JP2004097905A - 椅子の洗浄装置 - Google Patents

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Seiji Naito
内藤 誠治
Masaki Takatsuji
高辻 雅紀
Tomoaki Yoshida
吉田 智昭
Atsushi Kato
加藤 篤
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Tokai Kiki Kogyo Co Ltd
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Tokai Kiki Kogyo Co Ltd
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Abstract

【課題】洗浄水の拭取り作業を簡単に行うことができる椅子の洗浄装置を提供すること。
【解決手段】洗浄室4内には上ノズル42が装着されており、車椅子100は上ノズル42から洗浄水が噴射されることに基づいて水流で洗浄される。この構成の場合、車椅子100を座部104および背もたれ部105の双方が水平線に対して傾斜した姿勢で洗浄しているので、座部104および背もたれ部105に噴射された洗浄水が傾斜に沿って落下する。このため、座部104および背もたれ部105に洗浄水が残り難くなるので、洗浄水の拭取り作業や乾燥作業が簡単になる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、洗浄室内に椅子を収納して洗浄する椅子の洗浄装置に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
上記洗浄装置には洗浄室内の椅子に洗浄水を噴射し、椅子を水流で洗浄する構成のものがある。この構成の場合、椅子のうち平坦度が高い座面や背もたれ面に洗浄水が残るので、洗浄水の拭取り作業や乾燥作業が面倒だった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、洗浄水の拭取り作業等を簡単に行うことができる椅子の洗浄装置を提供することにある。
【0003】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、椅子を傾斜状態に保持する保持手段を設け、椅子の洗浄時の姿勢を傾斜させるところに特徴を有する。この傾斜姿勢とは座部および背もたれ部の双方が水平線に対して傾斜した姿勢を称するものであり、椅子の洗浄は椅子に洗浄水を噴射することに基づいて水流で行われる。
請求項1に係る発明によれば、椅子のうち平坦度が高い座部および背もたれ部の双方が水平線に対して傾斜するので、座部および背もたれ部に噴射された洗浄水が傾斜に沿って落下する。このため、座部および背もたれ部に洗浄水が残り難くなるので、洗浄水の拭取り作業や乾燥作業が簡単になる。
【0004】
請求項2に係る発明は、椅子を洗浄室内に前向きに収納し、椅子の脚乗せ部を保持手段に引掛けることに基づいて椅子を傾斜姿勢に保持するところに特徴を有する。
請求項2に係る発明によれば、例えば車椅子を下記▲1▼〜▲3▼の手順で洗浄室内に傾斜状態に収納することができるので、車椅子の収納作業が簡単になる。
▲1▼車椅子の取手を掴持し、車椅子を後方から洗浄室内に押込む。
▲2▼車椅子の取手を押し下げ、脚乗せ部を持ち上げる。
▲3▼車椅子の脚乗せ部を保持手段に引掛け、車椅子を傾斜姿勢に保持する。
【0005】
請求項3に係る発明は、噴射手段から熱消毒温度に加熱された洗浄水を噴射するところに特徴を有する。この熱消毒温度とは化学薬品等を用いることなく熱で十分な殺菌・滅菌・除菌を行うことが可能な温度であり、具体的には「80°C」以上を熱消毒温度と称する。
請求項3に係る発明によれば、熱消毒温度に加熱された洗浄水が椅子に噴射されるので、化学薬品を用いることなく椅子を消毒することができる。
【0006】
請求項4に係る発明は、噴射手段として径方向へ移動しながら洗浄水を噴射する回転ノズルを用い、回転ノズルを直動機構および揺動機構により直線運動および揺動運動させるところに特徴を有する。
請求項4に係る発明によれば、噴射手段を3種類の異なる軌跡で変位させながら椅子に洗浄水を噴射することができるので、少数の噴射手段で椅子の全域に細部に渡って洗浄水を噴射できる。このため、噴射手段の配管経路が簡単になるので、洗浄水の圧力損失が少なくなる。従って、椅子に対する洗浄水の噴射圧が高まるので、総じて、椅子の全体を細部に渡って綺麗に洗浄することができる。
【0007】
請求項5に係る発明は、噴射手段を椅子の奥行き方向に沿って揺動させながら幅方向に沿って往復動させるところに特徴を有する。
請求項5に係る発明によれば、噴射手段が往復動することに基づいて椅子の同一部分に洗浄水を複数回に渡って噴射する。このため、椅子にこびりついた頑固な汚れも落とすことができるので、椅子の洗浄能力が高まる。
【0008】
請求項6に係る発明は、噴射手段を椅子の肘乗せ部上で直動停止させ、直動停止状態で揺動させるところに特徴を有する。
請求項6に係る発明によれば、噴射手段が椅子の肘乗せ部上で揺動したまま直動停止し、肘乗せ部に洗浄水が集中噴射される。このため、汚れの付着度が高い肘乗せ部の洗浄時間が局部的に長くなるので、肘乗せ部を残りの部分と同様の綺麗な洗浄状態に仕上げることができる。
【0009】
請求項7に係る発明は、操作手段の操作内容に応じて噴射手段の往復動回数を設定するところに特徴を有する。
請求項7に係る発明によれば、椅子の汚れ具合が通常であるときには噴射手段の往復動回数を少値に設定し、短時間で椅子を洗浄することができる。また、椅子の汚れ具合が酷いときには噴射手段の往復動回数を多値に設定し、椅子を綺麗な仕上がり状態に洗浄することができる。従って、使用者が椅子の汚れ具合に応じて適切な洗浄コースを選択できるので、使い勝手が向上する。
【0010】
請求項8に係る発明は、洗剤噴射手段を用いて椅子に洗剤水を噴射した後に噴射手段を用いて洗浄水を噴射するところに特徴を有する。尚、洗剤水とは洗剤分を含有する水を称している。
請求項8に係る発明によれば、椅子に洗剤水が噴射されることに基づいて汚れ成分が化学的に落ち易くされた後に水流で洗浄されるので、椅子の洗浄能力が高まる。
【0011】
請求項9に係る発明によれば、椅子に洗剤水を噴射してから設定時間が経過した後に洗浄水を噴射するところに特徴を有する。
請求項9に係る発明によれば、洗剤水が椅子の汚れ成分に作用するのに十分な時間が経過してから洗浄水が噴射されるので、椅子の洗浄能力が一層高まる。
【0012】
請求項10に係る発明によれば、椅子に洗剤水を噴射する前に洗浄水を噴射するところに特徴を有する
請求項10に係る発明によれば、洗剤水の噴射が椅子の湿潤状態で行われる。このため、椅子に対する洗剤水の拡散効果が高まり、洗剤水が椅子全域の汚れ成分に作用するようになるので、椅子の全域を綺麗な仕上がり状態に洗浄することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
(1)洗浄装置の概略構成について
洗浄装置は車椅子100を洗浄するものである。この車椅子100は、図12に示すように、椅子本体101の左右両側部に径大な後輪102および径小な前輪103を装着してなるものであり、椅子本体101は座者の臀部を支える座部104と背中を支える背もたれ部105と両脚を支える脚乗せ部106と肘を支える2つの肘乗せ部107と2つの取手部108とを有している。
【0014】
車椅子100は左右方向に幅広な使用状態から左右方向に幅狭な収納状態に折畳み可能にされたものであり、車椅子100を洗浄するには洗浄状態に折畳んで洗浄装置内に投入する。この洗浄状態とは使用状態および収納状態の途中状態を称するものであり、車椅子100は両車輪102をガイドにあてがうことに基づいて洗浄状態に保持される。また、車椅子100の投入は前向き状態で行われるものであり、車椅子100は洗浄装置内に前向きに投入された状態で傾斜姿勢に保持され、傾斜姿勢で洗浄される。この傾斜姿勢とは座部104および背もたれ部105の双方が水平線に対して傾斜する状態を称するものであり、傾斜状態では両肘乗せ部107も水平線に対して傾斜する。
【0015】
洗浄装置は内部の車椅子100を水流で洗浄するものであり、水流生成手段として2本のノズルを有している。一方のノズルは左右方向へ直線的に移動しながら車椅子100に上方から洗浄水を噴射するものであり、一方のノズルの左右方向への直線運動は原則的に前後方向への首振り運動を伴って行われる。この一方のノズルは直動アクチュエータおよび揺動アクチュエータに機械的に連結されており、一方のノズルの直線運動および首振り運動は専用の駆動源により独立して行われる。
【0016】
他方のノズルは垂直な軸を中心に水平方向へ回転しながら車椅子100に下方から洗浄水を噴射するものであり、両ノズル用の洗浄水としては熱消毒温度に加熱された水が使用される。この熱消毒温度とは化学薬品等の添加物に依存することなく熱によって滅菌・殺菌・除菌を行い得る温度を称するものであり、具体的には「80°C」以上を称する。
【0017】
(2)洗浄装置の詳細構成について
キャビネット1の下面には、図1に示すように、複数のキャスター2が固定されている。これら各キャスター2のベースにはロックボルト3が螺合されており、キャビネット1はロックボルト3を緩めて床面に押し付けることに基づいて固定される。このキャビネット1は前面が開口する矩形箱状をなすものであり、キャビネット1内には、図3に示すように、右側部および左側部に位置して洗浄室4および機械室5が形成されている。これら洗浄室4および機械室5の前端部にはドア6およびドア7が回動可能に装着されており、洗浄室4の前面および機械室5の前面はドア6およびドア7の回動操作に基づいて開閉される。
【0018】
洗浄室4は車椅子100を洗浄状態に折畳んで前向きに収納する密閉空間に相当するものであり、洗浄室4内の左右両側部には、図2に示すように、複数のスペーサ8を介して底板9が固定されている。これら両底板9は複数の貫通孔を有するパンチングメタル状をなすものであり、両底板9上には車椅子100の両後輪102が載置される。また、各底板9の上面にはL字状の位置決めガイド10が固定されており、車椅子100は両後輪102を両位置決めガイド10にあてがうことに基づいて左右方向に位置決めされ且つ洗浄状態に保持される。これら両位置決めガイド10の前端部には、図3に示すように、傾斜状の車輪ガイド11が形成されており、車椅子100は両後輪102を両車輪ガイド11から両位置決めガイド10に沿わせて洗浄室4内に収納される。
【0019】
洗浄室4内の後端部には円筒状のパイプ12が固定されている。このパイプ12は保持手段に相当するものであり、車椅子100は、図1に示すように、脚載せ部106をパイプ12に引掛けることに基づいて傾斜状態に保持される。この傾斜状態とは座部104および背もたれ部105の双方が水平線に対して傾斜する収納状態を称するものであり、車椅子100は力学的な釣合いで傾斜状態に保持される。
【0020】
洗浄室4内の左側部には、図2に示すように、底板9の下方に位置して給水管13が固定されており、給水管13の先端部には中空状の噴射アーム14が装着されている。この噴射アーム14は、図3に示すように、車椅子100の収納状態で座部104の下方に位置するものであり、垂直線を中心に回動可能にされている。この噴射アーム14は給水管13を通して洗浄水が与えられるものであり、噴射アーム14の両端部には下ノズル15が固定されている。これら各下ノズル15は噴射アーム14内の洗浄水を同一の斜め上方へ向けて噴射するものであり、噴射アーム14は両下ノズル15からの噴水力で一定方向へ回転することに基づいて車椅子100の全域に下方から洗浄水を噴射する。
【0021】
洗浄室4内の天井部には、図2に示すように、給水管16が固定されており、給水管16の先端部には洗剤噴射手段に相当する洗剤ノズル17が固定されている。この洗剤ノズル17は、図3に示すように、車椅子100の収納状態で座部104の上方に位置するものであり、車椅子100には給水管16から洗剤ノズル17を通して上方から洗剤水が噴射される。尚、洗剤水とは洗剤分を含んだ水を称する。
【0022】
洗浄室4内の天井部には、図3に示すように、左右両側部に位置して軸受18が装着されており、両軸受18には送りねじ軸19の左右両端部が装着されている。この送りねじ軸19は水平線を中心に回転可能にされたものであり、送りねじ軸19の左端部には、図4に示すように、従動歯車20が固定されている。また、洗浄室4の上面には送りモータ21が固定されている。この送りモータ21は減速ギア機構を内蔵するギアドモータからなるものであり、送りモータ21の回転軸には主動歯車22が固定されている。
【0023】
主動歯車22と従動歯車20との間にはチェーン23が掛渡されており、送りモータ21の駆動時には送りモータ21の回転力が主動歯車22からチェーン23を通して従動歯車20に伝達され、送りねじ軸19が回転する。この送りねじ軸19には、図3に示すように、送り軸ナット24が螺合されており、送り軸ナット24には平板状のノズルベース25が固定されている。
【0024】
洗浄室4内の天井部には左右両側部に位置して軸受26が装着されており、両軸受26には案内軸27の左右両端部が装着されている。この案内軸27は断面正方形状をなすものであり、送りねじ軸19に対して平行な水平線を中心に回転可能にされている。また、ノズルベース25には、図4に示すように、円形状のガイド孔28が形成されている。このガイド孔28内には案内軸27が回動可能およびスライド可能に嵌合されており、送りねじ軸19の回転時にはノズルベース25が案内軸27に沿って左右方向へ移動する。
【0025】
洗浄室4の上面には送りモータ21の前方に位置して揺動モータ29が固定されている。この揺動モータ29は減速ギア機構を内蔵するギアドモータからなるものであり、揺動モータ29の回転軸にはクランク30の一端部が回動可能に装着されている。このクランク30の他端部にはクランクロッド31の一端部が回動可能に装着されており、クランクロッド31の他端部にはクランクアーム32の一端部が回動可能に装着されている。このクランクアーム32の他端部には案内軸27が固定されており、揺動モータ29の駆動時には案内軸27がガイド孔28の内周面に案内されることに基づいて前後方向へ揺動する。
【0026】
ノズルベース25の右側面には、図1に示すように、主動ギア33が回動可能に装着されており、主動ギア33には正方形状の貫通孔が形成されている。この主動ギア33の貫通孔内には案内軸27がスライド可能および回動不能に嵌合されており、主動ギア33は送りモータ21が駆動することに基づいてノズルベース25と一体的に左右方向へ移動し、揺動モータ29が駆動することに基づいて案内軸27と一体的に回動する。
【0027】
ノズルベース25の右側面には主動ギア33の下方に位置して従動ギア34が軸35を中心に回動可能に装着されている。この従動ギア34は主動ギア33に噛合されたものであり、揺動モータ29が駆動することに基づいて回動する。この従動ギア34にはアーム36が形成されており、アーム36の下端部には給水管37が連結片38を介して連結されている。この給水管37は従動ギア34に対して同軸状に回動可能にされたものであり、揺動モータ29が駆動することに基づいてアーム36と一体的に前後方向へ揺動する。尚、一点鎖線L1およびL2は給水管37の揺動限度位置を示している。
【0028】
給水管37には、図2に示すように、スイベルジョイント39が装着されている。このスイベルジョイント39には高圧ホース40が接続されており、給水管37には高圧ホース40を通して洗浄水が与えられる。また、給水管37の下端部には円筒状の噴射ケース41が接続されており、噴射ケース41の下面には噴射手段および回転ノズルに相当する上ノズル42が装着されている。この上ノズル42は噴射ケース41の垂直な軸心線を中心に回動可能にされたものであり、噴射ケース41の軸心線に対して位置ずれした外周部に配置されている。この上ノズル42は噴射ケース41内の洗浄水を斜め下方へ向って噴射するものであり、洗浄水の噴水力で噴射ケース41の軸心線を中心に径方向へ移動する。
【0029】
尚、図4の符号70は送りねじ軸19,従動歯車20,送りモータ21,主動歯車22,チェーン23,送り軸ナット24,案内軸27を有する直動機構を示している。この直動機構70は、上述の説明から明らかなように、上ノズル42を車椅子100の幅方向に沿って直線的に移動操作するものであり、送りモータ21は直動機構70の駆動源に相当する。また、符号80は案内軸27,揺動モータ29,クランク30,クランクロッド31,クランクアーム32,主動ギア33,従動ギア34を有する揺動機構を示している。この揺動機構80は、上述の説明から明らかなように、上ノズル42を車椅子100の奥行き方向に沿って揺動操作するものであり、揺動モータ29は揺動機構80の駆動源に相当する。
【0030】
キャビネット1の底板には、図1に示すように、排水口43が固定されている。この排水口43には排水管44が接続されており、両下ノズル15から噴射された洗浄水,洗剤ノズル17から噴射された洗剤水,上ノズル42から噴射された洗浄水は排水口43から排水管44を通して機外へ排出される。また、機械室5内には洗剤ポンプ45(図11参照)が収納されている。この洗剤ポンプ45は洗剤ノズル17の給水管16に接続されたものであり、洗剤ポンプ45の駆動時には給水管16から洗剤ノズル17に洗剤水が供給され、洗剤ノズル17から車椅子100に洗剤水が噴射される。
【0031】
機械室5内には加熱器(図示せず)が収納されている。この加熱器は灯油を燃料として洗浄水を加熱する灯油ボイラーからものであり、洗浄水は加熱器により熱消毒温度内の高値(具体的には110°C程度)に加熱される。また、機械室5内には洗浄ポンプ46(図11参照)が収納されている。この洗浄ポンプ46は加熱器が加熱した洗浄水を昇圧して吐出するものであり、洗浄ポンプ46の吐出口には下ノズルバルブ47(図11参照)を介して両下ノズル15の給水管13が接続され、しかも、上ノズルバルブ48(図11参照)を介して上ノズル42の高圧ホース40が接続されている。
【0032】
下ノズルバルブ47および上ノズルバルブ48はソレノイドバルブからなるものであり、下ノズルバルブ47の開放状態では洗浄ポンプ46から両下ノズル15に洗浄水が供給され、両下ノズル15から車椅子100に洗浄水が噴射される。また、上ノズルバルブ48の開放状態では洗浄ポンプ46から上ノズル42に洗浄水が供給され、上ノズル42から車椅子100に洗浄水が噴射される。この洗浄ポンプ46から両下ノズル15および上ノズル42に供給される洗浄水は供給経路を流通する間に自然冷却されるものであり、両下ノズル15および上ノズル42からは温度降下に拘らず熱消毒温度「80°C」にキープされた洗浄水が噴射される。
【0033】
ノズルベース25には、図3に示すように、アーム状のスイッチレバー49が固定されており、ノズルベース25が右方の前進端に到達したときにはスイッチレバー49の右端部が前進端スイッチ50のプランジャを押圧操作し、ノズルベース25が左方の後退端に到達したときにはスイッチレバー49の左端部が後退端スイッチ51のプランジャを押圧操作する。これら前進端スイッチ50および後退端スイッチ51は常閉形のリミットスイッチからなるものであり、スイッチレバー49により押圧操作されることに基づいてオン状態からオフ状態に切換わる。
【0034】
送りねじ軸19および案内軸27には、図3に示すように、機械室5内に位置して円板状のロータ52が固定されており、各ロータ52には1個のスリットが径方向に等ピッチで形成されている。また、機械室5内には送り軸センサ53(図11参照)および案内軸センサ54(図11参照)が固定されている。これら送り軸センサ53および案内軸センサ54は光電スイッチからなるものであり、送り軸センサ53は送りねじ軸19用のロータ52のスリットを検出することに基づいてパルス信号を出力し、案内軸センサ54は案内軸27用のロータ52のスリットを検出することに基づいてパルス信号を出力する。
【0035】
機械室5内には、図11に示すように、マイクロコンピュータを主体に構成された制御装置55が収納されている。この制御装置55の出力側には駆動回路56を介して送りモータ21,揺動モータ29,洗剤ポンプ45,洗浄ポンプ46,下ノズルバルブ47,上ノズルバルブ48が電気的に接続されており、制御装置55は送りモータ21〜上ノズルバルブ48を駆動回路56を通して駆動制御する。
【0036】
制御装置55の入力側には検出回路57を介して前進端スイッチ50および後退端スイッチ51が電気的に接続されており、制御装置55は前進端スイッチ50および後退端スイッチ51のオフを検出回路57を通して検出することに基づいて上ノズル42が前進端および後退端に到達したことを検出する。尚、制御装置55は駆動制御手段および運転制御手段に相当するものである。
【0037】
制御装置55の入力側には検出回路57を介して送り軸センサ53および案内軸センサ54が電気的に接続されており、制御装置55は送り軸センサ53からのパルス信号をカウントすることに基づいて上ノズル42の左右方向への移動位置を検出し、案内軸センサ54からのパルス信号をカウントすることに基づいて上ノズル42の前後方向への首振り回数を検出する。
【0038】
制御装置55には検出回路57を介してスタートスイッチ58が電気的に接続されている。このスタートスイッチ58はキャビネット1に装着された自己復帰形のプッシュスイッチからなるものであり、制御装置55はスタートスイッチ58からのオン信号を検出回路57を通して検出することに基づいて洗浄コースとして普通コースを設定し、普通コースで洗浄運転を開始する。
【0039】
制御装置55には検出回路57を介して丁寧スイッチ59が電気的に接続されている。この丁寧スイッチ59はキャビネット1に装着された自己復帰形のプッシュスイッチからなるものであり、制御装置55は丁寧スイッチ59からのオン信号を検出回路57を通して検出することに基づいて洗浄コースとして丁寧コースを設定し、丁寧コースで洗浄運転を開始する。尚、符号90はスタートスイッチ58および丁寧スイッチ59を有する操作手段を示している。
【0040】
制御装置55には検出回路57を介して非常停止スイッチ60が電気的に接続されている。この非常停止スイッチ60はキャビネット1に装着された自己復帰形のプッシュスイッチからなるものであり、制御装置55は非常停止スイッチ60からのオン信号を検出回路57を通して洗浄運転中に検出することに基づいて洗浄運転を停止する。
【0041】
(3)洗浄装置の操作方法について
車椅子100を洗浄するには洗浄室4のドア6を開放し、洗浄室4内に車椅子100を洗浄状態に折畳んで前向きに収納し、ドア6を閉鎖する。このとき、車椅子100の脚乗せ部106をパイプ12に引掛け、車椅子100の姿勢を傾斜させる。次に、スタートスイッチ58または丁寧スイッチ59を押圧操作すると、制御装置55が送りモータ21,揺動モータ29,洗剤ポンプ45,洗浄ポンプ46,下ノズルバルブ47,上ノズルバルブ48を駆動制御し、車椅子100の洗浄運転を全自動で行う。
【0042】
(4)洗浄装置の洗浄工程について
制御装置55のROMには制御プログラムが記録されており、制御装置55のCPUはスタートスイッチ58または丁寧スイッチ59のオンを検出すると、送りモータ21〜上ノズルバルブ48を制御プログラムに基づいて駆動制御することに伴い車椅子100の洗浄運転を普通コースおよび丁寧コースで実行する。この洗浄運転は、図5に示すように、ステップS1の湿潤工程とステップS2の洗剤噴射工程とステップS3の上洗浄工程とステップS4の下洗浄工程とを有するものであり、普通コースおよび丁寧コースの相違点は上洗浄工程の繰返し回数Nmaxにある。
【0043】
(4−1)湿潤工程について
湿潤工程は車椅子100に下ノズル15および上ノズル42の双方から熱消毒温度の洗浄水(温水と称する)を噴射することに基づいて車椅子100を湿らせるものであり、洗剤水を車椅子100に噴射したときの洗剤水の分散性を高めることを主目的として行われる。
制御装置55のCPUは、図6のステップS11で上ノズルバルブ48を開放し、ステップS12で下ノズルバルブ47を開放する。そして、ステップS13で洗浄ポンプ46を駆動することに基づいて上ノズル42および下ノズル15から温水を噴射し、ステップ14で暖気時間(具体的には5sec)の経過の有無を判断する。この暖気時間はステップS13で洗浄ポンプ46をオンしてからの経過時間を称するものであり、洗浄ポンプ46から熱消毒温度の洗浄水が安定して吐出されるのに要する時間を称する。
【0044】
CPUはステップS14で暖気時間の経過を判断すると、ステップS15で送りモータ21を正転させ、ステップS16で揺動モータ29を正転させる。これら送りモータ21および揺動モータ29の正転は予め設定された一定速度で行われるものであり、送りモータ21および揺動モータ29の正転状態では上ノズル42が左方の後退端から右方へ直線的に移動しながら前後方向へ揺動し、車椅子100に上ノズル42から首振り前進状態で温水が噴射され、しかも、下ノズル15から温水が噴射される。
【0045】
CPUはステップS17で前進端スイッチ50のオフを検出すると、ステップS18で送りモータ21を駆動停止することに基づいて上ノズル42の前進動作を停止させる。この状態では揺動モータ29および洗浄ポンプ46が駆動しており、車椅子100には上ノズル42から首振り状態で温水が噴射され、下ノズル15から温水が噴射される。
【0046】
CPUはステップS19へ移行すると、制動時間(具体的には2sec)の経過の有無を判断する。この制動時間はステップS18で送りモータ21を断電してから送りモータ21の惰性回転が完全停止するまでに要する時間を称するものであり、CPUは制動時間の経過を判断したときにはステップS20で送りモータ21を設定速度で逆転させる。すると、上ノズル42が左方へ直線的に移動しながら前後方向へ揺動し、車椅子100に上ノズル42から首振り後退状態で温水が噴射され、しかも、下ノズル15から温水が噴射される。
【0047】
CPUはステップS21で後退端スイッチ51のオフを検出すると、ステップS22で送りモータ21を駆動停止することに基づいて上ノズル42の後退動作を停止し、ステップS23で揺動モータ29を駆動停止することに基づいて上ノズル42の揺動動作を停止する。そして、ステップS24で洗浄ポンプ46をオフし、ステップS25およびS26で上ノズルバルブ48および下ノズルバルブ47を閉鎖することに基づいて上ノズル42からの噴水動作および下ノズル15からの噴水動作を停止する。
【0048】
CPUはステップS27へ移行すると、制動時間(具体的には2sec)の経過の有無を判断する。この制動時間はステップS23で揺動モータ29を断電してからの経過時間を称するものであり、送りモータ21および揺動モータ29の双方の惰性回転が完全停止するまでに要する時間を称する。
【0049】
(4−2)洗剤噴射工程について
洗剤噴射工程は湿潤工程で湿り気が付与された車椅子100に洗剤水を噴射するものであり、制御装置55のCPUは図6のステップS27で制動時間の経過を検出すると、図7のステップS31へ移行し、洗剤ポンプ45をオンすることに基づいて上方から車椅子100に洗剤水を噴射する。そして、ステップS32へ移行し、洗剤噴射時間(具体的には8sc)の経過の有無を判断する。この洗剤噴射時間はステップS31で洗剤ポンプ45をオンしてからの経過時間を称するものであり、CPUは洗剤噴射時間の経過を検出したときにはステップS33へ移行し、洗剤ポンプ45をオフすることに基づいて洗剤水の噴射動作を停止する。
【0050】
CPUはステップS34へ移行すると、汚れ落ち時間(具体的には120sec)の経過の有無を判断する。この汚れ落ち時間はステップS33で洗剤ポンプ45をオフしてからの経過時間を称するものであり、洗剤水中の洗剤分が車椅子100の汚れに作用し、上洗浄工程および下洗浄工程で汚れが車椅子100から十分に落ちる程度に汚れを分離させるための待機時間に相当する。
【0051】
(4−3)上洗浄工程について
上洗浄工程は車椅子100に上ノズル42から温水を噴射し、車椅子100を上方からの水流で洗浄するものである。この上洗浄工程は洗浄コースの選択結果に応じた回数Nmaxだけ繰返し行われるものであり、普通コースの選択時には繰返し回数Nmaxが「1回」に設定され、丁寧コースの選択時には繰返し回数Nmaxが「2回」に設定される。
【0052】
制御装置55のCPUは図7のステップS34で汚れ落ち時間の経過を判断すると、図8ステップS41で上ノズルバルブ48を開放し、ステップS42で洗浄ポンプ46をオンすることに基づいて上ノズル42から温水を噴射する。そして、ステップS43で揺動モータ29を設定速度で正転させ、ステップS44で送りモータ21を設定速度で正転させる。すると、上ノズル42が前後方向へ首振りしながら右方へ前進し、車椅子100に温水が上方のみから首振り前進状態で噴射される。
【0053】
CPUはステップS45へ移行すると、カウンタNaの計測値を設定値N1と比較する。このカウンタNaはCPUが送り軸センサ53からのパルス信号を検出する毎に割込みプログラムを起動し、割込みプログラムの中で加算するものであり、設定値N1は上ノズル42が前進途中で車椅子100の左側の肘乗せ部107の真上に到達したことを判定するための判定値である。
【0054】
CPUはステップS45で「Na=N1」を検出したときにはステップS46で送りモータ21を駆動停止する。この状態では上ノズル42が左側の肘乗せ部107の真上で前進停止し、左側の肘乗せ部107に沿って前後方向へ揺動することに基づいて左側の肘乗せ部107に温水を集中噴射する。
【0055】
CPUはステップS47へ移行すると、カウンタNcの計測値を設定値N11と比較する。このカウンタNcはCPUが案内軸センサ54からのパルス信号を検出する毎に割込みプログラムを起動し、割込みプログラムの中で加算するものであり、設定値N11は上ノズル42が車椅子100の左側の肘乗せ部107上で直動停止しながら揺動する集中噴射回数を判定するための判定値である。
【0056】
CPUはステップS47で「Nc=N11」を検出すると、上ノズル42の集中噴射回数が設定値に達したと判定する。そして、ステップS48で送りモータ21を設定速度で正転させることに基づいて上ノズル42の前進動作を再開し、車椅子100に温水を上方から首振り前進状態で噴射する。次に、ステップS49へ移行し、カウンタNaの計測値を設定値N2と比較する。この設定値N2は上ノズル42が前進途中で車椅子100の右側の肘乗せ部107の真上に到達したことを判定するための判定値であり、CPUは「Na=N2」を検出したときにはステップS50で送りモータ21を駆動停止する。この状態では上ノズル42が右側の肘乗せ部107の真上で前進停止し、右側の肘乗せ部107に沿って揺動することに基づいて右側の肘乗せ部107に温水を集中噴射する。
【0057】
CPUはステップS51へ移行すると、カウンタNcの計測値を設定値N12と比較する。この設定値N12は上ノズル42が車椅子100の右側の肘乗せ部107上で設定回数だけ揺動したことを判定するための判定値であり、CPUは「Nc=N12」を検出したときには上ノズル42の集中噴射回数が設定値に達したと判定する。そして、ステップS52で送りモータ19を設定速度で正転させ、上ノズル42の前進動作を再開することに基づいて車椅子100に温水を上方から首振り前進状態で噴射する。次に、ステップS53で前進端スイッチ50のオフを検出したときにはステップS54で送りモータ21を駆動停止し、上ノズル42を前進停止状態で揺動させながら車椅子100に上方から温水を噴射する。
【0058】
CPUはステップS55へ移行すると、制動時間(具体的には2sec)の経過の有無を判断する。この制動時間はステップS54で送りモータ21を断電してから送りモータ21の惰性回転が完全停止するまでに要する時間であり、CPUは制動時間の経過を判断したときにはステップS56で送りモータ21を設定速度で逆転させる。すると、上ノズル42が左方へ直線的に移動しながら前後方向へ揺動し、車椅子100に温水が上方から首振り後退状態で噴射される。
【0059】
CPUはステップS57へ移行すると、カウンタNaの計測値を設定値N3と比較する。この設定値N3は上ノズル42が後退途中で車椅子100の右側の肘乗せ部107の真上に到達したことを判定するための判定値であり、CPUは「Na=N3」を検出したときにはステップS58で送りモータ21を駆動停止する。この状態では上ノズル42が右側の肘乗せ部107の真上で前進停止し、右側の肘乗せ部107に沿って首振りしながら温水を集中噴射する。
【0060】
CPUはステップS59へ移行すると、カウンタNcの計測値を設定値N13と比較する。この設定値N13は上ノズル42が車椅子100の右側の肘乗せ部107上で設定回数だけ揺動したことを判定するための判定値であり、CPUは「Nc=N13」を検出したときには上ノズル42の集中噴射回数が設定値に達したと判定する。そして、ステップS60で送りモータ21を設定速度で逆転させることに基づいて上ノズル42の後退動作を再開し、車椅子100に温水を上方から首振り後退状態で噴射する。
【0061】
CPUは図9のステップS61へ移行すると、カウンタNaの計測値を設定値N4と比較する。この設定値N4は上ノズル42が後退途中で車椅子100の左側の肘乗せ部107の真上に到達したことを判定するための判定値であり、CPUは「Na=N4」を検出したときにはステップS62で送りモータ21を駆動停止する。この状態では上ノズル42が左側の肘乗せ部107の真上で後退停止し、左側の肘乗せ部107に沿って首振りしながら温水を集中噴射する。
【0062】
CPUはステップS63へ移行すると、カウンタNcの計測値を設定値N14と比較する。この設定値N14は上ノズル42が車椅子100の左側の肘乗せ部107上で設定回数だけ揺動したことを判定するための判定値であり、CPUは「Nc=N14」を検出したときには上ノズル42の集中噴射回数が設定値に達したと判定する。そして、ステップS64で送りモータ21を設定速度で逆転させることに基づいて上ノズル42の後退動作を再開し、車椅子100に温水を上方から首振り後退状態で噴射する。
【0063】
CPUはステップS65で後退端スイッチ51のオフを検出すると、ステップS66で揺動モータ29を駆動停止することに基づいて上ノズル42の揺動動作を停止し、ステップS67で送りモータ21を駆動停止することに基づいて上ノズル42の後退動作を停止する。そして、ステップS68へ移行し、制動時間(具体的には2sec)の経過の有無を判断する。この制動時間はステップS67で送りモータ21を断電してから送りモータ21の惰性回転が完全停止するまでに要する時間であり、CPUは制動時間の経過を判断したときにはステップS69でカウンタNbに「1」を加算し、ステップS70でカウンタNbの計測結果を上限値Nmaxと比較する。ここで「Nb=Nmax」を検出したときにはステップS71へ移行し、上ノズルバルブ48を閉鎖する。また、「Nb<Nmax」を検出したときには図8のステップS43に復帰し、ステップS43〜S70を繰返す。
【0064】
(4−4)下洗浄工程について
下洗浄工程は下ノズル15を単独使用し、車椅子100に下方から温水を噴射するものであり、制御装置55のCPUは図10のステップS81へ移行すると、下ノズルバルブ47を開放することに基づいて温水の流通経路を上ノズル42から下ノズル15に切換え、車椅子100に下ノズル15から温水を噴射する。
【0065】
CPUはステップS82へ移行すると、下洗浄時間(具体的には120sec)の経過の有無を判断する。この下洗浄時間はステップS81で下ノズルバルブ47を開放してからの経過時間を称するものであり、CPUは下洗浄時間の経過を検出すると、ステップS83で洗浄ポンプ46をオフし、ステップS84で下ノズルバルブ47を閉鎖することに基づいて下ノズル15からの温水噴射動作を停止し、洗浄運転を終える。
【0066】
上記実施例によれば、車椅子100のうち平坦度が高い座部104および背もたれ部105の双方を水平線に対して傾斜させたので、座部104および背もたれ部105に噴射された洗浄水が傾斜に沿って落下する。このため、座部104および背もたれ部105に洗浄水が残り難くなるので、洗浄水の拭取り作業や乾燥作業が簡単になる。
【0067】
また、車椅子100を洗浄室4内に前向きに収納し、車椅子100の脚乗せ部106をパイプ12に引掛けることに基づいて車椅子100を傾斜姿勢に保持した。このため、車椅子100を下記▲1▼〜▲3▼の手順で洗浄室4内に傾斜状態に収納することができるので、車椅子100の収納作業が簡単になる。
▲1▼車椅子100の取手部108を把持し、車椅子100を洗浄室4内に押込む。車椅子100の取手部108を押し下げ、脚乗せ部106を持ち上げる。  車椅子100の脚乗せ部106をパイプ12に引掛け、車椅子100を傾斜姿勢に保持する。
【0068】
また、下ノズル15および上ノズル42から熱消毒温度に加熱された洗浄水を噴射したので、化学薬品を用いることなく車椅子100を消毒できる。
また、径方向へ移動しながら洗浄水を噴射する回転形の上ノズル42を用い、上ノズル42を直線運動および揺動運動させることに基づいて3種類の異なる軌跡で変位させながら車椅子100に洗浄水を噴射したので、1個の上ノズル42で車椅子100の全域に細部に渡って洗浄水を噴射できる。このため、上ノズル42の配管経路が簡単になるので、洗浄水の圧力損失が少なくなる。従って、車椅子100に対する洗浄水の噴射圧が高まるので、総じて、車椅子100の全体を細部に渡って綺麗に洗浄することができる。
【0069】
また、上ノズル42を車椅子100の奥行き方向に沿って揺動させながら幅方向に沿って往復動させ、車椅子100の同一部分に洗浄水を複数回に渡って噴射した。このため、車椅子100にこびりついた頑固な汚れも落とすことができるので、車椅子100の洗浄能力が高まる。
また、上ノズル42を車椅子100の肘乗せ部107上で揺動させたまま直動停止させ、肘乗せ部107に洗浄水を集中噴射した。このため、汚れの付着度が高い肘乗せ部107の洗浄時間が局部的に長くなるので、肘乗せ部107を残りの部分と同様の綺麗な洗浄状態に仕上げることができる。
【0070】
また、スタートスイッチ58および丁寧スイッチ59のいずれが操作されたかに応じて上ノズル42の往復動回数を少値および多値に選択的に設定した。このため、車椅子100の汚れ具合が通常であるときにはスタートスイッチ58を操作することに基づいて上ノズル42の往復動回数を少値に設定し、短時間で車椅子100を洗浄することができる。また、車椅子100の汚れ具合が酷いときには丁寧スイッチ59を操作することに基づいて上ノズル42の往復動回数を多値に設定し、車椅子100を綺麗な仕上がり状態に洗浄することができる。従って、使用者が車椅子100の汚れ具合に応じて適切な洗浄コースを選択できるので、使い勝手が向上する。
【0071】
また、洗剤ノズル17を用いて車椅子100に洗剤水を噴射した後に上ノズル42を用いて洗浄水を噴射した。このため、洗剤水の噴射に基づいて車椅子100の汚れ成分が化学的に落ち易くされた後に水流で洗浄されるので、車椅子100の洗浄能力が高まる。
また、車椅子100に洗剤水を噴射してから汚れ落ち時間が経過した後に洗浄水を噴射した。このため、洗剤水が車椅子100の汚れ成分に作用するのに十分な時間が経過してから洗浄水が噴射されるので、車椅子100の洗浄能力が一層高まる。
また、車椅子100に洗剤水を噴射する前に洗浄水を噴射したので、洗剤水の噴射が車椅子100の湿潤状態で行われる。このため、車椅子100に対する洗剤水の拡散効果が高まり、洗剤水が車椅子100の全域の汚れ成分に作用するようになるので、車椅子100の全域を綺麗な仕上がり状態に洗浄することができる。
【0072】
尚、上記実施例においては、洗浄室4内の車椅子100に下方から洗浄水を噴射する下ノズル15を設けたが、これに限定されるものではなく、例えば下ノズル15を廃止しても良い。
また、上記実施例においては、洗浄室4内の車椅子100に洗剤水を噴射する洗剤ノズル17を設けたが、これに限定されるものではなく、例えば洗剤ノズル17を廃止し、車椅子100を水流だけで洗浄しても良い。
【0073】
また、上記実施例においては、洗浄室4内の車椅子100に洗浄水を噴射する噴射手段として上ノズル42を用いたが、これに限定されるものではなく、例えば側方から洗浄水を噴射するノズルを用いても良い。
また、上記実施例においては、車椅子100の脚乗せ部107をパイプ12に引掛けることに基づいて車椅子100を傾斜姿勢に保持したが、これに限定されるものではなく、例えば洗浄室4の室壁に複数のバンドを装着し、車椅子100に複数のバンドを巻付けることに基づいて車椅子100を洗浄室4の室壁に傾斜姿勢に固定する構成としても良い。
【0074】
また、上記実施例においては、車椅子100を洗浄室4内に前向きに投入する構成としたが、これに限定されるものではなく、例えば後向きに投入したり、横向きに投入しても良い。この場合、洗浄室4内にパイプ12等の姿勢保持手段を設け、車椅子100の姿勢を傾斜状態に保持することが好ましい。
また、上記実施例においては、上ノズル42および下ノズル15から熱消毒温度に加熱された洗浄水を噴射する構成としたが、これに限定されるものではなく、例えば熱消毒温度を下回る温度の洗浄水を噴射しても良い。
【0075】
また、上記実施例においては、上ノズル42を噴射ケース41に対して径方向へ回転させたが、これに限定されるものではなく、例えば噴射ケース41に移動不能に固定しても良い。
また、上記実施例においては、上ノズル42を車椅子100の幅方向に沿って直線的に移動操作する直動機構70および奥行き方向に沿って揺動操作する揺動機構80を設けたが、これに限定されるものではなく、例えば車椅子100の幅方向および奥行き方向に沿って直線的に移動操作するXY移動機構を設けても良い。
【0076】
また、上記実施例においては、洗浄室4内の天井部に1個の上ノズル42を移動可能に設けたが、これに限定されるものではなく、例えばマトリクス状に配列された複数のノズルを移動不能に固定しても良い。
また、上記実施例においては、スタートスイッチ58および丁寧スイッチ59のどちらが操作されたかに応じて上ノズル42の往復動回数を少値および多値に選択的に設定したが、これに限定されるものではなく、例えば上ノズル42の往復動回数を洗浄回数スイッチの操作回数に応じて設定しても良い。
また、上記実施例においては、洗浄対象物として車椅子100を例示したが、これに限定されるものではなく、例えば健常者が着座する家庭用の椅子,オフィス用の椅子であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す図(洗浄室の内部構成を示す側面図)
【図2】洗浄室の内部構成を示す前面図
【図3】洗浄室の内部構成を天板の除去状態で示す上面図
【図4】上ノズルの駆動機構を示す側面図
【図5】制御装置の制御内容を示すフローチャート(運転工程の概要を示す図)
【図6】制御装置の制御内容を示すフローチャート(湿潤工程を示す図)
【図7】制御装置の制御内容を示すフローチャート(洗剤噴射工程を示す図)
【図8】制御装置の制御内容を示すフローチャート(上洗浄工程の前半部を示す図)
【図9】制御装置の制御内容を示すフローチャート(上洗浄工程の後半部を示す図)
【図10】制御装置の制御内容を示すフローチャート(下洗浄工程を示す図)
【図11】電気的構成を示すブロック図
【図12】車椅子を折畳み状態で示す図(aは側面図、bは前面図、cは上面図)
【符号の説明】
4は洗浄室、12はパイプ(保持手段)、17は洗剤ノズル(洗剤噴射手段)、42は上ノズル(噴射手段,回転ノズル)、55は制御装置(駆動制御手段,運転制御手段)、70は直動機構、80は揺動機構、90は操作手段、100は車椅子(椅子)、104は座部、105は背もたれ部、106は脚乗せ部、107は肘乗せ部を示している。

Claims (10)

  1. 椅子が収納される洗浄室と、
    前記洗浄室内の椅子に洗浄水を噴射する噴射手段と、
    前記洗浄室内の椅子を一定の姿勢に保持する保持手段とを備え、
    前記保持手段は、椅子を座部および背もたれ部の双方が水平線に対して傾斜した姿勢に保持することを特徴とする椅子の洗浄装置。
  2. 保持手段は、洗浄室内に前向きに収納される椅子の脚乗せ部が引掛けられるものであることを特徴とする請求項1記載の椅子の洗浄装置。
  3. 噴射手段は、熱消毒温度に加熱された洗浄水を椅子に噴射することを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の椅子の洗浄装置。
  4. 噴射手段は、径方向へ移動しながら洗浄水を噴射する回転ノズルからなり、
    前記回転ノズルは、前記回転ノズルを椅子の幅方向に沿って直線的に移動操作する直動機構および椅子の奥行き方向に沿って揺動操作する揺動機構に機械的に連結されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の椅子の洗浄装置。
  5. 直動機構と揺動機構とを駆動制御する駆動制御手段を備え、前記駆動制御手段は、前記噴射手段を椅子の奥行き方向に沿って揺動させながら椅子の幅方向に沿って往復動させることを特徴とする請求項4記載の椅子の洗浄装置。
  6. 駆動制御手段は、噴射手段が椅子の肘乗せ部上に到達することに基づいて噴射手段を直動停止状態で揺動させることを特徴とする請求項5記載の椅子の洗浄装置。
  7. 洗浄コースを指定する操作手段を備え、
    駆動制御手段は、前記操作手段の操作内容に応じて噴射手段の往復動回数を設定することを特徴とする請求項5〜6記載のいずれかに記載の椅子の洗浄装置。
  8. 椅子に洗剤水を噴射する洗剤噴射手段と、
    洗浄運転を制御する運転制御手段とを備え、
    前記運転制御手段は、前記洗剤噴射手段を用いて椅子に洗剤水を噴射した後に噴射手段を用いて洗浄水を噴射することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の椅子の洗浄装置。
  9. 運転制御手段は、椅子に洗剤水を噴射してから設定時間が経過するまで待機した後に洗浄水を噴射することを特徴とする請求項8記載の椅子の洗浄装置。
  10. 運転制御手段は、椅子に洗剤水を噴射する前に噴射手段を用いて洗浄水を噴射することを特徴とする請求項8〜9のいずれかに記載の椅子の洗浄装置。
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