JP2004101614A - 液晶表示装置および電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】特に透過モード時の表示の明るさを向上させた視認性に優れる半透過反射型の液晶表示装置を提供する。
【解決手段】本発明の液晶表示装置20は、互いに対向配置された上基板24と下基板23との間に液晶26が挟持され、下基板23上にコレステリック液晶からなる半透過反射層35と顔料カラーフィルター層32とが設けられ、バックライト22が備えられた半透過反射型の液晶表示装置である。そして、上基板24、下基板23の外面にそれぞれ基板側から位相差板42,44、偏光板43,45がこの順に設けられ、前記半透過反射層35が、互いに補色の関係にある2色の光をそれぞれ選択反射させる2層のコレステリック液晶層35b,35yから構成されている。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示装置および電子機器に関し、特に反射モードのみならず、透過モード時にも十分に明るい表示が可能な優れた視認性を有する半透過反射型の液晶表示装置の構成に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
明るい場所では外光を利用し、暗い場所では内部の光源により表示を視認可能にした液晶表示装置が知られている。この液晶表示装置は、反射型と透過型を兼ね備えた表示方式を採用しており、周囲の明るさに応じて反射モードまたは透過モードのいずれかの表示方式に切り替えることにより、消費電力を低減しつつ周囲が暗い場合でも明瞭な表示を行うことができる。以下、本明細書では、この種の液晶表示装置のことを「半透過反射型液晶表示装置」という。半透過反射型液晶表示装置の形態として、アルミニウム等の金属膜に光透過用のスリット(開口部)を形成した反射膜を下基板の内面(以下、本明細書では基板の液晶側の面を内面、それと反対側の面を外面という)に備え、この反射膜を半透過反射膜として機能させる液晶表示装置が提案されている。
【0003】
図8は、この種の半透過反射膜を用いた半透過反射型液晶表示装置の一例を示している。
この液晶表示装置100では、一対の透明基板101,102間に液晶103が挟持されており、下基板101上に反射膜104、絶縁膜106が積層され、その上に下側電極108が形成され、下側電極108を覆うように配向膜107が形成されている。一方、上基板102上には、R(赤)、G(緑)、B(青)の各色素層を有するカラーフィルタ109が形成され、その上に平坦化膜111が積層され、この平坦化膜111上に上側電極112が形成されており、この上側電極112を覆うように配向膜113が形成されている。
【0004】
反射膜104は、アルミニウムなどの光反射率の高い金属膜で形成されており、この反射膜104には、各画素毎に光透過用のスリット110が形成されている。このスリット110により、反射膜104は半透過反射膜として機能する(よって、以下、この膜のことを半透過反射膜と呼ぶ)。また、上基板102の外面側には、上基板102側から順に前方散乱板118、位相差板119、上偏光板114が配置され、下基板101の外面側には、1/4波長板115、下偏光板116がこの順に設けられている。また、バックライト117(照明装置)が下基板101の下面側、下偏光板116のさらに下方に配置されている。
【0005】
図8に示す液晶表示装置100を明るい場所で反射モードで使用する際には、上基板102の上方から入射する外光が、液晶103を透過して下基板101上の半透過反射膜104の表面で反射した後、再度液晶103を透過し、上基板102側に出射される。また、暗い場所で透過モードで使用する際には、下基板101の下方に設置したバックライト117から出射される光が、スリット110の部分で反射膜104を透過し、その後、液晶103を透過して上基板102側に出射される。これらの光が各モードでの表示に寄与する。
【0006】
ところで、このような反射型液晶表示装置の反射層としては、例えばアルミニウムや銀等の光反射率の高い金属膜が従来から用いられていた。これに対して、近年、異なる屈折率を有する誘電体薄膜を交互に積層した誘電体ミラーや、コレステリック液晶を用いたコレステリック反射板、あるいはホログラム素子を用いたホログラム反射板などが提案されている。これら新型の反射板は、構成材料の特徴を生かしてただ単に光を反射する反射板としてだけではなく、特有の機能を有している。
【0007】
中でもコレステリック液晶はある温度(液晶転移温度)以上で液晶相を呈し、液晶相においては液晶分子が一定のピッチで周期的ならせん構造を採るものである。この構造により、らせんのピッチに一致した波長の光を選択的に反射させ、それ以外の光を透過するという性質を有している。したがって、例えば液晶を硬化させる際の紫外線強度や温度によりらせんのピッチを制御できることから、局所的に反射光の色を変えることができ、反射型カラーフィルターとしても用いられる。また、異なる色の色光を選択反射させるコレステリック液晶層を複数積層すれば、積層構造全体を白色光を反射させる反射板として機能させることもできる。コレステリック反射板を用いた液晶装置は既にいくつか提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2、非特許文献1参照)。
【0008】
【特許文献1】
特開2000−193962号公報
【特許文献2】
特開2001−337320号公報
【非特許文献1】
Yuzo Hisatake, et al., Asia Display/IDW’01, P.129(2001)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図8に示すような従来の半透過反射型液晶表示装置において、外光の有無に関わらず表示の視認が可能であるものの、反射モード時に比べて透過モード時の表示の明るさがはるかに低下するという問題があった。これは、透過モード時の表示が、バックライトから出射した光のうちの略半分のみしか表示に利用できない点、半透過反射膜のスリットを通過した光のみを表示に利用している点、下基板の外面側に1/4波長板および下偏光板が設けられている点、等に起因する問題である。
【0010】
従来の半透過反射型液晶表示装置では、反射時と透過時とで表示モードが異なっており、特に透過時はバックライトから出射した光のうちの略半分が上偏光板で吸収され、残りの略半分のみしか表示に利用していない。すなわち、反射モードでは、上基板側から入射させた直線偏光の大部分を明表示に利用しているのに対して、透過モードでは、反射モード時と同様に表示を行うために液晶層の下面から上基板側へ向かう光がほぼ円偏光でなければならない。ところが、この円偏光のうちの半分は上基板から外部に出射する際に上偏光板で吸収されてしまうので、結果的には液晶層に入射した光のうちの略半分しか表示に寄与していないことになる。このように、表示原理からして透過モードでの表示が暗くなる要因を持っていた。
【0011】
また、透過モード時にはスリットを透過した光を利用して表示を行うので、半透過反射膜全体の面積に対するスリットの面積の割合(すなわち開口率)が、表示の明るさを左右する。この開口率を大きくすれば、透過モード時の表示を明るくすることができるが、開口率を大きくすると半透過反射膜の非開口部の面積が減少するので反射モードの表示が暗くなってしまう。したがって、反射モードの明るさを確保するためにはスリットの開口率はある程度以上に大きくすることはできず、透過モードの明るさを向上させるには限界がある。
【0012】
次に、半透過反射型液晶表示装置では、その表示原理から下基板の外面側に1/4波長板が必要であるが、そのために透過モード時の明るさが不足する理由を以下に説明する。ただし、以下の説明では非選択電圧印加状態で暗表示、選択電圧印加状態で明表示を行う構成について説明する。
【0013】
図8に示す液晶表示装置100において、反射モードの暗表示を行う場合、上基板102の外側から入射した光は、上偏光板114の透過軸を紙面に平行とすると、上基板102上の上偏光板114を透過して紙面に平行な偏光軸を有する直線偏光となり、位相差板119と液晶103を透過する間に液晶103の複屈折効果によりほぼ円偏光となる。そして、下基板101上の半透過反射膜104の表面で反射すると逆回りの円偏光となり、再び液晶103と位相差板119を透過すると紙面に垂直な偏光軸を有する直線偏光となって上偏光板114へ到達する。上偏光板114は、紙面に平行な透過軸を有する偏光板であるから、半透過反射膜104で反射した光は、上偏光板114に吸収されて外部(観察者側)へは戻らず、暗表示となる。
【0014】
逆に、反射モードの明表示を行う場合、液晶103に電圧が印加されると液晶103の配向方向が変わるため、上基板102の外側から入射した外光は、液晶103を透過すると直線偏光となり、半透過反射膜104でそのまま反射され、紙面に平行な偏光軸を有する直線偏光のまま上偏光板114を透過して外部(観察者側)へ戻り、明表示となる。
【0015】
一方、透過モードでの表示を行う場合には、バックライト117から出射された光が、下基板101の外側から液晶セルに入射し、この光のうちスリット110を通過した光が表示に寄与する光となる。ここで、暗表示を行うためには、上述したように、反射モード時と同様にスリット110から上基板102へ向かう光がほぼ円偏光でなければならない。したがって、バックライト117から出射されてスリット110を通過する光がほぼ円偏光となっている必要があるので、下偏光板116を透過した後の直線偏光をほぼ円偏光に変換するための1/4波長板115が必要となる。
【0016】
ここで、バックライト117から出射された光のうち、スリット110を通過しない光に着目すると、下偏光板116の透過軸を紙面に垂直とした場合、下偏光板116を透過した時点で紙面に垂直な直線偏光となった後、1/4波長板115を透過することで略円偏光となって半透過反射膜104に到達する。さらに半透過反射膜104の下面で反射されると、逆回りの円偏光となり、再び1/4波長板115を透過すると紙面に平行な偏光軸を有する直線偏光になる。そして、この直線偏光が紙面に垂直な透過軸を有する下偏光板116によって吸収される。つまり、バックライト117から出射された光のうち、スリット110を通過しなかった光は半透過反射膜104の下面で反射した後、下基板101の下偏光板116によってほぼ全てが吸収されてしまう。
【0017】
このように、半透過反射型の液晶表示装置100においては、透過モード時にスリット110を通過せずに半透過反射膜104で反射された光はほぼ全て下基板101の下偏光板116に吸収されるため、バックライト117から出射される光の一部のみしか表示に利用することができなかった。つまり、仮に下偏光板116に吸収されることなく下偏光板116を透過し、バックライト117まで戻ってくれば、もともとバックライト117から出射される光とこの戻り光とでバックライト117の輝度が実効的に向上することになり、透過モードの明るさを向上させることができる。言い換えると、スリット110を通過せずに半透過反射膜104で反射した光を表示に再利用することができれば、透過モードの明るさを向上させることができる。しかしながら、従来の構成ではそれを実現することができなかった。
【0018】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、半透過反射型液晶表示装置において、特に透過モード時の表示の明るさを向上させた視認性に優れる液晶表示装置を提供することを目的とする。また、本発明は、優れた視認性を有する上記液晶表示装置を備えた電子機器を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の液晶表示装置は、互いに対向配置された上基板と下基板との間に液晶層が挟持された液晶セルを有する液晶表示装置であって、前記下基板の内面側に、所定の回転方向を持つ楕円偏光のうちの一部を反射させ、一部を透過させるコレステリック液晶層を有する半透過反射層が設けられ、前記液晶セルに対して前記下基板側から光を入射させる照明装置が備えられ、前記液晶層に対して前記上基板側から楕円偏光を入射させる上基板側楕円偏光入射手段と前記下基板側から楕円偏光を入射させる下基板側楕円偏光入射手段とが設けられるとともに、前記液晶層が、選択電界印加状態、非選択電界印加状態のいずれか一方の状態において入射した楕円偏光の極性を反転させ、他方の状態において極性を変えない機能を有し、前記半透過反射層が、互いに補色の関係にある2色の光をそれぞれ選択反射させる2層のコレステリック液晶層からなることを特徴とする。なお、本発明における「補色」とは、加法混色によって無彩色を作ることができる2つの色のことを言う。
【0020】
コレステリック液晶は、波長が液晶分子のらせんピッチと等しく、かつ、らせんの巻き方向と同じ回転方向の円偏光を選択的に反射する、いわゆる選択反射性を有している。逆に言えば、液晶分子のらせんピッチと等しくない波長の光、および波長が液晶分子のらせんピッチと等しくても、らせんの巻き方向と逆の回転方向を持つ円偏光はコレステリック液晶を透過する。また、らせんの巻き数を減らすことによって選択反射光強度を弱めることが可能で、その場合、液晶分子のらせんピッチと等しく、かつ、らせんの巻き方向と同じ回転方向の円偏光の一部を反射し、一部を透過する。以上の作用によって、このコレステリック液晶層は半透過反射層として機能する。
【0021】
本発明者は、反射型液晶表示装置において近年提案されているコレステリック液晶からなる反射層を用いた場合、液晶セルに入射させる光の偏光状態を楕円偏光とし、液晶層への選択電界印加時、非選択電界印加時のいずれかの時に楕円偏光状態の極性(回転方向)を反転させるように液晶モードを設定すれば、反射時と透過時で表示モードを同じにすることができ、表示原理的に透過モードが暗くならないようにできることを見い出した。また、透過表示時にコレステリック液晶の選択反射により下基板側に反射した光は、下基板の外面側の構成を従来と同じにしたままでも再利用できることを見い出した。これらの点に着目し、本発明の基本構成を提案するに到った。以下、本発明の液晶表示装置の表示原理と半透過反射層で反射した光を再利用できる理由を図4を用いて説明する。
【0022】
図4は本発明の液晶表示装置の表示原理を説明するための図である。
一対の透光性基板からなる上基板1と下基板2との間に液晶層3が挟持されて液晶セル4が構成されている。下基板2の内面側には、コレステリック液晶層8からなる半透過反射層7が設けられている。コレステリック液晶層8は、所定の波長帯域(色)、所定の回転方向を持つ円偏光を反射させ、残りの光を透過させるものであり、本説明では例えば任意の色の右回りの円偏光(以下、右円偏光という)を透過させるものとする。
【0023】
また、本発明の液晶表示装置は、液晶層3に対して上基板1側から楕円偏光を入射させる上基板側楕円偏光入射手段が設けられており、図4では一方向の直線偏光を透過する上偏光板9とこの上偏光板9を透過した直線偏光を円偏光に変換する上1/4波長板10とが上基板側楕円偏光入射手段を構成している。さらに、図4では液晶層3に対して下基板2側から楕円偏光を入射させる下基板側楕円偏光入射手段も設けられており、上基板1側と同様、下偏光板11と下1/4波長板12とが下基板側楕円偏光入射手段を構成している。ここでは、上基板側、下基板側ともに、偏光板9,11の透過軸を図4の紙面に平行な方向とし、この方向の直線偏光が1/4波長板10,12に入射された場合に右円偏光が出射されるものとする。
【0024】
液晶層3は、選択電界印加の有無により入射した円偏光の極性(回転方向)を反転させるものであり、例えば非選択電圧印加時(液晶OFF時)に液晶分子13が寝た状態でλ/2(λ:入射光の波長)の位相差を有するものとなり、したがって、入射した右円偏光は液晶層3透過後、左円偏光に変化し、左円偏光は右円偏光に変化する。一方、選択電圧印加時(液晶ON時)に液晶分子13が立った状態では位相差がなくなり、円偏光の極性(回転方向)は変化しない。
【0025】
図4に示す液晶表示装置において、反射モードの明表示を行う場合(図4の左端)には、上基板1の外側から入射した光は、上基板1上の上偏光板9を透過すると紙面に平行な偏光軸を有する直線偏光となり、次いで、上1/4波長板10を透過すると右円偏光となる。この時、液晶をON状態としておくと、上述のように円偏光の回転方向は変化しないので、液晶層3に右円偏光が入射された場合、この光が液晶層3を透過して半透過反射層7に到達しても右円偏光のままである。
【0026】
ここで、金属膜等を用いた従来の半透過反射層とコレステリック液晶を用いた本発明の半透過反射層との大きな違いは、金属膜からなる半透過反射層の場合は反射時に円偏光の回転方向が逆になるのに対して、コレステリック液晶を用いた半透過反射層の場合は反射時に円偏光の回転方向が変わらないという点である。したがって、右円偏光が下基板2上の半透過反射層7で反射した後、再び上基板1に向けて液晶層3を透過することになる。この時も液晶がON状態であるため、偏光状態は右円偏光のままで変わらない。その後、上1/4波長板10を透過することにより紙面に平行な偏光軸を有する直線偏光に変化し、この直線偏光は上偏光板9を透過できるので、外部(観察者側)へ戻り、明表示となる。
【0027】
逆に、反射モードの暗表示を行う場合(図4の右から2番目)には、液晶をOFF状態とすると、液晶層3がλ/2の位相差を持つため、上基板1側から入射した右円偏光は液晶層3を透過すると左円偏光となる。図4においては、半透過反射層7を構成するコレステリック液晶層8はあくまでも右円偏光を反射するため、左円偏光は半透過反射層7を透過する。その後、下1/4波長板12を透過すると紙面に垂直な偏光軸を有する直線偏光に変化し、この直線偏光は下偏光板11で吸収されるので、外部(観察者側)へは戻らず、暗表示となる。
【0028】
一方、透過モードでの表示を行う場合、バックライト等の照明装置14から出射された光が下基板2の外側から液晶セル4に入射し、この光が表示に寄与する光となる。透過モードの暗表示を行う場合(図4の右端)には、反射モード時とほぼ同様の作用が下基板2側から上基板1側に向けて生じることになる。すなわち、図4においては、下基板2側にも下偏光板11と下1/4波長板12が備えられているので、液晶層3に下基板2側から右円偏光が入射され、選択反射色以外の光と、選択反射色であってもらせんの巻き数が少ないために反射されなかった一部の光が半透過反射層7を透過する。ここで、液晶がOFF状態であれば、上基板1側に到達した時点で左円偏光となり、上1/4波長板10を透過すると紙面に垂直な偏光軸を有する直線偏光に変化し、この直線偏光は上偏光板9で吸収されるので、外部(観察者側)へは出射せず、暗表示となる。
【0029】
透過モードの明表示を行う場合(図4の左から2番目)には、下基板2側から入射する光は、下偏光板11を透過すると紙面に平行な偏光軸を有する直線偏光となり、次いで、下1/4波長板12を透過すると右円偏光となって出射される。この出射光のうちの選択反射色以外の光と、選択反射色であってもらせんの巻き数が少ないために反射されなかった一部の光がコレステリック液晶からなる半透過反射層7を透過することができ、液晶がON状態であれば、右円偏光がその偏光状態を維持したまま上基板1側に到達する。その後、右円偏光が上1/4波長板10を透過すると紙面に平行な偏光軸を有する直線偏光に変化し、この直線偏光は上偏光板9を透過できるので、外部(観察者側)へ戻り、明表示となる。
【0030】
一方、透過モードの明表示では、右円偏光のうち、選択反射色の光がコレステリック液晶からなる半透過反射層7で下側に向けて反射することになる。この際、上述したように、コレステリック液晶は反射円偏光の回転方向を変えないという性質を持っているので、反射光は右円偏光である。このため、その後、右円偏光が下1/4波長板12を透過すると紙面に平行な偏光軸を有する直線偏光になり、この直線偏光が紙面に平行な透過軸を有する下偏光板11を透過する。このようにして、下偏光板11の透過軸と同じ偏光軸を有する直線偏光が下基板2側から出射されると、この光が例えばバックライト等の照明装置14で反射し、液晶セル4側に再度導入されるので、表示に再利用することができる。
【0031】
なお、上では説明を省略したが、透過モードの暗表示の際にも選択反射色の右円偏光がコレステリック液晶からなる半透過反射層7で反射し、下基板2側から一旦液晶セル4の外部に出射された後、再度液晶セル4に導入されるが、この光はいずれにしろ上偏光板9で吸収されてしまうので、暗表示にとって特に支障はない。また、反射モードの明表示の際には上から入射した右円偏光の選択反射色以外の光が半透過反射層7を透過し、下基板2側から一旦液晶セル4の外部に出射された後、再度液晶セル4に導入される。この光は表示に寄与するので、反射モードの表示も明るく維持することができる。
【0032】
このように、本発明の液晶表示装置においては、反射時と透過時で同じ表示モードを用いることができ、特に透過モードの明表示に着目した場合、従来の半透過反射型液晶表示装置のように下基板側から入射した光の一部が上偏光板で吸収されることがなく、コレステリック液晶からなる半透過反射層を透過した光の多くが表示に寄与する。一方、コレステリック液晶からなる半透過反射層で反射した光は、表示に再利用することができる。すなわち、コレステリック液晶からなる半透過反射層を透過した円偏光を最大限に利用できることと、半透過反射層で反射した円偏光を表示に再利用できることの効果が相俟って、反射表示の明るさを維持しながら透過表示の明るさを従来より向上でき、視認性に優れた半透過反射型の液晶表示装置を実現することができる。
【0033】
なお、上の説明では、理想的な形態として上基板側、下基板側から導入する光をともに「(右)円偏光」としたが、上述した本発明の液晶表示装置の動作を実現するためには必ずしも完全な円偏光である必要はなく、広い意味で「楕円偏光」であればよい。
【0034】
以上、コレステリック液晶からなる半透過反射層が任意の色光を選択反射するものとして説明したが、実際の装置としては、金属膜を用いた従来の半透過反射層と同様、白色光を反射させる反射層とする場合には、例えば図9にそのスペクトルを示すように、選択反射波長(W1〜W6)を少しずつずらしたコレステリック液晶層を6〜7層程度積層し、可視光のほぼ全域にわたって右円偏光(または左円偏光)の一部を選択反射させる性質を持たせている。
【0035】
しかしながら、半透過反射層をこのように構成すると、コレステリック液晶層の層数が多いために、全体では10〜15μmもの膜厚が必要となる。コレステリック液晶層は比較的軟らかく、さほど強固な層でないため、部分的に強い圧力が加わるシール部分や実装部分ではこれをパターニングして取り除かなければならない。ところがその際、膜厚が厚いためにパターニング境界の段差が大きくなり、この段差部に跨って形成される配線が断線しやすくなったり、均一なセル厚が得られないことでコントラスト等の表示特性が低下するなどの不具合が生じていた。
【0036】
その点、本発明の液晶表示装置によれば、半透過反射層が、互いに補色の関係にある2色の光をそれぞれ選択反射させる2層のコレステリック液晶層から構成されているので、各コレステリック液晶層から反射する光が重畳されたときに無彩色(白色)となり、色付きのない反射光が得られる。そして、白色の反射光を得るために、従来のように6〜7層もの多くのコレステリック液晶層を積層する必要はなく、2層のコレステリック液晶層を積層すれば済むので、半透過反射層全体の膜厚を従来よりも薄くすることができる。その結果、段差部にかかる配線が切れやすくなる、均一なセル厚が得られず、コントラスト等の表示品位が低下する等の諸問題を解決することができる。
【0037】
前記上基板側楕円偏光入射手段および前記下基板側楕円偏光入射手段の具体的な形態として、一方向の直線偏光を透過する偏光板と、この偏光板を透過した直線偏光を楕円偏光に変換する位相差板とを有する構成とすることができる。
これら2つの光学部材を上基板側、下基板側のそれぞれに設置することによって、太陽光、照明光などの外光と照明装置(バックライト)からの照明光を容易に楕円偏光に変えることができ、本発明の液晶表示装置に好適なものとすることができる。
【0038】
前記位相差板としては、任意の位相差を持つものを適宜選択すればよいが、1/4波長板を用いることが望ましい。
1/4波長板を用いた場合、偏光板を出射した直線偏光を、広い意味での楕円偏光の中でも特に円偏光に変えることができるので、光の利用効率を最も高めることができ、より明るい表示の液晶表示装置を実現することができる。ただし、上基板側に設ける位相差板に色補償の機能も持たせたい場合には1/4波長板に限ることはなく、任意の位相差を持つ位相差板を選択すればよい。
【0039】
さらに、前記半透過反射層の上層側、下層側の少なくともいずれか一方に、異なる色の顔料を含む複数の色素層を有するカラーフィルターを設ける構成としてもよい。
上記のようなカラーフィルターを設けることによって、カラー表示が可能な液晶表示装置を実現することができる。特に半透過反射層の上層側に設けた場合、反射モード、透過モードともにカラー表示を実現することができる。半透過反射層の下層側にのみ設けた場合、透過モードをカラー表示とすることができる。半透過反射層の上層側、下層側の双方に設けてもよい。
【0040】
また、前記照明装置の発光スペクトルが複数のピーク波長を有し、いずれかのピーク波長間の谷間に位置する発光輝度が低い波長に、半透過反射層を構成する2層のコレステリック液晶層のいずれか一方の選択反射波長が重なっていることが望ましい。
上記の構成は、逆に言えば、2層のコレステリック液晶層の少なくともいずれか一方の選択反射波長が、発光スペクトルのピーク波長の部分に重ならないようにしたということである。この構成によれば、半透過反射層が発光スペクトルのピーク波長の部分を反射しないので、照明装置からの射出光が半透過反射層を有効に透過することができ、反射率を維持したままで透過率を向上させることができる。
【0041】
半透過反射層を構成する2層のコレステリック液晶層の反射率は如何ようにも設定することができるが、2層のコレステリック液晶層の反射率を意図的に異ならせてもよい。
この構成によれば、互いに補色の関係にある2色の色の組み合わせが変わっても、加法混色して確実に無彩色となるように調整することができる。
【0042】
本発明の電子機器は、上記本発明の液晶表示装置を備えたことを特徴とする。この構成によれば、透過モード時の表示も明るく、視認性に優れた液晶表示部を備えた電子機器を提供することができる。
【0043】
【発明の実施の形態】
[第1の実施の形態]
以下、本発明の第1の実施の形態を図1を参照して説明する。
図1は本実施の形態の液晶表示装置の断面構造を示す図であり、本実施の形態は半透過反射型カラー液晶表示装置の例である。なお、以下の図面においては、図面を見やすくするため、各構成要素の膜厚や寸法の比率などは適宜異ならせてある。
【0044】
本実施の形態の液晶表示装置20は、図1に示すように、液晶セル21とバックライト22(照明装置)とを備えたものである。液晶セル21は、下基板23と上基板24とが対向配置され、シール材25を介して貼り合わされている。これら上基板24と下基板23とシール材25とによって囲まれた空間に、位相差を例えばλ/2に設定したネマチック液晶などからなる液晶層26が封入されている。液晶セル21の後面側(下基板23の外面側)にバックライト22が配置されている。バックライト22は、白色LED(発光ダイオード)等からなる光源27、導光板28、反射板29などを備えている。
【0045】
ガラスやプラスチックなどの透光性材料からなる下基板23の内面側には、青色光(例えばピーク波長が450nm程度)を選択反射する第1のコレステリック液晶層35bと黄色光(例えばピーク波長が580nm程度)を選択反射する第2のコレステリック液晶層35yの2層からなる半透過反射層35が形成されている。第1のコレステリック液晶層35bは、例えば右円偏光のうちの青色光を選択反射し、他の色光および左円偏光は透過させるものであり、第2のコレステリック液晶層35yは、例えば右円偏光のうちの黄色光を選択反射し、他の色光および左円偏光は透過させるものである。これらコレステリック液晶層35b,35yは、液晶分子のらせんピッチに一致した波長の光を選択反射させるものである。例えばコレステリック液晶の組成や硬化させる際の紫外線強度、温度を変えることでらせんピッチを制御することができ、らせんピッチを450nm程度に制御すれば青色光を選択反射させるもの、580nm程度に制御すれば黄色光を選択反射させるものが得られる。
【0046】
図2は、上記の各コレステリック液晶層35b,35yからの反射光のスペクトルを示すものであり、横軸は波長、縦軸は右円偏光の反射率を示す。第1のコレステリック液晶層35bからの反射光のスペクトルが符号Wbで示すものであり、ピーク波長が約450nmである。第2のコレステリック液晶層35yからの反射光のスペクトルが符号Wyで示すものであり、ピーク波長が約580nmである。なお、符号WLで示すものは、バックライトの光源27として白色LEDを用いたときの発光スペクトルである。第1のコレステリック液晶層35bでの反射光の色と第2のコレステリック液晶層35yでの反射光の色とは補色の関係にあり、半透過反射層35全体としての反射光は、第1のコレステリック液晶層35bでの反射光と第2のコレステリック液晶層35yでの反射光とが加法混色されて無彩色(白色)の光となる。
【0047】
2層のコレステリック液晶層35b,35yからなる半透過反射層35の上層には、赤(R)、緑(G)、青(B)の異なる色の顔料を含む色素層31r,31g,31bを有する顔料カラーフィルター層32が形成され、その上を覆うオーバーコート層33が形成されている。本実施の形態の場合、顔料カラーフィルター層32は反射表示時、透過表示時の双方における色を形成するためのカラーフィルターとして機能する。これら顔料カラーフィルター層32の色素層31r,31g,31bの各色毎の平面的なパターン形状は、例えばストライプ状、モザイク状、デルタ状として知られる従来のカラーフィルターと同様のものを採用することができる。
【0048】
下基板23の内面側のオーバーコート層33の上層には、インジウム錫酸化物(Indium Tin Oxide, 以下、ITOと略記する)等の透明導電膜からなる下部電極37が形成され、その上にポリイミド等の樹脂からなる配向膜38が形成されている。
【0049】
一方、上基板24の内面側にも、ITO等の透明導電膜からなる上部電極39が形成され、その上にポリイミド等の樹脂からなる配向膜40が形成されている。これら下部電極37、上部電極39からなる電極構成には、薄膜トランジスタ(TFT)、薄膜ダイオード(TFD)等のスイッチング素子を用いたアクティブマトリクス方式、パッシブマトリクス方式のいずれも採用することができる。
【0050】
上基板24の外面側には、上位相差板42と上偏光板43(双方で上基板側楕円偏光入射手段を構成する)とが基板側からこの順に設けられている。一方、下基板23の外面側には、下位相差板44と下偏光板45(双方で下基板側楕円偏光入射手段を構成する)とが基板側からこの順に設けられている。これら位相差板42,44と偏光板43,45は、液晶層26に対して所定の回転方向を持つ円偏光を入射させるためのものであり、上位相差板42、下位相差板44としては、1/4波長板を用いるのが一般的である。ただし、特に上基板24側に設ける位相差板に色補償の機能も持たせたい場合には必ずしも1/4波長板を用いることはなく、任意の位相差を持つ位相差板を選択すればよい。
【0051】
上記構成の液晶表示装置20の表示原理については[課題を解決するための手段]の項で詳細に説明したので、ここでは省略する。上述したように、本実施の形態の液晶表示装置20によれば、反射時と透過時で同じ表示モードを用いることができ、特に透過モードの明表示に着目した場合、従来の半透過反射型液晶表示装置のように下基板側から入射した光の一部が上偏光板で吸収されることがなく、コレステリック液晶層35b,35yからなる半透過反射層35を透過した光の大部分が表示に寄与する。一方、コレステリック液晶層35b,35yからなる半透過反射層35で反射し、液晶層26に導入されなかった光は透過表示に再利用することができる。このように、コレステリック液晶層35b,35yからなる半透過反射層35を透過した円偏光を最大限に利用できることと、半透過反射層35で反射した円偏光を表示に再利用できることの効果が相俟って、反射表示の明るさを維持しながら透過表示の明るさを従来より向上でき、視認性に優れた半透過反射型の液晶表示装置を実現することができる。
【0052】
さらに本実施の形態の場合、半透過反射層35を構成する第1のコレステリック液晶層35bと第2のコレステリック液晶層35yの選択反射光が互いに補色の関係にあり、半透過反射層35全体として色付きのない白色反射光が得られるので、反射表示時の顔料カラーフィルター層32による色再現性を確保することができる。また逆に言えば、選択反射光が互いに補色の関係にあるということは各コレステリック液晶層35b,35yからの透過光も互いに補色の関係にあることになるので、色付きのない白色透過光が得られ、透過表示時にも顔料カラーフィルター層32による色再現性を確保することができる。
【0053】
また、白色光を得るために、従来のように6〜7層もの多くのコレステリック液晶層を積層する必要はなく、2層を積層すれば済むので、半透過反射層35全体の膜厚を従来よりも薄くすることができる。その結果、半透過反射層35端部の段差部にかかる配線が切れやすくなる問題、均一なセル厚が得られず、コントラスト等の表示品位が低下する問題等を解決することができる。
【0054】
本発明者の検討結果によれば、6〜7層のコレステリック液晶層を積層していた従来の半透過反射層の膜厚が10〜15μmであったのに対し、2層のコレステリック液晶層を積層した本実施の形態における半透過反射層の膜厚は4.5μmと薄くすることができた。特に本実施の形態では、補色の関係にある2色が比較的短波長側に位置しているため、コレステリック液晶層のらせんピッチを小さくすることができる結果、膜厚を特に薄くすることができる。また、本実施の形態の半透過反射層の外光の反射率は7%であり、バックライトからの白色LED光の透過率は12.6%であった。
【0055】
[第2の実施の形態]
以下、本発明の第2の実施の形態を図3を参照して説明する。
図3は本実施の形態の液晶表示装置に用いた2層のコレステリック液晶層の反射光のスペクトルを示す図であり、横軸は波長、縦軸は右円偏光の反射率を示す。本実施の形態の液晶表示装置の基本構成は第1の実施の形態と全く同様であり、第1の実施の形態と異なる点は各コレステリック液晶層の選択反射光の色を変えたことのみである。したがって、液晶表示装置の全体構成の説明は省略する。
【0056】
本実施の形態の液晶表示装置においては、下基板23の内面側にシアン色光(例えばピーク波長が500nm程度)を選択反射する第1のコレステリック液晶層と赤色光(例えばピーク波長が620nm程度)を選択反射する第2のコレステリック液晶層とからなる半透過反射層35が形成されている。第1のコレステリック液晶層は、例えば右円偏光のうちのシアン色光を選択反射し、他の色光および左円偏光は透過させるものであり、第2のコレステリック液晶層は、例えば右円偏光のうちの赤色光を選択反射し、他の色光および左円偏光は透過させるものである。これらコレステリック液晶層は、例えばコレステリック液晶を硬化させる際の紫外線強度や温度を変えることでらせんピッチを制御することができ、らせんピッチを500nm程度に制御すればシアン色光を選択反射させるもの、620nm程度に制御すれば赤色光を選択反射させるものが得られる。
【0057】
図3において、第1のコレステリック液晶層からの反射光のスペクトルが符号Wcで示すものであり、ピーク波長が約500nmである。第2のコレステリック液晶層からの反射光のスペクトルが符号Wrで示すものであり、ピーク波長が約620nmである。符号WLで示すものは、第1の実施の形態と同様、バックライトの光源27として白色LEDを用いたときの発光スペクトルである。第1のコレステリック液晶層での反射光の色と第2のコレステリック液晶層での反射光の色とは補色の関係にあり、半透過反射層全体としての反射光は、第1のコレステリック液晶層での反射光と第2のコレステリック液晶層での反射光とが加法混色されて無彩色(白色)の光となる。
【0058】
図3に示すように、バックライトの白色LEDの発光スペクトルは、450nm付近と550nm付近に2つのピーク波長を有している。そして、本実施の形態の場合、第1のコレステリック液晶層での反射光スペクトルWcのピーク波長は、白色LEDの発光スペクトルWLのピーク波長からずれており、2つのピーク波長間の谷間の発光輝度が低い波長帯域に位置している。また、第2のコレステリック液晶層での反射光スペクトルWrのピーク波長も、白色LEDの発光スペクトルWLのピーク波長からずれており、2つのピーク波長より長波長側の発光輝度が低くなる波長帯域に位置している。
【0059】
また、第1の実施の形態では、図2に示すように、第1のコレステリック液晶層での反射光(青色光)の反射率と第2のコレステリック液晶層での反射光(黄色光)の反射率とが50%程度でほぼ同等であった。これに対して、本実施の形態の場合、第2のコレステリック液晶層での反射光(赤色光)の反射率が50%程度であるのに対し、第1のコレステリック液晶層での反射光(シアン色光)の反射率が100%程度と大きく異なっている。
【0060】
本実施の形態においても、半透過反射層を構成する第1のコレステリック液晶層と第2のコレステリック液晶層の各選択反射光が互いに補色の関係にあり、色付きのない白色光が得られ、そのために2層を積層すれば済むので、半透過反射層の膜厚を薄くできる結果、半透過反射層端部にかかる配線の断線の問題や、コントラスト等の表示品位の低下の問題を解決することができる、という第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0061】
さらに本実施の形態においては、第1、第2のコレステリック液晶層の選択反射波長がバックライトの白色LEDの発光スペクトルのピーク波長からずれているので、半透過反射層が発光スペクトルのピーク波長の部分を反射せず、バックライトからの射出光が半透過反射層を有効に透過することができ、反射率を維持したままで透過率を向上させることができる。また、第1のコレステリック液晶層の反射率と第2のコレステリック液晶層の反射率を意図的に異ならせたことによって、これらコレステリック液晶層からの反射光を加法混色して確実に無彩色となるように調整することができる。
【0062】
本発明者の検討結果によれば、2層のコレステリック液晶層を積層した本実施の形態の半透過反射層の膜厚は5.0μmと薄くすることができた。また、本実施の形態の半透過反射層の外光の反射率は7%であり、バックライト光の透過率は13.3%であった。反射率は第1の実施の形態と同じになるように設計しているが、バックライト光の透過率が第1の実施の形態よりも高まったのは、上述したように、第1、第2のコレステリック液晶層の選択反射波長をバックライトの白色LEDの発光スペクトルのピーク波長からずらしたためである。
【0063】
[電子機器]
上記実施の形態の液晶表示装置を備えた電子機器の例について説明する。
図5は、携帯電話の一例を示した斜視図である。図5において、符号1000は携帯電話本体を示し、符号1001は上記の液晶表示装置を用いた液晶表示部を示している。
【0064】
図6は、腕時計型電子機器の一例を示した斜視図である。図6において、符号1100は時計本体を示し、符号1101は上記の液晶表示装置を用いた液晶表示部を示している。
【0065】
図7は、ワープロ、パソコンなどの携帯型情報処理装置の一例を示した斜視図である。図7において、符号1200は情報処理装置、符号1202はキーボードなどの入力部、符号1204は情報処理装置本体、符号1206は上記の液晶表示装置を用いた液晶表示部を示している。
【0066】
図5〜図7に示す電子機器は、上記実施の形態の液晶表示装置を用いた液晶表示部を備えているので、透過モードでも明るい表示が得られ、あらゆる使用環境で視認性に優れた液晶表示部を備えた電子機器を実現することができる。
【0067】
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。例えば上記実施の形態では、楕円偏光入射手段として偏光板と1/4波長板とを用いたが、液晶層に対して楕円偏光を入射できるものであれば、その他の光学部材を用いてもよい。また、本発明においては、液晶層に円偏光を入射させて表示に利用するのが理想的であるが、必ずしも完全な円偏光に限ることはなく、光の利用効率が多少低下するのを許容すれば、楕円偏光を用いることもできる。
【0068】
また、上記実施の形態では、2層のコレステリック液晶層の反射光の色が青色と黄色の組み合わせ、シアン色と赤色の組み合わせの場合を例示したが、互いに補色の関係にあればその他の任意の組み合わせとしてもよい。さらに、下偏光板と下位相差板(1/4波長板)との間に1/2波長板を挿入してもよい。1/2波長板を挿入した場合、より広い波長帯域で円偏光を得ることができる。また、液晶層は誘電率異方性が負の液晶を垂直配向しても、高コントラストの好ましい表示が得られる。
【0069】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、反射時と透過時で同じ表示モードを用いることができ、特に透過モードでは、従来の半透過反射型液晶表示装置のように下基板側から入射した光の一部が上偏光板で吸収されることがなく、コレステリック液晶からなる半透過反射層を透過した光の大部分が表示に寄与する。一方、コレステリック液晶からなる半透過反射層で反射し、液晶層に導入されなかった下基板側からの光は透過表示に再利用することができる。このようにして、反射表示の明るさを維持しながら透過表示の明るさを従来より向上でき、視認性に優れた半透過反射型の液晶表示装置を実現することができる。さらに、半透過反射層として2層のコレステリック液晶層を積層すれば済むので、半透過反射層の膜厚を従来よりも薄くでき、半透過反射層端部の段差部にかかる配線の断線の問題、コントラスト等の表示品位の低下の問題を解決することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る液晶表示装置の断面構造を示す図である。
【図2】同、液晶表示装置の半透過反射層を構成する2層のコレステリック液晶層の反射光スペクトルを示す図である。
【図3】本発明の第2の液晶表示装置の半透過反射層を構成する2層のコレステリック液晶層の反射光スペクトルを示す図である。
【図4】上記第1の実施の形態に相当する液晶表示装置の表示原理を説明するための模式図である。
【図5】本発明に係る電子機器の一例を示す斜視図である。
【図6】本発明に係る電子機器の他の例を示す斜視図である。
【図7】本発明に係る電子機器のさらに他の例を示す斜視図である。
【図8】従来の液晶表示装置の一例を示す断面図である。
【図9】従来の液晶表示装置の半透過反射層を構成する複数のコレステリック液晶層の反射光スペクトルを示す図である。
【符号の説明】
1,24 上基板
2,23 下基板
3,26 液晶層
4,21 液晶セル
7,35 半透過反射層
8,35b,35y コレステリック液晶層
9,43 上偏光板(上基板側楕円偏光入射手段)
10,42 上位相差板(上基板側楕円偏光入射手段)
11,45 下偏光板(下基板側楕円偏光入射手段)
12,44 下位相差板(下基板側楕円偏光入射手段)
20 液晶表示装置
22 バックライト(照明装置)
31r,31g,31b 色素層
32 顔料カラーフィルター層
35 半透過反射層

Claims (7)

  1. 互いに対向配置された上基板と下基板との間に液晶層が挟持された液晶セルを有する液晶表示装置であって、
    前記下基板の内面側に、所定の回転方向を持つ楕円偏光のうちの一部を反射させ、一部を透過させるコレステリック液晶層を有する半透過反射層が設けられ、前記液晶セルに対して前記下基板側から光を入射させる照明装置が備えられ、前記液晶層に対して前記上基板側から楕円偏光を入射させる上基板側楕円偏光入射手段と前記下基板側から楕円偏光を入射させる下基板側楕円偏光入射手段とが設けられるとともに、前記液晶層が、選択電界印加状態、非選択電界印加状態のいずれか一方の状態において入射した楕円偏光の極性を反転させ、他方の状態において極性を変えない機能を有し、前記半透過反射層が、互いに補色の関係にある2色の光をそれぞれ選択反射させる2層のコレステリック液晶層からなることを特徴とする液晶表示装置。
  2. 前記上基板側楕円偏光入射手段および前記下基板側楕円偏光入射手段が、一方向の直線偏光を透過する偏光板と、該偏光板を透過した直線偏光を楕円偏光に変換する位相差板とを有することを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
  3. 前記位相差板が1/4波長板であることを特徴とする請求項2に記載の液晶表示装置。
  4. 前記半透過反射層の上層側、下層側の少なくともいずれか一方に、異なる色の複数の色素層を有するカラーフィルターが設けられたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の液晶表示装置。
  5. 前記照明装置の発光スペクトルが複数のピーク波長を有し、いずれかのピーク波長間の谷間の発光輝度が低い波長に、前記2層のコレステリック液晶層の少なくともいずれか一方の選択反射波長が重なっていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載の液晶表示装置。
  6. 前記2層のコレステリック液晶層の反射率を異ならせたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一項に記載の液晶表示装置。
  7. 請求項1ないし6のいずれか一項に記載の液晶表示装置を備えたことを特徴とする電子機器。
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