記載の電子写真感光体基体および電子写真感光体。
  9. 少なくとも基体と感光層からなる電子写真感光体の基体表面に、研磨材を含むホーニング処理液を吹き付けて該基体表面を粗面化するホーニング処理方法において、該研磨材が略球状の砥粒でホーニング処理され、基体の表面粗さがRz0.7μm乃至1.6μmであることを特徴とする電子写真感光体。
  10. 請求項1から10のいずれかの電子写真感光体、および帯電手段現像手段およびクリーニング手段からなる群より選ばれた少なくとも一つの手段を一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  11. 請求項1から10のいずれかの電子写真感光体、帯電手段、像露光手段、現像手段および転写手段を有することを特徴とする電子写真感光体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2007046143A1 (ja) * 2005-10-19 2007-04-26 Tokyo Electron Limited パターン加工方法及びパターン加工装置
JP2013015823A (ja) * 2011-06-07 2013-01-24 Canon Inc 電子写真装置

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